JP4941058B2 - 鋼管用ねじ継手 - Google Patents

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Description

本発明は、油井やガス井の探査や生産に使用されるチュービングおよびケーシングを包含する油井管(oil country tubular goods,OCTG)、ライザー管、ならびにラインパイプなどの鋼管の接続に用いるねじ継手に関し、特に傾斜状態でもピンの挿入が容易であって、かつねじ部の耐焼付き性に優れた鋼管用ねじ継手に関する。
鋼管用ねじ継手は、第1管状部材の端部に設けた雄ねじ要素であるピンと、第2管状部材の端部に設けた雌ねじ要素であるボックスとから構成され、いずれもテーパねじである雄ねじと雌ねじの嵌合により締結が行われる。典型的には第1管状部材が油井管などのパイプであり、第2管状部材は別部材のカップリングである(この種の鋼管用ねじ継手をカップリング方式という)。その場合、ピンはパイプ両端に、ボックスはカップリングの両側にそれぞれ形成される。
カップリングを使用せずに、パイプの一端の外面にピンを、他端の内面にボックスを形成したインテグラル方式の鋼管用ねじ継手もある。その場合には、第1管状部材は第1のパイプ、第2管状部材は第2のパイプとなる。
油井管の締結は、従来はAPI(米国石油協会)規格に規定された標準的なねじ継手が主に使用されてきた。しかし、近年、原油や天然ガスの掘削・生産環境が苛酷化しているため、プレミアムジョイントと呼ばれる高性能の特殊ねじ継手を使用することが増加している。
プレミアムジョイントでは、ピンとボックスのそれぞれが、締付けを可能にするテーパねじに加えて、ねじ部近傍の周面に設けられたシール面と、継手の締付け中に当接ストッパの役目を担うショルダ面とを備える。ピンとボックスのシール面の間には干渉量と呼ばれる半径方向の締め代(干渉量)が設けられ、ピンとボックスのショルダ面同士が突き当たるまで継手を締め込むと、これら両部材のシール面同士が継手の全周にわたって密着して、金属直接接触によるシールを形成する。ショルダ面は、締め付け時における当接ストッパの役割のほかに、継手に作用する圧縮荷重を負担する役目も担っている。
図1は、カップリング形式の一般的なプレミアムジョイント型の鋼管用ねじ継手の模式的説明図であり、(A)が全体図、(B)が部分拡大図である。この鋼管用ねじ継手は、図1(B)に示すように、パイプ端部に設けられた雄ねじ要素であるピン1と、カップリングの両側に設けられた対応する雌ねじ要素であるボックス2とを備える。ピン1は、外面に、テーパ雄ねじ11と、雄ねじ11に隣接して先端に設けられた、リップと呼ばれるねじ無し円筒衝突部分(以下、リップ部という)12とを有する。リップ部12は、その外周面にシール面13を、端面に(トルク)ショルダ面14を有する。
相対するボックス2は、その内面に、それぞれピン1のテーパ雄ねじ11、メタルシール面13、およびショルダ面14と螺合または当接することができる、テーパ雌ねじ21、シール面23、およびショルダ面24を有している。ボックスの先端側のいくつかのねじ山はピンのねじ山と係合しない不完全ねじ山であり、対応してピンの手前側のいくつかのねじ山も不完全ねじ山である。この位置での不完全ねじ山はピンの円滑な挿入に必要である。ピンのシール面に近い先端側の雄ねじもボックスの雌ねじと係合しない不完全ねじとする場合がある。
端面がショルダ面となるリップ部は、図示のようにピンの先端部に設けることが多いが、ボックスの先端部に設けることも可能であり、あるいはピンとボックスの両方の先端部に設けることもできる。
図2は、API規格のバットレスねじに代表される台形ねじの形状・寸法を説明する模式図であり、図1と同様に、11が雄ねじ、21が雌ねじである。プレミアムジョイントに用いられるねじも、このAPI規格のバットレスねじに倣った台形ねじが殆どである。多くのねじでは、ねじ山のアスペクト比(縦横比)やフランク角(側面傾斜角度)などもAPI規格のバットレスねじの寸法をほぼそのまま踏襲している。
図2において、例えば、ねじピッチが5TPI(5 threads per inch、1インチ当たり5山)のAPI規格のバットレスねじの場合、雄ねじ山の頂面の高さであるねじ高さ74は1.575mm、ロード面(荷重面、ピンの挿入方向において後方側のねじ山側面)のフランク角(スタビング角)71は3°、スタビング面(挿入面、ピンの挿入方向において前方側のねじ山側面)のフランク角(ロード角)72は10°、雄ねじと雌ねじのスタビング面間の継手軸方向隙間距離(スタビング面隙間)73は平均で約100μm(30〜180μm)である。
垂直井が主流であった時代では、鋼管用ねじ継手は、それに連結された管の重さによる引張荷重に耐えることができ、かつその内部を通過する高圧流体の漏洩を防止できれば十分に機能できていた。しかし、近年は、深井戸化が進み、かつ地中で坑井が屈曲する傾斜井や水平井が増加してきていること、海洋や極地など劣悪な環境での井戸の開発が増加していることなどから、耐圧縮性能、耐曲げ性能、外圧シール性能、現場での取り扱い容易性など、ねじ継手への要求性能は多様化している。
