以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態において、それぞれが負屈折率媒質383、384で形成された光学素子としての平行平板(以下、単に平板と称す)381,382を並べて配置した負屈折率媒質385を示している。この系において物点から出た光の放射光成分が、光の振動数ωが多少変化しても、完全結像すべき位置に結像するための条件を求めてみる。
説明を簡単にするためにt0′=0つまり像点は平板382の右側の面上にあるものとする。
図1において、x軸は紙面の表から裏面に向う方向が正である。y軸は上方が正、z軸は右側が正であり、平板381,382の光入出射面はz軸に垂直となっている。
t1 …平板381の厚さ
t2 …平板382の厚さ
θ0 …平板381の光線の入射角
θ1 …平板381左面での光線の屈折角
θ2 …平板382左面での光線の屈折角
h…平板382右面での光線高
n0 …平板381,382の周囲の媒質の真空に対する屈折率
n1 …平板381の真空に対する屈折率
n2 …平板382の真空に対する屈折率
とする。n0 ,n1 , n2 はいずれもωの関数である。このとき次式が成り立つ。
t0 tan θ0 +t1 tan θ1 +t2 tan θ2 =h …式(106)
放射光成分が無収差で結像するためにはh=0である必要がある。屈折の法則より
n0 sin θ0 =n1 sin θ1 =n2 sin θ2 …式(107)
ほぼ完全結像を実現するためには
t0 =t1 +t2 …式(108)
とすればよい。
θ0 が1に比べて小さい場合を考え、式(106),(107)を近似し、かつh=0とおいて、
t0 θ0 +t1 θ1 +t2 θ2 =0 …式(109)
n0 θ0 =n1 θ1 =n2 θ2 …式(110)
式(108),(110)を用いて、式(109)からθ0 ,θ1 ,θ2 ,t0 を消去すると、
を得る。
ここでほぼ完全結像するためにはn1 ,n2 はいずれも−n0 に近い値である必要があるから
n1 =−n0 +Δn1 …式(112)
n2 =−n0 +Δn2 …式(113)
と置くことができる。式(112),(113)を式(111)に代入し、
式(114),(115)を考慮して近似すると
t1 Δn1 +t2 Δn2 =0 …式(117)
Δωで両辺を割って、Δω→0の極限を取れば
を得る。
これが、n1 ,n2 がωの変化によって変化する時、つまり負屈折率媒質383、384が色分散を有する時に、放射光成分が完全結像すべき点に到達するための条件である。
従って、波長幅を持つ光が物体から放出されている場合でも式(118)を満たせば放射光成分の色収差は近似的に無くなり、ほぼ完全結像が実現できるのである。
図1の系でほぼ完全結像を実現するための条件をまとめておくと式(108),(112),(113),(114),(115),(118)ということになる。
当然のことではあるが、t1 >0,t2 >0であるから、式(118)が成り立つためには
とは異符号でなければならない。つまり平板381を形成する負屈折率媒質383の色分散と、平板382を形成する負屈折率媒質384の色分散とは符号が反対であることが必要である。
でHを定義する。式(118)が成り立つ場合、H=1である。実用的には色収差は多少残っていても良いので
0.7≦H≦1.4 …式(131)
であればよい。
使用する光学製品の条件によっては
0.4≦H≦2.5 …式(132)
でもよい。光学製品の利用目的によっては
0.2≦H≦5 …式(133)
でも許される場合がある。
これまでの説明ではt0′=0の場合について説明してきたが、
の場合でも式(108)を
t0 +t0′=t1 +t2 …式(108−2)
で置きかえれば式(118)は成り立つ。
あるいは図2のように、平板381と平板382の間にt1′のすき間がある場合でも式(108)を
t0 +t0′+t1′=t1 +t2 …式(108−3)
で置きかえれば式(118)は成り立つ。
この図2で、平板381と平板382を合わせて負屈折率媒質386と呼ぶことにする。負屈折率媒質でできた平板が3枚以上、N枚ある場合でも同様に式(118)に代わり、
が成り立ち、
式(108)に代わり、
t0 +t0′+t1′+t2′…+tN-1′=t1 +t2 +…tN …式(108−4)
が成り立ち、
式(112)に代わり、
ni =−n0 +Δni …式(112−2)
が成り立ち、
式(114)に代わり、
が成り立てば、放射光成分の色収差を除去し、ほぼ完全結像が実現できるのである。但し
ni …i番目の負屈折率媒質の真空に対する屈折率
ti …i番目の負屈折率媒質の厚さ
ti′…i番目の負屈折率媒質の平板とi+1番目の負屈折率媒質の平板との間隔
である。
図4に平板381がN枚存在する場合の構成を示している。
但し、381−i,381−N…負屈折率媒質で形成された光学素子
383−i,383−N…負屈折率媒質
である。
式118−2の左辺の各項のうちで正又は0の項だけの和をG+ 、負の項だけの和をG- とする。HN を次式で定義すると
式(118−2)が成り立つ場合HN =1である。実用的には色収差は多少残っていても良いので
0.7≦HN ≦1.4 …式(141)
であればよい。
使用する光学製品の条件によっては
0.4≦HN ≦2.5 …式(142)
でもよい。光学製品の利用目的によっては
0.2≦HN ≦5 …式(143)
でも許される場合がある。
以上の物体から出る光のうちの放射光成分について解像力向上のための条件を導いてきたが、エバネッセント波についても
の条件で考えると、物体から離れるにつれて、正の屈折率媒質ではエバネッセント波は指数関数的に減衰し、負の屈折率媒質ではエバネッセント波は指数関数的に増幅される。そして負の屈折率の絶対値が大きいほどエバネッセント波の増幅は大きくなるので、式(117)を満たせばエバネッセント波は、負屈折率媒質384の右側面でωによらずほぼ同じ振幅を有することになり、図1の系では完全結像に近づくのである。
従って式(118),(131),(132),(133)及び式(141),(142),(143)はエバネッセント波の結像についても近似的に好ましい条件となるのである。
色分散
が正で、ni <0の負屈折率媒質としてはフォトニック結晶が挙げられる(非特許文献3参照)。
色分散
が負で、n<0の物質としては、特定の波長域(振動数領域)で吸収を示す物質が挙げられる。
図3はそのような物質の複素屈折率ni *=ni −jki の1例である。
ni は複素屈折率の実数部分
ki は複素屈折率の虚数部分
右辺第2項のjは虚数単位である。
図3の点Pでは光の振動数ω0 でni <0かつ
となる。
従ってフォトニック結晶とω=ω0 で図3の点Pに相当する物質を組合せて、383,384等に用いれば式(118),(131),(132),(133),(141),(142),(143)を満たすことができる。
一方、図3の点Qでは
であるから別の物質でω=ω0 で
となるものを選んで
の物質と組合せで負屈折率媒質383,384等に用いても式(118),(131),(132),(133)、式(141),(142),(143)を満たすことができる。
負屈折率媒質に、カーボンナノチューブを用いてもよい。同素材は光学特性を人工的に変えられるので、有利である。
