JP4952850B2 - 多気筒内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、多気筒内燃機関に適用され、各気筒に供給される混合気の空燃比の不均衡(空燃比気筒間インバランス、空燃比気筒間ばらつき、気筒間における空燃比の不均一性)が過度に大きくなったことを判定(監視・検出)することができる「多気筒内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置」に関する。
従来からよく知られている電子制御式燃料噴射装置を搭載した多気筒内燃機関は、各気筒に連通した吸気ポート(又は各気筒の燃焼室)に一つの燃料噴射弁を備えている。更に、この種の内燃機関は排気通路に三元触媒と空燃比センサとを備えている。そして、電子制御式燃料噴射装置は、空燃比センサの出力値に基づいて算出される空燃比フィードバック量により、機関全体に供給される混合気の空燃比の平均が理論空燃比に一致するように「各燃料噴射弁から噴射される燃料の量」を制御している。
ところで、ある特定の気筒の燃料噴射弁の特性が「指示された燃料噴射量よりも過大な量の燃料を噴射する特性」となると、その特定の気筒に供給される混合気の空燃比のみが大きくリッチ側に変化する。即ち、気筒間における空燃比の不均一性(空燃比気筒間ばらつき、空燃比の気筒間インバランス)が大きくなる。換言すると、複数の気筒のそれぞれに供給される混合気の空燃比(気筒別空燃比)の間に不均衡が生じる。
この場合、機関に供給される混合気の空燃比の平均は、理論空燃比よりもリッチ側の空燃比となる。従って、空燃比センサの出力値に基づいて算出される空燃比フィードバック量により上記特定の気筒の空燃比は理論空燃比に近づけられるようにリーン側へと変更される。但し、その特定の気筒の空燃比は依然として理論空燃比よりも相当にリッチ側の空燃比である。更に、他の気筒(特定気筒以外の気筒)の空燃比は空燃比フィードバック量により理論空燃比から遠ざけられるようにリーン側へと変更させられる。このとき、他の気筒の気筒数は特定気筒の気筒数(1気筒)よりも多いので、他の気筒の空燃比は理論空燃比よりも僅かにリーン側の空燃比へと変更させられる。その結果、機関に供給される混合気の全体の空燃比の平均は略理論空燃比に一致させられる。
しかしながら、上記特定の気筒の空燃比は依然として理論空燃比よりもリッチ側の空燃比となり、残りの気筒の空燃比は理論空燃比よりもリーン側の空燃比となるから、各気筒における混合気の燃焼状態は完全燃焼(混合気の空燃比が理論空燃比である場合の燃焼)とは相違した燃焼状態となる。この結果、各気筒から排出されるエミッションの量(未燃物の量及び窒素酸化物の量)が増大する。このため、機関に供給される混合気の空燃比の平均が理論空燃比であったとしても、増大したエミッションを三元触媒が浄化しきれず、結果として、エミッションが悪化する虞がある。従って、気筒間における空燃比の不均一性が過大になっていることを検出し、何らかの対策を講じさせるようにすることはエミッションを悪化させないために重要である。
このような「気筒間における空燃比の不均一性(空燃比気筒間インバランス、気筒別空燃比の間の不均衡)」が過大になったか否かを判定する従来の装置(空燃比気筒間インバランス判定装置)の一つは、排気集合部に配設された単一の空燃比センサの出力を分析することにより、各気筒の空燃比を表す気筒別推定空燃比を取得する。そして、従来の装置は、気筒別推定空燃比を用いて「気筒間における空燃比の不均一性」が過大になったか否かを判定するようになっている(例えば、特開2000−220489号公報を参照。)。
しかしながら、上記従来の装置は、機関の回転とともに変動する排ガスの空燃比を空燃比センサによって短時間の経過毎に検出しなければならない。このため、非常に応答性の良い空燃比センサが必要である。更に、空燃比センサが劣化すると応答性が低下するから、各気筒の空燃比を精度良く推定することができないという問題が生じる。加えて、空燃比の変動をノイズと分離することも容易ではない。また、高速のデータサンプリング技術及び処理能力の高い高性能のCPUが必要である。このように、上記従来の装置は多くの解決すべき課題を有する。これに対し、各気筒の排気ポート又は排気ポートに接続されたエキゾーストマニホールドの枝部(エキゾーストマニホールドの集合部よりも上流側の部分)にそれぞれ空燃比センサを配設すれば、気筒別空燃比を取得することができる。しかしながら、そのような装置は多数の空燃比センサ(気筒数分の複数の空燃比センサ)を必要とする。
本発明は上記課題に対処するためになされたものである。従って、本発明の目的の一つは、「気筒間における空燃比の不均一性」が過大になったか否かを判定することができる「実用性の高い空燃比気筒間インバランス判定装置」を提供することにある。
本発明による空燃比気筒間インバランス判定装置は、弁駆動装置を有する気筒を複数備えた多気筒内燃機関に適用される。
前記弁駆動装置は、弁動作状態と弁休止状態との何れかの状態を指示に応じて選択的に実現する装置である。
弁動作状態は、吸気行程において「燃焼室に連通した吸気ポートを通して燃焼室内に少なくとも新気(吸気ポートに燃料が噴射される場合、混合気)を吸入させるように吸気弁を開閉する」とともに、排気行程において「燃焼室内のガスを燃焼室に連通した排気ポートへと排出させるように排気弁を開閉する」状態である。
弁休止状態は、「前記吸気弁及び前記排気弁のうちの少なくとも一方の弁」が「前記吸気行程及び前記排気行程を含む総ての行程(即ち、クランク軸が720°クランク角回転する期間)」において「閉弁状態を維持する」状態である。換言すると、弁休止状態は、新たなガス(排気ポートに一旦排出されたガス以外のガス)が排気ポートに排出されないように「前記吸気弁及び前記排気弁のうちの少なくとも一方の弁」を不作動状態にする状態である。
更に、本発明による空燃比気筒間インバランス判定装置が適用される内燃機関は、
「前記複数の気筒のうちの少なくとも二以上の気筒からなる特定気筒群に属する総ての気筒」のそれぞれの排気ポートに連通し、その特定気筒群に属する総ての気筒のそれぞれの燃焼室から排出されたガスが集合する排気集合部と、
前記排気集合部に連通し同排気集合部よりも下流側の排気通路を構成する主排気通路部と、
前記主排気通路部に介装された触媒(例えば、三元触媒)と、
を備える。
そして、本発明による空燃比気筒間インバランス判定装置は、空燃比センサと、機関制御手段と、気筒別空燃比データ取得手段と、空燃比気筒間インバランス判定手段と、を備える。
前記空燃比センサは、「前記排気集合部」又は「前記排気集合部と前記触媒との間における前記主排気通路部」に配設される。前記空燃比センサは、その空燃比センサが配設された部位に存在するガスの空燃比に応じた出力値を発生するようになっている。
前記機関制御手段は、所定運転実行条件(例えば、フューエルカット実行条件)が成立していないとき、前記特定気筒群に属する総ての気筒の状態が前記弁動作状態となるように前記特定気筒群に属する気筒の前記弁駆動装置に指示を与えるようになっている。
更に、前記機関制御手段は、前記所定運転条件が成立した時点よりも後の第1所定時点以降において、「前記特定気筒群に属する気筒の状態」が「前記機関の点火順序」に応じて順番に「前記弁動作状態から前記弁休止状態へと変化する」ように、前記特定気筒群に属する気筒の前記弁駆動装置に指示を与えるようになっている。
前記気筒別空燃比データ取得手段は、「前記所定運転実行条件が成立することにより前記特定気筒群に属する総ての気筒が前記弁休止状態になった時点」以降の第2所定時点において、前記空燃比センサの出力値に基づく値を、「前記特定気筒群に属する気筒のうちの最後に前記弁休止状態となった気筒(即ち、最終ガス排出気筒)」の燃焼室に供給された混合気の空燃比に関連するデータ(即ち、空燃比関連データ)として取得するようになっている。
前記空燃比気筒間インバランス判定手段は、前記気筒別空燃比データ取得手段により「前記空燃比関連データが前記特定気筒群に属する総ての気筒のそれぞれに対して得られた時点」以降において、その取得された複数の空燃比関連データに基づいて「前記特定気筒群に属する気筒のそれぞれの燃焼室に供給される混合気の空燃比」の間に「不均衡が生じているか否か」を判定するようになっている。
これによれば、所定運転実行条件が成立すると、その後の第1所定時点以降において、「特定気筒群に属する気筒の状態」が弁動作状態から弁休止状態へと点火順序に応じた順にて変更されて行く。弁休止状態となった気筒の燃焼室からは新たなガスが排出されない。従って、前記特定気筒群に属する総ての気筒が前記弁休止状態になった時点から所定時間が経過した第2所定時点になると、空燃比センサが配設された部位(即ち、「排気集合部」又は「排気集合部と触媒との間における主排気通路部」)に存在するガスは、実質的に「最後に弁休止状態となった気筒(即ち、最終ガス排出気筒)の燃焼室から排出されたガス」を主たる成分とするガスになる。
従って、第2所定時点において前記空燃比センサの出力値に基づく値は、「最終ガス排出気筒」の燃焼室に供給された混合気の空燃比に関連するデータ(空燃比関連データ)となる。気筒別空燃比データ取得手段は、この第2所定時点において前記空燃比センサの出力値に基づく値を「最終ガス排出気筒に対する空燃比関連データ」として取得する。なお、「空燃比センサの出力値に基づく値」とは、空燃比センサの出力値そのものであってもよく、空燃比センサの出力値に基づいて得られる空燃比であってもよい。
一方、所定運転実行条件は機関のクランク角とは無関係なタイミングにて成立する。従って、機関が継続して運転されることによって十分な回数だけ所定運転実行条件が成立すると、空燃比関連データは前記特定気筒群に属する総ての気筒のそれぞれに対して得られる。或いは、後述するように、機関制御手段により、前記特定気筒群に属する総ての気筒のそれぞれに対して空燃比関連データができるだけ早期に得られるように、又は、空燃比関連データが出来るだけ特定の気筒に偏って得られることがないように、空燃比関連データを取得する気筒であるデータ取得気筒(即ち、最終ガス排出気筒となるべき気筒)を変更してもよい。そして、空燃比気筒間インバランス判定手段は、前記空燃比関連データが前記特定気筒群に属する総ての気筒のそれぞれに対して得られた時点以降において、それらの取得された複数の空燃比関連データに基づいて「空燃比気筒間インバランスが発生しているか否か」を判定する。
このように、本発明によれば、各気筒に供給される空燃比に応じたデータ(空燃比関連データ)を確実に取得することができるので、実用性の高い空燃比気筒間インバランスが提供される。
前記機関制御手段は、前記所定運転条件としてフューエルカット実行条件を採用することができる。
この場合、前記機関制御手段は、
(1)フューエルカット実行条件が成立していないとき、前記特定気筒群に属するそれぞれの気筒に対する燃料の噴射を、それぞれの気筒の吸気行程終了前の所定の燃料噴射タイミングにて行い、
(2)フューエルカット実行条件が成立した時点よりも後の前記第1所定時点以降においては、前記特定気筒群に属するそれぞれの気筒に対する前記所定の燃料噴射タイミングでの前記燃料の噴射を順に停止するとともに、その燃料の噴射が停止された気筒の状態を前記弁動作状態から前記弁休止状態へと変化させる、
ように構成され得る。
燃料噴射が停止された気筒の状態が「弁動作状態から弁休止状態」へと変更されたとしても、燃焼が発生することはないので、機関の運転上問題が生じることはない。従って、上記構成によれば、機関の運転に支障をきたすことなく、空燃比関連データを取得することができる。更に、フューエルカット実行中において新気が触媒に流入しないので、触媒の劣化が進行することを抑制することができる。なお、「前記特定気筒群に属するそれぞれの気筒に対する前記所定の燃料噴射タイミングでの前記燃料の噴射を順に停止する」ことは、前記第1所定時点以降において前記特定気筒群に属する総ての気筒に対する燃料噴射を停止することと同義である。但し、本明細書及び添付の請求の範囲においては、本来の燃料噴射タイミングにて燃料噴射が行われないことを燃料噴射が停止されたと表現している。
この場合、前記機関制御手段は、前記フューエルカット実行条件が成立したとき、前記特定気筒群に属する気筒の中から前記空燃比関連データを取得するべき気筒であるデータ取得気筒を決定するデータ取得気筒決定手段を含むことが好適である。更に、前記機関制御手段は、前記決定されたデータ取得気筒が前記最終ガス排出気筒となるように、前記特定気筒群に属するそれぞれの気筒に対する前記所定の燃料噴射タイミングでの前記燃料の噴射を順に停止するように構成されること(そのように前記弁駆動装置に指示を与えること)が好適である。
前述したようにフューエルカット実行条件は、機関のクランク角とは無関係なタイミングにて成立する。従って、機関が継続して運転されることによって十分な回数だけフューエルカット実行条件が成立すると、空燃比関連データは前記特定気筒群に属する総ての気筒のそれぞれに対して得られる。しかしながら、フューエルカット実行条件が成立するタイミングが「ある特定の気筒が最終ガス排出気筒となるタイミング」となる場合が偏って発生することもある。
そこで、上記構成のように、フューエルカット実行条件が成立したとき、データ取得気筒を決定するデータ取得気筒決定手段を備えることにより、各気筒について互いに同等の頻度にて空燃比関連データを得ることが可能となる。
その結果、空燃比気筒間インバランスの判定可能時期を早めることができる。或いは、ある気筒の空燃比関連データの平均値をその気筒の燃焼室に供給されていた混合気の空燃比(気筒別空燃比)として求め、その気筒別空燃比を比較することにより空燃比気筒間インバランスの判定を行う場合には、気筒別空燃比の信頼性を各気筒間において互いに等しくなるように高めることができる。
更に、前記データ取得気筒決定手段は、
前記特定気筒群に属するそれぞれの気筒に対する前記空燃比関連データの取得回数に基づいて前記データ取得気筒を決定するように構成されることが好ましい。
この態様によれば、各気筒に対する空燃比関連データの取得頻度の差をより確実に小さくすることができる。
更に、前記データ取得気筒決定手段は、
「前記フューエルカット実行条件が成立した時点から前記特定気筒群に属するそれぞれの気筒の前記所定の燃料噴射タイミングまでの時間」に応じた時間関連値に基づいて、前記データ取得気筒を決定するように構成されることが好ましい。
例えば、フューエルカット実行条件が成立した時点において、次に燃料噴射タイミングが到来する気筒から燃料噴射を停止して行けば、フューエルカット実行条件が成立した時点から最終ガス排出気筒の燃料噴射を停止する時点までの時間は最短になる。しかしながら、データ取得気筒がそのように定まる最終ガス排出気筒とは相違する場合、フューエルカット実行条件が成立した時点から最終ガス排出気筒の燃料噴射を停止する時点までの時間は長くなる。その時間は、フューエルカット実行条件が成立した時点からデータ取得気筒としたい気筒の燃料噴射タイミングまでの時間により変化する。従って、空燃比関連データが気筒間において同等な頻度にてに取得されることを過度に優先すると、実質的なフューエルカット開始完了時期(特定気筒群に属する総ての気筒に対する燃料噴射が停止する時期)が過度に遅れ、機関の運転に支障をきたす虞がある。
これに対し、上記態様によれば、「前記フューエルカット実行条件が成立した時点から前記特定気筒群に属するそれぞれの気筒の前記所定の燃料噴射タイミングまでの時間」に応じた時間関連値にも基づいて、データ取得気筒が決定される。その結果、実質的なフューエルカット開始完了時期が過度に遅れること等による不都合の発生を回避することが可能となる。
なお、上記「時間関連値」は、「前記フューエルカット実行条件が成立した時点から前記特定気筒群に属するそれぞれの気筒の前記所定の燃料噴射タイミングまでの時間」そのものであってもよく、その時間に応じて変化する時間(例えば、「前記フューエルカット実行条件が成立した時点から前記特定気筒群に属するそれぞれの気筒の排気上死点までの時間」)であってもよい。
また、前記データ取得気筒決定手段は、
前記フューエルカット実行条件が成立したとき、前回の前記フューエルカット実行条件成立時に前記データ取得気筒であった気筒とは相違する気筒を今回のデータ取得気筒として決定するように構成されてもよい。
この態様によっても、各気筒に対する空燃比関連データの取得頻度の差を小さくすることができる。
