JP4943387B2 - 遊技機 - Google Patents
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例えば、保留球が4つ留保されているときに、1つ目の保留球から3つ目の保留球が処理されるまでの間に、4つ目の保留球が大当たりに当選しているかもしれないという期待感を遊技者に与えるような予兆演出を行う。こうした予兆演出によって、大当たりに当選するかもしれないという遊技者の期待感を、早期に高めることができる。
このような第2始動口を有するほとんどの遊技機において、いわゆる時短遊技状態が発生する大当たりが設けられている。時短遊技状態というのは、所定条件の成立によって第2始動口が所定時間開放されて、当該第2始動口に遊技球が入球しやすくなる遊技状態である。時短遊技状態にあっては、第2始動口への遊技球の入球機会が増すため、遊技者は遊技球を費消することなく大当たりの抽選の権利を獲得することができる。
例えば、時短遊技状態において、第1保留に大当たりに当選する保留球が含まれているかもしれないという期待感を遊技者に与える予兆演出を行うと、遊技者は遊技球の発射を停止させてしまうおそれがある。
このようにして、留保されている全ての保留球が処理されるまでの間、言い換えれば、目的とする第1保留が処理されるまでの間、遊技者が遊技球の発射を停止させることとなれば、長時間にわたって遊技が中断されてしまい、遊技性が著しく低下するという問題があった。
ただし、第2始動口は、遊技球の入球機会が少なくとも2段階に変化するものでなければならず、入球機会が相対的に少ない第1の態様と、当該第1の態様よりも入球機会が相対的に多くなる第2の態様とに可変制御されなければならない。そして、第2始動口は、通常は第1の態様に制御されており、所定条件が成立した場合に第2の態様に制御される。所定条件の成立とは、例えば、遊技球が入賞ゲートを通過することとしてもよいし、遊技球が入賞ゲートを通過することによって行われる抽選により当たりに当選することとしてもよい。いずれにしても、何らかの条件が成立した場合に第2始動口が第2の態様に制御されるものであれば、上記の条件は特に問わない。
なお、本発明においては、大入賞口が開閉する特別遊技中など、特別図柄の変動表示が行われないときの制御については特に限定されない。したがって、予兆演出は、特別遊技中に実行してもよいし、実行しなくてもよい。また、特別遊技中に予兆演出を実行する場合には、第1保留に基づいて実行してもよいし、第2保留に基づいて実行してもよい。
そして、遊技データには、少なくとも以後の遊技状態を通常遊技状態にて進行させるデータと、以後の遊技状態を時短遊技状態にて進行させるデータとが設けられており、これらデータが所定の確率で抽選されるようにしている。つまり、遊技データ抽選手段が取得した遊技データによって、以後の遊技状態が通常遊技状態となるのか時短遊技状態となるのかが決定される。
事前判定手段の判定結果に基づく演出(予兆演出)は、全ての第1保留および第2保留に対して行ってもよいし、第1保留および第2保留として記憶された遊技データが、予め設定されたものであった場合にのみ行ってもよい。例えば、事前判定手段が大当たりに当選する遊技データを判定した場合等、所定の遊技データを事前判定した場合にのみ、予兆演出を行うようにしてもよい。ただし、本発明における予兆演出というのは、遊技データに基づく特別図柄の変動表示の開始前に、当該遊技データに基づいてなされる演出をいうもので、当該遊技データに基づく特別図柄の変動表示中になされる演出をいうものではない。
演出制御手段は、制御手段に設けられた複数のプログラムによって構成されており、事前判定手段の判定結果に基づいて予兆演出を制御する。なお、本発明の演出制御手段は、少なくとも上記予兆演出を制御するプログラムをいうものである。したがって、演出制御手段は、予兆演出のみを制御するプログラムであってもよいし、予兆演出の制御に加えて、他の演出も制御するプログラムを含むものであってもよい。
また、時短遊技状態が終了して非時短遊技状態へ移行した際に、時短遊技状態において留保された第1保留が残っている場合には、この残っている第1保留が処理されてなくなるまで、第1保留に基づく予兆演出は実行しない。そして、時短遊技状態において留保された第1保留が全て処理された後に、非時短遊技状態に移行した後に取得された第1保留に基づく予兆演出を再開する。
また、仮に時短遊技状態において第1保留に基づく予兆演出を行うと、当該予兆演出の契機となる第1保留を早期に処理するために、遊技者が遊技球の発射を停止させるおそれがあるが、本発明においては、時短遊技状態では非優先処理がなされる第1保留に基づく予兆演出を行わないので、上記のように遊技者が遊技球の発射を停止させることもない。したがって、遊技が中断することによる遊技性の低下を招来することもない。
図1は本発明の遊技機の一例を示す正面図、図2は当該遊技機に設けられた始動口の部分拡大図、図4は遊技盤に設けられた大入賞口の部分拡大図である。遊技機1は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部(図5における符号292を参照)を備える操作ハンドル113が設けられている。発射部292の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。遊技領域103には、図示を省略する複数の釘や、遊技球の落下方向を変化させる風車や、入球口が配設されており、遊技球を各種の方向に向けて落下させるようにしている。
入賞ゲート106は、遊技球の通過を検出し、第2始動口120を一定時間だけ開放させる普通図柄の抽選を行うために設けられる。図柄表示部104の側部や下方等には普通入賞口107が配設されている。普通入賞口107に遊技球が入球すると、所定の賞球数(例えば10個)の払い出しが行われる。遊技領域103の最下部には、どの入球口にも入球しなかった遊技球を回収する回収口108が設けられている。
また、留保された保留球の数は、図3に示すように、図柄表示部104においても表示される。このとき、第1特別図柄保留表示器88および第2特別図柄保留表示器90と同様に、上記第1始動口105に遊技球が入球して得られた保留球(以下「第1保留」という)と、第2始動口120に遊技球が入球して得られた保留球(以下「第2保留」という)とが、区別して表示されるようにしている。なお、第1保留表示150が、上記第1保留の数を表しており、第2保留表示151が、上記第2保留の数を表している。
枠部材110において、遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト111(ランプユニット)が設けられている。演出ライト111は、それぞれ、複数のライト112を備えている。各ライト112は、遊技機1の正面にいる遊技者を照射し、その照射位置が遊技者の頭上から腹部に沿って移動するように、光の照射方向を上下方向に変更することができる。各ライト112は、演出ライト111に設けられたモータ(図示せず)によって、光の照射方向を上下方向に変更するように駆動される。
演出ライト111は、各ライト112から照射される光の照射方向を、上下方向に変更しながら回転させることにより、演出ライト111全体から照射する光の照射方向を3次元に変更することができる。
枠部材110の下部位置には、操作ハンドル113が配置されている。操作ハンドル113は、上記の発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル113は、上記の枠部材110と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
また、枠部材110において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付けるチャンスボタン117が設けられている。チャンスボタン117の操作は、例えば、遊技中における特定のリーチ演出に際し、チャンスボタン117の操作を促すガイダンスが表示されている間有効となる。
図5は、遊技機1の制御手段200の内部構成を示すブロック図である。制御手段200は、複数の制御基板により構成されている。図示の例では、主制御基板201と、副制御基板202と、賞球制御基板203と、ランプ制御基板206とで構成されている。
この主制御基板201では、第1始動口105もしくは第2始動口120の遊技球の入球を契機として、大当たりの抽選を行うとともに、この抽選結果に基づいて、ROM201bに記憶されている演出に係わるコマンドの選択を行う。
