JP4943187B2 - 管状製品の押出方法およびその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、管状製品の押出方法およびその装置に関し、特にビレットにマンドレルを挿通してアルミニウム合金などの管状製品を押出す管状製品の押出方法およびその装置に関する。
従来のアルミニウム合金などの管状製品を製造する押出方法を図4に示す。例えば間接押出プレスを用いた場合、図示のようにまずコンテナ20をエンドプラテン22側に移動させて、コンテナ20内にダイステム24を挿通させてビレット26の供給スペースを確保する。この状態でビレット26の軸心がコンテナ20の軸心と一致するまでビレットローダ28を横行させる(図4(1))。
次いで、予めコンテナ20内に挿入するビレット26の長さを自動的に計測しておき図示しない制御装置に記憶させる。そして押出ステム30の移動距離はリニアスケール32によって計測され、前記制御装置に記憶させたビレット26長さになったときに押出ステム30を停止させる(図4(2))。
そしてダイステム24の一端に取り付けたダイス34面とダミーブロック36を介して押出ステム30との間にビレット26を挟持させるとともに、コンテナ20を押出ステム30方向(押出し方向と逆方向)に移動させビレット26をコンテナ20内に挿通する。このときビレットの外径はコンテナの内径よりも僅かながら小さく設定しているため、ダイステム24先端面と押出ステム30先端面とで挟まれたビレット26は、コンテナ20内で浮いた状態となっている(図4(3))。
押出ステム30を駆動するメインラム内にはマンドレル38を駆動するピアサシリンダを設けた構成としている。これにより押出し軸上に取り付けたマンドレル38の先端をビレット26の一端から挿入してダイス34の開口まで移動させて、マンドレル38の設定位置で固定する。その後、押出ステム30を前進させてビレット26をダイス34に押圧して開口から管状製品40が押出される。(図4(4))。
特開昭59−42118号公報
従来の押出方法のビレットは、冷間において中心部に孔(ホロー)を設けたホロービレットが用いられており、ビレットの孔径とマンドレルの外径が一致しないケースがある。ビレットの中心部に設けた孔の径がマンドレルの外径より少し小さいとき、従来の押出方法によれば、マンドレルをビレットの中心部に設けた孔に挿通する際、ビレットの径大方向あるいは押出し方向に拡大しビレットの変形が生じる。このためビレットにマンドレルを挿通するとビレットが変形してビレットからの反力(押出し方向と逆方向)によりメインラム内の圧油が圧縮されて押出ステムが後退してしまい、ダイステムのダイス面とダミーブロックを介して押出ステムに挟持したビレットがコンテナ内で落下するという問題があった。
このようなビレットの変形によるビレットの押出し軸の位置ずれ、あるいはビレットが落下した状態でマンドレルをビレットの中心部に設けた孔(ホロー)に挿通した後、引き続いて押出ステムを前進させて押出した場合、コンテナの軸心とビレットの軸心がずれているために管状製品の曲がりや偏肉が生じてしまうという問題があった。
そこで上記従来技術の問題点を解決するため、本発明はビレットにマンドレルを挿通する際、ダイスと押出ステムで狭持したビレットの軸心の位置ずれを防止する管状製品の押出方法及び押出装置を提供することを目的としている。
上記問題点を解決するため、本発明の管状製品の押出方法は、エンドプラテンに取り付けたダイスと、前記ダイスに対向する押出ステムとの間の押出し軸上で狭持したビレットをコンテナ内に挿通したのち、前記押出ステムを押出し方向に移動させて前記ビレットを押出す管状製品の押出方法であって、前記押出ステムを前記ダイス側に移動して前記ビレットを前記押出ステムと前記ダイスとの間で設定された狭持圧力で狭持して、挟持した前記ビレットに前記押出ステムの内部からマンドレルを挿通して生じる前記ビレットの反力に対し、前記押出ステムを後退させて前記反力を解消し前記狭持圧力を維持することを特徴としている。
また本発明の管状製品の押出方法は、エンドプラテンに取り付けたダイスと、前記ダイスに対向する押出ステムとの間の押出し軸上で狭持したビレットをコンテナ内に挿通したのち、前記押出ステムを押出し方向に移動させて前記ビレットを押出す管状製品の押出方法であって、前記押出ステムを前記ダイス側に移動して前記ビレットを前記押出ステムと前記ダイスの間で設定された狭持圧力で狭持して、前記押出ステムの狭持位置を維持したまま前記押出ステムの内部からマンドレルを前記ビレットに挿通することを特徴としている。