図1は、本発明の各実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置が適用される内燃機関の概略構成図である。
図2は、図1に示した上流側空燃比センサの出力値と、上流側空燃比と、の関係を示したグラフである。
図3は、本発明の各実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置の電気的構成を示したブロック図である。
図4は、吸気弁を開閉駆動する機構(吸気弁用の可変動弁機構、吸気弁開閉機構)の概略構成図である。
図5は、図4に示した可変機構の平面図である。
図6は、第1ローラロッカーアームの側面図である。
図7は、第2ローラロッカーアームの側面図である。
図8は、図5に示した可変機構の水平断面図である。
図9は、第1支軸と第1ピンの構成を示す図である。
図10は、第2支軸と第2ピンの構成を示す図である。
図11は、可変機構の動作を説明する図である。
図12は、吸気弁用アクチュエータの平面図である。
図13は、排気弁を開閉駆動する機構(排気弁用の可変動弁機構、排気弁開閉機構)の概略構成図である。
図14は、フューエルカット運転条件が成立する時点の前後における「燃料噴射、上流側空燃比、吸気弁リフト量及び排気弁リフト量」を示したタイムチャートである。
図15は、本発明の第1実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
図16は、本発明の第1実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置(第1判定装置)のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
図17は、本発明の第1実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
図18は、本発明の第1実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
図19は、本発明の第1実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
図20は、本発明の第1実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置の作動の一例を説明するためのタイムチャートである。
図21は、本発明の第2実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置のCPUが参照する各気筒のデータ数カウンタの値の一例である。
図22は、本発明の第2実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置のCPUが参照する各気筒のデータ数カウンタの値の他の一例である。
図23は、本発明の第2実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置の作動の一例を説明するためのタイムチャートである。
図24は、本発明の第2実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
図25は、本発明の第2実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置のCPUが使用する優先度係数k1を決定するためのテーブルである。
図26は、本発明の第2実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置のCPUが使用する優先度係数k2を決定するためのテーブルである。
図27は、本発明よる各実施形態の変形例に係る空燃比気筒間インバランス判定装置の作動の一例を説明するためのタイムチャートである。
図28は、本発明よる各実施形態の他の変形例に係る空燃比気筒間インバランス判定装置の作動の一例を説明するためのタイムチャートである。
図29は、本発明に係る空燃比気筒間インバランス判定装置が適用され得る他の内燃機関の概略構成図である。
以下、本発明による多気筒内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置(以下、単に「判定装置」と称呼する。)の各実施形態について図面を参照しながら説明する。この判定装置は燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御装置でもある。
<各実施形態に共通する構成>
先ず、各実施形態に係る判定装置が適用される内燃機関の構成について説明する。図1は、この内燃機関10の概略構成図である。機関10は、4サイクル・火花点火式・多気筒(本例において第1気筒#1〜第4気筒#4の直列4気筒)・ガソリン燃料・エンジンである。機関10は、本体部20、吸気系統30及び排気系統40を備えている。なお、機関10の点火は、第1気筒#1、第3気筒#3、第4気筒#4、第2気筒#2の順に行われる。従って、燃料噴射も、第1気筒#1、第3気筒#3、第4気筒#4、第2気筒#2の順に行われる。
本体部20は、シリンダブロック部とシリンダヘッド部とを備えている。本体部20は、ピストン頂面、シリンダ壁面及びシリンダヘッド部の下面からなる複数(4個)の燃焼室21を備えている。
シリンダヘッド部は、燃焼室21に「空気及び燃料からなる混合気」を供給するための吸気ポート22と、吸気ポート22を開閉する(即ち、燃焼室21と吸気ポート22とを連通状態及び遮断状態の何れかの状態とする)吸気弁23と、を備えている。吸気ポート22は1気筒あたり2つ形成されている。従って、吸気弁23は1気筒あたり2つ配設されている。
更に、シリンダヘッド部は、燃焼室21から排ガス(既燃ガス)を排出するための排気ポート24と、排気ポート24を開閉する(即ち、燃焼室21と排気ポート24とを連通状態及び遮断状態の何れかの状態とする)排気弁25と、を備えている。排気ポート24は1気筒あたり2つ形成されている。従って、排気弁25は1気筒あたり2つ配設されている。
シリンダヘッド部には複数(4個)の点火プラグ26が固定されている。各点火プラグ26は、その火花発生部が各燃焼室21の中央部であってシリンダヘッド部の下面近傍位置に露呈するように配設されている。各点火プラグ26は、点火信号に応答して火花発生部から点火用火花を発生するようになっている。
シリンダヘッド部には後に詳述する「図1において図示しない吸気弁用の可変動弁機構及び図1において図示しない排気弁用の可変動弁機構」が各気筒毎に備えられている。それぞれの気筒には、吸気弁用の可変動弁機構の吸気弁用アクチュエータ27と、排気弁用の可変動弁機構の排気弁用アクチュエータ28と、が配設されている。可変動弁機構は「弁駆動装置」とも称呼される。
吸気弁用の可変動弁機構は、吸気弁用アクチュエータ27の状態が第1状態へと変更されたとき(即ち、後述する変位部材27aが変位端Pmax1である第1位置(通常位置)へと移動させられたとき)、図1において図示しない吸気カムシャフトと協働し、吸気行程において吸気ポート22を通して燃焼室21内に少なくとも新気(本例においては新気と燃料噴射弁29から噴射された燃料とからなる混合気)を吸入させるように吸気弁23を開弁し、その他の場合において吸気弁23を閉弁するようになっている。この状態にある吸気弁23は「弁動作状態又はアクティブ状態」にあるとも言う。
排気弁用の可変動弁機構は、排気弁用アクチュエータ28の状態が第1状態へと変更されたとき(即ち、後述する変位部材28aが変位端Pmax1である第1位置(通常位置)へと移動させられたとき)、図1において図示しない排気カムシャフトと協働し、排気行程において燃焼室21内のガスを排気ポート24へと排出させるように排気弁25を開弁し、その他の場合において排気弁25を閉弁するようになっている。この状態にある排気弁25は「弁動作状態又はアクティブ状態」にあるとも言う。このように、吸気弁23及び排気弁25が共に弁動作状態にあるとき、吸気弁23及び排気弁25は「通常の燃焼」を発生させるように動作する。
吸気弁用の可変動弁機構は、吸気弁用アクチュエータ27の状態が第2状態へと変更されたとき(即ち、後述する変位部材27aが変位端Pmax2である第2位置(弁動作休止用位置)へと移動させられたとき)、吸気弁23が閉弁状態を維持するように吸気弁23の動作を休止するようになっている。即ち、吸気弁用アクチュエータ27の状態が第2状態へと変更されると、吸気弁23はクランク角が圧縮行程、膨張行程及び排気行程に対応する角度になった場合のみならず吸気行程に対応する角度になった場合にも(即ち、クランク角がどのような角度である場合にも)閉弁状態に維持せしめられる。この状態にある吸気弁23は「弁休止状態、弁不作動状態又は非アクティブ状態」にあるとも言う。
排気弁用の可変動弁機構は、排気弁用アクチュエータ28の状態が第2状態へと変更されたとき(即ち、後述する変位部材28aが変位端Pmax2である第2位置(弁動作休止用位置)へと移動させられたとき)、排気弁25が閉弁状態を維持するように排気弁25の動作を休止するようになっている。即ち、排気弁用アクチュエータ28の状態が第2状態へと変更されると、排気弁25はクランク角が吸気行程、圧縮行程及び膨張行程に対応する角度になった場合のみならず排気行程に対応する角度になった場合にも(即ち、クランク角がどのような角度である場合にも)閉弁状態に維持せしめられる。この状態にある排気弁25は「弁休止状態、弁不作動状態又は非アクティブ状態」にあるとも言う。
なお、本明細書及び添付の請求の範囲において、吸気弁23及び排気弁25のうちの少なくとも一方が弁休止状態にある気筒については、「その気筒(その気筒の状態)は弁休止状態にある」と表現する。本明細書及び添付の請求の範囲において、吸気弁23及び排気弁25の両方が弁動作状態にある気筒については、「その気筒(その気筒の状態)は弁動作状態にある」と表現する。
シリンダヘッド部には更に複数(4個)の燃料噴射弁(インジェクタ)29が固定されている。燃料噴射弁29は、各気筒の一対の吸気ポート22の集合部に一つ設けられている。燃料噴射弁29は、噴射指示信号に応答し、正常である場合に「その噴射指示信号に含まれる指示燃料噴射量Fiの燃料」を対応する吸気ポート22の集合部内に噴射するようになっている。このように、複数の気筒21のそれぞれは、他の気筒とは独立して燃料供給を行う燃料噴射弁(燃料供給手段)29を備えている。
吸気系統30は、インテークマニホールド31、吸気管32、エアフィルタ33、スロットル弁34及びスロットル弁アクチュエータ34aを備えている。
インテークマニホールド31は、各吸気ポート22の集合部に接続された複数の枝部31aと、それらの枝部が集合したサージタンク部31bと、を備えている。吸気管32はサージタンク部31bに接続されている。インテークマニホールド31、吸気管32及び複数の吸気ポート22は、吸気通路を構成している。エアフィルタ33は吸気管32の端部に設けられている。スロットル弁34はエアフィルタ33とインテークマニホールド31との間の位置において吸気管32に回動可能に取り付けられている。スロットル弁34は、回動することにより吸気管32が形成する吸気通路の開口断面積を変更するようになっている。スロットル弁アクチュエータ34aは、DCモータからなり、指示信号(駆動信号)に応答してスロットル弁34を回動させるようになっている。
排気系統40は、エキゾーストマニホールド41、エキゾーストパイプ(排気管)42、上流側触媒43及び図示しない下流側触媒を備えている。
エキゾーストマニホールド41は、各排気ポート24に接続された複数の枝部41aと、それらの枝部41aが集合した集合部41bと、からなっている。エキゾーストパイプ42は、エキゾーストマニホールド41の集合部41bに接続されている。エキゾーストマニホールド41、エキゾーストパイプ42及び複数の排気ポート24は、排ガスが通過する通路を構成している。なお、本明細書及び添付の請求の範囲において、便宜上、エキゾーストマニホールド41の枝部41aを排気通路枝部、エキゾーストマニホールド41の集合部41bを排気集合部、エキゾーストパイプ42を主排気通路部、と称呼することもある。
上流側触媒43は、セラミックからなる担持体に「触媒物質である貴金属」及び「酸素吸蔵放出物質であるセリア(CeO2)」を担持していて、酸素吸蔵放出機能(酸素吸蔵機能)を有する三元触媒である。上流側触媒43はエキゾーストパイプ42に配設(介装)されている。図示しない下流側触媒は、上流側触媒43と同様の三元触媒である。下流側触媒は、上流側触媒43よりも下流においてエキゾーストパイプ42に配設(介装)されている。以上が機関10の概略構成である。
この判定装置は、熱線式エアフローメータ51、スロットルポジションセンサ52、カムポジションセンサ53、クランクポジションセンサ54、上流側空燃比センサ55、下流側空燃比センサ56及びアクセル開度センサ57を備えている。
熱線式エアフローメータ51は、吸気管32内を流れる吸入空気の質量流量を検出し、その質量流量(機関10の単位時間あたりの吸入空気量)Gaを表す信号を出力するようになっている。
スロットルポジションセンサ52は、スロットル弁34の開度を検出し、スロットル弁開度TAを表す信号を出力するようになっている。
カムポジションセンサ53は、インテークカムシャフトが所定角度から90度、次いで90度、更に180度回転する毎に一つのパルスを出力するようになっている。
クランクポジションセンサ54は、機関10の図示しないクランク軸が10°回転する毎に幅狭のパルスを有するとともにクランク軸が360°回転する毎に幅広のパルスを有する信号を出力するようになっている。クランクポジションセンサ54から出力されるパルスは後述する電気制御装置60(図3を参照。)により機関回転速度NEを表す信号に変換されるようになっている。更に、電気制御装置60は、カムポジションセンサ53及びクランクポジションセンサ54からの信号に基いて、機関10のクランク角(例えば、各気筒の吸気上死点を基準に表されるクランク角である絶対クランク角)を取得するようになっている。
上流側空燃比センサ55は、エキゾーストマニホールド41の集合部41bと上流側触媒43との間の位置においてエキゾーストマニホールド41の集合部41b及びエキゾーストパイプ42の何れか(即ち、排気集合部又は上流側触媒43よりも上流の主排気通路部)に配設されている。上流側空燃比センサ55は、例えば、特開平11−72473号公報、特開2000−65782号公報及び特開2004−69547号公報等に開示された「拡散抵抗層を備える限界電流式広域空燃比センサ」である。
上流側空燃比センサ55は、図2に示したように、上流側空燃比センサ55の配設位置を流れる排ガス(この場合の被検出ガス)の空燃比(上流側空燃比)に応じた出力値Vabyfsを出力するようになっている。出力値Vabyfsは被検出ガスの空燃比が大きくなるほど(リーンとなるほど)増大する。後述する電気制御装置60は、図2に示した空燃比変換テーブル(マップ)Mapabyfsを記憶していて、実際の出力値Vabyfsを空燃比変換テーブルMapabyfsに適用することにより、実際の上流側空燃比abyfsを取得・検出する。この取得・検出された上流側空燃比abyfsは、単に、「検出空燃比abyfs」とも称呼される。
このように、上流側空燃比センサ55は、「前記排気集合部(集合部41b)」又は「前記排気集合部(集合部41b)と前記触媒(上流側触媒43)との間における前記主排気通路部(エギゾーストパイプ42)に配設された空燃比センサであって、その空燃比センサが配設された部位に存在するガスの空燃比に応じた出力値Vabyfsを発生する空燃比センサである。
再び、図1を参照すると、下流側空燃比センサ56は、上流側触媒43と図示しない下流側触媒との間の位置においてエキゾーストパイプ42に配設されている。下流側空燃比センサ56は、周知の濃淡電池型の酸素濃度センサ(O2センサ)である。下流側空燃比センサ56は、下流側空燃比センサ56の配設位置を流れる排ガスの空燃比(下流側空燃比)に応じた出力値Voxsを出力するようになっている。
下流側空燃比センサ56の出力値Voxsは、下流側空燃比が理論空燃比よりもリッチのとき最大出力値max(例えば、約0.9V)となり、下流側空燃比が理論空燃比よりもリーンのとき最小出力値min(例えば、約0.1V)となり、下流側空燃比が理論空燃比であるとき最大出力値maxと最小出力値minの略中間の電圧Vst(例えば、約0.5V)となる。