上記役物作動装置231は、主制御基板201によって制御され、大当たり遊技(長当たり遊技、短当たり遊技)時や小当たり遊技時に、大入賞口開閉ソレノイド109bを通電して大入賞口開閉扉109aを開放したり、また、上記普通図柄の当選によって第2始動口開閉ソレノイド120bを通電して第2始動口120を開閉したりする。
この副制御基板202は、主に遊技中における演出の制御をおこなうもので、主制御基板201より送信されるコマンドに基づいて演出の抽選及び演出処理を実行するCPU202aと、プログラム及び過去の演出パターンを記憶するROM202bと、CPU202aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM202c等を備えている。
また、副制御基板202の出力側には、図柄表示部104が接続されており、抽選によって決定された内容のとおりに、図柄表示部104において装飾図柄演出を展開する。なお、副制御基板202には、図柄表示部104に表示させる画像データを書き込むVRAM202dが備えられている。
すなわち、図柄画像やキャラクター画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。このとき、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAM202dに記憶させる。
また副制御基板202の出力側には、ランプ262、演出ライト111、演出役物作動装置254を制御するランプ制御基板206を備えている。演出役物作動装置254は、演出役物115,116等の、演出用の役物を作動させるモータやソレノイド等によって構成されている。
ランプ制御基板206は、副制御基板202より送信されたコマンドに基づきプログラムを作動させて演出処理を実行するCPU206aと、各種演出パターンデータを記憶するROM206bと、CPU206aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM206c等を備えて構成される。
また、ランプ制御基板206は、副制御基板202より送信されたコマンドに基づき、演出役物115を動作させるソレノイドに対する駆動制御等を行い、演出役物116を動作させるモータに対する駆動制御等を行う。
図6は、遊技の進行を制御する制御手段200の機能的な構成を概略的に示す機能ブロック図である。
また、ROM201bは、遊技を進行制御する手段として、長当たり遊技制御手段340、短当たり遊技制御手段341、小当たり遊技制御手段342、高確率遊技制御手段343、時短遊技制御手段344、通常遊技制御手段345、保留増加コマンド送信手段330、事前判定手段331、演出実行コマンド送信手段333、変動回数カウント手段334を備えている。
さらに、ROM201bは、入賞ゲート106への遊技球の入球を契機として機能する手段として、普通図柄抽選手段360、普通図柄表示制御手段361、普通図柄変動制御手段362、普通図柄抽選結果判定手段363を備えている。
一方、副制御基板202のROM202bには、演出抽選手段501、演出制御手段502、確変示唆フラグ制御手段503、を備えている。
また、副制御基板202のRAM202cには、遊技状態記憶手段510、確変示唆フラグ記憶手段511、第1保留状況記憶手段512、第2保留状況記憶手段513、を備えている。
なお、上記ROMに格納されている各手段(プログラム)や、RAMに設けられた各手段(記憶領域)は、一例を列挙しているに過ぎない。
具体的には、遊技球が入賞ゲート106を通過すると、普通図柄の抽選が行われる。普通図柄の抽選は、入賞ゲート106を遊技球が通過することを条件として、CPU201aが普通図柄抽選手段360を作動して、乱数を無作為に抽出することによってなされる。このようにして取得された乱数は、時短遊技状態ではない場合には、普通図柄通常時当たり判定用テーブルに基づいて判定され、時短遊技状態では、普通図柄時短時当たり判定用テーブルに基づいて判定される。
まず、遊技球が入賞ゲート106を通過することによって制御を開始する普通図柄抽選手段360、普通図柄表示制御手段361、普通図柄変動制御手段362、普通図柄抽選結果判定手段363、および普通図柄保留記憶手段403について説明する。
普通図柄抽選結果判定手段363による判定の結果、当たりである場合には、第2始動口開閉ソレノイド120bを作動させて可動片120aを開放して開状態に維持し、ハズレであった場合には第2始動口開閉ソレノイド120bを作動させることなく閉状態に維持したまま制御を終了する。そして、普通図柄抽選結果判定手段363による判定の結果は、普通図柄表示制御手段361によって普通図柄表示器82に表示される。
すなわち、入賞ゲート106を遊技球が通過すると、普通図柄表示器82には、あたかも現在抽選が行われているかのように、ランプが点灯あるいは点滅した表示がなされるとともに、こうした点灯あるいは点滅が所定時間なされた後に、最終的に抽選結果が表示される。これが普通図柄の変動表示であるが、この変動表示の時間は、上記したとおり、遊技状態ごとに予め設定されている。
また、第2始動口120は、上記時短遊技状態において普通図柄が当たりに当選すると、1.2秒間の開動作が4回行われるのに対して、時短遊技状態以外の遊技状態において普通図柄が当たりに当選しても、0.2秒の開動作が1回行われるに過ぎない。
このことからも明らかなように、時短遊技状態においては、時短遊技状態以外の遊技状態よりも第2始動口120が開状態にある時間が遙かに長く、第2始動口120に遊技球が入球する可能性も遙かに高くなる。
図7に示すように、遊技球が入賞ゲート106を通過すると、当該遊技球の通過を入賞ゲート検出部222が検出する。
入賞ゲート検出部222が信号を検出すると、CPU201aが普通図柄変動制御手段362を作動して、普通図柄が現在変動中であるか否かを判断する。
そして、普通図柄が変動中であった場合には、ステップS102において、普通図柄の保留が上限留保個数である4未満であるか否か、すなわち普通図柄の変動表示の権利が、留保可能か否かが判定される。その結果、普通図柄の保留が上限留保個数である4個であった場合には制御を終了する。
これに対して、普通図柄の保留が4未満であった場合には、CPU201aが乱数発生手段等からなる普通図柄抽選手段360を作動して、0〜250の中から1つの乱数を無作為に取得する。
そして、上記ステップS103において、乱数が取得されると、この取得された乱数が、普通図柄保留記憶手段403に記憶され、入賞ゲート106への遊技球の通過に基づく制御は終了する。
変動開始処理を行う際には、まず、CPU201aが普通図柄変動制御手段362を作動して、遊技状態記憶手段404に記憶された遊技状態が、時短遊技状態であるか否かを判定する。
上記ステップS201において、時短遊技状態ではないと判定された場合には、普通図柄通常時当たり判定用テーブルが選択される。そして、CPU201aは、普通図柄抽選結果判定手段363を作動し、普通図柄通常時当たり判定用テーブルに基づいて、上記取得した乱数の当たり判定を行う。なお、上記普通図柄通常時当たり判定用テーブルによれば、0〜250の乱数のうち、例えば0〜24までの乱数が当たりと判定され、その他の乱数はハズレと判定される。つまり、普通図柄通常時当たり判定用テーブルによれば、10%程度の確率で乱数が当たりと判定されることとなる。
上記ステップS203において、当たり判定を行った結果、当たりと判定された場合には、ステップS204において通常変動処理が行われる。ここでいう通常変動処理というのは、普通図柄の変動表示が予め設定された時間(10秒)なされた後、所定の当たり用の図柄を停止表示させる処理である。
上記普通図柄の変動表示は、CPU201aが普通図柄表示制御手段361を作動して行われる。つまり、普通図柄表示制御手段361は、普通図柄表示器82において、LED等を10秒間点灯あるいは点滅させた後、所定の当たり用の図柄を停止表示させる。
一方、上記ステップS203において、ハズレと判定された場合には、ステップS209においてハズレ変動処理が行われる。ここでいうハズレ変動処理というのは、普通図柄の変動表示が予め設定された時間(10秒)なされた後、所定のハズレ用の図柄を停止表示させる処理である。このようにしてハズレ用の図柄を停止表示させると、主制御基板201における処理が終了となり、待機状態もしくは次の保留に基づいて変動処理を行うこととなる。
また、上記ステップS203において当たりと判定された場合には、上記ステップS204において普通図柄が停止表示した後に、CPU201aが所定のプログラムを作動して、第2始動口開閉ソレノイド120bを制御する信号を送信し、当該信号に基づいて第2始動口120を開状態とする。このとき、第2始動口120は、0.2秒だけ開放された後、再び閉状態に制御される。
