JP5410622B1 - トンネル内降温用噴霧制御システムおよびトンネル内降温用噴霧制御方法 - Google Patents

トンネル内降温用噴霧制御システムおよびトンネル内降温用噴霧制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5410622B1
JP5410622B1 JP2013007817A JP2013007817A JP5410622B1 JP 5410622 B1 JP5410622 B1 JP 5410622B1 JP 2013007817 A JP2013007817 A JP 2013007817A JP 2013007817 A JP2013007817 A JP 2013007817A JP 5410622 B1 JP5410622 B1 JP 5410622B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tunnel
spray
temperature
wind speed
mist
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013007817A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014136955A (ja
Inventor
正孝 三具
泰祐 坂口
繁樹 久保田
勝正 稲村
孝史 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nohmi Bosai Ltd
Original Assignee
Nohmi Bosai Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nohmi Bosai Ltd filed Critical Nohmi Bosai Ltd
Priority to JP2013007817A priority Critical patent/JP5410622B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5410622B1 publication Critical patent/JP5410622B1/ja
Publication of JP2014136955A publication Critical patent/JP2014136955A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/54Free-cooling systems

Landscapes

  • Devices For Blowing Cold Air, Devices For Blowing Warm Air, And Means For Preventing Water Condensation In Air Conditioning Units (AREA)
  • Other Air-Conditioning Systems (AREA)

Abstract

【課題】トンネル内の温度上昇抑制と、トンネル内利用者の視環境確保の両立を図るミスト噴霧を実現する。
【解決手段】半閉鎖空間であるトンネル内で噴霧ノズル(10)から水をミストとして噴霧し、視環境を確保した上でトンネル内の温度上昇を抑制するトンネル内降温用噴霧制御システムであって、トンネル内の風速を計測する風速計(20)と、風速と噴霧ノズル(10)から噴霧される単位体積あたりの噴霧量との対応関係があらかじめ規定されたテーブルを記憶する記憶部と、記憶部に記憶されたテーブルに基づいて、風速計により計測された風速の大きさに応じて噴霧量を調整する噴霧量制御部(40)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、トンネル内の温度上昇抑制、およびトンネル内利用者の視環境確保の両立を図るために、トンネル内に設置された計測器による計測値を基に、トンネル内に噴霧する水量を最適値に調整するトンネル内降温用噴霧制御システムおよびトンネル内降温用噴霧制御方法に関するものである。
従来技術として、建屋空間の温度低下を目的とした降温用噴霧システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1によれば、効率的に作業区画内を冷却することができる。
特許4944674号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
特許文献1は、建屋空間における温度低下を対象としており、対象空間内の湿度に応じてミスト噴霧し、また、所定の湿度では、建物外部との換気を行う手段を備えていることを規定したものである。
