JP4933500B2 - 食品工場用の変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、食品の加工・製造、攪拌、搬送、充填、梱包、検査等の作業を行う食品工場で使用される変速機に関する。
なお、本発明において、「食品」とは、人が口にすることを目的としたもので、いわゆる食料品のほか、水、清涼飲料、アルコール飲料、たばこ等のし好品、医薬品等を含むものとし、「食品工場」とは、これらの食品を製造又は取り扱う工場等を指すものとする。従って、一般的には食品工場とは言わない浄水場や、薬品工場等をも含む。
又、本発明において「変速機」とは、減速機と増速機の双方を包含する概念として用いられており、減速比或いは増速比が「可変」であることは必ずしも要求されない。本発明は増速機の場合においても、適用可能という趣旨で使用されている。
近年の食品の安全性に対するユーザの意識の高まりの中において、食品工場等において食品の加工・製造、攪拌、搬送、充填、梱包、検査等の作業を行う食品機械に関し、該食品機械の駆動系の減速機の潤滑剤に対し、注意を払う必要が出てきている。
もちろん、食品機械を製造する機械メーカーやこれを使用する食品メーカー等の配慮或いは工夫によって、通常の稼働状態においてはこれら食品機械に用いられる潤滑剤が食品に接触したり混入したりすることはあり得ないようにはなっている。
例えば、食品機械の動力系統の中で特に潤滑剤が漏れる恐れのある駆動部位については、これを食品接触部から十分離した上で該食品接触部の下か横の位置で、且つ床から離した位置に位置決め・設定するようにしている。
具体例として、食品等を袋詰めしたような商品の重量を検出する検査機械において、例えば図5に示されるような工夫が為されている(例えば特許文献1参照)。
この検査機械は、商品Cを助走・搬送可能な助走コンベア10と、助走された商品Cを検査エリヤA内で搬送可能な検査コンベア11と、検査された商品Cを検査結果に基づいて選別・搬送する選別コンベア12とを備える。助走コンベア10上を助走・搬送されてきた商品Cは検査コンベア11上に橋渡しされ、ベルトBの移動に沿って検査コンベア11のベルトB上(検査エリヤA上)を通過する。
図5から明らかなように、助走コンベア10、検査コンベア11、及び選別コンベア12の各ギヤドモータ(モータ付減速機)GM1〜GM3は、食品接触部から十分離した上で該食品接触部の下の位置で、且つ床から離した位置に位置決め・設定するようにしている。
図6は、これらのコンベア10、11、12を駆動するために一般に用いられているギヤドモータGM1〜GM3の代表的な一例(GM1)を展開断面で示したものである。
このギヤドモータGM1は、モータM1及び歯車減速機G1が一体化されたものである。図示の例では、歯車減速機G1のタイプとしてピニオン8からの動力をヘリカルギヤを用いた3段の平行軸歯車減速機構によって減速する構造が採用されている。このギヤドモータGM1は、その内部に保有している潤滑剤(グリース)が漏れてこないように、歯車減速機G1の出力軸5と減速機ケーシング6の間だけでなく、モータM1のモータ軸7とモータカバー9の間にもオイルシールSe1、Se2が配置され、万全なシール構造とするように配慮されている。
特開平9−210753号公報
しかしながら、このように、食品工場にいては、万一様々な悪条件が重なって変速機の潤滑が漏れたような場合であっても、該変速機の潤滑が食品と接触したりしないように、該変速機の配置位置を工夫したりする必要があり、設置の自由度が小さく、ときに工場全体の多くの機械設備の配置を変更する必要が生じることもあるという問題があった。
本発明は、このような実情に鑑み、食品工場において使用する変速機において、高い安全性を維持しながら、より設置の自由度を高めることができる変速機を得ることをその課題としている。
本発明は、ケーシング内に変速機構を有し、食品工場内において使用される食品工場用の変速機において、前記ケーシングから露出している軸と該ケーシングとの間にオイルシール手段を配置することによって、前記変速機構を該ケーシング内に密封状態で収容し、且つ、該密封状態での収容に拘らず、万一、前記ケーシング内の潤滑剤が洩れてくる可能性に備えて、前記オイルシール手段を介して前記ケーシング外に最初ににじみ出てくる潤滑剤に、鉛、アンモニア、カドミウム、及びニッケルのいずれの成分をも含まない潤滑剤を使用し、且つ、前記変速機構を潤滑する潤滑剤に、前記最初ににじみ出てくる潤滑剤とは異なる潤滑剤を使用したことにより、上記課題を解決したものである。
