JP4940730B2 - データベースシステム運用方法,データベースシステム,データベース装置及びバックアッププログラム - Google Patents

データベースシステム運用方法,データベースシステム,データベース装置及びバックアッププログラム Download PDF

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Description

本発明は、複数のデータベース装置からなるデータベースシステムを運用する方法,そのような運用方法を実現するデータベースシステム,そのようなデータベースシステムを構成するデータベース装置,そのようなデータベース装置としてコンピュータを動作させるバックアッププログラムに、関する。
周知のように、日々の業務で発生する大量の業務データを検索自在に保管するため、データベース装置が広く利用されている。また、自然災害や停電やシステム障碍による情報損失を未然に防ぐため、通常使用されるデータベース装置とは別に、そのデータベース装置のレプリカを遠隔地の副センタに用意して、そのレプリカに業務データのバックアップを取ることが行われている。さらに、このようなレプリカを、主センタのデータベース装置が使用不能となった場合のセカンダリとして動作できるようにしておくことにより、主センタのデータベース装置が使用不能となってから復旧するまでの間、副センタのデータベース装置を運用対象として業務を継続することができるようになる。
以上のようなデータベースシステムにおいて、バックアップのためレプリカの業務データを日々更新する場合、複写元のデータベース装置内の業務データがレプリカに全件複写されることはなく(フルバックアップ)、通常、複写元のデータベース装置になされた更新に係る差分情報がネットワーク経由でレプリカに引き渡される(差分バックアップ)。ここで、レプリカに引き渡される差分情報として、運用対象のデータベース装置が自己のリカバリ用に録っている物理ログを利用する方法と、更新に係る操作内容の記録である論理ログを別途生成して利用する方法とがある。
前者の物理ログは、データベース装置の記憶領域内の物理的な位置を示す位置情報とその位置での更新後のデータとを主に対応付けた情報となっている。その一方、後者の論理ログは、SQL[Structured Query Language]文イメージと更新後のデータとを主に対応付けた情報となっている。前者の物理ログは、記憶領域の物理的な位置情報からなることから、この物理ログを使ってレプリカの業務データを更新するためには、レプリカを運用対象と全く同じ構成のデータベース装置として構築せねばならない。しかしながら、そのようなデータベース装置を構築するのは難しいため、一般的には、後者の論理ログを差分情報として利用する方法が採られている。
図8は、従来の複写元データベース装置におけるリカバリログ(物理ログ)と差分ログ(論理ログ)をともに生成して保存する機能についての機能構成図である。
図8に示されるように、データベース装置は、トランザクションを実行するための機能91,リカバリログを一時記憶するためのリカバリログI/Oバッファ92,リカバリログを保存するためのリカバリログファイル93,リカバリログI/Oバッファ92からリカバリログファイル93へリカバリログを書き出すための機能94,差分ログを一時記憶するための差分ログI/Oバッファ95,差分ログを保存するための差分ログファイル96,差分ログI/Oバッファ95から差分ログファイル96へリカバリログを書き出すための機能97を、含んでいる。
トランザクションを実行するための機能91は、図示せぬアプリケーションから、トランザクションを構成するSQL文のうち、更新(UPDATE),削除(DELETE),挿入(INSERT)について処理を実行する場合、リカバリログ(物理ログ)を組み立てて、そのリカバリログをリカバリログI/Oバッファ92に書き込む処理を行い(ステップS901)、続いて、差分ログ(論理ログ)を組み立てて、その差分ログを差分ログI/Oバッファ95に書き込む処理を行う(ステップS902)。なお、図9は、差分ログを差分ログI/Oバッファ95に書き込む処理(ステップS902)の流れを具体的に示す図である。図9に示されるように、この機能91は、差分ログを組み立る処理を行い(ステップS921)、差分ログI/Oバッファ95への書き込みが可能であれば(ステップS922;YES)、差分ログを差分ログI/Oバッファ95に書き込む処理を行う(ステップS923)。一方、この機能91は、差分ログI/Oバッファ95への書き込みが不可能であれば(ステップS922;NO)、差分ログファイル書出処理タスク97に対し、差分ログI/Oバッファ95から差分ログファイル96への差分ログの書き出しを依頼する処理を行い(ステップS924)、差分ログI/Oバッファ95に空ができた後に(ステップS925;YES)、差分ログを差分ログI/Oバッファ95に書き込む処理を行う(ステップS922;YES,S923)。
