JP4945791B2 - 片側骨固定器 - Google Patents

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Description

本発明は、片側骨固定器に関するものであり、より具体的には、さまざまな6自由度筋骨格奇形に対し、奇形矯正過程で大ざっぱな操作及び精密な操作の両方によって対処する片側骨固定器に関するものである。
(関連する特許出願に関する申立)
この特許本出願は、2002年9月17日に出願され、発明の名称が片側骨固定器である米国特許仮出願第60/411,291号、及び2002年11月14日に出願され、発明の名称が片側骨固定器方法である米国特許仮出願第60/426,439号に対して35U.S.C.§119による優先権を主張している。上記仮出願は、参照により本明細書に全て組み込まれる。
(発明の背景)
整形外科の医療では、医師が、所定の骨格の傷害又は奇形を外付け骨固定器を用いて直さなくてはならないことがよくある。このような奇形は、急性であることも、慢性であることもあり、短期間で直せることも、長期をかけて直すこともある。これらの骨固定器は、個々の骨片に取り付けられたピン又はワイヤと、外付け構造フレームとを用いて骨片をある程度まで一直線に揃え、又は固定し、傷害の治療や、奇形の矯正を補助するものである。骨固定器を患者に取り付けると、骨固定器は、力を加えて、骨片を医師が定めた形状に維持する。多くの場合、医師は、時間と共に骨片の配置を徐々に調整しなければならず、この場合、6自由度で調整できて、骨片を解剖学上の正しい状態に確実に配置できることが最も望ましい。
筋骨格の奇形を取り扱ういろいろな器機及び方法が当技術分野では公知である。これらの装置は、構造がいろいろであるが、一般に、2つの大きなカテゴリー、すなわち、円環型機器と、片側型機器とに分類される。円環型機器のカテゴリーの一例としては、イリザロフ型システムがある。このイリザロフ型システムは、2つのリングを有しており、この2つのリングは、複数のまっすぐな支柱によって連結されており、これらの支柱は、各支柱の各端部に固定連結部又はヒンジ連結部を備えている。スペースフレームと呼ばれる機器は、2つのリングを有し、この2つのリングは、6つの真っ直ぐな支柱によって連結されており、この6つの支柱は各端部に6脚配列に配置された球継ぎ手を有している。スペースフレームには、例えばスチュワートフレームがある。スペースフレームは、元々のイリザロフの概念が進化したものである。他の具体例には、リングを組み合わせたものを片側機器とみなせるものに取り付けたものがある。このような構造のものは、ハイブリット機器と一般に呼ばれている。
イリザロフ型機器は、矯正する必要がある奇形に基づいて、つまり、特定の患者及びその患者の具体的な奇形に対して組み立てられる。ヒンジ及び支柱を加えて、具体的な事例におけるそれぞれの奇形の度合いに対処するのである。イリザロフ型機器は、各調整がただ一つの奇形の度合いに関係する点で、たびたび、シリアルマニピュレータと呼ばれている。このようなアプローチでは、今現在の奇形に基づいてフレームを組み立てる必要がある。このため、使用法はかなり単純明快であるが、無数ともなりうる複数の形状からなる複雑な一セットとなる可能性がある。スペースフレームは、リングや支柱を異なる大きさのものとすることができるにしても概念的には一つの形状の機器である。スチュアートフレーム型スペースフレームは、6つの支柱のどれをどのように調整しても6自由度すべてが変化してしまう点から、たびたび、パラレルマニピュレータと呼ばれている。この特徴からスチュワートフレーム型の機器は、あまり直感的に使うことができない。奇形を直すための調整を行うユーザーを導くコンピュータプログラムが多くの場合に必要である。
片側型の機器のカテゴリーにはいくつかの機器がある。これらの機器は、基本的に一連の直交二次元ヒンジ又は球継ぎ手からなり、場合によっては、特定の位置に固定できるスライダーからなる。一般に、これらの機器は、骨片を特定の配置に固定するのに使用できるが、その配置を徐々に、かつ、精密に動かすことはできない。なぜならば、この器機の継ぎ手に、各ヒンジ又はスライダーと連結された直接調整用装置がないからである。それどころか、この機器の継ぎ手を緩め、そして、器機上で全体を大きく操作しなければならない。イリザロフ型円環骨固定器と同様に、これらの機器のいくつかは、特定の自由度で動くことができる。これは、一般に伸縮であり、ときとして、ある軸回りの一回転である。しかしながら、これらの機器は、多くの場合に、奇形の特徴しだいで特定の位置で組み立てたり取り付けたりする必要がある。このような要求は、これら機器の使い方を複雑にするものであり、医師が一般に遭遇する奇形の範囲を取り扱うのに複数の形状が必要にもなる。従来技術の機器でその機器が患者に取り付けられている間に6自由度で微調整ができるものはない。
6自由度とは、3つの直交軸に関する移動とその3つの軸のそれぞれの回りの回転とをいう。これら6つの自由度は、一般に、前後、上下、左右、ピッチ、ロール、及びヨーと呼ばれる。
また、スペースフレーム又は片側骨固定器を大きく操作して、奇形した骨片を奇形矯正処置の最初に適切な位置に配置することができる。しかしながら、医師は、奇形を適切に矯正するために、奇形矯正処置の間じゅう、骨固定器の位置を変えることが必要な場合がある。典型的なスペースフレーム及び片側骨固定器は、奇形矯正処置中に医師が骨固定器の位置を調整する必要がある度に患者から外す、すなわち、これらの機器を患者に取り付けたままで緩めて、大きく調整する必要がある。既存の機器のこのような限界の原因の一つは、これらの機器の調整機構では、微調整を行うのに十分な機械的倍率、すなわち、移動範囲が得られないということである。このように骨固定器を所定位置に微調整できないということが、これら骨固定器の有用性を低下させているのである。
必要なのは、6自由度の筋骨格奇形、すなわち、前後方向(AP)、横方向、及び軸方向のずれ、並びにアンギュレーション(angulations)又はその任意のサブセットを有する奇形に対処できる機器である。求められている機器は、奇形部に任意の特定の位置(向き)において実用的に配置できなければならず、かつ、同一機器で複数の形態のものを必要とすることなく奇形を解剖学的状態まで低減できなければならない。さらに、この機器は、高い機械的倍率の調整機構を用いて、奇形が深刻な場合には奇形を大きく操作でき、そしてさらに、この機器を患者に取り付けたままで奇形矯正処置中にさらに精密な微調整を施せることができるものでなければならない。
(発明の開示)
本発明は、片側外付け骨固定器を提供するものであり、この骨固定器は、奇形部の大ざっぱ操作及び微調整を6自由度で可能にするものである。本発明が幅広い範囲の奇形に対処するために必要とする骨固定器の形態がたった一つとなりうる。本発明は、優れた機械的倍率の調整機構を含み得る。このシステムには、従来技術に対して重要な利点を提供するものである。その利点とは、6自由度の片側装置であり、この片側装置が、奇形矯正処置中に患者から骨固定器を絶えず外す必要なくあらゆる方向の骨の奇形を粗調整及び微調整の両方で矯正できるということである。
本発明のある面は、支柱アセンブリ及び2つの複合可動継ぎ手を備えた片側骨固定器を提供する。各複合可動継ぎ手は、2つの回転関節を備え、一方の複合可動継ぎ手は、支柱アセンブリの長手方向軸の回りに回転可能であり、第2の複合可動継ぎ手は、支柱アセンブリの長手方向軸に沿って動くことができる。骨固定器は、さらに、骨片装着装置を備えている。この骨片装着装置は、各複合可動継ぎ手に取り付けられている。
本発明の他の面では、片側骨固定器が一つの支柱と2つの複合可動継ぎ手とを備えている。一方の複合可動継ぎ手は、支柱に対して固定されており、3つの回転間接を備えている。第2の複合可動継ぎ手は、2つの回転関節を備え、支柱アセンブリの長手方向軸に沿って移動可能である。この骨固定器は、さらに、骨片装着装置を備えている。この骨片装着装置は、第1及び第2の複合可動継ぎ手のそれぞれに取り付けられている。
本発明の別の面では、片側骨固定器用の複合可動継ぎ手が左巻きヘリカルスプライン、右巻きヘリカルスプライン、及びスラスト座金を備えている。スラスト座金は、左巻きヘリカルスプラインと、右巻きヘリカルスプラインとの間に配置されている。複合可動継ぎ手は、さらに、ヘリカルスプールを備えており、このヘリカルスプールは、右巻きヘリカルスプライン及び左巻きヘリカルスプラインの中をスライドしてもよく、左巻きヘリカルスプライン及び右巻きヘリカルスプラインと回転可能に係合してもよい。複合可動継ぎ手は、さらに、左巻きヘリカルスプライン、右巻きヘリカルスプライン、及びスラスト座金を軸方向に締めている押さえねじを有し、骨片装着装置が骨片に取り付けられているときに減速機構の微調整ができるようにしている。
