JP4939198B2 - 噴霧ガン、噴霧システム及び噴霧方法 - Google Patents

噴霧ガン、噴霧システム及び噴霧方法 Download PDF

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本発明は、塗材と気体とを混合して噴霧する噴霧ガン、及び該噴霧ガンを用いた噴霧システム及び噴霧方法に関する。
医療用の注射器におけるガスケットには、薬剤が漏れないようにする密封性と、シリンジ(外筒)の内壁に対して滑らかに移動することができる摺動性等が要求されている。十分な密封性を得るため、ゴムピストンにはブチルゴムやエラストマー等の弾性体が用いられているが、一般には、ガスケットを構成する弾性体では、シリコーンオイルをシリンジの弾性体との間に介在させ摺動性を得ている。しかしながら、シリコーンオイルは薬剤に影響を及ぼす場合がある。また、薬剤によってはガスケット中の成分を抽出してしまったり、逆に薬剤がガスケットに収着したり吸着したりすることがある。そこで、弾性体に対して、摺動性を向上させることのできる材料を塗布したりシートを積層してコーティングすることが行われている。
一般にフッ素樹脂を用いたコーティング被膜を設けることが行われているが、硬質な被膜となるため気密性に劣る。
塗布によって被膜を形成する場合、上記した問題を解決するものとして、例えば特許文献1に記載されているように微粒子を含むものを用いることにより、コーティングで得られる塗膜に適度な粗さが生じ、密封性を維持するとともに良好な摺動性が得られている。
コーティングの方法としては、ガスケットを塗材に浸すディッピングや、ガスケットに対して塗材を噴霧する方法が挙げられる。このうち、ディッピングでは塗膜が厚くなりすぎ、微粒子が塗膜層に埋没することになり、適度な表面粗さが得られなくなる。このように、ディッピングによるコーティングでは所望の摺動性が得られないことから、専ら噴霧によるコーティグが行われている。
噴霧によるコーティングでは、例えば図13に示すような噴霧ガン500が用いられている。噴霧ガン500は、メインボディ502と、該メインボディ502の先端中央に突出したノズル504と、該ノズル504の周囲を囲むように設けられたキャップ506とを有する。ノズル504には、先端が絞られた塗材供給路508が設けられている。キャップ506の先端外周面とノズル504の先端内周面はテーパ形状となっており、傘状の狭い隙間507が形成され、最先端の噴霧口510に連通し、該噴霧口510にて塗材と気体が混合して霧状となり、ワークに対して噴霧を行うことができる。
塗材供給路508の後方部には先端部がニードル弁512としての作用を奏するピストン514が設けられ、該ピストン514の後方には加圧室516と、ピストン514を弾性付勢するばね518と、ピストン514を液圧駆動するためのパイロットライン520とが設けられている。
また、メインボディ502には、ピストン514の側方部に連通する塗材入口ライン522と、ノズル504とキャップ506との間の筒状隙間524に連通する気体入口ライン526が設けられている。気体は気体入口ライン526、筒状隙間524及び隙間507を通って噴霧口510に達する。
特開2006−167110号公報
ところで、上記の噴霧ガン500は汎用であり、微粒子を含む塗材の噴霧について考慮されている訳ではなく、該微粒子がニードル弁512に詰まりやすい。
また、気体の流れはノズル504を中心として偏りのない同心状となることが望ましいが、実際には相当に不均一であり、いわゆる片流れが生じ、塗膜に斑が発生しやすくなる。そのため、供給圧力を高圧に設定して気体の流れを均一化を図っているが、噴霧の勢いが過度に強くなると、ワークに対して塗布される量以外の無駄な塗材の噴出が発生する。一般に、このような噴霧ガン500を用いて噴霧を行う場合、ワークに対して有効に塗布されるのは5%程度であり、残余の90%以上の塗材は無駄に噴出されている。そのため、塗材のコストが高く、しかも無駄に噴出された塗材の処理に工数及び費用がかかる。
さらに、噴霧ガン500は、ニードル弁512、ピストン514及び加圧室516等を有する大型且つ複雑構造であり、信頼性に劣り、コスト高であって、しかも塗材を所望の適正量だけ供給することが困難である。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、塗材の有効利用を促進し、塗材が詰まりにくく、しかも適切で均一な塗膜を得ることのできる噴霧ガン、噴霧システム及び噴霧方法を提供することを目的とする。
本発明に係る噴霧ガンは、塗材を供給する塗材供給路を形成する第1部材と、前記第1部材の周囲に気体を供給する気体供給路としての筒状の隙間が設けられるように形成された第2部材と、前記気体供給路の流路断面が絞られて形成される環状隙間と、前記環状隙間より上流側に前記第1部材と同軸的に設けられ、周方向で所定間隔に設定されて軸方向に連通する複数の連通部を備えた1以上の孔付リング部材とを有することを特徴とする。
このような構成によれば、気体供給路の気体(例えば、空気や窒素)は、先ず孔付リング部材の等間隔の連通部によって略等分量に分流し、さらに環状隙間から同心状の均一な流れとなる。したがって、塗材と混合されて均一な霧状となり、ワークに均一な塗膜が得られる。また、気体の流れが均一になりやすいことから、気体供給圧力を比較的低圧に設定することができ、噴霧が緩やかとなって、塗材をワークに吹き付け易くなる。これにより、塗材が無駄に噴霧され、又は巻き上げられることが抑制され、塗材の利用率が向上する。
この場合、前記環状隙間は、前記第1部材に同軸的に設けられたリング部材と前記第2部材の内腔部壁面との間に形成されていてもよい。これにより、環状隙間を容易に設けることができ、しかも気体が外周側からスムーズに先端側に排出される。
前記孔付リング部材は互いに離間して2以上設けられ、隣接する孔付リング部材の前記連通部は、周方向位置が互いにずれて設けられていると、最終段の孔付リングでは各連通部に流れる気体が一層等分量に分流される。
前記孔付リング部材の数は2であってもよい。これにより、最終段の孔付リングでは各連通部に流れる気体が相当に等分量になり、しかも気体供給路を適度に短く設定することができ、噴霧ガンがコンパクトになる。また、噴霧ガンがコンパクトになることから塗材のデッドボリュームを小さくできるとともに噴霧ガンがコンパクトになる。
