JP4949196B2 - 双方向クラッチ - Google Patents

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Description

この発明は、入力部材側からの回転力は出力部材側に伝達され、出力部材側からの回転力は入力部材側に伝達されない双方向クラッチに関する。
駆動側である入力側からの双方向の駆動力が従動側である出力側に伝達され、出力側からの回転力は入力側に伝達されない双方向クラッチは既に提案されている。例えば、入力側からの双方向の駆動力が出力側に伝達され、出力側からの外力は入力側に伝達されない双方向クラッチの例として、出力部材となる従動側部材に回転力が与えられると、従動側部材がロックされる機構を有し、そのロックによって従動側部材が回転できなくなり、出力側からの回転力は入力側に伝達されない双方向クラッチ(例えば、特許文献1、2参照)が提案されている。また、双方向クラッチの他の例として、出力部材となる従動側部材に回転力が与えられると、出力部材が空転する構造のものも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−199532公報 特開2007−032634公報 特開平10−037985公報
前掲の特許文献1の発明に係る双方向クラッチは複数のカム部材、クラッチ歯、二つのコイルスプリングなどを組み合わせた構造であるので、比較的複雑であり、組み立て作業に時間を要するなどコストの低減、小型化を十分に行えないという問題点がある。また、前掲の特許文献2の双方向クラッチも入出力側の歯部を互いに噛み合せる構造であるので、小型化が難しいと共に、ローラが入力部材と出力部材とに噛み付く機構を高精度にすることが要求される。さらに、これら特許文献1、2に記載されている双方向クラッチはいずれも、出力部材に力が働くときに噛み付いて空転しない構造であり、出力側を空転させたい場合には使用できないという問題がある。
前掲の特許文献3に記載された双方向クラッチは、出力部材に力が働くときに噛み付かずに出力部材が空転するという点においては問題がないが、入力部材と出力部材との間に形成される双方向の楔形空間を高精度で形成しなければ、出力部材に力が働いたときに出力部材とローラとの間の摩擦力によって食い込み、空転しなくなるという問題がある。また、精度の高い構造としても汚れなどによって空転し難くなり、その過程で異音を発生し、寿命が短くなるという欠点がある。
本発明は、上述のような従来の課題を解決することを目的とし、入力部材に与えられる回転力は出力部材に伝達され、出力部材に与えられる回転力は出力部材が空転することにより入力部材に伝達されない双方向クラッチを提供するものである。本発明の双方向クラッチは、内輪部材に相当する中間部材が2個以上からなり、入力部材の変位によって放射方向に動くことにより、前記出力部材と前記中間部材との間隙を変化させて、前記出力部材と前記中間部材とに前記転がり部材を噛み付かせ、あるいは双方向に自在に動けるようにしているので、精度が高くなくても、あるいは使用により磨耗しても、前記出力部材と前記中間部材とに対する前記転がり部材の噛み付き、あるいは空転が確実に行え、しかも長寿命化を実現できる。
の発明は、入力部材と、出力部材と、これら入力部材と出力部材との間に位置する中間部材と、その中間部材と前記出力部材との間に位置する複数の転がり部材と、これらを収容するハウジング部材とを備え、前記入力部材に働く回転駆動力でその入力部材がその回転中心を基準にして変位することにより前記中間部材を放射外方向に動かし、前記出力部材と前記中間部材との間隙を変化させて、前記出力部材と前記中間部材とに前記転がり部材を噛み付かせて前記入力部材からの回転駆動力を前記出力部材に伝達し、又は噛み付かせないで前記出力部材からの回転力を前記入力部材に伝達しない双方向クラッチであって、前記中間部材は複数個の中間部からなり、前記入力部材は、長軸側と短軸側とを有する断面形状の入力係合部と該入力係合部から延びる入力軸部とから構成され、前記入力係合部は前記複数の中間部の間に挟まれており、前記出力部材は出力軸部と出力円筒状部とから構成されて、前記出力円筒状部は前記中間部材を囲むように位置し、前記複数の中間部を互いに引き付け合う方向の力を与える緊締部材を備え、前記入力部材に前記回転駆動力が働くとき、前記入力部材が変位することにより、前記複数の中間部は前記入力係合部により力を受け、前記緊締部材の力に逆らって互いに離れる方向に動き、これに伴い前記転がり部材は前記中間部と前記出力円筒状部とに噛み合い、前記回転駆動力が前記出力部材に伝達されるものであり、また、前記ハウジング部材と組み合わされるシールド部材と、該シールド部材と平行に位置して前記中間部材の動きを案内し、規制する支承部材と、前記シールド部材と前記支承部材との間に位置する摩擦弾性部材とを備え、その摩擦弾性部材は、前記入力部材の前記回転駆動力が所定値以下のときには前記支承部材が回転するのを阻止することを特徴とする双方向クラッチを提供する。
の発明は、前記第1の発明において、前記出力円筒状部の内周面には前記転がり部材の一部分を収容する楔形凹所が形成されており、前記分割された中間部材の外周面は円弧状面であり、前記入力部材に前記回転駆動力が働くとき、前記転がり部材は前記出力円筒状部の前記楔形凹所の底面と前記中間部材の前記円弧状面とに噛み合うことを特徴とする双方向クラッチを提供する。
