以下、添付の図面に基づき本発明の実施形態を説明する。図1及び図2に示す遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、遊技盤2の縁に外側誘導レール3及び内側誘導レール4が略円形に配置され、前記外側誘導レール3及び内側誘導レール4によって区画された遊技領域6が前記遊技盤2上に設けられている。前記遊技領域6には遊技球を誘導する誘導釘(図示せず)が遊技盤2の表面に設けられている。また、遊技機1の前面側には、装飾ランプ等からなるランプ装置35、発射装置へ供給する遊技球と払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿36、該上側球受け皿36の満杯時に遊技球を受けるための下側球受け皿37、効果音等を発するスピーカ38、遊技者の発射操作に応じて遊技球を前記遊技領域6へ向けて弾発発射するための発射装置64、発射装置64を遊技者が操作するための発射ハンドル65、遊技者による操作可能な遊技ボタン67が設けられている。なお、図1及び図2における符号W1は遊技機の外枠、W2は外枠W1に取り付けられた前枠、Gは前記前枠W2に開閉可能にヒンジで取り付けられたガラス枠である。以下、遊技機1の主要な部分について説明する。
前記遊技領域6には、中心線上の上部から下部に向かって順に表示装置10、上側始動入賞口41、下側始動入賞口42、大入賞口45、アウト口48が配置されている。前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42の左右には左袖入賞口51と右袖入賞口52が配置され、また、大入賞口45の左右には左落とし入賞口53と右落とし入賞口54が配置されている。また、前記表示装置10の左には普通図柄変動開始用ゲート55、その下方に風車76が設けられている。前記風車76と前記左袖入賞口51間の位置には、特別図柄保留表示部57、普通図柄保留表示部58、普通図柄表示部59及び特別図柄表示部60が設けられている。
前記上側始動入賞口41、下側始動入賞口42、大入賞口45、左袖入賞口51、右袖入賞口52、左落とし入賞口53及び右落とし入賞口54は、前記遊技領域6内を流下する遊技球が入賞(入球)可能な複数の入賞装置に相当する。前記の各入賞口(入賞装置)に遊技球が入賞(入球)して入賞(入球)が検出されると1入賞球の検出に対して所定個数の賞品球(遊技球)が遊技者に払い出される。前記1入賞球の検出に対する賞品球(遊技球)の払出個数は、前記入賞口(入賞装置)毎に設定されている。
前記表示装置10は、図柄等が表示可能なものであって、液晶,ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の画像表示装置からなる。本実施例では、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成されている。前記表示装置10には遊技者が識別可能な識別情報が表示される。
本実施例で前記表示装置10に表示される識別情報は、左側に表示される左装飾図柄と、中央に表示される中装飾図柄と、右側に表示される右装飾図柄で構成されている。前記左装飾図柄と中装飾図柄と右装飾図柄は、それぞれ変動表示し、所定時間変動表示した後、遊技の当否判定結果に基づき左装飾図柄、中装飾図柄、右装飾図柄が確定停止装飾図柄として停止表示される。また、前記表示装置10には、前記装飾図柄に加えて背景画像(キャラクター,背景,文字等を含む。)が表示されることもあり、該背景画像が装飾図柄の変動開始等の所定条件に起因して変動表示可能となっていてもよい。
この実施例において変動および停止表示される左装飾図柄、中装飾図柄、右装飾図柄は、それぞれ『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9』の10通りの図柄とされている。本実施例では、遊技の当否判定結果が大当たり(当たり)の場合には、前記表示装置10に大当たりの装飾図柄組合せ、この例では『1,1,1』(いわゆる‘1’のぞろ目)や『2,2,2』(いわゆる‘2’のぞろ目)等、同一数字の組み合わせで装飾図柄が停止表示される。大当たりになると、大当たり遊技(特別遊技とも称される)が実行される。大当たり遊技では、後述の大入賞口45の開閉板46が通常の閉じた状態から15ラウンド(15回)開閉し、開いた状態のときに遊技領域6を流下してくる遊技球を入賞(入球)し易くする。そして、大入賞口45に遊技球が入賞すると、賞品球が払い出される。大当たりの種別には、通常大当たりと確変大当たりがある。通常大当たりは、この大当たりによる大当たり遊技が実行されて終了した後、次に大当たりになるまでの大当たりの確率が通常の確率1/315となる大当たりである。一方、確変大当たりは、次に大当たりになるまでの大当たりの確率が10/315となる大当たりである。通常大当たりの場合における装飾図柄の組み合わせは、偶数のぞろ目、例えば『2,2,2』等とされ、確変大当たりの場合における装飾図柄の組み合わせは、奇数のぞろ目、例えば『1,1,1』とされている。また、大当たりの場合に通常大当たりとなる確率は、40/100に設定され、また、確変大当たりとなる確率は60/100に設定されている。
前記特別図柄表示部60は、図柄(数字や記号を含む)等が表示可能なものであって、液晶,ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の画像表示装置からなる。本実施例では、前記特別図柄表示部60は2桁の7セグメント表示器で構成され、遊技の当否判定結果が識別情報で表示される。前記識別情報は、遊技者が識別可能なものであって、本実施例では、特別図柄とされている。前記特別図柄は、特別図柄表示部60で変動表示され、所定時間変動した後に停止表示された特別図柄によって当否判定結果が表示される。前記特別図柄には、図36の特別図柄組み合わせテーブルに示すように、101の組み合わせが設けられている。遊技の当否判定結果が大当たりの場合に停止表示される大当たりの特別図柄の組み合わせとして、0〜9の数字と、A〜Jのアルファベットの組み合わせからなる100通りが設けられ、一方、外れの場合に停止表示される外れの特別図柄の組み合わせとしては「−−」の1通りが設けられている。特別図柄の大当たりの組み合わせは、後述する大当たり図柄乱数用カウンタの乱数値(カウンタ値)に基づいて決定される。なお、特別図柄は7セグメントで表示せずに、ドットで表示したり、LEDで表示したりするようにしてもよい。また、前記表示装置10で装飾図柄を表示しないようにして、前記表示装置10で特別図柄を表示するように構成してもよい。
なお、本実施例では、前記装飾図柄と特別図柄の両方で遊技の当否判定結果及び大当たりの種別(通常と確変の種別)が表示されるように構成されているが、前記装飾図柄と大当たり種別を対応させずに、大当たり種別が確変であるにもかかわらず、装飾図柄の組み合わせとして偶数のぞろ目が選択されるようにしてもよい。これにより、所謂内部確変状態、すなわち、特別図柄が確変大当たりの組み合わせで表示されているにもかかわらず、装飾図柄が通常大当たりの組み合わせで表示されている状態となり、遊技者は装飾図柄の停止表示態様から通常大当たりと思っていたのに、実は確変大当たりであったという意外性のある当たりを経験することができ、遊技特典の獲得に対する期待感を持続させることができる。本実施例における遊技特典は、遊技者による賞品球の獲得を通常(大当たり遊技ではない場合)よりも容易にすることである。
このように、特別図柄が真の遊技状態(大当たり種別)を表示する一方、装飾図柄は必ずしも特別図柄が示す遊技状態を示すものではないように構成した場合には、前記内部確変状態が存在するため、遊技者に大当たり終了後の遊技状態が即座に判別されないようにすることが可能である。これにより、例えば、大当たり中にあたかも通常大当たりから通常大当たりよりも遊技者にとって価値の高い確変大当たりへ昇格したかのような演出を行うことが可能となり、遊技者に装飾図柄が通常大当たりの組み合わせで表示されても、大当たり遊技終了後の遊技状態が確変遊技状態となることに対する期待感を持たせることができる。したがって、装飾図柄が通常大当たりであっても、今回の大当たりが本当に通常大当たりかどうかドキドキ感を与えることが可能となる。
さらに、大当たりとして2ランド(2R)確変大当たりを設けると共に、大当たりとは異なる小当たりを設けてもよい。その場合、装飾図柄の組み合わせからは小当たりか2R確変大当たりかを遊技者に識別し難く構成してもよい。さらに、大入賞口45の開閉態様をほぼ同じにして、より識別し難く構成してもよい。それにより、小当たりなのか2R確変大当たりであるのかについて遊技者にドキドキ感を与えることができる。
前記普通図柄表示部59は、普通図柄当たりの判定結果を表示するものであり、液晶,ドットマトリックス若しくはLED表示装置等で構成される。本実施例では、LEDで構成され、LEDが点滅している間は、変動中であり、点滅終了時に点灯した場合に普通図柄当たりを示し、一方、消灯した場合には普通図柄外れを示すようになっている。なお、普通図柄は前記表示装置10の一部で表示するようにしてもよい。
前記上側始動入賞口41は、上方が開口した形状からなって遊技球が上方から入球(入賞)可能となっている。一方、前記下側始動入賞口42は、2つの可動片42a,42bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で遊技球の入賞(入球)困難な閉状態(通常状態)と略V字形(逆ハの字形)の入賞可能な開状態間を変化可能に制御されている。前記下側始動入賞口42の可動片42a,42b間は入賞(入球)領域に相当する。前記下側始動入賞口42の開状態への移行は、前記普通図柄表示部59で変動した後、普通図柄当たりを示す態様、本実施例で普通図柄表示部59が点滅終了後点灯した状態となった時に行われる。
また、前記遊技盤2の背面には、前記上側始動入賞口41に入賞(入球)した遊技球を検出する上側始動入賞口検出スイッチ(上側始動入賞口センサ)と、前記下側始動入賞口42へ入賞(入球)した遊技球を検出する下側始動入賞口検出スイッチ(下側始動入賞口センサ)がそれぞれの入賞球用通路に設けられている。本実施例において前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への遊技球の入賞(入球)検出は、乱数値の取得の起因および前記装飾図柄及び特別図柄の変動表示開始の起因とされ、さらには、遊技者にとって有利となる大当たり状態となるか否かを判定する当否判定手段の判定を行うための判定条件の成立に設定され、前記判定条件の成立に起因して当否判定が行われる。また、前記装飾図柄及び特別図柄の変動表示中に、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42に遊技球が入賞しても、直ちに新たな装飾図柄及び特別図柄の変動表示を開始することができないため、前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42への入賞回数を特別図柄変動保留球数として記憶すると共に保留球数を前記特別図柄保留表示部57で表示し、前記装飾図柄及び特別図柄の変動表示を一旦保留し、前記装飾図柄及び特別図柄の変動開始によって、あるいは変動終了による当否判定結果の表示によって、前記特別図柄変動保留球数の記憶値を減算するようにしている。なお、本実施例では、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への入賞回数記憶値の上限値、すなわち特別図柄変動保留球数の上限値は当該変動中の記憶を除いて4に設定されている。
前記特別図柄変動保留球数が設定上限数(成立数の最大記憶数と同一)まで記憶されている時には、前記上側始動入賞口あるいは下側始動入賞口検出スイッチがそれ以上入賞遊技球を検出しても、特別図柄変動保留球数としては記憶されない無効球とされ、その無効球については装飾図柄及び特別図柄の変動表示及び当否判定を行うことなく、入賞に対する賞品球(賞品遊技球)が所定数払い出される。