これに対して、断続的に車両が動いており、半閉鎖空間であるトンネル内を温度低下の対象空間とする場合には、無風の建物空間を前提とする従来技術では、解決できない問題が生ずる。
具体的には、半閉鎖空間であるトンネル内では、長手方向に風が流れている状態である。また、トンネル利用者の視環境を確保することが重要となる。このような観点では、トンネル内の温度上昇抑制と、トンネル内利用者の視環境確保の両立を図るために、半閉鎖空間の中でのミスト噴霧に関し、無風の建物空間を対象とする場合よりも、より厳しい使用条件が必要となる。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、トンネル内の温度上昇抑制と、トンネル内利用者の視環境確保の両立を図るミスト噴霧を実現することのできるトンネル内降温用噴霧制御システムを得ることを目的とする。
本発明に係るトンネル内降温用噴霧制御システムは、半閉鎖空間であるトンネル内で、トンネル内の所定のミスト噴霧区間内に設置された噴霧ノズルから水をミストとして噴霧し、トンネル内を利用するドライバーの視環境を確保した上でトンネル内の温度上昇を抑制するトンネル内降温用噴霧制御システムであって、トンネル内の空気の移動速度に相当する風速を計測する風速計と、風速と噴霧ノズルから噴霧される単位体積あたりの噴霧量との対応関係があらかじめ規定されたテーブルを記憶する記憶部と、記憶部に記憶されたテーブルに基づいて、風速計により計測された風速の大きさに応じて噴霧量を調整する噴霧量制御部とを備えるものである。
また、本発明に係るトンネル内降温用噴霧制御方法は、半閉鎖空間であるトンネル内で、トンネル内の所定のミスト噴霧区間内に設置された噴霧ノズルから水をミストとして噴霧し、トンネル内を利用するドライバーの視環境を確保した上でトンネル内の温度上昇を抑制するトンネル内降温用噴霧制御方法であって、トンネル内の空気の移動速度に相当する風速と噴霧ノズルから噴霧される単位体積あたりの噴霧量との対応関係があらかじめ規定されたテーブルを記憶部に記憶させておく記憶ステップと、記憶ステップにより記憶部に記憶されたテーブルに基づいて、トンネル内に設置された風速計により計測されたトンネル内の空気の移動速度に相当する風速の大きさに応じて噴霧量を調整する噴霧量制御ステップとを備えるものである。
本発明によれば、トンネル内の風速に応じた噴霧量制御として、風速が大きいときには、噴霧量を増加させ、風速が小さいときには、噴霧量を減少させることにより、トンネル内の温度上昇抑制と、トンネル内利用者の視環境確保の両立を図るミスト噴霧を実現することのできるトンネル内降温用噴霧制御システムおよびトンネル内降温用噴霧制御方法を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係わるトンネル内降温用噴霧システムの全体図である。 本発明の実施の形態1におけるミスト噴霧に関連するパラメータを変更したときの測定結果をまとめたものである。 本発明の実施の形態1におけるミスト噴霧に関連するパラメータを変更したときの別の測定結果をまとめたものである。 本発明の実施の形態1において、ミスト粒径および噴霧量を変化させたときの冷却状態および視環境状態の検証結果をまとめたものである。 本発明の実施の形態1において、噴霧ノズルの設置高さを変化させたときの冷却状態および視環境状態の検証結果をまとめたものである。 本発明の実施の形態1におけるトンネル内の横流換気方式の概要図である。 本発明の実施の形態1におけるトンネル内降温用噴霧システムの制御構成図である。
以下、本発明のトンネル内降温用噴霧制御システムの好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
本発明は、温湿度状態に加え、トンネル内の風速に応じて、トンネル内に噴霧する流量を最適値に調整することを技術的特徴としている。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係わるトンネル内降温用噴霧システムの全体図である。より具体的には、1つの半閉鎖空間を構成するトンネル内における各機器の配置を模式的に示した説明図である。
図1では、通行方向が1方向のトンネルにおいて、所定のミスト噴霧区間内に、複数の噴霧ノズル10が設けられている。また、トンネルの入口側には、風向風速計20が設けられており、ミスト噴霧区間の前後には、温湿度計30(1)、30(2)が設けられている。なお、温湿度計の配置は、この図1の例に限定されず、温湿度計30(1)、30(2)の間に、さらに1以上の温湿度計を配置することも可能である。
そして、噴霧量制御部40は、温湿度計30(1)、30(2)の測定結果に基づいて、複数の噴霧ノズル10によるトンネル内への噴霧量を制御可能となっている。なお、噴霧量制御部40は、さらに、風向風速計20の測定結果も考慮して、複数の噴霧ノズル10によるトンネル内への噴霧量を制御することも可能である。
