JP4945563B2 - 乱気流測定のための方法及びライダーシステム、並びにこのライダーシステムを有する航空機 - Google Patents

乱気流測定のための方法及びライダーシステム、並びにこのライダーシステムを有する航空機 Download PDF

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Description

本発明は、ライダーシステムを、特に航空機上で、使用して、乱気流を測定する方法であって、予め定めた波長のパルス拡張レーザービーム(12)をある空間領域に放射し、その空間領域からの後方散乱光を受信する乱気流の測定方法、予め定めた波長のパルス拡張レーザービームを空間領域に放射するためのレーザーを備える、特に航空機用の、乱気流測定のためのライダーシステム、ならびに航空機上、特に飛行機およびヘリコプター上でのライダーシステムの使用に関する。
飛行中の大気内の乱気流は、抵抗の増加および揚力の非常に大きな変化を引き起こすので、翼表面における流れの方向との関連で非常に厄介な問題である。乱気流を回避または減少させる手段にとって、タイミング良く乱気流を探知し測定することが必要となる。
また一方、風の条件と乱気流の条件を測定することは、たとえば風力発電基地の操業にとっても、非常に重要である。風力発電基地の場合、発電の効率は、局地的な風の条件および乱気流の条件との関係でローターの配置の適切性に依存する。そのような理由により、風力発電基地の効率的で安全な操業にとって特に重要なことは、選定した場所に特有の風の場および渦の場の正確で非接触型の測定を、建設に先立って様々な気象条件の下で、実施することである。そのような空気のデータを気象測定ステーションの利用により測定する、場合によってはドップラーライダーシステムの利用により測定する、ことは、現在でも依然として煩雑、高価、不正確と考えられている。
空港においては、離着陸する航空機から生じる乱気流、いわゆる伴流渦、が、後続の航空機の飛行挙動に相当な影響を与える可能性がある。伴流渦の力およびトルクが、たとえばより小型の航空機の横滑りまたは横揺れの原因となる可能性がある。多くの場合に危機的な飛行状態が生じ、極端な状況では事故を招く結果となっている。
多くの国で、非常に便数の多い空港の運用において、伴流渦は深刻な経済問題にもなっている。伴流渦の強度および位置が明確にならないため、国際民間航空機関(ICAO)は、前後を飛行する航空機の大きさに応じて、離着陸の最小時間間隔(分離時間)を約2〜3分と規定している。その一方で、大空港における運行数の増加に伴い、離陸と着陸との間隔を将来全般的に1分より短くする努力も続けられている。したがって伴流渦が影響する場において安全上のリスクを大幅に削減して航空機を誘導するための緊急の解決策が求められている。しかしながらそのためには、視程低下時でも晴天条件下でも、タイムリーな探知および測定が必要となる。
伴流渦は翼前縁と翼端で流れが分離し、翼の上面と下面の気流差の結果として生じ、該伴流渦の強度は航空機の翼幅および重量に左右される。両翼の後方の垂直面内で翼長の約2/3を中心に、伴流渦が渦巻き状の空気の回転を発生させ、その直径は翼長の半分程度の大きさで反対方向に回転する。伴流渦は機体を離れるときに若干高度を下げる方向に流れ、その全エネルギーを熱として周辺空気に放出するまでの数分間に、複数のさらに小さな渦に分裂する。横風および垂直風が伴流渦を全体として動かしてその衰退に影響を与える。エンジンからの排気、中でも熱風、煤煙、水蒸気、が伴流渦に混ざり、一部は上述の伴流渦と同じ動きをする。成層圏では、伴流渦はたとえば水蒸気の凝結の痕跡として航空機の背後に見えるようになる。
伴流渦は揚力の結果として生じるため、近未来でも遠未来においても、翼のデザインによってそれを完全に抑止することはできない。しかし、様々な空気力学的対策を翼に追加する手段、たとえば翼を離れた気流を扇形に広げたり、部分的に分割したりすることによって、その強度を減らすことはできる。
後続の航空機にとってとりわけ危険なのは、両翼における空気の非対象性および突然の揚力または下降流であり、地表近くでは航空機全体に影響を与えることがあり、危険である。したがって、そのような空気の動きは事前に、すなわちある最低限の距離から、飛行軸方向および飛行軸に直交する方向に十分な空間分解能を持って、測定しなければならない。着陸手順は起り得るあらゆる天候条件の下で実行しなければならないので、どんよりした天候、すなわち視程が悪い時、および晴天時、すなわち視程に支障がない時、のどちらの場合でも伴流渦を探知でき測定できなければならない。
これまでは、どんよりした天候、つまり雨や霧や曇の条件下では、数十海里先の空気中に浮遊する大き目の粒子つまり10 μmから数ミリメートルの大気水象(hydrometeors)が、走査ドップラーレーダーを使って記録されてきた。したがって、空港内または航空機上に設置されたドップラーレーダー装置は、どんよりした天候下のウインドシアあるいは旋風のような気流を探知できる。そのような現象はパイロットに通信または画面表示で伝えられるので、安全な距離を保って迂回飛行ができる。
しかしながら、センチメートルからミリメートル領域のレーダー波長は長過ぎて、晴天時にはたとえば直径が1マイクロメートル未満の残留する小さなエアロゾルからの利用可能なエコーを探知できない。そのため、マイクロメーター領域の著しく短い波長のドップラー赤外線ライダーが、運行数の多い一部の空港で試験的に使用されている。エアロゾルは濃度が変動し低下することも多いため、エアロゾルからの後方散乱は非常に変動しやすく、感知できない可能性すらあるので、さらに著しく小さい空気分子からの後方散乱すらも、紫外線ドップラーライダーで探知する目標サイズとして使われる。
DE 103 16 762 A1公報に、ドップラーライダーシステムを使って風速を取得する方法が記載されている。その方法においては、送信装置によってレーザービームをある空間領域に向けて放射し、その空間領域からの後方散乱光を受信する。ドップラー偏移を決定するためにインターフェログラム(干渉図形)を作成して、その強度分布を規定のパラメーター用に予め定めた基準パターンと比較する。その比較により、ドップラー偏移を風速の尺度として決定する。
地上設置の気象測定計器またはドップラーレーダーおよびドップラーライダーによって、空港における風および渦の状態の全体像が得られる。しかしながら、それは危険な渦の状態の一般的な警告をその影響を受けるすべての航空機に対して発するのに十分なだけで、個別の航空機に対する危険は考慮されない。将来のすべての空港での離着陸間隔を全般的に短縮するためには、各航空機が自身の機上測定システムを装備して、あらゆる天候条件下の飛行中に、航路上の個別の渦をタイムリーに探知して、即座にその危険性を評価することが不可欠である。
乗用車(automobiles)用のドップラーレーダーでは送信周波数が24 GHzおよび77 GHzであって、どんよりした天候時に運転者の視程外にある固体障害物を狭い角度領域で探知できる。これは可視光線の領域に比べて、霧中でのレーダー放射の領域が改良されているためである。しかし、この2つの周波数では大気は完全に透明ではなく、霧自体の大気水象からの明確な信号が受信されるので、自動車用途ではその信号を隠してしまう。しかし、霧からのこの背景信号は、原理的に、同様に動いている大気水象によって空気中の渦の運動を探知して画像化するのに適している。このレーダー周波数は一般交通用に国際無線認可を取得しているという特別な利点を伴っており、どんよりした天候下で航空機から伴流渦をレーダー探知するのに特に適している。
車両(vehicle)レーダーのさらに有利な点は、現在すでに非常にコンパクトで経済的に生産可能なことである。もしそれが航空機用の、つまり飛行制御用の、伴流渦警告機能を果たすように拡張されるとすれば、航空機前方の数個の位置で飛行方向に直交する広い範囲内の、空気の動きを距離に加えて同時に画像化されるべきである。航空機前方の広い角度領域を走査するのは、現在でも位相結合アンテナ列を使って電子的に、高速繰り返し周波数で短時間に実施可能である。上記のようなコンパクトなレーダーユニットを航空機に搭載して、雲中、雨中、霧中において伴流渦を良好な距離分解能および横方向分解能で認識するためのさらなる開発努力が現在行われている。
しかしながら、どんよりした天候用には成功しているこのタイプの将来型レーダーの解決策は、それ自体が航空機運航中に渦を探知する信頼性の点では不十分である。その理由は、渦はどんよりした天候の場合と同じように、晴天時でも非常に危険だからである。したがって、ライダーでレーダーを補完する、つまりよりサイズの小さい空気粒子を探知できるようなスペクトルの光学領域内の走査を追加する、努力がされてきた。
