JP4420634B2 - 砒素と鉄を含有する酸性坑廃水の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有害物質として少なくとも砒素を含有する含鉄酸性坑廃水の処理方法であって、特に脱鉄と脱砒素とを別工程で行う砒素と鉄を含有する酸性坑廃水の処理方法に関する。更に、砒素以外の重金属、例えば銅、鉛、亜鉛、マンガン、カドミウム、アンチモン、ウラニウム等や、リン酸、セレン酸、フッ素等を含有する含鉄酸性坑廃水にも適用可能である。
操業中、休止中、探査中又は廃止された鉱山等の各種鉱山から排出される坑廃水は、一般に鉄分と硫酸類を含有する酸性廃水であり、その他砒素等の有害金属を含むことが多い。そして、有害金属の除去だけでなく、酸性物質についてはそれを除去するか、中和すること、鉄等の金属分についてはその濃度が高い場合は、濃度を減らすことが望まれている。
かかる坑廃水の有害物質の除去方法として、消石灰の粉末又はスラリーを添加する方法が広く行われている。この方法は、薬剤コストが安価であって、有害物質の処理能力には優れているが、廃水中に多量の硫酸イオンと鉄イオンが含有される場合は、鉄イオンがpHの上昇に伴い水酸化第二鉄のコロイドとして析出する他、消石灰と硫酸イオンが反応して難溶性の石膏が生成し、中和材として使用した消石灰の未反応物と共に高含水で難脱水性のスライム状になって沈殿する。このスライムは、有害物質を含んだスラリーであるため、その処理のため高価なシックナー等の固液分離設備、沈殿池、人手のかかるフィルタープレス等のスライムの脱水減容化設備、最終処分用としてスライム堆積用のダム建設が必要となり、処理費用の増加と自然環境に対する影響が問題となっている。また、反応生成物の安定性が悪く、経時変化や酸性化により、水酸化鉄に吸着された砒素等の重金属類が再溶出する危険性があった。
高含水・難脱水性のスライム発生を改善するために、発生スライムの脱水性が高く石膏等の難溶性の反応生成物を生じない酸化マグネシウム粉末を中和材として使用することも検討されているが、薬剤のコストが高い欠点がある。また、低コスト化と発生スライムの脱水性能向上のため、中和材として炭酸カルシウム粉末や石灰石粒を使用することも試みられているが、表面に発生する石膏によりその表面が覆われて中和反応が阻害され、中和材の利用効率が低下する問題があった。また、炭酸カルシウム系の中和材はpHの上昇効果が小さく、直接廃水中の二価の鉄イオンを酸化して水酸化第二鉄として沈殿除去させることが不可能なため、事前に曝気処理や、鉄酸化細菌等によって二価の鉄イオンを三価に酸化しておく事前処理が必要となる。
特公昭47−44717号公報 特公昭47−38981号公報 特許第2718221号公報 W002-079100号公報 特開2003−112163号公報 地球惑星科学関連学会2001年合同大会予稿集(2001.6.8)「シュベルトマナイトの表面活性サイトのキャラクタリゼーションと表面錯体モデルの適用」 地質学雑誌、第107巻第10号(2001年10月),p659-665「生物鉱物化作用によりバイオフィルムに形成したschwertmannite」
特許文献1には鉄バクテリアによる酸性排水中の二価鉄塩の酸化処理法が開示されており、特許文献2には鉄酸化バクテリアを含有させた鉄酸化物による坑内水中鉄イオンの連続酸化方法が開示されているが、いずれも鉄分の除去を目的とし、砒素の除去については触れられていない。
特許文献3は、砒素含有硫酸系排水の処理方法として、排水を炭酸カルシウムで一次中和した後、消石灰で二次中和し、次いで処理水中の砒素を酸化する酸化剤を添加した後、消石灰で三次中和処理する方法を開示しているが、この方法では砒素を含む有害な廃棄物が多量に生成するという問題がある。
特許文献4は、ロックウール等の鉱物繊維と、高炉セメント等の無機バインダーとの粒状固化物を用いる酸性廃水処理材を開示しているが、砒素の除去については触れられていない。
ところで、ある種の酸化鉄化合物が砒素含有イオンを吸着することが知られている。例えば、特許文献5には、砒素又は重金属を含む汚染土壌に、化学的に合成されたシュベルトマナイト、ゲータイト、ジャロサイト、フエリハイドライトのいずれかの鉄化合物を添加し、砒素又は重金属を収着させ、不動態化させることにより、汚染土壌を浄化する方法が開示されている。
シュベルトマナイトが砒素、リン、セレン等のオキシ酸を吸着除去することが知られている。ここで、シュベルトマナイト(Schwertmannite)は、Fe8O8(OH)8-2X(SO4)Xという組成をもった物質である。なお、吸着除去とはいわゆる吸着の他に、シュベルトマナイトとの金属又はイオン交換によりこれらの有害金属又はイオンが除去されることをいう。
そして、非特許文献1には、シュベルトマナイトの表面活性サイトのキャラクタリゼーションと表面錯体モデルの適用と題して、窒素雰囲気のグローブボックス内で、NaOH溶液によるシュベルトマナイトの断続的滴定を行った結果が示されている。
また、非特許文献2には、鉱山酸性排水中に鉄酸化細菌や硫黄酸化細菌が存在すると、水面に油が浮いたような皮膜状に浮かぶ物質(バイオフィルム)が生成されており、schwertmanniteと同定されたことが開示されている。