の発明は、前記第1の発明又は前記第の発明において、前記中間部材が2個の前記中間部からなる場合は、前記入力係合部は長方形状又は楕円状であり、前記中間部材が3個以上の前記中間部からなる場合は、前記入力係合部は、前記中間部の個数と同じ個数の角を有する多角形状となることを特徴とする双方向クラッチを提供する。
の発明は、前記第の発明において、前記緊締部材はバネであり、前記中間部材は前記バネと係合する係合部を有し、前記支承部材はその主面から延びる複数のピンを備え、これらピンが前記バネを支承し、前記入力部材に前記回転駆動力が働くとき、前記バネの弾性力に逆らって、前記中間部材は前記支承部材のガイド部に沿って互いに離れる方向に動くことを特徴とする双方向クラッチを提供する。
の発明は、前記第の発明において、前記緊締部材は前記中間部材の前記中間部のそれぞれに備えられた極性の異なる磁石部材からなり、その磁石部材の吸引力が前記中間部を互いに引き付け合うことにより、前記入力部材に前記回転駆動力が働かないとき、前記緊締部材の働きによって前記転がり部材は前記中間部材と前記出力円筒状部とに噛み合わず、前記出力部材が空転可能であることを特徴とする双方向クラッチを提供する。
前記第の発明によれば、駆動側である入力部材側から従動側である出力部材側には駆動力が確実に伝達されるが、出力部材側に加えられる回転力は出力部材が空転することによって入力部材側に確実に伝達されない、小型化が可能で経済性に優れた双方向クラッチを提供できる。出力部材と中間部材と転がり部材との精度が高くなくても、前記効果を実現できる具体的な構造を提供できる。また、磨耗などによっても噛み付き機能及び空転機能は影響されず、長寿命化を図ることが可能である。さらに、前記入力部材の前記回転駆動力が所定値以下のときには前記支承部材が回転するのを阻止する摩擦弾性部材を備えているので、前記中間部材の複数の中間部の動作を確実なものとしている。
前記第の発明によれば、前記第の発明が奏する効果に加えて、前述の中間部材又は出力部材の出力円筒状部に形成される楔形凹所の精度が高くなくても、前記第1の発明の効果を実現できる具体的な構造を提供できる。また、楔形凹所の底面の磨耗などによっても噛み付き機能及び空転機能が影響されず、より長寿命化を図ることが可能である。
前記第の発明によれば、前記第1の発明又は前記第の発明が奏する効果に加えて、中間部材を3個又は4個以上に分割することも可能であるので、出力部材に対する転がり部材の噛み付き箇所をより分散できる。したがって、噛み付き機能及び空転機能の優れた出力部材の磨耗を軽減することができ、より一層、寿命を向上させることができる。
前記第の発明によれば、前記第の発明が奏する効果に加えて、前記緊締部材がバネであり、そのバネは中間部材と支承部材とを機械的に結合する働きを行うので、組み立て時に中間部材と支承部材とがバラバラになることがなく、組み立てが容易となる。
前記第の発明によれば、前記第の発明又は第の発明が奏する効果に加えて、前記緊締部材が磁石であるので、予めそれぞれの中間部に磁石を組み込んでおくことができ、組み立て時に中間部と支承部材とがバラバラになることがないので、組み立てが容易となる。また、磁石の吸引力によって出力部材の空転時の応答性が良好である。
[実施形態1]
本発明に係る実施形態1の双方向クラッチ100について、図1〜図10により説明する。図1はこの双方向クラッチ100の具体的な構造を示す図であり、図1(A)は図1(B)の破断線X−X’での断面(斜線は省略)を示し、図1(B)は図1(A)の破断線Y−Y’での断面(斜線は一部分省略)を示している。この実施形態1の双方向クラッチ100は、図1に示すように、主に入力部材1、出力部材3、二つに分割されていて内輪として働く中間部材5、ローラ又はボールのような転がり部材7、2分割されている中間部材5に引き付け合う力を与える緊締部材9、緊締部材9を支承し、中間部材5の動きをガイドすると共に規制する支承部材11、ハウジング部材13、シールド部材15、及び弾性摩擦部材17などからなる。また、入力部材1と出力部材3の回転をスムーズなものにするために、必要に応じて軸受部材19と21を備える。全体の具体的な構造、組み立て及び動作については後で説明するものとし、先ず個々の部材について説明する。
図2により入力部材1を説明する。図2(A)は入力部材1の側面を示し、図2(B)はそれを左側から見た図、図2(C)は右側から見た図である。入力部材1は図示しないモータなどから回転駆動力を付与されるものであり、中間部材5と組み合わされる入力係合部1Aは丸棒の両側を軸線Zに沿って削除した相互に平行となる面a、bを有する。そして、入力係合部1Aは平行な面a、b間の長さを短軸側e、円弧状の面c、d間の最大径となる長さを長軸側fとする形状を有する。なお、入力係合部1Aは楕円形状のもの、長方形の角を丸めた長方形状のものなどであってもよい。入力係合部1Aから丸棒部分1Bを通して延びる入力軸部1Cは、組み立てたときに双方向クラッチ100の外側に延びて図示しないモータの軸などに結合するためのものである。丸棒部分1Bは入力係合部1Aの長軸側fの寸法よりも径が小さい丸棒であり、入力軸部1Cはモータの軸などとの機械的な結合を強固なものとするために、図2(C)に示すように、入力部材1の回転中心となる軸線Zに沿って丸棒の一部分が入力係合部1Aと同様に軸線Zに沿って削除された形状になっている。
