JP4944105B2 - サツマイモ組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、サツマイモ粉組成物及びサツマイモ粉組成物を含む食品に関し、特にサツマイモ粉組成物を含む加工スナック製品に関する。
デンプン系材料を含む生地から調製される加工スナック製品は当該技術分野において周知である。これらの生地は、典型的に、脱水されたジャガイモのフレーク、顆粒、及び/又はフラニュール(flanules)のような脱水ジャガイモ製品を含む。生地は、小麦、トウモロコシ、米、タピオカ、大麦、キャッサバ、オート麦、サゴ、及びジャガイモのデンプン及び粉のような多数の他のデンプン系成分も含むことができる。これらの他のデンプン系成分は、典型的に、脱水ジャガイモ製品よりも少ない量で生地に包含される。しかし、これらの従来の粉及びデンプンは、天然糖及び繊維の両方が典型的に少ない。従って、加工スナック製品は、消費者が好む甘い味、及び栄養学的に有益な高い繊維含有量に欠けている。
加工スナック製品の甘さ及び栄養を向上するために、生地に糖及び繊維を添加することができるが、問題がなくはない。添加繊維は、スナック製品の風味及び質感にマイナスの影響を及ぼす可能性があり、多量の添加糖は、高温で料理されるとき、製品の味及び質感にマイナスに影響し得る。例えば、生地を揚げたときに甘い味のスナックチップを形成するように十分な添加糖を有する、脱水されたジャガイモ製品を含む生地は、ゴムのような、ふやけた、ガラス質でないチップを生じる。
消費者は、パリパリとした(crisp)、密集した(dense)スナックチップを強く好む。
サツマイモは、還元糖、ビタミン及び繊維が生来多い。これらの質により、甘い味のスナック製品に使用されるための優れた候補になる。しかし、消費者が許容できるスナック製品をサツマイモから配合することは、最高の状態であっても問題があり、ほとんどの場合、全くうまくいかない。
特に、サツマイモは、標準ジャガイモのようにスライスして揚げることができるが、結果は実質的に異なる。還元糖が多い甘い製品のような天然製品は、調理間にゴムのようになり、これをガラス状態にすることは、より多くの労力を必要とする、つまり、これらは、非常に高い温度で調理しなくてはならない。温度を上昇すると、製品は焦げる又はカラメル化し、異臭及び苦い味を生じる。従って、製造業者は、製品を完成スナックの湿分含量が多くなるように揚げるか(風味を保持するが、必須のパリパリ感(crispness)を持たない)、あるいは、製品をパリパリになるまで更に調理するか(焦げた風味を有する)の選択に直面する。これは、色、及び質感及び製品安定性に影響を及ぼす完成湿分含量に相当なばらつきを有する製品をもたらす。
製品安定性は、重要であり、製品がふやけた又は新鮮でなくなる早さ、及び高い水分含有量により製品が酸化されるかに関係する。例えば、揚げたサツマイモスライスと標準の揚げたジャガイモチップの2つの製品が環境に露出されると、揚げたサツマイモスライスは、標準の揚げたジャガイモチップよりも早くふやけ、パリパリ性(crisp)が少なくなる。消費者は、ジャガイモ、トウモロコシ、及び小麦系スナックのパリパリとした(crispy)質感及び食味を有するスナックチップに慣れており、その確立された価値感(equity)を打破することは難しい。更に、サツマイモの色及び質感は、実質的にフライの前後で変化する。消費者は、標準化した製品を好む。つまり、消費者は、スナック製品の袋又は容器を開けるとき、ある程度の均一性を期待する。更に、揚げたサツマイモの色は、実質的に変化し得る。
現在入手可能なサツマイモ系スナックが存在する。これらの製品としては、サツマイモまるごとをスライスして揚げたもの、押出成形した製品、及び真空フライチップが挙げられる。これらの市販の製品は、ある消費者に受け入れられているが、これらは、依然としてジャガイモチップの代替品ではなく、消費者が好むジャガイモチップに見られる質感に相当するパリパリとした(crispy)、ザクザクとした(crunchy)、軽い質感は提供しない。
従って、消費者が好む特定の質感の品質(textural qualities)を維持しつつ、サツマイモ粉を有する加工スナック製品を作製するための処方及びプロセスの必要性が存在する。又、製品の質感、風味、及び外見を消費者に一貫して供給できる、サツマイモ粉組成物から作製される生地の必要性が存在する。更に、生地のシートから作製された後又は押出成形された後、揚げられる、部分的に揚げられた後に焼かれる、あるいは焼かれる、スナックチップの必要性がある。
また、比較的多量の天然糖、ビタミン、及び繊維を有するが、ジャガイモチップのような人気のあるスナック製品の質感及び味を有するスナックを作製するための処方及びプロセスの必要性も存在する。
本発明のこの利点及び他の利点は、以下の開示から明らかになるであろう。
本発明は、生地を調理することにより作製されるサツマイモスナックチップを提供する。生地は、サツマイモ粉末、サツマイモフレーク、及びこれらの混合物から成る群から選択される成分を含むサツマイモ粉組成物を含有する。生地は、揚げること、押出成形、ベーキング、又はこれらの組み合わせにより調理され得る。
本発明の一つの態様において、約3〜約8のWAI;約5〜約130RVUのピーク粘度を有するサツマイモ粉組成物が提供される。本発明の更に別の態様において、サツマイモ粉組成物は、約5重量%〜約35重量%の還元糖、及び約5重量%〜約20重量%の繊維含有量を含有する。
本発明の更に別の態様において、サツマイモ粉組成物は、約0重量%〜約75重量%、好ましくは約15重量%〜約70重量%、より好ましくは約40重量%〜約60重量%の任意成分と混合されて、ドライブレンドを形成する。ドライブレンドは、好ましくは約3〜約8、より好ましくは約3〜約6の範囲のWAIを有する。任意成分は、全粒オート麦粉、小麦粉、コーンミール、米粉、オート麦繊維、小麦繊維、コメヌカ、ジャガイモ粉、及びこれらの混合物から成る群から選択されるデンプン材料を含んでもよい。更に、ドライブレンドは、好ましくは約20RVU〜約100RVU、より好ましくは約35RVU〜約100RVUの範囲のピーク粘度を有する。更に、ドライブレンドは、好ましくは約30RVU〜約120RVU、より好ましくは約40RVU〜約95RVUの範囲の最終粘度を有する。任意成分は、小麦、オート麦、大豆、及び同種のもののような他の繊維供給源からの繊維を含有してよい。
本発明の別の実施形態では、上記のドライブレンドは、約15重量%〜約50重量%、好ましくは約20重量%〜約40重量%、より好ましくは約20重量%〜約32重量%の添加水と混合されて、生地を形成する。本明細書に記載された生地は、約80gf〜約350gf、好ましくは約120gf〜約280gf、より好ましくは約160gf〜約230gfのシート強度を有するシートに形成することができる。生地のシートは、約0.6g/mL〜約2.0g/mL、好ましくは約0.7g/mL〜約1.5g/mL、より好ましくは約0.8〜約1.0g/mLのチップ密度を有するサツマイモスナックチップを形成するように調理され得る。生地のシートは、サツマイモスナックチップを形成するように調理されるとき、約400gf〜約900gf、より好ましくは約500gf〜約800gf、より好ましくは約600gf〜約700gfのチップ破壊強度を有するサツマイモチップを製造する。生地のシートは、揚げること、押出成形、ベーキング、又はこれらの組み合わせにより調理され得る。
本発明のサツマイモ粉組成物は、加工スナック生地に使用されるとき、所望のレベルの弾性を有する凝集生地及び所望の感覚刺激特性を有する完成加工スナック製品をもたらす。またサツマイモ粉組成物は、押出成形された製品、焼いたスナック、トルティーヤ系スナック、ソース、食品用コーティング、栄養食品、特別な必要性のための食品(すなわち、糖尿病用等)、ドッグフード、犬用ビスケット、ベビーフード、及びパンのような食品を製造するために使用されることもできる。
上記のように、本発明のサツマイモ粉組成物を使用することには、味及び栄養学的理由の両方が存在する。特に、サツマイモには、天然糖が多く、他のスナックチップ製品よりも甘いスナック片となり、生来ビタミン及び繊維が多く、揚げるときに油脂の吸収が少ない。しかし、従来のサツマイモ粉を多量の百分率で含有する生地、加工スナック製品、及び揚げたチップを作製するには、特定のプロセス及び処方の困難性が存在する。これらの困難性は、本発明のサツマイモ出発成分及び処方の選択により、主に克服される。