鋼管用ねじ継手のねじ山形状に関して、下記特許文献1には、ピンとボックスの両方、即ち、雄ねじと雌ねじの両方において、ねじの山の頂面とスタビング面との間を直線または曲線により切除してチャンファー(面取り)を設けた二段スタビング形状とし、チャンファー部を、ピンをボックスに挿入した際に最初に接触する接触面として機能させる鋼管用ねじ継手が記載されている。この接触面は、ピンをボックスに挿入する際に両者が軸方向に不整列になった時に、ピンとボックスの接触面同士が接触して挿入を容易にすることを意図したものである。
下記特許文献2にも同様の考え方の管継手が記載されている。すなわち、ピンとボックスの両方において、ねじ山のスタビング面にコーナー・チャンファーを設け、ピンをボックスに挿入する際にコーナー・チャンファー同士が係合してピンの挿入を容易にする。
特許文献1および2のいずれも、スタビング面と頂面との間の面取り部においてピンとボックスが接触することにより挿入角度ずれを防いで挿入を容易にするものである。従って、チャンファーはピンとボックスの両者に必要であり、一方だけに設けても意図した効果を発揮しない。
下記特許文献3には、ピンの不完全ねじ山の頂面を円錐状とし、その係合ねじ山(ボックスのねじ山と螺合する完全ねじ山)は円筒状とすると共に、相対するボックスについては、不完全ねじ山についてのみ、スタビング面にねじ山高さの約半分の高さで45°のベベル加工を施して二段スタビング形状とした、鋼管用ねじ継手が開示されている。これによりピンの挿入が容易になる。しかし、ピンの雄ねじとボックスの雌ねじが互いに螺合する完全ねじ山(すなわち、後述する係合ねじ)については、そのような大きなベベル加工(チャンファー)は施されていない。
下記特許文献4には、図3に示すように、ピン1のシール面13と端面ショルダ面14との間にノーズ部15を設けた鋼管用ねじ継手が提案されている。ピン1のノーズ部15はボックス2の向かい合う部分と接触していない。一方、ピンとボックスのシール面13、23ならびにショルダ面14、24は互いに当接している。ピンのリップ部を延長してシール面の先に非接触のノーズ部15を設けることにより、限られた管肉厚の中でリップ部の肉厚、従って、ショルダ面およびシール面の肉厚、を大きくすることができ、管ネジ継手の耐圧縮性能と外圧シール性を著しく向上させることができる。
WO92/15815号 米国特許第6,322,110号 米国特許第4,398,756号(図5) WO2004/109173号
本発明は、ボックスへのピンの挿入が容易で、傾斜位置でピンを挿入する場合であってもピンを容易に挿入でき、かつ締付け時にピンとボックスのねじのスタビング面での焼付きが起こりにくい鋼管用ねじ継手を提供する。
本発明によれば、ピンとボックスのいずれか一方の係合ねじ山(完全ねじ山)について、スタビング面に特定の条件を満たす実質的なチャンファーを付与して二段スタビング面とすることにより、上記課題が解決される。
上記特許文献1及び2に提案されているように、ピンとボックスの両方のねじ山のスタビング面にチャンファーを付与すると、ピンの挿入は容易になるものの、コストが高くなる上、ねじの締付けの安定性が低下し、圧縮荷重が高くなると十分な締付け力が得られなくなり、圧縮性能が低下する危険性がある。一方、本発明では、ピンかボックスの一方だけのスタビング面にチャンファーを形成するため、ピンの挿入容易性を達成することができると同時に、チャンファー形成によるねじ締付けの安定性や耐圧縮性への悪影響は最小限に抑えられる。
本発明は、雄ねじを有するピンと、雌ねじを有するボックスとから構成される鋼管用ねじ継手であって、雄ねじと雌ねじはいずれも、頂面、フランク面およびスタビング面を備え、谷部により離間している略台形のねじ山形状を有するテーパねじであり、ボックスとピンのいずれか一方の少なくとも係合ねじ部のねじ山形状を、スタビング面がチャンファーを有する二段スタビング形状とした鋼管用ねじ継手である。
本発明の1側面において、前記スタビング面のスタビング角αが5〜45°、チャンファー角βが20〜60°であり、ピンのねじ高さHに対する二段スタビング形状のチャンファー高さhの比h/Hが0.25〜0.50である。
本発明の別の側面においては、前記スタビング面のスタビング角αが5〜45°、チャンファー角βが20〜60°であり、かつ下記(3)式を満足することを特徴とする鋼管用ねじ継手。
Figure 0004941058
式中、α:少なくとも係合ねじが二段スタビング形状を有する部材(第1部材という、例、ボックス)のねじのスタビング角(°)、β:同ねじのスタビング面のチャンファー角(°)、H:ピンのねじ高さ(mm)、h:第1部材(例、ボックス)のねじのスタビング面のチャンファー高さ(mm)、x:ピンのねじ頂部でのスタビング面曲率半径(mm)、y:第1部材(例、ボックス)のねじのスタビング面のチャンファー起点での曲率半径(mm)、z:第1部材(例、ボックス)のねじ頂部でのスタビング面曲率半径(mm)。