発明者らは、現場の食品工場における現実の管理状況を考慮した。即ち、食品工場に使用されているギヤドモータ等は、通常の工場で使用されているものよりもともとその管理が厳しく、点検は頻繁に行われている。一方、「オイルシール手段」を用いて変速機構を(その軸受等を含めて)ケーシングに密封状態で収容するように設計すれば、変速機の潤滑剤れ(グリースれ)は、該オイルシール手段からその一部がにじみ出ているかどうかを点検することによって、その初期状態にて発見できるようになる。即ち、変速機に使用される潤滑剤(グリース)は適度な「ちょう度」があるため、変速機構をオイルシール手段を介して密封した場合、該オイルシール手段を越えてしたたり落ちるほどになる迄には、時間的にかなりの余裕がある。従って、この間にオイルシール手段を交換するなどの手当てをすることができる。
本発明は、この点に着目し、オイルシール手段を用いて変速機構をケーシング内に密封し、その上で、このオイルシール手段を潤滑するシール部潤滑剤として人体に害のない潤滑剤を使用するようにした。この結果、万一潤滑剤がれ出てくる場合であっても、最初ににじみ出てくる潤滑剤は、人体に害がないため、特に問題は生じない。
なお、本発明において、更に、オイルシール手段を変速機構が存在する空間から隔離するための遮蔽手段を備えるようにした場合には、オイルシール手段に掛かる潤滑の圧力負荷を軽減できるため、該オイルシール手段の劣化をそれだけ軽減できる。
また、オイルシール手段を潤滑するシール部潤滑剤を、前記遮蔽手段とオイルシール手段の間にも充填するようにした場合には、人体に害のないシール部潤滑剤をオイルシール手段の近傍により多量に保有できるようになるため、安全性を一層高めることができる。
なお、「人体に害がない」といっても、当然にその程度は「有り」「無し」の2段階に単純に分類され得るものではない。本発明では、(万一れたとしても)ケーシング外に最初ににじみ出てくるシール部潤滑剤として、人体に害のない潤滑剤を用いることをその趣旨としているが、該シール部潤滑剤の具体的な安全の程度の設定については、当該変速機を用いる場所或いは環境に応じて適宜、選択・変更可能である。
発明者らの調査によれば、わが国では、変速機の潤滑剤に関して現時点ではこのような安全管理に関する公的な規定は未だ示されていない。しかしながら、例えば、FDA(米国食品医薬品局)では、連邦規則21CFR178.3570において、偶発的に食品に接触する可能性のある潤滑剤を「間接食品添加物」とし、安全上含有されても良い物質及びその濃度を規定している。又、USDA(米国農務省)においては、FDAの規定する条件に合致した安全なベースオイル(基油)、添加剤及び増ちょう剤からなる食品機械用潤滑剤に対し、「潤滑剤と食品が偶発的に或いは技術的にやむを得ず接触する可能性のある箇所に使用できる潤滑剤」として、H1規格と称される認定書を発行している。なお、USDAでは、H1規格のほかに、「食品に接触する可能性はないが、食品工場で使用することが望ましい潤滑剤」としてH2規格も認定している。更に、NSF(NSF International)においても、上記と同様な設定を実施している。
例えば、このH2規格によれば、潤滑剤の中に、一般には添加剤として用いられることがある鉛(Lead)、アンモニア(Ammonia)、カドミウム(Cadmium)、及びニッケル(Nickel)のいずれの成分も含んではならないとされている。
又、更に、基油として鉱油(Mineral oil)、或いはペリフルオロアルキルエステル(Perfluoroalkyl ester)のいずれも使用しておらず、又、一般に添加剤として知られる塩素(Chlorine)、モリブデン(Molybdenum)、グラファイト(Graphite)が除かれ、更に、一般に増ちょう剤として知られているリチウム(Lithium)、ナトリウム(Sodium)、ポリウレア(Polyurea)、バリウム(Barium)、のいずれの成分をも含まない成分のみで構成された場合には、当該潤滑剤に前記H1規格の認証を与えている。
そこで、ケーシング外に最初ににじみ出てくるシール部潤滑剤として、最低限H規格、より安全性を重視するならばH規格に適合した「安全な」潤滑剤を用いれば、たとえ漏れたとしても大事には至らない変速機を得ることができる。