本発明は、砒素等の有害物質を含有する含鉄酸性坑廃水を、効率的に且つ容易に処理でき、反応生成物の安定性が良好で、経時変化や酸性化によって有害物質が再溶出することが無く、しかも多大な後処理が不要となる処理方法を提供することにある。また、他の目的は、上記従来技術の場合には、有害物質である砒素等を含有する坑廃水を処理した後の廃棄物に、砒素等が少なからず混在するため、これらの廃棄物は全て管理型廃棄物として処理する必要があり、廃棄物処理場(捨て場)の逼迫という緊急に解決すべき課題に対応することにある。本発明の別の目的は、高含水で難脱水性のスライム状になって沈殿せず、高価なシックナー等の固液分離設備、沈殿池、人手のかかるフィルタープレス等のスライムの脱水減容化設備、最終処分用としてのスライム堆積用のダム建設等が不要となる坑廃水の処理方法を提供することにある。更に、他の目的は、シュベルトマナイト等の鉄化合物は砒素等を吸着除去するのに有効であることは知られていたが、これを坑廃水処理に実用化できる技術を提供することにある。
すなわち、本発明は、有害物質として少なくとも砒素を含有する含鉄酸性坑廃水の処理方法であって、3価砒素含有イオンを5価砒素含有イオンに酸化する砒素酸化工程、珪酸質系繊維材料に担持された砒素含有イオン吸着能を有する鉄化合物からなる吸着材によって5価砒素含有イオンを吸着する脱砒素工程、鉄酸化細菌の存在下に2価鉄イオンを3価鉄イオンに酸化する鉄酸化工程、珪酸塩系繊維状無機物質表面に3価鉄イオンを鉄化合物として析出させる脱鉄工程、及びpH調整工程を備えていることを特徴とする含鉄酸性坑廃水の処理方法である。
3価砒素含有イオンとしては、0又は−1価の亜砒酸系イオン(錯体イオンの形態もあり)が、5価砒素含有イオンとしては、0、−1又は−2価の砒酸系イオン(錯体イオンの形態もあり)が挙げられる。また、脱砒素工程で使用される鉄化合物としては、フェリハイドライト、シュベルトマナイト、赤金鉱、針鉄鉱、鱗鉄鉱、フェロキシファイト(FeO(OH))、赤鉄鉱、磁鉄鉱、磁赤鉄鉱、アモルファス含水酸化鉄、ヒンシゲライト(Fe2Si2O5(OH)4・2H2O)、フォフマナイト(Fe2(SO4)2(OH)2・7H2O)、ソーダ鉄明礬石及び鉄明礬石から選ばれる少なくとも一種の酸化鉄系化合物、水酸化鉄系化合物、水和物系鉄化合物などが例示される。好ましくは、水不溶性又は難溶性の酸化鉄系化合物、水酸化鉄系化合物又は水和物系鉄化合物である。そして、この鉄化合物が、酸との反応性を有する珪酸塩系繊維状無機物質と含鉄酸性坑廃水に由来し、少なくとも一部が含鉄酸性水と反応して珪酸分が増加した珪酸質系繊維材料に担持された鉄化合物であること、又は、珪酸質系繊維材料に鞘状に囲んで担持されていることは好ましい。更に、脱鉄工程で析出する鉄化合物であることが好ましい。
珪酸塩系繊維状無機物質としては、珪酸塩系無機繊維又は該無機繊維と珪酸塩系無機粉粒体との混合物が挙げられる。珪酸塩系無機繊維としては、ロックウール、スラグウールが好ましく挙げられる。珪酸塩系無機粉粒体としては、セメントクリンカー、製鉄スラグ、非鉄スラグ、フライアッシュ又はコンクリート破砕物が好ましく挙げられる。pH調整工程で使用する中和材としては、消石灰、生石灰、炭酸カルシウム、石灰石、ドロマイト、酸化マグネシウム、苛性ソーダ又はコンクリート破砕物が好ましく挙げられる。珪酸塩系繊維状無機物質としては、空隙率50%以上、嵩比重0.1〜1.5であることが好ましい。砒素酸化工程を、3価鉄イオンによる酸化還元反応及び曝気処理による酸化反応のいずれか一以上によって行うこと、又は、吸着材の存在下に行うことも有利である。
また、本発明は、有害物質として少なくとも砒素を含有する含鉄酸性坑廃水の処理方法であって、1)3価砒素含有イオンを5価砒素含有イオンに酸化する砒素酸化工程、2)珪酸塩系繊維材料に担持された砒素含有イオン吸着能を有する鉄化合物からなる吸着材によって5価砒素含有イオンを吸着する脱砒素工程、3)鉄酸化細菌によって2価鉄イオンを3価鉄イオンに酸化する鉄酸化工程、4)珪酸塩系繊維状無機物質表面に3価鉄イオンを鉄化合物として析出させる脱鉄工程、及び5)pH調整工程を備えること、6)脱砒素工程における吸着材として脱鉄工程又は鉄酸化・脱鉄工程から得られ、珪酸塩系繊維状無機物質から珪酸分が増加して生じる珪酸系繊維材料に鉄化合物が担持された材料を使用すること、及び7)pH調整工程前の廃水のpHを4.5以下に保持することを特徴とする含鉄酸性坑廃水の処理方法である。ここで、砒素酸化工程と脱砒素工程の一部又は全部は、a)砒素酸化・脱砒素工程であることができ、鉄酸化工程と脱鉄工程の一部又は全部は、b)鉄酸化・脱鉄工程であることができる。また、6)の吸着材として使用する材料に存在する酸化鉄化合物はシュベルトマナイトを含むものであることが好ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で処理する廃水は、少なくとも砒素と鉄を含有する酸性坑廃水である。坑廃水には鉱山廃水の他、坑道から流出する温泉、地下水、油井水等が含まれる。坑廃水中に含まれる砒素は基準量(通常は、環境基準等の許容濃度)以上の濃度で含まれる。
この酸性坑廃水は、1)砒素酸化工程、2)脱砒素工程、3)鉄酸化工程、4)脱鉄工程及びpH調整工程を有する処理操作に付される。しかし、場合によっては、イ)砒素酸化工程を省略すること、ロ)砒素酸化工程と脱砒素工程の一部又は全部を砒素酸化を行いつつ脱砒素を行うa)砒素酸化・脱砒素工程とすること、又はハ)鉄酸化工程と脱鉄工程一部又は全部を鉄酸化を行いつつ脱鉄を行うb)鉄酸化・脱鉄工程とすることが可能である。