しかしながら、晴天大気中の測定用ドップラーライダーは、ドップラーレーダーのようにコンパクトにはなり得ない。今日の技術では、ドップラーライダーの送信ビームを動かすには、角速度の遅い機械的スキャナーを使うしかない。そのため、測定時間の延長が必要になり、その間に航空機と乱気流が測定軸に沿って動いてしまう。このように測定値を等時的に取得できないので、該測定値は航空機前方のある時点の空気の動きの画像を表示するが、その画像は時間的に歪んだものになる。この分解能の遅さは特に軸方向に不利であり、レーダーと比べてライダーのパルス繰り返し周波数が低いために、多数の測定値を平均しても分解能をさらに改善をすることはできない。
ドップラーレーダーと比較すると、ドップラーライダーは現時点ではデザインの面では全体として非常に複雑で高価であり、そのために小型機への搭載には不適であるが、前方を飛行する大型機の伴流渦からの危険にさらされるのは多くは小型機である。
US 2003/0009268 A1公報には、ドップラー効果に基づくシステムを使って三次元気流を測定して乱気流を予測するシステムが記載されている。その構成では航空機がレーザービームを放射して該レーザービームが円錐形に空間領域を走査する。その空間領域からの後方散乱光を光学システムを使って受信し、その散乱光からドップラー効果を使ってその空間領域の空気の渦の速度を決定する。
米国特許4,195,931には、乱気流の位置および強度を決定する装置が記載されていて、そこではパルスレーザービームを空間領域内に放射し、後方散乱レーザー光を分析する。この手順では、受信光の干渉パターンを分光器を使って決定する。その後方散乱光のスペクトルを、乱気流が存在しない場合の標準スペクトルと相互比較する。
特許明細書DE 40 13 702 C2には、大気中の乱気流を捕捉する方法および装置が記載されていて、その方法と装置では予め定めた周波数のレーザー光束をある選択空間領域に放射し、その空間領域からの後方散乱光を捕捉し、放射光に重ね合わせる。放射光と後方散乱光の周波数間のドップラー偏移を決定して、そのドップラー偏移から、測定方向の方向感覚と風速の程度を決定する。この構成ではレーザー光束は2つの部分束に分離され、第一の部分束が空間領域に放射され、その空間領域からの後方散乱光が第2の部分束に重ね合わされる。
米国特許6,184,981 B1にはパルスレーザービームを目標に放射して反射させる方法が開示されていて、その方法では受信信号のスペクトルが基準スペクトルと比較される。
2002年2月20日のApplied Optics誌の第41巻第6号のIrgang, Todd D.他による文献「電荷結合素子を探知器として使用する2チャンネル直接探知ドップラーライダー」には、CCDを探知器として備える2チャンネルドップラーライダーが記載されている。別々の2つのチャンネル内でライダーシステムはエアロゾルおよび分子からの後方散乱光を使って風の動きを測定し、1つのチャンネルの光を他方のチャンネルに入力する。
晴天時に乱気流と伴流渦を探知するための適切な方法を提案することが、本発明の目的である。
さらに、適切な測定システムとは、デザイン的にコンパクトであり、また広い範囲、すなわち大きな角度範囲にわたって測定軸に直交する方向に等時的に、空気の不均質性および動きを可視化できることが必要である。測定システムは遠隔測定(telemetry)に、つまり確定した長距離において限定された空間体積内での測定に、適用可能であることが求められる。この構成においては、測定は測定軸方向の動きには鈍感なことが求められる。
この目的は、以下に記載する、ライダーシステムを使用することによる乱気流の測定の方法、及びライダーシステムの使用によりかなえられる。特に、下記[1]に記載の乱気流の測定の方法、下記[13]に記載のライダーシステムならびに、下記[24]に記載のライダーシステムの使用によりかなえられる。これらの発明は、好ましい態様と共に以下に記載される:
[1]ライダーシステムを、特に航空機上で、使用して、乱気流を測定する方法であって、予め定めた波長のパルス拡張レーザービーム(12)をある空間領域に放射し、その空間領域からの後方散乱光を受信する方法において、レーザーパルス(L)放射後の第1の時点t1および第2の時点t2において前記の後方散乱光の断面内の強度分布を測定し、両方の強度分布を比較することにより、時点t1および時点t2により画定される測定フィールド内の乱気流を決定することを特徴とする上記乱気流の測定方法。
[2]上記[1]による方法であって、強度分布の個別測定を経由して、レーザーパルス(L)の空気分子およびエアロゾルからの後方散乱の間に生じるスペックルを後方散乱光の断面内に探知し、該スペックルパターンの比較から乱気流を決定することを特徴とする上記の方法。
[3]上記[1]または[2]による方法であって、強度分布の画像を2つの時点t1およびt2においてカメラ(21, 22)を使って規定された露出時間で撮影し、それによって生じる画像から前記の測定フィールド内の屈折率変化の画像表示を作成することを特徴とする上記の方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれか1つによる方法であって、前記の測定フィールド内の屈折率変化を画像として表示するために、強度分布の相互相関を実施することを特徴とする上記の方法。
[5]上記[1]〜[4]のいずれか1つによる方法であって、確定した時間間隔で多数の測定を実施するために、多数のレーザーパルス(L)を定期的に決定することを特徴とする上記の方法。
[6]上記[5]による方法であって、該方法を航空機上で実施し、その際に、航空機前方の確定した距離における乱気流を決定するように、飛行速度に依存する放射レーザーパルス(L)の周波数を選択することを特徴とする上記の方法。
[7]上記[1]〜[6]のいずれか1つによる方法であって、二重パルスを形成するために谷レーザーパルス(L)とともに別のレーザーパルス(L')を放射して、該レーザーパルス(L, L')それぞれから測定フィールドにおける乱気流を決定し、その際にその2つの測定の相関によって該乱気流内の空気の動きの速度を決定することを特徴とする上記の方法。
[8]上記[7]による方法であって、前記二重パルスのそれぞれのレーザーパルス(L, L')について、それぞれのレーザーパルス(L, L')放射後の時点t1および時点t2における強度分布の画像を得ること、そしてその際に両画像の二重相関によって該乱気流中の空気の動きの速度を示すことを特徴とする上記の方法。
[9]上記[1]〜[8]のいずれか1つによる方法であって、放射レーザービーム(12)をその断面にわたってその強度勾配内で変調することを特徴とする上記の方法。
[10]上記[1]〜[9]のいずれか1つによる方法であって、前記の放射レーザービーム(12)を多数の部分ビームに分割し、該分割ビームが拡張レーザービーム内に測定円を形成することを特徴とする上記の方法。
[11]上記[1]〜[10]のいずれか1つによる方法であって、二重パルスレーザー(10)を使って前記のレーザービーム(12)を作り出すことを特徴とする上記の方法。
[12]上記[1]〜[11]のいずれか1つによる方法であって、レーザーパルス(L)の放射後の時点t1およびt2において強度分布の画像を撮影するために、少なくとも2つのカメラ(21,22)を使う、ことを特徴とする上記の方法。
[13]予め定めた波長のパルス拡張レーザービームを空間領域に放射するためのレーザー(10)を備える、乱気流測定のための、特に航空機用の、ライダーシステムにおいて、
レーザーパルス(L)放射後の第1の時点t1および第2の時点t2において該空間領域からの後方散乱光の断面内の強度分布を測定するための探知装置(21, 22);
時点t1および時点t2において測定を始動させるために該探知装置(21, 22)をレーザー(10)に連結する同期装置(25);ならびに
測定した強度分布の比較から乱気流を決定する評価ユニット(30; 31, 32, 33)、
を有することを特徴とする上記ライダーシステム。
[14]上記[13]によるライダーシステムであって、レーザーパルス(L)が空気分子から後方散乱される時に生じるスペックルの位置を決定するように探知器(21, 22)が設計されており、スペックルパターンを比較してそれによって乱気流を決定するように評価ユニット(30; 31, 32, 33)が設計されていることを特徴とする上記のライダーシステム。
