JP4949915B2 - 閉鎖型消火ヘッド - Google Patents
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Description
上述の構造では、消火剤の内圧によって弁体に負荷された力は、弁棒部材及び感熱体を介して、ガード枠に対する曲げモーメントとして作用する。この曲げモーメントによってガード枠が撓み、当該ガード枠における感熱体の支持点に変位が生じると、弁体と放出口との間に隙間が発生するため、消火剤の漏れの原因となっていた。また、このような変位を抑制するためには、ガード枠に作用する曲げモーメントに耐え得るように当該ガード枠の剛性を大幅に向上させなければならず、ガード枠の断面の拡大やH型の断面の採用、あるいはガード枠の本数の増加等の必要があり、コスト上昇の要因となっていた。
また、上述の構造では、ガード枠は発泡用ネットの外側を囲うように延設されているものであって、発泡用ネットの直下に配置されている感熱体の側方に沿って配置されているものではないため、当該感熱体を保護する機能を有していなかった。このため、当該閉鎖型消火ヘッドの設置作業やメンテナンス作業を実施する際に誤って感熱体を損傷してしまう可能性があった。また、感熱体の側方を保護するためのガードを別に設ける場合は更なるコスト上昇の要因となっていた。
また、上述の構造では、消火剤が発泡用ネットを通過して放射された際に、発泡用ネットの外部に配置されているガード枠に阻害されることにより、消火剤の放射分布に偏りが生じる可能性があった。また、上述の(1)の課題に対応するためにガード枠の断面の拡大や本数の増加を行った場合、消火剤の放射がさらに阻害されることになってしまうため、当該課題(1)の解決に対する制約ともなっていた。
また、上述の構造では、弁体を支持する弁棒部材は、発泡用ネットに設けられた軸受に接触するようにして挿通されている。このため、火災発生に起因する熱を感知して感熱体が変形あるいは分解し、弁棒部材が軸受に沿ってスライドする場合、弁棒部材と軸受との間に発生する摩擦力により当該弁棒部材が円滑にスライドせず、放出口からの消火剤の放出が一時的に阻害される可能性があった。
また、発泡用ネットの外部を囲むことのできる大型のガード枠が必要であるため、コストが高くなっていた。
まず、各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る閉鎖型消火ヘッドは、火災発生による熱を感知して消火剤を放出させることを目的とするものである。
次に、本発明に係る各実施の形態の具体的内容について説明する。
まず実施の形態1について説明する。この形態は、網体によって囲繞された空間の内部から外部に当該網体を貫通して支持体を延設した基本的な形態である。
まず、閉鎖型消火ヘッドの構成を説明する。図1は、実施の形態1に係る閉鎖型消火ヘッドの外観図であり、図1(a)が閉鎖型消火ヘッドの正面図、図1(b)が閉鎖型消火ヘッドの側面図、図1(c)が閉鎖型消火ヘッドの底面図である。また、図2は図1(b)におけるA−A断面を示した側断面図である。図1及び図2に示すように、閉鎖型消火ヘッド1は、消火ヘッド本体10、ピップキャップ11、スクリーン12、デフレクタ13、感熱体14、及び、フレーム15を備えている。
消火ヘッド本体10は閉鎖型消火ヘッド1の基礎となる部分であり、接続部100、及び、放出口101を備えている。接続部100は、当該閉鎖型消火ヘッド1に対して消火剤が流入する部分であって、図示しない消火剤の供給管に接続されている。接続部100の外周は、例えば、管用テーパねじとして形成され、消火剤の供給管に対してねじ込み接続される。放出口101は、供給管から接続部100に流入した消火剤が放出される開口部である。放出口101の形状は任意であるが、例えば、円形の開口部として形成されている。
