JP4945973B2 - リチウム二次電池用非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP4945973B2
JP4945973B2 JP2005261538A JP2005261538A JP4945973B2 JP 4945973 B2 JP4945973 B2 JP 4945973B2 JP 2005261538 A JP2005261538 A JP 2005261538A JP 2005261538 A JP2005261538 A JP 2005261538A JP 4945973 B2 JP4945973 B2 JP 4945973B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
lithium secondary
battery
secondary battery
electrolyte
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005261538A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006222064A (ja
Inventor
秀治 武澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2005261538A priority Critical patent/JP4945973B2/ja
Publication of JP2006222064A publication Critical patent/JP2006222064A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4945973B2 publication Critical patent/JP4945973B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)

Description

本発明は、高容量で、サイクル特性に優れたリチウム二次電池用非水電解液およびリチウム二次電池に関する。
従来、AV機器、ノート型パソコン、或いは携帯型通信機器などの駆動用電源として、ニッケルカドミウム蓄電池やニッケル水素蓄電池が主に用いられていた。近年では、電子機器のポータブル化やコードレス化が進展し定着するに従って、駆動用電源となる二次電池の高エネルギー密度化や小型軽量化の要望が、ますます強くなっている。このような要望に応える電池として、小型・軽量でありながら急速充電が可能で、高エネルギー密度という極めて顕著な特徴を有するリチウム二次電池が開発され主流になりつつある。
このリチウム二次電池の正極、負極に用いられる活物質材料として数多くの材料が研究されている。特に負極活物質材料としては、充放電反応に結晶構造内へのリチウムイオンの挿入・脱離反応を利用した黒鉛系炭素材料や、リチウムとの合金化反応を利用したリチウムイオンを吸蔵・放出できるシリコン、スズ系の金属、合金材料が提案されている。
上記のような負極は、充電反応時に非常に卑な電位になり還元性雰囲気に曝される。通常、負極表面は電解液成分(例えば溶媒、塩、不純物)との反応により被膜に覆われる。負極表面上の被膜には主に2つの機能がある。ひとつは電解液と負極活物質の接触を防止する保護機能であり、もうひとつは、充放電反応がこの被膜、特にその機能からSEI(Solid Electrolyte Interphese)と呼ばれる、を通して起こると言われており、リチウムイオンの伝導機能がある。そのため、生成する被膜の性質、機能が不十分であると、性能に不具合が生じる。特に、充放電反応が可逆に進行するようになるまでの、初期段階に形成される被膜が重要であると言われている。
特徴的な例として、例えば黒鉛を負極活物質に用い、非水電解液の主溶媒としてプロピレンカーボネート(PC)を用いた場合には、初回充電時に被膜が形成されないため、PCが黒鉛表面で分解され続け、充放電反応出来ない。被膜形成に使われる電気量は電気化学的には主反応には関与しない余分な電気量(これを不可逆容量と呼ぶ)であるため、不可逆容量が大きいと電池容量が低下する。また、生成した被膜の性質がその後の電池特性に大きく関与する。特に、リチウムの吸蔵・放出に伴って体積変化を繰り返すような負極活物質では、被膜が物理的あるいは化学的に不安定であると、充放電の度に被膜の剥離・破壊が起こり新生面が露出するため継続的に負極と電解液が反応し、内部抵抗の増加や充放電効率の低下を引き起こす。その結果、サイクル特性が悪化する。
そのため、耐還元性の観点から電解液成分(溶媒、塩)の適正化や不純物(例えば水分、酸)の除去が行われてきた。例えば、非水電解液中の有機過酸化物は負極表面で絶縁性の被膜を形成し、電池特性を低下させるため、1000ppm以下が好ましいことが開示されている(例えば特許文献1)。ただ一方で、逆に負極活物質では必ず電解液成分の分解反応が起こることを積極的に利用し、予め電解液に少量の物質を添加剤として含有させておくことで、リチウム金属負極上の被膜を成分、形態の観点から効率的に改質し電池特性を向上させる方法が開示されている(例えば特許文献2、3)。