砒素酸化工程においては、種々の反応によって3価砒素含有イオンを5価砒素含有イオンに酸化する。3価砒素含有イオンとしては0、−1価の亜砒酸系イオンが、5価砒素含有イオンとしては0、−1、−2価の砒酸系イオンが代表的であるが、この工程で酸化される砒素含有イオンとしては、0価のコロイド状金属砒素やその他の砒素含有イオンであってもよい。この砒素酸化工程においては、砒素含有イオンを次の脱砒素工程で除去しやすい形にするためのものであるので、大部分を砒酸系錯体イオンとすることが好ましい。また、酸性坑廃水に含有される砒素の形態が、はじめから5価砒素含有イオンの形である場合には、直接脱砒素工程で吸着できるため、本工程が不要となる場合がある。
更に、脱砒素工程でも酸化を進行させることが可能であので、砒素酸化工程では、3価砒素含有イオンの50%以上、好ましくは90%以上を5価砒素含有イオンに酸化することがよい。
3価砒素含有イオンを酸化するためには、酸化還元電位の上昇、溶存酸素の上昇、酸化剤の添加等が挙げられるが、曝気処理による溶存酸素の上昇と3価の鉄イオンによる酸化作用とを併用するのが好ましい。含鉄酸性坑廃水の原水中に含まれる3価の鉄イオンが不足する場合には、鉄酸化工程の途中又は出口より処理水の一部を抜き出して循環させてもよい。更に好ましくは、脱砒素工程で使用する鉄化合物から溶出する3価の鉄イオンと溶存酸素による酸化作用を活用する方法である。この場合は、砒素酸化工程においては、3価砒素含有イオンの一部が曝気処理等により、溶存酸素が増加して5価砒素含有イオンに酸化され、残りは脱砒素工程で酸化鉄化合物を含む吸着材を充填した容器中を通過させる際、溶出する3価の鉄イオンにより酸化されることになる。この場合の砒素酸化工程は脱砒素工程と明確に区別する必要はなく、砒素酸化・脱砒素工程であることができる。砒素酸化・脱砒素工程での脱砒素工程終了時の3価砒素含有イオンの5価砒素含有イオンへの酸化率が上記以上、好ましくは90%以上、より好ましくは99%以上であることがよい。
砒素酸化工程での酸化方法としては、格別の制限はないが、3価の鉄イオンによる酸化還元反応、空気酸化(曝気処理)又は坑廃水中の溶存酸素を利用した酸化反応によって行うことができる。ここで、3価の鉄イオンは、後記の鉄酸化工程で得られる3価の鉄イオンを一部戻すことによって供給することや、3価の鉄化合物を存在させて供給することができる。空気酸化又は溶存酸素を利用した酸化反応と3価の鉄イオンによる酸化還元反応を併用すれば、還元されて生じた2価の鉄イオンの酸化も同時に起こり、酸化効率が向上する。
脱砒素工程は、廃水中に含まれる5価砒素含有イオンを、鉄化合物を含む吸着材により吸着除去する工程である。また、鉛、カドミウム、アンチモン、ウラニウム等の重金属類や、リン酸、セレン酸、フッ素等が廃水中に含まれている場合には、砒素と同時に吸着除去することも可能である。
脱砒素工程で使用する吸着材は、砒素含有イオン吸着能を有する鉄化合物を珪酸質系繊維材料に担持したものである。砒素含有イオン吸着能を有する酸化鉄化合物は、特許文献5や非特許文献1〜2等で公知である。適当な砒素含有イオンを吸着除去する性能を有する酸化鉄化合物として、酸化鉄化合物、含水鉄化合物又は含水酸化鉄化合物がある。好ましい鉄化合物としては、FeOn(OH)mYp・xH2Oで表される化合物がある。ここで、Yは好ましくはSO4であり、n、m、p及びxは0であってもよいが、n+m+pは1以上である。また、Feは2又は3価である。
脱砒素工程で使用する鉄化合物の具体例としては、フェリハイドライト、シュベルトマナイト、赤金鉱、針鉄鉱、鱗鉄鉱、フェロキシファイト、赤鉄鉱、磁鉄鉱、磁赤鉄鉱、アモルファス含水酸化鉄、ヒンシゲライト、フォフマナイト、ソーダ鉄明礬石、鉄明礬石が挙げられるが、砒素吸着能力と加工コストの点から、フェリハイドライト、シュベルトマナイト、赤金鉱、針鉄鉱、アモルファス含水酸化鉄、ヒンシゲライトが好ましい。
酸化鉄化合物を担持する珪酸質系繊維材料としては、珪酸繊維、珪酸分(SiO2)を主成分とする珪酸塩含有繊維や、珪酸塩系繊維状無機物質から酸可溶性成分の一部以上を除去して生じる珪酸分が増大した繊維材料があるが、好ましくは後者である。珪酸質系繊維材料中の珪酸分は、好ましくは50wt%以上、より好ましくは80wt%以上であることがよい。
ここで、珪酸塩系繊維状無機物質としては、珪酸塩系無機繊維単独、該無機繊維と珪酸塩系無機粉粒体との混合物などの珪酸塩系無機繊維を含む物質が挙げられる。
珪酸塩系無機繊維としては、ロックウール、ニッケルスラグウール、ガラスウール等が挙げられる。また、建材廃棄物としてのケイ酸カルシウム板破砕物、即ちトバモライト繊維又はゾノトライト繊維からなるケイ酸カルシウム板破砕物等も挙げられる。
珪酸塩系無機粉粒体は、セメント、セメントクリンカー、製鉄スラグ、非鉄スラグ、フライアッシュ、コンクリート破砕物から選ばれる少なくとも一種であることがよい。
珪酸塩系繊維状無機物質が、無機繊維と珪酸塩系無機粉粒体との混合物である場合は、両者を必要により加えられるバインダー、水などと共に混合し、粒状等に成形して使用することが好ましい。
酸化鉄化合物の担持方法は、鉄化合物と珪酸質系繊維材料と必要により加えられるバインダー、水等との溶媒とを混合するなどして得ることもできるが、次のようにして得ることが望ましい。
珪酸塩系繊維状無機物質を、含鉄酸性水中に浸漬することにより、中和反応や鉄酸化細菌によりアルカリ金属成分、アルカリ土類金属成分及びアルミニウム成分等の酸可溶性成分の一部、好ましくは20wt%以上、より好ましくは50wt%以上が溶脱して生成した多孔質繊維状シリカ残存物又はシリカ分が増加した多孔質珪酸系繊維材料を形成させると共にその表面へ鉄化合物を析出させる方法である。
