JP4951146B1 - 地上タンク - Google Patents

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Abstract

【課題】側壁の耐力を低下させることなく、簡易かつ安価に周方向のPCケーブルを緊張固定することを可能とした地上タンクを提案する。
【解決手段】コンクリート製の底版10と、円筒状を呈するコンクリート製の側壁20と、側壁20の周方向に沿って側壁20の内部に配設されたPCケーブル32と、側壁20の外側に配設されたPC定着部40とを備えていて、PC定着部40を挟んで両側のそれぞれからPC定着部40に向けて側壁20から突出する二つのPCケーブル32の端部同士が、PC定着部40を介して連結されており、PC定着部40を側壁20の外面から離隔させるスペーサー60が、PCケーブル32の端部と側壁20の外面との間に形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、地上タンクに関する。
LNGやLPG、工業用水等を貯蔵するための従来の地上タンクは、底版と、底版に剛結合される側壁と、側壁の上端に接続する平板状またはドーム状の外槽屋根とから構成されている。
側壁は防液堤とも称され、その下端近傍、すなわち、底版と接合する箇所からその上方の一定の範囲においては、側壁の他の部位に比べて大きな断面力(曲げモーメントやせん断力など)が生じるために、該下端近傍の部材断面を他の部位に比べて相対的に大きくしたり、過密に配筋するなどの措置が講じられている。この地上タンクは、その用途や規模によって構成材料や構造形式が多様に存在するものの、LNG貯蔵用タンク等の比較的大規模で耐久性が要求される場合においては、鉄筋コンクリート構造物として現場施工されているのが一般的である。そして、このLNG貯蔵用タンクの場合にはさらに、底版や側壁(防液堤)、外槽屋根の内側に保冷材層が形成され、その内側に内槽板層などが形成されてタンクの液密性と保冷性が保証されている。
このような地上タンクは、PCケーブルなどの緊張材が側壁や底版の内部に配設されて所望する緊張力が導入されていることで効果的に鉄筋量を低減することができ、ひびわれを防止することができる。緊張力の導入方法としては、底版や側壁などに予めシース管を埋設しておき、底版や側壁の構築後にシース管内にPCケーブルを挿入するとともにPCケーブルの端部を引っ張ることで、緊張力(プレストレス力)を該シース管に導入し、底版や側壁に圧縮力を作用させるポストテンション方式の他、予めプレストレス力が導入されたPCケーブルを底版や側壁内部に埋め込んでおき、底版や側壁などの構築後にPCケーブルからプレストレス力を解放することで側壁などに圧縮力(軸力)を作用させる、プレテンション方式などがある。
ここで、側壁に埋設されるPCケーブルとしては、縦方向(鉛直方向)のPCケーブルと周方向のPCケーブルがある。
縦方向のPCケーブルは、例えば側壁断面の中央付近にその上端から底版まで延びる態様で埋設されて緊張されるものであり、側壁に対して鉛直方向の圧縮力を付与して該側壁に作用する曲げモーメントに抗する曲げ耐力を高めるためのものであり、側壁下端の過大な曲げモーメントに抗するべく側壁下方で外側に張り出す段部を有する形態においては、この段部の断面にも短尺のPCケーブルが埋設され、緊張力が導入されている。
一方、周方向のPCケーブルは、側壁内においてたとえば縦方向のPCケーブルの外側に配設されて緊張され、側壁に周方向の圧縮力を付与することにより、地上タンク内にLNGやLPG等の液体が収容された際にその液圧で側壁の周方向に生じ得る引張力を解消しようとするものである。
周方向のPCケーブルを緊張する方法は、たとえば特許文献1で開示されるように側壁の外側に突出するいわゆるピラスターに対し、その左右方向から延びてきたPCケーブルを交差させてピラスターの左右側面に定着板を介して緊張固定するのが一般的である。
