JP4945350B2 - 電気分散補償等化回路 - Google Patents

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Description

本発明は、電気分散補償等化回路に関し、特に、光ファイバ通信における波長分散および偏波モード分散を補償する等化回路(電気集積回路)に関する。
従来の電気分散補償等化回路の例として、例えば、非特許文献1のM.Nakamuraらによる“Electrical PMD equalizer ICs for a 40Gbit/s transmission”,0ptical Fiber Communication Conference,2004,TuG4が挙げられる。該非特許文献1に記載されている従来の電気分散補償等化回路の回路構成例を図10に示す。
図10に示す電気分散補償等化回路は、タップ電圧制御端子TAP1〜TAP3を介して外部から指定するタップ電圧信号の電圧レベルを制御することによって波長分散および偏波モード分散により劣化した信号を整形する線形等化器を構成している。図10の電気分散補償等化回路についてさらに説明する。図10の電気分散補償等化回路は、第1、第2の遅延回路D1,D2、第1、第2、第3の乗算器M1,M2,M3、第1、第2の加算器A1,A2、入力バッファIBUFおよび出力バッファOBUFからなっている。図10において、符号IN,OUTはそれぞれ入力端子、出力端子であり、符号TAP1〜TAP3は、第1〜第3の乗算器M1〜M3それぞれに対するタップ電圧制御端子である。
入力端子INから入力されるデータは、入力バッファIBUFにてレベル調整されて、複数個縦列接続された第1〜第2の遅延回路D1〜D2に入力される。入力バッファIBUFの出力および第1〜第2の遅延回路D1〜D2の出力は、それぞれ、第1〜第3の乗算器M1〜M3に入力される。第1〜第3の乗算器M1〜M3のそれぞれは、入力バッファIBUFの出力、第1〜第2の遅延回路D1〜D2の出力と、タップ電圧制御端子TAP1〜TAP3の出力との乗算を行う。
第1〜第3の乗算器M1〜M3それぞれの出力は、第1〜第2の加算器A1〜A2によりすべて加算され、その加算結果を、つまり、第1、第2の乗算器M1、M2の出力の加算結果となる第1の加算器A1の出力と第3の乗算器M3の出力とを加算した加算結果(つまり乗算器M1〜M3の加算結果)を、出力バッファOBUFを経由して出力端子OUTから出力する。
図10に示す電気分散補償等化回路は、波形劣化に対応して、タップ電圧制御端子TAP1〜TAP3の出力であるタップ電圧信号の電圧レベルを制御することにより、レプリカ信号を重み付け加算して波形整形を行っている。
ここで、図10に示す経路1とは、入力バッファIBUFから第1の乗算器M1を経由する信号経路であり、経路2、経路3についてもそれぞれ同様である。つまり、経路2とは、入力バッファIBUF、第1の遅延回路D1から第2の乗算器M2、第1の加算器A1を経由する信号経路であり、経路3とは、入力バッファIBUF、第1、第2の遅延回路D1,D2から第3の乗算器M3、第2の加算器A2を経由する信号経路である。
電気分散補償等化回路を構成する各回路すなわち各要素回路(第1、第2の遅延回路D1,D2、第1〜第3の乗算器M1〜M3、第1、第2の加算器A1,A2、入出力バッファIBUF,OBUF)は、一般に、40Gbit/sという高速の速度領域においても安定した動作が得られるように、差動構成となっており、また、広帯域化のために、各要素回路の出力部はエミッタフォロア出力形式とされている。
次に、図10のような電気分散補償等化回路を構成する要素回路について説明する。図10の電気分散補償等化回路を構成する第1〜第2の遅延回路D1〜D2それぞれは、入力されたデータをあらかじめ定めた所定の遅延時間分、遅延させて出力する回路であり、複数個縦列接続することにより、入力されたデータを所定の遅延時間ずつ順次遅延させて出力する。第1〜第2の遅延回路D1〜D2それぞれは、複数個縦列接続された利得がほぼ0dBの線形バッファ列によって構成される。図11に、図10の第1〜第2の遅延回路D1〜D2それぞれを形成する、同一の回路構成からなる、1ないし複数個の線形バッファについて、いずれか1つの線形バッファの回路構成を示す。
図11に示すように、各線形バッファそれぞれは、差動増幅回路DA2とエミッタフォロアEF3とから形成され、回路素子として、負荷抵抗R11,R12と、エミッタ負帰還抵抗R13,R14と、増幅用トランジスタTr11,Tr12と、出力用トランジスタ(エミッタフォロア用トランジスタ)Tr13,Tr14と、差動増幅用電流源I11、エミッタフォロア用電流源I12,I13とから形成されている。なお、図11において、符号DT/DCは差動入力電圧正/補端子であり、符号QT/QCは差動出力電圧正/補端子であり、符号Vccはコレクタ側電源電圧端子、符号Veeはエミッタ側電源電圧端子である。
図11に示すように、増幅用トランジスタTr11,Tr12と、負荷抵抗R11,R12と、エミッタ負帰還抵抗R13,R14と、差動増幅用電流源I11とで形成される差動増幅回路DA2は、エミッタ負帰還抵抗付差動増幅回路と呼ばれる。増幅用トランジスタTr11,Tr12それぞれのエミッタに負帰還抵抗つまりエミッタ負帰還抵抗R13,R14が挿入された結果、広い線形入力ダイナミックレンジを有する差動増幅回路、すなわち、広い入力電圧範囲で線形動作を行う差動増幅回路を構成することができる。
一般に、図11の差動増幅回路DA2に示すように、増幅用トランジスタTr11,Tr12のエミッタにエミッタ負帰還抵抗R13,R14を挿入した差動対の差動利得Gは、
G=gm×RL/(1+gm×Re)
と表すことができる。ここで、RLは差動対の負荷抵抗を示し、Reは差動対の負帰還抵抗を示し、
RL=R11=R12
Re=R13=R14
であり、gmは増幅用トランジスタTr11,Tr12のトランスコンダクタンスである。
一方、図11の出力用トランジスタ(エミッタフォロア用トランジスタ)Tr13,Tr14とエミッタフォロア用電流源I12,I13とから形成される回路(エミッタフォロアEF3)は、一般に、エミッタフォロアと呼ばれる。エミッタフォロアは、高入力インピーダンス、低出力インピーダンスで、電圧利得がほぼ0dBという特性を有する回路であり、次段の回路の入力インピーダンスの影響を抑え、帯域延伸のために、出力部に挿入されて用いられる回路である。
次に、図10の電気分散補償等化回路を構成する第1〜第2の加算器A1〜A2それぞれは、2入力の加算器であり、一方の入力端子を用いて縦列接続することにより、第1〜第3の乗算器M1〜M3から入力されるデータを順次加算して積算するように構成される。つまり、二つの差動入力電圧信号(図10の場合には、第1の加算器A1は、第1の乗算器M1の差動出力電圧信号と第2の乗算器M2の差動出力電圧信号との二つ、また、第2の加算器A2は、前段の第1の加算器A1の差動出力電圧信号と乗算器M3の差動出力電圧信号との二つ)を足し合わせた信号が出力される回路であり、負荷抵抗を共有する二組の加算器用差動増幅回路と加算器用エミッタフォロアとから構成される。ここで、第1〜第2の加算器A1〜A2それぞれを構成する加算器用差動増幅回路についても、線形動作させるために、第1〜第2の遅延回路D1〜D2の場合と同様に、エミッタ負帰還抵抗を挿入している。
また、図10の電気分散補償等化回路を構成する第1〜第3の乗算器M1〜M3それぞれは、入力バッファIBUFおよび第1〜第2の遅延回路D1〜D2それぞれから入力されるデータ信号と、第1〜第3のタップ電圧制御端子TAP1〜TAP3それぞれを介して外部から指定される制御電圧信号つまりタップ電圧信号と(図10の場合、第1の乗算器M1は、入力バッファIBUFの差動出力電圧信号とタップ電圧制御端子TAP1の制御電圧信号と、また、第2、第3の乗算器Mi(i=2,3)は、遅延回路D(i−1)の差動出力電圧信号とタップ電圧制御端子TAPiの制御電圧信号と)を掛け合わせ、データ信号に重み付けをする回路である。その構成は、アナログ乗算器として良く用いられるいわゆるギルバート(Gilbert)型乗算器つまり乗算器用双差動増幅回路と乗算器用エミッタフォロアとから構成されている。
