JP4947752B2 - 蓄電体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電力エネルギーを電気として貯蔵する蓄電体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電力エネルギーを電気として貯蔵する蓄電体には種々のものがあるが、例えば、太陽電池によって発生した電荷を蓄電して利用するという太陽光発電システム用のものには、蓄電容量が多いこと(エネルギー密度が大きいこと)、小さくて軽量であることなどが要求される。蓄電体は、電力エネルギーを電気化学エネルギーとして貯蔵する鉛蓄電池等の2次電池と比べると、環境変化に対する安定性に優れているので、太陽光発電システムへの利用に適しているが、エネルギー密度(Wh/kg)が小さいという欠点を有している。蓄電体の中で、現在最もエネルギー密度が大きい蓄電体としては、電気二重層キャパシターが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の電気二重層キャパシターは、エネルギー密度が2次電池に比べて小さく、しかも、有機溶液を使用するため、環境への負荷が大きいという問題があった。
【0004】
この発明の目的は、エネルギー密度が高くかつ環境への負荷が小さく、しかも、省スペースである新規な蓄電体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明による蓄電体(請求項1)は、1対の電極(2)間に、所定の印加電位によりトンネル効果を生じる少なくとも1つのシリコンクラスター酸化層と、シリコンクラスター酸化層を電子が移動する電位値の電位を印加しても電子の移動が生じないセラミック層と、シリコンクラスター酸化層とセラミック層との間に位置する少なくとも1つの金属シリコン層とが介在されているものである。
【0006】
また、第2の発明による蓄電体(請求項2)は、両端に配置された1対の端電極と、これらの間に配された少なくとも1つの中間電極(7)とを備え、隣り合う電極間に、所定の印加電位によりトンネル効果を生じる少なくとも1つのシリコンクラスター酸化層と、シリコンクラスター酸化層を電子が移動する電位値の電位を印加しても電子の移動が生じないセラミック層と、シリコンクラスター酸化層とセラミック層との間に位置する少なくとも1つの金属シリコン層とが介在されているものである。
【0007】
また、第3の発明による蓄電体(請求項3)は、1対の電極間に、所定の印加電位によりトンネル効果を生じかつ内部に電荷を蓄積することができる少なくとも1つのシリコンクラスター酸化層と、シリコンクラスター酸化層を電子が移動する電位値の電位を印加しても電子の移動が生じないセラミック層とが介在されているものである。
【0008】
また、第4の発明による蓄電体(請求項4)は、両端に配置された1対の端電極と、これらの間に配された少なくとも1つの中間電極とを備え、隣り合う電極間に、所定の印加電位によりトンネル効果を生じかつ内部に電荷を蓄積することができる少なくとも1つのシリコンクラスター酸化層と、シリコンクラスター酸化層を電子が移動する電位値の電位を印加しても電子の移動が生じないセラミック層とが介在されているものである。
【0009】
本発明において、非誘電体という語は、金属および半導体を含むものであり、金属および半導体のいずれであってもよい。ただし、電荷供給手段と直接接続されて回路をなす非誘電体層(電極)を形成する非誘電体は、金属とされる。
【0010】
また、トンネル効果性誘電体層とは、所定の電位値以上の電位を印加することにより電子の移動が生じ、この電位値未満の電位では、電荷の移動が阻止される特性を有しているものとしてここでは定義する。トンネル効果性誘電体層は、酸素等を介したクラスターのネットワーク層からなる蓄電性誘電体層であってもよく、酸化膜等の誘電性薄膜からなる誘電体薄膜層であってもよい。
【0011】
