JP4950586B2 - 統計交通情報生成方法および統計交通情報生成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、長期連休を考慮した統計交通情報を生成する統計交通情報生成方法および統計交通情報生成装置に関する。
カーナビゲーション装置においては、通常、車両の経路誘導を行うための最適経路として、目的地までのリンク旅行時間の総和が最小になるような経路(以下、最短経路という)が表示される。そして、その最短経路を算出するときに使用されるリンク旅行時間のデータは、VICSセンター(財団法人道路交通情報通信システムセンター、なお、VICSセンターは登録商標)などから提供されるリンク旅行時間の実績データを統計処理(通常、平均する処理)した統計交通情報が使用される。なお、本明細書では、ある交差点とその交差点の隣接交差点とを結ぶ道路をリンクといい、車両がそのリンクを走行する所要時間をリンク旅行時間という。また、その交差点をノードという。
例えば、特許文献1には、日の種類(平日、休日、長期連休など、以下、日種という)ごとにリンク旅行時間の統計処理を行った統計交通情報に基づき最短時間経路を算出し、その算出した最短時間経路を誘導経路として表示するカーナビゲーション装置の例が開示されている。
ところで、長期連休のときには、多くの人々がレジャーや帰省のために遠出する。そのため、長期連休時の道路の交通状況は、通常の土日の休日とも大きく異なることが多い。そこで、特許文献1に開示されたカーナビゲーション装置においては、長期連休を特異日とし、さらに、その特異日の初日、中日、終日ごとに取得された統計交通情報を用いて誘導経路を算出する。その結果、そのカーナビゲーション装置は、長期連休時には、長期連休時の道路の交通状況に応じた経路誘導を行うことができる。
特開2004−239741号公報
しかしながら、長期連休は、年により曜日のパターンが変わるために、その初日および終日が変化、つまり、特異日が変化する。特許文献1に開示されたカーナビゲーション装置においては、特異日のデータは、カレンダーのデータとして人手により入力されるものとしている。すなわち、カレンダーの作成者がカレンダーを作成するときに、併せて、特異日を設定する。
カレンダーの作成者は、通常、カレンダーをもとに特異日つまり連休期間を経験的に設定することができる。しかしながら、例えば、ゴールデンウィークの谷間(4月30日〜5月2日)が平日になったときなどには、それを特異日にしたほうが適切であるか否か判断に迷う場合もある。そのような場合、特異日の設定を誤ると、誤った統計交通情報に基づき経路探索が行われることになるので、カーナビゲーション装置に表示される誘導経路や到着予想時刻に、精度などの面での品質低下をきたす。
また、特許文献1には記載されていないが、特異日のデータは、統計交通情報を生成するときにも必要となる。この場合には、カレンダーの作成者は、10年あるいは20年に亘って特異日、つまり、長期連休をまとめて設定することになる。その設定には、それ相応の作成の手間が必要となる。
以上の従来技術の問題点に鑑み、本発明は、コンピュータが人手に頼らず長期連休に属する特異日を設定することを可能にするとともに、的確な特異日判定を可能にし、その特異日における経路誘導の質の向上を図ることができる統計交通情報生成方法および統計交通情報生成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る統計交通情報生成装置は、情報処理装置と情報記憶装置とを少なくとも備え、前記情報記憶装置に所定のエリアに含まれるリンクについて過去に収集された日ごとの実績交通情報を蓄積し、前記日ごとの実績交通情報を統計処理して統計交通情報を生成する統計交通情報生成装置であって、前記情報処理装置、(1)週の曜日および既定の祝日によって定められる休日および平日の日種ごとに、それぞれの日種に属する日の前記日ごとの実績交通情報統計処理て、前記休日および平日のそれぞれの日種に対する日種統計交通情報を生成し、(2)前記実績交通情報が収集されたそれぞれの日について、そのそれぞれの日の実績交通情報と、前記休日および平日のそれぞれの日種に対する日種統計交通情報との乖離度を、それぞれ休日乖離度および平日乖離度として算出し、(3)前記実績交通情報が収集されたそれぞれの日について、その日が平日であり、かつ、その日の前記平日乖離度が前記休日乖離度より大である場合には、その日を準休日として抽出した後、前記抽出した1日または連続した2日以上の準休日が休日の前、後またはその両方に連続し、前記休日とその休日に連続する準休日とを合わせた日数が予め定められた日数以上となった場合には、その休日とその休日に連続する準休日とを長期連休として抽出し、(4)前記抽出した長期連休をその時期によりグループ化し、そのグループ化したそれぞれの長期連休ごとに、その長期連休に属するそれぞれの日についての前記実績交通情報に基づき、そのそれぞれの日の渋滞発生頻度を算出し、その渋滞発生頻度が既定の頻度よりも大きい場合には、その日を特異日として抽出し、その抽出した特異日の月日と曜日のデータを特異日条件データとして生成し、(5)前記生成された特異日条件データのそれぞれについて、その特異日条件データ該当する特異日の実績交通情報を前記情報記憶装置から抽出して、その抽出した実績交通情報統計処理て、前記特異日条件データに該当する特異日特異日統計交通情報を生成することを特徴とする
本発明によれば、統計交通情報生成装置の情報処理装置は、それぞれの日の実績交通情報と休日および平日のそれぞれの日種に対する日種統計交通情報との間の乖離度である休日乖離度および平日乖離度を算出し、その算出した休日乖離度および平日乖離度に基づき、長期連休を抽出し、さらに、その抽出した長期連休のなかでとくに交通が混雑する日である特異日の月日および曜日のデータに基づき、特異日条件データを求めている。すなわち、情報処理装置は、長期連休の交通状況が通常時期の交通状況と異なっていることを利用して、長期連休および特異日を判定し、さらに、特異日であることを判定するための特異日条件データを生成している。従って、長期連休や特異日設定するために、人手を必要としない。
また、情報処理装置は、その特異日条件データにより特異日と判定された日について、前記記憶装置から日ごとの実績交通情報を抽出し、その統計処理を行って、前記特異日についての特異日統計交通情報を生成する。このときにも、特異日統計交通情報を生成するために人手を必要としていない。
本発明によれば、統計交通情報生成装置は、人の手間を掛けることなく長期連休に属する特異日を設定し、特異日に対する特異日統計交通情報を生成することができるようになる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る統計交通情報生成装置およびカーナビゲーション装置についてその機能ブロックの構成の例を示した図である。以下、統計交通情報生成装置2およびカーナビゲーション装置3のそれぞれの構成および機能について、図1を参照し、さらに、他の図面を追加して参照しながら詳しく説明する。
<統計交通情報生成装置>