ピラスターの内部には、その左右端面に臨むようにシース管(トランペットシース管)が埋設され、ここを挿通したPCケーブルが緊張されるとともにシース管内にはグラウトが充填され、この緊張力が支圧板を介してピラスターに反力となる圧縮力を付与した状態でPCケーブルの緊張定着が図られている。
また、ピラスターの配筋構造としては、ピラスター筋と称されるひび割れ防止筋や幅止め筋を配し、さらには、圧縮力によってシース管周りのコンクリート内に割裂応力が作用してひび割れが誘発されるのを抑制するべく、シース管の周囲にスパイラル筋を配した構造が一般に適用されている。
しかし、このようなピラスターでは、左右から交差姿勢で進入する2つのPCケーブル用のシース管とその周りのスパイラル筋、ピラスター筋などが密に埋設されていることから、施工に手間がかかるとともに、コンクリートの充填不良箇所が発生するおそれがある。
なお、ピラスターの内部では、左右の定着板の間に圧縮領域が形成されるため、ピラスターは、この圧縮力に対して十分な耐力を備えたものである必要があった。
また、ピラスターは、一方のPCケーブルの端部は上方向に緊張し、他方のPCケーブルの端部は下方向に緊張しているのが一般的である。そのため、ピラスターの内部には、力のねじれが生じてしまい、構造上不利となる。ゆえに、ピラスターは、ねじれ方向の力(曲げモーメント)に対する補強も必要となる。
さらに、左右方向からのびてきたPCケーブルを上下に交差させることで、PCケーブルの端部同士の間に高さ方向の段差が生じる。そのため、このPCケーブルの端部同士の段差により、PCケーブルの高さ方向の配設ピッチが制限される場合があった。
一方、特許文献2には、側壁に凹部を形成し、この凹部内において定着装置を介して二つのPCケーブルの端部を繋ぐ地上タンクが開示されている。この地上タンクによれば、ピラスターを形成することなく、周方向のPCケーブルを緊張することができる。
ところが、特許文献2の地上タンクは、凹部による側壁の断面欠損が懸念される。また、PCケーブルの本数が増えると、ケーブルの二つの端部を繋ぐための広さ(凹部の深さ方向の面積)が必要となる。そのため、タンクの内空側に側壁の増厚部分を形成するなどして補強する必要があるが、タンク内側に増厚部分を設けると、タンク内空断面積が小さくなり、タンク容量が小さくなるので、好ましくない。
また、緊張用ジャッキを用いてPCケーブルを緊張する際には、ジャッキを移動させながら緊張力を導入していくため、凹部の長手方向の寸法には、ジャッキの移動量を考慮した長さが必要であるが、タンク容量が大型化すると、PC導入力も大きくなり、ジャッキの移動量も大きくなる。
ジャッキの移動量が大きくなると、必要な凹部の長手方向の寸法が大きくなり、その分、側壁断面の欠損領域が大きくなる。そのため、特許文献2の地上タンクは、大型タンクには適さない。
特開2006−291582号公報 特開昭50−58841号公報
本発明は、前記の問題点を解決することを目的とするものであり、タンク大型化、PC導入力の増加にも適応できる技術であって、側壁の耐力を低下させることなく、簡易かつ安価に周方向のPCケーブルを緊張固定することを可能とした地上タンクを提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の地上タンクは、コンクリート製の底版と、円筒状もしくは略円筒状を呈するコンクリート製の側壁と、前記側壁の周方向に沿って当該側壁の内部に配設されたPCケーブルと、前記側壁の外側に配設されたPC定着部とを備えるものであって、前記PC定着部を挟んで両側のそれぞれから前記PC定着部に向けて前記側壁から突出する二つのPCケーブルの端部同士が、前記PC定着部を介して連結されており、前記側壁に欠損部を形成することなく前記PC定着部を前記側壁の外面から離隔させるスペーサーが、前記PCケーブルの端部と前記側壁の外面との間に形成されていることを特徴としている。
かかる地上タンクは、側壁に凹部を形成しないため、構造的に優れている。また、側壁の外面にスペーサーが形成された簡易な構成のため、施工性に優れており、かつ、安価である。