誘電体薄膜層は、非誘電体層表面を酸化雰囲気に暴露することにより製造される。また、蓄電性誘電体は、例えば、絶縁化補助雰囲気(例えば酸素雰囲気)下でクラスター(例えばシリコンクラスター)を堆積させることにより得られる。絶縁化補助雰囲気を酸素を所定の密度含む雰囲気とした場合、クラスターはその雰囲気中を通過している間も安定な状態であり酸素と結びつかないが、非誘電体層または他のクラスターと当たったときには互いに結合しようとし、その際に結合に酸素が入り込む。シリコンクラスターの場合は、半導体(非誘電体)であるので、その内部での電荷の移動は可能であるが、結合部分に酸素が入り込むことで、その酸素が他のクラスターおよび非誘電体層への電子の移動を阻止する障壁となる。トンネル効果はこの障壁において生じることとなる。トンネル効果が生じる最低限の電位値以上の電位を印加することにより、電子の移動が生じ、電位が最低限の電位値を下回れば、電子の移動は阻止され、よってクラスター内部に電荷がとどまることになる。
【0012】
また、非蓄電性誘電体とは、トンネル効果性誘電体を電子が移動する電位値の電位を印加しても電子の移動が生じない誘電体であり、このような誘電体としては、セラミックなど、絶縁材料として使用されている各種の誘電体(誘電率の高いもの)を使用することができる。
【0013】
第1および第2の発明による蓄電体において、非誘電体層は、トンネル効果性誘電体層と非蓄電性誘電体層との間でかつトンネル効果性誘電体層に隣接するように設けられる。トンネル効果性誘電体層は、非誘電体である各電極間の電荷の移動の可否を司るゲートの役目を果たすもので、この移動ができない場合に、非誘電体層表面に電荷が蓄積されることになる。
【0014】
第1および第2の発明の蓄電体によると、電極に所定の電位値以上の電位を印加することにより、電極と非誘電体層との間のトンネル効果性誘電体(電子の移動を阻止する障壁)を低くかつ薄くし(ショットキー効果)、これによって、トンネル効果性誘電体層を電荷が通り抜ける(トンネル効果)。このように、各非誘電体および各電極間の電荷の移動の可否を司るゲートの役目を果たすトンネル効果性誘電体層により、電極表面に加えて内部の非誘電体層にも電荷が蓄積され、蓄電容量が高められる。すなわち、蓄電量は、電極表面に蓄積される電荷の量+非誘電体層の表面に蓄積される電荷の量となり、電極表面にだけしか蓄電されない従来の蓄電体に比べて、非誘電体層の数の分だけの電荷を多く蓄えることができる。
【0015】
第3および第4の発明の蓄電体によると、電極に所定の電位値以上の電位を印加することにより、電極と蓄電性誘電体との間の電子の移動を阻止する障壁を低くかつ薄くし(ショットキー効果)、これによって、蓄電性誘電体層に電荷が移動する(トンネル効果)。すなわち、蓄電性誘電体層内部の各クラスター間においても、一方の電極に近いクラスターから他方の電極に近いクラスターにトンネル効果により順次電荷が移動し、蓄電性誘電体内部の電荷量が増大していく。同様に、蓄電性誘電体から、電子の移動方向の非誘電体層にも、ショットキー効果ならびにトンネル効果により電子が移動する。こうして、電極表面に加えて非誘電体層および蓄電性誘電体層にも電荷が蓄積される。したがって、蓄電量は、電極表面に蓄積される電荷の量+非誘電体層に蓄積される電荷の量+蓄電性誘電体層に蓄積される電荷の量となり、電極表面にだけしか蓄電されない従来の蓄電体に比べて、非誘電体層および蓄電性誘電体層の数の分だけの電荷を多く蓄えることができる。換言すれば、蓄電性誘電体層は、電極を含めた非誘電体層の表面積を広げるのと同等の効果を有しており、同じ印加電位における蓄電効率が、この層を用いない場合に比べて向上する。酸化膜等の誘電性薄膜からなる誘電体薄膜層は、非誘電体層の表面積を広げるのと同等の効果を有しているものではない。
【0016】
第3および第4の発明においては、非誘電体層は必須要素ではないが、蓄電性誘電体層と非蓄電性誘電体層との間に、蓄電性誘電体層に隣接して非誘電体層を設けることが好ましい。これは、第1および第2の発明において、トンネル効果性誘電体層を蓄電性誘電体層とすることと同等である。
【0017】