この場合において、前記挟持圧力は、前記マンドレルを前記ビレットに挿入してから挿通完了するまで維持するとよい。
本発明の管状製品の押出装置は、エンドプラテンに取り付けたダイステムと、前記ダイステムに対向する押出ステムと、前記押出ステムの内部に取り付けたマンドレルとを備え、前記ダイステムと前記押出ステムの間の押出し軸上で狭持したビレットをコンテナ内に挿通して、前記押出ステムを押出し方向に移動させて前記ビレットを押出す管状製品の押出装置であって、前記マンドレルを支持するメインシリンダに減圧手段を備え、前記減圧手段は、前記押出ステムと前記ダイステムの間で狭持する前記ビレットの狭持圧力を設定するとともに、前記ビレットに前記マンドレルを挿通して生じる前記ビレットの反力による圧油をリリーフして、前記狭持圧力を維持することを特徴としている。
本発明の管状製品の押出装置は、エンドプラテンに取り付けたダイステムと、前記ダイステムに対向する押出ステムと、前記押出ステムの内部に取り付けたマンドレルとを備え、前記ダイステムと前記押出ステムの間の押出し軸上で狭持したビレットをコンテナ内に挿通して、前記押出ステムを押出し方向に移動させて前記ビレットを押出す管状製品の押出装置であって、前記マンドレルを支持するメインシリンダに減圧手段を備え、前記減圧手段は、前記押出ステムと前記ダイステムの間で狭持する前記ビレットの狭持圧力を設定するとともに、前記マンドレルを前記ビレットに挿通する間、前記押出ステムの狭持位置を維持することを特徴としている。
また本発明の管状製品の押出装置は、エンドプラテンに取り付けたダイスと、前記ダイスに対向する押出ステムと、前記押出ステムの内部に取り付けたマンドレルとを備え、前記ダイスと前記押出ステムの間の押出し軸上で狭持したビレットをコンテナ内に挿通して、前記押出ステムを押出し方向に移動させて前記ビレットを押出す管状製品の押出装置であって、前記マンドレルを支持するメインシリンダに減圧手段を備え、前記減圧手段は、前記押出ステムと前記ダイスの間で狭持する前記ビレットの狭持圧力を設定するとともに、前記ビレットに前記マンドレルを挿通して生じる前記ビレットの反力による圧油をリリーフして、前記狭持圧力を維持することを特徴としている。
本発明の管状製品の押出装置は、エンドプラテンに取り付けたダイスと、前記ダイスに対向する押出ステムと、前記押出ステムの内部に取り付けたマンドレルとを備え、前記ダイスと前記押出ステムの間の押出し軸上で狭持したビレットをコンテナ内に挿通して、前記押出ステムを押出し方向に移動させて前記ビレットを押出す管状製品の押出装置であって、前記マンドレルを支持するメインシリンダに減圧手段を備え、前記減圧手段は、前記押出ステムと前記ダイスの間で狭持する前記ビレットの狭持圧力を設定するとともに、前記マンドレルを前記ビレットに挿通する間、前記押出ステムの狭持位置を維持することを特徴としている。
この場合において、前記ビレットはホロービレットであるとよい。
上記構成による本発明によれば、軸心を押出し軸上に配置したビレットをダイスと押出ステムとの間で、設定された狭持圧力で狭持している。すなわちマンドレルの挿通によりビレットが変形し押出ステムが押し戻されても、押出ステムを後退させて前記反力を解消し狭持圧力を維持しているためビレットがコンテナ内で落下することがない。よってビレット軸心が押出し軸上に保持されていることから、ダブルステムタイプの間接複動押出プレスを用いた場合またはフロントローディングタイプの直接複動押出プレスを用いた場合でも、曲がりが少なく偏肉精度の向上した管状製品を得ることができる。
またホロービレットにマンドレルを挿通する場合、押出ステムとダイスの間で設定された狭持圧力でホロービレットを狭持して、押出ステムの狭持位置を維持したまま押出ステムの内部からマンドレルをホロービレットに挿通している。このときホロービレットの変形による反力が設定された狭持圧力よりも小さく、結果的にホロービレットを挟持した押出ステムの位置を位置保持制御した状態となる。そしてホロービレットが押出ステム側に後退することなく、ダイス側からロッド材として押出される。よって押出ステムとダイスの間で狭持したビレットが落下することがなく、ビレットの押出し軸の位置ずれが生じるのを防止することができる。また位置保持制御によりビレット軸心が押出し軸上に保持されていることから、ダブルステムタイプの間接複動押出プレスを用いた場合またはフロントローディングタイプの直接複動押出プレスを用いた場合でも、曲がりが少なく偏肉精度の向上した管状製品を得ることができる。
