以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図9は、本発明をスロットマシンとして具現化した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、1は遊技機本体で、前側が開放した矩形箱状の本体ケース2と、この本体ケース2の前側に配置された矩形状の前面パネル3とを備えている。前面パネル3は、左右一端側に配置されたヒンジ4を介して本体ケース2に対して開閉自在に装着されている。
本体ケース2内には、その左右の縦枠材の上下方向略中央部分を左右に連結する中間支持板2aが設けられており、その中間支持板2aよりも下側の空間内にはメダル払い出し装置5や図示しない電源ユニット等が、上側の空間内には例えば中間支持板2a上に図柄表示装置6が夫々配置されている。
メダル払い出し装置5は、遊技媒体の一例としてのメダルを貯留するメダルホッパー7、メダルを払い出す払い出し手段8等を備えている。払い出し手段8は、メダルホッパー7内のメダルを払い出すためのもので、メダルホッパー7の下部側に設けられ、モータ等の駆動手段によりメダルホッパー7内の回転体を駆動して、メダル払い出し口9から前側へとメダルを払い出すようになっている。
図柄表示装置6は、組み合わせ遊技用の図柄を変動表示するもので、複数の図柄を所定順序で循環表示可能な複数、例えば3つの図柄表示リール(図柄表示手段)10a〜10cを左右方向に備えており、各図柄表示リール10a〜10cをステッピングモータ等の回転駆動手段11a〜11cにより個別に回転駆動可能となっている。
また、図柄表示装置6は、図柄表示リール10a〜10cをその内側から照明するLED等の発光手段6aを備えている。発光手段6aは、後述する図柄表示窓33a〜33cに表示される複数(例えば3×3個)の図柄に対応して複数(例えば3×3個)配置されている。
図柄表示リール10a〜10cの外周面には、「7」、「ベル」、「スイカ」、「リプレイ」等の複数種類の図柄が周方向に所定間隔で複数個(例えば21個)プリントされている。なお、図柄表示装置6には、図柄表示リール10a〜10cの回転位置を検出するリール回転位置検出手段12a〜12c(図3)が装着されている。
前面パネル3には、その上下方向略中央部分に前側に張り出す操作パネル部13が、最下部にメダルを貯留するメダル受け皿14が夫々横長状に設けられている。操作パネル部13の上側には、その略下半分の領域に第1表示パネル部15が配置され、略上半分の領域には例えばランプパネル部16と第2表示パネル部17とが上下に隣接して配置されている。
操作パネル部13の上面側には、例えば左端側にクレジット精算ボタン18、1投入ボタン19及びMAX投入ボタン20が、右端側にメダル投入口21及び返却ボタン22が夫々設けられている。メダル投入口21は、メダルを例えば1枚ずつ投入可能に構成されており、投入されたメダルは前面パネル3の裏側に配置されたメダル選別手段23で正否の判別を受けた後、正規のメダルのみがメダル検出スイッチ24で検出されてメダル払い出し装置5のメダルホッパー7に案内され、不正メダル等は返却通路25を介してメダル排出口26からメダル受け皿14に返却されるようになっている。なお、メダル投入口21内に詰まったメダルは、返却ボタン22を操作することにより返却通路25を介してメダル受け皿14に返却される。
クレジット精算ボタン18は、クレジットされているメダルの精算と、獲得したメダルのクレジット/払い出しの切り換えとを行うためのものである。1投入ボタン19及びMAX投入ボタン20は、メダルがクレジットされている場合に、メダル投入口21へのメダル投入に代えてクレジットからメダルを投入するためのもので、1回の操作につき夫々1枚及び3枚のメダルを投入できるようになっている。もちろん、これら投入ボタン19,20によるメダル投入操作は、クレジット数を減算し且つその分だけ投入メダル数を増加させる処理を内部的に行うものであって機械的なメダル投入の操作を伴うものではないが、その効果はメダル投入口21からのメダル投入と全く同じである。
操作パネル部13の前面側には、例えばその左側にスタートレバー(開始操作手段)27が、略中央部分に3つのストップボタン(停止操作手段)28a〜28cが夫々設けられている。スタートレバー27は、図柄表示リール10a〜10cの回転を開始させるためのもので、例えば上下方向に揺動可能に構成されている。ストップボタン28a〜28cは、各図柄表示リール10a〜10cの回転を個別に停止させるためのもので、各図柄表示リール10a〜10cに対応してその下側に夫々配置されている。