A.定義
本明細書で使用するとき、「サツマイモ粉組成物」とは、フレーク、粗びき粉、顆粒、切片、ピュレ、ペースト、粉末及び組み合わせへと加工されたサツマイモが挙げられる。本明細書で材料の組み使用するとき、一般に「粉」とは、フレーク、粗びき粉、顆粒、切片、ピュレ、ペースト、粉末合わせを意味する。
本明細書で使用するとき、「黄色サツマイモ粉」は、低アミロース量の植物化学物質(すなわち、カロチノイド、フラボノイド等)を有する黄色サツマイモの種類から作製されるサツマイモ粉である。
本明細書で使用するとき、「橙色サツマイモ粉」としては、高量の還元糖及び高量の植物化学物質(すなわち、カロチノイド)を有するサツマイモの種類から作製されるあらゆるサツマイモ粉組成物が挙げられる。
本明細書で使用するとき、「植物化学物質(phytochemicals)」とは、健康に影響する可能性があり、処方に添加したとき食品の外見を変化する可能性もある植物由来化学物質(plant chemicals)を指す。
本明細書で使用するとき、「糊化した」は、完全糊化、部分的糊化、及びアルファ化したデンプンを包含するあらゆる種類の糊化を包含する。
本明細書で使用するとき、「調理されていないサツマイモ粉」とは、いかなる方法でも調理されていないサツマイモ粉又はデンプンを指す。
本明細書で使用するとき、用語「加工された」とは、塊茎、グレイン、豆果、穀物、又はこれらの混合物に由来するもののような粉、粗びき粉、及び/又はデンプンを含む生地から作製された食品を指す。
本明細書で使用するとき、「天然デンプン」は、いかなる方法でも事前処理又は調理されていないデンプンを指し、ハイブリッドデンプンが挙げられるが、これに限定されない。
本明細書で使用するとき、「脱水ジャガイモ製品」としては、ジャガイモフレーク、ジャガイモフラニュール(flanules)、ジャガイモ顆粒、ジャガイモ粒塊、他のあらゆる脱水されたジャガイモ材料、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、「シート化可能な生地」は、滑らかな表面上に置いて、破れたり又は穴があいたりせずに所望の最終的な厚さにローラーで伸ばすことのできる凝集生地である。またシート化可能な生地は、押出プロセスを通じてシート状に形成できる生地も包含することができる。
本明細書で使用するとき、「デンプン」は、これらに限定されないが小麦、トウモロコシ、タピオカ、サゴ、米、ジャガイモ、オート麦、大麦、及びアマランスのような材料から誘導される繰り返し無水グルコース単位を有する天然又は未変性の炭水化物ポリマーを指し、並びに、マルトデキストリンのような加水分解デンプン、高アミローストウモロコシ、高アミロペクチントウモロコシ、純アミロース、化学的に置換されたデンプン、架橋デンプン、及び化学的、物理的、熱的、又は酵素的のような他の変性が挙げられるがこれらに限定されない加工デンプン、並びにこれらの混合物をも指す。
本明細書で使用するとき、「デンプン系粉」は、天然、脱水(例えば、フレーク、顆粒、粗びき粉)又は粉の形態の、グルコピラノース単位から成る高重合炭化水素を指す。デンプン系粉としては、ジャガイモ粉、ジャガイモ顆粒、ジャガイモフラニュール(flanules)、ジャガイモフレーク、トウモロコシ粉、マサトウモロコシ粉、コーングリッツ、コーンミール、米粉、そば粉、オート麦粉、豆粉、大麦粉、タピオカ、及びこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。例えば、デンプン系粉は、塊茎、豆果、グレイン、又はこれらの混合物に由来することができる。
本明細書で使用するとき、「変性デンプン材料」とは、標準とは異なる特徴を有する、又はその機能的特徴を改善するために変性されたデンプン系成分を指す。好適な変性デンプン材料としては、アルファ化デンプン、低粘度デンプン(例えば、デキストリン、酸変性デンプン、酸化デンプン、酵素変性デンプン)、安定化デンプン(例えば、デンプンエステル、デンプンエーテル)、架橋デンプン、アセチル化デンプン、デンプン糖(例えばグルコースシロップ、ブドウ糖、イソグルコース)及び処理の組み合わせ(例えば、架橋及び糊化)がなされたデンプン、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき「任意成分」とは、本サツマイモ粉組成物に添加されてドライブレンドを形成する成分又は物質を指し、ドライブレンドは、更に添加水と混合されて、生地を形成することができる。
本明細書で使用するとき、用語「添加水」は、乾燥生地成分に添加された水を指す。粉及びデンプンの供給源の場合のような、乾燥生地成分中に本来存在する水は、「添加水」に包含されない。
本明細書で使用するとき、用語「乳化剤」は、生地成分に添加された乳化剤を指す。ジャガイモフレーク(製造中に乳化剤がプロセス助剤として使用される)の場合のような、生地成分に本来存在する乳化剤は、用語「乳化剤」に包含されない。
本明細書で使用するとき、「高速粘度単位(rapid viscosity unit)」(RVU)は、本明細書のRVA分析法を用いて測定したとき、センチポアズとほぼ対応する粘度測定の任意単位である。(12RVUは、およそ0.001Pa.s(1センチポアズ)に等しい。)
用語「油脂」及び「油」は、特に指定のない限り、本明細書では互換的に使用される。用語「油脂」又は「油」は、一般的な意味の食用油脂物質を指しており、例えば、部分的に又は完全に水素添加され又はその他の方法で変性されていてもよい、大豆油、コーン油、綿実油、ヒマワリ油、パーム油、ココヤシ油、キャノーラ油、魚油、ラード、及び獣脂のような本質的にトリグリセリドから成る天然又は合成の油脂及び油、並びに部分的に又は完全に非消化性であってもよい、本明細書では非消化性油脂と呼ぶトリグリセリドと類似の特性を有する非毒性の油脂物質が挙げられる。カロリーが低減された油脂、及び食用の非消化性油脂、油、又は油脂代替品も、この用語に包含される。
用語「非消化性油脂」は、部分的に又は完全に消化できない食用油脂物質、例えば、オレアン(OLEAN)(商標)のようなポリオール脂肪酸ポリエステルを指す。好ましい非消化性油脂は、スクロースポリエステルのような、トリグリセリドに似た特性を有する油脂物質である。これらの好ましい非消化性油脂は、米国特許第5,085,884号(ヤング(Young)らに1992年2月4日発行)、及び米国特許第5,422,131号(エルセン(Elsen)らに1995年6月6日発行)に記載されている。非消化性油脂の特に好ましい銘柄は、オレアン(OLEAN)(商標)の商標名で販売されている。
用語「ドライブレンド」は、本明細書において、そのように混合される材料のプロセス前に混合された乾燥原材料を意味する。
特に指定がない限り、百分率は全て重量に基づく。
本明細書で引用される全ての文献は、その関連部分において参考として組み込まれ、あらゆる文献の引用は、それが本発明に対する従来技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。
B.サツマイモ粉組成物
本発明の1つの態様においては、約3.5〜約10の吸水指数;及び約5RVU〜約130RVUのピーク粘度を有するサツマイモ粉組成物が提供される。またサツマイモ粉組成物は、約10RVU〜約60RVUの最終粘度を有する。サツマイモ粉組成物は、黄色サツマイモ、橙色サツマイモ、及びこれらの混合物から成る群から選択されることが好ましい。本発明のサツマイモ粉組成物は、種類、サツマイモの寿命(age)、調製方法、調理の度合い、繊維含有量、及び還元糖量に依存して、吸水指数(WAI)が変化する。好適なサツマイモ粉の例を下の表に示す。
Figure 0004944105
Figure 0004944105
本サツマイモ粉組成物は、より良い生地を提供する処方手段であり、加工スナック片を作製することができる優れたシート状製品となる。そして、重要なことには、加工スナック片を揚げることにより作製されるチップ製品は、優れた特質を有する。更に、サツマイモが、粉に加工される前又は加工された後に、あらゆる他の方法で部分的に又は完全に事前調理される場合、該サツマイモ粉の特性は更に変性され得る。