トンネル効果性誘電体層を蓄電性誘電体層とし、さらに、蓄電性誘電体層に隣接して非誘電体層を設けた場合、蓄電量は、電極表面に蓄積される電荷の量+非誘電体層の表面に蓄積される電荷の量(1とする)+蓄電性誘電体内部に蓄積される電荷の量(αとする)であり、電極表面にだけしか蓄電されない従来の蓄電体に比べて、非誘電体層の数×(1+α)の量の電荷を多く蓄えることができる。どれだけ電荷を蓄積したいかで、その組合せを増やせば、n組×(1+α)の電荷量の蓄積を意図的に設計できることになる。
【0018】
なお、第2および第4の発明においては、中間電極とそれに隣接して配された他の2つの電極(端電極と端電極、端電極と中間電極、中間電極と中間電極の組合せのうちのいずれか)との間において、各誘電体層が前記間に配された中間電極に関し対称位置に配置されていることが好ましい。
【0019】
上記第1から第4までの発明による蓄電体は、トンネル効果性誘電体(蓄電性誘電体)と非蓄電性誘電体を挟んだ電極に、回路をなすように電荷供給手段が接続された際、電極間に配された非誘電体層および蓄電性誘電体層に電荷が蓄積可能に構成される。したがって、この蓄電体を電荷供給手段と電気的に接続することにより、蓄電システムを構成することができる。
【0020】
このように構成された蓄電体とトンネル効果を生じうる値以上の電位値を有する電荷供給手段(例えば太陽電池)とを接続して回路を形成すると、非誘電体層と蓄電性誘電体層とに電荷が蓄積される。電荷供給手段の電位値は、上記において所定の電位値とされたもので、この電位値をかけることによって、蓄電性誘電体層内に電子の移動が生じ、非誘電体層を経て隣り合う蓄電性誘電体層内に電子が移動していく。そして、非蓄電性誘電体層によって、この電子の移動が阻止され、蓄電状態が確保される。
【0021】
蓄電後に電荷供給手段を取り除いても、電子の移動は継続して阻止され、蓄電状態は継続する。蓄電後の蓄電体は、電源とすることができ、この蓄電体を回路に接続すると、この回路に電気エネルギーが供給される。
【0022】
電荷供給手段とは、電極間に電位を発生するもののことで、バッテリー、直流に変換した交流電源、太陽電池等様々なものを含み、蓄電体に電荷を蓄電しておきたい電源すべてを指す。電荷供給手段は、例えば太陽電池のように、受光により電荷を発生するものが好ましい。
【0023】
この発明による蓄電体用中間体は、第1および第2の発明の蓄電体の一部をなすものであって、トンネル効果性誘電体層と、トンネル効果性誘電体層の一方の面に重ねられた電極または非誘電体層と、トンネル効果性誘電体層の他方の面に重ねられた非蓄電性誘電体層とよりなることがあり、また、トンネル効果性誘電体層と、トンネル効果性誘電体層の一方の面に重ねられた電極または非誘電体層と、トンネル効果性誘電体層の他方の面に重ねられた非誘電体層とよりなることがある。
【0024】
トンネル効果性誘電体層は、誘電体薄膜層であってもよいが、蓄電性誘電体層であることが好ましい。
【0025】
トンネル効果性誘電体層が蓄電性誘電体層である場合、その蓄電体用中間体は、絶縁化補助雰囲気下で所定の材質のクラスターを電極、非誘電体または非蓄電性誘電体用の基材上に堆積してトンネル効果性誘電体の一種である蓄電性誘電体層を形成する蓄電性誘電体層形成工程と、不活性雰囲気またはそれに準じた雰囲気下で非誘電性材料のクラスターまたは蒸発物を蓄電性誘電体層上に堆積して非誘電体層を形成する非誘電体層形成工程と、必要に応じて非誘電体層形成工程の後に実施され前記蓄電性誘電体層形成工程および非誘電体層形成工程を交互に所定数繰り返す積層繰り返し工程とを備えている製造方法によって製造される。
【0026】
また、第3の発明の蓄電体は、絶縁化補助雰囲気下で所定の材質のクラスターを電極用の基材上に堆積してトンネル効果性誘電体の一種である蓄電性誘電体層を形成する蓄電性誘電体層形成工程と、不活性雰囲気またはそれに準じた雰囲気下で非誘電性材料のクラスターまたは蒸発物を蓄電性誘電体層上に堆積して非誘電体層を形成する非誘電体層形成工程と、必要に応じて蓄電性誘電体層形成工程および非誘電体層形成工程を交互に繰り返す積層繰り返し工程と、最外の非誘電体層上に非蓄電性誘電体層を積層する非蓄電性誘電体層形成工程と、非蓄電性誘電体層上に電極用の非誘電体層を積層する電極形成工程とを備えている製造方法によって製造される。この製造方法において、基材を電極用の非誘電体層およびこれの外面に形成された非蓄電性誘電体層とで形成するとともに、非蓄電性誘電体層形成工程を省略してもよい。