また、トランザクションを実行するための機能91は、図示せぬアプリケーションから、確定(COMMIT)のSQL文について処理を実行する場合、まず、差分ログファイル書出処理タスク97に対し、差分ログI/Oバッファ95から差分ログファイル96への差分ログの書き出しを依頼する処理を行う(ステップS903)。なお、図10は、差分ログファイル書出処理タスク97に対する書出依頼処理(ステップS903)の流れを具体的に示す図である。この図10に示されるように、この機能91は、差分ログファイル書出処理タスク97に対し、差分ログI/Oバッファ95に最後に書き込んだ差分ログを差分ログファイル96へ書き出すよう依頼し(ステップS931)、書き出しの完了が通知されると(ステップS932;YES)、処理を次のステップに進める。
続いて、当該機能91は、確定制御についてのリカバリログを組み立ててリカバリログI/Oバッファ92に書き込み、リカバリログファイル書出処理タスク94に対し、リカバリログI/Oバッファ92からリカバリログファイル93への全てのリカバリログの書き出しを依頼する(ステップS904)。その後、当該機能91は、確定制御についての差分ログを組み立てて差分ログI/Oバッファ95に書き込み、差分ログファイル書出処理タスク97に対し、差分ログI/Oバッファ95から差分ログファイル96への当該確定制御についての差分ログの書き出しを依頼する(ステップS905)。
なお、図11は、差分ログファイル書出処理の流れを示す図である。差分ログファイル書出処理タスク97は、何れかの機能から処理の依頼を受けたとき(ステップS971;YES)、その依頼が終了であれば(ステップS972;YES)、処理を終了し、その依頼が書き出しであれば(ステップS972;NO)、差分ログI/Oバッファ95から差分ログファイル96へ差分ログを書き出す処理を行い(ステップS973)、差分ログI/Oバッファ95に空領域を生成する処理を行って(ステップS974)、書き出しの完了を通知する(ステップS975)。
つまり、従来の複写元のデータベース装置において、レプリケーションのための機能が組み込まれていると、(1)リカバリログファイル93にリカバリログを書き込んでトランザクションのログ保存を確定させる前に、更新(UPDATE),削除(DELETE),挿入(INSERT)の差分ログのみについて差分ログファイル96への書き込みが保証(確定)され、且つ、(2)トランザクションのリカバリログの保存が確定された後に、確定制御の差分ログのみの差分ログファイル96への書き込みが保証(確定)されるようになっている。
これらステップS903乃至S905のような確定(COMMIT)の方法は、ステップS903とステップS904との間でデータベース装置が異常終了したときにおいてリカバリログの保存が確定される前に差分ログの保存が確定されるのを防止するため、尚且つ、ステップS904とステップS905との間でデータベース装置が異常終了したときでもリカバリログファイル93に保存されているリカバリログから確定制御の差分ログがリカバリできることから、採用されている。
特開2003−015926号公報
しかしながら、前述したような確定(COMMIT)の方法によると、ステップS903においてI/O処理待ちがあるとともに、このステップS903と同様の処理が実行されるステップS905においてもI/O処理待ちがある。これらのI/O処理待ち時間は、トランザクション処理時間を増大させるので、単位時間当たりのトランザクション処理数が減少してしまう。このため、高いトランザクション処理性能が要求される高トラフィックシステムに対し、当該方法によるレプリケーション機能を採用しにくいという問題があった。
本発明は、前述したような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、トランザクション処理時間を増大させることなくレプリケーション機能をデータベース装置に付加できるようにすることにある。
上記の課題を解決するために案出されたデータベースシステム運用方法は、何れかの業務端末装置からネットワークを介して指定された命令に基づいて記憶領域内の記憶内容が変更される第1のデータベース装置と、その第1のデータベース装置のバックアップとして同じ記憶内容を記憶するための第2のデータベース装置とからなるデータベースシステムを運用するための方法であって、前記第1のデータベース装置が、前記各命令による処理がなされるたびに、その命令の内容と、その処理により前記記憶領域内で変更された記憶内容とを対応付けた論理ログを生成して記憶するとともに、前記各命令による処理がなされるたびに、前記記憶領域内におけるその処理により記憶内容が変更された箇所の位置情報と、その処理による変更後の記憶内容と、その処理の種別とを対応付けた物理ログを生成し、前記各物理ログが生成されるたびに、その物理ログに対応する命令を特定する命令特定情報をその物理ログに対応付けて記憶することを、特徴としている。