また、上記ステップS201において、時短遊技状態と判定された場合には、普通図柄時短時当たり判定用テーブルが選択される。そして、CPU201aが普通図柄抽選結果判定手段363を作動し、取得した乱数の判定を、普通図柄時短時当たり判定用テーブルに基づいて行う。
上記ステップS207において、当たり判定を行った結果、当たりと判定された場合には、ステップS208において時短変動処理が行われる。ここでいう時短変動処理というのは、普通図柄の変動表示が予め設定された時間(1.5秒)なされた後、所定の当たり用の図柄を停止表示させる処理である。
この普通図柄の変動表示も、普通図柄表示制御手段361によってなされる。つまり、普通図柄表示制御手段361は、普通図柄表示器82において、LED等を1.5秒間点灯あるいは点滅させた後、所定の当たり用の図柄を停止表示させる。
上記のように、普通図柄が変動表示を開始して所定時間経過後に停止したタイミングで、CPU201aは所定のプログラムを作動して、第2始動口開閉ソレノイド120bを制御する信号を送信し、当該信号に基づいて第2始動口120を制御する。時短遊技状態においては、第2始動口120が、1.2秒の開動作を4回繰り返す。
なお、遊技球が入賞ゲート106を通過した場合の制御は、通常遊技状態においては通常遊技制御手段345が統括しており、時短遊技状態においては時短遊技制御手段344が統括している。
例えば、第1始動口105に遊技球が入球したことを第1始動口検出部221が検出すると、当該検出信号が主制御基板201に送信される。当該信号を受信すると、第1特別図柄抽選手段300が、予め用意された乱数(例えば、0〜600)の中からいずれかの乱数(本発明の遊技データ)を抽出する。ここで抽出した乱数には、当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数が含まれている。当たり乱数とは、大当たりか否か、すなわち大当たり遊技を実行する権利獲得の有無を決定するための乱数である。図柄乱数とは、大当たりの種類(長当たり、短当たり、高確率遊技状態への移行の有無、時短遊技状態への移行の有無)、すなわち、大当たりに当選した場合に、どのような遊技価値が付与されるのかを決定するための乱数である。そして、リーチ乱数とは、リーチ演出をするか否かを決定するための乱数である。
図9(a)は、大当たりの当選確率、および当たり乱数の一例を示している。また、図9(b)は、大当たりに当選した場合に付与される遊技価値の種類、すなわち大当たりの種類とその当選確率、および図柄乱数の一例を示し、図9(b−1)は、第1乱数判定手段303が図柄乱数を判定する際のテーブルの一例、図9(b−2)は、第2乱数判定手段323が図柄乱数を判定する際のテーブルの一例である。また、図9(b−3)は、上記当たり乱数の判定の結果、小当たりに当選したと判定された場合に用いられるテーブルの一例であり、第1乱数判定手段303および第2乱数判定手段323の双方が、図柄乱数の判定時に用いるテーブルである。図9(c)は、リーチ演出の有無とその出現確率、およびリーチ乱数の一例を示す。
このように、本実施形態においては、多量の賞球を獲得することが可能な長当たり遊技の終了後に、大当たりの当選確率が高い高確率遊技状態にて遊技が進行する長当たりと、大当たりの当選確率が低確率である低確率遊技状態にて遊技が進行する長当たりとが設けられている。
例えば、「高確率時短付き長当たり」に当選して時短遊技状態となった場合に、「通常時短付き短当たり」や「通常時短無し短当たり」に当選してしまうと、「高確率時短付き長当たり」に当選したことによる遊技価値を享受することができず、遊技に対する遊技者の意欲が一気に減退してしまう。
このような事態が、第2始動口120に遊技球が入球しやすくなる時短遊技状態においては、頻繁に発生することとなる。
そこで、上記の事態が頻繁に発生することがないよう、第2始動口120に遊技球が入球した場合に、「高確率時短付き長当たり」または「通常時短付き長当たり」のいずれかのみに当選するようにしたのである。これにより、時短遊技状態においては、多量の賞球を獲得可能な「長当たり」に当選しやすくなる。
第1始動口105または第2始動口120に遊技球が入球して取得された当たり乱数の判定の結果、当該当たり乱数が、小当たり遊技を実行する権利を獲得する乱数であると判定された場合には、CPU201aが第1乱数判定手段303または第2乱数判定手段323を作動して、図9(b−3)に示すテーブルに基づいて、小当たりの種類を判定(決定)する。
すなわち、図9(c)に示すように、上記当たり乱数がハズレであると判定された場合には、ハズレ時のリーチ乱数判定テーブルに基づいてリーチ乱数の判定を行い、大当たりと判定された場合には、大当たり時のリーチ乱数判定テーブルに基づいてリーチ乱数の判定を行う。また、上記当たり乱数が小当たりであると判定された場合には、小当たり時のリーチ乱数判定テーブルに基づいてリーチ乱数の判定が行われる。
ここで、リーチ乱数によって決定されるリーチ演出、リーチ無し演出というのは、図柄表示部104において行われる装飾図柄演出の態様を示すものである。つまり、特別図柄の変動表示中には、「1」〜「9」の数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が、3列表示されており、特別図柄の変動表示が開始されるのと同時に、これら図柄がスクロールを開始する。
一方、リーチ無し演出は、上記のように遊技者に期待感を与えるような演出がなされることなく、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で図柄が停止表示するものである。
そして、上記したように、第1特別図柄保留記憶手段401に保留球が留保されると、CPU201aが第1特別図柄表示制御手段301を作動して、留保されている保留球の数を、第1特別図柄保留表示器88に表示する。
例えば、図11(a)に示すように、第1特別図柄保留記憶手段401の第1記憶領域401a〜第3記憶領域401cに保留球が留保され、第2特別図柄保留記憶手段402の第5記憶領域402aおよび第6記憶領域402bに保留球が留保されているとする。
本実施形態においては、第2始動口120が優先始動口であるため、この場合には、第5記憶領域402aの保留球が優先して処理され、図11(b)に示す矢印の順に保留球が消化されていく。
図12に示すとおり、第1始動口105に遊技球が入球すると、当該入球があったことを第1始動口検出部221が検出する。すると、主制御基板201のCPU201aが、図示しない変動判定プログラムを作動して、特別図柄が変動表示中であるか否か、もしくは特別遊技(長当たり遊技、短当たり遊技、小当たり遊技)中であるか否かが判定される。このとき、特別図柄が変動表示中ではなく、また、特別遊技中でもないと判定された場合には、当該入球に基づく特別図柄の変動表示が即座になされるので、後述するステップS303と同様に遊技データが取得された後に、図17の変動開始処理がなされる。
一方、上記ステップS301において、特別図柄の変動表示中もしくは特別遊技中と判定された場合には、第1特別図柄保留記憶手段401における保留球の留保個数が4未満であるかを判断する。
一方、上記ステップS302において、保留球の留保個数が4未満すなわち保留球を留保すると判断された場合には、CPU201aが第1特別図柄抽選手段300を作動して、遊技データ(当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数)を抽選により取得する(ステップS303)。このようにして取得された遊技データは、第1記憶領域401a〜第4記憶領域401dの対応する記憶領域に記憶され保留球として留保される(ステップS304)。
そして、遊技状態記憶手段404に記憶された遊技状態が、時短遊技状態であるか、または特別遊技中(長当たり遊技中、短当たり遊技中、小当たり遊技中)である場合には(ステップS305のYES)、後述するステップS308における処理がなされる。
一方、遊技状態記憶手段404に記憶された遊技状態が、時短遊技状態または特別遊技中である場合には、CPU201aが事前判定手段331を作動して、第1特別図柄保留記憶手段401に新たに記憶された遊技データを判定する。ここで事前判定手段331によって判定される事象は、大当たりの当選の有無および小当たりの当選の有無である。なお、事前判定手段331による判定は、上記第1乱数判定手段303および第2乱数判定手段323と同様、遊技状態や遊技球が入球した始動口に応じたテーブルに基づいて行われる。したがって、遊技球が始動口に入球した際の事前判定手段331による判定結果と、特別図柄の変動表示時の第1乱数判定手段303または第2乱数判定手段323による判定結果とは、通常同じものとなる。
