JP4943940B2 - 直線運動型免震装置 - Google Patents

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Description

本発明は土木・建築構造物全般において、免震装置で支持される橋梁の橋桁、免震建物、あるいは構造物内の一部の床に使用される免震床等のように橋脚、基礎、躯体床等の下部構造の振動遮断のために使用される免震装置であり、特に直線運動型の免震装置に関するものである。
例えば建物自体、または建物内の精密機器等を地震時に保全するための免震建物や免震床は基礎やスラブ等の下部構造の上に設置される免震装置上に上部構造の基礎や床パネル等の上部構造を支持させることにより構成される。下部構造が発生する振動は免震装置によって上部構造が下部構造から絶縁させられることにより上部構造へ伝達されることなく、遮断される。
特にコロ(円柱状の回転体)を用いた転がり支承型の免震装置ではフレームを3段重ねにし、隣接する上下各2段のフレーム間に、コロを水平1方向に向けて配置し、3段重ねのフレーム全体でコロを水平の2方向に向けて配置することが行われる(特許文献1参照)。複数個のコロは間隔保持材によって1方向に移動自在に保持されたまま、フレームに直線状に形成される凹部等のレールに配置されることにより、コロの軸方向の移動が拘束された状態に保持される。
転がり支承型免震装置は単独では上下に隣接するフレーム間の水平方向の相対移動後の復元機能を持たないことから、上下に隣接するフレーム間に相対移動が生じたときにフレームに復元の機能を持たせるために、特許文献1のようにコロが入り込む凹部等を下に凸の曲線状に湾曲させる等の工夫を必要とする。
コロを挟んで上下に重なる2枚のフレームが相対移動した後に原位置に復元させる方法としてはコイルスプリングを用いる方法が一般的である(特許文献2〜5参照)。ところが、これらのように軸方向の伸縮のみが生ずるようにコイルスプリングを配置し、その復元力を利用する方法ではコイルスプリングの変形量と復元力の関係が線形になることから、コイルスプリングに変形が生じている間は常に変形と逆向きの復元力が発生するため、原位置に復帰させるまでの終息に長時間を要する難点がある。
またコイルスプリングを軸方向に伸縮させる形でのみ使用する場合、コイルスプリングは固有振動数を有することから、コイルスプリングの固有振動数がフレームの振動数と一致した場合にフレームを原位置に復帰させるどころか、共振によりフレームの振動を増幅させる可能性がある。
軸方向に伸縮させながら、その一端の回りに回転できるような形でコイルスプリングを使用すれば(特許文献6参照)、コイルスプリングの変形量と復元力の関係がサインカーブ的になり、固有振動数を持たない使用状態になるため、フレームとの共振を回避し、上下のフレームの相対移動を早期に終息させることができる利点がある。
しかしながら、特許文献6のように軸方向に伸縮させながら、その一端の回りに回転できるようにコイルスプリングを使用する場合には、コイルスプリングの固定端の反対側の端部が直線軌道上を移動できるようにガイド棒と、それに沿って走行できるスライダを設置することが必要である。
その上、上下のフレーム間に平面上の任意の方向に相対移動が生じてもコイルスプリングの他端が直線軌道上を移動できるようにするためにスライダとフレームとの間に滑車を経由させてワイヤを張架することが必要になり、復元機能を持たせるための免震装置の構成要素が多くなる。
また支承体としてコロを用いた場合に、コロが円滑に転がるには、抵抗を減らすためにコロが凹部内に納まった状態でコロの両端面と凹部の側面との間にある程度のクリアランスを確保することが必要とされる(特許文献7参照)。
ところが、特許文献7の場合、図18−(a)に示すようにコロの軸を水平に向けて配置することによって、上下のフレーム間に捩じりモーメントが作用したときにクリアランスの範囲内でコロが無秩序に回転変位しようとする。この結果、(b)に示すように凹部の幅方向を向いているコロの軸が(c)に示すように凹部の幅方向に対して不規則に傾斜するため、コロの回転運動(転動)が阻害され、免震の機能が果たせなくなる可能性がある。
捩じりモーメントによるコロの無秩序な回転変位を防止するにはコロの端面と凹部の側面との間のクリアランスをなくせばよいが、長い棒を切断してコロを製作する関係上、全コロの切断面(端面)の、軸に対する直角性を維持することが難しい。このため、コロの端面に製作誤差が生ずることは避けられず、凹部に生ずる製作誤差と併せ、全コロの端面を凹部の側面に完全に面接触させること、すなわちコロ端面と凹部側面との間のクリアランスを完全になくすことは不可能に近い。
従ってコロを両端面から拘束する以上、結果的にクリアランスはどうしても残り、このクリアランスの存在によって上下のフレーム間に捩じりモーメントが作用したときにコロに不規則な傾斜を発生させることになる。
そこで、出願人は先に特許文献6のコイルスプリングの特性を生かし、その特性を発揮させるための周辺部材を不要にしつつ、捩じりモーメントに対するコロの安定性を高めた直線運動型免震装置を提案している(特許文献8参照)。
特開平11−173376号公報(図1、図2) 特開平6−136923号公報(図1) 特開平6−288073号公報(図2) 特開平7−71109号公報(図2) 特開平9−112011号公報(図3〜図5) 特開2000−337437号公報(図2、図3) 特開2004−225848号公報(段落0048〜0054、図1〜図5) 特開2006−037992号公報(図1〜図6)
この特許文献8の免震装置は下部回転体と上部回転体の軸を水平に対して傾斜した状態に保つことにより、両回転体を一方の端面のみで軸方向に拘束できるようにしている。拘束される一方の端面とフレームの凹部との間の隙間をなくすことで、上下のフレーム間に作用する捩じりモーメントに対して回転体の安定性を高めることを可能にしている。
しかしながら、特許文献8の免震装置の本体を構成するフレームは実際には形鋼等の鋼材の組み合わせから形成されることから、フレーム自体の製作が複雑である上、免震装置本体の質量が人力では運搬できない程度の大きさを持ち、取り扱い易さに難がある。
本発明は特許文献8の免震装置を更に発展させてなされたもので、軽量化を図り、取り扱い易さを向上させた形態の直線運動型免震装置を提案するものである。
請求項1に記載の発明の直線運動型免震装置は、
ベースと、ベース上に、ベースに対して水平の1方向に相対移動自在に支持される下部テーブルと、下部テーブル上に、下部テーブルに対し、前記1方向に交差する水平方向に相対移動自在に支持される上部テーブルと、
ベースと下部テーブル間に介在し、下部テーブルを前記水平の1方向に相対移動自在に支持する、軸が水平に対して傾斜した状態にある円柱状の下部回転体と、
下部テーブルと上部テーブル間に介在し、上部テーブルを前記1方向に交差する水平方向に相対移動自在に支持する、軸が水平に対して傾斜した状態にある円柱状の上部回転体とを備える免震装置において、
前記ベースの上面と前記下部テーブルの下面に、幅方向両側が折り曲げられた形状の下部支持材と上部支持材が、それぞれの折り曲げ部分において互いに対向する側を向いた状態で接合され、前記下部テーブルの上面と前記上部テーブルの下面に、幅方向両側が折り曲げられた形状の下部支持材と上部支持材が、それぞれの折り曲げ部分において互いに対向する側を向いた状態で接合され、