前記普通図柄変動開始用ゲート55は、前記遊技盤2の背面に設けられた普通図柄変動開始スイッチで普通図柄変動開始用ゲート55を通過する遊技球が検出されることに基づいて前記普通図柄表示部59で変動を開始させるようになっている。また、前記普通図柄表示部59で変動表示中に、前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過することによって発生する変動を、最高4回普通図柄変動保留球数として記憶すると共に、前記普通図柄保留表示部58で普通図柄変動保留球数を表示し、前記普通図柄表示部59における変動開始により普通図柄変動保留球数を減らすようになっている。さらにまた、前記左袖入賞口51及び右袖入賞口52の入賞球を検出する左袖入賞口用検出スイッチ及び右袖入賞口検出スイッチと、前記左落とし入賞口53及び右落とし入賞口54の入賞球を検出する左落とし入賞口用検出スイッチ及び右落とし入賞口用検出スイッチが、それぞれ対応する遊技盤背面に設けられている。
前記大入賞口45は、前記遊技盤2の背面に設けられた大入賞口開放用ソレノイドによって開閉する開閉板46を備えている。この大入賞口45は、通常は開閉板46が閉じた状態とされ、当否判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技(特別遊技)時に所定ラウンドとして本実施例では15ラウンド(15回)開放される。また、前記大入賞口45内には、大入賞口45に入賞した入賞球を検出する入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)が設けられている。
前記スピーカ38は、本発明における報知装置に相当し、装飾図柄及び特別図柄の変動時、大当たり時、大当たり遊技時、入賞時等の際に演出用の音声が出力される。
前記発射装置64は、操作ハンドル65の操作により駆動する発射モータを裏側に有し、該発射モータの駆動により遊技球を弾発発射するようになっている。前記発射装置64により発射された発射球は、前記遊技盤2の表面に立設された内側誘導レール4と外側誘導レール3間で構成される発射球誘導路を介して遊技領域6に誘導される。前記遊技領域6に誘導された遊技球は、転動しつつ下方へ落下し、前記各装置及び各入賞口に入賞するか、或いは何処にも入賞しなければ前記アウト口48から遊技盤2の裏側へ排出される。
前記遊技機1の裏側には、図3に示すように、複数の制御基板や装置等が設けられている。制御基板の主なものとして、主制御基板200、サブ制御基板205、サブドライブ基板207、演出制御基板210、払出制御基板240、電源基板250、発射制御基板260等がある。符号281は払出装置、289は球貯留タンクである。なお各制御基板には制御回路が設けられている。また、各制御基板は、単独でまたは複数まとめてケースに収納された状態で遊技機1の裏側に配置されている。主な制御基板を、図4のブロック図を用いて簡略に示す。
主制御基板(主制御回路)200は、主制御手段として機能するものであり、遊技情報を記憶する記憶手段を備えた遊技制御装置に相当し、CPU、RAM、ROMおよび複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータを少なくとも備え、該マイクロコンピュータと前記サブ制御基板205、図柄表示基板に設けられた前記特別図柄表示部60及び普通図柄表示部59を結ぶ入出力回路と、前記マイクロコンピュータとメイン中継端子板(メイン中継端子板には大入賞口等が接続される。)及び前記払出制御基板240等を結ぶ出力回路を備え、遊技に関わる主制御を行う。前記主制御基板200は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
前記主制御基板200におけるCPUは、制御部,演算部,各種カウンタ、各種レジスタ,各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、大当たりや普通図柄当たりに関する乱数値等も生成し、図5に示すように、サブ制御コマンド(制御信号)をサブ制御基板205等へ出力(送信)可能に構成されている。なお、前記主制御基板200のCPUは、普通図柄当たりの当否判定や、大当たりの当否判定を行う当否判定手段としても機能する。
前記RAMは、前記始動入賞口検出スイッチで検出された特別図柄変動保留球数及び前記普通図柄変動開始スイッチで検出された普通図柄変動保留球数の記憶領域、CPUで生成される各種乱数値用の記憶領域、遊技に必要なデータ等の各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPUの作業領域を備える。
前記ROMは、前記CPUのための制御プログラムや制御データ、前記特別図柄表示部60や普通図柄表示部59等の表示装置における変動表示に関する変動データ等が書き込まれている他、大当たり及び普通図柄当たりの判定値等が書き込まれている。
サブ制御基板205は、本発明の第1の制御基板に相当し、遊技機のランプ装置35等の電飾制御やモータ等の駆動装置の駆動制御を行っている。本実施例では、後述するDSP(信号処理装置)300が実装され、DSP300によって制御された音声が、サブ制御基板205に接続されたスピーカ(報知装置)から出力される。具体的には、DSPで加工された音声データが図4に示すようにサブ制御基板と接続された枠中継基板に接続されたガラス枠上電飾基板を介して、ガラス枠上電飾基板と接続されたスピーカから出力される。さらに前記サブ制御基板205は、前記操作ボタン67と接続されて前記操作ボタン67の操作を検出し、前記操作ボタン67の操作に合わせて電飾制御及び駆動制御が可能になっている。
図5に示すように、前記サブ制御基板205は、前記主制御基板200から出力されたサブ制御コマンド(制御信号)を受信し、受信した制御信号に基づいて、演出制御基板210へ制御信号(演出制御コマンドであり、本発明の第1制御信号に相当)を出力している。なお、前記主制御基板200から出力される制御信号には、特別図柄の変動態様(変動時間、変動の仕方等)、遊技の当否情報等が含まれ、また、サブ制御基板205による電気的作動部材の制御を行うための制御信号が含まれている。電気的作動部材としては、ランプ装置(LED等を含む)35、演出制御基板210(表示装置を含む)、駆動装置等が挙げられる。一方、前記サブ制御基板205が演出制御基板210に対して出力する制御信号(本発明の第1制御信号)には、前記表示装置10での表示(演出)内容(装飾図柄の変動表示や予告等を含む)を指示するための制御信号が含まれている。また、前記サブ制御基板205は、後述の演出制御基板210から報知装置制御コマンド(本発明の第2制御信号に相当)を受信し、後述のDSP(本発明の信号処理装置)に報知装置制御コマンド(第2制御信号)を送信している。なお、前記サブ制御基板205は、DSP(信号処理装置)300から、後述の初期化要求信号が入力されている間は、DSP(信号処理装置)300に対して報知装置制御コマンド(第2制御信号)を送信しないように構成されている。前記報知装置制御コマンド(本発明の第2制御信号)には、音声制御コマンド(本発明の報知制御信号に相当)と初期化通知コマンド(初期化通知信号に相当)がある。前記音声制御コマンド(報知制御信号)はスピーカ(報知装置)38からの音声を制御する制御信号であり、他方、初期化通知コマンド(初期化通知信号)は、後述の演出制御基板(第2の制御基板)210におけるCPU(本発明の第2のCPUに相当)が初期化されたことを通知する信号であって、演出制御基板(第2の制御基板)210のCPU(第2のCPU)が初期化された際に出力される。
前記サブ制御基板205は、CPU(本発明の第1のCPUに相当)、ROM、RAM、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと主制御基板200とを結ぶ入出力回路と、後述の演出制御基板210及びサブドライブ基板207とを結ぶ入出力回路と、後述のDSP(信号処理装置)300を備えている。前記サブ制御基板205のROMは制御用のプログラムやデータ定数等が記憶され、また前記RAMは各種データの記憶領域とCPUによる作業領域を有している。前記サブ制御基板205は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
サブドライブ基板207は、前記サブ制御基板205と接続され、前記サブ制御基板205から出力された電飾装置(ランプ装置)及び駆動装置を駆動させるための制御信号を中継するための基板である。前記サブドライブ基板207は、本発明とは、直接関わりのない部分であるため、詳細な説明は省略する。
DSP(Digital Signal Processor)300は、本発明の信号処理装置に相当し、前記サブ制御基板205上に設けられ、前記サブ制御基板205のCPU(第1のCPU)と配線等による電気的接続手段により接続されている。前記DSP300は、デジタル信号を取り扱うプロセッサーの一種であり、デジタル出力端子を備え、前記デジタル出力端子から、任意のビット数のデジタル信号を所定のタイミング周期でシリアル出力する。前記DSP300は、前記サブ制御基板205のCPUを経由して演出制御基板(第2の制御基板)210から入力した音声制御コマンド(報知制御信号)に基づき、BGMや音声の選択を行い、前記スピーカ(報知装置)38から出力する音声を制御する。具体的には、前記DSP300は、制御データ及び音源データが格納された音源ROMを備え、前記音源ROMから必要な音源データを読み出して加工し、シリアル出力信号を前記DSP300における所定のデジタル出力端子から出力し、サブ制御205に接続されているスピーカ(報知装置)38に増幅回路(アンプ)を介して出力する。
なお、DSPはCPUに近い機能を有しているが、演算処理に特化して構成されたプロセッサーであるため、ROMなどからプログラムを書き換えるだけで多種多様な機能を実現することが可能となり、使用目的の変更や機能を追加したい場合など、ソフトウェアの変更・追加で目的の演算処理が実現できるよう柔軟性をもっている。それに対し、CPUからの制御信号で制御される音専用として構成された音声LSIによって音声データを加工する場合には、仕様を変更する際にハード的に回路構成自体を変更しなければならず、多大な手間、コストを要するが、前記DSPを採用することにより、仕様変更の必要が生じた場合でも仕様変更にかかる手間・コストを抑えることができる。
また、DSPはウォッチドッグ回路等の初期化手段を有していないため、DSPを初期化(リセット)するためには、他の制御手段から初期化を実行してもらう(リセットをかけてもらう)必要がある。そのため本実施例では、前記DSP300は、サブ制御基板(第1の制御基板)205のCPU(第1のCPU)からのリセット信号(本発明の初期化実行信号に相当)によってDSP300を初期化する構成となっている。具体的には、前記DSP300と前記サブ制御基板205のCPUとは、信号ラインとして少なくともコマンドラインとステータスラインとリセットラインが個別に接続され、前記コマンドラインを通じて前記サブ制御基板205のCPUから前記報知装置制御コマンド(第2制御信号)がDSP300に入力され、前記ステータスラインを通じてDSP300の状態を前記サブ制御基板205のCPUへ知らせることが可能となっている。そして、前記サブ制御基板205のCPUは、前記ステータスラインを通じて認識したDSP300の状態に応じて、リセット信号(本発明の初期化実行信号に相当)を、リセットラインを通じてDSP300に出力し、前記DSP300を初期化するように構成されている。