スタビング面のチャンファー起点とは、チャンファー部と非チャンファー部との境界、即ち、チャンファーのねじ谷部側の端部を意味する(後述する図4、5を参照)。
上記の式において、(1)式で規定されるh'は二段スタビング形状を有するねじのスタビング面のチャンファー部の断面積を、(2)式で規定されるH'は、二段チャンファー形状を有するねじのスタビング面の非チャンファー部(すなわち、チャンファー部よりねじ谷部側の部分のスタビング面)の断面積を意味する。従って、(3)式におけるh'/(h'+H')は、二段スタビング形状を有するねじのスタビング面の全断面積に対するチャンファー部の断面積の比(以下、チャンファー断面積比ともいう)を意味する。つまり、(3)式は、チャンファー断面積比が、h/H比が0.25である場合の値とh/Hが0.50である場合の値との間にあることを規定している。
上記カッコ内の例示は、ボックスの少なくとも係合ねじ山が二段スタビング形状を有する場合である。ピンの少なくとも係合ねじ山が二段スタビング形状を有する場合には、第1部材がピンとなる。
好ましくは、スタビング角αが8〜15°、チャンファー角βが20〜40°である。チャンファー高さhのピンのねじ高さHに対する比h/Hは、好ましくは0.3〜0.4である。同様に、チャンファー断面積比に関しては、下記(3')式を満足するようにすることが好ましい(式中、各記号の意味は上記と同じである)。
Figure 0004941058
本発明の鋼管用ねじ継手は、上述したプレミアムジョイントに適用することが好ましい。すなわち、好適態様において、ピンおよびボックスはそれぞれ、ねじに加えて、ねじ近傍の周面に設けられたシール面と、ピンとボックスの一方の部材の端面とそれに当接する他部材の面とから構成されるショルダ面とを有する。このような鋼管用ねじ継手では、ショルダ面が圧縮荷重の一部を負担することができ、ピンまたはボックスの係合ねじ部のスタビング面にチャンファーを設けて二段スタビング形状としても、継手が高い圧縮性能を保持することができる。
ピンおよびボックスのうち、少なくとも二段スタビング形状のねじを有する方の部材、すなわち、少なくとも上記第1部材、の接触面は、めっき被膜、りん酸塩被膜、固体潤滑被膜、半固体潤滑被膜および粘稠液体潤滑被膜よりなる群から選ばれた少なくとも1種の表面処理被膜を有していることが好ましい。ここで、接触面とは、継手の締付け時に互いに接触するピンとボックスの表面を意味し、プレミアムジョイントの場合、ねじ部に加えて、シール面およびショルダ面が接触面となる。
つまり、ピンとボックスの両部材の接触面が表面処理被膜を有している場合には、二段スタビング形状を付与する部材はピンとボックスのいずれであってもよい。それにより、ピンの挿入時の表面処理被膜の損傷を抑えて、良好な挿入容易性とねじ部の耐焼付き性を得ることができる。この場合、チャンファー角βを大きくすると、ピンとボックスの摺動接触に対する許容表面積が増えるため、表面処理被膜の損傷がさらに少なくなり、ねじ部の耐焼付き性がより向上する。
一方、ピンまたはボックスの一方の部材だけが、その接触面に表面処理被膜を有する場合には、二段スタビング形状のねじを有する方の部材(上記の第1部材)に表面処理被膜を形成することが好ましい。例えば、ピンに表面処理被膜を形成せず、ボックスだけに表面処理被膜を形成する場合には、ボックスねじのスタビング面にチャンファーを付与して二段スタビング形状とする。こうすると、ピンをボックスに挿入した時のねじ部におけるピンねじのボックスねじとの接触点が、ボックスねじのスタビング面の頂部から谷部に向かって次第に変化していくため、表面処理被膜の損傷が低減し、ねじ部の良好な耐焼付き性が確保される。ピンとボックスのねじのスタビング面がいずれもチャンファーを持たないと、ピンの挿入時にボックスねじのスタビング面の頂点との境界付近だけが常に侵入してくるピンねじと接触するため、この部分の表面処理被膜が大きく損傷し、ねじ部の耐焼付き性が著しく低下する。本発明では、この損傷が防止される。
本発明に係る鋼管用ねじ継手は、スタビング面へのチャンファー付与による耐圧縮性能の悪影響を最小限に抑えて、ピンのボックスへの挿入を容易にする。それにより、傾斜位置でピンを挿入する場合や、ピンの挿入方向に微小なずれがあっても、ピンを容易に挿入することができる。また、ピンとボックスの少なくとも一方の部材がその接触面に潤滑性を付与するための表面処理被膜を有する場合に、この被膜の損傷が抑制されるため、締付け時にピンとボックスのねじのスタビング面での焼付きが起こりにくくなり、ねじ継手の耐焼付き性が改善される。
以下に添付図面を参照しながら本発明をより詳しく説明する。