前記ベースと前記下部テーブル間で対向する前記下部支持材と前記上部支持材の各折り曲げ部分のいずれか一方に、前記ベースと前記下部テーブル間の相対水平移動を許容する下部ローラが軸支され、他方に、前記ベースと前記下部テーブルが分離する向きに前記下部ローラが係止しながら転動する受け材が形成されると共に、
前記下部テーブルと前記上部テーブル間で対向する前記下部支持材と前記上部支持材の各折り曲げ部分のいずれか一方に、前記下部テーブルと前記上部テーブル間の相対水平移動を許容する上部ローラが軸支され、他方に、前記下部テーブルと前記上部テーブルが分離する向きに前記上部ローラが係止しながら転動する受け材が形成され、
前記ベースと前記下部テーブル間の前記下部支持材と前記上部支持材の各対向する面に、前記下部回転体が転動する下部レールと上部レールがそれぞれ接合され、前記下部テーブルと前記上部テーブル間の前記下部支持材と前記上部支持材の各対向する面に、前記上部回転体が転動する下部レールと上部レールがそれぞれ接合されていることを構成要件とする。
前記した3段重ねに配置される3枚のフレームの内、請求項1ではベースが最も下に位置するフレームに相当し、下部テーブルが中間のフレームに相当し、上部テーブルが最上部のフレームに相当する。地震等の振動の発生時には下部テーブルはベースに対して水平の1方向に直線運動し、上部テーブルは下部テーブルに対して前記1方向に交差する水平の1方向に直線運動する。結果的に上部テーブルはベースに対しては任意の水平方向に相対移動する。以下、場合によりベースと下部テーブル、上部テーブルを総称してフレームと呼称することがある。
請求項1では免震装置の主体となる3段重ねの3枚の全フレームが鋼板からなることで、例えば形鋼等の鋼材から組み立てられる場合よりフレームの構成自体が簡素化され、後述のレールや、ローラを支持する支持材及びローラが係止する受け材等の部品の固定を含めた製作が単純化される。また免震装置の主体である全フレームが鋼板の曲げ加工により成型されることで、フレーム自体の剛性も向上するため、免震装置自体が振動を発生する可能性が低下する。
フレームは例えば1枚の鋼板の一方向の両側を曲げ加工することにより、それ以外の部分に後述のレールと支持材及び受け材の他、回転体群の端面が係止する被係止材、並びに回転体等を収納する空間を確保した形で製作される。また鋼板の組み合わせによって免震装置を製作することができるため、製作に要するコストを削減することが可能である。曲げ加工は冷間、または熱間で行われる。
上下のフレームであるベースと上部テーブルは1枚の鋼板を折り曲げ加工することにより成型され、中間のフレームである下部テーブルもベースと上部テーブルと同様に1枚の鋼板を折り曲げ加工することにより成型可能である。但し、例えばベースと上部テーブルを1枚の鋼板から鋼板ユニットとして成型しておくとすれば、中間の下部テーブル2枚の鋼板ユニットを背中合わせに接合することにより成型されることになる。
ベースと下部テーブルの対向する面、及び下部テーブルと上部テーブルの対向する面のそれぞれにはレールが固定され、各対向する面の少なくともいずれか一方に回転体群の端面が係止する被係止材が固定される。このことから、請求項1ではフレームの本体を構成する鋼板にレールと被係止材が付加されることで、フレーム本体の剛性及び強度が高められる。このため、鋼板自体を薄肉化することができ、フレームの軽量化を図ることが可能になり、取り扱い易さが向上し、併せて低廉化も図られる。
前記ベースと前記上部テーブルの本体が1枚の鋼板から同一形状に形成され、前記下部テーブルが前記ベース、または前記上部テーブルの本体を構成する前記鋼板が2枚、背中合わせに接合されて形成されている場合、1枚の鋼板から構成されるベースの本体と、同じく1枚の鋼板から構成される上部テーブルの本体が同一形状であることで、ベースと上部テーブルの形態が統一されるため、構成要素の規格化により免震装置の製作の効率化を図ることが可能になる。
下部テーブルはベースや上部テーブルの本体を構成する鋼板を2枚、背中合わせに接合して形成されるため、免震装置の製作には2種類の鋼板が用意されればよいことになる。
この場合、同一形状に形成された鋼板にレールを付加した鋼板ユニットを4枚用意すれば、免震装置を構成することができ、免震装置の構成要素が統一(規格化)されるため、構成要素が相違する場合より製作効率が向上する。また免震装置を構成する3枚のフレームの形態が統一されることで、相違する場合より部品の種類、及び部品点数が削減されるため、製作コストの一層の低減を図ることが可能になる。
前記下部回転体と前記上部回転体がそれぞれ転動する方向に直交する方向に、軸が互いに交差した状態で二列並列し、その列毎に転動する方向に複数個配列して一組の回転体群を構成し、
前記ベースと前記下部テーブルの対向する面、及び前記下部テーブルと前記上部テーブルの対向する面のそれぞれに、軸が互いに交差している前記一組、二列の回転体群が同時に接触するレールが形成、もしくは固定され、
前記二列の回転体群が同時に接触する前記レールが鋼板から成型され、前記ベースと前記下部テーブルの対向する面、及び前記下部テーブルと前記上部テーブルの対向する面のそれぞれに固定されている場合、免震装置の全構成要素に占める鋼板の割合が増すため、免震装置の製作がより単純化される。
この場合、下部回転体と上部回転体がそれぞれ二列の回転体群が集合して一組になるため、上下のフレームの相対移動時には一組の回転体群がまとまって上下のフレームに形成、もしくは固定されたレールに接触して転動する。レールはベースと下部テーブルの対向する面の双方、及び下部テーブルと上部テーブルの対向する面の双方に形成、もしくは固定される。
転動時の一組の回転体群の安定性を確保する上で、レールの、一組となった二列の回転体群の両側位置に、回転体群の端面が係止する被係止材が形成、もしくは固定されることもある。
その場合、下部回転体と上部回転体が端面において被係止材に係止したまま、転動する。被係止材は二列の回転体群の幅方向両端面の内、少なくともいずれか一方の端面に係止する位置のフレームに固定される。被係止材は対向するレールの少なくともいずれか一方側に配置される。
二列の回転体群は一組になって転動するために、回転体数分の開口を有するガイド板に保持されるが、回転体群の両端がガイド板の開口に拘束される場合には被係止材を形成等することは必ずしも必要でない。被係止材が形成される場合、下部回転体と上部回転体は端面において被係止材に係止することで、回転体の軸が傾斜することによる降下、または浮き上がりに対して拘束される。
下部回転体と上部回転体からなる二列の回転体群が集合して一組になる場合、回転体群が複数集合しても支承としての下部回転体と上部回転体が上下のフレーム間に占有する面積が抑えられる。
このため、一組になる回転体群を上下のフレーム間に複数組配置することが可能になり、使用状態でのフレームの安定性を高めることが可能になる。また回転体群の配置数を増しながらも、免震装置自体の平面積を小さく抑えることが可能である。