ビレットをダイスと押出ステムの間で挟持する挟持圧力は、前記マンドレルを前記ビレットに挿入してから挿通完了するまで維持する構成とし、狭持圧力は、ビレットの材質または種類、直径や長さ、中心部に設けた孔(ホロー)の寸法、押出比等によって設定している。このため、押出の諸条件に影響されることなく曲がりが少なく、偏肉精度の向上した管状製品が得られるとともに、押出設備の稼働率と製品歩留まりを向上することができる。
ビレットは中心部に冷間で孔加工されたホロービレットを用いているため、マンドレルを挿通する際、反力が生じ難くビレットの押出し軸の位置ずれが生じない。硬い材質で押出し難いアルミニウム合金、例えば2000系合金や7000系合金などであってもビレットの孔中心から均等にビレットが変形するため偏肉の少ない管状製品を得ることができる。
本発明の管状製品の押出方法及び押出装置の好ましい実施形態について添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。図1は本発明に係る管状製品の押出装置の第1実施形態を示す構成概略図である。なお図4と同一の構成には同一符号を付して説明する。図示のように本発明の管状製品の押出装置10は、主にダイステム24と、コンテナ20と、ビレットローダ28と、押出ステム30と、駆動手段60とから構成されている。
ダイステム24は一端をエンドプラテン22に支持されており、他端にダイス34を取り付けている。コンテナ20は、主にコンテナホルダ20a、コンテナ本体20b、コンテナライナ20cで構成されている。コンテナ本体20bは中心部にビレット26が挿通する貫通孔を備え、コンテナライナ20cを介してコンテナホルダ20aに固定されている。コンテナ20は図示しないシリンダで押出し軸線方向に沿って前進または後退するように構成されている。
ビレットローダ28は、中心部に孔21が加工された押出材料である円筒形状のビレット26を載置して押出し軸線と交差する方向に沿って前進または後退移動し、ビレット26の軸心がコンテナ20軸心と同心位置となるように構成されている。
押出ステム30は先端部に閉止板50を装着し、駆動装置としてのメインシリンダ52に内装されたピアサシリンダの本体となるメインラム54にクロスヘッド56を介して取り付けられている。そして、押出ステム30の中心部には、ピアサピストン58により駆動されビレット26の中心部の孔42に挿抜自在に配設されたマンドレル38を備えている。
駆動手段60となる油圧駆動部は、主に油圧源62、第1電磁弁64、第2電磁弁66、減圧手段となる比例電磁式リリーフ弁付き減圧弁68、逆止弁70、とから構成されている。油圧源62は第1電磁弁64に接続している。第1電磁弁64は油路79aを介してピアサピストン58のヘッド側油室74および油路79bを介してロッド側油室76に接続している。一方、比例電磁式リリーフ弁付き減圧弁68は油路79cを介してメインシリンダ52のシリンダ油室78に接続している。また第2電磁弁66は油路79aの途中で分岐した油路79dと油路79cの間に配置している。油路79dには比例電磁式リリーフ弁付き減圧弁68と第2電磁弁66の間に逆止弁70を配置してある。逆止弁70は第2電磁弁66から比例電磁式リリーフ弁付き減圧弁68への一方のみ圧油を通過させるように構成している。駆動手段60は、前述したメインシリンダ52およびメインラム54に内装されたピアサピストン58で構成されるピアサシリンダに圧油を供給するようになっている。
上記構成による第1実施形態に係る管状製品の押出装置10の作用について以下説明する。管状製品を押出す場合には、先ずコンテナ20をエンドプラテン22側に移動させて、コンテナ20内にダイステム24を挿通させビレット26の供給スペースを確保し、この状態でビレット26を軸心がコンテナ20の軸心と一致するようにビレットローダ28を移動させる。次いで、押出ステム30を押出方向に移動させ、ダイステム24先端のダイス34面と閉止板50を介して押出ステム30との間にビレット26を挟持させるとともに、コンテナ20を押出ステム30方向に移動させビレット26をコンテナ20内に挿入して押出準備が完了する。この状態において、ビレット26には外力が作用することはなくビレット26が落下することはない。
上記押出準備の完了後、第1電磁弁64のソレノイドa(Sol a)を励磁することで油圧源62からの圧油が油路79aを介してピアサピストン58のヘッド側油室74に供給される構成となっており、供給された圧油はマンドレル38を押出方向に沿って前進移動させビレット26の中心部の孔42にマンドレルチップ39を備えたマンドレル38を挿入する。