ここで、「二つのPCケーブルの端部」とは、1本のPCケーブルを側壁の周方向に沿って配設する場合には当該PCケーブルの両端部、複数本のPCケーブルを側壁の周方向に沿って配設する場合には隣り合う2本のPCケーブルの各端部を意味する。
前記スペーサーは、前記側壁と一体に形成されていてもよいし、側壁と別体の部材を前記PCケーブルと前記側壁との間に介在させることにより形成されていてもよい。
さらに、前記スペーサーが、前記PCケーブルを挿通する貫通孔を有して形成されていれば、PCケーブルの保護部材としても機能する。
本発明の地上タンクによれば、側壁の耐力を低下させることなく、簡易かつ安価に周方向のPCケーブルを緊張固定することを可能となる。
第一の実施形態に係る地上タンクを示す図であって、(a)は立面図、(b)は(a)の部分拡大図である。 図1に示す地上タンクの平面図である。 (a)は側壁の拡大断面図、(b)は(a)のA−A断面図である。 側壁とスペーサーを示す断面図である。 (a)および(b)は、PCケーブルの配置を示す模式図である。 (a)は図5の(a)のB−B断面図、(b)は(a)のC−C断面図である。 (a)はアンカープレートの正面図、(b)は(a)のD−D断面図である。 第二の実施形態に係る地上タンクを示す立面図である。 (a)は側壁とスペーサーを示す断面図、(b)はスペーサーの斜視図である。
<第一の実施形態>
第一の実施形態の地上タンク1は、図1に示すように、底版10と、側壁20と、PCケーブル30と、PC定着部40(図4参照)と、屋根50とを備えている。
地上タンク1の内部空間(底版10、側壁20および屋根50により囲まれた空間)には、液体等が収容される。なお、地上タンク1の収容物は限定されるものではなく、例えばLNG、LPG、工業用水等を収容することができる。
本実施形態の地上タンク1は、底版10、側壁20および屋根50の内側に内槽板70が設けられた二重構造により構成する。底版10、側壁20および屋根50と内槽板70との間には、保冷材71が充填されている。なお、地上タンク1は、必ずしも二重構造である必要はない。
底版10は、地盤上に形成された鉄筋コンクリート製の版状部材であって、直接基礎を兼ねている。
なお、底版10は、必ずしも基礎を兼ねるものである必要はなく、底版10とは別に基礎構造を構築してもよい。また、地上タンク1の基礎構造として、杭基礎やパイルドラフト基礎を適用してもよい。
底版10は、側壁20の外形状と同等以上の平面形状を有している。なお、底版10の平面形状は限定されるものではなく、例えば円形や正方形等であってもよい。
底版10の厚さは、基礎地盤の土質や、上載荷重(地上タンク1の自重等)に応じて適宜設定する。
底版10には、図示しない放射状のPCケーブルと、リング状のPCケーブルとが、緊張力が導入された状態で配設されている。
なお、底版10内のPCケーブルは、必要に応じて配置すればよい。
側壁20は、防液堤を構成する鉄筋コンクリート製部材であって、底版10の上面に立設されている。側壁20の下端は底版10に剛結合されている。本実施形態の側壁20は、図2に示すように、円筒状に形成されている。なお、側壁20の形状は、円筒状に限定されるものではなく、例えば楕円形をなす筒状(略円筒状)であってもよい。また、側壁20の下端部に段部(壁厚部)を具備するものであってもよい。
側壁20には、図3の(a)および(b)に示すように、周方向で所定のピッチで配筋された縦筋21と、上下方向で所定のピッチで配筋された横筋22とを備えている。
縦筋21および横筋22は、側壁の外面から所定の被りを確保して配筋されている。
なお、必要に応じて、せん断補強筋を配筋してもよい。
側壁20の内部には、図1に示すように、PCケーブル30が埋設されている。
PCケーブル30は、PC鋼より線により構成されている。なお、PCケーブル30を構成する材料は限定されるものではなく、例えば、PC鋼線やPC鋼棒を使用してもよい。
側壁20に埋設されるPCケーブル30としては、縦方向(鉛直方向)のPCケーブル(以下、「縦ケーブル」という)31と、周方向のPCケーブル(以下、「周ケーブル」という)32とがある。
