JP4950813B2 - 分光エリプソメータ、膜厚測定装置および分光エリプソメータのフォーカス調整方法 - Google Patents

分光エリプソメータ、膜厚測定装置および分光エリプソメータのフォーカス調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、分光エリプソメータおよびそのフォーカス調整方法に関し、また、当該分光エリプソメータを備える膜厚測定装置に関する。
従来より、対象物上に存在する膜の厚さや表面状態を測定する光学式の測定装置としてエリプソメータが利用されている。エリプソメータでは、偏光した光(以下、「偏光光」という。)を対象物の測定面上に斜めから照射し、その反射光の偏光状態を取得して偏光解析することにより基板上の膜厚や測定面の表面状態が測定される。例えば、特許文献1および特許文献2では、反射光の波長毎の偏光状態に基づいて対象物上の薄膜に対する各種測定(例えば、膜厚測定)を行う分光エリプソメータが開示されている。
米国特許第5608526号明細書 特開2005−3666号公報
ところで、このような分光エリプソメータでは、対象物に照射される偏光光が最も収束する収束位置が対象物の測定面に位置するように対象物が昇降されてフォーカス調整が行われるが、対象物の測定面が上記収束位置と重なる上下方向の位置(以下、「フォーカス位置」という。)から僅かにずれると、偏光光の測定面上における照射領域の位置もずれてしまう。このため、分光エリプソメータでは、偏光解析を行う前にフォーカス調整を精度良く行っておく必要があり、特に、高精細なパターンが形成された半導体基板等の偏光解析を行う場合には、より高精度なフォーカス調整が必要とされる。
しかしながら、対象物に垂直に入射する光の焦点深度は通常、対象物の測定面に斜めに入射する光の焦点深度よりも深くなるため、特許文献1のように落射式の観察光学系を用いてフォーカス調整を行うと、対象物に対して斜めから偏光光を照射する偏光解析用の測定光学系のフォーカス調整としては、要求される精度を満足できない場合がある。
また、高精度なフォーカス調整を実現するためには、対象物上における偏光解析用の測定光学系による照射領域とフォーカス調整用の観察光学系による照射領域とが精度良く重なるように2つの光学系の相対位置が調整されている必要があるが、特許文献1の分光エリプソメータでは、これらの2つの光学系が互いに独立して設けられるため、光学系の温度による膨張率の差等により、両光学系の相対位置が調整時の位置からずれてしまう可能性もある。
特許文献2の分光エリプソメータでは、フォーカス調整用の観察光学系の光が、偏光解析用の測定光学系と同様に、対象物に対して斜めに入射しているため、焦点深度の差によるフォーカス調整の精度低下は防止される。しかしながら、基板撮像部およびその周囲の光学系が、測定光学系から独立して設けられているため、2つの光学系の相対位置のずれを防止することは容易ではなく、フォーカス調整の精度向上に限界がある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、分光エリプソメータにおいて、高精度なフォーカス調整を実現することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、分光エリプソメータであって、測定面を有する対象物を保持する保持部と、前記対象物を前記保持部と共に前記測定面に垂直な方向に移動する昇降機構と、偏光した光を前記測定面へと傾斜しつつ入射させる照明部と、前記測定面からの前記偏光した光の反射光が入射する検光子と、前記検光子を経由した前記反射光を分光する分光デバイスと、前記分光デバイスからの分光光を受光して前記反射光の分光強度を取得する受光デバイスと、前記受光デバイスからの出力に基づいて前記反射光の波長毎の偏光状態を取得する偏光状態取得部と、前記測定面がフォーカス位置から上下にずれた際に前記反射光の前記分光デバイスへの入射を制限する入射制限部と、前記昇降機構により前記測定面を移動しつつ前記受光デバイスにより受光される光の少なくとも一部の波長帯の合計光量を求めることにより、前記測定面の昇降位置と前記合計光量との関係を取得するフォーカス情報取得部とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の分光エリプソメータであって、前記測定面の昇降位置と前記合計光量との前記関係から所定の演算にて求められる位置と前記フォーカス位置との間の距離を示す補正値を予め記憶する補正値記憶部と、前記補正値を用いて前記フォーカス位置を求めるフォーカス位置決定部とをさらに備える。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の分光エリプソメータであって、前記検光子を光軸に平行な中心軸を中心として回転する回転機構をさらに備え、前記測定面の昇降位置と前記合計光量との前記関係を求める際に、前記測定面を所定の昇降位置に位置させた状態で前記検光子が回転され、前記合計光量が最大値を示す回転位置にて前記検光子が固定される。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の分光エリプソメータであって、前記受光デバイスが、前記反射光の分光方向に平行に複数の受光素子が配列された受光素子アレイであり、前記測定面が前記フォーカス位置から上下にずれた際に、前記分光デバイスからの分光光が、前記受光デバイスの受光面上において前記分光方向に垂直な方向に移動する。
請求項5に記載の発明は、分光エリプソメータであって、測定面を有する対象物を保持する保持部と、前記対象物を前記保持部と共に前記測定面に垂直な方向に移動する昇降機構と、偏光した光を前記測定面へと傾斜しつつ入射させる照明部と、前記測定面からの前記偏光した光の反射光が入射する検光子と、前記検光子を経由した前記反射光を分光する分光デバイスと、前記分光デバイスからの分光光を受光して前記反射光の分光強度を取得する第1受光デバイスと、前記第1受光デバイスからの出力に基づいて前記反射光の波長毎の偏光状態を取得する偏光状態取得部と、前記分光デバイスからの0次回折光が導かれ、前記測定面がフォーカス位置に位置する際に前記測定面と光学的に共役な位置に位置する微小開口を有する微小開口部材と、前記微小開口部材を通過した光の強度を取得する第2受光デバイスとを備える。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の分光エリプソメータであって、前記昇降機構により前記測定面を移動しつつ前記第2受光デバイスからの出力を取得することにより、前記測定面の昇降位置と前記第2受光デバイスの出力との関係を取得するフォーカス情報取得部をさらに備える。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の分光エリプソメータであって、前記測定面の昇降位置に対する前記第2受光デバイスの出力の極大位置を前記フォーカス位置として取得するフォーカス位置決定部をさらに備える。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の分光エリプソメータであって、前記測定面の昇降位置に対して前記第2受光デバイスの出力に複数の極大位置が存在する場合に、前記複数の極大位置のうち前記測定面が最も下降している位置が前記フォーカス位置とされる。