次に、図3、図4によって出力部材3を説明する。出力部材3は出力軸部3Aと出力円筒状部3Bとからなる。図3は出力部材3の出力軸部3Aを示し、図4は外輪として働く出力円筒状部3Bを示す。図3(A)は出力軸部3Aの側面を示し、図3(B)はそれを左側から見た図、図3(C)は出力軸部3Aを右側から見た図である。図4(A)は出力円筒状部3Bの断面を示し、図4(B)は出力円筒状部3Bを左側から見た図、図4(C)はそれを右側から見た図である。出力軸部3Aは、入力部材1の入力係合部1Aと同様に入力部材1の軸線Zに沿って部分的に切除され相互に平行な面h、iを有する部分3A1、丸棒部分3A2、部分3A1と同様に入力部材1の軸線Zに沿って部分的に切除された部分3A3からなる。
出力円筒状部3Bは、外輪として働く円筒状部分3B1と、円筒状部分3B1よりも外径が小さく、出力軸部3Aの部分3A1が圧入される圧入孔Hを備える嵌合部分3B2とからなる。円筒状部分3B1の内面は円筒面になっており、外側面も円筒状面で示されているが、外側面は多角形状などであってもよい。嵌合部分3B2の圧入孔Hは、出力軸部3Aの部分3A1が圧入されるのに適した形状となっている。なお、出力軸部3Aの部分3A3は、図示しない負荷側の機器などが結合される。図1(B)に示すように、組み立てた状態では、出力軸部3Aは入力部材1と同軸関係にあるが、勿論、入力部材1と出力部材3とは別々に動作できるように、それらの間には間隙がある。
図5により中間部材5の構造について説明する。図5(A)は中間部材5の側面を示し、図5(B)はそれを左側から見た図、図5(C)はそれを右側から見た図である。中間部材5は内輪及び後述する転がり部材7を保持するリテーナとして働くものであって、実施形態1では二つの等しい中間部5A、5Bからなる。本発明の中間部材5が従来の内輪部材などと異なる大きな点は、入力部材1と機械的に係合しているが、入力部材1に一体的に固定されている構造でないところにある。組み立てられたときに、中間部5A、5Bは入力部材1の入力係合部1Aの短軸側eを両側から挟みこむ中央凹所5A1、5B1をそれぞれ有する。中間部5A、5Bの外周部には転がり部材7の一部分を収容する楔形凹所5A2、5B2を1個以上それぞれ備える。楔形凹所5A2、5B2の深さは転がり部材7の直径よりも当然に浅く、楔形凹所5A2、5B2のそれぞれの底面wは中央から回転方向の両側に向けて浅くなるように傾斜又は湾曲しているか、あるいは平坦である。
楔形凹所5A2、5B2は、転がり部材7がローラであるときにはローラの長さにほぼ等しい奥行きを有し、転がり部材7がボールであるときにはボールの直径にほぼ等しい奥行きを有するのが好ましい。また、楔形凹所5A2、5B2は一端側が開いて、他端側が閉止部分5A3、5B3によって閉じられている。つまり、楔形凹所5A2、5B2は中間部5A、5Bの閉止部分5A3、5B3を延びてはおらず、閉止部分5A3、5B3の外側面は円弧状になっている。ここで、楔形凹所5A2、5B2の内部の回転方向の幅は、部分的に転がり部材7の直径よりも幾分でも大きければよい。ただし、楔形凹所5A2、5B2の入り口が転がり部材7の直径よりも若干小さい場合には、転がり部材7を各楔形凹所5A2、5B2に組み込んだ後で容易には脱落しないので、組み立て工程上で都合が良い。また、中間部材5の二つの中間部5A、5Bは、後述する緊締部材9として用いられるコの字状の板バネと係合する係合部5A4、5B4となる凹所をそれぞれ両側に有する。なお、転がり部材7は通常のものでよいので、特に説明をしないが、転がり部材7の楔形凹所5A2、5B2の装着は組み立て上から都合の良い時点で行われる。なお、転がり部材7は一部分のものだけを示している。
図6により緊締部材9の構造について説明する。図6(A)は緊締部材9の側面図、図6(B)は正面図、図6(C)は中間部材5の二つの中間部5A、5Bに係合された状態の形状をそれぞれ示している。この実施形態1に係る双方向クラッチ100の緊締部材9は、図6(A)に示すように、略コの字状の板バネであり、以下、実施形態1ではコの字状板バネ9と称する。コの字状板バネ9は弾性に富む金属板をプレスなどによってコの字状に折り曲げたものであり、部分9A、9B、9Cからなる。部分9Aと部分9Cは部分9Bに対してほぼ直角ないしは鋭角になるように折り曲げられており、好ましいバネ力を得るために外力がかからない状態では、幾分鋭角になっているのが好ましい。部分9Aと部分9Cが中間部材5の二つの中間部5A、5Bそれぞれの係合部5A4、5B4に係合する。この状態では、部分9Aと部分9Cは図6(C)に示すように、部分9Bに対してほぼ直角になる。また、部分9Bは、図7に示す支承部材11に装着するのに適した浅い凹部9B1を中央に有する形状になっている。
