JP4936453B2 - 鉄イオン及び砒素を含有するイオンを含むpH4未満の水処理用吸着剤及び前記水の浄化方法 - Google Patents

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本発明は、鉄イオン及び砒素を含有するイオンを含むpH4未満の水から砒素を含有するイオンを選択的に除去する粒状吸着剤及び該水を浄化する方法に関する。
より詳しくは、休廃止鉱山内で湧水する坑内水あるいは硫黄鉱山に染み込んだ雨水が地下水となって流れ込む水量の少ない支流等の河川水には、酸性で鉄イオンと共に微量の砒素を含有するイオンを含むpH4未満の酸性水があり、本発明はかかる酸性水中から、砒素を含有するイオンを選択的に分離するのに好適な粒状吸着剤及び該排水又は河川水を浄化する方法に関する。
休廃止鉱山内で湧水し流出する坑内水、硫黄鉱山に染み込んだ雨水が地下水となって流れ込む水量の少ない支流の河川、温泉の噴出水又はその利用後の排水が流入する、水量の少ない支流の河川では、水のpHが4未満にまで酸性化していることがある。
このような強酸性水は、生物や植物に対し有害であり、橋あるいはダム等の土木構造物を構成する鉄骨あるいはコンクリートを腐食させ早期劣化を引き起こす等、環境破壊の一要因となっている。
例えば、宮崎県の旧富高鉱山内で湧水する廃坑流出水には数種類があるが、その中には、pH2.5〜2.9と酸性が強く、鉄濃度が約100〜200mg/lのものがあり、更に砒素を濃度0.1〜0.6mg/l程度含有するものがある。
また、群馬県草津温泉の源泉の1つである万代鉱源泉では、pH1.4〜1.8、鉄濃度約2〜10mg/l、砒素濃度1.4〜11.5mg/l程度と砒素濃度が比較的高く、このような酸性水は、前記したとおり有害であり、環境破壊の一要因となっている。
しかしながら、このような発生源からの酸性水の河川への流入を直接防止することは極めて困難であり、今日では、旧廃止鉱山においては、廃坑流出水に鉄バクテリア存在下曝気により、鉄を以下の反応で酸化し、
Fe2+→Fe3+
その酸化後炭酸カルシウムによる中和沈澱処理が行われている。
また、酸性河川水においては、河川の近傍に中和処理プラントを建設し、当該プラント内で石灰粉等のアルカリ剤と水とをミルク状にした液状物を添加して中和し、水の中性化と含有する鉄イオンを水酸化物として沈澱除去させる方法にて浄化を行っている。
前記のとおりではあるもの、いずれの場合も、そこで発生した鉄を含有する水酸化物は、浚渫、脱水されて鉱山内の処分場又は河川流域周辺の処分場に埋め立てられるのが一般的である。
このような炭酸カルシウムあるいは石灰粉等を水にてミルク状にしたものを用いる従来の中和処理法では、当該坑内水及び酸性河川水中に含まれる砒素を含有するイオンも鉄イオンと同時に水酸化物として沈澱してしまうため、浚渫、脱水後処分場に運び込まれる中和生成物中には鉄及びカルシウム等と同伴して砒素も相当濃度で含まれることとなる。
この砒素は、堆積場のpH等の環境変化、特に酸性側への変化によって再溶出する可能性があり、堆積場周辺の河川へと流出し二次汚染を引起すという問題があった。
また、当該水のようにpH4未満の強酸性下、同時に鉄イオンを含んだ水中の砒素を良好に分離できる除去材は皆無であった。
特開2005−270933号公報
そこで、本発明者は、この問題を解決すべく鋭意研究開発に努め、その過程において水酸化第2鉄が、強酸性の水中に鉄イオンと共に含有される砒素を含有するイオンを良好に分離できることを見出し、その結果開発に成功したのが本発明である。
本発明者は、水酸化第2鉄を用いた陰イオン用吸着材の研究開発(特許文献1)を勧めており、その過程において水酸化第2鉄が強酸性下において、砒素を含有するイオンを選択的に吸着できることを見出した。
すなわち、中性領域、具体的にpH4以上10以下の中性領域でないと砒素を含有するイオンは吸着剤では効率的に分離除去できないとされていたが、その開発過程において、強酸性下で水酸化第2鉄が砒素を含有するイオンを選択的に吸着できることを見出した。