本発明の鋼管用ねじ継手は、カップリング方式とインテグラル方式のいずれにも適用することができる。カップリング方式の場合、典型的にはピンがパイプ両端に、ボックスがカップリングの両側に形成されるが、逆の組み合わせとすることも可能である。
鋼管用ねじ継手は、雄ねじを有するピンと、雌ねじを有するボックスとから構成され、雄ねじと雌ねじはいずれも、頂面、フランク面およびスタビング面を備え、谷部により離間している略台形のねじ山形状を有するテーパねじである。
鋼管用ねじ継手は、好ましくは図1に示すように、ピン1およびボックス2がいずれも、ねじ11、21に加えて、シール面13、23とショルダ面14、24とを有するプレミアムジョイント型のものである。図示例では、ピン先端の端面をショルダ面とし、このショルダ面の近傍のピン先端に近いピンとボックスの周面にシール面を形成している。しかし、これに代えて、または加えて、ショルダ面をボックス先端側に形成し、この近傍のピンとボックスの周面にシール面を形成することもできる。
より好ましい継手形状は、図3に示すように、ピン1のシール面13より先のピン先端部の長さ(つまり、シール面13と端面ショルダ面14との間の継手軸方向距離)を延長して、ピンとボックスの周面が互いに接触(干渉)しあわない非接触領域(ノーズ部)15を設けたものである。この非接触領域15を有する鋼管用ねじ継手は、耐圧縮性に特に優れていて、締付け時の耐焼付き性に優れている。
本発明の鋼管用ねじ継手は、ピンとボックスのねじのうち、少なくとも雄ねじと雌ねじとが噛み合う係合ねじ(完全ねじ)のねじ山形状に特徴がある。すなわち、ボックスとピンのいずれか一方の部材(第1部材)の少なくとも係合ねじのねじ山形状を、スタビング面がチャンファーを有する二段スタビング形状とし、このスタビング面のスタビング角α(スタビング・フランク角)が5〜45°、好ましくは8〜15°、チャンファー角βが20〜60°、好ましくは20〜40°となるようにする。
図4にボックスの雌ねじが二段スタビング形状を有する場合、図5にピンの雄ねじが二段スタビング形状を有する場合について、それぞれピンとボックスのねじのスタビング面の継手軸方向の断面形状を模式的に示す。図示のように、スタビング角αは、スタビング面(二段スタビング形状の場合はチャンファーを形成する前のスタビング面、すなわち、二段のうち、ねじ谷部に近い、下部のスタビング面部分、以下では非チャンファー部ともいう)と継手軸に垂直な面との間の角度であり、チャンファー角βは、スタビング面のチャンファー部(二段のうち、ねじ頂部に近い上部のスタビング面部分)と継手軸垂直面との間の角度である。
スタビング角αが5°未満であるとスタビング面の傾斜が小さすぎて、ピンの挿入が困難となり、スタビング面の焼付きも起こり易くなる。チャンファー角が20°未満であると、チャンファーによる効果が実質的に得られない。スタビング角αが45°を超えるか、および/またはチャンファー角βが60°を超えると、スタビング面の傾斜が大きすぎて、ピン挿入時の圧縮荷重の支持が不安定になり、ねじ継手の耐圧縮性能が低下しリークが発生しやすいといったシール性能への悪影響がある。
二段スタビング形状を有するねじのスタビング面のチャンファーの形状については、チャンファー角βに加えて、チャンファー高さhまたはチャンファー断面積についても最適の範囲がある。
チャンファー高さh(チャンファー部の継手軸垂直方向の高さ)は、ピンのねじ高さHに対する比(h/H)が0.25〜0.50となるようにする。このh/H比は、好ましくは0.3〜0.4である。
一方、チャンファー断面積については、二段スタビング形状を有するねじのスタビング面の全断面積(h'+H')に対するチャンファーの断面積(h')の比[h'/(h'+H')]が次の(3)式を満たすようにする。
Figure 0004941058
上記の式における各記号の意味は、図4、図5に示すように、次の通りである。
(1)二段スタビング形状を有するスタビング面がボックスの雌ねじに形成されている場合(図4):
α:ボックスねじのスタビング角(°)、β:ボックスねじスタビング面のチャンファー角(°)、H:ピンのねじ高さ(mm)、h:ボックスねじのスタビング面のチャンファー高さ(mm)、x:ピンねじ頂部でのスタビング面曲率半径(mm)、y:ボックスねじのスタビング面のチャンファー起点での曲率半径(mm)、z:ボックスねじ頂部でのスタビング面曲率半径(mm)。
(2)二段スタビング形状を有するスタビング面がピンの雄ねじに形成されている場合(図5):
α:ピンねじのスタビング角(°)、β:ピンねじスタビング面のチャンファー角(°)、H:ピンのねじ高さ(mm)、h:ピンねじのスタビング面のチャンファー高さ(mm)、x:ピンねじ頂部でのスタビング面曲率半径(mm)、y:ピンねじのスタビング面のチャンファー起点での曲率半径(mm)、z:ピンねじ頂部でのスタビング面曲率半径(mm)。
図4および図5において、x'はボックスねじ谷部でのスタビング面曲率半径(mm)である。