次に、図7により支承部材11の構造について説明する。図7(A)は支承部材11の正面図、図7(B)はその一部分を断面で示す側面図、図7(C)はその裏面図を示している。図1(B)に示したように、支承部材11はハウジング部材13内に収納できる大きさの円板状部11A、入力部材1の丸棒部分1Bが挿通する中央穴11Bを挟んで向き合う形で形成されたガイド部11Cと11D、ガイド部11Cと11Dから垂直方向に延びるように形成された3本のピン11C1、11C2、11C3、及び11D1、11D2、11D3をそれぞれ備える。ピン11C1〜11C3の内の中央に位置するピン11C2はピン11C1、11C2に対して位置がずれており、コの字状板バネの9を両面側から挟み込めるようになっている。ピン11D1、11D2、11D3も同様である。ガイド部11Cと11Dは、中間部5Aと5Bの動きをガイドする働きと、中間部5Aと5Bが支承部材11に対して回転しないように中間部5Aと5Bを規制する働きを行う。ガイド部11Cと11Dは互いに平行となるガイド辺11C4、11D4を有する。なお、円板状部11Aの外周部にはハウジング部材13の段差部13Eに当接して適度の摩擦トルクを得るための円環状の肉厚部11Eが形成されている。円環状の肉厚部11Eはハウジング部材13の段差部13Eに円状に線接触するように、段差部13Eに対して円弧状になっており、一様な滑りを行う。
次に、これら中間部材5、緊締部材9及び支承部材11の組み立て構造を図8により説明する。図8(A)は緊締部材9の組み込み前、図8(B)は緊締部材9の組み込み後の状態をそれぞれ示している。先ず、中間部材5の中間部5Aと中間部5Bとを支承部材11のガイド部11Cと11Dのガイド辺11C4、11D4間に挿入する。このとき、中間部5Aと中間部5Bとはガイド辺11C4、11D4に接触しているが、円板状部11Aの上面及びガイド辺11C4、11D4に案内されて、図8の上下方向に動ける構造になっている。図8には入力部材1が図示されていないが、入力部材1は支承部材11の中央穴11Bを挿通する。つまり、図2に示した入力部材1の入力係合部1Aは紙面の手前にあって中間部5Aと5Bとの間に挟まれた状態になり、入力部材1の丸棒部分1Bが支承部材11の中央穴11Bを紙面の裏側方向に延び、入力部材1の入力軸部1Cは紙面の裏側方向に位置することになる。
この状態で、図8(B)に示すように、一方のコの字状板バネ9の部分9Bを支承部材11のガイド部11Cに形成された3本のピン11C1〜11C3で挟んで係止させる。同様にして、他方のコの字状板バネ9を両面側から支承部材11のガイド部11Dに形成された3本のピン11D1〜11D3で挟んで係止させる。このとき、図6に示したそれぞれのコの字状板バネ9の部分9Aは、図5の一方の中間部5Aの係合部5A4に係止され、同様に、それぞれのコの字状板バネ9の部分9Cは他方の中間部5Bの係合部5B4に係止される。
この状態では、一対のコの字状板バネ9の部分9Aと9Cとが図6(A)の状態から図6(C)に示したように部分9Bに対してほぼ直角に近い状態になり、一対のコの字状板バネ9の部分9Aと9Cとが中間部5Aと5Bとに対して互いに緊締、つまり挟んで互いに引き付ける弾性力を与える。この状態では、図5の中間部材5の中間部5Aと5Bの中央凹所5A1、5B1で、入力部材1の入力係合部1Aが中間部5Aと5Bとに挟まれた形で当接する。
図9により、ハウジング部材13とシールド部材15の構造について説明する。ハウジング部材13は、図3に示した出力軸部3Aの部分3A1が圧入される短円筒状の小径部13A、出力軸部3Aの部分3A1の圧入時にその位置を規制するストッパ部13B、出力部材3の出力円筒状部3Bを収容する部分となる中径部13C、支承部材11の円板状部11A及び図1(B)に示した弾性摩擦部材17を収容する部分となる短円筒状の大径部13D、中径部13Cと大径部13Dとの間に形成される段差部13E、大径部13Dの端部から放射外方向に延びる取付け用円板部13Fからなる。取付け用円板部13Fは、図示しない機器などにボルトなどの取付け金具で双方向クラッチ100を取り付ける取付け孔13G備える。図9では1個の取付け孔13Gを示しているだけであるが、ほぼ等間隔で2個以上、好ましくは3個以上備えられる。
シールド部材15は、図9に示すように、取付け用円板部13Fの取付け孔13Gに合致する位置に取付け孔15Aを有するシールド円板状部15B、図1(B)に示した軸受部材19が圧入される短円筒面15Cにより形成される挿通孔15Dを備える。シールド部材15は、入力部材1、出力部材3、中間部材5、転がり部材7、緊締部材9、支承部材11、弾性摩擦部材17などを図9の矢印方向からハウジング部材13に組み込んだ後に、ハウジング部材13の取付け用円板部13Fに固定される。なお、シールド部材15の内面となる面は弾性摩擦部材17との間の摩擦抵抗ができるだけ小さくなるように、滑り易い面となっているのが望ましい。
弾性摩擦部材17は弾力性及び耐摩耗性に優れた金属材料又は合成樹脂材料からなる円形状のウエーブバネ、あるいは皿バネなど、一般的に使用されるものでよいので、図を用いて詳しく述べることはしない。弾性摩擦部材17はシールド部材15をハウジング部材13の取付け用円板部13Fに固定するときに、支承部材11の円板状部11Aの裏面とシールド部材15との間に備えられる。そして、シールド部材15が弾性摩擦部材17を通して軸線Zの方向の所定の加圧力を支承部材11の円板状部11Aに与えるように、取付け用円板部13Fに固定される。したがって、支承部材11の円板状部11Aの裏面と弾性摩擦部材17との間には所定の摩擦抵抗が生じており、この摩擦抵抗は、入力部材1に加わる回転駆動力が所定の大きさを越えない期間では支承部材11が回転するのを防ぐ働きを行う。また、前述したように、支承部材11の円環状の肉厚部11Eとハウジング部材13との間でも摩擦抵抗は生じている。弾性摩擦部材17の更に詳しい働きについては動作説明の中で説明する。