[15]上記[13]または[14]によるライダーシステムであって、探知器(21, 22)が少なくとも1つのカメラを備えていて、該カメラが強度分布の画像を2つの時点t1およびt2において確定した露出時間で撮影し、そこで生じる画像から評価ユニット(30; 31, 32, 33)が測定フィールド内の屈折率変化の画像表示を作成することを特徴とする上記のライダーシステム。
[16]上記[13]〜[15]のいずれか1つによるライダーシステムであって、強度分布の相互相関を実施して時点t1およびt2により画定される測定フィールド内の屈折率変化を画像として表示するように評価ユニット(30; 31, 32, 33)が設計されていることを特徴とする上記のライダーシステム。
[17]上記[13]〜[16]のいずれか1つによるライダーシステムであって、多数のレーザーパルス(L)を放射して、それによって多数の測定を確定した時間間隔で実施するようにレーザー(10)が設計されていることを特徴とする上記のライダーシステム。
[18]上記[17]によるライダーシステムであって、該ライダーシステムが航空機上で使用するように設計され、飛行速度に応じた前記の放射レーザーパルス(L)の周波数が、該航空機の前方の確定した距離における乱気流を決定するように該ライダーシステムが設計されていることを特徴とする上記のライダーシステム。
[19]上記[13]〜[18]のいずれか1つによるライダーシステムであって、レーザー(10)は各レーザーパルス(L)とともに別のレーザーパルス(L')を放射する二重パルスレーザーであり、該評価ユニットは各レーザーパルス(L, L')から測定フィールド内の乱気流を決定し、その2つの測定を相関させることによって該乱気流内の空気の動きの速度を決定すること、を特徴とする上記のライダーシステム。
[20]上記[19]によるライダーシステムであって、前記二重パルスの各レーザーパルス(L, L')について、レーザーパルス(L, L')それぞれの放射後の時点t1およびt2において探知器(21, 22)が強度分布の画像を撮影し、また該画像の二重相関によって評価ユニット(31, 32, 33)が乱気流内の空気の動きの速度を示すことを特徴とする上記のライダーシステム。
[21]上記[13]〜[20]のいずれか1つによるライダーシステムであって、放射レーザービーム(12)をその断面にわたってその強度勾配内の変調をする空間変調器(50)を有することを特徴とする上記のライダーシステム。
[22]上記[13]〜[21]のいずれか1つによるライダーシステムであって、放射レーザービーム(12)を多数の部分ビームに分割するホログラフ透過型格子(51)を有することを特徴とする上記のライダーシステム。
[23]上記[13]〜[22]のいずれか1つによるライダーシステムであって、レーザーパルス放射後の時点t1およびt2において強度分布の画像を撮影するために、探知器(21, 22)が少なくとも2つのカメラを備えている、ことを特徴とする上記のライダーシステム。
[24]上記[13]〜[23]のいずれか1つによるライダーシステムの航空機上における使用。
[25]上記[13]〜[23]のいずれか1つによるライダーシステムを有することを特徴とする航空機、特に飛行機またはヘリコプター。
ライダーシステムを使用して乱気流を測定する本発明による方法においては、予め定めた波長のパルス拡張レーザービームをある空間領域に放射し、その空間領域からの後方散乱光を受信しするが、レーザーパルス放射後の第1の時点t1および第2の時点t2において、後方散乱光の断面内の強度分布を測定し、両方の強度分布の比較により、遠隔の測定フィールド(measuring field)の乱気流を決定する。本発明により、晴天時の乱気流および伴流渦の探知および画像化が可能になる。この方法は特に航空機上で実施して、前方を飛行している航空機によって生じた伴流渦を飛行中に探知する目的に適しており、その渦は飛行方向の確定した距離に位置するものである。この構成においては、測定フィールドの距離は時点t1およびt2により、つまり放射されて様々な距離の空気層から後方散乱されたレーザーパルスの通過時間により、決定される。
この方法において測定するのは軸方向のドップラー周波数偏移ではなく、それに代わって、レーザービームが乱気流および風に貫入した時に、細粒と粗粒が混ざり合った強度パターン、いわゆるスペックルパターンになるレーザービームの崩壊を使う。
有利であるのは、強度分布を個別に測定することにより、レーザーパルスが空気分子から後方散乱する間に生じるスペックルを後方散乱光の断面内で探知して、そのパターンを比較することにより乱気流を決定することである。換言すると、該スペックルのスナップ写真によってあらゆる乱気流の探知および測定ができる。
好ましくは、強度分布の画像を2つの時点t1およびt2において確定した露出時間でカメラを使って撮影し、そこで生じる画像から測定フィールド内の屈折率変化の画像表示を作成する。換言すれば、素早く連続撮影した2画像を使用することにより、測定軸つまり視軸に直交する空気の動きを引き出すことも可能である。画像は画像角により定まる広い領域を同時に捕捉するので、時間の掛る走査はもはや不要であり、横方向の空間分解能または速度分解能は、全角度範囲にわたって等しく良好である。
最初は断面全体にわたって強度勾配が均一であったレーザービームが粒状のスペックルパターン、粒状化(granulation)もしくはスペックル、に分裂するのは、部分ビームつまりレーザービームの基本波(elementary wave)が、空気中の屈折率の異なる領域を通過して光路の長さが多様化する結果である。最初の放射がコヒーレントであるため、空気中の成分つまり分子およびエアロゾルの両方から後方散乱されたこの基本波は、それら相互間でもコヒーレントである。ビーム内のある場所と別の場所では、基本波の振幅と位相は相互の関連で変化する。最終的に基本波は空間中で重ね合わされて、不規則な強度が空間に分布する複雑な干渉場を形成する。渦のような空気の動きおよびそれに関連する屈折率構造の変化の中で、干渉パターンすなわちスペックルも空間的および時間的に変化する。
空気中の屈折率変化の原因は主に温度変化である。航空機背後の伴流渦の中では、空気の動きおよびその衰退のために圧力勾配および温度勾配が生じる。加えて地上近くでは、地表が日中に温められ夜間に冷える結果として、空気中の温度勾配が生じるが、その温度変化は離着陸する航空機の波渦によって乱される。さらに、エンジンからの高温の排気、主として水蒸気および二酸化炭素、がその乱れた空気に混ざり合う。全体として、離着陸の間に、構造化された温度場が航空機の背後の伴流渦の中に生じ、その結果として同時に空気の屈折率の不均質な分布が生じる。
ドップラー効果の場合は、後方散乱レーザー光の軸方向の周波数または波長の偏移から空気の動きの横方向の速度成分が導き出され、走査によって広い領域にわたっての乱気流の表示が作られるが、それとは異なり、スペックルを使うと、乱気流の結果としての屈折率の空間的不均一性を広い領域にわたって等時的に画像化でき、比較により異なる時点におけるスペックル分布の2つの個別画像を導き出せる。この際に、屈折率の、つまりスペックルパターンの時間的変化およびそれに加えて空気の動きの横方向速度成分を記録する。統計的に分布するスペックルの規模および強度は、該スペックルの応用にとって重要である。このように該スペックルは、屈折率分布の粗い構造および密な構造の両方を明確に表示するのに適している。
この意味で本発明により提案する測定システムにおける屈折率変化は、レーダーおよびライダーの場合のエアロゾルの役割と類似の役割を担っている。どちらも空気によって運ばれるマーカーとして使われ、したがってその動きは同時に空気の動きを示すことになる。本発明の意味においてのスペックルを使う乱気流測定に、この方法が利用できることを、以下にさらに詳述する。
乱気流の経時的な発達についてのコルモゴロフモデルの説明は現在一般に認められているが、該説明においては、大気中のいわゆる「外径」Loが数十メートルまたは数百メートルにおよぶ乱気流が、空気の内部摩擦の結果として時間とともに連鎖的に衰退して、周辺とのエネルギー交換なしにさらに小さな渦になり、最終的にはその小さな渦が主として対流および拡散を介してその全運動エネルギーを熱として周囲に放出して衰退し、最小サイズIo、いわゆる「内径」(数ミリメートルの規模の)に達する。時間とともにこのプロセスの結果として、渦の中に細粒の温度構造の場が形成され、その場は周辺空気との熱交換の結果として徐々に消滅する。
