JP4938593B2 - 薬液噴霧キット - Google Patents

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Description

本発明は、処置に応じた薬液を患部に向けて噴霧するための薬液噴霧キットに関する。
近年、医療技術や薬液の進歩に伴い、種々の処置方法や治療方法(以下、単に処置方法という)が提案されている。その一つとして、皮下注射で薬液を投与したり、クリーム状の薬剤やゲル状の薬剤を患部に塗布したりする従来の処置方法よりも処置の対応範囲が広がり、また、処置の作業性が良好であるとして、薬液を直接患部に吹き付ける処置方法が提案されている。
例えば、腸閉塞や卵管閉塞等の術後合併症の原因となる創傷部の治癒に伴う腸管や臓器への癒着防止を目的に、従来からゼラチンや修飾ヒアルロン酸等を用いたフィルム状の癒着防止剤が提供されているが、これらのフィルムでは、処置を行う際に作業性が悪かったり患部の状況(大きさや場所等)によって適用できなかったりする場合があるとして、液状の癒着防止剤(例えば、イコデキストリン溶液)が開発され、その薬液を患部に直接吹き付ける処置方法が提案されている。かかる処置方法によれば、薬液を患部に向けて吹き付けるだけで、確実に患部に薬液を付着させることができため、煩雑な作業を一切行うことなく迅速な処置が可能となる。
ところで、各種薬液は、容器に入れられて流通するのが一般的であり、処置を行う際に薬液を吹き付ける器具(噴霧器)に薬液を移し替えるといった煩雑な作業を要する。
そこで、処置を行う際に薬液の移し替えが必要のないように、予め薬液が封入された噴霧器が提供されている。かかる噴霧器は、薬液を収容した筒状のシリンダの一端に連通連設された筒状の接続部にスプレーノズルが固着されるとともに、前記シリンダの軸心方向に移動可能にピストンが装填されることで、シリンダ内に薬液が封入されており、ピストンを移動させて薬液を加圧することでスプレーノズルから薬液を噴霧できるようになっている。
また、上記噴霧器のスプレーノズルには、薬液が加圧状態にあるときに該薬液の流通を許容する一方、薬液が被加圧状態にあるときに該薬液の流通を阻止する液だれ防止手段が内装されており、未使用時において薬液の液だれを防止できるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特公平6−13054号公報
ところで、薬液を収容した容器や器具は、加熱殺菌処理が行われるのが通常であるが、上記構成の噴霧器は、シリンダ内の薬液が加圧状態にあるとき(シリンダ内の内圧が上昇するとき)に薬液の流通を許容する液だれ防止手段がスプレーノズルに内装されているため、加熱殺菌処理に伴うシリンダ内の内圧の上昇でスプレーノズルから薬液が漏れ出てしまうといった問題がある。そのため、スプレーノズルに薬液が付着したまま加熱殺菌処理が完了してしまい衛生上問題がある。また、このように薬液が漏れ出てしまうと、シリンダ内に残存する薬液が当初の量(計量して充填した量)よりも減ってしまうため、処置を行う際に予め設定した薬液投与量で薬液を投与できない場合がある。
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、使用直前まで薬液を適正な状態で封入することができ、煩雑な作業を行うことなく患部に対して薬液を吹き付けることのできる薬液噴霧キットを提供することを課題とする。
本発明に係る薬液噴霧キットは、処置に応じた薬液を患部に向けて噴霧するための薬液噴霧キットであって、薬液を収容する筒状のシリンダの一端に連通連設された筒状の接続部にキャップが封着されるとともに、前記シリンダの軸心方向に移動可能にピストンが装填されてシリンダ内に薬液が封入され、前記キャップがシリンダ内の内圧上昇に抗して接続部に対する封着状態を維持可能で且つ取外し可能に設けられた噴霧器本体と、前記接続部に対して流体的に接続可能なスプレーノズルとを備え、前記スプレーノズルには、接続部に接続された状態で、ピストンの移動によって薬液が加圧状態にあるときに該薬液の流通を許容する一方、ピストンが停止して薬液が非加圧状態にあるときに該薬液の流通を阻止する液だれ防止手段が内装され、前記液だれ防止手段は、弾性変形可能な材料で成形された弁部材を備え、該弁部材は、先端が閉塞して外観円錐台状に形成されたテーパ筒状部を有し、該テーパ筒状部に軸線方向に延びるスリットが設けられ、前記スプレーノズルを前記接続部に接続した状態でテーパ筒状部の基端が先端よりもシリンダ側に位置するように配置されていることを特徴とする。