本発明の特徴は、開示した実施形態の下記の詳細な説明を検討することにより、かつ、図面及び特許請求の範囲を参照することにより、より明確に理解され、かつ、評価されるであろう。
本発明の典型的な実施形態による片側固定器の画像である。 図1の片側固定器の断面A−Aの画像である。 図1の典型的な片側固定器の等角投影画像である。 典型的な片側骨固定器の他の画像である。 図4aの片側骨固定器の断面B−Bの画像である。 図2の片側骨固定器の細部Aの画像である。 図3の細部Aの断面C−Cの画像であり、本発明の典型的な実施形態による片側骨固定器用の歯車アセンブリを示している。 本発明の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による片側骨固定器の正面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による片側骨固定器の側面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による片側骨固定器の上面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による片側骨固定器の等角投影画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手の正面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手の側面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手の上面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手の等角投影画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手における2つの回転関節のうちの第1のものの正面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手における2つの回転関節のうちの第1のものの側面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手における2つの回転関節のうちの第1のものの上面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手における2つの回転関節のうちの第1のものの等角投影画像である。 図12cにおける複合可動継ぎ手の2つの回転関節のうちの第1のものの断面A−Aの画像である。 図12bの複合可動継ぎ手の2つの回転関節のうちの第1のものの断面B−Bの画像である。 図12bの複合可動継ぎ手の2つの回転関節のうちの第1のものの断面C−Cの画像である。 図12bの複合可動継ぎ手の2つの回転関節のうちの第1のものの断面D−Dの画像である。 本発明の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手における2つの回転関節のうちの第1のものの駆動機構の斜視図である。 本発明の他の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手における2つの回転関節のうちの第2のものの正面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手における2つの回転関節のうちの第2のものの側面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手における2つの回転関節のうちの第2のものの上面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手における2つの回転関節のうちの第2のものの等角投影画像である。 図14cの複合可動継ぎ手における2つの回転関節の第2のものの断面A−Aの画像である。 本発明の典型的な実施形態によるピンクラップユニットの正面の画像である。 本発明の典型的な実施形態によるピンクラップユニットの側面の画像である。 本発明の典型的な実施形態によるピンクラップユニットの上面の画像である。 本発明の典型的な実施形態によるピンクラップユニットの等角投影画像である。 図15cのピンクラップユニットの断面A−Aの画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による支柱構造部の正面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による支柱構造部の側面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による支柱構造部の上面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による支柱構造部の等角投影画像である。 本発明の他の典型的な実施形態によるベースチューブアセンブリの正面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態によるベースチューブアセンブリの側面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態によるベースチューブアセンブリの底面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態によるベースチューブアセンブリの等角投影画像である。 図17cのベースチューブアセンブリの断面A−Aの画像である。 本発明の他の典型的な実施形態によるトップチューブアセンブリの正面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態によるトップチューブアセンブリの側面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態によるトップチューブアセンブリの上面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態によるトップチューブアセンブリの等角投影画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による図16の支柱構造部のヨージョイントの正面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による図16の支柱構造部のヨージョイントの側面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による図16の支柱構造部のヨージョイントの底面の画像である。 本発明の他の典型的な実施形態による図16の支柱構造部のヨージョイントの等角投影画像である。 図19cにおける図16の支柱構造部のヨージョイントの断面A−Aの画像である。
本発明の典型的な実施形態は、片側外付け骨固定器を提供する。この片側外付け骨固定器は、奇形部の大ざっぱな操作及び微調整を6自由度で行うことを可能にし、骨固定器の機械的倍率を大きくすること及び骨固定器の調整を奇形矯正処置の間じゅう骨固定器を患者から取り外すことなく行うことを可能にする。図1は、本発明の典型的な実施形態による片側骨固定器100の画像である。図1を参照すると、骨固定器100は、2つの複合可動継ぎ手110、120を含んでいる。各複合可動継ぎ手110、120に取り付けられているのは、ピンクランプ130、140である。このピンクランプには、奇形矯正処置を受けている骨片に取り付けることができるさまざまな種類のピン(不図示)を入れることができる。複合可動継ぎ手110は、延長支柱160に取り付けられている。複合可動継ぎ手120は、ベース支柱150に取り付けられている。延長支柱160は、ベース支柱150にスライドして出し入れでき、これにより、2つの複合可動継ぎ手110、120の間の距離を変えることが可能である。図1には、さらに切断線A−Aが示されている。断面A−Aの詳細については、図2との関連で後述する。