以下の説明では、全ての図柄表示リール10a〜10cが回転している状態で最初に行われるストップボタン28a〜28cの操作を第1停止操作、この第1停止操作の次に行われるストップボタン28a〜28cの操作を第2停止操作、この第2停止操作の次に行われるストップボタン28a〜28cの操作を第3停止操作とし、これら第1〜第3停止操作による図柄表示リール10a〜10cの停止を夫々第1〜第3停止とする。
メダル受け皿14の上側近傍には、左右方向略中央部分にメダル排出口26が配置され、その左右両側には夫々スピーカ29が前面パネル3の裏面側から装着されている。なお、操作パネル部13とメダル受け皿14との間には、この遊技機の機種名やキャラクター等が描かれた下部装飾パネル30が配置されている。
第1表示パネル部15は、第2表示パネル部17の下縁部から操作パネル部13の上面側後縁部にかけて例えば前下がりの傾斜状に形成されており、矩形状の窓部31が形成されている。窓部31には、パネル板32が裏側から着脱可能に装着されており、このパネル板32上には、3つの図柄表示窓33a〜33cが、図柄表示リール10a〜10cに夫々対応するように左右方向に配置されている。各図柄表示窓33a〜33cは、夫々図柄表示リール10a〜10c上の連続する複数、例えば3つの図柄を同時に表示可能な大きさの縦長矩形状に形成されている。
本実施形態では、図柄表示窓33a〜33cに表示される3×3個の図柄に対して、横方向に3本の入賞ラインL1〜L3と、斜め方向に2本の入賞ラインL4,L5との合計5本の入賞ラインが設定されており、これら5本の入賞ラインL1〜L5の何れかにおいて、変動後の停止図柄が所定の組み合わせ(入賞図柄態様)となったときに入賞役が成立する。なお、パネル板32には、各入賞ラインL1〜L5を示す入賞ライン表示線を表示してもよい。
図柄表示窓33a〜33cの下側には、投入メダル数表示部34a、クレジット表示部34b,役物当選回数表示部34c、及び獲得メダル表示部34dが左右方向に配置されている。投入メダル数表示部34aは、メダル投入口21から、又は投入ボタン19,20の操作により投入されたメダル枚数(以下、投入メダル数という)を表示するもの、クレジット表示部34bはクレジットされているメダル枚数を表示するもの、役物当選回数表示部34cは役物の残り当選回数等を表示するもの、獲得メダル表示部34dはそのゲームで獲得したメダル枚数を表示するもので、夫々例えば7セグメント式の表示手段等により構成されている。
なお、パネル板32は、例えば透明なアクリル板の裏面側等に、図柄表示窓33a〜33c、投入メダル数表示部34a、クレジット表示部34b、役物当選回数表示部34c、及び獲得メダル表示部34dに対応する各領域を残してそれ以外の部分に不透明なプリントが施されて形成されている。
ランプパネル部16は、前面パネル3の上端側に横長矩形状に形成されており、その左右両端側に一対の上部サイドランプ37が、上縁側に上部センターランプ38が、下縁側に上部表示パネル39が夫々配置されている。上部表示パネル39には、入賞図柄及び入賞時におけるメダルの払い出し枚数等の所定の情報が表示され、前側から視認可能となっている。
第2表示パネル部17は、ランプパネル部16と第1表示パネル部15との間に横長矩形状に形成されており、その左右方向中央部分に演出表示手段40が、左右両端側に下部サイドランプ41が夫々配置されている。演出表示手段40は、例えば液晶表示手段により構成されており、各種演出画像等を表示可能となっている。
図3は上記スロットマシンの制御系のブロック図である。この制御系は、主として遊技状態に関する制御を行う主制御基板51と、演出に関する制御を行う演出制御基板52とを別個の基板として備えており、主制御基板51側から演出制御基板52側に対して制御コマンドを一方向通信により送信可能な構成となっている。なお、主制御基板51及び演出制御基板52は、基板ケースに格納された状態で夫々本体ケース2内の適宜箇所に着脱自在に装着されている。
