JP4944674B2 - 降温用噴霧システム - Google Patents

降温用噴霧システム Download PDF

Info

Publication number
JP4944674B2
JP4944674B2 JP2007149563A JP2007149563A JP4944674B2 JP 4944674 B2 JP4944674 B2 JP 4944674B2 JP 2007149563 A JP2007149563 A JP 2007149563A JP 2007149563 A JP2007149563 A JP 2007149563A JP 4944674 B2 JP4944674 B2 JP 4944674B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spray
mist
work section
temperature
work
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007149563A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008304086A (ja
Inventor
真人 鳴海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nohmi Bosai Ltd
Original Assignee
Nohmi Bosai Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nohmi Bosai Ltd filed Critical Nohmi Bosai Ltd
Priority to JP2007149563A priority Critical patent/JP4944674B2/ja
Publication of JP2008304086A publication Critical patent/JP2008304086A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4944674B2 publication Critical patent/JP4944674B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Devices For Blowing Cold Air, Devices For Blowing Warm Air, And Means For Preventing Water Condensation In Air Conditioning Units (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Description

この発明は、大空間を有する区切られた作業場の温度をミストの蒸散による潜熱による冷却作用を用いて低下する降温用噴霧システムに関する。
車両や船舶など大型設備を製造する工場の作業場は、高い位置に天井が設けられ、容積が大きいことが一般的である。そして、大空間の建屋は外気と自然換気をすれば建屋内の空気の流動性が良いので、夏場でも建屋内はある程度涼しくなり、屋外のようには高温にならない。ところが、溶接などの作業をする建屋では、溶接環境を維持するために水滴や塵などが作業場内に取り込まれないようにするため、建屋の天井での自然換気は行われ、且つ溶接により発生するガスを局所的に排気しているが、作業場の雰囲気を強制的に換気することは行われない。このように雰囲気の流動性が良くない作業場では、夏場作業区域の温度が36℃から40℃となってしまう。さらに、溶接作業では、安全保護のため全身に防護服や面具を着用しなければならないため、高温の雰囲気と合わさって、作業員が仕事中に全身汗だくとなり、作業環境の改善が求められている。
そこで、作業環境の改善のために扇風機を設置して温度を低下することが行われている。
また、冷却の空間に複数のノズルを設置し、ノズルがないエリアに吸引口を配置し、空間の雰囲気の一部を吸引ファンによって吸引し、減湿装置で減湿した後、冷却器で冷却して給気口からその空間に戻す(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−252763号公報
しかし、扇風機で雰囲気を循環しても防護服や面具を着用しているので作業員の体感温度を低下する効果が少なく、且つ塵などを逆にまき散らすという問題がある。
また、大空間の作業場全体を空調機で冷却しようとすると、大量の電力を消費しなければならないのでコストが非常にかさむという問題ある。