【0027】
また、第4の発明による蓄電体は、絶縁化補助雰囲気下で所定の材質のクラスターを堆積してトンネル効果性誘電体の一種である蓄電性誘電体層を形成する蓄電性誘電体層形成工程と、不活性雰囲気またはそれに準じた雰囲気下で非誘電性材料のクラスターまたは蒸発物を堆積して非誘電体層を形成する非誘電体層形成工程と、非蓄電性誘電体層を形成する非蓄電性誘電体層形成工程とを含んでおり、蓄電性誘電体層形成工程および非蓄電性誘電体層形成工程のいずれか一方を一方の端電極に施す第1工程と、必要に応じて非誘電体層形成工程および蓄電性誘電体層形成工程を交互に繰り返す第2工程と、第1工程で行わなかった方の工程を行う第3工程と、中間電極を形成する第4工程と、第3工程と同じ工程を行う第5工程と、必要に応じて非誘電体層形成工程および蓄電性誘電体層形成工程を交互に繰り返す第6工程と、第1工程と同じ工程を行う第7工程と、他方の端電極を形成する第8工程とをこの順に行う蓄電体の製造方法によって製造することができる。
【0028】
上記のこの発明による製造方法において、絶縁化補助雰囲気とは、クラスター同士が衝突した際に、クラスター間に入り込んでクラスター同士を結合させる有効成分を含む雰囲気(ガス雰囲気)であり、その有効成分の原子が結合したクラスター間において電子の障壁(絶縁)となりうるように、クラスターの材質(所定の材質)と絶縁化補助雰囲気の有効成分が選択される。また、それらは、蓄電体をなした際に、印加される電位においてショットキー効果により電子が通過可能(トンネル効果)な程度に電子の障壁が変化しうるように選択される。クラスターの材質は、例えば、シリコン、ゲルマニウムであり、前記有効成分としては、例えば、酸素がある。クラスターは、クラスター銃からチューブ等を通して導いてやることができる。また、非誘電性材料の蒸発物とは、その非誘電性材料の固まり等をヒーターその他の加熱手段により蒸発させたものである。
【0029】
不活性ガス中で加工することにより、酸化が防止され、さらに、真空容器内で行うことにより、電気的特性に影響を与えるごみ等の不純物の付着も防止することができる。特に、必要以上の酸化防止および不純物付着防止が要求されるのは、蓄電体用中間体の製造過程であり、蓄電体用中間体を真空装置内で製造し、残る非蓄電性誘電体層および端電極は、通常の雰囲気下で別の装置を用いた別の工程で行うこともできる。このように、中間体とそれ以外の部分との製造工程を分けることにより、製造時間や製造コストを低減することができる。
【0030】
なお、雰囲気は、真空装置内で作り出すものに限らず、雰囲気を構成するガスをシャワーのように吹き付け、その雰囲気にしたい特定の場所のみ他の雰囲気とは異なる状態にしてもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
【0032】
この発明による蓄電体(1)は、図1に示すように、複数の金属製電極(2)と、隣り合う電極(2)間にそれぞれ介在されたトンネル効果性誘電体層の一種である少なくとも1つの蓄電性誘電体層(3)、少なくとも1つの非蓄電性誘電体層(4)および少なくとも1つの非誘電体層(5)とよりなる。この蓄電体(1)は、例えば、同図に示すように、電荷発生手段としての太陽電池(6)と一体化されて光発電で得られた電荷を蓄電するシステムとして使用される。
【0033】
蓄電性誘電体層(3)は、シリコンクラスター酸化層よりなり、所定電位値以上の電位を印加することに基づくトンネル効果により電荷移動を生じるように形成されている。非蓄電性誘電体層(4)は、セラミックなどよりなる。非誘電体層(5)は、金属シリコン層よりなる。
【0034】
図1に示す例では、蓄電システムは、電極(2)を蓄電体(1)の両端に配置して、一方の電極(2)の外側の面に太陽電池(6)を重ねるとともに、この電極(2)の内側の面に、蓄電性誘電体層(3)および非誘電体層(5)をこの順で複数組積層し、最外の蓄電性誘電体層(3)に非蓄電性誘電体層(4)を重ね、さらにこの外にもう一方の電極(2)を重ねてこれを接地することにより形成されている。