請求項9に記載の発明は、請求項6ないし8のいずれかに記載の分光エリプソメータであって、前記検光子を光軸に平行な中心軸を中心として回転する回転機構をさらに備え、前記測定面の昇降位置と前記第2受光デバイスの出力との前記関係を求める際に、前記測定面を所定の昇降位置に位置させた状態で前記検光子が回転され、前記第2受光デバイスの出力が最大値を示す回転位置にて前記検光子が固定される。
請求項10に記載の発明は、対象物上に形成された膜の厚さを測定する膜厚測定装置であって、対象物上の測定面に偏光した光を照射する請求項1ないし9のいずれかに記載の分光エリプソメータと、前記分光エリプソメータにより取得された反射光の波長毎の偏光状態に基づいて前記測定面に存在する膜の厚さを求める膜厚演算部とを備える。
請求項11に記載の発明は、分光エリプソメータのフォーカス調整方法であって、a)偏光した光を対象物上の測定面へと傾斜しつつ入射させる工程と、b)前記測定面からの前記偏光した光の反射光を分光デバイスにより分光する工程と、c)前記分光デバイスからの分光光を受光デバイスにて受光して前記反射光の分光強度を取得し、前記反射光の少なくとも一部の波長帯の合計光量を求める工程と、d)前記測定面がフォーカス位置から上下にずれた際に前記反射光の前記分光デバイスへの入射を制限する入射制限部が設けられた状態で、前記測定面を前記測定面に垂直な方向に移動しつつ前記a)工程ないし前記c)工程を繰り返すことにより、前記測定面の昇降位置と前記合計光量との関係を求める工程と、e)前記測定面の昇降位置と前記合計光量との前記関係に基づいて前記フォーカス位置を求める工程と、f)前記測定面を前記フォーカス位置へと移動する工程とを備える。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の分光エリプソメータのフォーカス調整方法であって、前記e)工程よりも前に、g)前記偏光した光を対象物上の散乱面へと導く工程と、h)前記散乱面における前記偏光した光の照射領域を観察する工程と、i)前記散乱面を前記散乱面に垂直な方向に移動しつつ前記g)工程および前記h)工程を繰り返し、前記照射領域の面積が最小となる前記散乱面の昇降位置をフォーカス位置として求める工程と、j)前記測定面に代えて前記対象物上において前記散乱面に平行な平滑面に対して前記a)ないし前記d)工程を実行することにより、前記平滑面の昇降位置と合計光量との関係を取得し、前記e)工程における前記フォーカス位置の算出に利用される情報を生成する工程とを備える。
請求項13に記載の発明は、分光エリプソメータのフォーカス調整方法であって、a)偏光した光を対象物上の測定面へと傾斜しつつ入射させる工程と、b)前記測定面からの前記偏光した光の反射光を分光デバイスにより受光する工程と、c)前記分光デバイスからの分光光を受光する第1受光デバイスとは独立して設けられた第2受光デバイスにより、前記分光デバイスからの0次回折光を、前記測定面がフォーカス位置に位置する際に前記測定面と光学的に共役な位置に位置する微小開口を介して受光する工程と、d)前記測定面を前記測定面に垂直な方向に移動しつつ前記a)工程ないし前記c)工程を繰り返すことにより、前記測定面の昇降位置と前記第2受光デバイスの出力との関係を求める工程と、e)前記測定面の昇降位置と前記第2受光デバイスの出力との前記関係に基づいて前記フォーカス位置を求める工程と、f)前記測定面を前記フォーカス位置へと移動する工程とを備える。
本発明では、分光エリプソメータにおいて、高精度なフォーカス調整を実現することができる。また、請求項1の発明では、分光エリプソメータの装置構造を簡素化することもできる。
請求項2、並びに、請求項6ないし8の発明では、フォーカス位置を自動的に求めることができる。また、請求項3および9の発明では、検光子の回転位置が所望の位置で固定されるため、フォーカス調整の精度を向上することができる。さらに、請求項4ないし9の発明では、フォーカス位置を容易に求めることができる。
請求項10の発明では、膜厚測定装置において、高精度な膜厚測定を実現することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る膜厚測定装置10の構成を示す図である。膜厚測定装置10は、測定対象物である半導体基板9上に形成された薄膜の厚さを測定する装置である。以下の説明では、半導体基板9を、単に「基板9」という。図1では、膜厚測定装置10の構成の一部を断面にて示しており、分光器42については、その内部の構成を示している。
図1に示すように、膜厚測定装置10は、基板9上の薄膜が存在する主面91(すなわち、測定対象となる図1中の(+Z)側の主面であり、以下、「測定面91」という。)に偏光した光を照射して測定面91の偏光解析に用いられる情報を取得する分光エリプソメータ1、および、分光エリプソメータ1により取得された情報に基づいて偏光解析を行って測定面91に存在する膜の厚さを求める膜厚演算部7を備える。
分光エリプソメータ1は、測定面91を有する基板9を保持する保持部であるステージ2、ステージ2を移動するステージ移動機構21、偏光した光(以下、「偏光光」という。)を基板9の測定面91へと傾斜しつつ(すなわち、斜めに)入射させる照明部3、照明部3からの偏光光の反射光を受光する受光部4、基板9の測定面91に沿う方向(すなわち、図1中におけるX方向およびY方向)の位置調整に利用される基板観察部5、並びに、各種演算処理を行うCPUや各種情報を記憶するメモリ等により構成されるとともに上記構成を制御する制御部6を備える。
図2は、制御部6の構成を示す図である。図2に示すように、制御部6は、通常のコンピュータと同様に、各種演算処理を行うCPU61、実行されるプログラムを記憶したり演算処理の作業領域となるRAM62、基本プログラムを記憶するROM63、各種情報を記憶する固定ディスク64、作業者に各種情報を表示するディスプレイ65、および、キーボードやマウス等の入力部66等を接続した構成となっている。
図3は、制御部6のCPU61(図2参照)等がプログラムに従って演算処理を行うことにより実現される機能を示すブロック図であり、図3中のフォーカス情報取得部611、補正値記憶部612およびフォーカス位置決定部613が、CPU61等により実現される機能に相当する。なお、これらの機能は複数台のコンピュータにより実現されてもよい。制御部6では、後述する分光エリプソメータ1のフォーカス調整において利用される補正値が、補正値記憶部612に予め記憶されている。
図1に示すように、ステージ移動機構21は、ステージ2を図1中のY方向に移動するY方向移動機構22、および、ステージ2をX方向に移動するX方向移動機構23を有する。Y方向移動機構22はモータ221にボールねじ(図示省略)が接続され、モータ221が回転することにより、X方向移動機構23がガイドレール222に沿って図1中のY方向に移動する。X方向移動機構23もY方向移動機構22と同様の構成となっており、モータ231が回転するとボールねじ(図示省略)によりステージ2がガイドレール232に沿ってX方向に移動する。ステージ移動機構21は、また、基板9をステージ2と共に基板9の測定面91に垂直な上下方向(すなわち、図1中のZ方向)に移動する昇降機構24を有し、分光エリプソメータ1のフォーカス調整が行われる際には、当該昇降機構24により基板9の昇降が行われる。