図2は、図1の片側骨固定器の断面A−Aの画像200である。図2を参照すると、ベース支柱220が支柱アセンブリの主構造部を形成している。延長支柱210は、ベース支柱220内をスライドできる。延長支柱210及びベース支柱220は、角キー230によって互いに対して相対的に回転するのを抑えられる。角キー230は、ベース支柱220にある(不図示の)フライス加工されたスロットに挿入され、かつ、延長支柱210にある溝350(図3)に保持される。延長支柱210のベース支柱220に対する延長は、長さ調整装置270によって行われる。長さ調整装置270は、ベース支柱220内に2つの止め輪260を使って保持される。長さ調整装置270には、ねじ付きロッド240がねじ込まれる。ロッド240の他端は、堅固なねじ付きの固定インサート250、例えば「キーンサート(KEENSERT)」インサート、にねじ込まれる。インサート250は、同様に延長支柱210にねじ込まれる。ねじ付きロッド240は、長さ調整装置270にねじ込まれると、所定位置に適当なねじ固定材を用いて固定される。他の実施形態では、ねじ付きロッド240を長さ調整装置270に一体化してもよい。長さ調整装置270の回転により、ねじ付きロッド240が堅固なねじ付き固定インサート250内を平行移動させられ、それにより延長支柱210がベース支柱220内を平行移動させられ、その結果、支柱アセンブリが伸縮する。長さ調整装置は、つまみ調整器、又は六角レンチのような工具を用いて回転させることができる。当業者には、画像200のこの典型的な骨固定器を患者に配置したときに、ベース支柱220及び延長支柱210を一定位置に固定できることを保証しつつ延長支柱210をベース支柱220内で移動させるのに、他の機構を利用できることが分かるであろう。このような機構は、ベース支柱及び延長支柱の双方から延びているラジアルピンと両端で係合しているターンバックルに類似したものであってもよく、ターンバックルの長さを調整することにより、延長支柱をベース支柱に対して伸縮させてもよい。
図3は、図1の典型的な片側骨固定器の等角投影画像300である。図1及び図3を参照すると、この典型的な実施形態では、複合可動継ぎ手110がベース支柱160に取り付けられており、複合可動継ぎ手120が延長支柱150に取り付けられている。これら二つの複合可動継ぎ手110、120は、同一のものである。複合可動継ぎ手110、120のそれぞれは、2つの回転関節302、304、306、308を含んでいる。これら回転関節の軸は、直交している。他の実施形態では、これらの軸が90度とは異なる角度をなしていてもよい。
複合可動継ぎ手110は、本明細書ではリストともいい、延長支柱160の軸回りに回転できるが、その軸に沿ってスライドすることはできない。複合可動継ぎ手120は、本明細書ではアンクルともいい、ベース支柱150の軸に沿ってスライドすることはできるが、その軸回りに回転することはできない。アンクル120及びリスト110は、共に、それぞれの対応する押さえねじ310を締めることにより、それぞれの支柱150、160に対して所定位置に固定することができる。この典型的な実施形態では、複合可動継ぎ手110、120の一方の所定構成部分を一定形状に固定するために、アンクル120及びリスト110が複数の押さえねじ310(いくつかは不図示)を含んでいる。これらの押さえねじ310は、耐食性鋼(CRES、又はステンレス鋼)から作られていることが好ましい。当業者には、使用する押さえねじ310の正確な大きさ(実寸)が骨固定器の具体的な用途とともに変わることが分かるであろう。同様に、押さえねじ310は、医療機器用途に適している他の材料から作られていてもよい。
別の実施形態では、複合可動継ぎ手110を、延長支柱160の軸に沿ってスライドするが、その軸回りに回転しないように作ることもできる。同様に、複合可動継ぎ手120を、ベース支柱150の軸回りに回転するが、その軸に沿ってスライドしないように作ることもできる。あるいは、ベース支柱150及び延長支柱160を互いに相対的に回転するように作り、複合可動継ぎ手110及び複合可動継ぎ手120をそれぞれ延長支柱160及びベース支柱150に固定してもよい。
各複合可動継ぎ手110、120に取り付けられているのは、クランププレート320及びクランプボディ330である。これらのクランププレート320及びクランプボディ330には、(不図示の)ピン、又はこの複合可動継ぎ手110、120を患者の体に取り付けるのに適した他の器機が入る。これらクランププレート320及びクランプボディ330は、アルミニウム合金#2024又は医療機器用途に適した他の材料から作ることができる。クランププレート320は、クランプボディ330に4つの押さえねじ340を用いて固定されている。各押さえねじ340は、これらの押さえねじ340が各ピン(不図示)を跨ぐように一組の穴にねじ込むことができる。ある典型的な実施形態では、各ピン(不図示)が円柱形をしており、各ピンの周りに2つの(不図示の)スプリットボール(split balls)がある。各スプリットボールは、クランププレート320及びクランプボディ330の溝の中でクランプ締めされている。スプリットボール(不図示)は、溝に沿ってスライドすることができ、所定平面内でのピンの分散配置及び集中配置の両方を可能にする。
図4aは、典型的な片側骨固定器500の別の画像である。図4bは、図4aの片側骨固定器における断面B−Bの画像である。図4a及び図4bを参照すると、典型的な片側骨固定器500の画像には、切断線B−Bが示されており、この切断線B−Bは複合可動継ぎ手120を切断している。この典型的な実施形態では、断面B−B401が、複合可動継ぎ手110、120の両方に共通な細部を描いている。ここでも、複合可動継ぎ手110及び120は、それぞれ、2つの回転関節405、410を備えている。このことから、図4bは、2つの回転関節405、410のそれぞれの断面を描いており、特に典型的な歯車減速機構を図示している。図4bが煩雑になるのを防ぐために、要素は、たとえ両複合可動継ぎ手405、410に共通であっても、一度しか符号を付していない。当業者には、回転関節の一方で認められる要素が他方の回転関節にもあることが分かるであろう。
各回転関節405、410は、左巻きヘリカルスプライン460を含んでいてもよい。この左巻きヘリカルスプライン460は、内歯の左巻きヘリカルスプラインを有する円筒を含む。左巻きヘリカルスプライン460と並んでいるのは、右巻きヘリカルスプライン420である。この右巻きヘリカルスプライン420は、内歯の右巻きヘリカルスプラインを有する円筒である。左巻きヘリカルスプライン460及び右巻きヘリカルスプライン420を隔てているのは、スラスト座金445である。左巻きヘリカルスプライン460及び右巻きヘリカルスプライン420の両方の中でスライドしており、回転可能に係合しているのは、ヘリカルスプール440である。ヘリカルスプール440は、左巻き及び右巻きの外歯ヘリカルスプラインを有し、これらヘリカルスプラインは、これらが噛み合う部分と同一のねじれ角を有している。左巻きの内歯及び外歯ヘリカルスプラインは、互いに同じ直径ピッチ、歯数、及びねじれ角を有しいなければならない。同様に、右巻きの内歯及び外歯ヘリカルスプラインは、互いに同じ直径ピッチ、歯数、及びねじれ角を有していなければならない。もっとも、左巻きヘリカルスプラインのこれらの特性は、右巻きヘリカルスプラインのこれらの特性と異なっていてもよい。
左巻きヘリカルスプライン460、右巻きヘリカルスプライン420、及びスラスト座金445は、押さえねじ465、スラスト座金470、スペーサ435、菊ナット(溝つきナット)450、及びロールピン425を用いて軸方向にしっかりと留められている。最初にスラスト座金470及びスペーサ435が押さえねじ465の上に嵌められる。次に、スペーサ435が左巻きヘリカルスプライン460の座ぐりにはめ込まれる。次に、ヘリカルスプール440を左巻きヘリカルスプライン460と係合させ、押さえねじ465が、左巻きヘリカルスプライン460とともにスライドすると、ヘリカルスプール440にねじ込まれる。次に、スラスト座金445が、左巻きヘリカルスプライン460の近くに保持され、右巻きヘリカルスプライン420がスラスト座金445に当たるまで、座ぐりを反対側に向けた状態でヘリカルスプール440に嵌められる。次に、スペーサ435が押さえねじ465の上に嵌られ、そして右巻きヘリカルスプライン420の座ぐりにはめ込まれる。次に、スラスト座金470が押さえねじ465の上に嵌められ、菊ナット450が押さえねじ465にねじ付けられ、仕上げ予荷重をかけて、このアセンブリから遊び(lash)を除去する。次にロールピン425が押さえねじ465の穴に押し込まれ、菊ナット450の溝の1つに位置が合わせられる。