図1に示すように、統計交通情報生成装置2は、実績交通情報取得部20、日種統計交通情報生成部21、乖離度算出部22、長期連休抽出部23、特異日条件データ生成部24、特異日統計交通情報生成部25、交通情報ダウンロード部26などの処理機能ブロックと、実績交通情報記憶部100、カレンダーデータ記憶部110、日種統計交通情報記憶部120、長期連休データ記憶部130、特異日条件データ記憶部140、特異日統計交通情報記憶部150などの記憶機能ブロックとを含んで構成される。
統計交通情報生成装置2は、図示しないCPU(Central Processing Unit)などからなる情報処理装置(以下、単にCPUという)と、半導体メモリやハードディスク装置などからなる記憶装置とを含んで構成される。その場合、前記処理機能ブロック20〜26のほとんどの機能は、前記CPUが前記記憶装置に格納された所定のプログラムを実行することによって実現される。また、前記記憶機能ブロック100〜150は、前記記憶装置の所定の領域に割り付けられた記憶領域によって実現される。
(実績交通情報取得部20)
実績交通情報取得部20は、インターネットなどのネットワークを介してVICSセンター(登録商標)などの交通情報センター1などに接続されており、その交通情報センター1などから供給される日ごと所定時間間隔ごとの実績交通情報を取得し、その取得した実績交通情報を実績交通情報記憶部100に蓄積する。そのため、実績交通情報取得部20は、インターネットなどに対するネットワークインターフェース回路を含んで構成され、さらに、CPUが実行するネットワークの通信制御や実績交通情報記憶部100のアクセス制御プログラムなどを含む。
図2は、実績交通情報記憶部100に蓄積される実績交通情報の構成の例を示した図である。図2に示すように、実績交通情報記憶部100は、日時情報、渋滞・旅行時間情報、事故・規制情報を含んで構成される。
ここで、日時情報は、後続する渋滞・旅行時間情報および事故・規制情報が収集された日時であることを示している。
また、渋滞・旅行時間情報は、前記日時情報が示す日時における所定のエリアすべてのリンクについて、それぞれのリンクごとにそのリンクに係る交通情報であることを示している。ここで、渋滞・旅行時間情報は、1つのリンクごとに1つのレコードとして蓄積され、そのレコードは、リンクID、リンク長、代表渋滞状況、リンク旅行時間、区間数、区間情報などのフィールドを含んで構成される。また、区間情報のフィールドは、当該リンクにおける詳細な渋滞情報などを表す情報であり、渋滞度、先頭位置、区間長などのサブフィールドを含んで構成される。
また、事故・規制情報は、所定のエリアにおいて発生している事故または交通規制の情報を、その事故または交通規制の事件ごとに蓄積するレコードによって構成される。ここで、そのレコードは、発生している事故または交通規制の発生地点に係る地点座標、リンクIDおよび事故・規制種別などのフィールドを含んで構成される。
以上に示した日時情報と、渋滞・旅行時間情報と、渋滞・旅行時間情報とを含んだ実績交通情報は、その日時情報レコードが示す日時における所定エリアについての瞬時交通情報を表している。従って、実績交通情報記憶部100においては、その瞬時交通情報が所定の時間ごとに順次蓄積される。例えば、前記瞬時交通情報が5分ごとに蓄積されるときには、実績交通情報記憶部100には、1日に12×24=288の瞬時交通情報が蓄積されることになる。このようにして、実績交通情報記憶部100には、例えば、10年あるいは20年分の瞬時交通情報が蓄積される。
なお、以上の説明において、所定のエリアとは、例えば、埼玉県としてもよく、関東圏としてもよく、日本全国などとしてもよい(以下、本明細書において同じ)。
(日種統計交通情報生成部21)
図1に戻り、日種統計交通情報生成部21における処理の詳細について説明する。統計交通情報生成装置2のCPUは、日種統計交通情報生成部21のプログラムに従って、実績交通情報記憶部100に蓄積された実績交通情報と、カレンダーデータ記憶部110に蓄積されたカレンダーデータとを参照し、日種統計交通情報を生成し、生成した日種統計交通情報を日種統計交通情報記憶部120に蓄積する。
ここで、カレンダーデータとは、日付と曜日と日種とを対応付けたデータである。例えば、日種を平日と休日とに分類したときには、日種は、月曜〜金曜を平日とし、土曜、日曜および祝日を休日とする。以下、本明細書では、日種をこのように平日と休日とに分類ものとするが、このほかにも、曜日をそのまま日種としてもよく、平日初日、平日中日、休前日、休日初日、休日終日などのように分類してもよい。
図3は、日種統計交通情報記憶部120に蓄積される日種統計交通情報の構成の例を示した図である。図3に示すように、日種統計交通情報記憶部120は、日種の情報を含んで構成されたヘッダ部と、時刻情報および統計リンク交通情報を含んで構成されたデータ部とからなる。ここで、日種は、平日または休日の日種を表すデータであり、それに後続するデータ部の情報がその日種に属する情報であることを示す。また、時刻情報は、それに後続する統計リンク交通情報が、その時刻情報が示す時刻における統計データであることを示している。なお、時刻情報は、例えば、0時から24時までの5分刻みのいずれかの時刻である。
また、統計リンク交通情報は、所定のエリアすべてのリンクについて、それぞれのリンクごとに、前記時刻情報が示す時刻について、前記実績交通情報記憶部100に蓄積されている渋滞・旅行時間情報を統計処理した情報であることを示している。ここで、統計リンク交通情報は、1つのリンクごとに1つのレコードとして蓄積され、そのレコードは、リンクID、リンク旅行時間、渋滞情報などのフィールドを含んで構成される。すなわち、そのリンク旅行時間のフィールドには、実績交通情報記憶部100から日種、時刻情報、リンクIDが同じ渋滞・旅行時間情報のレコードからリンク旅行時間を抽出し、その抽出したリンク旅行時間の平均値が蓄積される。また、渋滞情報のフィールドには、同様に統計処理を施した渋滞発生の頻度が蓄積される。
(乖離度算出部22)
図1に戻り、乖離度算出部22における処理の詳細について説明する。統計交通情報生成装置2のCPUは、さらに、乖離度算出部22のプログラムに従って、実績交通情報記憶部100に蓄積されている所定のエリアに含まれるリンクのリンク旅行時間について、そのリンク旅行時間の平均値(日種統計交通情報記憶部120に蓄積されているリンク旅行時間)との間の乖離度を算出する。その乖離度は、誤差、誤差率、二乗平均誤差のいずれであってもよいが、本明細書では、乖離度は誤差率であるとして、以下、乖離度の算出処理について説明する。
CPUは、まず、実績交通情報記憶部100から、リンクjについてある1日のリンク旅行時間を時系列情報T(i=1,…,288)として取り出す。ここで、実績交通情報は、5分ごとに収集されたものであるとする。次に、日種統計交通情報記憶部120から、日種(平日または休日)別にリンクjの1日のリンク旅行時間(以下、平均リンク旅行時間という)を時系列情報T'(i=1,…,288)として取り出す。そして、次の式(1)に従って誤差率Eを算出する。
Figure 0004950586
次に、CPUは、所定のエリアのすべてのリンクについて、式(2)を計算し、エリア全体としての平均誤差率<E>を算出する。なお、式(2)において、Nは、所定のエリア内の総リンク数である。