さらに第1電磁弁64のソレノイドa(Sol a)と第2電磁弁66のソレノイド(Sol b)を励磁することで油圧源62からの圧油は、油路79d,油路79cを介して逆止弁70および比例電磁式リリーフ弁付き減圧弁68を経てメインシリンダ52のシリンダ油室78にも供給される構成となっている。メインシリンダ52内に供給される圧油は比例電磁式リリーフ弁付き減圧弁68によって減圧され、ビレット26をダイス34及び閉止板50を介してダイステム24と押出ステム30で挟持した状態でビレット26が軸線に交差する方向に変形してコンテナ20内に接触することがない設定された挟持圧力に設定される。このとき狭持圧力は、ビレットの材質または種類、直径や長さ、中心部に設けた孔(ホロー)の寸法、押出比等によって設定している。
図3は、マンドレル38をビレット26の中心孔42に挿入した際、押出ステムの狭持力と押出ステムを押し戻そうとする力の説明図である。ビレット26の中心部に加工された孔42はマンドレル38の外径よりも少し小さく加工してあることから、ビレット26にマンドレル38を挿通するにつれて、先端部がダイス34によって規制されたビレット26は中心部の孔42が拡径されて軸線方向に変形する。すなわち軸線方向の変形は、押出し方向と逆方向にビレットの反力が生じる。よって押出ステム30を後退方向に押し戻そうとする。そうすると押出ステム30後方のピアサピストン58のヘッド側油室74に供給された圧油にもビレットの反力が作用してメインラム54を後退方向に移動させることになる。
ここで押出ステム30によるビレット26の挟持力f1をビレット26が押出し方向に拡大して押出ステム30が押し戻される力f2より大きく設定した場合、ビレット26は径大方向(押出し軸線に交差する方向)に変形して軸線が変化することから、管状製品の肉厚にばらつきを与えることになる。よって、ビレット26を設定された狭持圧力で挟持しながら押出ステム30が軸線方向に後退することが好ましい。
そこでメインシリンダ52のシリンダ油室78で加圧された圧油を比例電磁式リリーフ弁付き減圧弁68からリリーフ(タンクへの還流)するとともに、設定された狭持圧力を維持したまま押出ステム30を押出し方向と逆方向に押し戻している。このように、比例電磁式リリーフ弁付き減圧弁68の減圧作用により、マンドレル38をビレット26に挿通する間、圧油を供給してシリンダ油室78内を設定された挟持圧力に維持することができる。このためビレット26の中心部に設けられた孔42(ホロー)にマンドレル38を挿通する際に、ダイステム24のダイス面と閉止板50を介して押出ステム30で挟持したビレット26が落下することがない。
また、押出ステム30を押し戻す反力はマンドレル38のビレット26への挿入長さとともに変化することから、挟持圧力を一定の圧力とすることなくマンドレル38の挿入長さとマンドレル38の負荷圧力を計測し、計測したデータに基づいて挟持圧力を変化させる設定であっても良い。
一方、ビレット26にマンドレル38を挿通しても軸線方向への変形が殆どない、例えばマンドレル38の外径とビレット26の中心部の孔42径が略同一径に設定されたホロービレットを用いた場合においては、ビレット26を挟持した押出ステム30位置を保持する構成としている。押出ステム30の位置保持制御は、リリーフ弁付き減圧弁68の減圧機能によって圧油をメインシリンダ52内に供給したのち一定圧に保持している。ホロービレットにマンドレルを挿通するとホロービレットの変形による反力が設定された狭持圧力よりも小さく、結果的にホロービレットを挟持した押出ステムの位置を位置保持制御した状態となる。そしてホロービレットが押出ステム側に後退することなく、ダイス側からロッド材として押出される。このため押出ステム30とダイス34の間で狭持したビレット26が落下することがなく、ビレットの押出し軸の位置ずれが生じるのを防止することができる。
そしてマンドレル38の先端部であるマンドレルチップ39がダイス34を貫通して設定される所定位置までピアサピストン58を駆動して移動させ、マンドレルチップ39が設定される。次にメインラム54を駆動して押出ステム30をコンテナごと前進移動させて、ビレット26をダイス34に押圧して管状製品を押出している。