事前判定手段331は、保留球が留保された時点の遊技状態に基づいて遊技データを判定するため、上記の例では、事前判定手段は第1保留を大当たりと判定する。しかしながら、当該第1保留に基づく特別図柄の変動表示の開始時には、遊技状態が低確率遊技状態となっているため、第1乱数判定手段303は、当該第1保留をハズレと判定する。このように、本実施形態においては、事前判定手段331による判定結果と、実際の特別図柄の変動表示の結果とが異なる場合があるが、この事前判定手段331による誤判定を、いわゆるガセ演出として適用するようにしている。これにより、後述する事前判定手段331の判定結果に基づく予兆演出の信頼度をある程度低下させて、遊技者に疑念を抱かせるようにしている。
上記のようにして事前判定手段331によって取得された事前判定情報は、第1保留増加コマンドに付加される。ここで、第1保留増加コマンドというのは、第1保留が記憶された際に、当該第1保留が増加したこと、言い換えれば、第1保留の留保個数を図柄表示部104の第1保留表示150にて表示するために、主制御基板201から副制御基板202に送信されるコマンドである(図3参照)。
そして、上記ステップS307において、第1保留増加コマンドに事前判定情報が付加されたら、CPU201aが保留増加コマンド送信手段330を作動して、上記第1保留増加コマンドを副制御基板202に送信する。
また、時短遊技状態または特別遊技中である場合には、事前判定情報が付加されずに、第1保留が1つ増加したことのみを示すコマンドを副制御基板202に送信する。
また、図13に示すとおり、第2始動口120に遊技球が入球すると、当該入球があったことを第2始動口検出部225が検出する。
この第2始動口検出部225が遊技球の入球を検出した場合には、ステップS301〜ステップS308とほぼ同様の処理が行われる。なお、ステップS401〜ステップS407の処理は、上記ステップS301〜ステップS308と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
一方、図12に示すように、第1始動口105に遊技球が入球しても、事前判定情報は、時短遊技状態でなく、しかも、特別遊技中でない場合にしか副制御基板202に送信されない。言い換えれば、第2始動口120に遊技球が入球した場合には、常に事前判定情報が副制御基板202に送信されるのに対して、第1始動口105に遊技球が入球しても、時短遊技状態や特別遊技中であるときには、事前判定情報が副制御基板202に送信されない。
すなわち、本実施形態においては、事前判定情報に基づいて、大当たりに当選しているかもしれないという期待感を遊技者に与える予兆演出を行う。時短遊技状態においては、優先始動口である第2始動口120に遊技球が入球しやすくなるため、第1始動口105に遊技球が入球して第1保留が留保されたとしても、次々と第2保留が留保されて、なかなか第1保留に基づく処理がなされなくなる可能性が極めて高い。こうした状況下で、第1保留において大当たりに当選しているかもしれないという予兆演出を行うこととなれば、遊技者は当該第1保留を早期に処理するために、遊技球の発射を停止させてしまう。
そこで、上記のように、時短遊技状態においては、第1保留に係る事前判定情報を副制御基板202に送信しないようにしたのである。なお、第2保留については、保留球が留保された順に処理されるため、上記のような問題が生じることはない。したがって、本実施形態においては、時短遊技状態であっても、第2保留に係る事前判定情報を副制御基板202に送信するようにしている。ただし、第1保留との整合性を保ちたければ、時短遊技状態や特別遊技中において、第2保留に係る事前判定情報も副制御基板202に一切送信しないようにしてもよい。
副制御基板202が受信した保留増加コマンドが第1保留に係る場合には、RAM202cの第1保留状況記憶手段512に所定のフラグが記憶され、第2保留に係る場合には、RAM202cの第2保留状況記憶手段513に所定のフラグが記憶される。
保留数通常表示制御というのは、上記した図柄表示部104の第1保留表示150または第2保留表示151にて、保留球の留保個数が1つ増加したことを遊技者に知らしめるための制御である。例えば、第1保留が1つ、第2保留が2つある場合には、図柄表示部104において図16(a)に示すような保留表示がなされている。
この状態で、「ハズレ」の事前判定情報を有する第1保留増加コマンドを受信すると、図16(b)に示すように、第1保留表示150における表示が1つ増加し、第1保留が2つあることが遊技者に知らしめられる。
例えば、上記のように図16(a)に示す保留状況で、「小当たり」の事前判定情報を有する第1保留増加コマンドを受信すると、図16(c)に示すように、第1保留表示150における表示が1つ増加するが、この保留の増加表示がキャラクターによってなされる。このように、第1保留表示150または第2保留表示151にキャラクターが表示された場合には、当該キャラクターが表示された保留球が処理される際に、大当たりまたは小当たりに当選することとなる。このように、保留数予兆表示制御とは、保留表示をキャラクターによって行うことで、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に抱かせるものである。
ただし、本実施形態においては、上記の保留数予兆表示制御を行う条件が設定されている。具体的には、現在の遊技状態が時短遊技状態または特別遊技中である場合(ステップS502のYES)には、上記のように第1保留表示150が通常表示制御される(ステップS506)。
また、時短遊技状態でなく、特別遊技中でもない場合であっても、第1保留状況記憶手段512に「大当たり」または「小当たり」に係る事前判定情報が記憶されていない場合(ステップS503のNO)には、上記と同様に第1保留表示150にて通常表示制御がなされる(ステップS506)。
さらに、上記の条件を満たす場合であっても、事前判定情報が記憶されておらず、保留フラグのみが記憶されている第1保留がある場合(ステップS504のYES)には、第1保留表示150が通常表示制御される(ステップS506)。
ここで、ステップS504においてYESと判断される場合、すなわち、時短遊技状態でも特別遊技中でもないが、保留フラグのみが記憶されている記憶領域がある場合としては次の場合が考えられる。例えば、時短遊技状態において第1保留が2つ記憶されたとする。これら2つの第1保留は、時短遊技状態において取得されたものであるため、第1保留状況記憶手段512には、保留フラグのみが記憶され、事前判定情報は記憶されない。そして、この第1保留が処理されないうちに時短遊技状態が終了し、その後「大当たり」に係る3つ目の第1保留が記憶された場合には、当該ステップS504において「YES」と判断される。
そして、時短遊技状態でも特別遊技中でもなく(ステップS502のNO)、第1保留状況記憶手段512に「大当たり」または「小当たり」に係る事前判定情報が記憶され、かつ、第1保留状況記憶手段512において保留フラグが記憶された記憶領域の全てに事前判定情報の記憶がある場合には、ステップS505において第1保留数予兆表示制御がなされる。一方、上記のいずれか一つでも条件を満たさない場合には、ステップS506において第1保留数通常表示制御がなされる。
上記のように、第1保留表示150において、保留数予兆表示を行うのか保留数通常表示を行うのかが決定されたら、次に、第2保留表示151において、保留数予兆表示を行うのか保留数通常表示を行うのかを決定する。ここでは、第2保留状況記憶手段513に「大当たり」または「小当たり」に係る事前判定情報が記憶されているか否かが判断される。その結果、「大当たり」または「小当たり」に係る事前判定情報が記憶されている場合には、ステップS508において第2保留数予兆表示制御がなされ、「ハズレ」に係る事前判定情報のみが記憶されている場合には、ステップS509において第2保留数通常表示制御がなされる。
次に、遊技データに基づいて行われる特別図柄の変動表示に係る制御について、図17および図18を用いて説明する。
まず、特別図柄の変動表示を開始するにあたって、主制御基板201におけるRAM201cの所定の処理領域に、遊技データ(当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数)を記憶する。ここで、特別図柄の変動表示が行われていないときに遊技球が始動口に入球した場合には、CPU201aが第1特別図柄抽選手段300もしくは第2特別図柄抽選手段320を作動して遊技データを取得し、この遊技データを上記処理領域に記憶する。一方、第1特別図柄保留記憶手段401もしくは第2特別図柄保留記憶手段402に遊技データが記憶されている場合には、CPU201aが所定のプログラムを作動して、第1記憶領域401aもしくは第5記憶領域402aに記憶されている遊技データを処理領域に記憶させる。