ヘリカルスプライン歯車減速機のアセンブリ、すなわち、左巻きヘリカルスプライン460、右巻きヘリカルスプライン420、ヘリカルスプール440、押さえねじ465、及び前述した他の関連部品は、次に、ロールハウジング(roll housing)415のスプリットボア(split bore)に滑らせるようにしてはめられる。このアセンブリは、2つの押さえねじ475を利用することによってスプリットボアの中で軸方向に動かないように保たれている。2つの押さえねじ475の一方は、左巻きヘリカルスプライン460を締めて固定しており、2つの押さえねじ475の他方は、右巻きヘリカルスプライン420を締めて固定している。
2つの別々の押さえねじ475を利用することにより、グランドリファレンス(ground reference)を固定すること及び/又はヘリカルスプライン歯車減速機アセンブリがロールハウジングに対して相対的に出力することを可能にしている。最初、どちらの押さえねじ475も所定位置にあるが、締められてはいない。このような配置では、ヘリカルスプライン歯車減速機アセンブリが自由に回転でき、そしてそれ故に、ロールハウジング415内で出力できる。第1の押さえねじ475を固定すると、左巻きヘリカルスプライン460のロールハウジング415に対する回転を完全に防止できる。その上、右巻きヘリカルスプライン420は、押さえねじ465を回すことによってしか回転できなくなる。第2の押さえねじ475を固定すると、右巻きヘリカルスプラインのロールハウジング415に対する回転を完全に防止できる。2番目の押さえねじ475を固定する理由は、2つある。第1は、さらに調整を行う必要がない場合に、又は、さらに構造的に完全にするために、回転関節を固定できるということである。第2は、左巻きヘリカルスプライン460、右巻きヘリカルスプライン420、及びヘリカルスプール440の長さが限られていることから、ヘリカルスプライン歯車減速機の出力が、減速比に基づく限られた回転角内で作用するということである。出力の回転を増やす必要がある場合には、左巻きヘリカルスプライン460を非固定とする一方で右巻きヘリカルスプライン420を固定することができる。このような配置により、事実上、押さえねじを戻して、出力の角度範囲が拡大するように、ヘリカルスプール440を再配置することができる。
他の実施形態では、個別の押さえねじ475を省略することができる。この場合、ヘリカルスプール440並びに左巻きヘリカルスプライン460及び右巻きヘリカルスプライン420は、自動的にロックするようなねじれ角を有しているであろう。ヘリカルスプール並びに左巻きヘリカルスプライン460及び右巻きヘリカルスプライン420のねじれ角は、自動的にロックする閾値に近いものであるであろう。この値は、左巻きヘリカルスプライン460及び右巻きヘリカルスプライン420の材質及び大きさにより変化するが、15から25度の範囲内となるであろう。この場合、押さえねじ465は、ヘリカルスプール440にねじ込めるように形成されるが、菊ナット450がねじ付ける、すなわち、菊ナットによって保持されるようには形成されない。このような構成により、回転力及び摩擦力が都合のよいものであれば、押さえねじ465及びヘリカルスプール440は左巻きヘリカルスプライン460及び右巻きヘリカルスプライン420とともに軸方向に移動できるようになる。菊ナット450及びロールピン425は、押さえねじ465がヘリカルスプール440に完全にねじ込まれたときに係合する止め輪のような他の形式の軸方向拘束具と置き換えられる。一旦止め輪が係合すると、ヘリカルスプール440は、押さえねじ465を回すことによってのみさらに軸方向に移動させることができ、この押さえねじ465の回転が微調整を可能にする。
押さえねじ465が止め輪と係合していない場合、つまり、ヘリカルスプール440がらせん状の歯部の間の摩擦以外では左巻きヘリカルスプライン460及び右巻きヘリカルスプライン420の中をスライドしないように軸方向に拘束されておらず、かつ、左巻きヘリカルスプライン460及び右巻きヘリカルスプライン420がもはや所定位置に固定されていない場合には、複合可動継ぎ手410に外部から刺激を与えることができ、例えば、振動の力を複合可動継ぎ手410に加えることができる。このような場合、この振動の力が、左巻きヘリカルスプライン460及び右巻きヘリカルスプライン420に対してヘリカルスプール440が自動的にロックできるようにする小さな摩擦力に打ち勝つことができる。したがって、振動の力を加えたり加えなかったりすることにより、又は、患者に対する片側骨固定器の位置決めに悪影響を及ぼすことなく、ヘリカルスプール440と左巻きヘリカルスプライン460及び右巻きヘリカルスプライン420との間の摩擦力に打ち勝つことができる他の力を加えたり加えなかったりすることにより、複合可動継ぎ手410の回転関節を即座に緩めたり締めたりすることができ、ねじ又は類似の機構を締める必要はない。
ヘリカルスプライン歯車減速機のアセンブリがロールハウジング415内に組み立てられると、次に、ピッチハウジング430が右巻きヘリカルスプラインにねじ付けられて締め付けられ、適当な接着剤又は機械的な保持具を用いて所定位置に固定される。他の実施形態では、ヘリカルスプライン歯車減速機アセンブリをロールハウジング415に入れる前にこのような組み立てを行うこともある。ピッチハウジング430もまた2つの押さえねじ480を有し、この2つの押さえねじ480は、ロールハウジング415の押さえねじと同様に機能する。この典型的な実施形態では、ロールハウジング415が回転関節405において作用するのと同じようにピッチハウジング430が回転関節410において作用する。
ピッチハウジング430に組み込んだ回転関節410に入っている右巻きヘリカルスプライン420の出力端には、クランプアセンブリがねじ付けられている。このクランプアセンブリは、クランププレート(不図示)、クランプボディ455、及び4つの押さえねじ(不図示)からなる。右巻きヘリカルスプライン420にねじ付けられ、締め付けられているクランプボディ455は、クランプボディ455及びクランププレート(不図示)の間にクランプ締めされる1つ以上のピンのための不動の基部を与えるものである。
このヘリカルスプライン歯車減速機アセンブリの動作は、極めて簡単である。左巻きヘリカルスプライン460をグランド(ground)とみなし、押さえねじ465を反時計回りに回した場合、ヘリカルスプール440は、軸方向に動いて、押さえねじ465の頭部から離れていかなければならない。これは、ヘリカルスプール440が押さえねじ465にねじ付けられているからである。ヘリカルスプール440は、左巻きヘリカルスプライン460と回転可能に係合しているので、ヘリカルスプール440もまた、ヘリカルスプール440及び左巻きヘリカルスプライン460の両方に共通な左巻きのねじれ角に応じて反時計回りに回転しなければならない。ヘリカルスプール440が右巻きヘリカルスプライン420とも回転可能に係合しているので、ヘリカルスプール440が左巻きヘリカルスプライン460内で、押さえねじ465に沿って、移動、回転させられると、ヘリカルスプール440及び右巻きヘリカルスプライン420の両方に共通な右巻きのらせんの性質から右巻きヘリカルスプライン420が反時計回りに回転させられる。
このような動きの最終的な効果は、押さえねじ465のねじ山のピッチ、並びに、左巻きヘリカルスプライン460、右巻きヘリカルスプライン420、及びヘリカルスプール440のねじれ角に依存する。有効減速比は、多少大きくなることがある。このような大きな有効減速比により、歯車減速機構を精密に調整することができる。このような精密な調整は、片側骨固定器を奇形した骨片に取り付けるときに行うことがある。回転関節405、410のうちの一方の位置を簡単に読み取るには、360、換言すれば、円の角度数が、減速比の整数倍であることが望ましいことがある。例えば、減速比が72対1である場合、出力部のスケールに目盛りが72個あれば、5度単位まで読み取ることができ、入力部のスケールに目盛りが50個あれば、10分の1度までの正確な読み取りが可能になる。入力部の目盛りの間を補完すれば、すなわち、副尺を利用すれば、100分の1度まで正確に読み取れるが、このレベルの精度は、装置の遊びよりもずっと小さく、それ故に必要ではない。それでも、本発明の歯車減速機構は、押さえねじ465による骨固定器の位置の非常に精密な調整、従来技術に見られるよりもずっと精密な調整を可能にする。この典型的な実施形態の機構は、軸方向に組み立てられているが、当業者には、同心の機構も同じように機能することが分かるであろう。最もこのような代替形態は組み立てがより困難なことがある。