主制御基板51は、メダル投入処理手段53、抽選手段54、停止許可手段55、図柄変動制御手段56、図柄判定処理手段57、メダル払出処理手段58、利益状態処理手段59、制御コマンド送信手段60等を備え、CPU、ROM、RAM等により構成されている。これら各手段は、予めROM上に記憶された制御プログラム、例えば図4に示す遊技制御処理を行う遊技制御プログラム等をCPU上で実行させることにより実現される。
メダル投入処理手段53は、メダル検出スイッチ24からの信号、若しくは投入ボタン19,20からの信号に基づいてメダル投入処理S2(図4)を行うためのもので、図4に示す遊技制御処理においてまず最初に1ゲーム毎のRAMクリア処理(S1)が行われた後、メダル検出スイッチ24からの信号があった場合にその信号に基づくメダル数を投入メダル数に加算し、その投入メダル数が所定数(ここでは3枚)となった後は残りをメダル払出処理手段58に記憶されているクレジット枚数に加算させると共に、加算後の投入メダル数を投入メダル数表示部34aに表示させる処理を行うようになっている。
また、メダル投入処理手段53は、投入ボタン19,20からの信号があった場合には、投入メダル数が所定数(ここでは3枚)となるまで各投入ボタン19,20に応じたメダル数を投入メダル数に加算すると共に、加算後の投入メダル数を投入メダル数表示部34aに表示させ、またその加算分のメダル数をメダル払出処理手段58に記憶されているクレジット枚数から減算させるようになっている。本実施形態では、2以上の所定数(ここでは3枚)のメダルが投入されて初めて、全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されてゲームを開始でき、所定数未満のメダルを投入した状態ではゲームを開始できないようになっている。
抽選手段54は、複数種類の入賞役に関する抽選処理S3(図4)を行うもので、メダル投入処理手段53で計数された投入メダル数が所定数(3枚)となることを条件に、例えばスタートレバー27が操作されたときに所定の抽選用乱数を抽出し、その乱数値に基づいて、複数種類の入賞役に当選(以下、内部当選という)したか否かを判定するように構成されている。図7に示すように、入賞役には大きく分けてメダルの払い出しを伴う小役、メダル投入なしで次のゲームを開始可能な再遊技役、遊技状態の移行を伴う特別役の3種類があり、本実施形態では、小役として「ベル」及び「スイカ」が、再遊技役として「リプレイ」が、特別役として「レギュラーボーナス(以下、RB)」及び「ビッグボーナス(以下、BB)」が、夫々設けられているものとする。
なお、何れかの入賞役に内部当選すると、その内部当選は入賞役の種類に応じて当該ゲームを含む1又は複数ゲームにわたって有効となる。本実施形態では、小役及び再遊技役の内部当選については当該ゲームにおいてのみ有効であり、特別役の内部当選についてはその特別役が成立するまで有効となる。そして、その内部当選の有効期間内(以下、内部当選状態中という)に、図柄表示リール10a〜10cの変動後の停止図柄が入賞ラインL1〜L5の何れかにおいてその内部当選した入賞役に対応する入賞図柄態様、例えばBBであれば「7・7・7」、リプレイであれば「リプレイ・リプレイ・リプレイ」となったときに入賞役が成立する。
図7に、各入賞役の当選確率を遊技状態毎に示している。本実施形態では、特別役成立後のボーナス状態の他、通常遊技状態と4種類のRT状態(以下、RT1〜4)の計6種類の遊技状態毎に各入賞役の当選確率が設定されている。RT1〜4は、「リプレイ」の当選確率が通常遊技状態よりも高く設定されることにより、通常遊技状態よりもメダルの減少が抑制される遊技状態で、図柄表示リール10a〜10cの変動後の停止図柄が入賞ラインL1〜L5の何れかにおいて予め定められた複数種類のRT移行図柄態様の何れかとなることに基づいてそのRT移行図柄態様に対応するRT1〜4に移行するようになっている。
本実施形態では、図8に示すように、RT1への移行に係るRT移行図柄態様(以下、RT1移行図柄態様という)が「ベル・ベル・スイカ」に、RT2への移行に係るRT移行図柄態様(以下、RT2移行図柄態様という)が「リプレイ・リプレイ・スイカ」に、RT3への移行に係るRT移行図柄態様(以下、RT3移行図柄態様という)が「ベル・ベル・リプレイ」に、RT4への移行に係るRT移行図柄態様(以下、RT4移行図柄態様という)が「リプレイ・リプレイ・ベル」に、夫々設定されているものとする。
なお本実施形態では、図7に示すようにRT1〜4は夫々「リプレイ」の当選確率のみが通常遊技状態よりも高く設定されているが、その差は僅かであり、通常遊技状態とRT1〜4との間で当選確率に実質的な差は殆どない。