下部回転体と上部回転体からなる二列の回転体群が集合して一組になる場合にはまた、各列の回転体群の軸が互いに交差することで、全回転体群が転動中、常に端面においてレールの両側、またはレールとガイド板に接触する状態を得ることができるため、転動中の安定性が図られ、がたつきが回避される。
下部回転体と上部回転体は軸が水平に対して傾斜した状態で上下のフレーム間(ベースと下部テーブル間、または下部テーブルと上部テーブル間)に介在することで、図17−(a)に示すように下側のレールには下側の母線と下側の端面の一部で接触する。上側のレールには上側の母線と上側の端面の一部で接触し、平常時と、上下のフレームの相対移動時、すなわち鉛直荷重負担時には上側の母線と端面に下側のレールから鉛直下向きの荷重P1、P2を受け、下側の母線と端面にベース2から鉛直上向きの反力R1、R2を受ける。
各母線と各端面に作用する鉛直方向の力P1、P2 、R1、R2は母線と端面に垂直な成分と平行な成分に分けられ、各垂直な成分P11とR11、P21とR21は互いに向き合うため、回転体は四方から拘束された状態に置かれる。
この結果、回転体は一方の端面において下側のレールの側面に常に接触し、他方の端面において上側のレールの側面に常に接触するため、回転体の両端面とレールの側面との間のクリアランスを完全になくすことができ、鉛直荷重負担時における回転体の絶対的な安定性が確保される。鉛直荷重を負担した状態で上下のフレーム(ベースと下部テーブル、または下部テーブルと上部テーブル)が相対移動したときの回転体の直進運動性も確保され、ガタつきが解消される。
鉛直荷重負担時に、回転体が一方の端面において下側のレールの側面に常に接触し、他方の端面において上側のレールの側面に常に接触することで、上下のフレームのそれぞれにおいて回転体の直進運動を規制する上で、その一方の端面のみをガイドすればよいことになる。
上側のフレームと下側のフレーム間に捩じりモーメントが作用し、回転体の上側の母線、または端面に上側のレールから水平力Q1、Q2が作用したときには図17−(b)に示すように下側の母線、または端面に下側のフレームから水平反力H1、H2を受ける。水平力Q1、Q2と水平反力H1、H2は母線と端面に垂直な成分と平行な成分に分けられ、各垂直な成分Q11とH11、Q21とH21は互いに向き合うため、回転体は四方から拘束された状態に置かれる。
この結果、回転体は一方の端面において下側のレールの側面に常に接触し、他方の端面において上側のレールの側面に常に接触するため、回転体の両端面とレールの側面との間のクリアランスを完全になくすことができ、水平荷重負担時の回転体の安定性が確保される。水平荷重負担時に下側のフレームと上側のフレームが相対移動したときの回転体の直進運動性も確保され、ガタつきが解消される。
水平荷重負担時にも回転体が一方の端面において下側のレールの側面に常に接触し、他方の端面において上側のレールの側面に常に接触することで、上下のフレームのそれぞれにおいて回転体の直進運動を規制する上で、その一方の端面のみをガイドすればよいことになる。
以上の通り、回転体は軸が水平に対して傾斜した状態で上下のフレーム間に介在することで、鉛直荷重負担時と水平荷重負担時のガタつきが解消されるため、ベースと下部テーブル間、及び下部テーブルと上部テーブル間に相対移動が生ずるときには下部回転体と上部回転体が常に直進運動をすることが可能になる。
以上のように、下部回転体と上部回転体の軸が水平に対して傾斜した状態に保持されることにより、下部回転体と上部回転体が一方の端面のみで軸方向に拘束されることになり、拘束される一方の端面とフレームの凹部との間の隙間がなくなり、上下のフレーム間に作用する捩じりモーメントに対して下部回転体と上部回転体の安定性が高まる。
また下部回転体及び上部回転体の上側の母線、または端面に上側のレールから水平力Q1、Q2が作用したときに下側の母線、または端面に下側のレール水平反力H1、H2を受けることで、下部回転体を介しての下部テーブルとベース間、及び上部回転体を介しての上部テーブルと下部テーブル間の水平力の伝達も確実に行われることになる。
下部回転体と上部回転体が直進運動、すなわち転動するときには軸の水平に対する傾斜角度が大きい程、端面が受ける反力が大きくなるため、安定性が高まる。反面、傾斜角度が大きくなれば端面が受ける反力の垂直成分に比例した摩擦力が大きくなり、円滑な転動に支障が生ずることから、軸の傾斜角度は転動時の安定性と円滑さの両面から決められる。但し、軸が僅かでも水平に対して傾斜していれば、下部回転体と上部回転体は四方から圧力を受けて安定することができ、円滑な転動も確保されるため、軸の傾斜角度は小さい方がよい。
上側のフレームと下側のフレーム間に相対移動が生じたとき、その移動量によっては上側のフレームの重心が下側のフレームの平面外に張り出すことが想定され、それに伴い、鉛直荷重を負担している上側のフレームが下側のフレームに対して傾斜する、または落下することが想定される。
このような事態に対しては請求項に記載のように対向する上側のフレームと下側のフレームに傾斜防止のためのローラを軸支させることにより対応可能となる。ローラは上側のフレームが下側のフレームに対して最大限移動したときにも他方側に係止することにより上側のフレームの傾斜を阻止し、下側のフレームからの落下や離脱を防止する。
具体的には前記の通り、前記ベースの上面と前記下部テーブルの下面に、幅方向両側が折り曲げられた形状の下部支持材と上部支持材が、それぞれの折り曲げ部分において互いに対向する側を向いた状態で接合され、前記下部テーブルの上面と前記上部テーブルの下面に、幅方向両側が折り曲げられた形状の下部支持材と上部支持材が、それぞれの折り曲げ部分において互いに対向する側を向いた状態で接合され、
前記ベースと前記下部テーブル間で対向する前記下部支持材と前記上部支持材の各折り曲げ部分のいずれか一方に、前記ベースと前記下部テーブル間の相対水平移動を許容する下部ローラが軸支され、他方に、前記ベースと前記下部テーブルが分離する向きに前記下部ローラが係止しながら転動する受け材が形成される。
また前記下部テーブルと前記上部テーブル間で対向する前記下部支持材と前記上部支持材の各折り曲げ部分のいずれか一方に、前記下部テーブルと前記上部テーブル間の相対水平移動を許容する上部ローラが軸支され、他方に、前記下部テーブルと前記上部テーブルが分離する向きに前記上部ローラが係止しながら転動する受け材が形成される。
この場合において、下部ローラを軸支する下部支持材と上部支持材のいずれかと、上部ローラを軸支する下部支持材と上部支持材のいずれか、及び下部ローラと上部ローラが係止する受け材が1枚の鋼板から成型されれば、免震装置の全構成要素に占める鋼板の割合が更に増すため、免震装置の製作が一層単純化される
ベースと下部テーブル間、及び下部テーブルと上部テーブル間に、レールと下部回転体及び下部回転体を収納するための空間以外に空間が確保される場合には、請求項に記載のようにそれぞれの間にばねが架設されることもある。ばねはベースと下部テーブル間、及び下部テーブルと上部テーブル間の相対移動方向に交差する方向、例えば相対移動方向に直交する方向に架設され、それぞれの間に相対移動が生じたときに独立して伸長し、復元力を発揮する。各ばねの両端はベースと下部テーブル、下部テーブルと上部テーブルにそれぞれ接続される。
