JP4948619B2 - ツイスト式クランプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ツイスト式クランプ装置において、特に出力ロッドを定位置で所定角度ツイストさせた後に出力ロッドをクランプ側へ退入駆動可能な形式のツイスト式クランプ装置に関する。
従来より機械加工や成形加工などをその加工対象のワークに対して行う時に、それらのワークを固定する手段としてさまざまな種類のクランプ装置が使用されている。それらのクランプ装置の中にはクランプ装置の出力ロッドの上端部にクランプアームが装着され、出力ロッドの退入動作に連動してクランプアームも退入動作を行い、クランプアームがワークに当接してワークをその位置にクランプするものがある。
しかし、前記のクランプ装置がクランプ解除状態であるときにワークをその所定位置に配置する際に、ワークの形状によってはワークがクランプアームと干渉してワークを所定位置に配置できない場合もある。そのワークとクランプアームの干渉を防ぐために、以下に述べるようなツイスト式クランプ装置が実用に供されている。
ツイスト式クランプ装置では、クランプ解除状態ではクランプアームはワークと干渉しない退避位置にあって、ワークを配置した後クランプ状態へ移行する時に出力ロッドが退入動作を伴いながら所定角度のツイスト動作を行い、その出力ロッドのツイスト動作に連動してクランプアームが退入動作を伴いながらワークに当接する位置まで旋回動作を行う。出力ロッドはツイスト動作を完了後退入動作を行い、同時にクランプアームも退入動作を行ってワークに当接し、ワークをクランプする。
特許文献1に記載されたツイスト式クランプ装置では、ピストンは出力ロッドの途中高さ部分に固定され、出力ロッドの下半部にはスリーブが外嵌され、出力ロッドの下半部とスリーブに亙って出力ロッドの進退動作をその出力ロッドのツイスト動作に変換するボールネジ機構が設けられている。クランプ時には出力ロッドの退入動作の一部はボールネジ機構により出力ロッドのツイスト動作に変換され、出力ロッドはツイスト動作を行うと同時に退入動作を行い、ピストンがスリーブに当接した時に出力ロッドはツイスト動作を完了し、出力ロッドはスリーブと一体となってクランプ側へ退入する。
特開平10−34469号公報
前記特開平10−34469号公報に記載されたツイスト式クランプ装置では、出力ロッドはツイスト動作を行いつつ退入動作も行うため、複雑な形状のワークをクランプする時には出力ロッドのツイスト動作時に旋回途中のクランプアームがワークに干渉する可能性がある。さらに出力ロッドのツイスト動作時に出力ロッドが退入するストローク分だけクランプ装置の高さが必然的に大きくなる。
そこで、ツイスト式クランプ装置においては出力ロッドが定位置でツイスト動作することが望ましい。しかし、前記特開平10−34469号公報に記載のクランプ装置のようにピストンと出力ロッドが一体に形成されている場合には、ピストンと出力ロッドの間に相対移動が起こり得ないことから、出力ロッドが定位置でツイスト動作を行うことは不可能である。本発明の目的は、ツイスト式クランプ装置において、簡単な構造の動作規制機構により、出力ロッドが定位置でのツイスト動作を行った後退入動作を行ってワークをクランプするのを可能にすることである。
請求項1のツイスト式クランプ装置はクランプ本体と、このクランプ本体に進退可能に装着された出力ロッドとを有し、出力ロッドを所定角度ツイストさせてからクランプ側へ退入駆動する形式のツイスト式クランプ装置において、前記クランプ本体内で出力ロッドに外装されたボール支持体を有しボール支持体の進退動作を出力ロッドのツイスト動作に変換するボールネジ機構と、前記クランプ本体内で出力ロッドに相対移動可能に外装された環状ピストンを有し、ボール支持体を出力ロッド退入側へ駆動可能な油圧シリンダと、前記ボール支持体に対して環状ピストンと反対側において出力ロッドに一体形成され且つボール支持体をツイスト動作終端位置で受け止める突起部と、前記クランプ本体のうちの出力ロッドの外周に臨む外周壁部と出力ロッドとに係合した複数の球体を介して、出力ロッドのツイスト動作時にはその出力ロッドの進退動作を規制するとともに、出力ロッドの進退動作時にはその出力ロッドのツイスト動作を規制する動作規制機構とを備えたことを特徴とするものである。