ここで使用する含鉄酸性水としては、例えばシュベルトマナイト系酸化鉄化合物を作成する場合には、硫酸によりpH1.5〜3.5に調整した硫酸第二鉄溶液又は鉄酸化細菌を添加した硫酸第一鉄溶液か、処理すべき坑廃水であって、硫酸イオン含有量500〜4000mg/l、総鉄イオン溶液含有量50〜1000mg/l、pH1.5〜3.5であるものが好ましい。
この酸性溶液1000ml中に、珪酸塩系繊維状無機物質を1〜3gを添加し、常温で24時間曝気攪拌して反応させ、pHが3〜4.4に調整された溶液とすることがよい。pHが3より低いと反応性が高すぎて溶出量が増加し、芯となるべき多孔質繊維状シリカ残存物、すなわち、シリカ分が増加した多孔質珪酸質系繊維材料が減少する。また、pHが4.4より高い場合には、未反応の珪酸塩系繊維状無機物質が残存し、有効な鉄化合物の含有量が低下する。赤金鉱系酸化鉄化合物を作成する場合には、硫酸第一鉄と硫酸との混合溶液に代えて、塩酸によりpH1.5〜3.5に調整した塩化第二鉄水溶液又は鉄酸化細菌を添加した塩化第一鉄溶液を使用する。
なお、脱砒素工程で使用する鉄化合物は、後記の脱鉄工程又は鉄酸化・脱鉄工程での反応生成物である酸化鉄化合物を利用することもできる。その際、生成される鉄化合物は、製造時のpHや曝気処理などの操作によって、フェリハイドライト、シュベルトマナイト、赤金鉱、針鉄鉱、鱗鉄鉱、フェロキシファイト、赤鉄鉱、磁鉄鉱、磁赤鉄鉱、アモルファス含水酸化鉄、ヒンシゲライト、フォフマナイト、ソーダ鉄明礬石及び鉄明礬石の1種又は複数の鉱物の集合体となるが、酸性条件下で生成するシュベルトマナイト、赤金鉱、針鉄鉱、アモルファス含水酸化鉄、ヒンシゲライトが表面活性が高く脱砒素性能が高いため好ましい。
上記のようにして得られる鉄化合物を珪酸質系繊維材料に担持した吸着材の形状に制限はないが、粒状は好ましい形状の一つである。粒状の吸着材の製造方法としては、予めリボンミキサー、回転造粒機等の混合機を用い、珪酸質系繊維材料又は珪酸塩系繊維状無機物質を粒状に成形したものに酸化鉄化合物を担持させればよい。原料に粒状ロックウールを用いると、粒状に成形する操作が省ける利点がある。粒状物の場合、平均粒径は約0.5〜100mm、好ましくは1〜50mmであることがよい。なお、ここでいう担持には、上記のように珪酸塩系繊維状無機物質と含鉄酸性水と反応させて、シリカ分が増大した繊維に酸化鉄化合物を析出させて担持させることを含む。
含鉄酸性水と反応させて、シリカ分が増大した珪酸質系繊維材料に鉄化合物を析出させて担持させる方法によって得られた吸着材は、析出した鉄化合物が繊維を鞘状に包んだ形で担持されている。かかる鞘状に包んだ形で担持され形状は、接触面積が大きくなり、吸着力が向上する。
脱砒素工程は、廃水が大きな流れとなっている箇所に、吸着材を充填した容器を設け、ここに廃水を流すことが有利である。この場合、廃水と吸着材の接触時間が15分以上、好ましくは30分〜5時間程度となるように充填層の厚みや廃水の流速を制御することがよい。また、廃水が一旦貯槽や池に貯められ箇所で使用する場合は、吸着材をかご状の容器に充填して、これを水中に沈めたり、つるしたりすることがよい。使用済みの吸着材を回収し、これを新品と入れかえる場合は、容器に入れて使用することが有利である。そして、これらの処理方法の複数組合せて使用することも有利である。
なお、吸着材との接触温度は常温、接触時間は充填量、透水量、廃水中に含まれるAs含有イオン濃度、処理水に求められる水質等によって変化するが、例えば30分以上、好ましくは60分以上である。この吸着材は物理的に通水が困難となった時点で交換するか、処理水中の有害物質濃度が規制値又は設定値に達する直前に取替えるか追加することが望ましい。
鉄酸化工程は、脱砒素処理後の廃水中の2価の鉄イオンを3価の鉄イオンへ酸化を促進し、次工程での脱鉄を推進するためのものである。通常この鉄酸化工程では、酸化促進のため、廃水中への曝気処理を行って溶存酸素の増加を行うことがよい。この工程では、廃水中に生息する鉄酸化細菌により、2価の鉄イオンの一部が3価の鉄イオンに酸化されるが、大部分の2価の鉄イオンは、次工程である脱鉄工程で脱鉄材として使用する珪酸塩系繊維状無機物質表面上に繁殖した鉄酸化細菌によって酸化と脱鉄とを同時に進行させることが好ましい。
酸性条件下の水中の鉄分の酸化を促進するためには、廃水中の溶存酸素の増加と鉄酸化細菌を使用することがよい。
廃水中の溶存酸素を増加させるためには、曝気処理を行うことが良い。なお、廃水中に含まれる2価の鉄イオン濃度に対して、溶存酸素濃度が十分高い場合には、曝気処理は省いてもよい。
ここで使用する鉄酸化細菌は、Thiobacillus ferooxidans、Gallionella ferruginea、Leptothrix ochracea、Leptothrix trichogenes、Clonothrix sp.、Crenothrin sp.、Metallogenium sp.、Ochrobium sp.、Siderocapsa sp.等の1種以上が挙げられる。処理する含鉄酸性坑廃水の種類にもよるが、pH4以下の強酸性廃水にはThiobacillus ferooxidansが適し、それ以外の廃水にはGallionella、Leptothrixなどが好ましい。