アクセル開度センサ57は、運転者によって操作されるアクセルペダルAPの操作量を検出し、アクセルペダルAPの操作量Accpを表す信号を出力するようになっている。
更に、この判定装置は、図3に示した電気制御装置60を備えている。電気制御装置60は、「CPU、ROM、RAM、電源が投入された状態でデータを格納するとともに格納したデータを電源が遮断されている間も保持するバックアップRAM(又は、EEPROM等の不揮発性メモリ)、及び、ADコンバータを含むインターフェース等」からなる「周知のマイクロコンピュータ」である。
電気制御装置60のインターフェースは、前記センサ51〜57と接続され、CPUにセンサ51〜57からの信号を供給するようになっている。更に、そのインターフェースは、CPUの指示に応じて、各気筒の点火プラグ26、各気筒の吸気弁用アクチュエータ27、各気筒の排気弁用アクチュエータ28、各気筒の燃料噴射弁29及びスロットル弁アクチュエータ34a等に指示信号(点火信号、噴射指示信号及び駆動信号等)を送出するようになっている。なお、電気制御装置60は、取得されたアクセルペダルの操作量Accpが大きくなるほどスロットル弁開度TAが大きくなるように、スロットル弁アクチュエータ34aに指示信号を送出するようになっている。
<可変動弁機構>
ここで、吸気弁用の可変動弁機構及び排気弁用の可変動弁機構について説明する。吸気弁用の可変動弁機構及び排気弁用の可変動弁機構は互いに同様な構成を備える。従って、吸気弁用の可変動弁機構について先に詳述する。
吸気弁用の可変動弁機構は、図4に示したように、吸気カムシャフト100、カム101、カム102、バルブスプリング103、可変機構104、及び、前述した吸気弁用アクチュエータ27を備える。
吸気弁23は、吸気カムシャフト100に取り付けられた「主カム101及び副カム102」の作動力とバルブスプリング103の付勢力とを利用して開閉される。吸気カムシャフト100は図示しないクランク軸にタイミングチェーン等によって連結され、クランク軸の1/2の速度で回転させられるようになっている。
吸気カムシャフト100には、1気筒当りに1つの主カム101と2つの副カム102とが形成されている。主カム101は、2つの副カム102の間に配置されている。主カム101のカムプロフィールは、主カム101により吸気弁23を開閉する場合の「吸気弁23の作用角及びカムノーズの高さに依存するリフト量」が副カム102により吸気弁23を開閉する場合の「吸気弁23の作用角及びリフト量」よりも大きくなる形状を有している。
副カム102のカムプロフィールは、吸気弁23のリフト量がゼロ(即ち、カムノーズの高さがゼロ)となる形状を有している。換言すると、副カム102は、ベース円部のみを有するカム、即ち、ゼロリフトカムである。
第1気筒#1、第2気筒#2、第3気筒#3及び第4気筒#4のそれぞれの気筒のカム101,102と吸気弁23との間には、可変機構104が介在している。即ち、カム101,102の作動力は、可変機構104を介して2本の吸気弁23へ伝達されるようになっている。
可変機構104は、「主カム101の作動力を吸気弁23へ伝達する状態」及び「副カム102の作動力を吸気弁23へ伝達する状態」の何れかの状態を選択的に実現することができる「吸気弁開弁特性変更機構」である。
なお、本実施形態において、副カム102は零リフトカムである。従って、副カム102の作動力が吸気弁23へ伝達される状態とは、吸気弁23が閉弁状態を維持し、開閉しない状態(弁休止状態)のことを意味する。
各気筒の可変機構104は、1つの気筒に1つずつ配設された吸気弁用アクチュエータ27によって駆動されるようになっている。可変機構104は、その平面図である図5に示したように、ロッカーシャフト105を備えている。ロッカーシャフト105は、「図4に示した吸気カムシャフト100」と平行となるように、ラッシュアジャスタ106を介して機関10のシリンダヘッド部に支持されている(図7を参照。)。
ロッカーシャフト105には、1つの第1ローラロッカーアーム111と一対の第2ローラロッカーアーム112,113とが回転自在に取り付けられている。第1ローラロッカーアーム111は、2つの第2ローラロッカーアーム112,113の間に配置される。第1ローラロッカーアーム111の長さは、第2ローラロッカーアーム112,113の長さより短い。
第1ローラロッカーアーム111の先端部分には、第1ローラ111aが軸支されている。第1ローラロッカーアーム111は、ロッカーシャフト105に取り付けられたコイルスプリング111bにより、図6中の矢印Xが示す方向へ付勢されている。即ち、コイルスプリング111bは、第1ローラ111aが主カム101と常に当接するように、第1ローラロッカーアーム111を付勢している。
これにより、第1ローラロッカーアーム111は、主カム101の作動力とコイルスプリング111bの付勢力との協働により、ロッカーシャフト105を支点に揺動させられるようになっている。この第1ローラロッカーアーム111は、第1揺動部材とも称呼される。
一方、各第2ローラロッカーアーム112,113の先端部分は、図7に示したように、吸気弁23の基端部(詳細には、バルブステムの基端部)と当接している。各第2ローラロッカーアーム112,113において、吸気弁23の当接部位よりロッカーシャフト105側の部位には、第2ローラ112a,113aが軸支されている。第2ローラ112a,113aの外径は、第1ローラ111aの外径と実質的に等しい。
第2ローラ112a,113aの位置は、第1ローラ111aが主カム101のベース円部と当接し(図6を参照。)、且つ、第2ローラ112a,113aが副カム102のベース円部と当接している(図7を参照。)とき、その第2ローラ112a,113aの軸心と第1ローラ111aの軸心とが同一直線L上に位置するように定められている(図5を参照。)。
第2ローラロッカーアーム112,113は、バルブスプリング103により、図7中の矢印Yが示す方向へ付勢されている。このため、第2ローラ112a,113aは、副カム102が吸気弁23をリフト(リフト量ゼロを含む。)させているときは、バルブスプリング103によって副カム102に押し付けられることになる。
第2ローラロッカーアーム112,113は、副カム102が吸気弁23をリフトさせていないときは、ラッシュアジャスタ106によって副カム102に押し付けられる。このように構成された第2ローラロッカーアーム112,113は、第2揺動部材とも称呼される。
ここで、第1ローラロッカーアーム111と第2ローラロッカーアーム112,113とを連結させたり分離させたりするための機構(切換機構)について説明する。
図8は、可変機構104の水平断面図である。図8において、第1ローラ111aの支軸である「第1支軸111c」には、第1支軸111cの軸方向に延在する第1ピン孔111dが形成されている。第1ピン孔111dの両端は、第1ローラロッカーアーム111の両側面に開口している。
第1ピン孔111dには、図9に示したように、円柱状の第1ピン111eが摺動自在に挿入されている。第1ピン111eの外径は、第1ピン孔111dの内径と略等しい。第1ピン111eの軸方向の長さは、前記第1ピン孔111dと略等しい。
再び、図8を参照すると、第2ローラ112a,113aの各支軸である「第2支軸112b及び113b」には、軸方向に延在する「第2ピン孔112c及び113c」がそれぞれ形成されている。第2ピン孔112c,113cの各内径は、第1ピン孔111dの内径と等しい。
2つの第2ピン孔112c,113cのうち、一方の第2ピン孔112c(第1ローラロッカーアーム111を基準にして吸気弁用アクチュエータ27と反対側に位置する第2ピン孔)は、第1ローラロッカーアーム111側の端部が開口し、且つ、第1ローラロッカーアーム111と反対側の端部Endが閉塞されている(以下、閉塞された端部を「閉塞端」と称呼する。)。
第2ピン孔112cには、図10に示したように、円柱状の第2ピン112dが摺動自在に挿入されている。第2ピン112dの外径は、第2ピン孔112cの内径と略等しい。第2ピン112dの軸方向の長さは、前記第2ピン孔112cよりも短い。
第2ピン孔112cはリターンスプリング112eを収容している。リターンスプリング112eは、第2ピン112dの基端(閉塞端End側に位置する端部)と第2ピン孔112cの閉塞端Endとの間に配置される。リターンスプリング112eは、第2ピン112dを第1ローラロッカーアーム111側へ付勢する部材である。
再び、図8を参照すると、2つの第2ピン孔112c,113cのうち、他方の第2ピン孔113c(第1ローラロッカーアーム111を基準にして吸気弁用アクチュエータ27側に位置する第2ピン孔)の両端は、第2ローラロッカーアーム113の両側面に開口している。
この第2ピン孔113cには、円柱状の第2ピン113dが摺動自在に挿入されている。第2ピン113dの外径は、第2ピン孔113cの内径と略等しい。第2ピン113dの軸方向の長さは第2ピン孔113cよりも長い。
各ピン孔111d,112c,113cの軸心は各支軸111c,112b,113bの軸心と一致している必要はない。但し、3つのピン孔111d,112c,113cの相対位置は、第1ローラ111aが主カム101のベース円部と当接し(図6を参照。)、且つ、第2ローラ112a,113aが副カム102のベース円部と当接している(図7を参照。)とき、3つのピン孔111d,112c,113cの軸心が同一直線上に位置するように、決定される。
このように構成された機構においては、第2ピン112dがリターンスプリング112eによって第1ローラロッカーアーム111側へ常時付勢されている。このため、第2ピン112dの先端は、第1ピン111eの基端に押し付けられることになる。それに応じて第1ピン111eの先端は、第2ピン113dの基端に押し付けられることになる。その結果、第2ピン113dの先端は、吸気弁用アクチュエータ27の変位部材27aと常時当接している。
変位部材27aは、支軸111c,112b,113bの軸方向(換言すると、ピン111e,112d,113dの軸方向)において進退自在となるように、吸気弁用アクチュエータ27の電動モータ27bによって移動させられるようになっている。吸気弁用アクチュエータ27(電動モータ27b)は、前述したように、電気制御装置60によって電気的に制御される。
「変位部材27a、リターンスプリング112e、第1ピン111e及び第2ピン112d,113d」の相対配置並びに寸法は、以下の2つの条件を満たすように定められている。
(1)図8に示したように、変位部材27aが可変機構104から最も離れる変位端Pmax1に位置するとき、換言すると、リターンスプリング112eが予め定められた最大長まで伸長したとき、第2ピン112dの先端及び第1ピン111eの基端が第2ローラロッカーアーム112と第1ローラロッカーアーム111との間隙に位置し、且つ、第1ピン111eの先端及び第2ピン113dの基端が第1ローラロッカーアーム111と第2ローラロッカーアーム113との間隙に位置する。
(2)図11に示したように、変位部材27aが可変機構104側の変位端Pmax2に位置するとき、換言すると、リターンスプリング112eが予め定められた最小長まで収縮したとき、第2ピン112dの先端及び第1ピン111eの基端が第2ピン孔112c内に位置し、且つ、第1ピン111eの先端及び第2ピン113dの基端が第1ピン孔111d内に位置する。
上記(1),(2)の条件に従って変位部材27a、リターンスプリング112e、第1ピン111e、及び、第2ピン112d,113dの相対配置や寸法が定められることにより、変位部材27aが変位端Pmax1に位置するとき、第1ローラロッカーアーム111及び第2ローラロッカーアーム112,113が相互に分離された状態になる。
その場合、第1ローラロッカーアーム111が主カム101の作動力を受けて揺動する。その第1ローラロッカーアーム111の揺動とは独立して、第2ローラロッカーアーム112,113が副カム102の作動力を受ける。但し、副カム102はゼロリフトカムであるため、第2ローラロッカーアーム112,113は揺動しない。その結果、吸気弁23は開閉動作しない。即ち、吸気弁23は弁休止状態になる。
ところで、上記したように、第1ローラロッカーアーム111のみが揺動する場合は、第1ピン111eの軸心と第2ピン112d,113dの軸心とがずれることになる。その際、第1ピン111eの端面の一部と第2ピン112d,113dの端面の一部とが互いに当接している必要がある。よって、第1ピン111e及び第2ピン112d,113dの端面の形状や寸法は、そのような条件を満たすように定められている。
一方、変位部材27aが前記変位端Pmax2へ変位したとき、第2ローラロッカーアーム112と第1ローラロッカーアーム111とが第1ピン111eによって連結されるとともに、第1ローラロッカーアーム111と第2ローラロッカーアーム113とが第2ピン113dによって連結される。即ち、変位部材27aが変位端Pmax2に位置するとき、第1ローラロッカーアーム111及び第2ローラロッカーアーム112,113が相互に連結される。
第1ローラロッカーアーム111及び第2ローラロッカーアーム112,113が相互に連結されると、第1ローラロッカーアーム111が主カム101の作動力を受けて揺動するとき、第2ローラロッカーアーム112,113も第1ローラロッカーアーム111とともに揺動する。その結果、吸気弁23は、主カム101のカムプロフィールに従って開閉動作する。即ち、吸気弁23は弁動作状態になる。
次に、吸気弁用アクチュエータ27の具体的な構成について述べる。図12は、吸気弁用アクチュエータ27の構成を示す平面図である。
吸気弁用アクチュエータ27は、前記変位部材27aと、シリンダヘッド部に支持された前記電動モータ27bと、電動モータ27bの外周部分から径方向に延びるアーム27cと、を備える。アーム27cの基端は電動モータ27bの回転軸に固定され、アーム27cの先端は変位部材27aに固定されている。変位部材27aは、前述したように、可変機構104の第2ピン113dの先端に当接している。吸気弁用アクチュエータ27は、電動モータ27bを回転させることによりアーム27cを回転させ、それによって変位部材27aを前記変位端変位端Pmax1と前記変位端変位端Pmax2との何れかの位置に移動させる。これにより、吸気弁用アクチュエータ27は、第2ピン113dを軸方向へ変位させ、吸気弁23の状態を「弁動作状態」及び「弁休止状態」の何れかに設定するようになっている。
排気弁用の可変動弁機構は、図13に示したように、排気カムシャフト150、カム151、カム152、バルブスプリング153、可変機構154、及び、排気弁用アクチュエータ28を備える。カム151、カム152、バルブスプリング153、可変機構154、及び、排気弁用アクチュエータ28は、前述した「カム101、カム102、バルブスプリング103、可変機構104、及び、吸気弁用アクチュエータ27」とそれぞれ同等の構成を備える。従って、電気制御装置60により排気弁用アクチュエータ28が駆動されることにより、排気弁25の状態は「弁動作状態」及び「弁休止状態」の何れかに設定される。以上が、吸気弁用可変動弁機構及び排気弁用可変動弁機構の構成である。
<空燃比気筒間インバランス判定方法の概要>
次に、各実施形態に係る判定装置に共通して採用された「空燃比気筒間インバランス判定方法の概要」について説明する。空燃比気筒間インバランス判定とは、気筒間における空燃比の不均一性が警告必要値以上となったか否か、換言すると、気筒別空燃比の間にエミッション上許容できない程度の不均衡(即ち、空燃比気筒間インバランス)が生じているか否か、を判定することである。従って、各気筒に所定の目標空燃比(例えば、理論空燃比)の混合気を供給しようとする空燃比制御を行っている場合に、「各気筒に実際に供給された混合気の空燃比に応じた値」を気筒別に取得することができれば、それらの値を比較することにより空燃比気筒間インバランス判定を行うことができる。