この発明の目的は、省エネルギーで、且つ水滴を嫌う作業に影響を与えずに外気からは閉鎖された空間の雰囲気の温度を低下する降温用噴霧システムを提供することである。
この発明に係わる降温用噴霧システムは、ミストを噴霧することで、内部に大空間を有する建屋の一部に設けられた作業区画を降温する降温用噴霧システムであって、上記作業区画の相対湿度が所定の値以上のときには、上記ミストの噴霧を行わない噴霧判断手段を備え、上記作業区画に隣接する箇所の上部に配管を介して配設された噴霧ノズルから一流体方式で噴霧されるミストが蒸散することにより、冷気が降下し、且つ降下して上記建屋の床に達する冷気が上記作業区画に拡がり上記作業区画を降温し、外気の相対湿度が上記作業区画の相対湿度より所定の値だけ低いとき、上記外気を上記屋内に取り込む外気取り込み手段をさらに備える
この発明に係る降温用噴霧システムの効果は、作業区画に隣接する箇所の所定の上方からミストを噴霧し、噴霧したミストが蒸散することによる冷気が下降流として床に降下し、床に降下した冷気は隣接する作業区画内に拡がって行き、作業区画内を冷却するので、主に冷気が流れる空間はミストが噴霧された空間からその空間の真下の空間を経由し作業区画の所定の高さまでの空間だけであり、効率的に作業区画内を冷却することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明に係る実施の形態1による降温用噴霧システムが配置された建屋の概念図である。図2は、実施の形態1による噴霧ヘッドの平面図である。図3は、実施の形態1による噴霧ヘッドの断面図である。図4は、実施の形態1による噴霧ノズルの中心軸に沿った断面図である。図5は、噴霧ノズルからミストが噴霧される様子を表す図である。図6は、加圧水供給装置の構成図である。図7は、ミスト制御盤の機能ブロック図である。図8は、ミストの噴霧のタイミングチャートである。
なお、図2は、噴霧ヘッドを図3のBB断面から下方に見た一部断面図である。また、図3は、噴霧ヘッドを図2のAA断面から水平方向に見た断面図である。
この発明に係る実施の形態1による降温用噴霧システムが配置された建屋1は、天井2の高さが20m、側壁に囲まれた床3は30m×50mである。床3の中央部には10m×20mの作業区画4が設定されている。作業区画4では溶接作業が行われるので、作業区画4の上方での水滴の発生は厳禁されており、且つ塵が舞わないように溶接作業の近傍には図示しない排気ダクトが設置されている。排気ダクトが吸引する溶接作業により発生するガスは建屋外に排出される。
この発明に係る実施の形態1による降温用噴霧システムは、作業区画4に隣接する適切な箇所の天井2と床3との間に配置された噴霧ヘッド5、噴霧ヘッド5に供給される加圧水が配水される子配水管6、子配水管6を介して加圧水を供給する加圧水供給装置7、作業区画4内の作業者の近くの温度と湿度を測定して加圧水供給装置7に送信する温湿度計8を備える。加圧水供給装置7には水道9から水が供給される。
なお、以下の説明では1つの噴霧ヘッド5を例に挙げて説明するが、作業区画4の大きさに従って適宜個数を定め作業区画4に隣接する適切な箇所に配置すれば良い。
また、噴霧ヘッド5は、天井2から吊り下げられたことを説明するが、地上から縦立されている柱の先端に設けても良い。
噴霧ヘッド5は、図2に示すように、子配水管6を通して配水された加圧水を6個の噴霧ノズル10に均等に圧力が掛かるよう分配する噴霧ヘッダ11、噴霧ヘッダ11から噴霧ノズル10を所定の距離離すために設けられる6本の延長配管12、加圧水をミストにして噴霧する6個の噴霧ノズル10から構成されている。そして、噴霧ノズル10の設置高度は、天井2までの高さのほぼ中央位置、10mである。なお、噴霧ノズル10の設置高度は、ミストの平均粒径および最大粒径に依存して定められるが、噴霧ヘッド5から噴霧されたミストが床3に到達せず、完全に蒸散する高さ以上であれば良く、完全に蒸散して冷却しきったところの気流が作業区画4に流れてくることが好ましい。
ここで、6個の噴霧ノズル10を噴霧ヘッド5に設けることを記載したが、これに限定されず、噴霧ノズル10は1個からN個であれば良い。
噴霧ヘッダ11は、図2、図3に示すように、中心軸が鉛直方向に配された6角柱状の空洞15が内部に形成されている6角柱である。そして、6角柱の上側の端面の中心に子配水管6が連結される孔16が設けられ、外側と6角柱状の空洞15とが連通されている。また、6角柱の各側面の中心に延長配管12が連結される孔17が設けられ、外側と6角柱状の空洞15とが連通されている。加圧水は片方の端面の孔16から注水され、6個の側面の孔17から延長配管12に給水されていく。噴霧ヘッダ11は、ステンレスからできている。