Figure 0004950586
次に、CPUは、実績交通情報記憶部100に実績交通情報が蓄積されているすべての日(d)に対して、式(1)および式(2)に従って、平均誤差率<E>を算出する。このとき、誤差の基準となる平均リンク旅行時間の時系列情報には、平日の平均リンク旅行時間の時系列情報と、休日の平均リンク旅行時間の時系列情報とがあるが、ここでは、前記すべての日に対して、平日の平均リンク旅行時間の時系列情報に対する平日平均誤差率<EWD(d)>と、休日の平均リンク旅行時間に対する休日平均誤差率<EWE(d)>とを算出する。
なお、平均誤差率<E>は乖離度の例であるので、以下、本明細書では、平日の平均リンク旅行時間の時系列情報に対する平日平均誤差率<EWD(d)>を、単に、平日乖離度と呼び、休日の平均リンク旅行時間の時系列情報に対する休日平均誤差率<EWE(d)>を、単に、休日乖離度と呼ぶ。
(長期連休抽出部23)
再度、図1を参照し、長期連休抽出部23における処理の詳細について説明する。統計交通情報生成装置2のCPUは、長期連休抽出部23のプログラムに従って、長期連休データを抽出する。その抽出処理においては、先に、乖離度算出部22で算出した平日乖離度<EWD(d)>および休日乖離度<EWE(d)>を利用する。
一般的に、ある日(d)が平日である(月曜〜金曜であり、かつ、祝日でない)ならば、その日(d)についての平日乖離度<EWD(d)>は、休日乖離度<EWE(d)>よりも小さいといっても間違いない。同様に、その日(d)が休日(土曜、日曜または祝日)であるならば、休日乖離度<EWD(d)>は、平日乖離度<EWE(d)>よりも小さいといっても間違いない。
ところが、旧盆や正月など長期連休のときには、この一般的な原則が当てはまらないことがある。すなわち、長期連休のときには、カレンダーデータでは休日でないのに多くの人々が休日として過ごすことがあるからである。そのようなときには、平日であるにもかかわらず、平日乖離度<EWD(d)>が休日乖離度<EWE(d)>よりも大きくなる。そこで、本実施形態では、長期連休に属する平日において前記算出した乖離度が一般的な原則と相違することに基づき、長期連休を抽出する。
すなわち、CPUは、すべての日(d:d=d,…,d:Mは実績交通情報記憶部100に実績交通情報が含まれている日の総日数)に対して、平日乖離度<EWD(d)>と休日乖離度<EWE(d)>とを比較する。そして、次の条件(1)を満たす平日と条件(2)を満たす休日とが5日以上連続したとき、その平日と休日とをあわせて長期連休と判定する。
条件(1):休日に連続する1日以上の平日であって、そのいずれの平日においても平日乖離度<EWD(d)>が休日乖離度<EWE(d)>よりも大きい。
条件(2):条件(1)を満たす平日に連続する休日。
図4は、長期連休抽出部23における処理の流れの例を示した図である。ここで、mは、日(d)を指定するためのカウンタ、kは、長期連休を抽出するときの長期連休の日数を計数するためのカウンタである。また、Mは、実績交通情報記憶部100に実績交通情報が含まれている日の総日数である。また、ここでは、実績交通情報記憶部100には、実績交通情報が毎日(実績交通情報が欠落している日がない)古いものから順に蓄積されているものとする。
図4において、CPUは、カウンタmを初期化、つまり、m=1とし(ステップS200)、続いて、カウンタkを初期化、つまり、k=1とする(ステップS210)。さらに、CPUは、実績交通情報記憶部100に蓄積されている第m番目の実績交通情報の日(d)が土曜、日曜または祝日であるか否かを判定する(ステップS220)。
ステップS220の判定において、その日(d)が土曜、日曜または祝日でなかったときには(ステップS220でNo)、その日(d)は平日であるので、CPUは、さらに、その日(d)の平日乖離度<EWD(d)>が休日乖離度<EWE(d)>よりも大きいか否かを判定する(ステップS230)。その判定の結果、平日乖離度<EWD(d)>が休日乖離度<EWE(d)>よりも大きくなかったときには(ステップS230でNo)、その平日は長期連休に属さないことになるので、CPUは、ステップS300へ進んで、長期連休を解除する処理を実行する。
また、ステップS230の判定で、平日乖離度<EWD(d)>が休日乖離度<EWE(d)>よりも大きかったときには(ステップS230でYes)、その日(d)は長期連休に属する可能性があるので、CPUは、値dを変数Dのk番目の値として記憶装置に記憶する、つまり、D=dとする(ステップS240)。そして、CPUは、カウンタkをインクリメントし(ステップS250)、さらに、カウンタmをインクリメントする(ステップS260)。なお、インクリメントとは、数を+1増加させることをいい、図4では、kおよびmのインクリメントをそれぞれk++、m++と表記している。
一方、ステップS220の判定において、その日(d)が土曜、日曜または祝日であったときには(ステップS220でYes)、その日(d)は長期連休に属する可能性があるので、CPUは、D=dとし(ステップS240)、カウンタkをインクリメントし(ステップS250)、さらに、カウンタmをインクリメントする(ステップS260)。
CPUは、ステップS260に引き続き、カウンタmが総日数Mを超えたか否かを判定し(ステップS270)、カウンタmが総日数Mを超えていないときは(ステップS270でNo)、ステップS220以下の処理を再度実行する。また、カウンタmが総日数Mを超えたときには(ステップS270でYes)、そのときのカウンタkが5を超えているか否かを判定する(ステップS280)。そして、そのカウンタkが5を超えていたときには(ステップS280でYes)、CPUは、変数D(i=1,…,k−1)に記憶されている日(d)を長期連休であるとして長期連休データ記憶部130の所定の領域に記憶し(ステップS290)、処理を終了する。また、そのカウンタkが5を超えていなかったときには(ステップS280でNo)、ステップS290をスキップして、処理を終了する。
一方、ステップS300において、CPUは、そのときのカウンタkが5を超えているか否かを判定し(ステップS300)、そのカウンタkが5を超えていたときには(ステップS300でYes)、変数D(i=1,…,k−1)に記憶されている日(d)を長期連休であるとして長期連休データ記憶部130の所定の領域に記憶する(ステップS310)。また、そのカウンタkが5を超えていなかったときには(ステップS300でNo)、ステップS310の実行をスキップする。
次に、CPUは、カウンタmをインクリメントし(ステップS320)、カウンタmが総日数Mを超えたか否かを判定する(ステップS330)。その判定の結果、カウンタmが総日数Mを超えていないときは(ステップS330でNo)、ステップS210以下の処理を再度実行する。また、カウンタmが総日数Mを超えたときには(ステップS330でYes)、処理を終了する。
以上の処理により、長期連休に属する日のデータ(以下、長期連休データという)が長期連休データ記憶部130の所定の領域に記憶されたことになる。
(特異日条件データ生成部24)
