JP4932607B2 - セメント添加剤 - Google Patents
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Description
前記ポリオキシアルキレン系化合物中のポリアルキレンオキサイド鎖が、エチレンオキサイドを単独重合して得られたものであり、
前記ポリアルキレンイミンの平均窒素原子数は、2〜50であり、
前記アルキレンオキサイドの平均付加重合数は、2〜100である、セメント添加剤。
本発明のセメント組成物を構成するポリオキシアルキレン系化合物は、ポリアルキレンポリアミンに含まれる活性水素含有アミノ基に対して、当該アミノ基の活性水素の当量を越えるアルキレンオキサイドを付加重合してなる。
上記ポリオキシアルキレン系化合物を製造するには、ポリアルキレンポリアミンの活性水素含有アミノ基に、アルキレンオキサイド等を反応触媒の存在下に付加させて製造することができる。上記疎水性基を付加する場合には、アルキレンオキサイドの付加重合後に、更に疎水性基用エポキシドを付加重合させればよい。
上記ポリオキシアルキレン系化合物は、セメント分散(減水)剤として効果を発揮する他、適宜構造を選択することにより、空気連行剤、セメント湿潤剤、膨張剤、防水剤、遅延剤、促進剤、急結剤、増粘剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増強剤、消泡剤、気泡剤、発泡剤、防錆剤、水和熱抑制剤、分離低減剤等のセメント添加剤としての効果を発揮する。本発明のセメント組成物には、前記ポリオキシアルキレン系化合物を配合することが好ましく、特に他のセメント添加物を併用することが好ましい。本発明のセメント組成物に配合する他の添加物には以下のものがある。
本発明で使用するセメントとしては、一般的な水硬性セメントを使用することができる。従って早強ポルトランドセメント、低発熱性ポルトランドセメント、高酸化鉄型ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント等の特殊ポルトランドセメントの他、普通ポルトランドセメント、天然セメント、ローマンセメント、水硬性石灰、石灰混合セメント、混合ポルトランドセメント、アルミナセメント、ビーライト高含有セメント、各種混合セメント等に配合することができる。
本発明のセメント組成物は、少なくともセメント、水、ポリアルキレングリコール鎖を有するカルボン酸からなる高性能AE減水剤、および上記ポリオキシアルキレン系化合物とを含有する。セメント組成物に配合される水分量は、セメントに対する水の配合重量が15〜70wt%であることが好ましく、より好ましくは40〜65wt%、特に好ましくは50〜55wt%である。本発明で使用する上記ポリオキシアルキレン系化合物は、特に減水効果に優れるため従来の水の配合量より少ない水分量で十分なセメント分散性を発揮するからである。
(モルタルフローの測定)
(1)細骨材の調整
モルタル試験の信頼性を向上させるために、細骨材の粒度分布および表面水を管理した。細骨材の粒度分布は、2.5(mm)のふるいで分級した細骨材を配合することにより表1の粒度分布に調整した。なお、細骨材の粗粒率(FM値)は、*印のふるいの残留累計百分率を合計し、100で割った値であり、2.65〜2.75に調整した。また、細骨材の表面水は表面乾燥状態とした細骨材の表面水量を、日本工業規格(JIS A 1109、1111)に記載の方法により測定して管理した。
表2に、プレーンモルタルの単位量およびプレーンモルタルの単位セメント量を一定にして単位水量を減らした(減水した)配合の単位量を示す。なお、セメント、水、細骨材の比重は、それぞれ3.16、1.0、2.63である。
セメントとして、秩父小野田社製の普通ポルトランドセメントを用いた。細骨材として上記方法により調整した大井川水系産陸砂(比重2.63、FM値2.70)を用いた。モルタルの配合条件は、表2の単位量に従った。また、セメント添加剤の添加量(重量部)は、セメント固形分に対する添加量とした。
セメント組成物を、水平なテーブルに置いた上端内径5cm、下端内径10cmおよび高さ15cmの鉄製中空円錐(以下、ミニスランプコーンと呼ぶ。)に擦り切りまで充填した。充填方法は、JIS A 1101記載のコンクリートのスランプ試験に準拠して行った。モルタルを充填したミニスランプコーンを静かに水平に持ち上げた後にテーブルに広がったモルタルの長径と短径を測定し、その平均値をモルタルフロー値とした。この値が大きいほどセメント分散性が良好であることを示す。