このような構成を備えることで、本実施の形態1におけるトンネル内降温用噴霧システムは、トンネル内の所定のミスト噴霧区間に設置された複数の噴霧ノズル10から適切な量のミストを噴霧することで、トンネル内利用者の視環境確保を図った上で、トンネル内の温度上昇抑制を実現している。そこで、次に、トンネル内利用者の視環境確保を図った上で、トンネル内の温度上昇抑制を実現するための、噴霧関連の適切なパラメータについて検討した結果をまとめて示す。
<1.噴霧量の検討>
本願発明の狙いは、夏季の高温時に、視環境確保を図った上で、閉鎖性の高い空間(半閉鎖空間であるトンネル内)の気温低下を実現することである。そして、気温低下を実現する具体的な手段として、複数の噴霧ノズル10から空間内に微小水滴を噴霧して、水滴の蒸散時の気化熱を利用することにより、直接、空間を冷却している。
ここで、空間内にてどれほどの水量を気化させるかは、空間内の絶対湿度と乾球温度に支配される。一般的に、大気中の絶対湿度は、気象の変化がなければ、大きな変動はないと認識されている。
半閉鎖空間内に噴霧する最大の噴霧量は、以下のように決定した。
東京の過去5年の気象統計から、気温30℃以上で絶対湿度の最も小さい事象を検索した。東京では、2009年8月16日16時30分に、最低絶対湿度が記録されている。このときの東京の最低絶対湿度は、気温32℃、湿度29%で、絶対湿度0.00863kg/kg(DA)であった。
ここで、トンネル内の気温は、交通量や換気状態により変化するが、外気温よりも大きく上昇することがある。また、絶対湿度も、排気ガス中の水分により若干上昇するが、噴霧量の算定では、無視して差し支えない。
加湿量(噴霧量に相当)を決める例として、ミスト噴霧設備に設計上の余裕を持たせ、絶対湿度を、東京での最低絶対湿度0.00863kg/kg(DA)よりも、さらに低下した場合を考慮して、最低絶対湿度を0.00789kg/kg(DA)として、適切な噴霧量の算定を行った。また、気温は、夏季のトンネル内の最大温度である45℃とした。さらに、視環境確保の目安として、水噴霧した際の湿度の上限を80%とした。
図2は、本発明の実施の形態1におけるミスト噴霧に関連するパラメータを変更したときの測定結果をまとめたものであり、上述した東京の最低絶対湿度を基準に、適切な噴霧量の算定を行った結果を示している。図2に示したデータは、状態(1)と状態(2)が、ペアとなっている。
具体的には、状態(1)から状態(2)への変化は、以下の内容を示している。
・状態(1)は、トンネル内が、絶対湿度0.00789kg/kg(DA)、乾球温度45.0度のときに、相対湿度が13.2%である状態を示している。
・状態(2)は、相対湿度が、状態(1)の13.2%から、視環境確保の目安である80%近傍の状態になる際の、加湿量を算出するとともに、その加湿量を加えたときの温度低下状態を示している。
すなわち、状態(1)に対して、相対湿度を80%近傍に抑えるための加湿量は、0.01006kg/mとして算出され、この加湿量を加えることで、乾球温度が45.0℃から25.0℃まで低下することがわかる。
この結果から、東京の最低絶対湿度を基準にして、噴霧量の最大値を10g/mとすることで、湿度の上昇を80%程度で抑えた上で、乾球温度を30度程度に低下させることができることがわかる。
以上の説明では、東京の最低絶対湿度を基準にして、適切な噴霧量を算出した。一方、ミスト噴霧は、トンネル内の気温低下のために行われる。そこで、次に、国内で最高気温記録のある熊谷、また過去の気象データの揃っている岐阜、それに東京の三都市の過去の最高気温時を基準に、最適な噴霧量の検討を行った。
これら三都市の過去の最高気温は、以下のようになっていた。
熊谷:2007年8月16日に、最高気温40.9℃(14時42分)、最低湿度28%(14時44分)
岐阜:2007年8月16日に、最高気温39.8℃(14時11分)、最低湿度33%(14時15分)
東京:2004年7月20日に、最高気温39.5℃(12時58分)、最低湿度26%(13時39分)
これらのデータから、最高気温と最低湿度の出現時刻には、大きな差はないことがわかる。これより、最高気温と最低湿度の事象が同時刻に出現したとして絶対湿度を算出すると、各都市での結果は、以下のようになる。
熊谷:絶対湿度0.01367kg/kg(DA)
岐阜:絶対湿度0.01523kg/kg(DA)
東京:絶対湿度0.01175kg/kg(DA)
従って、このデータの中では、東京の絶対湿度が最も低い。
図3は、本発明の実施の形態1におけるミスト噴霧に関連するパラメータを変更したときの別の測定結果をまとめたものであり、上述した東京の最高気温を基準に、適切な噴霧量の算定を行った結果を示している。図3に示したデータのうち、状態(1)と状態(2)、状態(3)と状態(4)、状態(5)と状態(6)が、それぞれペアとなっている。