図1あるいは図2のように2枚の負屈折率媒質からなる系の場合、それぞれの媒質の複素屈折率の虚数部分ki のうちで|ki |の大きい方の厚さを小さくする方が光あるいは電磁波の吸収が小さくなるので良い。従って式(118)より|ki |の大きい方の
を大きく選ぶとよい。
同様に3枚以上の負屈折率媒質を含む系においても、そのうちの
の符号の異なる2枚を取り出したとき、上記の関係を満たす組があるようにすると光あるいは電磁波の損失が減るので良い。ここで、“組”とは取り出した2枚を指す。
図1に示す実施形態で、平板381,382は接着剤等で接着されていてもよい。あるいは密着配置されていてもよい。あるいは平板381と382の一方を基板とし、もう一方をその上に蒸着等で形成してもよい。
図5は、本発明の一実施形態に係る、負屈折率媒質385を用いた落射型蛍光顕微鏡302の例であり、空気中に配置されている。光源303(例えばレーザ光源、キセノンランプ、水銀ランプ等)から出た励起光は照明レンズ304、ダイクロイックミラー305を通り、対物レンズ306に入射する。対物レンズ306のNAは例えば1を越えており、エバネッセント波を励起できる。対物レンズ306には、正の屈折率を有する媒質で形成された光学素子、例えばガラスからなるレンズ306−1,306−2が含まれている。
図6は、図5の対物レンズ306近傍の拡大図を示している。ここでは、対物レンズ306の最も物体側の面を311とする。対物レンズ306の中間結像点をFFで表した。面311と中間結像点FFの距離をgとする。
中間結像点FFからdだけ離れた位置には例えば平行平板状の負屈折率媒質385が配置されている。dは中間結像点FFと負屈折率媒質の上面310との距離を表す。dの値は例えば50μmである。312は負屈折率媒質385の物体側の面である。
物体307から発せられた蛍光は、負屈折率媒質385、対物レンズ306、ダイクロイックミラー305、接眼レンズ308を通り、眼309、あるいは撮像素子408を備えたTVカメラ、冷却CCDカメラ等で観察、撮像することができる。以下、この様子を詳述する。
ここで、負屈折率媒質383,384の屈折率をおよそ−1、厚さをt(例えば、300μm)とする。WDは負屈折率媒質385と物体307あるいは後述する結像部材の距離である。WDについては後に詳述する。
負屈折率媒質383,384の屈折率がおよそ−1であるため、物体から発せられた蛍光の光線は図6の矢印で示すように通常と異なる屈折をする(非特許文献2参照)。
屈折の法則より、入射角をi、出射角をrとすれば
r=−i …式(0−3)
である。負屈折率媒質383,384のいずれかの、周囲の媒質に対する比屈折率をnとすれば
sin r=(1/n)sin i …式(0−4)
である。
非特許文献2によれば
t≒WD+d …式(1)
t=t1 +t2 …式(1−1)
のとき、負屈折率媒質385は、物体307を中間結像点FFに完全結象する。ここで言う完全結像とは、回折限界の影響を受けない、放射光も、エバネッセント波も含めた全ての電磁場としての光を結像することを指す。このためFFに物体があるのと等価となる。
gの値は、
0≦g≦λ …式(0)
であり、中間結像点FFは面311に非常に接近している。これはエバネッセント波を有効に利用するために望ましい条件である。実用的には
0≦g≦10λ …式(0−1)
でもよい場合がある。
なお、λは用いる光の波長であり、可視光の場合λは0.35μm〜0.7μmである。
このようにして、NA>1.0の、エバネッセント波を含む結像が可能となるのである。そして、高解像度の顕微鏡が実現できる。
なお、用途によっては、
0≦g≦1000λ …式(0−1−0)
でもよい。
式(0)〜式(0−1−0)においてgの下限を0.1λ/Aとすれば、レンズ表面311上のゴミ、キズ等がピンボケになり悪影響が減るのでなお良い。
但しAは対物レンズ306のFFにおける開口数(NA)である。式(0)〜式(0−1−0)でgの下限を0.6λ/Aとすればゴミ、キズ等の影響がさらに低減されるので良い。式(0)〜式(0−1−0)でgの下限を1.3λ/Aとすればゴミ、キズ等の影響がさらに大幅に減るので良い。
仮にd=50μmとすれば式(1)よりWD=250μmとなり、WDの長いことは従来にないメリットであり、gが0〜数十nmであれば、結像性能は対物レンズ306を物体307に直接ほぼ密着させた固体浸レンズとほぼ同等である。
本発明の一実施形態は、負屈折率媒質で形成された色分散を除去した光学素子(385等)と結像光学系(306等)とを組合せて配置したことがポイントである。この実施形態では負屈折率媒質301の像側に結像光学系を配置した構成となっている。蛍光は数十nmの波長幅を有することが多いので色分散の除去効果がある。
そして、負屈折率媒質385によって結像された物体像(中間結像)を対物レンズ306によって再結像していることが特徴である。中間結像は図6の例では実像であるが、光学系の用途によっては虚像でもよい。また、図6の例では、照明光と観察光とが逆方向に計2回、負屈折率媒質383,384を透過している特徴がある。
以上の説明では、g≧0の場合について述べたが、
g<0 …式(0−5)
でもよい。なぜなら、d+g>0 …式(0−6)
であれば、光学素子同士がぶつかることなく結像関係を維持できるからである。g<0というのはFFがレンズ(例えば306−1)の中に入ることを意味する。ただし、gが小さくなりすぎると、完全結像の条件がくずれてくるので、
−t<g<0 …式(0−7)
を満たすことが望ましい。用途によっては、
−3t<g<0 …式(0−8)
を満たせばよい。光学系によっては、
−10t<g<0 …式(0−9)
を満たせばよい場合もある。なおd+g=0でも良い。
gの値を実長で示せば、−100mm<g<0 …式(0−10)
とするのが良い。gの値が式0−10の下限を下まわるとレンズの製作が困難になってくる。
−10mm<g<0 …式(0−11)
とすればなお良い。
式(0−5)〜式(0−11)でgの上限を(−0.1λ)/Aとすれば、エバネッセント波を確実に利用でき、かつレンズ表面311上のゴミ、キズ等がピンボケになり悪影響が減るのでなお良い。式(0−5)〜式(0−11)でgの上限を(−0.6λ)/Aとすればゴミ、キズ等の影響がさらに減るので良い。
式(0−5)〜式(0−11)でgの上限を(−1.3λ)/Aとすればゴミ、キズ等の影響がさらに大幅に減るので良い。
式(1)は厳密に守られなくてもよい。負屈折率媒質301による像位置は負屈折率媒質301の屈折率の製造誤差、面精度の誤差等で式(1)からずれる場合もあるからである。
0.8(WD+d)≦t≦1.2(WD+d) …式(2)
であればよい。
製品によっては
0.5(WD+d)≦t≦1.5(WD+d) …式(3)
で許容される場合もある。
製品の利用条件によっては
0.15(WD+d)≦t≦4.0(WD+d) …式(4)
でもよいことがある。あるいは
t≦0.9(WD+d) …式(4−1)
を満たすようにすれば長めのWDを確保できるので良い。
以上説明した考え方は本願の他の実施形態にも同様に適用される。他の実施形態でも負屈折率媒質383,384の屈折率は例えば−1である。
図7は、本発明の他の実施形態であり、負屈折率媒質385を用いた透過型の顕微鏡315を示している。図7では照明光学系316と対物レンズ306の近傍のみを拡大して図示してある。315は空気中に配置されている。