本実施例ではDSP300が異常状態となった場合には、初期化要求信号がステータスラインを通じてサブ制御基板205のCPUへ入力され、サブ制御基板205のCPUは前記初期化要求信号が入力されたことに基づいてDSP300の状態が異常状態になっていること、すなわち初期化要求状態となっていることをサブ制御基板205のCPUが認識する構成であるが、前記DSP300が正常動作中の時には前記ステータスラインを通じてDSP300からクロック信号がサブ制御基板205のCPUへ入力されないように構成してもよい。その場合、DSP300からのクロック信号がサブ制御基板205のCPUに入力した場合に、DSP300が異常状態になっていること、すなわち初期化要求状態となっていることをサブ制御基板205のCPUが認識することになる。また、この場合、前記DSP300のクロック信号は、前記DSP300がサブ制御基板205のCPU(第1のCPU)に対して送信する本発明の初期化要求信号に相当し、前記サブ制御基板205のCPUにDSP300のクロック信号が入力することは、本発明において前記サブ制御基板205のCPUに初期化要求信号が入力することに相当する。
尚、反対に前記DSP300が正常動作中の時には前記ステータスラインを通じてDSP300からクロック信号がサブ制御基板205のCPUへ常に入力されるようにし、DSPが異常状態となった場合にクロック信号のサブ制御基板205のCPUへの出力を停止する構成としてもよい。これによりDSP300からのクロック信号の入力が停止した場合にサブ制御基板205のCPUはDSP300が異常状態になっていること、すなわち初期化要求状態となっていることを認識することになる。また、初期化要求信号は必ずしもクロック信号に限られない。
前記ステータスラインは1ライン構成に限られるものではない。図4及び図5では、ステータスラインは概念的に1ラインで示しているが本実施例では、ステータスラインは2ラインで構成されており、サブ制御基板205のCPUは2ラインのステータスラインでDSP300の状態を認識している。1方のライン(DSP自身に異常が生じた場合及び演出制御基板から初期化通知信号が入力された場合にONされるラインであって、初期化必要判断用のライン)は、DSP自身に異常が生じた場合及び演出制御基板から初期化通知信号が入力された場合にONされるラインであって、前記DSPの状態(正常状態、異常状態、初期化要求状態の何れか)を前記サブ制御基板205のCPUに認識させて、DSP300に対してリセット信号を出力するために用いられる。それに対し、他方のラインは、前記サブ制御基板205のCPUがDSP300の初期化状態を把握するためのライン(初期化状態把握用ライン)であり、このラインがHighレベルとなっている場合はDSP300の初期化未完了状態(初期化中)を示し、Lowレベルとなっている場合はDSP300の初期化完了状態を示す。
尚、さらにステータスラインを1ライン増やして前記初期化必要判断用のラインをDSP自身に異常が生じた場合に初期化要求信号を出力するためのステータスラインと、初期化通知信号がDSP300に入力された場合に初期化要求信号を出力するためのステータスラインの複数ライン構成としてもよい。
また、本実施例では、前記DSP300は演出制御基板210とは別体のサブ制御基板205に設けられており、演出制御基板210のCPU(第2のCPU)が初期化した場合に、その初期化に合わせて演出制御基板210のCPUがDSP300を直接初期化できない構成となっている。しかし、前記サブ制御基板205のCPUを介して演出制御基板210から初期化通知コマンド(初期化通知信号)がDSP300に入力されることにより、前記DSP300は演出制御基板210のCPUが初期化されたことを認識することが可能となっている。このような構成により、前記演出制御基板210のCPUが演出制御基板210の初期化に合わせて前記DSP300を直接初期化できない場合でも、前記サブ制御基板205のCPUを介して演出制御基板210から初期化通知コマンド(初期化通知信号)がDSP300に入力した場合に、前記DSP300から初期化要求信号を前記サブ制御基板205のCPUに送信し、前記初期化要求信号を受信した前記サブ制御基板205のCPUがDSP300にリセット信号(初期化実行信号)を出力してDSP300を初期化させることで、前記演出制御基板210の初期化に合わせてサブ制御基板205のCPUがDSP300を初期化させることが可能となる。これにより、演出制御基板210が初期化したときにDSPが初期化されないことで起こり得るDSP300が音声を出力できない等の不具合の発生を防止可能となる。
なお、前記DSP300からコマンドラインを通じてサブ制御基板205のCPUに対して送信されるコマンドは、遊技機の出荷時に行われる出荷時検査用のコマンドのみであり、遊技中にはDSP300からコマンドラインを通じてサブ制御基板205にコマンドが送信されないように構成されている。また、本実施例では、前記サブ制御基板205のCPUとDSP300とは同期式のシリアル通信を行っており、本実施例ではSPI通信方式を採用している。勿論、この通信形式はDSPの規格の通信形式に合わせているだけであり、他の通信形式であってもよい。前記DSPは、所謂調歩同期式のシリアル通信形式をとるように構成されているものがほとんどであるが、他のシリアル通信形式で構成されているものを採用してもよい。
演出制御基板210は、本発明の第2の制御基板に相当し、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータと、前記サブ制御基板205を結ぶ入出力回路と前記表示装置10等と接続される入出力回路等で構成されている。前記演出制御基板210のCPUは本発明の第2のCPUに相当する。前記演出制御基板210は、前記サブ制御基板210からの制御信号(本発明の第1制御信号に相当)に基づき、演出制御基板210のCPUがROMから所定の表示用データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、前記表示装置10で表示する表示画像のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、入出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて表示装置10に出力される。また、前記演出制御基板210のCPUは、前記サブ制御基板205から受信した制御信号(第1制御信号に相当)に基づき、前記報知装置制御コマンド(第2制御信号)をサブ制御基板205のCPUに対して送信する。なお、前記のように報知装置制御コマンド(第2制御信号)には、音声制御コマンド(報知制御信号に相当)と初期化通知コマンド(初期化通知信号)がある。
また、前記演出制御基板210は、前記演出制御基板210のCPUが初期化した場合、初期化後の立ち上がり時に前記初期化通知コマンド(初期化通知信号)がサブ制御基板205のCPUに対して送信されるように構成されている。なお、前記初期化通知コマンドは、音声制御コマンド(報知制御信号に相当)と同じコマンドラインで送信されるため、ノイズ等の影響があった場合でも受け取り側でコマンドの識別を誤認識しないようにコマンド構成が異なっている。
ここで、前記主制御基板200、前記サブ制御基板205、前記演出制御基板210及び前記DSP300間における報知制御に関する制御信号等の流れ及び制御信号等に基づく報知制御及びDSPの初期化等について、図5を用いて説明する。前記サブ制御基板(第1の制御基板)205のCPU(第1のCPU)は、前記主制御基板200から受信したサブ制御コマンドに基づいて演出制御コマンド(第1制御信号)を演出制御基板(第2の制御基板)のCPU(第2のCPU)に出力する。前記演出制御基板210は、前記サブ制御基板205のCPUからの演出制御コマンド(第1制御信号)を受信したことに基づき、報知装置制御コマンド(第2制御信号)を前記サブ制御基板205へ出力する。前記報知装置制御コマンド(第2制御信号)には、音声制御コマンド(報知制御信号に相当)と初期化通知コマンド(初期化通知信号)があり、音声制御コマンド(報知制御信号)については、前記演出制御基板210が前記サブ制御基板205のCPUからの演出制御コマンド(第1制御信号)を受信したことに基づいて出力され、一方、初期化通知コマンド(初期化通知信号)については、前記演出制御基板210のCPUが初期化されたことに基づいて出力される。
前記サブ制御基板205に出力された報知装置制御コマンド(第2制御信号)は、一旦、前記サブ制御基板205のCPUに入力し、前記サブ制御基板205のCPUは受信した報知装置制御コマンド(第2制御信号)による制御を行うことなく、報知装置制御コマンド(第2制御信号)をそのまま前記DSP(信号処理装置)300にコマンドラインを通じて出力する。
前記報知装置制御コマンド(第2制御信号)を受信したDSP300は、受信した報知装置制御コマンドが、音声制御コマンド(報知制御信号に相当)と初期化通知コマンド(初期化通知信号)の何れであるかを判断手段で判断する。前記判断手段による判断の結果、前記報知制御コマンド(第2制御信号)が音声制御コマンド(報知制御信号)であると判断された場合には、前記DSP300は音声制御コマンド(報知制御信号)に基づいて前記スピーカ(報知装置)38の報知制御を行う。一方、前記判断手段によって、前記報知制御コマンド(第2制御信号)が初期化通知コマンド(初期化通知信号)であると判断された場合には、前記DSP300はサブ制御基板205のCPUに初期化要求信号を、前記ステータスラインの一方のライン(初期化必要判断用のライン)を通じて出力する。また、前記DSP300は、初期化通知コマンド(初期化通知信号)を受信していな場合であっても、異常状態になると前記ステータスラインの一方のライン(初期化必要判断用のライン)を通じて初期化要求信号を出力する。
初期化要求信号を受信した前記サブ制御基板205のCPUは、前記演出制御基板210から前記サブ制御基板205に入力した少なくとも前記音声制御コマンド(報知制御信号)を前記サブ制御基板205のCPUから前記DSP300へ出力することを、前記サブ制御基板205に設けられている信号停止手段で停止する。なお、本実施例では、前記音声制御コマンド(報知制御信号)と初期化通知コマンド(初期化通知信号)の両方の報知装置制御コマンド(第2制御信号)の出力を停止する。その後に前記サブ制御基板205のCPUは、前記演出制御基板210のCPUに対して第2制御信号出力禁止信号を出力して、前記演出制御基板210のCPUから前記報知装置制御コマンド(第2制御信号)が前記サブ制御基板205のCPUへ出力されるのを禁止する。
その後、前記サブ制御基板205のCPUから前記DSP300へリセット信号(初期化実行信号)を、前記リセットラインを通じて出力する。そして、前記DSP300がリセット信号(初期化実行信号)を受信したことに基づいてDSP300の初期化が実行される。また、前記ステータスラインを通じて、前記サブ制御基板205のCPUは、前記DSP300の初期化状態を把握しており、初期化が実行されている間(初期化未完了の間)、前記サブ制御基板205の信号停止手段は、前記報知装置制御コマンド(第2制御信号)における少なくとも前記音声制御コマンド(報知制御信号)を、前記サブ制御基板205のCPUから前記DSP300へ出力することを停止する。そして、前記サブ制御基板205のCPUは、前記ステータスラインを通じて前記DSP300の初期化完了を認識すると、前記サブ制御基板205のCPUから前記DSP300への前記出力停止手段の出力停止を解除した後、前記演出制御基板210のCPUに対して第2制御信号出力許可信号を出力する。前記演出制御基板210のCPUは、前記第2制御信号出力許可信号を受信したことに基づいて、前記サブ制御基板205のCPUへの前記報知装置制御信号(第2制御信号)の出力停止を解除する。
払出制御基板240は、遊技球の払出を制御する払出制御手段に相当し、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータを有する。前記払出制御基板240は前記主制御基板200と電気的接続手段で接続され、前記主制御基板200から出力される制御信号を受信して払出装置281を制御する。前記払出制御基板240は電源基板250から供給される電源によって作動する。前記払出制御基板240のROMには制御用のプログラムが記憶されている。前記払出制御基板240のRAMは、種々の入賞口(入賞装置)への入賞検出に基づき前記払出装置281により払い出される賞品球(遊技球)の払出個数を、1入賞球の検出に対する払出個数毎に記憶可能となっている。