特開平10−003920号公報 特開平10−144294号公報 特開平7−302613号公報
しかしながら、従来技術を本発明の負極に検討したが、充分な充放電容量やサイクル特性が得られなかった。その原因の詳細は明らかではないが、例えばH22の添加において被膜形成時の副生成物としてH2Oが生成するため、H2Oが二次的に負極活物質と反応することが考えられる。電解液からの保護機能やリチウムイオン透過性などの特性や、安定性が不十分なため、電解液成分の継続的な分解反応が起こり、負極表面に被膜が堆積することで前述のような内部抵抗の増加や、充放電効率の低下によってサイクル特性が低下していると推測している。
本発明は、このような課題を解決するもので、高容量で、サイクル特性に優れたリチウム二次電池用非水電解液およびリチウム二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のリチウム二次電池用非水電解液は、リチウム塩と非水溶媒とを備え、HNO3、H2SO4およびHClO4からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機化合物を含有する。また正極、負極、および非水電解液を備えたリチウム二次電池において、非水電解液はHNO3、H2SO4およびHClO4からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機化合物を含有する。
本構成によって、電解液との副反応が抑制され、不可逆容量を削減し、充放電サイクルに伴う容量低下を抑制できる。
本発明は高容量かつ充放電サイクルに優れたリチウム二次電池用非水電解液およびリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明の非水電解液ならびにリチウム二次電池によれば、非水電解液中に無機化合物を含有させることにより、従来の電解液成分の分解よりも早い段階で無機化合物と負極とが反応し、負極表面に被膜を形成させる。その結果、従来の電解液を用いた場合に比べ、不可逆容量を低減できるため電池容量が増加する。また、その被膜は緻密で強固な性質をもつため、負極を電解液に起因する被膜形成から保護する機能を充分に果たし、以降の電解液に起因する継続的な被膜形成を防止できる。その結果、内部抵抗の増加や充放電効率の低下を抑え、サイクル特性を向上できる。さらには、無機化合物に起因する負極表面の被膜は、安定性に優れ、負極と電解液との反応を抑制できることから、サイクル特性のみならず、低温特性、長期保存特性や高温保存特性の向上にも効果がある。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
非水電解液に含有する無機化合物としてはHNO3、H2SO4、HClO4、H3PO4、HClなどの無機酸が挙げられる。そのなかでもHNO3、H2SO4、HClO4が充電時に電解液成分よりも早い段階で負極と反応し被膜を形成するため、より好ましい。生成した被膜は、物理的に強固で、化学的にも安定でリチウムイオン伝導性をもっていると考えている。その結果、負極を電解液に起因する被膜形成から保護する機能を充分に果たし、以降の継続的な被膜形成を防止できる。
無機化合物の含有量としては、電池の容量、レート特性に悪影響が出なければ特に限定されないが、電解液の総重量に対し0.1〜5重量%であることがより好ましい。
本発明に用いられる非水電解液は主に非水溶媒とリチウム塩とから構成されている。非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの飽和炭化水素基を有する環状カーボネート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートなどの飽和炭化水素基を有する環状カーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、フラノンなどの環状カルボン酸エステル、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート、1、2−メトキシエタン、1、2−エトキシエタン、エトキシメトキシエタンなどの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸エステル誘導体、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性有機溶媒を挙げることができ、これらの中の1種または2種以上を混合して用いることができる。