また、ボーナス状態中は、例えば小役の一つである「ベル」の当選確率が極めて高い値に設定され、略確実に「ベル」に当選させることが可能となっている。
停止許可手段55は、図柄表示リール10a〜10cが入賞役に対応する入賞図柄態様で停止することを許可するもので、抽選手段54による抽選で何れかの入賞役に内部当選することを条件に、その内部当選状態中に作動するようになっている。
図柄変動制御手段56は、各図柄表示リール10a〜10cの変動制御を行うもので、図柄変動開始処理手段56aと図柄変動停止処理手段56bとを備えている。図柄変動開始処理手段56aは、図柄変動開始処理S4(図4)を行うもので、スタートレバー27の操作タイミングに基づく回転指令信号を受信したときに、各回転駆動手段11a〜11cを制御して各図柄表示リール10a〜10cの回転を同時に開始させるようになっている。
図柄変動停止処理手段56bは、図柄変動停止処理S5(図4)を行うもので、ストップボタン28a〜28cの操作タイミングに基づく停止指令信号を受信したときに、予め定められた停止制御データに従って各回転駆動手段11a〜11cを制御して、各ストップボタン28a〜28cに対応する各図柄表示リール10a〜10cの回転を個別に停止させるようになっている。
図柄変動停止処理手段56bによる図柄変動停止処理(S5)は、具体的には例えば図5に示す手順で行われる。即ち、まずその時点の遊技状態を判定し(S31〜S38)、その判定結果に応じて、後述するボーナス状態中であればボーナス状態中の停止制御処理(S31a)が実行され、小役,再遊技役,特別役の何れかの内部当選状態中であればそれに対応する停止制御処理(S32a〜S34a)が実行され、RT1〜4の何れかであればそれに対応する停止制御処理(S35a〜S38a)が実行され、それら以外、即ち通常遊技状態中で且つ入賞役の内部当選状態中でない場合には通常遊技状態中のはずれに対応する停止制御処理(S39)が実行される。
ここで、ボーナス状態中の停止制御処理(S31a)では、対応する停止制御データに従って、例えば「ベル」に内部当選した場合にはストップボタン28a〜28cの操作時点から一定の滑り範囲内でその「ベル」に対応する入賞図柄態様を引き込むべく各図柄表示リール10a〜10cの回転を停止させる。
また、小役内部当選状態中の停止制御処理(S32a)では、対応する停止制御データに従って、ストップボタン28a〜28cの操作時点から一定の滑り範囲内でその内部当選した小役(例えば「ベル」)に対応する入賞図柄態様を引き込むべく各図柄表示リール10a〜10cの回転を停止させる。再遊技役内部当選状態中の停止制御処理(S33a)についても同様に、対応する停止制御データに従って、ストップボタン28a〜28cの操作時点から一定の滑り範囲内で「リプレイ」に対応する入賞図柄態様を引き込むべく各図柄表示リール10a〜10cの回転を停止させる。
また、特別役内部当選状態中の停止制御処理(S34a)では、図9に示すように、対応する停止制御データに従って、ストップボタン28a〜28cの操作時点から一定の滑り範囲内でその内部当選した特別役(例えばBB)に対応する入賞図柄態様を引き込むべく制御し、その入賞図柄態様を引き込めない場合には、RT1〜RT4の何れかに対応するRT移行図柄態様を引き込むべく制御するようになっている。
また、RT1〜4中のはずれ(内部当選状態中以外)に対応する停止制御処理(S35a〜S38a)では、図9に示すように、対応する停止制御データに従って、ストップボタン28a〜28cの操作時点から一定の滑り範囲内で当該RT状態(例えばRT1)以外のRT状態(例えばRT2,3,4)の何れかに対応するRT移行図柄態様を引き込むべく制御するようになっている。
一例としてRT1中のはずれ停止制御処理(S35a)を更に具体的に説明する。図6は、RT1中のはずれ停止制御処理の一例を示したものであるが、理解を容易にするため、第1〜第3停止操作が左→中→右の順序で行われた場合の処理に限定している。
この停止制御処理(S35a)では、図6に示すように、当該RT1以外のRT2,3,4の何れかに対応するRT移行図柄態様を引き込むべく以下のような制御を行う。即ち、まず第1停止操作を監視し(S41)、第1(左)停止操作があった場合には(S41:Yes)、入賞ラインL1〜L5上にベル図柄(RT3移行図柄態様に対応)、リプレイ図柄(RT2移行図柄態様及びRT4移行図柄態様に対応)の何れかを引き込むべく、第1停止操作に係る図柄表示リール10aを停止させる(S42)。