屈折率nは温度tに大幅に左右され、その度合いは気圧pの変動によるよりもはるかに大きく、スペクトルの可視領域では空気中の湿度の小さな影響は無視でき、このとき:
Figure 0004945563
Figure 0004945563

かつ
Figure 0004945563

が成り立つ。ここでpはミリバール単位の気圧、Tはケルビン単位の温度、λはμm単位の波長(例示ではたとえばλ = 0.5 μmを表す。
屈折率変化の時間平均は、場所に応じて、いわゆる屈折率構造関数Dn(x, r):
Figure 0004945563

〔ここで変数xおよびrは3次元空間ベクトルを表す。〕で表現される。
距離ベクトルrの量が前述の外径および内径Loおよびlo の間にある場合は、上記構造関数は距離および屈折率構造パラメーターCn 2(x)の関数として記述し得る。
Figure 0004945563
屈折率構造パラメーターCn 2は屈折率変動の強さの尺度で単位は[m-2/3]である。その値は、乱気流が極端に微弱な場合の10-17以下から、非常に強い乱気流、地表近くおよび伴流渦内の場合の10-12まで変動する。Cn 2と温度変動の間の相関は下記で表示される:
Figure 0004945563

〔ここでCT 2は温度構造パラメーターを表す。〕
本発明によると、渦の場は拡張パルスレーザービームによって測定される。概算として距離r = 1mおよびCn 2 =10-12 m-2/3とすると、位相偏移はλ = 0.5 μmにおいて10-6 m = 1μmまたは2πとなる平均位相偏移であり、該平均偏移は理論によれば、拡張レーザービームの伝搬方向に沿って全体として統計的に分布する位相偏移を持つ多数の部分波内に明確なスペックルを形成する結果となる。
部分波は最小の乱気流セルに遭遇する毎に屈折し、その屈折角はλ/Io = 10-4 rad(λ = 0.5 μm 、Io = 5 mmの場合の例)のオーダーであり、乱気流の場をさらに進んで行く結果、クリアなビームに移行し拡張される。
少量の放射エネルギーは空気分子およびエアロゾルによって散乱され、散乱光の一部が送信器の方向に戻ってくる。しかし、その後方散乱光の強度は拡張レーザービームの断面にわたって一様ではなく、スペックル形成のために、強度の強弱がある複数の島に分裂し、その複数の島が乱気流内の屈折率の空間的変化および経時変化を反映する。
本発明によると、たとえば、屈折率の空間的不均一性つまりスペックルの横方向勾配を、ライダーシステム内で共通のジオメトリーを測定することにより画像化し測定すること、そしてそのジオメトリー測定においてレーザー送信装置と受信装置とを同一の場所に設置することが提案される。この構成においては、放射されたパルス拡張レーザービームの大気からの後方散乱の画像を撮影し、その強度の空間的分布および経時的分布を評価する。画像化のために、たとえば電子カメラシステムを受信器として使用でき、そのカメラシステムが、確定した測定距離からの放射拡張パルスレーザー内の後方散乱光の三次元強度勾配を、一定時間間隔で定期的に画像化し評価する。
測定は後ろ向き方向に、つまり反射で実施することが好ましい。さらに、本発明の意味では、時間分解測定プロセスが好ましく、その場合はスペックルの場つまり気流の場の画像化によって、測定システムからのある固定距離における厚さが限られた広がりの測定領域が得られる。このようにしてスペックルを画像化することにより、かなり遠方の晴天時の風の場、乱気流の場、および伴流渦を、個々の「空気スクリーン」(air screens)に可視化することが可能である。
本発明による乱気流測定用のライダーシステムは、特に航空機に適していて、予め定めた波長のパルス拡張レーザービームをある空間領域に放射するレーザー;レーザーパルス放射後の第1の時点t1および第2の時点t2において該空間からの後方散乱光の断面内の強度分布を測定する探知装置;時点t1および時点t2において測定を始動させるために該探知装置をレーザーに連結する同期装置、ならびに;該強度分布の測定値の比較から乱気流を決定する評価ユニット、を備える。
本発明によるライダーシステムを用いることにより、乱気流および前方を飛行する航空機の伴流渦を晴天時においても測定することが可能である。さらに、本発明によるライダーシステムは非常にコンパクトに設計することが可能であるため、航空機上で使用するのに適している。
好ましくは、レーザーパルスが空気分子から後方散乱された時に生ずるスペックルの位置を決定するように該探知装置を設計し、また該評価ユニットはスペックルパターンの比較から乱気流を決定するために、特にスペックルパターンの比較に適した設計にする。
有利なことには、該探知装置は少なくとも1個のカメラを備えていて、該カメラが確定した露出時間で時点t1およびt2において強度分布の画像を撮影し、それによって生ずる画像から評価ユニットが、たとえば測定フィールド内の屈折率変化の画像表示を作成する。このようにして、航空機の乗員が乱気流を見ることが可能になる。
本発明による上述のライダーシステムは晴天時の乱気流の三次元的流動の測定または画像化を可能にする。それを実現するには、乱気流内に貫入してその結果スペックルパターンに分裂するパルス拡張レーザービームの断面からの後方散乱光の画像を、放射パルスに同期するようにオンオフできる電子カメラを使って撮影する。
該ライダーシステムは、たとえば地上固定型の測定システムとしても適している。その場合は、たとえば離着陸用滑走路領域内の伴流渦または乱気流の存在を対象とするように、たとえば空港の特定地域を監視するようなことが可能になる。本発明の使用によって渦の位置が十分な精度で測定されるため、航空機の操縦士はその渦を回避することが可能になる。とりわけ測定システムを飛行制御システムにリンクすることが可能なため、飛行方向に乱気流が発生した時には、飛行制御への直接介入が行なわれる。その場合は航空機が伴流渦に直接対峙することも可能である。車両の運転者支援システムと同様に、本発明の具体化によって飛行運動に及ぼす渦の影響が少なくとも部分的に自動調整され、危険な状態が回避される。
航空分野への応用とは別に、本発明はその他の測定業務、特に風力発電基地における晴天時の気流または乱気流の測定にも使用可能である。
ライダーシステムをモノスタティック配列にする結果、すなわち送信器またはレーザーならびに受信器または探知器またはカメラを同一場所に設置する結果、乱気流の測定は移動する測定装置から、特に航空機から実行可能になる。しかし、地上からの、たとえば飛行場または風力発電基地における測定の場合も、モノスタティック配列には利点があり、送信ビームおよび受信ビームが1つの装置内に並ぶために、特に移動体用に多大な利点となる。
これらの新しい関係、即ち送信機と受信機の新規な構成、測定体積(measuring volume)からの遠離した距離、測定機器の移動、を克服するために、本発明は以下の設計を提案する。
目標の測定距離における測定体積のより広い領域を、すなわちより大きな測定角を照射するように、送信ビームを受信ビームと同軸上に拡張することが好ましく、その際に、たとえばカメラが測定体積の全スペックル場を同時に画像化する。これにより測定体積の連続走査が不要になる。
大気の不均一性の結果として、拡張レーザービームは進行に伴って累積的に分裂して、多数の個々別々の強度の島つまり目的のスペックルになる。レーザービームの横方向に立ってレーザービームの方向を眺める観察者には、断面内のこれらの強度の島は、ビーム全体の中の細長く光るフィラメントのように見える。もしビーム全体が投影スクリーンに当たったとしたら、これらのスペックルはレーザービームの断面内の粒状化の場のように見え、その経時的変化は空気の横方向運動を追うように見えるだろう。しかし、測定のために投影スクリーンを立てることは不可能なので、本発明ではさらに大気自体を投影スクリーンとして使用すること、つまり確定した厚さの空気のスクリーンからの後方散乱を使用すること、を提案する。カメラのシャッター速度も非常に速いので、スペックルの流れ運動はスナップ写真として捕捉できる。
カメラは、たとえば拡張パルスレーザービームの軸方向に向けて設置する。設定距離におけるある確定した厚さのこの「大気の投影スクリーン」をスペックルの「光エコー壁」として決定するのに、該カメラの速いシャッター速度を使うことができる。該パルスの一定の走行時間−該走行時間あるいはパルスは上記の壁までの光距離の2位に相当する−の後、カメラのシャッターを開き、直ぐに閉じる。このとき、露出間隔を上記の反射壁の厚さに対応させる。パルスごとにスペックル強度の瞬間的画像を撮影するが、反射スクリーンへの往路だけでなく壁から受信器への復路の画像も撮影する。しかも、光学受信システムの光の屈折および画像化の結果として、カメラの前方およびその結像開口部にいわゆる幻影スペックル(subjective speckles)が生じ、その幻影スペックルがカメラ画像内の実体スペックル(objective speckles)に重なり合う。