油圧により油圧シリンダの環状ピストンにクランプ力が作用すると、ピストンは出力ロッドに対して相対移動可能であるため、ピストンとボール支持体は出力ロッドに対して相対的に退入動作を行い、そのボール支持体の退入動作はボールネジ機構により出力ロッドのツイスト動作に変換される。
動作規制機構は、出力ロッドと外周壁部とに係合する複数の球体を介して、出力ロッドのツイスト動作時にはその出力ロッドの進退動作を規制するとともに、出力ロッドの進退動作時にはその出力ロッドのツイスト動作を規制するため、クランプ時には出力ロッドは定位置でツイスト動作を行った後に、退入動作を行ってワークにクランプ力を伝達し、クランプ解除時には出力ロッドは進出動作を行ってワークのクランプを解除した後に、定位置でツイスト動作を行う。
請求項2のツイスト式クランプ装置は、請求項1の発明において、前記ボール支持体と出力ロッドを進出側へ弾性付勢するスプリング部材を設け、前記スプリング部材が外周壁部に外装されていることを特徴とするものである。
請求項3のツイスト式クランプ装置は、請求項1又は2の発明において、前記ボール支持体は、このボール支持体の外周に設けられたボールと、クランプ本体内に設けられた回動係止溝によって回動を係止されるように構成されたことを特徴とするものである
請求項1の発明によれば、ツイスト式クランプ装置においてピストンが出力ロッドに相対移動可能に外装され、出力ロッドと外周壁部とに係合した複数の球体を介して、出力ロッドのツイスト動作時にはその出力ロッドの進退動作を規制するとともに、出力ロッドの進退動作時にはその出力ロッドのツイスト動作を規制する動作規制機構を備えたので、ピストンは出力ロッドに対し相対的な進退動作が可能で、さらに動作規制機構が出力ロッドのツイスト動作時にその進退動作を規制するため、出力ロッドが定位置で所定角度ツイスト動作を行うことができ、出力ロッドのツイスト動作時にクランプアームがワークに干渉する可能性が低くなる。
出力ロッドは進退動作を規制されて定位置でツイスト動作を行うため、出力ロッドのストロークは進退動作時のストロークのみであり、従ってツイスト式クランプ装置の高さを小さくすることができる。
また動作規制機構は出力ロッドと外周壁部とに係合する複数の球体を介して出力ロッドのツイスト動作または進退動作を規制するので、その構造は非常に簡単なものとなり、また部品点数が少なくてすむため、製作面で有利である。
またボール支持体の進退動作を出力ロッドのツイスト動作に変換する手段としてボールネジ機構を用いたので、一般のネジ機構に比べてボールネジ機構のリード角を小さくすることができ、出力ロッドを所定角度ツイストさせるのに必要なピストンの退入ストロークを小さくできるため、出力ロッドの退入動作時のストロークを所定量確保し且つツイスト式クランプ装置の高さを小さくすることができる。出力ロッドに一体形成した突起部により、ボール支持体をツイスト動作終端位置で受け止めるため、出力ロッドを所定角度だけ正確にツイストさせることができ、そのツイスト後には、出力ロッドを退入駆動することができる。
請求項2の発明によれば、ボール支持体と出力ロッドを進出側へ弾性付勢するスプリング部材を設け、スプリング部材が外周壁部に外装されているので、ツイスト式クランプ装置の高さを一層小さくすることができる。その他請求項1と同様の効果を有する。
請求項3の発明によれば、ボール支持体は、このボール支持体の外周に設けられたボールと、クランプ本体内に設けられた回動係止溝によって回動を係止されるように構成されているため、出力ロッドが定位置で確実に所定角度ツイスト動作を行うことができ、出力ロッドのツイスト動作時にクランプアームがワークに干渉する可能性が低くなる。その他請求項1又は2と同様の効果を有する。
本発明の実施形態に係るツイスト式クランプ装置(クランプ解除状態)の縦断面図である。 ツイスト式クランプ装置の平面図である。 動作規制機構(クランプ解除状態)のIII-III 線断面図である。 ツイスト式クランプ装置(90°ツイスト状態)の縦断面図である。 動作規制機構(90°ツイスト状態)のV-V 線断面図である。 ツイスト式クランプ装置(クランプ状態)の縦断面図である。