このように、物理ログを保存する際、その物理ログに命令特定情報を対応付けておくと、物理ログに対応する論理ログが特定できるようになるので、物理ログにて記憶領域内の記憶内容をリカバリできるとともに、論理ログをもリカバリできるようになる。然も、物理ログの保存の確定と論理ログの保存の確定とを同期させる必要がなくなるため、物理ログと論理ログを非同期で保存させることができるようになる。この結果、前述したようなI/O処理待ちが発生せず、トランザクション処理時間を増大させることもなくなる。
また、上記の課題を解決するために案出されたデータベースシステムは、何れかの業務端末装置からネットワークを介して指定された命令に基づいて記憶領域内の記憶内容が変更される第1のデータベース装置と、その第1のデータベース装置のバックアップとして同じ記憶内容を記憶するための第2のデータベース装置とからなるデータベースシステムであって、前記第1のデータベース装置が、前記各命令による処理がなされるたびに、その命令の内容と、その処理により前記記憶領域内で変更された記憶内容とを対応付けた論理ログを、生成する論理ログ生成部,前記論理ログ生成部が生成した論理ログを記憶する論理ログ記憶部,前記各命令による処理がなされるたびに、前記記憶領域内におけるその処理により記憶内容が変更された箇所の位置情報と、その処理による変更後の記憶内容と、その処理の種別とを対応付けた物理ログを生成する物理ログ生成部,及び、前記物理ログ生成部が前記物理ログを生成するたびに、その物理ログに対応する命令を特定する命令特定情報をその物理ログに対応付けて記憶する物理ログ記憶部を備えることを、特徴としている。
従って、このデータベースシステムは、前述した本発明のデータベース運用方法を実現したデータベースシステムと同等に機能することとなる。
また、上記の課題を解決するために案出されたデータベース装置は、何れかの業務端末装置からネットワークを介して指定された命令に基づいて記憶領域内の記憶内容が変更されるデータベース装置であって、前記各命令による処理がなされるたびに、その命令の内容と、その処理により前記記憶領域内で変更された記憶内容とを対応付けた論理ログを、生成する論理ログ生成部,前記論理ログ生成部が生成した論理ログを記憶する論理ログ記憶部,前記各命令による処理がなされるたびに、前記記憶領域内におけるその処理により記憶内容が変更された箇所の位置情報と、その処理による変更後の記憶内容と、その処理の種別とを対応付けた物理ログを生成する物理ログ生成部,及び、前記物理ログ生成部が前記物理ログを生成するたびに、その物理ログに対応する命令を特定する命令特定情報をその物理ログに対応付けて記憶する物理ログ記憶部を備えることを、特徴としている。
従って、このデータベース装置は、前述した本発明のデータベースシステムを構成するデータベース装置と同等に機能することとなる。
また、上記の課題を解決するために案出されたバックアッププログラムは、コンピュータを、何れかの業務端末装置からネットワークを介して指定された命令に基づいて第1の記憶装置の記憶領域内の記憶内容を変更するデータ記憶手段,前記各命令による処理がなされるたびに、その命令の内容と、その処理により前記第1の記憶装置の記憶領域内で変更された記憶内容とを対応付けた論理ログを、生成する論理ログ生成手段,前記論理ログ生成部が生成した論理ログを第2の記憶装置に記憶する論理ログ記憶手段,前記各命令による処理がなされるたびに、前記第1の記憶装置の記憶領域内におけるその処理により記憶内容が変更された箇所の位置情報と、その処理による変更後の記憶内容と、その処理の種別とを対応付けた物理ログを生成する物理ログ生成手段,及び、前記物理ログ生成手段が前記物理ログを生成するたびに、その物理ログに対応する命令を特定する命令特定情報をその物理ログに対応付けて第3の記憶装置に記憶する物理ログ記憶手段として機能させることを、特徴としている。
従って、このバックアッププログラムによれば、前述した本発明のデータベース装置と同等に機能する装置としてコンピュータを動作させることができることになる。
以上に説明したように、本発明によれば、トランザクション処理時間を増大させることなくレプリケーション機能をデータベース装置に付加できるようになる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
