JP4933291B2 - 炭化物生成装置 - Google Patents
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Description
図4において、脱水汚泥は、乾燥機20に導入されて、後述する乾燥機燃焼炉25からの乾燥機循環ガスによって加熱、乾燥せしめられてから、炭化炉100に導入されるようになっている。この炭化炉100に関連して炭化炉燃焼炉21が設置されており、該炭化炉燃焼炉21においては、後述する乾燥機燃焼炉25からの乾燥機循環ガスと補助燃料とを炭化炉燃焼用空気を用いて燃焼させることにより、1100℃程度の高温燃焼ガスを生成している。
また、炭化炉100において、乾燥汚泥を炭化処理した後の炭化炉ガス(排ガス)は、空気予熱器22で燃焼用空気を予熱してから、所要の浄化処理を施され、外気中に排出されている。
一方、空気予熱器22で予熱された燃焼用空気は、乾燥機燃焼炉25に導入されている。この乾燥機燃焼炉25には、炭化炉100からの熱分解ガスも導入されており、当該乾燥機燃焼炉25においては、補助燃料及び燃焼用空気を用いて熱分解ガスを燃焼させ、950℃程度の燃焼ガスを生成している。この燃焼ガスは、炭化炉燃焼炉21及び乾燥機20に供給されることになる。
(1)上記炭化炉100は、外筒の内周に回転駆動されるキルンシェルを設置し、該キルンシェルの内部に前記乾燥汚泥を投入して供給し、該キルンシェルを回転させながら外筒内の加熱室に導入された炭化炉燃焼炉21からの1100℃程度の高温燃焼加熱ガスで乾燥汚泥を加熱して熱分解させることにより、当該乾燥汚泥から炭化物を生成するように構成されているため、運転時間の経過とともに乾燥汚泥の焼却灰分がキルンシェルの外表面に付着し、かかる焼却灰分の付着によってキルンシェルの伝熱性能の低下が生じる。これにより、プラント全体で燃費(燃料消費率)が上昇し、プラント全体の熱効率が低下することになる。
(3)上記キルンシェルへの焼却灰分の付着が発生すると、キルンシェルに付着した灰分が断熱層となって、キルンシェル温度計での温度指示値つまりキルンシェルの管理温度指示値と、キルンシェルの熱伸びを伴う実際のキルンシェル温度との間に温度偏差が生じてしまい、キルンシェルの過熱状態を正確に検知するのが困難となり、キルンシェルの過熱による破損の可能性がある。
(1)前記空気噴出ノズルを、該空気噴出ノズルから噴出される圧縮空気流が前記加熱ガスの入口に指向する部位に設置している(請求項2)。
(2)前記空気噴出ノズルを、該空気噴出ノズルから噴出される圧縮空気流が前記キルンシェルの回転方向と対向するように配置している(請求項3)。
(3)前記空気噴出ノズルは、該空気噴出ノズルから噴出される圧縮空気流の方向線の前記キルンシェルの外周面の接線に対する角度を調整可能にして前記外筒に装着されている(請求項4)。
(1)前記キルンシェルの熱伸び量の検出値に基づき算出したキルンシェル温度検出値と予め設定されたキルンシェル温度指示値との温度偏差が一定値を超えたとき、前記空気噴出ノズルを作動させて前記キルンシェルの外表面に圧縮空気を噴出せしめる灰分付着状態検知制御手段を備えている(請求項5)。
(2)前記灰分付着状態検知制御手段は、前記キルンシェルの外表面への灰分付着量が一定量を超えたとき、前記空気噴出ノズルを作動させて前記キルンシェルの外表面に圧縮空気を噴出せしめるように構成されている(請求項6)。
(3)前記外筒の底部に、前記外筒内に貯まった灰分を排出する灰分排出口を設けている(請求項7)。
(4)前記灰分付着状態検知制御手段は、前記外筒内における灰分の堆積量が一定値を超えたとき、前記灰分排出口を開放するように構成されている(請求項8)。
また、上記のようなキルンシェル伝熱性能の低下を防止することにより、かかる伝熱性能の低下に伴うキルンシェルにおける炭化物の生成効率の低下を回避できるとともに、生成炭化物への揮発分の残存等による炭化物の品質低下を防ぎ、常に安定した品質の炭化物を製造することができる。
また、前記空気噴出ノズルを、該空気噴出ノズルから噴出される圧縮空気流の方向線の前記キルンシェルの外周面の接線に対する角度を調整可能にして前記外筒に装着する構成とすれば(請求項4)、前記空気噴出ノズルを、キルンシェルの外周面に付着している灰分層の剥離作用が最も大きい方向に向けて装着することが可能となる。
