JP4952277B2 - 波形測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シリアルバスを介して伝送されるデータの波形を測定する波形測定装置に関する。
デジタルオシロスコープ等の波形測定装置は、一般的にシリアルバス等の伝送路を介して伝送されるデータの波形そのものを測定する機能を備えているが、近年においてはそのデータのデータ値を解析する解析機能を備えたものが実現されている。かかる機能を備えた波形測定装置は、シリアルバスを介して伝送されるデータを取り込んでその波形を表示し、解析機能が有効になっている場合には、取り込んだデータの二値化を行った後にシリアルバスの種類に応じた波形解析を行い、波形解析により得られたデータ値を表示する。表示されるデータ値としては、例えばシリアルバスに接続された機器の種別を示す識別子であるID、機器から出力されるデータの種別を示す識別子であるID、機器から出力されるデータの値等であり、16進数により表示される。
ここで、シリアルバスには、例えばPCIExpress(登録商標)バス、IEEE1394aバス、FlexRay(登録商標)バス、CAN(Controller Area Network)バス、IC(登録商標)(Inter-Integrated Circuit)バス、SPI(登録商標)(Serial Peripheral Interface)バス等がある。
以下の特許文献1にはIEEE1394バス用の従来の波形測定装置が開示されており、以下の特許文献2〜にはCANバス、IC(登録商標)バス、又はSPI(登録商標)バス用の従来の波形測定装置が開示されている。
特開2000−349785号公報 特開2002−158679号公報 特開2002−311060号公報 特開2005−164532号公報
ところで、シリアルバスに接続される各種機器の開発を行う場合等においては、上記の解析機能によって得られたデータ値から、シリアルバスを介して伝送される各種データの電気信号レベルでの異常の有無を確認するだけではなく、同データを所定の変換規則に基づいて変換して所定の意味づけをしたデータ(以下、応用データという)のレベルでの異常の有無の確認が必要になることがある。従来は、以下の手順の作業を行うことによって、応用データのレベルでの異常の有無を確認していた。
まず、シリアルバスを介して伝送されるデータを一定期間に亘って波形測定装置に取り込み、その期間内に伝送されたデータのデータ値を上記の波形解析によって求める。次に、波形測定装置で得られたデータ値をパーソナルコンピュータに転送し、ユーザがパーソナルコンピュータを操作して、転送されたデータ値を応用データに変換する。例えば、データ値が前述したIDである場合には、そのデータ値をシリアルバスに接続された機器の名称に変換したり、機器から出力される信号の種別を示す名称に変換する。また、データ値が機器から送信されるデータの値である場合には、そのデータの値を温度、電力、回転数等の物理的に意味のある値に変換する。
次いで、応用データをパーソナルコンピュータが備える表示装置に表示させ、ユーザがその表示内容から異常データの有無を確認する。尚、必要であれば応用データの表示を行う前に応用データに対して統計処理等の所定の処理を行う。具体的には、応用データの値の時間変化を示すグラフ(トレンドグラフ)や応用データの値に応じたヒストグラム等を表示させて異常データの有無を確認する。そして、異常データが確認された場合には、ユーザがその異常データが生じた時点の前後を参照して異常の原因究明を行う。
以上の通り、従来は、一定期間に亘って波形測定装置で得られたデータ値をパーソナルコンピュータに転送し、手作業でデータ値を応用データに変換した上で応用データについての異常データの有無を目視で確認していたため、応用データのレベルで発生した異常を即座に(リアルタイムに)知ることができないという問題があった。このため、応用データのレベルで異常が生じた場合であっても、即座に異常の発生原因を究明し、即座に対策を施すといったことができなかった。