光源303の光はプリズム317に入り、全反射をする角度でプリズム317の標本314側の面318に入射する。標本314はこのためエバネッセント波で照明されることになる。標本314からの散乱光は負屈折率媒質385で屈折され、中間結像点FF近傍に完全結像される。そして、対物レンズ306により再結像されて観察される。
式(0)、(0−1)、(0−1−0)、(0−3)、…、(0−11)、(1)、(2)、(3)、(4)、(4−1)はこの例でも同様にあてはまる。負屈折率媒質385の色分散が除去されているので303に波長幅がある場合でも鮮明な画像が得られる。
図7及び後述の図8、図9では、dの値はWDに比べて充分小さく、かつgの値も0に近い場合を描いてある。図5、図7の光学系は、走査型の顕微鏡にも応用できる。
図8は光ディスクの光学系320の実施形態である。光源321としての半導体レーザから出た光は半透鏡305−2、対物レンズ322、負屈折率媒質385を通って光ディスク323に結像し、書き込みが行なわれる。対物レンズ322のNAは1を越えており、対物レンズ322に非接触で微小スポット光によりエバネッセント光を含めてより高密度の書き込みができる。光学系320は空気中に配置されている。
負屈折率媒質385の結像関係は図1の実施形態で矢印の逆の方向に光を進めたと考えればよい。光ディスク323からの信号の読み出しの場合には、光源321から出た光は光ディスク323で散乱、負屈折率媒質385、対物レンズ322、半透鏡305−2へと進み、フォトディテクタ324に入る。非接触で高NAでの読み出しが行なえる。負屈折率媒質385の色分散が除去されているので光源321に波長変動があっても高密度の記録、再生ができるメリットがある。
なお、書き込み時の構成で図9に示すように光源321と対物レンズ322の間にフォトマスク325を配置し、光ディスク323をシリコンウエハー326で置き換え、フォトマスク325とシリコンウエハー326を光学的に共役にすればLSI製造用の投影露光装置(ステッパー等)349ができる。NAが1を越え、エバネッセント波を用いることができるので高解像度で、かつ非接触で露光ができ都合がよい。図9で投影露光装置の光学系は真空中に置かれている。負屈折率媒質385の色分散が除去されているので、光源に波長幅、波長変動等がある場合でも高精度のリソグラフィーが実現できる。
図8、図9の実施形態でも式(0)、(0−1)、(0−1−0)、(0−3)、…(0−11)、(1)、(2)、(3)、(4)、(4−1)は成り立つ。
図5〜図9の例では、平板382とこの平板382に最も近いレンズとが間を隔てて配置されている。
このようにすれば、例えば、物体とぶつかって負屈折率媒質382、383が破損した場合でも、負屈折率媒質382、383だけを交換すれば機能を回復できるので良い。つまり修理がしやすいのである。
図10は、従来提案されている密着型のリソグラフィーを示す図である。線幅20nm程度の透明なポリマーフォトマスク330に上方から照明光が当てられると、凸部331の下方にエバネッセント波が発生し、シリコンウエハー326上のフォトレジストを感光させる。そしてLSIの製造が行なわれる。ポリマーフォトマスク330は微細構造を有する部材である。しかし、ポリマーフォトマスク330とシリコンウエハー326は密着させねばならず、使用時にポリマーフォトマスク330の寿命が短かい、ポリマーフォトマスク330がこわれやすい等の問題があった。この問題はポリマーフォトマスクの代わりにクロムフォトマスクを用いても生じていた。
そこでこの点に鑑みるに本発明によれば負屈折率媒質385を用いることにより非接触で高解像度のリソグラフィーを実現できる。
図11はその説明図であり、シリコンウエハー326とポリマーフォトマスク330の間に、ポリマーフォトマスク330に密着、あるいはごく接近させて負屈折率媒質301の平行平板を配置したものである。図11の光学系は真空中あるいは空気中に配置されている。
このようにすればポリマーフォトマスク330の凸部331の下方に発生したエバネッセント波は負屈折率媒質385で完全結像され、シリコンウエハー326上に像を作る。結像倍率は1倍である。このようにしてWDの大きい、高解像度のリソグラフィーが実現できる。
凸部331と負屈折率媒質385の距離をdとすれば式(1)〜(3)、(4)、(4−1)を満たす。
対物レンズ306、対物レンズ322、投影レンズ328についてであるが、これらの光学系の物体側又は光ディスク側又はシリコンウエハー326側のNAは1.0以上であることが望ましいが、1.0未満でも良い。例えば0.2以上、あるいはそれ以下でも良い。なぜなら負屈折率媒質385によってWDを伸す効果はあるからである。
306,322,328等の上記NAは1.15以上とすると高解像が実現できるので良い。
さらに上記NAを1.3以上とすれば水浸対物レンズ並あるいは水浸対物レンズでは実現できなかった高解像が実現できるのでなお良い。
上記NAを1.5以上とすれば油浸対物レンズ並の高解像が実現できるのでさらに良い。
なお、負屈折率媒質383,384の形状についてであるが、図5、図6、図7、図8、図9の実施形態において、負屈折率媒質383,384の形状は平行平板でなくても良い。
負屈折率媒質として、図12に示すように、負屈折率媒質で形成され、物体側に凹面を有するレンズ301−2を用いても良い。WDを伸ばす効果に加えて収差補正の効果等が得られる。図12において負屈折率媒質でできたレンズ301−2は片側が平面で、もう一方の面が凸の曲面のレンズと両凸レンズの接合された平凹レンズであるが、両凸レンズ、平凸レンズ、両凹レンズ、メニスカス凸レンズ、メニスカス凹レンズ等の形状でも良い。
負屈折率媒質でできたレンズ301−2の曲面の形状は、球面でも、非球面でも、自由曲面でも回転非対称面、拡張曲面等でも良い。図5、6、7、8、9、11の実施形態で負屈折率媒質385の代わりに負屈折率媒質386を用いてもよい。あるいは3枚以上の負屈折率媒質を含む色分散の除去された光学系を用いてもよい。
以下、本発明に共通して言える内容を述べる。負屈折率媒質383,384の具体的な物質としてはフォトニック結晶が挙げられる。図13は、フォトニック結晶340の第1の具体例を示し、図14は、フォトニック結晶340の第2の具体例を示している。図13、図14に示すように、フォトニック結晶340はλ〜十分の1λ程度の周期的な構造を持つ物質で、リソグラフィー等によって作られる。材質はSiO2 、アクリル、ポリカーボネート等の合成樹脂などの誘電体、GaAs等である。ここでλは使用する光の波長である。図中のX,Y,Z方向の繰返しの周期Sx,Sy,Szの値がλ〜十分の1λ程度の値を持つ。フォトニック結晶のバンド端近傍で負屈折率を実現することができることが知られている(非特許文献3を参照のこと)。図のz方向を光学系の光軸とするのが良い。z軸はフォトニック結晶の回転対称性の最も良い軸の方向である。
Sx,Sy,Szは次式のいずれかを満たすことが望ましい。
λ/10<Sx<λ …式(5−1)
λ/10<Sy<λ …式(5−2)
λ/10<Sz<λ …式(5−3)
Sx,Sy,Szの値が上限を越えても下限を下回ってもフォトニック結晶として機能しなくなる。
用途によっては、
λ/30<Sx<4λ …式(5−4)
λ/30<Sy<4λ …式(5−5)
λ/30<Sz<4λ …式(5−6)
のいずれかを満たせばよい。