電源基板250は、遊技機1の外部より供給される主電源から遊技機1に適する所定電圧の遊技機用電源を生成して主制御基板200、サブ制御基板205、払出制御基板240等に供給するものであり、電源装置に相当する。前記主電源は、遊技店側で所要の電圧、本実施例では交流(AC)24Vに変換されて供給される。
発射制御基板260は、前記発射装置64における発射モータの制御を行う。
前記主制御基板200に設けられている乱数用カウンタとして、大当たり乱数用カウンタ、大当たり図柄乱数用カウンタ、リーチ乱数用カウンタ、変動態様乱数用カウンタ、普通図柄乱数用カウンタ等がある。
大当たり乱数用カウンタは、当否判定手段による大当たりの判定に用いられ、‘0’〜‘629’の乱数からなる。前記大当たり乱数用カウンタの値(大当たり乱数)は、遊技機の電源投入時に
‘0’から始まって後述の主要乱数更新処理ごとに1加算され、‘629’に至ると次には‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。大当たり乱数値は前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42への入賞に起因して取得され、その取得値が低確率状態時(通常状態時)には大当たり成立数値として設定されている‘3’,‘397’の何れかと一致すれば大当たりとなり、一方高確率状態時(確変時)には、大当たり成立数値として設定されている‘3’,‘33’‘53’,‘59’,‘81’,‘87’,‘105’,‘113’,‘157’,‘173’,‘227’,‘249’,‘281’,‘337’,‘397’,‘423‘,‘449’,‘503’,‘571’,‘629’の何れかと一致すれば大当たりとなる。
大当たり図柄乱数用カウンタは、大当たりの場合の大当たり種別を決定するのに用いられ、当該大当たり種別は、前記特別図柄表示部60で特別図柄の組み合わせからなる大当たり図柄で表される。大当たり図柄乱数用カウンタは、‘0’〜‘99’の乱数からなり、電源投入時に‘0’から始まって後述の主要乱数更新処理ごとに1加算され、‘99’に至ると次には‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。大当たり図柄乱数用カウンタの値(大当たり図柄乱数値)は前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42への入賞に起因して取得される。大当たり図柄乱数値は、図36に示すように大当たり図柄乱数用カウンタの値(大当たり図柄乱数値)と特別図柄の組み合わせ(大当たり図柄)が対応している。当否判定結果が大当たりの場合に大当たり図柄乱数値の‘0’〜‘39’が選択されると、通常大当たり(大当たり終了後に確変状態とならない大当たり)となり、一方、‘40’〜‘99’が選択されると、確変大当たり(大当たり終了後に確変状態となる大当たり)となる。
リーチ乱数用カウンタは、前記大当たり乱数値による大当たりの当否判定結果が外れとなる場合において、リーチ状態を経るか否かを決めるリーチ有無決定用のものであり、‘0’〜‘126’の乱数からなる。本実施例におけるリーチ状態は、前記表示装置10で変動停止表示される左装飾図柄、中装飾図柄及び右装飾図柄のうち、最後に停止表示される装飾図柄(例えば中装飾図柄)を除いて他の装飾図柄(例えば左装飾図柄と右装飾図柄)が同一となる状態(最終停止図柄を除いて大当たりの装飾図柄組合せと等しくなる状態であり、最終的に大当たりの装飾図柄組合せとなる場合と外れの装飾図柄組合せとなる場合が含まれる状態)をいう。このリーチ乱数用カウンタの値(リーチ乱数値)は、遊技機1の電源投入時に、‘0’から始まり、後述の主要乱数更新処理ごとに1ずつ加算され、数値が‘126’に至ると、次に‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。リーチ乱数は、前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42への入賞に起因して取得され、当否判定結果が外れの場合に、その数値が予め決定されているリーチ成立数値と対比されてリーチ有無が判断される。本実施例ではリーチ成立数値は、‘5’,‘17’,‘28’,‘40’,‘51’,‘63’,‘74’,‘86’,‘97’,‘109’,‘120’に設定されている。
変動態様乱数用カウンタは、前記表示装置10における装飾図柄の変動態様を変動態様テーブルから選択する際に用いられるものであり、‘0’〜‘250’のカウンタ値(変動態様乱数値)を備える。この変動態様乱数値は、遊技機1の電源投入時に、‘0’から始まり、後述の主要乱数更新処理ごとに1ずつ加算され、数値が‘250’に至ると、次に‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。前記変動態様乱数用カウンタの乱数値(変動態様乱数値)は、前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42への入賞に起因して取得される。
変動態様テーブルは、前記表示装置10に表示する装飾図柄の変動態様の複数で構成されており、前記主制御基板200のROMに記憶されている。前記変動態様テーブルからの変動態様の選択は、本実施例では、まず遊技状態が通常遊技状態か確変遊技状態か、当否判定結果が当たりか外れ、さらに外れの場合にはリーチ有り外れかリーチ無し外れかに応じて変動態様テーブルが選択され、選択された変動態様テーブルの中から変動態様乱数値に基づいて1つの変動態様が選択される。本実施例では、図37に示すように、変動態様1〜10の10種類の変動態様が設けられている。変動態様1〜3はリーチ無し外れの場合に選択され、変動態様4〜6は大当たりの場合とリーチ有り外れの場合に選択され、変動態様7〜10はスーパーリーチの大当たりの場合に選択される。各変動態様には前記変動態様乱数値 ‘0’〜‘250’のうち、所定個数の乱数値が割り当てられており、取得した変動態様乱数値と対応する変動態様が選択される。例えば、リーチ無し外れの場合の変動態様1には、通常状態時(低確率時)の場合として63個の変動態様乱数値が割り当てられ、一方、確変状態時(高確率時)の場合として201個の変動態様乱数値が割り当てられている。また、例えば、大当たりの場合とリーチ有り外れの場合とで選択される変動態様4には、通常時の大当たりの場合として5個の変動態様乱数値が割り当てられ、さらに、確変時の大当たりの場合として3個の変動態様乱数値が割り当てられ、一方、通常時のリーチ有り外れの場合として190個の変動態様乱数値が割り当てられ、さらに確変時のリーチ有り外れの場合として218個の変動態様乱数値が割り当てられている。変動態様テーブル内の各変動態様には変動態様乱数値が割り当てられており、取得した変動態様乱数値と対応する変動態様が選択される。また、各変動態様には装飾図柄を所定の態様で変動表示させる変動時間がそれぞれ設定されており、変動開始時に予め変動時間が定められる。
取得された大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動態様乱数値については、それぞれ最大4個、前記主制御基板200のRAMにおける該当領域に、前記保留球数と対応させて格納され、順次使用される。
普通図柄乱数用カウンタは、普通図柄当たりを判定するために用いられるもので、遊技機1の電源投入時に、‘0’から始まって後述の主要乱数更新処理ごとに
‘1’ずつ加算され、‘240’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。この普通図柄乱数値は、前記普通図柄変動開始用ゲート55を通過した遊技球を前記普通図柄変動開始スイッチで検出するごとに取得され、最大4個まで前記主制御基板200のRAMの普通図柄乱数値記憶領域に格納される。前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過することに起因して取得された普通図柄乱数値が、通常状態(低確率状態)時には普通図柄当たり成立数値として設定されている‘236’〜‘240’の何れかと一致すれば普通図柄当たりとなり、一方、確変状態(高確率状態)時には普通図柄当たり成立数値として設定されている‘1’〜‘240’の何れかと一致すれば、普通図柄当たりとなる。取得した普通図柄乱数値が当たり成立数値である場合、前記普通図柄表示部59のLEDが予め設定されている時間点滅(変動)した後、点灯状態(変動停止)となり、前記下側始動入賞口42の拡開開放が行われる。一方、取得した普通図柄乱数値が当たり成立数値以外の数値である場合、前記普通図柄表示部59のLEDが予め設定されている時間点滅した後、消灯して非点灯状態(変動停止)となり、前記下側始動入賞口42の拡開開放は行われずに入賞し難い状態のままとなる。
前記サブ制御基板205には、装飾図柄決定乱数用カウンタが設けられている。前記装飾図柄決定乱数用カウンタは、前記表示装置10で停止表示される装飾図柄の選択に用いられるカウンタである。前記装飾図柄決定乱数用カウンタには、通常大当たり装飾図柄決定乱数用カウンタと、確変大当たり装飾図柄決定乱数用カウンタと外れ装飾図柄決定乱数用カウンタの3種類ある。
前記通常大当たり装飾図柄決定乱数用カウンタは、通常大当たり時に前記表示装置10に停止表示される装飾図柄の組み合わせを選択するカウンタであり、‘0’,‘2’,‘4’,‘6’,‘8’の偶数の値の乱数値で構成されている。前記通常大当たり装飾図柄決定乱数用カウンタの値は、遊技機1の電源投入時に‘0’からスタートして後述のサブ制御メイン処理における乱数更新処理で2ずつ加算され、‘8’に至ると次に‘0’に戻って再び2ずつ加算される。
前記確変大当たり装飾図柄決定乱数用カウンタは、確変大当たり時に前記表示装置10に停止表示される装飾図柄の組み合わせを選択するカウンタであり、‘1’,‘3’,‘5’,‘7’,‘9’の奇数の値の乱数値で構成されている。前記確変大当たり装飾図柄決定乱数用カウンタの値は、遊技機1の電源投入時に‘1’からスタートして後述のサブ制御メイン処理における乱数更新処理で2ずつ加算され、‘9’に至ると次に‘1’に戻って再び2ずつ加算される。
尚、前述の潜伏確変を演出したい場合には、装飾図柄決定乱数用カウンタを通常大当たりと確変大当たりとで分ける必要はない。
前記外れ装飾図柄決定乱数用カウンタは、外れの場合に前記表示装置10に停止表示される装飾図柄の組み合わせを選択するカウンタであり、左、中、右の各装飾図柄毎に‘0’〜‘9’の数値(乱数値)範囲で構成されている。前記外れ装飾図柄決定乱数用カウンタの値は、遊技機1の電源投入時に‘0’からスタートして後述のサブ制御メイン処理における乱数更新処理で1ずつ加算され、‘9’に至ると次に‘0’に戻って再び1ずつ加算される。尚、後述するが、外れの場合には装飾図柄がぞろ目とならないような処理が行われる。
なお、前記通常大当たり装飾図柄決定乱数用カウンタ、前記確変大当たり装飾図柄決定乱数用カウンタ及び前記外れ装飾図柄決定乱数用カウンタの値(乱数値)は、後述のサブ制御10msタイマ割り込み処理における装飾図柄選択処理で取得される。
ここで前記遊技機1における遊技について簡略に説明する。前記遊技領域6へ向けて発射装置64により発射された遊技球が、種々の入賞口に入賞すると入賞口に応じた所定数の遊技球が賞球として上側球受け皿36に払い出される。また、前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過すると、現在普通図柄が変動中でなければ前記普通図柄表示部59でLEDが点滅状態となる。そして、普通図柄の当たり判定結果が普通図柄当たりの場合には、前記普通図柄表示部59のLEDが点灯状態となり、前記下側始動入賞口42の拡開開放が行われ、前記下側始動入賞口42に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。なお、普通図柄の当たり判定結果が普通図柄外れの場合には、前記普通図柄表示部59のLEDは、点滅後に消灯状態となり、前記下側始動入賞口42は拡開開放されない。