前記第1部材の先端部の外周面及び前記第2部材の先端部の内周面はテーパ状の先細りに形成され、前記外周面と前記内周面とにより、縮径した円筒状隙間が形成されているとよい。
前記環状隙間の幅は、0.02〜0.2mmのいずれかにすると、一層均一な気体の流れが得られる。
前記孔付リング部材1つあたりの前記連通部の数は略等間隔に6つであり、前記連通部は、全周に対して、1つあたりそれぞれ5〜15°のいずれかの幅にすると、一層均一な気体の流れが得られる。
本発明に係る噴霧システムは、塗材を供給する塗材供給路を形成する第1部材と、前記第1部材の周囲に気体を供給する気体供給路としての筒状の隙間が設けられるように形成された第2部材と、前記気体供給路の流路断面が絞られて形成される環状隙間と、前記環状隙間より上流側に前記第1部材と同軸的に設けられ、周方向で所定間隔に設定されて軸方向に連通する複数の連通部を備えた1以上の孔付リング部材とを備える噴霧ガンと、前記気体供給路に所定圧力に調整された気体を供給する気体回路と、前記塗材供給路に前記塗材をピストン機構により所定量ずつ間歇的に供給する塗材回路とを有することを特徴とする。
このような噴霧システムでは、気体供給路及び塗材供給路とも弁機構等の可動機構がなく、微粒子を含む塗材を用いても途中で詰まることが抑制される。また、可動機構がないため、噴霧ガンを軽量、簡便構成にすることができる。さらに、ピストン機構によれば、塗材を所望の適正量だけ供給することが可能となる。
前記所定圧力は0.1〜0.2MPaのいずれかに設定するとよい。前記塗材は、けい素系樹脂及び微粒子を含有する液状組成物溶剤であってもよい。
前記塗材は、合成樹脂微粒子及び(又は)無機微粒子からなる微粒子を含んでいてもよい。この微粒子によれば、ワークの塗膜を適度に粗くすることができ、摺動性を向上させることができる。
本発明に係る噴霧方法は、塗材を供給する塗材供給路を形成する第1部材と、前記第1部材の周囲に気体を供給する気体供給路としての筒状の隙間が設けられるように形成された第2部材と、前記気体供給路の流路断面が絞られて形成される環状隙間と、前記環状隙間より上流側に前記第1部材と同軸的に設けられ、周方向で所定間隔に設定されて軸方向に連通する複数の連通部を備えた1以上の孔付リング部材とを備える噴霧ガンを用い、ワークを前記噴霧ガンの噴霧範囲に供給する工程と、前記気体供給路に所定圧力に調整された気体を供給する工程と、前記ワークの全周面が前記噴霧ガンの方向を指向するように前記ワークと前記噴霧ガンとが回転機構により相対的に360°以上回転させる工程と、前記ワークの供給に同期して、前記塗材供給路に前記塗材をピストン機構により所定量ずつ所定時間だけ供給することにより塗材を噴霧する工程とを有することを特徴とする。
このような噴霧方法によれば、噴霧ガンの孔付リング部材及び環状隙間の作用によって、気体は均一な流れが形成されることから、塗材と混合されて均一な霧状となり、ワークに均一な塗膜が得られる。また、気体の流れが均一になりやすいことから、気体供給圧力を比較的低圧に設定することができ、噴霧が緩やかとなって、塗材をワークに吹き付け易くなる。これにより、塗材が無駄に噴霧され、又は巻き上げられることが抑制され、塗材の利用率が向上する。なお、各工程は必ずしも上記の記載順に行う必要はなく、例えば、気体を供給する工程は常時行っていても良い。
この場合、前記噴霧ガンの噴霧口は所定のボックス内に設けられ、前記噴霧ガンが噴霧をする前に前記回転機構を前記ボックス内に搬入する工程と、前記噴霧ガンが噴霧をした後に前記回転機構を前記ボックスから搬出する工程とを有していてもよい。
本発明に係る噴霧ガンによれば、気体供給路の気体は、先ず孔付リング部材の等間隔の連通部によって略等分量に分流し、さらに環状隙間から同心状の均一な流れとなる。したがって、塗材と混合されて均一な霧状となり、ワークに均一な塗膜が得られる。また、気体の流れが均一になりやすいことから、気体供給圧力を比較的低圧に設定することができ、噴霧が緩やかとなって、塗材をワークに吹き付け易くなる。これにより、塗材が無駄に噴霧され、又は巻き上げられることが抑制され、塗材の利用率が向上する。
また、このような噴霧ガンは軽量、簡便構造であって、信頼性が高い。該噴霧ガンによれば、ディッピングのように塗膜が過度に厚くなることがなく、適厚の塗膜が得られる。
本発明に係る、噴霧システムによれば、気体供給路及び塗材供給路とも弁機構等の駆動機構がなく、微粒子を含む塗材を用いても途中で詰まることが抑制される。また、可動機構がないため、噴霧ガンを軽量、簡便構成にすることができる。さらに、ピストン機構によれば、塗材を所望の適正量だけ供給することが容易に可能となる。
本発明に係る噴霧方法によれば、噴霧ガンの孔付リング部材及び環状隙間の作用によって、気体は均一な流れとなり、塗材と混合されて均一な霧状となり、ワークに均一な塗膜が得られる。また、気体の流れが均一になりやすいことから、気体供給圧力を比較的低圧に設定することができ、噴霧が緩やかとなって、塗材をワークに吹き付け易くなる。これにより、塗材が無駄に噴霧され、又は巻き上げられることが抑制され、塗材の利用率が向上する。
以下、本発明に係る噴霧ガン、噴霧システム及び噴霧方法について実施の形態を挙げ、添付の図1〜図12を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る噴霧ガン10及び噴霧システム12はワーク14に対して塗材を噴霧するためのものである。
図2に示すように、ワーク14は、側面が略円柱形状であって、上面が緩やかな錐形状で、内腔部を有するキャップ状である。具体的には、ディスポーザルシリンジなどの注射器に使用されるガスケットである。内腔部には、注射器のプランジャーロッド(押子)に接続するための雌ねじが形成されている。ワーク14の側面は緩やかな曲面を形成しており、上方から下方に向かって順に肩部14a、第1膨出部14b、第2膨出部14c及び端部14dとして区別される。
ワーク14はブチルゴム製であり密封性を備えており、以下に説明するように噴霧ガン10及び噴霧システム12により塗材が噴霧されて、所定の塗膜が形成されることにより好適な摺動性が得られる。
なお、噴霧ガン10及び噴霧システム12により塗材を噴霧する対象物の素材としては、ブチルゴムに限らず他のゴム、エラストマー等の弾性体、樹脂又は金属等であってもよい。