管状製品の押出し工程の終了後、第1電磁弁64のソレノイドb(Solb)を励磁する。第1電磁弁64により油圧源62からの圧油が油路79bを介してピアサピストン58のロッド側油室76に供給され、ピアサピストン58のヘッド側油室74の圧油は油路79aを介して第1電磁弁64からタンクに還流される。またリリーフ弁付き減圧弁68の減圧作用によりシリンダ油室78を減圧する。これによりマンドレル38が後退する。
なお本発明の管状製品の押出方法及び押出装置10は、前述したダブルステムタイプの間接複動押出プレスおよびフロントローディングタイプの直接複動押出プレスに適用することを基礎とするが、この他にも従来型の直接および間接兼用タイプの複動押出プレスであっても適用することができる。
図2は管状製品の押出装置の第2実施形態を示す構成概略図である。なお図1と同一の構成は同一の作用効果を奏しており、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。第1実施形態と異なる構成を以下に示す。図示のように本発明の管状製品の押出装置は、エンドプラテン22にダイス34aが嵌合固定されている。また押出ステム30は先端部にダミーブロック80を装着している。ダミーブロック80の外径は、コンテナ20の貫通孔に挿通させることができるように設定してある。
上記構成による第2実施形態に係る押出装置10Aの作用について以下説明する。管状製品を押出す場合には、先ずコンテナ20を押出ステム30側に後退させて、ダイス34aと押出ステム30の間にビレット26の供給スペースを確保し、この状態でビレット26の軸心がコンテナ20の軸心と一致するようにビレットローダ28を移動させる。次いで、押出ステム30とともにコンテナ20を押出方向に前進させる。そしてダイス34aの先端面と、ダミーブロック80を介して押出ステム30との間にビレット26を挟持させる。次いで、ビレットローダ28を軸心から後退させてダイス34aと押出ステム30がビレット26を狭持したまま、コンテナ20をダイス34a方向に前進させてビレット26をコンテナ20内に挿入して押出準備が完了する。この状態において、ビレット26には外力が作用することはなくビレット26が落下することはない。
上記押出準備の完了後、ビレットへマンドレルを挿通する工程は第1実施形態と同様の作業を行なう。
管状製品の押出しは、マンドレル38の先端部であるマンドレルチップ39がダイス34aを貫通して設定される所定位置までピアサピストン58を駆動して移動させ、マンドレルチップ39を設定した後、メインラム54を駆動して押出ステム30をダミーブロック80ごとコンテナの貫通孔内を前進移動させて、ビレット26をダイス34aに押圧して管状製品を押出して行なう。
以上説明したように、中心部に孔の加工されたビレットの軸心をコンテナの軸心と同一位置にダイスと押出ステムで挟持するとともに、コンテナ内に装填しビレットにマンドレルを挿通する際に、ビレットの変形による反力に応じて押出ステムを後退させている。またビレットへマンドレルを挿通する際、押出ステムを位置保持させることとした。これによりビレットが落下することがなくコンテナとビレットを同一軸心上に確保できる。したがってマンドレルのビレットへの挿通後の押出ステムの加圧工程において、ビレットがシンメトリックに変形することから、材料の流れがより均一となるので管状製品の真円精度と偏肉精度を向上することができる。
また、押出し難いアルミウム合金、例えば2000系合金や7000系合金などであってもマンドレルの負荷圧力に応じて挟持圧力が調整でき、偏肉が少なく真円精度に優れた管状製品を得ることができる。
管状製品の押出装置の第1実施形態を示す構成概略図である。 管状製品の押出装置の第2実施形態を示す構成概略図である。 押出ステムの狭持力と押出ステムを押し戻そうとする力の説明図である。 従来の管状製品を得る押出方法の説明図である。
符号の説明
10………管状製品の押出装置、20………コンテナ、22………エンドプラテン、24………ダイステム、26………ビレット、28………ビレットローダ、30………押出ステム、32………リニアスケール、34………ダイス、36………ダミーブロック、38………マンドレル、39………マンドレルチップ、40………管状製品、42………孔、50………閉止板、52………メインシリンダ、54………メインラム、56………クロスヘッド、58………ピアサピストン、60………駆動手段、62………油圧源、64………第1電磁弁、66………第2電磁弁、68………電磁式リリーフ弁付き減圧弁、70………逆止弁、74………ヘッド側油室、76………ロッド側油室、78………シリンダ油室、79………油路、80………ダミーブロック。

Claims (8)

