JP4932987B2 - 動きベクトル処理方法 - Google Patents
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Description
本発明は、動きベクトルを伝送又は記憶させるのに必要とされるデータ量を低減させる動きベクトル処理方法に関するものである。
【0002】
EP0,691,789には、動きフィールド推定、セグメンテーション及び符号化用の方法及び装置が開示されている。動き推定技法は、フレームが次第に小さくなる多数レベルに対して動きベクトル更新ルーチンを行う階層法を用いている。動きベクトル更新ルーチンは、小領域に割当てられた最初の動きベクトル、これに隣接する領域の動きベクトル及び前記小領域に対してブロック整合法を行って得た整合動きベクトルのうちから選択した最良の動きベクトルを前記小領域に割当てることによって、この小領域の動きベクトルを更新する。各領域に対する最良の動きベクトルは、優先スキーム及び或る予定したしきい値に従って選択される。この場合、同じ動きベクトルを有している隣接領域を一緒に併合し、且つ領域形状表現ルーチンを用いて輪郭画素を特定し、併合領域をデコーダによって再生し得るようにする。次いで、輪郭符号化ルーチンを用いて、輪郭画素を符号化して、デコーダへ伝送する。
【0003】
本発明の目的は特に、領域併合及び輪郭符号化ルーチンを必要としない有効な符号化スキームを提供することにある。このために本発明の第1の要点は、請求項1及び2に記載したような動きベクトル処理方法及び装置を提供することにある。本発明の第2の要点は、請求項3及び4に記載したような画像信号デコーダ及び画像信号表示装置を提供することにある。
【0004】
本発明の要点による動きベクトル処理方法では、或る予定した組の動きベクトルのうちから或る動きベクトルを選択することに基づいて、或る所定のピクチャ部分に対する動きベクトルを生成して、選択動きベクトルを得て、そして前記所定のピクチャ部分を前記選択動きベクトルの選択指示信号と一緒に供給する。画像信号デコーダでは、選択指示信号から動きデータを得て、前記所定のピクチャ部分と前記動きデータとに基づいて出力ピクチャ部分を生成する。
【0005】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明をより詳細に説述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。
【0006】
図1の伝送スキームでは、ビデオ信号VinをエンコーダCODに供給して、符号化画像信号I並びに動きベクトルMVを生成する。符号化画像信号I及び動きベクトルMVはデコーダDECによって受信されて、出力ビデオ信号Voutを生成する。特に、符号化画像信号I及び動きベクトルMV用に利用できる総ビット数をかなり低減させる低ビットレートのビデオ符号化用途では、動きベクトルMVの伝送に必要とされるビットが斯かる総ビット数のかなりの部分を占める。
【0007】
本発明の目的は、動きベクトルデータの伝送に必要とされるビット数を減らして、符号化画像信号I用に利用できるビット数を増やして、よりよい画像品質を達成し得るようにすること及び/又はビット総数を減らすことにある。
【0008】
本発明は、或る所定のピクチャ部分C(例えば、図2の画素ブロック参照)に対する動きベクトルが、画像信号の現在のフィールドにおける既に推定した動きベクトル1,2及び/又は先のフィールドにおける既に推定した動きベクトル3に基づくものとする動きベクトル推定アルゴリズムでは、出力動きベクトルを伝送又は記憶させるのではなくて、選択した近隣の動きベクトルの指示信号を伝送又は記憶させることにより、動きベクトルに対するビット数をかなり減らすことができると言う認識に基づいて成したものである。そこで、近隣ブロック2に対する動きベクトルが最良の結果をもたらすものと思える場合には、そのベクトルのx成分に対する8ビットと、ベクトルのy成分に対する8ビットとの、各それぞれの動きベクトルに対する全部で16ビットの代わりに、“2”を伝送又は記憶させるだけとする。選択する近隣ベクトルが3つ又は4つある場合でも、選択指示信号を伝送又は記憶させるのに僅か2ビットを必要とするだけであり、この例ではビット数が1/8に低減する。