この場合、下部テーブルはベースに対しては水平1方向にのみ相対移動自在であるため、両者間に架設されたばねの下部テーブル側の端部は下部テーブルの相対移動時にその移動方向である直線軌道上を移動する。同様に上部テーブルは下部テーブルに対し、前記水平1方向に交差する水平方向にのみ相対移動自在であるため、ばねの上部テーブル側の端部も上部テーブルの相対移動時にその移動方向である直線軌道上を移動する。
上部テーブルがベースに対して任意の水平方向に相対移動自在でありながら、下部テーブルとベース間に架設されるばねの下部テーブル側の端部の移動が直線運動に規制され、上部テーブルと下部テーブル間に架設されるばねの上部テーブル側の端部の移動も直線運動に規制される。このため、それぞれのばねの一端を直線運動させる目的で、ガイド棒とスライダ及び滑車とワイヤを設置することは必要でない。
ばねの一端が直線軌道上を移動することで、ばねの変形量と復元力の関係がサインカーブ的になるため、上下のフレームの相対移動を早期に終息させることが可能になる。併せてばねが固有振動数を持たない使用状態にあるため、下部テーブルや上部テーブルの振動を増幅させることもない。
下部テーブルと上部テーブルがベースに対して相対移動を生じていない平常状態では下側のばねは下部テーブルのベースに対する相対移動方向のいずれの向きの移動にも追従できるよう、軸が下部テーブルの相対移動方向に直交する方向等、交差する方向を向く。上側のばねも同様に上部テーブルの下部テーブルに対する相対移動方向のいずれの向きの移動にも追従できるよう、軸が上部テーブルの相対移動方向に直交する方向等、交差する方向を向く。
ベースと下部テーブル間のばねと、下部テーブルと上部テーブル間のばねは共に伸長量に応じた復元力を発揮し、それぞれ相対移動した下部テーブルと上部テーブルを原位置に復帰させようとする。しかしながら、軸の方向を一定にしたまま伸長するのではなく、軸が一端の回りに回転しながら伸長することで、後述のように下部テーブルと上部テーブルの原位置への復帰時に下部テーブルと上部テーブルが原位置に近づく程、ばねの復元力はサインカーブに従って小さくなる。
この結果、原位置に復帰しようとする下部テーブルと上部テーブルがばねの復元力によって原位置を超え、更に相対移動時と反対の向きに移動しようとするときの下部テーブルと上部テーブルの加速度は低減されるため、下部テーブルと上部テーブルは原位置付近でベースに対して小さい振幅で振動を繰り返した後、静止する。
ここで、図19に基づいてベース2と下部テーブル3間に架設されたばね5の挙動と機能を説明する。下部テーブル3と上部テーブル4間に架設されるばね6の挙動と機能はばね5と同じである。
下部テーブル3(上部テーブル4)のベース2(下部テーブル3)に対する相対移動方向は下部回転体7(上部回転体8)が納まる下部レール21(32)、上部レール31(41)等の直線軌道によって1方向に規制されている。下部テーブル3(上部テーブル4)がベース2(下部テーブル3)に対して相対移動するとき、ばね5(ばね6)はベース2(下部テーブル3)に対する下部テーブル3(上部テーブル4)の移動量に応じて伸長する。図19では円柱状の回転体7(8)が入り込む下部レール21(32)、または上部レール31(41)が上記直線軌道に相当する。
図19の実線は下部テーブル3がベース2に対して相対移動せず、ばね5の軸が下部テーブル3の相対移動方向に直交している状態を示す。この状態から、二点鎖線で示すようにばね5が回転しながら伸長したときの、ばね5の原位置とのなす回転角度をθ(0≦θ≦π/2)、ばね5の自然長をL、ばね5の伸び量をxとしたとき、下部テーブル3の移動量XはX=(L+x)・sinθ…(1)となる。下部テーブル3が相対移動を生じていない状態ではばね5は必ずしも自然長である必要はない。
ばね5はその伸び量xに応じた復元力F(=k・x(k:ばね定数))を発揮し、ばね5の復元力Fの、下部テーブル3の移動方向に平行な成分が下部テーブル3を原位置に復帰させるための復元力F1(=Fsinθ(=k・xsinθ))…(2)として下部テーブル3に作用する。
図19より(L+x)cosθ=Lであるから、x=(1−cosθ)/cosθ・L…(3)となり、xはθの関数で表され、結局、(2)、(3)より、F1=kL(tanθ−sinθ)…(4)となる。(4)においてθ=π/2のとき、F1=∞、θ=π/4のとき、F1=0.29kL、θ=0のとき、F1=0となり、θが90°に近いときにF1が極端に大きく、θが0に近づく程、F1は急激に減少し、0に近づく。このことから、下部テーブル3の相対移動量が大きいとき程、下部テーブル3は原位置に復帰しようとする復元力F1を大きく受け、早期に原位置に復帰しようとすることが分かる。図20に下部テーブル3の復元力F1と下部テーブル3の移動量Xとの関係を示す。
また原位置に接近する程、下部テーブル3が受ける復元力F1が小さくなるため、原位置付近においては下部テーブル3が復元力F1によって更に相対移動と反対の向きに移動しようとする力を受けることがない。θが小さいとき程、復元力F1が小さくなることで、F1=m・a(m:下部テーブル3の質量)より、下部テーブル3の加速度aもF1と同様の曲線を描いて小さくなる。図21に下部テーブル3の加速度aと下部テーブル3の移動量Xとの関係を示す。
ここで、下部テーブル3をばねと見なしたときの下部テーブル3の見かけ上のばね定数をk1とすると(F1=k1・X)、1)と2)より、k1=(1−cosθ)kとなり、下部テーブル3のばね定数k1はcosθの関数になる。理論上はθ=π/2であるとき、k1は最大値(k)を取り、θ=0のときに最小(0)となる。図22に下部テーブル3のばね定数k1と下部テーブル3の移動量Xとの関係を示す。
また下部テーブル3の振動数fはf=1/2π(k1/m)1/2 で表され、下部テーブル3のばね定数k1はθが小さいとき、すなわち原位置付近で0に近づき、振動周期(1/f)が長くなるため、下部テーブル3は原位置付近では長周期で振動する。図23に下部テーブル3の振動数fと下部テーブル3の移動量Xとの関係を示す。
このようにばね5の回転角度θが大きいとき(π/2に近いとき)に下部テーブル3と上部テーブル4に働く復元力F1が極端に大きく、θが0に近づく程、復元力F1が急激に小さくなる。この結果、下部テーブル3と上部テーブル4は原位置から離れる程、急速に原位置に復帰しようとし、原位置付近に近づく程、減速させられ、ゆっくりとした動きになるため、下部テーブル3と上部テーブル4は振動を繰り返すことなく、早期に原位置に収束しようとする。
また復元力F1は下部テーブル3と上部テーブル4に直接作用することから、特許文献6のようにガイド棒にスライダを外接させる場合や、スライダに接続されるワイヤを、滑車を経由させて張架する場合のような摩擦力による力の損失が少ない。このため、復元力F1を有効に発揮させ、損失させることなく下部テーブル3と上部テーブル4に伝達させることが可能になっている。
ばね5の回転角度θが大きいとき(π/2に近いとき)に下部テーブル3と上部テーブル4に働く復元力F1が極端に大きく、θが0に近づく程、復元力F1が急激に小さくなることは、ばね5が回転しながら伸長したときの、ばね5の原位置とのなす回転角度θによって決まる。このため、図19に示すように下部テーブル3がベース2に対して相対移動していないときに、平面上、必ずしもばね5の軸が下部テーブル3の相対移動方向に直交している必要はない。