このような鉄酸化細菌は、廃水中に存在することが好ましいが、不足する場合には、別途増殖した鉄酸化細菌を廃水中に添加してもよい。
鉄酸化細菌は、主に脱鉄工程で脱鉄材として使用する珪酸塩系繊維状無機物質表面上に付着して繁殖し、2価の鉄イオンを3価の鉄イオンに酸化すると同時に、酸化鉄化合物として析出するため、脱鉄が同時に進行する。この場合は、鉄酸化工程と脱鉄工程が一体化して鉄酸化・脱鉄工程となる。
脱鉄工程は、珪酸塩系繊維状無機物質(珪酸質無機繊維又は珪酸質無機繊維と珪酸質無機粉粒体との混合物)からなる脱鉄材と鉄酸化細菌を使用し、含鉄酸性水中の3価の鉄イオンを酸化鉄化合物として析出、不溶化するものである。また、銅、鉛、亜鉛、カドミウム等の重金属類等が廃水中に含まれている場合には、鉄分と同時に共沈除去される。
脱鉄材に使用される珪酸塩系繊維状無機物質としては、吸着材の製造に使用されるものと同様なものが挙げられ、同一であっても異なってもよいが、生成する鉄化合物を担持した無機繊維を吸着材として使用するには同一であることがよい。
珪酸塩系繊維状無機物質の材料とする珪酸塩系無機繊維としては、アルカリ土類金属及び/又はアルカリ金属の珪酸塩を含有する人工又は天然の無機繊維が挙げられ、好ましくは、ロックウール、ニッケルスラグウール、ガラスウール、トバモライト、ゾノトライト、トバモライト及び又はゾノトライトから構成されるケイ酸カルシウム板破砕物から選ばれた一種又は二種以上である。より好ましくは、SiO2:30〜50wt%、Al2O3:5〜20wt%、MgO及びCaO:30〜50wt%、Na2O及びK2O:0〜10wt%及びその他0〜10wt%を含有するロックウールである。
ロックウールは、未使用品(バージンロックウール)の他、ロックウールを50重量%以上とセメントを含有するロックウール耐火被覆材(吹付けロックウール)の廃棄物やその施工時の回収ロックウールなどでもよい。また、ロックウールと炭酸カルシウム分等を主成分とするロックウール天井板の廃棄物でもよい。未使用品のロックウールには、層状ロックウール、粒状ロックウール等いくつかの形状があるが、好ましくは粒状ロックウールである。粒状ロックウールは、層状ロックウールを粒化機や回転篩などにより粒状に加工したものであり、平均粒径1〜50mm程度、好ましくは5〜40mm程度のものがよい。また、回収ロックウールやバインダーを添加しボード状等に成形した成形ロックウールを粒状に裁断又は破砕したものを用いてもよい。このロックウールは、粒状製品に加工しやすく、透水性や保水性に優れ、空隙が微生物等の繁殖に適している。
また、珪酸塩系繊維状無機物質の材料として珪酸塩系無機粉粒体を使用する場合は、珪酸質無機繊維よりも珪酸含有量の少なく塩基度の高いものが好ましく、セメント、セメントクリンカー、製鉄スラグ、非鉄スラグ、フライアッシュ、コンクリート破砕物から選ばれた一種又は二種以上の粉末や粒子が挙げられる。これらのうち、塩基度の高いセメント、コンクリートが好ましい。
珪酸塩系無機繊維と珪酸塩系無機粉粒体との混合物を用いる場合は、脱鉄材の使用時に両者を混合してもよいし、あらかじめ両者が混合固化されたものを破砕してもよいし、混合後成形固化したものでもよい。珪酸塩系無機繊維と珪酸塩系無機粉粒体との混合比率は、85:15〜35:65でよい。
脱鉄材の形状に制限はないが、粒状は好ましい形状の一つである。粒状の除去材の製造方法としては、リボンミキサー、回転造粒機等の混合機を用い、主要原料である無機繊維を粒状に成形すればよい。原料に粒状ロックウールを用いると、粒状に成形する操作が省ける利点がある。粒状物の場合、平均粒径は約0.5〜200mm、好ましくは5〜50mmであることがよい。
脱鉄材は、その形状に係らず、空隙率が50%以上、好ましくは70〜99%ことがよい。また、脱鉄材の嵩比重は、0.1〜1.5、好ましくは0.15〜1.0であることがよい。空隙率が大きすぎたり、嵩比重が低すぎたりすると、体積当たりの脱鉄材の量が不足し、脱鉄処理が不十分となる場合がある。逆に、空隙率が低すぎたり、嵩比重が大きすぎたりすると、廃水と接触が十分に行われない。
嵩比重は次の方法により測定する。まず、脱鉄材を直径50mm、高さ51mmの円筒容器内に充填し、110℃で充分乾燥した後、脱鉄材の重量を測定し、その重量を内容積100mlで除して、嵩比重を求める。また、空隙率は次の方法により測定する。脱鉄材を、直径50mm、高さが51mmの円筒形容器中に充填し、上部より水を靜かに注入し、容器の上面と水面が一致した時の水量を計測する。この注入水量を容器の内容積100mlで除して、空隙率を求める。
脱鉄工程は、脱鉄材を充填した容器を設け、ここに鉄酸化のため曝気処理した廃水を流すことが有利である。この場合、廃水と脱鉄材の接触時間が15分以上、好ましくは30分〜5時間程度となるように充填層の厚みや廃水の流速を制御することがよい。また、廃水が一旦貯槽や池に貯められ箇所で使用する場合は、脱鉄材をかご状の容器に充填して、これを水中に沈めたり、つるしたりすることがよい。使用済みの酸化鉄化合物を回収し、これを新品と入れかえる場合は、容器に入れて使用することが有利である。そして、これらの処理方法の複数組合せて使用することも有利である。
なお、脱鉄材との接触条件は、温度は常温、接触時間は充填量、透水量、廃水中に含まれる鉄分濃度、処理水に求められる水質等によって変化するが、例えば30分以上、好ましくは60分以上である。しかし、鉄化合物としてシュベルトマナイトが比較的多量に生成する酸性条件下で行うことが好ましい。