具体的には、状態(1)から状態(2)への変化は、以下の内容を示している。
・状態(1)は、トンネル内が、東京での過去の最高気温の状態に相当する、絶対湿度0.01175kg/kg(DA)、乾球温度39.5度のときに、相対湿度が26.0%である状態を示している。
・状態(2)は、相対湿度が、状態(1)の26.0%から、視環境確保の目安である80%近傍の状態になる際の、加湿量を算出するとともに、その加湿量を加えたときの温度低下状態を示している。
すなわち、状態(1)に対して、相対湿度を80%近傍に抑えるための加湿量は、0.00695kg/mとして算出され、この加湿量を加えることで、乾球温度が39.5℃から26.2℃まで低下することがわかる。
また、状態(3)から状態(4)への変化は、以下の内容を示している。
・状態(3)は、絶対湿度0.01175kg/kg(DA)における最高気温(乾球温度)が39.5℃よりもさらに気温上昇した45.0℃を想定している。この際の相対湿度は、19.5%である。
・状態(4)は、相対湿度が、状態(3)の19.5%から、視環境確保の目安である80%近傍の状態になる際の、加湿量を算出するとともに、その加湿量を加えたときの温度低下状態を示している。
すなわち、状態(3)に対して、相対湿度を80%近傍に抑えるための加湿量は、0.00887kg/mとして算出され、この加湿量を加えることで、乾球温度が45.0℃から27.7℃まで低下することがわかる。
また、状態(5)から状態(6)への変化は、以下の内容を示している。
・状態(5)は、状態(1)における乾球温度39.5℃が、さらに気温上昇して、トンネル内の最大温度より高い50.0℃になった状態を示している。この温度上昇により、相対湿度も26.0%から15.2%まで低下している。
・状態(6)は、加湿量0.0097kg/mを加えたときの温度低下状態を示している。
すなわち、状態(5)に対して、加湿量0.0097kg/mを加えることで、乾球温度が50.0℃から31.0℃まで低下し、相対湿度も、上限の80%よりも低い69.3%に抑えられていることがわかる。
これらの結果から、東京の最高気温を基準にした場合にも、図2により算出した噴霧量の最大値10g/mよりも低い噴霧量で、湿度の上昇を80%程度に抑えた上で、乾球温度を30度程度に低下させることができることがわかる。
従って、図2、図3の結果から、単位体積あたりの噴霧量の上限値を、10g/mに設定できることがわかる。
<2.ミスト粒径と噴霧量の検討>
次に、ミスト噴霧区間200mにおいて、噴霧ノズルの設置高さを6mとした際に、ミスト粒径、および噴霧量を変化させた場合における検証結果について説明する。図4は、本発明の実施の形態1において、ミスト粒径および噴霧量を変化させたときの冷却状態および視環境状態の検証結果をまとめたものである。
具体的には、3通りのミストのザウター平均粒径と、3通りの単位体積当たりの噴霧量との組み合わせである9種の実施例について、実施例2において得られた良好な冷却状態、および良好な視環境状態を指標「100」として、他の実施例の指標値を求めた結果が、図4にまとめて示されている。
なお、本発明におけるミストは、小さな径の水滴を意味する。そして、ミストの平均粒径は、噴霧ノズル10の中心軸上でオリフィスの先端から50mm離れた箇所でレーザ回折法により測定した体面積平均粒径を意味しており、この平均粒径のことを、本発明では、「ザウター平均粒径」と称している。
また、冷却状態、および視環境状態は、以下のようにして評価した。
・冷却状態の評価:ミスト噴霧区間の前後に設置された温湿度計(図1における温湿度計30(1)、30(2)に相当)による温度測定値により、冷却温度効果を評価
・視環境状態の評価:大型車ドライバーの視線高さ(路面から2.2mの高さ)において、ドライバー視環境の主観評価を実施
この図4に示した検証結果から、以下のことがわかる。
(1)ミストのザウダー平均粒径について
・ミストのザウダー平均粒径は、小さいほど同一噴霧量における水粒子の表面積が大きくなるため、気化しやすい状態となる。この結果、同一の噴霧量に対しては、ミストのザウダー平均粒径が小さいほど、冷却効果が発揮されている。逆に、ミストのザウダー平均粒径が80μm以上の場合(実施例3、実施例6、実施例9に相当)には、水粒子の表面積が小さくなるため、気化しにくい状態となり、結果として、冷却効果が鈍くなっている。
・さらに、ミストのザウダー平均粒径が80μm以上の場合には、気化しきれない水粒子がフロントガラスに付着するため、視環境が著しく劣化している。
・なお、ミストのザウダー平均粒径を7μm未満とする噴霧ノズルは、製造コストが高くなるため一般的ではない。
(2)単位面積当たりの噴霧量について