本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
図1に示すように、ツイスト式クランプ装置1は、クランプ本体2と、クランプ力及びクランプ解除力を伝達する出力ロッド3と、クランプ力を発生させる油圧シリンダ4と、出力ロッド3にツイスト動作を生じさせるボールネジ機構5と、出力ロッド3の進退動作またはツイスト動作を規制する動作規制機構6と、クランプ解除力を発生させるスプリング7と、ワークWにクランプ力を出力するクランプアーム8等で構成されている。
このクランプ装置1では出力ロッド3が定位置で90°ツイストすることによりクランプアーム8も定位置で90°旋回し、その後出力ロッド3が退入することでクランプアーム8は引き下げられてワークWをクランプする。
図1,図2のようにクランプ本体2は4本のボルト10でワークパレットPに固定されている。クランプ本体2は上部本体2aと下部本体2bなどで構成され、下部本体2bはさらに上半部の出力ロッド3の外周に臨む外周壁部11と下半部の端板部12などで構成されている。
上部本体2aの内部には油圧シリンダ4のシリンダ穴40と、シリンダ穴40とほぼ同じ径を有する上部筒状穴13と,上部筒状穴13よりもやや径の大きい下部筒状穴14とが直列的に形成され、2つの筒状穴13,14の境界付近にはボール支持体50と係合する環状の係合部15が設けられている。上部本体2aの上端部には出力ロッド3が貫通するロッド貫通孔16が形成され、ロッド貫通孔16の内面には切削切粉や塵が内部に侵入するのを防ぐダストシール17が装着されている。
下部本体2bの外周壁部11はクランプ本体2の下端側部位に筒状に形成され、外周壁部11の内側には出力ロッド3のロッド下部3cが進退自在に挿入されるロッド挿入穴18が形成されている。ロッド挿入穴18の内周面には3つの球体19が装着され、夫々の球体19は同一円周上でその位置が互いに120°の位相差を有するように均等に配置されている。また夫々の球体19はロッド挿入穴18の内周面にその半球分が突出し、出力ロッド3のロッド下部3cに形成された3つの円弧溝34または3本の縦溝35に係合する。
下部本体2bの端板部12は円板状に形成され、端板部12は上部本体2aの下端部に内嵌され、上部本体2aと下部本体2bの端板部12との間にはシール部材20と止め輪21が装着され、止め輪21により下部本体2bは上部本体2aに対して抜け止めされている。
図1に示すように、出力ロッド3はクランプアーム8にクランプ力を伝達するロッド上部3aと、進退動作またはツイスト動作を行うロッド中央部3bと、動作規制機構6により進退動作またはツイスト動作を規制されるロッド下部3cとが一体形成されたものである。出力ロッド3はロッド中央部3bでロッド貫通孔16を上下に摺動可能に貫通し、ロッド下部3cで外周壁部11のロッド挿入穴18に進退自在に挿入され、出力ロッド3はクランプ本体2に進退可能に装着されている。
出力ロッド3のロッド上部3aはその上端部にネジ部30を有し、ネジ部30の下部にはその径が下側に広がるテーパー部31が形成され、クランプアーム8がそのテーパー部31に外嵌され、ナット61で固定されている。
出力ロッド3のロッド中央部3bの外周面にはボールネジ機構5のボール支持体50とボール54を介して螺合するボール溝32が設けられ、またロッド中央部3bの下部にはボール支持体50と係合する環状の突起部33が設けられている。
出力ロッド3の下端側部分のロッド下部3cの外周面には、半円断面を有する3つの円弧溝34が形成され、夫々の円弧溝34は同一円周上にその位置が互いに120°の位相差を有するように均等に配置されている。同じくロッド下部3cの外周面には、半円断面を有する3本の縦溝35が形成され、夫々の縦溝35は3つの円弧溝34の溝端から夫々立ち上がっている。