図5は、図2の片側骨固定器の細部Aの画像500である。図6は、図2の細部Aの断面C−Cの画像600であり、本発明の典型的な実施形態による片側骨固定器の歯車アセンブリを示している。図4b、図5、及び図6を参照すると、上部回転関節405、つまり、支柱アセンブリに取り付けられている複合可動継ぎ手を構成している2つの回転関節405、410のうちの一方の回転関節は、典型的な骨固定器の支柱アセンブリ回りに回転することができる。このように回転させるために、輪歯車540がロールハウジング415の上部にある座ぐりに接着されている。両面に1つずつ、直交するように配置された2つのスロットを有する平歯車610がオルダム板530の一方の半部(one half)にスライド可能に係合している。オルダム板530は、2つの歯部を有する円板からなり、2つ歯部は、断面方形であり、両面に直交するように配置されている。オルダム板530は、さらに、延長支柱160(図1)の面にあるスロットにスライド可能に係合している。平歯車610の上面には別のオルダム板530があり、このオルダム板530は、平歯車610にあるスロットにスライド可能に係合している。回転ダイヤル(spin dial)550がさらにオルダム板530の他方の面にスライド可能に係合しており、かつ、輪歯車540の外径に中心が合わせられている。回転スケール520は、この装置の上端から見たときの軸アセンブリの回転を示す。回転ダイヤル550がさらに平歯車610の孔にはめ込まれている。回転ダイヤル550のボス部の外径部が、輪歯車540と平歯車610のピッチ円直径の差の2倍程度に偏心しているので、回転ダイヤル550は、平歯車610を輪歯車540に係合させる。回転ダイヤル550が回転すると、平歯車610の連続した歯部のそれぞれが輪歯車540の連続した歯部のそれぞれと係合する。この結果得られた比は、輪歯車540の歯数を輪歯車540と平歯車610の間の歯数の差で割ったものとなる。ヘリカルスプライン歯車減速機と同様に、360、つまり、円の角度数が減速比の整数倍であることが望ましい。
図4a、4b、5及び6に関連して上述した議論は、回転関節の歯車減速機構を説明したものである。当業者には、他の実施形態が異なる機構を利用し得ることが分かるであろう。例えば、別の実施形態は、必要なモーメント剛性(moment stiffness)次第で向かい合わせに又は背中合わせに配置された一対のころ軸受け(ローラベアリング)アセンブリを含んでいてもよい。この一対のころ軸受けアセンブリは、1つの回転関節をそれに接続されているもう1つの回転関節回りに回転可能とするのに役立つ。この別の実施形態におけるころ軸受けアセンブリは、円錐ころ軸受けである。このような軸受けは、多くの場合、自動車用のホイール軸受けアセンブリに使用されており、大きなモーメント剛性を必要とする用途に大変よく適している。当業者には、他の種類のころ軸受けアセンブリ、例えば、予圧をかけた複列形式又は組合せ形式の簡単なアンギュラ玉軸受けを使用できることが分かるであろう。さらに、より安価で性能が低い場合は、滑り軸受けを使用することができる。
この別の典型的な実施形態では、5つの回転関節の各々がウォームギヤをも穴の中に収容しており、この穴は、ころ軸受けアセンブリを収容している穴に対して垂直であり、かつ、ずれている。ウォームギヤは、2つの止め輪を用いて所定位置に保持されている。軸受けアセンブリの上に積み重ねられているのは歯車であり、この歯車はころ軸受けアセンブリと同じ回転軸を有している。
この別の典型的な実施形態では、5つの回転関節のそれぞれに入っている歯車が外面に面スプライン(face spline)を有しており、この面スプラインはロックブッシングにあるもう一つの面スプラインと噛み合っている。ロックブッシングは、内径部に円筒スプライン(cylindrical spline)を有しており、この円筒スプラインは回転関節の軸にある円筒スプラインと係合している。ロックナットが回転関節の軸にねじ付けられており、このロックナット、歯車、及びころ軸受けアセンブリを回転関節のボディに締め付けている。ロックナットを締めると、歯車の面スプライン及びロックナットが噛み合って動かなくなる。ロックナットが、回転関節の軸にある円筒スプラインと常に係合している円筒スプラインを有しているので、ロックナットを締めると、実質的に、歯車が回転関節の軸にロックされる。各回転関節に入っている歯車とロックナットとを組み合わせたものにより、各関節を同じような方法で個別にロックすることができる。
ロックされた状態では、歯車と常に噛み合っているウォームギヤを回すと、対応する回転関節の角度位置が調整される。この別の典型的な実施形態では、アレンキーを利用してウォームギヤを回すのに、ウォームギヤに連結されたアレンヘッドを用いる。ウォームギヤと歯車の間のかみ合いは自動的にロックし、戻すことができない。したがって、この実施形態では、ロックが必要ない。もっとも、ロックを希望する場合には、ばね仕掛けの回り止め式ロックを加えることができる。ロックしていない状態では、ロックナットが歯車とロックナットが互いに相対的に回転することを許容する。このように自由に回転するので、対応する関節を迅速に大きく操作して、装置を取り付け、必要に応じて1回の工程で骨の大ざっぱな奇形を減らすことができる。
この別の実施形態では、複合可動継ぎ手が支柱アセンブリに沿ってスライドすることができ、この支柱アセンブリは、さらに別のウォームギヤか、同様なねじ式の調整装置を収容している。支柱は、この滑り継手(スライドする継手)のボディを突き抜けている。ウォームギヤ又はねじ式調整装置により、滑り継手の直線的な高さを調整できる。ある別の実施形態では、この長さ調整手段がラックで構成されており、このラックは、押し出し成形されたアルミニウム管の中に保持されている。アルミニウム管は、蟻継ぎ構造を用いてラックを保持し、ねじを用いてラックが支柱の長さに沿ってスライドすることを防止している。回転を防止するために、2つのガイドレールが利用されている。これらのガイドレールもまた、蟻継ぎ構造を用いて保持されている。さらに、2つのシューが回転関節に挿入されている。この2つのシューは、支柱に沿って移動して、回転関節がガイドレールに沿ってスライドできるように、回転を防止し、かつ、遊びを取り除いている。滑り継手は、さらに、スライダーの大きな動きを防ぐための固定用締め具、すなわちナットを含んでいる。ロックされていないときには、滑り継手を素早く調整することができる。一旦ロックされると、滑り継手は、5つの回転関節で用いているウォームギヤと同様に、かつ、前述したのと同様に、ウォームギヤに取り付けられた六角ナットを含んでおり、この六角ナットにより、滑り継手をラックに沿って微調整することができる。当業者には、この典型的な実施形態のラック・アンド・ピニオン構造に加えて、いろいろ異なったスライド機構を利用できることが分かるであろう。
図7は、本発明の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手の画像700である。図7を参照すると、複合可動継ぎ手700は、2つの回転関節710、720を備えている。各回転関節710、720は、骨固定器の必要とされる形状を正確に確立するために、機構と一体となっている目盛り730、740を有していてもよい。ロールハウジング750及びピッチハウジング760は、それぞれ、押さえねじ770及び押さえねじ780を用いてヘリカルスプラインアセンブリ(不図示)の周りに締め付けられていてもよい。
図8aは、本発明の他の典型的な実施形態による片側骨固定器の正面画像805である。図8bは、本発明の他の典型的な実施形態による片側骨固定器の側面画像810である。図8cは、本発明の他の典型的な実施形態による片側骨固定器の上面画像815である。図9は、本発明の他の典型的な実施形態による片側骨固定器の等角投影画像900である。図8a、8b、8c、及び9を参照すると、この実施形態では、本発明が2つの可動継ぎ手820、830を備えており、これら2つの可動継ぎ手820、830は、ただ一つの支柱840に連結されている。各可動継ぎ手は、2つの回転関節部分850、860を有しており、一方の可動継ぎ手820は、支柱840のボディに沿ってスライドすることができる。各可動継ぎ手820、830は、さらに、支柱840にクランプで固定されている。支柱840は、支柱840の内部部分を支柱840の外部部分の内側で動かすことによる直線運動、並びに回転運動を可動継ぎ手820、830が取り付けられている端部間で行うことができる。2つの可動継ぎ手820、830は、直交する2自由度の回転運動を可能にする。可動継ぎ手820、830及び支柱840を合わせると、全6自由度の動きが可能である。