先ず、本実施形態のデータベースシステムの構成について説明する。
図1は、本実施形態のデータベースシステムの構成図である。
図1に示されるように、本実施形態のデータベースシステムは、複数の業務端末装置Tと、主センタ内で業務データベース装置Mに接続されている制御装置10と、副センタ内で業務データベース装置Sに接続されている制御装置20とからなり、これら装置T,10,20は、ネットワークを介して互いに通信自在に接続されている。
このうち、業務端末装置Tは、ネットワークを介して制御装置10,20に各種のトランザクションの実行要求を送信するための装置であり、一般的なパーソナルコンピュータと、このパーソナルコンピュータを業務端末として動作させるための周知のソフトウエアとからなっている。
業務データベース装置M,Sは、何れも、前述した業務端末装置Tからの要求に基づいて制御装置10,20で実行された処理により得られる業務データを蓄積するための機能を備えた装置であり、一般的な汎用のコンピュータと、業務データが格納されるデータベーステーブルと、そのデータベーステーブルでの業務データの追加、削除、変更、検索を行う機能を実現するための周知のソフトウエアとからなっている。
制御装置10,20は、何れも、業務データベース装置M,Sへの業務データの入出力を制御するための装置である。これら制御装置10,20は、自己が管理する業務データベース装置M,Sを、動作モードに応じて、運用対象かバックアップ用レプリカの何れかとして動作させる機能を、有している。業務データベース装置を運用対象として動作させる場合、制御装置10,20は、業務端末装置Tからの要求を受けてトランザクションを実行し、その処理結果に応じて業務データベース装置内の業務データを更新したり、業務端末装置Tに処理結果に関する情報を通知したりする。一方、業務データベース装置をバックアップ用レプリカとして動作させる場合、制御装置10,20は、運用対象の業務データベース装置の制御装置と連携して、運用対象の業務データベース装置で行われた更新に係る情報を取得し、自己の業務データベース装置内の業務データに同じ更新を行う。
なお、本実施形態のデータベースシステムは、通常状態においては、主センタ内の業務データベース装置Mが運用対象として動作され、副センタ内の業務データベース装置Sがバックアップ用レプリカとして動作されるように、設定されている。また、本実施形態のデータベースシステムは、主センタ内の業務データベース装置Mが自然災害や停電やシステム障碍などにより使用不能となった状態においては、副センタ内の業務データベース装置Sが運用対象として動作されるように、設定されている。副センタは、自然災害等が両センタに同時に及ばないよう、主センタの遠隔地に設置されていてもよい。
図2は、通常状態における主センタ内の制御装置10の構成図である。
図2に示されるように、制御装置10を構成する汎用のコンピュータは、ストレージ10a,CPU[Central Processing Unit]10b,通信アダプタ10c,及び、DRAM[Dynamic Random Access Memory]10d等の周知なハードウエアを、内蔵している。そして、ストレージ10aには、業務端末装置Tと情報を遣り取りするための業務情報管理アプリケーションソフトウエア11,業務データベース装置Mへの業務データの入出力を制御するための周知のデータベース制御モジュールプログラム12,業務データベース装置M内の業務データのリカバリに使用するログ情報を生成するためのログ制御モジュールプログラム13,及び、副センタの業務データベース装置Sの更新に用いるログ情報を生成するためのDBクローン生成モジュール15,そのログ情報を副センタの制御装置20に引き渡すための差分ログファイル送信モジュールプログラム17が、インストールされている。これらソフトウエアやモジュールプログラムは、CPU10bによってストレージ10aから読み出されて、DRAM10dに展開されることにより、実行される。
通常状態での運用対象側の制御装置10では、業務情報管理アプリケーション11は、業務端末装置Tからの要求を受けると、そのトランザクションに基づく業務データの追加、削除、変更、検索を、データベース制御モジュール12と連携して、業務データベース装置Mに指示する。また、この業務情報管理アプリケーション11は、業務データベース装置Mに対して行った更新のログ情報を生成し、ログ制御モジュール13に引き渡す。ログ制御モジュール13は、業務情報管理アプリケーション11から受け取ったログ情報を一時保管する作業領域として、ログバッファを用意しており、このログバッファに一時保管されたログ情報を、リカバリログとしてリカバリログファイル14に記録する。データベースクローン生成モジュール15は、このログ制御モジュール13内のログバッファのログ情報に基づいて、レプリカ側の業務データベース装置Sを更新するのに必要な情報である差分ログを生成し、その差分ログを差分ログファイル16に記録する。差分ログファイル送信モジュール17は、データベースクローン生成モジュール15から差分ログファイル16を受け取って、レプリカ側の制御装置20に送信する。なお、通常状態における業務データベース装置Mは、前述したデータ記憶手段に相当している。