この本発明の要点は、デコーダDECが動きベクトルMVを受信するのではなくて、近隣動きベクトルの選択指示信号を受信するのであるということをこのデコーダDECが知っているということを前提としている。これは、構内又は専有の符号化−復号化システムでは容易に達成することができる。デコーダを標準のディジタル的に符号化したピクチャ信号(例えば、H.261,H263,MPEG)と、本発明により符号化した動きベクトルを有するピクチャ信号との双方を受信するのに用いる場合には、伝送の開始時に、制御信号が本発明の使用を指示し得るようにする。
【0009】
本発明は、近隣動きベクトルを所定の画像部分に対するそれらベクトルの有効性について試験する前に、これら近隣動きベクトルの全て、又はその幾つかに短い更新ベクトルを周期的に加える場合にも用いることができる。この場合にも、近隣動きベクトルの指示信号を伝送するか、又は記憶させるだけである。このアプリケーションは、デコーダDECが全動きベクトルではなくて、選択指示信号を受信するということをこのデコーダDECが知っているだけでなく、短い更新ベクトルが近隣動きベクトルに如何様に加えられているかということもわかっており:そのシーケンス及びその開始時点が共にわかっているということを前提としている。これも構内又は専有の符号化−復号化システムでは問題にならない。本発明は、国際的に同意されている標準規格(例えば、H.261,H263,MPEG)に従って符号化/複合化することもできる機器に適用するのが好適である。
【0010】
図3は本発明によるエンコーダの実施例を示す。入力ビデオ信号Vinを動きベクトル評価回路MV-EVALに供給して、動きベクトルメモリMV-MEMに記憶されている複数個の以前に生成した動きベクトルに基づいて、所定のブロックCに対する動きベクトルMVを生成する。このために、動きベクトル評価回路MV-EVALによって得た動きベクトルMVを動きベクトルメモリMV-MEMに供給する。動きベクトル評価回路MV-EVALはさらに、近隣動きベクトルのうちのどの動きベクトルを選択したのかを示す選択指示信号SIをエンコーダの出力回路EOCに供給する。
【0011】
入力ビデオ信号VinはビデオエンコーダV-CODにも供給して、所定ブロックCに対応する符号化画像信号Iを得る。エンコーダの出力回路EOCは、符号化画像信号Iと、選択指示信号SIとからデータ流DSを生成する。
【0012】
図4は本発明による表示装置の実施例を示す。データ流DSをデマルチプレクサDEMUXに供給して、画像信号I及び選択指示信号SIを得る。選択指示信号SIを動きプロセッサMPに供給して動きデータMDを得る。画像信号IをビデオデコーダV-DECに供給して動きデータMDに依存する出力ピクチャ部分OPPを得る。この出力ピクチャ部分OPPを出力プロセッサOPによって処理して、表示デバイスDに供給される表示信号を得る。
【0013】
なお、本発明は上述した実施例のみに限定されるものでなく、添付した請求の範囲の範疇を逸脱することなく、幾多の変更を加え得ることは当業者に明らかである。そこで、本発明は特に、1992年にアインドフォーフェン所在のG.deHaan’sの学術論文“Motion Estimation and Compensation,An integrated approach to consumer display field rate conversion”に発表された動き推定及び補償技法に使用するのに好適であるが、本発明の用途はこれに限定されるものではない。例えば、上述した実施例では、選択する動きベクトルの予定した組が、所定のピクチャ部分に空間的−時間的に隣接するピクチャ部分に対して決定した動きベクトルを含むようにするも、階層動き推定法にて、低解像度バージョンの画像で決定した或る予定した組の動きベクトルから選択するようにすることもできる。所定のピクチャ部分は、例えばMPEG標準規格から既知のように、動き−補償離散コサイン変換(DCT)符号化形態のような、符号化形態で供給することができる。選択指示信号を可変長符号化(VLC)形態の如き符号化形態で供給して、動きデータに必要とされるビット数をさらに低減させることができる。