図1に示すように油圧シリンダ4は、シリンダ穴40と、出力ロッド3のロッド中央部3bに相対移動可能に外装された環状のピストン41等で構成され、ピストン41の下面はボールネジ機構5のボール支持体50と当接し、ピストン41はボール支持体50にクランプ力を伝達して、油圧シリンダ4はボール支持体50を出力ロッド3退入側へ駆動する。ピストン41には油圧封止用のシール部材42,43が装着され、さらに出力ロッド3とロッド貫通孔16の間に油圧封止用のシール部材44が装着されている。またピストン41の上側には油室42が形成され、油室42には油圧ポート43及び油路44を介して外部の油圧配管43aから油圧が供給される。
ボールネジ機構5はボールネジナット部材としてのボール支持体50の出力ロッド3に対する相対的な進退動作を出力ロッド3のツイスト動作に変換するものである。図1に示すようにボールネジ機構5は環状のボール支持体50を有し、ボール支持体50は出力ロッド3のロッド中央部3bに外装されている。ボール支持体50の下半部の外周には環状の突起部51が設けられ、突起部51が筒状穴13,14の境界付近の係合部15と係合することでボール支持体50はその進出動作を制限され、またボール支持体50はボール52と筒状穴14の回動係止溝22により回動を係止されている。
ボール支持体50の上端面はピストン41の下面と当接し、ボール支持体50の下端面はボール支持体50の退入動作時にロッド中央部3bの環状の突起部33と係合して、ボール支持体50がクランプ力を出力ロッド3に確実に伝達しながら、ボール支持体50と出力ロッド3は一体に退入動作を行う。
ボール支持体50の内周面にはロッド中央部3bのボール溝32に対応するボール溝53が設けられ、ボール溝32とボール溝53の間には多数のボール54が充填され、これらのボール54を介してボール支持体50はロッド中央部3bと螺合し、ボールネジ機構を構成している。このボールネジ機構によりボール支持体50の出力ロッド3に対する相対的な進退動作は出力ロッド3のツイスト動作に変換される。
動作規制機構6は、出力ロッド3のツイスト動作時にはその出力ロッド3の進退動作を規制するとともに、出力ロッド3の進退動作時にはその出力ロッド3のツイスト動作を規制するものである。図1,図3に示すように、動作規制機構6は外周壁部11のロッド挿入穴18の内周面に装着された3つの球体19と、出力ロッド3のロッド下部3cの外周面に形成された3つの円弧溝34及び3本の縦溝35などで構成されている。
3つの球体19は夫々ロッド挿入穴18の内周面にその半球分が突出している。この突出した半球が夫々半円断面を有する3つの円弧溝34と係合している時には、球体19と円弧溝34との間で円弧溝34に沿う円周方向の相対移動が可能であり、出力ロッド3のツイスト動作は許容されるが、その出力ロッド3の進退動作は規制される。一方、球体19の突出した半球が夫々半円断面を有する3つの縦溝35と係合している時には、球体19と縦溝35との間で縦溝35に沿う進退方向の相対移動が可能であり、出力ロッド3の進退動作は許容されるが、その出力ロッド3のツイスト動作は規制される。
スプリング7は下部筒状穴14の内部に配設され、スプリング7の上端はボール支持体50の下面に当接され、スプリング7の下端は下部本体2bの端板部12の上面に当接され、スプリング7はボール支持体50と出力ロッド3を進出側へ弾性付勢する。
クランプアーム8は出力ロッド3のツイスト動作に連動して旋回し、出力ロッド3の退入動作時にはワークWに当接してワークWをクランプする。クランプアーム8は一方の端部付近に貫通孔60を有し、貫通孔60の内周面は下側にその径が広がるテーパー状に形成されている。クランプアーム8は貫通孔60において出力ロッド3のロッド上部3aのテーパー部31に外嵌されてナット61で出力ロッド3に固定されている。クランプアーム8の他方の端部の下面にはクランプ時にワークWに当接するクランプヘッド62が形成されている。
次にツイスト式クランプ装置1の作用について説明する。
図1に示すようにツイスト式クランプ装置1がクランプ解除状態であるときに、ワークWをパレットPの所定の位置に配置した後、油圧ポート43に油圧配管43aを接続し油室42に油圧を導入してクランプ力をピストン41の上面に作用させて、スプリング7の弾性力に抗してボール支持体50を出力ロッド3の退入側へ駆動させる。この時、図1,図3のように動作規制機構6の球体19と円弧溝34が係合しており、出力ロッド3はツイスト動作を許容されるが、出力ロッド3は退入動作を規制される。