そして、さらに第1特別図柄保留記憶手段401もしくは第2特別図柄保留記憶手段402に遊技データが記憶されている場合には、各遊技データを1つ前の記憶領域にシフト処理する。具体的には、上記ステップS601において、第2特別図柄保留記憶手段402の第5記憶領域402aに記憶された遊技データが処理領域に記憶された場合には、第6記憶領域402b〜第8記憶領域402dに記憶された遊技データを、1つ前の記憶領域にシフトする。一方、上記ステップS601において、第1特別図柄保留記憶手段401の第1記憶領域401aに記憶された遊技データが処理領域に記憶された場合には、第2記憶領域401b〜第4記憶領域401dに記憶された遊技データを、1つ前の記憶領域にシフトする。ただし、第1特別図柄保留記憶手段401もしくは第2特別図柄保留記憶手段402に遊技データが記憶されていない場合には、当該ステップS602における処理は行われない。
上記ステップS601において、処理領域に遊技データが記憶されたら、CPU201aが所定のプログラムを作動して、遊技状態記憶手段404に記憶された遊技状態が高確率遊技状態か否かを判断する。
上記ステップS603において、高確率遊技状態ではない(低確率遊技状態)と判定された場合には、特別図柄通常時当たり判定用テーブルが選択される(ステップS604)。一方、上記ステップS603において、高確率遊技状態(時短遊技状態の有無は問わず)であると判断された場合には、特別図柄高確率時当たり判定用テーブルが選択される(ステップS605)。なお、ここで選択されるテーブルは、当たり乱数を判定する当たり判定用テーブル、図柄乱数を判定する図柄判定用テーブル、リーチ乱数を判定するリーチ乱数判定用テーブルの3つである。
そして、CPU201aが第1乱数判定手段303もしくは第2乱数判定手段323を作動して、上記ステップS604もしくはステップS605において選択されたテーブルに基づく各乱数の判定を行う。これにより、大当たりの当選の可否、大当たりに当選した場合の大当たりの種類、および、特別図柄の変動表示中になされる演出の態様が決定される。なお、各乱数の判定処理については上記したとおりなので、ここでは説明を省略する。
ステップS607では、リーチ乱数の判定の結果、演出の態様がリーチ有り演出であるのか、リーチ無し演出であるのかを判定する。
そして、演出の態様が、リーチ有り演出であると判定された場合には、CPU201aがさらに第1特別図柄抽選手段300もしくは第2特別図柄抽選手段320を作動して、演出乱数を取得する。この演出乱数というのは、特別図柄の変動表示の時間すなわちリーチ演出の時間(尺)を決定するものであり、例えば、0〜250の演出乱数の中から無作為に1つの乱数が取得される。
そして、演出乱数を取得したら、当該演出乱数をROM201bに格納されている演出乱数判定テーブルに基づいて判定する。この演出乱数判定テーブルは、例えば、0〜50の演出乱数であった場合には、リーチ演出の時間を20秒と判定し、51〜150の演出乱数であった場合には、リーチ演出の時間を30秒と判定し、151〜250の演出乱数であった場合には、リーチ演出の時間を60秒と判定するように構成されている。したがって、このステップS609において、特別図柄の変動表示の時間、すなわちリーチ演出の時間が決定されることとなる。
一方、上記ステップS607において、リーチ有り演出ではない(リーチ無し演出)と判定された場合には、CPU201aが所定のプログラムを作動して、第1特別図柄保留記憶手段401および第2特別図柄保留記憶手段402の保留球の合計留保個数を判定する。
そして、CPU201aは、図示しない変動時間決定プログラムを作動して、保留球の合計留保個数に基づいて、特別図柄の変動時間(演出時間)を決定する。例えば、当該変動開始処理の際に、保留球の合計留保個数が0もしくは1であった場合には、上記変動時間を12秒に決定する。また、保留球の合計留保個数が2であった場合には、8秒に、3以上であった場合には4秒に変動時間を決定する。
なお、第1特別図柄保留記憶手段401に留保された保留球に係る特別図柄の変動表示を開始する場合には、第1特別図柄保留記憶手段401内の保留球の留保個数に応じて変動時間を決定し、第2特別図柄保留記憶手段402に留保された保留球に係る特別図柄の変動表示を開始する場合には、第2特別図柄保留記憶手段402内の保留球の留保個数に応じて変動時間を決定するようにしてもよい。
上記のようにして、変動時間が決定されたら、CPU201aが第1特別図柄表示制御手段301もしくは第2特別図柄表示制御手段321を作動して、特別図柄表示器84,86に、特別図柄の変動表示を開始する。なお、特別図柄の変動表示の時間は、上記ステップS609もしくはステップS611において決定された時間だけなされ、当該時間の経過後に、上記特別図柄表示器84,86には、大当たりの種類に応じた図柄が最終的に停止表示する(ステップS623)。
また、当該遊技データが、「大当たり(長当たり、短当たり)」に当選している場合には(ステップS613のYES)、特別図柄の変動表示が終了した後に大当たり遊技を開始するため、大当たり遊技開始フラグがRAM201cの所定の記憶領域に記憶される(ステップS614)。この大当たり遊技開始フラグは、「長当たり」の当選と「短当たり」の当選とが識別可能に記憶され、当該フラグが付されている場合に、特別図柄の変動表示の終了後、長当たり遊技または短当たり遊技が開始される。
また、「大当たり」に当選しておらず(ステップS613のNO)、「小当たり」に当選している場合には(ステップS615のYES)、特別図柄の変動表示が終了した後に小当たり遊技を開始するため、小当たり遊技開始フラグがRAM201cの所定の記憶領域に記憶される(ステップS616)。この小当たり遊技開始フラグが付されている場合に、特別図柄の変動表示の終了後、小当たり遊技が開始される。
そして、CPU201aは、所定のプログラムを作動して、遊技状態記憶手段404に記憶されている現在の遊技状態が、時短遊技状態であるか否かを判断する。
なお、詳しい説明は省略するが、遊技状態記憶手段404には、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるか、時短遊技状態であるか否かが識別可能に記憶される。また、時短遊技状態である場合には、当該時短遊技状態が、特別図柄の変動表示が何回(1万回または100回)行われたところで終了するものであるのかについても識別可能に記憶される。
これに対して、「通常時短付き長当たり」または「通常時短付き短当たり」の当選を契機として開始される時短遊技状態は、特別図柄の変動表示が最大100回行われたところで終了する。この特別図柄の変動表示が最大100回行われたところで終了する時短遊技状態である場合には、遊技状態記憶手段404に時短遊技フラグ「0」が記憶されている。
なお、上記の時短遊技フラグは、長当たり遊技または短当たり遊技の終了時に記憶されるが、その詳細については後述する。
現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、CPU201aが変動回数カウント手段334を作動して、変動回数記憶手段406に、特別図柄の変動表示の回数を「1」カウントして記憶する。
上記のようにしてカウントされた特別図柄の変動表示の回数が、予め設定された回数(1万回または100回)に達した場合には、遊技状態記憶手段404に記憶されている時短遊技フラグ「0」または「1」がOFFされる。これにより、当該特別図柄の変動表示の終了をもって時短遊技状態が終了することとなる。
また、時短遊技状態が終了するのは、当該時短遊技状態において特別図柄の変動表示が予め設定された回数(1万回もしくは100回)行われた場合に限らない。本実施形態においては、時短遊技状態において「高確率時短無し短当たり」または「通常時短無し短当たり」に当選した場合にも時短遊技状態が終了となる。
したがって、特別図柄の変動表示が予め設定された回数に達していない場合(ステップS619のNO)でも、「高確率時短無し短当たり」または「通常時短無し短当たり」に当選した場合(ステップS621のYES)には、時短遊技フラグがOFFされる(ステップS620)。
次に、CPU201aは、演出実行コマンド送信手段333を作動して、演出実行コマンドを副制御基板202に送信する。この演出実行コマンドには、当該遊技データに基づく各情報が付されている。具体的には、大当たり、小当たりの当選の有無、大当たりに当選している場合にはその種類(長当たり、短当たり、)、演出の態様(リーチ有り演出であるのかリーチ無し演出であるのか)、特別図柄の変動表示の時間に関する情報、当該遊技データが保留球として記憶されていた記憶領域、および遊技状態記憶手段404に記憶されている現在の遊技状態に関する情報が付されている。
