JP4941963B2 - チューブ状アルミニウムケイ酸塩、及びそれからなるゲル状物質、並びにその調整方法 - Google Patents
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そのような中で、チューブ状アルミニウムケイ酸塩の上記特性を失わずに成形する方法が求められているが、それらを単体で成形体することはできなかった。イモゴライト単体での成形体を作成するには、高粘性を有する物質にすることが必要となる。
しかし従来の方法では、50〜3000mPa・s程度の低粘性を有するものしか得られず、単体で成形できるほどの粘性を有するものはできなかった。
(2)アルミニウム化合物溶液にケイ素化合物溶液を混合して前駆体を形成した後、溶液中の共存イオンを取り除き、その後、前駆体を酸性水溶液に分散させ、100℃で6日以上加熱してチューブ状アルミニウムケイ酸塩を重合させることを特徴とする、チューブ状アルミニウムケイ酸塩の合成方法。
(3)アルミニウム化合物溶液にケイ素化合物溶液を混合して前駆体を形成した後、溶液中の共存イオンを取り除き、その後、前駆体を酸性水溶液に分散させ、100℃で6日以上加熱してチューブ状アルミニウムケイ酸塩を重合させ、その後反応液を冷却し、その中にアルカリ性溶液を添加して反応液を弱アルカリ性にして得られた、弱アルカリ性領域で10000mPa・s以上粘度を有するチューブ状アルミニウムケイ酸塩のゲル状物質。
(4)アルミニウム化合物溶液にケイ素化合物溶液を混合して前駆体を形成した後、溶液中の共存イオンを取り除き、その後、前駆体を酸性水溶液に分散させ、100℃で6日以上加熱してチューブ状アルミニウムケイ酸塩を重合させ、その後反応液を冷却し、その中にアルカリ性溶液を添加して反応液を弱アルカリ性にすることを特徴とする、弱アルカリ領域において10000mPa・s以上の粘度を有するチューブ状アルミニウムケイ酸塩のゲル状物質の調整方法。
本発明で使用される、ナノサイズのチューブ状アルミニウムケイ酸塩は、主な構成元素をケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、酸素(O)及び水素(H)とし、多数のSi−O−Al結合で組み立てられた水和珪酸アルミニウムであって、外径aが2.2〜2.8nm、内径bが0.5〜1.2nm、長さが10nm〜数μmのチューブ状の形態を有するものである。
すなわち、本発明らが鋭意検討を重ねた結果、チューブ状アルミニウムケイ酸塩の合成が完了した後、さらに加熱時間を長くすることでそれらを重合させることにより、従来では得られなかった、高粘性のゲル状物質を提供しうるチューブ状アルミニウムケイ酸塩が得られるものである。
(実施例1)
SiO2濃度が、60mmol/Lになるように、純水で希釈したオルトケイ酸ナトリウム水溶液200mlを調製した。また、これとは別に、塩化アルミニウムを純水に溶解させ、150mmol/Lの水溶液200mlを調製した。次に、塩化アルミニウム水溶液にオルトケイ酸ナトリウム水溶液を混合し、マグネティックスターラーで撹拌した。このときのケイ素/アルミニウム比は0.4であった。更に、この混合溶液に、1N水酸化ナトリウム水溶液46mlを滴下し、pHが6前後になるように調整した。この溶液から遠心分離により前駆体を回収し、更に、純水で前駆体を3回遠心分離により洗浄した後、2Lの純水中に分散させた。この前駆体の懸濁液2Lに、1N塩酸を10ml加えて、室温下で2時間攪拌した後、テフロン(登録商標)製の500ml密閉容器4本に移し替え、恒温槽にて100℃で7日間加熱を行った。こうしてナノサイズのチューブ状アルミニウムケイ酸塩を重合させた水溶液を得た。冷却後、チューブ状アルミニウムケイ酸塩を、1.0g含む500mlの水溶液に対し、濃度25wt%のアンモニア水溶液を2ml添加し、攪拌棒で攪拌して、pHを9.5に調整することにより、目的のチューブ状アルミニウムケイ酸塩のゲル状物質を得た。ゲルの粘性については、温度25℃において粘度計を用いて測定を行ない、測定条件としては0.3RPMで測定を行なったところ、粘性は26000mPa・sの値を有していた。生成物が、チューブ状アルミニウムケイ酸塩であることは、X線回折及び赤外線吸収スペクトルにより確認した。
比較例として、上記と同じ合成法にて調整し、加熱時間を2日間としたものについて、蒸気試料と同条件で粘度の測定を行なったところ2360mPa・sであった。
図2は、比較例のAFM(原子間力顕微鏡)による観察結果を図2に示すものであって、加熱時間2日では、チューブ状アルミニウムケイ酸塩が1本1本分散していることが判る。
この結果から明らかなように、本発明におけるチューブ状アルミニウムケイ酸塩の高粘性は、チューブ状アルミニウムケイ酸塩同士の凝集によるものと推察される。
100℃での加熱時間を、1日、2日、3日、5日、7日、11日及び14日に変化させる以外は、すべて実施例1と同様にして、チューブ状アルミニウムケイ酸塩のゲル状物質を得、得られたゲルの粘性を測定した。その結果を、図3に示す。
本実施例の結果、加熱時間が6日を超えると、粘性が急に増加することが判る。
Claims (4)
- アルミニウム化合物溶液にケイ素化合物溶液を混合して前駆体を形成した後、溶液中の共存イオンを取り除き、その後、前駆体を酸性水溶液に分散させ、100℃で6日以上加熱してチューブ状アルミニウムケイ酸塩を重合させて得られた、チューブ状アルミニウムケイ酸塩。
- アルミニウム化合物溶液にケイ素化合物溶液を混合して前駆体を形成した後、溶液中の共存イオンを取り除き、その後、前駆体を酸性水溶液に分散させ、100℃で6日以上加熱してチューブ状アルミニウムケイ酸塩を重合させることを特徴とする、チューブ状アルミニウムケイ酸塩の合成方法。
- アルミニウム化合物溶液にケイ素化合物溶液を混合して前駆体を形成した後、溶液中の共存イオンを取り除き、その後、前駆体を酸性水溶液に分散させ、100℃で6日以上加熱してチューブ状アルミニウムケイ酸塩を重合させ、その後反応液を冷却し、その中にアルカリ性溶液を添加して反応液を弱アルカリ性にして得られた、弱アルカリ性領域で10000mPa・s以上粘度を有するチューブ状アルミニウムケイ酸塩のゲル状物質。
- アルミニウム化合物溶液にケイ素化合物溶液を混合して前駆体を形成した後、溶液中の共存イオンを取り除き、その後、前駆体を酸性水溶液に分散させ、100℃で6日以上加熱してチューブ状アルミニウムケイ酸塩を重合させ、その後反応液を冷却し、その中にアルカリ性溶液を添加して反応液を弱アルカリ性にすることを特徴とする、弱アルカリ領域において10000mPa・s以上の粘度を有するチューブ状アルミニウムケイ酸塩のゲル状物質の調整方法。
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