上記構成の薬液噴霧キットによれば、薬液を収容する筒状のシリンダの一端に連通連設された筒状の接続部にキャップが封着されるとともに、前記シリンダの軸心方向に移動可能にピストンが装填されてシリンダ内に薬液が封入された噴霧器本体を備えているので、使用直前まで密封状態で維持することになり、薬液が漏れ出たり外気に触れたりするのを防止することができる。特に、該噴霧器本体は、キャップがシリンダ内の内圧上昇に抗して接続部に対する封着状態を維持可能に設けられているので、加熱殺菌処理を行ったときや、ピストンに何らかの外力が作用しても薬液が漏れることがない。これにより、使用直前まで薬液を適正量まま衛生的な状態で維持することができる。
そして、該薬液噴霧キットは、噴霧器本体のキャップが接続部に対して取外し可能に設けられるとともに、接続部に対して流体的に接続可能なスプレーノズルを備えているので、キャップを取外してスプレーノズルを接続部に取り付けた上で、ピストンで薬液を押し出すことで、スプレーノズルから薬液を噴霧することができる。また、スプレーノズルには、接続部に接続された状態で、ピストンの移動によって薬液が加圧状態にあるときに該薬液の流通を許容する一方、ピストンが停止して薬液が非加圧状態にあるときに該薬液の流通を阻止する液だれ防止手段が内装され、液だれ防止手段は、弾性変形可能な材料で成形された弁部材を備え、該弁部材は、先端が閉塞して外観円錐台状に形成されたテーパ筒状部を有し、該テーパ筒状部に軸線方向に延びるスリットが設けられ、前記スプレーノズルを前記接続部に接続した状態でテーパ筒状部の基端が先端よりもシリンダ側に位置するように配置されているため、使用時においても、不必要な薬液の液だれが防止されて衛生的な状態にすることができる上に、薬液を円滑に噴霧することができる。
本発明の一態様として、前記噴霧器本体は、シリンダ及びキャップに筒状のシュリンク材を被嵌して該シュリンク材を収縮させることで一体的に包装されていることが好ましい。このようにすれば、接続部に封着されたキャップがシュリンク材によってシリンダと一緒に包み込まれて接続部からの離脱が規制された状態(キャップがシリンダ側に押さえ込まれた状態)となり、例えば、加熱殺菌処理やピストンに対する外力の作用等が生じてシリンダ内の内圧が上昇しても、接続部に対してキャップを封着状態で維持させることができる。その一方で、使用時にシュリンク材の少なくともキャップを包装した部位を取り除けば、規制が解除されてキャップを取り外すことができる。
これにより、簡易な構成としつつも、シリンダ内の内圧上昇に抗して接続部に対する封着状態を維持可能で且つ取外し可能にキャップを設けることができる。なお、キャップ及びスプレーノズルを接続部に係合させて接続する構成としても、上述の如くシュリンク材で包装することで、キャップ及びスプレーノズルが接続部から離脱するのをより確実に規制することができる。また、シュリンク材に、薬液に関する情報を印刷すれば、薬液噴霧キット(噴霧器本体)のラベルとして兼用することができる。
そして、本発明に係る薬液噴霧キットは、前記薬液が癒着防止液である薬液噴霧キットに好適である。
以上のように、本発明に係る薬液噴霧キットによれば、使用直前まで薬液を適正な状態で封入することができ、煩雑な作業を行うことなく患部に対して薬液を吹き付けることができるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の一実施形態に係る薬液噴霧キットについて、添付図面を参照しつつ説明する。
かかる薬液噴霧キットは、処置に応じた薬液を患部に向けて噴霧するためのものであり、本実施形態においては、外科手術(特には、消化器系外科手術)の術後に創傷部治癒に伴う臓器同士の癒着を防止する薬液(癒着防止液)を患部に噴霧することを対象としている。なお、癒着防止液としては、癒着防止成分を注射用水に溶解したものが採用され、例えば、トレハロースの5%〜15%溶液が採用される。
本実施形態に係る薬液噴霧キットは、図1に示す如く、薬液を収容する筒状のシリンダ100の一端に連通連設された筒状の接続部101にキャップ102が封着されるとともに、前記シリンダ100の軸心方向に移動可能にピストン103が装填されてシリンダ100内に薬液が封入され、前記キャップ102がシリンダ100内の内圧上昇に抗して接続部101に対する封着状態を維持可能で且つ取外し可能に設けられた噴霧器本体10と、前記接続部101に対して流体的に接続可能なスプレーノズル20とを備えている。