図10の電気分散補償等化回路を構成する本従来例の入力バッファIBUFは、入力データのレベル調整とインピーダンス整合とを行う回路であり、入力データの入力波形を歪ませることなく、伝播させるべく、差動増幅回路のトランジスタ差動対にエミッタ負帰還抵抗を挿入して、広い線形ダイナミックレンジが確保されている。図12に、図10の入力バッファIBUFの回路構成を示す。すなわち、入力バッファIBUFは、図12に示すように、インピーダンス整合用のブリーダ抵抗(Bleeder Resistor)BR1、第1のエミッタフォロアEF1、差動増幅回路DA1、出力部を形成する第2のエミッタフォロアEF2から構成されている。
ブリーダ抵抗BR1を形成する抵抗R1〜R4は、差動入力電圧正/補端子DT/DCと第1のエミッタフォロアEF1のエミッタフォロア用トランジシタTr1/Tr2との間に接続されるケーブルの特性インピーダンスと整合を取るための抵抗であり、交流信号等価回路に置き換えた際に、50Ωとなるように設計されている。また、抵抗R1,R3および抵抗R2,R4は、エミッタフォロア用トランジスタTr1,Tr2とエミッタフォロア用電流源I1,I2とからなる第1のエミッタフォロアEF1にバイアス電圧を与える役目も果たしている。
差動増幅回路DA1は、増幅用トランジスタTr3,Tr4、負荷抵抗R5,R6、エミッタ負帰還抵抗R7,R8と差動増幅用電流源I3とからなり、線形動作を得るべく、エミッタ負帰還抵抗R7,R8が挿入されている。
また、第2のエミッタフォロアEF2は、エミッタフォロア用トランジスタTr5,Tr6とエミッタフォロア用電流源I4,I5とからなり、広帯域を確保するために、入力バッファIBUFの出力部に用いられている。
図10に示したように、従来の電気分散補償等化回路は、入力バッファIBUFと次段の要素回路である第1の乗算器M1および第1の遅延回路D1との間の接続方法として、入力バッファIBUFの出力部に配置した第2のエミッタフォロアEF2の出力端子QT/QCと次段の第1の遅延回路D1や第1の乗算器M1の差動入力電圧正/補端子DT/DCとの間を、ある程度の線路長を有する配線によって接続している。
M.Nakamuraら:"Electrical PMD equalizer ICs for a 40Gbit/s transmission",0ptical Fiber Communication Conference,2004,TuG4
しかしながら、前述したような従来の電気分散補償等化回路の構成の場合、群遅延時間に周波数依存性が存在し、出力信号として入力波形の線形性が保てなくなる場合が生じる。以下に、かかる問題についてさらに詳しく説明する。
図10に示したように、従来の電気分散補償等化回路の構成の場合、電気分散補償等化回路を構成する要素回路間を接続するために、ある程度の線路長を有する配線(ストリップ線路またはマイクロストリップ線路)が必要となり、例えば、入力バッファIBUFと第1の乗算器M1や第1の遅延回路D1との間の接続では、入力バッファIBUFの出力部である第2のエミッタフォロアEF2の出力端子と次段に接続される第1の乗算器M1や第1の遅延回路D1の入力端子との間を例えば数100μm程度の配線長の配線によって接続することが必要であった。
また、図10には表記していないが、第1の遅延回路D1と第2の遅延回路D2との間や、その他の要素回路間についても、同様であり、数100μm程度の線路長の配線によって接続することが必要であった。
一般に、群遅延時間が周波数依存性を有することになる原因は、次のような二つの場合である。第1の原因は、次段の要素回路に接続するための配線のインダクタンス成分と該配線の接続先の次段の要素回路の入力容量とに起因する共振にある。図10〜図12に示すような従来例の回路は、化合物半導体を用いて構成されており、基板が半絶縁性の材料であるため、一般に、配線は高いインダクタンス成分を有してしまう。この結果、次段の要素回路の入力容量により共振現象が生じ易くなり、群遅延時間が周波数により変動し易くなる。
第2の原因は、出力部に配置したエミッタフォロアの出力インピーダンスのインダクタンス成分と次段の要素回路に接続するための配線の容量成分とによって生じる共振にある。図13に、入力バッファIBUFの出力、つまり、第2のエミッタフォロアEF2の出力の反射係数をスミスチャート上にプロットしたものを示す。図13上にプロットされた曲線は、スミスチャートの上半円に存在しており、このため、第2のエミッタフォロアEF2の出力インピーダンスは、インダクタンス成分を有していることがわかる。
なお、かくのごとく、入力バッファIBUFの出力部を形成するエミッタフォロアEF2の出力インピーダンスとして、インダクタンス成分を有するという点については、入力バッファIBUFのみに限るものではなく、第1〜第2の遅延回路D1〜D2や第1〜第3の乗算器M1〜M3や第1〜第2の加算器A1〜A2や出力バッファOBUFの各要素回路についても、出力部にエミッタフォロアを用いているので、全く同様に、出力インピーダンスとしてインダクタンス成分を有している。
つまり、これらの第1、第2の二つの共振により、群遅延時間が、所要の帯域である高周波側においてピークが生じるという周波数依存性を有する特性となってしまう。図14に、従来の電気分散補償等化回路の回路構成における群遅延時間の周波数特性を、図10に示した経路1から経路3までの経路それぞれについて示している。図14に示すように、いずれの経路についても、群遅延時間の周波数特性が平坦ではないため、電気分散補償等化回路の出力波形が歪むという問題を回避することができない。
なお、ある程度の線路長を有する配線によって接続される結果として生じる群遅延時間の周波数依存性は、前述のように、入力バッファIBUFと第1の乗算器M1や第1の遅延回路D1との間だけで起きるのではなく、ある程度の線路長を有する配線によって接続された要素回路間すべての箇所で生じるものである。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、群遅延時間の周波数依存性を抑制して、出力波形の歪みが少ない電気分散補償等化回路を提供することにある。
本発明は、前述の課題を解決するために、群遅延時間を周波数に依らず平坦化する技術として、以下のごとき各技術手段から構成されている。
第1の技術手段は、入力データのレベル調整を少なくとも行う入力バッファと、N個(N:正整数)縦列接続され、前記入力バッファから入力されたデータを、あらかじめ定めた所定の遅延時間ずつ、順次、遅延させる第1ないし第Nの遅延回路と、前記入力バッファおよび前記第1ないし第Nの遅延回路それぞれから入力されたデータを、外部から指定した(N+1)個のタップ電圧信号それぞれと乗算した結果を出力する第1ないし第(N+1)の乗算器と、前記第1ないし第(N+1)の乗算器から入力されるデータを順次加算して積算した結果を出力する2入力の第1ないし第Nの加算器と、前記第Nの加算器から入力されるデータを外部に出力する出力バッファとを備えた電気分散補償等化回路において、前記入力バッファ、前記第1ないし第Nの遅延回路、前記第1ないし第(N+1)の乗算器、前記第1ないし第Nの加算器、および、前記出力バッファのうち、任意に選択した1ないし複数個について、ローパスフィルタを内蔵し、前記ローパスフィルタが、当該ローパスフィルタ以外の要素回路におけるトータルの群遅延時間の周波数特性とは逆の群遅延時間の周波数特性を有し、周波数が高くなるほど群遅延時間が漸減していく特性を有することを特徴とする。
第2の技術手段は、前記第1の技術手段に記載の電気分散補償等化回路において、前記入力バッファが、レベル調整用の差動増幅回路と出力部を形成するエミッタフォロアとを少なくとも備えて構成され、かつ、前記差動増幅回路と前記エミッタフォロアとの間を、当該入力バッファに内蔵した前記ローパスフィルタを介して接続することを特徴とする。
第3の技術手段は、前記第1または第2の技術手段に記載の電気分散補償等化回路において、前記第1ないし第Nの遅延回路それぞれが、遅延回路用差動増幅回路と遅延回路用エミッタフォロアとからなる線形バッファを複数個縦列接続して構成され、かつ、前記第1ないし第Nの遅延回路のうち、いずれか1ないし複数について、1ないし複数の任意の前記線形バッファを形成する前記遅延回路用差動増幅回路と前記遅延回路用エミッタフォロアとの間を、当該線形バッファに内蔵した前記ローパスフィルタを介して接続することを特徴とする。