図1に戻り、噴霧システム12は、ワーク14を生産する生産工程のうち所定の噴霧工程用の噴霧ステーション20に設けられている。噴霧ステーション20は、ボックス22と、昇降テーブル24と、噴霧ガンセット26とを有する。
ボックス22は、下面に昇降テーブル24が挿入可能な孔22aを有し、一方の面には噴霧ガンセット26が設けられ、他方は先細り形状となって吸気路28に接続されており、図示しない吸引機によって内気が吸い出されるようになっている。内気の吸い出し速度は、諸条件に応じて変更可能な構成となっている。なお、図1及び図9においては、内部構造の理解が容易となるようにボックス22及び吸気路28を仮想線で示している。
昇降テーブル24は、所定の昇降装置によって昇降可能に構成されており、上昇したときにボックス22の下方の孔22aからボックス22内に挿入する。昇降テーブル24は、上方に突出するポール30を有しており、ポール30の先端部分にはワーク14を被せてある。ポール30は内部のギア回転機構により回転するように構成されている。昇降テーブル24が上昇するとワーク14は噴霧ガンセット26に対して近接する位置に配置される。
噴霧ガンセット26は、ブラケット32をベースとして構成されており、噴霧ガン10と、噴霧ガン10の気体流量を計測する流量センサ34と、供給圧力を一定値に調整するレギュレータ36と、フィルタ38とを有する。
噴霧ガン10は、ボックス22内に挿入され、上昇した昇降テーブル24の先端部のワーク14を指向している。
次に、噴霧ガン10及び噴霧システム12について図3〜図5を参照しながら説明する。なお、各図中、噴霧ガン10及び噴霧システム12の先端側を矢印A1で示し、基端側を矢印A2で示す。
図3及び図4に示すように噴霧ガン10は、ベースとなる第1部材50と、該第1部材50の中央から突出したノズル52を覆うように設けられる第2部材54と、第2部材54を第1部材50に固定する4本(図4では代表的に1本のみ示す。)のボルト56と、第1部材50と第2部材54との接合部を気密に維持するOリング58とを有する。
第1部材50は四隅が面取りされた正面視略八角形状のベースブロック60と、該ベースブロック60の矢印A1側で、中心部から突出するノズル52とを有する。
ノズル52は、矢印A2方向から矢印A1方向に向かって順に、台座部62と、円柱部64と、円錐部66とを有する。台座部62は半径と高さが略等しい円柱形状である。円柱部64は台座部62の略1/2の径、1.5倍の長さの円柱形状である。台座部62と円柱部64との間には段差面62aが形成されている。円錐部66は矢印A2側の底部が円柱部64と同径であって、矢印A1側に向かって先細りのテーパ形状となっており、長さに対して底部直径は略3倍に設定されている。円錐部66の矢印A1側の先端部には小さい円柱状突起70が設けられている。
円柱部64は、矢印A2方向(上流側)から矢印A1方向(下流側)に向かって順に、第1孔付リング部材72と、第2孔付リング部材74と、リング部材76とを有する。第1孔付リング部材72、第2孔付リング部材74及びリング部材76は、それぞれ円柱部64の外周面に固定され、外縁が円柱部102の内周面115aに対する低い高さ(例えば、0.5〜1.0mm程度)の環状部材であり、このうち、リング部材76は第1孔付リング部材72、第2孔付リング部材74よりも僅かに低く設定されており、後述する環状隙間114(図7参照)を形成する。
第1孔付リング部材72と段差面62aとの間の距離は、円柱部64の半径と略等しい。第1孔付リング部材72と第2孔付リング部材74との間の距離は円柱部64の半径よりもやや短い。第2孔付リング部材74とリング部材76との間の距離は、第1孔付リング部材72と第2孔付リング部材74との間の距離に等しい。リング部材76は円柱部64の矢印A1方向端部の近傍に設けられている。
図4及び図6に示すように、第1孔付リング部材72は、周方向で等間隔(60°)に設定された6つのスリット(連通部)80を備え、同様に、第2孔付リング部材74は、周方向で等間隔(60°)に設定された6つのスリット(連通部)82を備える。6つのスリット80と6つのスリット82は正面視で30°だけ周方向位置がずれて設けられている。つまり、正面視(図6参照)で、各スリット82と隣接する両隣のスリット80までは等距離に設定されている。
スリット80及びスリット82は狭幅であって、具体的には、全周に対して、角度換算(図6のα参照)で1つあたり5〜15°のいずれかの幅に設定されているとよい。
スリット80及び82は、第1孔付リング部材72及び第2孔付リング部材74の全高にわたって設けられた形状に拘わらず、軸方向に連通していればよい。例えば、外縁又は内縁からリング部材の途中まで凹んだ溝形状や、外縁及び内縁に接しないように形成された貫通孔などであってもよい。
ところで、スリット80及び82はノズル52の外周面に発生する気体の流れの偏りを低減して可及的に均一にするためのものであることから、均等に配置されていることが望ましく、且つある程度の数が必要である。一方、各スリット80及び82から略等しい流量の気体を流通させる必要があり、過度に多く設けると絞り作用が低減することに起因して流量が不均等となって適当でない。結局、スリット80及び82の数は、それぞれ4〜8程度が適当でありより好ましくは5〜7がよい。
第1孔付リング部材72、第2孔付リング部材74及びリング部材76は、円柱部64に対して圧着、溶着等により固定し、又は一体的に削り出し加工をして形成してもよい。これらの各部材は、第2部材54の内面に設けるよりも円柱部64の外面に設ける方が加工、組み立て及びメンテナンスが容易である。
また、第1部材50は、軸心部分でベースブロック60からノズル52にかけてに塗材を供給する塗材供給路84と、L字形状をなしてベースブロック60の1つの端面から段差面62aに連通する気体入口供給路86とを有する。
塗材供給路84は、矢印A1側の細径の絞部84aが円柱状突起70の先端に開口し、矢印A2側の雌ねじを備える接続口84bがベースブロック60の端面に開口している。絞部84aと接続口84bとの間は、適度な径の連通路84cによって連通している。
図4から明らかなように、塗材供給路84には弁機構等の可動機構やその他の複雑な機構はない。また絞部84aは、塗材がスムーズに通過できる程度の適度な径を有し、ニードル弁のように極度な細径ではなく、塗材に含まれる微粒子が詰まることはない。
気体入口供給路86のベースブロック60の端面に開口する部分には雌ねじが設けられている。