請求の範囲における用語「具える」は、請求の範囲に掲げた以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。また、用語「隣接」は必ずしも「直接の隣接」を意味するのではなく、上述した学術論文の幾つかの例からも明らかなように、例えば、2つの「隣接」ブロック間に1つのブロックがあることとすることができる。本発明は幾つかの個別の素子を具えているハードウエアによって及び適切にプログラムしたコンピュータによって実施することができる。装置の請求項に列挙している手段のうちの幾つかのものは全く同じアイテムのハードウエアで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 伝送スキームの例を示す図である。
【図2】 候補動きベクトルを生成する1つのやり方を示す図である。
【図3】 本発明によるエンコーダの実施例を示す図である。
【図4】 本発明による表示装置の実施例を示す図である。
Claims (5)
- 符号化された画像信号、及び動きベクトルを生成するために、ビデオ信号を符号化する方法であって:
前記ビデオ信号の所定のピクチャ部分の動きを推定するステップと;
前記所定のピクチャ部分の前記推定された動きを、前記画像信号の現在のフィールド及び以前のフィールドの前記所定のピクチャ部分に隣接したピクチャ部分の予め定められた既に推定された動きベクトルの組と比較することによって、前記ビデオ信号の前記所定のピクチャ部分の評価を実行するステップと;
前記所定のピクチャ部分の動きベクトルを取得するために、前記評価に基づいて、前記動きベクトルの組から動きベクトルを選択するステップであって、前記選択された動きベクトルは、後の他のピクチャ部分の前記評価のために前記所定のピクチャ部分の動きベクトルとして利用される、ステップと;
隣接した前記動きベクトルのうちどれが選ばれたかを示す選択指示信号を、前記所定のピクチャ部分の符号化された画像信号と共に伝送又は記憶するステップと;
を有する方法。 - 前記選択指示信号の前記伝送を示す制御信号を伝送するステップ、を更に有する請求項1記載の方法。
- 符号化された画像信号および動きベクトルを生成するために、ビデオ信号を符号化する装置であって:
前記ビデオ信号の所定のピクチャ部分の動きを推定し、前記所定のピクチャ部分の前記推定された動きを、前記画像信号の現在のフィールド及び以前のフィールドの前記所定のピクチャ部分に隣接したピクチャ部分の予め定められた既に推定した動きベクトルの組と比較することによって、前記ビデオ信号の前記所定のピクチャ部分の評価を実行する手段と;
前記所定のピクチャ部分の動きベクトルを取得するために、前記評価に基づいて、前記動きベクトルの組から動きベクトルを選択する選択手段であって、前記選択された動きベクトルは、後の他のピクチャ部分の前記評価のために前記所定のピクチャ部分の動きベクトルとして利用される、手段と;
隣接した前記動きベクトルのうちどれが選ばれたかを示す選択指示信号を、前記所定のピクチャ部分の符号化された画像信号と共に伝送又は記憶する手段と;
を有する装置。 - 所定のピクチャ部分の符号化された画像信号と、どの動きベクトルが、前記所定のピクチャ部分のために、前記画像信号の現在のフィールドと以前のフィールドの前記所定のピクチャ部分に隣接したピクチャ部分の予め定められた既に推定された動きベクトルの組から選択されたかを示す選択指示信号とを受信する手段と;
動きデータを得るために、前記選択指示信号を処理する手段であって、前記選択された動きベクトルは、前記所定のピクチャ部分の動きベクトルとして、後にデコードされる他のピクチャ部分に隣接したピクチャ部分のために、既に推定された動きベクトルの更なる予め定められた組に、用いられる、手段と;
前記符号化された画像信号、及び前記動きデータに基づいて、出力ピクチャ部分を生成する手段と;
を有する画像信号デコーダ。 - 請求項4に記載の画像信号デコーダと;
表示信号を形成するために、前記出力ピクチャ部分を受信すべく結合された出力プロセッサと;
前記表示信号を表示する表示デバイスと;
を有する画像信号表示装置。
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