なお、以上述べた実施形態1では、弾性摩擦部材17を支承部材11の円板状部11Aとシールド部材15との間に備え、かつ支承部材11の円環状の肉厚部11Eをハウジング部材13に当接させることによって、入力部材1の回転駆動力が所定値を越えるまで、弾性摩擦部材17と支承部材11との摩擦抵抗、及び支承部材11とハウジング部材13との摩擦抵抗が支承部材11の回転を防いで中間部材5が回転しないようにしたが、いずれか一方だけでもよい。支承部材11とハウジング部材13との摩擦抵抗だけを利用する場合には、少なくとも円板状部11Aの円環状の肉厚部11Eを所定の摩擦抵抗を付与すると共に耐摩耗性に優れるなど摺動特性に優れた材料から構成するのが好ましい。この変形例では、より経済的で薄型の双方向クラッチを提供することが可能である。
次に、図1ないし図9に加えて、動作説明のための図10も用いて双方向クラッチ100の動作説明を行う。図10(A)は初期状態及び出力部材3の空転状態を示す図、図10(B)は入力部材1から出力部材3に回転動力が伝達される状態を示す図、図10(C)は回転動力の伝達状態から空転状態に復帰する状態を説明する図である。なお、実際には入力部材1の入力係合部1Aの回転方向に対する位置は必ずしも水平ではなく任意となる。
入力部材1に回転駆動力が加えられていない状態では、図10(A)に示すように、図2に示した入力部材1の入力係合部1Aは変位せず、入力部材1の入力係合部1Aに当接している中間部材5の中間部5A、5Bに力が加わらない。したがって、中間部5A、5Bは全く動かないから、転がり部材7が出力部材3の出力円筒状部3Bの内面に接触することはない。この状態では、仮に出力部材3にいずれかの方向の回転力が加わったとしても、出力部材3の出力円筒状部3Bは回転するが、転がり部材7は出力円筒状部3Bの回転によって楔形凹所5A2、5B2内で変位することがないので、中間部材5の中間部5A、5Bと出力円筒状部3Bとの間で噛み合うことはなく、したがって、出力円筒状部3Bは空転し、出力部材3にかけられる前記回転力が入力部材1に伝達されることはない。
他方、時計方向の回転駆動力が入力部材1に働くと、図10(B)に示すように、先ず入力部材1の入力係合部1Aは、入力部材の回転中心を基準にして時計方向に変位する。入力部材1の入力係合部1Aは、図2で説明したように短軸側eと長軸側fとを有するから、図10(B)の矢印で示すように、入力係合部1Aが回転中心の軸線Zを基準に時計方向に変位するのに従って中間部5Aを押し上げると同時に、中間部5Bを押し下げる。これに伴い、中間部5A、中間部5Bは、図7に示した支承部材11のガイド部11C、11Dに案内されて紙面の上下方向に動き、各転がり部材7は出力部材3の出力円筒部3Bの内面に押し付けられる。転がり部材7と出力円筒部3Bの内面との摩擦によって、各転がり部材7はそれぞれの楔形凹所5A2、5B2内で変位し、出力円筒部3Bの内面とそれぞれの楔形凹所5A2、5B2の底面w(図5)との間に噛み付く。
これに伴い、入力部材1の時計方向の回転運動と一緒に中間部材5、転がり部材7及び出力部材3が時計方向に回転し、入力部材1にかけられた回転駆動力は出力部材3に伝達される。このとき、支承部材11及びそれに支承されている緊締部材であるコの字状バネ9も当然に一緒に回転する。この状態では、図6に示したコの字状バネ9の部分9A、9Cは押し広げられているので、中間部材5の中間部5A、5Bにそれらを互いに引き付ける方向の力を与えている。また、軸受部材19、21はそれぞれ入力部材1、出力部材3の回転を容易にしている。
そして、前述したようにコの字状バネ9の部分9A、9Cが中間部5A、5Bにそれらを互いに引き付ける方向の力を与えているので、入力部材1にかけられていた回転駆動力が除去され、入力部材1がフリーになると、図10(C)の矢印で示すように、コの字状バネ9の力によって中間部5A、5Bは支承部材11のガイド部11C、11D(図7)に案内されて相互に近づき、入力部材1の入力係合部1Aの短軸側eの平らな面a、b(図2)に当接する。これに伴い、各転がり部材7は出力円筒部3Bの内面から離れ、図10(A)に示した出力部材3の空転可能な状態となる。なお、反時計方向の回転駆動力が入力部材1に働く場合も全く同様であるので、説明を省略する。
双方向クラッチ100の動作における弾性摩擦部材17の働きについて説明すると、前述したように、支承部材11の円板状部11Aの裏面と弾性摩擦部材17との間には所定の摩擦抵抗が生じているから、入力部材1に加わる回転駆動力がその摩擦抵抗による摩擦力を越えない期間では支承部材11が回転しない。このことは大切であり、もし支承部材11がほとんど抵抗なく回転しやすい状態にあるときには、入力部材1に回転駆動力が加わると同時に支承部材11が回転し、当然に中間部5A、5Bは紙面上下方向に動くことなく回転してしまうので、各転がり部材7は噛み付きを行わず、入力部材1の回転駆動力は出力部材3に伝達されない。