第4の技術手段は、前記第1ないし第3の技術手段のいずれかに記載の電気分散補償等化回路において、前記第1ないし第(N+1)の乗算器それぞれが、乗算器用双差動増幅回路と乗算器用エミッタフォロアとから構成され、かつ、前記第1ないし第(N+1)の乗算器のうち、いずれか1ないし複数について、前記乗算器用双差動増幅回路と前記乗算器用エミッタフォロアとの間を、当該乗算器に内蔵した前記ローパスフィルタを介して接続することを特徴とする。
第5の技術手段は、前記第1ないし第4の技術手段のいずれかに記載の電気分散補償等化回路において、前記第1ないし第Nの加算器それぞれが、負荷抵抗を共有する二組の加算器用差動増幅回路と加算器用エミッタフォロアとから構成され、かつ、前記第1ないし第Nの加算器のうち、いずれか1ないし複数について、前記加算器用差動増幅回路と前記加算器用エミッタフォロアとの間を、当該加算器に内蔵した前記ローパスフィルタを介して接続することを特徴とする。
第6の技術手段は、前記第1ないし第5の技術手段のいずれかに記載の電気分散補償等化回路において、前記出力バッファが、出力バッファ用差動増幅回路と出力バッファ用エミッタフォロアとから構成され、かつ、前記出力バッファ用差動増幅回路と前記出力バッファ用エミッタフォロアとの間を、当該出力バッファに内蔵した前記ローパスフィルタを介して接続することを特徴とする。
第7の技術手段は、前記第1ないし第6の技術手段のいずれかに記載の電気分散補償等化回路において、前記ローパスフィルタが、インダクタとキャパシタとの組み合わせを用いて構成されていることを特徴とする。
第8の技術手段は、入力データのレベル調整を少なくとも行う入力バッファと、N個(N:正整数)縦列接続され、前記入力バッファから入力されたデータを、あらかじめ定めた所定の遅延時間ずつ、順次、遅延させる第1ないし第Nの遅延回路と、前記入力バッファおよび前記第1ないし第Nの遅延回路それぞれから入力されたデータを、外部から指定した(N+1)個のタップ電圧信号それぞれと乗算した結果を出力する第1ないし第(N+1)の乗算器と、前記第1ないし第(N+1)の乗算器から入力されるデータを順次加算して積算した結果を出力する2入力の第1ないし第Nの加算器と、前記第Nの加算器から入力されるデータを外部に出力する出力バッファとを備えた電気分散補償等化回路において、前記入力バッファ、前記第1ないし第Nの遅延回路、前記第1ないし第(N+1)の乗算器、前記第1ないし第Nの加算器、および、前記出力バッファのうち、任意に選択した1ないし複数個について、それぞれの入力部に、直列抵抗を介して前段の回路からの配線を接続することによって形成されるローパスフィルタが、当該ローパスフィルタ以外の要素回路におけるトータルの群遅延時間の周波数特性とは逆の群遅延時間の周波数特性を有し、周波数が高くなるほど群遅延時間が漸減していく特性を有することを特徴とする。
第9の技術手段は、前記第8の技術手段に記載の電気分散補償等化回路において、前記入力バッファ、前記第1ないし第Nの遅延回路、前記第1ないし第(N+1)の乗算器、前記第1ないし第Nの加算器、および、前記出力バッファのうち、任意に選択した1ないし複数個について、あらかじめ定めた周波数閾値以下の低周波成分を通過させ、該周波数閾値を超える高周波成分を低減させるローパスフィルタを内蔵していることを特徴とする。
第10の技術手段は、前記第8または第9の技術手段に記載の電気分散補償等化回路において、前記入力部に接続した前記直列抵抗の抵抗値が、該直列抵抗を挿入した各回路の入力部における入力容量成分とによって、あらかじめ定めた周波数閾値以下の低周波成分を通過させ、該周波数閾値を超える高周波成分を低減させるローパスフィルタを形成することを特徴とする。
本発明の電気分散補償等化回路によれば、以下のごとき効果を奏することができる。
第1に、電気分散補償等化回路を構成する各回路(つまり各要素回路)、すなわち、入力バッファ、第1〜第Nの遅延回路、第1〜第(N+1)の乗算器、第1〜第Nの加算器、出力バッファの各要素回路の出力部を形成するエミッタフォロアと、該エミッタフォロアの前段に接続される差動増幅回路もしくは双差動増幅回路との間に、他の要素回路におけるトータルの群遅延時間の周波数特性とは逆の群遅延時間の周波数特性を有し、周波数が高くなるほど群遅延時間が漸減していく特性を有するローパスフィルタを挿入しているので、所要の帯域内の周波数による群遅延時間偏差を小さくし、群遅延時間の平坦性を向上させることができ、もって、出力波形の歪みを抑制可能な電気分散補償等化回路を提供することができる。
第2に、電気分散補償等化回路を構成する各回路(つまり各要素回路)、すなわち、入力バッファ、第1〜第Nの遅延回路、第1〜第(N+1)の乗算器、第1〜第Nの加算器、出力バッファの各要素回路の入力部に対して、各要素回路用の直列抵抗を介して前段の要素回路からの配線を接続することにより、該直列抵抗と当該要素回路の入力部の入力容量成分とによって、他の要素回路におけるトータルの群遅延時間の周波数特性とは逆の群遅延時間の周波数特性を有し、周波数が高くなるほど群遅延時間が漸減していく特性を有するローパスフィルタを形成することになり、所要の帯域内の周波数による群遅延時間偏差を小さくし、群遅延時間の平坦性を向上させることができ、もって、出力波形の歪みを抑制可能な電気分散補償等化回路を提供することができる。
また、第1〜第Nの遅延回路の各遅延回路の入力部への抵抗の挿入は、各遅延回路を構成する線形バッファ列の段数を減らすことにつながり、消費電力を抑えることが可能な電気分散補償等化回路を提供することができる。
以下に、本発明に係る電気分散補償等化回路の最良の実施形態について、その一例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(本発明の概要)
本発明に係る実施形態の説明に先立って、本発明の概要についてまず説明する。本発明は、光ファイバ通信における波長分散および偏波モード分散によって劣化した信号を、光電変換後の電気信号において補償する電気集積回路つまり電気分散補償等化回路に関するものであり、周波数による群遅延時間偏差を小さくし、群遅延時間の平坦性を向上させることによって、出力波形の歪みを抑制可能な電気分散補償等化回路を、以下のごとき手段を用いて実現している点に、主要な特徴がある。
つまり、本発明は、補償対象の電気信号(入力データ)を入力する入力バッファIBUFと、該入力バッファIBUFに縦列接続され、あらかじめ定めた所定の遅延時間ずつ遅延させるN個(N:正整数)の遅延回路D1,D2,…と、入力バッファIBUFおよび各遅延回路D1,D2,…それぞれの出力と外部から指定された各制御電圧信号(タップ電圧信号)とをそれぞれ乗算する(N+1)個の乗算器M1,M2,…と、乗算器M1,M2,…それぞれの出力を順次加算して積算するN個の加算器(2入力加算器)A1,A2,…と、最終段の加算器からの電気信号(出力データ)を外部に出力する出力バッファOBUFと、の各要素回路を備えた電気分散補償等化回路に関するものである。
かかる電気分散補償等化回路において、
(1)入力バッファIBUFを形成するレベル調整用の差動増幅回路と出力部の第2のエミッタフォロアとの間、
(2)各遅延回路D1,D2,…のうち、いずれか1ないし複数について、それぞれを形成する1ないし複数の任意の線形バッファ差動増幅回路とエミッタフォロアとの間、
(3)各乗算器M1,M2,…のうち、いずれか1ないし複数について、それぞれを形成する乗算器用双差動増幅回路と乗算器用エミッタフォロアとの間、
(4)各加算器A1,A2,…のうち、いずれか1ないし複数について、それぞれを形成する加算器用差動増幅回路と加算器用エミッタフォロアとの間、
(5)出力バッファOBUFを形成する出力バッファ用差動増幅回路と出力バッファ用エミッタフォロアとの間、
のうち、いずれか1ないし複数を、低周波成分を通過させ、高周波成分を低減させるローパスフィルタを介して接続することを特徴としている。
あるいは、
(6)入力バッファIBUFの入力部に、
(7)各遅延回路D1,D2,…のうち、いずれか1ないし複数について、それぞれの入力部に、
(8)各乗算器M1,M2,…のうち、いずれか1ないし複数について、それぞれの入力部に、