ピストン41とボール支持体50は出力ロッド3に相対移動可能に外装されており、さらに出力ロッド3が動作規制機構6により退入動作を規制されているため、ボール支持体50は出力ロッドに相対的に退入動作を行う。そのボール支持体50の退入動作はボールネジ機構5により出力ロッド3のツイスト動作に変換され、出力ロッド3は定位置で時計回りにツイスト動作を行い、その出力ロッド3のツイスト動作に連動してクランプアーム8も時計回りに旋回する。
尚、一般のネジ機構と異なり、ボールネジ機構5においてはボール54はボール溝32及びボール溝53に対して、すべり接触ではなくころがり接触しながら転動するため摩擦力が小さく、ボール溝32及びボール溝53のリード角を小さくでき、出力ロッド3のツイスト動作時におけるピストン41のストロークをより小さくできる。
図4,図5のように出力ロッド3が時計回りに90°のツイスト動作を行うと、動作規制機構6の3つの縦溝35は夫々3つの球体19の位置に到達し、球体19と円弧溝34との係合が解除されて出力ロッド3は退入動作を開始し、同時に球体19と縦溝35とが係合するため出力ロッド3はツイスト動作を規制される。この時ボール支持体50の下面がロッド中央部の突起部33に係合し、ボール支持体50が出力ロッド3にクランプ力をより確実に伝達しながら、ボール支持体50と出力ロッド3は一体となって退入動作を行う。図6のように縦溝35の上端が球体19と係合するまで出力ロッド3が退入すると、クランプアーム8のクランプヘッド62がワークWに当接してワークWをパレットPにクランプする。
次に図6のワークWがクランプされた状態からクランプ解除する際には、油圧ポート35と油路36を介して油室34の油圧を油圧配管35aへ抜くと、スプリング7によってボール支持体50と出力ロッド3とピストン41は進出側へ駆動される。また動作規制機構6の球体19は縦溝35に係合しているため、出力ロッド3はツイスト動作を規制された状態で進出動作を行い、その出力ロッド3の進出動作に伴い、クランプアーム8のクランプヘッド62はワークWから離隔する。
図4,図5のように、出力ロッド3の進出動作により縦溝35が移動して球体19と縦溝35の下端とが係合すると、球体19は円弧溝34と係合可能になる。この時、出力ロッド3は進出動作を規制されるが、ボール支持体50は引き続き進出動作を行うため、ボール支持体50は出力ロッド3に対して相対的に進出動作を行うことになり、ボールネジ機構5によりそのボール支持体50の進出動作は出力ロッド3のツイスト動作に変換され、球体19が円弧溝34に係合して出力ロッド3はその進出動作を規制されながら定位置でクランプ時とは逆に反時計回りのツイスト動作を行う。この出力ロッド3のツイスト動作に連動してクランプアーム8も定位置で反時計回りに旋回する。
さらにピストン41とボール支持体50が進出動作を行い、ピストン41の上面がシリンダ穴40の上端面に当接した時に、図1のように出力ロッド3が90°のツイスト動作を完了すると同時にクランプアーム8も90°の旋回動作を完了し、ツイスト式クランプ装置1はクランプ解除状態となる。
以上のツイスト式クランプ装置1によれば、ピストン41は出力ロッド3に相対移動可能に外装されているため、ピストン41とボール支持体50が出力ロッド3に対し相対的に進退動作を行うことができ、さらに動作規制機構6が出力ロッド3のツイスト動作時にはその出力ロッド3の進退動作を規制するとともに、出力ロッド3の進退動作時にはその出力ロッド3のツイスト動作を規制するため、出力ロッド3は定位置で90°ツイスト動作をした後に退入側へ動作することが可能であり、出力ロッド3のツイスト動作時にクランプアーム8がワークWに干渉する可能性が低くなる。
また出力ロッド3はそのツイスト動作時に進退動作を規制されるため、出力ロッド3のストロークは進退動作時のストロークのみとなり、その結果ツイスト式クランプ装置1の高さを小さくすることができる。
