JP2005087834A - 水質浄化材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 河川水、地下水等の中性域の水を、pHを低下させることなく処理し、砒素、リン等の有害物質を効率的に除去でき、メンテナンスが容易で、多大な後処理が不要な水質浄化材とその製造方法。
【解決手段】 含水率10wt%以下、残存する水溶性硫酸イオン5000ppm以下の固形状の含水鉄酸化物からなる、中性域の水から有害物質を除去するための水質浄化材。含水鉄酸化物スラリーに鉄酸化細菌の存在下で金属鉄を添加し、スラリー中の水溶性硫酸イオンを不溶化する水質浄化材の製造方法。金属鉄の添加時に通気処理することがよい。
【選択図】 なし
【解決手段】 含水率10wt%以下、残存する水溶性硫酸イオン5000ppm以下の固形状の含水鉄酸化物からなる、中性域の水から有害物質を除去するための水質浄化材。含水鉄酸化物スラリーに鉄酸化細菌の存在下で金属鉄を添加し、スラリー中の水溶性硫酸イオンを不溶化する水質浄化材の製造方法。金属鉄の添加時に通気処理することがよい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、河川水や地下水等の飲用に供される中性域の水から、砒素、鉛、カドミウム、リン、フッ素等の有害物質を除去するための水質浄化材及びその製造方法に関する。
廃水中の有害物質の除去方法として、消石灰の粉末又はスラリーを添加する方法が広く行われている。この方法は、薬剤コストが安価であって、有害物質の処理能力には優れているが、廃水中に多量の硫酸イオンと鉄イオンが含有される場合は、鉄イオンがpHの上昇に伴い水酸化第二鉄のコロイドとして析出する他、消石灰と硫酸イオンが反応して難溶性の石膏が生成し、中和材として使用した消石灰の未反応物と共に高含水で難脱水性のスライム状になって沈殿する。このスライムは、脱水性が悪く有害物質を含んだ高含水スラリーであるため、その処理のため高価なシックナー等の固液分離設備、沈殿池、人手のかかるフィルタープレス等のスライムの脱水減容化設備、最終処分用としてスライム堆積用のダム建設が必要となり、処理費用の増加と自然環境に対する影響が問題となっている。また、反応生成物の安定性が悪く、経時変化や酸性化により、水酸化鉄に吸着された砒素等の重金属類が再溶出する危険性があった。
高含水・難脱水性のスライム発生を改善するために、発生スライムの脱水性能が高く石膏等の難溶性の反応生成物を生じない酸化マグネシウム粉末を中和材として使用することも検討されているが、薬剤のコストが高い欠点がある。また、低コスト化と発生スライムの脱水性能向上のため、中和材として炭酸カルシウム粉末や石灰石粒を使用することも試みられているが、表面に発生する石膏によりその表面が覆われて中和反応が阻害され、中和材の利用効率が低下する問題があった。また、炭酸カルシウム系の中和材はpHの上昇効果が小さく、廃水中の2価鉄イオンを水酸化第一鉄として沈殿除去させることが不可能なため、事前にエアレーションや、鉄酸化細菌等によって2価鉄イオンを3価に酸化しておく事前処理が必要となる。
特許文献1は、無機繊維をろ過材や微生物付着用材料として用いることを開示しているが、重金属含有の酸性廃水を処理することは教えていない。特許文献2は、ロックウール等の鉱物繊維と、高炉セメント等の無機バインダーとの粒状固化物を用いる酸性廃水処理材を開示している。しかしながら、特許文献2は、多量の鉄イオンを含有する酸性廃水の処理材について開示するだけであり、リン酸等の有害物質を含む廃水の処理について一切言及されていない。
ところで、ある種の酸化鉄化合物が砒素含有イオンを吸着することが知られている。例えば、特許文献3には、土壌に鉄塩を添加して焼成してなる砒素、フッ素吸着濾過材が開示され、特許文献4には、か焼珪藻土粒子に塩化鉄を浸漬した後、水酸化ナトリウムを添加して塩化鉄を水酸化鉄に変換させた砒素吸着体が開示されている。これらはいずれも土壌を担体とするものであり、濾過性能や使用済みの吸着材の処理に問題があった。また、特許文献5には、砒素又は重金属を含む汚染土壌に、化学的に合成されたシュベルトマナイト、ゲータイト、ジャロサイト、フェリハイドライトのいずれかの鉄化合物を添加し、砒素又は重金属を収着させ、不動態化させることにより、汚染土壌を浄化する方法が開示されている。
このシュベルトマナイトは、砒素、リン、セレン等のオキシ酸を吸着除去することが知られている。ここで、シュベルトマナイト(schwertmannite)は、Fe8O8(OH)8-2X(SO4)Xという組成をもつ物質である。なお、吸着除去とは、いわゆる吸着の他に、シュベルトマナイトとの金属又はイオン交換によりこれらの有害金属又はイオンが除去されることをいう。
非特許文献1には、シュベルトマナイトの表面活性サイトのキャラクタリゼーションと表面錯体モデルの適用と題して、窒素雰囲気のグローブボックス内で、NaOH溶液によるシュベルトマナイトの断続的滴定を行った結果が示されている。また、非特許文献2には、鉱山酸性排水中に鉄酸化細菌や硫黄酸化細菌が存在すると、水面に油が浮いたような皮膜状に浮かぶ物質(バイオフィルム)が生成されており、schwertmanniteと同定されたことが開示されている。しかし、これらは、シュベルトマナイトを量産する方法について、何ら開示するものではない。砒素等は、廃水のみならず、地下水、河川水、飲用水、土壌中にも含まれるので、微量の砒素等を効果的に除去することが望まれる。シュベルトマナイトは、人工的に容易に合成できるとしても、多量に使用することが多く、これを安価に且つ多量に製造することが望まれる。
河川水や地下水等の飲用に供される水の浄化は、人の健康に係わるものであり、早急な解決が望まれている現状に鑑み、本発明の目的は、河川水、地下水等の中性域の水を処理しても、pHを低下することがなく、これらに微量含まれる砒素、鉛、カドミウム、リン等の有害物質を効率的に除去でき、メンテナンスが容易であって、しかも多大な後処理が不要となる水質浄化材とその効率的な製造方法を提供することにある。なお、前記の従来技術において、シュベルトマナイトが砒素等を吸着除去するのに有効であることは知られているが、学術レベル乃至は実験室レベルに止まり、これを実用的に量産化し、水質浄化材として利用することにある。
本発明者らは、ロックウール等の珪酸塩系繊維状無機物質を含鉄硫酸酸性水で処理して得られたスラリー状物質が、繊維表面にシュベルトマナイト等の含水鉄化合物が形成されたものであり、廃水中の砒素、リン、鉛等の有害物質を効率的に除去できることを見いだした(特願2003−161028号)。また、含鉄硫酸酸性水をpH調整材で特定のpHに調整することによって、廃水中の砒素等の除去材として有用なシュベルトマナイトを製造できることを見いだした(特願2003−270145号)。
このようにして得られた有害物質除去材は、原料である含鉄硫酸酸性水がpH2.5〜4、2価鉄イオン100〜400mg/l程度であるため、水溶性硫酸イオン(SO4 2-)が硫酸第一鉄の形態で残存している。これをpH6〜7の中性域の水、例えば河川水中の有害物質除去に使用する場合は、処理水に水溶性硫酸イオンが溶出するため、処理水のpHが低下する懸念があることが判明した。
このようにして得られた有害物質除去材は、原料である含鉄硫酸酸性水がpH2.5〜4、2価鉄イオン100〜400mg/l程度であるため、水溶性硫酸イオン(SO4 2-)が硫酸第一鉄の形態で残存している。これをpH6〜7の中性域の水、例えば河川水中の有害物質除去に使用する場合は、処理水に水溶性硫酸イオンが溶出するため、処理水のpHが低下する懸念があることが判明した。
すなわち、本発明は、中性域の水から砒素、リン等の有害物質を除去するための水質浄化材であって、固形状の含水鉄酸化物からなり、含水率が10wt%以下、残存する水溶性硫酸イオンが5000ppm以下であることを特徴とする水質浄化材である。
前記の水質浄化材において、含水鉄酸化物は、シュベルトマナイト、フェリハイドライト、アモルファス含水酸化鉄、赤金鉱、針鉄鉱、鱗鉄鉱、赤鉄鉱、磁鉄鉱、磁赤鉄鉱及び鉄明礬石から選ばれる少なくとも一種であることがよい。
前記の水質浄化材において、含水鉄酸化物は、シュベルトマナイト、フェリハイドライト、アモルファス含水酸化鉄、赤金鉱、針鉄鉱、鱗鉄鉱、赤鉄鉱、磁鉄鉱、磁赤鉄鉱及び鉄明礬石から選ばれる少なくとも一種であることがよい。
また、本発明は、中性域の水から砒素、リン等の有害物質を除去するための水質浄化材を製造する方法であって、酸反応性を有する珪酸塩系繊維状無機物質又はこれを含む材料を、含鉄硫酸酸性水で処理し、少なくとも一部が酸と反応して珪酸分が増加した繊維状材料に担持された含水鉄酸化物のスラリーを得た後、鉄酸化細菌の存在下で金属鉄を添加することにより、スラリー中の余剰硫酸イオンを不溶化することを特徴とする水質浄化材の製造方法である。
前記の水質浄化材の製造方法において、珪酸塩系繊維状無機物質は、ロックウール、ニッケルスラグウール及びガラスウールから選ばれる少なくとも一種の珪酸塩系無機繊維を含有するものであることがよい。