(9)各加算器A1,A2,…のうち、いずれか1ないし複数について、それぞれの入力部に、
(10)出力バッファOBUFの入力部に、
のうち、いずれか1ないし複数について、各要素回路用の直列抵抗を介して前段の要素回路からの配線を接続することを特徴としている。
かくのごとき各手段のうち、いずれか1ないし複数の手段を採用することにより、所要の帯域内において周波数による群遅延時間の偏差を小さく抑え、群遅延時間の平坦性を向上させ、出力波形の歪みを抑制することができるという効果が得られる。
(第1の実施形態)
図1に、本発明に係る電気分散補償等化回路の第1の実施形態の回路構成を示す。図1に示す電気分散補償等化回路は、図10の従来例の場合と同様、タップ電圧制御端子TAP1〜TAP3を介して外部から指定するタップ電圧信号の電圧レベルを制御することによって波長分散および偏波モード分散により劣化した信号を整形する線形等化器を構成している。ここで、図1の電気分散補償等化回路は、入力バッファIBUF−LPFの内部構成を除いて、図10の従来例の場合と同様、第1、第2の遅延回路D1,D2、第1、第2、第3の乗算器M1,M2,M3、第1、第2の加算器A1,A2および出力バッファOBUFの各要素回路を有して構成され、各要素回路の内部構成は、入力バッファIBUF−LPFを除いて、図10の従来例と同様である。図1において、符号IN,OUTはそれぞれ入力端子、出力端子であり、符号TAP1〜TAP3は、乗算器M1〜M3に対するタップ電圧制御端子である。
図1の電気分散補償等化回路における入力バッファIBUF−LPFは、図10の従来例の場合と同様、入力データのレベル調整を少なくとも行う回路である。しかし、図1の入力バッファIBUF−LPFの構成は、詳細は図2に後述するが、図10の従来例の場合とは異なり、入力バッファIBUF−LPFを形成する差動増幅回路DA1と第2のエミッタフォロアEF2との間を、あらかじめ定めた周波数閾値以下の低周波成分を通過させ、該周波数閾値を超える高周波成分を低減させるローパスフィルタ(LPF:Low Pass Filter)を介して接続するというローパスフィルタ内蔵型の入力バッファ構成としている。
なお、図1の電気分散補償等化回路の動作は、図10の従来例とほぼ同様であり、入力端子INから入力されるデータは、入力バッファIBUF−LPFにてレベル調整されて、差動増幅回路DA1からローパスフィルタLPFを経由して第2のエミッタフォロアEF2に入力されて、しかる後、第2のエミッタフォロアEF2から、複数個縦列接続された第1〜第2の遅延回路D1〜D2に順次入力され、あらかじめ定めた所定の遅延時間ずつ順次遅延して出力される。第1〜第2の遅延回路D1〜D2は、遅延回路用差動増幅回路と遅延回路用エミッタフォロアとを含んで構成される線形バッファを1ないし複数個備えて構成されている。
また、入力バッファIBUF−LPFの出力および第1〜第2の遅延回路D1〜D2の出力は、図10の従来例の場合と同様、それぞれ、第1〜第3の乗算器M1〜M3に入力される。第1〜第3の乗算器M1〜M3のそれぞれは、乗算器用双差動増幅回路と乗算器用エミッタフォロアとを含んで構成され、入力バッファIBUF−LPFの出力、第1〜第2の遅延回路D1〜D2の出力と、タップ電圧制御端子TAP1〜TAP3の出力(つまり外部から指示したタップ電圧信号)との乗算を行う。
第1〜第3の乗算器M1〜M3それぞれの出力は、図10の従来例の場合と同様、2入力で、かつ、負荷抵抗を共有する二組の加算器用差動増幅回路と加算器用エミッタフォロアとを含んで構成される、第1〜第2の加算器A1〜A2によりすべて加算され、その加算結果を、つまり、第1、第2の乗算器M1、M2の出力の加算結果となる第1の加算器A1の出力と第3の乗算器M3の出力とを加算した第2の加算器A2の出力(つまり第1〜第3の乗算器M1〜M3の加算結果)を、出力バッファ用差動増幅回路と出力バッファ用エミッタフォロアとを含んで構成される出力バッファOBUFを経由して出力端子OUTから出力する。
つまり、本第1の実施形態においては、入力バッファIBUF−LPF内の出力部を形成する第2のエミッタフォロアEF2の前段にローパスフィルタLPFを配置し、入力バッファIBUF−LPFからの出力信号成分について、低周波成分を通過させ、高周波成分を低減させるという点に特徴がある。図2に、図1の入力バッファIBUF−LPFの回路構成の一例を示す。
入力バッファIBUF−LPFは、前述のように、少なくとも入力データの信号レベルのレベル調整を行う回路であり、図2に示すように、インピーダンス整合用のブリーダ抵抗(Bleeder Resistor)BR1、第1のエミッタフォロアEF1、レベル調整用の差動増幅回路DA1、あらかじめ定めた周波数閾値以下の低周波成分を通過させ、該周波数閾値を超える高周波成分を低減させるローパスフィルタLPF、出力部を形成する第2のエミッタフォロアEF2から構成されている。つまり、図12に示した従来例の入力バッファIBUFとは異なり、レベル調整用の差動増幅回路DA1と出力部を形成する第2のエミッタフォロアEF2との間を、ローパスフィルタLPFを介して接続している。
この結果、図12の従来例とは異なり、入力バッファIBUF−LPFの出力信号の群遅延時間は周波数が高くなるほど低減される特性となり、ローパスフィルタLPFを内蔵していない入力バッファを用いた場合の電気分散補償等化回路(つまり図10のような従来例の電気分散補償等化回路)においては、図14にて説明したように、群遅延時間が高周波領域でピークを有する特性を示していたが、図2のごときローパスフィルタ内蔵型の入力バッファIBUF−LPFを適用した図1の電気分散補償等化回路においては、ローパスフィルタLPF以外の各回路が有していた図14のごとき群遅延時間の周波数特性を打ち消すような効果を与えることができる。
次に、図2の入力バッファIBUF−LPFの各要素回路についてさらに説明する。図2において、インピーダンス整合用のブリーダ抵抗BR1を形成する抵抗R1〜R4は、図12の従来例の場合と同様、差動入力電圧正/補端子DT/DCと第1のエミッタフォロアEF1のエミッタフォロア用トランジシタTr1/Tr2との間を接続するケーブルの特性インピーダンスとの整合を取るための抵抗であり、交流信号等価回路に置き換えた際に、50Ωとなるように設計されている。また、抵抗R1,R3および抵抗R2,R4は、エミッタフォロア用トランジスタTr1,Tr2とエミッタフォロア用電流源I1,I2とからなる第1のエミッタフォロアEF1にバイアス電圧を与える役目も果たしている。
また、差動増幅回路DA1は、図12の従来例の場合と同様、増幅用トランジスタTr3,Tr4、負荷抵抗R5,R6、エミッタ負帰還抵抗R7,R8と差動増幅用電流源I3とからなり、線形動作を得るべく、エミッタ負帰還抵抗R7,R8が挿入されている。
また、第2のエミッタフォロアEF2も、図12の従来例の場合と同様、エミッタフォロア用トランジスタTr5,Tr6とエミッタフォロア用電流源I4,I5とからなり、広帯域を確保するために、入力バッファIBUF−LPFの出力部に用いられている。
以上の入力バッファIBUF−LPFの各構成要素については、図12の従来の入力バッファIBUFの場合とほぼ同様であるが、本実施形態における図2の入力バッファIBUF−LPFにおいては、前述のように、差動増幅回路DA1と出力部を形成する第2のエミッタフォロアEF2との間に、あらかじめ定めた周波数閾値以下の低周波成分を通過させるローパスフォルタLPFがさらに挿入されている点が、図12の場合とは異なっている。
ここで、ローパスフィルタLPFは、例えば、3次のガウシアン型ローパスフィルタであり、第1、第2のインダクタL1,L2と第1、第2のキャパシタC1,C2とからなっており、さらに、インピーダンスの整合を図るために終端抵抗R9を接続している。
入力バッファIBUF−LPFに用いられるローパスフィルタLPFの群遅延時間の周波数特性を、図3に示す。入力バッファIBUF−LPFに用いられるローパスフィルタLPFの群遅延時間の周波数特性は、図3に示すように、周波数が高くなるほど、漸減していく特性を示しており、当該電気分散補償等化回路の使用周波数帯域である15GHz付近までは、図14に示した従来の電気分散補償等化回路(ローパスフィルタLPFを内蔵しない入力バッファIBUFを用いた構成)における群遅延時間の周波数特性(ピークとなる15GHz付近に至るまでは、周波数が高くなるほど群遅延時間が増加していく特性)とは、逆の特性を示している。