ピンおよびボックスのいずれのねじ山形状においても、側面(スタビング面およびロード面)とねじ谷部および頂部との境界は、多少の丸みがつけられるのが普通である。上記のx、x’、zは、このような丸みづけの曲率半径である。
既に述べたように、(1)式で規定されるh'はスタビング面のチャンファー部の断面積を、(2)式で規定されるH'はスタビング面の非チャンファー部(チャンファーにより切除が行われていないスタビング面、つまり、チャンファーよりねじ谷部の側のスタビング面)の断面積を意味し、(3)式におけるh'/(h'+H')はスタビング面の全断面積に対するチャンファー部の断面積の比(チャンファー断面積比)を意味する。つまり、チャンファー断面積比は、h/H比が0.25である場合の値以上、かつh/Hが0.50である場合の値以下とする。チャンファー断面積比は、好ましくはh/H比が0.3である場合の値以上、かつh/Hが0.4である場合の値以下である。
つまり、本発明においては、スタビング面におけるチャンファーの割合を、チャンファー高さ比(h/H)またはチャンファー断面積比[h'/(h'+H')]のいずれかで規定する。チャンファー高さ比(h/H)は簡便であるが、スタビング面の丸みずけによる影響を考慮していないので、チャンファー断面積比[h'/(h'+H')]の方がチャンファーによる効果をより精密に数量化できる。
チャンファー高さ比(h/H)またはチャンファー断面積比[h'/(h'+H')]が小さすぎると、チャンファーを設けた意味がなく、ピンの挿入時のピンの自由度が小さく、ピンの挿入方向が僅かにずれれた場合にピンの挿入が不可能になるクロススレッドが発生し易くなり、ねじ部の耐焼付き性が低下する。一方、チャンファー高さ比またはチャンファー断面積比が大きすぎると、圧縮時におけるピンとボックスのスタビング面の接触面積が減少し、ねじ部の耐圧縮性能が低下して、ねじ部でリークが発生し易くなる。チャンファー部は圧縮時にも相手部材のねじと接触せず、圧縮荷重を支持することができないためである。
二段スタビング形状を有するねじのスタビング面の各部の曲率半径の好ましい範囲は、x、x'、y、zのいずれも0.1〜1.8mmである。
本発明により規定されるねじ形状は、ピンまたはボックスの一方の部材の係合ねじのスタビング面に対して適用される。従って、相手部材のねじ部と係合しない不完全ねじ部については、ピンとボックスのいずれのねじのスタビング面の二段スタビング形状とする必要はない。しかし、既に上記特許文献3に提案されているように.不完全ねじにも二段スタビング形状を形成してもよい。この不完全ねじに対する二段スタビング形状は、本発明に従った形状としてもよく、本発明の範囲外となる形状としてもよい。
ピンの雄ねじとボックスの雌ねじはいずれもテーパねじであり、ピンおよびボックスはいずれも先端に向かって肉厚が減少する。ただし、雄ねじと雌ねじのねじ山の頂面と谷部は、図2に示すように、ピンおよびボックスのテーパ角度に平行とすることも可能であるが、好ましくは継手軸(パイプ軸と同方向)に平行(頂部と谷部は傾斜を持たない)とすることが好ましい。こうすると、締結作業時に挿入角度ずれによるトラブルが低減する。
ピンとボックスのねじのロード面については、継手軸垂直面に対する角度(ロード角またはロード・フランク角)が−5〜+5°の範囲内とすることが好ましい。ここで、傾斜角度が「−」とは、ロード面がピンの挿入方向において継手軸垂直面より後ろ側に傾いていることを意味する。
ピンとボックスのいずれのねじでも、ロード面にはチャンファーを形成しないが、角を丸くする意味で、ピンとボックスのねじのロード面のねじ頂部側とねじ山部側の両端とも丸みをもたせるのが普通である。この丸みは、図2にも示すように、傾斜角度のより大きなスタビング面に設けた曲率半径が小さい丸みとするのが普通である。曲率半径で通常は1.5mm以下、より典型的には1mm以下である。
雄ねじと雌ねじのすべてのねじ山を、互いに噛み合う係合ねじとする必要はない。図1(A)に示すように、ボックスの雌ねじ部の継手軸方向長さをピンの雄ねじ部の継手軸方向長さより長くして、締付けた状態でボックス先端付近の雌ねじは雄ねじと噛み合わない非係合状態とすることができる。
また、図3に示すように、雄ねじがねじ側近傍の第1シール面にできるだけ近づくように延長する目的で、ボックスには円周グルーブ32を設けて、ピンの先端側の雄ねじがボックスの第1シール面近傍の部分の雌ねじと噛み合わないようにしてもよい。それにより、リップ部の剛性が高まり、継手の耐圧縮性能が高まる。同じ目的で、スウェッジまたは肉盛り加工によって、ピンとボックスの肉厚をショルダ面に向かって厚肉化する(内径を漸減する)してもよい。
また、図3に示すように、ピンとボックスのショルダ面の両側にチャンファーを形成してもよい。こうすると、管継手の内面におけるピンとボックスの接合部の周囲の真円度が向上し、内部を流れる流体の乱流が防止される。
鋼管用ねじ継手が第2のリップ部をボックス先端側に有していてもよく、あるいは第2のシール面をボックスの先端近傍に設けてもよい。