なお、非水電解液に用いられる非水溶媒は上記に限定されるものではなく本発明の効果を損なわなければ、非水溶媒として炭化水素基の一部をフッ素などのハロゲン元素で置換した環状カーボネート、環状カルボン酸エステル、鎖状カーボネートなどを使用することもできる。
本発明の非水電解液に含まれるリチウム塩としては、特には限定されない。例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6が挙げられる。また、LiN(CF3SO2、LiN(C49SO2、LiN(CF3SO2)(C49SO2)などのリチウムパーフルオロアルキルスルホン酸イミド、LiC(CF3SO22などのリチウムパーフルオロアルキルスルホン酸メチドも使用することができる。必要に応じてこれらを混合して用いることもできる。
本発明における負極活物質材料としては、リチウムを吸蔵放出できる材料を使用することができるが、黒鉛、Si、Snの単体金属、Si含有合金およびSn含有合金、SiあるいはSnを含む化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つが高容量であり、より好ましい。Si含有合金およびSn含有合金として、例えばSiあるいはSnと遷移金属との合金、金属間化合物などを用いることができる。SiあるいはSnを含む化合物として、SiあるいはSnとO、N、S、Pなどの典型元素との化合物やハロゲン化物、塩などが挙げられる。例えばSiO(0<x<2)、SnO(0<y<2)などの酸化物やSnF、SnSOなどを用いることができる。本発明の非水電解液は、特にリチウムの吸蔵・放出時に体積変化の大きい前述のような負極を用いる場合により効果を発揮する。
また、本発明に用いられる正極活物質材料には、一般式LiXCoO2で表される化合物(0.4≦X≦1.0)、一般式LiXNiO2で表される化合物(0.2≦X≦1.0)、一般式LiXMn24で表される化合物(0<X≦1.0)をはじめとする一般にリチウム二次電池の正極材料として用いられるリチウム含有化合物、または、非含有の化合物を用いることができる。また、サイクル特性を向上させる目的で前記化合物中の遷移金属元素が他元素に一部置換されていても良い。
電池の形状はコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型、電気自動車等に用いる大型のものなどいずれにも適用できる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池は、特にこれらに限定されるわけではない。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1として負極に黒鉛を用い、無機化合物を含有する非水電解液の評価を行った。
(試験極の作製)
先ず、活物質として人造黒鉛を100重量%に対し、結着剤としてPVDFを7重量%加え、N−メチルピロリドン(NMP)で混練し合剤ペーストを調製した。この合剤ペーストを集電体としての銅箔上にドクターブレード法で塗布し、十分に乾燥させて、その後直径1cmの円形に切り出し試験極とした。
(電解液の作製)
プロピレンカーボネート(PC)とジエチルカーボネート(DEC)を体積比1:1で混合した溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解し、そこに表1に示す無機化合物(HNO3、H2SO4、HClO4)を電解液の総重量に対してそれぞれ0.1重量%添加し、電解液とした。なお、HNO3の添加には発煙硝酸(関東化学)を用い、H2SO4の添加には発煙硫酸(関東化学)を用いた。HClO4の添加には70%過塩素酸水溶液(関東化学)を用いた。
(コイン電池の作製方法)
次の方法で図1に示すコイン電池を作製し、電池特性を評価した。
図1は本発明における評価用コイン電池の断面図を示す。試験極11をケース12の中に置いた。次に、微孔性ポリプロピレン製のセパレータ13を試験極11の上にかぶせた。そして、表1に示される無機化合物(HNO3、H2SO4、HClO4)を添加した電解液を試験セルに2ml注液した。次いで、内側に直径17.5mmの金属リチウム14を張り付け、外周部にポリプロピレン製のガスケット15を付けた封口板16でケース2を封口し、コイン電池A1〜A3を作製した。
(比較例1)
本発明の無機化合物を含まない電解液を用いたこと以外は電池A1と同様にして作製した試験セルを比較例1の電池とした。
(比較例2)
無機化合物として市販の46%HF水溶液(関東化学)を電解液の総重量に対して0.2重量%添加した電解液を用いたこと以外は電池A1と同様にして作製した試験セルを比較例2の電池とした。
(充放電特性の評価方法)
試験セルは、充電・放電ともに電流密度0.2mA/cm2の定電流でおこない、充電終止電圧を0V、放電終止電圧を1.5Vとした。1サイクル目の充電容量(mAh/g)と放電容量(mAh/g)の差を不可逆容量(mAh/g)とした。また、1サイクル目の放電容量に対する20サイクル目の放電容量の比率を容量維持率(%)とした。