本発明は、加工スナック製品の作製における使用に適したサツマイモ粉組成物を提供する。サツマイモ粉組成物は、加工スナック生地に使用するとき、所望のレベルの弾性を有する凝集生地及び所望の感覚刺激特性を有する完成加工スナック製品をもたらす。
好ましい実施形態では、サツマイモ組成物は、黄色サツマイモ、白色サツマイモ、又は紫色サツマイモ、あるいはこれらの組み合わせを含む。更に、組成物は、部分的に又は完全に糊化したサツマイモ粉を含むことができる。例えば、サツマイモ粉は、サツマイモ粉中での所望のデンプン分解を達成するために、糊化、部分的糊化、部分的事前調理、事前調理、パーボイルド、押出成形、又はこれらの組み合わせがなされ得る。
所望のサツマイモ粉組成物を作製するために、所望の量の種々のサツマイモ粉を一緒に混合することができる。これは、これらに限定されないが、調理、乾燥又は粉砕前にサツマイモを混合すること、あるいは加工後、粉を混合することのようなあらゆる好適な手段により達成され得る。
好ましい実施形態では、糊化したサツマイモ粉が使用される。この実施形態では、組成物は、様々な程度に糊化した1以上のサツマイモ粉のブレンドを含むことができる。例えば、糊化したサツマイモ粉は、完全に調理されたサツマイモ、部分的に調理されたサツマイモ、押出成形されたサツマイモ、又はこれらの混合物を含むことができる。十分に調理された糊化したサツマイモ粉は、約75%〜約100%糊化されており、部分的に調理されたサツマイモ粉及び押出成形されたサツマイモ粉は、約25%〜約100%糊化されており、パーボイルドサツマイモ粉は、約75%〜約100%糊化されている。
好ましい実施形態においては、橙色サツマイモ粉が、サツマイモ粉組成物の一部として使用される。この橙色サツマイモ粉は、多量の植物化学物質又は植物栄養素を有する橙色サツマイモの種類に由来する。この植物化学物質(Phytochemicals)は、健康に影響を及ぼす可能性がある植物由来化学物質(plant chemicals)であるが、伝統的な栄養素とは別個の部類である。これらの化学物質は、カロチノイド、フラボノイド、植物ステロール(植物エストロゲン)、フェノール性化合物、及び同種のものを包含する多くの部類の化合物に分類される。一般に、植物化学物質は、果物及び野菜に見られる他の栄養素との相乗効果で共に働き、酸化損傷及び慢性病から保護する助けになる。橙色サツマイモ粉の橙色は、スナック、パスタ、パン、及び同種のものの着色剤として作用する。また、橙色サツマイモ粉は、その高い還元糖含有量に起因して、特別な風味を有する。加えて、橙色サツマイモ粉は、低い吸水指数及び低いアミロース含有量を有し、サツマイモスライスを直接揚げることにより作製されたスナックと同様な高密度でザクザクとした(crunchy)食感の製品をもたらす。
好ましい実施形態では、黄色サツマイモ粉が、サツマイモ粉組成物の一部として使用される。黄色サツマイモ粉は、黄色サツマイモの種類に由来し、これは、低量の植物化学物質、又は植物栄養素を有する。黄色サツマイモ粉の黄色は、揚げたスナックの色の希釈剤として作用する。また黄色サツマイモ粉は、その低い還元糖含有量に起因して、口当たりのよい(bland)風味を有する。加えて、黄色サツマイモ粉は、高い吸水指数及び高いアミロース含有量を有する。これらの全ての理由から、黄色サツマイモ粉は、色及び甘さのみならず、完成サツマイモスナックの質感及び食味をも制御するために使用され得る。処方中により多量の黄色サツマイモ粉を有するスナックは、薄い色及び甘さが少ない風味を有する、より低い密度及びより膨張した製品となる。特に方法が非常に高いラインスピードを必要とするとき、黄色サツマイモは、その低い還元糖及び高いアミロース含有量に起因して、橙色サツマイモと対比して、加工利点を示す。非常に多い還元糖を有するサツマイモから作られる生地シートは、べたつき感があり不十分である。
風乾及びドラム乾燥は、本発明において、好ましいサツマイモ粉の加工方法である。サツマイモ粉は、広範な粒径分布に粉砕することができる。特定の実施形態において、組成物は、粉の約50%がふるい#100上に残るような粒径分布を有する。サツマイモ粉組成物は、約5%〜約20%がふるい#40上に残り、約30〜約50%がふるい#100上に残り、約10%〜約40%がふるい#200上に残る粒径分布を有することが好ましい。サツマイモ粉の粒径分布は、混合の間に、確実に適切な水和を行なうために重要である。同様に、粒径分布は、質感に効果を有し;サツマイモ粉中の大きい粒子は、溶解の遅延及び歯への詰まり(tooth packing)の一因となる。
サツマイモ粉組成物は、加工スナックのような食品製造に使用されるドライブレンドの作製に使用できる。1つの実施形態において、ドライブレンドは、約25%〜約100%、好ましくは約30%〜約85%、より好ましくは約40%〜約60%のサツマイモ粉組成物を含む。
C.加工スナック製品の調製
サツマイモ粉組成物の使用を、主として好ましい加工スナック製品に関して記載するが、本発明のサツマイモ粉組成物をいかなる好適な食品の製造にも使用できることが当業者には容易に理解できるはずである。例えば、サツマイモ粉組成物を、押出成形された製品、パン、ソース、クラッカー、揚げたスナック、焼いた又は乾燥させたスナック、ベビーフード、ドッグフード、犬用ビスケット、及びあらゆる他の好適な食品のような食品を製造するために使用することができる。好ましい加工スナック製品の製造が、以下で詳述される。
1.生地の調合
本発明の好ましい生地は、ドライブレンド及び添加水を含む。生地は、約50%〜約85%のドライブレンド、及び約15%〜約50%の添加水を含むことが好ましい。
a.ドライブレンド
好ましい生地は、約50%〜約85%のドライブレンド、好ましくは約60%〜約75%のドライブレンドを含む。
ドライブレンドは、約25%〜約100%、好ましくは約30%〜約85%、より好ましくは約40%〜約60%のサツマイモ粉組成物を含み、残部は任意成分である。
一実施形態では、本発明のサツマイモ粉組成物、及び他の成分を含む好ましいドライブレンドは、約3〜約8、好ましくは約3.5〜約6の範囲のWAIを有する。一実施形態では、ドライブレンドは、約20RVU〜約100RVU、好ましくは約35RVU〜約100RVUの範囲のピーク粘度を有することが好ましい。本明細書の別の実施形態では、好ましいドライブレンドは、約30RVU〜約120RVU、好ましくは約40RVU〜約95RVUの範囲の最終粘度を有する。
b.添加水
本発明の好ましい生地組成物は、約15%〜約50%の添加水、好ましくは約20%〜約40%、より好ましくは約20%〜約32%の添加水を含む。マルトデキストリン又は固形コーンシロップ、ジュース、濃縮物のような任意成分が溶液又はシロップ剤として添加される場合、該シロップ剤又は溶液中の水は、添加水として包含される。また、添加水の量には、成分を溶解又は分散するために使用されるいかなる水も包含される。
c.任意成分
あらゆる好適な任意成分を本発明の生地に添加してよい。好適な任意成分としては、タピオカ、オート麦、小麦、ライ麦、米、大麦、大麦、トウモロコシ、マサ、マサでないトウモロコシ、ピーナッツ、及び脱水ジャガイモ製品(例えば、脱水されたジャガイモフレーク、ジャガイモ顆粒、ジャガイモフラニュール、マッシュポテト材料、及び乾燥ジャガイモ製品)のような他のデンプン材料が挙げられる。これらの他のデンプン材料は、異なる組成、質感、及び風味のスナックを作製するために、ブレンドすることができる。更に、ドライブレンドは、タンパク質源、繊維、ミネラル、ビタミン、着色剤、香味料、果物、野菜、種、ハーブ、スパイス、及び同種のものからなる群から選択される任意成分を含むことができる。
任意成分は、サツマイモ特質、還元糖含有量、繊維含有量、及び植物化学物質(カロチノイド)含有量におけるばらつきを補正するために使用される成分を更に包含することができる。好適な任意成分としては、オート麦繊維、小麦繊維、大豆繊維、バナナ粉又はピュレ(pure)、りんご粉又はピュレ(pure)、カボチャ成分、キャッサバ粉、タロイモ、ユッカ、バタタ(batata)、パースニップ(parsnip)のような他の根又は塊茎、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。これらの任意成分は、好ましくはタロイモ、ユッカ、バタタ(batata)、パースニップ(parsnip)、及びこれらの混合物から成る群から選択される。