ベースブロック60は、ボルト56が螺合する4つのボルト孔88と、ブラケット32(図1参照)に取り付けるための貫通孔90とを有している。
第2部材54は、第1部材50に取り付けるための薄い円形のフランジ100と、該フランジ100の中央部から矢印A1方向に突出した円柱部102と、矢印A1方向先端部に設けられた円錐部104とを有する。フランジ100の矢印A2側端面にはOリング58が配置される浅い環状溝106が設けられている。フランジ100は、ベースブロック60のボルト孔88及び貫通孔90に対向する箇所に貫通孔101a及び101bが設けられている。フランジ100は台座部62の略1/2の厚さである。
円柱部102は台座部62よりもやや大径であり、軸方向にはノズル52の第2孔付リング部材74よりもやや矢印A1側の位置まで延在している。円錐部104は矢印A2側の底部が円柱部102と同径であって、矢印A1側に向かって先細りのテーパ形状となっており、長さに対して底部直径は略3倍に設定されている。円錐部104の矢印A1側端部には開口部108が設けられており、該開口部108からは円柱状突起70がやや突出している。開口部108の内周面と円柱状突起70との間には狭い隙間111が設けられている。円柱状突起70と隙間111は噴霧口113を構成し、隙間111から突出する圧縮気体と円柱状突起70から吐出する塗料とが噴霧口113の近傍で混合され、霧状となって噴霧される。
また、第2部材54は、ノズル52の外周面との間で筒形状の気体供給路110を形成するための内腔115を有する。内腔115は、矢印A2方向から矢印A1方向に向かって、第1円筒面115aと、第2円筒面115bと、円錐面115cとを有する。気体供給路110は、第1部材50と第2部材54との接続部で、Oリング58の作用によって気密に保たれている。
第1円筒面115aは、台座部62と同径で、台座部62よりやや長く設定されている。これにより、台座部62は第1円筒面115aが形成する空間部にほとんど隙間なく嵌合するとともに、気体入口供給路86の開口部が塞がれることなく、気体供給路110に連通している。
第2円筒面115bは、第1孔付リング部材72及び第2孔付リング部材74と同径であり、矢印A1方向にノズル52の円柱部64の先端部と略同じ位置まで延在している。また、第2円筒面115bはリング部材76よりも僅かに径が大きく、環状隙間114(図6参照)が形成されている。環状隙間114の幅dは、0.02〜0.2mmのいずれかに設定されていると均一な気体の流れが得られる。
このような第2円筒面115bの構成により、内腔115内にはノズル52との間に気体供給路110が筒状の隙間として形成されている。また気体供給路110は、途中に第1孔付リング部材72、第2孔付リング部材74及びリング部材76が設けられており、順に6つのスリット80、6つのスリット82及び環状隙間114を通って矢印A1方向に連通することになる。段差面62aから第1孔付リング部材72までの間を第1室116a、第1孔付リング部材72から第2孔付リング部材74までの間を第2室116b、第2孔付リング部材74からリング部材76までの間を第3室116c、リング部材76よりも先の部分を第4室116dとする。
なお、第1孔付リング部材72、第2孔付リング部材74及びリング部材76は、狭義のリング形状である必要はなく、気体供給路110を第1室116a、第2室116b、第3室116c及び第4室116dに区画する作用を有する形状であればよいことはもちろんである。
円錐面115cは、円錐部66に対して等距離の面で、テーパ状の先細り形状であって、狭い縮径した円筒状隙間118が形成されている。縮径した円筒状隙間118は隙間111に連通している。
このように構成される噴霧ガン10は、図3からも明らかなように、軽量、コンパクトな形状である。また、弁やばねなどの可動部分がなく且つ部品点数が少ない簡便構造であって分解、組立が容易であり、メンテナンス性に優れ、しかも信頼性が高い。
次に、図4に示すように、噴霧システム12は、噴霧ガン10と、気体供給路110に所定圧力に調整された気体(例えば、空気又は窒素等)を供給する気体回路130と、塗材供給路84に塗材をピストン機構132により所定量ずつ間歇的に供給する塗材回路134とを有する。気体回路130は、コンプレッサ136から供給される圧縮気体をフィルタ38、レギュレータ36及び流量センサ34を介し、チューブ138から継手140を用いて気体入口供給路86に導入している。レギュレータ36は、コンプレッサ136から供給される圧縮気体を所定圧力に調整する機能を有し、具体的には従来技術に係る噴霧ガンで用いられてる圧力よりも相当に低圧の0.1〜0.2MPaのいずれかに調整している。
塗材回路134は、ピストン機構132から供給される塗料をチューブ142から継手144を用いて接続口84bに導入している。ピストン機構132は図示しない制御部の作用下に動作し、ワーク14が供給されることに同期して、ピストン132aをサーボ機構等を用いて精密に駆動制御し、塗材を所定量ずつ所定時間だけ供給することができる。また、ピストン機構132によれば供給される塗材量は環境温度に依存せずに、一定に保ことができる。
なお、気体回路130及び塗材回路134は、噴霧ガンセット26(図1参照)に複数の噴霧ガン10を設けた場合には、それぞれの噴霧ガン10に対して一部共通に用いてもよいが、図4においては、1つの噴霧ガン10に対して気体回路130及び塗材回路134が設けられている例について示している。
塗材回路134によって供給される塗材としては、けい素系樹脂及び微粒子を含有する液状組成物により形成されたものが好ましい。けい素系樹脂を含有する組成物としては、有機溶剤で溶解した溶剤系、及び水に乳化、分散した水系のいずれも適用できるが、ワークが注射器のガスケット等の医療用具である場合、ワークを構成する材料への影響、薬液収納容器としての適正、及び間歇噴霧の場合におけるノズルの目詰まり防止等の観点から水系のものが好ましい。さらに、上記組成物はシランカップリング剤硬化物を含有していることが好ましい。このようにすることにより、噴霧後にワークへの被膜形成が迅速に行われる。