延長配管12は、図3に示すように、円筒管であり、噴霧ヘッダ11の側面に垂直に一方の端部が取り付けられ、長手方向に下向きに彎曲し、他方の端部では、噴霧ヘッダ11の下側の端面を含む水平面から円筒管の中心軸が角度θ22.5度お辞儀するように傾いている。延長配管12は、ステンレスからできている。
その延長配管12の他方の端部には、直管18が取り付けられ、そこに噴霧ノズル10が嵌合されている。なお、1つの直管18から分岐して圧力変換器(株式会社共和電業製、型式PVD−100ka、測定レンジ0〜10MPa)14が取り付けられて、噴霧ノズル10の加圧水受け空洞21に掛かる水圧を計測し、それを噴霧水圧としている。通常は、この噴霧水圧と高圧ポンプの出力水圧との関係を予め求めておいて、高圧ポンプの出力水圧を管理することにより、噴霧水圧を管理する。なお、水圧の測定には、ブルドン管圧力計などを用いてもよい。また、直管18は、ステンレスからできている。
このように接続された噴霧ノズル10の中心軸は、噴霧ヘッダ11の下側の端面を含む水平面から角度θ22.5度下方に傾いている。
噴霧ノズル10は、図4に示すように、略円筒状のハウジング20を有している。そして、円筒状のハウジング20の中心軸に沿って、延長配管12から供給された加圧水を受ける上流側の径が下流側の径より大きい2段の円柱状の加圧水受け空洞21、感圧逆止弁22を収納し、加圧水受け空洞21の下流側の径より大きく、一端が中心軸方向に突き出されたリブ23により外縁部が仕切られた弁収納空洞24、駒25を収納し、リブ23の下流側に位置し、加圧水受け空洞21の上流側の径と等しい円柱状の空洞26およびその空洞26に連なる漏斗状の空洞27からなる噴流生成空洞28、漏斗状の空洞27の先端に連なるオリフィス29が連なって設けられている。
そして、弁収納空洞24には、加圧水受け空洞21の下流側の開口21aを開閉する感圧逆止弁22が挿入されている。
感圧逆止弁22は、加圧水受け空洞21の下流側の開口21aに当接したとき、加圧水の流れを遮断する遮断球30、一端が遮断球30に当接し遮断球30に所定のバネ圧が掛けられるように撓んで他端がリブ23に固定されるバネ31から構成されている。所定のバネ圧は、加圧水受け空洞21における水圧が1MPaに達したときに遮断球30と加圧水受け空洞21の開口21aとが離間するようにバネ31のバネ定数が設定されている。なお、所定のバネ圧を低く設定すると、離間したとき高圧に達するまでに時間がかかり径の大きな水滴が噴霧されることになる。また、所定のバネ圧が噴霧水圧に近いと、遮断球30が開口21aから充分に離間できないので、水量に制約を受けてしまう。このような理由から所定のバネ圧は、0.4〜1.5MPaが好ましい。
さらに、噴流生成空洞28では、加圧水を旋回噴流として噴出し、漏斗状の空洞27の内側面に衝突させるための駒25が円柱状の空洞26の内側面に接しながら噴霧ノズル10の中心軸方向に摺動しながら移動する。駒25には、側面に螺旋状の溝32が掘られ、その溝32と円柱状の空洞26の内側面とにより加圧水を旋回して噴出する旋回流路が形成される。
次に、噴霧ノズル10において加圧水が噴霧される手順について説明する。
加圧水受け空洞21に加圧水が注水され、水圧が所定の値に達すると、遮断球30を押して加圧水が弁収納空洞24内に流れ込む。
そして、リブ23の中央に形成された孔23aから加圧水が駒25の一方の端面を押して駒25が噴霧ノズル10の中心軸に沿って漏斗状の空洞27の方向に移動され、駒25の側面の溝32を通って加圧水が旋回されながら通過し、溝32の端部から噴流される。
この噴流が漏斗状の空洞27の内側面に衝突して、衝突噴流になりミストとしてオリフィス29から噴霧される。
次に、噴霧されたミストについて説明する。この発明におけるミストは、小さな径の水滴を意味する。そして、ミストの平均粒径は、噴霧ノズル10の中心軸上でオリフィス29の先端から50mm離れた箇所でレーザ回折法により測定した体面積平均粒径(ザウター平均径と称す。)を用いる。レーザ回折法において、レーザ回折粒径測定器(Malvern Instruments社製、マスターサイズーS型、使用レーザ:HeーNeレーザ)を用いて、5回同様に測定し、その平均値をミストの平均粒径として用いている。
