JP4937174B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、調理室の少なくとも一面が無機材料製の耐熱性板により形成された構成の加熱調理器に関する。
従来、調理室内に収容された被調理物を、加熱手段としてマイクロ波やヒータ等によって加熱調理する加熱調理器においては、調理時に発生する油煙や被調理物の滓(食品滓)が調理室の内壁面に付着し、これらが焦げ付いてしまうことがあった。このように食品滓が付着し、こびりついた場合には、衛生的に問題があり、しかもその食品滓から臭いが発生する場合もあり、被調理物への臭い移り等の問題も生じていた。また、マイクロ波によって調理するものの場合、調理室の壁面が汚れてくると、マイクロ波の反射率が低下し、被調理物(食品)を加熱する効率までも低下するおそれがあった。さらに、調理室の壁面に食品滓が大量に付着している場合には、ここでマイクロ波が吸収されることがあり、また加熱によって炭化した場合には、ここから発火するおそれもあり、安全上でも問題があった。このため、調理室内を清掃する必要がある。
一方、このようなことに対処する手段として、例えば調理室の内壁面にフッ素樹脂を含む皮膜を形成し、汚れを付き難くすることが考えられる。このような手段では、調理室内壁面の表面に汚れが付着しても、フッ素樹脂の非粘着性によって汚れが剥がれ易くなる。しかしながら、フッ素樹脂を含む皮膜は、耐熱温度が低く、一般に270℃以上になる調理室の内壁面では、皮膜が溶融したり、劣化・分解したりして、使用することができない。
別の手段として、皮膜内にマンガンを主体とした酸化物触媒を入れ、付着した油等を酸化分解する方法が考えられる。この方法は、掃除する手間は省けるが、触媒の活性を保つために皮膜表面が多孔質になっており、凹凸が多いために、大量に付着した汚れはかえってこびりつき易くなるという欠点があった。また、この皮膜は、一般に金属に対しては密着するが、セラミック板やガラス板には適応できないとう欠点があった。
また、別の手段として、調理室内に水蒸気を供給することが可能な水蒸気供給手段を備え、調理室内を適度な温度に加熱した状態で、前記水蒸気供給手段により調理室内に水蒸気を供給して調理室の内壁面に結露を生じさせるようにすることで、調理室の内壁面に付着した汚れに水分を含ませて、汚れを拭き取りやすくすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−84126号公報
しかしながら、上記した特許文献1に記載された手段を採用しても、清掃性が今ひとつよくないものであった。特に調理室の壁面の一面を、マイクロ波を透過させることが可能なセラミック板で構成した場合、そのセラミック板表面の微細なクラックに汚れが浸透し、さらに汚れが取れ難くなりやすいという課題がある。
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、調理室の少なくとも一面を、無機材料製の耐熱性板により構成するものにおいて、その耐熱性板の表面の清掃性を向上させることができる加熱調理器を提供することにある。
上記した目的を達成するため、本発明の加熱調理器は、少なくとも一面が無機材料製の耐熱性板により形成され、内部に被調理物が収容される調理室と、前記調理室内に収容された前記被調理物を加熱する加熱手段とを備え、前記耐熱性板にあって前記調理室内に臨む面に、珪素酸化物とジルコニウム酸化物を含有する皮膜を設け、前記耐熱性板にあって接着剤を付ける部分には、前記皮膜を設けていないことを特徴とする。
耐熱性板にあって調理室内に臨む面に前記皮膜を設けることで、耐熱性板表面に微細なクラックなどの孔があってもその孔が塞がり、表面が滑らかとなる。そして、前記皮膜は親水性に優れているため、皮膜の表面に汚れが付着しても、その汚れ部分に水分を与えることで、水分が、汚れと前記皮膜との間に浸入しやすくなり、汚れが取れ易くなる。このため、耐熱性板の表面の清掃性を向上させることが可能になる。