前記シリンダ100及び接続部101は、一体的に樹脂成形されている。前記シリンダ100は、略円筒状に形成されており、一端部に径方向内方に延出した円環状部104が形成され、他端部に径方向外方に延出した一対のフランジ105,105が形成されている。本実施形態においては、薬液の一回の使用分として、5ml〜100ml、好ましくは、10ml〜50mlに設定され、前記シリンダ100は、装填されたピストン103がシリンダ100の他端側に位置した状態で、5ml〜100ml、好ましくは、10ml〜50mlの薬液を収容できる内部空間が形成されるように、内径及び軸線方向の長さが設定されている。
前記接続部101は、シリンダ100よりも小径な円筒状に形成されている。そして、該接続部101は、前記円環状部104の内周に一端部が接続され、他端側がシリンダ100の一端よりも外方に延出している。本実施形態に係る接続部101は、外周に雄ねじ(採番しない)が設けられており、キャップ102及びスプレーノズル20を螺着できるようになっている。
前記ピストン103は、ゴム等の弾性材料を成形したもので、この弾性材料として、例えば、イソプレンゴムやスチレン系エラストマー等を採用することができる。
該ピストン103は、シリンダ100の内穴の形状に対応して形成されており、シリンダ100の軸線方向で移動可能に該シリンダ100内に圧入されている。本実施形態においては、シリンダ100が略円筒状に形成されることから、本実施形態に係るピストン103は、略円柱状に形成され、外周にシリンダ100の内径よりもやや大きめの外径に設定されたシール部106が径方向外方に突出して形成されている。これにより、シリンダ100に装填した状態で、シール部106が変形してシリンダ100の内周面に密接し、シリンダ100内に封入した薬液の液漏れを防止できるようになっている。
本実施形態において、前記シール部106は、ピストン103の軸線方向に間隔をあけて複数箇所(図においては3カ所)に形成されている。これにより、上述のようなシール性(液漏れ防止)を担保しつつシリンダ100の内周面との接触面積(抵抗)を小さくしてピストン103の移動を許容している。そして、本実施形態にピストン103は、一端側に該ピストン103の移動方向に延びるプランジャ107が連設されている。
本実施形態に係るプランジャ107は、断面十字状をなしてピストン103の移動方向に延びるプランジャ本体107aと、該プランジャ本体107aの一端にピストン103の移動方向と直交するように形成された押圧部107bと、プランジャ本体107aの他端部に設けられたピストン連結部107cとを備えている。ピストン連結部107cは、ピストン103の一端面と接着できるように平板状に形成されたり、ピストン103の一端面に形成された凹部(奥側に向けて内部空間が拡大する凹部)に圧入できるように、凹部の形状に対応して先端側ほど径が拡大するように形成されたりする。すなわち、ピストン103とプランジャ107との連結は、種々の態様をとることができ、プランジャ107のピストン連結部107cはピストン103との連結の態様に合わせて適正形成される。
プランジャ107は、ピストン連結部107cに連結されたピストン103がシリンダ100の一端側に位置した状態で押圧部107bがシリンダ100の他端よりも外側に位置するようにプランジャ本体107aの長さが設定されている。なお、プランジャ本体107aは、丸棒状や角棒状のものであってもよい。
前記キャップ102は、ゴムや樹脂等の弾性材料を成形したもので、この弾性材料として、例えば、イソプレンゴムやスチレン系エラストマー等を採用することができ、本実施形態においては、イソプレンゴムを採用している。該キャップ102は、接続部101に取り付けた状態で接続部101の先端開口を閉塞できるようになっている。すなわち、該キャップ102は、接続部101を嵌め込む非貫通状態の穴108が形成されており、該穴108の奥部で接続部101の先端開口を閉塞するようになっている。
本実施形態においては、上述の如く、接続部101の外周に雄ねじが設けられているため、該キャップ102の穴108の内周には接続部101の雄ねじと対応する雌ねじ(採番しない)が設けられている。これにより、該キャップ102は、接続部101に螺着することで穴108の奥部(奥部の面)が接続部101の先端開口を封止した状態になるように構成されている。