必要添加量は、プレーンモルタルと同一のモルタルフロー値を得るために必要な添加量とした。プレーンモルタルは各実験日ごとに評価した。
撹拌機、圧力計、温度計を備えた圧力容器に市販のトリエチレンテトラミン(数平均分子量146;エチレンイミン付加数3)7.3gとを入れ、温度130〜170℃でエチレンオキサイドを990g(付加数75モル)添加し、ポリオキシアルキレン系化合物を得た。この化合物をP003−075とする。
製造例1と同様にして、表3に示すエチレンイミンの平均付加数およびエチレンオキサイド平均付加数のポリオキシアルキレン系化合物を得た。表中、mはエチレンイミンの平均付加数を示し、nはエチレンオキサイドの平均付加数を示し、lはプロピレンオキサイドの平均付加数を示す。
撹拌機、圧力計、温度計を備えた圧力容器に市販のポリエチレンイミン(数平均分子量600;エチレンイミン付加数14)40gと水素化ナトリウム0.1gとを入れ、温度130〜170℃でエチレンオキサイドを818.4g(付加数20モル)添加し、ポリオキシアルキレン系化合物を得た。この化合物をP014−020−000とした。更に、引き続いてプロピレンオキサイドを107.9g(付加数2モル)添加し、本発明のポリアルキレン化合物を得た。この化合物をP014−020−002とした。
普通ポルトランドセメント(秩父小野田社製)497kg/m3、単位細骨材1380kg/m3、単位水量303kg/m3の割合で調製(水/セメント重量比(%)=61.0)し、得られたプレーンモルタルについてフロー値および空気量を測定した。結果を表4に示す。
普通ポルトランドセメント(秩父小野田社製)497kg/m3、単位細骨材1421kg/m3、単位水量257.6kg/m3の割合で調製(水/セメント重量比(%)=51.8)とし、これに表4に示す割合でセメント添加剤を添加し、比較例1と同様にしてフロー値および空気量を測定した。モルタルの減水率は比較例1の15%である。結果を表4に示す。
普通ポルトランドセメント(秩父小野田社製)497kg/m3、単位細骨材1421kg/m3、単位水量257.6kg/m3の割合で調製(水/セメント重量比(%)=51.8)し、これに表4に示す割合でセメント添加剤を添加し、比較例1と同様にしてフロー値および空気量を測定した。モルタルの減水率は比較例1の15%である。結果を表4に示す。なお、表中略称で示した本発明のセメント添加剤の内容は、表3に示した。
本発明のセメント組成物は、ポリアルキレングリコール鎖を有するポリカルボン酸からなる高性能AE減水剤と、特定のポリオキシアルキレン系化合物とを併用する点に特徴がある。JIS A 6204に規定されるごとく高性能AE減水剤は減水率18%以上を示すものである。しかし、その使用は減水率18%以上の場合に限られず減水率18未満で使用することもでき、また需要が多いのも減水率18%未満である。本明細書ではこの点を考慮し、あえて減水率15%において両者の併用効果を評価した。その結果は以下のごとくである。
(2)比較例4は、ポリエチレングリコールと高性能AE減水剤(IP)を併用した結果であり、比較例5は、ポリエチレンイミンと高性能AE減水剤(IP)を併用した結果である。本発明のセメント添加剤と高性能AE減水剤(IP)を併用した実施例1と比較すると、同一減水率において、高いフロー値が得られることから、本発明のセメント添加剤が優れたセメント分散補助効果を示していることが判明した。
Claims (1)
- ポリアルキレングリコール鎖を有するポリカルボン酸からなる高性能AE減水剤と、ポリアルキレンイミンに含まれる活性水素アミノ基に対して当該アミノ基の活性水素の当量を超えるアルキレンオキサイドを付加重合してなるポリオキシアルキレン系化合物とを含有するセメント添加剤であって、
前記ポリオキシアルキレン系化合物中のポリアルキレンオキサイド鎖が、エチレンオキサイドを単独重合して得られたものであり、
前記ポリアルキレンイミンの平均窒素原子数は、2〜50であり、
前記アルキレンオキサイドの平均付加重合数は、2〜100である、セメント添加剤。
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