任意成分としては、オート麦、小麦、及び大豆繊維を包含する繊維供給源も挙げられる。好ましい繊維供給源は、3−8のWAIを有するオート麦繊維(サンオプタ(SunOpta)、マサチューセッツ州、ベッドフォード(Bedford))である。他の任意成分としては、アルファ化デンプン、低粘度デンプン(例えば、デキストリン、酸変性デンプン、酸化デンプン、酵素変性デンプン)、安定化デンプン(例えば、デンプンエステル、デンプンエーテル)、ワックス様米デンプン又は粉、架橋デンプン、アセチル化デンプン、デンプン糖(例えばグルコースシロップ、ブドウ糖、イソグルコース)及び処理の組み合わせ(例えば、架橋及び糊化)がなされたデンプン、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
更に、任意成分としては、トウモロコシ、小麦粉、米、タピオカデンプン、又は吸水指数、ピーク粘度、最終粘度、及び全アミロース含有量を変えるグリーンプランテン(green plantain)、カボチャ、ニンジン粉のような他の根のような他の粉が挙げられる。
任意成分としては、ガム、乳化剤、固形コーンシロップ、炭酸カルシウム、着色剤、生地片、外見のための押出品(extrudates for appearance)、及びこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
生地にその加工性を補助するために所望により添加できる成分は、乳化剤である。乳化剤は、生地のシート化の前に生地組成物に添加されることが好ましい。乳化剤は、油脂又はオレアン(Olean)(商標)のようなポリオール脂肪酸ポリエステルに溶解することができる。好適な乳化剤としては、レシチン、モノ及びジグリセリド、ジアセチル酒石酸エステル、並びにプロピレングリコールモノ及びジエステル、並びにポリグリセロールエステルが挙げられる。ヘキサグリセロールのモノエステルようなポリグリセロール乳化剤を使用することができる。特に好ましいモノグリセリドは、ダニスコ(Danisco)(登録商標)(カンザス州ニューセンチュリー(New Century))より入手可能なジモダン(Dimodan)の商標名で、及びアーチャー・ダニエルズ・ミッドランズ社(Archer Daniels Midlands Company)(イリノイ州ディケーター(Decatur))より入手可能なDMG70の商標名で販売されている。
また任意成分としては、桂皮、オールスパイス、ショウガ、ナツメグ、及び同種のもののような、生地内香味料、スパイス、ハーブが挙げられる。
本発明による任意成分の量を計算するとき、サツマイモ粉組成物に内在する可能性のある任意成分の量は包含されない。
2.生地の調製
本発明の生地は、シート化可能な生地を形成するのに好適ないかなる方法によっても調製することができる。典型的には、慣用的なミキサーを用いて成分を合わせて完全に混合することによって、ゆるい(loose)乾燥生地を調製する。湿性成分の事前ブレンドと乾性成分の事前ブレンドを調製した後、湿性事前ブレンドと乾性事前ブレンドとを共に混合して、生地を形成することが好ましい。バッチ作業にはホバート(Hobart)(登録商標)ミキサーが好ましく、連続混合作業にはタービュライザー(Turbulizer)(登録商標)ミキサーが好ましい。別の方法としては、押出成形機を使用して、生地を混合し、シート又は成形片を形成することもできる。
a.シート化
調製後、生地を比較的平らな薄いシートに形成する。デンプン系生地からこのようなシートを形成するのに適したいかなる方法をも使用することができる。例えば、シートを2つの逆転円筒形ローラーの間で伸ばして、均一な比較的薄い生地材料のシートを得ることができる。従来のあらゆるシート形成装置、製粉装置、及び検量装置を使用することができる。ミルロールは、好ましくは約32℃(90°F)〜約57℃(135°F)に加熱すべきである。好ましい実施形態では、ミルロールは、フロントローラーがバックローラーよりも高温である、2つの異なる温度に保持される。生地は、押出しによってシートに形成することもできる。
本発明の生地は、通常、約0.038〜約0.25cm(約0.015〜約0.10インチ)の範囲の厚さ、好ましくは約0.048〜約0.127cm(約0.019〜約0.05インチ)、最も好ましくは約0.051〜0.076cm(0.02インチ〜約0.03インチ)の範囲の厚さのシートに形成される。
本発明の生地シートは、約80gf〜約350gf、好ましくは約120gf〜約280gf、より好ましくは約160gf〜約230gfのシート強度を有する。更に、本発明の生地は、非常に薄い厚さにシート化されたときでさえ強い。
次に、生地シートは、所定の寸法及び形状の加工スナック片に形成される。加工スナック片は、いかなる好適な型又は切断装置を使用しても形成することができる。加工スナック片は、様々な形状へと形成することができる。例えば、加工スナック片を、楕円形、正方形、円形、蝶ネクタイ形、星形車形、又は風車形にすることができる。1996年1月25日にPCT国際公開特許WO96/01572として公開されたPCT特許出願PCT/US95/07610(ドーズ(Dawes)ら)に記載のように、加工スナック片に刻み目をつけて波形チップを作製することができる。
b.調理
加工スナック片を形成した後、これをパリパリとするまで調理して加工スナック製品を形成する。加工スナック片は、例えば消化性油脂、非消化性油脂、又はこれらの混合物を含む油脂組成物中で揚げることができる。最良の結果を得るには、きれいな揚げ油を使用すべきである。油の酸化率を低下させるために、油の遊離脂肪酸含有量は好ましくは約1%未満、より好ましくは約0.3%未満に維持すべきである。高温押出成形、ベーキング、マイクロ波加熱、又は組み合わせのような、生地を調理又は乾燥させるための他のいかなる方法も、許容可能である。
本発明の好ましい実施形態においては、揚げ油は、約30%未満、好ましくは約25%未満、最も好ましくは、約20%未満の飽和脂肪を有する。この種類の油は、完成した加工スナック製品の潤滑性を改善するので、完成した加工スナック製品は、増強された風味表示を有する。油の融点が低いので、これらの油の風味特性も、局所的に味付けされた製品の風味特性を向上させる。このような油の例としては、中程度から高濃度までのオレイン酸を含有するヒマワリ油が挙げられる。
本発明の別の実施形態では、スナック片は、非消化性油脂と消化性油脂のブレンド中で揚げられる。ブレンドは、好ましくは約20%〜約90%の非消化性油脂と約10%〜約80%の消化性油脂とを含み、より好ましくは約50%〜約90%の非消化性油脂と約10%〜約50%の消化性油脂とを含み、さらにより好ましくは約70%〜約85%の非消化性油脂と約15%〜約30%の消化性油脂とを含む。また、TBHQ、トコフェロール、アスコルビン酸のような酸化防止剤、クエン酸のようなキレート化剤、及びジメチルポリシロキサンのような消泡剤を包含する、当該技術分野において既知の他の成分も、食用油脂及び油に加えることができる。
約135℃(275°F)〜約215℃(420°F)、好ましくは約149℃(300°F)〜約210℃(410°F)、より好ましくは約177℃(350°F)〜約204℃(400°F)の温度で、水分が約6%以下、好ましくは約0.5%〜約4%、より好ましくは約1%〜約3%の製品を形成するのに十分な時間、スナック片を揚げることが好ましい。正確な揚げ時間は、揚げる油脂の温度及び生地の初期水分含有量によって制御され、これらは当業者が容易に決定することができる。
スナック片を、連続フライ方法を用いて油で揚げ、揚げる間は拘束しておくことが好ましい。この拘束したフライ方法及び装置は、米国特許第3,626,466号(リエパ(Liepa)、1971年12月7日発行)に記載されている。成形され拘束されたスナック片を、最終的な水分含有量が約0.5%〜約4%、好ましくは約1%〜約2.5%のパリパリとした状態に揚がるまで、揚げ媒体に通過させる。
拘束式でない、スナック片の連続フライ方法又はバッチフライ方法のような他のいかなるフライ方法も許容可能である。例えば、スナック片を移動ベルト又はバスケット上で揚げ油脂中に浸すことができる。同様に、揚げることは、半拘束(semi-constrained)プロセスで起こり得る。例えば、加工スナック片を、油で揚げる間、2つのベルトの間に保持できる。