  1. エンドプラテンに取り付けたダイスと、前記ダイスに対向する押出ステムとの間の押出し軸上で狭持したビレットをコンテナ内に挿通したのち、前記押出ステムを押出し方向に移動させて前記ビレットを押出す管状製品の押出方法であって、
    前記押出ステムを前記ダイス側に移動して前記ビレットを前記押出ステムと前記ダイスとの間で設定された狭持圧力で狭持して、
    挟持した前記ビレットに前記押出ステムの内部からマンドレルを挿通して生じる前記ビレットの反力に対し、前記押出ステムを後退させて前記反力を解消し前記狭持圧力を維持することを特徴とする管状製品の押出方法。
  2. エンドプラテンに取り付けたダイスと、前記ダイスに対向する押出ステムとの間の押出し軸上で狭持したビレットをコンテナ内に挿通したのち、前記押出ステムを押出し方向に移動させて前記ビレットを押出す管状製品の押出方法であって、
    前記押出ステムを前記ダイス側に移動して前記ビレットを前記押出ステムと前記ダイスの間で設定された狭持圧力で狭持して、
    前記押出ステムの狭持位置を維持したまま前記押出ステムの内部からマンドレルを前記ビレットに挿通することを特徴とする管状製品の押出方法。
  3. 前記挟持圧力は、前記マンドレルを前記ビレットに挿入してから挿通完了するまで維持することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の管状製品の押出方法。
  4. エンドプラテンに取り付けたダイステムと、前記ダイステムに対向する押出ステムと、前記押出ステムの内部に取り付けたマンドレルとを備え、前記ダイステムと前記押出ステムの間の押出し軸上で狭持したビレットをコンテナ内に挿通して、前記押出ステムを押出し方向に移動させて前記ビレットを押出す管状製品の押出装置であって、
    前記マンドレルを支持するメインシリンダに減圧手段を備え、前記減圧手段は、前記押出ステムと前記ダイステムの間で狭持する前記ビレットの狭持圧力を設定するとともに、前記ビレットに前記マンドレルを挿通して生じる前記ビレットの反力による圧油をリリーフして、前記狭持圧力を維持することを特徴とする管状製品の押出装置。
  5. エンドプラテンに取り付けたダイステムと、前記ダイステムに対向する押出ステムと、前記押出ステムの内部に取り付けたマンドレルとを備え、前記ダイステムと前記押出ステムの間の押出し軸上で狭持したビレットをコンテナ内に挿通して、前記押出ステムを押出し方向に移動させて前記ビレットを押出す管状製品の押出装置であって、
    前記マンドレルを支持するメインシリンダに減圧手段を備え、前記減圧手段は、前記押出ステムと前記ダイステムの間で狭持する前記ビレットの狭持圧力を設定するとともに、前記マンドレルを前記ビレットに挿通する間、前記押出ステムの狭持位置を維持することを特徴とする管状製品の押出装置。
  6. エンドプラテンに取り付けたダイスと、前記ダイスに対向する押出ステムと、前記押出ステムの内部に取り付けたマンドレルとを備え、前記ダイスと前記押出ステムの間の押出し軸上で狭持したビレットをコンテナ内に挿通して、前記押出ステムを押出し方向に移動させて前記ビレットを押出す管状製品の押出装置であって、
    前記マンドレルを支持するメインシリンダに減圧手段を備え、前記減圧手段は、前記押出ステムと前記ダイスの間で狭持する前記ビレットの狭持圧力を設定するとともに、前記ビレットに前記マンドレルを挿通して生じる前記ビレットの反力による圧油をリリーフして、前記狭持圧力を維持することを特徴とする管状製品の押出装置。
  7. エンドプラテンに取り付けたダイスと、前記ダイスに対向する押出ステムと、前記押出ステムの内部に取り付けたマンドレルとを備え、前記ダイスと前記押出ステムの間の押出し軸上で狭持したビレットをコンテナ内に挿通して、前記押出ステムを押出し方向に移動させて前記ビレットを押出す管状製品の押出装置であって、
    前記マンドレルを支持するメインシリンダに減圧手段を備え、前記減圧手段は、前記押出ステムと前記ダイスの間で狭持する前記ビレットの狭持圧力を設定するとともに、前記マンドレルを前記ビレットに挿通する間、前記押出ステムの狭持位置を維持することを特徴とする管状製品の押出装置。
  8. 前記ビレットはホロービレットであることを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか1に記載の管状製品の押出装置。
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