前記の水質浄化材の製造方法において、珪酸塩系繊維状無機物質は、ロックウール、ニッケルスラグウール及びガラスウールから選ばれる少なくとも一種の珪酸塩系無機繊維を含有するものであることがよい。
更に、本発明は、中性域の水から砒素、リン等の有害物質を除去するための水質浄化材を製造する方法であって、含鉄硫酸酸性水を、硫酸酸性水に対する反応性を有するアルカリ土類金属系材料及び鉄系材料から選ばれる少なくとも一種の固形pH調整材で処理し、鉄酸化細菌の存在下、pH2.5〜4.0に維持して含水鉄酸化物のスラリーを得た後、鉄酸化細菌の存在下で金属鉄を添加することにより、スラリー中の余剰硫酸イオンを不溶化することを特徴とする水質浄化材の製造方法である。
前記の水質浄化材の製造方法において、スラリーに、鉄酸化細菌の存在下で金属鉄を添加し、且つ通気処理を行うことがよい。
更にまた、本発明は、中性域の水から砒素、リン等の有害物質を除去するための水質浄化方法であって、固形状の含水鉄酸化物からなり、含水率が10wt%以下、残存する水溶性硫酸イオンが5000ppm以下である水質浄化材を用い、処理水中に残存する水溶性硫酸イオンを25ppm以下とすることを特徴とする水質浄化方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。以下、特に断りのない限り、%はwt%を表す。
本発明の水質浄化材は、固形状の含水鉄酸化物からなり、含水率が10wt%以下、残存する水溶性硫酸イオンが5000ppm以下のものである。含水鉄酸化物としては、シュベルトマナイト、赤金鉱、フェリハイドライト、アモルファス含水酸化鉄、針鉄鉱、鱗鉄鉱、赤鉄鉱、磁鉄鉱、磁赤鉄鉱、鉄明礬石などが挙げられ、好ましくは、シュベルトマナイトを主成分として含有するものである。
本発明の水質浄化材は、固形状の含水鉄酸化物からなり、含水率が10wt%以下、残存する水溶性硫酸イオンが5000ppm以下のものである。含水鉄酸化物としては、シュベルトマナイト、赤金鉱、フェリハイドライト、アモルファス含水酸化鉄、針鉄鉱、鱗鉄鉱、赤鉄鉱、磁鉄鉱、磁赤鉄鉱、鉄明礬石などが挙げられ、好ましくは、シュベルトマナイトを主成分として含有するものである。
このような含水鉄酸化物の一つとして、酸反応性を有する珪酸塩系繊維状無機物質に由来し、少なくとも一部が酸と反応して珪酸分が増加した繊維状材料に担持された含水鉄酸化物が挙げられる。また、別の含水鉄酸化物として、含鉄硫酸酸性水を、硫酸酸性水に対する反応性を有するアルカリ土類金属系材料及び鉄系材料から選ばれる少なくとも一種の固形pH調整材で処理し、鉄酸化細菌の存在下、pH2.5〜4.0に維持して得られた含水鉄酸化物が挙げられる。
これらの含水鉄酸化物は、いずれも多量の水分を含むスラリーであって、しかも未反応の水溶性硫酸イオンが残存するので、そのまま水質浄化材として使用することができない。本発明の水質浄化材は、このスラリーを含水率が10wt%以下となるように脱水し、且つ残存する水溶性硫酸イオンが5000ppm以下となるように処理することにより、使用可能としたものである。含水率が10wt%より高いと、取り扱いしにくく、輸送コストも増加する。また、水溶性硫酸イオンが5000ppmより多いと、中性域の水道水などの処理に使用した場合に、pHが低下するおそれがある。
次に、酸反応性を有する珪酸塩系繊維状無機物質に由来し、少なくとも一部が酸と反応して珪酸分が増加した繊維状材料に担持された含水鉄酸化物からなる水質浄化材の製造方法について具体的に説明する。
まず、酸反応性を有する珪酸塩系無機繊維(以下、無機繊維という)、又は無機繊維と、酸反応性を有する珪酸塩系無機粉粒体(以下、無機粉粒体という)との混合物(以下、無機繊維混合物という。また、無機繊維と無機繊維混合物の両者を無機繊維含有材料という)を、含鉄硫酸酸性水で処理し、無機繊維含有材料の少なくとも一部が酸と反応し、珪酸分が増加した繊維状材料に担持された含水鉄酸化物を含むスラリーを生成させる。
この際、生成される含水鉄酸化物は、製造時のpHやエアレーションなどの操作によって、シュベルトマナイト、フェリハイドライト、アモルファス含水酸化鉄、赤金鉱、針鉄鉱、鱗鉄鉱、赤鉄鉱、磁鉄鉱、磁赤鉄鉱、鉄明礬石から選ばれる一種又は複数の鉱物の集合体である。これらのうち、有害物質の除去性能から、表面活性が高く比表面積が大きいシュベルトマナイト又は針鉄鉱が好ましい。
含鉄硫酸酸性水の酸性物質と無機繊維含有材料のアルカリ物質との関係にもよるが、処理条件が酸性(pH2〜5程度)である場合は、含水鉄酸化物として、シュベルトマナイト、赤金鉱、針鉄鉱、アモルファス含水酸化鉄、鉄明礬石が生成される。酸性条件の場合は、鉄の酸化を促進するために、鉄酸化細菌が存在することが好ましい。なお、こうした含水鉄酸化物に砒素等の有害物質を吸着した後、鉱酸で処理にすることにより、有害物質を放出でき、砒素等を回収することも可能である。
ここで、無機繊維は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の珪酸塩を主成分とする無機繊維であり、その具体例としては、ロックウール、ニッケルスラグウール、ガラスウールなどが挙げられる。好ましくは、SiO2:30〜50%、Al2O3:5〜20%、MgO及びCaO:30〜50%、Na2O及びK2O:0〜10%及びその他0〜10%を含有するロックウールである。
また、無機粉粒体を用いる場合は、無機繊維よりも珪酸含有量の少なく塩基度の高いものが好ましく、セメント、セメントクリンカー、製鉄スラグ、非鉄スラグ、フライアッシュ、コンクリート破砕物から選ばれた一種又は二種以上の粉末や粒子が挙げられる。これらのうち、塩基度の高いセメントやコンクリートが好ましい。
出発原料である無機繊維含有材料は、無機繊維単独でもよいが、好ましくは、無機繊維混合物である。無機繊維混合物中の無機繊維と無機粉粒体との混合比率(重量比)は、85:15〜35:65がよい。無機繊維混合物を使用すると、含水鉄酸化物は無機繊維の表面に担持されて繊維状を示すものの他、無機粉粒体の表面に担持されたものもあるが、上記範囲で無機繊維を含むものであれば、繊維状に形成された酸化鉄系化合物が多量に生成するため、浄化材としての効果には大きな差が生じないだけでなく、処理水のpHが中性に近づく。
無機繊維含有材料として好ましく使用されるものには、ロックウール又はロックウール含有物が挙げられる。ロックウールは、未使用品(バージンロックウール)の他、ロックウールを50重量%以上とセメントを含有するロックウール耐火被覆材(吹付けロックウール)の廃棄物やその施工時の回収ロックウール等でもよい。また、ロックウールと炭酸カルシウム分等を主成分とするロックウール天井板の廃棄物でもよい。未使用品のロックウールには、層状ロックウール、粒状ロックウール等いくつかの形状があるが、好ましくは粒状ロックウールである。粒状ロックウールは、層状ロックウールを粒化機や回転篩などにより粒状に加工したものであり、平均粒径1〜50mm程度、好ましくは5〜40mm程度のものがよい。また、回収ロックウールや、バインダーを添加しボード状等に成形した成形ロックウールを粒状に裁断又は破砕したものを用いてもよい。このロックウールは、粒状製品に加工しやすく、透水性や保水性に優れ、空隙が微生物の繁殖に適している。
無機繊維混合物である場合は、無機繊維と無機粉粒体を必要により加えるバインダー、水などと共に混合し、粒状等に成形して使用することが好ましい。また、無機繊維又は無機繊維混合物は、空隙率50vol%以上、嵩比重0.1〜1.5であることが好ましい。
無機繊維含有材料を浸漬する含鉄硫酸酸性水としては、合成したものであって、鉄を酸洗した際生成する酸洗廃水でもあっても、鉱山から排出される坑廃水であってもよいが、大量且つ安価に製造する観点からは廃水が好ましい。含鉄硫酸酸性廃水で無機繊維含有材料を処理すると、含鉄硫酸酸性廃水の中和と脱鉄が行われるので、本発明の好ましい実施態様である。その他、鉱石分を含んだ廃石堆積場、鉱石の露頭、露天掘りの採掘跡地、炭鉱のボタ山、精錬所の廃さい堆積場などで廃水が浸出してくる箇所や堆積場から流出する廃水がある。また、工場廃水としては、製鉄所、金属加工工場、化学工場等から発生する2価鉄イオン含有量と硫酸を含む工業廃水や、試薬の後処理などで排出されるものなどがある。
この含鉄硫酸酸性水は、硫酸イオン含有量500〜5000mg/l、鉄イオン含有量50〜1000mg/l、pH1.5〜4の範囲にあることが好ましい。pHが1.5より低いと酸性度が高すぎて無機繊維含有材料の溶解が生じ、pHが4より高いと含水鉄酸化物の生成速度が遅くなる。
含水鉄酸化物のスラリーを生成させるには、含鉄硫酸酸性水1000ml中に無機繊維含有材料を10g添加し、常温で24時間攪拌反応させ、pHが2.5〜13に調整された溶液とすることがよい。pHが2.5より低いと反応性が高すぎて溶出量が増加し、芯となるべき多孔質繊維状シリカ化が減少する。また、pHが13より高い場合でも同様にシリカの溶出量が増加し、処理材の透水性や脱水性が悪くなる。好ましくは、pH3〜5未満であるか、あるいは7以上〜13未満である。pH5以上〜7未満では、生成する含水鉄酸化物の水浄化性能が小さくなる。