また、応用データを得るためには波形測定装置で得られたデータ値をパーソナルコンピュータに転送するための手間を要し、また応用データの異常データを目視で発見する必要があるという使い勝手の悪さがあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、シリアルバスを介して伝送されるデータに対して所定の意味づけをした応用データのレベルでの異常の発生をリアルタイムに知ることができる波形測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の波形測定装置は、シリアルバスを介して伝送されるデータの波形を測定する波形測定装置(1)において、前記シリアルバスに電気的に接続される入力端子(T1)から入力される信号をサンプリングして波形データに変換する変換部(11)と、前記変換部で変換された波形データに対して前記シリアルバスの種類に応じた波形解析を行い、前記シリアルバスを介して伝送されるデータの種別を示す識別子及び該データの値を含むデータ値を求める波形解析部(13)と、シリアルバスの種類毎に設けられ、シリアルバスを介して伝送されるデータの種別を示す識別子に対応する名称と、該データの値の変換式とが定義された変換定義ファイル(F)を記憶する記憶部(16)と、前記記憶部に記憶された前記変換定義ファイルに従って、前記波形解析部で求められたデータ値を応用データに変換する変換処理部(21)と、前記応用データを表示部(19)に表示させる表示制御部(18)とを備えることを特徴としている。
この発明によると、シリアルバスに電気的に接続される入力端子から入力される信号がサンプリングされて波形データに変換され、波形解析部13においてシリアルバスの種類に応じた波形解析が波形データに対して行われてそのデータ値が求められ、このデータ値は、変換処理部において変換定義ファイルに従って応用データに変換された上で表示制御部によって表示部に表示される。
また、本発明の波形測定装置は、前記変換処理部で変換された応用データに対して所定の統計処理を行う統計処理部(22)を備えており、前記表示部制御部は、前記統計処理部の処理結果を前記表示部に表示させることを特徴としている
また、本発明の表示制御部は、前記変換処理部で変換された前記応用データ及び前記統計処理部の処理結果の何れか一方に基づいて、前記応用データに含まれる異常データを検出する検出部(23)を備えることを特徴としている。
本発明によれば、波形解析部で波形解析されたデータ値を、変換処理部で所定の意味づけをした応用データに変換した上で表示しているため、応用データのレベルでの異常の発生をリアルタイムに知ることができるという効果がある。これにより、応用データのレベルで異常が生じた場合には、即座に異常の発生原因を究明して即座に対策を施すとが可能になる。また、従来のように一定期間に亘るデータ値が得られてから異常データの有無を目視で確認する必要が無いため、ユーザの使い勝手が飛躍的に向上する。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による波形測定装置について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による波形測定装置の正面図である。図1に示す通り、本実施形態の波形測定装置1は、その正面に入力端子部2、複数の操作キー3、及びディスプレイ4を備える。
入力端子部2は複数の入力端子を備えており、各々の入力端子には必要に応じてプローブが接続される。本実施形態においては、入力端子部2の入力端子の1つに接続された1つのプローブ、又は複数の入力端子の各々に接続された複数のプローブの先端が、被測定対象であるシリアルバスに電気的に接続されるものとする。操作キー3は、ユーザの指示を波形測定装置1に入力するためのものであり、ユーザによって操作される複数のプッシュボタン、回転キー等を備えている。
ディスプレイ4は、例えば液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tube)であり、測定した波形データ、波形データを波形解析して得られたデータ値、データ値に対して所定の意味づけをした応用データ(詳細は後述する)、更には応用データに対して統計処理等の所定の処理を施して得られる処理結果等の各種データを表示する。尚、図1においては、シリアルバス等の伝送路を介して伝送されるデータの波形を示す波形データWD、波形データWDに対応したデータ値DV、及びデータ値を一覧形式で表示したデータ値リストDLがディスプレイ4に表示されている場合について図示している。