表1に非水電解液に各無機化合物を含有させた場合のコイン電池の1サイクル目の放電容量、不可逆容量、容量維持率を示す。
Figure 0004945973
表1の結果から、非水電解液に特定の無機化合物を含有させることで電解液溶媒よりも早い段階で無機化合物と負極との反応により被膜が形成され、従来充放電が不可能であったPCを溶媒に用いた電解液において充放電が可能になった。
なお、比較例1、2ではいずれも充電時に溶媒であるPCが分解し続け、0.9V付近で電圧が一定となり、以降のリチウムの吸蔵・放出反応はできなかった。
(実施例2)
負極として以下に説明する各負極活物質を用いた場合について説明する。
(負極の作製)
(黒鉛)
実施例1と同様の方法で負極合剤ペーストを作製し、この負極合剤ペーストを集電体として10μmの銅箔上にドクターブレード法で塗布し、十分に乾燥させて負極とした。
(Si薄膜)
シリコンをRFスパッタリング法により集電体上に作製した。集電体として14μmの電解銅箔を用い、その上に5μmのシリコン層を形成させた。この時、RFマグネトロンスパッタ装置の真空チャンバー内に設けられた回転式ドラム上に集電体を固定し、真空チャンバーは、その内部を8×10-4Pa以下になるまで真空引きした。次にアルゴンガスを導入口から50sccmの流量で導入しながらスパッタリングを開始した。RF電力は350Wとした。
(Ti−Si合金)
溶融法で得たTi−Si合金を出発原料とし、アルゴン雰囲気中でメカニカルアロイング法によって合成した。Ti9重量%−Si91重量%の比とした。合成した合金は透過型電子顕微鏡装置を用いた電子線回折法によってそれぞれTiSi2、Siの2相を含むことを確認した。負極活物質75重量%と導電剤としてのアセチレンブラックを15重量%、結着剤としてのポリアクリル酸樹脂を10重量%に溶媒を加えて混練し合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを集電体としての10μmの銅箔上にドクターブレード法で塗布し、十分に乾燥させて負極とした。
(Sn薄膜)
Sn薄膜は電解めっき法によって14μmの銅箔上に作製した。
(Ti−Sn合金)
市販のTi粉末とSn粉末を出発原料とし、窒素中でメカニカルアロイング法によって合成した。Ti50重量%−Sn50重量%の比とした。合成した合金はSnとTiNの2相を含むことを確認した。
この負極活物質75重量%と導電剤としてのアセチレンブラックを15重量%、結着剤
としてのポリアクリル酸樹脂を10重量%に溶媒を加えて混練し合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを集電体としての10μmの銅箔上にドクターブレード法で塗布し、十分に乾燥させて負極とした。
(SiO)
予め粉砕し、分級して、平均粒径10μmとしたSiO粉末(和光純薬(株)製の試薬)に関東化学(株)製の硝酸ニッケル(II)六水和物(特級試薬)1重量部をイオン交換水に溶解させて得られた溶液とを混合した。このSiO粒子と硝酸ニッケル溶液との混合物を、1時間攪拌後、エバポレータ装置で水分を除去することで、SiO粒子表面に硝酸ニッケルを担持させた。その後、セラミック製反応容器に投入し、ヘリウムガス存在下で、550℃まで昇温させ、ヘリウムガスを水素ガス50体積%とメタンガス50体積%との混合ガスに置換し、550℃で10分間保持して、硝酸ニッケル(II)を還元するとともにカーボンナノファイバ(CNF)を成長させた。その後、混合ガスをヘリウムガスに置換し、反応容器内を室温まで冷却させ、負極活物質を得た。処理前後の重量変化から負極活物質中のSiOの含有比率は79重量%であった。
この負極活物質90重量%に、結着剤としてのポリアクリル酸樹脂を10重量%に溶媒を加えて混練し合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを集電体としての10μmの銅箔上にドクターブレード法で塗布し、十分に乾燥させて負極とした。
(SiO0.6薄膜)
Si(純度99.999%、フルウチ化学製、インゴット)を黒鉛製坩堝の中に入れた。集電体シートとなる電解Cu箔(古河サーキットフォイル(株)製、厚さ18μm)を、真空蒸着装置内に設置した水冷ローラに貼り付けて固定した。その直下にSiを入れた黒鉛製坩堝を配置し、坩堝とCu箔の間に酸素ガスを導入するノズルを設置し、酸素ガス(日本酸素製 純度99.7%)の流量を20sccm(1分間に20cm流れる流量)に設定して真空蒸着装置内に酸素を導入した。電子銃を用いて、真空蒸着を行った。蒸着条件は加速電圧−8kV、電流150mAとした。
負極片面あたりの活物質からなる薄膜の厚さは約10μmであった。またこの負極に含まれる酸素量を燃焼法によって測定したところ、SiO0.6で示される組成になることが判明した。
(正極の作製)