実施の形態1で使用した噴霧ノズル10から噴霧水圧6MPaのときザウター平均粒径が20μmであった。なお、噴霧水圧が低いとミストの平均粒径が大きくなるとともに噴霧流量が少なくなり、冷却効果が小さくなってしまう。また、噴霧水圧が高いとミストの平均粒径が小さくなるとともに噴霧流量が多くなるが、高すぎると配管などに大きな衝撃波が加わり、安全上好ましくない。これらの理由から噴霧水圧は、2MPa〜10MPaの間が好ましい。なお、ミストの平均粒径として、レーザ回折粒径測定器を用いて測定しているが、他にドプラー位相粒径測定器などを用いて測定してもよい。このとき、測定器の種類により、平均粒径が異なるので、同一条件で噴霧したミストを測定して対比することが必要である。例えば、噴霧ノズル10から噴霧水圧6MPaのときに噴霧されたミストの90%体積粒径が60μm、10%体積粒径が3μmであった。
次に、ミストの噴霧の様子について説明する。ミストは、図5に示すように、オリフィス29の近傍では、噴霧ノズル10の中心軸上に中心線を有し、オリフィス29の出口を頂点とする円錐内に噴霧される。噴霧されたミストは蒸散し、ミストが蒸散することにより周囲の空気が冷却され、下降気流が発生するので、噴霧されたミストは、下降気流にともなって降下していく。そして、下降の途中でミストが蒸散しつくす。ミストが蒸散することにより潜熱が空気から奪われ、空気が冷やされる。
冷やされた空気は下降気流となって床3に到達し隣接する作業区画4に拡がっていく。拡がっていく冷気は作業区画4内の暖気と混ざりあって作業区画4内の温度が下がる。
図1においては、建屋1の右側壁面に沿って冷えた下降気流が発生し、床3において水平に流れ、作業区画4に気流による体感温度の低下に伴う環境改善となり、建屋1内全体に自然対流を起こすことにもなる。
この作業区画4内には温湿度計8が設置されているので所定の温度、湿度にある間はミストが噴霧される。
加圧水供給装置7は、図6に示すように、高圧ポンプ40、高圧ポンプ40の下流側に配設された元弁41、主配水管42内の水を排水する流路を開閉する排水弁43、噴霧ヘッド5への加圧水の供給を選択する選択弁44、高圧ポンプ40および各種弁を制御するミスト制御盤45から構成されている。選択弁44は、子配水管6が接続されている。ミスト制御盤45に、温湿度計8で計測された乾球温度および湿球温度が入力される。
そして、元弁41と選択弁44とは、主配水管42で連通され、主配水管42の途中から分岐する排水配管46により排水弁43が主配水管42に連通されている。主配水管42、排水配管46、子配水管6はそれぞれステンレスからできている。また、高圧ポンプ40と元弁41とは、ゴム製のブレードホース47により連通され、容積式の高圧ポンプ40により発生する脈動を平滑化している。
また、加圧水中に含まれる塵埃を取り除くために、高圧ポンプ40の出口に図示しない20μm角開口のフィルタが介在されている。
また、主配水管42、子配水管6、噴霧ヘッド5にスケールが沈積しないように、金属イオンの少ない加圧水を供給するために、高圧ポンプ40に図示しない軟水器から軟水化された水が供給されている。
ミスト制御盤45は、図7に示すように、温湿度計8により計測された乾球温度および湿球温度に基づいて噴霧の可否を判断する噴霧判断手段50、噴霧可の場合、噴霧量を算出して、高圧ポンプ40からの給水量を制御する給水量制御手段51、高圧ポンプ40および各種弁を制御する噴霧シーケンス制御手段52、湿り空気線図が記憶されている空気線図データベース53を有している。このミスト制御盤45は、CPU、RAM、ROM、インタフェース回路を有するコンピュータから構成されている。
次に、加圧水を高圧ポンプ40から供給するシーケンスについて図8を参照して説明する。
ミスト制御盤45の噴霧シーケンス制御手段52は、まず元弁41を開放する。同時に排水弁43を開放する。
次に、噴霧シーケンス制御手段52は、高圧ポンプ40をONして、加圧水をブレードホース47から主配水管42に送水する。そうすると、主配水管42内に残っている空気が排水弁43から水と一緒に押し出されて、主配水管42内が均一な水圧が掛かるようになる。
次に、噴霧シーケンス制御手段52は、排水弁43を閉じる。それにより、主配水管42内の水圧が所望の水圧、例えば、6MPaに達する。
次に、噴霧シーケンス制御手段52は、噴霧を行う噴霧ヘッド5に連なる選択弁44を開放して、加圧水が子配水管6を経由して噴霧ヘッド5に供給される。このときの加圧水受け空洞21に注水されて加わる水圧は4秒の間にほぼ0MPaから6MPaに達する。このように水圧が1MPa以上になると、噴霧ノズル10の感圧逆止弁22が開放されてミストの噴霧が開始される。
逆に、ミストの噴霧を終了するときには、噴霧シーケンス制御手段52は、排水弁43を開放して主配水管42内の水圧を減少させる。そうすると、加圧水受け空洞21の水圧が1MPa以下に低下するので、感圧逆止弁22が閉まり、ミストの噴霧が終了される。
そして、排水弁43が開放されてから約3秒経過後高圧ポンプ40をOFFし、選択弁44を閉じる。その後、元弁41と排水弁43とを閉じる。