ピンおよびボックスのうち、少なくとも二段スタビング形状のねじを有する方の部材の接触面が、めっき被膜、りん酸塩被膜、固体潤滑被膜、半固体潤滑被膜および粘稠液体潤滑被膜よりなる群から選ばれた少なくとも1種の表面処理被膜を有していることが好ましい。つまり、ピンとボックスの両部材ともこのような表面処理被膜を有する場合には、スタビング面が二段チャンファー形状を有するねじは、ピンとボックスのいずれのねじであってもよい。一方、表面処理被膜を形成するのが、ピンまたはボックスの一方の部材である場合には、この表面処理被膜を形成する方の部材のねじのスタビング面にチャンファーを形成して二段スタビング形状とすることが好ましい。
例えば、カップリング方式の鋼管用ねじ継手の場合、パイプに比べて短いカップリング、すなわち、ボックスの方が表面処理の適用が容易である。その場合には、ボックスのねじ部の少なくとも係合ねじのスタビング面を本発明に従って二段スタビング形状とすることが好ましい。
なお、このような表面処理被膜は一般に潤滑性、従って、耐焼付き性の改善効果があるので、ねじ部に加えてシール面およびショルダ面を有するプレミアムジョイント型の鋼管用ねじ継手の場合には、ねじ部、シール面およびショルダ面を含む接触表面の全体に表面処理被膜を形成することが好ましい。ボックスの場合には、ボックス内面全体に表面処理被膜を形成してもよい。
表面処理被膜がめっき被膜である場合、めっき被膜は、Sn系合金(例、SnとBi、In、Ni、Zn、及びCuから選ばれた1種以上の金属との合金)といった比較的硬度が低い金属材料の被膜が好ましい。めっき被膜は2層以上の複層めっき被膜であってもよい。めっき被膜の膜厚は1〜40μmの範囲とすることが好ましい。めっき被膜の密着性を改善するために、その下層に例えば、ニッケルまたは銅のフラッシュめっきを施してもよい。
リン酸塩被膜は、好ましくはリン酸マンガン被膜またはリン酸亜鉛被膜である。リン酸塩被膜はからみあった針状結晶からなる多孔質の被膜であるため、その上にドープと呼ばれるグリスを塗布したり、あるいは次に述べる各種潤滑被膜を形成した場合の保持性が高まる。従って、リン酸塩被膜は、単独で形成するよりも、下地被膜とすることが好ましいが、現場で締付け前にドープを塗布するのであれば、リン酸塩被膜単独であってもよい。リン酸塩被膜の厚みは通常は3〜40μmである。
固体潤滑被膜は、例えば、特開2001−65751号公報、特開2002−221288号公報、特開2002−327875号公報、特開2002−348587号公報に記載されているような、バインダー中に分散した潤滑性粉末を含有する焼付け被膜でよい。半固体潤滑被膜および粘稠液体潤滑被膜は、例えば、特開2002−173692号公報、特開2004−53013号公報に記載されているような、基油中に各種潤滑成分を含有させた被膜である。
これらの潤滑被膜は1層又は2層以上形成することができる。2層とする場合には、下層を固体潤滑被膜とし、上層を粘稠液体潤滑被膜又は半固体潤滑被膜とすることが、耐焼付き性の改善効果が大きいことから好ましい。潤滑被膜が2層の場合、上層の潤滑被膜は、半固体潤滑被膜より、流動性がより大きい粘稠液体潤滑被膜である方が好ましい。
固体潤滑被膜は、好ましくは潤滑性粉末を含有する被膜、即ち、潤滑性粉末を適当な無期又は有機バインダーで結合した潤滑被膜である。
固体潤滑被膜に使用する好ましい潤滑性粉末の例としては、それらに制限されないが、黒鉛、MoS2(二硫化モリブデン)、WS2(二硫化タングステン)、BN(窒化ホウ素)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、CFx(フッ化黒鉛)、CaCO3(炭酸カルシウム)などが挙げられる。中でも、黒鉛、フッ化黒鉛、MoS2及びWS2がより好ましい。これらは、層状結晶構造とり、結晶の面内結合強度が高く、面間結合強度が弱いので、すべり効果を与える面間剥離を生じやすく、耐焼付き性の向上に好都合である。
固体潤滑被膜のバインダーとしては、有機及び/又は無機の皮膜を形成できる成分を使用することができる。有機皮膜形成成分の例は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などの耐熱性の良好な有機樹脂である。無機皮膜形成成分としては、シリカゾル、アルコキシシラン、チタンアルコキシドなどの金属酸化物皮膜を形成できる有機又は無機化合物が挙げられる。
潤滑性粉末を皮膜形成可能なバインダーと混合し、得られた塗布液を鋼管用ねじ継手の接触表面に塗布し、好ましくは加熱して被膜を焼付けると、固体潤滑被膜が形成される。加熱温度はバインダーの種類によるが、エポキシ樹脂の場合で約150℃〜250℃の温度が好ましい。好ましい固体潤滑被膜は、膜厚が5〜30μmで、被膜中の潤滑性粉末の含有量が10〜50質量%のものである。