負屈折率媒質についてであるが、媒質の比誘電率εが負で、かつ、媒質の比透磁率μが負のとき、媒質の屈折率が−(εμ)1/2 になることが知られている。
また、負屈折率媒質としては、負屈折を示す物質、近似的に負の屈折を示す物質、例えば銀、金、銅等の薄膜、特定の偏光方向について負屈折率を示す物質、誘電率εがほぼ−1の物質の薄膜等を用いてもよい。
また、負屈折率媒質のことを左手系材料(Left handed material)と呼ぶこともある。本願ではこれら負屈折率媒質、左手系材料、近似的に負の屈折を示す物質、特定の偏光方向について負屈折率を示す物質、誘電率εがほぼ−1の物質の薄膜等をすべて含めて負屈折を示す媒質と呼ぶことにする。完全結像を示す物質も負屈折を示す媒質に含まれる。また、誘電率εがほぼ−1の物質の薄膜の場合、
−1.2<ε<−0.8 …式(5−7)
を満たすとよい。用途によっては、
−1.6<ε<−0.5 …式(5−8)
でもよい。
用いる光の波長としては既に述べた例に限らず連続スペクトルの光源、白色光源、複数の単色光の和、スーパールミネッセントダイオード等の低コヒーレンス光源等を用いてもかまわない。
波長としては空気中でも伝送可能なこと、光源が入手しやすいこと等から、0.1μm〜3μmを用いるのがよい。可視波長ならばさらに利用しやすいので良い。波長を0.6μm以下にすれば解像が向上するのでなお良い。
以下にWDについて詳述する。
WDの値は
100nm≦WD≦20mm …式(7)
とするのが良い。
式(7)の下限を下回ると作動距離が小さくなりすぎ、扱いにくい。式(7)の上限を上回ると負屈折率媒質が大きくなりすぎ、コスト、加工上、不利である。また光学装置としての寸法が大きくなりすぎる点も問題となってくる。
製品によっては
20nm≦WD≦200mm …式(8)
でも許容できる。
1100nm≦WD≦200mm …式(8−0−1)
とすればさらに使いやすい光学装置が得られる。
0.01mm≦WD≦200mm …式(8−0−2)
とすればなお使いやすく、光学装置のWDを決める機構が簡単になるので良い。
0.1mm≦WD≦200mm …式(8−0−3)
とすればさらに使いやすく、光学装置の機械的精度もさらに下げられるので良い。
また
WD>d …式(8−1)
を満たすことが望ましい。
tの値が同じなら式(1)により、dの値は小さいほどWDを大きくできるからである。
WD>0.1d …式(8−2)
でも製品によっては許容できる。
dの値を小さくすることで、306,322,328等のレンズの大きさを小さくすることもできるので良い。
また、dの値は解像度を良くするためには、
d≧0 …式(8−2−1)
を満たすことが望ましいが、用途によっては、
d<0 …式(8−2−2)
でも良い。
式(8−2−1)でdの下限を0.1λ/AとすればFFは306−1側に近づきエバネッセント波が利用しやすくなり、かつ面310上のゴミ、キズ等がピンボケになり悪影響が減るのでなお良い。
式(8−2−1)でdの下限を0.6λ/Aとすればさらにエバネッセント波を利用しやすくなるので解像を向上させやすくなり、かつゴミ、キズ等の影響もさらに減らせるのでよい。
式(8−2−1)でdの下限を1.3λ/Aとすればさらに大幅にエバネッセント波を利用しやすくなるので解像を向上させやすくなり、かつゴミ、キズ等の影響もさらに大幅に減らせるのでよい。
但しAは光学系のFFにおける開口数であるが、図11のようなFFの定義できない光学系ではA=1とする。
式(8−2−1)でdの下限を0.005mmとすれば、負屈折率媒質からなる平板382と上部のレンズ系との距離を広げやすくなるので、平板382と上部のレンズ系との距離を保つための枠構造が簡単になり良い。
式(8−2−2)でdの上限を(−0.1λ)/Aとすれば面310上のゴミ・キズ等がピンボケになり悪影響が減るのでなお良い。
式(8−2−2)でdの上限を(−0.6λ)/Aとすればゴミ、キズ等の影響がさらに減るので良い。
式(8−2−2)でdの上限を(−1.3λ)/Aとすればゴミ、キズ等の影響がさらに大幅に減るので良い。
但しAは結像光学系306,322,328等のFFに係る開口数(NA)である。
ここで、光学面上のゴミ、キズ等の結像性能への影響についてまとめておく。すでにg,dの条件式で説明したように、FFから直前あるいは直後の光学面までの距離が大きいほどその光学面のゴミ、キズ等の影響は小さくなる。
ここで言う距離は光学的な長さ(空気換算長)である。
そして、その距離は少くとも0.1λ/A以上あることが望ましい。そして0.6λ/Aあるいは1.3λ/A以上あればなお良い。上記の光学面には負屈折率媒質の表面も含まれる。
また、WDの値は、光学装置の機械的構造を工夫すること等で、可変できるようにしておくことが望ましい。顕微鏡のステージ等はその一例である。
また、負屈折率媒質382とレンズの最も負屈折率媒質382寄りの面(図6で言えば面311)とが接着されていてもよい。あるいは、負屈折率媒質385をレンズ(図7で言えば306−1)を基板として形成しても良い。これらの場合、dの値は近似的に0、あるいは0となる。
あるいは、負屈折率媒質383,384等を透明な平板上に形成し、この透明な平板が結像に用いるレンズの一部をなすように配置してもよい。配置する場所としては、結像レンズ系(図5で言えば対物レンズ306)の最前部(図5で言えばレンズ306−1の物体側)又は最後部(図9で言えば投影レンズ328のウエハー側)が良い。基板として用いるレンズ、あるいは平板は正の屈折率を有する材料で作れば低コストで製作できるので良い。以上のように、基板上に負屈折率媒質383,384を設ける場合でもWD,dの値は負屈折率媒質383,384の表面から計るものとする。
図15に正の屈折率を有する材料でできた平板450の上に形成した平板形状の負屈折率媒質383,384を用いた落射型蛍光顕微鏡302の例を示した。
450,306−1,306−2合わせてレンズ306を形成している中間結像点FFはわずかに450の中に入っている。306−1と450は接着されているが、密着させてもよい。式(12),(13)は450の屈折率に対しても適用できる。このような構成の光学系は図7、図8、図9、図11の例にも適用できる。
また完全結像の条件、式(1)からのずれについてであるが、
WD+d−t=Δ …式(8−3)
とした時、|Δ|の値が大きいほど結像状態は悪くなる。
|Δ|<λ …式(8−4)
であればある程度の結像状態の低下でおさえられる。
実用的には製品によっては
|Δ|<10λ …式(8−4−1)
まで許容できる。利用条件によっては
|Δ|<100λ …式(8−5)
まで許容できる。
式(8−4−1)〜(8−5)の|Δ|の下限を0.1λ/AとすればWDが長めに確保できる等のメリットがあるので良い場合がある。
また、負屈折率媒質383又は384等の屈折率をnとすると、n<0である。これまで述べた実施形態ではn=−1であった。負屈折率媒質383又は384等が平行平板の場合、理想的にはn=−1である。しかし実際には負屈折率媒質383又は384等の製作誤差、使用波長のズレなどでn=−1にできないこともあり、このときに次式を満たすことが望ましい。
−1.1<n<−0.9 …式(9)
nの値が上記をはずれると、完全結像が成り立たなくなり、解像度が低下する。製品によっては
−1.5<n<−0.5 …式(10)
であれば良い。
WDを大きく取るためだけなどの用途では
−3<n<−0.2 …式(11)