また、前記皮膜はガラス質で非常に硬度が高く、酸化ジルコニウムなどを含んでいることから剥離し難くなり、たわしなどで擦っても問題はなく、さらに汚れ落しを容易にできる。さらに、前記皮膜は耐熱性も高く、270℃以上の調理温度にも全く問題なく使うことができ、皮膜の剥離や有害ガスの発生等の問題もない。また、皮膜は、酸化ジルコニウムなどを含んでいることから、遠赤外線放射率が高く、食品を加熱調理する上でも効率よく行なうことが可能となる。
以下、本発明を加熱調理器としてオーブンレンジに適用した一実施例について図面を参照して説明する。
まず、図1はオーブンレンジの縦断側面図を示している。この図1において、オーブンレンジの本体は、前面が開口した外箱1の内部に、同じく前面が開口した金属板製の内箱2を配設して構成されている。内箱2の内部は調理室3とされ、この調理室3の前面開口部は、上下方向に回動する扉4によって開閉されるようになっている。
内箱2の底部には凹部5が形成されていて、この凹部5に矩形状をなす底板6が配置されている。底板6の取付構造については後述する。この底板6は、調理室3の底面を構成している。この底板6は、無機材料例えばセラミック製で、本発明の耐熱性板を構成している。調理室3内の後部には、内箱2の後壁2aの前面側に位置させて、スペーサ7aを介して後部板7が配置されている。調理室3の後部は、後部板7と内箱2の後壁2aとの二重構造となっている。後部板7も、底板6と同様に無機材料例えばセラミック製で、本発明の耐熱性板を構成している。この場合、調理室3は、左右側面と天井面が内箱2の左右側壁及び天井壁により構成され、底面が底板6により構成され、後面が後部板7と内箱2の後壁2aとの二重構造により構成されている。
本体内の後部には、外箱1と内箱2の間に位置させて機械室8が形成されている。この機械室8には、マグネトロン(加熱手段)9の他、図示はしないがマグネトロン9の電源装置、マグネトロン9や電源装置を冷却する冷却ファンなどが配設されている。マグネトロン9はマイクロ波を発生するもので、その発生したマイクロ波は、内箱2の下方に配設された導波管12を通し、前記底板6を通して調理室3内に供給されるようになっている。調理室3内に供給されたマイクロ波が、調理室3内に収容された被調理物(図示せず)に供給されることでその被調理物が加熱される。マグネトロン9は、調理室3内に収容された被調理物を加熱する加熱手段として機能する。
底板6の下面には、面状の電気ヒータからなる下ヒータ(加熱手段)15が配設されている。内箱2の天井部の上面には、面状の電気ヒータからなる上ヒータ(加熱手段)16が配設されている。下ヒータ15及び上ヒータ16も、調理室3内に収容された被調理物(図示せず)を加熱する加熱手段として機能する。
内箱2の背面には熱風供給装置18(加熱手段)のケーシング19が設けられており、このケーシング19内に、ファンモータ20によって回転駆動される熱風用ファン21、及び電気ヒータからなる熱風用ヒータ22が配設されている。ケーシング19の外側には遮熱カバー19aが装着されている。内箱2の後壁2aには、図2にも示すように、熱風用ファン21の中央部に対応する部位に位置させて多数の小孔からなる吸込口23が形成されていると共に、吸込口23の周りに位置させて多数の小孔からなる吹出口24が形成されている。後壁2aの前部に位置する前記後部板7には、吸込口23及び吹出口24に対応する部位に開口部25が形成されている。
上記熱風供給装置18において、ファンモータ20によって熱風用ファン21が回転されると、調理室3内の空気が吸込口23からケーシング19内に吸引され、そして熱風用ヒータ22により加熱されて熱風となり、その熱風が周囲の吹出口24から調理室3内に吐出される。このような熱風の循環によって、調理室3内に収容された被調理物(図示せず)が加熱調理される。この熱風供給装置18も、調理室3内に収容された被調理物を加熱する加熱手段として機能する。内箱2の左右両側壁の内面には、棚を載置するための棚受け部26が上下2段に設けられている。