図1に戻り、特異日条件データ生成部24における処理の詳細について説明する。統計交通情報生成装置2のCPUは、特異日条件データ生成部24のプログラムに従って、長期連休データ記憶部130の長期連休データと、実績交通情報記憶部100の実績交通情報とに基づき、特異日条件データを生成する。
図5は、特異日条件データ生成部24における処理の流れの例を示した図である。図5に示すように、CPUは、まず、長期連休データ記憶部130の長期連休データを同時期のグループG(p=1,…,P)に分類する(ステップS400)。ここで、同時期のグループに分類するとは、長期連休データを毎年周期的に訪れる長期連休(日本の場合、ゴールデンウィーク、旧盆、年末年始など)ごとに分類することをいう。
なお、その分類処理において、CPUは、長期連休データ記憶部130に記憶されている長期連休データの各連休の初日の月と終日の月とをそれぞれ比較し、そのいずれか一方が同じである場合、同じグループに属すると判定する。そして、グループに分類された長期連休データ(以下、長期連休グループデータという)を改めて長期連休データ記憶部130に記憶する。
図6は、長期連休データ記憶部130に記憶される長期連休グループの例を示した図である。図6の例では、グループG1に旧盆の長期連休を、G2に年末年始の長期連休を、G3にゴールデンウィークの長期連休をそれぞれ分類している。なお、図6において、連休IDは、それぞれの長期連休に、適宜、付した識別情報である。
次に、図5において、CPUは、実績交通情報記憶部100に蓄積されている実績交通情報を参照して、長期連休データに含まれるすべての日について渋滞発生頻度をカウントする(ステップS410)。ここで、その渋滞発生頻度カウントの対象とする渋滞は、長期連休における自然渋滞であるとし、図2に示した実績交通情報のデータフォーマットにおいて、事故・規制情報の事故・規制種別が事故または規制になっているリンクに関しては、カウントの対象から除外する。
なお、事故または規制のないリンクに関しては、その渋滞状況を、代表渋滞状況、または、リンク旅行時間とリンク長とを用いた式(3)の条件により判定する。
Figure 0004950586
ここで、Vjam[km/h]は渋滞判定速度、L[m]はリンク長、T[s]はリンク旅行時間である。Vjamは、例えば、対象リンクの道路種別が一般道の場合は、10[km/h]、都市内高速道路の場合は、20[km/h]、都市間高速道路の場合は、40[km/h]とする。
そこで、カウント対象の所定のエリアのリンクの総数をN’とし、そのなかのリンクjで、ある1日の渋滞発生頻度をカウントした結果がJN(実績交通情報が5分間隔で蓄積されている場合、最大288)であったとき、その日の渋滞発生頻度JNは、式(4)により算出される。
Figure 0004950586
このとき、渋滞発生頻度をカウントする対象リンクは、特定のエリアごとで限定するようにしてもよく、また、路線ごとに都市部への上り路線、下り路線などで限定するようにしてもよい。
次に、CPUは、以上のようにして算出した長期連休データに含まれる日についての渋滞発生頻度に基づき、特異日条件データを生成する。そのために、CPUは、まず、カウンタpを初期化、つまり、p=1とする(ステップS420)。そして、pがPを超えていないか、つまり、p<Pであるか否かを判定する(ステップS430)。ここで、pは、長期連休のグループを指示するカウンタであり、Pは、長期連休のグループの総数である。
ステップS430の判定において、p<Pであったときには(ステップS430でYes)、CPUは、グループGに属する日を渋滞発生頻度の高い順にソーティングする(ステップS440)。そして、その中から渋滞発生頻度の高い日を、高い順に所定の日数分、特異日として抽出する(ステップS450)。ここで、所定の日数は、例えば、グループGに属する日の数の半分の値に設定する。なお、ステップS450では、順位で特異日を抽出するのではなく、渋滞発生頻度の閾値を設けて、その閾値以上の日を抽出するようにしてもよい。さらに、CPUは、カレンダーデータから、前記抽出した特異日の曜日を取得し、その特異日の曜日の情報に基づき、特異日条件データを生成し(ステップS460)、その生成した特異日条件データを特異日条件データ記憶部140に蓄積する。
次に、CPUは、カウンタpをインクリメントし(ステップS470)、ステップS430へ戻って、再度、p<Pであるか否かを判定する(ステップS430)。その判定の結果、p<Pでなかったときには(ステップS430でNo)、すべてのグループGについて特異日条件データを生成したことになるので、図5の処理を終了する。
なお、以上の説明において、特異日条件データとは、ステップS450で抽出した特異日について、“年”の情報を捨て、“月”と“日”と“曜日”とだけにした情報をいう。一般に、特異日、つまり、渋滞の発生頻度の高い日は、毎年周期的に訪れる長期連休特有の渋滞により発生するものであり、その発生日は、“月”と“日”とが固定している場合と、“曜日”の影響で特異日がずれる場合とがある。従って、過去に特異日であった日に関して、この“月”と“日”と“曜日”とが一致する未来の日は、特異日になる可能性が高いと予想される。そこで、ステップS450で抽出した特異日について、ステップS450では、その特異日から“年”の情報を捨て、“月”と“日”と“曜日”とだけにした情報を特異日条件データとして特異日条件データ記憶部140に蓄積する。
図7は、特異日条件データ記憶部140に蓄積される特異日条件データの例を示した図である。図7に示すように、長期連休のグループごとに、特異日になる“月”と“日”と“曜日”との条件が蓄積されている。すなわち、CPUは、ある日が特異日であるか否かを、この特異日条件データを参照するだけで判定することができる。
なお、本実施形態においては、長期連休および特異日を時期によってのみグループに分類しているが、その各グループを、さらに、連休初日、連休中日、連休終日などに細かく分類しても構わない。
(特異日統計交通情報生成部25)
図1に戻り、特異日統計交通情報生成部25における処理の詳細について説明する。統計交通情報生成装置2のCPUは、特異日統計交通情報生成部25のプログラムに従って、実績交通情報記憶部100の実績交通情報と、特異日条件データ記憶部140の特異日条件データとに基づき、特異日統計交通情報を生成する。
ここで、特異日統計交通情報記憶部150に蓄積する特異日統計交通情報のレコードのフォーマットは、図3に示した日種統計交通情報記憶部120に蓄積された日種統計交通情報のレコードのフォーマットと同じであるとする。このとき、日種は、それぞれのグループごとに、例えば、旧盆、年末年始、GW(ゴールデンウィーク)などの名称を割り当ててもよい。また、時刻情報は、実績交通情報記憶部100の実績交通情報の分解能に依存し、ここでは、0時〜23時55分までの5分後との時刻が割り当てられるものとする。
また、統計リンク交通情報におけるリンク旅行時間は、実績交通情報記憶部100に蓄積されている実績交通情報のなかから、各グループの特異日条件データに該当する日を抽出し、その抽出された日について、同じリンクごと、同じ時刻ごとにそれぞれリンク旅行時間を平均したものである。
すなわち、あるグループの時刻t(i=1,…,288)における平均リンク旅行時間T'(t)は、式(5)により算出することができる。