次いで、得られたスラリーを鉄酸化細菌の存在下に金属鉄を添加することにより、スラリー中に残存する硫酸イオンを不溶化し、残存する水溶性硫酸イオンが5000ppm以下の水質浄化材を製造することができる。なお、金属鉄に代えて炭酸鉄、菱鉄鉱等の鉄の炭酸塩は使用できるが、塩化第一鉄や硝酸第一鉄等の鉄化合物を添加すると、塩素イオンや硝酸イオン等が溶出するので、これらの鉄化合物は使用しない。
添加する金属鉄の形状は、粉末状、繊維状など任意であるが、硫酸イオンとの反応性が高い微粉末が好ましい。金属鉄の添加量は、スラリー中の硫酸イオン濃度に対応したものであればよく、含鉄酸性水濃度から算定可能である。好ましくは、スラリー中の硫酸イオン100重量部に対し、400〜900重量部程度添加することがよい。
スラリー中の硫酸イオンと金属鉄との反応により、2価鉄イオンと水素ガスが生成し、この2価鉄イオンを鉄酸化細菌の存在下で3価鉄イオンに酸化し、これと硫酸イオンにより含水鉄化合物を生成させる。そのため、この工程は鉄酸化細菌の存在下で行うことが必要である。鉄酸化細菌は、金属鉄添加工程で添加してもよいが、無機繊維含有材料を含鉄硫酸酸性水で処理する工程に添加しておくと、そこでもシュベルトマナイト等の含水鉄酸化物の生成を促進するので好ましい。更に、これらの酸化を促進するために、スラリーに空気吹込等の通気処理を行ったり、低温乾燥濃縮処理を行ったりすることが好ましい。
本発明で使用する鉄酸化細菌はThiobacillus ferooxidans、Gallionella ferruginea、Leptothrix ochracea、Leptothrix trichogenes、Clonothrix sp.、Crenothrin sp.、Metallogenium sp.、Ochrobium sp.、Siderocapsa sp.等の一種又は二種以上が挙げられる。使用する含鉄硫酸酸性水の種類にもよるが、pH2以下の強酸性水にはThiobacillus ferooxidansが適し、それ以外にはGallionella、Leptothrixなどが好ましい。
なお、前記の酸化処理に代えて、生成したスラリーを水洗することによっても水溶性硫酸イオンを除去することができるが、シュベルトマナイト等の含水鉄酸化物が分散してしまうため、大がかりなシックナー等の脱水装置が必要となる。また、一旦乾燥したものを水洗したのでは、再度乾燥する必要があって実用性がない。
本発明の水質浄化材の形状に制限はないが、粒状は好ましい形状の一つである。粒状の除去材の製造方法としては、リボンミキサー、回転造粒機等の混合機を用い、主要原料である無機繊維を粒状に成形すればよい。原料に粒状ロックウールを用いると、粒状に成形する操作が省ける利点がある。粒状物の場合、平均粒径は約1〜200mm、好ましくは5〜50mmであることがよい。
他の好ましい形状として層状成形品がある。すなわち、主要原材料である無機繊維を柔軟性バインダー樹脂で一体化した繊維層からなり、更にそれが親水性化処理されているものが好ましい。柔軟性バインダー樹脂としては、加熱によって接着性を発現する塩ビ系、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ナイロン系、アクリル系等の熱可塑性樹脂の粉末、溶液、エマルジョン等が挙げられ、好ましくは、繊維状に加工された熱融着性樹脂(熱融着性繊維)が使用できる。また、軟化温度の異なる複数の樹脂を組み合わせて使用することも可能である。
これらを一体化して繊維層とする方法としては、無機繊維と柔軟性バインダー樹脂を解繊し、次いで混合した後、加熱成形して所定の厚さのシート状又はフェルト状にしたものが使用できる。また、湿式抄造でもよい。この無機繊維製フェルトは、例えば柔軟性バインダー樹脂を配合したロックウールをシート状又はマット状に成形した後、剥離強度を向上させるため必要に応じてニードリング処理を行うことができる。この成形中又は成形後に加熱することにより、バインダー樹脂の接着力を発現させ、無機繊維相互を結合する。この繊維層の密度は30〜300kg/m3、好ましくは60〜250kg/m3、繊維層の厚みは1〜30mm、好ましくは2〜20mm、幅と長さは任意でよい。
本発明の水質浄化材は、その形状に係らず、空隙率が50vol%以上、好ましくは70〜99vol%である。また、除去材の嵩比重は、0.1〜1.5、好ましくは0.15〜1.0であることがよい。空隙率が大きすぎたり、嵩比重が低すぎたりすると、体積あたりの浄化材の量が不足し、水質浄化が不十分となる場合がある。逆に、空隙率が低すぎたり、嵩比重が大きすぎたりすると、処理水との接触が十分に行われない。
また、本発明の水質浄化材は、前記の製造方法の他に、次の方法で製造したものも使用することができる。
まず、含鉄硫酸酸性水を、硫酸酸性水に対する反応性を有するアルカリ土類金属系材料及び鉄系材料から選ばれる少なくとも一種の固形pH調整材で処理し、鉄酸化細菌の存在下、pH2.5〜4.0に維持して含水鉄酸化物のスラリーを得る。
次いで、前記方法と同様に、このスラリーを鉄酸化細菌の存在下で金属鉄を添加することにより、スラリー中の水溶性硫酸イオンを不溶化することで、本発明の水質浄化材を製造することができる。
まず、含鉄硫酸酸性水を、硫酸酸性水に対する反応性を有するアルカリ土類金属系材料及び鉄系材料から選ばれる少なくとも一種の固形pH調整材で処理し、鉄酸化細菌の存在下、pH2.5〜4.0に維持して含水鉄酸化物のスラリーを得る。
次いで、前記方法と同様に、このスラリーを鉄酸化細菌の存在下で金属鉄を添加することにより、スラリー中の水溶性硫酸イオンを不溶化することで、本発明の水質浄化材を製造することができる。
含鉄硫酸酸性水及び鉄酸化細菌としては、前記と同じものを使用すればよい。固形pH調整材としては、アルカリ土類金属系材料、鉄系材料又は両者を使用する。硫酸イオンに比べて鉄イオンが少ないときは、鉄系材料又は両者を使用することが有利である。これらのpH調整材は、水中でアルカリ性を示すか、酸性水と接触してpHを高めるものが使用される。しかし、NaoHのようなアルカリ金属系材料は、生成する含水鉄酸化物の含水率を高め、脱水を困難とするため使用されない。しかし、アルカリ土類金属系材料等に少量混在することは差し支えない。
アルカリ土類金属系材料としては、上記性質を示すアルカリ土類金属化合物が使用される。好ましいアルカリ土類金属系材料としては、カルシウム及び/又はマグネシウムの酸化物、水酸化物、炭酸塩及び珪酸塩から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。これらは単一化合物であっても、複塩であっても、組成物であってもよい。より具体的には、石灰石、珪酸カルシウム、珪酸カルシウム系鉱物若しくは人工材料、トバモライト、ゾノトライトの一種以上から構成される珪酸カルシウム板破砕物、ロックウール、ガラスウール、ニッケルスラグウール、セメント、セメントクリンカー、コンクリート、モルタル、製鉄スラグ、非鉄スラグ、フライアッシュ、ゼオライト及びこれらの廃材から選ばれる少なくとも一種の粉末、粒状物、塊状物、繊維状物又は破砕物が挙げられる。また、ドロマイト、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、セメント、コンクリート破砕物、モルタル破砕物、製鉄スラグ、ロックウール及びその廃棄物や前記の珪酸カルシウム板破砕物も好ましいものといえる。
鉄系材料としては、OH基を少なくとも一つ有する水酸化鉄系化合物がpH調整機能の観点から好ましいが、酸化鉄系材料も使用可能である。具体例を示すと、菱鉄鉱、アンケル石、針鉄鉱、鱗鉄鉱、ヒンシゲライト、含水酸化鉄、フェリハイドライト、磁鉄鉱、赤鉄鉱、磁赤鉄鉱、褐鉄鉱及び金属鉱山廃水処理場含鉄中和沈殿物から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。有利には、FeOOHで表される針鉄鉱、鱗鉄鉱、含水酸化鉄(非結晶)、褐鉄鉱、Fe(OH)3・SiO2で表されるヒンシゲライトや、金属鉱山廃水処理場から排出される含鉄中和沈殿物(Fe(OH)3、FeOOH、CaCO3等の混合物)が挙げられる。また、菱鉄鉱、アモルファス含水酸化鉄、フェリハイドライト等も好ましいものとして挙げられる。
pH調整材の形状に制限はないが、表面積の大きい粒状又は繊維状は好ましい形状の一つである。粒状物の場合、平均粒径は1〜200mm、好ましくは5〜50である。含鉄硫酸酸性水とpH調整材の接触は、前記と同様に、鉄酸化細菌の存在下、pH2.5〜4になるように行えばよい。
このようして、シュベルトマナイトを主体とする含水鉄酸化物の水分散液が得られる。含水鉄酸化物の回収に当たっては、高分子凝集剤を使用することなく、自然沈降又は凝集させることがよい。シュベルトマナイトは結晶性が低く、ろ過困難なスライム状の沈殿を形成しやすいが、凝集剤を使用するとこれが促進されて水分除去が困難となる。凝集剤を使用することなく、自然沈降又は凝集させて得られるシュベルトマナイトを含むスラリーは、前記と同様に金属鉄を添加し、スラリー中に余剰水溶性硫酸イオンを不溶化すればよい。金属鉄の添加方法や後処理も前記と同様でよい。