かくのごとく、ローパスフィルタLPF以外の他の要素回路におけるトータルの群遅延時間の周波数特性とは、全く逆の群遅延時間の周波数特性(つまりローパスフィルタLPF以外の他の要素回路におけるトータルの群遅延時間の周波数依存性を打ち消すような周波数特性)を有するローパスフィルタLPFを、ローパスフィルタ内蔵型入力バッファIBUF−LPFに挿入することによって、電気分散補償等化回路全体として、所望の周波数帯域において群遅延時間を平坦にすることが可能となる。
図4に、本第1の実施形態において、図1および図10に示した経路2(つまり、ローパスフィルタ内蔵型入力バッファIBUF−LPFから第1の遅延回路D1を介して第2の乗算器M2、第1の加算器A1を経由する信号経路)を通過したときの群遅延時間の周波数特性をシミュレーションした結果について実線で示している。なお、当該シミュレーションには、回路シミュレータとして汎用的であるSPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)を用いている。また、比較のために、図4には、図10の従来例の場合で経路2を通過したときの群遅延時間の周波数特性をシミュレーションした結果についても図14から転記して破線で示している。
図4に示すように、本第1の実施形態による電気分散補償等化回路は、所望の周波数帯域である0〜15GHzの帯域内において、群遅延時間の最大値と最小値との差分が22ps程度であり、図10の従来例における26psに比して、群遅延時間の周波数特性が平坦化されていることが分かる。
つまり、本第1の実施形態による電気分散補償等化回路は、入力バッファIBUF−LPFの差動増幅回路DA1と出力部を形成する第2のエミッタフォロアEF2との間に、あらかじめ定めた周波数閾値以下の低周波成分を通過させ、高周波成分を低減させるローパスフィルタLPFを挿入することによって、電気分散補償等化回路全体として、所望の周波数帯域内における群遅延時間の周波数特性の偏差が小さく、出力波形の歪みが少ない電気分散補償等化回路を実現することができる。
なお、ローパスフィルタ内蔵型入力バッファIBUF−LPFとして挿入したローパスフィルタLPFを、インダクタL1,L2とキャパシタC1,C2とにより実現する例について説明したが、本発明はかかる場合のみに限るものではなく、抵抗とキャパシタとの組み合わせで実現しても良いし、オペアンプを用いて実現しても良い。
(第2の実施形態)
図5に、本発明に係る電気分散補償等化回路の第2の実施形態の回路構成を示す。図5に示す電気分散補償等化回路も、図10の従来例および図1の第1の実施形態の場合と同様、タップ電圧制御端子TAP1〜TAP3を介して外部から指定するタップ電圧信号の電圧レベルを制御することによって波長分散および偏波モード分散により劣化した信号を整形する線形等化器を構成している。ここで、図5の電気分散補償等化回路は、第1、第2、第3の乗算器M1,M2,M3への入力部の構成方法を除いて、図10の従来例の場合と同様、入力バッファIBUF、第1、第2の遅延回路D1,D2、第1、第2、第3の乗算器M1,M2,M3、第1、第2の加算器A1,A2および出力バッファOBUFの各要素回路を有して構成され、各要素回路の内部構成は、第1、第2、第3の乗算器M1,M2,M3の入力部の構成を除いて、図10の従来例と同様である。図5において、符号IN,OUTはそれぞれ入力端子、出力端子であり、符号TAP1〜TAP3は、乗算器M1〜M3に対するタップ電圧制御端子である。
図5の電気分散補償等化回路においては、第1、第2、第3の乗算器M1,M2,M3の入力部は、図10の従来例の場合とは異なり、第1、第2、第3の乗算器用直列抵抗R21,R22,R23がそれぞれ直列に接続されており、それぞれの前段の要素回路である入力バッファIBUF、第1の遅延回路D1、第2の遅延回路D2からの配線を、第1〜第3の乗算器用直列抵抗R21〜R23を介して、第1、第2、第3の乗算器M1,M2,M3の入力部それぞれに接続するように構成している。
なお、図5の電気分散補償等化回路の動作は、図10の従来例とほぼ同様であり、入力端子INから入力されるデータは、入力バッファIBUFにてレベル調整されて、しかる後、複数個縦列接続された第1〜第2の遅延回路D1〜D2に順次入力され、あらかじめ定めた所定の遅延時間ずつ順次遅延して出力される。また、入力バッファIBUFの出力および第1〜第2の遅延回路D1〜D2の出力は、図10の従来例の場合と異なり、それぞれ、第1〜第3の乗算器用直列抵抗R21〜R23を介して、第1〜第3の乗算器M1〜M3に入力される。第1〜第3の乗算器M1〜M3のそれぞれは、第1〜第3の乗算器用直列抵抗R21〜R23を介して入力されてくる入力バッファIBUFの出力、第1〜第2の遅延回路D1〜D2の出力と、タップ電圧制御端子TAP1〜TAP3の出力(つまり外部から指示したタップ電圧信号)との乗算を行う。
第1〜第3の乗算器M1〜M3それぞれの出力は、図10の従来例の場合と同様、2入力の第1〜第2の加算器A1〜A2によりすべて加算され、その加算結果を、つまり、第1、第2の乗算器M1、M2の出力の加算結果となる第1の加算器A1の出力と第3の乗算器M3の出力とを加算した第2の加算器A2の出力(つまり第1〜第3の乗算器M1〜M3の加算結果)を、出力バッファOBUFを経由して出力端子OUTから出力する。
つまり、本第2の実施形態においては、第1〜第3の乗算器M1〜M3の入力部に、それぞれ、第1〜第3の乗算器用直列抵抗R21〜R23を挿入し、それぞれの前段の入力バッファIBUFおよび第1〜第2の遅延回路D1〜D2から配線によって入力端子に接続する際に、第1〜第3の乗算器用直列抵抗R21〜R23を介して接続するように構成されている点に特徴がある。かくのごとく、第1〜第3の乗算器用直列抵抗R21〜R23を、第1〜第3の乗算器M1〜M3の入力部それぞれにおける入力容量成分に応じて決定されるそれぞれの抵抗値に設定して、第1〜第3の乗算器M1〜M3の入力部それぞれに直列に接続することにより、第1〜第3の乗算器用直列抵抗R21〜R23の抵抗値と第1〜第3の乗算器M1〜M3の入力容量成分とによって、あらかじめ定めた周波数閾値以下の低周波成分を通過させ、該周波数閾値を超える高周波成分を低減させるローパスフィルタを形成することができる。
第1〜第3の乗算器用直列抵抗R21〜R23の抵抗値と第1〜第3の乗算器M1〜M3の入力容量成分とにより第1〜第3の乗算器M1〜M3それぞれの入力部に形成されるローパスフィルタの群遅延時間の周波数特性を、図6に示す。第1〜第3の乗算器M1〜M3それぞれの入力部に形成されるローパスフィルタの群遅延時間の周波数特性は、図6に示すように、周波数が高くなるほど、漸減していく特性を示しており、第1の実施形態の場合と同様に、当該電気分散補償等化回路の使用周波数帯域である15GHz付近までは、図14に示した従来の電気分散補償等化回路(第1〜第3の乗算器M1〜M3それぞれの入力部に第1〜第3の乗算器用直列抵抗R21〜R23を挿入しない構成)における群遅延時間の周波数特性(ピークとなる15GHz付近に至るまでは、周波数が高くなるほど群遅延時間が増加していく特性)とは、逆の特性を示している。
かくのごとく、第1〜第3の乗算器M1〜M3それぞれの入力部に形成されるローパスフィルタ以外の他の要素回路におけるトータルの群遅延時間の周波数特性とは、全く逆の群遅延時間の周波数特性(つまり当該ローパスフィルタ以外の他の要素回路におけるトータルの群遅延時間の周波数依存性を打ち消すような周波数特性)を有するローパスフィルタを形成する第1〜第3の乗算器用直列抵抗R21〜R23を、第1〜第3の乗算器M1〜M3それぞれの入力部に挿入することによって、低周波成分側の群遅延時間が増加し、電気分散補償等化回路全体として、所望の周波数帯域において群遅延時間を平坦にすることが可能となる。