・単位体積当たりの噴霧量が多いほど、冷却効果は高くなっている。
・単位体積当たりの噴霧量が12g/mの場合には、噴霧区間の相対湿度が上がり過ぎ、気化しきれない水粒子がフロントガラスに付着するため、視環境が著しく悪化している。
従って、図4の結果から、ミストのザウダー平均粒径は、80μm未満、単位体積当たりの噴霧量は、10g/m以下が適切であり、30μm未満、単位体積当たりの噴霧量は、5g/m以下が最適であるといえる。
<3.ノズル設置高さの検討>
次に、ミスト噴霧区間200mにおいて、ミストのザウダー平均粒径を7μm以上30μm未満、単位体積当たりの噴霧量を5g/mとした際に、噴霧ノズル10の設置高さを変化させた場合における検証結果について説明する。図5は、本発明の実施の形態1において、噴霧ノズル10の設置高さを変化させたときの冷却状態および視環境状態の検証結果をまとめたものである。
具体的には、噴霧ノズル10の設置高さとして、6mと3.5mの2条件について、冷却状態および視環境状態の指標値を求めた結果が、図5にまとめて示されている。また、冷却状態、および視環境状態については、先の図4の場合と同様の評価を行った。
図5において、設置高さが6mである条件1は、先の図4における条件1と同条件であり、指標値も同様の値が示されている。一方、設置高さが3.5mである条件2では、視環境状態については、条件1と同レベルの結果が得られ、冷却状態に付いては、条件1よりもさらに改善されていることがわかる。
従って、図5の結果から、噴霧ノズルの設置高さは、6mよりも低い方が、冷却効果が高くなることがわかる。
<4.トンネル内の風速と噴霧量の検討>
次に、半閉鎖空間であるトンネル内の風速について、検討する。具体的には、トンネル内の送排気による風速に応じて噴霧量を変えることが考えられる。
風速が0m/sに近い場合には、ミスト噴霧により冷却された低温・高湿度空気が同じ場所に留まるため、過剰噴霧による未蒸散水滴が発生し、視程障害につながる。そのため、風速が小さいときには、風速が大きいときと比較して、噴霧量を減少させることで、過剰噴霧を防ぐことができる。
一方、風速がある場合(例えば、風速4m/s)には、ミスト噴霧により冷却された低温・高湿度空気が同じ場所に留まることなく、下流に流れていき、過剰噴霧による未蒸散水滴が発生する状況が起こりにくくなる一方で、冷却した空気も下流に流される。そのため、風速が大きいときには、風速が小さいときと比較して、噴霧量を増加させることで、視程障害を発生させることなく、トンネル内の温度上昇を抑制することができる。
例えば、トンネルの断面積を70mと仮定した場合、風速1m/sの風が吹くと空気が1m/s移動するので、ある地点で見ると1秒間に70mの空気が通過することになる。これが風速4m/sの場合、移動する空気の体積は280mとなるため、風速1m/sで風が吹いている場合に対して、風速4m/sで風が吹いている場合では、噴霧対象となる空気の量が4倍になっているため、噴霧量を4倍にして容積あたりの噴霧量を同等として風速1m/s時と同等の気温低下を得ることが考えられる。
このように、温湿度の条件が同一であれば、風速によって最大噴霧量を変化することが考えられる。例えば、断面積が70mのトンネルに単位体積当たりの最大噴霧量である10g/mを噴霧できる温湿度条件で、風速1m/sの時には700g/s噴霧できるところに、風速4m/sの時には2800g/s、風速12m/sの時には8400g/s噴霧することで同等の気温低下を得ることができる。
このように噴霧量制御部40は、風向風速計により計測された風速の大きさに応じて、噴霧量を適切に制御することで、トンネル内の温度上昇抑制と、トンネル内利用者の視環境確保の両立を図ることができる。
<5.送気ダクト内のミスト噴霧に関する検討>
トンネル内の換気方式は、自然換気と機械換気の2方式があり、機械換気では、縦流換気方式と横流換気方式がある。また両者を併用する場合もある。ここでは、横流換気方式について説明する。
図6は、本発明の実施の形態1におけるトンネル内の横流換気方式の概要図である。図6(a)は、トンネルの長手方向の断面図であり、送気ダクト、送気口、排気ダクト、排気口の説明図である。また、図6(b)は、トンネルを輪切りにした方向の断面図であり、ミストノズルの配置と、送気および排気の関係を示している。
横流換気方式では、トンネル側面に開口を設け、外気を送気する。そこで、この開口から、ミスト噴霧により気温低下した空気を噴出し、トンネル内の気温を低下させることが考えられる。
図6(a)に示したように、側面の送気口から外気を送気して、排気口からトンネル外に排出する。そして、図6(b)に示したように、ミストノズルは、送気ダクト内に設置される。この場合の噴霧量は、ダクト内の温湿度、風速に応じて変更する。