したがって、支承部材11の裏面と弾性摩擦部材17との間に適度な摩擦力を生じることによって、回転駆動力がその摩擦力を超えるまで支承部材11は回転せず、この期間で図10(B)のように、入力部材1が変位し、中間部材5の中間部5Aと中間部5Bとの間を押し広げ、各転がり部材7を出力部材3の出力円筒部3Bの内面に押し付けることができる。そして、入力部材1の回転駆動力が支承部材11の裏面と弾性摩擦部材17による前記摩擦力を超えると、前述したように支承部材11は入力部材1などと一緒に回転する。このとき前述したように、シールド部材15の面が滑り易くなっていれば、入力部材1とほぼ一緒に弾性摩擦部材17も回転し、双方向クラッチ100の摩擦を小さくできる。なお、弾性摩擦部材17を省き、支承部材11の円環状の肉厚部11E(図7)とハウジング部材13との摩擦力を利用する場合には、入力部材1の回転駆動力が支承部材11の肉厚部11Eとハウジング部材13とによる前記摩擦力を超えると、前述したように支承部材11は入力部材1などと一緒に回転する。
ここで、各転がり部材7の一部分は中間部材5の楔形凹所5A2、5B2から当然に突出しているが、その突出している頂点を結んでなる仮想円の直径は出力部材3の出力円筒部3Bの内径とほぼ等しくなるようになっている。この双方向クラッチ100では緊締部材9としてコの字状バネを用いたが、双方向クラッチ100の変形例として、一般的な不図示のOリング、あるいは環状のスプリングなどを緊締部材9として用いても良い。この場合には、図示しないが、中間部5A、5Bの側面(紙面表裏側)に円環状の溝である係合部を形成し、その溝にOリング又は円環状のスプリングを配置し、Oリング又は円環状のスプリングにより中間部5A、5Bを相互に引き付ける力を与える。また、少し大型化するが、中間部5A、5Bの側面(紙面表裏側)に円筒状の突出部のような係合部を設け、その突出部をOリング又は円環状のスプリングで締め付けるようにしてもよい。なお、この変形例でも中間部5Aと5Bが自在に回転しないように中間部5Aと5Bの動きを規制する必要がある。
[実施形態2]
図11により実施形態2に係る双方向クラッチ200について説明する。図11において、図1ないし図10で用いた記号と同一の記号は同じ名称の部材を示すものとする。図11(A)は双方向クラッチ200の内部を説明するための図であり、図10(B)は入力部材など一部分の部材を拡大した図を示す。双方向クラッチ200は前述の双方向クラッチ100と基本的には同じであるが、主な違いは中間部材5が等しく4分割された中間部5A、5B、5C、5Dからなり、これに伴って、双方向クラッチ100の入力部材1の入力係合部1Aに相当する入力部材1の部分が、図11(B)に示すように、二つの短軸側e1とe2、二つの長軸側f1とf2を有する形状である点、及び図7に示した支承部材11が中央穴11Bを中心にして4方向に等間隔で4個のガイド部11C、11D、11G、11H(図11)を備える点などが異なる。
ガイド部11Cには、双方向クラッチ100と同様に3本のピン11C1、11C2、11C3が形成されている。他のガイド部11D、11G、11Hについても同様であるが、ピンを示す記号を省略している。ガイド部11C〜11Hは所定の高さを有し、ガイド部11Cと11Dとで中間部材5の中間部5Aの動きを案内し、規制する。また、同様にガイド部11Dと11Gとで中間部5Bを、ガイド部11Gと11Hとで中間部5Cを、ガイド部11Hと11Cとで中間部5Dの動きをそれぞれ案内し、規制する。
緊締部材9としては板バネ(以下、この実施形態2では板バネ9という。)を用いている。この板バネ9は図6に示したコの字状板バネの部分9Aと9Cが存在しない平板状のものであり、その中央部分が3本のピンで支承されている。例えば、ガイド部11Cの場合にはピン11C1、11C2、11C3で板バネ9を支承している。板バネ9の両端部は、隣り合う中間部材5の中間部に係止されている。例えば、中間部材5の中間部5B、5Cの場合には、板バネ9の一端が中間部5Bの係合部5B4に延び、他端が中間部5Cの係合部5C4に延びる。
入力部材1に回転駆動力が加わっていない状態、つまり入力部材がフリーのときには、図11(B)に示すように、入力部材1の入力係合部1Aの短軸側e1、e2の4面が中間部5A〜5Dそれぞれの内側面5a、5b、5c、5dに接するように、それぞれの板バネ9が中間部5A〜5Dを入力部材1の入力係合部1A側に押す力を与えている。この状態では、中間部5A〜5Dは放射外方向に押し出されないので、それぞれの転がり部材7は出力部材3の出力円筒部3Bに当接せず、出力部材3は空転可能な状態にある。
入力部材1に回転駆動力が働くと、入力部材1の入力係合部1Aがその回転中心を基準にして変位し、その長軸側f1、f2の四つの円弧状の面が中間部5A〜5Dを放射外方向に押して変位させ、それぞれの転がり部材7を出力部材3の出力円筒部3Bの内面に押し付ける。この状態では、それぞれの板バネ9はその両端部が中間部5A〜5Dにより放射外方向に押されて湾曲しているので、中間部5A〜5Dを入力係合部1Aの方向に戻す力を中間部5A〜5Dに与えている。