また、本体内における内箱2の外側には、図3に示すように、水蒸気供給手段を構成する水蒸気供給装置27が設けられている。この水蒸気供給装置27は、内箱2の左側壁に設けられた水蒸気発生容器28と、この水蒸気発生容器28に設けられた水蒸気用ヒータ29と、内箱2の下方に設けられた貯水部30と、水蒸気発生容器28と貯水部30とを連通する給水路31と、この給水路31の途中に設けられたポンプ32と、内箱2の左側壁に設けられた水蒸気供給口33aを有するカバー部材33とを備えている。この水蒸気供給装置27は、水蒸気発生容器28を水蒸気用ヒータ29により加熱すると共に、貯水部30内の水をポンプ32により給水路31を通して水蒸気発生容器28内に供給することにより、水蒸気発生容器28内にて水蒸気を発生させ、この発生した水蒸気を水蒸気供給口33aから調理室3内に供給する機能を備えている。
ここで、上記底板6において、調理室3内に臨む面である上面には、珪素酸化物と、ジルコニウム酸化物と、アルカリ土類金属化合物と、水を含有する皮膜35を設けている。この皮膜35は、親水性に優れている。この皮膜35は、底板6に例えば次のようにして設ける。まず、珪素酸化物と、ジルコニウム酸化物と、アルカリ土類金属化合物と、水と、水以外の溶媒としてアルコールを適量ずつ混合して、皮膜形成用の塗料を作製する。そして、この塗料を、底板6の片面のみに、例えばスプレーを用いて塗布する。この後、その底板6に熱風を吹き付けて乾燥させることによって皮膜35を形成する。塗料は、ローラーコートで塗布するようにしてもよい。
皮膜35を設けた底板6は、図4に示すように、内箱2の底部における凹部5の開口部周縁部に、耐熱性のシリコーンなどの接着剤36によって接着固定する。底板6は、凹部5の周縁部に形成された段部5aにて支持される。このとき、底板6の周囲の端面6aに接着剤36を付着させるので、その端面6aには、皮膜35を設けないようにしておく(図5(a)参照)。このようにすることで、接着剤36の接着強度が低下することを防止できる。ちなみに、図5(b)に示すように、底板6の周囲の端面6aにも皮膜35を設けた場合、皮膜35に親水性があるために、調理時に発生する水分や清掃時の水分が、接着剤36と皮膜35との間に入り込みやすくなり、接着剤36による接着強度が低下して底板6が剥がれ易くなってしまうおそれがある。この点、本実施例の構成とすることで、そのような不具合を防止できる。
また、このように底板6を接着剤36にて接着固定する場合には、皮膜形成用の塗料に、加熱乾燥時に分解して飛んでしまうような着色可能な色素を入れておけば、塗料を底板6に塗布した際に塗布した場所が容易にわかるので、塗料が万一必要な場所以外に付着しても容易にわかるようにすることができる。この色素には、例えばメチレンブルーやエオシン等の水溶性の色素が好ましい。
また、前記後部板7において、調理室3内に臨む面である前面にも、前記底板6と同様な皮膜35を設けている。そして、この後部板7も、詳細には示されていないが、内箱2の後壁2aの前面に接着剤により接着固定する。この場合も、後部板7において接着剤を付着させる部分には、皮膜35は設けないようにしておく。なお、内箱2の後壁2aの前面にも、全面にわたって、底板6と同様な皮膜35を設けている。
前記扉4の下部前面には、図示はしないが操作パネルが設けられている。この操作パネルには、複数の操作部41及び表示部42(いずれも図6参照)が設けられている。
図6は、本発明のオーブンレンジにおける電気的構成を概略的に示すブロック図である。この図6において、制御装置43はマイクロコンピュータで構成されており、オーブンレンジの作動全般を制御する制御手段として機能するものである。制御装置43には、操作部41、庫内温度センサ44、赤外線センサ45、水蒸気用温度センサ46、扉スイッチ47などからの信号が入力する。このうち、庫内温度センサ44は、例えばサーミスタからなり、調理室3内の温度を検出する。赤外線センサ45は、調理室3内に収容された被調理物の温度を検出する。水蒸気用温度センサ46は、例えばサーミスタからなり、水蒸気発生容器28の温度を検出する。扉スイッチ47は、扉4の開閉を検出する。