本発明の水質浄化材は、pH6〜7の中性域の水に含有される砒素、カドミウム、鉛、リン、セレン、フッ素の有害物質を除去するのに好適であり、処理水のpHを低下させることもない。中性域の水としては、河川水や地下水等の飲用に供される水が挙げられる。その他、砒素、リン等の有害物質を含む工業廃水、鉱山廃水、農業廃水、更には試薬の後処理などにも適用可能である。また、本発明の水質浄化材は、透水性が極めて高く、水と効率よく接触させることができ、使用後も水はけがよく、静置しておくだけで脱水処理可能である。また、本発明の製造方法は、入手容易で安価な材料と、鉱山廃水や工場廃水を有効に利用でき、シックナーやフィルタープレス等の大がかりな設備を必要とせず、低コストで本発明の水質浄化材を製造できる。
本発明の水質浄化材を使用する場合は、これを充填した容器を設け、ここに処理水を流すことが有利である。この場合、処理水と水質浄化材の接触時間が15分以上、好ましくは30分〜5時間程度となるように充填層の厚みや処理水の流速を制御することがよい。また、処理水が一旦貯槽や池に貯められ箇所で、本発明の水質浄化材を使用する場合は、粒状、層状の水質浄化材をそのまま添加したり、かご状の容器に充填して、これを水中に沈めたり、つるしたりすることがよい。使用済みの水質浄化材を新品と交換する場合は、容器に入れて使用することが有利である。そして、これらの処理方法を複数組合せて使用することも有利である。
なお、本発明の水質浄化材との接触温度は常温、接触時間は充填量、透水量、処理水中に含まれる有害物質のイオン濃度、処理水に求められる水質等によって変化するが、例えば30分以上、好ましくは60分以上である。そして、処理水中に残存する水溶性鉄イオンを1.5mg/l以下とすることによって、赤水の生成を防止することができる。本発明の水質浄化材を使用した場合の能力は、物理的に通水が困難となった時点で交換するか、処理水中の有害物質濃度が規制値に達する直前に取替えるか追加することが望ましい。
そして、使用済みの水質浄化材は多量の鉄分を含有するので、亜硫酸ガスの吸着材やダイオキシンの分解材となる活性酸化鉄の原料や鉄含有の土壌改良材、セメント用鉄原料、製鉄原料等として使用することができ、リサイクル活用が容易である。
実施例1
無機繊維としてロックウール(新日化ロックウール株式会社製、エスファイバー粒状綿、平均粒径30mm)、ニッケルスラグウール(太平洋金属株式会社製、粒状綿、平均粒径30mm)、グラスウール(樹脂なし短繊維)をそれぞれ75g用い、試薬の硫酸第一鉄、セッコウと硫酸を用いてpH2、総鉄イオン340mg/l、カルシウムイオン250mg/l、硫酸イオン2000mg/lの酸性溶液5l中に添加し、常温で28日間反応させた。
その時の無機繊維への鉄分の付着率を溶液中に残存する鉄分濃度を測定して算出した。また、反応後の溶液のpHを測定した。更に、鉄分の繊維表面への付着性を見るため、溶液中で5分間攪拌し、繊維と反応生成物との分離状態を目視で確認した。更にまた、繊維表面に付着した鉄分を高出力型X線粉末回折装置で分析した。結果を表1に示す。
なお、表1において、RWはロックウール、NWはニッケルスラグウール、GWはグラスウール、CFは炭素繊維、SFは石英繊維であり、S+Gは低結晶度のシュベルトマナイトと針鉄鉱との混合物であり、−は生成物が少なく測定不能を示す。
無機繊維としてロックウール(新日化ロックウール株式会社製、エスファイバー粒状綿、平均粒径30mm)、ニッケルスラグウール(太平洋金属株式会社製、粒状綿、平均粒径30mm)、グラスウール(樹脂なし短繊維)をそれぞれ75g用い、試薬の硫酸第一鉄、セッコウと硫酸を用いてpH2、総鉄イオン340mg/l、カルシウムイオン250mg/l、硫酸イオン2000mg/lの酸性溶液5l中に添加し、常温で28日間反応させた。
その時の無機繊維への鉄分の付着率を溶液中に残存する鉄分濃度を測定して算出した。また、反応後の溶液のpHを測定した。更に、鉄分の繊維表面への付着性を見るため、溶液中で5分間攪拌し、繊維と反応生成物との分離状態を目視で確認した。更にまた、繊維表面に付着した鉄分を高出力型X線粉末回折装置で分析した。結果を表1に示す。
なお、表1において、RWはロックウール、NWはニッケルスラグウール、GWはグラスウール、CFは炭素繊維、SFは石英繊維であり、S+Gは低結晶度のシュベルトマナイトと針鉄鉱との混合物であり、−は生成物が少なく測定不能を示す。
比較例1
無機繊維として炭素繊維(ピッチ系短繊維)、石英繊維(組織培養用短繊維)を使用した以外は、実施例1と同様の酸性溶液、反応条件とした場合の各繊維への鉄分の付着率、付着性と溶液のpHを表1に示す。
無機繊維として炭素繊維(ピッチ系短繊維)、石英繊維(組織培養用短繊維)を使用した以外は、実施例1と同様の酸性溶液、反応条件とした場合の各繊維への鉄分の付着率、付着性と溶液のpHを表1に示す。
実施例2
実施例1と同じ無機繊維及び酸性溶液を使用し、更に鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansを含有するバイオマット15gを添加し、室温で28日間反応させた。その時の無機繊維への鉄分の付着率、付着性と溶液のpHを表1に示す。
実施例1と同じ無機繊維及び酸性溶液を使用し、更に鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansを含有するバイオマット15gを添加し、室温で28日間反応させた。その時の無機繊維への鉄分の付着率、付着性と溶液のpHを表1に示す。
比較例2
比較例1と同様な試験において、実施例2と同じ鉄酸化細菌を存在させた場合の無機繊維への鉄分の付着率、付着性と溶液のpHを表1に示す。
比較例1と同様な試験において、実施例2と同じ鉄酸化細菌を存在させた場合の無機繊維への鉄分の付着率、付着性と溶液のpHを表1に示す。
表1の結果から、無機繊維としてロックウール、ニッケルスラグウール、グラスウールを使用した実施例1と2は、無機繊維として炭素繊維、石英繊維を使用した比較例1と2に比べて、含水鉄酸化物が効率よく繊維に担持されることが認められた。
実施例3
無機繊維としてロックウール(新日化ロックウール株式会社製、エスファイバー粒状綿、平均粒径30mm)、無機粉粒体として高炉セメント(新日鐵高炉セメント株式会社製、B種高炉セメント)を使用した。
ロックウール60%、高炉セメント40%をリボンミキサーで攪拌混合し、平均粒径20mm、嵩比重0.15、空隙率94vol%の粒状混合物を得た。この粒状混合物の化学組成は、SiO2:33.0%、Al2O3:10.2%、CaO:47.8%、MgO:4.2%、Fe2O3:1.4%、TiO2:0.5%、MnO:0.2%、SO3:0.7%、Ig.loss:1.2%であった。
次に、試薬の硫酸第一鉄、セッコウと硫酸を用いて、硫酸イオン1080mg/l、総鉄イオン137mg/l、カルシウムイオン250mg/lを含有するpH2.5の酸性溶液を準備した。直径10.4cmの合成樹脂製カラム中に粒状混合物100gを厚さ6.8cm、嵩比重0.174になるように充填し、酸性溶液を5l/日の通水量で上面から50lかけ流した。その時の粒状混合物への鉄分の付着率を溶液中に残存する鉄分濃度を測定して算出したところ、ほぼ100%であり、材1kgあたり鉄分の付着量は金属鉄換算で68.5gであった。また、反応終了時の排出溶液のpHと鉄分濃度を測定したところ、pH10.0、総鉄イオン0.01mg/lであった。
更に、反応後において含水鉄酸化物が担持された繊維質材料(水質浄化材)について、その透水性を測定したところ、透水係数は4.0×10-1cm/secであり、反応終了時の含水率は76%であった。また、繊維表面に付着した含水鉄酸化物を高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、低結晶度のフェリハイドライトであった。
無機繊維としてロックウール(新日化ロックウール株式会社製、エスファイバー粒状綿、平均粒径30mm)、無機粉粒体として高炉セメント(新日鐵高炉セメント株式会社製、B種高炉セメント)を使用した。
ロックウール60%、高炉セメント40%をリボンミキサーで攪拌混合し、平均粒径20mm、嵩比重0.15、空隙率94vol%の粒状混合物を得た。この粒状混合物の化学組成は、SiO2:33.0%、Al2O3:10.2%、CaO:47.8%、MgO:4.2%、Fe2O3:1.4%、TiO2:0.5%、MnO:0.2%、SO3:0.7%、Ig.loss:1.2%であった。
次に、試薬の硫酸第一鉄、セッコウと硫酸を用いて、硫酸イオン1080mg/l、総鉄イオン137mg/l、カルシウムイオン250mg/lを含有するpH2.5の酸性溶液を準備した。直径10.4cmの合成樹脂製カラム中に粒状混合物100gを厚さ6.8cm、嵩比重0.174になるように充填し、酸性溶液を5l/日の通水量で上面から50lかけ流した。その時の粒状混合物への鉄分の付着率を溶液中に残存する鉄分濃度を測定して算出したところ、ほぼ100%であり、材1kgあたり鉄分の付着量は金属鉄換算で68.5gであった。また、反応終了時の排出溶液のpHと鉄分濃度を測定したところ、pH10.0、総鉄イオン0.01mg/lであった。