以上のように相対移動した下部テーブル3と上部テーブル4を原位置に復帰させるように下部テーブル3と上部テーブル4に作用する復元力F1が原位置付近で急激に0に近づき、下部テーブル3と上部テーブル4を制動させるように働くことが分かる。従って免震装置1に下部テーブル3と上部テーブル4の振動抑制のための格別なダンパを併用する必要性がない。
下部テーブルをベースに対して水平の1方向に相対移動自在に支持する下部回転体と、上部テーブルを下部テーブルに対して水平の1方向に相対移動自在に支持する上部回転体が共に円柱状の回転体(コロ)であるため、滑り支承との対比では一定規模以上の振動の発生時に摩擦による抵抗を受けることなく、即座に相対移動を生じさせることが可能である。
また下部回転体はベースと下部テーブルに、上部回転体は下部テーブルと上部テーブルにそれぞれ線接触することで、点接触する球体との対比では1個当たりの負担荷重が低減され、支持に必要な数を節減することが可能である。この他、下部回転体が接触するベースと下部テーブル、及び上部回転体が接触する下部テーブルと上部テーブルへの圧力が小さくなるため、それだけ下部回転体と上部回転体の母線が接触する部分の肉厚を抑え、免震装置全体の成(高さ)を抑えることが可能である。
免震装置の主体となる3枚の全フレームを鋼板から構成することで、フレームを鋼材から組み立てる場合よりフレームの構成自体が簡素化されるため、免震装置の製作を単純化し、免震装置の軽量化を図ることができる。また鋼板の組み合わせによって免震装置を製作できることで、構成要素を統一することが可能であるため、免震装置の規格化が図られ、製作に要するコストを削減し、製作効率の向上を図ることができる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1はベース2と、ベース2上に、ベース2に対して水平の1方向に相対移動自在に支持される下部テーブル3と、下部テーブル3上に、下部テーブル3に対し、水平の1方向に交差する水平方向に相対移動自在に支持される上部テーブル4を重ねた形式の直線運動型免震装置(以下、免震装置)1の具体例を示す。本免震装置1は主として中低層住宅等のような建築構造物、または橋梁等の土木構造物を対象とするが、博物館内の展示品等のような軽量の構造物に至るまで、振動低減用の免震装置として利用される。
図2は図1の平面を、図3は図2のA−A線の立面を、図4は図2のB−B線の立面を示す。図5は図4の下部テーブル3と上部テーブル4との間の部分の一部拡大図である。免震装置1の製作効率を上げる上で、ベース2と下部テーブル3、及び上部テーブル4の各本体は基本的に1枚の鋼板を折り曲げ加工することにより成型されるが、鋼板に形鋼等の鋼材を組み合わせて免震装置1を製作することもある。ベース2等の本体とは、免震装置1の構成要素の内、後述の下部回転体7と上部回転体8、及び下部レール21、32と上部レール31、41等を除いた部分を指す。
ベース2と下部テーブル3間には、下部テーブル3を水平の1方向に相対移動自在に支持する円柱状の下部回転体7が介在し、下部テーブル3と上部テーブル4間には、上部テーブル4を前記1方向に交差する水平方向に相対移動自在に支持する円柱状の上部回転体8が介在する。下部回転体7の軸と上部回転体8の軸は共に、水平に対して傾斜した状態にある。
免震装置1は図16に示すように構造的に分離する下部構造と上部構造との間に水平に設置され、上部構造が下部構造に対して相対水平移動しようとするときに、下部テーブル3がベース2に対して相対移動し、上部テーブル4が下部テーブル3に対して相対移動することにより上部構造の相対移動を許容する。免震装置1は具体的には免震建物の上部構造と基礎との間、橋梁の橋桁と橋脚との間、免震床と躯体床との間等、構造物全般において上下に区分される上部構造と下部構造との間に設置される。ベース2は基礎、橋脚、躯体床その他の下部構造の上面を含む水平面に固定される。
免震装置1の構成要素であるベース2と上部テーブル4の本体は鋼板の長さ方向、もしくは幅方向の両側を折り曲げ加工することにより、両側以外の部分に空間を確保するように箱形に形成される。折り曲げられた両側部分は空間内に収納される下部回転体7や上部回転体8等の部品や部材を接続し、または配置するために利用される。
図1等に示すように3層構造の上下に位置するベース2と上部テーブル4の本体を1枚の鋼板から成型する場合、中間層の下部テーブル3は図6に示すようにベース2や上部テーブル4を構成する鋼板と同一の鋼板を2枚、背中合わせに接合した形に形成される。
このことから、1枚の鋼板を折り曲げ加工してベース2と上部テーブル4の本体を成型し、その本体に下部回転体7と上部回転体8が転動する下部レール21、32と上部レール31、41等を一体化させた形で鋼板ユニットを製作しておけば、その鋼板ユニットはそのままベース2と上部テーブル4として使用されることになる。また鋼板ユニットは2枚重なって互いに接合されることによりそのまま下部テーブル3となる。この場合、ベース2と上部テーブル4の形態は同一となる。鋼板ユニットの鋼板同士の接合はボルト、または溶接により行われる。図1〜図9はこの鋼板ユニットからベース2と上部テーブル4、及び下部テーブル3を形成した場合を示している。
ベース2と下部テーブル3間、及び下部テーブル3と上部テーブル4間の空間に、下部回転体7と上部回転体8、及び下部レール21、32と上部レール31、41等の部品や部材を収納した状態で、空間に余裕がある場合には、図2〜図4に示すように両者間に相対移動が生じたときに伸長して復元力を発揮するばね5、6がそれぞれの相対移動方向に交差する方向に架設される。
この場合、ベース2と下部テーブル3の各対向する面にはばね5の端部が連結されるためのばね受け23、35が固定される。同様に下部テーブル3と上部テーブル4の各対向する面にはばね6の端部が連結されるためのばね受け36、43が固定される。ばね5はベース2のばね受け23と下部テーブル3のばね受け35との間、及び下部テーブル3のばね受け36と上部テーブル4のばね受け43との間に架設される。
ベース2と下部テーブル3間に架設されるばね5は振動が生じていない平常状態では下部テーブル3がベース2に対していずれの向きに相対移動しても下部テーブル3に同じ復元力を与えるために、軸が平面上、ベース2と下部テーブル3の相対移動方向に直交する方向を向いて架設される。ばね5はベース2と下部テーブル3間に相対移動が生じたときにベース2への接続点回りに回転しながら伸長して復元力を発揮する。
下部テーブル3と上部テーブル4間に架設されるばね6も軸が平常状態で平面上、下部テーブル3と上部テーブル4の相対移動方向に直交する方向を向いて架設され、下部テーブル3と上部テーブル4間に相対移動が生じたときに下部テーブル3への接続点回りに回転しながら伸長して復元力を発揮する。図面では下部テーブル3がベース2に対して相対移動し、上部テーブル4が下部テーブル3に対して相対移動し、ばね5、6がこれらの相対移動に追従した様子を示している。
ばね5、6には主に変形能力の高いコイルスプリングが使用されるが、ばね5、6の一部に皿ばねや輪ばね等、収縮時に摩擦力による減衰力を発生する形態のばねを直列に、もしくは並列に組み合わせることで、皿ばねや輪ばね等が有する減衰力をばね5、6に付与し、ダンパの機能を付加することもできる。