上記構成の噴霧器本体10は、図2及び図3に示す如く、シリンダ100及びキャップ102に筒状のシュリンク材109を被嵌して該シュリンク材109を収縮させることで一体的に包装されている。なお、シュリンク材109とは、熱収縮性を有する材料で、本実施形態においては筒状にされることで、周方向に収縮するものが採用される。そして、筒状にされたシュリンク材109は、一端側がキャップ102よりも外側に延出するようにシリンダ100及びキャップ102に被嵌された上で熱収縮される。これにより、キャップ102の端面よりも外側に延出した部分が内側に倒れ込み、該キャップ102の端面における円環状の領域を押さえ込むようになっている。
該シュリンク材109は、有色透明又は無色透明の樹脂フィルムであり、所定領域に薬液に関する情報や軸心方向に間隔をあけた目盛り等が印刷されている。本実施形態に係るシュリンク材109は、接続部101とシリンダ100との境界付近において全周に亘って切断可能な切断補助手段110が設けられている。該切断補助手段110は、シュリンク剤109のキャップ102を覆った部分を切除できるように、全周に亘って形成されており、例えば、ミシン目やカットテープ等(本実施形態においてはミシン目)で構成される。
本実施形態に係る噴霧器本体10は、キャップ102と接続部101とが螺合によって接続されるとともに、シュリンク材109の切断補助手段110がミシン目で構成されているため、被嵌したシュリンク材109とともにキャップ102を回すことで、シュリンク材109が切断補助手段110で切断されつつキャップ102と接続部101との螺合が解除されるようになっている。
なお、本実施形態にようにシュリンク材109を筒状にするには、略四角形状の樹脂フィルムを筒状に丸めて重なり合う端部同士を接合すればよいが、その端部同士の接合は、接着剤を用いてもよいし、熱溶着(ヒートシール)で行ってもよい。
前記スプレーノズル20は、図4に示す如く、接続部101に流体的に接続可能とされている。そして、本実施形態に係るスプレーノズル20は、図5に示す如く、接続部101に接続された状態で、ピストン103の移動によって薬液が加圧状態にあるとき(シリンダ100の内圧が上昇するとき)に該薬液の外側に向けての流通を許容する一方、ピストン103が停止して薬液が非加圧状態にあるとき(シリンダ100の内圧が一定であるとき)に該薬液の流通を阻止する液だれ防止手段200が内装されている。
ここでスプレーノズル20について具体的に説明すると、本実施形態に係るスプレーノズル20は、図6に示す如く、段付き筒状に形成された本体部材201と、薬液を噴霧するための噴霧口202cが形成され、本体部材201に取り付けられる第一ノズル体202と、本体部材201に内装された前記液だれ防止手段200とを備えている。
前記本体部材201は、樹脂成形品であり、接続部101に接続される被接続部201aと、該被接続部201aに連設されて前記液だれ防止手段200が内装されるとともに第一ノズル体202が取り付けられる取付部201bとで構成されている。
前記被接続部201aは、段付き筒状に形成された本体部材201の小径部分で構成されている。そして、本実施形態に係る接続部101の外周に雄ねじが形成されているため、該被接続部201aの内周には接続部101の雄ねじに対応した雌ねじ(図6において図示省略)が形成されている。
前記取付部201bは、段付き筒状に形成された本体部材201の大径部分で構成されており、前記被接続部201aと略同心をなして内部を連通させている。
前記第一ノズル体202は、筒状に形成された第一筒状部202aと、該第一筒状部202aの一端開口を閉塞した第一閉塞部202bとで構成されており、前記第一閉塞部202bに前記噴霧口202cが貫通して形成されている。該第一ノズル体202は、第一閉塞部202bが本体部材201の先端側に位置するように取付部201bに第一筒状部202aを液密に嵌合できるようになっている。
前記液だれ防止手段200は、前記第一ノズル体202に内嵌される第二ノズル体203と、該第二ノズル体203に内装される弁部材204とを備えている。
前記第二ノズル体203は、第一ノズル体202の第一筒状部202aに同心で且つ液密に嵌合される第二筒状部203aと、該第二筒状部203aの一端開口を閉塞した第二閉塞部203bとで構成されている。該第二ノズル体203は、第二閉塞部203bに内外を連通させる連通穴203cが穿設されている。該連通穴203cは、第二閉塞部203bに対して少なくとも一カ所に設ければよいが、本実施形態においては、第二閉塞部203bに対して4カ所に設けられている。該4つの連通穴203cは、第二筒状部203aの周方向に間隔をあけて配置されている。