照明部3は、白色光を出射する高輝度キセノン(Xe)ランプである光源31、光源31からの光を案内する各種光学素子、および、シート状(または、薄板状)の偏光素子32を備え、偏光素子32により光源31からの光から得られた偏光光が、照明部3から基板9の測定面91に傾斜しつつ(本実施の形態では、入射角70°にて斜めに)入射する。
受光部4は、基板9からの偏光光の反射光が入射する検光子41、検光子41を光軸J2に平行な中心軸を中心として回転する検光子回転機構411、検光子41を経由した反射光を受光するグレーティング式の分光器42、反射光を分光器42へと導く各種光学素子、および、分光器42に接続される偏光状態取得部43を備える。分光器42は、検光子41を経由した反射光を受光して波長毎の光に分光する分光デバイスであるグレーティング421、および、グレーティング421からの分光した光(以下、「分光光」という。)を受光して反射光の分光強度(すなわち、波長毎の光強度)を取得する受光デバイス422を備える。受光部4では、偏光状態取得部43により、検光子41の回転位置および受光デバイス422からの出力に基づいて反射光の波長毎の偏光状態が取得される。
基板観察部5は、白色光を出射する観察用光源51および基板9の位置調整用のカメラ52を備える。観察用光源51からの光は、ハーフミラー53および対物レンズ54を介して基板9の測定面91に垂直に入射し、基板9からの反射光は、対物レンズ54、ハーフミラー53およびレンズ55を介してカメラ52にて受光される。分光エリプソメータ1では、基板9の測定面91上に設けられた位置調整用の目印(いわゆる、アライメントマーク)がカメラ52により撮像される。そして、制御部6により、当該目印の画像に基づいてステージ移動機構21のX方向移動機構23およびY方向移動機構22が制御され、基板9のX方向およびY方向における位置調整が行われる。
次に、照明部3および受光部4の詳細について説明する。照明部3では、光源31からの光が、反射面が回転楕円体面の一部である非球面ミラー(以下、「楕円ミラー」という。)351、熱線カットフィルタ352および楕円ミラー353により、スリット板354の開口に導かれる。スリット板354では、光源31からの光の光軸J1に垂直な方向における開口の形状が、X軸に平行な辺の長さが他の辺の長さよりも長い150μm×50μmの長方形とされ、当該開口を通過した光は、光軸J1と為す角度θがsinθ=0.02となるように漸次広がりつつ平面ミラー355へと導かれる。
スリット板354からの光は、平面ミラー355にて反射されて楕円ミラー356へとさらに導かれ、楕円ミラー356にて反射された光は開口数(NA)0.1にて集光されつつ偏光素子32へと導かれる。そして、偏光素子32により導き出された偏光光が70度の入射角にて基板9上の照射領域に照射される。照明部3では、スリット板354から基板9に至る光学系は、5対1の縮小光学系となっているため、基板9の測定面91近傍における偏光光の光軸J1に垂直な光束断面の形状は、X軸に平行な辺の長さが30μmであり、他の辺の長さが10μmである長方形となる。したがって、基板9上における偏光光の照射領域はおよそ30μm×30μmの正方形の領域となる。
基板9からの反射光は、受光部4のスリット板451により取り込まれて検光子41へと導かれる。スリット板451の開口は、X軸に平行な辺の長さが他の辺の長さよりも十分に長い長方形とされ、X軸に垂直な方向(ほぼ高さに相当する方向)に関して、測定面91からスリット板451の開口を見込む角を2θとしてsinθが0.05とされる。これにより、スリット板451により取り込まれる反射光の基板9上の反射角の範囲が制限されてほぼ平行光とされる。一方、X方向に関しては反射光はほとんど制限されないため、測定に必要な十分な量の光が検光子41へと導かれる。本実施の形態では、検光子41として、グラントムソンプリズムまたは偏光シートが利用される。
検光子41は、制御部6により制御される検光子回転機構411(例えば、ステッピングモータ)により光軸J2に平行な軸を中心として回転し、これにより、検光子回転機構411の回転角に応じた(すなわち、検光子41の回転位置に応じた)偏光光が検光子41から導き出される。回転する検光子41を透過した偏光光は、楕円ミラー452にて反射されて平面ミラー453へと導かれ、平面ミラー453にて反射されて分光器42に固定されたスリット板454の開口を介して分光器42へと入射する。スリット板454の開口は、100μm×100μmの正方形であり、フォーカス調整後の基板9の測定面91上の照射領域と光学的に共役な位置に配置される。
分光器42へと入射した反射光は、グレーティング421により反射されて高い波長分解能にて分光され、受光デバイス422により受光されて波長毎(例えば、紫外線から近赤外線までの波長毎)の光の強度が高感度に測定される。受光デバイス422の受光面上におけるグレーティング421からの光の分光方向(すなわち、波長毎の光が配列される方向)は、照明部3の基板9上における光軸J1を含んで測定面91に垂直な仮想的な面に対して平行とされる。本実施の形態では、受光デバイス422として、受光面上における反射光の分光方向に平行に複数の受光素子が1列に配列された受光素子アレイが利用される。なお、受光デバイス422では、複数の受光素子が上記分光方向に平行に2列以上に配列されてもよい。
受光デバイス422により取得された反射光の分光強度は偏光状態取得部43へと出力され、偏光状態取得部43において、受光デバイス422および検光子回転機構411からの出力に基づいて反射光の分光強度と検光子41の回転角とが対応づけられることにより、反射光の波長毎の偏光状態を示すp偏光成分とs偏光成分との位相差Δおよび反射振幅比角Ψが取得される。そして、これらの反射光の波長毎の偏光状態が偏光状態取得部43から膜厚演算部7へと出力される。膜厚演算部7では、分光エリプソメータ1の受光部4により取得された反射光の波長毎の偏光状態に基づいて偏光解析が行われ、基板9の測定面91に存在する膜の厚さが求められる。
次に、膜厚測定装置10において基板9上の膜厚測定が行われるよりも前に実施される分光エリプソメータ1のフォーカス調整について説明する。なお、フォーカス調整とは、基板9を上下に移動して照明部3からの光が最も収束する位置である収束位置と測定面91とを一致させる作業を指す。図4は、分光エリプソメータ1におけるフォーカス調整の流れを示す図である。フォーカス調整が行われる際には、まず、必要に応じて図1に示すステージ移動機構21の昇降機構24が駆動され、基板9の測定面91が上下方向における所定の検光子調整位置(好ましくは、照明部3から基板9に向けて照射される偏光光が最も収束する収束位置と測定面91とが重なる(測定面91の)フォーカス位置近傍と推定される位置)に位置する。続いて、測定面91を検光子調整位置に位置させた状態で、基板9に対して照明部3から光が照射されるとともに検光子回転機構411により検光子41が回転され、基板9からの反射光が、回転する検光子41を透過して分光器42により受光される。
分光器42では、受光デバイス422により反射光の分光強度が取得されて制御部6のフォーカス情報取得部611(図3参照)に出力され、フォーカス情報取得部611において、反射光の所定の波長帯(本実施の形態では、受光デバイス422により受光される反射光の全波長成分を含む波長帯)の波長毎の光強度の合計である合計光量が求められる(ステップS11)。合計光量は、検光子41の回転位置に応じて増減し、受光部4では、フォーカス情報取得部611により求められる合計光量が最大値を示す回転位置にて検光子41が固定される(ステップS12)。