Figure 0004950586
ここで、M’は、そのグループに含まれる特異日の日数であり、Dm’(m’=1,…,M’)は、その特異日それぞれを表すデータであり、T(Dm’,t)は、実績交通情報記憶部100における特異日Dm’(m’=1,…,M’)の時刻tでのリンク旅行時間である。
なお、特異日の交通情報であっても、突発事故や工事、イベントなどによる異常値が含まれている可能性があるため、これらの異常値を除去する処理を加えてもよい。また、統計リンク交通情報の渋滞情報には、式(5)で算出した平均リンク旅行時間と、実績交通情報に含まれるリンク長とを用いて、式(3)により渋滞判定を行った結果を入れるようにする。
(交通情報ダウンロード部26)
図1において、交通情報ダウンロード部26は、以上に説明した日種統計交通情報記憶部120に蓄積された日種統計交通情報、特異日条件データ記憶部140に蓄積された特異日条件データ、および、特異日統計交通情報記憶部150に蓄積された特異日統計交通情報を、カーナビゲーション装置3へダウンロードする。そこで、統計交通情報生成装置2は、交通情報ダウンロード部26のダウンロード機能を実現するために、データ書き込み可能なDVD(Digital Versatile Disk)駆動装置、ネットワークインターフェース回路装置、USB(Universal Serial Bus)インターフェース回路装置など、または、そのいずれかを含んで構成される。
なお、ダウンロードは、DVDなどを介してオフラインで行ってもよく、また、携帯電話の回線や無線LAN(Local Area Network)などを介してオンラインで行ってもよい。ただし、無線LANでダウンロードするときには、所定の駐車場などで行う必要がある。また、駐車場などでは、USBなどを用いてダウンロードしてもよい。
<カーナビゲーション装置>
(カーナビゲーション装置の構成)
図1に示すように、カーナビゲーション装置3は、交通情報取得部31、自車位置情報取得部32、操作データ入力部33、経路探索部34、特異日経路探索部35、ナビゲーション情報表示部36などの処理機能ブロックと、日種統計交通情報記憶部220、特異日統計交通情報記憶部250、特異日条件データ記憶部240、カレンダーデータ記憶部210、地図情報記憶部260、ナビゲーション情報記憶部270などの記憶機能ブロックとを含んで構成される。
カーナビゲーション装置3の主要部は、図示しないCPUなどからなる情報処理装置(以下、CPUという)と、半導体メモリやハードディスク装置などからなる記憶装置と、を含んで構成される。その場合、前記処理機能ブロック31〜36の大部分の機能は、前記CPUが前記記憶装置に格納された所定のプログラムを実行することによって実現される。また、前記記憶機能ブロック210〜270は、前記記憶装置の所定の領域に割り付けられた記憶領域によって実現される。
図1において、自車位置情報取得部32は、GPS(Global Positioning System)測位装置4のほか、図示しない車速センサ、ジャイロセンサなどに接続され、自車位置の情報を取得する。また、操作データ入力部33は、操作パネルやリモコンなどの操作ボタンを含んで構成され、CPUが実行するプログラムを制御するとともに、そのプログラムを実行するに際し必要となるデータを提供する。また、ナビゲーション情報表示部36は、LCD(Liquid Crystal Display)パネルなどを含んで構成され、地図や最短経路などのナビゲーション情報を表示するとともに、カーナビゲーション装置3に付与されている種々の機能によって提供される種々の情報を表示する。
交通情報取得部31は、DVD駆動装置、ネットワークインターフェース回路装置、USBインターフェース回路装置など、または、そのいずれかを含んで構成され、統計交通情報生成装置2からダウンロードされる日種統計交通情報、特異日統計交通情報、特異日条件データなどを受け取り、それらの情報を、それぞれ日種統計交通情報記憶部220、特異日統計交通情報記憶部250、特異日条件データ記憶部240へ蓄積する。
ここで、日種統計交通情報記憶部220、特異日統計交通情報記憶部250、特異日条件データ記憶部240に蓄積されるレコードの構成は、統計交通情報生成装置2における日種統計交通情報記憶部120、特異日統計交通情報記憶部150、特異日条件データ記憶部140のレコード構成と同じである(図3および図7参照)。ただし、必要に応じてこれらの記憶部220,250,240に記憶される情報に、適宜、付加情報を追加してもよい。例えば、特異日条件データに特異日の各グループに旧盆、年末年始、GWなどの愛称またはキーワードを付しても構わない。
なお、カレンダーデータ記憶部210のカレンダーデータも、統計交通情報生成装置2におけるカレンダーデータ記憶部110のカレンダーデータと同じである。カレンダーデータは、単に、日付と通常の日種(特異日を含まない)とを対応付ける情報であるので、ここでは、ダウンロードする情報には含めていないが、ダウンロードするとしても構わない。
また、交通情報取得部31は、図示しない地図管理装置などから地図情報をダウンロードするとしてもよい。このとき、ダウンロードされた地図情報は、地図情報記憶部260に蓄積される。
図8は、地図情報記憶部260に蓄積された地図情報のレコード構成の例を示した図である。図8に示すように、地図情報は、複数のノードレコードからなるノードデータと、複数のリンクレコードからなるリンクデータとを含んで構成される。なお、ノードとは交差点を意味し、リンクとは交差点間を結ぶ道路を意味する。
ここで、ノードレコードは、交差点の識別情報であるノードIDと、交差点の位置を示す緯度経度と、そのノードに接続している複数の接続リンクIDとを含んで構成される。また、リンクレコードは、リンクの識別情報であるリンクIDと、リンク長と、一般道路か高速道路かを判別する道路種別と、車線数と、規制速度と、始点ノードIDと、終点ノードIDと、形状と、道路の傾きを示す勾配とを含んで構成される。
図1において、経路探索部34は、ユーザが操作データ入力部33を介して設定した目的地までの最短経路などを探索する。すなわち、カーナビゲーション装置3のCPUは、GPS測位装置4からの入力データに含まれる日時情報に基づき、カレンダーデータ記憶部210を参照して、その日の日種を取得する。そして、その、日種に応じた統計交通情報と地図情報とに基づき、ダイクストラ法などを用いて目的地までの最短経路を算出する。なお、ここで算出される最短経路は、特異日を考慮していないので、以下、通常日対応最短経路という。
次に、特異日経路探索部35は、特異日を考慮した目的地までの最短経路などを探索する。すなわち、カーナビゲーション装置3のCPUは、特異日条件データ記憶部240を参照して、その日が特異日か否かを判定し、特異日であったときには、特異日統計交通情報記憶部250を参照し、その特異日が属するグループの特異日統計交通情報に基づき、最短経路を算出する。なお、ここで算出される最短経路は、特異日を考慮しているので、以下、特異日対応最短経路という。
(ナビゲーション動作の処理の流れ)