前記弁部材204は、円環状に形成された鍔部204aと、該鍔部204aの内周に基端側が接続されて先端側ほど先細りしたテーパ筒状部204bとを備えている。該テーパ筒状部204bは、先端が閉塞しており、本実施形態において、外観円錐台状に形成されている。
そして、該弁部材204は、全体的に弾性変形可能な材料で成形され、テーパ筒状部204bに軸線方向に延びるスリット204cが設けられている。本実施形態に係る液だれ防止手段200は、弁部材204のテーパ筒状部204bが取付部201bの先端側に位置するように鍔部204aが取付部201bに嵌入された上で、第一ノズル体202に内嵌された第二ノズル体203(第二筒状部203a)でテーパ筒状部204bを囲むように、第二ノズル体203を内嵌した第一ノズル体202が取付部201bに内嵌される。このようにすることで、被接続部201aと取付部201bとの境界に形成される段差と第一ノズル体202(第一筒状部202a)及び第二ノズル体203(第二筒状部203a)の基端とによって鍔部204aを挟み込んで、弁部材204を固定するようになっている。
上記構成の液だれ防止手段200は、図5に示す如く、被接続部201bを接続部101に接続した上でプランジャ107が押されてシリンダ100内の内圧が上昇する(加圧状態になる)と、その上昇した圧力で弁部材204(テーパ筒状部204b)が変形してスリット204cが押し広げられるようになっている。これにより、スプレーノズル20は、プランジャ107を押したときに、スリット204cを介して第二ノズル体203との間に流れ込んだ薬液が、第二ノズル体203の連通穴203cを介して第二ノズル体203と第一ノズル体202との間に流れ込み、最終的に該第一ノズル体202の噴霧口202cから吹き出るようになっている。
また、本実施形態に係る液だれ防止手段200は、プランジャ107に対する押し作用を停止してシリンダ内10の内圧が一定になる(非加圧状態になる)と、弁部材204が復元してスリット204cが狭まって薬液の流通経路を遮断するとともに、弁部材204の復元に伴って第一ノズル体202側及び第二ノズル体203側にある薬液が弁部材204側に引き戻されるようになっている。これにより、本実施形態に係るスプレーノズル20は、薬液を噴霧しない状態で、第一ノズル体202の噴霧口202cから液だれするのを防止できるようになっている。
本実施形態に係る薬液噴霧キット1は、図7に示す如く、上記構成の噴霧器本体10とスプレーノズル20とが一体的に包装されることで流通過程におかれる。該薬液噴霧キット1の包装形態は特に限定されるものではないが、本実施形態においては、ブリスターパックBによって包装されている。
ブリスターパックBとは、包装対象物の形状に対応した凹部Aを形成するようにフィルム材をプレス成形した包装材本体Baに対し、凹部Aに包装対象物を嵌め込んだ上で、該凹部を塞ぐように平らなフィルム又は厚手のシートからなるカバー材Bbを剥離可能に貼着する包装形態である。
従って、本実施形態において、包装材本体Baには噴霧器本体10及びスプレーノズル20を嵌め込む凹部Aが形成されており、該凹部内の噴霧器本体10及びスプレーノズル20が脱落しないように包装材本体Baにカバー材Bbが剥離可能に貼着される。なお、内容物を確認できるように、包装材本体Ba及びカバー材Bbの少なくとも何れか一方を、有色透明又は無色透明に構成することが好ましい。
本実施形態に係る薬液噴霧キット1は、以上の構成からなり、次に使用方法(作用)について説明する。該薬液噴霧キット1は、上述の如く、術後の癒着を防止するために薬液を患部に吹き付けるものであるため、患部(臓器)が露呈する外科手術中に用いられる。そして、該薬液噴霧キット1は、封入された薬液の容量が5ml〜100ml、好ましくは、10ml〜50mlに設定されているため、その処置で必要であろうとする容量となるセット数が予め用意される。
そして、薬液を患部に吹き付ける前に、ブリスターパックBを開封するとともに、キャップ102を接続部101から取り外し、図5に示す如く、その接続部101にスプレーノズル20を流体的に接続する。そして、プランジャ107(押圧部107b)を押して、シリンダ100内のピストン103を該シリンダ100の一端側に移動させる。そうすると、そのピストン103によって薬液が押されてノズルの噴霧口202cから吐出し、患部に向けて噴霧されることになる。そして、ピストン103がシリンダ100内の途中位置になるようにプランジャ107に対する付勢(押圧)を解除すると、液だれ防止手段200によりスプレーノズル20の噴霧口202cからの液だれが防止され、再度プランジャ107を付勢すれば噴霧が再開されることになる。