脱鉄材は物理的に通水が困難となった時点で交換するか、処理水中の鉄分濃度が規制値に達する直前に取替えるか追加することが望ましい。
そして、使用済みの脱鉄材は酸性条件下で生成するシュベルトマナイト、針鉄鉱等の酸化鉄化合物が多量に含有され、且つ、珪酸系繊維材料に酸化鉄化合物が担持されたものなっているため、脱砒素工程の砒素吸着材として使用することができる。そのため、砒素吸着材の全量としてここで生成する使用済みの脱鉄材の一部を取り出し、使用することが好ましい。また、残りの使用済みの脱鉄材は、砒素等の有害物を含まないため亜硫酸ガスの吸着除去材やダイオキシンの分解材となる活性酸化鉄の原料や鉄含有の土壌改良材、セメント用鉄原料、製鉄原料等として使用することができ、リサイクル活用が容易である。
脱鉄処理工程から流出する廃水のpHは前記の理由で酸性であることが好ましく、pH4.5以下、好ましくは3〜4.4であることがよい。
pH調整工程は、脱鉄処理水を放流する前に中和する工程である。脱鉄工程からの処理水は、従来の石灰系中和材による処理水に比べて、pHの上昇が少ないため、放流前に別途中和材の添加により中性化する必要がある。pH調整工程で使用する中和材としては、消石灰、生石灰、炭酸カルシウム、石灰石、ドロマイト、酸化マグネシウム、苛性ソーダ、コンクリート破砕物から選ばれる少なくとも一種であり、好ましくは、単価が安く、取扱い上の安全性が高い炭酸カルシウム、コンクリート破砕物等である。
中和材の添加方法は、中和槽を設けて中和材を添加するか、脱鉄処理水を放流する途中の排水路中で中和材を添加することがよい。中和材の添加量は脱鉄処理水の8.3酸度に対応した放流水の設定pH見合いの量を添加する。なお、放流水中のカルシウムイオンの量が多く、放流水中に石膏が析出する場合には、ドロマイト、酸化マグネシウム、苛性ソーダ等の中和材を使用するか、別途沈殿槽を設けて、石膏の沈殿除去を行うことがよい。その際に回収される石膏は、鉄分、砒素等を含有しないため、セメント、石膏ボード等の原料や土壌改良資材として利用できる。
本発明の廃水の処理方法は、簡便な手法によって酸性坑廃水中に含まれる鉄分、砒素を効率的に且つメンテナンス容易に除去でき、反応生成物の安定性が良く、経時変化や酸性化によって有害物質が再溶出することが無く、しかも多大な後処理が不要となる廃水の処理システムとなる。その他の重金属、例えば銅、鉛、亜鉛、マンガン、カドミウム、アンチモン、ウラニウム等、更にリン酸、セレン酸、フッ素等を含有する坑廃水についても適用可能である。
また、従来法では処理後の廃棄物に有害物質としての砒素が含有し、全て管理型廃棄物として処理する必要があったが、本発明においては、脱砒素工程と脱鉄工程とを分離したため、砒素を含有する管理型廃棄物量を大幅に減少することができるばかりでなく、脱鉄工程で発生する反応生成物中の鉄分濃度が上昇するため、該反応生成物を脱砒素工程等で使用する砒素吸着材として利用可能な他、ダイオキシン除去用・脱硫用等の活性酸化鉄の原料や土壌改良材、セメント用鉄原料、製鉄原料等として使用することができ、リサイクル活用も容易となり、環境上の貢献極めて大である。
以下、本発明の処理方法を図面により説明する。図1は本発明の処理方法の一例を示すフローシートであり、1は砒素酸化工程、2は脱砒素工程、3は鉄酸化工程、4は脱鉄工程、5はpH調整工程を示す。
砒素酸化工程1では、坑廃水11が連続的に供給され、空気12とFe3+含有溶液8と接触又は混合されて酸化されて、3価の砒素含有イオンが5価の砒素含有イオンに酸化される。砒素酸化工程1より流出する廃水6は脱砒素工程2に送られ、粒状の吸着材14と接触して5価の砒素含有イオンを吸着除去する。ここで吸着材は脱鉄工程4で生成する3価鉄イオンが析出した脱鉄材17(使用済脱鉄材17という)の一部が使用される。砒素含有イオンを吸着して吸着能が低下した廃吸着材13は系外に排出される。この廃吸着材13は有害金属を含むので、所定の管理又は処理されるが、量が少ないので容易である。
脱砒素工程2より流出する廃水7は、次に鉄酸化工程3に送られ、鉄酸化細菌16及び空気15と接触して、2価の鉄イオンの一部が3価の鉄イオンに酸化される。鉄酸化工程3より流出する廃水8の一部は砒素酸化工程1に送られ、残りは脱鉄工程4に送られ、粒状の珪酸塩系繊維状無機物質からなる脱鉄材18と脱鉄材表面に付着した鉄酸化細菌とに接触して3価の鉄イオンを、シュベルトマナイトを含む酸化鉄化合物としてその表面に析出させる。3価の鉄イオンを析出させて能力が低下した使用済脱鉄材17の一部は吸着材14として利用され、他は系外に排出される。系外に排出される使用済み脱鉄材17は有害金属を含まないので、鉄源等の資源とすることができる。
脱鉄工程4より流出する廃水9は、pHが約4程度と低いので所望のpHとするため、次にpH調整工程5に送られ、石灰石19と接触する。廃水と接触して一部又は大部分が石膏となった石灰石はその能力が低下したら、廃石灰又は石膏20として系外に排出される。また、中和された処理水10は河川等に排出される。
硫酸イオン濃度956mg/l、総鉄イオン濃度116.4mg/l、総砒素イオン濃度0.68mg/lを含有し、4.8酸度が768mg・CaCO3/l、8.3酸度が830mg・CaCO3/l、鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansが生息するpH2.7の含鉄酸性坑廃水1t/日を原水として使用し、下記に示す砒素酸化及び脱砒素工程により1次処理を行ったところ、脱砒素処理水の水質は、pH2.8、硫酸イオン濃度956mg/l、総鉄イオン濃度117.0mg/l、総砒素イオン濃度0.014mg/lであった。