図9は、カーナビゲーション装置3におけるナビゲーション動作の処理の流れの例を示した図である。図9に示すように、カーナビゲーション装置3のCPUは、まず、操作データ入力部33を介してユーザにより入力される目的地情報を取得する(ステップS500)。次に、CPUは、GPS測位装置4によって入力される測位情報に含まれる時刻情報から日時情報を取得する(ステップS510)。なお、日時情報の取得は、カーナビゲーション装置3が内蔵する計時装置(図1には図示せず)から取得してもよく、ユーザが操作データ入力部33を介して日時または日付を特に指定する場合には、その指定された日時または日付情報を優先して取得してもよい。
次に、CPUは、カレンダーデータ記憶部210を参照して、前記取得された日時情報が示す日の日種を取得する(ステップS520)。ここで取得した日種は、特異日を含まない平日または休日の情報であるので、以下、通常日日種という。
次に、CPUは、日種統計交通情報記憶部220を参照して、その取得した通常日日種に応じた統計交通情報のうち、そのときの時刻に最も近い時刻の統計リンク交通情報(リンク旅行時間)を取得し、自車位置から目的地までの通常日対応最短経路を算出し(ステップS530)、算出した通常日対応最短経路の情報をナビゲーション情報記憶部270に蓄積する。ここで、自車位置とは、自車位置情報取得部32によって得られる自車位置である。
続いて、CPUは、特異日条件データ記憶部240を参照して、その日が特異日であるか否かを判定する(ステップS540)。その判定の結果、その日が特異日でなかったときには(ステップS540でNo)、ナビゲーション情報記憶部270に蓄積されている通常日対応最短経路をナビゲーション情報表示部36に表示する(ステップS550)。
一方、ステップS540の判定で、その日が特異日であったときには(ステップS540でYes)、CPUは、特異日統計交通情報記憶部250を参照して、その日が属する特異日のグループに応じた特異日統計交通情報のうち、そのときの時刻に最も近い時刻の統計リンク交通情報(リンク旅行時間)を取得し、自車位置から目的地までの特異日対応最短経路を算出し(ステップS560)、算出した特異日対応最短経路の情報をナビゲーション情報記憶部270に蓄積する。
さらに、CPUは、ステップS530で算出した通常日対応最短経路、および、ステップS560で算出した特異日対応最短経路のそれぞれについて、特異日統計交通情報記憶部250に蓄積されている特異日統計交通情報から渋滞情報を抽出し、その渋滞情報に基づき、渋滞区間情報を生成する(ステップS570)。なお、この渋滞区間情報を抽出する処理については、別途、図11を参照して詳しく説明する。
次に、CPUは、ナビゲーション情報記憶部270に蓄積された通常日対応最短経路、特異日対応最短経路およびそのそれぞれに対応する渋滞区間情報をナビゲーション情報表示部36に表示する(ステップS580)。
以上の処理のステップS550またはステップS580において、ナビゲーション情報表示部36には最短経路や渋滞情報が表示されるので、ユーザは、その表示された最短経路や渋滞情報を見ながら目的地まで車両を運転することができる。
図10は、ナビゲーション情報記憶部270に蓄積された通常日対応最短経路および特異日対応最短経路のレコードの構成の例を示した図である。図10に示すように、通常日対応最短経路および特異日対応最短経路のレコードは、いずれも、リンク列情報、ノード列情報、通常日統計交通情報および特異日統計交通情報の各フィールドを含んで構成される。
ここで、リンク列情報のフィールドには、通常日対応最短経路または特異日対応最短経路を構成するリンクのリンクIDとそのリンクのリンク長とが蓄積され、また、ノード列情報のフィールドには、そのリンクの終点ノードIDが蓄積される。また、通常日統計交通情報のフィールドには、日種統計交通情報記憶部220を参照して取得される当該リンクの当該日種(図9のステップS520で取得した日種)の当該時刻(図9のステップS510で取得した日時)におけるリンク旅行時間およびに渋滞情報が蓄積される。同様に、特異日統計交通情報のフィールドには、特異日統計交通情報記憶部250を参照して取得される当該リンクの当該特異日のグループ(図9のステップS540で取得)の当該時刻(図9のステップS510で取得した日時)におけるリンク旅行時間およびに渋滞情報が蓄積される。
なお、通常日対応最短経路におけるリンク列情報、ノード列情報および通常日統計情報(リンク旅行時間および渋滞情報)は、図9のステップS530で通常日対応最短経路が算出されたときにナビゲーション情報記憶部270に蓄積される。また、特異日対応最短経路におけるリンク列情報、ノード列情報および特異日統計情報(リンク旅行時間および渋滞情報)は、図9のステップS560の特異日対応最短経路を算出したときにナビゲーション情報記憶部270に蓄積される。
また、通常日対応最短経路における特異日統計情報(リンク旅行時間および渋滞情報)および特異日対応最短経路における通常日統計情報(リンク旅行時間および渋滞情報)は、ステップS560の直後に算出され、ナビゲーション情報記憶部270に蓄積されるものとする。
図11は、通常日対応最短経路または特異日対応最短経路に対する渋滞区間情報を生成する処理の流れを示した図である。この処理においては、ナビゲーション情報記憶部270に蓄積されている通常日対応最短経路または特異日対応最短経路のうち一方を選択し、その最短経路の特異日統計交通情報に対する渋滞情報(図10における右端のフィールド)を参照して、渋滞のリンク列情報を抽出するとともに、その渋滞の渋滞規模レベルを求める。なお、本実施形態においては、通常日対応最短経路および特異日対応最短経路それぞれに対し、それぞれの渋滞区間情報を生成するので、CPUは、図11に示す処理を2回実行することになる。
また、渋滞規模レベルは、特異日統計交通情報から求めた渋滞のリンク列の長さ(以下と、特異日渋滞リンク列長という)、通常日統計交通情報から求めた渋滞のリンク列の長さ(以下、通常日渋滞リンク列長という)との大小関係で、特異日の交通渋滞の程度を表したものである。ここでは、特異日渋滞リンク列長が通常日渋滞リンク列長より長い場合、渋滞規模レベルをレベル3とし、特異日渋滞リンク列長が通常日渋滞リンク列長と等しい場合、渋滞規模レベルをレベル2とし、特異日渋滞リンク列長が通常日渋滞リンク列長より短い場合、渋滞規模レベルをレベル1とする。すなわち、特異日の渋滞規模レベルが大きいとき、渋滞規模レベルを大きく設定している。
図11において、CPUは、まず、通常日対応最短経路または特異日対応最短経路(以下、単に、最短経路という)を構成するリンクの位置をカウントするカウンタiを初期化、つまり、i=1とする(ステップS600)。なお、このリンク位置のカウンタiは、目的地から自車位置の方向に昇順に付されるものとする。すなわち、i=1,…,Lであり、Lは、最短経路を構成するリンク数である。
次に、CPUは、渋滞区間の数をカウントするカウンタkを初期化、つまり、k=1とする(ステップS610)。なお、渋滞区間とは、渋滞リンクが1つ以上連続したリンク列をいう。カウンタkは、その渋滞区間の渋滞区間IDにも対応している。