以上のように、本実施形態に係る薬液噴霧キット1によれば、薬液を収容する筒状のシリンダ100の一端に連通連設された筒状の接続部101にキャップ102が封着されるとともに、前記シリンダ100の軸心方向に移動可能にピストン103が装填されてシリンダ100内に薬液が封入された噴霧器本体10を備えているので、噴霧器本体10が使用直前まで密閉されて薬液が外気に触れる等といったことがなく、使用直前まで衛生的な状態で維持することができる。そして、該噴霧器本体10は、キャップ102がシリンダ100内の内圧上昇に抗して接続部101に対する封着状態を維持可能に設けられているので、加熱殺菌処理を行ったときに薬液が漏れることがない。これにより、零れ出た薬液が不衛生な状態にしたり、収容した薬液が減ってしまったりすることがなく、使用直前まで薬剤を適正な状態で封入することができる。
そして、該薬液噴霧キット1は、噴霧器本体10のキャップ102が接続部101に対して取外し可能に設けられるとともに、接続部101に対して流体的に接続可能なスプレーノズル20を備えているので、キャップ102を取外してスプレーノズル20を接続部101に取り付けた上で、ピストン103をシリンダ100の軸線方向に移動させて薬液を押し出すことで、スプレーノズル20から薬液を噴霧することができる。
また、噴霧器本体10とスプレーノズル20とがブリスターパックBで一体的に包装されているので、同時開封することで霧器本体10とスプレーノズル20との組み合わせを間違えることも防止することができる。
本実施形態においては、接続部101に対するキャップ102及びスプレーノズル20の接続を互いに螺合させること行うようにしたので、キャップ102の取り外しやスプレーノズル20の取り付けが簡単である上に、取り付けた状態で内圧が作用しても離脱させることなくその状態を維持させることができる。
そして、前記噴霧器本体10は、シリンダ100及びキャップ102に筒状のシュリンク材109を被嵌して該シュリンク材109を収縮させることで一体的に包装されているので、加熱殺菌処理やピストン103に対する外力の作用等が生じてシリンダ100内の内圧が上昇しても、キャップ102がシュリンク材109による包装で内圧上昇に抗して接続部101に対する封着状態を維持することになる。その一方で、使用時にシュリンク材109の少なくともキャップ102を包装した部位を捲れば、キャップ102に対する規制が解除され、キャップ102を取り外すことができる。従って、本実施形態においては、キャップ102を接続部101に螺合させる構成としてので、互いの螺合とシュリンク材109による包装によって互いの接続をより強固にしつつも、キャップ102を容易に取り外すことができる。
さらに、前記スプレーノズル20は、接続部101に接続された状態で、ピストン103の移動によって薬液が加圧状態にあるときに該薬液の流通を許容する一方、ピストン103が停止して薬液が非加圧状態にあるときに該薬液の流通を阻止する液だれ防止手段200が内装されているので、使用時においても薬液の液だれを防止した上でスプレーノズル20から薬液を円滑に噴霧することができる。
尚、本発明の薬液噴霧キットは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態において、噴霧器本体10内に薬液として癒着防止剤を封入したが、これに限定されるものではなく、消毒液や目薬等のように患部に対して吹き付ける薬液であればよい。
上記実施形態において、噴霧器本体10の接続部101にスプレーノズル20を螺合することで互いに接続するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、接続部101にスプレーノズル20の被接続部201aに対して圧入状態で嵌合して接続できるようにしたり、接続部101及び被接続部201aの少なくとも何れか一方に相手側に向けて突出した凸部を形成するとともに、他方に前記凸部をシリンダ100の軸線方向に案内した後に該シリンダ100の周方向に案内する係合溝を形成するようにしたりしてもよい。但し、何れの場合も、ピストン103を付勢したとき(薬液を押し出すとき)に作用する圧力に抗してスプレーノズル20と接続部101との接続状態を維持できるようにすることは勿論のことである。また、キャップ102もスプレーノズル20と同様にすることは勿論のことである。