【0035】
蓄電性誘電体層(3)となるシリコンクラスター酸化層は、均一なクラスターを生成しうるクラスター銃(例えば、特願2000−221979に記載のもの)を用いて、図2(a)に示すように、酸素ガス雰囲気中でシリコンクラスタービームを非誘電体層(5)となる金属シリコン層に当てることにより形成される。こうして得られたシリコンクラスター酸化層(3)は、同図(b)に示すように、サイズの揃ったシリコンクラスターが酸素原子を介してネットワークを形成したものとなっている。金属シリコン層(5)は、不活性雰囲気中でシリコンクラスタービームを当てることにより得ることができる。したがって、雰囲気を酸素ガスおよび不活性ガスに交互に切り換えて、既成の層の上にシリコンクラスターを当てることにより、蓄電性誘電体層=シリコンクラスター酸化層(3)および非誘電体層=金属シリコン層(5)をこの順で複数組積層することができる。シリコンクラスター酸化層(3)の厚みは、数nmから数十nmとされる。
【0036】
図1に示した蓄電システムによると、太陽電池(6)で発電された電荷Qは、まず、電極(2)に蓄積され、蓄電体の全静電容量をCとすると、V=Q/Cの電位差が生じ、各非誘電体層(4)間には、その間の誘電率等に基づく静電容量C,C,…,Cに応じて、電位差V,V,…,Vが生じる。初段の蓄電性誘電体層(3)に電位V(=Q/C)がかかるとポテンシャルは傾斜を持ち、物質間の電子の移動の障壁の透過率が上がる。そして、VとVとの比に従って電荷Qの一部はトンネル効果で隣の非誘電体層(4)に移動する。この電荷の移動に伴って電位差は小さくなり、透過率は低下する。ここで、その後段とは電位差が大きくなるので、さらに、電荷が後段の蓄電性誘電体層(3)に移動し、初段電位は再び下がり、初段の蓄電性誘電体層(3)に電荷が蓄積される。こうして、各蓄電性誘電体層(3)および非誘電体層(5)に電荷が蓄積される。
【0037】
電極(2),蓄電性誘電体層(3),非蓄電性誘電体層(4)および非誘電体層(5)は、図1に示すほか、以下に示すように種々の順序で配置可能である。
【0038】
図3は、電極(2)が2つの場合の最小構成を示しており、蓄電体(1A)は、1対の電極(2)間に蓄電性誘電体層(3)と非蓄電性誘電体層(4)とがそれぞれ1層ずつ介在されて形成されている。
【0039】
また、図4は、電極(2)(7)が3つの場合の最小構成を示しており、蓄電体(1B)(1C)は、両端に配置された1対の端電極(2)と、これらの間に配された中間電極(7)とを備え、各端電極(2)と中間電極(7)との間に、蓄電性誘電体層(3)および非蓄電性誘電体層(4)がそれぞれ1層ずつ介在されて形成されている。蓄電性誘電体層(3)は、同図(a)に示すように、蓄電体(1B)の中間電極(7)に接していてもよく、同図(b)に示すように、蓄電体(1C)の端電極(2)に接していてもよい。また、必ずしも、中間電極(7)を中心とした対称構造である必要はない。
【0040】
上記最小構成の蓄電体(1A)(1B)(1C)は、さらに、電極とはならない非誘電体層(5)をこれらに追加し、準最小構成の蓄電体(1D)(1E)(1F)(1G)(1H)とすることもできる。
【0041】
図5は、電極(2)が2つの場合の準最小構成を示しており、蓄電体(1D)は、1対の電極(2)と、一方の電極(2)に接している蓄電性誘電体層(3)と、他方の電極(2)に接している非蓄電性誘電体層(4)と、蓄電性誘電体層(3)と非蓄電性誘電体層(4)との間に介在された非誘電体層(5)とよりなる。
【0042】