そこで、判定装置は、所定の運転実行条件としてのフューエルカット運転条件(フューエルカット開始条件)が成立した時点(以下、この時点を「所定運転条件成立時点、フューエルカット運転条件成立時点、又は、フューエルカット開始条件成立時点」とも称呼する。)以降の第1所定時点以降において、点火順序(即ち、燃料噴射順序)に従って、各気筒に対する燃料の供給(噴射)を停止して行く。換言すると、判定装置は、第1所定時点(最初に燃料噴射を停止するタイミング)以降において、各気筒に対応した位置(各気筒の吸気ポート22)に設けられている燃料噴射弁29からの燃料噴射を燃料噴射順序に従って順番に停止する。更に、判定装置は、燃料噴射が停止された気筒の吸気弁23及び排気弁25を共に弁休止状態へと変更しその状態を維持する。即ち、判定装置は、燃料噴射が停止された気筒から、順次、その燃料噴射が停止された気筒の状態を弁動作状態から弁休止状態へと変更する。
この場合、「第1所定時点の直前において最後に噴射された燃料を含む混合気を燃焼させた結果として生じた排ガス(以下、「最終ガス」とも称呼する。)」が、その燃焼を発生させた気筒(以下、「最終ガス排出気筒」とも称呼する。)の燃焼室21からその気筒の排気ポート24へと排出される時点(最終ガス排出時点)までに、他の気筒の燃焼室21から排出された排ガスは、エキゾーストマニホールド41及びエキゾーストパイプ42を通して上流側触媒43及び上流側触媒43よりも下流へと流出する。更に、その最終ガス排出時点以降、何れの気筒の燃焼室21からもそれらの気筒の排気ポート24へは新たなガスが排出されない。
従って、最終ガス排出時点から所定の時間(例えば、最終ガス排出時点から、その最終ガスが上流側空燃比センサ55に到達する時点までの時間)が経過すると、「総ての排気ポート24、エキゾーストマニホールド41、及び、エキゾーストパイプ42の上流側触媒43よりも上流側の部分」により形成される空間は、最終ガスにより実質的に満たされた状態となる。なお、「総ての排気ポート24、エキゾーストマニホールド41、及び、エキゾーストパイプ42の上流側触媒43よりも上流側の部分」により形成される空間は、以下、単に、「排気滞留空間」とも称呼する。
この結果、最終ガス排出時点から所定の時間が経過すると、上流側空燃比センサ55の出力値Vabyfsは安定し、その出力値Vabyfsは「最後に燃料噴射が行われた気筒(即ち、最終ガス排出気筒)」の排ガスの空燃比(従って、その最終ガス排出気筒に供給されていた混合気の空燃比)を表す値となる。判定装置は、この出力値Vabyfsを「最後に燃料噴射が行われた気筒(即ち、最終ガス排出気筒)」の空燃比を表すデータ(空燃比関連データ)として取得し、記憶装置(RAM)に記憶・格納する。
以上の作動について図14を参照しながら具体的に説明する。図14は、上述したフューエルカット運転条件が成立する時点(フューエルカット開始条件成立時点tfc)の前後における「燃料噴射、上流側空燃比センサ55の出力値Vabyfsに基づいて得られる上流側空燃比abyfs、吸気弁リフト量及び排気弁リフト量」を示したタイムチャートである。曲線CinN(Nは1〜4の整数)は第N気筒の吸気弁23のリフト量を示し、曲線CexN(Nは1〜4の整数)は第N気筒の排気弁25のリフト量を示す。
図14に示した例においては、フューエルカット開始条件成立時点tfc以降に最初に到来する何れかの気筒の燃料噴射タイミング(上記第1所定時点t1)から、その気筒に対する燃料噴射を停止している。なお、第1所定時点t1は、フューエルカット開始条件成立時点tfcよりも、例えば数回の燃料噴射分がなされた後に到来する燃料噴射タイミングであってもよい。
図14に示した例において、フューエルカット開始条件成立時点tfcは第3気筒の燃料噴射終了直後に到来している。従って、フューエルカット開始条件成立時点tfcの直後に到来する最初の燃料噴射タイミングは第4気筒の燃料噴射タイミングである。
判定装置は、「フューエルカット開始条件成立時点tfc以降の第1所定時点t1までに第m気筒(m=1〜4の整数)に対して噴射されてしまった燃料」が「第m気筒の燃焼室21内において燃焼し、且つ、その燃焼によって生成された排ガスが第m気筒の燃焼室21から第m気筒の排気ポート24(従って、排気滞留空間)に完全に排出されてしまう時点」まで、第m気筒の吸気弁23及び排気弁25の状態を何れも「弁動作状態」に維持し、その後、吸気弁23及び排気弁25の少なくとも一方(図14に示した例においては両方の弁)の状態を「弁休止状態」へと変更する。
即ち、図14に示した例においては、第3気筒の吸気弁23が最も遅くまで弁動作状態に維持され(曲線Cin3を参照。)、第3気筒の排気弁25が最も遅くまで弁動作状態に維持される(曲線Cex3を参照。)。
このように、フューエルカット開始条件成立時点tfc以降の第1所定時点t1以降において、燃料噴射が順次停止される。しかしながら、それまでに噴射された燃料により生成された排ガスは第1所定時点t1以降においても順次排気滞留空間へと排出され、上流側空燃比センサ55を通過して上流側触媒43へと流入する。そのため、図14に示したように、フューエルカット開始条件成立時点tfc(実際には、第1所定時点t1)から所定の時間Tが経過するまで、上流側空燃比センサ55の出力値Vabyfsに基づいて取得される上流側空燃比abyfsは各気筒から排出された排ガスの空燃比に応じて変動する。
そして、フューエルカット開始条件成立時点tfc(実際には、第1所定時点t1)から所定の時間Tが経過した時点tp(第2所定時点tp)になると、排気滞留空間は第3気筒の燃焼室21から排出された排ガスにより実質的に満たされる。更に、最終ガスの排出が完了した時点以降においては、新たなガスは「何れの気筒の燃焼室21」からも排気滞留空間に流出しない。この結果、第2所定時点tpにおける上流側空燃比センサ55の出力値Vabyfsに基づいて取得される上流側空燃比abyfs(検出空燃比)は第3気筒から排出された排ガスの空燃比に応じた一定値af3に到達する。従って、判定装置は、値af3を第3気筒の燃焼室21に供給された混合気の空燃比を表す空燃比関連データとして取得する。
ところで、フューエルカット条件が成立する時点tfcはクランク角に無関係に発生する。従って、フューエルカット条件が成立する時点tfcの直後に到来するいずれかの気筒の燃料噴射タイミングを上記第1所定時点t1(最初に燃料噴射を停止するタイミング)としていたとしても、十分な回数のフューエルカット運転が実行されると、上述したような手法により取得される空燃比関連データは、総ての気筒について互いに略同等の頻度にて取得される。更に、判定装置は、空燃比関連データが各気筒に対してより等しい頻度にて得られるように上記第1所定時間t1を変更してもよい。
そして、判定装置は、十分な回数のフューエルカット運転が実行された時点(換言すると、総ての気筒のそれぞれについて空燃比関連データ(最低、各気筒について1つ以上の空燃比関連データ)が得られた時点以降において、それらの空燃比関連データにより表される気筒別空燃比を取得する。気筒別空燃比は、例えば、ある気筒について得られた複数の空燃比関連データの平均値として求められる。次いで、判定装置は、それらの気筒別空燃比を互いに比較し、そのうちの一つの気筒別空燃比が残りの気筒別空燃比と大きく乖離しているとき、空燃比気筒間インバランスが発生したと判定する。以上が、各実施形態に係る判定装置が共通して採用した空燃比気筒間インバランス判定方法の概要である。
なお、機関10によっては、第1所定時点t1から所定の時間Tが経過した時点tp(第2所定時点tp)において、排気滞留空間が「最終ガス」と「その最終ガスを排出した気筒の直前に排気を実行した他の気筒から排出された排ガス」とが混合された排ガスにより満たされる場合もある。しかしながら、この場合において、排気滞留空間における最終ガスが占める割合は、最終ガス排出気筒以外の気筒から排出されたガスの割合よりも大きい。よって、第2所定時点tpにおける上流側空燃比abyfs(検出空燃比)は、最終ガス排出気筒の空燃比の影響を最も強く受けるので、上記の手法により取得される空燃比関連データに基づいて空燃比気筒間インバランスが発生しているか否かを判定することができる。
この点について更に説明する。いま、第3気筒に供給される混合気の空燃比のみが大きくリッチ側に偏移し、例えば、第3気筒の空燃比が11であると仮定する。このとき、他の気筒の空燃比は、例えば、14.5(理論空燃比)である。更に、上記第2所定時点tpにて排気滞留空間に存在するガスは、「最終ガス」を70%含み、その最終ガスを排出した気筒よりも点火順序にして一つ前の点火順序の気筒から排出された排ガスを30%含むと仮定する。
この状況において、最終ガスを排出した気筒が第1気筒であるとき、上記第2所定時点tpにて排気滞留空間に存在するガスは、第1気筒から排出されたガスを70%含み、点火順序が第1気筒の直前である第2気筒から排出されたガスを30%含む。この場合、第1気筒の空燃比及び第2気筒の空燃比とも理論空燃比であるから、検出空燃比は約14.5となる。つまり、単純な加重平均計算により検出空燃比が定まるとすれば、検出空燃比は14.5(=14.5・0.7+14.5・0.3)となる。
一方、最終ガスを排出した気筒が第3気筒であるとき、上記第2所定時点tpにて排気滞留空間に存在するガスは、第3気筒から排出されたガスを70%含み、点火順序が第3気筒の直前である第1気筒から排出されたガスを30%含む。この場合、単純な加重平均計算により検出空燃比が定まるとすれば、検出空燃比は12.05(=11・0.7+14.5・0.3)となる。
他方、最終ガスを排出した気筒が第4気筒であるとき、上記第2所定時点tpにて排気滞留空間に存在するガスは、第4気筒から排出されたガスを70%含み、点火順序が第4気筒の直前である第3気筒から排出されたガスを30%含む。この場合、単純な加重平均計算により検出空燃比が定まるとすれば、検出空燃比は13.45(=14.5・0.7+11・0.3)となる。
加えて、最終ガスを排出した気筒が第2気筒であるとき、上記第2所定時点tpにて排気滞留空間に存在するガスは、第2気筒から排出されたガスを70%含み、点火順序が第2気筒の直前である第4気筒から排出されたガスを30%含む。この場合、単純な加重平均計算により検出空燃比が定まるとすれば、検出空燃比は14.5(=14.5・0.7+14.5・0.3)となる。
このように、検出空燃比は、最終ガスを排出した気筒が、第1気筒であれば14.5、第3気筒であれば12.05、第4気筒であれば13.45、第2気筒であれば14.5となる。従って、最終ガスを排出した気筒が第3気筒であるときの検出空燃比は、最終ガスを排出した気筒が第3気筒以外の気筒である場合よりも顕著に小さくなり、且つ、「最終ガスを排出した気筒が第4気筒であって排気滞留空間に存在するガスに第3気筒から排出されるガスが含まれているときの検出空燃比」は「排気滞留空間に存在するガスに第3気筒から排出されるガスが含まれていないときの検出空燃比」よりも相当に小さくなる。
これらのことから、「上記第2所定時点tpにおいて取得される検出空燃比」は、「最後に弁休止状態となった気筒(最終ガス排出気筒)により一意に定まる気筒(即ち、最終ガス排出気筒)」又は「最終ガス排出気筒により一意に定まる最終ガス排出気筒を含む複数の気筒」、の燃焼室に供給された混合気の空燃比を表す空燃比関連データとなる。
更に、このことは、上記第2所定時点tpにて排気滞留空間に存在するガスが、最終ガスと、最終ガス排出気筒よりも点火順序において1点火前の気筒及び2点火前の気筒から排出された排ガスと、を含んでいる場合にも当てはまる。これは、上記第2所定時点tpにて排気滞留空間に存在するガスは、最終ガスを最も多く含むからである。
<第1実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置の作動の詳細>
次に、第1実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置(以下、「第1判定装置」と称呼する。)の実際の作動について説明する。
<燃料噴射量制御>
電気制御装置60のCPU(以下、単に、「CPU」と表記する。)は、図15にフローチャートにより示した「空燃比関連データを取得する気筒を決定するルーチン(データ取得気筒決定ルーチン)」を所定時間が経過する毎に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは図15のステップ1500から処理を開始してステップ1510に進み、フューエルカット要求フラグXFCreqの値が「0」であるか否かを判定する。フューエルカット要求フラグXFCreqは、以下「F/C要求フラグXFCreq」とも表記される。
F/C要求フラグXFCreqは、その値が「1」であるとき、フューエルカット運転(燃料噴射弁29からの燃料噴射を停止して機関10への燃料の供給を中止する運転)を実行すべき要求が発生していることを示す。F/C要求フラグXFCreqは、その値が「0」であるとき、フューエルカット運転を実行すべき要求が発生していないことを示す。なお、F/C要求フラグXFCreqの値は、機関10が搭載された車両の図示しないイグニッション・キー・スイッチがオフからオンに変更されたときに実行されるイニシャルルーチンにより「0」に設定される。
いま、機関10が始動された直後であって、F/C要求フラグXFCreqの値が「0」であると仮定する。この場合、CPUはステップ1510にて「Yes」と判定してステップ1520に進み、フューエルカット開始条件が成立したか否かを判定する。フューエルカット開始条件の一例は、「スロットル弁開度TAが「0」(又はアクセルペダル操作量Accpが「0」)であり、且つ、機関回転速度NEがフューエルカット開始回転速度NEFCth以上であること」である。この条件が成立した場合に実行されるフューエルカット運転は「減速フューエルカット運転」と称呼される。なお、ステップ1510とステップ1520との関係から、減速フューエルカット開始条件は、「F/C要求フラグXFCreqの値が「0」であって、更に、スロットル弁開度TAが「0」であり、且つ、機関回転速度NEがフューエルカット開始回転速度NEFCth以上であること」と言うこともできる。
この時点において、フューエルカット開始条件が成立していなければ、CPUはステップ1520にて「No」と判定し、ステップ1595に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPUは、何れかの気筒のクランク角が吸気上死点前の所定クランク角θa(例えば、θa=90°クランク角、即ち、BTDC90°クランク角)となる毎に、その気筒(以下、「燃料噴射気筒」とも称呼する。)に対し「図16にフローチャートにより示したルーチン」を繰り返し実行するようになっている。このルーチンは「燃料噴射及び弁動作制御ルーチン」とも称呼される。
従って、何れかの気筒のクランク角が吸気上死点前の所定クランク角θaになると、CPUは図16のステップ1600から処理を開始し、ステップ1610に進んでF/C要求フラグXFCreqの値が「0」であるか否かを判定する。
前述の仮定に従えば、F/C要求フラグXFCreqの値は「0」である。従って、CPUはステップ1610にて「Yes」と判定してステップ1620に進み、指示燃料噴射量Fiの燃料が「燃料噴射気筒の吸気ポート22の集合部に設けられている燃料噴射弁29」から噴射されるように、その燃料噴射弁29に噴射指示信号を送出する。
なお、CPUは、ステップ1620にて指示燃料噴射量Fiを次のように計算する。
(1)CPUは、「エアフローメータ51により計測された吸入空気量Ga、機関回転速度NE及びルックアップテーブルMapMc」に基いて「燃料噴射気筒に吸入される空気量」である「筒内吸入空気量Mc」を取得する。筒内吸入空気量Mcは、周知の空気モデル(吸気通路における空気の挙動を模した物理法則に従って構築されたモデル)により算出されてもよい。
(2)CPUは、筒内吸入空気量Mcを上流側目標空燃比abyfrで除することにより基本燃料噴射量Fbaseを求める。上流側目標空燃比abyfrはここでは理論空燃比stoichに設定されている。
(3)CPUは、基本燃料噴射量Fbaseをメインフィードバック量DFiにより補正する。より具体的に述べると、CPUは、基本燃料噴射量Fbaseにメインフィードバック量DFiを加えることにより最終燃料噴射量Fiを算出する。メインフィードバック量DFiは、図示しないフィードバックルーチンにおいて、少なくとも「上流側空燃比センサ55の出力値Vabyfsに基づいて取得された上流側空燃比abyfs」が「上流側目標空燃比abyfr」に一致するように、PID制御等により別途算出されている。簡単に述べれば、上流側空燃比abyfsが上流側目標空燃比abyfrよりも大きいときメインフィードバックDFiは増大せしめられ、上流側空燃比abyfsが上流側目標空燃比abyfrよりも小さいときメインフィードバックDFiは減少せしめられる。