図2は、本発明の一実施形態による波形測定装置の要部構成を示すブロック図である。図2に示す通り、本実施形態の波形測定装置1は、A/D変換部11、波形データメモリ12、波形解析部13、ハードディスク14、制御部15、メモリ16、操作部17、表示制御部18、及び表示部19を備える。
A/D変換部11は、図1に示す入力端子部2に設けられた入力端子の何れかである入力端子T1から入力される信号に対して標本化及び量子化を行って二値化し、ディジタル信号である波形データに変換する。尚、図1に示す入力端子部2に設けられた複数の入力端子から同時に信号が入力されることもあるため、A/D変換部11は入力端子の数に応じた数だけ設けられているが、図2においては1つのみを図示している。
波形データメモリ12は、A/D変換部11から出力される波形データを記憶するRAM(Random Access Memory)等のメモリである。波形解析部13は、制御部15の制御の下で、波形データメモリ12に記憶された波形データを読み出し、読み出した波形データに対してシリアルバスの種類に応じた波形解析を行ってデータ値を求める。具体的には、シリアルバスを介して伝送されるデータを、その大きな区切りであるフレーム毎に切り出し、フレーム内におけるビットの並び(値「0」と「1」との並び)に応じたデータ値を求める。ここで、波形解析により得られるデータ値としては、例えばシリアルバスに接続された機器の種別を示す識別子であるID、機器から出力されるデータの種別を示す識別子であるID、機器から出力されるデータの値等がある。
ハードディスク14は、波形解析部13で求められたデータ値、後述する変換処理部21で変換された応用データ等の各種データを記録する。制御部15は、波形測定装置1の動作を統括的に制御する。例えば、波形データメモリ12に記憶された波形データの読み出し制御を行い、波形解析部13における波形解析の実行・非実行を制御し、又はハードディスク14に対するデータの読み出し・書き込み制御を行う。
また、制御部21は、変換処理部21、統計処理部22、及び検出部23を備える。変換処理部21は、メモリ16に記憶された変換定義ファイルFに従って、波形解析部13で求められたデータ値に対して所定の意味づけをした応用データに変換する。例えば、データ値が、シリアルバスに接続された機器の種別を示すIDや機器から出力されるデータの種別を示すIDである場合には、変換処理部21はそのIDをその機器の名称やデータの名称に変換する。また、データ値が機器から出力されるデータの値である場合には、そのデータの値を温度、電力、回転数等の物理的に意味のある値に変換する。
統計処理部22は、変換処理部21で変換された応用データに対して所定の統計処理を行う。例えば、応用データを測定時間順に並べ替える処理を行って、その値の時間変化を示すグラフ(トレンドグラフ)を作成する。或いは、或いは応用データの値毎の出現頻度を求める処理を行って、出現頻度を示すヒストグラムを作成する。
検出部23は、変換処理部21によって変換された応用データに含まれている異常データを検出する。具体的には、予めユーザにより閾値が設定されている場合には、応用データが閾値を越えた場合に、閾値を越えた応用データを異常データとして検出する。また、ユーザによってある条件が設定されている場合には、その条件が満たされたときの応用データを異常データとして検出する。尚、ある閾値を越えた応用データ及びある条件が満たされたときの応用データが常に「異常」なデータであるとは限らないが、本明細書ではこれらの応用データを便宜的に異常データと呼ぶことにする。
メモリ16は、前述した変換定義ファイルFを記憶するメモリである。ここで、変換定義ファイルFは、シリアルバスの種類に応じたデータ値を応用データに変換するための変換規則を定義したファイルである。この変換定義ファイルFは、少なくとも前述したID(機器から出力されるデータの種別を示すID等)に対応する名称と、データの値の変換式とを定義するファイルである。また、これら名称、変換式以外に、データ値の長さ、変換後の値の上限値及び下限値、エンディアン、その他の変換に必要な情報を適宜定義することができる。
図3は、変換定義ファイルFの一例を示す図である。図3に示す通り、IDに対して名称(物理量)が対応付けられており、更にその物理量の物理値への変換式が対応付けられている。例えば、ID「0x0A」に対しては名称「トルク」が対応付けられ、ID「0x0B」に対しては名称「電力」が対応付けられている。また、ID「0x0A」に対しては物理値への変換式「×0.85」が対応付けられ、ID「0x0B」に対しては変換式「×1.04」が対応付けられている。変換定義ファイルFには、このような名称、変換式等がシリアルバスの種類毎に設けられている。