また、図6は、電極(2)(7)が3つの場合の準最小構成を示しており、蓄電体は、両端に配置された1対の端電極(2)と、これらの間に配された中間電極(7)とを備え、各端電極(2)と中間電極(7)との間に、蓄電性誘電体層(3)および非蓄電性誘電体層(4)がそれぞれ1層ずつ介在されるとともに、隣り合う蓄電性誘電体層(3)および非蓄電性誘電体層(4)の組のうちの少なくとも1つにおいて、両層(3)(4)の間に非誘電体層(5)が介在されて形成されている。同図(a)の蓄電体(1E)は、最小構成の図4(a)に示されている蓄電体(1B)において、一方の端電極(2)に接する非蓄電性誘電体層(4)とこれに隣り合う蓄電性誘電体層(3)との間に非誘電体層(5)が介在されたもので、同図(b)の蓄電体(1F)は、同図(a)の蓄電体(1E)の他方の端電極(2)に接する非蓄電性誘電体層(4)とこれに隣り合う蓄電性誘電体層(3)との間にも非誘電体層(5)が介在されたもので、同図(c)の蓄電体(1G)は、最小構成の図4(b)に示されている蓄電体(1C)において、一方の端電極(2)に接する蓄電性誘電体層(3)とこれに隣り合う非蓄電性誘電体層(4)との間に非誘電体層(5)が介在されたもので、同図(d)の蓄電体(1H)は、同図(c)の蓄電体(1G)の他方の端電極(2)に接する蓄電性誘電体層(3)とこれに隣り合う非蓄電性誘電体層(4)との間にも非誘電体層(5)が介在されたものである。
【0043】
上記において、蓄電性誘電体層(3)は、トンネル効果性誘電体層である誘電体薄膜層に置き換えることができる。ただし、誘電体薄膜層は、それ自体に電荷を蓄えるものではないので、これに隣接して非誘電体層(5)を有していることが必須となり、図5がその最小構成となり、図6(b)(d)がその準最小構成となる。
【0044】
なお、上記の各蓄電体において、最も重要な構成要素はトンネル効果性誘電体層(誘電体薄膜層および蓄電性誘電体)(3)であり、これを間に挟んだ中間体、すなわち、電極(2)(7)−トンネル効果性誘電体層(3)−非蓄電性誘電体層(4)よりなる中間体(P)、および、電極(2)(7)または非誘電体層(5)−トンネル効果性誘電体層(3)−非誘電体層(5)よりなる中間体(Q)は、真空容器などの不純物の侵入を防止することのできる装置において製造されることが好ましい。
【0045】
【発明の効果】
第1および第2の発明の蓄電体によると、トンネル効果性誘電体層の存在により、非誘電体層に電荷が蓄積されるので、エネルギー密度を高くすることができる。また、第3および第4の発明の蓄電体によると、蓄電性誘電体層の存在により、これに電荷が蓄積されるので、エネルギー密度を高くすることができる。これらのすべての発明では、有機溶液を使用しないため、環境への負荷が小さくできる。しかも、蓄電性誘電体層の厚みは10nm程度とすることが可能であり、エネルギー密度を高くしかつ省スペースとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による蓄電体および蓄電システムを模式的に示す図である。
【図2】蓄電体の内部構成を模式的に示す拡大図である。
【図3】電極が2つの場合の蓄電体の最小構成を示す図である。
【図4】電極が3つの場合の蓄電体の最小構成を示す図である。
【図5】電極が2つの場合の蓄電体の準最小構成を示す図である。
【図6】電極が3つの場合の蓄電体の準最小構成を示す図である。
【符号の説明】
(1)(1A)(1B)(1C)(1D)(1E)(1F)(1G)(1H):蓄電体
(2):端電極
(3):蓄電性誘電体層
(4):非蓄電性誘電体層
(5):非誘電体層
(6):太陽電池(電荷供給手段)
(7):中間電極
(P)(Q):蓄電体用中間体

Claims (10)

  1. 1対の電極(2)間に、所定の印加電位によりトンネル効果を生じる少なくとも1つのシリコンクラスター酸化層(3)と、シリコンクラスター酸化層(3)を電子が移動する電位値の電位を印加しても電子の移動が生じないセラミック層(4)と、シリコンクラスター酸化層(3)とセラミック層(4)との間に位置する少なくとも1つの金属シリコン層(5)とが介在されている蓄電体。
  2. 両端に配置された1対の端電極(2)と、これらの間に配された少なくとも1つの中間電極(7)とを備え、隣り合う電極(2)(7)間に、所定の印加電位によりトンネル効果を生じる少なくとも1つのシリコンクラスター酸化層(3)と、シリコンクラスター酸化層(3)を電子が移動する電位値の電位を印加しても電子の移動が生じないセラミック層(4)と、シリコンクラスター酸化層(3)とセラミック層(4)との間に位置する少なくとも1つの金属シリコン層(5)とが介在されている蓄電体。