噛み付き動作及び空転状態への復帰などは実施形態1とほぼ同じであるので説明を省略する。この双方向クラッチ200の場合は、入力部材1にいずれの方向の回転駆動力がかかっても、中間部材5の部分5A〜5Dそれぞれの転がり部材7にほぼ等しい力が加わるので、噛み付き動作が正確であり、出力部材3の出力円筒部3Bの内面の磨耗が偏らないので寿命を向上させることができる。なお、中間部材5を当分に3分割したものも有効である。この場合には、入力部材1の入力係合部1Aは正3角形のそれぞれの角を丸めた形状のものが用いられる。つまり、入力部材1の入力係合部1Aは前記中間部材の分割個数、つまり中間部の個数に対応した多角形状に応じた形状を有する。
[実施形態3]
次に、図12により実施形態3に係る双方向クラッチ300について説明する。双方向クラッチ300は緊締部材9として磁石部材を用いていることが特徴である。図12において、図1ないし図11で用いた記号と同一の記号は同じ名称の部材を示すものとする。緊締部材9が磁石部材であること、支承部材11のガイド部11C、11Dがピンを有していないことなどを除いて、図1に示した双方向クラッチ100とほぼ同じであるので、異なる部分についてのみ説明する。
中間部部材5を構成する二つの中間部5A、5Bが互いに対向する面側にそれぞれ磁石部材9A、9B、9C、9Dが埋め込まれている。磁石部材9Aと9Cは互いに異極性であり、磁石部材9Bと9Dも互いに異極性である。したがって、磁石部材9Aと9C、及び磁石部材9Bと9Dの吸引力によって、常に中間部5A、5Bは常に引き合う力を受けているので、回転駆動力が入力部材1から除去されると、図10(C)の矢印で示すような力が働き、入力部材1の入力係合部1A及び中間部5A、5Bは図10(A)に示すような状態に戻る。
支承部材11の円板状部11Aは前記実施形態と同様なものであるが、緊締部材9を支承するピンをガイド部11Cと11Dに備える必要がないので、ガイド部11Cと11Dとの間の距離をできるだけとり、なるべく大きな磁石部材9A、9B、9C、9Dを設けることができるように、中間部5Aと5Bそれぞれの幅を大きくしている。ガイド部11Cと11Dの働きは前記実施形態と同様であるので、説明を省略する。入力部材1及び中間部材5の動作も前述とほぼ同様であるので、説明を省略する。この双方向クラッチ300では、予め磁石部材9を組み込んだ中間部5A、5Bを造っておくことによって、組み立てが容易な双方向クラッチを提供できる。また、緊締部材として機械的なバネを使用していないので、信頼性の向上を期待できる。
[実施形態4]
次に、図13により実施形態4に係る双方向クラッチ400について説明する。双方向クラッチ400は中間部材5の中間部5A、5Bに楔形凹所を設けずに、出力部材3の出力円筒状部3Bに複数の楔形凹所3Cを設けたことが特徴である。図13において、図1ないし図12で用いた記号と同一の記号は同じ名称の部材を示すものとする。中間部材5の中間部5A、5Bに楔形凹所を設けずに、出力部材3の出力円筒状部3Bに複数の楔形凹所3Cを設けたことなどを除いて、図1に示した双方向クラッチ100とほぼ同じであるので、異なる部分についてのみ説明する。
出力部材3の出力円筒状部3Bは実施形態1〜3の場合よりも肉厚になっており、楔形凹所3Cを形成するのに適した厚みを有している。入力部材1に回転駆動力がかけられていないときには、前述したように、入力係合部1Aは変位しておらず、この状態では楔形凹所3Cに配置された各転がり部材7が自在に回転できる程度に、中間部5A、5Bと出力円筒状部3Bとの間隙は広くなっている。したがって、出力部材3に外力が加わっても、出力側の外力は入力部材1に伝達されない。入力部材1に回転駆動力がかけられると、前述した構造の入力係合部1Aがその回転中心となる軸線Zを基準にして変位し、中間部5A、5Bを放射外方向に動かすので、中間部5A、5Bと出力円筒状部3Bとの間隙は狭くなり、中間部5A、5Bの円弧状外面が転がり部材7に押し付けられる。したがって、各転がり部材7は中間部5A、5Bの円弧状外面と楔形凹所3Cの底面との間で噛み付き、これに伴い入力部材1の回転駆動力は出力部材3に伝達される。このように、楔形凹所を出力円筒状部3Bに設けた双方向クラッチ400も、中間部材5に楔形凹所を備えた双方向クラッチと同様な機能を有する。
なお、実施形態1ではコの字状の板バネ、あるいは板バネを緊締部材9として用いたが、スプリングによって中間部同士を結合して弾性力を与えるようにしても勿論よい。また、入力部材1の入力軸部1C及び出力部材3の出力軸部3Aの構造は前述した構造に制限されることなく、通常用いられる取付け構造に適した任意の構造であってもよい。入力係合部1Aは知られているカム構造のものでもよく、中間部材5のすべての中間部に対して放射外方向の力をほぼ均等に与える構造であればよい。
本発明の実施形態1に係る双方向クラッチ100を説明するための図である。 双方向クラッチ100の入力部材1を示す図である。 双方向クラッチ100の出力部材3の出力軸部3Aを示す図である。 双方向クラッチ100の出力部材3の出力円筒状部3Bを示す図である。 双方向クラッチ100の中間部材5を説明するための図である。 双方向クラッチ100の緊締部材9の一例であるコの字状板バネを示す図面である。 双方向クラッチ100の支承部材11を説明するための図である。 双方向クラッチ100の一部分の組み立てを説明するための図である。 双方向クラッチ100のハウジング部材13とシールド部材15を示す図である。 双方向クラッチ100の動作説明を行うための図である。 本発明の実施形態2に係る双方向クラッチ200を説明するための図である。 本発明の実施形態3に係る双方向クラッチ300を説明するための図である。 本発明の実施形態4に係る双方向クラッチ400を説明するための図である。