操作部17は、図1に示す操作キー3を備えており、ユーザの指示を制御部15に入力するものである。表示制御部18は、制御部15の制御の下で、表示部19に表示させる表示内容の制御を行う。例えば、制御部15から波形データが出力された場合には、その波形データを表示部19に表示させる。また、波形データに加えてデータ値が出力された場合には、図1に示す通り、波形データWD、データ値DV、及びデータ値リストDLを表示させる。更に、表示制御部18は、制御部15から変換処理部21で変換された応用データ、統計処理部22の処理結果が出力された場合にも、これらを表示部19に表示させる。表示部19は、図1に示すディスプレイ4を備えており、測定した波形データ等の各種データを表示する。
次に、波形測定装置1の動作について説明する。図4は、本発明の一実施形態による波形測定装置1の動作を示すフローチャートである。波形測定装置1を用いてシリアルバスを介して伝送されるデータを測定するにあたり、ユーザは波形測定装置1の操作キー3(図1参照)を操作して各種初期設定を行う(ステップS10)。具体的には、測定対象であるシリアルバスの種類(IEEE1394aバス、CANバス等)の設定、波形解析部13(図2参照)での波形解析の実行の有無、表示部19に表示させる表示内容の設定等の各種設定を行う。ユーザが操作キー3を操作して入力した設定内容は、操作部17から制御部15に入力される。
以上の設定が終了し、ユーザが波形測定装置1に設けられた入力端子部2の入力端子に接続されたプローブの先端を被測定対象であるシリアルバスに電気的に接続させることにより波形データの取り込みが開始される(ステップS11)。プローブを介して図2に示す入力端T1から入力された信号は、A/D変換部11で標本化及び量子化が行われて二値化され、ディジタル信号である波形データに変換される。A/D変換部11から出力される波形データは波形データメモリ12に記憶される。
波形データメモリ12に記憶された波形データは制御部15によって順次読み出されて表示制御部18に出力され、表示制御部18はその波形データを表示部19に表示させる。以上の処理により、シリアルバスを介して伝送されるデータの波形を示す波形データ(例えば、図1に示すような波形データWD)がディスプレイ4に表示される(ステップS12)。
次に、制御部15は、ステップS10の初期設定で波形解析の実行が設定されたか否かを判断する(ステップS13)。波形解析実行が設定された場合(判断結果が「YES」の場合)には、制御部15は、波形解析部13に対して制御信号を出力し、波形データメモリ12に記憶された波形データを読み出させて波形データをコピーさせる(ステップS14)。尚、制御部15から波形解析部13に出力される制御信号には、測定対象のシリアルバスの種類を示す情報が含まれるとする。
次いで、波形解析部13は、コピーした波形データに対してシリアルバスの種類に応じた波形解析を行ってデータ値を求める。具体的には、波形データを、その大きな区切りであるフレーム毎に切り出し、フレーム内におけるビットの並び(値「0」と「1」との並び)に応じたデータ値を求める(ステップS15)。波形解析により求められたデータ値はハードディスク14に記憶される。
以上の波形解析が終了すると、制御部15はハードディスク14に記憶されたデータ値を読み出し、変換処理部21がメモリ16に記憶された変換定義ファイルFに従って、波形解析部13で求められたデータ値に対して所定の意味づけをした応用データに変換する(ステップS16)。例えば、データ値が、シリアルバスに接続された機器の種別を示すIDや機器から出力されるデータの種別を示すIDである場合には、変換処理部21はそのIDをその機器の名称やデータの名称に変換する。また、データ値が機器から出力されるデータの値である場合には、そのデータの値を温度、電力、回転数等の物理的に意味のある値に変換する。