でも良い場合がある。
負屈折率媒質に最も近いレンズ又は光学素子(図5、図8、図9で言えばそれぞれ306−1,322−1,328−1)の屈折率をNとすると、Nは大きいほど解像度が上がるので良い。
N≧1.3 …式(12)
とすれば、広い用途に利用できる。
N≧1.7 …式(13)
とすればなお良い。式(12),(13)でNの上限値を1.82とすればガラスの吸収(着色)が少なくなるので良い。
N≧1.86 …式(13−1)
とすれば着色はあるものの、高解像が実現できるので良い。
式(0−4),(9),(10),(11)で屈折率nは周囲が空気の場合は空気に対する屈折率を表すものとし、周囲が真空の場合には真空に対する屈折率を表わすものとする。つまり周囲の媒質に対する比屈折率である。周囲を真空にすると短波長の真空紫外光を用いることができること、空気のゆらぎによる解像の低下がないこと等により良い結像性能が得られる。周囲を空気とすれば光学装置が作りやすく、取扱いも容易となるので良い。光学装置のうち、負屈折率媒質385又は負屈折率媒質386の周辺の光路だけを真空とし、光学装置の残りの部分は空気中に置いても良い。
取扱いが容易で結像性能の良い光学装置が得られる。383,384の真空に対する屈折率をnV 、空気の真空に対する屈折率をnA とする。1気圧、波長500nmのときnA =1.0002818である。
光学装置の周囲が空気の場合の理想的な完全結像のための必要条件は
nV =−nA …式(20)
である。
光学装置の周囲が真空の場合の理想的な完全結像のための必要条件は
nV =−1.0 …式(21)
である。
tの値について述べる。実用上光学装置の使い勝手を良くするためにWDを大きく取る方が良い。式(1)からWDはtと同程度の値となる。従って、
0.1mm≦t≦300mm …式(15)
とするのが良い。tの値が上限を越えると光学装置が大きくなり製造しにくくなる。
製品によっては
0.01mm≦t≦300mm …式(16)
でも許容される。
用途によっては
1100nm≦t≦200mm …式(17)
あるいは
100nm≦t≦50mm …式(18)
でも許容できる場合がある。
また式(15)あるいは(16)を満たせば、光学素子としての負屈折率媒質の機械的強度が増すので、光学装置組立時の取扱いが楽になるので良い。
あるいは負屈折率媒質を支える基板が不要になる可能性も出てくるので良い。
式(17),(18)でtの上限値を0.01mmとすれば、負屈折率媒質を薄膜として蒸着あるいはスパッタリング等で製造する可能性も出てくるので良い。
例えばフォトニック結晶を自己クローニング法で製作することが考えられる(非特許文献6参照)。
なお、負屈折率媒質を含む光学系の光軸に沿って計った長さは20m以下とすれば、光学系及び光学装置が製作しやすいのでなお良い。
また、本願の図5,図7,図8,図9に示されているように、結像光学系(306,322,328等)に対する物点(FF,321,325等)あるいは像点(308の前の実像、FF,324上の像等)と、結像光学系までの距離はいずれも有限である特徴がある。なおN枚の負屈折率媒質で形成された光学素子がある場合、式(1),(0−7),(0−8),(0−9),(2),(3),(4),(8−3)において、tを
で置きかえれば同様に適用できる。Nは1以上の整数である。また同じケースで、式(15),(16),(17),(18)は、tをti で置きかえれば適用できる。
また同じケースで式(0−4),(9),(10),(11)はnを
で置きかえれば成り立つ。
図16、図4に示すように像点の位置に撮像素子(例えばCCD,C−MOS等の固体撮像素子)を配置してもよい。
小型で高性能の光学装置(撮像装置)が実現できる。
本願で光という語を用いた場合、電磁波も含むものとする。また本願で完全結像という用語を用いたが、これは100%完全な結像が行なわれない場合(例えば50%解像が向上している)も含むものとする。つまり、例えば通常の回折限界よりはある程度解像力は向上している、というような場合も含めるものとする。
図5、6、7、8、9、11、12、15の例に於いて、WDの部分(負屈折率媒質と物体との間の部分)あるいはdの部分を水又は油等で充たしてもよい。
水又は油等の真空に対する屈折率をnLとすれば、完全結像を実現するためには、負屈折率媒質383、384の真空に対する屈折率を−nLとすればよい。このようにすれば、負屈折率媒質383、384の屈折率は−1でなくともよくなり、材料の選択の自由度が広がるのでよい。nをn1/nLあるいはn2/nLで置き換えれば、式9、10、11は同様に成り立つ。
最後に、本実施形態で用いられた技術用語の定義を述べておく。
光学装置とは、光学系あるいは光学素子を含む装置のことである。光学装置単体で機能しなくてもよい。つまり、装置の一部でもよい。
光学装置には、撮像装置、観察装置、表示装置、照明装置、信号処理装置、光情報処理装置、投影装置、投影露光装置、等が含まれる。
撮像装置の例としては、フィルムカメラ、デジタルカメラ、PDA用デジタルカメラ、ロボットの眼、レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ、テレビカメラ、動画記録装置、電子動画記録装置、カムコーダ、VTRカメラ、携帯電話のデジタルカメラ、携帯電話のテレビカメラ、電子内視鏡、カプセル内視鏡、車載カメラ、人工衛星のカメラ、惑星探査機のカメラ、宇宙探査機のカメラ、監視装置のカメラ、各種センサーの眼、録音装置のデジタルカメラ、人工視覚、レーザ走査型顕微鏡、投影露光装置、ステッパー、アライナー、光プローブ型顕微鏡等がある。デジカメ、カード型デジカメ、テレビカメラ、VTRカメラ、動画記録カメラ、携帯電話のデジタルカメラ、携帯電話のテレビカメラ、車載カメラ、人工衛星のカメラ、惑星探査機のカメラ、宇宙探査機のカメラ、録音装置のデジタルカメラなどはいずれも電子撮像装置の一例である。
観察装置の例としては、顕微鏡、望遠鏡、眼鏡、双眼鏡、ルーペ、ファイバースコープ、ファインダー、ビューファインダー、コンタクトレンズ、眼内レンズ、人工視覚等がある。
表示装置の例としては、液晶ディスプレイ、ビューファインダー、ゲームマシン(ソニー社製プレイステーション)、ビデオプロジェクター、液晶プロジェクター、頭部装着型画像表示装置(head mounted display:HMD)、PDA(携帯情報端末)、携帯電話、人工視覚等がある。
ビデオプロジェクター、液晶プロジェクター、等は投影装置でもある。
照明装置の例としては、カメラのストロボ、自動車のヘッドライト、内視鏡光源、顕微鏡光源等がある。
信号処理装置の例としては、携帯電話、パソコン、ゲームマシン、光ディスクの読取・書込装置、光計算機の演算装置、光インターコネクション装置、光情報処理装置、光LSI、光コンピュータ、PDA等がある。
情報発信装置とは、携帯電話、固定式の電話、ゲームマシン、テレビ、ラジカセ、ステレオ等のリモコンや、パソコン、パソコンのキーボード、マウス、タッチパネル等の何らかの情報を入力し、送信することができる装置を指す。
撮像装置のついたテレビモニター、パソコンのモニター、ディスプレイも含むものとする。
情報発信装置は、信号処理装置の中に含まれる。