そして、制御装置43は、これらの入力信号と、予め備えた制御プログラムに基づいて、表示部42、報知器48、マグネトロン9、上ヒータ16、下ヒータ15、ファンモータ20、熱風用ヒータ22、ポンプ32、水蒸気用ヒータ29、庫内灯49、換気ファン50等を制御する機能を有している。このうち、報知器48は報知用のブザーであり、庫内灯49は調理室3内を照明するものであり、換気ファン50は調理室3内を換気するものである。
次に、上記構成の作用を説明する。
調理を行う場合には、一般的には、被調理物を調理室3内に収容して底板6の上に置き、または棚受け部26に掛けた棚の上に置いて、扉4を閉じ、操作パネル40の操作部41を選択操作して調理を開始させる。すると、制御装置43は、マグネトロン9、または上ヒータ16や下ヒータ15、若しくは熱風供給装置18の熱風用ヒータ22及びファンモータ20、或いは水蒸気供給装置27のポンプ31及び水蒸気用ヒータ29を作動させて、被調理物を加熱調理する。
そして、このような加熱調理を繰り返すうちに、調理室3の壁面が被調理物から出た油や食品滓等で汚れ、清掃すべき段階に達したときに、使用者は、調理室3に被調理物を収容しない状態で、操作パネルの操作部41を操作して、「清掃モード」を実行させる。
図7は、制御装置43の「清掃モード」における実行内容を示している。まず、庫内灯49を点灯させて調理室3内を照明する(ステップS1)。次いで、調理室3内の温度を庫内温度センサ44により検出し(調理室3内の温度は赤外線センサ45により検出することもできる)、その検出温度が60℃以下であるか否かを判断する(ステップS2)。オーブン調理直後のように調理室3内の温度が高く、庫内温度センサ44の検出温度が60℃を超えるような場合には、後述するように調理室3内に水蒸気を供給しても調理室3内の壁面に結露が生じない。このため、庫内温度センサ44の検出温度が60℃を超えるような場合には、60℃以下になるまで待機する。
庫内温度センサ44の検出温度が60℃以下の場合(YES)にはステップS3に移行し、庫内温度センサ44の検出温度が40℃以上であるか否かを判断する。ここで、庫内温度センサ44の検出温度が40℃未満である場合(NO)には、上ヒータ16及び下ヒータ15を通電して調理室3内が40℃以上になるまで加熱する(ステップS3,S4)。汚れに水分を与えて汚れを取れ易くするためには、調理室3内の温度がある程度高い方が好ましく、例えば50℃くらいが好ましい。調理室3内が40℃以上であると判断したら(YES)、ステップS5へ移行し、上ヒータ16及び下ヒータ15を断電する。この後、水蒸気供給装置27の水蒸気用ヒータ29を通電し、水蒸気発生容器28を加熱する(ステップS6)。そして、水蒸気用温度センサ46により水蒸気発生容器28の温度を検出しながら、水蒸気用温度センサ46の検出温度が180℃に達するまで水蒸気発生容器28を加熱する(ステップS6,S7)。
水蒸気用温度センサ46の検出温度が180℃に達したら(YES)、ステップS8へ移行してポンプ31をオンし、貯水部30の水を水蒸気発生容器28に供給する。これにより、水蒸気発生容器28内において水蒸気が発生し、その水蒸気が水蒸気供給口33aから調理室3内に供給される。調理室3内に供給された水蒸気は調理室3内の壁面において結露し、その水分が汚れに浸透し、汚れをふやかすようになる。
この水蒸気の供給動作を所定時間(30分から1時間程度)行なう(ステップS8、S9)。所定時間が経過すれば、上記水蒸気用ヒータ29及びポンプ31の作動を停止させると共に、報知器48を所定時間作動させて、調理室3内の清掃(拭き取り)が可能になったことを報知する(ステップS10、S11)。
この後、扉スイッチ47による扉4の開閉の検知結果から、扉4が開放されたか否かの判断をし(ステップS12)、開放された(YES)と判断されれば、その後、例えば1分以上等の所定時間が経過したか否かの判断をし(ステップS13)、その所定時間が経過した(YES)と判断されたところで、扉4が閉鎖されたか否かの判断をする(ステップS14)。通常は、扉4が開放されてから閉鎖されるまでの間に、調理室3の壁面に付着した汚れを拭き取る清掃が行われる。