ベース2と下部テーブル3との間の納まりを示す図3のように下部回転体7は転動する方向に直交する方向に二列並列し、各列毎に転動する方向に複数個配列して回転体群70を構成する。この二列の回転体群70が一組となって下部回転体7のユニットとして挙動する。下部回転体7の各列の回転体群70、70の軸は使用状態でレール上を安定して転動するよう、互いに交差する。一ユニットとなる二列の回転体群70は下部回転体7の個数分の開口9aを有するガイド板9によって整然と転動する。
下部テーブル3と上部テーブル4との間の納まりを示す図4のように上部回転体8も転動する方向に直交する方向に二列並列し、各列毎に転動する方向に複数個配列して回転体群80を構成する。この二列の回転体群80が一組となって上部回転体8のユニットとして挙動する。使用状態でレール上を安定して転動するよう、上部回転体8の各列の回転体群80、80の軸も互いに交差する。一ユニットとなる二列の回転体群80は上部回転体8の個数分の開口10aを有するガイド板10によって整然と転動する。ガイド板9とガイド板10も開口9a、10a部分を打ち抜いた1枚の鋼板を曲げ変形させることにより製作される。
免震装置1の使用状態では図3〜図5に示すように回転体群70が下部レール21と上部レール31に、回転体群80が下部レール32と上部レール41にそれぞれ挟まれる。また各回転体群70、80の軸方向両側に被係止材11、11が位置することから、これらと干渉しないよう、ガイド板9、10は屈曲させられている。図6、図7では二列の回転体群80、80が1枚のガイド板10に保持されている様子を示しているが、回転体群70、または回転体群80は軸方向に三列以上配列することもある。
二列の回転体群70から一ユニットを構成する各下部回転体7はガイド板9の開口9aに入り込み、両端面が開口9aの内周面に接触することにより、転動時の軸方向の移動に対して拘束される。同じく二列の回転体群80から一ユニットを構成する上部回転体8はガイド板10の開口10aに入り込み、両端面が開口10aの内周面に接触することにより、転動時の軸方向の移動に対して拘束される。下部回転体7と上部回転体8は水平に対して下方を向く端面が開口9a、10aに係止する場合には、転動するときの降下に対して拘束され、水平に対して上方を向く端面が開口9a、10aに係止する場合には、転動時の浮き上がりに対して拘束される。
前記の通り、図1〜図4はベース2と下部テーブル3、及び上部テーブル4を、1枚の鋼板を本体とする統一された鋼板ユニットから構成された免震装置1を示す。図6〜図9は図1〜図4に示す免震装置1の内、中間層である下部テーブル3の単体を示す。
この場合、鋼板ユニットはベース2等のフレームの本体を構成する鋼板に後述の下部支持材22、34と上部支持材33、42、及び下部レール21、32と上部レール31、41その他の部品を接合した形で製作される。前記のように鋼板ユニットはそのままベース2、及び上部テーブル4として使用され、図6に示すように2枚の鋼板ユニットの鋼板を背中合わせに接合することにより下部テーブル3が製作される。下部テーブル3は2枚の鋼板から成型されることになる。接合はボルト、または溶接による。
下部回転体7は半径をrとすれば、1回転することによりベース2に対して2πrだけ進み、そのとき下部テーブル3は下部回転体7に対して2πr進むから、下部回転体7が1回転する間に下部テーブル3はベース2に対して4πr進む。同様に上部回転体8の半径をRとすれば、上部回転体8が1回転する間に上部テーブル4は下部テーブル3に対して4πR進む。図面では下部回転体7の半径rと上部回転体8の半径Rが等しい場合を示しているが、異なる場合もある。
上部テーブル4は上部回転体8の移動量の2倍、下部テーブル3に対して移動することから、回転体群80は平常時には上部テーブル4が下部テーブル3に対していずれの向きにも移動できるよう、その相対移動方向の中央部に配置される。同様に回転体群70は平常時にはベース2上の、下部テーブル3の相対移動方向の中央部に配置される。図6では下部テーブル3上の、上部テーブル4の相対移動方向の片側に回転体群80が寄り、ガイド板10が下部レール32上のストッパ15に係止した様子を示している。図6は上部テーブル4が下部テーブル3に対して最大限に移動した状態である。
図3に示すようにベース2と下部テーブル3の対向する面のそれぞれには軸が互いに交差している回転体群70、70が同時に接触する下部レール21と上部レール31が固定される。同様に、図4、図5に示すように下部テーブル3と上部テーブル4の対向する面のそれぞれには軸が互いに交差している回転体群80、80が同時に接触する下部レール32と上部レール41が固定される。図面ではベース2と下部テーブル3、及び上部テーブル4の本体を1枚の鋼板から成型していることに伴い、下部レール21と上部レール31、及び下部レール32と上部レール41も1枚の鋼板を折り曲げ加工することにより成型し、ベース2等の本体に接合している。接合はボルトや溶接による。
図面では特に下部レール21と上部レール31、及び下部レール32と上部レール41を構成する鋼板の両端からベース2等を構成する鋼板に応力が集中的に作用する事態を回避するために、ベース2等と下部レール21等との間に下部支持材22、34と上部支持材33、42を介在させ、下部支持材22、34に下部レール21、32を接合し、上部支持材33、42に上部レール31、41を接合している。
下部支持材22、34と上部支持材33、42はベース2と下部テーブル3、及び上部テーブル4を補強する働きを有する他、後述の下部ローラ12と上部ローラ13を軸支するために、または下部ローラ12と上部ローラ13が転動するために利用される
図面ではまた、下部レール21と下部支持材22との間、及び上部レール31と上部支持材33との間に隙間が存在することによる下部レール21と上部レール31の変形を拘束するために、これらの隙間に、鋼板を屈曲させた形の補強材212、312を入れている。同様に、下部レール32と下部支持材34との間、及び上部レール41と上部支持材42との間にも隙間の存在による下部レール32と上部レール41の変形を拘束するために、鋼板を屈曲させた形の補強材322、412を入れている。
前記のように各下部回転体7と各上部回転体8はガイド板9、10の開口9a、10aに入り込むことで、転動時の軸方向の安定性を得ることができるが、図面では図3〜図5に示すように回転体群70、80の安定性を高めるために、各回転体群70、80の両側位置にその端面が係止する被係止材11を固定している。被係止材11は下部レール21、32と上部レール31、41の、回転体群70、80の両端面が係止する位置に固定される。
図1〜図5に示す免震装置1は上下対称形であることから、ベース2の下部レール21と上部テーブル4の上部レール41には幅方向中央部に被係止材11が固定され、下部テーブル3下面の上部レール31と上面の下部レール32には幅方向両側に被係止材11が固定される。被係止材11は下部レール21、32、または上部レール31、41の幅方向両側を折り曲げることによっても形成可能である。