そして、上記の各制御が全て終了したところで、特別図柄表示器84,86において特別図柄が停止表示し、主制御基板201における特別図柄の変動開始処理が終了となる。
副制御基板202が演出実行コマンドを受信すると、CPU202aが所定のプログラムを作動して、確変示唆フラグ制御手段503に確変示唆フラグが記憶されているか否かを判断する。ここで、確変示唆フラグが記憶されている場合というのは、当該特別図柄の変動開始処理以前に「短当たり遊技」もしくは「小当たり遊技」のいずれかが行われた場合である(図20のステップS901b、図21のステップS1001b)。
上記ステップS701において、確変示唆フラグが記憶されていないと判定された場合には、「通常演出モードテーブル」が選択される。
一方、上記ステップS701において、確変示唆フラグ記憶手段511に確変示唆フラグが記憶されていると判定された場合、「確変示唆演出モードテーブル」が選択される。つまり、「短当たり遊技」もしくは「小当たり遊技」が終了した以降は、特別図柄の変動表示中に「確変示唆演出モード」に係る演出がなされることとなる。
上記のようにして、「通常演出モードテーブル」および「確変示唆演出モードテーブル」のいずれかが選択されたら、CPU202aが演出抽選手段501を作動して、演出の抽選を行う。
なお、上記両テーブルには、「長当たり」に当選した際のテーブルと、「短当たり」に当選した際のテーブルと、「小当たり」に当選した際のテーブルと、「ハズレ」の際のテーブルとがそれぞれ設けられている。しかも、各テーブルには、リーチ演出用のテーブルと、リーチ無し演出用のテーブルとがさらに設けられ、演出態様ごとに実行されうる演出時間に対応したテーブルがさらに設けられている。そして、受信した演出実行コマンドが有する演出時間情報や、演出態様(リーチ有り演出、リーチ無し演出)に関する情報に基づいて対応するテーブルが選択される。これら各テーブルには、図柄表示部104における装飾図柄演出態様や演出役物115,116における役物演出態様、あるいは音声演出態様やランプ演出態様がそれぞれ組み合わされたコマンドが複数記憶されており、これら複数のコマンドの中から1のコマンドが決定される。
そして、上記ステップS704において1のコマンドが決定されたら、受信した演出実行コマンドが、「長当たり」に係る演出実行コマンドであるか否かが判断される。その結果、受信した演出実行コマンドが「長当たり」に係るものではないと判断された場合には、ステップS707の処理がなされる。
これに対して、上記ステップS705において、受信した演出実行コマンドが「長当たり」に係るものである場合には、確変示唆フラグ記憶手段511に記憶されている確変示唆フラグをOFFする。これにより、「短当たり遊技」もしくは「小当たり遊技」の終了後に実行される「確変示唆演出モード」による演出が終了となり、長当たり遊技の終了後には、「通常演出モード」にて演出が制御されることとなる。
そして、CPU202aは、所定のプログラムを作動して、第1保留状況記憶手段512または第2保留状況記憶手段513に記憶されたコマンド(保留フラグおよび事前判定情報)を1つ前の処理領域にシフトさせる。例えば、受信した演出実行コマンドが、第1保留に係るコマンドであった場合には、第1保留状況記憶手段512の各記憶領域512b〜512dに記憶されたコマンドを1つ前の処理領域にシフトさせる。具体的には、第4記憶領域512dに記憶されているコマンドは第3記憶領域512cに、第3記憶領域512cに記憶されているコマンドは第2記憶領域512bに、第2記憶領域512bに記憶されているコマンドは第1記憶領域512aにシフトさせる。なお、第1記憶領域512aに記憶されているコマンドは消去される。
このように、各記憶領域に記憶されているコマンドを、演出実行コマンドの受信を契機としてシフトさせることで、主制御基板201と副制御基板202とで、保留球の数や内容についての情報に誤りが生じないようにしている。
そして、CPU202aは、演出制御手段502を作動して、上記ステップS707において更新処理された第1保留状況記憶手段512および第2保留状況記憶手段513の記憶情報に基づいて保留数予兆表示制御または保留数通常表示制御を行う。
なお、ステップS708〜ステップS715の処理は、図14のステップS502〜ステップS509の処理と同じなので、ここでは詳細な説明は省略する。
このように、ステップS708〜ステップS715の処理によって、特別図柄の変動表示を行う際に、保留数表示が更新されて行われることとなる。つまり、始動口に遊技球が入球して保留球が留保されたとき、および、保留球が処理されたときの双方で、最新の保留状況に基づく保留数表示がなされることとなる。
また、CPU202aは演出制御手段502を作動して、第1保留数予兆表示制御および第2保留数予兆表示制御のいずれか一方または双方を行うか否かを判断する。その結果、少なくとも第1保留数予兆表示制御または第2保留数予兆表示制御のいずれかが行われる場合には、CPU202aが演出抽選手段501を作動して、特殊キャラクターの登場パターンを決定する。
本実施形態においては、保留表示150,151においてキャラクターが表示される場合、当該キャラクター表示がなされる保留球が処理されるまでの間、特別図柄の変動表示の開始時に特殊キャラクターが図柄表示部104に表示される。つまり、保留表示150,151とは別の方法によっても予兆演出が行われるようにしている。例えば、第2保留として4つ目に処理がなされる保留球が「大当たり」または「小当たり」に当選すると事前判定された場合には、その保留球の前に処理がなされる1つ目〜3つ目の保留球に基づく特別図柄の変動表示の開始時に、特殊キャラクターが所定時間(2秒程度)重畳表示される。このように、特別図柄の変動表示の開始時に特殊キャラクターを登場させることによって、以後の保留球において大当たりに当選するかもしれないという期待感を、遊技者に継続して与えるようにしている。
また、「大当たり」に係る事前判定情報が記憶されている場合と、「小当たり」に係る事前判定情報が記憶されている場合とで、各特殊キャラクターの登場パターンが決定される確率を異にすることが望ましい。例えば、「キャラクターAが寝ている」というパターンは、「大当たり」に係る事前判定情報が記憶されている場合には50%の確率で抽選されるが、「小当たり」に係る事前判定情報が記憶されている場合には5%の確率で抽選されるという具合に設定しておく。このようにすれば、特別図柄の変動表示の開始時に、「キャラクターAが寝ている」という演出が行われた場合に、遊技者は「大当たり」当選に対する高い期待感を抱くことになる。つまり、特殊キャラクターの登場パターンによって、大当たりへの信頼度を報知することで、演出効果をより一層高めることができる。
上記のとおり各制御がなされたら、CPU202aが演出制御手段502を作動して、上記確定したコマンドに基づいて、図柄表示部104や演出役物115,116、スピーカ277、演出ライト111の制御を開始する。これにより、特別図柄の変動表示中には、さまざまな演出が行われることとなり、こうした演出によって遊技者の期待感が高まることとなる。
図19に示す長当たり遊技は、主制御基板201のRAM201cに、長当たり遊技開始フラグが記憶されていることによって開始となる。まず、長当たり遊技の開始にあたって、CPU201aが長当たり遊技制御手段340を作動して、長当たり演出開始信号を副制御基板202に送信する。副制御基板202においては、当該長当たり演出開始信号を受信することによって、長当たり遊技中の演出が開始される(ステップS801a)。なお、本実施形態においては、長当たり遊技中に図柄表示部104にムービーが表示されるとともに、当該ムービーに対応して演出ライト111が点灯し、また、スピーカ277から音楽が出力される。こうした演出は、長当たり遊技の開始から終了まで一貫して行われるが、副制御基板202のCPU202aが演出制御手段502を作動することによって制御されている。
上記のように長当たり遊技専用の演出が開始すると、CPU201aが長当たり遊技制御手段340を作動して、大入賞口開閉ソレノイド109bの通電を開始し、大入賞口開閉扉109aを開放する。これにより、大入賞口109cに遊技球が入球可能となる。
また、大入賞口開閉ソレノイド109bを通電するのと同時に、主制御基板201から副制御基板202にラウンド開始信号が送信される。副制御基板202がラウンド開始信号を受信すると、CPU202aが演出制御手段502を作動して、ラウンドごとの演出を制御する(ステップS802a)。例えば、図柄表示部104においては、すでに長当たり遊技専用のムービーが表示されているが、このムービーとともに、「1ラウンド開始」といったメッセージが合わせて表示される。