また、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42に遊技球が入賞すると、大当たり乱数値及び大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動態様乱数値等の乱数値が取得され、特別図柄変動保留球数が1加算されて、前記主制御基板200のRAMに、最大4となるまで記憶される。そして、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄変動保留球数が1以上であれば、先に取得された大当たり乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われると共に、前記特別図柄表示部60に停止表示される特別図柄の組み合わせ及び前記表示装置10で停止表示される装飾図柄の組み合わせ、更には装飾図柄の変動態様が選択される。そして選択された変動態様に基づいて前記表示装置10で装飾図柄が変動開始すると共に、前記特別図柄表示部60で特別図柄の変動表示が開始される。前記特別図柄変動保留球数は、本実施例では前記特別図柄及び装飾図柄の変動表示が行われることにより前記主制御基板200のRAMから1減算される。
選択された変動態様に設定されている変動時間の経過(変動時間の終了)により、前記表示装置10で装飾図柄が停止表示されると共に、前記特別図柄表示部60で特別図柄が停止表示される。その際、外れの場合には前記表示装置10に外れの装飾図柄組み合わせ(ぞろ目以外の組み合わせ)で装飾図柄が停止表示されると共に、前記特別図柄表示部60で外れの図柄「−−」が表示され、大当たり遊技(特別遊技)に移行することがない。
一方、当否判定結果が大当たりの場合には、前記表示装置10で装飾図柄が大当たり図柄組み合わせ(ぞろ目)で停止表示されると共に、前記特別図柄表示部60では、特別図柄が前記大当たり図柄乱数値及び図36に示した特別図柄組み合わせテーブルに基づいて選択された大当たり図柄組み合わせで停止表示され、大当たり遊技(特別遊技)に移行する。
大当たり遊技状態になると、前記大入賞口45の開閉板46が開いて遊技領域6の表面を落下してくる遊技球を受け止め易くして、大入賞口45へ入賞可能にし、該大入賞口45への入賞があると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。前記開閉板46は、所定時間(例えば30秒)経過後、或いは入賞球数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じるようにされ、15ラウンド、前記開閉板46の開閉を繰り返す。
前記大当たりには通常大当たりと確変大当たりとがある。通常大当たりの場合には、大当たり遊技の終了後、次の大当たりまで、大当たりの確率が低確率(本実施例では1/315)とされるのに対して、確変大当たりの場合には、大当たり遊技の終了後、次の大当たりまで、大当たりの確率が高確率(本実施例では10/315)に設定される。通常大当たりの場合、前記表示装置10には『2,2,2』等、偶数のぞろ目からなる通常大当たり図柄が停止表示され、また前記特別図柄表示部60には、図36の特別図柄組み合わせテーブルにおける通常大当たりの場合の組み合わせ、例えば「D1」等が停止表示され、一方、確変大当たりの場合には、前記表示装置10に『1,1,1』等、奇数のぞろ目からなる確変大当たり図柄が表示され、また前記特別図柄表示部60には、図36の特別図柄組み合わせテーブルにおける確変大当たりの場合の組み合わせ、例えば「D0」等が停止表示される。
大当たり遊技の終了後、または前記当否判定結果が外れで、前記表示装置10及び特別図柄表示部60に外れの図柄組み合わせが停止表示された後、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄変動保留球数が1以上であれば、再び前記と同様に取得された大当たり乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われると共に、変動態様テーブルから1つの変動態様が抽選で選択され、選択された変動態様に基づいて前記表示装置10で装飾図柄の変動表示が開始されると共に、前記特別図柄表示部60で特別図柄の変動表示が開始される。一方、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄変動保留球数が0の場合には、その後に前記始動入賞口42に遊技球が入賞して、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄変動保留球数が一旦1以上となるまで、前記当否判定、特別図柄及び装飾図柄の変動表示が行われない。
また、入賞時や装飾図柄及び特別図柄の変動表示の間、あるいは大当たり遊技中等においては、前記ランプ装置35等が点滅や点灯し、かつ前記スピーカ(報知装置)38から演出音声が流れる。前記スピーカ(報知装置)38からの演出音声は、前記のように、前記サブ制御基板205、演出制御基板210、DSP300等による報知制御によって行われる。なお、前記報知制御に関しては、後にフローチャートを用いてより詳細に説明する。
次に、前記遊技機1の制御処理に関して説明する。前記主制御基板(主制御回路)200に設けられる主なフラグとして、大当たりフラグ、大当たり終了フラグ、確変フラグ等が挙げられる。各フラグは初期設定ではOFFに設定されている。なお各フラグは、フラグの値が0の場合にOFFとなり、一方フラグの値が1の場合にONとなる。
前記主制御基板(主制御回路)200は、前記主制御基板200のROMに記憶されている制御用プログラムに従い前記マイクロコンピュータのCPUにより制御処理を行う。図6は前記主制御基板200が行うメイン処理のフローチャートである。
メイン処理では、まずデバイスの初期設定(S10)が行われる。デバイスの初期設定(S10)では、スタックの設定、割り込み時間の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTCの設定等が行われる。なお、電源投入時のみに必要な処理は、最初の1巡目のみに実行され、その後は実行されないが、周知であるので詳細は省略する。
次に、割り込み禁止処理(S20)、主要乱数更新処理(S30)、割り込み許可処理(S40)が行われ、その後に再び割り込み禁止処理(S20)に戻るループ処理が行われ、この間に割込処理(S100)が行われる。
前記割り込み禁止処理(S20)では、4msecごとに割込処理(S100)が入ってきても、割り込み許可となるまで、割り込みを禁止する。次の主要乱数更新処理(S30)では、種々の乱数が主要乱数更新処理(S30)ごとに1加算され、前記のように各乱数の設定上限値に至ると次に最小値に戻って再び加算が行われる。更新された乱数は前記主制御基板200のRAMに記憶される。割り込み許可処理(S40)では、4msecごとに入ってくる割込処理(S100)に対して許可をする。
割込処理(S100)では、図7に示すように、出力処理(S110)、入力処理(S120)、主要乱数更新処理(S130)、始動入賞口検出処理(S140)、普通動作処理(S150)、特別動作処理(S160)、保留球数処理(S170)、表示制御処理(S180)、その他の処理(S190)が順に行われる。
出力処理(S110)では、各処理で設定された出力用のコマンド(制御信号)が各制御基板に送信される。
入力処理(S120)では、遊技機1に取り付けられている各種センサ(スイッチ)が検知した場合の信号入力が行われる。
主要乱数更新処理(S130)では、前記メイン処理におけるループ処理内で行われている主要乱数更新処理(S30)と同様の処理が行われる。
始動入賞口検出処理(S140)では、図8に示すように、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への入賞が検出されたか判断され(S140−1)、入賞が検出されていない場合には、この始動入賞口検出処理(S140)が終了する。一方、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への入賞が検出されたと判断されると、前記特別図柄変動保留球数が4以上か判断され(S140−2)、4以上の場合にはこの始動入賞口検出処理(S140)が終了する。前記特別図柄変動保留球数が4未満であれば、特別図柄変動保留球数に1加算され(S140−3)、大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動態様乱数値等が取得されて主制御基板200のRAMの対応する領域に記憶され(S140−4)、この始動入賞口検出処理(S140)が終了する。
普通動作処理(S150)では、更新されてRAMに記憶されている普通図柄乱数値が取得されて、普通図柄当たりの判定や普通図柄表示部59での普通図柄の停止表示、普通図柄当たりに基づく前記下側始動入賞口42の開閉等、普通図柄当たりに関する処理等が行われるが、本発明を理解する上で重要ではないため、詳細な説明を省略する。
特別動作処理(S160)では、図9に示すように、特別動作ステータスが1〜4の何れであるか判断される(S160−1〜S160−3)。前記特別動作ステータスが1の場合には特別図柄待機処理(S160−4)が行われ、前記特別動作ステータスが2の場合には特別図柄変動中処理(S160−5)が行われ、前記特別動作ステータスが3の場合には特別図柄確定処理(S160−6)が行われ、前記特別動作ステータスが4の場合には特別電動役物処理(S160−7)が行われる。
特別動作ステータスが1の場合に行われる特別図柄待機処理(S160−4)では、図10に示すように、特別図柄変動保留球数が0か否か判断され(S160−4−1)、特別図柄変動保留球数が0の場合には特別図柄が変動中か否か判断され(S160−4−7)、変動中であれば、この特別図柄待機処理(S160−4)が終了する。一方、変動中ではない場合には変動が停止してから30秒経過したか否か(変動が停止してから30秒間前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42に遊技球が入賞していないか否か)判断され(S160−4−8)、30秒経過していれば待機画面(待ち受け画面)をセットするためのコマンドがセットされ(S160−4−9)、その後にこの特別図柄待機処理(S160−4)が終了する。また、30秒経過していない場合にはこの特別図柄待機処理(S160−4)が終了する。
それに対して前記S160−4−1で特別図柄変動保留球数が0ではないと判断された場合には、特別図柄大当たり判定処理(S160−4−2)、特別図柄選択処理(S160−4−3)、変動態様選択処理(S160−4−4)、特別図柄乱数シフト処理(S160−4−5)、特別図柄変動開始処理(S160−4−6)が順に行われる。