なお、S42においてベル図柄とリプレイ図柄との何れを引き込むかは、抽選によりその都度決定するのではなく、停止操作時のリール位置に応じて予め定められている(例えば、停止操作時に入賞ラインに近い方の図柄を引き込む等)。これは、以下のS48、S53等についても同様である。
この第1停止後は第2停止操作を監視し(S43)、第2(中)停止操作があった場合には(S43:Yes)、その前の第1停止の結果に応じた引き込み制御を行う。即ち、第1停止によって何れかの入賞ライン上にベル図柄が停止した場合には(S44:Yes)、RT2移行図柄態様とRT4移行図柄態様とについては可能性が無くなったため(図8参照)、残りのRT3移行図柄態様に狙いを絞り、そのベル図柄が停止している入賞ライン上にベル図柄を引き込むべく、第2停止操作に係る図柄表示リール10bを停止させる(S45)。
また、第1停止によって何れかの入賞ライン上にリプレイ図柄が停止した場合には(S46:Yes)、RT3移行図柄態様については可能性が無くなったため(図8参照)、残りのRT2移行図柄態様とRT4移行図柄態様とに狙いを絞り、そのリプレイ図柄が停止している入賞ライン上にリプレイ図柄を引き込むべく、第2停止操作に係る図柄表示リール10bを停止させる(S47)。
また、第1停止によっては入賞ラインL1〜L5上にベル図柄とリプレイ図柄の何れも停止しなかった場合には(S44:No→S46:No)、RT2移行図柄態様〜RT4移行図柄態様の何れも可能性が無くなったため、その他のはずれ目となるように第2停止操作に係る図柄表示リール10bを停止させる(S48)。
この第2停止後は第3停止操作を監視し(S49)、第3(右)停止操作があった場合には(S49:Yes)、それ以前の第1,第2停止の結果に応じた引き込み制御を行う。即ち、第1,第2停止によって何れかの入賞ライン上でベル図柄が並んで停止している、即ちRT3移行図柄態様に関するテンパイ状態となっている場合には(S50:Yes)、引き続きRT3移行図柄態様を狙って同じ入賞ライン上にリプレイ図柄を引き込むべく、第3停止操作に係る図柄表示リール10cを停止させる(S51)。
また、第1,第2停止によって何れかの入賞ライン上でリプレイ図柄が並んで停止している、即ちRT2移行図柄態様とRT4移行図柄態様とに関するテンパイ状態となっている場合には(S52:Yes)、引き続きRT2移行図柄態様とRT4移行図柄態様との何れかを狙って同じ入賞ライン上にベル図柄又はスイカ図柄を引き込むべく、第3停止操作に係る図柄表示リール10cを停止させる(S53)。
また、第1,第2停止によっては入賞ラインL1〜L5上でRT2移行図柄態様〜RT4移行図柄態様の何れに関してもテンパイ状態となっていない場合には(S50:No→S52:No)、その他のはずれ目となるように第3停止操作に係る図柄表示リール10cを停止させる(S54)。
なお、第1〜第3停止操作が左→中→右以外の順序で行われた場合の具体的な手順は省略するが、同様の考え方で当該RT1以外のRT2,3,4の何れかに対応するRT移行図柄態様を引き込むべく停止制御処理が行われる。
RT1中のはずれ時に以上のような停止制御処理(図6)を行うことにより、RT2〜RT4の何れかに対応するRT移行図柄態様が高い確率で成立する。RT2〜RT4中のはずれ時についても同様に、当該RT状態以外のRT状態に対応するRT移行図柄態様が高い確率で成立する。
また、通常遊技状態中のはずれに対応する停止制御処理(S39)では、図9に示すように、対応する停止制御データに従って、ストップボタン28a〜28cの操作時点から一定の滑り範囲内でRT1〜RT4のうちの何れかに対応するRT移行図柄態様を引き込むべく制御するようになっている。
以上のような図柄変動停止処理によれば、入賞役の内部当選状態中以外のはずれの場合には、遊技状態がRT1〜RT4の中で連続することなく移行するため、同じタイミングで停止操作を行っても停止目が変化し、遊技に変化を持たせることができる。更に、そのように内部当選状態中でないはずれの場合には同じ停止目が連続することがないため、同じ停止目が連続した場合には特別役の内部当選確定となる遊技性を実現できる。