揚げた後に、特徴的な風味を有する油又は高度に不飽和の油を、加工スナック製品上に噴霧し、混転し、又は他の方法で適用することができる。トリグリセリド油及び非消化性油脂を、風味を分散させるための担体として使用し、加工スナック製品に局所的に添加することが好ましい。これらとしては、バター風味油、天然又は人工風味油、ハーブ油、及びジャガイモ、ニンニク又はタマネギ風味を加えた油が挙げられるが、これらに限定されない。こうすることで、揚げる際に風味成分を褐変反応させずに、様々な風味を導入することができる。この方法を使用して、スナックを揚げるのに必要な加熱時に通常は重合又は酸化を起こす油を導入することができる。
この発明からの完成品は、処方に添加されるサツマイモ粉に起因して、直接揚げた天然のサツマイモスライスと同様な質感及び風味を有する。
D.製品特徴及び分析方法
1.吸水指数(WAI)
a.乾燥成分及び粉ブレンド:
一般に、用語「吸水指数」及び「WAI」は、調理プロセスの結果としての炭化水素系材料の水保持能力の測定値を指す。(例えば、R.A.アンダーソン(Anderson)ら、ロール及び押出調理によるコーングリッツのゼラチン化(Gelatinization of Corn Grits By Roll- and Extrusion-Cooking)、14(1):4 今日の穀物科学(CEREAL SCIENCE TODAY)(1969)を参照。)チップのWAIは、チップの溶け(melt)/溶解(dissolve)を起こすであろう水の量を表しており、これは、チップの質感及び食味の間接的な測定値でもある。本明細書において、スナックは低いWAIを有し、これは軽い質感及び即時の溶解と相関する。
b.完成品のWAI測定:
1.完成品の試料10グラムを、クイジナート社(Cuisinart)製ミニメート(Mini-Mate)を使用して粉砕し、該試料の粒径を小さくする。
2.粉砕した試料をUS#20ふるいを通してふるいにかけ、この粉砕した試料2グラムを計量する。
乾燥材料についての計算を包含する、試料調製、水和、上澄みの測定の方法について、同じ工程に従う。
参考文献
米国穀物化学会(American Association of Cereal Chemists)、第8版、メソッド56I−20、「アルファ化穀物製品の水和容量」(初承認4−4−68、改訂10−27−82)。
原理
ゲル状部分が、液体から分離するように、微粒径の試料を水和し遠心分離器にかける。可溶性デンプン含有液体を捨て、ゲル状部分の重量を計測し、最初の試料重量に対するゲル重量の指標として表す。
範囲
本試験方法は、アルファ化デンプン及びアルファ化デンプンを包含する穀物製品の水分保持の測定を網羅する。これは、遠心力により適用される様な機械的手段のみによっては、完全に湿った試料から除去できない水量の測定をすることを意図する。
装置/試薬/器具
遠心分離器ALC(Apparecchi per Laboratori Chimici)、モデル4235ジルスシオ・アソシエイツ(DiRuscio Associates)、マンチェスター(Manchester)、ミッソウリ・ベル・ラボラトリー・サプライ(Missouri Vel Laboratory Supplies)、ベルギー(ルヴァン(Louvain))、
45゜固定角度ローター ALC、カタログ番号5233(サンプルホルダー6個)
管担体 ALC、カタログ番号5011(6つ必要)、
管アダプター ALC、カタログ番号5721(6つ必要)、
遠心管 VWR、カタログ番号:21010−818(50mL丸底ポリプロピレン管、105mm×28.5mm)、
天秤 精度±0.01g
水浴 30℃(±1.0)の一定温度を維持しなくてはならない、
温度計 VWRカタログ番号71740−188、
小さな金属スパチュラ VWRカタログ番号57949−022、
ポリエチレン洗瓶 VWRカタログ番号16651−987、
試験管ラック VWRカタログ番号60917−512、
ビーカー VWRカタログ番号13910−201(250mL)、
タイマー VWRカタログ番号62344−586、
蒸留水及び脱イオン水。
手順
試料の調製:
(注記:遠心分離器は、同時に最大6つの試料を分析することができる。この最大の試料荷重は、3つの分析をそれぞれ二重に行うことを意味する。)
1.試料が均質になるまで振る。
2.フェルトペンを使って、各遠心分離管の上端から18mm下に水平線を引く。
3.フェルトペンを使って、洗浄し乾燥させた必要数の50mL遠心分離管にラベルを貼る。
4.試験管の数及び小数点以下0.01単位で丸めた重量を記録する。(注記:ほぼ同一重量の遠心分離管を使用する。)
5.原材料2±0.05gを、ラベルを貼った遠心分離管に量り入れる。
6.加えた試料の重量を記録する。
7.各試料を二重に分析する。
8.各試料について、ステップ4〜7を繰り返す。
試料の水和:
1.各遠心分離管に、30℃の蒸留水30mLを加える。
2.小型金属スパチュラを使い、該混合物を30回ゆっくりとかき混ぜ、試料を均一に水和する。(注記:力強く攪拌するとこぼれるであろうので、試料は繰り返さなければならない。)
3.撹拌棒を取り除く前に、30℃の蒸留水にて洗浄し、除去される試料の量を最小にする。同様に、試験管の側壁を適切にすすぐ。
4.各試料について、ステップ2〜3を繰り返す。
5.遠心分離管(最大6個)を、30℃(86°F±2°)の蒸留水の水浴中に30分間置く。攪拌操作を、下記に述べる様に10、20及び30分間隔で繰り返す。
Figure 0004944105
6.試料を30分間加熱後、水浴から遠心分離管を取り除く。各チューブをペーパータオルで乾燥させて、それらを試験管ラックに差し込む。
7.水を充填線まで加える。
遠心分離:
1.次式を用いて、重力F=1257gを生成するために必要な角速度(rad/s(RPM))を計算する:
n=(1.125x109÷r)1/2
n=rpm
r=回転中心から試料管末端までの半径距離(mm)
例:
n=(1.125x109÷115)1/2
n=3127(3130RMP
注記:計算したRPMは、器具を確認するための出発点として使用されなければならない。十分に特徴付けられた原材料及び確認された器具からのデータを使って、rpmは、前に確認された遠心分離器と同じ結果を提供するようにさらに調整される必要がある可能性がある。
2.RPMの設定を、計算された角速度に調整する。
3.管を遠心分離器に移す。(注記:試料の荷重をつりあわせるために、偶数の試料を分析しなければならない。
4.計算した角速度にて、15分間、管を遠心分離する。
5.15分後に、遠心分離器を惰性運転させ、完全停止させる。(注意:遠心分離器にブレーキをかけると、誤った結果を導く。)
上澄みの測定:
1.遠心分離管を遠心分離器から直ちに取り外し、各チューブから上清を素早く静かに移す。
注意:
・これが、分析における最も重要な工程である。
・ゲルペレットが、不注意に乱され又は取り除かれた場合には、分析をやり直さなければならない。
2.チューブ及び内容物の重量を、±0.01単位で正確に測定し、記録する。
計算
Figure 0004944105
各質量を±0.01gで測定する。各WAI値、三重の試料の平均及び標準偏差を記録する。
2.ラピッドビスコアナライザー(RVA)を使用した粘弾性的特性
参考文献
高速粘度分析器のための適用マニュアル(Applications Manual for the Rapid Visco Analyser)、第1版、ニューポート科学(Newport Scientific)、1998年。
米国穀物化学会(American Association of Cereal Chemists)(AACC)、1995年。ラピッドビスコアナライザーでの米の糊化特性の決定(Determination of the pasting properties of rice with the Rapid Visco-Analyser)。ACC方法61−02、最初の認可(First Approval)10−26−94、承認された分析方法(Approved Methods of Analysis)、第9版、米国穀物化学会(Amer. Assoc. Cereal. Chem.)、ミネソタ州セントポール(St. Paul)。
原理
高速粘度分析器(RVA)は、熱サイクルを受けた試料の粘度特性を測定する。顆粒デンプン試料の温度が上昇すると、顆粒は水を吸収して、当初の大きさの多数倍に膨潤する。デンプンの膨潤は、試料の粘度の増加を伴う。温度の関数としての粘度の挙動は、物質の特性であり、デンプンの調理の程度と相関することが多い。