ここで、調理室3の一部を構成する底板6及び後部板7のようなセラミック製の板は、一般的に表面にケイ酸塩からなるガラス質の膜が形成されている。しかしながら、このままでは、加熱こびりつきが、表面の微細なクラックに入り込み取れ難くなっている。この点、本実施例のように、それらセラミック製の底板6及び後部板7にあって調理室3内に臨む面に、珪素酸化物とジルコニウム酸化物を含む皮膜35を設けたことにより、表面のクラックなどの孔が塞がり滑らかとなると共に、表面の親水性が増す。このため、図8に示すように、皮膜35部分に汚れ55が付着しても、水蒸気などによって水分56を供給することで、皮膜35の親水性の効果により、汚れ55と皮膜35との間に水分56が入り込み((b)参照)、汚れ55を浮かすようになり、その汚れ55を容易に除去できるようになる。
図7に戻って、ステップS14で、扉4が閉鎖された(YES)と判断されれば、換気ファン50を所定時間作動させて調理室3に外気を取り込み、その分、調理室3の空気を外部に排出させる吸・排気を行う(ステップS15)。これにより、調理室3内の水分を排出する。
また、ステップS12で、扉4が開放されていない(NO)と判断されれば、ステップS11の終了報知を例えば5回等の所定回数行ったか否かの判断をし(ステップS16)、所定回数行っていない(NO)と判断されれば、例えば2分等の所定時間が経過したか否かの判断をし(ステップS17)、所定時間がエラー! リンクが正しくありません。た(YES)と判断されたところで、ステップS11に戻って終了報知を再度行う。そして、ステップS16で、終了報知を所定回数行った(YES)と判断されれば、ステップS15に進んで、換気ファン50を作動させることによる調理室3の吸・排気を行う。
上記した実施例によれば次のような作用効果を得ることができる。
調理室3の一部を構成するセラミック製の底板6及び後部板7にあって調理室3内に臨む面に、珪素酸化物とジルコニウム酸化物を含む皮膜35を設けたことにより、表面のクラックなどの孔が塞がり滑らかとなると共に、表面の親水性が増す。このため、皮膜35部分に汚れ55が付着しても、水蒸気などによって水分56を供給することで、皮膜35の親水性の効果により、汚れ55と皮膜35との間に水分56が入り込み、汚れ55を浮かすようになり、その汚れ55を容易に除去できるようになる。これにより、それら底板6及び後部板7の清掃性、ひいては調理室3内の清掃性を向上させることが可能になる。
前記皮膜35はガラス質で非常に硬度が高く、酸化ジルコニウムなどを含んでいることから剥離し難く、たわしなどで擦っても問題はなく、さらに汚れ落しを容易にしている。前記皮膜35は耐熱性も高く、270℃以上の調理温度にも全く問題なく使うことができ、皮膜35の剥離や有害ガスの発生等の問題もない。
また、前記皮膜35は、酸化ジルコニウムなどを含んでいることから、皮膜35を設けた本実施例の底板6(後部板7)は、図9に示すように、皮膜35を設けていない通常のセラミック板の場合に比べて遠赤外線放射率が高く、遠赤外線効果により食品の加熱調理を効率よく行なうことが可能となる。図9において、縦軸の輻射率は、黒体を100%としている。
前記皮膜35は、アルカリ土類金属化合物と水を含有している。このような構成とすることで、皮膜35中に生成される微細な分子径レベルの孔も塞がるようになる。これにより、皮膜35の表面が一層滑らかになり、付着した汚れが皮膜35の内部まで浸透することを防止できる。しかも、水との親和力がさらに増すため、付着した汚れが一層剥がれ易くなる。また、基材であるセラミックスの表面のガラス層との親和力も高まるため、皮膜35の密着性も向上し、長期間にわたって清掃性の向上の維持が可能となる。
ここで、清掃性の効果について図10を参照して説明する。本発明の清掃性の効果を確認するために、次のような試験を行った。オーブンレンジで付着する可能性のある各種調味料、食品などを、前記皮膜35を設けたセラミック板(本実施例)の表面と、皮膜35を設けない一般的なセラミック板(比較例)の表面に塗布し、300℃で60分間加熱してこびりつかせた後、オーブン庫内でスチーム動作(20分間)により水分を供給し、その後湿った布で拭き取る方法で、付着物の除去程度を観察した。その結果が図10に示されている。この結果を見ると、明らかに本実施例の場合には、比較例に比べて清掃性が向上していることがわかる。