図10a〜10cは、それぞれ、本発明の他の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手の正面画像1005、側面画像1010、及び上面画像1015である。図11は、図11a〜10cに図示した本発明の他の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手の等角投影画像1100である。図10a、10b、10c、及び11を参照すると、この実施形態では、複合可動継ぎ手1005、1010、1015、1020、1100が2つの回転関節1070、1080及びクランプアセンブリ1060から構成されている。第1の回転関節は、本明細書ではロールジョイント1070とも呼ばれ、支柱構造部840(図8)の主軸に直交する軸回りにプラスマイナス90度の範囲内の回転運動をもたらす。第2の回転関節は、本明細書ではピッチジョイント1080とも呼ばれ、ロールジョイント1070の出力部に直接固定されており、このために、ロールジョイント1070の回転運動に追従する。ピッチジョイント1080は、ロールジョイント1070の出力軸に対して直交する軸の回りにプラスマイナス60度の範囲内の回転運動をもたらす。ピッチジョイント1080及びロールジョイント1070は、ロールピン1050を利用して、互いに固定されている。クランプアセンブリ1060が、ピッチジョイント1080の出力部にウッドラフキー(半月キー)を利用して取り付けられている。ウッドラフキーは、クランプアセンブリーの断面図、図15e、に詳細に示されている。
図12aは、本発明の他の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手の2つの回転関節1210のうちの一方であるロールジョイントの正面画像である。図12b〜12dは、同じ回転関節の側面画像1220、上面画像1230、及び等角投影画像1240である。図12eは、図12cの複合可動継ぎ手の2つの回転関節のうちの一方の断面A−Aの画像1250である。図12fは、図12bの複合可動継ぎ手の2つの回転関節のうちの一方の断面B−Bの画像1270である。図12gは、図12bの複合可動継ぎ手の2つの回転関節のうちの一方の断面C−Cの画像1280である。図12hは、図12bの複合可動継ぎ手の2つの回転関節のうちの一方の断面D−Dの画像1290である。図12aから12hまでを参照すると、断面A−Aは、ハウジング1257の図を表しており、このハウジング1257は、ロールジョイント1210、1220、1230、1240の構造上の支持部となっており、ロールジョイント1210、1220、1230、1240の全ての内部部品を収容している。ねじ1256は、ロールジョイント1210、1220、1230、1240がはめられている支柱840(図8a)に締め付け荷重を加えており、ロールジョイント1210、1220、1230、1240の支柱840(図8a)に対する位置を固定するのに用いられている。残りの機構は、ロールジョイント1210、1220、1230、1240を微調整するのに利用される。
滑り軸受け1259が駆動軸1258をハウジング1257の中で支持している。駆動軸1258に連結されているのは、オルダム板1255である。オルダム板1255は、その板の平面から突出している細長い突出部、及び駆動軸1258のスロットを利用して駆動軸1258にスライド可能に係合している。オルダム板1255の反対側に連結されているのは、歯車1253である。この歯車1253は、駆動軸1258と同様に、スロットを有しており、このスロットはオルダム板1255の平面から突出している細長い突出部と係合している。この機構は、歯車1253及び駆動軸1258の間のトルクを、径方向の位置合わせ不良を許容しながら、効率よく伝達する。歯車1253の径方向の位置合わせは、カム1251により調整される。カム1251は、断面が円形であり、回転軸から偏心した軸を有している。この回転軸は、円形突出部によって規定されており、この円形突出部は、つまみ式の調整部1254の内側にある。つまみ式調整部1254は、カム1251のツリーパン(tree pan)と干渉している。円形突出部自体、つまみ式調整部34のツリーパンに対し偏心している。このつまみ式調整部34のツリーパンは、つまみ式調整部1254の回転軸をハウジング1257に対して調整している。カム1251は、固定用ノブ1252に固定されており、この固定用ノブ1252を回すと、カム1251が回転する。カム1251の外径部がカム1251のツリーパンに対して偏心している度合いは、つまみ式調整部1254の内側突出部がつまみ式調整部1254のツリーパンに対して偏心している度合いに等しい。このようにカム1251の偏心が一致しているので、つまみ式調整部1254の偏心を打ち消して歯車1253をハウジング1257と同心にしたり、カム1251のハウジング1257に対する偏心の度合いを2倍にして歯車1253をハウジング1257と接触させることができる。
ハウジング1257は内歯を有し、この内歯は歯車1253の外歯と等しいピッチを有するが、ハウジング1257の歯数は、ハウジング1257の全歯数の極く一部の分だけ歯車1253の歯数を超過している。この小さな歯数の差は、2つのことを果たす。第1に、この差は、歯車の歯が接触している側で噛み合い、隙間のある側で外れるような隙間を可能にしている。第2に、歯数の差でハウジング1257の総歯数を割ったものが歯車減速比である。この種の歯車減速は、サイクロイド減速として公知である。
図12fは、歯車のかみ合いの断面B−Bを示しており、偏心の度合いを示している。同様に、同種の減速は、ハーモニックドライブと呼ばれる装置を用いて実現できる。ハーモニックドライブでは、内側の歯車が柔軟な部材であり、この柔軟な部材は、楕円形の軸受けを用いて、又は楕円の2つの焦点に中心が配置されている2つの軸受けを用いて楕円形に変形されている。この内側の歯車は、楕円の主軸上で歯が噛み合っており、楕円の短軸上で隙間を有している。
ノブ式調整部1254の回り止めを行うのに、ボール押さえ(ball detent)が使用されている。図12gには、断面C−Cが描かれている。つまみ式調整部1254は、ボール押さえがある領域において、ツリーパンの内径じゅうにギザギザを有している。このギザギザは、鋼球1261と係合する。鋼球1261は、エラストマー(ゴム)ボール1260を圧縮することによって外方へばね荷重をかけられている。鋼球1261及びエラストマーボール1260は、共に、径方向に延びる平底穴の中に配置されている。つまみ式調整部1254を回転させることにより、エラストマーボール1260が押しつぶされ、鋼球1261がつまみ式調整部1254のギザギザから外れる。
断面D−Dを描いている図12hを参照すると、つまみ式調整部1254が正方形断面のワイヤ1262を用いてハウジング1257に固定されている。ワイヤ1262は、つまみ式調整部1254の孔に通されて挿入されている。つまみ式調整部1254の穴は、ツリーパンの内側の接線となっている。ワイヤ1262は、つまみ式調整部1254のツリーパンの壁部にある溝に沿うとともに、ハウジング1257の壁部にある溝に沿っている。当業者には、つまみ式調整部1254をハウジング1257に固定するのに、他の方法、例えば止め輪又はスウェージング法を用いることもできることが分かるであろう。
図12aから12hまでに関連して上述したロールジョイント1210、1220、1230、1240の機械的な動作は、図8a、8b、及び8cに図示したようにこの別の実施形態を含む他の3つの回転関節と同じである。
図13は、本発明の典型的な実施形態による可動継ぎ手構造の2つの回転関節のうちの第1の方の駆動機構の斜視図である。つまみ式調整部1310が、オルダム板1320を介して駆動軸1330に連結されている。オルダム板1320は、オルダム板の平面から突出している細長い突起部、及び駆動軸1330のスロットを利用して駆動軸1330にスライド可能に係合している。このような連結機構は、オルダム板1320の平面の両側から突出しており、互いに直交している細長い突起部によって実現されている。
図14aは、本発明の他の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手の2つの回転関節のうちの第2の方、すなわちピッチジョイントの正面画像1410である。図14bは、本発明の他の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手の2つの回転関節のうちの第2の方の側面画像1420である。図14cは、本発明の他の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手の2つの回転関節のうちの第2の方の上面画像1430である。図14dは、本発明の他の典型的な実施形態による複合可動継ぎ手の2つの回転関節のうちの第2の方の等角投影画像1440である。図14eは、図14cに示した複合可動継ぎ手の2つの回転関節のうちの第2の方の断面A−Aの画像1450である。