既知の水分量の試料は、水と混合され、粘度特性は、温度プログラムの関数として測定される。RVAの出力は、粘度−時間曲線である。ピーク粘度、最終粘度、及び糊化温度についてのRVA結果を、各試料について記録する。試料は、二重に分析されなければならず、結果は平均化される。
Figure 0004944105
RVA条件
RVA温度特性は以下のとおりである:
Figure 0004944105
試料重量決定
一定の乾燥重量を与えるよう、試料及び水の重量を、試料の水分含有量に対して補正すべきである。試料水分含有量は、オーブン水分標準法(Oven Moisture Standard Method)又はメトラー水分法(Mettler Moisture Method)のどちらかにて、決定されなければならない(10g、120℃、10分)。
各試料について、調整された試料質量(s)と調整された水質量(w)を決定するために、次の式が使用される。
Figure 0004944105
Figure 0004944105
式中、S=調整されたデンプン重量(g)
C=乾燥デンプン濃度(%)
M=デンプンの実際の水分含有量(%)
W=調整された水の重量(g)
これらの式を使用して試料(S)及び水(W)の量を決定し、分析用に計量する。
試料の調製
1.上の試料重量決定のセクションを使用して分析を行なうために必要な水(W)及び試料(S)の量を決定する。
2.清潔なキャニスターに所望の量の水を0.01g単位で量り入れる。
3.試料を確実に均質に混合する。所望の量の試料を、秤量紙上に0.01g単位で量る。(注記:方法誤差を最小にするためには、正しい量の試料を量ることが重要である。)
4.試料を秤量紙上に残さずに、試料をキャニスターへ慎重に注ぐ。一旦試料が水に入ったら、分析は40秒以内に実行されなければならない。
5.キャニスターに清潔な乾燥したコルクをかぶせ、手で激しく10秒間振る。
6.ストッパーをキャニスターから慎重にすべらせ、全ての試料と水をコルクからキャニスターに移し、パドルブレードで試料を素早くキャニスター壁からこすり下に落とす。(注記:方法誤差を最小にするためには、全ての試料をキャニスターに移動することが重要である。)
7.パドルをキャニスター内に置き、パドルをRVA上に固定し、キャニスターの基部を加熱房の上にて中央に置き、タワーを引き下げ、試験を始める。
8.分析後、タワーが持ち上がる。この試験を現在の分析セッションに加えるために「Yes」を押す。パドル及びキャニスターを除去し、廃棄する。注記:使用の合間に完全に洗浄し、乾燥するならば、RVAキャニスター及びパドルは、最高3回まで使用してもよい。
9.次の試料について実行するために、RVA準備下で、工程4から始めてこのプロセスを繰り返す。
データ分析
ペースト粘度−対−時間のグラフから、標準プロファイルの加熱及び保持サイクル間に得られた最大粘度を読み取る(標準方法)。この最大粘度が、試料のピーク粘度である。
ペースト粘度−対−時間のグラフから、冷却後、試験終了時に得られた粘度を読み取る。前記粘度が最終粘度である。
3.可溶性アミロース%
この発明からのサツマイモ粉は、約1〜約26%、好ましくは約16〜約26%、より好ましくは10%超過の可溶性アミロース含有量%を有する。可溶性アミロースの量は、利用されるサツマイモの多様性(すなわち、高アミロースサツマイモ、又はワックス様サツマイモ等)、及び材料を乾燥するために利用される方法の両方により変化する。例えば、スプレー乾燥を利用して作製されたサツマイモ粉は、ドラム乾燥を利用して作製されたサツマイモ粉と対比して、デンプン損傷が少なく、そのため遊離又は可溶性アミロースが少ない。この発明において可溶性アミロースの量は、生地特性と相互関係するので、重要である。粉中の高可溶性アミロース量は、完成品における強い生地及び良好な質感に結び付く。
ジャガイモの調理及び脱水は、その再水和特性に影響を及ぼすデンプンの変化を取り入れる。試験において測定された溶液特性は、これらの再水和特性に関連する。サツマイモフレークは、塩基溶液中で60℃で30分間攪拌され、遠心分離された後、透明な上清をヨウ素と反応させて、分光光度法で分析する。アミロースは、アミロペクチン−I2錯体からの干渉を回避するために、610nmよりもむしろ700nmにて、ヨウ素錯体として測定される。
範囲
この方法は、特定の試験条件下において、0.1NのNaOH溶液に可溶性であるサツマイモフレークにおけるアミロースの相対量を測定するように設計されている。方法は、広範囲に評価せずに、他のデンプンを有する材料に適用されてはならない。
Figure 0004944105
操作
溶液の調製
A.ヨウ素原液
1.0.500±0.0005グラムのヨウ素を計量ボート上に計り取る。
2.5.000±0.005グラムのヨウ化カリウムを計量ボート上に計り取る。
3.工程1及び2の内容物を、レッド250mLメスフラスコに、蒸留水を使用して移す。蒸留水で体積を合わせる。電磁攪拌棒を溶液内に入れ、1時間攪拌する。
4.光から保護するために、溶液をキャビネット内に置く。
B.ヨウ素試薬溶液
1.ストックヨウ素溶液10mLを、蒸留水で部分的に満たされるレッド1000mLメスフラスコへ、ピペットで入れる。
2.2mLの濃塩酸をレッド1000mLメスフラスコへ、注意深くピペットで入れる。
3.蒸留水で容積まで希釈する。
4.電磁攪拌棒を溶液内に入れ、1時間攪拌する。
5.光から保護するために、溶液をキャビネット内に置く。
6.新鮮な溶液を少なくとも1週間に1回作製する。
標準アミロース物質を使用した標準曲線の準備
1.1.08グラムの参照フレーク(1.08グラムの参照物質は、1グラムの乾燥物質に相当する)を計量ボードに量り入れ、重量を記録する。
2.再ピペットディスペンサー(re-pipette dispenser)を使用して、50mLまでの0.1N NaOHを、0.2L(8オンス)ブレンダー瓶にピペットで入れる。塊にならないように、参照フレークをゆっくり添加する。残りのNaOHを使用し、全ての参照フレークをブレンダー瓶に洗い入れる。(0.1NaOHの最終体積は100mLである)
3.蓋をして、5分間高速でブレンドする。
4.すすがずに内容物を遠心分離瓶に移す。(全ての内容物を移す必要はない。)
5.240.9rad/s(2300rpm)で15分間、遠心分離する。
6.第一希釈剤:5mLの上清を100mLのメスフラスコにピペットで入れ、0.1NのNaOHで容量まで希釈する。よく混合する。
7.第二希釈剤:10mLの上清を100mLのメスフラスコにピペットで入れ、0.1NのNaOHで容量まで希釈する。よく混合する。
8.第三希釈剤:20mLの上清を100mLのメスフラスコにピペットで入れ、0.1NのNaOHで容量まで希釈する。よく混合する。
9.第四希釈剤:50mLの第一希釈剤(工程6から)を100mLメスフラスコにピペットで入れ、0.1NのNaOHで容量まで希釈する。よく混合する。
1mLの各標準を25mLフラスコにピペットで入れ、試料の調製の工程15まで進める。
試料の調製
1.各試料の湿分百分率を測定する。(真空オーブンにおいて70℃で16時間、又は空気オーブンにおいて130℃で3時間。)
2.湿分データ%を得た後、湿分試料を廃棄する。
3.試料0.20±0.005グラムを風袋を量った250mLビーカーに量り入れる。試料の正確な重量を記録する。
4.再ピペットディスペンサー(re-pipette dispenser)を使用して、0.1NのNaOH溶液100mLを試料ビーカーに添加する。(注記:100mLの溶液を正確に供給するために、全ての気泡をディスペンサーから除去する。)
5.磁気攪拌プレート上に置き、時計ガラスを被せる。
6.攪拌機をオンにして、液体内に渦を得る。
7.試料を2分間混合する;その後、ビーカーを攪拌機から除去する。
8.一群の4試料が実施されるならば、この時点でそのままにしておくことができるが、30分間を超えてはならない。
9.試料を60℃(±0.3℃)の湯浴に入れ、タイマーを開始する。各ビーカーに時計ガラスを被せたままにする。浴中の水の水面は、ビーカー内の液体の水面と同じ又はそれより上でなくてはならない。
10.ガラス攪拌棒を使用して、水浴中で10分毎に30分間、試料を穏やかに攪拌する。(各ビーカーにおいて、別個のガラス攪拌棒を使用しなくてはならず、攪拌棒は、30分間溶液中に残しておかなければならない。)