以上により、燃料噴射気筒に対し、その燃料噴射気筒に供給される混合気の空燃比を理論空燃比に一致させるように、燃料噴射が実行される。
次に、CPUはステップ1630に進み、燃料噴射気筒の「吸気弁23及び排気弁25」の状態を「弁動作状態」に設定するように、その燃料噴射気筒の「吸気弁用アクチュエータ27及び排気弁用アクチュエータ28」に指示信号を送出する。即ち、CPUは燃料噴射がなされる気筒の状態を「弁動作状態」に設定する。その後、CPUはステップ1695に進み、本ルーチンを一旦終了する。以上の処理により、燃料噴射気筒に対して「燃料噴射気筒の吸気行程終了前の所定の燃料噴射タイミング」にて通常の燃料噴射(燃料供給)が実行され、その燃料噴射気筒は吸気、圧縮、爆発(膨張)及び排気の動作を実行する。
更に、CPUは、所定時間が経過する毎に図17にフローチャートにより示した「フューエルカット終了判定ルーチン」を実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは図17のステップ1700から処理を開始してステップ1710に進み、F/C実行フラグXFCの値が「1」であるか否かを判定する。
F/C実行フラグXFCは、その値が「1」であるとき、フューエルカット運転が実行されている状態(総ての気筒に対する燃料噴射が停止されている状態)であることを示す。F/C実行フラグXFCは、その値が「0」であるとき、フューエルカット運転が実行されていない状態であることを示す。なお、F/C実行フラグXFCの値は、前述したイニシャルルーチンにより「0」に設定される。
後述するようにF/C実行フラグXFCの値は、F/C要求フラグXFCreqの値が「1」になっている状態において「1」に設定される。前述した仮定によれば、現時点においてF/C要求フラグXFCreqの値は「0」であるから、F/C実行フラグXFCの値も「0」である。従って、CPUはステップ1710にて「No」と判定し、ステップ1795に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPUは、所定時間が経過する毎に図18にフローチャートにより示した「空燃比関連データ取得ルーチン」を実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは図18のステップ1800から処理を開始してステップ1805に進み、F/C実行フラグXFCの値が「1」であるか否かを判定する。前述したように、現時点においてF/C実行フラグXFCの値は「0」である。従って、CPUはステップ1805にて「No」と判定し、ステップ1895に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPUは、所定時間が経過する毎に図19にフローチャートにより示した「空燃比気筒間インバランス判定ルーチン」を実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは図19のステップ1900から処理を開始してステップ1910に進み、第1気筒データ数カウンタC(1)の値が所定のデータ数閾値Cth(Cth>1)以上であるか否かを判定する。換言すると、CPUは、ステップ1910にて、第1気筒についての空燃比関連データのサンプル数が十分な数に到達したか否かを判定する。なお、データ数閾値Cthは「1」であってもよい。
後述するように、第1気筒データ数カウンタC(1)は第1気筒についての空燃比関連データが新たに取得される毎に「1」ずつ増大される。更に、第1気筒データ数カウンタC(1)は、前述したイニシャルルーチンにより「0」に設定される。従って、前述した仮定によれば第1気筒データ数カウンタC(1)の値は「0」であり、データ数閾値Cthよりも小さい。よって、CPUはステップ1910にて「No」と判定し、ステップ1995に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。なお、他の気筒のデータ数カウンタ、即ち、第L気筒データ数カウンタC(L)(Lは2〜4の整数)も、第L気筒についての空燃比関連データが新たに取得される毎に「1」ずつ増大される。更に、第L気筒データ数カウンタC(L)は、前述したイニシャルルーチンにより「0」に設定される。
以上の作動が繰り返されることにより、燃料噴射、混合気の吸気、圧縮、爆発及び排気が実行され、機関10は通常運転を継続する。
次に、通常運転中にフューエルカット開始条件が成立した場合の作動について説明する。この場合、CPUは図15のステップ1500及びステップ1510に続くステップ1520に進んだとき、そのステップ1520にて「Yes」と判定する。そして、CPUはステップ1530にてF/C要求フラグXFCreqの値を「1」に設定する。
次いで、CPUはステップ1540に進み、空燃比関連データを取得するべき第n気筒(データ取得気筒)を決定する。但し、nは1〜4の整数である。第1判定装置は、「フューエルカット開始条件が成立した時点(フューエルカット開始条件成立時点tfc)において、フューエルカット開始条件成立時点tfc後に最も遅く燃料噴射開始タイミングが到来する気筒」を第n気筒(データ取得気筒)として選択する。換言すると、CPUは、「フューエルカット開始条件成立時点tfcにおいて、そのフューエルカット開始条件成立時点tfcより前の時点にて発生した燃料噴射開始タイミングがそのフューエルカット開始条件成立時点tfcに一番近いタイミングであった気筒」をデータ取得気筒として選択する。
例えば、タイムチャートである図20に示したように、第3気筒の吸気上死点近傍である時刻tfcにてフューエルカット開始条件が成立すると、フューエルカット開始条件成立時点tfcにおいて「燃料噴射が開始されていない気筒であって、且つ、最も遅く燃料噴射開始タイミングが到来する気筒」は第3気筒になる。従って、図20に示した例においては、第3気筒(第n気筒;n=3)がデータ取得気筒として決定される。また、例えば、フューエルカット開始条件成立時点tfcが図20の期間Ta(第1気筒の燃料噴射開始時点から第3気筒の燃料噴射開始時点までの期間)内に発生すると、データ取得気筒は第1気筒となる。その後、CPUはステップ1595に進み、本ルーチンを一旦終了する。
なお、図20において、「IN ○」及び「EX ○」は、吸気弁23の状態及び排気弁25の状態がそれぞれ「弁作動状態」にあることを示す。「IN X」及び「EX X」は、吸気弁23の状態及び排気弁25の状態がそれぞれ「弁休止状態」にあることを示す。「Inj」は燃料噴射期間を示し、「F/C」は燃料噴射が停止されていることを示す。これらの記号の意味は以下に説明する同様なタイムチャートにおいて同じである。
この状態(フューエルカット開始条件が不成立から成立へと変化した状態)にて所定の時間が経過すると、CPUは図16のルーチンの処理をステップ1600から再び開始する。この場合、F/C要求フラグXFCreqの値は「1」である。従って、CPUがステップ1610に進んだとき、CPUはそのステップ1610にて「No」と判定してステップ1640に進み、F/C実行フラグXFCの値が「0」であるか否かを判定する。
この時点においては、F/C実行フラグXFCの値は依然として「0」である。従って、CPUはステップ1640にて「Yes」と判定してステップ1650に進み、現時点における絶対クランク角θ(即ち、燃料噴射気筒の吸気上死点前θaクランク角)が、「データ取得気筒である第n気筒の吸気上死点前θaクランク角」と「第n気筒の吸気上死点前θaクランク角から540°クランク角遡ったクランク角θb」との範囲内のクランク角であるか否かを判定する。但し、この範囲は、「第n気筒の吸気上死点前θaクランク角」及び「第n気筒の吸気上死点前θbクランク角」を含む。換言すると、ステップ1650においては、絶対クランク角を、「第n気筒の吸気上死点を基準として同吸気上死点より前のクランク角を正の値で表したクランク角」であるとするとき、現時点の絶対クランク角θが、次の(1)式を満たすか否かが判定される。
θa≦θ≦θb=θa+540° …(1)
上述したように、第1判定装置は、フューエルカット開始条件が成立した時点(即ち、F/C要求フラグXFCreqの値が「0」から「1」に変更された時点)tfcにおいて「最も遅く燃料噴射開始タイミングが到来する気筒」を第n気筒(データ取得気筒)として選択する。即ち、CPUは「フューエルカット開始条件成立時点tfcにおいて、そのフューエルカット開始条件成立時点tfcより前の時点にて発生した燃料噴射開始タイミングがそのフューエルカット開始条件成立時点tfcに一番近いタイミングであった気筒」をデータ取得気筒として選択する。そのため、CPUが図16のルーチンの処理を開始し、且つ、F/C要求フラグXFCreqの値が「1」であり、且つ、F/C実行フラグXFCの値が「0」である場合、即ち、CPUがステップ1650に進んだ場合、そのステップ1650の判定条件は必ず満足される。この意味において、第1判定装置におけるステップ1650は、より確実に燃料噴射の停止を行うために設けられていると言うことができる。
換言すると、CPUは、ステップ1650の処理により、現時点が「第n気筒の燃料噴射タイミングからみて、0〜3回の燃料噴射分だけ前の燃料噴射タイミング」であるか否かを判定している。そして、現時点のクランク角は、第n気筒の噴射タイミングよりも3回の燃料噴射分だけ前(540°クランク角前)のクランク角である。従って、CPUはステップ1650にて「Yes」と判定してステップ1660に進む。
CPUはステップ1660にて、本来は燃料噴射気筒の燃料噴射弁29に燃料噴射を実行させるタイミングであるが、その燃料噴射を停止する。即ち、CPUは燃料噴射気筒の燃料噴射弁29に何らの噴射指示信号を送出しない。この結果、燃料噴射気筒はフューエルカット運転状態となる。
次に、CPUはステップ1670に進み、燃料噴射気筒の「吸気弁23及び排気弁25」の状態を「弁休止状態」に設定するように、その燃料噴射気筒の「吸気弁用アクチュエータ27及び排気弁用アクチュエータ28」に指示信号を送出する。即ち、CPUは燃料噴射が停止された気筒を「弁休止状態」に設定する。但し、この時点においてその気筒の排気弁25が開弁していれば、CPUはその排気弁25を通常のタイミングにて閉弁させ、それ以降においてその燃料噴射気筒の排気行程が到来するまでに、その燃料噴射気筒の排気弁25の状態を弁休止状態に設定する。
次に、CPUはステップ1680へと進み、現時点の絶対クランク角θがデータ取得気筒(第n気筒)の吸気上死点前θaクランク角であるか否かを判定する。現時点の絶対クランク角θは、データ取得気筒(第n気筒)の吸気上死点前θaクランク角ではない。従って、CPUはステップ1680にて「No」と判定し、ステップ1695に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。以上の処理により、点火順序の上で第n気筒よりも3点火分前の気筒(即ち、現時点における燃料噴射気筒)に対する燃料噴射が停止されるとともに、その気筒が「弁休止状態」に変更される。
例えば、図20を参照すると、フューエルカット開始条件成立時点tfc(F/C要求フラグXFCreqの値が「0」から「1」へと変更された時点)の直後に「第4気筒のクランク角が第4気筒の吸気上死点前θaクランク角となったとき(即ち、第4気筒が燃料噴射タイミングを迎えたとき)」、その時点の絶対クランク角θは、データ取得気筒として選択された第3気筒の吸気上死点前(θa+540°)クランク角である。従って、ステップ1660及びステップ1670の処理が実行されるので、第4気筒の燃料噴射は停止され、第4気筒の吸気弁23及び排気弁25の状態は、その時点以降において「弁休止状態」に設定される。
この状態においては、F/C実行フラグXFCの値は依然として「0」である。従って、CPUが図17のルーチンのステップ1710に進むと、CPUはそのステップ1710にて「No」と判定し、ステップ1795に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。更に、CPUが図18のステップ1805に進むと、CPUはそのステップ1805にて「No」と判定し、ステップ1895に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。これらの作動は、F/C実行フラグXFCの値が「1」に設定されるまで継続する。
更に、この状態においては、第1気筒データ数カウンタC(1)の値は「0」であり、データ数閾値Cthよりも小さい。従って、CPUが図19のルーチンのステップ1910に進むと、CPUはそのステップ1910にて「No」と判定し、ステップ1995に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。この作動は、第1気筒データ数カウンタC(1)の値が増大されることによりデータ数閾値Cth以上となるまで継続される。
更に、この状態においては、F/C要求フラグXFCreqの値は「1」に変更されている。従って、CPUが図15のルーチンのステップ1510に進むと、CPUはそのステップ1510にて「No」と判定し、ステップ1595に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。この作動は、F/C要求フラグXFCreqの値が再び「0」に変更されるまで継続される。
更に、この状態にてクランク角が180°回転すると、CPUは図16のルーチンの処理をステップ1600から再び開始する。そして、CPUは、ステップ1610にて「No」と判定し、次いで、ステップ1640にて「Yes」と判定してステップ1650に進む。
現時点のクランク角は、第n気筒の噴射タイミングよりも360°クランク角前である。従って、CPUはステップ1650にて「Yes」と判定し、ステップ1660及びステップ1670の処理を実行する。この結果、現時点における燃料噴射気筒はフューエルカット運転状態となる。即ち、点火順序の上で第n気筒(データ取得気筒)よりも2点火分前の気筒に対する燃料噴射が停止されるとともに、その気筒の状態(その気筒の吸気弁23及び排気弁25)が「弁休止状態」に変更される。その後、CPUはステップ1680にて「No」と判定し、ステップ1695に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、この状態にてクランク角が180°回転すると、CPUは図16のルーチンの処理をステップ1600から再び開始する。この場合、CPUは図16のステップ1610にて「No」と判定し、次いで、ステップ1640にて「Yes」と判定してステップ1650に進む。
現時点のクランク角は、第n気筒の噴射タイミングよりも180°クランク角前である。従って、CPUはステップ1650にて「Yes」と判定し、ステップ1660及びステップ1670の処理を実行する。この結果、現時点における燃料噴射気筒はフューエルカット運転状態となる。即ち、点火順序の上で第n気筒(データ取得気筒)よりも1点火分前の気筒に対する燃料噴射が停止されるとともに、その気筒の状態(その気筒の吸気弁23及び排気弁25)が「弁休止状態」に変更される。その後、CPUはステップ1680にて「No」と判定し、ステップ1695に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、この状態にてクランク角が180°回転すると、CPUは図16のルーチンの処理をステップ1600から再び開始する。この場合、CPUは図16のステップ1610にて「No」と判定し、次いで、ステップ1640にて「Yes」と判定してステップ1650に進む。
現時点のクランク角は、第n気筒の噴射タイミングである。即ち、前述した絶対クランク角θは「データ取得気筒である第n気筒の吸気上死点前θaクランク角」に一致している。従って、CPUはステップ1650にて「Yes」と判定し、ステップ1660及びステップ1670の処理を実行する。この結果、現時点における燃料噴射気筒(即ち、第n気筒)はフューエルカット運転状態となる。換言すると、第n気筒に対する燃料噴射が停止されるとともに、第n気筒の状態(第n気筒の吸気弁23及び排気弁25)が「弁休止状態」に変更される。