撮像素子は、例えばCCD、撮像管、固体撮像素子、写真フィルム等を指す。また、平行平面板はプリズムの1つに含まれるものとする。観察者の変化には、視度の変化を含むものとする。被写体の変化には、被写体となる物体距離の変化、物体の移動、物体の動き、振動、物体のぶれ等を含むものとする。撮像素子、ウエハー、光ディスク、銀塩フィルム、等は結像部材の例である。
拡張曲面の定義は以下の通りである。
球面、平面、回転対称非球面のほか、光軸に対して偏心した球面、平面、回転対称非球面、あるいは対称面を有する非球面、対称面を1つだけ有する非球面、対称面のない非球面、自由曲面、微分不可能な点、線を有する面等、いかなる形をしていても良い。反射面でも、屈折面でも、光になんらかの影響を与えうる面ならば良い。
本発明では、これらを総称して拡張曲面と呼ぶことにする。
結像光学系とは、撮像光学系、観察光学系、投影光学系、投影露光光学系、表示光学系、信号処理用光学系等を指す。
撮像光学系の例としてはデジタルカメラの撮像用レンズがある。
観察光学系の例としては顕微鏡光学系、望遠鏡光学系等がある。
投影光学系の例としてはビデオプロジェクターの光学系、リソグラフィー用の光学系、光ディスクの読み出し、書き込み光学系、光ピックアップの光学系等がある。
投影露光光学系の例としてはリソグラフィー用の光学系がある。
表示光学系の例としてはビデオカメラのビューファインダーの光学系がある。
信号処理光学系の例としては光ディスクの読み出し、書き込み光学系、光ピックアップの光学系がある。
光学素子とはレンズ、非球面レンズ、鏡、ミラー、プリズム、自由曲面プリズム、回折光学素子(DOE)、不均質レンズ等を指すものとする。平行平板も光学素子のひとつである。
(付記)
上記した具体的な実施形態から以下の構成を有する発明を抽出することができる。
1.負屈折を示す媒質にカーボンナノチューブを用いたことを特徴とする負屈折を示す媒質。
2.1.に記載の媒質を用いた光学素子。
3.各々が負屈折を示す媒質で形成された複数の光学素子を有し、
前記複数の光学素子には色分散が異なる光学素子が含まれていることを特徴とする光学系。
3−2.各々が負屈折を示す媒質で形成された複数の光学素子を有し、
前記複数の光学素子には色分散の符号が互いに異なる光学素子が含まれていることを特徴とする光学系。
3−3.式(143)を満たす3または3−2に記載の光学系。
4.各々が負屈折を示す媒質で形成された2個の光学素子を含む光学系であって、前記2個の光学素子の各々の色分散の符号が互いに異なっていることを特徴とする光学系。
4−2.式(133)を満たす4に記載の光学系。
5.前記光学素子を形成する負屈折を示す媒質がフォトニック結晶または、特定の光あるいは電磁波の振動数領域で吸収を示す物質を含むことを特徴とする3.乃至4−2のいずれか1つに記載の光学系。
5−1.前記光学素子を形成する負屈折を示す媒質がフォトニック結晶と、特定の光あるいは電磁波の振動数領域で吸収を示す物質を含むことを特徴とする3乃至4−2のいずれか1つに記載の光学系。
5−1−2.前記複数の光学素子がフォトニック結晶を含む負屈折を示す媒質で形成される光学素子と、特定の光あるいは電磁波の振動数領域で吸収を示す物質を含む負屈折を示す媒質で形成される光学素子とを含むことを特徴とする3乃至4−2のいずれか1つに記載の光学系。
5−2.前記の負屈折を示す媒質で形成される光学素子が特定の光あるいは電磁波の振動数領域で吸収を示す、種類の異なる物質を含むことを特徴とする3乃至4−2のいずれか1つに記載の光学系。
5−2−2.前記複数の光学素子が特定の光あるいは電磁波の振動数領域で吸収を示す第1の物質を含む負屈折を示す媒質で形成される光学素子と、特定の光あるいは電磁波の振動数領域で吸収を示す第2の物質を含む負屈折を示す媒質で形成される光学素子と、を含むことを特徴とする3乃至4−2のいずれか1つに記載の光学系。
6.各々が負屈折を示す媒質で形成された複数の光学素子を備えた光学系であって、
前記複数の光学素子は、所定の関係を満足する2つの光学素子を含み、
前記所定の関係は、色分散の符号が互いに異なり、一方の複素屈折率の虚数部分の絶対値が他方の複素屈折率の虚数部分の絶対値より大きく、かつ、前記複素屈折率の虚数部分の絶対値が大きい方の媒質の色分散の絶対値が他方の色分散の絶対値よりも大きい、という関係であることを特徴とする光学系。
6−1.2つの負屈折を示す媒質で形成された光学素子を含み、前記負屈折を示す媒質で形成された光学素子の色分散の符号が互いに異なり、かつ複素屈折率の虚数部分の絶対値の大きい方の媒質の色分散の絶対値がもう一方より大きいことを特徴とする前記負屈折を示す媒質で形成された光学素子を含む光学系。
6−2.各々が負屈折を示す媒質で形成された複数の光学素子を含む光学系であって、
前記複数の光学素子のうちの2つは色分散の符号が互いに異なっており、前記2つの光学素子のうち複素屈折率の虚数部分の絶対値が大きい方の媒質の色分散の絶対値が、他方の媒質の色分散の絶対値よりも大きいことを特徴とする光学系。
6−3.各々が負屈折を示す媒質で形成された複数の光学素子を含む光学系であって、
前記複数の光学素子のうちの2つは色分散の符号が互いに異なっており、
前記2つの光学素子のうち複素屈折率の虚数部分の絶対値が大きい方の媒質の厚さが他方の媒質の厚さよりも薄いことを特徴とする光学系。
7.前記光学素子の形状が平行平板であることを特徴とする2乃至6−3のいずれか1つに記載の光学素子または光学系。
7−2.前記光学素子が曲面形状の光学面を有することを特徴とする2乃至6−3のいずれか1つに記載の光学素子または光学系。
8.用いる光、または電磁波が、振動数に巾を持つ光、または電磁波である3乃至7−2のいずれか1つに記載のものを備えた光学装置。
9.用いる光、または電磁波が、振動数が変化あるいは変動する光、または電磁波である3乃至7−2のいずれか1つに記載のものを備えた光学装置。
10.3乃至7−2のいずれか1つに記載の光学系に撮像素子を組合せた光学装置。
11.正の屈折率を有する媒質で形成された光学素子を有する3乃至10のいずれか1つに記載の光学系または光学装置。
12.前記負屈折を示す媒質で形成された光学素子を有する光学系と結像光学系とを組み合わせ配置したことを特徴とする光学系または3乃至10のいずれか1つに記載の光学系または光学装置。
13.光源と微細構造を有する部材と、前記負屈折を示す媒質で形成された光学系とを有し、前記微細構造の結像を行うことを特徴とする光学装置。
14.前記負屈折を示す媒質が負屈折率媒質であることを特徴とする1乃至13のいずれか1つに記載の光学素子または光学系または光学装置。
15.負屈折を示す媒質で形成された光学素子と、撮像素子とを有する光学装置。
16.負屈折を示す媒質で形成された光学素子と、正の屈折率を有する媒質で形成された光学素子と撮像素子とを有する光学装置。
17.負屈折を示す媒質で形成されたことを特徴とするレンズ。
17−1.負屈折を示す媒質で形成されたことを特徴とする片側が平面のレンズ。
17−2.負屈折を示す媒質で形成されたことを特徴とする両凹、または両凸のレンズ。
17−3.負屈折を示す媒質で形成されたことを特徴とするメニスカスレンズ。
17−4.負屈折を示す媒質で形成されたことを特徴とする非球面のレンズ。
17−5.負屈折を示す媒質で形成されたことを特徴とする回転非対称面のレンズ。
17−6.負屈折を示す媒質で形成されたことを特徴とする拡張曲面を有するレンズ。
17−7.屈折率が正の材料でできた光学素子を有し、前記光学素子を基板として前記光学素子上に形成された負屈折を示す媒質、を有するレンズ。