上記けい素系樹脂は、水溶媒に対して容易且つ均一に分散、懸濁可能であり、さらに熱硬化をさせることで、耐有機溶媒性、耐水溶性、耐酸、耐アルカリ性を示すものが好ましい。またワークがガスケット等の医療用具に使用される場合には医療用具としての適性、耐久性を有するものが好ましい。さらに、ワークが医療用具として使用される場合に用いられるけい素系樹脂の基本構造は医療用シリコーンオイルに使用されるものと同一である。けい素系樹脂は、例えばヘキサン、メチルブチルケトンのような有機溶媒等にて抽出を行い、発光分析装置等の従来技術による測定方法によるけい素系樹脂由来物質の測定を行うことによっても、該けい素系樹脂由来物質が検出されないものが好ましい。
また、使用するけい素系樹脂としては、ポリシロキサンを基本構造にもつ親水系樹脂であり、いわゆる水性けい素樹脂(換言すれば水性シリコーン化合物)が好ましい。けい素系樹脂としては被膜形成性を有するものが好ましい。好適に用いられる水性けい素系樹脂としては、例えば、架橋重合体であるコア部とそれを被覆する非架橋重合体であるシェル部とを有し、シェルの表面近傍にポリシロキサンを有するポリシロキサン複合水性エマルションが好適に使用できる。このようなものを用いることにより形成される被覆の造膜性、緻密性、耐久性が高くなる。
上記のような水性けい素系樹脂を用いる場合には、水(アルコールが含有していてもよい。)を溶媒とするため、単に混合することにより塗材が得られ、必要に応じて水(アルコールが含有していてもよい。)により容易に希釈することもできる。得られた被覆用液をワークに噴霧し、自然乾燥、又は必要により加熱乾燥することにより被覆層を形成することができる。被覆用液は水を溶媒としているため、溶媒がワークの形成材量を変性させることもなく、また作業時に揮発することもない。
次に、微粒子としては、合成樹脂微粒子、無機微粒子からなる群より選択された少なくとも一種以上のものが好適である。つまり、微粒子としては合成樹脂微粒子、無機微粒子のいずれか一方を用いてもよく、両者を適当な割合で混合して用いても良い。
合成樹脂微粒子としては、例えばシリコーン樹脂微粒子、スチレン系樹脂微粒子、オレフィン系樹脂微粒子(例えば、ポリエチレン微粒子、ポリプロピレン微粒子)、ポリ酢酸ビニル微粒子、ポリエステル微粒子、ポリアミド微粒子、ポリメタアクリレート微粒子、ふっ素樹脂微粒子からなる群より選択された1種のみを用いてもよく、又は2種以上を適当な割合で混合して用いても良い。
無機微粒子としては、例えばセラミックス微粒子、タルク微粒子、金属酸化化合物微粒子からなる群より選択された少なくとも1種以上を用いるとよい。
セラミックス微粒子としては、例えばシリカ微粒子、アルミナ微粒子、ジルコニア微粒子、ゼオライト微粒子からなる群より選択された少なくとも1種以上を用いるとよい。
金属酸化物微粒子としては、例えば酸化チタン微粒子、酸化亜鉛微粒子からなるなる群より選択された少なくとも1種以上を用いるとよい。
噴霧前の被膜用液(塗材)における微粒子の添加量(濃度)は10〜50%、より好ましくは20〜40%にするとよい。
微粒子の大きさとしては、0.5〜10μmであると好ましく、より好ましくは2〜8μmであるとよい。微粒子としては被膜との接着性があることが好ましいが、接着性がなくとも被膜によって保持されるものであってもよい。微粒子の添加量は、被膜層重量(被膜層固化後重量)の70〜90%程度、容積比では50〜70%であることが好ましい。もちろん、塗材回路134及び噴霧システム12では、用途に応じてこれ以外の塗材を用いてもよい。
次に、このように構成される噴霧ガン10、噴霧システム12及び噴霧ステーション20を用いてワーク14に対して塗材を噴霧・塗布するための噴霧方法について図8を参照しながら説明する。
先ず、ステップS1において、図9の二点鎖線部162で示すように、昇降テーブル24が噴霧ステーション20におけるボックス22の直下に搬入され、所定の昇降機構によって上昇し孔22aから挿入(搬入)される。昇降テーブル24のポール30には、円筒面が横側となるようにワーク14が設けられている。
ステップS2において、ポール30の回転を開始する。なお、回転速度あるいは回転数の上昇に伴い遠心力が過度に作用すると噴霧された塗材が遠心力の影響によりワーク上に不均一な被膜を形成するおそれがあり、以下に設定する範囲で行うことが好ましい。この回転速度は、例えば1〜500rpm程度に設定されており、この後に塗材が噴霧される期間(ステップS3)内に少なくとも360°以上回転する。このような回転はワーク14と噴霧ガン10とが相対的に少なくとも一方が回転をすればよい。
ステップS3において、3つの噴霧ガン10による第1回目の噴霧を行う。すなわち、ワーク14が昇降テーブル24によって搬入され、ボックス22内に配置され、回転が安定した後、コントローラの作用下に所定タイミングに同期して噴霧を行う。噴霧時間は例えば1sec程度に設定し、少なくともワーク14が360°以上回転する期間、噴霧を行う。
より好適には噴霧している所定期間内にワーク14を1800°以上回転させると、周面に対する噴霧が複数回に分散して行われることになり塗材を一層均一に噴霧させることができる。また、回転数の上限値は加減速が過大とならない範囲に設定され、3600°以下に抑えておくとよい。
ステップS4において、噴霧を停止し、ポール30の回転を停止し、昇降テーブル24を下降させて孔22aから抜き出す(搬出する)。この後、昇降テーブル24は熱処理等の次の工程に搬送され、噴霧に係る工程が終了することになる。
次に、ステップS3における噴霧処理について詳細に説明する。
噴霧は、気体回路130のレギュレータ36によって低圧に設定された気体を気体供給路110に供給するとともに、塗材回路134のピストン機構132によって流量及び流速が正確に調整された塗材が塗材供給路84に供給され、噴霧口113から霧状となって吹き出され、ワーク14に噴霧される。
このとき、気体供給路110に供給された低圧の圧縮気体は、先ず気体入口供給路86を経て第1室116aに導かれる。
図10に示すように、段差面62aにおける気体入口供給路86の開口は1箇所であるが、第1室116aでは第1孔付リング部材72の適度な絞り作用によって、圧縮気体が満遍なく行き渡り、矢印164で示すように、6つのスリット80から略等しい流量が第2室116bに流れ込むことになる。