更に、反応後において含水鉄酸化物が担持された繊維質材料(水質浄化材)について、その透水性を測定したところ、透水係数は4.0×10-1cm/secであり、反応終了時の含水率は76%であった。また、繊維表面に付着した含水鉄酸化物を高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、低結晶度のフェリハイドライトであった。
実施例4
高炉セメントに代えてポルトランドセメントを使用した以外は実施例3と同じ粒状混合物、酸性溶液、実験装置を使用し、鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansを添加した酸性溶液を5l/日の通水量で上面から300lかけ流した。その時の粒状混合物への鉄分の付着率を溶液中に残存する鉄分濃度を測定して算出したところ、ほぼ99%であり、材1kgあたりの鉄分付着量は金属鉄換算で407gであった。また、反応終了時の排出溶液のpHと鉄分濃度を測定したところ、pH4.0、総鉄イオン1.4mg/l、硫酸イオン1000mg/l、珪酸16mg/l、カルシウムイオン297mg/lであった。
更に、反応後において含水鉄酸化物が担持された繊維質材料(水質浄化材)について、その透水性を測定したところ、透水係数は7.0×10-2cm/secであり、反応終了時の含水率は78%であった。
この水質浄化材を電子顕微鏡で観察したところ、ロックウール繊維の周囲に数ミクロンの瘤状の生成物が連なって鞘状に沈積しており、瘤状生成物はサブミクロンの針状粒子の集合体であった。また、反応後のロックウール繊維の化学組成をEPMAで分析したところ、SiO2:98.3%、Al2O3:0.8%、CaO:0.0%からなり、繊維形状を保持した多孔質シリカとなっていた。含水鉄酸化物全体の化学組成については、Fe2O3:85.6%、SiO2:2.8%、CaO:0.2%、SO3:11.0%であり、高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、低結晶度のシュベルトマナイトであった。
高炉セメントに代えてポルトランドセメントを使用した以外は実施例3と同じ粒状混合物、酸性溶液、実験装置を使用し、鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansを添加した酸性溶液を5l/日の通水量で上面から300lかけ流した。その時の粒状混合物への鉄分の付着率を溶液中に残存する鉄分濃度を測定して算出したところ、ほぼ99%であり、材1kgあたりの鉄分付着量は金属鉄換算で407gであった。また、反応終了時の排出溶液のpHと鉄分濃度を測定したところ、pH4.0、総鉄イオン1.4mg/l、硫酸イオン1000mg/l、珪酸16mg/l、カルシウムイオン297mg/lであった。
更に、反応後において含水鉄酸化物が担持された繊維質材料(水質浄化材)について、その透水性を測定したところ、透水係数は7.0×10-2cm/secであり、反応終了時の含水率は78%であった。
この水質浄化材を電子顕微鏡で観察したところ、ロックウール繊維の周囲に数ミクロンの瘤状の生成物が連なって鞘状に沈積しており、瘤状生成物はサブミクロンの針状粒子の集合体であった。また、反応後のロックウール繊維の化学組成をEPMAで分析したところ、SiO2:98.3%、Al2O3:0.8%、CaO:0.0%からなり、繊維形状を保持した多孔質シリカとなっていた。含水鉄酸化物全体の化学組成については、Fe2O3:85.6%、SiO2:2.8%、CaO:0.2%、SO3:11.0%であり、高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、低結晶度のシュベルトマナイトであった。
実施例5
実施例3で得られた水質浄化材を用い、3価砒素イオン15mg/l、カドミウムイオン15mg/l、鉛イオン15mg/lを含むpH3.6の硝酸酸性溶液1l中に処理材9g/l添加し、常温で1時間反応させ、濾液中の濃度とpHを測定したところ、3価砒素イオン3.7mg/l、カドミウムイオン0.05mg/l、鉛イオン0.01mg/l、pH9.4であった。
実施例3で得られた水質浄化材を用い、3価砒素イオン15mg/l、カドミウムイオン15mg/l、鉛イオン15mg/lを含むpH3.6の硝酸酸性溶液1l中に処理材9g/l添加し、常温で1時間反応させ、濾液中の濃度とpHを測定したところ、3価砒素イオン3.7mg/l、カドミウムイオン0.05mg/l、鉛イオン0.01mg/l、pH9.4であった。
実施例6
実施例4で得られた水質浄化材を用い、3価砒素イオン15mg/l、カドミウムイオン15mg/l、鉛イオン15mg/lを含むpH3.6の硝酸酸性溶液1l中に処理材9g/l添加し、常温で1時間反応させ、濾液中の濃度とpHを測定したところ、3価砒素イオン2.4mg/l、カドミウムイオン0.75mg/l、鉛イオン3.45mg/l、pH3.0であった。
実施例4で得られた水質浄化材を用い、3価砒素イオン15mg/l、カドミウムイオン15mg/l、鉛イオン15mg/lを含むpH3.6の硝酸酸性溶液1l中に処理材9g/l添加し、常温で1時間反応させ、濾液中の濃度とpHを測定したところ、3価砒素イオン2.4mg/l、カドミウムイオン0.75mg/l、鉛イオン3.45mg/l、pH3.0であった。
比較例3
試薬の硫酸第一鉄、セッコウ及び硫酸を用いて、硫酸イオン1080mg/l、総鉄イオン137mg/l、カルシウムイオン250mg/lを含有するpH2.5の酸性溶液1l中に、消石灰を580mg添加し、常温で24時間攪拌して含水鉄酸化物(フェリハイドライト)を生成させた後、減圧濾過(ヌッチェ、内径70mm、濾紙5C)で濾過試験を行ったところ、濾過時間は342秒、濾過殿物の透水性能は4×10-6cm/sであり、極めて透水性に劣るものであった。
試薬の硫酸第一鉄、セッコウ及び硫酸を用いて、硫酸イオン1080mg/l、総鉄イオン137mg/l、カルシウムイオン250mg/lを含有するpH2.5の酸性溶液1l中に、消石灰を580mg添加し、常温で24時間攪拌して含水鉄酸化物(フェリハイドライト)を生成させた後、減圧濾過(ヌッチェ、内径70mm、濾紙5C)で濾過試験を行ったところ、濾過時間は342秒、濾過殿物の透水性能は4×10-6cm/sであり、極めて透水性に劣るものであった。
比較例4
比較例3の消石灰に代えて、1規定の水酸化ナトリウム水溶液を使用して含水鉄酸化物(フェリハイドライト)を生成した後、減圧濾過(ヌッチェ、内径70mm、濾紙5C)で濾過試験を行ったところ、濾過時間は93秒、濾過殿物の透水性能は1×10-5cm/sであり、極めて透水性に劣るものであった。
比較例3の消石灰に代えて、1規定の水酸化ナトリウム水溶液を使用して含水鉄酸化物(フェリハイドライト)を生成した後、減圧濾過(ヌッチェ、内径70mm、濾紙5C)で濾過試験を行ったところ、濾過時間は93秒、濾過殿物の透水性能は1×10-5cm/sであり、極めて透水性に劣るものであった。
比較例5
比較例3と同様な酸性溶液中に、鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansを添加し、常温で1l/分の空気を吹き込みながら7日間攪拌して含水鉄酸化物(シュベルトマナイト)を生成した後、減圧濾過(ヌッチェ、内径70mm、濾紙5C)で濾過試験を行ったところ、濾過時間は342秒、濾過殿物の透水性能は6×10-6cm/sであり、極めて透水性に劣るものであった。
比較例3と同様な酸性溶液中に、鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansを添加し、常温で1l/分の空気を吹き込みながら7日間攪拌して含水鉄酸化物(シュベルトマナイト)を生成した後、減圧濾過(ヌッチェ、内径70mm、濾紙5C)で濾過試験を行ったところ、濾過時間は342秒、濾過殿物の透水性能は6×10-6cm/sであり、極めて透水性に劣るものであった。
実施例7
実施例4で得られた水質浄化材を用い、含砒素人工廃水(3価砒素イオン50mg/l)を処理したところ、添加量5g/lで砒素除去率は45.2%であり、含リン人工廃水(リン酸98mg/l)を処理したところ、添加量5g/lでリン除去率は99.5%であり、含フッ素人工廃水(フッ素3.6mg/l)を処理したところ、添加量100g/lでフッ素除去率は40%であった。
廃水処理後の水質浄化材は、繊維表面において繊維状シリカがシュベルトマナイトで鞘状に囲まれており、このシュベルトマナイトで砒素等が取り込まれているため、安定的に存在している。そのため、この水質浄化材をそのまま取り出して後処理することが可能であった。
