JP3194595B2 - ヘツダーにおけるワークの首下長バラツキ防止装置 - Google Patents

ヘツダーにおけるワークの首下長バラツキ防止装置

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JP3194595B2 JP19478091A JP19478091A JP3194595B2 JP 3194595 B2 JP3194595 B2 JP 3194595B2 JP 19478091 A JP19478091 A JP 19478091A JP 19478091 A JP19478091 A JP 19478091A JP 3194595 B2 JP3194595 B2 JP 3194595B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軸部の前端に大径の頭
部が形成されたワークの軸部を筒状に成形するヘツダー
において、そのワークの筒状に成形された軸部の長さす
なわち首下長の寸法にバラツキが生じるのを防止するた
めの装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】軸部の前端に大径の頭部が形成された形
状のワークの軸部を筒状に成形するヘツダーの1つとし
て、ダイスホルダに、前面に成形孔の形成された可動ダ
イスを、成形孔の軸線方向への一定ストロークの進退自
由に、かつ、前方へ付勢して取り付け、ダイスホルダ
に、成形孔よりも小径の成形ピンを後方から成形孔内に
挿入した状態で固定し、軸部の前端に大径の頭部が形成
されたワークの軸部を付勢によつて前方へ移動した可動
ダイスの成形孔内に嵌入させるとともにワークの頭部を
可動ダイスの前面に係止させた状態から、パンチの打圧
によつて可動ダイスとともにワークを付勢に抗して後方
へ押動することにより、そのワークの軸部を、その後端
面に成形ピンを突き刺すようにしてその成形ピンと成形
孔との間隙に嵌入させることにより所定の首下長の筒状
に成形するようにしたものが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなヘツダー
において、打圧成形されたワークの軸部の長さ寸法すな
わち首下長が一定となるようにするためには、可動ダイ
スを前方へ付勢する力がその後退の間常に一定であつて
パンチの打圧時の可動ダイスの後退速度が適正であるこ
とが必要である。
【0004】しかしながら、従来は、可動ダイスを前方
へ付勢するための手段として、可動ダイスの後方に圧縮
コイルばねを装着してその弾拡力を利用する方法が採ら
れていた。
【0005】この圧縮コイルばねを用いた従来のヘツダ
ーにおいては、可動ダイスの進退移動にともなつて圧縮
コイルばねが撓むことによりその弾拡力が変化すること
から、付勢力を一定に保つことができない。また、圧縮
コイルばねのばね定数は個々の圧縮コイルばねの間で僅
かなバラツキがあることから、設定される付勢力は可動
ダイス毎に微妙に異なる。さらに、圧縮コイルばねは経
年によるへたりの発生が避けられないことから、長期間
にわたつて使用するうちに付勢力が僅かずつ低下してい
く。
【0006】このように、圧縮コイルばねを用いた従来
のヘツダーでは、付勢力を常に一定に保つておくことが
できず、成形したワークの首下長の寸法のバラツキが大
きいという欠点があつた。このため、首下長の寸法のバ
ラツキを小さく抑えることのできる手段が望まれてい
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するための手段として、可動ダイスの後方に、ボデイ
に形成した油圧室に、そのボデイから前端を突出させた
プランジヤを前後方向の摺動自由に、かつ、その油圧室
内の作動油の圧力により前方へ付勢して嵌装した構造に
なる油圧シリンダを固設し、その油圧シリンダに、プラ
ンジヤの突出しと押込みにともなう作動油の圧力変動を
吸収するアキユムレータを接続し、油圧シリンダの作動
油の圧力によるプランジヤの後方からの押圧によつて可
動ダイスの前方への付勢を行う構成とした。
【0008】
【発明の作用及び効果】本発明は上記構成になり、パン
チの打圧によつてワークに成形加工を施しつつ油圧シリ
ンダの付勢に抗して可動ダイスを後方へ押動させると、
この可動ダイスの後退にともなつて、プランジヤがボデ
イ内に押し込まれる。このプランジヤの押込みにともな
つて油圧室内の容積が減少しても、作動油の圧力は、そ
の変動がアキユムレータの作動によつて吸収されること
により、一定に保たれる。したがつて、ワークの成形
は、可動ダイスが後退する間常に一定の力で付勢されて
いる状態で行われる。
【0009】また、成形後にパンチが後退すると、可動