なお、本発明においては、変速機構を潤滑する変速部潤滑剤については、その種類は特に限定されない。例えば、(A)前述したUSDAのH2規格のシール部潤滑剤と標準的な変速部潤滑剤(通常変速機に使用されるUSDA、H1、H2規格以外の潤滑剤)との組合せ、(B)より厳しいH1規格のシール部潤滑剤と標準的な変速部潤滑剤との組合せ等が考えられ、更には(C)H1規格のシール部潤滑剤と同じH1規格の変速部潤滑剤との組合せ、(D)H1規格のシール部潤滑剤とH2規格の変速部潤滑剤との組合せ、(E)H2規格のシール部潤滑剤と同じH2規格の変速部潤滑剤との組合せ、等も考えられる。
前記(C)の組合は、極めて高度な安全性が要求される場所に使用する減速機に対する組合せとして好適である。又、安全性を確保しながら減速機の性能を損わない組合わせとしては(A)(B)が好適である。
また、潤滑剤にはさまざまな「ちょう度」を有するものが存在するが、本発明においてシール潤滑剤と変速部潤滑剤とで別の種類の潤滑剤を使用する場合、更に好ましくは、該変速部潤滑剤として、シール部潤滑剤よりもちょう度の低い潤滑剤を使用するようにするとよい。これにより、にじみ出てくる最初の段階でシール部潤滑剤に変速部潤滑剤が混入するのを一層確実に防止できる。
本発明によれば、食品工場において使用する減速機において、高い安全性を維持しながら、設置の自由度をより高く確保できるようになるという優れた効果が得られる。
以下図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明を直交型のギヤドモータの減速機部分に適用した例を示している。また、図2は、図1のギヤドモータの減速機の出力軸付近を拡大して示したものである。
このギヤドモータGM4は、モータM4及び直交歯車減速機G4が一体化されたものである。
モータM4は、モータ軸32を備える。モータ軸32は負荷側及び反負荷側の一対の軸受34A、34Bによって回転自在に支持されている。モータ軸32の負荷側は軸受34Aより更に負荷側にまで延在され、この延在された部分はそのまま直交歯車減速機G4の入力軸を兼用しており、先端にハイポイドピニオン38が直切りされている。
直交歯車減速機G4は、直交減速機構(変速機構)ORを有し、ハイポイドピニオン38の回転(モータ軸2の回転)を直交する方向に変換した上で減速する。即ち、(入力軸兼用の)モータ軸32の先端に歯切りされたハイポイドピニオン38はハイポイドギヤ40と噛合している。ハイポイドギヤ40は中間軸42に組付けられており、この中間軸42にはピニオン44が組付けられている。ピニオン44は出力ギヤ46と噛合しており、該出力ギヤ46が出力軸48に組み付けられている。
出力軸48は、いわゆるホローシャフトとされ、ケーシング50に軸受52、52によって回転自在に支持されている。この直交歯車減速機G4においては、ケーシング50から出力軸48の両端部48A、48Bが露出する構成とされており、コンベヤ等の被駆動機械のシャフト(図示略)の右側からでも又左側からでも直交歯車減速機G4の取付けができるようになっている。
また出力軸48の端部48A、48Bとケーシング50との間には、オイルシール(オイルシール手段)54、54がそれぞれ配置され、ケーシング50内の直交歯車減速機G4を軸受52等を含めて密封状態で収容している。
図2に拡大図示するように、オイルシール54は、第1リップ54A及び第2リップ54Bに挟まれた空間54Sをそれぞれ有し、この空間54Sに該オイルシール54を潤滑するためのシールグリース(シール部潤滑剤)SGが封入されている。
このシールグリースSGは、いわゆる食品グリース(Food Grade Lubrication)と称される人体に害のない潤滑剤で、一般には添加剤として用いられることがある鉛(Lead)、アンモニア(Ammonia)、カドミウム(Cadmium)、及びニッケル(Nickel)のいずれの成分をも含まない成分のみで構成され、前記USDAのH2規格を満足するものである。
ところで、変速機の潤滑剤全体にこれらの安全な潤滑剤を用いるようにすると、変速機のための本来の潤滑性能が著しく低減してしまう。
即ち、このような食品グリースは、もとより安全性能にその主眼が置かれており、潤滑性能を優先したものではないため、当然に潤滑剤としての本来の潤滑性能が劣っているが、これに対しては、より余裕を持たせた大きめの減速機を使用することで対応できる。
また、この実施形態のように、直交減速機構ORを潤滑するためのギヤグリース(変速部潤滑剤)GGとして、ケーシング50内の空間50Sには、潤滑性能が高く、且つ低コストである一般的な直交減速機に用いられる通常成分のグリース(鉛、アンモニア、カドミウム、及びニッケルのいずれかの成分を含む潤滑剤)封入すれば、通常の大きさの減速機を使用できるので好ましい。