特別図柄大当たり判定処理(S160−4−2)では、図11に示すように、まず、前記始動入賞口検出処理(S140)の特別図柄関係乱数取得処理(S140−8)で取得されて主制御基板200のRAMに記憶されている大当たり乱数値が読み出され(S160−4−2−1)、大当たり判定値テーブルのアドレスがセットされる(S160−4−2−2)。次に、現在確変中(高確率状態)かが確変フラグによって確認される(S160−4−2−3)。確変中ではない低確率状態の場合、前記取得大当たり乱数値が低確率状態時の大当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には低確率状態での大当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S160−4−2−5)。外れの場合には、この特別図柄大当たり判定処理(S160−4−2)が終了し、一方、大当たりの場合には、大当たりフラグがONにセットされ(S160−4−2−6)、その後にこの特別図柄大当たり判定処理(S160−4−2)が終了する。それに対して、S160−4−2−3で確変中(高確率状態)と判断されると、前記取得大当たり乱数値が高確率状態時の大当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には高確率状態での大当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S160−4−2−4)。外れの場合には、この特別図柄大当たり判定処理(S160−4−2)が終了し、一方、大当たりの場合には、大当たりフラグがONにセットされ(S160−4−2−6)、その後にこの特別図柄大当たり判定処理(S160−4−2)が終了する。この特別図柄大当たり判定処理(S160−4−2)は、当否判定手段に相当する。
特別図柄選択処理(S160−4−3)では、前記特別図柄表示部60で停止表示する特別図柄が決定される。前記特別図柄選択処理(S160−4−3)では、図12に示すように、大当たり図柄乱数値がロードされた後に大当たりフラグがONか判断され(S160−4−3−1)、大当たりフラグがON、すなわち大当たりの場合には、ロードした前記大当たり図柄乱数値に基づき、図36の特別図柄組み合わせテーブルから選択された特別図柄の組み合わせからなる大当たり図柄が、停止特別図柄としてセットされる(S160−4−3−2)。一方、大当たりフラグがONではない、すなわち外れの場合には、外れ図柄が停止特別図柄としてセットされる。本実施例では、外れの場合の停止特別図柄は「−−」である。
変動態様選択処理(S160−4−4)は、変動態様選択手段に相当し、前記表示装置10における装飾図柄の変動態様の選択が行われる。変動態様選択処理(S160−4−4)では、図13に示すように、まず、確変中(高確率状態)か確認され(S160−4−4−1)、確変中ではなく通常状態(低確率状態)の場合には、大当たりフラグがON(大当たり)か否か判断される(S160−4−4−2)。大当たりフラグがON(大当たり)の場合には、ロードした変動態様乱数値に基づき、図37に示した通常大当たりテーブルより変動態様が選択される(S160−4−4−3)。それに対し、大当たりフラグがOFF(外れ)の場合には、ロードしたリーチ乱数値がリーチ成立数値と一致するか否か(リーチ成立か不成立か)判断される(S160−4−4−4)。リーチ成立の場合には、図37に示した通常リーチ有外れテーブルより変動態様乱数値に基づいて変動態様が選択され(S160−4−4−5)、リーチ不成立の場合には、図37に示した通常リーチ無外れテーブルより変動態様乱数値に基づいて変動態様が選択される(S160−4−4−6)。
一方、S160−4−4−1で確変中(高確率状態)と判断されると、次に大当たりフラグがON(大当たり)か否か判断される(S160−4−4−7)。大当たりフラグがON(大当たり)の場合には、ロードした変動態様乱数値に基づき、図37に示した確変大当たりテーブルより変動態様が選択される(S160−4−4−8)。それに対し、大当たりフラグがOFF(外れ)の場合には、ロードしたリーチ乱数値がリーチ成立数値と一致するか否か(リーチ成立か不成立か)判断される(S160−4−4−9)。リーチ成立の場合には、図37に示した確変リーチ有外れテーブルより変動態様乱数値に基づいて変動態様が選択され(S160−4−4−10)、リーチ不成立の場合には、図37に示した確変リーチ無外れテーブルより変動態様乱数値に基づいて変動態様が選択される(S160−4−4−11)。
特別図柄乱数シフト処理(S160−4−5)では、前記主制御基板200のRAMにおける特別図柄変動保留球数のデータ記憶領域において、ロード(読み出し)順位一位のアドレスの記憶領域に記憶されていた特別図柄変動保留のデータが、先の処理でロードされて空席となることに起因して、ロード順位が二位以降のアドレスに記憶されている特別図柄変動保留のデータについて、ロード順位を一つずつ繰り上げるアドレスのシフトが行われる。具体的には、図14に示すように、まず、当否判定手段の判定結果に基づく特別図柄の変動表示が行われることにより、前記主制御基板200のRAMに記憶されていた前記特別図柄変動保留球数から1減算(例えば保留球数2のものは1にされ、3のものは2にされる等)され(S160−4−5−1)、次に各保留に対応するデータが各保留から1減算した保留のRAMアドレスにシフトされ(S160−4−5−2)、続いて最上位(ロード順位が最後、本実施例では4個目)の保留に対応するRAMアドレスに0がセットされる(S160−4−5−3)。
特別図柄変動開始処理(S160−4−6)では、前記特別図柄選択処理(S160−4−3)及び変動態様選択処理等で決定された特別図柄のデータ及び変動データ並びにそれらに基づく変動開始信号がセットされ、特別動作ステータスが2に設定される。
前記特別動作ステータスが2の場合に行われる特別図柄変動中処理(S160−5)では図15に示すように、まず変動時間(変動態様の変動時間)が終了したか否か判断され(S160−5−1)、変動時間が終了していなければこの特別図柄変動中処理(S160−5)が終了する。一方、変動時間が終了していれば変動停止テーブルのアドレスがセットされ(S160−5−2)、データが格納される(S160−5−3)。その後、特別動作ステータスが3にセットされ(S160−5−4)、その他必要な処理(S160−5−5)が行われた後に、この特別図柄変動中処理(S160−5)が終了する。
前記特別動作ステータスが3の場合に行われる特別図柄確定処理(S160−6)では図16に示すように、まず大当たりフラグがONか否か、すなわち大当たりか否か判断される(S160−6−1)。大当たりフラグがON、すなわち大当たりの場合には、ラウンドカウンタがセットされ(S160−6−2)、特別動作ステータスが4にセットされた(S160−6−3)後、この特別図柄確定処理(S160−6)が終了する。一方、大当たりフラグがOFF、すなわち外れの場合には、特別動作ステータスが1にセットされた(S160−6−4)後、この特別図柄確定処理(S160−6)が終了する。
前記特別動作ステータスが4の場合に行われる特別電動役物処理(S160−7)では、図17及び図18に示すように、確変フラグがOFFにされ(S160−7−1)、大当たり終了フラグがON(大当たり遊技終了)か否か判断される(S160−7−2)。大当たり終了フラグがONではない、すなわち大当たり遊技終了ではない場合には現在大入賞口45が開放中か否か判断され(S160−7−3)、開放中ではなく閉鎖中の場合には大入賞口45の開放時間か否か判断される(SS160−7−4)。大入賞口45の開放時間の場合には大入賞口の開放処理が行われ(S160−7−5)、その後にこの特別電動役物処理(S160−7)が終了する。それに対して大入賞口45の開放時間となっていないときには、この特別電動役物処理(S160−7)が終了する。
一方、前記S160−7−3で大入賞口45が開放中と判断されると、大入賞口45に10個遊技球が入賞(S160−7−6)、若しくはラウンド終了時間(本実施例では30秒)経過(S160−7−7)の何れかであるか否か判断され、何れでもない場合にはそのままこの特別電動役物処理(S160−7)が終了し、それに対して大入賞口45に10個遊技球が入賞、若しくはラウンド終了時間経過の何れかである場合には、大入賞口閉鎖処理(S160−7−8)とラウンドカウンタの値から1減算する処理(S160−7−9)が行われる。なお、前記大入賞口閉鎖処理(S160−7−8)では、大入賞口閉鎖のコマンドが出力バッファにセットされる。続いて、ラウンドカウンタが0か否か判断され(S160−7−10)、ラウンドカウンタが0ではない場合には、そのままこの特別電動役物処理(S160−7)が終了し、それに対してラウンドカウンタが0の場合には、大当たり終了処理(S160−7−11)が行われる。その後、大当たり終了フラグがONにされ(S160−7−12)、この特別電動役物処理(S160−7)が終了する。
それに対し、前記S160−7−2で大当たり終了フラグがON、すなわち大当たり終了と判断されると、大当たり終了フラグをOFFにセットする処理(S160−7−13)と、大当たりフラグをOFFにする処理(S160−7−14)が行われ、その後に停止図柄が確変図柄であるか判断される(S160−7−15)。そして、停止図柄が確変図柄の場合には、確変フラグがONにされ(S160−7−16)、一方、停止図柄が確変図柄ではないと判断されると、特別動作ステータスが1にセットされ(S160−7−17)、この特別電動役物処理(S160−7)が終了する。
保留球数処理(S170)では、図19に示すように現在の保留球数がロードされ(S170−1)、保留球数が出力バッファにセットされる(S170−2)。
表示制御処理(S180)では、図20に示すように、普通図柄表示処理(S180−1)、特別図柄表示処理(S180−2)、保留球数表示処理(S180−3)、その他の処理(S180−4)が行われる。普通図柄表示処理(S180−1)では、普通図柄表示タイマの値が0であれば、普通図柄を変動表示し、普通図柄停止表示データに基づいて停止表示する。特別図柄表示処理(S180−2)では、特別図柄の変動時間に合わせてタイマがセットされ、特別図柄の変動時間終了に合わせて特別図柄停止表示データに基づいて特別図柄を停止表示する。保留球数表示処理(S180−3)では、保留球数処理(S170)の処理結果に基づいて保留球数を表示する。その他の処理(S180−4)では、遊技制御に必要なその他の処理が行われる。
前記割り込み処理(S100)におけるその他の処理(S190)では、その他様々な処理が実行されるが、本発明に特に関わりのない処理についての説明は省略する。
前記サブ制御基板205が行う処理について説明する。前記サブ制御基板205が行うサブ制御メイン処理Jでは、図21に示すように、まずCPU初期化処理(S201)が行われる。CPUの初期化処理(S201)では、スタックの設定、CPUの設定、SIO、CTC、割り込み設定等が行われる。次に、電源断信号がONでRAMの内容が正常か判断される(S202)。電源断信号が入力した際にRAMの内容が正常ではない場合、RAMの初期化(S203)、後述のDSP初期化処理(S204)が順に行われた後、乱数更新処理(S205)がループ処理で行われる。一方、RAMの内容が正常である場合、RAMの初期化を行うことなくDSP初期化処理(S204)が行われた後、乱数更新処理(S205)がループ処理で行われる。
前記DSP初期化処理(S204)は、前記サブ制御基板205のCPUの初期化に合わせて前記DSP300を初期化させるための処理である。前記DSP初期化処理(S204)では、図22に示すように、まず前記DSP300へリセット信号(初期化実行信号)が出力される(S204−1)。なお、前記リセット信号を受け取ったDSP300では初期化が行われる。
前記リセット信号の出力後、前記DSP300の初期化が完了したかが確認される(S204−2)。DSP300の初期化の完了は、前記DSP300から初期化完了信号がサブ制御基板205に入力した場合に初期化完了と判断され、このDSP初期化処理が終了する。一方、入力していない場合に初期化未完了と判断される。なお、前記初期化完了信号は、前記のようにDSP300と接続されているステータスラインを用いてDSP300から出力される。前記DSP300の初期化完了確認(S204−2)は、DSPの初期化完了まで繰り返し行われる。
前記DSPの初期化完了が確認された場合、DSP送信許可フラグがONにされる(S204−5)。前記DSP送信許可フラグは、前記報知装置制御コマンド(第2制御信号)を前記サブ制御基板205のCPUからDSP300に対して送信するのを認めるか否かを示すフラグであり、前記DSP送信許可フラグがONの場合に送信許可を表し、OFFの場合に送信不許可を表す。その後、許可コマンドが前記演出制御基板210へ送信され(S204−6)、このDSP初期化処理(S204)が終了する。なお、前記許可コマンドは、前記演出制御基板210のCPUが報知装置制御コマンド(第2制御信号)をサブ制御基板205のCPUへ送信するのを許可するコマンドであり、本発明における第2制御信号出力許可信号に相当する。