このように、主配水管42内の水圧を所望の値に一旦安定したのち、子配水管6に給水することにより、噴霧ノズル10に給水される加圧水の水圧が数秒の間で0MPaから6MPaに変化することができる。そして、感圧逆止弁22が急激に開放され、水圧の低い状態で噴霧される時間を短くすることができるので、水圧が低い状態で噴霧されたときにみられる大きな粒径のミストが殆ど噴霧されることがない。
また、排水弁43を開放すると主配水管42内の水圧が急激に低下し、感圧逆止弁22が急激に閉められ、水圧の低い状態で噴霧される時間が短くすることができるので、水圧が低い状態で噴霧されたときにみられる大きな粒径のミストが殆ど噴霧されることがない。
次に、ミストの噴霧量の設定方法について図9、図10を参照しながら説明する。
なお、前提として噴霧されたミストは少なくとも1分間で蒸散される。延長配管12の先端から噴霧されたミストは、1m内に存在しているとして、噴霧量を定める。
噴霧判断手段50は、温湿度計8から入力される乾球温度DT(℃)および湿球温度WT(℃)から湿り空気線図に基づき相対湿度RH(%)を算出する。例えば、図9に示すように、乾球温度DTが30℃、湿球温度WTが20℃であった場合、湿り空気線図の横軸に表されている湿球温度WTの20℃から縦軸方向に延ばして相対湿度100%の線と交わる露点DPを求める。その露点DPから横軸方向に延ばして絶対湿度AH(kg/kg’)を求める。図9に示される例では、絶対湿度AHが0.015(kg/kg’)である。さらに、露点DPから横軸方向に延ばされた線と湿り空気線図の横軸に表されている乾球温度DTが30℃から縦軸方向に延ばされた線との交点Bを求める。そして、交点Bが交わる相対湿度RH(%)を求める。図9の場合、相対湿度RHは65%である。
次に、噴霧判断手段50は、相対湿度RHが75%以上の場合、ミストを噴霧しても相対湿度が高すぎることになるため感覚温度が下がったと感じられないので、ミストの噴霧を行わない。逆に、相対湿度RHが75%未満の場合、ミストを噴射することにより感覚温度が下がったと感じられるのでミストの噴霧を行う。
次に、給水量制御手段51は、温湿度計8の乾球温度DTが暑い閾値HHTTH(図9、図10において太い一点鎖線で示してある。)、または少し暑い閾値LHTTH(図9、図10において太い点線で示してある。)以上であるか否かを判断し、噴霧量を求める。すなわち、図9に示すように、乾球温度DTが予め定められた少し暑い閾値LHTTH以上の場合、湿り空気線図に基づき、交点Bが交わる等エンタルピの線と乾球温度DTより1℃低い温度から縦軸方向に延ばされた線との交点Cを求める。そして、交点Cから横軸方向に延ばして絶対湿度AH’(kg/kg’)を求める。そして、絶対湿度AH’から絶対湿度AHを減算して、ミストの噴霧量JW(kg)を求める。この噴霧量JWが1分間に1mの空間に噴霧することにより、1℃温度を低下することのできる量である。図9においては、絶対湿度AHが0.015(kg/kg’)、絶対湿度AH’が0.0155(kg/kg’)であるので、ミストの噴霧量JWは、0.0005(kg)となる。そして、1分間に1m当たり0.0005(kg)のミストを噴霧することにより1℃冷却することができる。
また、図10に示すように、乾球温度DTが予め定められた暑い閾値HHTTH以上の場合、湿り空気線図に基づき、交点Eが交わるエンタルピの線と乾球温度DTより2℃低い温度から縦軸方向に延ばされた線との交点Fを求める。そして、交点Fから横軸方向に延ばして絶対湿度BH’(kg/kg’)を求める。そして、絶対湿度BH’から絶対湿度BHを減算して、ミストの噴霧量JW(kg)を求める。図10において、絶対湿度BHが0.0198(kg/kg’)、絶対湿度BH’が0.0208(kg/kg’)であるので、ミストの噴霧量JWは、0.001(kg)となる。そして、1分間に1m当たり0.001(kg)のミストを噴霧することにより2℃冷却することができる。
このような降温用噴霧システムは、作業区画4に隣接する位置の所定の上方からミストを噴霧し、噴霧したミストが蒸散することによる冷気が下降流として床に降下し、床に降下した冷気は隣接する作業区画4内に拡がって行き、作業区画4内を冷却するので、主に冷気が流れる空間はミストが噴霧された空間からその空間の真下の空間を経由し作業区画4の所定の高さまでの空間だけであり、効率的に作業区画4内を冷却することができる。
そして、ミストの蒸散作用により直接空気を冷やすため、エアコンの約1/30の消費電力量で作業空間4を冷房することができる。
また、ミストを噴霧する空間は作業区画4に隣接しているが上方ではないので、もし噴霧に異常が発生しても液滴は作業区画4内に滴下することがなく、溶接作業に悪影響を与えることがない。