上記ステップS802において、大入賞口開閉扉109aが開放すると、主制御基板201に設けたタイムカウンタが時間の計測を開始する。そして、所定時間(30秒)が経過すると、CPU201aが長当たり遊技制御手段340を作動して、大入賞口開閉ソレノイド109bの通電を停止し(ステップS805)、大入賞口開閉扉109aを閉じる。また、大入賞口検出部224および継続入賞口検出部240が合わせて所定個数(9個)の遊技球の入球を検知した場合にも同様に、大入賞口開閉ソレノイド109bの通電が停止される。したがって、大入賞口開閉扉109aが開放してから所定時間内であって、かつ、大入賞口検出部224の遊技球の検知個数が所定個数未満である間は、ステップS803およびステップS804の制御が繰り返し行われ、大入賞口開閉扉109aが開状態に維持されることとなる。
そして、上記ステップS805において、所定時間を経過するか、もしくは所定個数の遊技球を大入賞口検出部224および継続入賞口検出部240が検知するかして、大入賞口開閉ソレノイド109bの通電が停止すると、CPU201aが長当たり遊技制御手段340を作動して、ラウンド数記憶手段405に「1」をカウントして記憶する。このラウンド数記憶手段405に記憶されたカウント値は、長当たり遊技が何ラウンド行われたかを判断するためのものである。
さらに、CPU201aは長当たり遊技制御手段340を作動して、上記ラウンド数記憶手段405に記憶されたカウント値を判断する。そして、このカウント値が15でなければ、上記ステップS802〜ステップS806の処理が繰り返して行われることとなる。
一方、上記ステップS802〜ステップS807の処理が繰り返された結果、ラウンド数が15に到達した場合には、ラウンド数記憶手段405に記憶されたカウント値がクリアされる。
また、大入賞口開閉装置109の開閉動作が所定回数(15ラウンド)行われると、長当たり遊技が終了となり、CPU201aが長当たり遊技制御手段340を作動して、副制御基板202に長当たり遊技終了信号を送信する。そして、副制御基板202が長当たり遊技終了信号を受信すると、CPU202bが演出制御手段502を作動して、いわゆる長当たり遊技終了に係るエンディングの演出が行われる(ステップS809a)。
そして、当該長当たり遊技が、「高確率時短付き長当たり」の当選によって実行された場合には、CPU201aが長当たり遊技制御手段340を作動して、遊技状態記憶手段404に時短遊技フラグ「1」を記憶し(ステップS811)、「通常時短付き長当たり」の当選によって実行された場合には、遊技状態記憶手段404に時短遊技フラグ「0」を記憶する(ステップS812)。これにより、長当たり遊技の終了後に時短遊技状態となり、高確率遊技状態となる場合には、特別図柄の変動表示の上限回数が1万回に設定され、低確率遊技状態となる場合には、特別図柄の変動表示の上限回数が100回に設定される。
このとき、遊技状態記憶手段404には、以後の遊技状態が高確率遊技状態または低確率遊技状態であることを示すフラグが、時短遊技フラグとあわせて記憶される。このようにして、以後の遊技を進行するための処理が行われたら、主制御基板201における長当たり遊技の制御が終了となる。
図20に示す短当たり遊技は、主制御基板201のRAM201cに、短当たり遊技開始フラグが記憶されていることによって開始となる。まず、短当たり遊技の開始にあたって、CPU201aが短当たり遊技制御手段341を作動して、短当たり演出開始信号を副制御基板202に送信する。副制御基板202においては、当該短当たり演出開始信号を受信することによって、短当たり遊技中の演出が開始される(ステップS901a)。なお、本実施形態においては、短当たり遊技中に図柄表示部104にムービーが表示されるとともに、当該ムービーに対応して演出ライト111が点灯し、また、スピーカ277から音楽が出力される。こうした演出は、短当たり遊技の開始から終了まで一貫して行われるが、副制御基板202のCPU202aが演出制御手段502を作動することによって制御されている。
なお、短当たり遊技中に行われる演出としては、例えば、後述する「確変示唆演出モード」を開始する際のオープニングに係る演出が好適である。
上記のように短当たり遊技専用の演出が開始すると、CPU201aが短当たり遊技制御手段341を作動して、大入賞口開閉ソレノイド109bを通電し、大入賞口開閉扉109aを開放する。ただし、この短当たり遊技においては、大入賞口開閉ソレノイド109bの通電時間が0.05秒と短く設定されているため、大入賞口開閉扉109aは一瞬開放した後にすぐに閉状態に復帰する。ただし、大入賞口開閉扉109aの自重が作用する関係で、大入賞口開閉扉109aが開放してから完全に閉じきるまでの時間は、0.05秒よりも長くなる。
上記ステップS902において、大入賞口開閉ソレノイド109bを通電すると、主制御基板201に設けたタイムカウンタが時間の計測を開始する。
そして、上記ステップS903において、所定時間(1秒)を経過すると、CPU201aが短当たり遊技制御手段341を作動して、ラウンド数記憶手段405に「1」をカウントして記憶する。これにより、短当たり遊技が何ラウンド行われたかが判断される。
さらに、CPU201aは短当たり遊技制御手段341を作動して、上記ラウンド数記憶手段405に記憶されたカウント値を判断する。そして、このカウント値が15でなければ、上記ステップS902〜ステップS904の処理が繰り返して行われることとなる。なお、上記ステップS902の処理が繰り返して行われるまでの時間は、上記の所定時間(1秒)である。つまり、短当たり遊技においては、大入賞口開閉扉109aが開放する間の時間が1秒に設定されている。
一方、上記ステップS902〜ステップS904の処理が15回行われた場合には、ラウンド数記憶手段405に記憶されたカウント値がクリアされる。
また、CPU201aは短当たり遊技制御手段341を作動して、遊技状態記憶手段404に以後の遊技状態を記憶するための処理を行う。つまり、以後の遊技状態が高確率遊技状態となるのか低確率遊技状態となるのか、および以後の遊技状態が時短遊技状態となるのかが判断される。
具体的には、「高確率時短付き短当たり」の当選による短当たり遊技が実行された場合には、以後の遊技状態が高確率遊技状態で、かつ時短遊技状態となるため、ステップS907およびステップS908ともに「YES」と判断される。また、「通常時短付き短当たり」の当選による短当たり遊技が実行された場合には、以後の遊技状態が低確率遊技状態であるが、時短遊技状態となるため、ステップS907で「NO」と判断され、ステップS909で「YES」と判断される。
上記のように、「高確率時短付き短当たり」の当選による短当たり遊技が実行された場合には、CPU201aが短当たり遊技制御手段341を作動して、遊技状態記憶手段404に時短遊技フラグ「1」を記憶する。これにより、短当たり遊技の終了後に時短遊技状態となり、特別図柄の変動表示の上限回数が1万回に設定される。
なお、遊技状態記憶手段404には、以後の遊技状態が高確率遊技状態であることを示すフラグが、時短遊技フラグとあわせて記憶される。
また、「通常時短付き短当たり」の当選による短当たり遊技が実行された場合には、CPU201aが短当たり遊技制御手段341を作動して、遊技状態記憶手段404に時短遊技フラグ「0」を記憶する。これにより、短当たり遊技の終了後に時短遊技状態となり、特別図柄の変動表示の上限回数が100回に設定される。
なお、遊技状態記憶手段404には、以後の遊技状態が低確率遊技状態であることを示すフラグが、時短遊技フラグとあわせて記憶される。
さらに、「高確率時短無し短当たり」または「通常時短無し短当たり」の当選による短当たり遊技が実行された場合には、CPU201aが短当たり遊技制御手段341を作動して、遊技状態記憶手段404に記憶されている時短遊技フラグをOFFする。時短遊技状態において、「高確率時短無し短当たり」または「通常時短無し短当たり」に当選した場合には、遊技状態記憶手段404に時短遊技フラグ「0」または「1」が記憶されたままになっている。この状態で「高確率時短無し短当たり」または「通常時短無し短当たり」に当選した場合には、時短遊技状態が終了となるため、遊技状態記憶手段404において時短遊技フラグをOFFする必要がある。これにより、短当たり遊技の終了後、時短遊技状態が発生していない状態で遊技が進行されることとなる。
このようにして、以後の遊技を進行するための処理が行われたら、主制御基板201における短当たり遊技の制御が終了となる。