ダクト内にノズルを設置すると、ダクトから送気口までの距離があるので、トンネル内面に直接設置するよりも、蒸散する距離を長く得られる。この結果、視程確保には、有利である。なお、送気ダクト内の温湿度、風速を計測する位置は、噴霧区間の上流あるいは噴霧区間内とすることができる。
さらに、ダクト内噴霧において、ミストノズルの設置位置は、図7(b)に例示したように、横向きや下向き等が可能であり、トンネル壁面に設置するよりも自由度が増える。
なお、ダクト内噴霧用のミストノズルは、図7(a)に示したように、送気口に対応した位置に設置する。すなわち、長手方向に設置されている送気口に対応して、ダクト内にノズルを設置する。
<6.トンネル内の後方支援に関する検討>
先の図1に示したトンネル内を想定すると、風下ほど、温度が高くなる傾向がある。従って、複数の温湿度計30による温度の計測結果は、風下の計測結果ほど高い温度を示すこととなる。
そこで、複数の噴霧ノズル10を、設置位置に応じて個別制御可能な場合には、風下の温度計測結果に基づいて、その計測結果が得られた温湿度計よりも前方側に設置されている噴霧ノズル10により、後方支援を目的とした噴霧量制御を行うことで、トンネル全体として適切な温度上昇抑制効果を得ることができる。
すなわち、噴霧量制御部40は、複数に分割されたミスト噴霧区間のそれぞれの区間に属する温湿度計および噴霧ノズルを把握しておくことで、通行方向に対して後段の温度計測値に応じて、それよりも前段の噴霧ノズルの噴霧量を調整する後方支援制御を行うことができる。
最後に、制御構成図を用いて、本願発明の制御方法について説明する。図8は、本発明の実施の形態1におけるトンネル内降温用噴霧システムの制御構成図である。噴霧量制御部40は、記憶部41を有している。そして、この記憶部41には、風速および温度と、噴霧ノズル10から噴霧される単位体積あたりの噴霧量との対応関係が規定されたテーブルがあらかじめ記憶されている。
そして、噴霧量制御部40は、風向風速計20により計測された風速、および複数の温湿度計30により計測された温度に応じて、記憶部41に記憶されたテーブルを参照することで、計測結果に応じた適切な噴霧量を求め、複数の噴霧ノズル10の噴霧量制御を行うことができる。
なお、複数の噴霧ノズル10は、上述したように、送気ダクト内に設置することも可能である。また、噴霧量制御部40は、温度の計測結果だけに基づく噴霧量制御、風速の計測結果だけに基づく噴霧量制御、温度および風速の両方の計測結果に基づく噴霧量制御を行うことが可能である。
また、温湿度計30による湿度の計測結果が所定の値以上のときには、ミスト噴霧を行わないように制御することも可能である。このような制御を行うことで、視環境が低下することを抑制することができる。
また、図8を用いた説明では、記憶部41内にテーブルがあらかじめ記憶されている場合について説明したが、数式や関数などにより、計測結果から噴霧量を算出することも可能である。
以上のように、実施の形態1によれば、半閉鎖空間であるトンネル内において、温度上昇抑制と、トンネル内利用者の視環境確保の両立を図るミスト噴霧を実現することができる。特に、噴霧量の上限時の規定、あるいは風速に応じた適切な噴霧量制御を実現できる。さらに、トンネル内ばかりではなく、送気ダクト内のミスト噴霧も可能である。
10 噴霧ノズル、20 風向風速計、30 温湿度計、40 噴霧量制御部、41 記憶部。

Claims (5)

  1. 半閉鎖空間であるトンネル内で、前記トンネル内の所定のミスト噴霧区間内に設置された噴霧ノズルから水をミストとして噴霧し、トンネル内を利用するドライバーの視環境を確保した上で前記トンネル内の温度上昇を抑制するトンネル内降温用噴霧制御システムであって、
    前記トンネル内の空気の移動速度に相当する風速を計測する風速計と、
    前記風速と前記噴霧ノズルから噴霧される単位体積あたりの噴霧量との対応関係があらかじめ規定されたテーブルを記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶されたテーブルに基づいて、前記風速計により計測された前記風速の大きさに応じて前記噴霧量を調整する噴霧量制御部と
    を備えるトンネル内降温用噴霧制御システム。
  2. 請求項1に記載のトンネル内降温用噴霧制御システムにおいて、
    前記噴霧ノズルは、前記トンネル内の通行方向に対して異なる位置に設置された複数の噴霧ノズルで構成され、
    前記トンネル内の温度を計測するために、前記通行方向に対して異なる位置に設置された複数の温度計をさらに備え、
    前記噴霧量制御部は、各噴霧ノズルからの噴霧量を、それぞれの噴霧ノズルよりも前記通行方向に対して後方に配置された温度計により計測された温度に応じて、個別に制御する後方支援制御を実行する
    トンネル内降温用噴霧制御システム。