晴天空では単一散乱プロセスが支配的である。つまり多重散乱光子の割合は非常に小さいので後方散乱光内では無視できる。エアロゾルの密度がかなり高い、すなわち霧中または雲中の場合にのみ、エアロゾルへの多重散乱光子の割合が延長された経路上で顕著になるが、該延長はわずか数十メートルである。本明細書で検討する測定方法の文脈では、このことは、大気が横方向に広がらないある種の後方散乱拡散スクリーンとして、厚さ数メートルの薄い層内での多重散乱により光を反射して、シート状の照明を形成することを意味する。したがって、その薄い大気層を画像を映すある種の投影スクリーンとして使うことができ、投影機に戻る方向には横方向散乱に起因するコントラストの低下はほとんど見られない。大気が後方散乱する能力は非常に限られているため、大気から後方散乱される画像は固体投影スクリーン上の画像に比べると非常に微弱である。しかし、パルス短波長放射および商業利用可能な代表的なパルスエネルギーを使うことにより、数百メートルの距離をカバーする拡大層からの有用な信号を得ることが可能である。このことを以下にさらに詳述する。
上述のように、大気の実体スペックルは、最初は伝搬方向に沿って均一であったレーザービームが累積的に分裂して強度スペックルになる結果として生じる。すなわち、空気中の屈折率変化による部分波の干渉およびビーム断面の全体にわたるエアロゾルの散乱によって強度の強い変調が生じる。この強度変調およびスペックルのサイズは統計的な分布をしていて;その時点での気象条件における屈折乱気流構造パラメーターCn 2によって左右される。このパラメーターは渦内の圧力差および温度差の両方の結果に影響され、上述のように温度が屈折率に及ぼす影響の方が大きい。比較的安定している空気内のスペックルの平均直径doはdo = (λ z)1/2であり、ここでλはレーザーの波長、zはレーザー源からの距離を表す。λ = 0.267 μm、z = 100 mの場合、平均直径はたとえばdo = 5 mmになることになるが、統計的なサイズ分布であるので、著しく大きなスペックルと小さなスペックルの両方が存在すると予想される。
前記スペックルはパルスレーザービームがライダーを離れてから所定の距離でビームの断面にわたって予め画定された層を形成し、空気分子の均一散乱特性の結果として、干渉して横方向に拡大することなく、実体スペックル造粒として、すなわちその層における後方散乱内の明確な強度分布として、可視化される。該スペックルは受光望遠鏡の背後に取り付けたカメラにより画像化される。代表的な画像化係数1/100、スペックルの元の平均直径5 mmでは、望遠鏡の焦点面での該スペックルは直径50 μmになり、それはCCDカメラの代表的なピクセル直径10 μmの5倍に相当する。
この実体スペックルに加えて、統計的に分布する波動干渉が受光開口部自体に生じて、その波動干渉によって幻影スペックルが形成され、その直径の下限値はds = 1.2 λ f/Dとなる。ここでDは受光開口部の直径を表す。λ = 0.267 μmで受光器のF値がF=f/D = 10の場合は、dsは3.2 μmすなわち遠方エアロゾルの画像と同じになる。しかし、幻影スペックルの場合は、これは下限値であり、もっと大きなスペックルがもっと頻繁に発生する。全体として幻影スペックルは実体スペックルよりは著しく小さいため、画像評価にとって重要ではない。
所定の距離からのみのスペックル画像を撮影するためには、撮像カメラは、放射レーザービームの一定走行時間経過後の光のみを画像化し短時間間隔後に閉じる時間間隔回路を備えることが好ましい。パルス経過時間測定により距離を設定するこの方法によりゲート型観察が可能になる。すなわち測定場所における時間限定の画像記録、またはある固定距離において確定した直径と厚さを持つ空気の円盤からの光軸に沿う後方散乱またはエコーの画像化であり、その固定距離はパルス経過時間によって設定可能である。
その時点での乱気流内の屈折率または温度の不均一性を捕捉するか、もしくはその速度分布を捕捉するかのいずれかに応じて、本発明は2つの異なる態様を備えることが好ましい。A:同時刻に同一測定軸上の異なる場所のスペックル画像を測定する。B:Aと同様に、スペックル画像を確定した短時間間隔で2回測定する。Aの場合は屈折率の勾配Δn/Δr (x, y)が、Bの場合は時間に対するその変化Δn/ΔrΔt (x, y)が、得られる。
本発明の第3の態様Cによると、その時点における乱気流または空気の動きを測定するためのプローブとしてスペックルを使用する代わりに、空間変調レーザービーム(構造化レーザー光)を使う。この構成では、スペックル測定に加えてまたは代わりに、屈折率変化Δn/Δr (x, y)および時間に対するその変化Δn/ΔrΔt (x, y)の両方が二重パルスおよび二重露出を使って表示される。
以下で本発明を例示的に図解で説明する:
図1は本発明の第1の好ましい実施形態による乱気流測定用ライダーシステムを示す。
図2は本発明の第2の好ましい実施形態による乱気流測定用ライダーシステムを示す。
図3は本発明の第3の好ましい実施形態による乱気流測定用ライダーシステムを示す。
図4は渦構造の画像表示を示し、該画像表示は本発明による方法および本発明によるライダーシステムを使って作成され、半径方向の画像のひずみは該測定システムを機上に搭載している航空機自身の運動の結果として生じる。
図5はホログラフィックビームスプリッターを示し、該スプリッターが本発明の好ましい例示的な実施形態により測定ビームを個々別々の測定光線に分割する。
図6は渦構造上に個々の円形測定フィールドを重ね合わせた例である。
図1は第1の好ましい具体例による乱気流の捕捉および測定用のライダーシステム100を示す。本発明によるライダーシステムはレーザー10を備えていて、該レーザーはレンズ配列11aおよび偏向ミラー11bを備えた光学装置11を経由して、予め定めた波長のパルス拡張レーザービーム12をある空間領域に放射する。探知装置21、22はその空間領域からの後方散乱光の断面内の強度分布の測定に使い、レーザーパルスL放射後の第1の時点t1および第2の時点t2において測定が行なわれる。同期装置25は2つの探知器21、22を備える探知装置をレーザー10に連結する。同期装置25は探知器21,22を制御して、レーザーパルスL放射後の2つの時点t1およびt2においてそれぞれ測定を実施する。評価ユニット30は探知器21,22を使って測定した強度分布を比較して、その比較から乱気流を決定する。評価ユニット30は画像表示装置、すなわちモニター35に電子的に連結されてこの方法で決定された乱気流を画像として表示する。
該測定プロセスの中でレーザーパルスLが放射され、該レーザーパルスLはその進路の空気中に貫入して空気分子およびエアロゾルにより散乱される。図2は共通ビーム軸S上で空間的に相互に離れて位置する2つの測定体積V1およびV2を示す。測定体積V1およびV2から散乱されたレーザー光は、受光望遠鏡23およびビームスプリッター24を経由して、探知器21、22に到達する。第1の測定体積V1の距離zはレーザーパルスL放射後の時点t1により決定され、その時点t1では散乱光の探知は探知器21を使って行なわれる。第2の測定体積V2の距離はレーザーパルスL放射後の時点t2により決定され、その時点t2では散乱光の探知は探知器22を使って行なわれる。
探知器21、22を記録するカメラは測定体積V1およびV2からの散乱信号を記録するカメラである。例示のように、2つの同じ画像増幅カメラが使われ、その2つは撮影軸をビームスプリッターと共有し、露出時間は時間間隔回路を使ってレーザーパルスの放射と同期するように設定されているので、該カメラは空間的に離れた測定体積V1およびV2からの光を、軸つまりビーム軸Sに沿って記録する。2つの別のカメラで撮影することにより、レーザーパルスLの第1または第2の測定体積までを往復する時間は非常に短時間であるが、異なる測定体積V1およびV2からの散乱信号は時間的に分離される。しかし、単一のカメラを使うことも可能で、その速度が十分に速ければ、相互に前後に位置する2つ測定体積V1およびV2からの散乱信号を分離できる。
図1に示す例では、レーザー10は単一パルスレーザーで、パルス継続時間がΔτのレーザーパルスLを使っている。