これに加えて、キルンシェルの熱伸び量を検出することにより、キルンシェルの実際温度が測定可能であるので、高温下にあって回転しているキルンシェルの温度を容易にかつ該キルンシェルの平均温度として正確に測定でき、正しい運転管理を行うことができる。
さらに、前記灰分付着状態検知制御手段によって外筒内における灰分の堆積量が一定値を超えたとき、前記灰分排出口を開放するように構成すれば(請求項8)、灰分の堆積量が一定の限界量を超えると、灰分付着状態検知制御手段によって自動的に灰分排出口を開放せしめ得るので、炭化炉内部における灰分を迅速に排出して、過大な堆積を確実に防止できるとともに、連続運転を行うことができる。
図1は本発明の実施形態に係る炭化物生成装置を示す概略側面図、図2は図1のA−A線断面図である。図1及び図2(A)において、炭化炉100は、炭化炉燃焼炉21(図4参照)で生成された1100℃程度の高温燃焼加熱ガスによって乾燥機20(図4参照)からの乾燥汚泥を間接加熱して熱分解させることにより、当該乾燥汚泥から炭化物を生成する炉である。
この炭化炉100は、横置きに設置され、かつ両端が閉塞された円筒体からなる外筒1を備え、該外筒1内には、回転軸3を介して矢印N方向に回転駆動されるキルンシェル2が挿入配置されている。そして、炭化炉100は、キルンシェル2の内部に上記乾燥機20からの乾燥汚泥を投入して、該キルンシェル2を回転させながら、外筒1の内周とキルンシェル2の外周との間に形成された加熱室4内に導入された上記炭化炉燃焼炉21からの1100℃程度の高温燃焼加熱ガスでキルンシェル2内の乾燥汚泥を間接加熱して低酸素雰囲気で熱分解させることにより、当該乾燥汚泥から可燃性のガスと炭化物とを生成するように構成されている。
上記外筒1の上部には、図1に示すように、長手方向に沿って複数本(本実施形態では4本)の空気噴出ノズル7が間隔を開けて設置固定されている。これら空気噴出ノズル7は、空気圧縮機等の空気供給装置8から空気管9を通して供給された圧縮空気を、図2の矢印Sで示すように加熱室4内に噴出させて、加熱室4内でキルンシェル2の外表面に付着した焼却灰分を除去するものである。
また、空気噴出ノズル7は、炭化炉100の特に長手方向において、灰分が多く生成され易い箇所である加熱ガス入口5の近傍部位に設置され、噴出される圧縮空気流が加熱ガス入口5に指向するように設定されている。しかも、空気噴出ノズル7は、炭化炉100の周方向において、図2(A)に示すように、当該空気噴出ノズル7から噴出される圧縮空気流がキルンシェル2の回転方向(図2(A)の矢印N方向)に対向するように配置されている。
このように構成すれば、キルンシェル2の回転による該キルンシェル2の外表面に多く付着している灰分層の周方向移動に立ち向かうように、空気噴出ノズル7から圧縮空気流を吹き付けることになるので、当該灰分層をキルンシェル2の外表面から容易にかつ効率良く剥離させることができる。
また、上記空気噴出ノズル7は、図2(B)に示すように、該空気噴出ノズル7の噴口7aから噴出される圧縮空気流Sの方向線のキルンシェル2の外周面2aの接線に対する角度α1を、α2の範囲で最適角に調整して外筒1に装着するように構成されている。このように構成することにより、上記空気噴出ノズル7を、キルンシェル2の外周面2aに付着している灰分層の剥離作用が最も大きい方向に向けて装着することが可能となる。
なお、上記空気噴出ノズル7は、図2(B)に示すように、エレメントパイプで構成し、かかるプラント全体として、全空気噴出ノズル7による空気噴出(エアブロー)1回分の消費可能な空気量を、上記乾燥汚泥の導入の可否によって決定するように構成されているのが好ましい。
上記灰分付着状態検知制御手段11には、図3に示されるように、キルンシェル2のシェル熱伸び量とキルンシェル温度(キルンシェル2の実際温度)との関係マップ、つまりキルンシェル温度はシェル熱伸び量に比例するという関係が設定されている。
そこで、灰分付着状態検知制御手段11においては、シェル熱伸び量検出器18からのキルンシェル2の熱伸び量の検出値を、図3の関係マップを用いてキルンシェルの実際温度に変換し、このキルンシェルの実際温度と温度センサ10からの温度検出値を用いて設定したキルンシェル2の管理温度である温度指示値とを比較し、熱伸び量に基づくキルンシェルの実際温度とキルンシェル温度指示値との温度偏差が一定値を超えたとき、空気供給装置8を作動させることにより各空気噴出ノズル7に圧縮空気を供給して、該空気噴出ノズル7から加熱室4内のキルンシェル2の外表面に圧縮空気を間欠的に噴出せしめるようになっている。