また更に、この実施形態ではギヤグリースGGとして、シールグリースSGよりも、ちょう度の低い、即ちより柔らかさの低い(見かけ粘度が高い:漏出しにくい)グリースが使用されている。
次に、本実施形態に係る減速機G4の作用を説明する。
減速機G4の入力軸を兼ねるモータ軸32が回転すると、ハイポイドピニオン38及びハイポイドギヤ40を介してその回転方向が直角方向に変換されると共に、所定の1段目の減速が行われる。ハイポイドギヤ40の回転は中間軸42、ピニオン44、及び出力ギヤ46を介して出力軸48に伝達され、この間に所定の2段目の減速が行われる。
これらの減速機G4としての「本来の作用」は、潤滑性能の高い通常のギヤグリースGGを介して実現されるため、発熱が小さく、低騒音であり、耐久性が高く、且つ低コストである。
ここで、出力軸48の端部48A、48Bとケーシング50との間にはオイルシール54がそれぞれ配置されており、該オイルシール54がケーシング50内の直交減速機構ORの収容空間50Sをケーシング50外に対して密封・閉塞している。従って、通常の運転状態においては、ギヤグリースGGは勿論、シールグリースSGがオイルシール54から漏出することはない。
今、経時その他何らかの原因でオイルシール54が劣化したとすると、その初期現象として、該オイルシール54の第1リップ54A及び第2リップ54Bに挟まれた空間54Sに封入されているシールグリースSGがにじみ出るという現象が発生する。
しかしながら、一般に、オイルシール54は突然激しく劣化することはなく、「にじみ」が発生した後、該にじみが成長して滴り落ちる程になる迄には、ある程度の時間が掛かる。また、このにじみ出てくるシールグリースSGはUSDAのH2規格を満足する成分で構成されているため、特に人体に影響が及ぶようなことはない。
従って、このシールグリースSGの「にじみ」が発生した段階で、オイルシール54を取り換えることにより、ギヤグリースGGがケーシング50から漏出するのを未然に防止することができる。
更に、この実施形態では、ギヤグリースGGとして、シールグリースSGよりもちょう度の低い(柔い度合の小さい)グリースを使用するようにしているため、ちょう度の高いシールグリースSGがより漏出しやすい状態にあると共に、ちょう度の低いギヤグリースGGはより漏出しにくい状態にある。そのため、該オイルシール54の劣化を確実に検知できると共に、にじみ出てくるシールグリースSGの中にギヤグリースGGが混入する確率をより低めることができ、より高い安全性が確保される。
なお、上記実施形態においては、シールグリース(シール部潤滑剤)SGとして、USDAのH2規格を満足する成分で構成されているグリースを使用するようにしていたが、本発明においては、シールグリースSGとして、例えばUSDAのH1規格をも満足する人体に対して更に安全度の高いグリースを採用するようにしてもよいのは言うまでもない。
更に、この場合に、ギヤグリース(変速部潤滑剤)GGとして、通常のグリース(潤滑剤)ではなく、これより安全なUSDAのH2規格を満足する成分で構成されているグリースを採用するようにすると(即ちH1規格のシール部潤滑剤とH2規格の変速部潤滑剤の組み合わせとすると)、一層安全度の高い減速機とすることができる。
また、H1規格同士、或いはH2規格同士の組み合わせであっても構わない。
尤も、シール部潤滑剤と変速部潤滑剤との差別化は、必ずしもUSDAのH1規格とH2規格との差別化に準じる必要はなく、要は、変速機構部をオイルシール手段を用いて密封した上で、万一、該オイルシール手段から潤滑剤がれてくることがあったとしても、ケーシング外に最初ににじみ出てくる潤滑剤に人体に安全な潤滑剤が使用されていれば、本発明の所期の目的を達成することができる。従って、実際にその減速機が設置される場所や環境を考慮して、安全性能と潤滑性能(あるいはコスト性能)とを適宜に両立させるようにすればよい。
図3に本発明の他の実施形態を示す。
本発明の場合、オイルシール手段の具体的なシール機構、あるいはシール構造については特に限定されない。先の実施形態では、オイルシール手段として、一般的な構造を有するいわゆるオイルシール54を各端部にそれぞれ一個のみ配置するようにしていたが、図3の例では、オイルシール56を各端部ごとにそれぞれ追加・配置し、シール性能をより高めている。なお、この例ではオイルシール56はオイルシール54と同一種類のものである。