ダイスは油圧シリンダの付勢によつて成形前の元位置ま
で前進する。このとき、プランジヤが突出するのにとも
なつて油圧室内の容積が増大しても、アキユムレータの
作動によつて作動油の圧力は一定に保たれる。
【0010】上記作用によつて説明したように、本発明
装置は、可動ダイスを前方へ付勢する手段として、一定
の圧力に保つた油圧を利用したから、従来のように圧縮
コイルばねの弾拡力を利用した場合とは異なり、付勢力
を、可動ダイスの進退移動の間及び長期間にわたる使用
において常に高い精度で一定に保つておくことができる
とともに、設定する付勢力の大きさをいずれの可動ダイ
スにおいても高い精度で一定にすることができる。これ
により、成形されたワークの首下長の寸法のバラツキを
極く僅かに抑えることができる効果がある。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。フレーム1には、案内筒体3とその案内筒
体3の後部に内嵌された後部ブロツク4とからなるダイ
スホルダ2が固定されている。このダイスホルダ2の案
内筒体3内には、前面に成形孔6を開口させて形成した
可動ダイス5が、緊密に、かつ、成形孔6の軸線方向に
おける前後移動を自由に嵌装されており、可動ダイス5
の前進は、その後端部外周に形成した鍔部7の前面を案
内筒体3の内周に形成したストツパ9に当接させること
によつて阻止されるようになつている。
【0012】可動ダイス5の成形孔6は収容孔10を介
すことによつて可動ダイス5の後端面に開口している。
成形孔6内には、外径寸法が成形孔6よりも小さく、リ
テーナ13によつて後部ブロツク4に固定されて収容孔
10を貫通した成形ピン15の前端部が、成形孔6と軸
線を一致させた状態で挿入されている。
【0013】また、可動ダイス5の前方には、可動ダイ
ス5に対して接離する方向に往復駆動されるパンチ16
が対向して設けられている。
【0014】上記構成になるヘツダーは、詳しくは後述
する付勢手段によつてストツパ9に当接する位置まで前
方に突出した可動ダイス5の成形孔6に、図1に示すよ
うに、前工程において軸部bの前端に大径の頭部cが形
成された形状に成形されたワークaの軸部bを嵌入させ
るとともに、可動ダイス5の前面にワークaの頭部cの
段部を係止させ、かかる状態からパンチ16を可動ダイ
ス5側に駆動することにより、可動ダイス5を前記付勢
に抗して後方へ押動しつつ、図2に示すように、ワーク
aの頭部cを打圧してその前面に浅い盲孔dを形成する
とともに、ワークaの軸部bを、その後端面に成形ピン
15を突き刺すようにしてその成形ピン15と成形孔6
との間隙に嵌入させることにより筒状に成形するように
なつている。
【0015】なお、このように成形を施されたワークa
には、次の工程において、軸部bの中空eから盲孔dに
達する貫通孔が形成されるようになつている。
【0016】上記の成形工程においては、成形後の軸部
bの寸法すなわち首下長の寸法Lのバラツキを小さくす
るために、可動ダイス5を付勢する力が常に一定である
ことが必要とされるが、本実施例のヘツダーには、その
付勢力を高い精度で常に一定に保つことが可能な付勢手
段が設けられている。以下、その構造について説明す
る。
【0017】ダイスホルダ2の後部ブロツク4の後方に
は、油圧シリンダ20がフレーム21に固定されてい
る。この油圧シリンダ20は、前後両端にロツドカバー
22とヘツドカバー23を固着してなるボデイ24に、
複数のシリンダ25を可動ダイス5の成形孔6と同心円
上における複数箇所に配置して嵌装するとともに、各シ
リンダ25毎にシリンダ25内を前後方向に摺動するピ
ストン27の前端にロツドカバー22を貫通して前方へ
突出するロツド28を固着してなるプランジヤ26を嵌
装した構造になる。
【0018】このプランジヤ26のロツド28の前端に
は、夫々、ダイスホルダ2の後部ブロツク4及び後部ブ
ロツク4の後面に固定された後部板29を前後方向の摺
動自由に貫通した押動ロツド30の後端が当接してお
り、これらの押動ロツド30の先端が可動ダイス5の後
面に突き当てられるようになつている。
【0019】また、油圧シリンダ20の各シリンダ25
内のピストン27よりも後側の空間は油圧室35となつ
ており、これらの油圧室35は、ヘツドカバー23に形
成した円環形をなす連通室36によつて互いに連通して
いるとともに、この連通室36には、ヘツドカバー23
の外周に開口するポート37が形成されている。
【0020】この油圧シリンダ20のポート37には、
開閉弁40の介設されたパイプ41を介すことによつて
作動油圧送源42が接続されており、この作動油圧送源
42から油圧シリンダ20側へ圧送された作動油は、そ
の圧力が所定の高い値に達したところで開閉弁40を閉