図14aから14eまでを参照すると、断面A−Aは、ハウジング1455の図を表している。ハウジング1455は、ピッチジョイント1410、1420、1430、1440、1450の構造上の支持部となっており、ピッチジョイント1410、1420、1430、1440、1450の全ての内部部品を収容している。ねじ1460、1465は、2つの領域で締め付け荷重を加えている。第1のねじは、ロールジョイントの出力ボス(不図示)をクランプ締めして、ピッチジョイント1410、1420、1430、1440、1450のロールジョイント(不図示)に対する回転を防ぐ。このようなクランプ締め動作は、安全に固定することを意図しており、かつ、衝撃又は持ち上げ荷重(heaving load)を受けて歯車減速機構が逆動することによってピッチジョイント1410、1420、1430、1440、1450が決して動かないようにすることを意図したものである。第2の締めねじは、ピッチジョイント1410、1420、1430、1440、1450の駆動軸1470をピッチジョイント1410、1420、1430、1440、1450のハウジング1455にクランプ締めする。このクランプ締め動作は、第1のねじクランプ締め動作と同じ理由で行うものであり、具体的には、クランプアセンブリのピッチジョイント1410、1420、1430、1440、1450に対する回転を防止する。駆動軸1470は、ハウジング1455の中に2つのすべり軸受け1475、1480を用いて支持されている。ピッチジョイント1410、1420、1430、1440、1450の他の全ての特徴は、図12aから12hまでとの関連でロールジョイントについて説明した特徴と同じである。
図15aは、本発明の典型的な実施形態によるピンクラップユニットの正面画像1510である。図15bは、本発明の典型的な実施形態によるピンクラップユニットの側面画像1520である。図15cは、本発明の典型的な実施形態によるピンクラップユニットの上面画像1530である。図15dは、本発明の典型的な実施形態によるピンクラップユニットの等角投影画像1540である。図15eは、図15cのピンクラップユニットの断面A−Aの画像1550である。
図15aから15eまでを参照すると、ハウジング1555は、ピンクランプ1510、1520、1530、1540、1550の構造上の支持部となっており、駆動軸1470(図14e)にウッドラフキーを用いて連結されている。ウッドラフキーのためのスロット1585は、ハウジング1550の中にある。2つのクランプスレッド(clamp sleds)1570がハウジング1555に蟻継ぎ構造を用いて保持されている。クランプスレッド1570には、蟻継ぎ溝の端部に向けてばね1575を用いて予め荷重がかけられており、また、クランプスレッド1570が蟻継ぎ溝から滑り出すことが2つのロールピン1565で防止されている。一方が右巻きのねじ孔を有し、他方が左巻きのねじ孔を有する2つの支持部材(くさび形止め具、クリート)1580が蟻継ぎ溝の真下にある切削部に配置されている。各支持部材1580の上端は、切削部から飛び出て蟻継ぎ溝の中まで伸びている。ばね1575は、各クランプスレッド1570にある小さな円形のボスによって保持されている。円形のボスは、ばね1575の内径部にはまっている。ねじ付きロッド1560であって一方の端部に右巻きの雄ねじがあり、他方の端部に左巻きの雄ねじのあるものが、ハウジング1555の横孔の中に配置されており、支持部材1580にねじ込まれている。六角形又は四角形のヘッドがねじ付きロッド1560の各端部にあってもよい。ロッド1560を回転させると支持部材1580がロッドの中心に向けて移動するか、ロッドの端部に向けて異動する。このようにすると、支持部材1580が、外側に移動したときに、クランプスレッド1570と接触して、クランプスレッド1570とハウジング1555との間にピン(不図示)をクランプ締めする。支持部材1580がねじ付きロッド1560の中心の方へ移動すると、ばねがクランプ締めの力を供給する。ばね1575によりピン(不図示)が所定位置にカチッとはまることができる。これは、クランプスレッド1570及びハウジング1555がクランプ締めするくぼみへの導入部として面取りされた端部を有するからである。ばね1575は、骨固定器を位置決めして、支持部材1580が外側へと移動してピンをハウジング1555に確実にクランプ締めするようにねじ付きロッド1560を回転させている間、ピンを所定位置に保持する。当業者には、このクランプ構造が本発明の片側骨固定器で使用できる数多くの種類のクランプの候補の一例であることが分かるであろう。
図16aは、本発明の他の典型的な実施形態による支柱構造部の正面の画像1610である。図16bは、本発明の他の典型的な実施形態による支柱構造部の側面の画像1620である。図16cは、本発明の他の典型的な実施形態による支柱構造部の上面の画像1630である。図16dは、本発明の他の典型的な実施形態による支柱構造部の等角投影画像1640である。図16aから16dを参照すると、支柱構造部1610、1620、1630、1640は、3つの部品から構成されており、メインボディ1650は、トップチューブ1660がはめ込まれており、このメインボディ1650に対するトップチューブ1660の長さ調整に備えている。トップチューブ1650には、ヨージョイント(yaw joint)1670がはめ込まれている。これは、メインボディ1650とトップチューブ1660とを組み合わせたものに対するヨージョイント1670の回転を可能にしている。
図17aは、本発明の他の典型的な実施形態によるベースチューブアセンブリの正面の画像1710である。図17bは、本発明の他の典型的な実施形態によるベースチューブアセンブリの側面の画像1720である。図17cは、本発明の他の典型的な実施形態によるベースチューブアセンブリの底面の画像1730である。図17dは、本発明の他の典型的な実施形態によるベースチューブアセンブリの等角投影画像1740である。図17eは、図17cのベースチューブアセンブリの断面A−Aの画像1750である。
図17aから17eまでを参照すると、スクリューアジャスター1790が、支柱のハウジング1760内に止め輪1780を用いて保持されている。O−リング1770が、支柱のハウジング1760の内径部に沿った周溝にはめ込まれており、スクリューアジャスター1790の外径部を押しつぶして摩擦を発生させ、スクリューアジャスター1790が、衝撃や振動を受けて、後方に動いたり、回転したりすることを防止している。
図18aは、本発明の他の典型的な実施形態によるトップチューブアセンブリの正面の画像1810である。図18bは、本発明の他の典型的な実施形態によるトップチューブアセンブリの側面の画像1820である。図18cは、本発明の他の典型的な実施形態によるトップチューブアセンブリの上面の画像1830である。図18dは、本発明の他の典型的な実施形態によるトップチューブアセンブリの等角投影画像1840である。
図18aから18dを参照すると、トップチューブハウジング1850が、トップチューブ1810、1820、1830、1840の構造上の主支持部となっている。トップチューブ1810、1820、1830、1840に取り付けられているのは、ガイドレール1890である。ガイドレール1890は、伸ばした量を読みとるための目盛りを付けたスケールを有している。ガイドレール1890は、さらに、トップチューブ1810、1820、1830、1840がトップチューブハウジング1850に対して回転するのを防止する役割を果たしている。ガイドレール1890は、トップチューブハウジング1850の蟻継ぎ溝にスライドして入っている。ガイドレール1890自体、断面が蟻継ぎ形状をしている。また、ガイドレール1890は、固定用のロールピン1880を有している。トップチューブハウジング1850の先端には、中ぐり穴1845がある。この中ぐり穴1845には、ヨージョイント(不図示)が入る。中ぐり穴1845の中には、ヨージョイント(不図示)の駆動軸を回転に関してトップチューブハウジング1850に固定するようにキー溝1895がある。ヨージョイント(不図示)をロックするには、締め付けねじ1870を2つのクランプブッシング1860とともに使用する。2つのクランプブッシング1860の一方はねじが切ってあり、他方にはクリアランスホールがある。締め付けねじ1870を締めると、トップチューブハウジング1850の回転がロックされる。