図柄判定処理手段57は、図柄判定処理S6(図4)を行うもので、全ての図柄表示リール10a〜10cが停止したときに、リール回転位置検出手段12a〜12cからのリール回転位置信号に基づいて、各入賞ラインL1〜L5上に停止表示された図柄の組み合わせが、何れかの入賞役に対応する入賞図柄態様、又は何れかのRT移行図柄態様と一致するか否かを判定するようになっている。
メダル払出処理手段58は、各ゲームで獲得したメダルのクレジット/払い出しに関するメダル払出処理S7(図4)を行うためのもので、入賞ラインL1〜L5上に停止表示された図柄の組み合わせが何れかの入賞役に対応する入賞図柄態様と一致すると図柄判定処理手段57により判定された場合に、その入賞役に対応して予め定められた枚数のメダルを、記憶しているクレジット枚数に加算するか、若しくはメダル払い出し装置5の払い出し手段8を駆動してメダル受け皿14に払い出すようになっている。獲得したメダルをクレジットするか、或いは払い出すかの設定は、クレジット精算ボタン18によって切り換えられる。
クレジット枚数が加算されると、クレジット表示部34bに表示されているクレジット枚数の値が更新される。なお、クレジット枚数には上限(例えば50枚)が定められており、上限を超えるクレジット枚数分のメダルはメダル払い出し装置5によって強制的にメダル受け皿14に払い出されるようになっている。
利益状態処理手段59は、図柄判定処理手段57の判定結果等に基づいて利益状態の発生及び遊技状態の移行に関する処理を行うもので、遊技状態移行処理手段59aを備え、図柄判定処理手段57が「リプレイ」成立と判定した場合(S8:Yes)に再遊技開始処理S9を実行する機能、図柄判定処理手段57が「RB」成立と判定した場合(S10:Yes)にRB開始処理S11を実行してRBを開始させる機能、図柄判定処理手段57が「BB」成立と判定した場合(S12:Yes)にBB開始処理S13を実行してBBを開始させる機能、RB中の場合(S14:Yes)にRB中処理S15を実行する機能、BB中の場合(S16:Yes)にBB中処理S17を実行する機能、内部当選状態中でなく(S18:No)、且つ図柄判定処理手段57において入賞ラインL1〜L5上に停止表示された図柄の組み合わせが何れかのRT移行図柄態様と一致すると判定された場合(S19:Yes)にRT状態移行処理S20を実行する機能等を備えている。
再遊技開始処理S9においては、クレジット枚数を減算することなく投入メダル数に所定のメダル数(3枚)が加算され、遊技者がメダル投入操作を行うことなく次のゲームが開始可能な状態となる。
RB開始処理S11においては、遊技状態移行処理手段59aによって遊技状態がボーナス状態(図7)に移行され、それ以降はそのボーナス状態が終了するまでRB中のRB中処理(S15)が実行される。ボーナス状態中は、図7に示すように例えば小役の一つである「ベル」の当選確率が100%に近い値に設定される。なお、このボーナス状態は、所定ゲーム数(例えば12ゲーム)を消化したとき、又は入賞ゲーム数が所定数(例えば8ゲーム)となったときに終了する。
BB開始処理S13においては、BBが開始されると共に、遊技状態移行処理手段59aによって遊技状態がボーナス状態(図7)に移行され、それ以降はBB中のBB中処理(S17)により、BBの終了条件が成立するまでボーナス状態が繰り返される。BBは、例えば当該BB中に遊技者に払い出されたメダルの総数が所定枚数(例えば466枚)に達したときに終了し、その時点でボーナス状態も同時に終了する。
また、RT状態移行処理S20においては、遊技状態移行処理手段59aによって遊技状態がそのRT移行図柄態様に対応するRT状態に移行される。即ち、例えば通常遊技状態中で且つ入賞役の内部当選状態中でないはずれの場合にRT1移行図柄態様である「ベル・ベル・スイカ」となった場合には通常遊技状態からRT1に移行され、またRT1中のはずれの場合にRT2移行図柄態様である「リプレイ・リプレイ・スイカ」となった場合にはRT1からRT2に移行される。
制御コマンド送信手段60は、演出制御基板52に対して制御コマンドを一方向通信により送信するためのもので、メダル投入口21へのメダル投入及び投入ボタン19,20によるメダル投入操作に基づいてメダル投入コマンドを送信する機能、スタートレバー27の操作に基づく図柄表示リール10a〜10cの回転開始時に停止許可手段55の停止許可状態に対応する所定の回転開始コマンドを送信する機能、ストップボタン28a〜28cの操作に基づいてそれら各ストップボタン28a〜28cに対応するストップボタン操作コマンドを送信する機能、図柄判定処理手段57の判定結果に基づいて停止図柄コマンドを送信する機能、利益状態処理手段59の制御に基づいて利益状態の開始/停止コマンドを送信する機能等を備えている。