例示では、CCD画像増幅カメラを探知器21、22として使用し、該カメラは多チャンネルプレート26(MCP)の形のアップストリーム画像増幅装置を備えている。MCP 26は2つのタスクを実行する。MCPの第1のタスクは、光電子倍増管の原理を使って、マイクロチャンネルを備えるプレート内の光電陰極からの微弱な光電子流を増幅し、それから該光電子流が燐のスクリーンに達し、そこでCCD配列によって記録される。MCP 26の第2のタスクは、レーザーパルスの放射(t = 0)後の時点t1 = 2toにその増幅器のスイッチをオンにすることによって、カメラ21のスイッチを入れて後方散乱信号を受信し、t1ε = 2(to + σt)後にそのスイッチを切る。
上記と同様に、第2のカメラ22のMCP 26はt2 = 2(to + Δt)時点で受信しt2e = 2(to + Δt + σt)時点でそれを閉じる。ここで2 x Δtが2つの画像撮影間の時間間隔を表し、2 x σtが2つのカメラ21、22それぞれの同一の露出時間を表す。光速cで、Δz = c Δtは厚さσz = c σtの2つの測定層間の距離である。
これで2つのCCDカメラ21、22の画像1および2は、パルスの経過時間2(to + σt)および2(to + Δt + σt)後に測定経路に沿って生じたスペックルを表示する。この2つの画像には後方散乱層V1およびV2への往復経路に沿った実体スペックル、ならびに受信システムの幻影スペックルが含まれる。その後に2つの画像間の相互相関(最も単純な場合は引き算)が実行される。その結果は2つの層V1およびV2間の測定フィールドに沿った屈折率の変化のみの画像を表示し、その画像にたとえば渦が入っている。大気の影響は共通の経路では同一なので相互相関では考慮せず、2つの層間での分担部分の影響のみが残る。
以上で述べてきたように、この屈折率変化は本質的に乱気流の温度不均一性を反映している。しかし、そのような乱気流は移動空気の運動エネルギーから連続的に生成されると同時に、熱拡散と対流の結果として渦から消滅もするので、この温度の場はそのとき存在している乱気流の構造を示す計器としての働きをする。
時間間隔τで定期的に放射されるレーザーパルス(たとえば10 HZ)を使うことによって、たとえば航空機の代表的な着陸速度が100 m/sの場合、乱気流の断面画像をたとえば10 m間隔で撮影することが可能である。カメラの代表的なオンオフ時間2 x σtの場合、大気の投影スクリーンの厚さはσz = 3 mになる。この場合、V1およびV2の層間距離はたとえば該航空機が2つのパルス間に飛行する距離Δt = 10 mに等しくなるように選択される。しかし、これらすべてのパラメーター、たとえば測定時間σt、レーザーパルス間の時間T、カメラが撮影する時間間隔2 x Δt、は一定の限界範囲内で任意に選択可能であり、たとえば航空機の速度および渦の予想速度ならびに必要な測定分解能に合わせることができる。
図2は本発明の第2の好ましい実施形態によるライダーシステム200を示し、この実施形態の方法により渦の経時的発達を表示することが可能である。換言すれば、ある時点の、すなわち時間を止めた、空気の不均一性を表示するだけではなく、乱気流空気の速度の場の画像を直接取得することも可能である。図2に示すライダーシステムの部品および要素は、基本的に図1に示す部品および要素と同じ機能であり、図1と同じ参照符号で示している。
図2に示すライダーシステムにおいては、単一レーザーパルスではなく、いずれの場合も対のパルスが時間間隔στで放射される。レーザーは市場で入手可能で、時間間隔(たとえば1-30 ms、通常は2つの同期Qスイッチレーザー)を調節して二重パルスを放射する。対応する画像増幅カメラも入手可能で、非常に短い可変時間間隔で2つの画像を撮影し保存できる。
この構成では、探知器21、22は二重露出カメラまたは低速度カメラとして設計され、レーザー10は二重パルスレーザーとして設計されている。
二重パルスレーザー10と二重露出カメラまたは低速度カメラ21、22の組み合わせにより、第1のレーザーパルスLを使って測定体積V1およびV2からの画像1および2の相互相関が実施可能で、続いて第2のレーザーパルスL'によって生じる同じ測定体積V1およびV2からの画像1'と2'の相互相関が実施可能になる。このようにして取得した異なる時点の乱気流の動きの二重画像から、第2のスペックル偏移の相互相関後に、空気の動きの中の速度が表示される。たとえば、二重パルスの時間間隔が1 msで渦内の空気速度が50 m/sの場合、スペックルは50 mm移動している。画像化比率1/100の場合、これはピクセル間隔10 μmのカメラの焦点面での500 μmの移動に相当する。
相関器31は第1のパルスLで撮影した画像1と2の相関に使用し、相関器32は第2のパルスL'で撮影した画像1'と2'の相関に使用する。もう一つの相関器33は相関の第2段階に使用し、相関器31および32の出力信号の相関によって空気の動きの速度を決定する。
スペックルの動きの経時的表示に伴う利点は、同時に航空機の測定軸の動きが画像内に表示されることである。2つのパルスの時間間隔ΔT = 1 msの間に、速度がv = 100 m/sの航空機は0.1 m前進する。軸からの偏角がφ = 1°であれば、関連する測定点は移動軸から半径方向にσr = τ v tgφ = 1.7 mm、つまり画像化倍率が1:100ではカメラ面で17 μm、移動していて、それはピクセル直径の1.7倍に相当する。この運動の中心から一連の測定を経て視覚化される流れから、該航空機の迎え角およびバンク角が図4に示すように測定層に投影されて導き出され、それは飛行制御にとっては大きな利点となる。
二重露出カメラをまたは低速度カメラを使う代わりに、4つの個別カメラを使う選択肢があり、その場合は2つのカメラ毎にレーザーパルスの後方散乱光信号の1画像を撮影するが、スプリッターを使って全部のカメラを1つの共通の光軸に揃えるようにする。
図1および2に示す実施形態においては、直接レーザービームを測定ビームとして使用する。該測定ビームはレーザーの断面を通してたとえばガウス分布をする基本モードのような滑らかな強度勾配になる可能性がある。しかし、その強度分布はより高次の横モードに分裂する可能性があり、パルス毎に変化する可能性がある。第1次近似では、この付加的な強度変化はスペックル画像の相関中に別の距離からの同じレーザーパルスで相殺されてしまうので、本提案の方法に影響を及ぼさない。スペックル変化の部分だけが相関部分として距離の差に残る。
図3はライダーシステム300を示し、そこでは測定ビームSが発生するが、その断面強度勾配はライダーを離れる時に空間変調器50によって統計的に変調される。この構成では、レーザー10が光をマイクロディスプレイ51に放射し、ランダム画像発生器52を経由して制御されて、レーザービームSの統計的変調を引き起こす。残りの記号は上記図1および2の文脈内で説明済みの部品および要素を表す。
上記図1および2で説明した例示の実施形態と同様に、後方散乱レーザー光の変調パターン内の画像偏移が決定され、乱気流内のビーム偏差の尺度として使用される。図1および2で示した例の場合と同様に、この場合はその時点の空気の擾乱を選択的に捕捉する、またはその時点の空気の動きを捕捉することが可能になる。図3に示す実施形態の使用が特に適しているのは、乱気流を通過した後のスペックルの生成があまり顕著でない場合、たとえば使用する広帯域レーザー源のコヒーレンス長が非常に短時間(たとえばフェムト秒)の場合、あるいは使用するレーザー源が空間的に大きく延びている場合、たとえばビームがファイバー束または拡散スクリーンを通過した後の場合である。
示した実施形態において、パルスエネルギー、パルス間隔、送信ビーム径、レーザー送信機の送信ビームの違い、受信望遠鏡の口径および焦点距離ならびに、カメラのピクセル数およびピクセル径に関連して該ライダーシステムの光学設計用の多様な選択肢がある。また送信および受信望遠鏡として可変焦点距離ズームレンズを使う選択肢もある。
測定レンズまたは個々の渦はほとんど回転対称であり、対の渦は軸方向に反対称であるので、両方の渦の断面面積全体を隙間なしに画像化する必要はない。そうではなく、個別の部分領域だけ、たとえばある一定の個数と径の測定円、を断面上に画像化すれば十分であり、その結果はレーザーパルスエネルギーの大幅な節約になる。