11.30分後、浴から取り除き、すぐに次に進む。
12.溶液をガラス遠心管へ注ぐ。すすがずに、定量的に移すことを試みる。(全部の内容物を遠心管内に移す必要はない。)
13.240.5±10.5rad/s(2300±100rpm)で15±0.5分間遠心分離する。停止まで惰性で進ませる−−ブレーキをかけない。必要であれば、水のみを含有する管を添加して、荷重のバランスをとる。
14.試料を遠心分離器から取り除き、1mLの透明な上清を、25mLメスフラスコに注意深くピペットで入れる。注記:上清が透明でないならば、より大きいrpmで再び遠心分離する。
15.各25mLメスフラスコを、容量まで試薬ヨウ素試薬で希釈する。
16.0.1NのNaOH溶液1mLを25mLメスフラスコへピペットで入れることによって、ブランク溶液を調製する。容量までヨウ素試薬で希釈する。
17.各フラスコをよく振る。最低10分、最高30分待ち、溶液の吸光度を測定する。
比色定量
1.分光分析装置をオンにして、少なくとも30分間暖めなければならない。
2.波長を700nmに設定する。
3.使い捨てキュベットに蒸留水を充填し、該キュベットを器具内に置き、「ブランク」ボタンを押す。
4.別の使い捨てキュベットにブランク溶液を充填し、該キュベットを器具内に置き、「試料」ボタンを押す。今後の計算目的のために、この吸光度値を記録する。
5.各試料を分析するために、別の使い捨てキュベットに所望の溶液を充填し、該キュベットを器具内に置き、「試料」を押す。各試料について、吸光度値を記録する。
6.全試料を分析した後、溶液を十分な水でシンクに洗い流し、ゴミ箱にキュベットを捨てる。
7.通常の実践では、吸光度は、0.020〜0.800吸光度単位内に入る。吸光度がより大きい場合、重量がより小さい第二の試料を再び量り、もとに戻る。
計算
1.グラム/100mL標準濃度をX軸線に、700nmにおける吸光度をy軸線に使用して、エクセル内に、又は方眼紙上にカーブをプロットする。項目0.31は、実験的に決定される。
2.直線勾配、Y切片、及び相互関係を決定する。
第一希釈剤[g/100mL]=アミロース重量×(5/100)
第二希釈剤[g/100mL]=アミロース重量×(10/100)
第三希釈剤[g/100mL]=アミロース重量×(20/100)
第四希釈剤[g/100mL]=アミロース重量×(5/100)×(50/100)
3.
Figure 0004944105
Figure 0004944105
4.チップ密度試験手順
スナックの密度は、スナックの質感及び食味に関連し得る。製品の密度が低くなると、製品の質感及び食味は軽くなる。押出成形されたスナックのような低密度製品は、溶けが遅い食味及びあるレベルの歯への詰まり(tooth-packing)を有し得る。ジャガイモ及びトルティーヤスナックのような製品は、高密度を有し、特徴のあるザクザクとした(crunchy)質感及び溶けが速い食味を有する。直接揚げたサツマイモスナックは、高いザクザク感(crunchiness)及びパリパリ感(crispiness)を有する製品を当初に意味する密度の高い(質感を有する。環境に露出した後、これらのスナックは、すぐに水分を吸収し、ザクザク感(crunchiness)/パリパリ感(rispiness)を失い、ふやける。
本発明のサツマイモ製品は、ジャガイモ及びトルティーヤスナックと同様の密度を有するが、(低い吸水指数により示されるように)より凝縮した質感、及びより速い溶解を有する。本発明の製品は、トルティーヤ又はジャガイモスナックからの望ましい特質を供給する独自のパリパリ感(crispiness)及び食味、並びにリッチなサツマイモ風味を持つ向上されたザクザク感(crunchiness)及びパリパリ感(crispiness)を有する。本発明の製品は、約0.6g/mL〜約2.0g/mL、好ましくは約0.7g/mL〜約1.5g/mL、より好ましくは約0.8〜約1.0g/mLの範囲である。密度は、以下の方法により測定することができる。
密度測定
機器
1.破損していないスナック片を入れるのに十分な大きさの開口部を有するメスシリンダー。
2.天秤
3.グリセリン(P&Gケミカル(P&G Chemicals)、オハイオ州シンシナティー(Cincinnati))。
手順
1.メスシリンダーの風袋を計る。
2.メスシリンダーに、最上部の目盛り線までグリセリンを満たす。満たされたメスシリンダーに気泡が含有されないようにする。
3.グリセリンが満たされたメスシリンダーを計量し、グリセリンが満たされたメスシリンダーの質量を100分の1グラム単位で記録する。これは、メスシリンダー内のグリセリンの質量である=mク゛リセリン
4.メスシリンダーからグリセリンをあけて空にして、空にしたメスシリンダーを洗浄する。
5.上の工程4で得られるきれいなメスシリンダーの風袋を計る。
6.約20グラムの破損していない試験製品をメスシリンダーに入れる。
7.試験製品を含有するメスシリンダーを計量し、その質量を100分の1グラム単位で記録する。これは、メスシリンダー内の試験製品の質量である=m試験製品
8.試験製品を含有するメスシリンダーに、最上部の目盛り線までグリセリンを満たす。満たされたメスシリンダーに気泡が含有されないようにする。
9.上の工程8を実施してから5分以内に、試験製品及びグリセリンを含有するメスシリンダーを計量し、試験製品及びグリセリンを含有するメスシリンダーの質量を100分の1グラム単位で記録する。これは、メスシリンダー内の試験製品及びグリセリンの質量である=m試験製品+グリセリン
10.工程9のメスシリンダーを空にし、洗浄する。
11.新しいグリセリン及び試験製品を使用して、上の工程1〜10を更に2回繰り返し、試料毎に合計3つの測定値を得る。
12.試料の3つの測定値を平均して、次を得る:
・平均m1ク゛リセリン
・平均m試験製品
・平均m試験製品+ク゛リセリン
計算
ρク゛リセリン=1.2613g/mL(グリセリンの密度、文献値)
平均V1ク゛リセリン=(平均m1ク゛リセリン)/(ρク゛リセリン)=シリンダーの体積
平均m2ク゛リセリン=平均m試験製品+ク゛リセリン−平均m試験製品
平均V2ク゛リセリン=(平均m2ク゛リセリン)/(ρク゛リセリン)
平均V試験製品=平均V1ク゛リセリン−平均V2ク゛リセリン
SV試験製品=(平均V試験製品)/(平均m試験製品)
ρ試験製品=1/SV試験製品
4.脂肪分析%
チップ中の総油脂の百分率は、食品業者に既知の標準手順にて測定することができ、好ましくは、総油脂は、酸加水分解により測定される。特に、酸加水分解により総油脂を測定するための方法は、AOACインターナショナル(International)(2000)第17版AOACインターナショナル(International)、米国、メリーランド州、ガイサーズバーグ(Gaithersburg)、公式方法922.06、954.02に見ることができる。
6.チップ破壊強度
破砕強度は、チップを砕くのに必要な力の測定値である。破砕強度は、スナックの強度、及び食味に関係する。破砕強度が高いほど、チップのザクザク感(crunchiness)及びパリパリ感(crispiness)は高くなる。本発明のサツマイモスナックは、直接揚げたサツマイモスライスと同様な値の破壊強度を示す。本発明の製品は、ジャガイモスナック製品よりも高い破砕強度を有する。本発明のサツマイモチップは、破壊強度(グラム重量)を有する。本発明のチップ破壊は、約400gf〜約900gf、より好ましくは約500gf〜約800gfである。破砕強度は、以下の方法で測定することができる。
機器
テキスチャー・テクノロジー(Texture Technologies)(ニューヨーク州スカースデール(Scarsdale))からの、5kgロードセルを備えたTA−XT2iテキスチャー・アナライザー
方法
1.プローブ及び抵抗力較正が、分析前に、毎日完了される。
2.電子キャリパーで測定してギャップ20.30mmを有し、局面を下方に向けた、調節可能な3点屈曲部(bend)/スナップ(snap)設備上に、試料を置く。試料を破壊するために、平らな3mm端を有するナイフブレードが使用される(TA−43、テキスチャー・テクノロジー(Texture Technologies))。
3.以下の設定が使用される:
a.圧縮下で抵抗力を測定する
b.試験前速度:1.5mm/s
c.試験速度:0.5mm/s
d.試験後速度:10.0mm/s
e.距離:5.0mm