したがって、本発明はこの知見を基に開発に成功したものであり、それは、休廃止鉱山内で湧水し流出する坑内水、硫黄鉱山に染み込んだ雨水が地下水となって流れ込む水量の少ない支流の河川、温泉の噴出水又はその利用後の排水が流入する、水量の少ない河川では、流入した強酸性の鉄イオンと共に含有される砒素を含有するイオン(以下、「砒素含有イオン」という)を良好に分離することができる粒状の吸着剤、及び該強酸性の水を浄化する方法を提供することを発明の解決すべき課題、すなわち目的とするものである。
本発明は前記課題を達成するための粒状吸着剤及び強酸性の水の浄化方法であり、その粒状吸着剤は、砒素含有イオンを選択的に分離する、水酸化第2鉄を、親水性でかつ強酸性領域で溶解しない高分子物質で結合した、鉄イオン及び砒素含有イオンを含むpH4未満の水処理用であることを特徴とするものである。
また、pH4未満の水の浄化方法は、親水性で、かつ強酸性領域で溶解しない高分子物質で結合した水酸化第2鉄吸着剤を、鉄イオン及び砒素を含有するイオンを含むpH4未満の水と接触させて砒素含有イオンを選択的に分離すること特徴とするものである。
そして、本発明の吸着剤及び強酸性の水の浄化方法は以下のことが好ましい。
(1)砒素含有イオン分離後の水を酸化処理すると共にアルカリ剤を用いて中和することにより鉄イオンを水酸化物として固液分離すること
(2)pH4未満の強酸性の水はpHが1.0以上であること
(3)高分子物質がカルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、リグニンスルホン酸塩類、ポリビニルアルコール(PVA)、スチレンーアクリル共重合物であること
(4)水酸化第2鉄吸着剤が塔内に充填され、pH4未満の強酸性の水は、その塔内を一方向に通過処理されるものであること
本発明の吸着剤及び水の浄化方法は、以下のとおりの卓越した作用効果を奏することができる。
(1)pH4未満の強酸性下の水中の鉄と共存する砒素を選択的に吸着分離することができる。
(2)本発明の水酸化第2鉄からなる粒状吸着剤を用いる吸着分離により、砒素は環境基準の0.01ppm未満に低減することができる。
(3)pH2.5前後の強酸性下の水を処理しても吸着剤の鉄は殆ど溶解することはない。
(4)pH1.5程度になると吸着剤の鉄が溶解するが、元来砒素と共に水中に含有される鉄を中和処理により水酸化鉄として分離する際に溶解した鉄も同時に分離することができるので、吸着剤の溶解は特段支障ない。
(5)中和処理によって生じる沈殿物の水酸化第2鉄の埋め立て処分時に砒素溶出の危険性が回避できる。
以下において、本発明について発明を実施するための最良の形態を含む実施の形態に関し詳述するが、本発明は、この実施の形態によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲によって特定されるものであることはいうまでもない。
本発明者は、前記したとおり水酸化第2鉄を用いた陰イオン用吸着材の研究開発(特許文献1)を勧めており、その過程において水酸化第2鉄が強酸性下において、砒素含有イオンを選択的に吸着できることを見出し、この知見に基づいて開発に成功したのが本発明である。
なお、特許文献1は、本出願人が出願人になっている特許出願の公開公報であり、そこに開示の内容に関しては本出願人は熟知している。
その吸着剤は、水酸化第2鉄を吸着成分とし、各種金属を含むイオン及び非金属イオンを吸着することができる旨記載されているが、そのイオンはあくまでも陰イオンであるから、金属の場合には金属酸陰イオンであり、陽イオンではない。
さらに、そこには砒素(III)を吸着するがごとき記載もあるが、その砒素とはあくまでもヒ酸イオンであり、陽イオンの砒素イオンではない。
特許文献1のこれら技術では、中性領域において砒素含有イオンを吸着分離するものであるが、酸性領域において砒素化合物が溶解されている場合に、砒素イオンで存在するのか亜ヒ酸イオン等のイオンで存在するのか明らかでない中において、本発明者は、この砒素含有イオンが強い酸性下の水で、本発明の水酸化第2鉄からなる粒状吸着剤により吸着分離することができることを見出したものである。