演出制御基板52は、CPU、ROM、RAM等により構成される制御コマンド解析手段71、演出表示制御手段72、ランプ制御手段73、音声制御手段74等を備えている。
制御コマンド解析手段71は、主制御基板51側からの制御コマンドを受信すると共にその内容を解析するためのものである。
演出表示制御手段72は、演出表示手段40の表示制御を行うもので、例えば回転開始コマンド等に基づいて、図柄表示リール10a〜10cによる図柄の変動表示に関連する画像を表示する等、遊技状態に応じた任意の演出画像を演出表示手段40に表示させ、所定の遊技待ち状態中は演出表示手段40に所定のデモ画像を表示させるようになっている。
ランプ制御手段73は、発光手段6a,37,38,41等の発光制御を行うもので、メダル投入コマンド、回転開始コマンド、ストップボタン操作コマンド、停止図柄コマンド等に基づいて、発光手段6a,37,38,41等を所定のパターンで点灯、点滅等させると共に、所定の遊技待ち状態中は発光手段6a,37,38,41等を所定のデモパターンで点滅等させたり、或いは消灯させるようになっている。
音声制御手段74は、スピーカ29から出力される音声の制御を行うためのもので、メダル投入コマンド、回転開始コマンド、ストップボタン操作コマンド、停止図柄コマンド等に基づいて、スピーカ29から任意の効果音や音楽等を出力させるようになっている。
以上のようなスロットマシンによれば、入賞役の内部当選状態中でないはずれの場合には、例えば通常遊技状態中であれば4種類のRT移行図柄態様の何れかが高い確率で出現すると共にそのRT移行図柄態様に対応するRT状態、即ちRT1〜RT4の何れかに移行し、またRT1〜RT4の何れかの遊技状態中には、当該RT状態以外のRT状態に対応するRT移行図柄態様の何れかが高い確率で出現すると共にそのRT移行図柄態様に対応するRT状態、即ち当該RT状態以外のRT状態に移行するため、同じタイミングで停止操作を行っても停止目(RT移行図柄態様)が変化し、遊技に変化を持たせることができる。
また、そのように内部当選状態中でないはずれの場合には同じ停止目が連続することがない上に、特別役の内部当選状態中であってその内部当選した特別役に対応する入賞図柄態様の引き込みが不可能な場合にはRT1〜RT4の何れかに対応するRT移行図柄態様を引き込むように構成されているため、同じ停止目が連続した場合には特別役の内部当選確定となる遊技性を実現できる。
図10及び図11は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態におけるRT状態中のはずれ時に対応する停止制御データの内容を変更した例を示している。
本実施形態では、はずれに対応する停止制御データのうち、各RT状態に対応するものは当該RT状態以外の特定RT状態に対応するRT移行図柄態様を引き込むように設定され、また全てのRT状態が、他の何れかのRT状態に対する特定RT状態に設定されている。即ち、図11に示すように、RT1,RT2,RT3,RT4に対応する特定RT状態は夫々RT2,RT3,RT4,RT1に設定されており、例えばRT1中のはずれ時にはRT2に対応するRT2移行図柄態様が引き込まれ、RT4中のはずれ時にはRT1に対応するRT1移行図柄態様が引き込まれるように制御される。
一例としてRT1中のはずれ停止制御処理(図5におけるS35a)を具体的に説明する。図10は、本実施形態におけるRT1中のはずれ停止制御処理の一例を示したものであるが、理解を容易にするため、第1〜第3停止操作が左→中→右の順序で行われた場合の処理に限定している。
この停止制御処理(図10)では、当該RT1に対応する特定RT状態であるRT2に対応するRT2移行図柄態様を引き込むべく以下のような制御を行う。即ち、まず第1停止操作を監視し(S61)、第1(左)停止操作があった場合には(S61:Yes)、入賞ラインL1〜L5上にリプレイ図柄を引き込むべく、第1停止操作に係る図柄表示リール10aを停止させる(S62)。