次に、CPUは、ナビゲーション情報記憶部270を参照し、最短経路の第i番目のリンク(以下、リンクiという)が渋滞しているか否かを判定する(ステップS620)。その判定の結果、リンクiが渋滞していなかったときには(ステップS620でNo)、カウンタiをインクリメントし(ステップS630)、カウンタiが最短経路のリンク数Lより大きいか否かを判定する(ステップS640)。その判定の結果、カウンタiがLより大きくないときには(ステップS640でNo)、ステップS620へ戻る。また、カウンタiがLより大きいときには(ステップS640でYes)、図11の渋滞区間情報を生成する処理を終了する。
一方、ステップS620の判定で、リンクiが渋滞していたときには(ステップS620でYes)、CPUは、第k番目の渋滞区間(以下、渋滞区間kという)のデータとしてリンクiを登録し(ステップS650)、カウンタiをインクリメントする(ステップS660)。
続いて、CPUは、カウンタiが最短経路のリンク数Lより大きいか否かを判定する(ステップS670)。その判定の結果、カウンタiがLより大きくないときには(ステップS670でNo)、さらに、リンクiが渋滞しているか否かを判定する(ステップS680)。そして、その判定の結果、リンクiが渋滞していたときには(ステップS680でYes)、ステップS650へ戻る。
また、ステップS680の判定で、リンクiが渋滞していなかったときには(ステップS680でNo)、CPUは、渋滞区間kに登録されたリンク列について、そのリンク列の通常日統計交通情報フィールドの渋滞情報を参照して、その渋滞区間のリンク列長を求める。そして、渋滞区間kのリンク列長を、以上に求めた通常日の場合の渋滞のリンク列長と比較して、渋滞規模レベルを生成する(ステップS690)。さらに、CPUは、カウンタkをインクリメントして(ステップS700)、ステップ620へ戻る。
一方、カウンタiが最短経路のリンク数Lより大きいときには(ステップS640でYes)、ステップS690と同様に、渋滞区間kのリンク列長を通常日の場合の渋滞のリンク列長と比較して、渋滞規模レベルを生成し(ステップS710)、図11の渋滞区間情報を生成する処理を終了する。
図12は、渋滞区間情報生成処理によってナビゲーション情報記憶部270に蓄積される渋滞区間情報のレコード構成の例を示した図である。図12に示すように、渋滞区間情報のレコードは、渋滞区間ID、渋滞規模レベル、終点ノードID、リンク列情報のフィールドを含んで構成される。ここで、渋滞区間IDは、カウンタkに対応し、リンク列情報は、ステップS650で登録され、渋滞規模レベルは、ステップS690およびステップS710で生成されたものが蓄積される。また、終点ノードIDは、リンク列情報の最初のリンクの終点ノードIDである。
図13は、特異日対応最短経路算出中にナビゲーション情報表示部36の表示装置に表示するメッセージの例を示した図である。図13に示すように、そのメッセージは、少なくとも、その日が長期連休であること、および、その長期連休による特異渋滞が予想されることを知らせるメッセージを含むものとする。なお、このメッセージは、カーナビゲーション動作(図9参照)の処理において、ステップS560およびステップS570を実行されている間、表示する。
図14は、通常日対応最短経路、特異日対応最短経路および渋滞区間情報をナビゲーション情報表示部36の表示装置に表示した例を示した図である。なお、この表示例は、CPUがカーナビゲーション動作(図9参照)の処理のステップS580を実行することによって表示する例である。
図14において、黒の三角印は自車位置、旗印は目的地を表す。また、太い破線で示した経路は推奨ルート、すなわち、特異日対応最短経路であり、細い破線で示した経路は通常ルート、すなわち、通常日対応最短経路であることを表す。また、推奨ルートおよび通常ルートのうち、太い実線で示した区間は、渋滞区間であることを表し、その渋滞区間の先頭部には、渋滞規模レベルを表す丸印を付している。ここで、渋滞規模レベルを表す丸印は、そのレベルを二重丸、丸、小さい丸で区別して表し、それぞれ、レベル3、レベル2、レベル1に対応する。さらに、図14では、渋滞規模レベルのレベル3、レベル2、レベル1を大、中、小と表記している。さらに、表示画面の一部に、推奨ルートおよび通常ルートそれぞれについて、目的地までの距離や所要時間などを比較して表示する。
なお、図14の表示において、推奨ルート、通常ルートまたはその渋滞区間などを、適宜、色を変えて表示してもよい。
以上、カーナビゲーション装置3は、長期連休の特異日には、図13および図14のような表示を行うので、ユーザはその日が特異日であることを知ることができるとともに、通常日に比べて渋滞が顕著な区間をひと目で認知することができる。
なお、図13および図14の例においては、カーナビゲーション装置3の利用日が特異日であったとき、特異日の最短経路と通常日の最短経路とを比較できるような形でナビゲーション情報表示部36の表示装置に表示しているが、同様の表示を、例えば、次に示すように、特異日でない場合にも行うようにしてもよい。
カレンダーデータ記憶部110(図1参照)には、通常、平日、休日などの日種のデータが蓄積されているが、ここでは、例えば、五十日(ごとおび)、学校休日などの日種も蓄積されているものとする。そして、それらの日種ごとの統計交通情報が日種統計交通情報記憶部120に蓄積されているものとする。この場合、カレンダーデータ記憶部110を参照すると、例えば、平日の五十日などのように複数の日種が得られる。そこで、このような場合には、日種統計交通情報記憶部120から平日の日種統計交通情報を取り出し、その平日の日種統計交通情報に基づいて最短経路を探索し、一方では、日種統計交通情報記憶部120から五十日の日種統計交通情報を取り出し、その五十日の日種統計交通情報に基づいて最短経路を探索する。こうして探索された複数の最短経路をそれぞれの日種が識別可能な態様でナビゲーション情報表示部36の表示装置に表示する。例えば、図14に即して説明すると、推奨ルートに代えて、五十日ルート、通常ルートに代えて、平日ルートを表示するようにする。
カーナビゲーション装置3において、こうした表示を行うことによって、ユーザは、その日が通常とは異なる日であることなどを容易に認識することができ、また、表示された最短経路などの誘導経路を素直に受け入れることができるようになる。
本発明の実施形態に係る統計交通情報生成装置およびカーナビゲーション装置についてその機能ブロックの構成の例を示した図である。 本発明の実施形態に係る統計交通情報生成装置の実績交通情報記憶部に蓄積される実績交通情報の構成の例を示した図である。 本発明の実施形態に係る統計交通情報生成装置の日種統計交通情報記憶部に蓄積される日種統計交通情報の構成の例を示した図である。 本発明の実施形態に係る統計交通情報生成装置の長期連休抽出部における処理の流れの例を示した図である。 本発明の実施形態に係る統計交通情報生成装置の特異日条件データ生成部における処理の流れの例を示した図である。 本発明の実施形態に係る統計交通情報生成装置の長期連休データ記憶部に記憶される長期連休グループの例を示した図である。 本発明の実施形態に係る統計交通情報生成装置の特異日条件データ記憶部に蓄積される特異日条件データの例を示した図である。 本発明の実施形態に係るカーナビゲーション装置の地図情報記憶部に蓄積された地図情報のレコード構成の例を示した図である。 本発明の実施形態に係るカーナビゲーション装置におけるナビゲーション動作の処理の流れの例を示した図である。 本発明の実施形態に係るカーナビゲーション装置のナビゲーション情報記憶部に蓄積された通常日対応最短経路および特異日対応最短経路のレコードの構成の例を示した図である。 本発明の実施形態に係るカーナビゲーション装置において、通常日対応最短経路または特異日対応最短経路に対する渋滞区間情報を生成する処理の流れを示した図である。 本発明の実施形態に係るカーナビゲーション装置のナビゲーション情報記憶部に蓄積される渋滞区間情報のレコード構成の例を示した図である。 本発明の実施形態に係るカーナビゲーション装置が特異日対応最短経路算出中にナビゲーション表示部の表示装置に表示するメッセージの例を示した図である。 本発明の実施形態に係るカーナビゲーション装置が通常日対応最短経路、特異日対応最短経路および渋滞区間情報をナビゲーション情報表示部の表示装置に表示した例を示した図である。