縦ケーブル31は、側壁20の厚さ方向の中央付近において上下方向に連続して配設されている。縦ケーブルの下端は、底版10に定着している。側壁20には、側壁20の周方向に間隔をあけて複数本の縦ケーブル31,31,…が配設されている。
縦ケーブル31には、緊張力が導入されていて、側壁20に対して鉛直方向の圧縮力を付与している。こうすることで、側壁20の曲げ耐力が高められる。
周ケーブル32は、側壁20内において縦ケーブル31の外側に配設されている。
周ケーブル32には、緊張力が導入されており、側壁20に周方向の圧縮力を付与している。こうすることにより、地上タンク1内の液圧等により側壁20の周方向に生じ得る引張力を解消、あるいは、低減することが可能となる。
周ケーブル32は、側壁20の内部に配設されたシース管23(図3の(b)参照)に挿通されているが、周ケーブル32の配設方法は限定されるものではない。
周ケーブル32の端部は、側壁20から突出していて、側壁20の外側に配設されたPC定着部40に向けて延びている。
側壁20から突出した周ケーブル32の端部は、スペーサー60を貫通したうえでPC定着部40に固定されている。
本実施形態では、図5の(a)および(b)に示すように、同一の高さレベルに配設された2本の周ケーブル32,32の端部同士をPC定着部40において繋ぎ合わせることにより、側壁20に対して周方向の圧縮力を付与している。
なお、同一の高さレベルに配設される周ケーブル32の本数は限定されるものではなく、例えば、1本の周ケーブル32を配設して、その両端を一つのPC定着部40により繋いでもよいし、3本以上の周ケーブル32,32,…を配設して、隣接する周ケーブル32,32の端部同士をPC定着部40で繋いでもよい。
周ケーブル32を挿通したシース管23には、周ケーブル32の緊張後にグラウトが充填される。
PC定着部40は、図4に示すように、側壁20の外側に配設されている。本実施形態では、同じ高さ位置に配設された2本の周ケーブル32,32に対して、2つのPC定着部40,40が配設されている。つまり、2つのPC定着部40,40は、地上タンク1の内空を挟んで対向する位置にそれぞれ配置されている(図5参照)。
任意の周ケーブル32の高さレベルに応じて配設されたPC定着部40(図5の(a)参照)と、この周ケーブル32の上方または下方の周ケーブル32の高さレベルに応じて配設されたPC定着部40(図5の(b)参照)とは、地上タンク1を平面視した際に、異なる平面位置となるように配置されている。
なお、PC定着部40の数量や配設ピッチは限定されるものではなく、周ケーブル32の本数等に応じて適宜設定すればよい。
PC定着部40は、図6の(b)に示すように、PC定着部40を挟んで両側から突出した周ケーブル32,32の端部同士を連結している。
PC定着部40は、図6の(a)および(b)に示すように、プレート状のアンカーヘッド41を備えて構成されている。
アンカーヘッド41には、その両側から延びてきた周ケーブル32,32の端部が固定される。2本の周ケーブル32,32は、アンカーヘッド41を介して繋がれる。
アンカーヘッド41には、図7の(a)および(b)に示すように、双方の周ケーブル32,32の端部が挿通される複数の挿通孔42,42,…が形成されている。
アンカーヘッド41への周ケーブル32に固定は、一方の周ケーブル32の端部を挿通孔42に挿通して固定し、次いで他方の周ケーブル32の端部を他の挿通孔42に挿通するとともに、この端部を緊張してアンカーヘッド41に固定することにより行う。こうすることで、所望する緊張力を容易に周ケーブル32,32に導入して、双方の端部同士を緊張姿勢で繋ぐことができる。
スペーサー60は、図4に示すように、側壁20の外側に形成されている。スペーサー60には、周ケーブル32の端部(側壁20から突出した部分)が挿通される。
本実施形態のスペーサー60は、側壁20に沿って上下方向に連続している。