図19aは、本発明の他の典型的な実施形態による図16の支柱構造部のヨージョイントの正面の画像1910である。図19bは、本発明の他の典型的な実施形態による図16の支柱構造部のヨージョイントの側面の画像1920である。図19cは、本発明の他の典型的な実施形態による図16の支柱構造部のヨージョイントの底面の画像1930である。図19dは、本発明の他の典型的な実施形態による図16の支柱構造部のヨージョイントの等角投影画像1940である。図19eは、図19cに示した図16の支柱構造部のヨージョイントの断面A−Aの画像1950である。
図18d及び19aから19eまでを参照すると、ウッドラフキー1960がトップチューブハウジング1850のスロットに係合している。駆動軸1970は、トップチューブ1840の先端部にある中ぐり穴1845の中に支持されている。ヨージョイントハウジング1965は、構造上の主支持部となっており、ヨージョイント1910、1920、1930、1940、1950の全ての部品を収容している。また、ヨージョイントハウジング1965は、上部可動継ぎ手(不図示)、ヨージョイントハウジング1965の外径部周りの取付箇所を提供する。ヨージョイントの動作及び機構の説明は、図12aから12hに関連して前述したロールジョイントと同一である。
当業者には、典型的な片側骨固定器の部品を耐食鋼(CRES、又はステンレス鋼)、アルミニウム合金、真鍮、又は医療機器に一般的に使用される他の材料から製作することができることが分かるであろう。
当業者には、本発明が、6自由度での奇形の大ざっぱな操作と微調整とを可能にする片側外付け骨固定器をサポートしていることが分かるであろう。この装置は、支柱アセンブリと、この支柱アセンブリの各端部に1つずつある2つの複合可動継ぎ手を備えていてもよい。複合可動継ぎ手の一方は、それぞれが歯車減速機構を含む2つの回転関節を備え、支柱回りに回転することができてもよい。第2の複合可動継ぎ手は、それぞれが歯車減速機構を含む2つの回転関節を含み、支柱アセンブリの長さに沿って移動することができてもよい。歯車減速機構は、骨固定器の粗調整及び微調整を可能にするヘリカルスプラインアセンブリを含んでいてもよい。

Claims (23)

  1. 第2の骨部分に対する第1の骨部分の調整のための片側固定器であって、
    第1及び第2の端部、及び縦方向の支柱軸を有し、前記支柱軸に沿って伸縮自在に調整可能な支柱と、
    前記支柱の第1の端部、及び第1の骨取付装置に連結される第1の複合可動継手であって、第1の歯車機構を含み、前記第1の歯車機構は、前記第1の骨取付装置が第1の骨部分に係合されている間、互いに及び前記支柱軸に概ね直角な第1及び第2の軸に対する前記第1の骨取付装置の直線運動及び回転運動を制御するように作動可能である、第1の複合可動継手と、
    前記支柱の第2の端部、及び第2の骨取付装置に連結される第2の複合可動継手であって、第2の歯車機構を含み、前記第2の歯車機構は、前記第2の骨取付装置が第2の骨部分に係合されている間、前記第2の骨取付装置の直線的な調整及び回転の調整を制御するように作動可能である、第2の複合可動継手と、
    を備え、
    前記第1の複合可動継手は、前記支柱軸に関して回転可能である、固定器。
  2. 前記支柱は、伸縮自在に連結された第1及び第2の部材を含む、請求項1に記載の固定器。
  3. 前記支柱は、前記第1及び第2の部材の間の相対的な回転を制御するように作動可能なキーを含む、請求項2に記載の固定器。
  4. 前記支柱は、前記支柱軸に沿った前記支柱の直線的な調整を制御するように作動可能なリニアアクチュエータを含む、請求項1に記載の固定器。
  5. 前記第1の歯車機構は、スラストワッシャによって分離されたヘリカルスプラインの第1の対を含む、請求項1に記載の固定器。
  6. 前記第1の歯車機構は、前記ヘリカルスプラインの第1の対を軸方向にクランプし、且つ前記第1の軸に関する直線的な調整及び回転の調整を可能にする第1の押えねじを含む、請求項5に記載の固定器。
  7. 前記第1の歯車機構は、ヘリカルスプラインの第2の対と、前記第2の軸に関する直線的な調整及び回転の調整を可能にする第2の押えねじとを含む、請求項6に記載の固定器。
  8. 前記第1の歯車機構は、前記ヘリカルスプラインの第1の対の間にスラストワッシャを含む、請求項6に記載の固定器。
  9. 前記第1の歯車機構は、前記スプラインの第1の対の各々の中でスライドし、且つ前記スプラインの第1の対の各々に回転可能に係合されるヘリカルスプールを含む、請求項8に記載の固定器。
  10. 前記スプラインの第1の対は、左側ヘリカルスプライン及び右側ヘリカルスプラインを含む、請求項8に記載の固定器。
  11. 前記第1の歯車機構は、オルダム板に連結された平歯車、及び輪歯車を含む、請求項1に記載の固定器。
  12. 前記第1の歯車機構は、前記オルダム板に係合された回転ダイヤル、及び回転スケールを含む、請求項11に記載の固定器。
  13. 前記第2の複合可動継手は、前記支柱軸に関して回転可能である、請求項1に記載の固定器。
  14. 前記第2の複合可動継手は、前記支柱軸に対してスライド可能である、請求項1に記載の固定器。
  15. 第2の骨部分に対する第1の骨部分の調整のための片側固定器であって、
    縦方向の支柱軸、及び第1及び第2の端部を有し、且つ前記支柱軸に沿って調整可能な長さを有する支柱と、
    前記支柱軸に対して概ね直角な第1の回転軸を定める第1の回転関節であって、前記支柱の第1の端部に連結された第1の回転関節と、
    前記第1の回転軸及び前記支柱軸に対して概ね直角な第2の回転軸を定める第2の回転関節であって、前記第1の回転関節、及び第1の骨取付装置に連結された第2の回転関節と、
    前記支柱の第2の端部に連結され、且つ前記第1の回転軸と概ね平行な第3の回転軸を定める第3の回転関節と、
    前記第3の回転関節、及び第2の骨取付装置に連結された第4の回転関節であって、前記第2の回転軸と概ね平行な第4の回転軸を定める第4の回転関節と、
    を備え、
    前記第1、第2、第3、及び第4の回転関節の各々は、前記第1及び第2の骨取付装置が前記第1及び第2の骨部分に係合されている間、それぞれの第1、第2、第3、及び第4の回転軸に関する回転運動及び直線運動を調整するように作動可能な対応する歯車機構を含む、固定器。
  16. 前記第1の回転関節は、前記支柱に回転可能に連結され、且つ前記第3の回転関節は、前記支柱にスライド可能に連結される、請求項15に記載の固定器。
  17. 前記支柱は、第1及び第2の支柱部材を含み、前記第1の支柱部材は前記第2の支柱部材にスライド可能に連結される、請求項15に記載の固定器。
  18. 前記第1及び第2の支柱部材の間の相対的な回転を防止するキーを更に含む、請求項17に記載の固定器。
  19. 前記第1及び第2の支柱部材は回転可能に連結される、請求項17に記載の固定器。
  20. 第2の骨部分に対する第1の骨部分の調整のための片側固定器であって、
    縦方向の支柱軸、及び第1及び第2の端部を有し、且つ前記支柱軸に沿って調整可能な長さを有する支柱と、
    前記支柱の第1の端部に連結された第1の複合可動継手であって、前記第1の骨部分に係合可能な第1のクランプに連結され、且つ互いに及び前記支柱軸に対して概ね直角な第1及び第2の軸に関する回転及び平行移動を制御するように作動可能な第1の歯車機構を含む、前記第1の複合可動継手と、
    前記支柱の第2の端部に連結された第2の複合可動継手であって、前記第2の骨部分に係合可能な第2のクランプに連結され、それぞれ前記第1及び第2の軸と概ね平行な第3及び第4の軸に関する回転及び平行移動を制御するように作動可能な第2歯車機構を含む第2の複合可動継手と、
    を備え、
    前記第1の複合可動継手は、前記支柱軸に関して回転可能であり、且つ、前記第2の複合可動継手は前記支柱軸に対してスライド可能である、固定器。
  21. 前記第1の歯車機構は、第1及び第2の歯車装置を含み、前記第1及び第2の歯車装置の各々は、前記第1及び第2の軸に関して回転及び平行移動をそれぞれ制御するように作動可能である、請求項20に記載の固定器。
  22. 前記第2の歯車機構は、第3及び第4の歯車装置を含み、前記第3及び第4の歯車装置の各々は、前記第3及び第4の軸に関して回転及び平行移動をそれぞれ制御するように作動可能な請求項21に記載の固定器。
  23. 前記第1、第2、第3、及び第4の軸は、前記支柱軸から位置がずれている、請求項20に記載の固定器。
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