次に、第2室116bでは第2孔付リング部材74の適度な絞り作用によって、圧縮気体が一層満遍なく行き渡り、6つのスリット82から略等しい流量が第3室116cに流れ込むことになる。また、スリット80とスリット82とは30°位相がずれて設けられていることから、図10において上流側の所定のスリット80aから下流側で隣接する2つのスリット82a及び82bまでの距離は等しく、概念的には、スリット80aから流れ出た気体は、矢印166で示すようにスリット82a及び82bに対して略等量に分流される(もちろん、厳密には他のスリットにも所定量が分流され得る。)。従って、仮に上流側のスリット80を流れる気体量に多少の偏りがあったとしても、下流側のスリット82の相対的な配置関係による分流効果により、偏りが相当に是正され、一層の均一化が図られる。
さらに、第3室116cでは、リング部材76と第2部材54とによって形成される環状隙間114の絞り作用によって、気体が円環状の均一な流れとなって第4室116dに流れ込む。つまり、6つのスリット82からは均一量の気体が流れ込んではいるが、この時点ではあくまでも第3室116cの全体としては6箇所のスリット82からの局所的な流入であることから、環状隙間114によって円環状の均一な流れを形成しているのである。
環状隙間114は狭幅に設定されていることから適度な抵抗があり、第3室116cでは6つのスリット82から流れ込んだ気体が満遍なく行き渡り、しかも環状隙間114は全周にわたって一定幅に設定されていることから、全周から等しい量の気体が流出することになる。
第4室116dに流れ込んだ気体は、傘状の狭い縮径した円筒状隙間118によって軸心方向に凝縮するように集められ、最終的に隙間111から均一に吹き出される。このような気体の吹き出しは、一連の噴霧作業を行う間(例えば、生産現場における稼動時間中)に常時行っていても良い。これにより、気体の流れが定常的となり、一層安定した吹き出しが得られる。
一方、塗材回路134から塗材供給路84に供給された塗材は、接続口84b、連通路84cを通り、絞部84aによって増速されて円柱状突起70から噴出される。このとき、絞部84aは増速作用を奏するために細径に設定されているが、塗材に含まれる微粒子と比較すれば相当に大径であり、しかも可動部分がないため微粒子による詰まりが発生することがない。また、ノズル52及び塗材供給路84は十分に短いことから噴霧ガンがコンパクトになる。また、噴霧ガンがコンパクトになることから塗材のデッドボリュームを小さくでき、滞留する塗材量は少なく、ピストン機構132による応答性がよい。
このようにノズル52が短くて済むのは、気体供給路110で気体の流れの均一化を図る手段が第1孔付リング部材72、第2孔付リング部材74及びリング部材76の3つで済み、簡便構造であることに基づいている。もちろん、第1孔付リング部材72又は第2孔付リング部材74に相当する孔付リングは、諸条件に応じて1枚でもよいし、3枚以上設けてもよい。
隙間111から吹き出される気体と絞部84aから吹き出される塗材は、吹き出された直後に混合され、噴霧150(図1参照)となってワーク14に吹き付けられる。
このとき、噴霧150の吹き出す勢いは気体の圧力によって支配的に設定されるが、該圧力はレギュレータ36の作用下に0.1〜0.2MPaの低圧に設定されていることから、あまり拡がり過ぎず、あまり強すぎず、ワーク14に対して効果的に吹き付けられることになる。したがって、塗材が無駄に噴出されることが抑制され、塗材の利用率が向上する。従来の噴霧ガンでは塗材の利用率が10%以下であったのに対して、本発明者の実験によれば、噴霧ガン10を用いることにより通常でも30%、所定条件下では最高60%の利用率が確認された。このような塗材の高い利用率によれば、塗材コストの低減、塗布に利用されたなかった塗材の回収工程及び処理工程の簡素化、及び省資源化等が図られる。
従来、このような低圧で噴霧を行うと噴霧150の拡がりは抑制することができるものの相当に不均一な、いわゆる片流れの霧状となり、ワーク14に対して塗材が斑となって吹きつけられてしまい、結局高圧で吹き付けざるを得なかった。また、高圧で吹き付けると、噴霧150はワーク14に対して高い風圧で当たることとなって巻き上げられ、特にワーク14の端部14d(図2参照)が適切に塗布されない傾向がある。これに対して噴霧ガン10では、第1孔付リング部材72、第2孔付リング部材74及びリング部材76の作用によって低圧の気体であっても流れを均一にすることが可能となり、噴霧150の拡がりを抑制することと、塗布斑の発生を抑制すること、及び適度な風圧で当接して塗布されやすくすること等を同時に実現している。
また、ディッピングによる塗布とは異なり、噴霧による塗布であることからワーク14に噴霧後乾燥固化することにより形成される塗膜は微粒子が埋没しない程度に薄く且つ均一に形成される。塗膜厚は、噴霧される塗材の濃度、ワークの回転数・回転速度やピストン機構132の動作等によって調整可能であり、平均1〜20μm、特に、3〜10μmであることが好ましい。1μm以上であれば微粒子が塗膜上に良好に固定され、ワークを摺動部材として用いる場合は、十分な摺動性能を発揮し、10μm以下であれば、ワーク自体の弾性等の物性に影響を与えることがなく、微粒子に起因する粗面表面を確実に発現できる。
また、微粒子の一部が塗膜から突出することにより適度に粗い表面が得られ、良好な摺動性が得られ、医療用の注射器シリンジ内のピストン等に好適である。なお、ここでいう粗い表面とは良好な摺動性が得られる程度の粗さであり、肉眼による目視では十分に滑らかな面である。具体的な表面粗度(Ra、測定方法JISB0601:1994)としては、1.7〜4.5μmであることが好ましく、特に、2.0〜3.0μmが好ましい。なお、被膜層の平均膜圧(微粒子を含む平均膜圧)に対する微粒子の平均粒径は、0.2〜1.5倍であることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.2倍であり、さらに好ましくは0.4〜1.0倍であるとよい。この倍率は、1.5倍以下であれば粗面に起因する気密性の低下はなく、0.2倍以上であると十分に粗い面が得られる。
さらに、噴霧ガン10及び噴霧システム12では、気体供給路110と塗材供給路84が独立的に設けられており、塗材の供給量は塗材供給路84における圧縮気体の影響を受けず、ピストン機構132の動作によって一定に保たれる。また、圧縮気体の影響を受けないことから、環境温度の変化による影響も非常に小さく、長時間、多数個のワーク14に対して噴霧を行っても、均一な膜厚が得られる(図12参照)。