ピップキャップ11は、放出口101に圧接されて当該放出口101を閉鎖するためのものであり、特許請求の範囲における弁体に対応している。ピップキャップ11は、放出口101の開口面に直交する第1の方向とピップキャップ11の長軸方向とが略一致する方向に沿って、放出口101に圧接される。ピップキャップ11の構成や形状は任意であるが、例えば、図2に示したように、ピップキャップ本体110、スプリングシール111、及び、掛止部112を備えている。ピップキャップ本体110は略円筒体であり、当該ピップキャップ本体110の一端には放出口101に挿入される略半球状の頂部110aが設けられ、他端には後述する感熱体14が嵌合される凹部である底部110bが設けられている。スプリングシール111は、放出口101の周縁部に圧接され当該放出口101を密閉するものであり、ピップキャップ本体110の外周において頂部110aに隣接する部分に設けられている。掛止部112は、ピップキャップ11が放出口101から離脱した際に後述するデフレクタ13に掛止される鍔体であって、ピップキャップ本体110の外周においてスプリングシール111に隣接して設けられている。
スクリーン12は、放出口101から放出された消火剤を通過させて発泡させるためのものであり、特許請求の範囲における網体に対応している。スクリーン12は略ドーム状に形成され、放出口101及びその近傍を囲繞するように消火ヘッド本体10に固定されている。また、スクリーン12には、ピップキャップ11が挿通される挿通穴120、及び、後述するフレーム15が挿通されるフレーム挿通穴121が設けられている。挿通穴120は、当該挿通穴120の開口面がピップキャップ本体110の長軸方向と略直交するように設けられている。また、挿通穴120の内周とピップキャップ本体110とは、所定の間隔を隔てて配置され、相互に非接触に配置されている。なお、スクリーン12を構成する材料は任意であり、例えば、金属網を用いてもよく、あるいは、エッチング加工を施して微細な穴を多数設けた金属薄板を用いてもよい。
デフレクタ13は、放出口101から放出された消火剤を拡散させるものであり、特許請求の範囲における拡散板に対応している。デフレクタ13は、その中央にピップキャップ11が挿通される挿通穴130を備えた略円板であり、スクリーン12によって囲繞されている空間の内部において、放出口101の開口面に対して略平行に、後述するフレーム15に固定されている。挿通穴130は、当該挿通穴130の開口面がピップキャップ本体110の長軸方向と略直交するように設けられている。また、挿通穴130の内周とピップキャップ本体110とは、所定の間隔を隔てて配置され、相互に非接触に配置されている。さらに、挿通穴130の内径は、ピップキャップ11の掛止部112の外径よりも小さく形成されている。
感熱体14は、火災が発生していない常温の環境下では、ピップキャップ11の底部110bに嵌合されて当該ピップキャップ11を放出口101に向かって支持している。火災発生による熱を感知した場合は、変形あるいは分解することにより、ピップキャップ11を放出口101から離脱させ当該放出口101を開放させる。火災発生による熱に対する感熱体14の感度を向上させるため、感熱体14の少なくとも一部はスクリーン12によって囲繞される空間の外側に位置している。なお、感熱体14の具体的な形状は任意であるが、例えば図1に示すような略円筒状に形成され、一端はピップキャップ本体110の底部110bに嵌合され、他端は後述するフレーム15によって支持されている。また、感熱体14の具体的な構成は任意であるが、例えば、揮発性の液体を封入したガラス容器であるグラスバルブを用いることができる。この場合、グラスバルブに封入されている液体が所定の温度に到達すると、温度に伴って上昇した液体の圧力にグラスバルブが耐え切れずに破裂する。これにより、火災発生による熱を感知することができる。あるいは、所定の温度にて溶解し変形する合金を使用しているヒュージブルリンクを用いてもよい。
フレーム15は、感熱体14を支持して当該感熱体14をピップキャップ11に向かって圧接させるためのものであり、特許請求の範囲における支持体に対応している。フレーム15は、フレーム本体150、及び、インプレスねじ151を備えている。フレーム本体150は、感熱体14を支持している構造であって、消火ヘッド本体10に固定されている。また、インプレスねじ151は、感熱体14の取り付け時に当該感熱体14とピップキャップ11との間隔を調整するとともに、感熱体14に当接して当該感熱体14をピップキャップ11に向かって押圧するものであり、フレーム本体150の下端に形成された孔部に対して上下動自在に螺合されている。