次に、CPUはステップ1680に進む。この場合、絶対クランク角θは「データ取得気筒である第n気筒の吸気上死点前θaクランク角」に一致している。従って、CPUはステップ1680にて「Yes」と判定し、ステップ1690にてF/C実行フラグXFCの値を「1」に設定し、その後、ステップ1695に進んで本ルーチンを一旦終了する。以上により、総ての気筒の状態がフューエルカット運転状態且つ弁休止状態となる。
この状態において、CPUが図17に示したルーチンの処理を開始してステップ1710に進んだとき、CPUはそのステップ1710にて「Yes」と判定し、ステップ1720にてフューエルカット終了条件が成立したか否かを判定する。上述した図15のステップ1520におけるフューエルカット開始条件に対するフューエルカット終了条件(即ち、減速フューエルカット運転終了条件)の一例は、「F/C実行フラグXFCの値が「1」であって且つスロットル弁開度TA(又はアクセルペダル操作量Accp)が「0」よりも大きくなること、又は、F/C実行フラグXFCの値が「1」であって且つ機関回転速度NEがフューエルカット開始回転速度NEFCthよりも小さいフューエルカット復帰回転速度NERTth以下となること」である。
現時点において、フューエルカット終了条件は成立していないと仮定して説明を続ける。この場合、CPUはステップ1720にて「No」と判定し、ステップ1795に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。従って、後述するステップ1740の処理が行われないので、F/C実行フラグXFCの値は「1」に維持される。
この状態において、CPUが所定のタイミングにて図18のステップ1805に進んだとき、CPUはそのステップ1805にて「Yes」と判定し、ステップ1810にてデータ取得フラグXgetの値が「0」であるか否かを判定する。
データ取得フラグXgetは、その値が「1」であるとき、今回のフューエルカット運転において空燃比関連データが既に取得されたことを示す(後述するステップ1855を参照。)。データ取得フラグXgetは、その値が「0」であるとき、今回のフューエルカット運転において空燃比関連データが未だ取得されていないことを示す。なお、データ取得フラグXgetの値は、前述したイニシャルルーチン及び後述する図17のステップ1750において「0」に設定される。
現時点においては、今回のフューエルカット運転中に空燃比関連データは未だ取得されていない。従って、データ取得フラグXgetの値は「0」であるから、CPUはステップ1810にて「Yes」と判定する。そして、CPUはステップ1815に進み、「上流側空燃比センサ55の出力値Vabyfsと空燃比変換テーブルMapabyfsとに基づいて取得された上流側空燃比abyfs(即ち、検出空燃比)」の「時間的変化量の絶対値ΔAF(以下、「空燃比変化量ΔAF」とも称呼する。)」を以下の(2)式に従って算出する。(2)式において、abyfsoldはCPUが本ルーチンを前回実行した時点における上流側空燃比abyfsである(次のステップ1820を参照。)。abyfsoldは上流側空燃比前回値abyfsoldと称呼される。
ΔAF=|abyfs−abyfsold| …(2)
次に、CPUはステップ1820に進んで現時点の上流側空燃比abyfsを次回の計算のために上流側空燃比前回値abyfsoldとして記憶し、ステップ1825に進んで空燃比変化量ΔAFが空燃比変化量閾値ΔAFth(ΔAFth>0)よりも小さいか否かを判定する。現時点はフューエルカット運転が開始された直後であり、従って、フューエルカット開始条件成立時点tfc及び第1所定時点t1の直後でもある。前述したように、第1所定時点t1から所定の時間が経過するまで、「データ取得気筒以外の気筒から排気滞留空間に排出された排ガス」が排気滞留空間中に存在し且つ上流側空燃比センサ55を通過している。従って、上流側空燃比abyfsである検出空燃比は安定しないので、空燃比変化量ΔAFは空燃比変化量閾値ΔAFth以上である。このため、CPUはステップ1825にて「No」と判定し、ステップ1895に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
このような状態が継続すると、排気滞留空間はデータ取得気筒(第n気筒)から最後に排出された排ガス(最終ガス)で実質的に満たされる。従って、上流側空燃比abyfsは安定し、空燃比変化量ΔAFは空燃比変化量閾値ΔAFthよりも小さくなる。従って、CPUが図18のルーチンの処理を開始してステップ1825に進んだとき、CPUはそのステップ1825にて「Yes」と判定し、ステップ1830に進んで安定継続カウンタCokの値を「1」だけ増大させる。この安定継続カウンタCokは、「空燃比変化量ΔAFが空燃比変化量閾値ΔAFthよりも小さい状態」が所定時間以上継続したことを確認するためのカウンタである。安定継続カウンタCokの値は、後述するように、空燃比関連データが取得されたときに「0」に設定される(ステップ1850を参照。)とともに、フューエルカット終了条件が成立したときにも「0」に設定される(図17のステップ1760を参照。)。更に、安定継続カウンタCokの値は、前述したイニシャルルーチンにより「0」に設定される。
次に、CPUはステップ1835に進み、安定継続カウンタCokが安定継続カウンタ閾値Cokth以上であるか否かを判定する。現時点は、空燃比変化量ΔAFが空燃比変化量閾値ΔAFthよりも小さくなった直後である。従って、安定継続カウンタCokは安定継続カウンタ閾値Cokthよりも小さい。このため、CPUはステップ1835にて「No」と判定し、ステップ1895に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。なお、安定継続カウンタ閾値Cokthは「1」以上の値であればよい。
この状態が継続すると、ステップ1830の処理が繰り返し実行されるので、安定継続カウンタCokの値は安定継続カウンタ閾値Cokth以上となる。この時点が、上述した第2所定時点tpに相当する。このとき、CPUがステップ1835に進むと、CPUはそのステップ1835にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ1840乃至ステップ1855の処理を順に行うことによってデータ取得気筒(第n気筒)の空燃比関連データを取得し、その後、ステップ1895に進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1840:CPUは、その時点における第n気筒(今回のデータ取得気筒)の空燃比データ積算値SAF(n)に「現時点の上流側空燃比センサ55の出力値Vabyfsに基づいて取得された上流側空燃比abyfs」を加えることにより、新たな空燃比データ積算値SAF(n)を得る。即ち、データ取得気筒が第1気筒であれば「第1気筒の空燃比データ積算値SAF(1)」の値が「その時点の上流側空燃比abyfs(検出空燃比)」だけ増大され、データ取得気筒が第2気筒であれば「第2気筒の空燃比データ積算値SAF(2)」の値が「その時点の上流側空燃比abyfs(検出空燃比)」だけ増大される。同様に、データ取得気筒が第3気筒であれば「第3気筒の空燃比データ積算値SAF(3)」の値が「その時点の上流側空燃比abyfs(検出空燃比)」だけ増大され、データ取得気筒が第4気筒であれば「第4気筒の空燃比データ積算値SAF(4)」の値が「その時点の上流側空燃比abyfs(検出空燃比)」だけ増大される。
ステップ1845:CPUは、第n気筒データ数カウンタC(n)の値を「1」だけ増大させる。即ち、データ取得気筒が第1気筒であれば第1気筒データ数カウンタC(1)の値が「1」だけ増大され、データ取得気筒が第2気筒であれば第2気筒データ数カウンタC(2)の値が「1」だけ増大される。同様に、データ取得気筒が第3気筒であれば第3気筒データ数カウンタC(3)の値が「1」だけ増大され、データ取得気筒が第4気筒であれば第4気筒データ数カウンタC(4)の値が「1」だけ増大される。
ステップ1850:CPUは、安定継続カウンタCokの値を「0」に設定する。
ステップ1855:CPUは、データ取得フラグXgetの値を「0」に設定する。
以上の処理により、データ取得気筒(最後に前記弁休止状態となった気筒、即ち、最終ガス排出気筒)に供給されていた混合気の空燃比を表すデータ(空燃比関連データ)が取得され、蓄積される。
なお、この状態において、CPUが図18のルーチンのステップ1810に進むと、CPUはそのステップ1810にて「No」と判定し、ステップ1895に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。従って、一回のフューエルカット運転においては1度だけ空燃比関連データが取得される。
次に、F/C実行フラグXFCの値が「1」に設定されている期間(総ての気筒に対する燃料供給が停止されている状態)においてフューエルカット終了条件が成立した場合について説明する。この場合、CPUは図17のルーチンの処理をステップ1700から開始してステップ1710に進んだとき、CPUはそのステップ1710にて「Yes」と判定し、続くステップ1720にても「Yes」と判定する。そして、CPUは、以下に述べるステップ1730乃至ステップ1760の処理を順に行い、ステップ1795に進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1730:CPUは、F/C要求フラグXFCreqの値を「0」に設定する。
ステップ1740:CPUは、F/C実行フラグXFCの値を「0」に設定する。
ステップ1750:CPUは、データ取得フラグXgetの値を「0」に設定する。
ステップ1760:CPUは、安定継続カウンタCokの値を「0」に設定する。
これにより、CPUは以下に述べるように動作するようになる。
CPUは、図15のステップ1510からステップ1520へと進む。
CPUは、図16のステップ1610からステップ1620へと進む。
CPUは、図17のステップ1710からステップ1795へと直接進む。
CPUは、図18のステップ1805からステップ1895へと直接進む。
従って、燃料噴射が再開され(図16のステップ1620を参照。)、且つ、各気筒の状態が弁動作状態に変更される。更に、フューエルカット開始条件が再び成立すると、CPUはデータ取得気筒を決定し(図15のステップ1540を参照。)、そのデータ取得気筒の燃料噴射が最後に行われる燃料噴射となるように各気筒の燃料噴射を停止して行くとともに(図16のステップ1650乃至ステップ1670を参照。)、その状態において上流側空燃比abyfsが安定したとき(空燃比変化量ΔAFが空燃比変化量閾値ΔAFthよりも小さくなったとき)、その時点の上流側空燃比abyfsをデータ取得気筒の空燃比データとして取得する(図18のステップ1825乃至ステップ1840を参照。)。
前述したように、フューエルカット開始条件が成立するタイミングは、クランク角とは無関係である。従って、機関10が所定運転時間だけ運転されると、一般には、各気筒が互いに略同一の頻度にてデータ取得気筒に選択されるので、各気筒の空燃比関連データが互いに略同一の頻度にて取得される。従って、第m気筒データ数カウンタC(m)(即ち、第1気筒データ数カウンタC(1)、第2気筒データ数カウンタC(2)、第3気筒データ数カウンタC(3)及び4気筒データ数カウンタC(4))の値が互いに同じように増大し、いずれそれら総てがデータ数閾値Cth以上となる。
この場合、CPUが図19のルーチンの処理をステップ1900から開始すると、CPUは、「第1気筒データ数カウンタC(1)の値が所定のデータ数閾値Cth以上であるか否か」を判定するステップ1910にて「Yes」と判定し、ステップ1920に進んで「第2気筒データ数カウンタC(2)の値が所定のデータ数閾値Cth以上であるか否か」を判定する。
そして、CPUはステップ1920にて「Yes」と判定し、ステップ1930に進んで「第3気筒データ数カウンタC(3)の値が所定のデータ数閾値Cth以上であるか否か」を判定する。このとき、CPUはステップ1930にて「Yes」と判定し、ステップ1940に進んで「第4気筒データ数カウンタC(4)の値が所定のデータ数閾値Cth以上であるか否か」を判定する。
このとき、CPUはステップ1940にて「Yes」と判定してステップ1950に進み、空燃比関連データである空燃比データ積算値SAF(m)を利用して「各気筒の空燃比(それぞれの気筒に供給された混合気の空燃比)AF(m)」を取得する。より具体的に述べると、CPUは、第m気筒の空燃比データ積算値SAF(m)を第m気筒データ数カウンタC(m)により除することにより第m気筒の空燃比の平均値を求め、その平均値を第m気筒の空燃比AF(m)として取得する。
即ち、CPUは、第1気筒の空燃比データ積算値SAF(1)を第1気筒データ数カウンタC(1)により除することにより、第1気筒の空燃比AF(1)を取得する。CPUは、第2気筒の空燃比データ積算値SAF(2)を第2気筒データ数カウンタC(2)により除することにより、第2気筒の空燃比AF(2)を算出する。CPUは、第3気筒の空燃比データ積算値SAF(3)を第3気筒データ数カウンタC(3)により除することにより、第3気筒の空燃比AF(3)を算出する。CPUは、第4気筒の空燃比データ積算値SAF(4)を第4気筒データ数カウンタC(4)により除することにより、第4気筒の空燃比AF(4)を算出する。
次に、CPUはステップ1960に進み、第1気筒の空燃比AF(1)、第2気筒の空燃比AF(2)、第3気筒の空燃比AF(3)及び第4気筒の空燃比AF(4)の中に「一つだけ他と所定値以上乖離する空燃比」があるか否かを判定する。
例えば、第3気筒の空燃比のみが理論空燃比よりも大きくリッチ側に移行した空燃比気筒間インバランスが発生していると仮定する。この場合、例えば、第1気筒のAF(1)、第2気筒の空燃比AF(2)及び第4気筒の空燃比AF(4)は、14.5〜14.7であり、第3気筒の空燃比AF(3)は11である。従って、第3気筒の空燃比AF(3)が、他の気筒の空燃比AF(1),AF(2)及びAF(4)から所定値(例えば、3)以上乖離している。よって、この場合、CPUは第3気筒に起因する空燃比気筒間インバランスが発生していると判断することができる。
このように、第1気筒の空燃比AF(1)、第2気筒の空燃比AF(2)、第3気筒の空燃比AF(3)及び第4気筒の空燃比AF(4)の中に一つだけ他と所定値以上乖離する空燃比があれば、CPUはステップ1960にて「Yes」と判定し、ステップ1970に進んで「インバランス発生フラグXINB」の値を「1」に設定する。即ち、CPUは、「空燃比気筒間インバランスが発生した」と判定する。なお、インバランス発生フラグXINBの値は、電気制御装置60のバックアップRAMに格納される。また、インバランス発生フラグXINBの値が「1」に設定されたとき、CPUは図示しない警告手段を駆動してもよい(例えば、警告ランプを点灯してもよい。)。
これに対し、第1気筒の空燃比AF(1)、第2気筒の空燃比AF(2)、第3気筒の空燃比AF(3)及び第4気筒の空燃比AF(4)の中に一つだけ他と所定値以上乖離する空燃比がなければ、CPUはステップ1960にて「No」と判定し、ステップ1980に進んで「インバランス発生フラグXINB」の値を「0」に設定する。即ち、CPUは、「空燃比気筒間インバランスは発生していない」と判定する。
なお、CPUは図19のステップ1920乃至ステップ1940の条件の何れかにおいて「No」と判定した場合、ステップ1995に直接進む。
<第2実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置の作動の詳細>
次に、第2実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置(以下、「第2判定装置」と称呼する。)の実際の作動について説明する。第2判定装置は、データ取得気筒の決定の方法が第1判定装置と相違している。従って、以下、この相違点を中心に説明する。