前記のとおりであり、本発明で用いる「砒素を含むイオン」あるいは「砒素含有イオン」とは前記したとおりの意味、すなわち砒素化合物が強い酸性水に溶解した際に存在するイオンであり、それは亜ヒ酸イオン等の砒素の酸イオンあるいは砒素イオン等の陽イオンのいずれかまでは解析できていない。
なお、その後の研究過程において、特許文献1に記載の吸着剤にも強い酸性の被処理水に含有される砒素含有イオンに対して吸着能があることは判明しているが、その吸着能は、単位容量当たりでは本発明の吸着剤の方が優れていることが判っている。
本発明のpH4未満の強酸性の水を対象とする浄化方法において使用する吸着剤は、すなわち本発明の吸着剤は、水酸化第2鉄粉を、適切なバインダーを用いて粒状化させたものである。
その水酸化第2鉄粉としては、第2鉄イオン溶液にアルカリ剤好ましくは水酸化ナトリウムを加えてpH4〜8に中和することによって得られる沈澱生成物を60〜100℃で乾燥させて得られた微結晶質の水酸化第2鉄粉が好ましい。
この製造の際に使用する第2鉄イオン溶液は、特段制限されることなく各種のものが使用でき、それには市販の塩化第二鉄液、硫酸第二鉄液、硝酸第二鉄液又はポリ硫酸第二鉄液が例示できる。
さらに、2価の鉄イオン、例えば塩化第一鉄、硫酸第一鉄又は硝酸第一鉄も酸化することにより使用でき、その場合には、これを過酸化水素等の適宜の酸化剤によって酸化して第二鉄溶液とした後使用すればよい。
得られた水酸化第2鉄微粉を粒状化させる際に使用する結合剤、すなわちバインダーとしては、親水性で強い酸性域では溶解しないものであればよい。
天然物としては澱粉、アラビアゴム等、半合成品としてはカルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、リグニンスルホン酸塩類等、合成品としてはポリビニルアルコール(PVA)、スチレンーアクリル共重合物等が挙げられる。
その粒状の形状については、吸着剤をカラム(塔)内に充填し、その塔内に被処理水を通過させることにより、被処理水から砒素含有イオンを吸着分離するのが水処理上効率的であることから、塔内に充填でき、その塔内に被処理水を通過させる際の圧力損失が低い形状のものが好ましい。
前記のとおりのものであれば形状は特段制約されることはなく、それには球形、立方体、柱状体、中が空洞となった柱状体等種々の形体が例示でき、その径は直径0.5〜10mm程度が好ましく、短径、長径がある場合には、それぞれ1〜5mm、2〜10mm程度であるのが好ましい。
本発明における浄化処理対象となる被処理水については、砒素含有イオン及び鉄イオンを含有し、pHが4以下の酸性水であれば特に制限されることなく適用可能である
それには、休廃止鉱山内で湧水し流出する坑内水、硫黄鉱山に染み込んだ雨水が地下水となって流れ込む水量の少ない支流の河川、温泉の噴出水又はその利用後の排水が流入する、水量の少ない河川等で、その水のpHが4以下で、鉄イオンと砒素含有イオンを同時に含むものを例示できる。
その被処理水のpHについては、2.0〜3.5の場合については、吸着剤の溶解も無く、酸性でも砒素が吸着できることから好ましいが、pH1.5以下でも、吸着剤は溶解するものの砒素が吸着することができるので、支障無く使用できる。
さらに、pHは1以下であっても吸着剤の溶解が一層増加するものの、溶解した吸着剤の成分である鉄は、次の中和工程で被処理水中に含有されていた鉄イオンを回収する際に合わせて回収できるので、そのための処理工程を別途付設する必要はない。
なお、前記のとおりではあるが、吸着剤の鉄の溶解量が増大すると、中和剤の使用量、回収した水酸化鉄量が増加する点は難点である。
また、その際の砒素含有イオンの含有量は、環境基準である0.01ppmを上回る濃度ということになり、その濃度は0.01〜100ppm以下がよく、好ましくは0.1〜10ppmがよい。
鉄イオンについては、含有していればよく、その濃度に関しては特段制限されることはないが、本発明の趣旨からして、1.0〜3,000ppm程度がよく、好ましくは10〜500ppmがよい。