次に、上述の構成を有する閉鎖型消火ヘッド1における作用について説明する。まず、火災が発生していない通常時について説明する。
次に、火災が発生した場合における閉鎖型消火ヘッド1における作用について説明する。図3は、放出口101から消火剤が放出された場合における、閉鎖型消火ヘッドの断面及び消火剤の放射範囲を概略的に示した断面図である。
このように実施の形態1によれば、感熱体14からフレーム15に負荷された力は、フレーム15に対して曲げモーメントとしてではなく引っ張り力として作用する。従って、同等の剛性を有するフレーム15に対して曲げモーメントが作用する場合と比較すると、フレーム15での感熱体14の支持点における変位を著しく低減することができ、容易にスプリングシール111と放出口101との間の密閉を保ち消火剤の漏れを抑制することができる。これにより、フレーム15の構造の小型化やフレーム本数の低減をすることができ、コストを低減することができる。
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、拡散板に消火剤の流路溝を設けた形態である。
まず、閉鎖型消火ヘッドの構成を説明する。図4は本実施の形態2に係る閉鎖型消火ヘッドの底面図であり、図5は図4に示したD部分におけるフレーム本体150及びデフレクタ13を拡大した斜視図である。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
デフレクタ13は、消火剤を導入する流路となる流路溝131を備えている。流路溝131は、図4及び図5に示すように、デフレクタ13とフレーム本体150との交差部において、デフレクタ13の外周から当該交差部に向かって当該デフレクタ13を切り欠いて形成した溝部として形成されている。流路溝131を設ける位置に関しては、デフレクタ13とフレーム本体150との交差部に限られず、図4に示すようにデフレクタ13の外周全体に複数の流路溝131を設けてもよい。なお、流路溝131の具体的な形状は任意であり、例えば、当該流路溝131の内周を、放出口101から消火剤が放出される方向に沿って傾斜させた形状としてもよい。あるいは、デフレクタ13の外周から当該交差部に向かって、当該デフレクタ13を切り欠かずに形成した凹溝として流路溝131を形成しても良い。
次に、火災が発生した場合における閉鎖型消火ヘッド1における作用について説明する。火災発生に伴って放出口101が開放され消火剤が放出されると、放出された消火剤は、ピップキャップ11の頂部110a及びデフレクタ13に当たり、デフレクタ13と平行な面内に均一に分散されスクリーン12に向かって放射される。このとき、図5に示すように、デフレクタ13とフレーム本体150との交差部近傍では、消火剤がフレーム本体150を回り込んで流路溝131に導入され、当該流路溝131からスクリーン12に向かって放射される。
このように実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の基本的効果に加えて、デフレクタ13に流路溝131を設けているので、放出口101から放出された消火剤をフレーム15の後方に容易に回り込ませることができる。これにより、極めて均一な放射分布によって消火剤を放射させることができる。また、流路溝131をデフレクタ13の外周全体に設置し、当該流路溝131の幅や形状を調整することにより、閉鎖型消火ヘッド1の設置位置等に応じて消火剤を所望の領域に放射させることができる。
次に、実施の形態3について説明する。この形態は、デフレクタをスクリーンに固定した形態である。
図6に示すように、本実施の形態3に係る閉鎖型消火ヘッド1は、フレーム本体150と一体化された消火ヘッド本体10、及び、ベースプレート16を備えている。
消火ヘッド本体10は、フレーム本体150と一体に形成され、ベースプレート16に固定されている。ベースプレート16は、消火ヘッド本体10及びスクリーン12が固定される略円板である。ベースプレート16の中央部には接続部挿通穴160が穿設され、当該接続部挿通穴160に消火ヘッド本体10の接続部100が挿通されている。また、ベースプレート16の周縁部に設けられた溝161にスクリーン12の外縁が差し込まれて固定されている。なお、ベースプレート16に対する消火ヘッド本体10の固定方法は任意であり、例えば、図6に示すようにボルト102によって締結してもよい。あるいは、消火ヘッド本体10の外周に嵌合溝を設け、当該嵌合溝にベースプレート16を嵌合させて当該ベースプレート16と消火ヘッド本体10とを固定してもよい。