粘稠液状又は半固体の潤滑被膜は、環境や人体に有害なPb,Zn,Cuなどの重金属の粉末を実質的に含有しないことが好ましい。このような潤滑皮膜は、基油(例、鉱物油、高級脂肪酸エステル、グリース)にかなり多量の各種潤滑性付与成分(例、極圧剤として機能する高塩基性Caスルホネート、フェネート、サリシレート、カルボキシレート等の高塩基性金属塩、ワックス、金属石けん)を1種又は2種以上含有させたものであり、基油の粘度や固体成分の含有量に応じて、性状が粘稠液体又は半固体となる。市販のグリーンドープを利用してこの潤滑被膜を形成することもできる。粘稠液体また半固体潤滑皮膜の好ましい厚みは10〜200μmである。
本発明の鋼管用ねじ継手は、特に上記の少なくとも1層の潤滑被膜を形成した場合、締付け(メイクアップ)作業前のドープの塗布を省略して使用することができ、油井管の組立て作業の効率が向上する。しかし、潤滑被膜を形成しない場合や、潤滑被膜を形成した場合であっても、必要に応じてメイクアップ前にドープを塗布することができる。使用するドープは、環境や人体に有害なPb,Zn,Cuなどの重金属の粉末を実質的に含有しないグリーンドープと呼ばれる種類のものが好ましい。
本発明の効果を実証するため、ボックスの係合ねじのスタビング面にチャンファーを付与して二段スタビング形状とし、その際のスタビング角α、チャンファー角β、チャンファー高さh、並びに各変曲部の曲率半径(x,y,z)を変化させて、チャンファー高さ比(h/H)またはチャンファー断面積比[h'/(h'+H')]の異なる鋼管用ねじ継手を作製し、締付け試験に供した。
供試ねじ継手は、いずれも図1に示すような、シール面とショルダ面とを有するカップリング方式のねじ継手であって、9.625“×53.5(lb/ft)鋼管(外径244.5mm、肉厚13.84mm)に対して使用するものであった。全ての供試ねじ継手の材質は、API規格でP110と規定される鋼材であった。ショルダ面はピン端部に位置する端面ショルダ面と対応するボックス側のショルダ面だけであった。
ねじ形状は、テーパが1/18、ピンの雄ねじ高さHが1.3mm、ねじピッチが5.08mm、ロード面のフランク角は−3°であった。スタビング面の非チャンファー部におけるピンねじとボックスネジとの継手軸方向の隙間(スタビング面隙間)は0.15mmであった。
二段スタビング形状を付与したボックスのねじ部とシール面およびショルダ面を含む接触面(実際にはボックスの内面全体)にリン酸マンガン処理を実施して、表面処理被膜を形成した。被膜厚みは約20μmであった。

このようなチャンファーつきスタビング面を有するねじ山形状と表面処理被膜を形成したボックスを用いて、ピンとの締付け(メイクアップ、M)と締め戻し(ブレークアウト,B)を繰り返すことにより、耐焼付き性を調べた。各締付けの前に市販のグリーンドープをピンの外周面に塗布した。
耐焼付き性試験は、軸線が鉛直線から3°ずれるように斜めに配置したボックスに対してピンを挿入し、常温で49351.8N・m(36400ft・lbs)のトルクでショルダ面が当接するまで締付けた後、締め戻してピンを取り外し、ピンに付着した潤滑剤を溶剤洗浄により除去して、ピンの外周面、特にねじ部を目視観察し、焼付きの発生状況を調べることによって行った。この作業を10回まで繰り返し、焼付き(ゴーリング)が発生するまでの回数(焼付きが起こらない締付け・締め戻し回数)により耐焼付き性を評価した結果を図6にまとめて示す。
図6では、この締付け試験において5回以上のメイクアップおよびブレークアウト(M&B)が可能であった場合を○で、3〜4回のM&Bが可能であった場合を△で、M&Bが2回以下しかできなった場合を×で示す。
図6の結果からわかるように、スタビング角αが20〜60°の範囲内で、かつチャンファー断面積比[h'/(h'+H')]が、チャンファー高さ比h/Hが0.25である時の値以上、0.50である時の値以下であるという本発明で規定する条件を満たしたスタビング面のチャンファー形状(二段スタビング形状)を有する鋼管用ねじ継手では、上記のようにピンが鉛直位置から斜めになっているピンの挿入が難しい状況下においても、少なくとも3回以上のメイクアップとブレークアウトが可能であったのに対し、この条件を外れると、2回までのメイクアップとブレークアウトで焼付きが発生した。従って、本発明の鋼管用ねじ継手は、耐焼付き性に優れていることがわかる。
また、図6に示したように、チャンファー断面積比[h'/(h'+H')]が、チャンファー高さ比h/Hが0.25である時の値より小さいと、チャンファーが不十分で、ピンの挿入容易性が低下し、ピンの位置ずれによる挿入のやり直しが頻発する結果となった。一方、チャンファー断面積比[h'/(h'+H')]が、チャンファー高さ比h/Hが0.50である時の値より大きいと、チャンファーが過大となり、ピンの挿入容易性はさらに改善されるものの、ねじ継手を締付けた時のねじスタビング面の接触面積が不足する結果、ねじ継手の耐圧縮性能が低下し、高い圧縮荷重が加わる使用条件下では内部流体の漏れ(リーク)が発生するようになる。これは実際に実験で確認された。