本発明の特別な設計により、この目的のために、ホログラフビームスプリッターまたは図5に示す送信格子51を使って測定ビームを個々の分離測定ビームへ分割するが、それは回折によって投入レーザービームを多数の同一の部分ビームへ分割するのであり、そうでない場合は全体として大幅な損失になる。該部分ビームは次に測定体積を形成する大気層Vによって散乱または反射される。図6に示すように、1つのビームを4x3のビーム群に分割する結果、カメラの焦点面には全部で64 x 48ピクセルの照射が生じるが、該カメラ全体のピクセル数はたとえば640 x 480である。受信望遠鏡としてズームレンズを使う場合は、焦点面の設定次第で測定円は異なって画像化される。さらに、測定距離に応じてホログラフビームスプリッター51を別の数の測定円に変えることも可能である。
大気から後方散乱された拡張パルスレーザービームの光信号の強度が、ある定められた測定距離に画定された空気層からのスペックルのカメラ画像を撮影するのに十分な強さであることが、本発明の必要条件の1つである。これについて以下に示す。
後方散乱は空気分子およびエアロゾルから発生するが、スペックル画像化にとっては分子散乱の方がその連続性のためにより重要である。分子散乱の強度は短い波長λ-4に比例して増加し、エアロゾルの散乱はλ-1.3に比例して増加する。つまり可能な最短の波長で、すなわちUVスペクトル領域で散乱を画像化する方が有利である。画像強化多チャンネルプレートCCDカメラは、本件適用に適していて、その光電陰極の量子効率も非常に高い(30-40%)ので、UV領域230 nmから400 nmの波長の使用を提案する。現在の技術を考慮すると、たとえば波長266 nmおよび355 nmの4倍周波数または5倍周波数のND:YAGレーザーがこの目的に考慮できる。
400 nm未満の波長にはさらに有利な点があり、その場合はレーザー安全規制で許容されるパルスエネルギーが、400 nmを超える波長の場合よりも約104も高くなる。約220 nmから295 nmの波長の範囲(ハートレー帯)には、さらに有利な点があり、大気の透過率は数百メートルを超えてもほとんど妨げられないにもかかわらず、高度25-50 kmのオゾン層での吸収のために日照が感知できないレベルに低下する(日陰領域)ため、強い太陽光を背景にしても弱いレーザー信号の測定が著しく容易になる。
後方散乱の受信光子の数NPは、放射No、体積後方散乱係数β、大気減衰係数α、距離z、受信望遠鏡の開口面積A、該ライダーシステムの光透過率Toに応じて変わるが、光速をc、測定時間をτとして、該受信光子の数NPは既知のライダー公式を使って計算できる:
Figure 0004945563
あるいは該カメラの光電子の数NEは、パルスエネルギーEoとNo = Eo (λ/hc)の関連で、hをプランク定数、λを波長、Qを光電陰極の量子効率として:
Figure 0004945563
本発明の意味でのライダーシステムの適用分野の設計例および数値例を以下に示す。
β=地表近くのλ = 0.266 μmにおけるモル体積後方散乱係数
2.5 x 10-5 m-1 sr-1
z=測定体積までの距離100 m
A=口径D = 20 cmの受信望遠鏡の開口面積3 x 10-2 m2
τ=厚さcτ = 3 mの層の測定時間10 ns
To=光の全透過率0.4
Q=光電陰極の量子効率0.3
exp.()=測定距離100 mまでの大気透過率0.8
Eo=1 mJ
N=レーザーパルスエネルギーmJ当りの光電子数2 x 104
ピクセル数64 x 48、パルスエネルギー50 mJの場合、325個の光電子が単一の画像ピクセルに照射され、平均的なピクセル照射としては十分に満足できる。他の実際的事例においては、ここに仮定した値とは大幅に異なる値となることがあり得る。
速写高感度カメラと組み合わせて使用するには、UVスペクトル領域内のレーザーが好ましいが、可視領域のレーザーでも可能である。継続時間5 nsから20 nsの代表的なレーザーパルスを発生するには現在のところ最も適しているのはソリッドボディレーザーで、たとえばND:YAGレーザーで、基本波長1,064 μm、可視スペクトル内0.53 μmの2倍周波数放射およびUVスペクトル内0.355 μm の3倍周波数放射または0.266 μm の4倍放射で、それに対応するようにカメラの光電陰極の材料を選択するが、すべて市場で入手可能である。パルス間隔を1から20 msの間で連続的に設定できるこの形式の二重パルスレーザーも市場で入手可能である。
風力発電基地および空港における地上での乱気流の場の測定は、あるいは航空機から飛行制御システムへのリンクは、通常は測定距離50 mから200 mで行なわれる。要求される測定距離は代表的に100 mと仮定でき;ある範囲を照射するのに必要なレーザーの広がりは数度;目的の測定体積の軸方向長さは3 m(測定継続時間10 nsに対応);レーザーのパルス繰り返し周波数および画像配列頻度は10 から20 Hz、となる。空気渦内の速度の目的の測定分解能は1 m/s;代表的な画像解像度はVGA形式内つまり640 x 480ピクセルで、カメラのピクセル径は10 μmである。
レーザービーム拡張用の送信望遠鏡および大気からの後方散乱光を受信する受信望遠鏡は、ライダーシステムの場合では一般的な並行光軸で使う。数値計算と測定の結果、晴天時にパルス毎に送信される送信ビームのエネルギーが20-100 mJであれば、たとえば100 x 100ピクセルの後方散乱画像内の信号対雑音比を適切に保つのに十分な量であることが分かる。
たとえば1000 m超えるようなさらに長距離(距離が100 mから1000 mに増加することは信号強度の減少度が100倍になるのと同じ)を実現するために、たとえばパルスエネルギーの増加、あるいは測定時間の延長が可能であり、すなわち後方散乱層の厚さをそれに対応させてさらに長くする選択が可能である。長距離用に照射ピクセル数を大幅に減少することも可能である。
受信望遠鏡の画像化比が1:100の場合、距離100 mでのピクセルサイズは1 mmになり、パルス間隔が1 msのときに1つの画像からもう1つの画像へ1 m/sとすると、粒子は1 m/s x 10-3 s = 1 mmつまり1ピクセル進み、スペックルサイズ5 mmと対比される。口径20 cm、焦点距離1 mの代表的な受信望遠鏡の距離100 mでの被写界深度は約20 mであり、代表的なすべての渦の軸方向の広がりはその深度内に含まれるので、該渦は望遠鏡の焦点を再調整することなく網羅され、縦分解能が3 mで静止の場合、カメラの受像領域の時間変更によってのみ網羅される。航空機の代表的な離陸速度および着陸速度は100 m/s前後なので、レーザーの2つのパルス間とカメラによる画像化の間に約3 m前進する。そのような場合でも、パルス間のカメラの露出時間を変更すれば、静止と同じ条件を実現することが可能である。
本文書で提案するすべての測定方法は共通の特性を共有しており、その特性においては、各測定プロセス中のある状態の範囲型の変化(area-shaped changes)は、異なる時間における画定された測定体積で測定される。固定ライダーシステムの場合は、それで特別な問題は生じない。その場合、一定のパルス送信時点で測定位置は固定されていて、2つの画像を撮影する間の時間間隔は、時間間隔設定が可能な二重パルスを使って設定できる。航空機上のライダーシステムはそれ自体が運動しているため、画像の撮影に時間差があっても同じ測定体積を捕捉して、航空機自体の動きがあっても個々の測定への影響を最小限にとどめることが必要である。
特定の様相によれば、本発明はライダーシステムを使用して乱気流の捕捉および測定をする方法を説明するが、該方法においては予め定めた波長のパルス拡張レーザービームをある空間領域に放射し、その空間領域からの後方散乱光を受信し、該レーザービームが大気内を所定の走行時間進んだ後に、レーザービーム断面内の強度分布の画像をカメラを使って確定した露出時間で撮影し、その後にその強度分布を評価する。
好ましくは、該強度分布の評価は、当初の乱れのないレーザービームを乱気流内のスペックルに分割することにより行なう。
有利なことには、レーザービームの強度分布が事前にライダーによって変調されていて、そのレーザービームがその後に乱気流内で影響を受けた場合でも、該レーザービームを評価できる。
本発明の第1の好ましい実施形態による乱気流測定用ライダーシステムを示す。 本発明の第2の好ましい実施形態による乱気流測定用ライダーシステムを示す。 本発明の第3の好ましい実施形態による乱気流測定用ライダーシステムを示す。 渦構造の画像表示を示し、該画像表示は本発明による方法および本発明によるライダーシステムを使って作成され、半径方向の画像のひずみは該測定システムを機上に搭載している航空機自身の運動の結果として生じる。 ホログラフィックビームスプリッターを示し、該スプリッターが本発明の好ましい例示的な実施形態により測定ビームを個々別々の測定光線に分割する。 渦構造上に個々の円形測定フィールドを重ね合わせた例である。