図7に、本第2の実施形態において、図5および図10に示した経路2(つまり、入力バッファIBUFから第1の遅延回路D1を介して第2の乗算器用直列抵抗R22、第2の乗算器M2、第1の加算器A1を経由する信号経路)を通過したときの群遅延時間の周波数特性をシミュレーションした結果について実線で示している。なお、当該シミュレーションも、第1の実施形態の場合と同様、回路シミュレータとして汎用的なSPICEを用いている。また、比較のために、図7には、図10の従来例の場合で経路2を通過したときの群遅延時間の周波数特性をシミュレーションした結果についても図14から転記して破線で示している。
図7に示すように、本第2の実施形態による電気分散補償等化回路は、所望の周波数帯域である0〜15GHzの帯域内において、群遅延時間の最大値と最小値との差分が18ps程度であり、図10の従来例における26psに比して、群遅延時間の周波数特性が平坦化されていることが分かる。
つまり、本第2の実施形態による電気分散補償等化回路は、入力バッファIBUF、第1、第2の遅延回路D1,D2それぞれからの配線を、次段の要素回路である第1〜第3の乗算器M1〜M3の入力部に接続する際に、それぞれの入力部に挿入された第1〜第3の乗算器用直列抵抗R21〜R23を介して接続することによって、あらかじめ定めた周波数閾値以下の低周波成分を通過させ、高周波成分を低減させるローパスフィルタ(第1〜第3の乗算器用直列抵抗R21〜R23と第1〜第3の乗算器M1〜M3の入力容量成分とからなるローパスフィルタ)を形成し、前段の要素回路である入力バッファIBUFおよび第1〜第2の遅延回路D1〜D2からの配線のインダクタンス成分と第1〜第3の乗算器M1〜M3の入力容量成分とに起因する共振のQ値を低減させることを可能とし、電気分散補償等化回路全体として、所望の周波数帯域内における群遅延時間の周波数特性の偏差が小さく、出力波形の歪みが少ない電気分散補償等化回路を実現することができる。
(第3の実施形態)
図8に、本発明に係る電気分散補償等化回路の第3の実施形態の回路構成を示す。図8に示す電気分散補償等化回路も、図10の従来例および図1の第1の実施形態の場合と同様、タップ電圧制御端子TAP1〜TAP3を介して外部から指定するタップ電圧信号の電圧レベルを制御することによって波長分散および偏波モード分散により劣化した信号を整形する線形等化器を構成している。ここで、図8の電気分散補償等化回路は、第1、第2の遅延回路D1,D2への入力部の構成方法を除いて、図10の従来例の場合と同様、入力バッファIBUF、第1、第2の遅延回路D1,D2、第1、第2、第3の乗算器M1,M2,M3、第1、第2の加算器A1,A2および出力バッファOBUFの各要素回路を有して構成され、各要素回路の内部構成は、第1、第2の遅延回路D1,D2の入力部の構成を除いて、図10の従来例と同様である。図8において、符号IN,OUTはそれぞれ入力端子、出力端子であり、符号TAP1〜TAP3は、乗算器M1〜M3に対するタップ電圧制御端子である。
図8の電気分散補償等化回路においては、第1、第2の遅延回路D1,D2の入力部は、図10の従来例の場合とは異なり、第1、第2の遅延回路用直列抵抗R31,R32がそれぞれ直列に接続されており、それぞれの前段の要素回路である入力バッファIBUF、第1の遅延回路D1からの配線を、第1、第2の遅延回路用直列抵抗R31,R32を介して、第1、第2の遅延回路D1,D2の入力部それぞれに接続するように構成している。
なお、図8の電気分散補償等化回路の動作は、図10の従来例とほぼ同様であり、入力端子INから入力されるデータは、入力バッファIBUFにてレベル調整されて、しかる後、図10の従来例の場合と異なり、複数個縦列接続された第1〜第2の遅延回路D1〜D2に、第1、第2の遅延回路用直列抵抗R31,R32を介して順次入力され、あらかじめ定めた所定の遅延時間ずつ順次遅延して出力される。また、入力バッファIBUFの出力および第1〜第2の遅延回路D1〜D2の出力は、図10の従来例の場合と同様、それぞれ、第1〜第3の乗算器M1〜M3に入力される。第1〜第3の乗算器M1〜M3のそれぞれは、入力バッファIBUFの出力、第1〜第2の遅延回路D1〜D2の出力と、タップ電圧制御端子TAP1〜TAP3の出力(つまり外部から指示したタップ電圧信号)との乗算を行う。
第1〜第3の乗算器M1〜M3それぞれの出力は、図10の従来例の場合と同様、2入力の第1〜第2の加算器A1〜A2によりすべて加算され、その加算結果を、つまり、第1、第2の乗算器M1、M2の出力の加算結果となる第1の加算器A1の出力と第3の乗算器M3の出力とを加算した第2の加算器A2の出力(つまり第1〜第3の乗算器M1〜M3の加算結果)を、出力バッファOBUFを経由して出力端子OUTから出力する。
つまり、本第3の実施形態においては、第1、第2の遅延回路D1,D2の入力部に、それぞれ、第1、第2の遅延回路用直列抵抗R31,R32を挿入し、それぞれの前段の入力バッファIBUFおよび第1の遅延回路D1から配線によって入力端子に接続する際に、第1、第2の遅延回路用直列抵抗R31,R32を介して接続するように構成されている点に特徴がある。かくのごとく、第1、第2の遅延回路用直列抵抗R31,R32を、第1、第2の遅延回路D1,D2の入力部それぞれにおける入力容量成分に応じて決定されるそれぞれの抵抗値に設定して、第1、第3の遅延回路D1,D2の入力部それぞれに直列に接続することにより、第1、第2の遅延回路用直列抵抗R31,R32の抵抗値と第1、第2の遅延回路D1,D2の入力容量成分とによって、あらかじめ定めた周波数閾値以下の低周波成分を通過させ、該周波数閾値を超える高周波成分を低減させるローパスフィルタを形成することができる。
第1、第2の遅延回路用直列抵抗R31,R32の抵抗値と第1、第3の遅延回路D1,D2の入力容量成分とにより第1、第2の遅延回路D1,D2それぞれの入力部に形成されるローパスフィルタの群遅延時間の周波数特性は、第2の実施形態に示した図6の周波数特性とほぼ同様であり、第1、第2の遅延回路D1,D2それぞれの入力部に形成されるローパスフィルタの群遅延時間の周波数特性は、図6に示すように、周波数が高くなるほど、漸減していく特性を示す。この結果、第1、第2の実施形態の場合と同様に、当該電気分散補償等化回路の使用周波数帯域である15GHz付近までは、図14に示した従来の電気分散補償等化回路(第1、第2の遅延回路D1,D2それぞれの入力部に第1、第2の遅延回路用直列抵抗R31,R32を挿入しない構成)における群遅延時間の周波数特性(ピークとなる15GHz付近に至るまでは、周波数が高くなるほど群遅延時間が増加していく特性)とは、逆の特性を示している。
かくのごとく、第1、第2の遅延回路D1,D2それぞれの入力部に形成されるローパスフィルタ以外の他の要素回路におけるトータルの群遅延時間の周波数特性とは、全く逆の群遅延時間の周波数特性(つまり当該ローパスフィルタ以外の他の要素回路におけるトータルの群遅延時間の周波数依存性を打ち消すような周波数特性)を有するローパスフィルタを形成する第1、第2の遅延回路用直列抵抗R31,R32を、第1、第2の遅延回路D1,D2それぞれの入力部に挿入することによって、低周波成分側の群遅延時間が増加し、電気分散補償等化回路全体として、所望の周波数帯域において群遅延時間を平坦にすることが可能となる。
また、第1、第2の遅延回路D1,D2それぞれの入力部に第1、第2の遅延回路用直列抵抗R31,R32が挿入されているため、第1、第2の遅延回路D1,D2を経由する出力経路(つまり図10に示す従来例における経路2および経路3)を通過した場合の出力信号の伝播時間が、第1、第2の遅延回路用直列抵抗R31,R32が挿入されていない図10に示す従来例よりも長くなる。したがって、所定の遅延時間ずつ遅延させるための第1、第2の遅延回路D1,D2それぞれを構成する線形バッファ列の段数を低減することが可能となり、電気分散補償等化回路の消費電力を低減することができるという効果も合わせて得ることができる。
図9に、本第3の実施形態において、図8および図10に示した経路2(つまり、入力バッファIBUFから第1の遅延回路用直列抵抗R31、第1の遅延回路D1を介して、第2の乗算器M2、第1の加算器A1を経由する信号経路)を通過したときの群遅延時間の周波数特性をシミュレーションした結果について実線で示している。なお、当該シミュレーションも、第1の実施形態の場合と同様、回路シミュレータとして汎用的なSPICEを用いている。また、比較のために、図9には、図10の従来例の場合で経路2を通過したときの群遅延時間の周波数特性をシミュレーションした結果についても図14から転記して破線で示している。