実施例4で得られた水質浄化材を用い、含砒素人工廃水(3価砒素イオン50mg/l)を処理したところ、添加量5g/lで砒素除去率は45.2%であり、含リン人工廃水(リン酸98mg/l)を処理したところ、添加量5g/lでリン除去率は99.5%であり、含フッ素人工廃水(フッ素3.6mg/l)を処理したところ、添加量100g/lでフッ素除去率は40%であった。
廃水処理後の水質浄化材は、繊維表面において繊維状シリカがシュベルトマナイトで鞘状に囲まれており、このシュベルトマナイトで砒素等が取り込まれているため、安定的に存在している。そのため、この水質浄化材をそのまま取り出して後処理することが可能であった。
実施例8
ニッケルスラグウール(太平洋金属株式会社製、粒状綿、平均粒径30mm)50重量部と、含水鉄酸化物として、人工含水鉄酸化物(シュベルトマナイト:SMN)、マグネタイト(MG)、針鉄鉱(GE)、フェリハイドライト(FH)のいずれか50重量部と、アクリルエマルジョン2重量部とをリボンミキサーで攪拌混合し、平均粒径20mm、嵩比重0.2、空隙率95vol%の粒状混合物として、含水鉄酸化物が担持された水質浄化材を得た。
人工含水鉄酸化物としてのシュベルトマナイトは、硫酸第一鉄、セッコウ及び硫酸を用いて、硫酸イオン1080mg/l、総鉄イオン137mg/l、カルシウムイオン250mg/lを含有するpH2.5の酸性溶液を準備し、その酸性溶液中に鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansを添加し、常温で1l/分の空気を吹き込みながら7日間攪拌して生成させたものを使用した。マグネタイト、針鉄鉱、フェリハイドライトとしては、市販(テツゲン株式会社製)のものを使用した。
この水質浄化材を用いて、含砒素人工廃水(3価砒素イオン50mg/l)や含リン人工廃水(リン酸98mg/l)を添加量10g/lで処理したところ、表2に示すとおり、優れた脱砒素率、脱リン率を示した。また、廃水処理後の水質浄化材は、スライム状にならず、そのまま取り出して後処理することが可能であった。
ニッケルスラグウール(太平洋金属株式会社製、粒状綿、平均粒径30mm)50重量部と、含水鉄酸化物として、人工含水鉄酸化物(シュベルトマナイト:SMN)、マグネタイト(MG)、針鉄鉱(GE)、フェリハイドライト(FH)のいずれか50重量部と、アクリルエマルジョン2重量部とをリボンミキサーで攪拌混合し、平均粒径20mm、嵩比重0.2、空隙率95vol%の粒状混合物として、含水鉄酸化物が担持された水質浄化材を得た。
人工含水鉄酸化物としてのシュベルトマナイトは、硫酸第一鉄、セッコウ及び硫酸を用いて、硫酸イオン1080mg/l、総鉄イオン137mg/l、カルシウムイオン250mg/lを含有するpH2.5の酸性溶液を準備し、その酸性溶液中に鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansを添加し、常温で1l/分の空気を吹き込みながら7日間攪拌して生成させたものを使用した。マグネタイト、針鉄鉱、フェリハイドライトとしては、市販(テツゲン株式会社製)のものを使用した。
この水質浄化材を用いて、含砒素人工廃水(3価砒素イオン50mg/l)や含リン人工廃水(リン酸98mg/l)を添加量10g/lで処理したところ、表2に示すとおり、優れた脱砒素率、脱リン率を示した。また、廃水処理後の水質浄化材は、スライム状にならず、そのまま取り出して後処理することが可能であった。
実施例9
無機繊維としてロックウール(新日化ロックウール株式会社製、エスファイバー粒状綿、平均粒径30mm)、無機粉粒体として高炉セメント(新日鐵高炉セメント株式会社製、B種高炉セメント)を使用した。
ロックウール60%、高炉セメント40%をリボンミキサーで攪拌混合し、平均粒径20mm、嵩比重0.15、空隙率94vol%の粒状混合物を得た。長さ120cm、幅16cm、高さ90cmの合成樹脂製カラム中に粒状混合物20kgを厚さ60cm、嵩比重0.174になるように充填した。
硫酸イオン875mg/l、総鉄イオン124mg/l、カルシウムイオン226mg/lを含有し、鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansが生息するpH2.8の硫化鉄鉱山の酸性坑廃水を1l/日の通水量で上面から500lかけ流した。
その時の粒状混合物への鉄分の付着率を溶液中に残存する鉄分濃度を測定して算出したところ、ほぼ100%であり、水質浄化材20kgあたりの鉄分付着量は金属鉄換算で約6kgであった。反応終了時の排出溶液のpHと鉄分濃度を測定したところ、pH4.1、総鉄イオン0.09mg/lであった。透水性を測定したところ、透水係数は0.6×10-2cm/secであり、反応終了時の含水率は78%であった。また、100℃乾燥物の嵩比重は0.18であった。構成鉱物を高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、低結晶度のシュベルトマナイトと針鉄鉱の混合物であった。
次に、pH6.9、砒素イオン1.07mg/l、総鉄イオン0.07mg/l、鉛イオン0.003mg/lを含む坑廃水を0.5l/日の通水量で上面から10lかけ流した。その時の処理水を分析したところ、pH3.9、砒素イオン0.01mg/l、総鉄イオン2.3mg/l、鉛イオンは不検出であった。更に、反応後の透水性を測定したところ、透水係数は0.5×10-2cm/secであり、反応終了時の含水率は77%であった。また、100℃乾燥物の嵩比重は0.19であった。構成鉱物を高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、低結晶度のシュベルトマナイトと針鉄鉱の混合物であった。
無機繊維としてロックウール(新日化ロックウール株式会社製、エスファイバー粒状綿、平均粒径30mm)、無機粉粒体として高炉セメント(新日鐵高炉セメント株式会社製、B種高炉セメント)を使用した。
ロックウール60%、高炉セメント40%をリボンミキサーで攪拌混合し、平均粒径20mm、嵩比重0.15、空隙率94vol%の粒状混合物を得た。長さ120cm、幅16cm、高さ90cmの合成樹脂製カラム中に粒状混合物20kgを厚さ60cm、嵩比重0.174になるように充填した。
硫酸イオン875mg/l、総鉄イオン124mg/l、カルシウムイオン226mg/lを含有し、鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansが生息するpH2.8の硫化鉄鉱山の酸性坑廃水を1l/日の通水量で上面から500lかけ流した。
その時の粒状混合物への鉄分の付着率を溶液中に残存する鉄分濃度を測定して算出したところ、ほぼ100%であり、水質浄化材20kgあたりの鉄分付着量は金属鉄換算で約6kgであった。反応終了時の排出溶液のpHと鉄分濃度を測定したところ、pH4.1、総鉄イオン0.09mg/lであった。透水性を測定したところ、透水係数は0.6×10-2cm/secであり、反応終了時の含水率は78%であった。また、100℃乾燥物の嵩比重は0.18であった。構成鉱物を高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、低結晶度のシュベルトマナイトと針鉄鉱の混合物であった。
次に、pH6.9、砒素イオン1.07mg/l、総鉄イオン0.07mg/l、鉛イオン0.003mg/lを含む坑廃水を0.5l/日の通水量で上面から10lかけ流した。その時の処理水を分析したところ、pH3.9、砒素イオン0.01mg/l、総鉄イオン2.3mg/l、鉛イオンは不検出であった。更に、反応後の透水性を測定したところ、透水係数は0.5×10-2cm/secであり、反応終了時の含水率は77%であった。また、100℃乾燥物の嵩比重は0.19であった。構成鉱物を高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、低結晶度のシュベルトマナイトと針鉄鉱の混合物であった。
実施例10
試薬の硫酸第一鉄、硫酸とセッコウを用い、pH1.8、総鉄分370mg/l、2価鉄イオン370mg/l、硫酸イオン2510mg/lの含鉄硫酸酸性水を調製した。この含鉄硫酸酸性水に、pH調整材として粉末状の水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、セメント、ロックウール、又は低結晶度の含水酸化鉄を添加した後30分間攪拌し、pH2.5以上〜pH4.0未満に調整した。その時のpHと添加量を表3に示す。
次に、反応生成物を濾紙5Cで濾過し、その濾液に鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansを添加してエアーポンプで通気しながら常温で7日間放置とたところ、スライム状ではなく、鉄全量に見合った量の含水鉄酸化物を含むバイオマットが生成した。
このバイオマットを構成する含水鉄酸化物を高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、その大部分が低結晶度のシュベルトマナイト(シュベルトマナイト自体が低結晶性であるため、純度としては高く、高純度のシュベルトマナイトといえる)と針鉄鉱の混合物であった。なお、このバイオマットは固形分5%程度であり、天日乾燥だけで十分に回収可能であった。