LiCoO2粉末を100重量%と導電剤としてのアセチレンブラックを2重量%、結着剤としてのPVDF3重量%を混合し、得られた混合物にNMPを加え正極合剤ペーストを作製した。この正極合剤ペーストを集電体としての15μmのアルミニウム箔上にドクターブレード法で塗布し、十分に乾燥させて正極とした。
(電解液の作製)
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)を体積比1:1で混合した溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解し、そこに、HNO3を電解液の総重量に対してそれぞれ0.1重量%添加し、電解液とした。
(円筒形電池の作製)
図2は本発明に用いた円筒形電池の縦断面図である。
まず、超音波溶接で正極にアルミニウムからなる正極リード25aを取り付けた。同様に負極に銅の負極リード26aを取り付けた。そして、正極25、負極26、および両極板より幅が広く、帯状の多孔性ポリエチレン製セパレータ27を積層した。このとき両極
板の間にセパレータ27を介在させた。次いで、積層物を円筒状に捲回して極板群24とした。極板群24は、その上下にそれぞれポリプロピレン製の絶縁リング28を配して電池ケース21に挿入した。そして、電池ケース21の上部に段部を形成した後、任意の電解液をそれぞれ注入し(図示せず)、封口板22で密閉して円筒形電池を作製した。
上記の方法で作製した負極、正極および電解液を使用し、表2に示される円筒形電池B1〜B7を作製した。下記に示す方法でサイクル特性を評価した。
(比較例3)
負極活物質に黒鉛を用い、HNO3を含まない電解液を用いたこと以外は電池B1と同様にして作製した円筒形電池を比較例3の電池とした。
(比較例4)
負極活物質にTi−Si合金を用い、HNO3を含まない電解液を用いたこと以外は電池B1と同様にして作製した円筒形電池を比較例4の電池とした。
(充放電サイクル試験の評価方法)
円筒形電池の充放電サイクル試験を25℃で以下のように行った。まず、充電電流0.2C(1Cは1時間率電流値)で4.2Vまで充電し、放電を0.2Cの電流で電池電圧が2.5Vになるまで行った。充電あるいは放電終了後に30分間休止時間を設けた。この充放電サイクルを繰り返し、1サイクル目の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の比を求め、その値に100をかけて容量維持率(%)とした。容量維持率が100に近いほどサイクル寿命が良好であることを示す。
表2に各負極活物質を用いた電池の電池容量と充放電サイクル特性を示す。
Figure 0004945973
表2の結果から、種々の負極を用いて電解液にHNO3を含有することでサイクル特性を向上させることができた。なお、本実施例以外の無機化合物を非水電解液に含有させても同様の効果が得られる。
(実施例3)
(負極の作製)
負極活物質をTi−Si合金とし実施例2と同様の方法で負極を作製した。
(正極の作製)
実施例2と同様の方法で正極を作製した。
(電解液の作製)
エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)を体積比1:1で混合した溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解し、そこにHNO3を電解液の総重量に対してそれぞれ0.05、0.1、0.5、1.0、2.0、5.0、10重量%添加した7種類の電解液を作製した。
(円筒形電池の作製)
正極と負極を用い実施例2と同様の方法で、表3に示される量のHNO3を含有した電解液を注入し、円筒形電池C1〜C7を作製した。
(充放電サイクルの評価方法)
実施例2と同様の方法で評価し、電池容量(mAh)と100サイクルでの容量維持率(%)を求めた。その結果を表3に示す。
Figure 0004945973
表3の結果から、電解液のHNO3含有量は0.1〜5.0重量%の範囲でより良好なサイクル特性が得られることがわかった。なお、HNO以外の無機化合物でも同様の効果が得られた。
また、本実施例では、黒鉛、あるいはSi、Snを含む負極活物質を用いた場合を示したが、これら以外のリチウムを吸蔵・放出できる金属あるいは合金、酸化物、ハロゲン化物、塩、リチウム金属を負極活物質に用いた場合も同様の効果を得ることができる。
本発明にかかる非水電解液およびリチウム二次電池は優れたサイクル性能を有し、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に用いることができる。
本発明の実施例における評価用のコイン電池の縦断面図 本発明の実施例における評価用の円筒形電池の縦断面図
符号の説明
11 試験極
12 ケース
13 セパレータ
14 金属リチウム
15 ガスケット
16 封口板
21 電池ケース
22 封口板
23 絶縁パッキング
24 極板群
25 正極板
25a 正極リード
26 負極板
26a 負極リード
27 セパレータ
28 絶縁リング