次に、リカバリログファイル14と差分ログファイル16を生成する処理について、より詳しく説明する。
図3は、各ログファイル14,16を生成する処理の説明に用いられる機能構成図である。
図3に示されるように、業務情報管理アプリケーション11には、トランザクション処理タスク11aが含まれている。このトランザクション処理タスク11aは、業務データベース装置Mに対して行った更新のログ情報を生成する機能である。ここで生成されるログ情報には、トランザクションを構成するSQL[Structured Query Language]文の種別,更新(UPDATE)や削除(DELETE)や挿入(INSERT)や確定(COMMIT)や取消(ROLLBACK)などのSQLコマンド文イメージ,全てのトランザクションの中から各トランザクションを個別に識別するための識別情報であるトランザクションID[Identification],業務データベース装置Mの記憶領域内におけるこのSQLコマンドの実行により更新された後のその更新部分の記憶内容(更新後データ),複写先の業務データベース装置S内に保存される業務データの行を特定するための情報である主キー情報がある。
また、このトランザクション処理タスク11aは、このようなログ情報を生成するたびに、そのログ情報をログ制御モジュール13内のリカバリログI/Oバッファ13aに書き込むとともに、リカバリログファイル書出処理タスク14aに対し、リカバリログI/Oバッファ13aからリカバリログファイル14へのリカバリログの書き出しを依頼するようになっている。なお、図3では、書出依頼の依頼元と依頼先との関係が、波線の矢印で示されている。
図4は、そのリカバリログファイル書出処理の流れを示す図である。このリカバリログファイル書出処理タスク14aは、トランザクション処理タスク11aから書出依頼又は終了依頼が来まで待機し(ステップS101;NO)、終了依頼を受けると(ステップS101;YES,S102;終了)、図4に係る処理を終了する。一方、書出依頼を受けると(ステップS101;YES,S102;書出)、このリカバリログファイル書出処理タスク14aは、リカバリログI/Oバッファ13a内からログ情報を読み出し、そのログ情報をリカバリログとしてリカバリログファイル14へ記録する処理を行う(ステップS103)。
図5は、ここで生成されるリカバリログの一例を示す図である。
図5に示されるように、リカバリログは、「種別」,「トランザクションID」,「資源コード」,「ページ番号」,「位置」,「更新後データ」及び「主キー」のフィールドの値を対応付けた情報である。このうち、「種別」フィールドは、トランザクションを構成するSQL文の種別(挿入,更新,削除,確定など)を示す種別情報が記録されるフィールドである。また、「トランザクションID」フィールドは、トランザクションIDが記録されるフィールドである。また、「資源コード」,「ページ番号」及び「位置」フィールドは、物理位置に関連する情報を記録するフィールドである。具体的に説明すると、「資源コード」フィールドは、業務データベース装置M内の複数の論理ディスクのうち、その業務データが格納されている論理ディスクを識別するための情報である資源コードが記録されるフィールドである。「ページ番号」フィールドは、論理ディスク内の複数のページのうち、その業務データが格納されているページを識別するための識別情報であるページ番号が記録されるフィールドである。「位置」フィールドは、その業務データが記録されているページ内の位置を示す位置情報が記録されるフィールドである。なお、「種別」フィールドの値が「確定」や「取消」である場合、そのリカバリログは、業務データの実体がない制御ログであるので、「資源コード」,「ページ番号」,「位置」のフィールドは、空欄となる。「更新後データ」フィールドは、その記録位置にある更新後データが記録されるフィールドである。「主キー」フィールドは、主キー情報が記録されるフィールドである。但し、「種別」フィールドの値が「挿入」及び「確定」である場合、この「主キー」フィールドは、空欄となる。
なお、従来の業務情報管理アプリケーション11及びログ制御モジュール13は、図5に示される各フィールドのうちの「主キー」を除いたリカバリログを、生成していたが、本実施形態では、この「主キー」が各リカバリログに組み込まれている。