  3. 請求項1または2に記載のトンネル内降温用噴霧制御システムにおいて、
    前記噴霧ノズルは、送気ダクト内に設けられており、
    前記風速計は、前記トンネル内の前記送気ダクトの風速を計測し、
    前記噴霧量制御部は、前記記憶部に記憶されたテーブルに基づいて、前記風速計により計測された前記送気ダクトの風速の大きさに応じて前記噴霧量を調整する
    トンネル内降温用噴霧制御システム。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のトンネル内降温用噴霧制御システムにおいて、
    前記トンネル内の湿度を計測する湿度計をさらに備え、
    前記噴霧量制御部は、前記湿度計により計測された前記湿度が所定値以上の場合には、前記噴霧ノズルからの噴霧を停止する
    トンネル内降温用噴霧制御システム。
  5. 半閉鎖空間であるトンネル内で、前記トンネル内の所定のミスト噴霧区間内に設置された噴霧ノズルから水をミストとして噴霧し、トンネル内を利用するドライバーの視環境を確保した上で前記トンネル内の温度上昇を抑制するトンネル内降温用噴霧制御方法であって、
    前記トンネル内の空気の移動速度に相当する風速と前記噴霧ノズルから噴霧される単位体積あたりの噴霧量との対応関係があらかじめ規定されたテーブルを記憶部に記憶させておく記憶ステップと、
    前記記憶ステップにより前記記憶部に記憶されたテーブルに基づいて、前記トンネル内に設置された風速計により計測された前記トンネル内の空気の移動速度に相当する風速の大きさに応じて前記噴霧量を調整する噴霧量制御ステップと
    を備えるトンネル内降温用噴霧制御方法。
JP2013007817A 2013-01-18 2013-01-18 トンネル内降温用噴霧制御システムおよびトンネル内降温用噴霧制御方法 Active JP5410622B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013007817A JP5410622B1 (ja) 2013-01-18 2013-01-18 トンネル内降温用噴霧制御システムおよびトンネル内降温用噴霧制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013007817A JP5410622B1 (ja) 2013-01-18 2013-01-18 トンネル内降温用噴霧制御システムおよびトンネル内降温用噴霧制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5410622B1 true JP5410622B1 (ja) 2014-02-05
JP2014136955A JP2014136955A (ja) 2014-07-28

Family

ID=50202681

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013007817A Active JP5410622B1 (ja) 2013-01-18 2013-01-18 トンネル内降温用噴霧制御システムおよびトンネル内降温用噴霧制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5410622B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104132417A (zh) * 2014-08-14 2014-11-05 上海嘉成轨道交通安全保障系统股份公司 空气净化系统中的水喷淋机构及其控制方法
CN115853571A (zh) * 2022-12-08 2023-03-28 湖南科技大学 一种喷雾消热装置及其长度确定方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6253399B2 (ja) * 2013-12-25 2017-12-27 能美防災株式会社 トンネル内降温用噴霧システム
JP6467022B2 (ja) * 2017-11-28 2019-02-06 能美防災株式会社 トンネル内降温用噴霧システム

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003340228A (ja) * 2002-05-23 2003-12-02 Nikken Consultants Inc 大気汚染浄化方法およびその装置
JP2006177578A (ja) * 2004-12-21 2006-07-06 Nohmi Bosai Ltd 降温用噴霧システム
JP2010096415A (ja) * 2008-10-16 2010-04-30 Oiwa Machinery Corp 冷却用ミスト噴霧システム