なお、従来技術における気体圧を利用した液圧による噴霧コントロールでは、環境温度の変化の影響を受けて膜圧の変化があるのに対して、噴霧ガン10及び噴霧システム12によれば塗材をピストン132aで塗材量を制御するため、環境温度の影響を受けない。したがって、例えば夏期と冬期、夜と昼などの環境温度の変化があっても膜厚の変化は少ない。
さらにまた、ボックス22内では吸気路28(図1参照)によって吸気を行っていることから、噴霧口113から吹き出された噴霧150は、反対側の吸気路28の方向に向かってスムーズに流れ、その間に設けられたワーク14に対して適切に噴霧される。また、ワーク14の塗布に利用されなかった塗材は吸気路28から吸い出されて回収され、所定の処理がなされる。さらにまた、ボックス22を用いることにより、外部の粉塵やミストが遮断され、噴霧ガン10を良好な状態に保つことができるとともに、ワーク14に対する粉塵等の付着が防止され塗布品質が向上する。孔22aは下方に開口していることから、ボックス22内には粉塵やミストが進入しにくい。
次に、本発明者が噴霧ガン10及び噴霧システム12を用いて図2に示すシリンジ用ガスケット形状を有するワーク14に対して噴霧・塗布を行った実験結果について図11及び図12を参照しながら説明する。
図11に示す実験結果のグラフは、レギュレータ36による設定圧力を変化させ、各設定圧力において噴霧を行って得られたワーク14の塗膜厚を肩部14a、第1膨出部14b、第2膨出部14c及び端部14d(図2参照)毎に区別して計測した結果を示す。この実験の条件は、噴霧口113とワーク14との水平距離W(図9参照)を90mm、噴霧ガン10のワーク14に対する角度θ(図9参照)を23°、塗材吐出速度を0.16g/sec、塗材吐出量を0.12g(つまり、吐出時間が0.75sec)に設定した。設定圧力は横軸にとり、0.05Mpa、0.1Mpa、0.13Mpa、0.15Mpa、0.17Mpa、0.2Mpa、0.25Mpa及び0.3Mpaとした。
図11から了解されるように、圧力が0.05MPaであるときには、肩部14a及び第1膨出部14bの膜厚が薄く、第2膨出部14c及び端部14dの膜厚が厚い。また、圧力が0.25MPa及び0.3MPaであるときには、肩部14a、第2膨出部14c及び端部14dの膜厚が薄く、第1膨出部14bの膜厚が厚い。
これに対して、圧力が0.1MPa〜0.2MPaであるときには、各膜厚が第1の基準幅D1の範囲内に収まっており好適であり、圧力が0.1MPa〜0.17MPaであるときには、各膜厚がより狭い第2の基準幅D2の範囲内に収まっており一層均一な膜厚が得られて好適である。
図12に示す実験結果のグラフは、所定条件下で多量のワーク14に対して噴霧を行い、噴霧回数に応じ、開始時、2000回、4000回、6000回、8000回、10000回及び12000回の時点における塗布されたワーク14の膜厚の変化を示している。
図12から了解されるように、肩部14a、第1膨出部14b、第2膨出部14c及び端部14dとも開始時から12000回までの間に大きな変化はなく、略一定の膜厚が得られている。つまり、噴霧ガン10に塗材や微粒子が詰まったり、その他の不都合が発生することがなく、連続的に十分な回数の塗布が可能であることが確認された。
上述したように、本実施の形態に係る噴霧ガン10、噴霧システム12及び噴霧方法によれば、気体供給路110の気体は、先ず第1孔付リング部材72の等間隔のスリット80によって略等分量に分流し、第2孔付リング部材74の等間隔のスリット82によって略等分量にさらに分流し、その後、リング部材76によって形成される環状隙間114から同心状の均一な流れとなる。したがって、塗材供給路84から供給される塗材と混合されて均一な霧状となり、従来の噴霧ガンと比較して、ワーク14に均一な塗膜が得られる。また、気体の流れが均一になりやすいことから、気体供給圧力を比較的低圧に設定することができ、噴霧が緩やかとなって、塗材をワーク14に吹き付け易くなる。これにより、塗材が無駄に噴霧され、又は巻き上げられることが抑制され、塗材の利用率が向上する。
環状隙間114は、第1部材50に設けられたリング部材76と第2部材54の内腔部との間に形成されていることから環状隙間114を容易に設けることができ、しかも気体が外周側からスムーズに先端側に排出される。
孔付リング部材の数は2つであることから、終段の第2孔付リング部材76では各スリット82に流れる気体が相当に等分量となり、しかもノズル52及び気体供給路110を適度に短く設定することができ、噴霧ガン10が軽量、コンパクトになる。
第1部材50の先端の外周部及び第2部材54の先端の内周部はテーパ状の先細りに形成され、外周部と内周部とにより、縮径した円筒状隙間118が形成されており、環状隙間114を通った気体は効果的に凝縮するように集められ、増速され、隙間111から均一に吹き出される。
第1孔付リング部材72及び第2孔付リング部材74におけるスリット80及び82はそれぞれ6つであり、全周に対して、角度換算で1つあたり5〜15°のいずれかの幅に設定されており、適度な絞り作用を奏し、一層均一な気体の流れが得られている。
第1部材50及び第2部材54の材質としては、ステンレス鋼(例えば、JISG4303:2005、SUS304)を用いると、防錆作用があり、しかも耐久性が高い。
また、噴霧システム12では、気体供給路110及び塗材供給路84とも弁機構等の可動機構がなく、微粒子を含む塗材を用いても途中で詰まることが抑制される。また、可動機構がないため、噴霧ガン10を軽量、簡便構成にすることができる。さらに、ピストン機構132によれば、塗材を所望の適正量だけ供給することが容易に可能となる。
塗材は、合成樹脂微粒子及び(又は)無機微粒子からなる微粒子を含むものを用いることにより、ワーク14の塗膜を適度に粗くすることができ、摺動性を向上させることができる。
また、噴霧ガン10及び噴霧システム12では生産環境における塵挨レベルをクラス270万からクラス10万以下にすることができ、前述した気体供給圧力の低圧化による無駄な塗材の低減化と相まってより好適な生産環境を形成することができる。清浄な環境下での生産が要求される医療用具の生産に好適に適用される。
噴霧ガン10は、必ずしも噴霧ステーション20のような自動化されたラインで用いるのではなく、いわゆるハンドガンとして手持ち作業に用いてもよい。
本発明に係る噴霧ガン、噴霧システム及び噴霧方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