まず、小当たり遊技の制御開始にあたって、CPU201aが小当たり遊技制御手段342を作動して、小当たり演出開始信号を副制御基板202に送信する。副制御基板202においては、当該小当たり演出開始信号を受信することによって、小当たり遊技中の演出が開始される(ステップS1001a)。なお、本実施形態においては、小当たり遊技中に図柄表示部104にムービーが表示されるとともに、当該ムービーに対応して演出ライト111が点灯し、また、スピーカ277から音楽が出力される。こうした演出は、小当たり遊技の開始から終了まで一貫して行われるが、副制御基板202のCPU202aが演出制御手段502を作動することによって制御されている。
なお、小当たり遊技は、その開始から終了までの時間が予め設定されており、小当たり遊技専用の演出は、小当たり遊技の開始から終了までの時間に設定されている。また、小当たり遊技専用の演出は、上記短当たり遊技専用の演出と同一の内容に設定されている。このように、演出を見ただけでは、小当たり遊技が実行されているのか、短当たり遊技が実行されているのかが遊技者にわからないようにしている。
上記のように小当たり遊技専用の演出が開始するのと同時に、CPU201aが小当たり遊技制御手段342を作動して、大入賞口開閉ソレノイド109bの通電を間欠的に行う。つまり、小当たり遊技制御手段342は、大入賞口開閉ソレノイド109bに対する0.05秒の通電を、1秒の間隔をあけて15回行うようにプログラムされている。したがって、CPU201aが小当たり遊技制御手段342を作動すると、大入賞口開閉扉109aの開閉動作が連続して15回行われることとなる。
なお、この小当たり遊技の制御方法は、上記短当たり遊技の制御方法と異なるものであるが、大入賞口開閉装置109の開閉動作は、短当たり遊技と小当たり遊技とで同一態様に設定されている。したがって、上記のように演出のみならず、大入賞口開閉装置109の開閉動作を見たとしても、遊技者が、小当たり遊技が実行されているのか、それとも短当たり遊技が実行されているのかの区別をつけることはできない。
この場合には、第1保留表示150において、図22(a)に示すとおりに、保留数予兆表示がなされる。
そして、第1保留Aは、「大当たり」に当選する遊技データであることから、第1保留Aに基づく特別図柄の変動表示が終了すると、特別遊技が開始される。この特別遊技中に新たに第1保留Cが留保されると、第1保留表示150は図22(c)に示すとおりに保留数通常表示がなされる。このとき、第1保留状況記憶手段512の第2記憶領域512bには、事前判定情報が記憶されず保留フラグのみが記憶される。
この図22(d)からも明らかなように、時短遊技状態において留保された第1保留Dは事前判定情報を有しておらず、第1保留表示150においては保留数通常表示がなされている。また、第2保留G,H,Jは「ハズレ」の事前判定情報を有しており、第2保留Iは「大当たり」の事前判定情報を有している。そして、第2保留表示151においては、図示のとおり保留数予兆表示がなされることとなる。
そして、上記第2保留Iが、「通常時短無し短当たり」に当選すると、以後の遊技状態が低確率遊技状態で、しかも時短遊技状態が生じない通常遊技状態となる。つまり、時短遊技状態が終了する。
第1保留Eは、時短遊技状態の終了後すなわち非時短遊技状態において留保されたものであるため、第1保留状況記憶手段512の第3記憶領域512cに、事前判定情報が記憶される。そして、当該事前判定情報が「小当たり」に係るものであるが、本実施形態においては、第1保留Eよりも先に処理がなされる第1保留C,Dに事前判定情報が記憶されていないため、第1保留数通常表示がなされる。
その後、第1保留Cに基づく特別図柄の変動表示が終了し、第1保留Dに基づく特別図柄の変動表示が開始されたところで、第1保留数予兆表示が再開されることとなる。
また、仮に時短遊技状態において第1保留に基づく予兆演出を行うと、当該予兆演出の契機となる第1保留を早期に処理するために、遊技者が遊技球の発射を停止させるおそれがあるが、本実施形態においては、時短遊技状態では非優先処理がなされる第1保留に基づく予兆演出を行わないので、上記のように遊技者が遊技球の発射を停止させることもない。したがって、遊技が中断することによる遊技性の低下を招来することもない。
ただし、時短遊技状態においては、短時間に第1保留と第2保留とが留保される可能性が高いため、第2保留に係る事前判定情報のみを副制御基板202に送信することが望ましい。なぜなら、保留球が新たに留保されると、事前判定手段331による事前判定処理および保留増加コマンド送信手段330によるコマンド送信処理がなされるが、こうした処理を複数の保留球に対して短時間で行うこととなれば、主制御基板201における処理が重くなり、主制御基板202における遊技の進行に影響を及ぼす恐れがあるからである。
例えば、「大当たり」に係る事前判定情報が第1保留状況記憶手段512の第3記憶領域512cに記憶されたとする。このとき、当該「大当たり」に係る保留球よりも先に処理がなされる保留球に、「大当たり」や「リーチ有り演出」に係る保留球が留保されている場合には、予兆演出を行わないようにする。なぜなら、上記実施形態のように、特殊キャラクターを表示するようにした場合には、当該特殊キャラクターが、いずれの保留球に基づいて表示されているのかを遊技者が極めて判別しにくくなり、演出が過度に複雑化して遊技者に混乱を生じるためである。
105 第1始動口
120 第2始動口
200 制御手段
201 主制御基板
202 副制御基板
300 本発明の遊技データ抽選手段を構成する第1特別図柄抽選手段
301 第1特別図柄表示制御手段
302 第1特別図柄変動制御手段
303 第1乱数判定手段
320 本発明の遊技データ抽選手段を構成する第2特別図柄抽選手段
321 第2特別図柄表示制御手段
322 第2特別図柄変動制御手段
323 第2乱数判定手段
331 事前判定手段
401 第1特別図柄保留記憶手段
402 第2特別図柄保留記憶手段
502 演出制御手段
Claims (3)
- 遊技球が入球可能に設けられた第1始動口、および、遊技球の入球機会が予め設定された第1の態様もしくは所定条件の成立により前記第1の態様よりも遊技球の入球機会が増す第2の態様に制御される第2始動口を有する遊技盤と、
少なくとも通常遊技状態または該通常遊技状態よりも前記第2始動口が前記第2の態様に制御されやすくなる時短遊技状態にて遊技の進行を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記第1始動口または前記第2始動口への遊技球の入球を条件として遊技データを取得する遊技データ抽選手段と、
前記遊技データに基づいて特別図柄を変動表示させる特別図柄表示制御手段と、
前記特別図柄の変動表示中に前記第1始動口への遊技球の入球により取得された遊技データを第1保留として記憶し、前記特別図柄の変動表示中に前記第2始動口への遊技球の入球により取得された遊技データを第2保留として記憶する特別図柄保留記憶手段と、
該特別図柄保留記憶手段に記憶された遊技データを、当該遊技データに基づく特別図柄の変動表示の開始前に判定する事前判定手段と、
該事前判定手段の判定結果に基づく予兆演出を、当該判定結果に係る遊技データに基づいて特別図柄の変動表示が開始される前に制御する演出制御手段と、を備えた遊技機であって、
前記特別図柄表示制御手段は、前記特別図柄保留記憶手段に前記第1保留および第2保留の双方が記憶されたとき、前記第2保留に基づく特別図柄の変動表示を優先して行い、
前記演出制御手段は、
前記時短遊技状態ではない非時短遊技状態にあるときにのみ、前記第1保留に基づく前記予兆演出を制御するとともに、
前記時短遊技状態にあるときに取得された第1保留が前記特別図柄保留記憶手段に記憶された状態で、当該時短遊技状態が終了して非時短遊技状態に移行したとき、非時短遊技状態への移行後に取得された第1保留に基づく前記予兆演出を、前記時短遊技状態にあるときに取得された第1保留が全て処理された後に再開することを特徴とする遊技機。 - 前記演出制御手段は、時短遊技状態および非時短遊技状態の双方にて、前記第2保留に基づく前記予兆演出を制御することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
- 前記事前判定手段は、非時短遊技状態にあるときのみ、前記特別図柄保留記憶手段に記憶された第1保留に係る遊技データを判定することを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
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