JP2011212538A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Aktio Corp 噴霧装置及び噴霧方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003340228A (ja) * 2002-05-23 2003-12-02 Nikken Consultants Inc 大気汚染浄化方法およびその装置
JP2006177578A (ja) * 2004-12-21 2006-07-06 Nohmi Bosai Ltd 降温用噴霧システム
JP2010096415A (ja) * 2008-10-16 2010-04-30 Oiwa Machinery Corp 冷却用ミスト噴霧システム
JP2011212538A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Aktio Corp 噴霧装置及び噴霧方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104132417A (zh) * 2014-08-14 2014-11-05 上海嘉成轨道交通安全保障系统股份公司 空气净化系统中的水喷淋机构及其控制方法
CN104132417B (zh) * 2014-08-14 2017-05-03 上海嘉成轨道交通安全保障系统股份公司 空气净化系统中的水喷淋机构及其控制方法
CN115853571A (zh) * 2022-12-08 2023-03-28 湖南科技大学 一种喷雾消热装置及其长度确定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014136955A (ja) 2014-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5410622B1 (ja) トンネル内降温用噴霧制御システムおよびトンネル内降温用噴霧制御方法
US9205444B2 (en) Intelligent air conditioning system for a paint booth
JP5420776B1 (ja) トンネル内降温用噴霧システム
CN204314045U (zh) 一种小型回流式结冰风洞设备
KR101669791B1 (ko) 인공강우 생성 및 미세먼지 저감장치
CN206984424U (zh) 适于中小型飞行器的冻云结冰温控模拟实验室
Zheng et al. Parametric study on the cooling effects from dry mists in a controlled environment
JP6216248B2 (ja) トンネル内降温用噴霧システム
JP6253399B2 (ja) トンネル内降温用噴霧システム
JP6216239B2 (ja) トンネル内降温用噴霧システム
JP6219712B2 (ja) トンネル内降温用噴霧システム
JP2006177578A (ja) 降温用噴霧システム
CN108834700A (zh) 一种智能化茶园霜冻预防方法
JP6467022B2 (ja) トンネル内降温用噴霧システム
JP2010236724A (ja) ノズルの噴霧制御方法
JP5279774B2 (ja) 降温用噴霧システム
JP4639330B2 (ja) 降温用噴霧システム
JP4944674B2 (ja) 降温用噴霧システム
GB2459986A (en) System for conditioning exterior air for use in a spray booth
CN203452830U (zh) 一种隧道自然通风降温结构
CN114722575A (zh) 降尘喷嘴的设置方法、系统及存储介质
CN206467630U (zh) 一种除雾车
JP5137078B2 (ja) 微細ミストを利用した空気冷却システムでの噴霧量の設計方法及び噴霧量の設計装置並びに微細ミストを利用した空気冷却システム
Dobrego et al. Use of oriented spray nozzles to set the vapor–air flow in rotary motion in the superspray space of the evaporative chimney-type tower
JP6749006B2 (ja) 吸気冷却方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131029

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5410622

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350