二列の回転体群70、70の軸方向中間部位置に固定されているベース2上面における下部レール21の被係止材11は上下対称位置の上部テーブル4の上面においても回転体群80、80の軸方向中間部に位置する。この被係止材11はベース2と下部テーブル3の間では回転体群70の下方を向いた端面に係止し、下部テーブル3と上部テーブル4との間では回転体群80の上方を向いた端面に係止する。
二列の回転体群70、70の軸方向両側位置に固定されている下部テーブル3下面における上部レール31の被係止材11は上下対称位置の下部テーブル3の上面においても回転体群80、80の両側に位置する。この被係止材11はベース2と下部テーブル3の間では回転体群70の上方を向いた端面に係止し、下部テーブル3と上部テーブル4との間では回転体群80の下方を向いた端面に係止する。
被係止材11は回転体群70、または回転体群80の軸方向両側の端面に係止することでこれらの軸方向の移動を拘束する働きをするが、軸方向に隣接する回転体群70、80の各対向する端面にガイド板9、10の開口9a、10aが係止することにより回転体群70、80の軸方向の移動を拘束できる場合には、必ずしも被係止材11を固定することは必要でない。
下部レール21、32の幅方向両側位置の下部支持材22、34には下部支持材22、34に対して下部レール21、32を幅方向に位置決めするためのスペーサ211、321が固定、もしくは接続される。同様に上部レール31、41の幅方向両側位置の上部支持材33、42には上部支持材33、42に対して上部レール31、41を幅方向に位置決めするためのスペーサ311、411が固定、もしくは接続される。
ベース2と下部テーブル3の対向する面のいずれか一方側には、対向する他方側が互いに分離する向きに係止しながら、水平方向の相対移動を許容する下部ローラ12が軸支される。同様に下部テーブル3と上部テーブル4の対向する面のいずれか一方側には、対向する他方側が互いに分離する向きに係止しながら、水平方向の相対移動を許容する上部ローラ13が軸支される。分離する向きとは、上方を指す。
図面ではベース2と下部テーブル3の各対向する面に接合される下部支持材22と上部支持材33の加工のし易さから、下部支持材22と上部支持材33の幅方向両側を折り曲げ、上部支持材33の折り曲げ部分を利用して下部ローラ12を軸支させている。また下部支持材22の折り曲げ部分を下部ローラ12が転動する受け材22aとして利用している。この場合、下部支持材22が受け材22aを兼ねることになる。
同様に図4、図5に示すように下部テーブル3上面の下部支持材34の幅方向両側の折り曲げ部分に上部ローラ13を軸支させ、上部テーブル4下面の上部支持材42の幅方向両側の折り曲げ部分に上部ローラ13が転動する受け材42aを形成している。ここでは上部支持材42が受け材42aを兼ねる。
図面とは逆に、ベース2の下部支持材22と上部テーブル4の上部支持材42にそれぞれ下部ローラ12と上部ローラ13を軸支させ、下部テーブル3下面の上部支持材33と上面の下部支持材34にそれぞれ受け材を形成することもある。
下部ローラ12は図示するように下部テーブル3に軸支された場合、ベース2に対する下部テーブル3の相対移動量が最大限に達したときにも、ベース2に複数箇所で係止し、下部テーブル3の傾斜や離脱を防止するよう、ベース2と下部テーブル3間の相対移動方向に間隔を隔てて複数個配置される。
上部ローラ13も下部テーブル3に対する上部テーブル4の相対移動量が最大限に達したときにも、上部テーブル4に複数箇所で係止し、上部テーブル4の傾斜や離脱を防止するよう、下部テーブル3と上部テーブル4間の相対移動方向に間隔を隔てて複数個配置される。
ベース2と下部テーブル3との間には一組、もしくは複数組の、一ユニットとなる二列の回転体群70がガイド板9と共に配置され、下部テーブル3と上部テーブル4との間にも一組、もしくは複数組の、一ユニットとなる二列の回転体群80がガイド板10と共に配置される。図面では一ユニットとしての二列の回転体群70、70を下部テーブル3の相対移動方向に直交する方向に二組、配置し、一ユニットとしての二列の回転体群80、80を上部テーブル4の相対移動方向に直交する方向に二組、配置しているが、共に三組以上、配置する場合もある。
一ユニットの回転体群70、80を下部テーブル3と上部テーブル4の相対移動方向に直交する方向に複数組、配置すれば、下部テーブル3と上部テーブル4の相対移動時の安定性を向上させることができる利点があるが、免震装置1の規模によっては一ユニットの回転体群70、80を一組、配置すればよい場合もある。
図1〜図5に示すようにベース2の下部レール21と、下部テーブル3下面の上部レール31の長さ方向の端部には、ベース2に対する下部テーブル3の相対移動量を制限するためのストッパ14が軸支、または固定等される。ストッパ14に下部回転体7、またはガイド板9が係止することにより下部レール21と上部レール31間を転動する下部回転体7の転動が制限され、下部テーブル3の落下が防止される。
同様に下部テーブル3上面の下部レール32と、上部テーブル4の上部レール41の長さ方向の端部には、下部テーブル3に対する上部テーブル4の相対移動量を制限するためのストッパ15が軸支、または固定等される。ストッパ15に上部回転体8、またはガイド板10が係止することにより下部レール32と上部レール41間を転動する上部回転体8の転動が制限され、上部テーブル4の落下が防止される。
図10〜図15は下部テーブル3のベース2に対する相対移動方向の中心線の片側に付き、一ユニットの回転体群70、70を相対移動方向に直交する方向に並列させて配置した場合を示す。ここではまた、上部テーブル4の下部テーブル3に対する相対移動方向の中心線の片側に付き、一ユニットの回転体群80、80を相対移動方向に直交する方向に並列させている。この場合は各一ユニットの回転体群70、80が並列して配置されることで、免震装置1の鉛直荷重の負担能力が高まる利点を有する。
この場合、回転体群70、80が転動する下部レール21、32と上部レール31、41は回転体群70、80の数に対応し、並列して配置されるが、ベース2と下部テーブル3との間、及び下部テーブル3と上部テーブル4との間の限られた空間内にこれらが納まるよう、二列の下部レール21、32と上部レール31、41に対して1枚の下部支持材22、34と上部支持材33、42を使用している。
図10〜図15に示す免震装置1は特に耐荷重性能が高いことから、図12、図13に示すように免震装置1を上下対称形にすることをせず、下部回転体7の二列の回転体群70、70と上部回転体8の二列の回転体群80、80を逆ハの字状に配置している。それに伴い、下部支持材22、34がそれぞれ上部支持材33、42を幅方向両側から包囲するようにしている。
二列の回転体群70、70が逆ハの字状に配置されることにより、各二列の回転体群70、70はベース2の1本の下部レール21に軸方向両側から保持される形になる。また二列の回転体群80、80が逆ハの字状に配置されることにより、各二列の回転体群80、80も下部テーブル3の下部レール32に軸方向両側から保持される形になる。この結果、各二列の回転体群70、80が下部レール21、32からの抜け出しに対して高い安定性を有することになる。