動作規制機構6は外周壁部11のロッド挿入穴18に装着された3つの球体19と出力ロッド3のロッド下部3cに形成された3つの円弧溝34及び3本の縦溝35で構成され、その構造は非常に簡単であり、また部品点数が少なくなるため製作面で有利である。
出力ロッド3は外周壁部11のロッド挿入穴18に挿入されて進退動作を行うため、出力ロッド3はロッド中央部3bで上部本体2aのロッド貫通孔16に進退動作をガイドされるとともに、ロッド下部3cにおいてもロッド挿入穴18により進退動作をガイドされるので、出力ロッド3の進退動作の安定性が増し、ワークWを確実にクランプできる。
ボール支持体50の進退動作を出力ロッド3のツイスト動作に変換する手段としてボールネジ機構5を用いているため、一般のネジ機構に比べてリード角を小さくすることができ、出力ロッド3の90°のツイスト動作に必要なピストン41のストロークを小さくできるため、出力ロッド3のクランプ時の退入動作のストロークを所定量確保し且つツイスト式クランプ装置1の高さを低くすることができる。
出力ロッド3が退入動作を行う際に、ボール支持体50の下面がロッド中央部3bの環状の突起部33と係合し、ボール支持体50は出力ロッド3にクランプ力をより確実に伝達しながら、ボール支持体50と出力ロッド3は一体に退入動作を行うため、ワークWを強力にクランプすることができる。
次に前記実施形態を部分的に変更した変更形態について説明する。
1)動作規制機構6の3つの球体19を出力ロッド3のロッド下部3cの外周面に同一円周上に装着し、外周壁部11のロッド挿入穴18の内周面に3つの円弧溝34を同一円周上に設け、さらにロッド挿入穴18の内周面にこれら円弧溝34の溝端から夫々立ち下がる3本の縦溝35を設けてもよい。
2)ボールネジ機構5には複数条のボールネジを設けてもよい。ボールネジ内部のボール54の個数を増やすことで、ボール54とボール支持体50及び出力ロッド3との接触面積が大きくなり、ボール支持体50の進退動作を出力ロッド3のツイスト動作により確実に変換することができる。
本発明のツイスト式クランプ装置は、成形加工用金型をクランプしたり、種々のワークピース等を固定したりするのに利用することができる。
1 ツイスト式クランプ装置
2 クランプ本体
3 出力ロッド
4 油圧シリンダ
5 ボールネジ機構
6 動作規制機構
7 スプリング
8 クランプアーム
11 外周壁部
19 球体
33 突起部
34 円弧溝
35 縦溝
41 ピストン
50 ボール支持体
W ワーク

Claims (3)

  1. クランプ本体と、このクランプ本体に進退可能に装着された出力ロッドとを有し、出力ロッドを所定角度ツイストさせてからクランプ側へ退入駆動する形式のツイスト式クランプ装置において、
    前記クランプ本体内で出力ロッドに外装されたボール支持体を有しボール支持体の進退動作を出力ロッドのツイスト動作に変換するボールネジ機構と、
    前記クランプ本体内で出力ロッドに相対移動可能に外装された環状ピストンを有し、ボール支持体を出力ロッド退入側へ駆動可能な油圧シリンダと、
    前記ボール支持体に対して環状ピストンと反対側において出力ロッドに一体形成され且つボール支持体をツイスト動作終端位置で受け止める突起部と、
    前記クランプ本体のうちの出力ロッドの外周に臨む外周壁部と出力ロッドとに係合した複数の球体を介して、出力ロッドのツイスト動作時にはその出力ロッドの進退動作を規制するとともに、出力ロッドの進退動作時にはその出力ロッドのツイスト動作を規制する動作規制機構と、
    を備えたことを特徴とするツイスト式クランプ装置。
  2. 前記ボール支持体と出力ロッドを進出側へ弾性付勢するスプリング部材を設け、
    前記スプリング部材が外周壁部に外装されていることを特徴とする請求項1に記載のツイスト式クランプ装置。
  3. 前記ボール支持体は、このボール支持体の外周に設けられたボールと、クランプ本体内に設けられた回動係止溝によって回動を係止されるように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のツイスト式クランプ装置。
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