図9に示すように、本第3の実施形態による電気分散補償等化回路は、所望の周波数帯域である0〜15GHzの帯域内において、群遅延時間の最大値と最小値との差分が15ps程度であり、図10の従来例における26psに比して、群遅延時間の周波数特性が平坦化されていることが分かる。
つまり、本第3の実施形態による電気分散補償等化回路は、入力バッファIBUF、第1の遅延回路D1それぞれからの配線を、次段の要素回路である第1〜第2の遅延回路D1,D2の入力部に接続する際に、それぞれの入力部に挿入された第1、第2の遅延回路用直列抵抗R31,R32を介して接続することによって、あらかじめ定めた周波数閾値以下の低周波成分を通過させ、高周波成分を低減させるローパスフィルタ(第1、第2の遅延回路用直列抵抗R31,R32と第1、第2の遅延回路D1,D2の入力容量成分とからなるローパスフィルタ)を形成し、前段の要素回路である入力バッファIBUFおよび第1の遅延回路D1からの配線のインダクタンス成分と第1、第2の遅延回路D1,D2の入力容量成分とに起因する共振のQ値を低減させることを可能とし、電気分散補償等化回路全体として、所望の周波数帯域内における群遅延時間の周波数特性の偏差が小さく、出力波形の歪みが少ない電気分散補償等化回路を実現することができる。
(その他の実施形態)
以上に説明した各実施形態においては、入力バッファIBUFに縦列接続した遅延回路の段数が、第1、第2の遅延回路D1,D2の2段の場合について説明したが、本発明は、かかる場合のみに限るものではなく、N個(N:正整数)の第1〜第Nの遅延回路から構成されていても良い。かかる構成においては、対応する乗算器や加算器の個数も、それぞれ、第1〜第3の乗算器M1〜M3、第1、第2の加算器A1,A2の3個、2個ではなく、それぞれ、(N+1)個、N個となり、第1〜第(N+1)の乗算器、第1〜第Nの加算器として構成される。
また、第1の実施形態では、入力バッファIBUF−LPF内にローパスフィルタLPFを内蔵している場合について説明したが、本発明は、かかる場合のみに限るものではない。
例えば、第1〜第Nの遅延回路のうち、いずれか1ないし複数について、それぞれを構成する1ないし複数の任意の線形バッファを形成する遅延回路用差動増幅回路と遅延回路用エミッタフォロアとの間にあらかじめ定めた周波数閾値以下の低周波成分を通過させ、該周波数閾値を超える高周波成分を低減させるローパスフィルタ(例えばインダクタとキャパシタとの組み合わせからなるローパスフィルタ)を接続するようにしても良いし、第1〜第(N+1)の乗算器のうち、いずれか1ないし複数について、それぞれを構成する乗算器用双差動増幅回路と乗算器用エミッタフォロアとの間に該ローパスフィルタを接続するようにしても良いし、また、第1〜第Nの加算器のうち、いずれか1ないし複数について、それぞれを構成する加算器用差動増幅回路と加算器用エミッタフォロアとの間に該ローパスフィルタを接続するようにしても良いし、また、出力バッファOBUFの出力バッファ用差動増幅回路と出力バッファ用エミッタフォロアとの間に該ローパスフィルタを接続するようにしても良い。
ここで、入力バッファIBUF、第1〜第Nの遅延回路、第1〜第(N+1)の乗算器、第1〜第Nの加算器、出力バッファOBUFの各要素回路の中から、いずれか1ないし複数について、あらかじめ定めた前記周波数閾値以下の低周波成分を通過させ、該周波数閾値を超える高周波成分を低減させるローパスフィルタを、それぞれの要素回路の出力部を形成するエミッタフォロア(入力バッファIBUF−LPFの第二のエミッタフォロアEF2、各遅延回路を形成する1ないし複数の線形バッファの遅延回路用エミッタフォロア、各乗算器の乗算器用エミッタフォロア、各加算器の加算器用エミッタフォロア、出力バッファOBUFの出力用エミッタフォロア)と、前段の入力側の差動増幅回路や双差動増幅回路との間に挿入するようにしても、もちろんかまわない。
さらに、第2の実施形態においては、第1〜第(N+1)の乗算器すべての入力部に乗算器用の直列抵抗を挿入し、また、第3の実施形態においては、第1〜第Nの遅延回路すべての入力部に遅延回路用の直列抵抗を挿入する場合について説明したが、本発明は、かかる場合のみに限るものではない。
例えば、第1〜第Nの遅延回路のうち、いずれか1ないし複数について、それぞれの入力部に遅延回路用の直列抵抗を挿入するようにしても良いし、第1〜第(N+1)の乗算器のうち、いずれか1ないし複数について、それぞれの入力部に乗算器用の直列抵抗を挿入するようにしても良いし、また、第1〜第Nの加算器のうち、いずれか1ないし複数について、それぞれの入力部に加算器用の直列抵抗を挿入するようにしても良いし、また、出力バッファOBUFの入力部に出力バッファ用の直列抵抗を挿入するようにしても良い。
なお、入力バッファIBUF(または入力バッファIBUF−LPF)に関しては、前述の実施形態に示すように、一般に、比較的長い配線長を有する前段の回路からの配線を終端させるためのインピーダンス整合用のブリーダ抵抗を、入力部に備えて構成される場合が多いので、該入力部に直列抵抗(つまり入力バッファ用直列抵抗)をさらに挿入した構成とする必要はないものの、前段の回路を近接配置することが可能な場合などのように、ブリーダ抵抗を入力部に備えない形態で入力バッファIBUFを構成する場合(つまり、レベル調整用の差動増幅回路と出力部を形成するエミッタフォロアとを少なくとも有して構成される場合)においては、該入力バッファIBUFの入力部に入力バッファ用の直列抵抗を挿入するように構成しても良い。
ここで、入力バッファIBUF、第1〜第Nの遅延回路、第1〜第(N+1)の乗算器、第1〜第Nの加算器、出力バッファOBUFの各要素回路の中から、いずれか1ないし複数について、それぞれの入力部に、該当する直列抵抗に挿入するようにしても、もちろんかまわない。
さらに、各要素回路内の出力部のエミッタフォロアの前段(つまり入力側)にローパスフィルタを挿入する場合と、各要素回路の入力部に直列抵抗を挿入する場合とを混在させるような構成(例えば、入力バッファにローパスフィルタLPFを内蔵させると同時に、第1〜第(N+1)の乗算器のいずれか1ないし複数の入力部に乗算器用直列抵抗を挿入するような構成)であっても、かまわない。
また、各要素回路のいずれか1ないし複数に内蔵させるローパスフィルタや各要素回路のいずれか1ないし複数の入力部に挿入する直列抵抗の、それぞれの回路定数については、内蔵したローパスフィルタそのものや、挿入した直列抵抗と入力容量成分とにより形成されるローパスフィルタとして、あらかじめ定めた周波数閾値以下の低周波成分を通過させ、該周波数閾値を超える高周波成分を低減させるローパスフィルタを形成させることにより、該ローパスフォルタによって決定される群遅延時間に関する周波数特性が、電気分散補償等化回路を構成する各要素回路のうちかかるローパスフィルタを除く残りの要素回路が示す群遅延時間に関する周波数特性を打ち消すような特性を得られるように設定されることが望ましい。
本発明に係る電気分散補償等化回路の第1の実施形態の回路構成を示す回路図である。 図1の入力バッファの回路構成の一例を示す回路図である。 入力バッファに挿入したローパスフィルタの群遅延時間の周波数特性を示す特性図である。 図1の電気分散補償等化回路における群遅延時間の周波数特性のシミュレーション結果を示す特性図である。 本発明に係る電気分散補償等化回路の第2の実施形態の回路構成を示す回路図である。 各乗算器それぞれの入力部に挿入される乗算器用直列抵抗と乗算器の入力容量とにより形成されるローパスフィルタの群遅延時間の周波数特性を示す特性図である。 図5の電気分散補償等化回路における群遅延時間の周波数特性のシミュレーション結果を示す特性図である。 本発明に係る電気分散補償等化回路の第3の実施形態の回路構成を示す回路図である。 図8の電気分散補償等化回路における群遅延時間の周波数特性のシミュレーション結果を示す特性図である。 従来の電気分散補償等化回路の回路構成例を示す回路図である。 図10の第1〜第2の遅延回路それぞれを形成する線形バッファの回路構成を示す回路図である。 図10の入力バッファの回路構成を示す回路図である。 入力バッファの出力の反射係数を示すスミスチャートである。 従来の電気分散補償等化回路の回路構成における群遅延時間の周波数特性を示す特性図である。