図10〜図15に示す免震装置1のように、ベース2と下部テーブル3との間、及び下部テーブル3と上部テーブル4との間にばね5、6を配置することができない場合、または配置しない方が都合のよい場合には、免震装置1は図16に示すように外付けのばねユニット16と併用される。
図10〜図15に示す免震装置1は特に高い荷重負担能力を有することから、住宅の他、鉄道の発電機や橋梁等、公共性の高い重量構造物に使用される。この免震装置1は図16に示すように前記のように上部構造と下部構造の間に設置されるが、ばねユニット16は免震装置1とは別に上部構造と下部構造の間に架設される。
免震装置の構成例を示した斜視図である。 図1の平面図である。 図2のA−A線の立面図である。 図2のB−B線の立面図である。 図4の一部拡大図である。 図1に示す免震装置を構成する下部テーブルを示した斜視図である。 図6の平面図である。 図7のA−A線の立面図である。 図7のB−B線の立面図である。 他の免震装置の構成例を示した斜視図である。 図10の平面図である。 図11のA−A線の立面図である。 図11のB−B線の立面図である。 図13の一部拡大図である。 図10に示す免震装置を構成する下部テーブルを示した斜視図である。 図10に示す免震装置の設置例を示した概要図である。 (a)は下部回転体、または上部回転体が鉛直荷重を負担しているときにその母線と端面が受ける力の関係を示した立面図、(b)は下部回転体、または上部回転体が水平荷重を負担しているときにその母線と端面が受ける力の関係を示した立面図である。 (a)は軸を水平に向けて上下のフレーム間にコロを配置した様子を示した立面図、(b)は(a)の平面図、(c)はコロの軸が不規則に傾斜した様子を示した平面図である。 ばねの回転を伴う伸長と下部テーブルとの関係を示した平面図である。 下部テーブルをばねと見なしたときの下部テーブルの復元力と水平変位との関係を示したグラフである。 下部テーブルの加速度と水平変位との関係を示したグラフである。 下部テーブルのばね定数と水平変位との関係を示したグラフである。 下部テーブルの固有振動数と水平変位との関係を示したグラフである。
符号の説明
1………免震装置
2………ベース、
21……下部レール、211……スペーサ、212……補強材、
22……下部支持材、22a……受け材、
23……ばね受け、
3………下部テーブル、
31……上部レール、311……スペーサ、312……補強材、
32……下部レール、321……スペーサ、322……補強材、
33……上部支持材、
34……下部支持材、
35……ばね受け、
36……ばね受け、
4………上部テーブル、
41……上部レール、411……スペーサ、412……補強材、
42……上部支持材、42a……受け材、
43……ばね受け、
5………ばね、
6………ばね、
7………下部回転体、70……回転体群、
8………上部回転体、80……回転体群、
9………ガイド板、9a……開口、
10……ガイド板、10a……開口、
11……被係止材、
12……下部ローラ、
13……上部ローラ、
14……ストッパ、
15……ストッパ、
16……ばねユニット

Claims (5)

  1. ベースと、ベース上に、ベースに対して水平の1方向に相対移動自在に支持される下部テーブルと、下部テーブル上に、下部テーブルに対し、前記1方向に交差する水平方向に相対移動自在に支持される上部テーブルと、
    ベースと下部テーブル間に介在し、下部テーブルを前記水平の1方向に相対移動自在に支持する、軸が水平に対して傾斜した状態にある円柱状の下部回転体と、
    下部テーブルと上部テーブル間に介在し、上部テーブルを前記1方向に交差する水平方向に相対移動自在に支持する、軸が水平に対して傾斜した状態にある円柱状の上部回転体とを備える免震装置において、
    前記ベースの上面と前記下部テーブルの下面に、幅方向両側が折り曲げられた形状の下部支持材と上部支持材が、それぞれの折り曲げ部分において互いに対向する側を向いた状態で接合され、前記下部テーブルの上面と前記上部テーブルの下面に、幅方向両側が折り曲げられた形状の下部支持材と上部支持材が、それぞれの折り曲げ部分において互いに対向する側を向いた状態で接合され、
    前記ベースと前記下部テーブル間で対向する前記下部支持材と前記上部支持材の各折り曲げ部分のいずれか一方に、前記ベースと前記下部テーブル間の相対水平移動を許容する下部ローラが軸支され、他方に、前記ベースと前記下部テーブルが分離する向きに前記下部ローラが係止しながら転動する受け材が形成されると共に、
    前記下部テーブルと前記上部テーブル間で対向する前記下部支持材と前記上部支持材の各折り曲げ部分のいずれか一方に、前記下部テーブルと前記上部テーブル間の相対水平移動を許容する上部ローラが軸支され、他方に、前記下部テーブルと前記上部テーブルが分離する向きに前記上部ローラが係止しながら転動する受け材が形成され、
    前記ベースと前記下部テーブル間の前記下部支持材と前記上部支持材の各対向する面に、前記下部回転体が転動する下部レールと上部レールがそれぞれ接合され、前記下部テーブルと前記上部テーブル間の前記下部支持材と前記上部支持材の各対向する面に、前記上部回転体が転動する下部レールと上部レールがそれぞれ接合されていることを特徴とする直線運動型免震装置。
  2. 前記下部回転体と前記上部回転体はそれぞれ転動する方向に直交する方向に並列し、並列する前記下部回転体の軸と前記上部回転体の軸は互いに傾斜すると共に、前記下部レールと前記上部レール、及び前記下部レールと前記上部レールは前記並列する下部回転体の軸と前記並列する上部回転体の軸の傾斜に対応して屈曲しており、前記並列する下部回転体は前記下部レールと前記上部レールに同時に接触し、前記並列する上部回転体は前記下部レールと前記上部レールに同時に接触していることを特徴とする請求項1に記載の直線運動型免震装置。
  3. 前記下部ローラを軸支している前記下部支持材と前記上部支持材の内、いずれかの折り曲げ部分は鉛直に対して傾斜し、前記下部ローラが係止する前記受け材は水平に対して傾斜し、
    前記上部ローラを軸支している前記下部支持材と前記上部支持材の内、いずれかの折り曲げ部分は鉛直に対して傾斜し、前記上部ローラが係止する前記受け材は水平に対して傾斜していることを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載の直線運動型免震装置。
  4. 前記下部回転体が転動する前記下部レールと前記上部レールに、前記下部回転体の端面が係止する被係止材が固定、もしくは形成され、前記上部回転体が転動する前記下部レールと前記上部レールに、前記上部回転体の端面が係止する被係止材が固定、もしくは形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の直線運動型免震装置。
  5. 前記ベースと前記下部テーブル間、及び前記下部テーブルと前記上部テーブル間に、それぞれの相対移動方向に交差する方向に架設され、両者間に相対移動が生じたときに伸長して復元力を発揮するばねを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の直線運動型免震装置。
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