次に、昇降機構24により、基板9がステージ2と共に図1中の(−Z)側へと移動して移動開始位置に位置し、移動開始位置から(+Z)方向へと移動を開始する(ステップS13)。続いて、受光部4の検光子41が固定された状態で(すなわち、検光子41の回転が停止された状態で)、照明部3からの偏光光が基板9の測定面91へと傾斜しつつ入射し、測定面91からの偏光光の反射光が、スリット板454を介して分光器42へと入射してグレーティング421により分光される。そして、グレーティング421からの分光光が、受光デバイス422により受光されて反射光の分光強度が取得され、受光デバイス422からの出力に基づいてフォーカス情報取得部611により反射光の所定の波長帯の合計光量が求められる(ステップS14)。
分光エリプソメータ1では、基板9が所定の停止位置に到達するまで(ステップS15)、基板9の(+Z)方向への移動、照明部3による偏光光の照射、および、分光器42による反射光の受光を行いつつ、フォーカス情報取得部611による反射光の合計光量の算出が繰り返される(ステップS14,S15)。そして、基板9の上方への移動(すなわち、(+Z)方向への移動)が停止位置にて停止され(ステップS16)、制御部6のフォーカス情報取得部611において、基板9の測定面91の上下方向の位置(以下、「昇降位置」という。)とフォーカス情報取得部611により求められた反射光の合計光量とが関連付けられて測定面91の昇降位置と反射光の合計光量との関係が取得される(ステップS17)。
図1に示す分光エリプソメータ1では、基板9が上下に(すなわち、Z方向に)移動することにより、受光部4のスリット板454に入射する測定面91からの反射光も上下に移動し、基板9の測定面91がフォーカス位置からある程度の距離だけ上下にずれた際には、測定面91からの反射光の分光器42への入射が、スリット板454により、一部または全て遮られる。すなわち、スリット板454は、測定面91がフォーカス位置から上下にずれた際に測定面91からの反射光のグレーティング421への入射を制限する入射制限部となっている。
図5は、基板9の測定面91の昇降位置と反射光の合計光量との関係を示す図である。図5に示すように、反射光の合計光量は、スリット板454に導かれる光全体がスリット板454の開口を介してグレーティング421へと入射する昇降位置の範囲に基板9の測定面91が位置している際に最大値を示す。
基板9の測定面91の昇降位置と反射光の合計光量との関係が求められると、フォーカス情報取得部611により、合計光量が最大値を示す測定面91の昇降位置の範囲が求められ、当該範囲の中心である中心位置P1が求められる。分光エリプソメータ1では、上述のように、スリット板454の開口がフォーカス調整後の基板9の測定面91上の照射領域と光学的に共役な位置に配置されており、また、測定面91がフォーカス位置に位置した状態において、反射光がスリット板454の開口中心を通るように設計されているため、理論的には、図5中の中心位置P1に基板9の測定面91が位置した状態において、照明部3からの基板9への入射光の収束位置が基板9の測定面91上に位置するが、実際には、分光エリプソメータ1の各構成の公差等により、測定面91が入射光の収束位置に位置する際の測定面91の昇降位置(すなわち、フォーカス位置)が、図5中の中心位置P1から僅かにずれてしまう場合がある。
そこで、分光エリプソメータ1では、中心位置P1とフォーカス位置との間の上下方向(すなわち、Z方向)の距離を示す補正値が、図3に示す制御部6の補正値記憶部612に予め記憶されており、フォーカス位置決定部613により、当該補正値を用いて中心位置P1が補正されることにより、測定面91のフォーカス位置P2が、図5に示すように、合計光量が最大値を示す測定面91の昇降位置の範囲内において自動的に求められる(ステップS18)。補正値記憶部612に記憶されている補正値の算出方法については後述する。
このように、基板9の測定面91の昇降位置と反射光の合計光量との関係に基づいてフォーカス位置が求められると、制御部6により図1に示す昇降機構24が制御され、基板9がステージ2と共に上下方向に移動して基板9の測定面91がフォーカス位置に位置することにより、分光エリプソメータ1のフォーカス調整が終了する(ステップS19)。
次に、上記ステップS18にて用いられた補正値の算出方法について説明する。図6は、補正値の算出の流れを示す図である。当該補正値は、膜厚測定装置10にて膜厚測定が行われる最初の基板9のフォーカス調整の際に1回のみ求められ、あるいは、膜厚測定よりも前にテスト用基板を用いて1回のみ求められて補正値記憶部612(図3参照)に格納される。そして、以降の基板に対するフォーカス調整時には、補正値記憶部612から当該補正値が読み出されて利用される。以下では、テスト用基板を用いて補正値が求められるものとして説明する。
補正値が求められる際には、まず、テスト用基板の測定面上に照明部3からの偏光光を散乱させる散乱部材(例えば、アルミニウム箔)が配置される。以下の説明では、偏光光が入射する散乱部材の表面を「散乱面」といい、散乱面はテスト用基板の測定面と平行となっている。
続いて、図1に示す昇降機構24により、テスト用基板の移動開始位置からの(+Z)方向(すなわち、散乱面に垂直な方向)への移動が開始され(ステップS21)、照明部3からの偏光光が傾斜しつつテスト用基板上の散乱面へと導かれ、散乱面において偏光光が散乱して得られた散乱光が、Z方向に配列された基板観察部5の対物レンズ54、ハーフミラー53およびレンズ55を介してカメラ52にて受光される。換言すれば、テスト用基板上の散乱面における偏光光の照射領域が基板観察部5により観察される。そして、カメラ52にて取得された画像から、テスト用基板の散乱面上における偏光光の照射領域の面積が求められる(ステップS22)。
分光エリプソメータ1では、テスト用基板が所定の停止位置に位置するまで(ステップS23)、テスト用基板の(+Z)方向への移動、照明部3による散乱面への偏光光の照射、および、カメラ52による散乱面上の照射領域の観察を行いつつ、照射領域の面積の算出が繰り返される(ステップS22,S23)。そして、テスト用基板の上下方向の移動が停止位置にて停止され(ステップS24)、テスト用基板の散乱面の昇降位置とテスト用基板上における照射領域の面積との関係に基づいて、照射領域の面積が最小となる散乱面の昇降位置がフォーカス位置として求められる(ステップS25)。
次に、テスト用基板上の散乱部材以外の測定面上の一の領域(以下、散乱面と区別するために「平滑面」という。)に対して、図4に示すステップS11〜S17と同様の工程が行われ(換言すれば、基板9の測定面91に代えてテスト用基板の平滑面に対してステップS11〜S17が実行され)、テスト用基板の平滑面と昇降位置と反射光の合計光量との関係が取得される(ステップS26)。平滑面は測定面の一部であるため、上述のように、散乱面と平行であり、散乱部材の厚さ分だけ散乱面よりも(−Z)側に位置する。