図6に示すように、デフレクタ13はフレーム15に固定されず、スクリーン12に固定されている。具体的には、デフレクタ13における挿通穴130の周縁とスクリーン12における挿通穴120の周縁とが相互に固定されている。また、デフレクタ13における挿通穴130の内周とピップキャップ本体110とは、所定の間隔を隔てて配置され、相互に非接触に配置されている。同様に、スクリーン12における挿通穴120の内周とピップキャップ本体110とは、所定の間隔を隔てて配置され、相互に非接触に配置されている。
このように実施の形態3によれば、実施の形態1と同様の基本的効果に加えて、フレーム本体150と消火ヘッド本体10とを一体化しているので、閉鎖型消火ヘッド1の構造を簡略化することができ、コストを低減することができる。また、デフレクタ13をフレーム15に固定せずにスクリーン12に固定しているので、フレーム15の形状を簡略化することができ、コストを低減することができる。
次に、実施の形態4について説明する。この形態は、デフレクタがピップキャップに固定されている形態である。
まず、閉鎖型消火ヘッドの構成を説明する。図7は、実施の形態4に係る閉鎖型消火ヘッドの側断面図を示しており、図7(a)は通常時における閉鎖型消火ヘッドの側断面図、図7(b)は消火剤放出時における閉鎖型消火ヘッドの側断面図である。なお、実施の形態4の構成は、特記する場合を除いて実施の形態3の構成と略同一であり、実施の形態3の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態3で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
ベースプレート16は、図7に示すように、消火ヘッド本体10の外周に設けられた嵌合溝103に嵌合され、当該消火ヘッド本体10に固定されている。
デフレクタ13は、ピップキャップ11に固定されている。具体的には、デフレクタ13の中央部に設けられた挿通穴130にピップキャップ11が挿通されており、スプリングシール111に隣接して、デフレクタ13がピップキャップ本体110の長軸方向と直交する方向に固定されている。また、デフレクタ13にはフレーム15が挿通されるフレーム挿通穴132が設けられている。フレーム挿通穴132の内周とフレーム15とは、所定の間隔を隔てて設置され、相互に非接触に配置されている。なお、デフレクタ13とピップキャップ11との固定方法は任意であり、ピップキャップ11の外周に設けられた溝にデフレクタ13を嵌合させることで固定してもよい。あるいは、ピップキャップ11の外周にナットを螺合させて、当該ナットによってデフレクタ13とピップキャップ11とを固定させてもよい。
フレーム本体150は、スクリーン12によって囲繞されている空間の内部において、デフレクタ13を掛止するための掛止部152を備えている。掛止部152は、デフレクタ13に設けられているフレーム挿通穴132が通過不能な鍔体として形成され、デフレクタ13と略平行にフレーム本体150に設置されている。なお、掛止部152の形状は任意であるが、例えば、図7に示すように、掛止部152は略輪体として形成され、当該掛止部152の内周をフレーム本体150に固定されている。
次に、火災が発生した場合における、閉鎖型消火ヘッド1における作用について説明する。図7(b)に示すように、火災発生による熱を感知して感熱体14が分解すると、ピップキャップ11は消火剤に押圧され、ピップキャップ11に固定されているデフレクタ13と共に第1の方向に押し出される。上述のように、デフレクタ13に挿通されているフレーム15は、当該デフレクタ13に対して非接触となるように設置されているため、デフレクタ13は当該フレーム15とは接触せずにスムーズに移動し、フレーム15の掛止部152に当接する位置まで移動すると当該掛止部152によって掛止される。