符号の説明
2 統計交通情報生成装置
3 カーナビゲーション装置
4 GPS測位装置
20 実績交通情報取得部
21 日種統計交通情報生成部
22 乖離度算出部
23 長期連休抽出部
24 特異日条件データ生成部
25 特異日統計交通情報生成部
26 交通情報ダウンロード部
31 交通情報取得部
32 自車位置情報取得部
33 操作データ入力部
34 経路探索部
35 特異日経路探索部
36 ナビゲーション情報表示部
100 実績交通情報記憶部
110 カレンダーデータ記憶部
120 日種統計交通情報記憶部
130 長期連休データ記憶部
140 特異日条件データ記憶部
150 特異日統計交通情報記憶部
210 カレンダーデータ記憶部
220 日種統計交通情報記憶部
240 特異日条件データ記憶部
250 特異日統計交通情報記憶部
260 地図情報記憶部
270 ナビゲーション情報記憶部

Claims (4)

  1. 情報処理装置と情報記憶装置とを少なくとも備え、前記情報記憶装置に所定のエリアに含まれるリンクについて過去に収集された日ごとの実績交通情報を蓄積し、前記日ごとの実績交通情報統計処理て統計交通情報を生成する統計交通情報生成装置における統計交通情報生成方法であって、
    前記情報処理装置が、
    週の曜日および既定の祝日によって定められる休日および平日の日種ごとに、それぞれの日種に属する日の前記日ごとの実績交通情報統計処理て、前記休日および平日のそれぞれの日種に対する日種統計交通情報を生成する日種統計交通情報生成ステップと、
    記実績交通情報が収集されたそれぞれの日について、そのそれぞれの日の実績交通情報と、前記休日および平日のそれぞれの日種に対する日種統計交通情報との乖離度を、それぞれ休日乖離度および平日乖離度として算出する乖離度算出ステップと、
    記実績交通情報が収集されたそれぞれの日について、その日が平日であり、かつ、その日の前記平日乖離度が前記休日乖離度より大である場合には、その日を準休日として抽出した後、前記抽出した1日または連続した2日以上の準休日が休日の前、後またはその両方に連続し、前記休日とその休日に連続する準休日とを合わせた日数が予め定められた日数以上となった場合には、その休日とその休日に連続する準休日とを長期連休として抽出する長期連休抽出ステップと、
    前記長期連休抽出ステップで抽出した長期連休をその時期によりグループ化し、そのグループ化したそれぞれの長期連休ごとに、その長期連休に属するそれぞれの日についての前記実績交通情報に基づき、そのそれぞれの日の渋滞発生頻度を算出し、その渋滞発生頻度が既定の頻度よりも大きい場合には、その日を特異日として抽出し、その抽出した特異日の月日と曜日のデータを特異日条件データとして生成する特異日条件データ生成ステップと、
    前記生成された特異日条件データのそれぞれによって指定される特異日の月日および曜日に該当する日の過去の実績交通情報を前記情報記憶装置から抽出して、前記抽出した過去の実績交通情報を統計処理して、前記特異日についての特異日統計交通情報を生成する特異日統計交通情報生成ステップと、
    を実行することを特徴とする統計交通情報生成方法。
  2. 前記情報処理装置が、
    前記乖離度算出ステップにおいて、前記休日乖離度および前記平日乖離度として、前記実績交通情報が収集されたそれぞれの日について、そのそれぞれの日の実績交通情報と、前記休日および平日のそれぞれの日種に対する日種統計交通情報との間の誤差、誤差率および二乗平均誤差のいずれかを算出すること
    を特徴とする請求項1に記載の統計交通情報生成方法。
  3. 情報処理装置と情報記憶装置とを少なくとも備え、前記情報記憶装置に所定のエリアに含まれるリンクについて過去に収集された日ごとの実績交通情報を蓄積し、前記日ごとの実績交通情報統計処理て統計交通情報を生成する統計交通情報生成装置であって、
    前記情報処理装置が、
    週の曜日および既定の祝日によって定められる休日および平日の日種ごとに、それぞれの日種に属する日の前記日ごとの実績交通情報統計処理て、前記休日および平日のそれぞれの日種に対する日種統計交通情報を生成する日種統計交通情報生成手段と、
    記実績交通情報が収集されたそれぞれの日について、そのそれぞれの日の実績交通情報と、前記休日および平日のそれぞれの日種に対する日種統計交通情報との乖離度を、それぞれ休日乖離度および平日乖離度として算出する乖離度算出手段と、
    記実績交通情報が収集されたそれぞれの日について、その日が平日であり、かつ、その日の前記平日乖離度が前記休日乖離度より大である場合には、その日を準休日として抽出した後、前記抽出した1日または連続した2日以上の準休日が休日の前、後またはその両方に連続し、前記休日とその休日に連続する準休日とを合わせた日数が予め定められた日数以上となった場合には、その休日とその休日に連続する準休日とを長期連休として抽出する長期連休抽出手段と、
    前記長期連休抽出手段で抽出した長期連休をその時期によりグループ化し、そのグループ化したそれぞれの長期連休ごとに、その長期連休に属するそれぞれの日についての前記実績交通情報に基づき、そのそれぞれの日の渋滞発生頻度を算出し、その渋滞発生頻度が既定の頻度よりも大きい場合には、その日を特異日として抽出し、その抽出した特異日の月日と曜日のデータを特異日条件データとして生成する特異日条件データ生成手段と、
    前記生成された特異日条件データのそれぞれについて、その特異日条件データ該当する特異日の実績交通情報を前記情報記憶装置から抽出して、その抽出した実績交通情報統計処理て、前記特異日条件データに該当する特異日特異日統計交通情報を生成する特異日統計交通情報生成手段と、
    を備えたことを特徴とする統計交通情報生成装置。
  4. 前記乖離度算出手段は、前記休日乖離度および前記平日乖離度として、前記実績交通情報が収集されたそれぞれの日について、そのそれぞれの日の実績交通情報と、前記休日および平日のそれぞれの日種に対する日種統計交通情報との間の誤差、誤差率および二乗平均誤差のいずれかを算出すること
    を特徴とする請求項に記載の統計交通情報生成装置。
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