さらに、それ以外にも非金属イオンが同時に含有されていてもよく、例えばSO4イオン、Clイオン、その他のイオンを含有する場合についてもその濃度が特段限定されることはない。
なお、これら陰イオンが同時に存在しても砒素含有イオンは阻害されることなく、選択的に分離できる。
本発明における吸着材と被処理水との接触方法は、特段制限されることなく、各種固液接触方法が採用することができ、固定床順流接触、固定床逆流接触、固定床シャワーリングあるいは流動床接触等の固液接触方法が例示できる。
また、例えば攪拌機付の槽内で該水と該吸着材を同時に攪拌接触させるバッチ処理でも良いが、該吸着材を充填させた塔(カラム)に該水を適切な流速で流入させ接触する方法が、連続的な処理が可能で設備も簡易なものとなるので好ましい。
この処理方法により、該水中に含まれる砒素含有イオン濃度は環境基準以下の0.01ppm以下とすることができる。
本発明の吸着剤に吸着された砒素含有イオンの脱着方法については、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム等を用いて処理することにより、簡単に砒素のイオンを溶離させることができ、溶離後の吸着剤は再度吸着に利用することができる。
その結果、溶離された砒素は回収することができ、砒素の拡散による被害を抑えることができる。
本発明では、砒素分離後の被処理水中には砒素と共存した鉄イオンが残留するが、その量は多くの場合大量であり、これを酸化処理すると共にアルカリ剤を用いて中和することにより水酸化物として固液分離することができ、これにより被処理水中に含有されている、砒素含有イオンに加えて鉄イオンも分離・除去することができる。
その酸化処理は、被処理水中に含有される鉄イオンの一部が2価イオンであることから、これを酸化して鉄イオンを全て3価の鉄イオンとするためであり、この酸化により、その後添加するアルカリ剤との反応により沈殿し易い3価の第2鉄水酸化物とするためである。 この酸化には、各種酸化剤が特段制限されことなく使用でき、それには過酸化水素、次亜塩素酸ソーダあるいは塩素酸ソーダ等が例示できる。
また、その酸化はばっき処理でもよい。
なお、その酸化剤が被処理水中に添加された際に、強いアルカリ性能を呈するものの場合には、アルカリ剤の混合の省略あるいは混合量の低減することができる場合もあり、それには次亜塩素酸ソーダ、亜塩素酸ソーダあるいは塩素酸ソーダ等が例示できる。
また、その際に使用するアルカリ剤としては、各種アルカリ剤を特に制限されるなく使用できるが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩が例示できる。
なお、中和後のpHは6〜8程度にするのがよい。
それらアルカリ剤は、固体のまま被処理水中に添加し、混合してもよいが、水溶液にして添加するのが、反応性の点でよく、その際の濃度は10〜30%程度がよい。
さらに、その固液分離には各種固液分離手段が特段制限されことなく使用でき、それには真空脱水機、遠心脱水機あるいはフィルタープレス等が例示できる。
[吸着材の製造方法]
4wt%の塩化第2鉄溶液に50w%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH7に中和し、水酸化第2鉄として沈殿した沈殿物を5B濾紙で濾別した。
この水酸化第2鉄沈殿物には中和の際に発生した塩化ナトリウムが含まれるため、水で洗浄し、乾燥機で60℃、48時間乾燥させ、乾燥後に水酸化第2鉄を数mmから数十mmの固形物として得た。
この固形の水酸化第2鉄を振動ミルで数十μmに粉砕し、粉末状にした。
水酸化鉄粉末を造粒するために乾燥重量として7%のスチレン−アクリル共重合体バインダーを水酸化鉄粉末と混合し、押出造粒器を用いて直径2mmに造粒した。
これをパンペレタイザーにて成形し水酸化鉄ペレットを得、これを乾燥機で60℃、24時間乾燥させたものを吸着剤として用いた。
[吸着剤を用いた被処理水中の砒素吸着試験]