第2判定装置のCPUは、フューエルカット開始条件が成立した直後(フューエルカット開始条件成立時点tfcの直後)において図15のステップ1540に進んだとき、次のようにデータ取得気筒(第n気筒)を決定する。
CPUは、フューエルカット開始条件成立時点tfcにおいて「第m気筒データ数カウンタC(m)(mは1〜4の整数)のうち、最も小さい値を有するカウンタに対応する気筒(即ち、空燃比関連データの取得頻度が最小である気筒)」をデータ取得気筒(第n気筒)として選択する。例えば、第m気筒データ数カウンタC(m)の値が図21に示したような値である場合、CPUは第2気筒をデータ取得気筒(第n気筒;n=2)として決定する。
CPUは、フューエルカット開始条件成立時点tfcにおいて、第m気筒データ数カウンタC(m)のうち、2以上のカウンタが互いに同じ最も小さい値を有する場合(図22を参照。)、それらのカウンタに対応する気筒のうち「フューエルカット開始条件成立時点tfcより前の燃料噴射開始タイミングがそのフューエルカット開始条件成立時点tfcに一番近いタイミングであった気筒」をデータ取得気筒(第n気筒)として決定する。
このように、第2判定装置は、「フューエルカット開始条件成立時点tfcにおいて、フューエルカット開始条件成立時点tfcより前の燃料噴射開始タイミングがそのフューエルカット開始条件成立時点tfcに一番近いタイミングであった気筒」とは異なる気筒をデータ取得気筒として選択する場合がある。
図23は、このような場合の一例を示している。図23に示した例において、「フューエルカット開始条件成立時点tfcにおいて、フューエルカット開始条件成立時点tfcより前の燃料噴射開始タイミングがそのフューエルカット開始条件成立時点tfcに一番近いタイミングであった気筒(フューエルカット開始条件成立時点tfc後に最も遅く燃料噴射開始タイミングが到来する気筒)」は第3気筒である。しかし、図21に示したように、第2気筒データ数カウンタC(2)の値が、他の気筒データカウンタC(1)、C(3)及びC(4)よりも小さい場合、第3気筒ではなく第2気筒がデータ取得気筒として選択される。
この結果、フューエルカット開始条件成立時点tfcの直後に到来する第4気筒の噴射タイミングにおいて燃料噴射は実行され、且つ、その第4気筒は弁休止状態には変更されない(弁作動状態に維持される。)。更に、続く第2気筒の噴射タイミングにおいて燃料噴射は実行され、且つ、その第2気筒は弁休止状態には変更されない(弁作動状態に維持される。)。
そして、次の第1気筒の噴射タイミングにおいて燃料噴射が停止され、且つ、その第1気筒の状態が弁休止状態に変更される。このタイミングが上記第1所定時点である。その後、第3気筒、第4気筒、第2気筒の順(点火順)に燃料噴射が停止されるとともに、燃料噴射が停止された気筒の状態が弁休止状態に変更されて行く。この結果、第2気筒が最終ガス排出気筒、即ち、データ取得気筒となる。
次に、第2判定装置の実際の作動について説明する。第2判定装置のCPUは、図15に示したルーチンと、図16の一部のステップを図24に示したステップに置換したルーチンと、図17乃至図19に示したルーチンと、を実行するようになっている。このうち図15と図17乃至図19とに示したルーチンは説明済みである。従って、以下、図16の一部のステップを図24に示したステップに置換したルーチンについて主として説明する。
いま、フューエルカット開始条件が成立することに伴ってF/C要求フラグXFCreqの値が「0」から「1」へと変更された直後において、何れかの気筒のクランク角が吸気上死点前の所定クランク角θaに一致し、CPUが図16に示したルーチンの処理をステップ1600から開始したと仮定する。
この場合、CPUはステップ1610にて「No」と判定し、続くステップ1640にて「Yes」と判定し、図24のステップ2410に進む。そして、CPUはステップ2410にて、「フューエルカット開始条件成立時点tfcが、データ取得気筒(第n気筒)の噴射開始タイミングと、そのデータ取得気筒の次に噴射タイミングを迎える気筒の噴射開始タイミングと、の間(期間Tb内)であったか否か」を判定する。
例えば、図23に示した例(データ取得気筒が第2気筒である例)により説明すると、CPUはステップ2410において、「フューエルカット開始条件成立時点tfcが、期間Tb内において生じたのか、期間Tbではない期間(即ち、期間Tc内)において生じたのか」を判定する。この図23に示した例においては、フューエルカット開始条件成立時点tfcは期間Tb内において生じていない。従って、CPUはステップ2410にて「No」と判定してステップ2420に進み、現時点のクランク角θが、「フューエルカット開始条件成立時点tfcを基準にしたときの、データ取得気筒(第n気筒)の次の次の吸気上死点前θaクランク角」から「そのデータ取得気筒の次の次の吸気上死点前θb(=θa+540°)」の間(θa及びθbを含む)か否かを判定する。
現時点は、フューエルカット開始条件成立時点tfc直後であるので、現時点のクランク角θはステップ2420の条件を満足しない(図23を参照。)。よって、CPUはステップ2420にて「No」と判定して図16のステップ1620及び1630へと進む。この結果、現時点の燃料噴射気筒(図23の例における第4気筒)に対して燃料噴射が実行されるとともに、その気筒の状態は弁動作状態に維持される。
このような作動は、ステップ2420の条件が満足されるまで継続される。従って、図23の例においては、第4気筒に続き第2気筒に対しても燃料噴射が実行されるとともに、その第2気筒の状態は弁動作状態に維持される。
そして、ステップ2420の条件が満足されると、CPUはそのステップ2420にて「Yes」と判定してステップ1660及びステップ1670へと進む。この結果、クランク角θが「フューエルカット開始条件成立時点tfcを基準にした場合のデータ取得気筒(第n気筒)の次の次の吸気上死点前θb」に一致した気筒から、点火順に、燃料噴射が停止され、且つ、弁休止状態へと変更されて行く。つまり、図23の例においては、第1気筒、第3気筒、第4気筒の順に燃料噴射が停止されるとともに弁休止状態へと変更されて行く。
そして、クランク角θが「フューエルカット開始条件成立時点tfcを基準にした場合のデータ取得気筒(第n気筒)の次の次の吸気上死点前θa」に一致すると、第n気筒の燃料噴射が停止されるとともに第n気筒が弁休止状態へと変更される。この結果、第n気筒(図23における第2気筒)が最終ガス排出気筒、即ち、データ取得気筒となる。この時点にて、CPUは図16のステップ1680にても「Yes」と判定してステップ1690の処理を行うので、F/C実行フラグXFCの値が「1」に変更される。
一方、フューエルカット開始条件成立時点tfcが、期間Tb内において生じていたとすると、CPUはステップ2410にて「Yes」と判定してステップ2430に進み、現時点のクランク角θが、「フューエルカット開始条件成立時点tfcを基準にしたときの、データ取得気筒(第n気筒)の次の吸気上死点前θaクランク角」から「そのデータ取得気筒の次の吸気上死点前θb(=θa+540°)」の間(θa及びθbを含む)か否かを判定する。
ところで、CPUがステップ2410にて「Yes」と判定する場合は、データ取得気筒が「フューエルカット開始条件成立時点tfcより前の燃料噴射開始タイミングがそのフューエルカット開始条件成立時点tfcに一番近いタイミングであった気筒」である場合である。従って、ステップ2430の条件は、図16のステップ1650の条件と同様、CPUがステップ2430に進む場合には必ず成立している条件である。つまり、ステップ2430は確認的に設けられている。従って、CPUはステップ2430にて「Yes」と判定し、ステップ1660及びステップ1670へと進む。
このように、点火順序の上でデータ取得気筒である第n気筒よりも3点火分前の気筒から第n気筒までの燃料噴射が点火順に停止されるとともに、燃料噴射が停止された気筒の状態が順に弁休止状態に変更され行く。
<第3実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置の作動の詳細>
次に、第3実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置(以下、「第3判定装置」と称呼する。)の実際の作動について説明する。第3判定装置は、データ取得気筒の決定の方法が第2判定装置と相違している。従って、以下、この相違点を中心に説明する。
上述した第2判定装置のCPUは、フューエルカット開始条件成立時点tfcにおいて「第m気筒データ数カウンタC(m)(mは1〜4の整数)のうち、最も小さい値を有するカウンタに対応する気筒(即ち、空燃比関連データの取得頻度が最小である気筒)」をデータ取得気筒(第n気筒)として選択した。これに対し、第3判定装置のCPUは、この空燃比関連データ取得頻度に加え、「フューエルカット開始条件成立時点tfc」から「データ取得気筒の燃料噴射がそのデータ取得気筒の燃料噴射タイミングになっても行われずに停止される時点」までの時間tex(以下、「フューエルカット実行開始完了時間tex」とも称呼する。)を考慮して、データ取得気筒を決定する。
より具体的に述べると、第3判定装置のCPUは、フューエルカット開始条件成立時点tfcの直後において図15のステップ1540に進んだとき、次のようにデータ取得気筒(第n気筒)を決定する。
CPUは、各気筒の優先度kを決定し、優先度kが最も大きい気筒をデータ取得気筒として決定する。この優先度kを決定するために、CPUは、先ず、第m気筒データ数カウンタC(m)(mは1〜4の整数)を図25に示した第1テーブルに適用することにより、第m気筒の優先度係数k1(m)を決定する。第1テーブルによれば、第m気筒データ数カウンタC(m)の値が小さいほど大きくなる優先度係数k1(m)が得られる。
次に、CPUは、第m気筒をデータ取得気筒として選択したと仮定した場合のフューエルカット実行開始完了時間texを求め、その時間texを図26に示した第2テーブルに適用することにより、第m気筒の優先度係数k2(m)を決定する。第2テーブルによれば、時間texが短いほど大きくなる優先度係数k2(m)が得られる。
次に、CPUは、第m気筒の優先度係数k1(m)と第m気筒の優先度係数k2(m)との積を求め、その積を第m気筒の優先度kとして求める。そして、CPUは優先度kが最も大きい第m気筒をデータ取得気筒(第n気筒)として決定する。CPUの作動は、このデータ取得気筒の決定方法を除き、第2判定装置のCPUの作動と同じである。
なお、第3判定装置は、「フューエルカット実行開始完了時間tex」に代え、「フューエルカット開始条件成立時点tfc」から「最終ガス排出時点(最終ガス排出開始時点又は最終ガス排出完了時点)」までの時間を用いて優先度係数k2(m)を求めてもよい。また、第3判定装置は、優先度係数k2のみに基づいて(即ち、フューエルカット実行開始完了時間texのみに基づいて)、データ取得気筒を決定してもよい。
<第4実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置の作動の詳細>
次に、第4実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置(以下、「第4判定装置」と称呼する。)の実際の作動について説明する。第4判定装置は、データ取得気筒の決定の方法が第1判定装置と相違している。従って、以下、この相違点を中心に説明する。
第4判定装置のCPUは、フューエルカット開始条件成立時点tfcにおいて、「前回のフューエルカット開始条件成立時点(前回のフューエルカット運転実行時)においてデータ取得気筒であった気筒」とは相違する気筒を、今回のデータ取得気筒として決定する。
例えば、前回のフューエルカット開始条件成立時点tfcにおいて第1判定装置と同じ手法に基づいて第1気筒がデータ取得気筒として決定され、その前回のフューエルカット開始条件成立に伴うフューエルカット運転において第1気筒の空燃比関連データが得られていたと仮定する。このとき、今回のフューエルカット開始条件成立時点tfcにおいて第1判定装置と同じ手法に基づいて第1気筒がデータ取得気筒として再び決定されたとすると、第4判定装置のCPUは第1気筒とは相違する気筒(例えば、点火が第1気筒の次に行われる第3気筒)をデータ取得気筒として選択する。なお、CPUの作動は、このデータ取得気筒の決定方法を除き、第2判定装置のCPUの作動と同じである。
本発明による判定装置は、以下に述べるように、種々の修正を加えた判定装置であってもよい。
上述した第1乃至第4判定装置は、第1所定時点t1以降において、各気筒に対する燃料噴射を燃料噴射順序(点火順序と同じ)に従って順番に停止するとともに、その燃料噴射が停止された気筒の吸気弁23及び排気弁25を共に弁休止状態へと変更した。
これに対し、本発明の変形例に係る判定装置(他の判定装置)は、第1所定時点t1以降において、各気筒に対する燃料噴射を燃料噴射順序に従って順番に停止するとともに、その燃料噴射が停止された気筒の吸気弁23及び排気弁25の何れか一方を弁休止状態へと変更し、吸気弁23及び排気弁25の何れか他方を弁作動状態に維持してもよい。
即ち、例えば、図27に示したように、他の判定装置は、第1所定時点以降において燃料噴射が停止された気筒の吸気弁23のみを弁休止状態へと変更し、排気弁25を弁動作状態に維持してもよい。この場合、ある気筒の排気弁25が開弁させられるとその気筒の燃焼室21には、排気滞留空間に排出されたガスの一部が流入する可能性がある。しかし、吸気弁23は不作動状態に維持されるので、最終ガス排出時点以降において、排気滞留空間に「既に排気滞留空間に排出されたガス以外のガス」が排出されることはない。
同様に、図28に示したように、他の判定装置は、第1所定時点以降において燃料噴射が停止された気筒の排気弁25のみを不作動状態へと変更し、吸気弁23を弁動作状態に維持してもよい。この場合、吸気弁23は吸気行程において開閉されるので、ある気筒の吸気弁23が開弁させられるとその気筒の燃焼室21には、吸気通路内のガス(新気)が流入する可能性がある。しかし、排気弁25は不作動状態に維持されるので、最終ガス排出時点以降において、排気滞留空間に「既に排気滞留空間に排出されたガス以外のガス」が排出されることはない。
更に、他の判定装置は、第1所定時点以降において、燃料噴射が停止された「ある一つ以上の気筒」の吸気弁23を弁作動状態とするとともに排気弁25を弁休止状態とし、燃料噴射が停止された「他の気筒」の吸気弁23を弁休止状態とするとともに排気弁25を弁作動状態としてもよい。加えて、他の判定装置は、第1所定時点以降において、燃料噴射が停止された「ある一つ以上の気筒」の吸気弁23及び排気弁25の両方を弁休止状態とし、燃料噴射が停止された「別の気筒」の吸気弁23を弁作動状態とするとともに排気弁25を弁休止状態とし、燃料噴射が停止された「残りの気筒」の吸気弁23を弁休止状態とするとともに排気弁25を弁作動状態としてもよい。
加えて、他の判定装置は、図29に示したV型エンジン10Vに適用することもできる。V型エンジン10Vは、例えば、「第1乃至第3気筒を有する左バンクLB」と「第4乃至第6気筒を有する右バンクRB」とを備えるV6エンジンである。左バンクの第1乃至第3気筒は第1の特定気筒群に属する気筒である。右バンクの第4乃至第6気筒は第2の特定気筒群に属する気筒である。エンジン10Vの点火順序(従って、燃料噴射順序)は、例えば、第1気筒、第5気筒、第2気筒、第4気筒、第3気筒、第6気筒の順である。
V型エンジン10Vの気筒のそれぞれは、機関10と同様、図示しない二つの吸気弁と図示しない二つの排気弁とを備えている。各気筒の二つの吸気弁は図示しない二つの吸気ポートを通して図示しないサージタンクに接続されている。各気筒が備える二つの吸気ポートの集合部には一つの図示しない燃料噴射弁が配設されている。更に、各気筒には、「図示しない吸気弁用の可変動弁機構及び図示しない排気弁用の可変動弁機構」が備えられている。これらの可変動弁機構の構造は上述した構造と同じである。
左バンクの各気筒の排気ポートのそれぞれは、左バンクのエキゾーストマニホールド41Lの枝部のそれぞれに接続されている。左バンクのエキゾーストマニホールド41Lの枝部の総ては第1排気集合部に集合している。左バンクの主排気通路部42Lは第1排気集合部に接続されている。左バンクの上流側触媒43Lは、左バンクの主排気通路部42Lに介装されている。左バンクの主排気通路部42Lは下流側排気通路部42cに接続されている。左バンクの上流側空燃比センサ55Lは、左バンクの主排気通路部42Lであって、第1排気集合部と左バンクの上流側触媒43Lとの間に配設されている。上流側空燃比センサ55Lは、上述した上流側空燃比センサ55と同じ種類の空燃比センサである。