変換処理部21で変換された応用データは、表示制御部18に出力され、表示制御部18はその波形データを表示部19に表示させる。尚、得られた応用データは、表示部19に表示させるとともにハードディスク14に記憶させても良い。以上の処理により、変換処理部21で変換された応用データがディスプレイ4に表示される(ステップS17)。ここで、波形解析13により得られたデータ値は、図1に示す通り、波形データWDに対応するデータ値DV及びデータ値リストDL共に16進数表示であった。これに対し、応用データは、温度、電力、回転数等の物理的に意味のある名称と、その物理値とがディスプレイ4に表示されることになる。尚、応用データは、図1に示すデータ値DVと同様に、波形データWDに対応させて表示させても良く、データ値リストDLと同様に、一覧形式で表示しても良い。
また、変換処理部21で変換された応用データそのものを数値で表示するのではなく、応用データに対して統計処理部22で所定の統計処理を行い、その結果を表示部19に表示させるようにしても良い。図5は、応用データの表示例を示す図である。例えば、応用データの時間変化を示すグラフ(トレンドグラフ)を表示部19に表示させる場合には、統計処理部22が変換処理部21から出力されるデータを測定時間順に並べ替える処理を行う。かかる処理により得られたデータが表示制御部18に出力されると、表示制御部18は、図5(a)に示すようなトレンドグラフを表示させる。図5(a)においては、横軸に時間が取られ、縦軸にデータの値が取られて、物理量「出力」と物理量「トルク」とのトレンドグラフが表示されている。
また、例えば応用データの値に応じたヒストグラムを表示部19に表示させる場合には、統計処理部22が変換処理部21から出力される応用データの値毎の出現頻度を求める処理を行う。かかる処理により得られたデータが表示制御部18に出力されると、表示制御部18は、図5(b)に示すようなヒストグラムを表示させる。図5(b)においては、横軸に度数(出現頻度)が取られ、縦軸に応用データの値が取られてヒストグラムが表示されている。尚、統計処理部22で得られたデータは、表示部19に表示させるとともにハードディスク14に記憶させても良い。
更に、変換処理部21で変換された応用データ、又は応用データに対して統計処理部22で所定の統計処理を行って得られたデータを表示部19表示させるのみならず、応用データに含まれる異常データを検出部23で検出させ、異常データが検出された場合にはその旨を表示部19に表示させることも可能である。具体的には、変換処理部21で変換された応用データを検出部23で常時監視し、予めユーザにより設定されている閾値がある場合には、応用データが閾値を越えた場合に、閾値を越えた応用データを異常データとして検出させて、異常が生じた旨を表示部19に表示させる。また、ユーザによって設定されている条件がある場合には、その条件が満たされたときの応用データを異常データとして検出させて異常が生じた旨を表示部19に表示させる。
例えば、図5(c)に示す通り、応用データがユーザによって設定された値になった場合には、その応用データの表示を停止させることも可能である。図5(c)には、図5(a)に示す物理量「トルク」とのトレンドグラフと同様のトレンドグラフが表示されているが、応用データの値がユーザにより設定された値になった時点(時刻t1)以降は、トレンドグラフが表示されていない。かかる表示を行うことにより、ユーザは時刻t1で、応用データが設定した値になり、或いは何らかの異常が発生したことを即座に把握することができる。
ディスプレイ4に対して応用データを表示すると、制御部15は、別の波形データの取り込み設定がなされているか否かを判断する(ステップS18)。別の波形データの取り込み設定がなされている場合(判断結果が「YES」の場合)には、処理はステップS11に戻って、別の波形データの取り込みが開始される。他方、別の波形データの取り込み設定がなされていない場合(ステップS18の判断結果が「NO」の場合)には、一連の波形データの取り込み処理が終了する。尚、図4に示すフローチャートでは、波形データの取り込みからその表示までの一連の処理を示すものであったが、予め波形データメモリ12に取り込んだ波形データに対してステップS14〜S17の処理を行って応用データ等を表示させることも可能である。
本実施形態の波形測定装置1は、以上の処理によって応用データを表示部19に表示することができる訳であるが、以上説明した処理以外に以下に説明する処理も可能である。図6は、波形測定装置1の応用例を説明するための図である。尚、ここでは、車に設けられるFlexRay(登録商標)バスを介して伝送されるモータの回転数を波形測定装置1で測定する場合を例に挙げて説明する。