試薬の硫酸第一鉄、硫酸とセッコウを用い、pH1.8、総鉄分370mg/l、2価鉄イオン370mg/l、硫酸イオン2510mg/lの含鉄硫酸酸性水を調製した。この含鉄硫酸酸性水に、pH調整材として粉末状の水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、セメント、ロックウール、又は低結晶度の含水酸化鉄を添加した後30分間攪拌し、pH2.5以上〜pH4.0未満に調整した。その時のpHと添加量を表3に示す。
次に、反応生成物を濾紙5Cで濾過し、その濾液に鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansを添加してエアーポンプで通気しながら常温で7日間放置とたところ、スライム状ではなく、鉄全量に見合った量の含水鉄酸化物を含むバイオマットが生成した。
このバイオマットを構成する含水鉄酸化物を高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、その大部分が低結晶度のシュベルトマナイト(シュベルトマナイト自体が低結晶性であるため、純度としては高く、高純度のシュベルトマナイトといえる)と針鉄鉱の混合物であった。なお、このバイオマットは固形分5%程度であり、天日乾燥だけで十分に回収可能であった。
比較例6
実施例10と同じ含鉄硫酸酸性水を用い、pH調整材として水酸化カルシウム、炭酸カルシウム又はセメントを添加し、pH4.0以上に調整し30分間攪拌したところ、pH調整材の表面に含水鉄酸化物の沈殿が生じ、両者の分離が困難であった。また、沈殿した含水鉄酸化物を高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、シュベルトマナイトは確認されなかった。その時のpHと添加量を表4に示す。
実施例10と同じ含鉄硫酸酸性水を用い、pH調整材として水酸化カルシウム、炭酸カルシウム又はセメントを添加し、pH4.0以上に調整し30分間攪拌したところ、pH調整材の表面に含水鉄酸化物の沈殿が生じ、両者の分離が困難であった。また、沈殿した含水鉄酸化物を高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、シュベルトマナイトは確認されなかった。その時のpHと添加量を表4に示す。
比較例7
実施例10と同じ含鉄硫酸酸性水を用い、pH調整材として1規定の水酸化ナトリウム水溶液を添加した後30分間攪拌し、pH2.5以上〜pH4.0未満に調整した。その時のpHと添加量を表4に示す。
次に、反応生成物を濾紙5Cで濾過し、その濾液に鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansを添加してエアーポンプで通気しながら、常温で7日間放置とたところ、含水鉄酸化物を含むバイオマットが生成した。このバイオマットを構成する含水鉄酸化物を高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、ジャロサイトと低結晶度の針鉄鉱の混合物であった。
実施例10と同じ含鉄硫酸酸性水を用い、pH調整材として1規定の水酸化ナトリウム水溶液を添加した後30分間攪拌し、pH2.5以上〜pH4.0未満に調整した。その時のpHと添加量を表4に示す。
次に、反応生成物を濾紙5Cで濾過し、その濾液に鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansを添加してエアーポンプで通気しながら、常温で7日間放置とたところ、含水鉄酸化物を含むバイオマットが生成した。このバイオマットを構成する含水鉄酸化物を高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、ジャロサイトと低結晶度の針鉄鉱の混合物であった。
比較例8
実施例10と同じ含鉄硫酸酸性水中に、実施例10と同じpH調整材を添加した後30分間攪拌し、pH2.5未満に調整した。次に、反応生成物を濾紙5Cで濾過し、その濾液に鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansを添加してエアーポンプで通気しながら、常温で7日間放置とたところ、いずれも含水鉄酸化物を含むバイオマットの生成は認められなかった。
実施例10と同じ含鉄硫酸酸性水中に、実施例10と同じpH調整材を添加した後30分間攪拌し、pH2.5未満に調整した。次に、反応生成物を濾紙5Cで濾過し、その濾液に鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansを添加してエアーポンプで通気しながら、常温で7日間放置とたところ、いずれも含水鉄酸化物を含むバイオマットの生成は認められなかった。
実施例11
水平に設置した長さ5m、幅0.3m、深さ0.3mのU字溝の底部に、pH調整材としてセメント4重量部とロックウール粒状綿6重量部の混合物50kgを散布し、上面よりジョウロで100lの浄水を散布して1週間固化させた。
この固化物に、含鉄硫酸酸性水として鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansが生息し、pH2.4、総鉄イオン90.3mg/l、硫酸イオン999mg/lの鉱山廃水を約70m3/日で通過させ、その下流部に長さ5m、幅2m、深さ0.3mの枡を設置して流速を低下させたところ、枡の出口付近の水はpH2.66であった。
6カ月後に枡の内部を調査したところ、厚さ約15cmの含水酸化鉄を含むバイオマットが形成されていた。採取したバイオマットの含水率は90%であった。
次に、このバイオマットの構成鉱物を高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、大部分が低結晶度のシュベルトマナイトであった。
水平に設置した長さ5m、幅0.3m、深さ0.3mのU字溝の底部に、pH調整材としてセメント4重量部とロックウール粒状綿6重量部の混合物50kgを散布し、上面よりジョウロで100lの浄水を散布して1週間固化させた。
この固化物に、含鉄硫酸酸性水として鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansが生息し、pH2.4、総鉄イオン90.3mg/l、硫酸イオン999mg/lの鉱山廃水を約70m3/日で通過させ、その下流部に長さ5m、幅2m、深さ0.3mの枡を設置して流速を低下させたところ、枡の出口付近の水はpH2.66であった。
6カ月後に枡の内部を調査したところ、厚さ約15cmの含水酸化鉄を含むバイオマットが形成されていた。採取したバイオマットの含水率は90%であった。
次に、このバイオマットの構成鉱物を高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、大部分が低結晶度のシュベルトマナイトであった。
実施例12
pH調整材として径5mmの石灰石粒100kgを使用した以外は、実施例11と同様にして試験を行ったところ、枡の出口付近の水はpH2.5であった。
6カ月後に枡の内部を調査したところ、厚さ約15cmの含水酸化鉄を含む半固形状のバイオマットが形成されていた。採取したバイオマットの含水率は92%、1週間天日乾燥したバイオマットの含水率は32%であった。
次に、このバイオマットの構成鉱物を高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、ほぼ純粋な低結晶度のシュベルトマナイトであった。
pH調整材として径5mmの石灰石粒100kgを使用した以外は、実施例11と同様にして試験を行ったところ、枡の出口付近の水はpH2.5であった。
6カ月後に枡の内部を調査したところ、厚さ約15cmの含水酸化鉄を含む半固形状のバイオマットが形成されていた。採取したバイオマットの含水率は92%、1週間天日乾燥したバイオマットの含水率は32%であった。
次に、このバイオマットの構成鉱物を高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、ほぼ純粋な低結晶度のシュベルトマナイトであった。
比較例9
含鉄硫酸酸性水としてして実施例12と同じ鉱山廃水を使用し、1m3の反応槽中にpH調整材として325メッシュの石灰石粉末をpH5.5となるように添加し、空気攪拌し、廃水を5m3/日で通過させた。その下流部で高分子凝縮剤(三井化学製、アコフロックA110)を2g/m3となるように添加し、3m3のシックナーに導き、その底部より反応生成物スラリーを抜き出し、そのうち0.5m3/日は反応槽に返送した。
このスラリーの水分は99%と非常に高く、そのまま天日乾燥することは困難な状態であった。そのため、小型フィルタープレスを用いスラリーを脱水せざるを得なかった。