本実施形態のスペーサー60は、側壁20と一体に形成された鉄筋コンクリート製の部材であって、側壁20の外面に突設されている。
スペーサー60は、鉄筋の一部が側壁20内に定着していることで、側壁20と一体化がなされている(図3の(a)参照)。
本実施形態では、スペーサー60が、PC定着部40を挟んで両側にそれぞれ形成されている。PC定着部40を挟んで形成された左右のスペーサー60は、溝状の空間を形成し、PC定着部40は、この溝状の空間内に配設されている。
スペーサー60の内部には、シース管61が配設されている。シース管61は、周ケーブル32を挿通するための貫通孔となる。
周ケーブル32をスペーサー60のシース管61に挿通すると、スペーサー60の側壁20側の部分が、周ケーブル32と側壁20との間に配設された状態となるため、周ケーブル32は、側壁20の外面から間隔をあけた状態でPC定着部40に固定され、PC定着部40は、側壁20の外面から離間した位置に配置される。
また、スペーサー60の側壁20の反対側の部分は、周ケーブル32を覆い、周ケーブル32を保護している。
スペーサー60の外面は、平面部62とすり付け部63とを有している。
平面部62は、PC定着部40の位置において、側壁20の外面に接する平面(接平面)と平行である。PC定着部40を挟む二つのスペーサー60,60の平面部62,62は、同一平面上に形成されている。
すり付け部63は、平面部62から側壁20の外面に至る平面(接平面)である。
平面部62とすり付け部63との交点の内角は、なるべく大きい方が望ましい。
本実施形態では、PC定着部40により周ケーブル32を固定した後、スペーサー60,60の間の空間をモルタル等により充填する。
スペーサー60,60の間の空間が間詰めされることで、スペーサー60,60により形成された凸部が流線形に近い形となる。
屋根50は、図1に示すように、側壁20の上部で支持されるドーム状のコンクリート製もしくは鋼製の部材である。屋根50を構成する材料は限定するものではない。また、屋根50の形状も限定されるものではなく、例えば平板状に形成する等、側壁20の形状や収容物等に応じて適宜形成すればよい。
本実施形態の地上タンク1によれば、スペーサー60が周ケーブル32の端部と側壁20の外面との間に介設されているため、周ケーブル32の緊張に伴ってPC定着部40が側壁に近づいたとしても側壁20と接触することはない。そのため、PC定着部40との接触により側壁20が損傷することがない。
また、スペーサー60は、周ケーブル32を覆っているため、周ケーブル32の錆等を防止することができる。
周ケーブル32の本数が多い場合であっても、スペーサー60の形状を調整することで、PC定着部40の配置スペースを確保することができる。
また、周ケーブル32のPC導入力が大きい場合であっても、スペーサー60同士の間隔を調整することで、緊張力を導入するために必要な空間を確保することができる。
スペーサー60により、周ケーブル32の端部同士の接合部(PC定着部)が略流線形に形成されているため、側壁の周囲に風の吹き溜まり部分が形成されることがない。そのため、例えば、海に近い場所に地上タンク1を形成した場合であっても、塩分を含んだ砂等が局所的に堆積することはなく、したがって、部分的に劣化が進行することを防止することができる。
側壁20に凹部(欠損部)を形成しないため、構造的に優れている。また、側壁20の外面にスペーサー60が形成された簡易な構成のため、施工性に優れており、かつ、安価である。
また、周ケーブル32の緊張力を導入することで、側壁20のコンクリートに対して圧縮力を一様に導入することが可能となる。
凹部(欠損部)を有した従来の地上タンク(特許文献2等)は、凹部における側壁の断面積が他の部分よりも小さいため、過度な緊張力が導入され、ひいては、過度な圧縮力が欠損部のコンクリート断面に発生することとなるが、本実施形態の地上タンク1によれば、このような局所的な応力集中が発生することがない。