次に、この脱砒素処理水を下記に示す鉄酸化及び脱鉄工程により脱鉄処理を行ったところ、脱鉄処理水の水質は、pH4.1、硫酸イオン濃度938mg/l、総鉄イオン濃度0.09mg/l、総砒素イオン濃度0.007mg/l、4.8酸度が2mg・CaCO3/l、8.3酸度が117mg・CaCO3/lであった。
次に、pH調整工程として、0.125m3の反応槽を用い、この脱鉄処理水に炭酸カルシウム粉末試薬(325メッシュ95%以上)を70mg/lを添加・攪拌し放流水とした。この時の放流水の水質は、pH6.4、硫酸イオン濃度935mg/l、総鉄イオン濃度0.08mg/l、総砒素イオン濃度0.007mg/l、8.3酸度が47mg・CaCO3/l、SS分が12mg/lであった。
また、脱鉄工程で使用済みの脱鉄材は鉄化合物が無機繊維に担持されたものであるため、そのまま脱砒素工程用の吸着材として使用が可能であった。
脱砒素工程で吸着材として使用する繊維状無機物質に担持された酸化鉄化合物を得るため、ロックウール(新日化ロックウール株式会社製、エスファイバー粒状綿、平均粒径30mm)、高炉セメント(新日鐵高炉セメント株式会社製、B種高炉セメント)を使用し、ロックウール60重量%、高炉セメント40重量%をリボンミキサーで攪拌混合し、表1に示す化学組成を有し、平均粒径20mm、嵩比重0.15、空隙率94%の粒状混合物を作成した。次に、この粒状混合物を、幅120cm、高さ90cm、厚さ16cmの合成樹脂製カラム中に粒状混合物20kgを厚さ60cm、嵩比重0.174になるように充填したものを使用し、硫酸イオン濃度956mg/l、総鉄イオン濃度117.0mg/l、総砒素イオン濃度0.014mg/lを含有し、4.8酸度が768mg・CaCO3/l、8.3酸度が830mg・CaCO3/l、鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansが生息するpH2.8の含鉄酸性坑廃水を0.125m3の反応槽に導き、25L/分の空気を吹き込んで含有される2価の鉄イオンの一部を3価の鉄イオンに酸化した上、1t/日の通水量で上面から50t掛け流した。
反応後において酸化鉄化合物が担持された繊維状の反応生成物(吸着材)について、その透水性を測定したところ、透水係数(cm/sec)は0.6×10-2であり、反応終了時の含水率は78%、100℃乾燥物の嵩比重は、0.18であった。
この吸着材を電子顕微鏡にて観察したところ、ロックウール繊維の周囲に数ミクロンの瘤状の生成物が連なって鞘状に沈積しており、この瘤状の生成物はサブミクロンの針状粒子の集合体であった。また、反応後のロックウール繊維の化学組成をEPMAにて分析したところ、SiO2:98%からなり、繊維形状を保持した多孔質シリカとなっていた。酸化鉄化合物を主体する鞘状沈積物についての化学組成を表2に示す。また、多孔質シリカ質繊維を中心に鞘状に生成した構成鉱物を高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、低結晶度のシュベルトマナイトと針鉄鉱との混合物であった。
砒素酸化工程として、硫酸イオン濃度956mg/l、総鉄イオン濃度116.4mg/l、総砒素イオン濃度0.68mg/lを含有し、4.8酸度が768mg・CaCO3/l、8.3酸度が830mg・CaCO3/l、鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansが生息するpH2.7の含鉄酸性坑廃水を0.125m3の反応槽を用い、25L/分の空気を吹き込み、含有される3価の砒素含有イオンの一部を5価の砒素含有イオンに酸化した。
次に、脱砒素工程として、吸着材として上記の酸化鉄化合物が担持された繊維状の反応生成物を使用し、幅120cm、高さ90cm、厚さ16cmの合成樹脂製カラム中に吸着材20kgを厚さ50cm、嵩比重0.21になるように充填し、これに砒素酸化工程からの処理水を1t/日の通水量で上面から50t掛け流して脱砒素処理を実施した。
反応後の生成物を高出力型X線粉末回折装置とEPMAで分析した結果、砒素が吸着された低結晶度のシュベルトマナイトと針鉄鉱との混合物であった。
脱鉄工程で使用する脱鉄材としては、脱砒素工程で使用する吸着材を得るために使用したと同じロックウール(新日化ロックウール株式会社製、エスファイバー粒状綿、平均粒径30mm)、高炉セメント(新日鐵高炉セメント株式会社製、B種高炉セメント)を使用し、ロックウール60重量%、高炉セメント40重量%をリボンミキサーで攪拌混合し、表1に示す化学組成を有し、平均粒径20mm、嵩比重0.15、空隙率94%の粒状混合物をそのまま使用した。
鉄酸化工程として、硫酸イオン濃度956mg/l、総鉄イオン濃度117.0mg/l、総砒素イオン濃度0.014mg/lを含有し、4.8酸度が768mg・CaCO3/l、8.3酸度が830mg・CaCO3/l、鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansが生息するpH2.8の脱砒素工程の処理水を0.125m3の反応槽を用い、水温10.4℃で3時間、25L/分の空気を吹き込み、含有される2価の鉄イオンの一部を3価の鉄イオンに酸化した。