また、冷気は強制的ではなく自然に対流するので、塵などを撒き散らす心配もなく、溶接作業に悪影響を与えることがない。
なお、この実施の形態1では、ミストを噴霧ヘッド5から放出するように構成したが、必ずしもヘッダ11等を用いる必要はなく、例えば、建屋1の内壁面上側に1本の横引き配管を設置し、延長配管12のような所定数の分岐管を横引き配管から分岐し、各分岐管の先端に噴霧ノズル10と同様のノズルを設置してミストを放出しても良い。これにより、壁面からの突出量の少ない簡便な配管とすることができる。
実施の形態2.
図11は、この発明に係る実施の形態2による降温用噴霧システムが配置された建屋の概念図である。
この発明に係る実施の形態2による降温用噴霧システムは、実施の形態1による降温用噴霧システムに吸引手段としての送風機60を追加したことが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
送風機60は、作業区画4の中央に対してミストが噴霧する位置の点対称の位置に配置され、ミスト制御盤45により運転の開始・停止が制御される。
ミスト制御盤45は、ミストの噴霧を開始するとき送風機60の運転を開始し、ミストの噴霧を停止するとき送風機60の運転を停止する。
送風機60の運転が開始すると作業区画4の方の空気を吸い込み後方に送風する。すると、ミストが蒸散することによる冷気が作業区画4内に引き寄せられるので、ミストが蒸散することによる冷気がより集中的に作業区画4内に集まる。その結果、ミストの噴霧量を節約することができ、さらに省エネルギーで作業区画4内を冷却することができる。
なお、送風機60により作業区画4内の空気を吸い込み後方に排出しているが、押出手段としての送風機60をミストが蒸散することによる冷気が下降する床3に配置しても良い。この位置に送風機60を配置することにより降下してくる冷気を集中的に作業区画4内に送ることができる。
実施の形態3.
図12は、この発明に係る実施の形態3による降温用噴霧システムが配置された建屋の概念図である。
この発明に係る実施の形態3による降温用噴霧システムは、実施の形態1による降温用噴霧システムに外気取込手段としての換気扇61および温湿度計62を追加したことが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
換気扇61は、建屋1の天井2に配置され、ミスト制御盤45により稼動の開始・停止が制御される。
ミスト制御盤45は、温湿度計62により計測される外気の温湿度が入力され、外気の相対湿度が作業区画4内の相対湿度より所定の値だけ低いとき換気扇61を稼動して外気を建屋1内に取り込む。
相対湿度が所定の値以上のときにはミストの噴霧を停止するのであるが、換気扇61が建屋1内の雰囲気より相対湿度の低い外気を建屋1内に取り込むことにより、建屋1内の相対湿度が下がり、ミストの噴霧を継続することができ、より作業区画4を冷却することができる。
この発明に係る実施の形態1による降温用噴霧システムが配置された建屋の概念図である。 この発明の噴霧ヘッドの一部横断面図である。 この噴霧ヘッドの断面図である。 噴霧ノズルの中心軸に沿った断面図である。 噴霧ノズルからミストが噴霧される様子を表す図である。 加圧水供給装置の構成図である。 ミスト制御盤の機能ブロック図である。 ミストの噴霧のタイミングチャートである。 噴霧量を決めるための値が記入された湿り空気線図である。 他の条件の下、噴霧量を決めるための値が記入された湿り空気線図である。 この発明に係る実施の形態2による降温用噴霧システムが配置された建屋の概念図である。 この発明に係る実施の形態3による降温用噴霧システムが配置された建屋の概念図である。
符号の説明
1 建屋、2 (建屋の)天井、3 (建屋の)床、4 作業区画、5 噴霧ヘッド、6 子配水管、7 加圧水供給装置、8 温湿度計、9 水道、10 噴霧ノズル、11 噴霧ヘッダ、12 延長配管、14 圧力変換器、15 空洞、16、17 孔、18 直管、19 ベンド管、20 ハウジング、21 空洞、21a 開口、22 感圧逆止弁、23 リブ、23a 孔、24 弁収納空洞、25 駒、26、27 空洞、28 噴流生成空洞、29 オリフィス、30 遮断球、31 バネ、32 溝、34 噴霧領域、35 噴角、36 噴霧外縁、40 高圧ポンプ、41 元弁、42 主配水管、43 排水弁、44 選択弁、45 ミスト制御盤、46 排水配管、47 ブレードホース、50 噴霧判断手段、51 給水量制御手段、52 噴霧シーケンス制御手段、53 空気線図データベース、60 送風機、61 換気扇、62 温湿度計。