図4に示されるように、リカバリログファイル書出処理タスク14aは、リカバリログをリカバリログファイル14へ書き出した後(ステップS103)、データベースクローン生成モジュール15内の差分ログI/Oバッファコピー処理タスク15aに対し、リカバリログI/Oバッファ13aからデータベースクローン生成モジュール15内の差分ログI/Oバッファ15bへのログ情報のコピーを依頼して(ステップS104)、次の依頼があるまで待機する状態になる(ステップS101;NO)。なお、図3では、コピー依頼の依頼元と依頼先との関係が、波線の矢印で示されている。
図6は、差分ログI/Oバッファコピー処理の流れを示す図である。データベースクローン生成モジュール15内の差分ログI/Oバッファコピー処理タスク15aは、リカバリログファイル書出処理タスク14aからコピー依頼又は終了依頼が来るまで待機し(ステップS201;NO)、終了依頼を受けると(ステップS201;YES,S202;終了)、図6に係る処理を終了する。一方、コピー依頼を受けると(ステップS201;YES,S202;コピー)、この差分ログI/Oバッファコピー処理タスク15aは、リカバリログI/Oバッファ13a内からログ情報を読み出し、差分ログを組み立てて、その差分ログを差分ログI/Oバッファ15bにコピーする処理を行う(ステップS203)。なお、ここで組み立てられる差分ログは、SQL文の種別,SQLコマンド文イメージ,トランザクションID,更新後データ,主キー情報を含んでいるが、位置関連情報(資源コード,ページ番号,位置)については、送信データ量を低減させるため、除かれていても良い。そして、この差分ログI/Oバッファコピー処理タスク15aは、ログ情報を差分ログI/Oバッファ15bへコピーした後(ステップS203)、データベースクローン生成モジュール15内の差分ログファイル書出処理タスク15cに対し、差分ログI/Oバッファ15bから差分ログファイル16への差分ログの書き出しを依頼して(ステップS204)、次の依頼があるまで待機する状態になる(ステップS201;NO)。なお、図3では、書出依頼の依頼元と依頼先との関係が、波線の矢印で示されている。
図7は、差分ログファイル書出処理の流れを示す図である。データベースクローン生成モジュール15内の差分ログファイル書出処理タスク15cは、差分ログI/Oバッファコピー処理タスク15aから書出依頼又は終了依頼が来るまで待機し(ステップS301;NO)、終了依頼を受けると(ステップS301;YES,S302;終了)、図7に係る処理を終了する。一方、書出依頼を受けると(ステップS301;YES,S302;書出)、この差分ログファイル書出処理タスク15cは、差分ログI/Oバッファ15b内から差分ログを読み出し、その差分ログを差分ログファイル16に記録する処理を行い(ステップS303)、次の依頼があるまで待機する状態になる(ステップS301;NO)。
従って、リカバリログファイル書出処理タスク14aは、前述した物理ログ生成部及び物理ログ生成手段に相当し、リカバリログファイル14は、前述した物理ログ記憶部及び物理ログ記憶手段に相当している。また、差分ログファイル書出処理タスク15cは、前述した論理ログ生成部及び論理ログ生成手段に相当し、差分ログファイル16は、前述した論理ログ記憶部及び論理ログ記憶手段に相当している。
次に、本実施形態のデータベースシステムの作用及び効果について、説明する。
前述したように、本実施形態の制御装置10では、リカバリログをリカバリログファイル14に保存する際、そのリカバリログに主キー情報を組み込んでいる。このように、従来の物理ログに相当する情報に対して主キー情報を対応付けて、リカバリログとして保存しておくと、リカバリログに対応する差分ログが、その主キー情報から特定できるようになるので、制御装置10や業務データベース装置Mが異常終了したときに、リカバリログにて業務データベース装置Mの記憶領域内の記憶内容(業務データ)をリカバリできるとともに、差分ログをもリカバリできるようになる。然も、リカバリログの書き込みの保証(確定)と差分ログの書き込みの保証(確定)のためにこれら処理を同期させるという必要がなくなるため、リカバリログと差分ログを非同期で書き出させることができるようになる(ステップS104,S201,S204,S301)。この結果、従来技術におけるI/O処理待ちが発生せず、トランザクション処理時間を増大させることがない。
(付記1)
何れかの業務端末装置からネットワークを介して指定された命令に基づいて記憶領域内の記憶内容が変更される第1のデータベース装置と、その第1のデータベース装置のバックアップとして同じ記憶内容を記憶するための第2のデータベース装置とからなるデータベースシステムを運用するための方法であって、