含鉄硫酸酸性水としてして実施例12と同じ鉱山廃水を使用し、1m3の反応槽中にpH調整材として325メッシュの石灰石粉末をpH5.5となるように添加し、空気攪拌し、廃水を5m3/日で通過させた。その下流部で高分子凝縮剤(三井化学製、アコフロックA110)を2g/m3となるように添加し、3m3のシックナーに導き、その底部より反応生成物スラリーを抜き出し、そのうち0.5m3/日は反応槽に返送した。
このスラリーの水分は99%と非常に高く、そのまま天日乾燥することは困難な状態であった。そのため、小型フィルタープレスを用いスラリーを脱水せざるを得なかった。
実施例13
pH調整材として、セメント(新日鉄高炉セメント株式会社製、B種高炉セメント40%とロックウール(新日化ロックウール株式会社製、エスファイバー粒状綿)60%の混合物を使用した。
また、含鉄硫酸酸性水として、鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansが生息し、pH2.4、全鉄量90.3mg/l、硫酸イオン量956mg/lの鉱山廃水を使用した。
水平に設置した長さ5m、幅0.3m、深さ0.3mのU字溝の底部に、pH調整材50kgを散布し、上面よりジョウロで100lの浄水を散布して1週間固化させた。
この固化物に鉱山廃水を約70m3/日で通過させ、その下流部に長さ5m、幅2m、深さ0.3mの枡を設置して流速を低下させたところ、枡の出口付近の水はpH2.66であった。
6カ月後に枡の内部を調査したところ、厚さ約15cmの含水酸化鉄を含むスラリー状のバイオマットが形成されていた。このバイオマットの含水率は90%であった。
このバイオマット1kgを採取し、合成樹脂製バット中に厚さ5cmとなるように充填し、試薬の金属鉄粉4.2gを添加し、空気を巻き込むように攪拌しながら水分が約70%となるまで30℃で2週間低温濃縮した。
次いで、この低温濃縮物を90℃で乾燥して、含水率5%、残存する水溶性硫酸イオン濃度1080ppmの固形状の水質浄化材を得た。
得られた水質浄化材の構成鉱物を高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、低結晶度のシュベルトマナイトと針鉄鉱の混合物であった。
次に、この固形状の水質浄化材を粗砕したもの50gを直径75mmの円筒形カラム中に45mm充填し、定量ポンプを用い全リン濃度0.13mg/lのリン酸溶液を15ml/分で2160ml通過させて、処理水中の全リン濃度を測定したところ、0.005mg/l未満であり、また、硫酸イオン濃度は5mg/l、処理水のpHは6.6、透明度は透視度50cm以上であった。
pH調整材として、セメント(新日鉄高炉セメント株式会社製、B種高炉セメント40%とロックウール(新日化ロックウール株式会社製、エスファイバー粒状綿)60%の混合物を使用した。
また、含鉄硫酸酸性水として、鉄酸化細菌Thiobacillus ferooxidansが生息し、pH2.4、全鉄量90.3mg/l、硫酸イオン量956mg/lの鉱山廃水を使用した。
水平に設置した長さ5m、幅0.3m、深さ0.3mのU字溝の底部に、pH調整材50kgを散布し、上面よりジョウロで100lの浄水を散布して1週間固化させた。
この固化物に鉱山廃水を約70m3/日で通過させ、その下流部に長さ5m、幅2m、深さ0.3mの枡を設置して流速を低下させたところ、枡の出口付近の水はpH2.66であった。
6カ月後に枡の内部を調査したところ、厚さ約15cmの含水酸化鉄を含むスラリー状のバイオマットが形成されていた。このバイオマットの含水率は90%であった。
このバイオマット1kgを採取し、合成樹脂製バット中に厚さ5cmとなるように充填し、試薬の金属鉄粉4.2gを添加し、空気を巻き込むように攪拌しながら水分が約70%となるまで30℃で2週間低温濃縮した。
次いで、この低温濃縮物を90℃で乾燥して、含水率5%、残存する水溶性硫酸イオン濃度1080ppmの固形状の水質浄化材を得た。
得られた水質浄化材の構成鉱物を高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、低結晶度のシュベルトマナイトと針鉄鉱の混合物であった。
次に、この固形状の水質浄化材を粗砕したもの50gを直径75mmの円筒形カラム中に45mm充填し、定量ポンプを用い全リン濃度0.13mg/lのリン酸溶液を15ml/分で2160ml通過させて、処理水中の全リン濃度を測定したところ、0.005mg/l未満であり、また、硫酸イオン濃度は5mg/l、処理水のpHは6.6、透明度は透視度50cm以上であった。
比較例10
実施例13で形成されたスラリー状のバイオマット1kgを採取し、合成樹脂製バット中に厚さ5cmとなるように充填し、空気を巻き込むように攪拌しながら水分が約70%となるまで30℃で2週間低温で濃縮した。これを90℃で乾燥して含水率5%、残存する水溶性硫酸イオン濃度9560ppmの固形状の水質浄化材を得た。
これを高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、低結晶度のシュベルトマナイトと針鉄鉱の混合物であった。
次に、この固形状の水質浄化材を粗砕したもの50gを直径75mmの円筒形カラム中に45mm充填し、定量ポンプを用い全リン濃度0.1mg/l、pH6.8のリン酸溶液を15ml/分で過させ、処理水中の全リン濃度を測定したところ、0.005mg/lであり、また、硫酸イオン濃度は48mg/l、処理水のpHは3.3、透明度は透視度50cmで、明らかに硫酸イオンの流出が認められた。
実施例13で形成されたスラリー状のバイオマット1kgを採取し、合成樹脂製バット中に厚さ5cmとなるように充填し、空気を巻き込むように攪拌しながら水分が約70%となるまで30℃で2週間低温で濃縮した。これを90℃で乾燥して含水率5%、残存する水溶性硫酸イオン濃度9560ppmの固形状の水質浄化材を得た。
これを高出力型X線粉末回折装置で分析した結果、低結晶度のシュベルトマナイトと針鉄鉱の混合物であった。
次に、この固形状の水質浄化材を粗砕したもの50gを直径75mmの円筒形カラム中に45mm充填し、定量ポンプを用い全リン濃度0.1mg/l、pH6.8のリン酸溶液を15ml/分で過させ、処理水中の全リン濃度を測定したところ、0.005mg/lであり、また、硫酸イオン濃度は48mg/l、処理水のpHは3.3、透明度は透視度50cmで、明らかに硫酸イオンの流出が認められた。
Claims (7)
- 中性域の水から砒素、リン等の有害物質を除去するための水質浄化材であって、固形状の含水鉄酸化物からなり、含水率が10wt%以下、残存する水溶性硫酸イオンが5000ppm以下であることを特徴とする水質浄化材。
- 含水鉄酸化物が、シュベルトマナイト、フェリハイドライト、アモルファス含水酸化鉄、赤金鉱、針鉄鉱、鱗鉄鉱、赤鉄鉱、磁鉄鉱、磁赤鉄鉱及び鉄明礬石から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の水質浄化材。
- 中性域の水から砒素、リン等の有害物質を除去するための水質浄化材を製造する方法であって、酸反応性を有する珪酸塩系繊維状無機物質又はこれを含む材料を、含鉄硫酸酸性水で処理し、少なくとも一部が酸と反応して珪酸分が増加した繊維状材料に担持された含水鉄酸化物のスラリーを得た後、鉄酸化細菌の存在下で金属鉄を添加することにより、スラリー中の余剰硫酸イオンを不溶化することを特徴とする水質浄化材の製造方法。
- 珪酸塩系繊維状無機物質が、ロックウール、ニッケルスラグウール及びガラスウールから選ばれる少なくとも一種の珪酸塩系無機繊維を含有するものである請求項3に記載の水質浄化材の製造方法。
- 中性域の水から砒素、リン等の有害物質を除去するための水質浄化材を製造する方法であって、含鉄硫酸酸性水を、硫酸酸性水に対する反応性を有するアルカリ土類金属系材料及び鉄系材料から選ばれる少なくとも一種の固形pH調整材で処理し、鉄酸化細菌の存在下、pH2.5〜4.0に維持して含水鉄酸化物のスラリーを得た後、鉄酸化細菌の存在下で金属鉄を添加することにより、スラリー中の余剰硫酸イオンを不溶化することを特徴とする水質浄化材の製造方法。
- スラリーに、鉄酸化細菌の存在下で金属鉄を添加し、且つ通気処理を行う請求項3〜5のいずれかに記載の水質浄化材の製造方法。
- 中性域の水から砒素、リン等の有害物質を除去するための水質浄化方法であって、固形状の含水鉄酸化物からなり、含水率が10wt%以下、残存する水溶性硫酸イオンが5000ppm以下である水質浄化材を用い、処理水中に残存する水溶性硫酸イオンを25ppm以下とすることを特徴とする水質浄化方法。
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---|---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-09-16 JP JP2003322983A patent/JP2005087834A/ja not_active Withdrawn
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