符号の説明
A1…第1の加算器、A2…第2の加算器、BR1…ブリーダ抵抗、C1…第1のキャパシタ、C2…第2のキャパシタ、D1…第1の遅延回路、D2…第2の遅延回路、DA1,DA2…差動増幅回路、DT/DC…差動入力電圧正/補端子、EF1…第1のエミッタフォロア、EF2…第2のエミッタフォロア、EF3…エミッタフォロア、I1,I2…エミッタフォロア用電流源、I3…差動増幅用電流源、I4,I5…エミッタフォロア用電流源、I11…差動増幅用電流源、I12,I13…エミッタフォロア用電流源、IBUF…入力バッファ、IBUF−LPF…入力バッファ(ローパスフィルタ内蔵型入力バッファ)、IN…入力端子、L1…第1のインダクタ、L2…第2のインダクタ、LPF…ローパスフィルタ、M1…第1の乗算器、M2…第2の乗算器、M3…第3の乗算器、OBUF…出力バッファ、OUT…出力端子、QT/QC…差動出力電圧正/補端子、R1〜R4…抵抗、R5,R6…負荷抵抗、R7,R8…エミッタ負帰還抵抗、R9…終端抵抗、R11,R12…負荷抵抗、R13,R14…エミッタ負帰還抵抗、R21…第1の乗算器用直列抵抗、R22…第2の乗算器用直列抵抗、R23…第3の乗算器用直列抵抗、R31…第1の遅延回路用直列抵抗、R32…第2の遅延回路用直列抵抗、Tr1,Tr2…エミッタフォロア用トランジスタ、Tr3,Tr4…増幅用トランジスタ、Tr5,Tr6…エミッタフォロア用トランジスタ、Tr11、Tr12…増幅用トランジスタ、Tr13,Tr14…出力用トランジスタ(エミッタフォロア用トランジスタ)、Vcc…コレクタ側電源電圧端子、VE…等価電圧源、Vee…エミッタ側電源電圧端子、TAP1,TAP2,TAP3…タップ電圧制御端子。

Claims (10)

  1. 入力データのレベル調整を少なくとも行う入力バッファと、N個(N:正整数)縦列接続され、前記入力バッファから入力されたデータを、あらかじめ定めた所定の遅延時間ずつ、順次、遅延させる第1ないし第Nの遅延回路と、前記入力バッファおよび前記第1ないし第Nの遅延回路それぞれから入力されたデータを、外部から指定した(N+1)個のタップ電圧信号それぞれと乗算した結果を出力する第1ないし第(N+1)の乗算器と、前記第1ないし第(N+1)の乗算器から入力されるデータを順次加算して積算した結果を出力する2入力の第1ないし第Nの加算器と、前記第Nの加算器から入力されるデータを外部に出力する出力バッファとを備えた電気分散補償等化回路において、前記入力バッファ、前記第1ないし第Nの遅延回路、前記第1ないし第(N+1)の乗算器、前記第1ないし第Nの加算器、および、前記出力バッファのうち、任意に選択した1ないし複数個について、ローパスフィルタを内蔵し、前記ローパスフィルタが、当該ローパスフィルタ以外の要素回路におけるトータルの群遅延時間の周波数特性とは逆の群遅延時間の周波数特性を有し、周波数が高くなるほど群遅延時間が漸減していく特性を有することを特徴とする電気分散補償等化回路。
  2. 請求項1に記載の電気分散補償等化回路において、前記入力バッファが、レベル調整用の差動増幅回路と出力部を形成するエミッタフォロアとを少なくとも備えて構成され、かつ、前記差動増幅回路と前記エミッタフォロアとの間を、当該入力バッファに内蔵した前記ローパスフィルタを介して接続することを特徴とする電気分散補償等化回路。
  3. 請求項1または2に記載の電気分散補償等化回路において、前記第1ないし第Nの遅延回路それぞれが、遅延回路用差動増幅回路と遅延回路用エミッタフォロアとからなる線形バッファを複数個縦列接続して構成され、かつ、前記第1ないし第Nの遅延回路のうち、いずれか1ないし複数について、1ないし複数の任意の前記線形バッファを形成する前記遅延回路用差動増幅回路と前記遅延回路用エミッタフォロアとの間を、当該線形バッファに内蔵した前記ローパスフィルタを介して接続することを特徴とする電気分散補償等化回路。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の電気分散補償等化回路において、前記第1ないし第(N+1)の乗算器それぞれが、乗算器用双差動増幅回路と乗算器用エミッタフォロアとから構成され、かつ、前記第1ないし第(N+1)の乗算器のうち、いずれか1ないし複数について、前記乗算器用双差動増幅回路と前記乗算器用エミッタフォロアとの間を、当該乗算器に内蔵した前記ローパスフィルタを介して接続することを特徴とする電気分散補償等化回路。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の電気分散補償等化回路において、前記第1ないし第Nの加算器それぞれが、負荷抵抗を共有する二組の加算器用差動増幅回路と加算器用エミッタフォロアとから構成され、かつ、前記第1ないし第Nの加算器のうち、いずれか1ないし複数について、前記加算器用差動増幅回路と前記加算器用エミッタフォロアとの間を、当該加算器に内蔵した前記ローパスフィルタを介して接続することを特徴とする電気分散補償等化回路。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の電気分散補償等化回路において、前記出力バッファが、出力バッファ用差動増幅回路と出力バッファ用エミッタフォロアとから構成され、かつ、前記出力バッファ用差動増幅回路と前記出力バッファ用エミッタフォロアとの間を、当該出力バッファに内蔵した前記ローパスフィルタを介して接続することを特徴とする電気分散補償等化回路。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の電気分散補償等化回路において、前記ローパスフィルタが、インダクタとキャパシタとの組み合わせを用いて構成されていることを特徴とする電気分散補償等化回路。
  8. 入力データのレベル調整を少なくとも行う入力バッファと、N個(N:正整数)縦列接続され、前記入力バッファから入力されたデータを、あらかじめ定めた所定の遅延時間ずつ、順次、遅延させる第1ないし第Nの遅延回路と、前記入力バッファおよび前記第1ないし第Nの遅延回路それぞれから入力されたデータを、外部から指定した(N+1)個のタップ電圧信号それぞれと乗算した結果を出力する第1ないし第(N+1)の乗算器と、前記第1ないし第(N+1)の乗算器から入力されるデータを順次加算して積算した結果を出力する2入力の第1ないし第Nの加算器と、前記第Nの加算器から入力されるデータを外部に出力する出力バッファとを備えた電気分散補償等化回路において、前記入力バッファ、前記第1ないし第Nの遅延回路、前記第1ないし第(N+1)の乗算器、前記第1ないし第Nの加算器、および、前記出力バッファのうち、任意に選択した1ないし複数個について、それぞれの入力部に、直列抵抗を介して前段の回路からの配線を接続することによって形成されるローパスフィルタが、当該ローパスフィルタ以外の要素回路におけるトータルの群遅延時間の周波数特性とは逆の群遅延時間の周波数特性を有し、周波数が高くなるほど群遅延時間が漸減していく特性を有することを特徴とする電気分散補償等化回路。
  9. 請求項8に記載の電気分散補償等化回路において、前記入力バッファ、前記第1ないし第Nの遅延回路、前記第1ないし第(N+1)の乗算器、前記第1ないし第Nの加算器、および、前記出力バッファのうち、任意に選択した1ないし複数個について、あらかじめ定めた周波数閾値以下の低周波成分を通過させ、該周波数閾値を超える高周波成分を低減させるローパスフィルタを内蔵していることを特徴とする電気分散補償等化回路。
  10. 請求項8または9に記載の電気分散補償等化回路において、前記入力部に接続した前記直列抵抗の抵抗値が、該直列抵抗を挿入した各回路の入力部における入力容量成分とによって、あらかじめ定めた周波数閾値以下の低周波成分を通過させ、該周波数閾値を超える高周波成分を低減させるローパスフィルタを形成することを特徴とする電気分散補償等化回路。
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