図6(a)は、モータの回転数を示すトレンドグラフであり、横軸に時間をとり、縦軸にモータの回転数を取っている。図6(a)において、符号D1を付して示す曲線は波形測定装置1で測定される実際のデータ値(モータの回転数)の時間変化を示す曲線であり、符号D2を付して示す曲線は変換処理部21で変換処理を行って得られた応用データの時間変化を示す図である。
また、図6(b)中の符号D3を付して示す曲線は、図6(a)における曲線D1と曲線D2との差(回転数差)の時間変化を示す曲線であり、図中符号THを付して示す曲線は、回転数差の閾値である。図6に示す例においては、曲線D3に示される回転数差が閾値THを越えると、制御部15が備える検出部23で異常データが検出され、異常が生じた旨が表示部19に表示される。これにより、例えばモータを操作するアクチュエータの動作検証を行うことができる。以上のように、本実施形態の波形測定装置1は、応用データのみについての異常データを検出するのみならず、応用データとデータ値等の他のデータとの所定の演算結果についての異常データも検出可能である。
以上の通り、本実施形態の波形測定装置1は、波形解析部13で波形解析されたデータ値を、変換処理部21で所定の意味づけをした応用データに変換しているため、応用データのレベルでの異常の発生をリアルタイムに知ることができる。これにより、応用データのレベルで異常が生じた場合には、即座に異常の発生原因を究明して即座に対策を施すとが可能になる。また、従来のように一定期間に亘るデータ値が得られてから異常データの有無を目視で確認する必要が無いため、ユーザの使い勝手が飛躍的に向上する。
以上、本発明の一実施形態による波形測定装置について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態において、制御部15に設けられた変換処理部21、統計処理部22、及び検出部23は、ハードウェアで実現してもよく、ソフトウェアにより実現しても良い。つまり、変換処理部21、統計処理部22、及び検出部23を実現するプログラムをコンピュータに実行させることにより実現しても良い。
本発明の一実施形態による波形測定装置の正面図である。 本発明の一実施形態による波形測定装置の要部構成を示すブロック図である。 変換定義ファイルFの一例を示す図である。 本発明の一実施形態による波形測定装置1の動作を示すフローチャートである。 応用データの表示例を示す図である。 波形測定装置1の応用例を説明するための図である。
符号の説明
1 波形測定装置
13 波形解析部
16 メモリ
18 表示制御部
19 表示部
21 変換処理部
22 統計処理部
23 検出部
F 変換定義ファイル

Claims (3)

  1. シリアルバスを介して伝送されるデータの波形を測定する波形測定装置において、
    前記シリアルバスに電気的に接続される入力端子から入力される信号をサンプリングして波形データに変換する変換部と、
    前記変換部で変換された波形データに対して前記シリアルバスの種類に応じた波形解析を行い、前記シリアルバスを介して伝送されるデータの種別を示す識別子及び該データの値を含むデータ値を求める波形解析部と、
    シリアルバスの種類毎に設けられ、シリアルバスを介して伝送されるデータの種別を示す識別子に対応する名称と、該データの値の変換式とが定義された変換定義ファイルを記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記変換定義ファイルに従って、前記波形解析部で求められたデータ値を応用データに変換する変換処理部と、
    前記応用データを表示部に表示させる表示制御部と
    を備えることを特徴とする波形測定装置。
  2. 前記変換処理部で変換された応用データに対して所定の統計処理を行う統計処理部を備えており、
    前記表示部制御部は、前記統計処理部の処理結果を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1記載の波形測定装置。
  3. 前記変換処理部で変換された前記応用データ及び前記統計処理部の処理結果の何れか一方に基づいて、前記応用データに含まれる異常データを検出する検出部を備えることを特徴とする請求項2記載の波形測定装置。
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