底板6及び後部板7において接着剤36を付ける分部には、前記皮膜35を設けないようにしたので、前述したように、接着剤36による接着強度の低下を防止することができる。また、皮膜形成用の塗料に、加熱乾燥時に分解して飛んでしまうような着色可能な色素を入れておくことで、塗料を底板6に塗布した際に塗布した場所が容易にわかるので、塗料が万一必要な場所以外に付着しても容易にわかるようにすることができる。
調理室3内に水蒸気を供給することが可能な水蒸気供給装置27を備えているので、清掃モードの際に、その水蒸気供給装置27により調理室3内に水蒸気を供給することで、汚れを取れ易くでき、清掃性を向上できる。
清掃モードの際に、水蒸気供給装置27を、調理室3内の温度(ひいては底板6及び後部板7の温度)が所定温度である60℃以下のときに稼動させるようにしているので、調理室3の内面に結露が生じやすくでき、汚れを取れ易くできる。
さらに、内箱2の後壁2aの前面にも全面にわたって前記皮膜35を設けるようにしているので、皮膜35の遠赤外線放射効果により、調理室3内の温度の均一化を図ることが可能となる。また、内箱2の後壁2aの前面にあって、後部板7の開口部25から調理室3内に露出した部分の清掃性も向上できる。
本発明は、上記した実施例にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
底板6及び後部板7は、耐熱性板としてセラミック製の板を例示したが、耐熱性のガラス板を用いるようにしても良い。
清掃時に調理室3の内面に水分を与える手段としては、水蒸気供給装置27による水蒸気に限らず、ミストを供給するようにしてもよい。
本発明の一実施例を示すオーブンレンジの縦断側面図 調理室を前方から見た図 水蒸気供給装置部分を示す部分縦断正面図 底板の取り付け方を示す分解斜視図 (a)は本実施例における底板の取付状態を示す縦断面図、(b)は比較例を示す(a)相当図 電気的構成を示すブロック図 清掃モードにおける制御内容を示すフローチャート (a)は底板の皮膜の表面に付着した汚れに水分が与えられた状態を示す断面図、(b)は(a)の一部の拡大断面図 遠赤外線放射効率を比較する特性図 清掃性の試験結果を示す図
符号の説明
図面中、2は内箱、3は調理室、4は扉、6は底板(耐熱性板)、7は後部板(耐熱性板)、9はマグネトロン(加熱手段)、15は下ヒータ(加熱手段)、16は上ヒータ(加熱手段)、18は熱風供給装置(加熱手段)、27は水蒸気供給装置(水蒸気供給手段)、35は皮膜、36は接着剤を示す。

Claims (5)

  1. 少なくとも一面が無機材料製の耐熱性板により形成され、内部に被調理物が収容される調理室と、
    前記調理室内に収容された前記被調理物を加熱する加熱手段とを備え、
    前記耐熱性板にあって前記調理室内に臨む面に、珪素酸化物とジルコニウム酸化物を含有する皮膜を設け、前記耐熱性板にあって接着剤を付ける部分には、前記皮膜を設けていないことを特徴とする加熱調理器。
  2. 前記皮膜は、アルカリ土類金属化合物と水を含有していることを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  3. 前記皮膜を形成する塗料は、加熱によって分解して無色になる色素によって着色してあることを特徴とする請求項1または2記載の加熱調理器。
  4. 前記調理室内に水蒸気を供給することが可能な水蒸気供給手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の加熱調理器。
  5. 前記水蒸気供給手段を、前記耐熱性板の温度が所定温度以下のときに稼動させることを特徴とする請求項4記載の加熱調理器。
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