また、キルンシェル熱伸び量検出器18によってキルンシェル2の熱伸び量を検出することにより、当該キルンシェル2の実際温度を検知することが可能となるので、高温下にあって回転しているキルンシェル2の温度を容易にかつ該キルンシェル2の平均温度として正確に測定できるとともに、炭化炉100に対する正しい運転管理を行うことができ、その結果、炭化物生成装置を安定して運転制御することができる。
これに加えて、空気噴出ノズル7を灰分の付着し易い加熱ガス入口5に限定して設置し、かつ圧縮空気を間欠的に噴出せしめているので、加熱ガスへの空気の混合による燃費の低下を防ぐことができる。
このように構成においては、炭化炉100の外筒1内における灰分の堆積量が一定の限界量を超えると、灰分付着状態検知制御手段11によって自動的に灰分排出口12を開放せしめることになるので、炭化炉100の外筒1の内部における灰分の過大な堆積を確実に防止できる。
また、上記のようなキルンシェル2の伝熱性能の低下を防止することにより、かかる伝熱性能の低下に伴うキルンシェル2における炭化物の生成効率の低下を回避できるとともに、生成炭化物への揮発分の残存等による炭化物の品質低下を防止し、常に安定した品質の炭化物を製造することができる。
2 キルンシェル
3 回転軸
4 加熱室
5 加熱ガス入口
6 加熱ガス出口
7 空気噴出ノズル
8 空気供給装置
9 空気管
10 温度センサ
11 灰分付着状態検知制御手段
12 灰分排出口
13 灰分排出機構
14 灰分排出機構駆動手段
18 シェル熱伸び量検出器
20 乾燥機
21 炭化炉燃焼炉
100 炭化炉
Claims (8)
- 脱水汚泥を含む被処理物を乾燥機にて加熱、乾燥せしめて炭化炉に導入し、該炭化炉において前記被処理物を加熱ガスで間接加熱して熱分解させることにより、前記被処理物から炭化物を生成するように構成された炭化物生成装置において、前記炭化炉の外筒内に、前記被処理物が供給され、かつ回転駆動されるキルンシェルを配設するとともに、前記炭化炉の外筒に、圧縮空気を噴出して前記キルンシェルの外表面に付着した前記加熱ガス中の灰分を除去する空気噴出ノズルを設置したことを特徴とする炭化物生成装置。
- 前記空気噴出ノズルを、該空気噴出ノズルから噴出される圧縮空気流が前記加熱ガスの入口に指向する部位に設置したことを特徴とする請求項1に記載の炭化物生成装置。
- 前記空気噴出ノズルを、該空気噴出ノズルから噴出される圧縮空気流が前記キルンシェルの回転方向と対向するように配置したことを特徴とする請求項1に記載の炭化物生成装置。
- 前記空気噴出ノズルは、該空気噴出ノズルから噴出される圧縮空気流の方向線の前記キルンシェルの外周面の接線に対する角度を調整可能にして前記外筒に装着されていることを特徴とする請求項1に記載の炭化物生成装置。
- 前記キルンシェルの熱伸び量の検出値に基づき算出したキルンシェル温度検出値と予め設定されたキルンシェル温度指示値との温度偏差が一定値を超えたとき、前記空気噴出ノズルを作動させて前記キルンシェルの外表面に圧縮空気を噴出せしめる灰分付着状態検知制御手段を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の炭化物生成装置。
- 前記灰分付着状態検知制御手段は、前記キルンシェルの外表面への灰分付着量が一定量を超えたとき、前記空気噴出ノズルを作動させて前記キルンシェルの外表面に圧縮空気を噴出せしめるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の炭化物生成装置。
- 前記外筒の底部に、前記外筒内に貯まった灰分を排出する灰分排出口を設けたことを特徴とする請求項5に記載の炭化物生成装置。
- 前記灰分付着状態検知制御手段は、前記外筒内における灰分の堆積量が一定値を超えたとき、前記灰分排出口を開放するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の炭化物生成装置。
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