Claims (3)

  1. ミストを噴霧することで、内部に大空間を有する建屋の一部に設けられた作業区画を降温する降温用噴霧システムであって、
    上記作業区画の相対湿度が所定の値以上のときには、上記ミストの噴霧を行わない噴霧判断手段を備え、
    上記作業区画に隣接する箇所の上部に配管を介して配設された噴霧ノズルから一流体方式で噴霧されるミストが蒸散することにより、冷気が降下し、且つ降下して上記建屋の床に達する冷気が上記作業区画に拡がり上記作業区画を降温し、
    外気の相対湿度が上記作業区画の相対湿度より所定の値だけ低いとき、上記外気を上記屋内に取り込む外気取り込み手段をさらに備える
    ことを特徴とする降温用噴霧システム。
  2. 上記降下して建屋の床に達する冷気を上記作業区画に集中して流れるように吸引する吸引手段または押し出す押出手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の降温用噴霧システム。
  3. 上記作業区画は、上方での水滴の発生が厳禁されており、
    上記噴霧ノズルは、該噴霧ノズルから一流体方式で噴霧されるミストが、上記建屋の上記作業区画に隣接する箇所の床に達する前に完全に蒸散する高さ以上となるように、上記作業区画に隣接する箇所の上部に配管を介して配設され、
    上記ミストが完全に蒸散することにより、冷気が降下し、且つ降下して上記建屋の上記作業区画に隣接する箇所の床に達する冷気が上記作業区画に拡がり上記作業区画を降温する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の降温用噴霧システム。
JP2007149563A 2007-06-05 2007-06-05 降温用噴霧システム Active JP4944674B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007149563A JP4944674B2 (ja) 2007-06-05 2007-06-05 降温用噴霧システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007149563A JP4944674B2 (ja) 2007-06-05 2007-06-05 降温用噴霧システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008304086A JP2008304086A (ja) 2008-12-18
JP4944674B2 true JP4944674B2 (ja) 2012-06-06