このように実施の形態4によれば、実施の形態1と同様の基本的効果に加えて、火災発生による熱を感知して感熱体14が分解した場合、デフレクタ13はフレーム15と接触せずに移動するので、ピップキャップ11を放出口101から円滑に離脱させることができ、放出口101から消火剤を迅速に放出させることができる。
次に、実施の形態5について説明する。この形態は、デフレクタがピップキャップに固定され、スクリーンで掛止される形態である。
まず、閉鎖型消火ヘッドの構成を説明する。図8は、実施の形態5に係る閉鎖型消火ヘッドの側断面図を示しており、図8(a)は通常時における閉鎖型消火ヘッドの側断面図、図8(b)は消火剤放出時における閉鎖型消火ヘッドの側断面図である。なお、実施の形態5の構成は、特記する場合を除いて実施の形態4の構成と略同一であり、実施の形態4の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態4で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
ベースプレート16は、図8に示すように、ボルト102によって消火ヘッド本体10と固定されている。
本実施の形態5においては、デフレクタ13は、ピップキャップ11の外周に螺合されたナット113によって当該ピップキャップ11に固定されている。ナット113は、火災発生時にピップキャップ11及びデフレクタ13が第1の方向に移動した場合における、当該デフレクタ13とスクリーン12との当接部も兼ねている。
スクリーン12には、ピップキャップ11が挿通される挿通穴120が設けられている。挿通穴120は、火災発生時にピップキャップ11及びデフレクタ13が第1の方向に移動した場合に、ナット113を掛止するためのものでもある。従って、挿通穴120の内径は、ピップキャップ本体110の外径よりも大きく、且つ、ピップキャップ11とデフレクタ13とを固定しているナット113の外径よりも小さく形成されている。
次に、火災が発生した場合における閉鎖型消火ヘッド1における作用について説明する。図8(b)に示すように、火災発生による熱を感知して感熱体14が分解すると、ピップキャップ11は消火剤に押圧され、ピップキャップ11に固定されているデフレクタ13と共に第1の方向に押し出される。上述のように、スクリーン12における挿通穴120はピップキャップ本体110の外径よりも大きいため、ピップキャップ11はスクリーン12とは接触せずにスムーズに移動する。そして、ナット113がスクリーン12に当接する位置まで移動すると、ピップキャップ11及びデフレクタ13は当該スクリーン12によって掛止される。
このように実施の形態5によれば、実施の形態1と同様の基本的効果に加えて、火災発生時に放出口101から離脱して移動するピップキャップ11及びデフレクタ13をスクリーン12によって掛止するので、掛止部を別途設ける必要がなく、構造を簡略化してコストを低減することができる。
次に、実施の形態6について説明する。この形態は、デフレクタをドーム形状とした形態である。
まず、閉鎖型消火ヘッドの構成を説明する。図9は、実施の形態6に係る閉鎖型消火ヘッドの断面図を示しており、図9(a)は閉鎖型消火ヘッドの側断面図、図9(b)は図9(a)におけるE−E断面を示した側断面図、図9(c)は図9(a)におけるF−F断面を示した断面図である。なお、実施の形態6の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
図9に示すように、デフレクタ13は略ドーム状に形成され、スクリーン12に囲繞されている空間の内部において、放出口101及びその近傍を囲繞するように消火ヘッド本体10に固定されている。デフレクタ13には、放出口101から放出された消火剤が通過する複数の放射穴133、ピップキャップ11が挿通される挿通穴130、及び、フレーム15が挿通されるフレーム挿通穴132が設けられている。放射穴133は、略ドーム状のデフレクタ13の傾斜部において、挿通穴130を中心とした円周上に略等間隔に穿設されている。