その後、テスト用基板の平滑面の昇降位置と反射光の合計光量との関係において、合計光量が最大値を示す平滑面の昇降位置の範囲の中心位置が求められ、当該中心位置とステップS25にて求められたフォーカス位置との間の上下方向の距離(具体的には、平滑面が上記中心位置に位置する際の昇降機構24のエンコーダの指示値と、散乱面がフォーカス位置に位置する際の当該エンコーダの指示値との差を、散乱部材の厚さ分だけ補正した距離)が、上述の補正値として求められて(すなわち、ステップS18において基板9の測定面91のフォーカス位置算出に利用される情報が生成されて)制御部6の補正値記憶部612に記憶される(ステップS27)。当該補正値は、テスト用基板や膜厚測定の対象となる基板9の厚さにかかわらず一定とされる。
なお、補正値の算出では、例えば、ステップS21〜S25に代えて、使用者が昇降機構24を手動にて操作することにより散乱面の昇降位置を変更しつつ、カメラ52により取得された散乱面上の照射領域の画像を観察し、照射領域の面積が最小であると使用者が判断した位置がフォーカス位置とされてもよい。この場合、散乱面の上下方向の移動は、フォーカス位置と予想される昇降位置近傍のみで行われてよい。
以上に説明したように、膜厚測定装置10の分光エリプソメータ1では、照明部3から基板9の測定面91へと傾斜しつつ入射した光の反射光を利用してフォーカス調整を行うことにより、基板に対して垂直に光を照射する落射式光学系を利用してフォーカス調整を行う場合に比べて、照明部3の光学系の焦点深度を小さくしてフォーカス調整の精度を向上することができる。
ところで、通常の分光エリプソメータでは、基板の偏光解析用に利用される光学系とフォーカス調整に利用される光学系とが、少なくとも一部が互いに独立して設けられており、両光学系の照射領域が位置精度良く重なるように両光学系の相対位置が調整されている。しかしながら、このような分光エリプソメータでは、光学系の温度による膨張率の差等により、両光学系の相対位置が調整時の位置からずれてしまう恐れがある。
これに対し、本実施の形態に係る分光エリプソメータ1のフォーカス調整では、基板9の測定面91の偏光解析に利用される構成(すなわち、照明部3の光源31、楕円ミラー351、熱線カットフィルタ352、楕円ミラー353、スリット板354、平面ミラー355、楕円ミラー356および偏光素子32、並びに、受光部4のスリット板451、検光子41、楕円ミラー452、平面ミラー453、スリット板454およびグレーティング421)のみにより受光デバイス422へと光が導かれ、受光デバイス422からの出力に基づいて測定面91がフォーカス位置へと移動される。
このように、分光エリプソメータ1では、偏光解析に利用される光学系とフォーカス調整に利用される光学系とを共通とすることにより、温度変化等による光学系の変化の影響を排除してより高精度なフォーカス調整を実現することができる。その結果、膜厚測定装置10において、照明部3からの偏光光を測定面91上に位置精度良く照射することができ、さらに、測定面91からの反射光の単位面積当たりの光強度を大きくすることができるため、高精度な膜厚測定が実現される。
また、分光エリプソメータ1では、測定面91の昇降位置と反射光の合計光量との関係を求める際に、所定の昇降位置における合計光量が最大となる回転位置にて検光子41が固定されることにより、測定面91の昇降位置と反射光の合計光量との関係を高精度に取得することができるため、フォーカス調整の精度をより向上することができる。
分光エリプソメータ1では、測定面91の昇降位置と反射光の合計光量との関係において合計光量が最大値を示す昇降位置の範囲の中心位置P1と、補正値記憶部612に予め記憶されている補正値とを用いてフォーカス位置が自動的に求められる。これにより、分光エリプソメータ1の各構成の公差等によるフォーカス位置と上記中心位置P1とのずれを補正し、フォーカス調整の精度をさらに向上することができる。また、補正値の取得においては、上述のようにテスト用基板の散乱面における照射領域を基板観察部5により観察してフォーカス位置を求めることにより、補正値の取得を容易とすることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る膜厚測定装置の分光エリプソメータについて説明する。図7は、第2の実施の形態に係る分光エリプソメータ1aの構成を示す図である。図7に示すように、分光エリプソメータ1aでは、図1に示す分光エリプソメータ1の分光器42とは構造が異なる分光器42aが受光部4に設けられる。分光エリプソメータ1aのその他の構成は、図1に示す分光エリプソメータ1と同様であり、対応する構成には以下の説明において同符号を付す。なお、図7では、分光エリプソメータ1aの構成の一部を断面にて示しており、また、制御部6の図示を省略している(後述する図10においても同様)。
図7に示す分光器42aは、第1の実施の形態と同様に、分光デバイスであるグレーティング421、および、グレーティング421からの分光光を受光して反射光の分光強度を取得する受光デバイス422を備え、さらに、グレーティング421からの0次回折光(すなわち、正反射光)が導かれるピンホール板423、および、ピンホール板423の微小開口を通過した光を受光して光の強度を取得するもう1つの受光デバイス424を備える。以下の説明では、受光デバイス422、および、受光デバイス422とは独立して設けられたもう1つの受光デバイス424を互いに区別するため、それぞれ「第1受光デバイス422」および「第2受光デバイス424」という。
分光エリプソメータ1aでは、第2受光デバイス424としてフォトダイオードが利用され、第1受光デバイス422として、第1の実施の形態と同様に、受光面上における分光方向に沿って複数の受光素子が1列に配列された受光素子アレイが利用される。ピンホール板423の微小開口は、グレーティング421によりピンホール板423に投影されたスリット板454の開口の像の高さ方向(すなわち、開口の上下方向に対応する方向)に関して当該像よりも小さく、スリット板454の開口と光学的に共役な位置に位置する。したがって、基板9の測定面91がフォーカス位置に位置した状態では、ピンホール板423の微小開口は、基板9の測定面91と光学的に共役な位置に位置することとなる。
第2の実施の形態に係る膜厚測定装置において基板9上に形成された膜の厚さが測定される際には、第1の実施の形態と同様に、ステージ2上に保持された基板9の測定面91に、照明部3からの偏光光が傾斜しつつ入射し、測定面91からの反射光が回転する検光子41およびスリット板454を経由して分光器42aへと入射する。測定面91からの反射光は、分光器42aのグレーティング421により分光され、受光素子アレイである第1受光デバイス422により分光光が受光されて反射光の分光強度が取得される。そして、偏光状態取得部43により第1受光デバイス422からの出力に基づいて反射光の波長毎の偏光状態が取得され、膜厚演算部7(図1参照)により反射光の波長毎の偏光状態に基づいて偏光解析が行われて基板9の測定面91に存在する膜の厚さが求められる。
次に、分光エリプソメータ1aのフォーカス調整について説明する。図8は、分光エリプソメータ1aにおけるフォーカス調整の流れを示す図である。フォーカス調整が行われる際には、まず、第1の実施の形態と同様に、基板9の測定面91が検光子調整位置に位置した状態にて、基板9に対して照明部3から光が照射されるとともに検光子41が回転され、基板9からの反射光が分光器42aにより受光される。分光器42aでは、第2受光デバイス424によりグレーティング421からの0次回折光の光強度(すなわち、光量)が取得され(ステップS31)、受光部4において、第2受光デバイス424からの出力であるグレーティング421からの0次回折光の光強度が最大値を示す回転位置にて検光子41が固定される(ステップS32)。