f.制動力:5.0g
4.亀裂及び破損がないチップのみを分析する。チップは、分析まで密封容器に保存される。
5.データを分析するために、以下のマクロが使用された:
a.明確なグラフ結果
b.書き直し
c.前方を探索する
d.最小限の時間へ進む
e.正の絶対値(抵抗力)へ進む
f.抵抗力の値(硬さ)を選び、値を記録する
g.距離の値(破砕可能性)を選び、値を記録する
6.15回の実行の平均が破砕強度として使用される。
7.シート強度試験
引張り試験は、生地シートの引張り強度を測定する機械的応力−歪み試験である。生地細片を、その端部で試験機械上に取り付ける。生地細片を、生地が破断するまで一定速度で伸長させる。生地が破断するときの力(g)が、生地の引張り強度である。引張り試験の出力を、力/荷重VS距離/時間として記録する。シート強度は、次の方法により測定することができる。
機器
ステーブルマイクロシステムズ社(Stable Micro Systems)製テキスチャーアナライザーTA−XT2又はTA−XT2i(25kgのロードセル能、テキスチャーエキスパートエクシードソフトウェア(Texture Expert Exceed Software)及び5kgの較正重量)
以下の交換部品を有するインストロンエラストマーグリップ(Instron Elastomeric Grips)(カタログ番号2713−001):
a.)内部スプリング(インストロン部品番号66−1−50)を直径0.5842mmのワイヤから作製されたスプリングに交換する。交換用スプリングは、長さが3.81cm、内径が0.635cm、係数Kが0.228N/mmでなければならない。前記交換用スプリングは、ジョーンズスプリング社(Jones Spring Company)(米国、ケンタッキー州、ワイルダー(Wilder))から入手することができる。
b.)インストロン部品番号T2−322を、図8及び図9に示されるように、変形ローラープレーン(roller plain)に交換する。前記変形ローラープレーンは、該ローラープレーンの外表面上に、長さ4.412cm、幅0.9525cmの平らな側部を有するように機械加工された、インストロンストック(Instron Stock)パート#T2−322である。前記平らの側部を、アームストロング自己接着式テープ#Tap18230で覆い、グリップ(Grip)のクランプフレーム下降装置(Clamp Frame Lower)(インストロン部品番号A2−1030)の試料側に平行に置く。インストロン弾性グリップは、テキスチャーアナライザーの上面と底に固定される。
試料の調製
1.0.38mm〜2.50mmの範囲の均一な厚さ、及び少なくとも20cmの長さを有する生地シートを収集する。
2.生地シートから試料を切断して、幅2.5cm、長さ15cmの生地細片を形成する。細片の15センチの長さは、その生地の縦方向に対応するべきである。全細片を連続的に切断する。
3.試料を気密容器内に置くことによって、試料から水分が失われるのを防ぐ。試料が新鮮な間に確実に分析されるように、収集後10分以内に試料を分析しなければならない。
Figure 0004944105
データ分析
試料のシート引張り強度とは、試料が破断する前の最大抵抗力である。生地のシート引張り強度は、5つの試料のシート強度の平均値である。
E.実施例
本発明の特定の実施形態を以下の非限定例によって説明する。
(実施例1、2)
以下の例は、本発明のサツマイモ粉組成物の物理的特性を説明する。
Figure 0004944105
(実施例3、4)
生地組成物を、以下の表2に示されたドライブレンドから調製する。実施例3の生地組成物は、65%ドライブレンド及び35%添加水を含む。全成分をタービライザー(Turbulizer)(登録商標)ミキサーでブレンドし、ゆるい(loose)乾燥生地を形成する。
1対のシート化ロールに連続的に送り込むことによって生地をシート状にし、小さな穴のない、弾性連続シートを形成する。シートの厚さを、約0.05cm(0.02インチ)に制御する。バックロールは約32℃(90°F)に加熱され、フロントロールは約57℃(135°F)に加熱される。
次に、生地シートを楕円形片に切り、望ましい仕上がりが得られるまで、拘束された揚げ型内で、約204℃(400゜F)で揚げる。揚げ油は、綿実油とコーン油の50/50ブレンドである。揚げた切片は、約20〜25%の油脂を含有する。
これらの製品は、パリパリとした(crisp)質感、口内での早い溶け、及び甘くこんがり揚げた(brown)複合風味を有する。
実施例4の生地組成物は、65%のドライブレンド、2%の乳化剤、及び33%の添加水を含む。全成分を、シュテファン(Stephan)又はホーバート(Hobart)バッチ生地ミキサーでブレンドし、ゆるい(loose)乾燥生地を形成する。
1対のシート化ロールに連続的に送り込むことによって生地をシート状にし、小さな穴のない、弾性連続シートを形成する。シートの厚さを、約0.064cm(0.025インチ)に制御する。バックロールは約10℃(50°F)に加熱され、フロントロールは約35℃(95°F)に加熱される。
その後、生地シートを楕円形片に切り、浸水領域が続く初期フリーフロート領域を含むオープン標準フライヤーで約157℃(315゜F)で約50秒間揚げる。揚げ油は、綿実油とコーン油の50/50ブレンドである。揚げた切片は、約25〜30%の油脂を含有する。
Figure 0004944105
参考文献の引用
「発明を実施するための最良の形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれているが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることの容認であると解釈すべきではない。

Claims (12)

  1. 黄色サツマイモ粉、橙色サツマイモ粉、およびそれらの組合せからなる群から選択されたサツマイモ粉末ならびにサツマイモフレークを含むサツマイモ粉組成物を含む生地を揚げることにより作製される、サツマイモスナックチップ。
  2. 約0.6g/mL〜約2.0g/mL、好ましくは約0.7g/mL〜約1.5g/mL、より好ましくは約0.8〜約1.0g/mLのチップ密度を有する、請求項1に記載のサツマイモスナックチップ。
  3. 約400gf〜約900gf、より好ましくは約500gf〜約800gf、より好ましくは約600gf〜約700gfのチップ破壊強度を有する、請求項1に記載のサツマイモスナックチップ。
  4. 揚げる前に生地をシートに形成し、生地シートが、約80gf〜約350gf、好ましくは約120gf〜約280gf、より好ましくは約160gf〜約230gfのシート強度を有する、請求項1に記載のサツマイモスナックチップ。
  5. 生地が、0重量%〜約20重量%、好ましくは0重量%〜約10重量%、さらにより好ましくは0重量%〜約7.5重量%のマルトデキストリンを更に含む、請求項1に記載のサツマイモスナックチップ。
  6. サツマイモ粉組成物が、約3.5〜約10のWAIを有する、請求項1に記載のサツマイモスナックチップ。
  7. サツマイモ粉組成物が、約5%〜約20%が#40ふるい上に残り、約30%〜約50%が#100ふるい上に残り、約10%〜約40%が#200ふるい上に残る粒径分布を有する、請求項1に記載のサツマイモスナックチップ。
  8. サツマイモ粉組成物が、約50%が#100ふるい上に残る粒径分布を有する、請求項7に記載のサツマイモスナックチップ。
  9. サツマイモ粉組成物が、約5RVU〜約130RVUのピーク粘度を有する、請求項1に記載のサツマイモスナックチップ。
  10. 生地が、生地の0.5重量%〜約8重量%、好ましくは約2重量%〜約7重量%、より好ましくは約3重量%〜約5重量%の濃度で乳化剤を更に含む、請求項1に記載のサツマイモスナックチップ。
  11. 黄色サツマイモ粉、橙色サツマイモ粉、およびそれらの組合せからなる群から選択されたサツマイモ粉末ならびにサツマイモフレークを含むサツマイモ粉組成物を含む生地を調理することにより作製される、サツマイモスナックチップ。
  12. 生地が、押出成形、ベーキング、又はこれらの組み合わせにより調理される、請求項11に記載のサツマイモスナックチップ。
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