17−8.屈折率が正の材料でできた光学素子を有し、前記光学素子を基板として前記光学素子上に形成された負屈折を示す媒質、を有する光学素子。
17−9.透明な平板を有し、前記平板を基板として前記平板上に形成された負屈折を示す媒質、を有する光学素子。
17−10.屈折率が正の材料でできた透明な平板を有し、前記平板を基板として前記平板上に形成された負屈折を示す媒質、を有する光学素子。
18.負屈折を示す媒質で形成された光学素子を有することを特徴とする光学系。
19.負屈折を示す媒質で形成された光学素子と、それ以外の光学素子とを有することを特徴とする光学系。
19−1.負屈折を示す媒質で形成された光学素子と、正の屈折率の媒質で形成された光学素子とを有することを特徴とする光学系。
19−1−1.負屈折を示す媒質で形成された光学素子と、正の屈折率の媒質で形成された光学素子とを有し、前記負屈折を示す媒質で形成された光学素子の最も近接した正の屈折率の媒質で形成された光学素子と、前記負屈折を示す媒質で形成された光学素子との間に隙間があることを特徴とする光学系。
20.負屈折を示す媒質で形成された光学素子と、結像光学系とを組み合わせて配置したことを特徴とする光学系。
20−0.負屈折を示す媒質で形成された光学素子による結像関係を有し、さらに前記負屈折を示す媒質で形成された光学素子以外に光学素子を有する光学系。
20−1.負屈折を示す媒質で形成された光学素子による結像関係と、結像光学系による結像関係との両方を含むことを特徴とする光学系。
20−2.負屈折を示す媒質で形成された光学素子により物体の像を結像し、その像を結像光学系により再結像することを特徴とする光学系。
20−3.結像光学系により物体の像を結像し、その像を負屈折を示す媒質で形成された光学素子により再結像することを特徴とする光学系。
20−4.18乃至20−3のいずれか1つの光学系において、物体が2次元あるいは3次元の形状を有することを特徴とする。
20−5.前記負屈折を示す媒質を光が2回通過することを特徴とする18乃至20−4のいずれか1つに記載の光学系。
20−6.前記負屈折を示す媒質で形成された光学素子が平行平板であることを特徴とする18乃至20−5のいずれか1つに記載の光学系。
20−7.18乃至20−6のいずれか1つにおいて、式(0−1−0)または式(0−5)を満たすことを特徴とする光学系。
20−8.18乃至20−7のいずれか1つにおいて、式(4)を満たすことを特徴とする光学系。
但し WDは、前記負屈折を示す媒質と物体または像面までの距離
dは、前記負屈折を示す媒質と光学系の中間結像点までの距離
tは、前記負屈折を示す媒質の厚さ
20−9.18乃至20−8のいずれか1つにおいて、前記負屈折を示す媒質の屈折率がおよそ−1であることを特徴とする光学系。
20−9−1.18乃至20−8のいずれか1つにおいて、前記負屈折を示す媒質の屈折率が−1でなく、かつ式(11)を満たすことを特徴とする光学系。
20−10.18乃至20−8のいずれか1つにおいて、前記負屈折を示す媒質の屈折率が式(11)を満たすことを特徴とする光学系。
20−11.18乃至20−10のいずれか1つにおいて、前記光学系の物体側あるいは像側あるいは中間結像のNAが0.2を超える値であることを特徴とする光学系。
20−12.18乃至20−10のいずれか1つにおいて、前記光学系の物体側あるいは像側あるいは中間結像のNAが1.0未満であることを特徴とする光学系。
20−13.18乃至20−10のいずれか1つにおいて、前記光学系の物体側あるいは像側あるいは中間結像のNAが1以上であることを特徴とする光学系。
20−13−1.18乃至20−10のいずれか1つにおいて、前記光学系の物体側あるいは像側あるいは中間結像のNAが1.15を超える値であることを特徴とする光学系。
20−13−2.18乃至20−10のいずれか1つにおいて、前記光学系の物体側あるいは像側あるいは中間結像のNAが1.3を超える値であることを特徴とする光学系。
20−13−3.18乃至20−10のいずれか1つにおいて、前記光学系の物体側あるいは像側あるいは中間結像のNAが1.5を超える値であることを特徴とする光学系。
20−14.18乃至20−13のいずれか1つにおいて、前記負屈折を示す媒質と物体または像との距離が式(8)を満たすことを特徴とする光学系。
20−15.18乃至20−14のいずれか1つにおいて、式(8−2)を満たすことを特徴とする光学系。
20−16.18乃至20−15のいずれか1つにおいて、式(8−5)を満たすことを特徴とする光学系
20−17.18乃至20−16のいずれか1つにおいて、負屈折を示す媒質で形成された光学素子の後方に結像光学系を配設したことを特徴とする光学系。
20−18.上記20−17の光学系を有することを特徴とする光学装置。
20−19.上記20−17の光学系を有することを特徴とする顕微鏡。
20−20.上記20−17の光学系を有することを特徴とする落射型顕微鏡。
20−21.上記20−17の光学系を有することを特徴とする透過型顕微鏡。
20−22.上記20−17の光学系を有することを特徴とする観察装置。
20−23.上記20−17の光学系を有することを特徴とする撮像装置。
20−23−1.上記20−17の光学系を有することを特徴とする走査型顕微鏡。
20−24.18乃至20−16のいずれか1つにおいて、負屈折を示す媒質で形成された光学素子の前方に結像光学系を配設したことを特徴とする光学系。
20−25.上記20−24の光学系を有することを特徴とする光学装置。
20−26.上記20−24の光学系を有することを特徴とする光ディスク装置。
20−27.上記20−24の光学系を有することを特徴とする投影露光装置。
20−28.上記20−24の光学系を有することを特徴とする投影装置。
20−29.上記20−24の光学系を有することを特徴とする信号処理装置。
20−30.上記20−24の光学系を有することを特徴とする撮像装置。
20−31.上記20−24の光学系を有することを特徴とする光学装置。
20−32.18乃至20−31いずれか1つにおいて、式(12)を満たすもの。
20−33.18乃至20−31のいずれか1つにおいて、負の屈折を示す媒質で形成された光学素子は前記17乃至17−10のいずれか1つの構成を有するもの。
20−34.17−7乃至17−10のレンズまたは光学素子を有し、前記基板が、前記結像光学系あるいは光学系の一部を構成することを特徴とする18乃至20−32のいずれか1つに記載のもの。
20−35.17−7乃至17−10のレンズまたは光学素子を有し、前記基板が、前記結像光学系あるいは光学系の一部を構成し、前記基板が負屈折を示す媒質に対して物体と反対側にあることを特徴とする18乃至20−32のいずれか1つに記載のもの。
20−35−1.17−7乃至17−10のレンズまたは光学素子を有し、前記基板が、前記結像光学系あるいは光学系の一部を構成し、かつ前記基板が前記結像光学系を構成する光学素子と接着されていることを特徴とする18乃至20−32のいずれか1つに記載のもの。
20−35−2.前記負屈折を示す媒質と光学系を構成する光学素子とが接着されていることを特徴とする19乃至20−32のいずれか1つに記載のもの。
20−36.前記基板の屈折率が式(12)を満たす20−34に記載のもの。
20−37−1.負屈折を示す媒質で形成された光学素子を有する結像光学系。