  3. 1対の電極(2)間に、所定の印加電位によりトンネル効果を生じかつ内部に電荷を蓄積することができる少なくとも1つのシリコンクラスター酸化層(3)と、シリコンクラスター酸化層(3)を電子が移動する電位値の電位を印加しても電子の移動が生じないセラミック層(4)とが介在されている蓄電体。
  4. 両端に配置された1対の端電極(2)と、これらの間に配された少なくとも1つの中間電極(7)とを備え、隣り合う電極(2)(7)間に、所定の印加電位によりトンネル効果を生じかつ内部に電荷を蓄積することができる少なくとも1つのシリコンクラスター酸化層(3)と、シリコンクラスター酸化層(3)を電子が移動する電位値の電位を印加しても電子の移動が生じないセラミック層(4)とが介在されている蓄電体。
  5. 中間電極(7)とそれに隣接して配された他の2つの電極(2)との間において、シリコンクラスター酸化層(3)およびセラミック層(4)が前記間に配置された中間電極(7)に関し対称位置に配置されている請求項2または4に記載の蓄電体。
  6. 請求項1から5までのいずれかに記載の蓄電体(1)と、これと電気的に接続される電荷供給手段(6)とを備えている蓄電システム。
  7. 前記電荷供給手段(6)は、太陽等からの受光により電荷を発生するものである請求項6記載の蓄電システム。
  8. 求項1に記載の蓄電体を製造する方法であって、絶縁化補助雰囲気下で所定の材質のクラスターを電極(2)用の基材上に堆積してシリコンクラスター酸化層(3)を形成するシリコンクラスター酸化層形成工程と、不活性雰囲気またはそれに準じた雰囲気下でクラスターまたは蒸発物をシリコンクラスター酸化層(3)上に堆積して金属シリコン層(5)を形成する金属シリコン層形成工程と、必要に応じてシリコンクラスター酸化層形成工程および金属シリコン層形成工程を交互に繰り返す積層繰り返し工程と、最外の金属シリコン層(5)上にセラミック層(4)を積層するセラミック層形成工程と、セラミック層(4)上に電極(2)用の金属シリコン層を積層する電極形成工程とを備えている蓄電体の製造方法。
  9. 請求項1に記載の蓄電体を製造する方法であって、基材を電極(2)用の金属シリコン層およびこれの外面に形成されたセラミック層(4)とで形成するとともに、不活性雰囲気またはそれに準じた雰囲気下でクラスターまたは蒸発物を基材のセラミック層(4)上に堆積して金属シリコン層(5)を形成する金属シリコン層形成工程と、絶縁化補助雰囲気下で所定の材質のクラスターを金属シリコン層(5)上に堆積してシリコンクラスター酸化層(3)を形成するシリコンクラスター酸化層形成工程と、必要に応じて金属シリコン層形成工程およびシリコンクラスター酸化層形成工程を交互に繰り返す積層繰り返し工程と、最外のシリコンクラスター酸化層(3)上に電極(2)用の金属シリコン層を積層する電極形成工程とを備えている蓄電体の製造方法。
  10. 請求項2に記載の蓄電体を製造する方法であって、絶縁化補助雰囲気下で所定の材質のクラスターを堆積してシリコンクラスター酸化層(3)を形成するシリコンクラスター酸化層形成工程と、不活性雰囲気またはそれに準じた雰囲気下でクラスターまたは蒸発物を堆積して金属シリコン層(5)を形成する金属シリコン層形成工程と、セラミック層(4)を形成するセラミック層形成工程とを含んでおり、
    シリコンクラスター酸化層形成工程およびセラミック層形成工程のいずれか一方を一方の端電極(2)に施す第1工程と、必要に応じて金属シリコン層形成工程およびシリコンクラスター酸化層形成工程を交互に繰り返す第2工程と、第1工程で行わなかった方の工程を行う第3工程と、中間電極(7)を形成する第4工程と、第3工程と同じ工程を行う第5工程と、必要に応じて金属シリコン層形成工程およびシリコンクラスター酸化層形成工程を交互に繰り返す第6工程と、第1工程と同じ工程を行う第7工程と、他方の端電極(2)を形成する第8工程とをこの順に行う蓄電体の製造方法。
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