右バンクの各気筒の排気ポートのそれぞれは、右バンクのエキゾーストマニホールド41Rの枝部のそれぞれに接続されている。右バンクのエキゾーストマニホールド41Rの枝部の総ては第2排気集合部に集合している。右バンクの主排気通路部42Rは第2排気集合部に接続されている。右バンクの上流側触媒43Rは、右バンクの主排気通路部42Rに介装されている。右バンクの主排気通路部42Rは下流側排気通路部42cに接続されている。下流側排気通路部42cには下流側触媒44が介装されている。右バンクの上流側空燃比センサ55Rは、右バンクの主排気通路部42Rであって、第2排気集合部と右バンクの上流側触媒43Rとの間に配設されている。上流側空燃比センサ55Rは、上述した上流側空燃比センサ55と同じ種類の空燃比センサである。
このようなV型エンジン10Vに適用される判定装置は、第1乃至第4判定装置と同様に機能する。但し、左バンクの上流側空燃比センサ55Lの出力値に基づいて得られる空燃比関連データは、左バンクに属する気筒(第1乃至第3気筒)のうちの「データ取得気筒」として決定されたデータである。同様に、右バンクの上流側空燃比センサ55Rの出力値に基づいて得られる空燃比関連データは、右バンクに属する気筒(第4乃至第6気筒)のうちの「データ取得気筒」として決定されたデータである。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置は、
吸気行程において「燃焼室21に連通した吸気ポート22を通して燃焼室21内に少なくとも新気を吸入させる」ように吸気弁23を開閉するとともに、排気行程において「燃焼室21内のガスを燃焼室21に連通した排気ポート24へと排出させる」ように排気弁25を開閉する弁動作状態と、前記吸気弁23及び前記排気弁25のうちの少なくとも一方の弁が前記吸気行程及び前記排気行程を含む総ての行程において閉弁状態を維持する弁休止状態と、の何れかの状態を指示に応じて選択的に実現する弁駆動装置(27、28、100〜104、150〜154等)を有する気筒を複数備える機関(10、10V)に適用される。
更に、機関(10、10V)は、
前記複数の気筒のうちの少なくとも二以上の気筒からなる特定気筒群に属する総ての気筒の前記排気ポートに連通し同特定気筒群に属する総ての気筒の前記燃焼室から排出されたガスが集合する排気集合部(集合部41b、第1排気集合部、第2排気集合部)と、
前記排気集合部に連通し同排気集合部よりも下流側の排気通路を構成する主排気通路部(エキゾーストパイプ42、左バンクの主排気通路部42L、右バンクの主排気通路部42R)と、
前記主排気通路部に介装された触媒(43、43L、43R)と、
を備える。
そして、本発明の実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置は、
前記排気集合部又は前記排気集合部と前記触媒との間における前記主排気通路部に配設された空燃比センサであって同空燃比センサが配設された部位に存在するガスの空燃比に応じた出力値を発生する空燃比センサ(55、55L、55R)と、
所定運転実行条件が成立していないとき前記特定気筒群に属する総ての気筒の状態が前記弁動作状態となるように(図16のステップ1630を参照。)且つ同所定運転条件が成立した時点よりも後の第1所定時点以降において同特定気筒群に属する気筒の状態が前記機関の点火順序に応じて順番に前記弁動作状態から前記弁休止状態へと変化するように(図6のステップ1670を参照。)、特定気筒群に属する気筒の前記弁駆動装置に指示を与える機関制御手段と、
前記所定運転実行条件が成立することにより前記特定気筒群に属する総ての気筒が前記弁休止状態になった時点以降の第2所定時点において前記空燃比センサの出力値に基づく値を、同特定気筒群に属する気筒のうちの最後に前記弁休止状態となった気筒である最終ガス排出気筒の燃焼室に供給された混合気の空燃比に関連する空燃比関連データとして取得する気筒別空燃比データ取得手段(図18のステップ1815乃至ステップ1840を参照。)と、
前記気筒別空燃比データ取得手段により前記空燃比関連データが前記特定気筒群に属する総ての気筒のそれぞれに対して得られた時点以降において、同取得された複数の空燃比関連データに基づいて前記特定気筒群に属する気筒のそれぞれの燃焼室に供給される混合気の空燃比の間に不均衡が生じているか否かを判定する空燃比気筒間インバランス判定手段(図19のルーチンを参照。)と、
を備える。
従って、所定運転条件が成立したとき、各気筒に供給される空燃比に応じたデータ(空燃比関連データ)を確実に取得することができるので、実用性の高い空燃比気筒間インバランスが提供される。
更に、上記判定装置の機関制御手段は、
前記所定運転条件としてのフューエルカット実行条件が成立していないとき前記特定気筒群に属するそれぞれの気筒に対する燃料の噴射を同それぞれの気筒の吸気行程終了前の所定の燃料噴射タイミングにて行い(図16のステップ1620を参照。)、前記フューエルカット実行条件が成立した時点よりも後の前記第1所定時点以降において前記特定気筒群に属するそれぞれの気筒に対する前記所定の燃料噴射タイミングでの前記燃料の噴射を順に停止するとともに(図16のステップ1660を参照。)同燃料の噴射が停止された気筒の状態を前記弁動作状態から前記弁休止状態へと変化させる(図16のステップ1670を参照。)。
フューエルカット運転が行われた気筒の状態が弁休止状態に変更されても、機関の運転に支障をきたすことはない。従って、上記構成によれば、機関の運転に支障をきたすことなく、空燃比関連データを取得することができる。更に、フューエルカット実行中において新気が触媒(43、43L、43R)に流入しないので、それらの触媒の劣化が進行することを抑制することができる。
更に、前記機関制御手段は、
前記フューエルカット実行条件が成立したとき、前記特定気筒群に属する気筒の中から前記空燃比関連データを取得するべき気筒であるデータ取得気筒を決定するデータ取得気筒決定手段(図15のステップ1540)を含むとともに、前記決定されたデータ取得気筒が前記最終ガス排出気筒となるように同特定気筒群に属するそれぞれの気筒に対する前記所定の燃料噴射タイミングでの前記燃料の噴射を順に停止するように構成されている(図24のルーチンを参照。)。
これにより、各気筒について互いに同等の頻度にて空燃比関連データを得ることが可能となる。
更に、前記データ取得気筒決定手段は、
前記特定気筒群に属するそれぞれの気筒に対する前記空燃比関連データの取得回数(第m気筒データ数カウンタC(m)を参照。)に基づいて前記データ取得気筒を決定するように構成されてもよい(第2判定装置を参照。)。
また、前記データ取得気筒決定手段は、
前記フューエルカット実行条件が成立した時点から前記特定気筒群に属するそれぞれの気筒の前記所定の燃料噴射タイミングまでの時間に応じた時間関連値(フューエルカット実行開始完了時間texを参照。)に基づいて、前記データ取得気筒を決定するように構成されてもよい(第3判定装置を参照。)。
また、前記データ取得気筒決定手段は、
前記フューエルカット実行条件が成立したとき、前回の前記フューエルカット実行条件成立時に前記データ取得気筒であった気筒とは相違する気筒を今回のデータ取得気筒として決定するように構成されてもよい(第4判定装置を参照。)。
これらの態様によれば、各気筒に対する空燃比関連データの取得頻度の差をより確実に小さくすることができる。
以上、説明したように、本発明による空燃比インバランス判定装置の各実施形態及び変形例によれば、第1所定時点以降において燃料噴射が停止された気筒から新たなガス(一度、排気滞留空間に排出されたガス以外のガス、即ち、新気又は新たな排ガス)が排気滞留空間に排出されることがないように、気筒の状態を弁休止状態に設定している。従って、各気筒に供給された混合気の空燃比に関連したデータを簡単に取得することができるので、空燃比気筒間インバランスが発生したか否かを確実に判定することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において更に種々の変形例を採用することができる。例えば、上記判定装置は、上述した「吸気弁開閉機構及び排気弁開閉機構」に代え、電磁式吸気弁駆動装置及び電磁式排気弁駆動装置により、吸気弁23及び排気弁25の状態を弁動作状態及び弁休止状態に何れかに切り換えてもよい。電磁式吸気弁駆動装置は、通電したときに発生する電磁力により吸気弁を開閉することができる装置である。電磁式排気弁駆動装置は、通電したときに発生する電磁力により排気弁を開閉することができる装置である。
また、上記「所定運転条件」は「減速フューエルカット運転を行うための条件」であったが、他の運転条件であってもよい。例えば、上記「所定運転条件」は、次のような運転条件であってもよい。
・イグニッション・キー・スイッチがオンからオフへと変更されることを条件とする機関停止操作後のフューエルカット運転条件。
・ハイブリッド車両において、電動機側等からの要求に応じて機関の運転を停止するフューエルカット運転条件。
・アイドルストップ(所謂「エコラン」システム)におけるフューエルカット運転条件。このアイドルストップとは、機関を搭載した車両が信号待ち状態等において停止した場合であってシフト位置がニュートラル位置にある等の所定の条件(エンジン停止条件)が成立したときに、エンジンの運転をフューエルカット運転によって停止する機能である。これにより無駄なエンジンの運転を回避し、車両から二酸化炭素(CO)の排出量及び車両の燃料消費量を低減することができる。
・システム異常が検出されたことを条件とするフューエルカット運転条件。
判定装置は、これらのフューエルカット運転条件が成立した場合、そのフューエルカット運転条件の成立時から実際に総ての気筒に対する燃料噴射が停止されるまでの時間が長くなってもよい運転条件であるか、その時間が長くなることが許容されない運転条件であるか、に応じて、データ取得気筒を決定するように構成されることもできる。
また、判定装置は、第1所定時点t1又は最終ガス排出完了時点から一定の時間が経過したか否かを判定し、その一定の時間が経過した時点を「上述した第2所定時点tp」として空燃比関連データを取得してもよい。
なお、「前記特定気筒群に属するそれぞれの気筒に対する前記所定の燃料噴射タイミングでの前記燃料の噴射を順に停止する」ことは、前記第1所定時点以降において前記特定気筒群に属する総ての気筒に対する燃料噴射を停止することと同義である。但し、本明細書及び添付の請求の範囲においては、本来の燃料噴射タイミングにて燃料噴射が行われないことを燃料噴射が停止されたと表現している。

Claims (6)

  1. 吸気行程において燃焼室に連通した吸気ポートを通して同燃焼室内に少なくとも新気を吸入させるように吸気弁を開閉するとともに排気行程において同燃焼室内のガスを同燃焼室に連通した排気ポートへと排出させるように排気弁を開閉する弁動作状態と、前記吸気弁及び前記排気弁のうちの少なくとも一方の弁が前記吸気行程及び前記排気行程を含む総ての行程において閉弁状態を維持する弁休止状態と、の何れかの状態を指示に応じて選択的に実現する弁駆動装置を有する気筒を複数備えるとともに、
    前記複数の気筒のうちの少なくとも二以上の気筒からなる特定気筒群に属する総ての気筒の前記排気ポートに連通し同特定気筒群に属する総ての気筒の前記燃焼室から排出されたガスが集合する排気集合部と、
    前記排気集合部に連通し同排気集合部よりも下流側の排気通路を構成する主排気通路部と、
    前記主排気通路部に介装された触媒と、
    を備える多気筒内燃機関に適用される空燃比気筒間インバランス判定装置であって、
    前記排気集合部又は前記排気集合部と前記触媒との間における前記主排気通路部に配設された空燃比センサであって同空燃比センサが配設された部位に存在するガスの空燃比に応じた出力値を発生する空燃比センサと、
    所定運転実行条件が成立していないとき前記特定気筒群に属する総ての気筒の状態が前記弁動作状態となるように且つ同所定運転条件が成立した時点よりも後の第1所定時点以降において同特定気筒群に属する気筒の状態が前記機関の点火順序に応じて順番に前記弁動作状態から前記弁休止状態へと変化するように同特定気筒群に属する気筒の前記弁駆動装置に指示を与える機関制御手段と、
    前記所定運転実行条件が成立することにより前記特定気筒群に属する総ての気筒が前記弁休止状態になった時点以降の第2所定時点において前記空燃比センサの出力値に基づく値を、同特定気筒群に属する気筒のうちの最後に前記弁休止状態となった気筒である最終ガス排出気筒の燃焼室に供給された混合気の空燃比に関連する空燃比関連データとして取得する気筒別空燃比データ取得手段と、
    前記気筒別空燃比データ取得手段により前記空燃比関連データが前記特定気筒群に属する総ての気筒のそれぞれに対して得られた時点以降において、同取得された複数の空燃比関連データに基づいて前記特定気筒群に属する気筒のそれぞれの燃焼室に供給される混合気の空燃比の間に不均衡が生じているか否かを判定する空燃比気筒間インバランス判定手段と、
    を備えた空燃比気筒間インバランス判定装置。
  2. 請求の範囲1に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置において、
    前記機関制御手段は、
    前記所定運転条件としてのフューエルカット実行条件が成立していないとき前記特定気筒群に属するそれぞれの気筒に対する燃料の噴射を同それぞれの気筒の吸気行程終了前の所定の燃料噴射タイミングにて行い、前記フューエルカット実行条件が成立した時点よりも後の前記第1所定時点以降において前記特定気筒群に属するそれぞれの気筒に対する前記所定の燃料噴射タイミングでの前記燃料の噴射を順に停止するとともに同燃料の噴射が停止された気筒の状態を前記弁動作状態から前記弁休止状態へと変化させるように構成された空燃比気筒間インバランス判定装置。
  3. 請求の範囲2に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置において、
    前記機関制御手段は、
    前記フューエルカット実行条件が成立したとき、前記特定気筒群に属する気筒の中から前記空燃比関連データを取得するべき気筒であるデータ取得気筒を決定するデータ取得気筒決定手段を含むとともに、前記決定されたデータ取得気筒が前記最終ガス排出気筒となるように同特定気筒群に属するそれぞれの気筒に対する前記所定の燃料噴射タイミングでの前記燃料の噴射を順に停止するように構成された空燃比気筒間インバランス判定装置。
  4. 請求の範囲3に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置において、
    前記データ取得気筒決定手段は、
    前記特定気筒群に属するそれぞれの気筒に対する前記空燃比関連データの取得回数に基づいて前記データ取得気筒を決定するように構成された空燃比気筒間インバランス判定装置。
  5. 請求の範囲3又は請求の範囲4に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置において、
    前記データ取得気筒決定手段は、
    前記フューエルカット実行条件が成立した時点から前記特定気筒群に属するそれぞれの気筒の前記所定の燃料噴射タイミングまでの時間に応じた時間関連値に基づいて、前記データ取得気筒を決定するように構成された空燃比気筒間インバランス判定装置。
  6. 請求の範囲3乃至請求の範囲5の何れか一項に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置において、
    前記データ取得気筒決定手段は、
    前記フューエルカット実行条件が成立したとき、前回の前記フューエルカット実行条件成立時に前記データ取得気筒であった気筒とは相違する気筒を今回のデータ取得気筒として決定するように構成された空燃比気筒間インバランス判定装置。
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