続いて、昇降機構24により基板9が移動開始位置から(+Z)方向へと移動を開始し(ステップS33)、照明部3から基板9の測定面91へと傾斜しつつ入射した偏光光の反射光が、スリット板454を介してグレーティング421へと入射し、グレーティング421からの0次回折光が、ピンホール板423を介して第2受光デバイス424により受光されて光強度が取得される(ステップS34)。そして、第2受光デバイス424から制御部6のフォーカス情報取得部611(図3参照)へと当該光強度が出力される。
分光エリプソメータ1aでは、基板9が所定の停止位置に位置するまで(ステップS35)、基板9の(+Z)方向への移動、照明部3による偏光光の照射、および、分光器42aによる反射光の受光を行いつつ、第2受光デバイス424による0次回折光の光強度の取得が繰り返される(ステップS34,S35)。そして、基板9の上方への移動が停止位置にて停止され(ステップS36)、制御部6のフォーカス情報取得部611において、基板9の測定面91の昇降位置と第2受光デバイス424の出力(すなわち、グレーティング421からの0次回折光の光強度)との関係が自動的に取得される(ステップS37)。
図7に示す分光エリプソメータ1aでは、基板9が上下に(すなわち、Z方向に)移動することにより、分光器42aに入射する測定面91からの反射光も上下に移動し、基板9の測定面91がフォーカス位置から上下にずれた際には、測定面91からの反射光の第2受光デバイス424への入射が、ピンホール板423により一部または全て遮られる。すなわち、ピンホール板423は、測定面91がフォーカス位置から上下にずれた際に測定面91からの反射光の第2受光デバイス424への入射を制限する入射制限部となっている。
図9.Aは、基板9の測定面91の昇降位置と第2受光デバイス424から出力されるグレーティング421からの0次回折光の光強度との関係を示す図である。図9.Aに示すように、第2受光デバイス424からの出力は、ピンホール板423に導かれる光全体がピンホール板423の微小開口から第2受光デバイス424へと入射する(あるいは、ピンホール板423の微小開口全体が、ピンホール板423に入射する光の照射量域に含まれる)昇降位置に基板9の測定面91が位置している際に最大値を示す。
図7に示す分光エリプソメータ1aでは、制御部6のフォーカス位置決定部613(図3参照)により、測定面91の昇降位置に対する第2受光デバイス424の出力が明瞭に極大となる位置(すなわち、近傍の昇降位置に比べて第2受光デバイス424の出力が大きくなる測定面91の昇降位置)である極大位置P3(図9.A参照)が、フォーカス位置として自動的に取得される(ステップS38)。そして、制御部6により昇降機構24が制御され、基板9がステージ2と共に上下方向に移動して基板9の測定面91がフォーカス位置に位置することにより、分光エリプソメータ1aのフォーカス調整が終了する(ステップS39)。
以上に説明したように、分光エリプソメータ1aでは、第1の実施の形態と同様に、基板9の測定面91へと傾斜しつつ入射した光の反射光を利用してフォーカス調整を行うことにより、落射式光学系を利用してフォーカス調整を行う場合に比べてフォーカス調整の精度を向上することができる。また、第1の実施の形態と同様に、偏光解析に利用される光学系とフォーカス調整に利用される光学系とを共通とすることにより、温度変化等による光学系の変化の影響を排除してより高精度なフォーカス調整を実現することができる。その結果、分光エリプソメータ1aを備える第2の実施の形態に係る膜厚測定装置において、高精度な膜厚測定が実現される。
分光エリプソメータ1aでは、測定面91の昇降位置と第2受光デバイス424の出力との関係を求める際に、第2受光デバイス424の出力が最大となる回転位置にて検光子41が固定されることにより、測定面91の昇降位置と第2受光デバイス424の出力との関係を高精度に取得することができるため、フォーカス調整の精度をより向上することができる。
分光エリプソメータ1aでは、特に、ピンホール板423の微小開口が、グレーティング421によりピンホール板423に投影されたスリット板454の開口の像の高さ方向(すなわち、開口の上下方向に対応する方向)に関して当該像よりも小さくされ、グレーティング421からの0次回折光がピンホール板423の微小開口を介して第2受光デバイス424に入射する。このため、第2受光デバイス424の出力が最大値となる測定面91の昇降位置の範囲(すなわち、フォーカス位置を含む昇降位置の範囲)が、第1の実施の形態に比べて小さくなり、本実施の形態では、フォーカス位置において第2受光デバイス424の出力が明瞭に極大となる。このため、第1の実施の形態に比べて、測定面91の昇降位置と第2受光デバイス424の出力との関係からフォーカス位置をより容易に求めることができる。
一方、第1の実施の形態に係る分光エリプソメータ1では、基板9の測定面91の偏光解析に利用される受光デバイス422を用いてフォーカス調整が行われるため、偏光解析用の第1受光デバイス422とフォーカス調整用の第2受光デバイス424とを有する分光エリプソメータ1aに比べて、分光器および分光エリプソメータの構造を簡素化することができる。
ところで、第2の実施の形態に係る分光エリプソメータ1aのフォーカス調整では、図8のステップS37にて取得された基板9の測定面91の昇降位置と第2受光デバイス424の出力との関係において、図9.Bに示すように、基板9の測定面91の昇降位置に対して第2受光デバイス424の出力に複数の極大位置が存在する場合がある。図9.Bに示す上記関係では、左側の極大位置P3における第2受光デバイス424からの出力は、測定面91に存在する薄膜の上面にて反射された偏光光が第2受光デバイス424に入射することにより得られたものであり、右側の極大位置P4における第2受光デバイス424からの出力は、測定面91の薄膜と基板本体との境界面(すなわち、基板本体の上面)にて反射された偏光光が第2受光デバイス424に入射することにより得られたものである。この場合、分光エリプソメータ1aでは、制御部6のフォーカス情報取得部611(図3参照)により、複数の極大位置P3,P4のうち測定面91が最も下降している(すなわち、最も(−Z)側に位置する)位置がフォーカス位置として自動的に取得される。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る膜厚測定装置の分光エリプソメータについて説明する。図10は、第3の実施の形態に係る分光エリプソメータ1bの構成を示す図であり、図11は、分光エリプソメータ1bの分光器42の内部を示す平面図である。分光エリプソメータ1bは、図1に示す分光エリプソメータ1と同様の構成を備え、対応する構成には以下の説明において同符号を付す。
図10および図11に示すように、分光エリプソメータ1bでは、受光部4に設けられた分光器42の向きのみが第1の実施の形態と異なる。分光エリプソメータ1bの分光器42は、図1中の分光器42を、受光部4の光軸J2を中心として90°回転させた向きにて配置される。したがって、図10および図11に示す分光エリプソメータ1bの分光器42では、受光デバイス422の複数の受光素子4221が、測定面91からの反射光の受光面上における分光方向に沿って1列に配列される。なお、図10および図11では、図示の都合上、受光素子4221を実際よりも大きく、実際の個数よりも少なく描いている。