噴霧ガン及び噴霧システムを含む噴霧ステーションの斜視図である。 ワークの斜視図である。 本実施の形態に係る噴霧ガンの斜視図である。 本実施の形態に係る噴霧ガン及び噴霧システムの一部断面側面図である。 本実施の形態に係る噴霧ガンの分解斜視図である。 図7におけるVI−VI矢視に係る断面正面図である。 本実施の形態に係る噴霧ガンの一部拡大断面側面図である。 本実施の形態に係る噴霧方法のフローチャートである。 噴霧ステーションの略式断面側面図である。 本実施の形態に係る噴霧ガンの一部断面拡大斜視図である。 設定圧力を変化させて噴霧を行って得られたワークの各部の塗膜厚を示す実験結果のグラフである。 噴霧回数に応じ、開始時、2000回、4000回、6000回、8000回、10000回及び12000回の時点における塗布されたワークの膜厚の変化を示す実験結果のグラフである。 従来技術に係る噴霧ガンの断面側面図である。
符号の説明
10…噴霧ガン 12…噴霧システム
14…ワーク 20…噴霧ステーション
22…ボックス 22a…孔
24…昇降テーブル 26…噴霧ガンセット
28…吸気路 34…流量センサ
36…レギュレータ 38…フィルタ
50…第1部材 52…ノズル
54…第2部材 70…円柱状突起
72…第1孔付リング部材 74…第2孔付リング部材
76…リング部材
80、80a、82、82a、82b…スリット(連通部)
84…塗材供給路 110…気体供給路
113…噴霧口 114…環状隙間
115c…円錐面 118…縮径した円筒状隙間
130…気体回路 132…ピストン機構
134…塗材回路

Claims (12)

  1. 塗材を供給する塗材供給路を形成する第1部材と、
    前記第1部材の周囲に気体を供給する気体供給路としての筒状の隙間が設けられるように形成された第2部材と、
    前記第1部材に同軸的に設けられたリング部材と前記第2部材の内腔部壁面との間で、前記気体供給路の流路断面が絞られて形成される環状隙間と、
    前記環状隙間より上流側に前記第1部材と同軸的に設けられ、周方向で所定間隔に設定されて軸方向に連通する複数の連通部を備えた1以上の孔付リング部材と、
    を有することを特徴とする噴霧ガン。
  2. 請求項1記載の噴霧ガンにおいて、
    前記孔付リング部材は互いに離間して2以上設けられ、隣接する孔付リング部材の前記連通部は、周方向位置が互いにずれて設けられていることを特徴とする噴霧ガン。
  3. 請求項1又は2記載の噴霧ガンにおいて、
    前記孔付リング部材の数は2であることを特徴とする噴霧ガン。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の噴霧ガンにおいて、
    前記第1部材の先端部の外周面及び前記第2部材の先端部の内周面はテーパ状の先細りに形成され、前記外周面と前記内周面とにより、縮径した円筒状隙間が形成されていることを特徴とする噴霧ガン。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の噴霧ガンにおいて、
    前記環状隙間の幅は、0.02〜0.2mmのいずれかであることを特徴とする噴霧ガン。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の噴霧ガンにおいて、
    前記孔付リング部材1つあたりの前記連通部の数は略等間隔に6つであり、前記連通部は、全周に対して、1つあたりそれぞれ5〜15°のいずれかの幅であることを特徴とする噴霧ガン。
  7. 塗材を供給する塗材供給路を形成する第1部材と、
    前記第1部材の周囲に気体を供給する気体供給路としての筒状の隙間が設けられるように形成された第2部材と、
    前記第1部材に同軸的に設けられたリング部材と前記第2部材の内腔部壁面との間で、前記気体供給路の流路断面が絞られて形成される環状隙間と、
    前記環状隙間より上流側に前記第1部材と同軸的に設けられ、周方向で所定間隔に設定されて軸方向に連通する複数の連通部を備えた1以上の孔付リング部材と、
    を備える噴霧ガンと、
    前記気体供給路に所定圧力に調整された気体を供給する気体回路と、
    前記塗材供給路に前記塗材をピストン機構により所定量ずつ間歇的に供給する塗材回路と、
    を有することを特徴とする噴霧システム。
  8. 請求項記載の噴霧システムにおいて、
    前記所定圧力は0.1〜0.2MPaのいずれかであることを特徴とする噴霧システム。
  9. 請求項又は記載の噴霧システムにおいて、
    前記塗材は、けい素系樹脂及び微粒子を含有する液状組成物であることを特徴とする噴霧システム。
  10. 請求項のいずれか1項に記載の噴霧システムにおいて、
    前記塗材は、合成樹脂微粒子及び(又は)無機微粒子からなる微粒子を含むことを特徴とする噴霧システム。
  11. 塗材を供給する塗材供給路を形成する第1部材と、
    前記第1部材の周囲に気体を供給する気体供給路としての筒状の隙間が設けられるように形成された第2部材と、
    前記第1部材に同軸的に設けられたリング部材と前記第2部材の内腔部壁面との間で、前記気体供給路の流路断面が絞られて形成される環状隙間と、
    前記環状隙間より上流側に前記第1部材と同軸的に設けられ、周方向で所定間隔に設定されて軸方向に連通する複数の連通部を備えた1以上の孔付リング部材と、
    を備える噴霧ガンを用い、
    ワークを前記噴霧ガンの噴霧範囲に供給する工程と、
    前記気体供給路に所定圧力に調整された気体を供給する工程と、
    前記ワークの全周面が前記噴霧ガンの方向を指向するように前記ワークと前記噴霧ガンとが回転機構により相対的に360°以上回転させる工程と、
    前記ワークの供給に同期して、前記塗材供給路に前記塗材をピストン機構により所定量ずつ所定時間だけ供給することにより塗材を噴霧する工程と、
    を有することを特徴とする噴霧方法。
  12. 請求項11記載の噴霧方法において、
    前記噴霧ガンの噴霧口は所定のボックス内に設けられ、
    前記噴霧ガンが噴霧をする前に前記回転機構を前記ボックス内に搬入する工程と、
    前記噴霧ガンが噴霧をした後に前記回転機構を前記ボックスから搬出する工程と、
    を有することを特徴とする噴霧方法。
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