また、凹部を備えた従来の地上タンクは、凹部の空隙をモルタル等で充填するものの、モルタル充填箇所には周ケーブルの緊張力が導入されていない。つまり、凹部(欠損部)にモルタルが充填された領域では、圧縮力が導入されていないため、側壁に弱部が存在することとなるが、本実施形態の地上タンク1は、側壁20全断面に対して圧縮力を一様に導入しているため、このような弱部が存在することもない。
上下に隣接する周ケーブル32,32は、端部同士の繋ぎ箇所(PC定着部40の配置)が鉛直方向で同一箇所に集中しないように配置されているため、不要な偏心が生じることが防止されている。
周ケーブル32は、端部同士を互いに繋ぎ合わせた状態で緊張力が導入されているため、スペーサー60への負担は小さい。そのため、スペーサー60は、従来のピラスターのように、鉄筋等が密に配設された構造とする必要がなく、簡易に構築することができる。
つまり、周ケーブル32の端部同士をPC定着部40を介して水平に連結して緊張するため、両方向に緊張する形となり、過度な応力集中が発生することがない。なお、従来のピラスターによる周ケーブルの緊張では、端部を一方向に緊張するため、周ケーブルの端部周辺のピラスターコンクリートには、過度な圧縮力が導入されて、ひいては、過度な応力集中が発生してしまう。
二つの周ケーブル32の端部同士は、PC定着部40を介して水平に連結されているため、周ケーブル32の連結部において力のねじれが生じることがない。また、周ケーブル32の端部同士の間に高さ方向の段差が生じることもないため、周ケーブル32の高さ方向の配設ピッチが周ケーブル32の端部同士の繋ぎ箇所により制限されることもない。
本実施形態の地上タンク1は、2本(複数本)の周ケーブル32,32の端部同士を連結することで、周ケーブル32,32が1つの輪として形成される。そのため、側壁20に対して、局所的に圧縮力が異なることがなく、一様な大きさの圧縮力を導入することが可能となる。そのため、高品質な地上タンク1(側壁20)を形成することができる。
なお、従来のピラスター構造の地上タンクでは、周ケーブルの端部はピラスターにおいて個別に緊張しているため、二つの周ケーブルの端部は、2系統に分断した状態となる。そのため、側壁に導入される周方向の圧縮力が局所的に異なってしまう。
<第二の実施形態>
第二の実施形態の地上タンク2は、図8に示すように、複数のスペーサー60が、高さ方向に間隔をあけて配置されている点で、側壁20に沿って上下に連続したスペーサー60が形成された第一の実施形態の地上タンク1と異なっている。
スペーサー60は、図9の(a)および(b)に示すように、周ケーブル32の端部(側壁20から突出した部分)と側壁20の外面との間に形成されている。
本実施形態のスペーサー60は、側壁20とは別体に形成された部材であって、側壁20の外面に固定されている。なお、スペーサー60は、側壁20に一体に形成されていてもよい。
本実施形態では、工場等において形成されたプレキャスト部材を側壁20の外面に設置することでスペーサー60を形成するが、スペーサー60の形成方法は限定されるものではない。例えば、側壁20の外面に現場施工により形成してもよい。
また、スペーサー60の材質は限定されるものではなく、例えばコンクリート部材であってもよいし、鋼板や形鋼等を組み合わせて形成した鋼製部材であってもよい。
スペーサー60の外面には、図9の(b)に示すように、周ケーブル32を配設するための凹部64が形成されている。なお、凹部64は必要に応じて形成すればよい。
スペーサー60は、図8に示すように、周ケーブル32の高さ位置に応じて、側壁20の外面に設置されている。スペーサー60は、側壁20の外面に強固に固定することなく、仮固定されている。したがって、スペーサー60は、構造上、側壁20に一体に固定されていない。
図9の(a)に示すように、スペーサー60は、PC定着部40を挟んで両側にそれぞれ形成されている。PC定着部40を挟んで形成された左右のスペーサー60,60は、溝状の空間を形成している。