Family

ID=40232964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007149563A Active JP4944674B2 (ja) 2007-06-05 2007-06-05 降温用噴霧システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4944674B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015173090A (ja) * 2014-02-21 2015-10-01 光栄ライティング株式会社 Led照明取付構造
JP7466118B2 (ja) 2021-10-15 2024-04-12 パナソニックIpマネジメント株式会社 噴霧システム及び制御方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60232445A (ja) * 1984-05-04 1985-11-19 Agency Of Ind Science & Technol 居住用地下室の空調装置
JP3465389B2 (ja) * 1994-11-30 2003-11-10 日立プラント建設株式会社 高温発熱作業場の冷却方法及び冷却装置
JP4488510B2 (ja) * 2004-12-21 2010-06-23 能美防災株式会社 降温用噴霧システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008304086A (ja) 2008-12-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009243754A (ja) 室外機用補助冷却装置
AU2017290823B2 (en) A high pressure water mist nozzle device and methods for providing indirect and direct impingement of a fire
JP4400891B2 (ja) 三次元地域冷却システム
JP4488510B2 (ja) 降温用噴霧システム
JP4944674B2 (ja) 降温用噴霧システム
JP4585304B2 (ja) 降温用噴霧システム
JP2009233626A (ja) 地下空間における粉塵及び悪臭低減装置
JP4948097B2 (ja) 降温用噴霧システム
JP6006180B2 (ja) 大規模空間の空調システム
JP6492009B2 (ja) リフレッシングデバイス
JP5279774B2 (ja) 降温用噴霧システム
WO2007105492A1 (ja) ミスト発生器
JP5410622B1 (ja) トンネル内降温用噴霧制御システムおよびトンネル内降温用噴霧制御方法
JP4639330B2 (ja) 降温用噴霧システム
JP5368905B2 (ja) スポット空調システム
JP4684644B2 (ja) 降温用噴霧システム
JP5064167B2 (ja) 降温用噴霧システム
JP5420776B1 (ja) トンネル内降温用噴霧システム
JP4832909B2 (ja) 降温用噴霧システム
JP6094646B2 (ja) 冷凍装置の熱源ユニット
JP5587234B2 (ja) 可搬式排煙装置及びこれを用いた排煙方法
JP4808957B2 (ja) 降温用噴霧システム
JP6749006B2 (ja) 吸気冷却方法
KR102581973B1 (ko) 개방형 대기실용 냉각 장치
JP2009168387A (ja) 降温用噴霧システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090527

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110607

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110804

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120207

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120302

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4944674

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150309

Year of fee payment: 3