上記実施形態において、薬液噴霧キット1(噴霧器本体10及びスプレーノズル20)をブリスターパックBで一体的に包装するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、薬液噴霧キット1を袋に入れて真空パックするようにしてもよい。すなわち、噴霧器本体10とスプレーノズル20とを一体的にできる包装形態であれは種々変更可能である。
上記実施形態において、ピストン103にプランジャ107を連設したが、これに限定されるものではなく、例えば、ピストン103とプランジャ107とを別体に構成し、使用時(薬液を噴霧するとき)にピストン103を棒状のプランジャ107で押すようにしてもよい。
上記実施形態において、キャップ102をゴム等の弾性材料で成形したが、キャップ102は、接続部101の開口を液密に封止できればよく、例えば、上記実施形態のように全体をゴム等の弾性材料で成形したり、穴108の奥部に弾性材料からなるパッキンを内装したりして、接続部101との螺合による軸心方向の締め付け力を穴108の奥部又はパッキンに作用させて封止状態になるように構成してもよい。
本発明の一実施形態に係る薬液噴霧キットの構成を説明するための分解斜視図を示す。 同実施形態に係る薬液噴霧キットの噴霧器本体内に薬液が封入された状態の斜視図を示す。 同実施形態に係る薬液噴霧キットの噴霧器本体内に薬液が封入された状態の縦断面図を示す。 同実施形態に係る薬液噴霧キットの噴霧器本体にスプレーノズルを接続した状態の斜視図を示す。 同実施形態に係る薬液噴霧キットの噴霧器本体にスプレーノズルを接続した状態の縦断面図及びスプレーノズルの拡大断面図を示す。 同実施形態に係る薬液噴霧キットのスプレーノズルの分解斜視図を示す。 同実施形態の薬液噴霧キットをブリスターパックで包装した状態の斜視図を示す。
符号の説明
1…薬液噴霧キット、10…噴霧器本体、20…スプレーノズル、100…シリンダ、101…接続部、102…キャップ、103…ピストン、104…円環状部、105,105…フランジ、106…シール部、107…プランジャ、107a…プランジャ本体、107b…押圧部、107c…ピストン連結部、108…穴、109…シュリンク材、110…切断補助手段、200…防止手段、201…本体部材、201a…被接続部、201a…本体部、201a…被接続部、201b…本体部、201b…被接続部、202…第一ノズル体、202a…第一筒状部、202b…第一閉塞部、202c…噴霧口、203…第二ノズル体、203a…第二筒状部、203b…第二閉塞部、203c…連通穴、204…弁部材、204a…鍔部、204b…テーパ筒状部、204c…スリット、B…ブリスターパック、Ba…包装材本体、Bb…カバー材、A…凹部

Claims (3)

  1. 処置に応じた薬液を患部に向けて噴霧するための薬液噴霧キットであって、薬液を収容する筒状のシリンダの一端に連通連設された筒状の接続部にキャップが封着されるとともに、前記シリンダの軸心方向に移動可能にピストンが装填されてシリンダ内に薬液が封入され、前記キャップがシリンダ内の内圧上昇に抗して接続部に対する封着状態を維持可能で且つ取外し可能に設けられた噴霧器本体と、前記接続部に対して流体的に接続可能なスプレーノズルとを備え、前記スプレーノズルには、接続部に接続された状態で、ピストンの移動によって薬液が加圧状態にあるときに該薬液の流通を許容する一方、ピストンが停止して薬液が非加圧状態にあるときに該薬液の流通を阻止する液だれ防止手段が内装され前記液だれ防止手段は、弾性変形可能な材料で成形された弁部材を備え、該弁部材は、先端が閉塞して外観円錐台状に形成されたテーパ筒状部を有し、該テーパ筒状部に軸線方向に延びるスリットが設けられ、前記スプレーノズルを前記接続部に接続した状態でテーパ筒状部の基端が先端よりもシリンダ側に位置するように配置されていることを特徴とする薬液噴霧キット。
  2. 前記噴霧器本体は、シリンダ及びキャップに筒状のシュリンク材を被嵌して該シュリンク材を収縮させることで一体的に包装されている請求項1記載の薬液噴霧キット。
  3. 前記薬液が癒着防止液である請求項1又は2に記載の薬液噴霧キット。
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