前記第1のデータベース装置が、
前記各命令による処理がなされるたびに、その命令の内容と、その処理により前記記憶領域内で変更された記憶内容とを対応付けた論理ログを生成して記憶するとともに、
前記各命令による処理がなされるたびに、前記記憶領域内におけるその処理により記憶内容が変更された箇所の位置情報と、その処理による変更後の記憶内容と、その処理の種別とを対応付けた物理ログを生成し、
前記各物理ログが生成されるたびに、その物理ログに対応する命令を特定する命令特定情報をその物理ログに対応付けて記憶する
ことを特徴とするデータベースシステム運用方法。
(付記2)
前記第1のデータベース装置が、更に、前記論理ログを前記第2のデータベース装置に送信する
ことを特徴とする請求項1記載のデータベースシステム運用方法。
(付記3)
前記第2のデータベース装置が、前記第1のデータベース装置から受信した前記論理ログに基づいて、記憶内容を更新する
ことを特徴とする付記2記載のデータベースシステム運用方法。
(付記4)
何れかの業務端末装置からネットワークを介して指定された命令に基づいて記憶領域内の記憶内容が変更される第1のデータベース装置と、その第1のデータベース装置のバックアップとして同じ記憶内容を記憶するための第2のデータベース装置とからなるデータベースシステムであって、
前記第1のデータベース装置が、
前記各命令による処理がなされるたびに、その命令の内容と、その処理により前記記憶領域内で変更された記憶内容とを対応付けた論理ログを、生成する論理ログ生成部,
前記論理ログ生成部が生成した論理ログを記憶する論理ログ記憶部,
前記各命令による処理がなされるたびに、前記記憶領域内におけるその処理により記憶内容が変更された箇所の位置情報と、その処理による変更後の記憶内容と、その処理の種別とを対応付けた物理ログを生成する物理ログ生成部,及び、
前記物理ログ生成部が前記物理ログを生成するたびに、その物理ログに対応する命令を特定する命令特定情報をその物理ログに対応付けて記憶する物理ログ記憶部
を備える
ことを特徴とするデータベースシステム。
(付記5)
何れかの業務端末装置からネットワークを介して指定された命令に基づいて記憶領域内の記憶内容が変更されるデータベース装置であって、
前記各命令による処理がなされるたびに、その命令の内容と、その処理により前記記憶領域内で変更された記憶内容とを対応付けた論理ログを、生成する論理ログ生成部,
前記論理ログ生成部が生成した論理ログを記憶する論理ログ記憶部,
前記各命令による処理がなされるたびに、前記記憶領域内におけるその処理により記憶内容が変更された箇所の位置情報と、その処理による変更後の記憶内容と、その処理の種別とを対応付けた物理ログを生成する物理ログ生成部,及び、
前記物理ログ生成部が前記物理ログを生成するたびに、その物理ログに対応する命令を特定する命令特定情報をその物理ログに対応付けて記憶する物理ログ記憶部
を備えることを特徴とするデータベース装置。
(付記6)
コンピュータを、
何れかの業務端末装置からネットワークを介して指定された命令に基づいて第1の記憶装置の記憶領域内の記憶内容を変更するデータ記憶手段,
前記各命令による処理がなされるたびに、その命令の内容と、その処理により前記第1の記憶装置の記憶領域内で変更された記憶内容とを対応付けた論理ログを、生成する論理ログ生成手段,
前記論理ログ生成部が生成した論理ログを第2の記憶装置に記憶する論理ログ記憶手段,
前記各命令による処理がなされるたびに、前記第1の記憶装置の記憶領域内におけるその処理により記憶内容が変更された箇所の位置情報と、その処理による変更後の記憶内容と、その処理の種別とを対応付けた物理ログを生成する物理ログ生成手段,及び、
前記物理ログ生成手段が前記物理ログを生成するたびに、その物理ログに対応する命令を特定する命令特定情報をその物理ログに対応付けて第3の記憶装置に記憶する物理ログ記憶手段
として機能させる
ことを特徴とするバックアッププログラム。
本実施形態のデータベースシステムの構成図 通常状態における主センタ内の制御装置の構成図 リカバリログファイルと差分ログファイルを生成する処理の説明に用いられる機能構成図 リカバリログファイル書出処理の流れを示す図 リカバリログの一例を示す図 差分ログI/Oバッファコピー処理の流れを示す図 差分ログファイル書出処理の流れを示す図 従来の複写元データベース装置におけるリカバリログと差分ログをともに生成して保存する機能についての機能構成図 差分ログを差分ログI/Oバッファに書き込む処理の流れを具体的に示す図 差分ログファイル書出処理タスクに対する書出依頼処理の流れを具体的に示す図 差分ログファイル書出処理の流れを示す図