前記乱数更新処理(S205)がループ処理されている間に、サブ制御外部INT割り込み処理(S300)と音声制御外部INT割り込み処理(S350)、2msタイマ割り込み処理(S400)、10msタイマ割り込み処理(S500)が行われる。
サブ制御外部INT割り込み処理(S300)は、前記主制御基板200から送信されたコマンド(制御信号)を受信した場合に行われるコマンド受信割り込み処理である。前記サブ制御外部INT割り込み処理(S300)では、図23に示すように、前記主制御基板200からのストローブ(STB)信号がONか確認され(S301)、ストローブ信号がON、すなわち外部INT入力部にストローブ信号が入力されると、前記主制御基板200から出力されたコマンド(制御信号)の受信およびRAMへの格納が行われる(S302)。ここで主制御基板200から受信するコマンド(制御信号)には、変動コマンド(変動態様データ、停止図柄データ、駆動データ等を含む)、大当たり判定データ等が含まれる。それに対し、ストローブ信号がONになっていなければ、その時点でこの外部INT割り込み処理(S300)が終了する。
音声制御外部INT割り込み処理(S350)は、前記演出制御基板210から送信された報知装置制御コマンド(第2制御信号)を受信した場合に行われるコマンド受信割り込み処理である。前記音声制御外部INT割り込み処理(S350)では、図24に示すように、ストローブ(STB)信号がONか確認され(S351)、ストローブ信号がON、すなわち外部INT入力部にストローブ信号が入力されると、前記演出制御基板210から出力されたコマンド(制御信号)の受信およびRAMへの格納が行われる(S352)。次に、DSP送信許可フラグがONになっているか確認される(S353)。ここで、DSP送信許可フラグは、前記報知装置制御コマンド(第2制御信号)を前記サブ制御基板205のCPUからDSP300に対して送信するのを認めるか否かを示すフラグであり、前記DSP送信許可フラグがONの場合に送信許可を表し、OFFの場合に送信不許可を表す。DSP送信許可フラグがONではない場合には、前記RAMに格納された演出制御基板210からの報知装置制御コマンド(第2制御信号)がクリアされ(S356)、その後にこの音声制御外部INT割り込み処理(S350)が終了する。前記クリアにより前記演出制御基板210から送信された報知装置制御コマンド(第2制御信号)は破棄される。この処理は、本発明における信号停止手段に相当し、この処理(信号停止手段)により、前記演出制御基板210から報知装置制御コマンド(第2制御信号)がサブ制御基板205に入力した場合であっても、初期化実行中のDSP300に対して報知装置制御コマンド(第2制御信号)が出力されることが防止される。すなわちDSP送信許可フラグがOFFの場合にはサブ制御基板205のCPUからDSP300へのコマンドの送信が不可能となる。
S353で前記DSP送信許可フラグがONと判断されると、前記RAMに格納された演出制御基板210からの報知装置制御コマンド(第2制御信号)が前記DSP300への送信データとして設定され(S354)、前記送信設定された報知装置制御コマンド(第2制御信号)が前記DSP300へ送信され(S355)、その後、前記送信設定された報知装置制御コマンド(第2制御信号)、すなわち前記演出制御基板210からの受信データがクリアされ(S356)、この音声制御外部INT割り込み処理(S350)が終了する。
サブ制御2msタイマ割り込み処理(S400)では、図25に示すように、ランプデータ出力処理(S401)、入力処理(S402)が行われる。ランプデータ出力処理(S401)では、10msタイマ割り込み処理で作成したランプ点灯パターンデータを出力する処理が行われる。また、入力処理(S402)では、例えば前記遊技ボタン67のエッジデータ及びレベルデータの作成が行われる。
サブ制御10msタイマ割り込み処理(S500)では、図26に示すように、DSP状態監視処理(S501)、スイッチ状態取得処理(S502)、ループシナリオ設定処理(S503)、コマンド監視処理(S504)、ランプ処理(S505)、Sw処理(S506)、演出制御基板へのコマンド送信処理(S507)が行われる。
DSP状態監視処理(S501)では、図27に示すように、まず、DSP初期化フラグがONか否か判断される(S501−1)。DSP初期化フラグは前記DSP300に対してリセット信号(初期化実行信号)が送信されたか否かを表すフラグであり、前記初期化フラグがONの場合にリセット信号(初期化実行信号)が送信されていることを表し、OFFの場合にリセット信号(初期化実行信号)が送信されていないことを表す。前記S501−1でDSP初期化フラグがONと判断されると、続いて前記DSP300の初期化が完了したか確認される(S501−2)。DSPの初期化完了確認は、初期化完了信号がDSPからサブ制御基板205に入力した場合に初期化完了と判断され、入力していない場合に初期化未完了(初期化中)と判断される。S501−2でDSP300が初期化未完了と判断されると、このDSP状態監視処理(S501)が終了する。一方、前記DSP300の初期化が完了していると判断されると、DSP送信許可フラグがONにされ(S501−3)、その後、前記演出制御基板210に対する許可コマンド(第2制御信号出力許可信号)がセットされる(S501−4)。ここで、前記許可コマンドは、前記演出制御基板210のCPUが報知装置制御コマンド(第2制御信号)をサブ制御基板205のCPUへ送信するのを許可するコマンドであり、本発明における第2制御信号出力許可信号に相当する。続いてDSP初期化フラグOFFにされ(S501−5)、その後にこのDSP状態監視処理(S501)が終了する。
また、S501−1でDSP初期化フラグがONではないと判断されると、前記DSPから初期化要求信号が有る(入力している)か判断される(S501−6)。初期化要求信号が無い(入力していない)場合、このDSP状態監視処理(S501)が終了する。一方、前記DSPから初期化要求信号が有る場合、DSP送信許可フラグがOFFにされ(S501−7)、その後に演出制御基板210に対する禁止コマンドがセットされ(S501−8)、次に前記DSP300に対してリセット信号(初期化実行信号)が出力され(S501−9)、その後にDSP初期化フラグがONにされ(S501−10)、このDSP状態監視処理(S501)が終了する。前記禁止コマンドは、前記演出制御基板210のCPUが報知装置制御コマンド(第2制御信号)をサブ制御基板205のCPUへ送信するのを禁止させるコマンドであり、本発明の第2制御信号出力禁止信号に相当する。
なお、前記DSP300が動作中の場合にはクロック信号を前記DSP300からサブ制御基板205のCPUに対して出力し、前記DSP300の動作が停止した異常の場合にクロック信号を停止するように構成し、前記サブ制御基板205のCPUが当該クロック信号の入力状態からDSP300の状態を把握できる構成としてもよい。さらに、前記DSP300の受信バッファや送信バッファがオーバーフローした場合にサブ制御基板300のCPUに対して出力される信号を設けて該信号を初期化要求信号としてもよい。また、本実施例では、前記DSP300自身の異常及び前記演出制御基板210のCPUが初期化された場合に初期化要求信号を兼用したが、別個に信号を設けても良い。
スイッチ状態取得処理(S502)では、前記サブ制御2msタイマ割り込み処理(S400)で作成したスイッチデータをサブ制御10msタイマ割り込み処理(S500)用のスイッチデータとして格納する処理が行われる。
ループシナリオ設定処理(S503)では、客待ち演出などの一定間隔で行う演出の設定が行われる。
コマンド監視処理(S504)では、図28に示すように、前記主制御基板200から受信したコマンドが(受信コマンド)が大当たりに関するコマンド(大当たり遊技開始コマンド、大当たりラウンドコマンド、大当たり終了コマンド等)であるか否か判断される(S504−1)。大当たりに関するコマンドであると判断されると、続いて大当たり終了コマンドであるか判断され(S504−2)、大当たり終了コマンドの場合には大当たり終了に関する設定が行われ(S504−3)、このコマンド監視処理(S504)が終了する。それに対して、大当たり終了コマンドではない場合、大当たりに関するその他の設定が行われ(S504−4)、このコマンド監視処理(S504)が終了する。
S504−1で大当たりに関するコマンドではないと判断されると、次に変動に関するコマンド(大当たり図柄コマンド、変動態様コマンド等)か確認される(S504−5)。変動に関するコマンドの場合、後述の装飾図柄選択処理(S504−6)が行われた後、変動に関するその他の設定(演出制御基板210により行われる変動態様に基づく装飾図柄の変動表示用コマンドのセット等)が行われ(S504−7)、このコマンド監視処理(S504)が終了する。一方、S504−5で変動に関するコマンドではないと判断されると、その他の設定(客待ち待機画面の表示用コマンドのセット等)が行われ(S504−8)、このコマンド監視処理(S504)が終了する。
ランプ処理(S505)では、出力するランプデータの作成及び演出時間の管理が行われる。
Sw処理(S506)では、スイッチの有効期間の管理及び動作の設定が行われる。なお、ここでの処理は、スイッチ状態取得処理(S502)で格納したデータを基に処理が行われる。
演出制御基板へのコマンド送信処理(S507)では、前記種々のステップでセットされたコマンドを演出制御基板205へ送信する処理が行われる。
前記コマンド監視処理(S504)における前記装飾図柄選択処理(S504−6)について説明する。
前記装飾図柄選択処理(S504−6)では、前記表示装置10で停止表示される装飾図柄の組み合わせが選択される。前記装飾図柄選択処理(S504−6)では、図29に示すように、まず大当たりか否か判断される(S504−6−1)。大当たりの場合には通常大当たり(特別図柄の組み合わせが通常大当たりの組み合わせ)か確変大当たり(特別図柄の組み合わせが確変大当たりの組み合わせ)か判断される(S504−6−2)。通常大当たりの場合には、通常大当たり装飾図柄決定乱数用カウンタの値を取得し、取得した通常大当たり装飾図柄決定乱数用カウンタの値を左、中、右装飾図柄とする偶数図柄のぞろ目が、前記表示装置10の停止表示図柄としてセットされ(S504−6−3)、この装飾図柄選択処理(S504−6)が終了する。S504−6−2で通常大当たりではない、すなわち確変大当たりと判断されると、前記確変大当たり装飾図柄決定乱数用カウンタの値(乱数値)を取得し、取得した確変大当たり装飾図柄決定乱数用カウンタの値を左、中、右装飾図柄とする奇数図柄のぞろ目が、前記表示装置10の停止表示図柄としてセットされ(S504−6−4)、この装飾図柄選択処理(S504−6)が終了する。
一方、S504−6−1で大当たりではない、すなわち外れと判断されると、次にリーチか否か判断される(S504−6−5)。リーチの場合には、前記外れ装飾図柄決定乱数用カウンタの値(乱数値)を取得し、取得した外れ装飾図柄決定乱数用カウンタの値が左装飾図柄と右装飾図柄にセットされ(S504−6−6)、前記左装飾図柄に1加算したもの(加算後の値が10となる場合には0)が中装飾図柄としてセットされ(S504−6−7)、この装飾図柄選択処理(S504−6)が終了する。また、S504−6−5でリーチではないと判断された場合、前記外れ装飾図柄決定乱数用カウンタの値(乱数値)を取得し、取得した外れ装飾図柄決定乱数用カウンタの値が左装飾図柄、中装飾図柄、右装飾図柄にセットされ(S504−6−8)、次に、前記セットされた左装飾図柄と中装飾図柄と右装飾図柄の組み合わせがぞろ目か否か判断される(S504−6−9)。ぞろ目の場合、右装飾図柄に1加算したものが右装飾図柄としてセットされ(S504−6−10)、この装飾図柄選択処理(S504−6)が終了する。それに対して、S504−6−9でぞろ目ではないと判断された場合、そのままこの装飾図柄選択処理(S504−6)が終了する。