このような構成のオイルシール手段を採用した場合、ただ単にシール機能がより向上するという一般的な効果が得られるだけでなく、シールグリースSGを封入できる空間(図の斜線の領域)を大きく拡大できる。また、オイルシール54を直交減速機構Oが存在する空間に対してより完全に隔離するための「遮蔽手段」としての機能を(オイルシール手段の一部である)オイルシール56が兼用できるようになるため、ギヤグリースGGとシールグリースSGとの「分離」をより確実に実現できるようになる。これにより、「最初に漏出してくるシールグリースSGの中に、ギヤグリースGGを混入させない」という効果を(図1及び図2に示した実施形態に比べ)より確実に得ることができる。
図4に本発明の更に他の実施形態を示す。
図4の例では、オイルシール手段として、いわゆるトリプルリップオイルシール60を配置するようにしている。トリプルリップオイルシール60は、前述の通常のオイルシール54に備えられている第1、第2リップ54A、54Bに相当する第1、第2リップ60A、60Bに加え、第3リップ60Cを備えるため、シール性能をそれだけ高めることができる。また、この第3リップ60Cオイルシール手段の一部でありながら、同時に「遮蔽手段」としての機能を兼用するようになるため、先の図3の実施形態と同様に図1及び図2に示した実施形態に比べ、ギヤグリースGGとシールグリースSGとの「分離」をより確実に実現できるという効果も得られる。
なお、オイルシール手段、あるいは遮蔽手段の構成は、これらの例示構成に限定されるものではなく、例えば、文字通りの遮蔽手段として、リング状のプレートを別途配置するようにしても良いし、また、軸受52にいわゆるシール軸受と称されるシール機能を備えた軸受(図示略)を採用するようにしてもよい。この場合はシール軸受が遮蔽手段を兼用することになる。
また、上記実施形態においては、変速機の構成例として、ハイポイドピニオン及びハイポイドギヤを有する直交歯車減速機G4が示されていたが、本発明は、変速機の具体的な構成は特に限定されない。
本発明が適用された食品工場用の直交歯車減速機をモータと組み合わせたギヤドモータの一例を示す正断面図 図1に示したギヤドモータの出力軸付近の拡大図 本発明の他の実施形態の例を示す図2相当の拡大図 本発明の更に他の実施形態の例を示す図2相当の拡大図 商品Cの重量を測定する食品工場における検査機械の構成例を示す概略断面 上記検査機械の検査コンベアを駆動するための歯車減速機付きモータの構成を示す展開断面図
符号の説明
GM4…ギヤドモータ(モータ付減速機)
G4…減速機
M4…モータ
OR…直交減速機構(変速機構)
32…モータ軸
38…ハイポイドピニオン
40…ハイポイドギヤ
48…出力軸
48A、48B…端部
50…ケーシング
52…軸受
54…オイルシール(オイルシール手段)
54A…第1リップ
54B…第2リップ
54S…空間
…オイルシール(オイルシール手段、遮蔽手段兼用)
60…トリプルリップオイルシール(オイルシール手段)
60A…第1リップ
60B…第2リップ
60C…第3リップ(遮蔽手段兼用)
SG…シールグリース(シール部潤滑剤)
GG…ギヤグリース(変速部潤滑剤)

Claims (3)

  1. ケーシング内に変速機構を有し、食品工場内において使用される食品工場用の変速機において、
    前記ケーシングから露出している軸と該ケーシングとの間にオイルシール手段を配置することによって、前記変速機構を該ケーシング内に密封状態で収容し、且つ、該密封状態での収容に拘らず、万一、前記ケーシング内の潤滑剤が洩れてくる可能性に備えて、前記オイルシール手段を介して前記ケーシング外に最初ににじみ出てくる潤滑剤に、鉛、アンモニア、カドミウム、及びニッケルのいずれの成分をも含まない潤滑剤を使用し、且つ、前記変速機構を潤滑する潤滑剤に、前記最初ににじみ出てくる潤滑剤とは異なる潤滑剤を使用し
    ことを特徴とする食品工場用の変速機。
  2. 請求項1において、
    前記変速機構を潤滑する潤滑剤に、鉛、アンモニア、カドミウム、及びニッケルのいずれかの成分を含む潤滑剤が使用される
    ことを特徴とする食品工場用の変速機。
  3. 請求項1又は2において、
    前記変速機構として直交変速機構を含み、且つ前記ケーシングから露出している軸がホローシャフトである
    ことを特徴とする食品工場用の変速機。
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