脱鉄工程として、上記の脱鉄材としての粒状混合物20kgを、幅120cm、高さ90cm、厚さ16cmの合成樹脂製カラム中に厚さ60cm、嵩比重0.174になるように充填したものを使用し、鉄酸化工程からの処理水を1t/日の通水量で上面から50t掛け流して脱鉄処理を実施した。この時の、鉄分の析出除去率を処理水中の鉄分濃度を測定して算出したところ、ほぼ100%であった。
反応後の生成物の化学組成と構成鉱物を分析した結果、シリカ質繊維を中心に鞘状に生成した低結晶度のシュベルトマナイトと針鉄鉱との混合物であり、脱砒素工程で使用する繊維状無機物質に担持された吸着材と同一の組成、形状のものであった。
Figure 0004420634
Figure 0004420634
参考例
実施例で使用した脱砒素工程の吸着材、脱鉄工程の脱鉄材を人工廃液(原子吸光用標準液混合物:各金属を硝酸塩として含む溶液)中に9g/l添加し、1時間後の各金属濃度の測定結果を表3に示す。表3の数値は金属濃度(mg/l)を示す。
Figure 0004420634
脱砒素工程で使用する吸着材は、鉄、マンガン、銅、亜鉛の除去性能は無いが、鉛、カドミウム、砒素の除去性能を有し、特に5価の砒素含有イオンの除去性能に優れている。
脱鉄工程で使用する脱鉄材は、鉄、マンガン、銅、亜鉛、鉛、カドミウムを除去する。
本発明の実施の一例を示すフロシート
符号の説明
1:砒素酸化工程
2:脱砒素工程
3:鉄酸化工程
4:脱鉄工程
5:pH調整工程

Claims (11)

  1. 有害物質として少なくとも砒素を含有する含鉄酸性坑廃水の処理方法であって、3価砒素含有イオンを5価砒素含有イオンに酸化する砒素酸化工程、珪酸質系繊維材料に担持された砒素含有イオン吸着能を有する鉄化合物としてシュベルトマナイト及び針鉄鉱を含む吸着材によって砒素含有イオンを吸着する脱砒素工程、鉄酸化細菌によって2価鉄イオンを3価鉄イオンに酸化する鉄酸化工程、珪酸塩系繊維状無機物質表面に3価鉄イオンを鉄化合物として析出させる脱鉄工程、及びpH調整工程を備えていることを特徴とする含鉄酸性坑廃水の処理方法。
  2. 砒素酸化工程を有しないか、又は砒素酸化工程及び脱砒素工程の一部若しくは全部が、砒素酸化を行いつつ脱砒素を行う砒素酸化・脱砒素工程である請求項1記載の含鉄酸性坑廃水の処理方法。
  3. 3価砒素含有イオンが0又は−1価の亜砒酸系イオンであり、5価砒素含有イオンが0、−1又は−2価の砒酸系イオンである請求項1記載の含鉄酸性坑廃水の処理方法。
  4. 脱鉄工程、砒素含有イオン吸着能を有する鉄化合物が、シュベルトマナイト及び針鉄鉱である請求項1〜3のいずれかに記載の含鉄酸性坑廃水の処理方法。
  5. 吸着材が、酸との反応性を有する珪酸塩系繊維状無機物質と含鉄酸性水に由来し、珪酸塩系繊維状無機物質の少なくとも一部が含鉄酸性坑廃水と反応してアルカリ金属成分、アルカリ土類金属成分及びアルミニウム成分の少なくとも一部が溶脱し、珪酸分の割合が増加した珪酸質系繊維材料となり、これに含鉄酸性水から生じた鉄化合物が担持されたものである請求項1〜4のいずれかに記載の含鉄酸性坑廃水の処理方法。
  6. 珪酸塩系繊維状無機物質が、珪酸塩系無機繊維、及び該無機繊維と珪酸塩系無機粉粒体との混合物から選択される1種以上である請求項1又は5に記載の含鉄酸性坑廃水の処理方法。
  7. 珪酸塩系無機繊維が、ロックウール、及びスラグウールから選ばれる少なくとも1種である請求項6記載の含鉄酸性坑廃水の処理方法。
  8. 珪酸塩系無機粉粒体が、セメント、セメントクリンカー、製鉄スラグ、非鉄スラグ、フライアッシュ、及びコンクリート破砕物から選ばれる少なくとも1種である請求項6記載の含鉄酸性坑廃水の処理方法。
  9. 珪酸塩系繊維状無機物質が、空隙率50%以上、嵩比重0.1〜1.5である請求項1に記載の含鉄酸性坑廃水の処理方法。
  10. 鉄酸化工程が、脱鉄工程で脱鉄材として使用する珪酸塩系繊維状無機物質表面上に繁殖した鉄酸化細菌の存在下に廃水中への曝気を行うものであるか、又は鉄酸化工程及び脱鉄工程の一部若しくは全部が、鉄酸化を行いつつ脱鉄を行う鉄酸化・脱鉄工程である請求項1〜9のいずれかに記載の含鉄酸性坑廃水の処理方法。
  11. 有害物質として少なくとも砒素を含有する含鉄酸性坑廃水の処理方法であって、1)3価砒素含有イオンを5価砒素含有イオンに酸化する砒素酸化工程、2)珪酸塩系繊維材料に担持された砒素含有イオン吸着能を有する鉄化合物としてシュベルトマナイト及び針鉄鉱を含む吸着材によって5価砒素含有イオンを吸着する脱砒素工程、3)鉄酸化細菌を存在させて2価鉄イオンを3価鉄イオンに酸化する鉄酸化工程、4)珪酸塩系繊維状無機物質表面に3価鉄イオンを鉄化合物として析出させる脱鉄工程、及び5)pH調整工程を備えること(但し、砒素酸化工程と脱砒素工程の一部又は全部は、a)砒素酸化を行いつつ脱砒素を行う砒素酸化・脱砒素工程であることができ、b)鉄酸化工程と脱鉄工程の一部又は全部は、鉄酸化を行いつつ脱鉄を行う鉄酸化・脱鉄工程であることができる)、6)脱砒素工程又は砒素酸化・脱砒素工程における吸着材として脱鉄工程又は鉄酸化・脱鉄工程から得られ、珪酸塩系繊維状無機物質から珪酸分の割合が増加して生じる珪酸質系繊維材料に鉄化合物が担持された材料を使用すること、及び7)pH調整工程前の廃水のpHを4.5以下に保持することを特徴とする含鉄酸性坑廃水の処理方法。
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