符号の説明
1・・・入力部材
1A・・・入力係合部
1B・・・丸棒部分
1C・・・入力軸部
e・・・入力係合部1Aの短軸側
f・・・入力係合部1Aの長軸側
a、b・・短軸側eの面
c、d・・・長軸側fの円弧状面
Z・・・入力部材1の回転中心となる軸線
3・・・出力部材
3A・・・出力軸部
3B・・・出力円筒状部
3B1・・・円筒状部分
3B2・・・嵌合部分
H・・・圧入孔
3C・・・出力円筒状部3Bの楔形凹所
5・・・中間部材
5A、5B、5C、5D・・・中間部
5A1、5B1・・・中間部の中央凹所
5A2、5B2・・・中間部の楔形凹所
5A3、5B3・・・閉止部分
5A4、5B4・・・係合部
7・・・転がり部材
9・・・緊締部材(バネ、磁石部材など)
9A〜9C・・・緊締部材としてのコの字状バネを形成する部分
11・・・支承部材
11A・・・円板状部
11B・・・中央穴
11C・・・ガイド部
11C1〜11C3・・・ピン
11D・・・ガイド部
11D1〜11D3・・・ピン
11E・・・円板状部11Aの円環状の肉厚部
13・・・ハウジング部材
13A・・・小径部
13B・・・ストッパ部
13C・・・中径部
13D・・・大径部
13E・・・段差部
13F・・・取付け用円板部
13G・・・取付け用孔
15・・・シールド部材
15A・・・取付け孔
15B・・・シールド円板状部
15C・・・短円筒面
15D・・・挿通孔
17・・・弾性摩擦部材
19・・・軸受部材
21・・・軸受部材

Claims (5)

  1. 入力部材と、出力部材と、これら入力部材と出力部材との間に位置する中間部材と、該中間部材と前記出力部材との間に位置する複数の転がり部材と、これらを収容するハウジング部材とを備え、前記入力部材に働く回転駆動力で該入力部材がその回転中心を基準にして変位することにより前記中間部材を放射外方向に動かし、前記出力部材と前記中間部材との間隙を変化させて、前記出力部材と前記中間部材とに前記転がり部材を噛み付かせて前記入力部材からの回転駆動力を前記出力部材に伝達し、又は噛み付かせないで前記出力部材からの回転力を前記入力部材に伝達しない双方向クラッチであって、
    前記中間部材は複数個の中間部からなり、
    前記入力部材は、長軸側と短軸側とを有する断面形状の入力係合部と該入力係合部から延びる入力軸部とから構成され、
    前記入力係合部は前記複数の中間部の間に挟まれており、
    前記出力部材は出力軸部と出力円筒状部とから構成されて、前記出力円筒状部は前記中間部材を囲むように位置し、
    前記複数の中間部を互いに引き付け合う方向の力を与える緊締部材を備え、
    前記入力部材に前記回転駆動力が働くとき、前記入力部材が変位することにより、前記複数の中間部は前記入力係合部により力を受け、前記緊締部材の力に逆らって互いに離れる方向に動き、これに伴い前記転がり部材は前記中間部と前記出力円筒状部とに噛み合い、前記回転駆動力が前記出力部材に伝達されるものであり、
    また、前記ハウジング部材と組み合わされるシールド部材と、該シールド部材と平行に位置して前記中間部材の動きを案内し、規制する支承部材と、前記シールド部材と前記支承部材との間に位置する摩擦弾性部材とを備え、
    該摩擦弾性部材は、前記入力部材の前記回転駆動力が所定値以下のときには前記支承部材が回転するのを阻止することを特徴とする双方向クラッチ。
  2. 請求項1において、
    前記出力円筒状部の内周面には前記転がり部材の一部分を収容する楔形凹所が形成されており、
    前記分割された中間部材の外周面は円弧状面であり、
    前記入力部材に前記回転駆動力が働くとき、前記転がり部材は前記出力円筒状部の前記楔形凹所の底面と前記中間部材の前記円弧状面とに噛み合うことを特徴とする双方向クラッチ。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記中間部材が2個の前記中間部からなる場合は、前記入力係合部は長方形状又は楕円状であり、前記中間部材が3個以上の前記中間部からなる場合は、前記入力係合部は、前記中間部の個数と同じ個数の角を有する多角形状となることを特徴とする双方向クラッチ。
  4. 請求項1において、
    前記緊締部材はバネであり、
    前記中間部材は前記バネと係合する係合部を有し、
    前記支承部材はその主面から延びる複数のピンを備え、これらピンが前記バネを支承し、
    前記入力部材に前記回転駆動力が働くとき、前記バネの弾性力に逆らって、前記中間部材は前記支承部材のガイド部に沿って互いに離れる方向に動くことを特徴とする双方向クラッチ。
  5. 請求項1において、
    前記緊締部材は前記中間部材の前記中間部のそれぞれに備えられた極性の異なる磁石部材からなり、該磁石部材の吸引力が前記中間部を互いに引き付け合うことにより、前記入力部材に前記回転駆動力が働かないとき、前記緊締部材の働きによって前記転がり部材は前記中間部材と前記出力円筒状部とに噛み合わず、前記出力部材が空転可能であることを特徴とする双方向クラッチ。
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