試薬の3酸化2砒素(As23、1級、関東化学製)及び試薬の硫酸鉄(II)7水和物(FeSO4)・7H2O、特級、関東化学製)を水に溶解して、砒素濃度20mg/l、鉄(Fe2+)濃度1,900mg/lを含有し、硫酸にてpH1.5、2.5及び3.5にそれぞれ調製した各模擬水60mlに対して、前記製造方法で製造した吸着粉及び本発明の吸着ペレットを各0.2gずつ添加し、振とう機にて72時間振とうし、その後各試験水を孔径0.2ミクロンのメンブランフィルターでろ過し、ろ液中の砒素及び鉄濃度を測定した。
また、比較例として市販の水酸化セリウム系の吸着材(日本板硝子製「アドセラ」)についても本発明の場合と同様に砒素及び鉄濃度を測定した
それらの結果を表1に示す。
その表1によれば、本発明の吸着ペレットは、酸性水のpHが3.5で、砒素除去率が96.0%であり、更にpHが2.5で、砒素除去率90.9%であり、いずれも90%以上の高い除去率で砒素を分離除去でき、かつこれらのpHでは「吸着後のFe濃度」が吸着前の模擬水中の鉄濃度と同様であることから、ペレットから鉄が溶解しておらず吸着ペレットが破壊されておらずバインダーによりしっかり固定されていることがわかる。
さらに、先のpHより一段と酸性が強いpH1.5でも砒素の除去率は約70%であり、支障無く砒素が除去できることがわかる。
なお、この場合には、「吸着後のFe濃度」からして鉄が相当量溶解していることがわかるが、その溶解した鉄は、砒素の吸着分離後に行われる酸化、中和処理により、元来酸性水中に存在した鉄イオンを水酸化第2鉄として固液分離する際に分離除去できるので、支障ない。
また、表1の「アドセラ」はセリウムを担体に担持させた吸着剤であり、表1はそれを本発明の吸着ペレットと同容量を用いて吸着試験を行った結果を示すものであり、その場合には、本発明の吸着ペレットの場合に比し遥かに低いことがわかる。なお、この場合には、吸着剤のセリウムがいずれのpHの場合にも溶出していることが判明している。
さらに、表1の「吸着材1)」は、引用文献1の吸着材を本発明の吸着ペレットと同容量を用いて吸着試験を行った結果を示すものであり、その場合には、本発明の吸着ペレットの場合に比し極端に低い、特に「アドセラ」を用いた場合により更に遥かに低いをことを示す。
Figure 0004936453
[砒素吸着処理後の中和試験]
模擬廃水として、前記と同様の各試薬及び硫酸を用いて、pH3.5、鉄濃度100mg/L、砒素濃度1.0mg/Lの水を調製し、1方は、当該廃水5Lに対して吸着ペレットを20g添加後72時間攪拌した後0.2ミクロンのメンブランフィルターでろ過した。そのろ液中のFe2+を酸化するため5%NaClOを10ml添加した。その後炭酸カルシウム粉末0.3g添加、攪拌してpH7に中和した。
その結果、水酸化鉄の沈澱が生じたので、これを0.2ミクロンのメンブランフィルターでろ過し、沈殿物を得た。
これを乾燥機中70℃で一昼夜乾燥後組成分析を行い、その結果を表2に示す。
なお、比較例として、当該模擬廃水5Lを0.2ミクロンのメンブランフィルターで濾過し、濾過後5%NaClOを10ml添加しFe2+を酸化した。
その後炭酸カルシウム0.8gを添加、攪拌してpH7に中和し、中和後、これを0.2ミクロンのメンブランフィルターでろ過し、沈殿物を得た。
これも先と同様に乾燥後組成分析い、その結果も表2に示す。
Figure 0004936453
本発明処理方法の好ましい態様を図示する。 従来における処理方法を図示する。

Claims (2)

  1. 珪酸質系繊維材料からなる担体が含有されておらず、水酸化第2鉄をスチレン−アクリル共重合物で結合して粒子化した、鉄イオン砒素を含有するイオンを含むpH2.0〜3.5酸性を処理して砒素を含有するイオンを選択的に分離すると共に、前記酸性水中で溶解することなく形状が維持できることを特徴とする粒状吸着剤。
  2. 請求項1における粒状吸着剤塔内に充填、鉄イオン砒素を含有するイオンを含むpH2.0〜3.5酸性、その塔内を一方向に通過処理し、前記酸性水から砒素を含有するイオンを選択的に分離することを特徴とする水の浄化方法。
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