周ケーブル32をスペーサー60の凹部64に配設すると、周ケーブル32と側壁20との間にスペーサー60が介在した状態となるため、周ケーブル32は、側壁20の外面から間隔をあけて状態となる。こうすることで、PC定着部40を、側壁20の外面から離隔させている。
周ケーブル32と側壁20との間にスペーサー60を介設させた状態で、周ケーブル32を緊張すると、周ケーブル32の緊張力の分力により、スペーサー60が側壁20に密着する。スペーサー60は、この分力により、側壁20の外面に固定された状態となる。
本実施形態では、アンカーヘッド41により周ケーブル32を固定した後、周ケーブル32、PC定着部40およびスペーサー60をカバー材80により覆う。
カバー材80を構成する材料は限定されないが、例えば鋼板や炭素繊維シート等により構成すればよい。
PC定着部40等をカバー材80により覆ったら、カバー材80の内部にモルタル等を充填し、周ケーブル32が外気と接することがないようにする。
このとき、カバー材80は、流線形に近い形となるようにする。
この他の第二の実施形態に係る地上タンク2の構成は、第一の実施形態で示した地上タンク1の構成と同様なため、詳細な説明は省略する。
本実施形態の地上タンク2によれば、スペーサー60を上下方向で複数に分割することで、スペーサー60の形状を小さくし、材料費を低減させることができる。
また、スペーサー60として、プレキャスト部材を使用することで、施工期間の短縮を図ることができる。
カバー材80により周ケーブル32を覆っているため、周ケーブル32を錆等から保護することができる。
この他の第二の実施形態の地上タンク2の作用効果は、第一の実施形態の地上タンク1の作用効果と同様なため、詳細な説明は省略する。
以上、本発明に係る実施の形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能であることはいうまでもない。
周ケーブル32は、側壁20下端から上端に向って均一なピッチで配設してもよいし、高さレベルに応じて異なるピッチで配設してもよい。
1,2 地上タンク
10 底版
20 側壁
32 周ケーブル(PCケーブル)
40 PC定着部
60 スペーサー
61 シース管(貫通孔)

Claims (4)

  1. コンクリート製の底版と、円筒状もしくは略円筒状を呈するコンクリート製の側壁と、前記側壁の周方向に沿って当該側壁の内部に配設されたPCケーブルと、前記側壁の外側に配設されたPC定着部と、を備える地上タンクであって、
    前記PC定着部を挟んで両側のそれぞれから前記PC定着部に向けて前記側壁から突出する二つのPCケーブルの端部同士が、前記PC定着部を介して連結されており、
    前記側壁に欠損部を形成することなく前記PC定着部を前記側壁の外面から離隔させるスペーサーが、前記PCケーブルの端部と前記側壁の外面との間に形成されていることを特徴とする、地上タンク。
  2. 前記スペーサーが、前記側壁と一体に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の地上タンク。
  3. コンクリート製の底版と、円筒状もしくは略円筒状を呈するコンクリート製の側壁と、前記側壁の周方向に沿って当該側壁の内部に配設されたPCケーブルと、前記側壁の外側に配設されたPC定着部と、を備える地上タンクであって、
    前記PC定着部を挟んで両側のそれぞれから前記PC定着部に向けて前記側壁から突出する二つのPCケーブルの端部同士が、前記PC定着部を介して連結されており、
    前記PC定着部を前記側壁の外面から離隔させるスペーサーが、前記PCケーブルの端部と前記側壁の外面との間に形成されてあり、
    前記スペーサー、前記側壁と別体であることを特徴とする、地上タンク。
  4. 前記スペーサーが、前記PCケーブルを挿通する貫通孔を有していることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の地上タンク。
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