図10に示す分光エリプソメータ1bでは、第1の実施の形態と同様に、基板9が上下に(すなわち、Z方向に)移動することにより、受光部4のスリット板454に入射する測定面91からの反射光も上下に移動し、基板9の測定面91がフォーカス位置からある程度の距離だけ上下にずれた際には、測定面91からの反射光の分光器42への入射が、スリット板454により、一部または全て遮られる。
分光エリプソメータ1bでは、特に、スリット板454の開口を介して分光器42に光が入射する範囲において基板9がフォーカス位置から上下にずれた場合に、グレーティング421に入射する光が上下に移動し、グレーティング421から受光デバイス422へと向かう分光光も、受光面上における分光方向(すなわち、受光デバイス422の複数の受光素子4221の配列方向)に対して略垂直な方向に上下に移動して複数の受光素子4221からずれた位置へと導かれる。
したがって、分光エリプソメータ1bにおいて、第1の実施の形態と同様の方法により取得される基板9の測定面91の昇降位置と測定面91からの反射光の所定の波長帯における合計光量との関係は、図12に示すように、合計光量が最大値を示す昇降位置の範囲が狭いものとなり、本実施の形態では、合計光量が明瞭に極大となる測定面91の昇降位置(すなわち、極大位置P3)が存在する。
分光エリプソメータ1bでは、測定面91の昇降位置と反射光の合計光量との関係において、合計光量が最大値を示す測定面91の昇降位置の範囲が狭いため、当該昇降位置の範囲に含まれる測定面91のフォーカス位置をより容易に求めることができる。特に、本実施の形態のように、合計光量が明瞭に極大となる測定面91の昇降位置が存在する場合には、当該昇降位置がフォーカス位置として取得されることにより、フォーカス位置をさらに容易に求めることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
上記実施の形態に係る分光エリプソメータの分光器では、分光デバイスの1つであるグレーティング421が利用されているが、例えば、他の分光デバイス(例えば、分光プリズム)により、測定面91からの反射光の分光が行われてもよい。
第1の実施の形態に係る分光エリプソメータ1では、測定面91のフォーカス位置の調整において、反射光の合計光量の最大値を示す基板9の測定面91の昇降位置の範囲の中心位置P1を基準位置として、予め求められている補正値を用いてフォーカス位置が決定されているが、基準位置は必ずしも上記中心位置P1には限定されず、測定面91の昇降位置と反射光の合計光量との関係から中心位置P1以外の位置が所定の演算により基準位置として求められてもよい。この場合、分光エリプソメータ1では、当該基準位置とフォーカス位置との間の距離を示す補正値が予め求められて補正値記憶部612に記憶される。
また、フォーカス位置の調整において、基板9の測定面91の昇降位置と反射光の合計光量との関係が求められる際に、必ずしも、受光デバイス422により受光された反射光の全波長成分の光強度の合計が合計光量とされる必要はなく、当該反射光の全波長成分のうち、少なくとも一部の波長帯の光強度の合計が合計光量とされてもよい。
フォーカス位置の決定に利用される補正値の算出は、テスト用基板に代えて、膜厚測定の対象となる1枚目の基板を利用して行われてもよい。この場合、当該基板の測定面上に存在する光散乱性を有する部位が散乱面として利用され、当該基板の測定面の一部が平滑面として利用される。また、補正値の算出は、測定面の一部が平滑面であるとともに他の一部が平滑面と同じ高さに位置する散乱面とされたテスト用基板を利用して行われてもよい。
第2の実施の形態に係る分光エリプソメータ1aでは、基板9の測定面91の昇降位置と第2受光デバイス424からの出力との関係は、必ずしも自動的に取得される必要はなく、使用者が昇降機構24を手動にて操作することにより測定面91の昇降位置を変更しつつ第2受光デバイス424からの出力の変化を観察し、第2受光デバイス424の出力が極大であると使用者が判断した位置がフォーカス位置とされてもよい。この場合、測定面91の上下方向の移動は、フォーカス位置と予想される昇降位置近傍のみで行われてよい。
上記実施の形態に係る分光エリプソメータでは、基板9の偏光解析が行われる際に、必ずしも、受光部4において検光子41が回転される必要はなく、例えば、受光部4において検光子41が固定され、固定された検光子41の基板9側に回転する位相子が設けられてもよい。また、受光部4において検光子41が固定されるとともに照明部3において偏光素子32が回転されてもよい。
上記実施の形態に係る膜厚測定装置では、基板9上に存在する単層膜または多層膜の膜厚が測定されるが、分光エリプソメータは、膜厚測定装置以外の他の装置に利用されてもよく、分光器にて取得された分光強度に基づいて基板9の測定面91の膜厚以外の表面状態や光学定数が求められてもよい。さらには、分光エリプソメータにより、半導体基板以外の対象物の測定面の偏光解析が行われてもよい。
第1の実施の形態に係る膜厚測定装置の構成を示す図である。 制御部の構成を示す図である。 制御部の機能を示すブロック図である。 フォーカス調整の流れを示す図である。 基板の測定面の昇降位置と反射光の合計光量との関係を示す図である。 補正値の算出の流れを示す図である。 第2の実施の形態に係る分光エリプソメータの構成を示す図である。 フォーカス調整の流れを示す図である。 基板の測定面の昇降位置と第2受光デバイスの出力との関係を示す図である。 基板の測定面の昇降位置と第2受光デバイスの出力との関係を示す図である。 第3の実施の形態に係る分光エリプソメータの構成を示す図である。 分光器の内部を示す平面図である。 基板の測定面の昇降位置と反射光の合計光量との関係を示す図である。
符号の説明
1,1a,1b 分光エリプソメータ
2 ステージ
3 照明部
7 膜厚演算部
9 基板
10 膜厚測定装置
24 昇降機構
41 検光子
43 偏光状態取得部
91 測定面
411 検光子回転機構
421 グレーティング
422 (第1)受光デバイス
423 ピンホール板
424 第2受光デバイス
454 スリット板
611 フォーカス情報取得部
612 補正値記憶部
613 フォーカス位置決定部
J1,J2 光軸
P1 中心位置
P2 フォーカス位置
P3,P4 極大位置
S11〜S19,S21〜S27,S31〜S39 ステップ

Claims (13)

  1. 分光エリプソメータであって、
    測定面を有する対象物を保持する保持部と、
    前記対象物を前記保持部と共に前記測定面に垂直な方向に移動する昇降機構と、
    偏光した光を前記測定面へと傾斜しつつ入射させる照明部と、
    前記測定面からの前記偏光した光の反射光が入射する検光子と、
    前記検光子を経由した前記反射光を分光する分光デバイスと、
    前記分光デバイスからの分光光を受光して前記反射光の分光強度を取得する受光デバイスと、
    前記受光デバイスからの出力に基づいて前記反射光の波長毎の偏光状態を取得する偏光状態取得部と、
    前記測定面がフォーカス位置から上下にずれた際に前記反射光の前記分光デバイスへの入射を制限する入射制限部と、