符号の説明
10 レーザー
11a レンズ配列
11b 偏向ミラー
12 パルス拡張レーザービーム
21 探知装置
22 探知装置
23 受光望遠鏡
24 ビームスプリッター
25 同期装置
26 MCP
30 評価ユニット
31 相関器
32 相関器
33 相関器
35 モニター
52 ランダム画像発生器

Claims (22)

  1. ライダーシステムを、航空機上で、使用して、乱気流を測定する方法であって、予め定めた波長のパルス拡張レーザービーム(12)をある空間領域に放射し、その空間領域からの後方散乱光を受信する方法において、レーザーパルス(L)を放射し、そして該レーザーパルス(L)放射後の第1の時点t1および第2の時点t2において前記の後方散乱光の断面内の強度分布を測定し、そして両方の強度分布を比較することにより、時点t1および時点t2により画定される測定フィールド内の乱気流を決定すること、及び、強度分布の個別測定により、空気分子およびエアロゾルからの該レーザーパルス(L)の後方散乱の間に生じるスペックルを該後方散乱光の断面内で探知し、該スペックルパターンの比較から乱気流を決定することを特徴とする上記乱気流の測定方法。
  2. 請求項1による方法であって、強度分布の画像を2つの時点t1およびt2においてカメラ(21, 22)を使って規定された露出時間で撮影し、それによって生じる画像から前記の測定フィールド内の屈折率変化の画像表示を作成することを特徴とする上記の方法。
  3. 請求項1または2による方法であって、前記の測定フィールド内の屈折率変化を画像として表示するために、強度分布の相互相関を実施することを特徴とする上記の方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項による方法であって、確定した時間間隔で多数の測定を実施するために、多数のレーザーパルス(L)を定期的に決定することを特徴とする上記の方法。
  5. 請求項4による方法であって、該方法を航空機上で実施し、その際に、該航空機前方の確定した距離における乱気流を決定するように、飛行速度に依存する放射レーザーパルス(L)のパルス周波数を選択することを特徴とする上記の方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項による方法であって、二重パルスを形成するために各レーザーパルス(L)とともに別のレーザーパルス(L')を放射し、その際に該レーザーパルス(L, L')それぞれから測定フィールドにおける乱気流を決定し、そしてその2つの測定の相関によって該乱気流内の空気の動きの速度を決定することを特徴とする上記の方法。
  7. 請求項6による方法であって、前記二重パルスのそれぞれのレーザーパルス(L, L')について、それぞれのレーザーパルス(L, L')放射後の時点t1および時点t2における強度分布の画像を得ること、そしてその際に両画像の二重相関によって該乱気流中の空気の動きの速度を示すことを特徴とする上記の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項による方法であって、放射レーザービーム(12)をその断面にわたってその強度勾配内で変調することを特徴とする上記の方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項による方法であって、前記の放射レーザービーム(12)を多数の部分ビームに分割し、該分割ビームが拡張レーザービーム内に測定円を形成することを特徴とする上記の方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項による方法であって、二重パルスレーザー(10)を使って前記のレーザービーム(12)を作り出すことを特徴とする上記の方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項による方法であって、レーザーパルス(L)の放射後の時点t1およびt2において強度分布の画像を撮影するために、少なくとも2つのカメラ(21,22)を使うことを特徴とする上記の方法。
  12. 予め定めた波長のパルス拡張レーザービームを空間領域に放射するためのレーザー(10)を備える、乱気流測定のための、航空機用の、ライダーシステムにおいて、
    レーザーパルス(L)放射後の第1の時点t1および第2の時点t2において該空間領域からの後方散乱光の断面内の強度分布を測定するための探知装置(21, 22)、ここで、該第1の時点t1および該第2の時点t2は測定フィールドを規定する;時点t1および時点t2において測定を始動させるために該探知装置(21, 22)を該レーザー(10)に連結する同期装置(25);ならびに
    測定した強度分布の比較から乱気流を決定する評価ユニット(30; 31, 32, 33)、を有し、
    ここで、該レーザーパルス(L)が空気分子から後方散乱される時に生じるスペックルの位置を決定するように該探知器(21, 22)が設計されており、そしてスペックルパターンを比較してそれによって乱気流を決定するように該評価ユニット(30; 31, 32, 33)が設計されていることを特徴とする上記ライダーシステム。
  13. 請求項12によるライダーシステムであって、探知器(21, 22)が少なくとも1つのカメラを備えていて、該カメラが強度分布の画像を2つの時点t1およびt2において確定した露出時間で撮影し、そこで生じる画像から前記評価ユニット(30; 31, 32, 33)が前記測定フィールド内の屈折率変化の画像表示を作成することを特徴とする上記のライダーシステム。
  14. 請求項12又は13によるライダーシステムであって、強度分布の相互相関を実施して時点t1およびt2により画定される測定フィールド内の屈折率変化を画像として表示するように前記評価ユニット(30; 31, 32, 33)が設計されていることを特徴とする上記のライダーシステム。
  15. 請求項12〜14のいずれか1項によるライダーシステムであって、多数のレーザーパルス(L)を放射して、それによって多数の測定を確定した時間間隔で実施するように前記レーザー(10)が設計されていることを特徴とする上記のライダーシステム。
  16. 請求項15によるライダーシステムであって、該ライダーシステムが航空機上で使用するように設計され、飛行速度に応じた前記放射レーザーパルス(L)の周波数が、該航空機の前方の確定した距離において乱気流を決定できるように選択されることを特徴とする上記のライダーシステム。
  17. 請求項12〜16のいずれか1項によるライダーシステムであって、前記レーザー(10)は各レーザーパルス(L)とともに別のレーザーパルス(L')を放射する二重パルスレーザーであり、前記評価ユニットは各レーザーパルス(L, L')から前記測定フィールド内の乱気流を決定し、そしてその2つの測定を相関させることによって該乱気流内の空気の動きの速度を決定すること、を特徴とする上記のライダーシステム。
  18. 請求項17によるライダーシステムであって、前記二重パルスの各レーザーパルス(L, L')について、該レーザーパルス(L, L')それぞれの放射後の時点t1およびt2において前記探知器(21, 22)が強度分布の画像を撮影し、そして該画像の二重相関によって前記評価ユニット(31, 32, 33)が前記乱気流内の空気の動きの速度を示すことを特徴とする上記のライダーシステム。
  19. 請求項12〜18のいずれか1項によるライダーシステムであって、放射レーザービーム(12)をその断面にわたってその強度勾配内で変調をする空間変調器(50)を有することを特徴とする上記のライダーシステム。
  20. 請求項12〜19のいずれか1項によるライダーシステムであって、放射レーザービーム(12)を多数の部分ビームに分割するホログラフ透過型格子(51)を有することを特徴とする上記のライダーシステム。
  21. 請求項12〜20のいずれか1項によるライダーシステムであって、レーザーパルス放射後の時点t1およびt2において強度分布の画像を撮影するために、前記探知器(21, 22)が少なくとも2つのカメラを備えていることを特徴とする上記のライダーシステム。
  22. 請求項12〜21のいずれか1項によるライダーシステムを有することを特徴とする航空機。
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