前記DSP300が行う処理について説明する。図30にDSPメイン処理Kのフローチャートを示す。DSPメイン処理Kでは、まず前記サブ制御基板205からリセット信号(初期化実行信号)が入力されているか判断され(S601)、リセット信号(初期化実行信号)が入力している場合は前記DSP300が初期化される(S607)。
一方。S601でリセット信号(初期化実行信号)が入力していないと判断されると、前記DSP300のステータスが正常か判断される(S602)。正常でない(すなわち異常)の場合、初期化要求信号が前記サブ制御基板205に対して出力され(S603)、その後、前記サブ制御基板205から受信したコマンドすなわち受信した報知装置制御コマンド(第2制御信号)が初期化通知コマンド(初期化通知信号)か否か、すなわち初期化通知コマンド(初期化通知信号)か音声コマンド(報知制御信号)か判断される(S604)。このS604の処理は本発明における判断手段に相当する。一方、S602で前記DSP300のステータスが正常と判断されると、前記初期化要求信号の出力(S603)を行うことなく、前記受信コマンドすなわち受信した報知装置制御コマンド(第2制御信号)が初期化通知コマンドか否かの判断(S604)が行われる。S604で受信コマンドすなわち受信した報知装置制御コマンド(第2制御信号)が初期化通知コマンド(初期化通知信号)であると判断されると、初期化要求信号が前記サブ制御基板205に対して出力される(S605)。それに対して、S604で受信コマンドすなわち受信した報知装置制御コマンド(第2制御信号)が初期化通知コマンド(初期化通知信号)ではないと判断される、すなわち音声コマンド(報知制御信号)であると判断されると前記スピーカ(報知装置)38に対して音声出力処理(報知制御)が行われる(S606)。
なお、前記演出制御基板210からサブ制御基板205へ送信される音声制御コマンド(報知制御信号)は、ヘッダーの2ブロック目が1ブロック目を反転させた構成となっており、初期化通知コマンド(初期化通知信号)のみ1ブロック目と2ブロック目が同じ構成となっているため、前記DSP300はコマンドのヘッダー部を判定することにより、受信したコマンドが初期化通知コマンド(初期化通知信号)か否かを判断している。したがって、サブ制御基板205のCPUでは行われない前記第2制御信号(前記演出制御基板210から出力された信号)に対する判断をDSP300が行う構成となっている。
前記S605、S606、S607の処理を終了した後、再びS601に戻り、前記の処理が繰り返される。前記DSPメイン処理Kが行われている間にDSP外部INT割り込み処理(S610)が実行される。
DSP外部INT割り込み処理(S610)は、前記サブ制御基板205からDSP300がコマンドを受信した場合に行われるコマンド受信割り込み処理である。DSP外部INT割り込み処理(S610)では、図31に示すように、ストローブ(STB)信号がONか確認され(S611)、ストローブ信号がON、すなわち外部INT入力部にストローブ信号が入力されると、前記サブ制御基板205から出力されたコマンド(制御信号)の受信およびRAMへの格納が行われる(S612)。
前記演出制御基板210が行う演出表示制御処理について説明する。図32に前記演出制御基板210が行う演出表示メイン処理Rのフローチャートを示す。演出表示メイン処理Rでは、まず、CPU初期化処理(S701)が行われる。CPUの初期化処理(S701)では、スタックの設定、CPUの設定、SIO、CTC、割り込み設定等が行われる。次に、電源断信号がONでRAMの内容が正常か判断される(S702)。電源断信号が入力した際にRAMの内容が正常ではない場合、RAMの初期化が行われ(S703)、その後にDSP300へ初期化通知コマンド(初期化通知信号)が送信され(S704)、その後ループ処理が行われる。一方、RAMの内容が正常である場合、RAMの初期化を行うことなくDSP300へ初期化通知コマンド(初期化通知信号)が送信され(S704)、その後ループ処理が行われる。このループ処理が行なわれている間に、前記サブ制御基板205からのコマンド(制御信号)受信時に演出制御外部INT割り込み処理(S710)が行われ、また、33ms毎に33msタイマ割り込み処理(S730)行われる。
演出制御外部INT割り込み処理(S710)では、図33に示すように、ストローブ(STB)信号がONか確認され(S711)、ストローブ信号がON、すなわち外部INT入力部にストローブ信号が入力されると、前記サブ制御基板205から出力されたコマンド(第1制御信号)の受信およびRAMへの格納が行われる(S712)。それに対し、ストローブ信号がONになっていなければ、その時点でこの外部INT割り込み処理(S710)が終了する。
33msタイマ割り込み処理(S730)では、図34に示すように、まずコマンド監視処理(S731)が行われる。コマンド監視処理(S731)では、図35に示すように、まず、前記サブ制御基板205から受信したコマンド(第1制御信号)が演出に関するコマンド、禁止コマンド、許可コマンドの何れか判断される(S731−2〜S731−4)。演出に関するコマンドの場合には前記表示装置10等に対する演出データがセットされ(S731−5)、禁止コマンドの場合には禁止フラグがONにされ(S731−6)、許可コマンドの場合には禁止フラグがOFFにされ(S431−7)、その後にこのコマンド監視処理(S731)が終了する。一方、前記サブ制御基板205から受信したコマンド(第1制御信号)が演出に関するコマンド、禁止コマンド、許可コマンドの何れでもない場合、禁止フラグがONか判断され(S731−8)、禁止フラグがONではない場合、音声制御コマンド(本発明の報知制御信号)がセットされ、他方、禁止フラグがONの場合にはコマンド送信バッファがクリアされ(S731−10)、その後にこのコマンド監視処理(S731)が終了する。
前記コマンド監視処理(S731)の次に、図34に示すように、前記表示装置10等での演出に関する演出処理が行われ(S732)、次に前記演出制御基板210のCPUが初期化されたか判断される(S733)。前記演出制御基板210のCPUが初期化されていれば、前記サブ制御基板205を介してDSP300へ送信される初期化通知コマンド(初期化通知信号)がセットされ(S734)、その後に禁止フラグがONか否か判断される(S735)。一方、S733で演出制御基板210のCPUが初期化されていないと判断されると、前記初期化通知コマンドのセット処理(S734)を行うことなく、次に禁止フラグがONか否か判断される(S735)。S735で禁止フラグがONと判断されると、サブ制御基板に対するコマンドは出力されず、この33msタイマ割り込み処理(S730)が終了する。一方、S735で禁止フラグがONではないと判断されると、前記サブ制御基板205への報知装置制御コマンド送信処理が行われ(S736)、その後にこの33msタイマ割り込み処理(S730)が終了する。
ここで本実施例の遊技機における前記演出制御基板210のCPU初期化に伴う処理について、前記フロ−チャートで示した内容を簡略に示す。
本実施例では、前記演出制御基板210のCPU(第2のCPU)が初期化されると、前記演出制御基板210が前記サブ制御基板205に対して初期化通知コマンド(初期化通知信号)を送信する。
前記サブ制御基板205は、受信した前記初期化通知コマンド(初期化通知信号)をDSP300へ送信する。
前記DSP300は、前記初期化通知コマンド(初期化通知信号)を受信すると、初期化要求信号を前記サブ制御基板205へ出力する。
前記サブ制御基板205は、前記初期化要求信号を受信すると、前記演出制御基板から受信している報知装置制御コマンド(第2制御信号)をDSP300へ出力するのを停止し、その後、禁止コマンド(第2制御信号出力禁止信号)を演出制御基板210へ送信する。前記禁止コマンドは、前記演出制御基板210のCPUが報知装置制御コマンド(第2制御信号)をサブ制御基板205のCPUへ送信するのを禁止させるコマンドであり、本発明の第2制御信号出力禁止信号に相当する。
前記演出制御基板210は禁止コマンド(第2制御信号出力禁止信号)を受信すると、報知装置制御コマンド(第2制御信号)の出力を禁止(停止)する。
次に、前記サブ制御基板205は、前記DSP300へリセット信号(初期化実行信号)を出力する。
前記DSP300は、リセット信号(初期化実行信号)を受信するとDSP300の初期化を行う。
前記サブ制御基板205は、前記DSP300の初期化が完了したかを判断し、初期化が完了した場合には、前記サブ制御基板205からDSP300への報知装置制御コマンド(第2制御信号)の送信停止を解除して送信を可能にすると共に、前記演出制御基板210に対して許可コマンド(第2制御信号出力許可信号)を送信する。前記許可コマンドは、前記演出制御基板210のCPUが報知装置制御コマンド(第2制御信号)をサブ制御基板205のCPUへ送信するのを許可するコマンドであり、本発明における第2制御信号出力許可信号に相当する。
前記演出制御基板210は、前記許可コマンド(第2制御信号出力許可信号)を受信すると、前記サブ制御基板205への報知装置制御コマンド(第2制御信号)の送信停止を解除して送信を可能にする。
本実施例はこのように構成したため、演出制御基板(第2の制御基板)210のCPU(第2のCPU)がDSP(信号処理装置)300を直接初期化できない場合でも、前記演出制御基板(第2の制御基板)210のCPU(第2のCPU)の初期化に合わせてDSP(信号処理装置)300を初期化可能となるので、前記演出制御基板(第2の制御基板)210のCPU(第2のCPU)の初期化タイミングによってDSP(信号処理装置)300への報知装置制御コマンド(第2制御信号)が途中で途切れた場合にその後の制御信号が正常に受信できずDSP(信号処理装置)300による報知制御ができなくなるという不具合が生じるのを防止することができる。
したがって自身で初期化不可能な信号処理装置を所望の制御基板のCPUにより初期化できない基板の接続構成であっても、信号処理装置を所望のタイミングで初期化させることができる。
さらには、基板の接続構成の自由度が増して演出制御基板210のCPUの選択の幅が広がり、より安価なCPUを採用したことで演出制御基板210のCPUのポートにDSP300を接続するための空きがない場合でも、機種間で比較的構成に変更のない制御基板にDSPを搭載することが可能となり、コストを抑えることができる。
なお、本実施例では、サブ制御基板を第1の制御基板、演出制御基板を第2の制御基板としたが、異なる基板同士であれば適用可能であり、主制御基板を第1の制御基板、サブ制御基板を第2の制御基板としてもよい。その場合、主制御基板のCPUは第1のCPU、サブ制御基板のCPUは第2のCPUとなる。また、さらに第3の制御基板、第4の制御基板・・・と増設した場合にもそれら基板同士で適用可能である。本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、さらにはパチンコ遊技機に限定されるものでもなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
また、尚、本実施例では報知装置としてスピーカが相当し、スピーカからの音声出力を制御するため信号処理装置としてDSPが相当するが、音声に限られず画像や電飾を制御するための信号処理装置としてDSPを採用してもよい。
さらに、演出制御基板が初期化したことをDSPに認識させる手法として、本実施例では初期化通知信号を用いているが、コマンドラインとは異なる信号ラインを通じて演出制御基板の初期化をDSPに認識させる構成としてもよい。その場合、初期化通知信号のみサブ制御基板のCPUを介さずにDSPに入力する構成としてもよい。