Claims (2)

  1. リチウム塩と非水溶媒とを備え、HNO3、H2SO4およびHClO4からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機化合物を含有し、前記無機化合物の含有量が電解液の総重量に対して0.1〜5.0重量%であることを特徴とするリチウム二次電池用非水電解液。
  2. 正極と、負極と、請求項1に記載のリチウム二次電池用非水電解液とを備えたリチウム二次電池。
JP2005261538A 2005-01-14 2005-09-09 リチウム二次電池用非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池 Expired - Fee Related JP4945973B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005261538A JP4945973B2 (ja) 2005-01-14 2005-09-09 リチウム二次電池用非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005007397 2005-01-14
JP2005007397 2005-01-14
JP2005261538A JP4945973B2 (ja) 2005-01-14 2005-09-09 リチウム二次電池用非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006222064A JP2006222064A (ja) 2006-08-24
JP4945973B2 true JP4945973B2 (ja) 2012-06-06

Family

ID=36984211

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005261538A Expired - Fee Related JP4945973B2 (ja) 2005-01-14 2005-09-09 リチウム二次電池用非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4945973B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112864459B (zh) * 2019-11-28 2022-07-12 广东工业大学 一种电解液及其制备方法和二次锂金属电池

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0603397B2 (en) * 1991-09-13 2002-12-18 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Secondary cell
JP2001015157A (ja) * 1999-07-01 2001-01-19 Sony Corp 電解液およびそれを用いた二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006222064A (ja) 2006-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4033074B2 (ja) 二次電池用電解液およびそれを用いた二次電池
JP6070540B2 (ja) 二次電池および電解液
JP5210503B2 (ja) 非水電解質二次電池
US8859149B2 (en) Anode for lithium ion secondary battery, lithium ion secondary battery, electric power tool, electrical vehicle, and electric power storage system
JP6279233B2 (ja) リチウム二次電池
WO2014021272A1 (ja) 非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス
WO2009122908A1 (ja) リチウム電池用非水電解液及びそれを用いたリチウム電池
JP4465968B2 (ja) 二次電池用電解液およびそれを用いた二次電池
JP2004022336A (ja) 二次電池用電解液およびそれを用いた二次電池
JP4909649B2 (ja) 非水電解液およびそれを用いた非水電解液二次電池
JP2009231261A (ja) 非水電解質二次電池
JP4797403B2 (ja) 非水系電解液二次電池及び非水系電解液二次電池用電解液
WO2015087580A1 (ja) 二次電池の製造方法
WO2014133165A1 (ja) リチウムイオン二次電池
JP2009272170A (ja) 非水電解質二次電池
WO2014003077A1 (ja) 非水電解液二次電池
JP4352719B2 (ja) リチウムイオン二次電池用電解液およびそれを用いたリチウムイオン二次電池
JP4968614B2 (ja) 二次電池用電解液およびそれを用いた二次電池
JP4968615B2 (ja) 二次電池用電解液及び二次電池
JP2004022379A (ja) 二次電池用電解液、二次電池および二次電池の使用方法
WO2012161184A1 (ja) 非水二次電池用電解液及び二次電池
JP6036697B2 (ja) 非水系二次電池
JP4304570B2 (ja) 非水電解液およびそれを用いた二次電池
WO2016021596A1 (ja) リチウム二次電池およびその製造方法
JP5421220B2 (ja) 二次電池用電解液および二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080529

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110412

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110613

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120207

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120220

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150316

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150316

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees