JP4944674B2 - 降温用噴霧システム - Google Patents
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Description
そこで、作業環境の改善のために扇風機を設置して温度を低下することが行われている。
また、冷却の空間に複数のノズルを設置し、ノズルがないエリアに吸引口を配置し、空間の雰囲気の一部を吸引ファンによって吸引し、減湿装置で減湿した後、冷却器で冷却して給気口からその空間に戻す(例えば、特許文献1参照)。
また、大空間の作業場全体を空調機で冷却しようとすると、大量の電力を消費しなければならないのでコストが非常にかさむという問題ある。
図1は、この発明に係る実施の形態1による降温用噴霧システムが配置された建屋の概念図である。図2は、実施の形態1による噴霧ヘッドの平面図である。図3は、実施の形態1による噴霧ヘッドの断面図である。図4は、実施の形態1による噴霧ノズルの中心軸に沿った断面図である。図5は、噴霧ノズルからミストが噴霧される様子を表す図である。図6は、加圧水供給装置の構成図である。図7は、ミスト制御盤の機能ブロック図である。図8は、ミストの噴霧のタイミングチャートである。
なお、図2は、噴霧ヘッドを図3のBB断面から下方に見た一部断面図である。また、図3は、噴霧ヘッドを図2のAA断面から水平方向に見た断面図である。
なお、以下の説明では1つの噴霧ヘッド5を例に挙げて説明するが、作業区画4の大きさに従って適宜個数を定め作業区画4に隣接する適切な箇所に配置すれば良い。
また、噴霧ヘッド5は、天井2から吊り下げられたことを説明するが、地上から縦立されている柱の先端に設けても良い。
ここで、6個の噴霧ノズル10を噴霧ヘッド5に設けることを記載したが、これに限定されず、噴霧ノズル10は1個からN個であれば良い。
その延長配管12の他方の端部には、直管18が取り付けられ、そこに噴霧ノズル10が嵌合されている。なお、1つの直管18から分岐して圧力変換器(株式会社共和電業製、型式PVD−100ka、測定レンジ0〜10MPa)14が取り付けられて、噴霧ノズル10の加圧水受け空洞21に掛かる水圧を計測し、それを噴霧水圧としている。通常は、この噴霧水圧と高圧ポンプの出力水圧との関係を予め求めておいて、高圧ポンプの出力水圧を管理することにより、噴霧水圧を管理する。なお、水圧の測定には、ブルドン管圧力計などを用いてもよい。また、直管18は、ステンレスからできている。
このように接続された噴霧ノズル10の中心軸は、噴霧ヘッダ11の下側の端面を含む水平面から角度θ22.5度下方に傾いている。
感圧逆止弁22は、加圧水受け空洞21の下流側の開口21aに当接したとき、加圧水の流れを遮断する遮断球30、一端が遮断球30に当接し遮断球30に所定のバネ圧が掛けられるように撓んで他端がリブ23に固定されるバネ31から構成されている。所定のバネ圧は、加圧水受け空洞21における水圧が1MPaに達したときに遮断球30と加圧水受け空洞21の開口21aとが離間するようにバネ31のバネ定数が設定されている。なお、所定のバネ圧を低く設定すると、離間したとき高圧に達するまでに時間がかかり径の大きな水滴が噴霧されることになる。また、所定のバネ圧が噴霧水圧に近いと、遮断球30が開口21aから充分に離間できないので、水量に制約を受けてしまう。このような理由から所定のバネ圧は、0.4〜1.5MPaが好ましい。
加圧水受け空洞21に加圧水が注水され、水圧が所定の値に達すると、遮断球30を押して加圧水が弁収納空洞24内に流れ込む。
そして、リブ23の中央に形成された孔23aから加圧水が駒25の一方の端面を押して駒25が噴霧ノズル10の中心軸に沿って漏斗状の空洞27の方向に移動され、駒25の側面の溝32を通って加圧水が旋回されながら通過し、溝32の端部から噴流される。
この噴流が漏斗状の空洞27の内側面に衝突して、衝突噴流になりミストとしてオリフィス29から噴霧される。
実施の形態1で使用した噴霧ノズル10から噴霧水圧6MPaのときザウター平均粒径が20μmであった。なお、噴霧水圧が低いとミストの平均粒径が大きくなるとともに噴霧流量が少なくなり、冷却効果が小さくなってしまう。また、噴霧水圧が高いとミストの平均粒径が小さくなるとともに噴霧流量が多くなるが、高すぎると配管などに大きな衝撃波が加わり、安全上好ましくない。これらの理由から噴霧水圧は、2MPa〜10MPaの間が好ましい。なお、ミストの平均粒径として、レーザ回折粒径測定器を用いて測定しているが、他にドプラー位相粒径測定器などを用いて測定してもよい。このとき、測定器の種類により、平均粒径が異なるので、同一条件で噴霧したミストを測定して対比することが必要である。例えば、噴霧ノズル10から噴霧水圧6MPaのときに噴霧されたミストの90%体積粒径が60μm、10%体積粒径が3μmであった。
図1においては、建屋1の右側壁面に沿って冷えた下降気流が発生し、床3において水平に流れ、作業区画4に気流による体感温度の低下に伴う環境改善となり、建屋1内全体に自然対流を起こすことにもなる。
この作業区画4内には温湿度計8が設置されているので所定の温度、湿度にある間はミストが噴霧される。
また、加圧水中に含まれる塵埃を取り除くために、高圧ポンプ40の出口に図示しない20μm角開口のフィルタが介在されている。
また、主配水管42、子配水管6、噴霧ヘッド5にスケールが沈積しないように、金属イオンの少ない加圧水を供給するために、高圧ポンプ40に図示しない軟水器から軟水化された水が供給されている。
ミスト制御盤45の噴霧シーケンス制御手段52は、まず元弁41を開放する。同時に排水弁43を開放する。
次に、噴霧シーケンス制御手段52は、高圧ポンプ40をONして、加圧水をブレードホース47から主配水管42に送水する。そうすると、主配水管42内に残っている空気が排水弁43から水と一緒に押し出されて、主配水管42内が均一な水圧が掛かるようになる。
次に、噴霧シーケンス制御手段52は、排水弁43を閉じる。それにより、主配水管42内の水圧が所望の水圧、例えば、6MPaに達する。
次に、噴霧シーケンス制御手段52は、噴霧を行う噴霧ヘッド5に連なる選択弁44を開放して、加圧水が子配水管6を経由して噴霧ヘッド5に供給される。このときの加圧水受け空洞21に注水されて加わる水圧は4秒の間にほぼ0MPaから6MPaに達する。このように水圧が1MPa以上になると、噴霧ノズル10の感圧逆止弁22が開放されてミストの噴霧が開始される。
そして、排水弁43が開放されてから約3秒経過後高圧ポンプ40をOFFし、選択弁44を閉じる。その後、元弁41と排水弁43とを閉じる。
また、排水弁43を開放すると主配水管42内の水圧が急激に低下し、感圧逆止弁22が急激に閉められ、水圧の低い状態で噴霧される時間が短くすることができるので、水圧が低い状態で噴霧されたときにみられる大きな粒径のミストが殆ど噴霧されることがない。
なお、前提として噴霧されたミストは少なくとも1分間で蒸散される。延長配管12の先端から噴霧されたミストは、1m3内に存在しているとして、噴霧量を定める。
噴霧判断手段50は、温湿度計8から入力される乾球温度DT(℃)および湿球温度WT(℃)から湿り空気線図に基づき相対湿度RH(%)を算出する。例えば、図9に示すように、乾球温度DTが30℃、湿球温度WTが20℃であった場合、湿り空気線図の横軸に表されている湿球温度WTの20℃から縦軸方向に延ばして相対湿度100%の線と交わる露点DPを求める。その露点DPから横軸方向に延ばして絶対湿度AH(kg/kg’)を求める。図9に示される例では、絶対湿度AHが0.015(kg/kg’)である。さらに、露点DPから横軸方向に延ばされた線と湿り空気線図の横軸に表されている乾球温度DTが30℃から縦軸方向に延ばされた線との交点Bを求める。そして、交点Bが交わる相対湿度RH(%)を求める。図9の場合、相対湿度RHは65%である。
そして、ミストの蒸散作用により直接空気を冷やすため、エアコンの約1/30の消費電力量で作業空間4を冷房することができる。
また、冷気は強制的ではなく自然に対流するので、塵などを撒き散らす心配もなく、溶接作業に悪影響を与えることがない。
なお、この実施の形態1では、ミストを噴霧ヘッド5から放出するように構成したが、必ずしもヘッダ11等を用いる必要はなく、例えば、建屋1の内壁面上側に1本の横引き配管を設置し、延長配管12のような所定数の分岐管を横引き配管から分岐し、各分岐管の先端に噴霧ノズル10と同様のノズルを設置してミストを放出しても良い。これにより、壁面からの突出量の少ない簡便な配管とすることができる。
図11は、この発明に係る実施の形態2による降温用噴霧システムが配置された建屋の概念図である。
この発明に係る実施の形態2による降温用噴霧システムは、実施の形態1による降温用噴霧システムに吸引手段としての送風機60を追加したことが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
送風機60は、作業区画4の中央に対してミストが噴霧する位置の点対称の位置に配置され、ミスト制御盤45により運転の開始・停止が制御される。
ミスト制御盤45は、ミストの噴霧を開始するとき送風機60の運転を開始し、ミストの噴霧を停止するとき送風機60の運転を停止する。
送風機60の運転が開始すると作業区画4の方の空気を吸い込み後方に送風する。すると、ミストが蒸散することによる冷気が作業区画4内に引き寄せられるので、ミストが蒸散することによる冷気がより集中的に作業区画4内に集まる。その結果、ミストの噴霧量を節約することができ、さらに省エネルギーで作業区画4内を冷却することができる。
なお、送風機60により作業区画4内の空気を吸い込み後方に排出しているが、押出手段としての送風機60をミストが蒸散することによる冷気が下降する床3に配置しても良い。この位置に送風機60を配置することにより降下してくる冷気を集中的に作業区画4内に送ることができる。
図12は、この発明に係る実施の形態3による降温用噴霧システムが配置された建屋の概念図である。
この発明に係る実施の形態3による降温用噴霧システムは、実施の形態1による降温用噴霧システムに外気取込手段としての換気扇61および温湿度計62を追加したことが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
換気扇61は、建屋1の天井2に配置され、ミスト制御盤45により稼動の開始・停止が制御される。
ミスト制御盤45は、温湿度計62により計測される外気の温湿度が入力され、外気の相対湿度が作業区画4内の相対湿度より所定の値だけ低いとき換気扇61を稼動して外気を建屋1内に取り込む。
相対湿度が所定の値以上のときにはミストの噴霧を停止するのであるが、換気扇61が建屋1内の雰囲気より相対湿度の低い外気を建屋1内に取り込むことにより、建屋1内の相対湿度が下がり、ミストの噴霧を継続することができ、より作業区画4を冷却することができる。
Claims (3)
- ミストを噴霧することで、内部に大空間を有する建屋の一部に設けられた作業区画を降温する降温用噴霧システムであって、
上記作業区画の相対湿度が所定の値以上のときには、上記ミストの噴霧を行わない噴霧判断手段を備え、
上記作業区画に隣接する箇所の上部に配管を介して配設された噴霧ノズルから一流体方式で噴霧されるミストが蒸散することにより、冷気が降下し、且つ降下して上記建屋の床に達する冷気が上記作業区画に拡がり上記作業区画を降温し、
外気の相対湿度が上記作業区画の相対湿度より所定の値だけ低いとき、上記外気を上記屋内に取り込む外気取り込み手段をさらに備える
ことを特徴とする降温用噴霧システム。 - 上記降下して建屋の床に達する冷気を上記作業区画に集中して流れるように吸引する吸引手段または押し出す押出手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の降温用噴霧システム。
- 上記作業区画は、上方での水滴の発生が厳禁されており、
上記噴霧ノズルは、該噴霧ノズルから一流体方式で噴霧されるミストが、上記建屋の上記作業区画に隣接する箇所の床に達する前に完全に蒸散する高さ以上となるように、上記作業区画に隣接する箇所の上部に配管を介して配設され、
上記ミストが完全に蒸散することにより、冷気が降下し、且つ降下して上記建屋の上記作業区画に隣接する箇所の床に達する冷気が上記作業区画に拡がり上記作業区画を降温する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の降温用噴霧システム。
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