さらに、チャンファー断面積比ではなくチャンファー高さ比(h/H)で試験結果を整理しても同じ結果となり、h/Hが0.25〜0.50であると少なくとも3回以上のメイクアップとブレークアウトが可能であった。
以上には、ボックスのねじのスタビング面をチャンファーにより二段スタビング形状にし、ボックスの接触面に表面処理を施した場合について例示した。逆に、ピンのねじのスタビング面をチャンファーにより二段スタビング形状にし、ピンの接触面に表面処理を施した鋼管用ねじ継手についても、上記と同様の結果が得られることも確認した。
プレミアムジョイントと呼ばれる従来の一般的なカップリング方式の鋼管用ねじ継手の模式的な軸方向断面(A)とピン先端付近の部分拡大図(B)である API規格のバットレスねじに代表される台形ねじの形状と寸法を説明する模式的軸方向断面図である。 リップ部が延長された鋼管用ねじ継手の模式的な軸方向断面図である。 ピンのねじのスタビング面が本発明にかかる二段スタビング形状を有する場合のピンおよびボックスのねじ山スタビング面の形状を示す説明図である。 ボックスのねじのスタビング面が本発明にかかる二段スタビング形状を有する場合のピンおよびボックスのねじ山スタビング面の形状を示す説明図である。 実施例の結果を示すグラフである。
符号の説明
1:ピン、2:ボックス、11:雄ねじ、12:リップ部、13:ピンのシール面、14:ピンの端面ショルダ面、15:ノーズ部、21:雌ねじ、23:ボックスの第1シール面、24:ボックスショルダ面、32:ボックス円周グルーブ、71:ロード角、72:スタビング角、73:スタビング隙間、74:ピンねじ高さ。

Claims (7)

  1. 雄ねじを有するピンと、雌ねじを有するボックスとから構成される鋼管用ねじ継手であって、雄ねじと雌ねじはいずれも、頂面、フランク面およびスタビング面を備え、谷部により離間している略台形のねじ山形状を有するテーパねじであり、ボックスの雌ねじの少なくとも係合ねじ部のねじ山形状を、スタビング面がチャンファーを有する二段スタビング形状とし、このスタビング面のスタビング角αが5〜45°、チャンファー角βが20〜60°であり、かつ下記(3)式を満足することを特徴とする鋼管用ねじ継手。
    Figure 0004941058
    式中、α:ボックスねじのスタビング角(°)、β:ボックスねじスタビング面のチャンファー角(°)、H:ピンのねじ高さ(mm)、h:ボックスねじのスタビング面のチャンファー高さ(mm)、x:ピンねじ頂部でのスタビング面曲率半径(mm)、y:ボックスねじのスタビング面のチャンファー起点での曲率半径(mm)、z:ボックスねじ頂部でのスタビング面曲率半径(mm)。
  2. 雄ねじを有するピンと、雌ねじを有するボックスとから構成される鋼管用ねじ継手であって、雄ねじと雌ねじはいずれも、頂面、フランク面およびスタビング面を備え、谷部により離間している略台形のねじ山形状を有するテーパねじであり、ピンの雄ねじの少なくとも係合ねじ部のねじ山形状を、スタビング面がチャンファーを有する二段スタビング形状とし、このスタビング面のスタビング角αが5〜45°、チャンファー角βが20〜60°であり、かつ下記(3)式を満足することを特徴とする鋼管用ねじ継手。
    Figure 0004941058
    式中、α:ピンねじのスタビング角(°)、β:ピンねじスタビング面のチャンファー角(°)、H:ピンのねじ高さ(mm)、h:ピンねじのスタビング面のチャンファー高さ(mm)、x:ピンねじ頂部でのスタビング面曲率半径(mm)、y:ピンねじのスタビング面のチャンファー起点での曲率半径(mm)、z:ピンねじ頂部でのスタビング面曲率半径(mm)。
  3. スタビング角αが8〜15°、チャンファー角βが20〜40°である、請求項1又は2に記載の鋼管用ねじ継手。
  4. チャンファー高さhのピンのねじ高さHに対する比h/Hが0.3〜0.4である、請求項に記載の鋼管用ねじ継手。
  5. 下記(3')式を満足する、請求項1〜3のいずれかに記載の鋼管用ねじ継手。
    Figure 0004941058
    式中、各記号の意味は上記に同じ。
  6. ピンおよびボックスがそれぞれ、ねじに加えて、ねじ近傍の周面に設けられたシール面と、ピンとボックスの一方の部材の端面とそれに当接する他部材の面とから構成されるショルダ面とを有する、請求項1〜のいずれかに記載の鋼管用ねじ継手。
  7. ピンおよびボックスのうち、少なくとも二段スタビング形状のねじを有する方の部材の接触面が、めっき被膜、りん酸塩被膜、固体潤滑被膜、半固体潤滑被膜および粘稠液体潤滑被膜よりなる群から選ばれた少なくとも1種の表面処理被膜を有している、請求項1〜のいずれかに記載の鋼管用ねじ継手。
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