この第1停止後は第2停止操作を監視し(S63)、第2(中)停止操作があった場合には(S63:Yes)、その前の第1停止の結果に応じた引き込み制御を行う。即ち、第1停止によって何れかの入賞ライン上にリプレイ図柄が停止した場合には(S64:Yes)、未だRT2移行図柄態様が揃う可能性があるため、そのリプレイ図柄が停止している入賞ライン上にリプレイ図柄を引き込むべく、第2停止操作に係る図柄表示リール10bを停止させる(S65)。
一方、第1停止によっては入賞ラインL1〜L5上にリプレイ図柄が停止しなかった場合には(S64:No)、RT2移行図柄態様が揃う可能性が無くなったため、その他のはずれ目となるように第2停止操作に係る図柄表示リール10bを停止させる(S66)。
この第2停止後は第3停止操作を監視し(S67)、第3(右)停止操作があった場合には(S67:Yes)、それ以前の第1,第2停止の結果に応じた引き込み制御を行う。即ち、第1,第2停止によって何れかの入賞ライン上でリプレイ図柄が並んで停止している、即ちRT2移行図柄態様に関するテンパイ状態となっている場合には(S68:Yes)、引き続きRT2移行図柄態様を狙って同じ入賞ライン上にスイカ図柄を引き込むべく、第3停止操作に係る図柄表示リール10cを停止させる(S69)。
一方、第1,第2停止によっては入賞ラインL1〜L5上でRT2移行図柄態様に関するテンパイ状態となっていない場合には(S68:No)、その他のはずれ目となるように第3停止操作に係る図柄表示リール10cを停止させる(S70)。
なお、第1〜第3停止操作が左→中→右以外の順序で行われた場合の具体的な手順は省略するが、同様の考え方でRT2移行図柄態様を引き込むべく停止制御処理が行われる。
RT1中のはずれ時に以上のような停止制御処理(図10)を行うことにより、RT2移行図柄態様が高い確率で成立する。RT2〜RT4中のはずれ時についても同様に、夫々RT3移行図柄態様,RT4移行図柄態様,RT1移行図柄態様が引き込まれるように制御される。
なお、ボーナス状態中の停止制御処理(図5のS31a)、内部当選状態中の停止制御処理(図5のS32a,S33a,S34a)、通常遊技状態中のはずれに対応する停止制御処理(図5のS39)については第1の実施形態と同様である。
例えば、特別役内部当選状態中の停止制御処理(S34a)では、図11に示すように、対応する停止制御データに従って、ストップボタン28a〜28cの操作時点から一定の滑り範囲内でその内部当選した特別役(例えばBB)に対応する入賞図柄態様を引き込むべく制御し、その入賞図柄態様を引き込めない場合には、RT1〜RT4の何れかに対応するRT移行図柄態様を引き込むべく制御する。また、通常遊技状態中のはずれに対応する停止制御処理(S39)では、図11に示すように、対応する停止制御データに従って、ストップボタン28a〜28cの操作時点から一定の滑り範囲内でRT1〜RT4のうちの何れかに対応するRT移行図柄態様を引き込むべく制御する。
以上のような図柄変動停止処理によれば、入賞役の内部当選状態中以外のはずれの場合には、遊技状態がRT1→RT2→RT3→RT4→RT1→…の順序で移行するため、同じタイミングで停止操作を行っても停止目が変化し、遊技に変化を持たせることができる。更に、そのように内部当選状態中でないはずれの場合には停止目が一定の順序で周期的に変化するため、その周期性が崩れた場合には特別役の内部当選確定となる遊技性を実現できる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、RT状態は複数種類設ければよく、その数は任意であるが、RT状態の種類数が多いほど停止目は多彩となる。各RT状態中のはずれに対応する停止制御データは、当該RT状態以外の特定の1以上のRT状態の何れかに対応するRT移行図柄態様を引き込むものであればよく、各RT状態からの移行先のRT状態の範囲は、当該RT状態以外の全て(第1の実施形態)、特定の1つ(第2の実施形態)以外であってもよい。
また、通常遊技状態中のはずれに対応する停止制御データは、例えばRT1〜4のうちの特定の1以上のRT状態(例えばRT1)の何れかに対応するRT移行図柄態様を引き込むように構成すればよく、全てのRT状態に対応するRT移行図柄態様を引き込み対象とする必要はない。
また、実施形態では遊技媒体としてメダルを用いたスロットマシンを例に挙げて説明したが、使用する遊技媒体はメダルに限られるものではなく、パチンコ球、磁気カード、ICカード等、どのようなものでもよい。