弁することにより、油圧シリンダ20の油圧室35と連
通室36及びパイプ41の開閉弁40とポート37との
間の部分に充填されるようになつている。
【0021】このパイプ41の開閉弁40とポート37
との間の位置にはアキユムレータ45が接続されてお
り、油圧シリンダ20の油圧室35の容積が変化したと
きには、それに対応してアキユムレータ45の所定の高
い圧力の窒素ガスを封入した図示しない作動室の容積が
変化することにより、作動油の圧力が一定に保たれるよ
うになつている。
【0022】次に、本実施例の作動を説明する。油圧シ
リンダ20のプランジヤ26には、そのピストン27に
作用する作動油の圧力によつて常に突出して押動ロツド
30を前方へ押動しようとする力が作用しており、この
プランジヤ26の押動力によつて可動ダイス5が前方へ
付勢されている。
【0023】そして、ワークaの成形を行う際には、パ
ンチ16の打圧によつて可動ダイス5が図1に示す位置
から油圧シリンダ20の付勢に抗して図2に示す位置ま
で後退するのにともない、プランジヤ26がシリンダ2
5内に押し込まれる。これにともなつて油圧室35の容
積は減少するが、同時にアキユムレータ45の作動室の
容積も減少するため、可動ダイス5が後退する間、作動
油の圧力すなわち可動ダイス5に作用する付勢力の大き
さは高い精度で一定に保たれる。したがつて、成形済み
のいずれのワークaにおいてもその首下長Lの寸法精度
は高い。
【0024】また、成形後のパンチ16の後退にともな
つて油圧シリンダ20の付勢により可動ダイス5が前進
する際には、プランジヤ26が突出するのにともなつて
油圧室35の容積が増大するが、アキユムレータ45の
作動によつて作動油の圧力は一定に保たれるため、可動
ダイス5が図1に示す位置に復帰した状態における付勢
力の大きさは常に一定となる。
【0025】この油圧シリンダ20によつて付勢する方
法では、上述のように成形工程の間の付勢力を高い精度
で一定に保つことができるのに加えて、圧力計を用いる
ことによつて付勢力の大きさの設定を高い精度で正確に
行うことができるとともに、長期間にわたつて一定の付
勢力を保つておくことができる。したがつて、ワークa
の首下長Lのバラツキは極めて小さい。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘツダーの成形前の状態の断面図である。
【図2】成形完了時の状態の断面図である。
【符号の説明】
2:ダイスホルダ 5:可動ダイス 6:成形孔 1
5:成形ピン 16:パンチ 20:油圧シリンダ 2
4:ボデイ 26:プランジヤ 35:油圧室45:ア
キユムレータ a:ワーク b:軸部 c:頭部 L:
首下長
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21J 5/02,13/02 B21C 23/18,23/21 B30B 15/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイスホルダに、前面に成形孔の形成さ
    れた可動ダイスを、前記成形孔の軸線方向への一定スト
    ロークの進退自由に、かつ、前方へ付勢して取り付け、
    前記ダイスホルダに、前記成形孔よりも小径の成形ピン
    を後方から前記成形孔内に挿入した状態で固定し、軸部
    の前端に大径の頭部が形成されたワークの前記軸部を前
    記付勢によつて前方へ移動した前記可動ダイスの前記成
    形孔内に嵌入させるとともに前記ワークの前記頭部を前
    記可動ダイスの前面に係止させた状態から、パンチの打
    圧によつて前記可動ダイスとともに前記ワークを前記付
    勢に抗して後方へ押動することにより、該ワークの前記
    軸部を、その後端面に前記成形ピンを突き刺すようにし
    て該成形ピンと前記成形孔との間隙に嵌入させることに
    より所定の首下長の筒状に成形するようにしたヘツダー
    において、 前記可動ダイスの後方に、ボデイに形成した油圧室に、
    該ボデイから前端を突出させたプランジヤを前後方向の
    摺動自由に、かつ、該油圧室内の作動油の圧力により前
    方へ付勢して嵌装した構造になる油圧シリンダを固設
    し、該油圧シリンダに、前記プランジヤの突出しと押込
    みにともなう作動油の圧力変動を吸収するアキユムレー
    タを接続し、前記油圧シリンダの作動油の圧力による前
    記プランジヤの後方からの押圧によつて前記可動ダイス
    の前方への付勢を行うことを特徴とするヘツダーにおけ
    るワークの首下長バラツキ防止装置。
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