次に、火災が発生した場合における閉鎖型消火ヘッド1における作用について説明する。図10は、消火剤放出時における閉鎖型消火ヘッドの側断面図である。図10に示すように、火災発生による熱を感知して感熱体14が分解すると、ピップキャップ11は消火剤に押圧され、第1の方向に押し出され、デフレクタ13によって掛止される。放出口101から放出された消火剤は、デフレクタ13によって囲繞されている空間内に充満し、デフレクタ13の放射穴133から、放射穴133の開口面に略直交する方向に沿ってスクリーン12に向かって放射される。放射穴133は略ドーム状のデフレクタ13の傾斜部に穿設されており、放射穴133の開口面に略直交する方向は第1の方向に対して所定の角度傾斜している。従って、当該放射穴133から放出された消火剤は、第1の方向と略直交する方向に拡散しながら放射される。
このように実施の形態6によれば、実施の形態1と同様の基本的効果に加えて、消火剤を放射穴133の開口面に略直交する方向に沿って放射させることができるので、放射穴133を設ける角度を調整することにより、閉鎖型消火ヘッド1の設置位置等に応じて消火剤を所望の領域に放射させることができる。
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
上記説明した各実施の形態は、任意の組み合わせで相互に組み合わせることができる。例えば、実施の形態4におけるデフレクタ13に、実施の形態2における流路溝131を設けることで、ピップキャップ11に固定され流路溝131を有するデフレクタ13を備えた閉鎖型消火ヘッド1を構成することもできる。
10 消火ヘッド本体
11 ピップキャップ
12 スクリーン
13 デフレクタ
14 感熱体
15 フレーム
16 ベースプレート
100 接続部
101 放出口
102 ボルト
103 嵌合溝
110 ピップキャップ本体
110a 頂部
110b 底部
111 スプリングシール
112 掛止部
113 ナット
120 挿通穴
121 フレーム挿通穴
130 挿通穴
131 流路溝
132 フレーム挿通穴
133 放射穴
150 フレーム本体
151 インプレスねじ
152 掛止部
160 接続部挿通穴
161 溝
Claims (7)
- 消火剤を放出する放出口を有する消火ヘッド本体と、
前記放出口に対して圧接される弁体と、
所定の温度にて変形又は分解するものであって、前記弁体を直接的又は間接的に支持する感熱体と、
前記放出口及びその近傍を囲繞するように設けられた網体と、
前記消火ヘッド本体に固定されると共に、前記網体にて囲繞された空間の内部から外部に当該網体を貫通して延設され、前記感熱体を支持する支持体と、
を備えることを特徴とする閉鎖型消火ヘッド。 - 前記支持体は、前記放出口に隣接した位置において前記消火ヘッド本体に固定されており、当該固定位置から当該放出口の開口面と略直交する方向に沿って延設されていること、
を特徴とする請求項1に記載の閉鎖型消火ヘッド。 - 前記支持体は、前記感熱体の長軸方向に沿って当該感熱体の側方に設置されていること、
を特徴とする請求項1または2に記載の閉鎖型消火ヘッド。 - 前記網体にて囲繞された空間の内部において、前記放出口の開口面に対して略平行に設けられた拡散板を備え、
前記感熱体及び前記支持体は、前記拡散板の外周を当該拡散板に対して直交する方向に投影することで形成される筒状空間の内部に配置されていること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の閉鎖型消火ヘッド。 - 前記拡散板は、当該拡散板と前記支持体との交差部と当該拡散板の外周との間に、前記消火剤の流路溝を備えていること、
を特徴とする請求項4に記載の閉鎖型消火ヘッド。 - 前記弁体が、前記放出口に圧接されている位置から前記網体又は前記支持体に掛止される位置まで前記網体に対して非接触に移動可能なように、当該弁体と当該網体とが所定の間隔を隔てて設置されていること、
を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の閉鎖型消火ヘッド。 - 前記感熱体の少なくとも一部は、前記網体にて囲繞された空間の外部に露出していること、
を特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の閉鎖型消火ヘッド。
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