    前記昇降機構により前記測定面を移動しつつ前記受光デバイスにより受光される光の少なくとも一部の波長帯の合計光量を求めることにより、前記測定面の昇降位置と前記合計光量との関係を取得するフォーカス情報取得部と、
    を備えることを特徴とする分光エリプソメータ。
  2. 請求項1に記載の分光エリプソメータであって、
    前記測定面の昇降位置と前記合計光量との前記関係から所定の演算にて求められる位置と前記フォーカス位置との間の距離を示す補正値を予め記憶する補正値記憶部と、
    前記補正値を用いて前記フォーカス位置を求めるフォーカス位置決定部と、
    をさらに備えることを特徴とする分光エリプソメータ。
  3. 請求項1または2に記載の分光エリプソメータであって、
    前記検光子を光軸に平行な中心軸を中心として回転する回転機構をさらに備え、
    前記測定面の昇降位置と前記合計光量との前記関係を求める際に、前記測定面を所定の昇降位置に位置させた状態で前記検光子が回転され、前記合計光量が最大値を示す回転位置にて前記検光子が固定されることを特徴とする分光エリプソメータ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の分光エリプソメータであって、
    前記受光デバイスが、前記反射光の分光方向に平行に複数の受光素子が配列された受光素子アレイであり、前記測定面が前記フォーカス位置から上下にずれた際に、前記分光デバイスからの分光光が、前記受光デバイスの受光面上において前記分光方向に垂直な方向に移動することを特徴とする分光エリプソメータ。
  5. 分光エリプソメータであって、
    測定面を有する対象物を保持する保持部と、
    前記対象物を前記保持部と共に前記測定面に垂直な方向に移動する昇降機構と、
    偏光した光を前記測定面へと傾斜しつつ入射させる照明部と、
    前記測定面からの前記偏光した光の反射光が入射する検光子と、
    前記検光子を経由した前記反射光を分光する分光デバイスと、
    前記分光デバイスからの分光光を受光して前記反射光の分光強度を取得する第1受光デバイスと、
    前記第1受光デバイスからの出力に基づいて前記反射光の波長毎の偏光状態を取得する偏光状態取得部と、
    前記分光デバイスからの0次回折光が導かれ、前記測定面がフォーカス位置に位置する際に前記測定面と光学的に共役な位置に位置する微小開口を有する微小開口部材と、
    前記微小開口部材を通過した光の強度を取得する第2受光デバイスと、
    を備えることを特徴とする分光エリプソメータ。
  6. 請求項5に記載の分光エリプソメータであって、
    前記昇降機構により前記測定面を移動しつつ前記第2受光デバイスからの出力を取得することにより、前記測定面の昇降位置と前記第2受光デバイスの出力との関係を取得するフォーカス情報取得部をさらに備えることを特徴とする分光エリプソメータ。
  7. 請求項6に記載の分光エリプソメータであって、
    前記測定面の昇降位置に対する前記第2受光デバイスの出力の極大位置を前記フォーカス位置として取得するフォーカス位置決定部をさらに備えることを特徴とする分光エリプソメータ。
  8. 請求項7に記載の分光エリプソメータであって、
    前記測定面の昇降位置に対して前記第2受光デバイスの出力に複数の極大位置が存在する場合に、前記複数の極大位置のうち前記測定面が最も下降している位置が前記フォーカス位置とされることを特徴とする分光エリプソメータ。
  9. 請求項6ないし8のいずれかに記載の分光エリプソメータであって、
    前記検光子を光軸に平行な中心軸を中心として回転する回転機構をさらに備え、
    前記測定面の昇降位置と前記第2受光デバイスの出力との前記関係を求める際に、前記測定面を所定の昇降位置に位置させた状態で前記検光子が回転され、前記第2受光デバイスの出力が最大値を示す回転位置にて前記検光子が固定されることを特徴とする分光エリプソメータ。
  10. 対象物上に形成された膜の厚さを測定する膜厚測定装置であって、
    対象物上の測定面に偏光した光を照射する請求項1ないし9のいずれかに記載の分光エリプソメータと、
    前記分光エリプソメータにより取得された反射光の波長毎の偏光状態に基づいて前記測定面に存在する膜の厚さを求める膜厚演算部と、
    を備えることを特徴とする膜厚測定装置。
  11. 分光エリプソメータのフォーカス調整方法であって、
    a)偏光した光を対象物上の測定面へと傾斜しつつ入射させる工程と、
    b)前記測定面からの前記偏光した光の反射光を分光デバイスにより分光する工程と、
    c)前記分光デバイスからの分光光を受光デバイスにて受光して前記反射光の分光強度を取得し、前記反射光の少なくとも一部の波長帯の合計光量を求める工程と、
    d)前記測定面がフォーカス位置から上下にずれた際に前記反射光の前記分光デバイスへの入射を制限する入射制限部が設けられた状態で、前記測定面を前記測定面に垂直な方向に移動しつつ前記a)工程ないし前記c)工程を繰り返すことにより、前記測定面の昇降位置と前記合計光量との関係を求める工程と、
    e)前記測定面の昇降位置と前記合計光量との前記関係に基づいて前記フォーカス位置を求める工程と、
    f)前記測定面を前記フォーカス位置へと移動する工程と、
    を備えることを特徴とする分光エリプソメータのフォーカス調整方法。
  12. 請求項11に記載の分光エリプソメータのフォーカス調整方法であって、
    前記e)工程よりも前に、
    g)前記偏光した光を対象物上の散乱面へと導く工程と、
    h)前記散乱面における前記偏光した光の照射領域を観察する工程と、
    i)前記散乱面を前記散乱面に垂直な方向に移動しつつ前記g)工程および前記h)工程を繰り返し、前記照射領域の面積が最小となる前記散乱面の昇降位置をフォーカス位置として求める工程と、
    j)前記測定面に代えて前記対象物上において前記散乱面に平行な平滑面に対して前記a)ないし前記d)工程を実行することにより、前記平滑面の昇降位置と合計光量との関係を取得し、前記e)工程における前記フォーカス位置の算出に利用される情報を生成する工程と、
    を備えることを特徴とする分光エリプソメータのフォーカス調整方法。
  13. 分光エリプソメータのフォーカス調整方法であって、
    a)偏光した光を対象物上の測定面へと傾斜しつつ入射させる工程と、
    b)前記測定面からの前記偏光した光の反射光を分光デバイスにより受光する工程と、
    c)前記分光デバイスからの分光光を受光する第1受光デバイスとは独立して設けられた第2受光デバイスにより、前記分光デバイスからの0次回折光を、前記測定面がフォーカス位置に位置する際に前記測定面と光学的に共役な位置に位置する微小開口を介して受光する工程と、
    d)前記測定面を前記測定面に垂直な方向に移動しつつ前記a)工程ないし前記c)工程を繰り返すことにより、前記測定面の昇降位置と前記第2受光デバイスの出力との関係を求める工程と、
    e)前記測定面の昇降位置と前記第2受光デバイスの出力との前記関係に基づいて前記フォーカス位置を求める工程と、
    f)前記測定面を前記フォーカス位置へと移動する工程と、
    を備えることを特徴とする分光エリプソメータのフォーカス調整方法。
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