20−37−2.負屈折を示す媒質で形成された光学素子と、それ以外の光学素子とを有する結像光学系。
20−37−3.負屈折を示す媒質で形成された光学素子と、正の屈折率の媒質で形成された光学素子とを有す結像光学系。
20−38−1.負屈折を示す媒質で形成された光学素子を有することを特徴とする撮像光学系。
20−38−2.負屈折を示す媒質で形成された光学素子と、それ以外の光学素子とを有することを特徴とする撮像光学系。
20−38−3.負屈折を示す媒質で形成された光学素子と、正の屈折率の媒質で形成された光学素子とを有することを特徴とする撮像光学系。
20−39−1.負屈折を示す媒質で形成された光学素子を有することを特徴とする観察光学系。
20−39−2.負屈折を示す媒質で形成された光学素子と、それ以外の光学素子とを有することを特徴とする観察光学系。
20−39−3.負屈折を示す媒質で形成された光学素子と、正の屈折率の媒質で形成された光学素子とを有することを特徴とする観察光学系。
20−40−1.負屈折を示す媒質で形成された光学素子を有することを特徴とする信号処理光学系。
20−40−2.負屈折を示す媒質で形成された光学素子と、それ以外の光学素子とを有することを特徴とする信号処理光学系。
20−40−3.負屈折を示す媒質で形成された光学素子と、正の屈折率の媒質で形成された光学素子とを有することを特徴とする信号処理光学系。
21.光源と微細構造を有する部材と、負屈折を示す媒質で形成された光学素子とを有し、前記微細構造の結像を行うことを特徴とする光学装置。
21−0−1.光源と微細構造を有する部材と、負屈折を示す媒質で形成された光学素子とを順に配置し、前記微細構造の結像を行うことを特徴とする光学装置。
21−1.光源とフォトマスクと負屈折を示す媒質で形成された光学素子とを順に配置し、ウエハーに露光を行うことを特徴とする露光装置。
21−2.21乃至21−1のいずれか1つにおいて、前記負屈折を示す媒質で形成された光学素子が平行平板であることを特徴とするもの。
21−3.式(4)を満たすことを特徴とする21−2に記載のもの。
但し WDは、前記負屈折を示す媒質と像面またはウエハーまでの距離
dは、前記負屈折を示す媒質と微細構造を有する部材またはフォトマスクの距離
tは、前記負屈折を示す媒質の厚さ、である。
21−4.21乃至21−3のいずれか1つにおいて、前記負屈折を示す媒質の屈折率がおよそ−1であることを特徴とするもの。
21−4−1.21乃至21−3のいずれか1つにおいて、前記負屈折を示す媒質の屈折率が−1でなく、かつ式(11)を満たすことを特徴とするもの。
21−5.21乃至21−3のいずれか1つにおいて、前記負屈折を示す媒質の屈折率が式(11)を満たすことを特徴とするもの。
21−6.21乃至21−5のいずれか1つにおいて、前記負屈折を示す媒質と像面との距離が式(8)を満たすことを特徴とするもの。
21−7.21乃至21−6のいずれか1つにおいて、式(8−2)を満たすことを特徴とするもの。
21−8.21乃至21−7のいずれか1つにおいて、式(8−5)を満たすことを特徴とするもの。
21−8−1.前記21乃至21−7のいずれか1つにおいて、負の屈折を示す媒質で形成された光学素子は前記17−8乃至17−10のいずれか1つの構成を有するもの。
21−9.17乃至21−8−1のいずれか1つにおいて、負屈折を示す媒質としてフォトニック結晶を用いたことを特徴とするもの。
21−9−1.17乃至21−8のいずれか1つにおいて、負屈折を示す媒質としてフォトニック結晶を用い、かつフォトニック結晶のZ軸が光学素子あるいは光学系の光軸方向を向いていることを特徴とするもの。
21−10.式(5−4)または式(5−5)または式(5−6)を満たすことを特徴とする21−9に記載のもの。
21−11.17乃至21−10のいずれか1つにおいて、使用する光が単色光であることを特徴とするもの。
21−12.17乃至21−9のいずれか1つにおいて、使用する光の波長が0.1μm以上3μm以下であることを特徴とするもの。
21−12−1.18乃至21−12のいずれかにおいて、光源を有することを特徴とするもの。
21−13.18乃至21−12のいずれか1つにおいて、光源と前記光源の光によって物体あるいは結像部材が照明されることを特徴とするもの。
21−14.17乃至20−15あるいは20−17乃至21−13のいずれか1つにおいて、エバネッセント波を結像に用いることを特徴とするもの。
21−15.18乃至21−14のいずれか1つにおいて、前記負屈折を示す媒質と、物体あるいは結像部材までの距離が可変できることを特徴とするもの。
22−10.17乃至21−15のいずれか1つにおいて、前記負屈折を示す媒質の周囲は空気であることを特徴とするもの。
22−11.17乃至21−15のいずれか1つにおいて、前記負屈折を示す媒質の周囲は真空であることを特徴とするもの。
22−12.前記負屈折を示す媒質で形成された光学素子が平行平板であることを特徴とする17−8乃至17−10、または20−11乃至21−17に記載のもの。但し21−8−1は除く。
22−13.前記負屈折を示す媒質で形成された光学素子の厚さが式(15)、(16)、(17)、(18)のいずれかを満たす17乃至22−12のいずれか1つに記載のもの。
23−1.負屈折を示す媒質で形成された光学素子と結像光学系を有し、前記結像光学系の中間結像点から前記負屈折を示す媒質で形成された光学素子の表面までの距離の絶対値が0.1λ/A以上であることを特徴とする光学系を備えた光学装置。但しAは前記結像光学系の中間結像点に於ける開口数である。
23−2.負屈折を示す媒質で形成された光学素子と結像光学系を有し、前記負屈折を示す媒質で形成された光学素子に最も近い前記結像光学系の光学面から、前記結像光学系の中間結像点までの距離の絶対値が0.1λ/A以上であることを特徴とする光学系を備えた光学装置。但しAは前記結像光学系の中間結像点に於ける開口数である。
23−3.光源と微細構造を有する部材と、負屈折を示す媒質で形成された光学素子とを有し、前記微細構造を有する部材と前記負屈折を示す媒質で形成された光学素子の表面との距離が0.1λ以上であることを特徴とする光学装置。
23−4.負屈折を示す媒質で形成された光学素子と結像光学系を有し、前記負屈折を示す媒質で形成された光学素子の厚さが式(15)、(16)、(17)、(18)のいずれか1つを満たすことを特徴とする光学系を備えた光学装置。
23−5.光源と微細構造を有する部材と、負屈折を示す媒質で形成された光学素子とを有し、前記負屈折を示す媒質で形成された光学素子の厚さが式(15)、(16)、(17)、(18)のいずれか1つを満たすことを特徴とする光学装置。
23−6.負屈折を示す媒質で形成された光学素子を備えた光学系を有し、前記負屈折を示す媒質としてフォトニック結晶を用い、かつフォトニック結晶の最も回転対称性の良い軸が前記光学系の光軸方向を向いていることを特徴とする光学系を備えた光学装置。
23−7.負屈折を示す媒質で形成された光学素子を備えた光学系を有し、前記光学系の光軸に沿って計った光学系の長さが20m以下であることを特徴とするもの。
24−1.17乃至23−7のいずれか1つにおいて、前記負屈折を示す媒質は、負屈折率媒質であることを特徴とするもの。
24−2.17乃至23−7のいずれか1つにおいて、前記負屈折を示す媒質は完全結像の性質を示す媒質であることを特徴とするもの。