符号の説明
10 制御装置
10a ストレージ
10c 通信アダプタ
11 業務情報管理アプリケーション
11a トランザクション処理タスク
13 ログ制御モジュール
13a リカバリI/Oバッファ
14 リカバリログファイル
14a リカバリログファイル書出処理タスク
15, クローン生成モジュール
15a 差分ログI/Oバッファコピー処理タスク
15b 差分ログI/Oバッファ
15c 差分ログファイル書出処理タスク
16 差分ログファイル
17 差分ログファイル送信モジュール
20 制御装置

Claims (5)

  1. ネットワークを介して指定された命令に基づいて記憶領域内の記憶内容が変更される第1のデータベース装置と、第1のデータベース装置のバックアップとして同じ内容を記憶するための第2のデータベース装置とを含むデータベースシステムの運用方法であって、
    前記第1のデータベース装置が、
    前記命令による処理を行う際に命令の情報と、該命令による処理により前記記憶領域内で変更された記憶内容とを対応付けた第1のログを生成して記憶し、また、前記記憶領域内における処理により記憶内容が変更された箇所の位置情報と、処理による変更後の記憶内容と、処理の種別とを対応付けた第2のログを生成し、該第1のログに対応する前記命令を特定する命令特定情報を該第2のログに対応付けて記憶する
    ことを特徴とするデータベースシステム運用方法。
  2. 前記第1のデータベース装置が、更に、前記第1のログを前記第2のデータベース装置に送信する
    ことを特徴とする請求項1記載のデータベースシステム運用方法。
  3. ネットワークを介して指定された命令に基づいて記憶領域内の記憶内容が変更される第1のデータベース装置と、第1のデータベース装置のバックアップとして同じ内容を記憶するための第2のデータベース装置とを含むデータベースシステムであって、
    前記第1のデータベース装置が、
    前記命令による処理が行われる際に命令の情報と、該命令による処理により前記記憶領域内で変更された記憶内容とを対応付けた第1のログを、生成する第1ログ生成部,前記第1ログ生成部が生成した第2のログを記憶する第2ログ記憶部,
    前記命令による処理が行われる際に、前記記憶領域内におけるその処理により記憶内容が変更された箇所の位置情報と、処理による変更後の記憶内容と、処理の種別とを対応付けた第2のログを生成する第2ログ生成部,及び、
    前記第2ログ生成部が前記第2のログを生成するに、前記第1のログに対応する命令を特定する命令特定情報を該第2のログに対応付けて記憶する第2ログ記憶部
    を備える
    ことを特徴とするデータベースシステム。
  4. ネットワークを介して指定された命令に基づいて記憶領域内の記憶内容が変更されるデータベース装置であって、
    前記命令による処理が行われた際に命令の情報と、該命令による処理により前記記憶領域内で変更された記憶内容とを対応付けた第1のログを、生成する第1ログ生成部,
    前記第1ログ生成部が生成した第1のログを記憶する第1ログ記憶部,
    前記命令による処理が行われた際に、前記記憶領域内における処理により記憶内容が変更された箇所の位置情報と、処理による変更後の記憶内容と、処理の種別とを対応付けた第2のログを生成する第2ログ生成部,及び、
    前記第2ログ生成部が前記第2のログを生成するに、前記第1のログに対応する命令を特定する命令特定情報を該第2のログに対応付けて記憶する第2ログ記憶部
    を備えることを特徴とするデータベース装置。
  5. コンピュータを、
    ネットワークを介して指定された命令に基づいて第1の記憶装置の記憶領域内の記憶内容を変更するデータ記憶手段,
    前記命令による処理が行われた際に命令の情報と、該命令による処理により前記第1の記憶装置の記憶領域内で変更された記憶内容とを対応付けた第1のログを、生成する第1ログ生成手段,
    前記第1ログ生成手段が生成した第1のログを記憶する第1ログ記憶手段,
    前記命令による処理が行われた際に、前記記憶領域内における処理により記憶内容が変更された箇所の位置情報と、処理による変更後の記憶内容と、処理の種別とを対応付けた第2のログを生成する第2ログ生成手段,及び、
    前記第2ログ生成手段が前記第2のログを生成するに、前記第1のログに対応する命令を特定する命令特定情報を該第2のログに対応付けて記憶する第2ログ記憶手段
    として機能させる
    ことを特徴とするバックアッププログラム。
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