JP3909615B2 - セメント分散剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセメント分散剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
コンクリート等のセメント配合物の流動性を向上させる目的で使用されるセメント分散剤として、従来、β−ナフタリンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩、リグニンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩等が知られていた。
【0003】
しかしながら上記、従来のセメント分散剤はセメント粒子の分散効果が必ずしも充分とは言えないばかりか、あるものはスラリーの柔軟性低下、所謂スランプロスが著しく大きくなり、近年の交通渋滞等によってコンクリートミキサー車が生コン工場から打設現場に到達するまでに時間を要したりすると、スラリーが増粘して現場における打設時の作業性を著しく低下させ、また型枠にセメント配合物スラリーを流し込んだ後、締め固め等が遅れた場合には未充填を生じ易い等の問題もあった。また上記従来のセメント分散剤のあるものは、添加量を増やすと過剰な凝結遅延効果を発現し、非常に長い硬化時間を要するため作業効率の低下をきたす等の問題があった。更に従来のセメント分散剤は気泡を過剰に抱き込んだり、粗大な気泡を生じ易く、製品の表面性状の悪化や強度低下をきたす等の問題が生じる虞れがあり、過剰な気泡や粗大な気泡を除去するために多量の消泡剤を添加しなければならない等の問題も有していた。更に上記したように、セメント組成物中の単位水量が多過ぎると硬化後に必要とされる強度が得られないため、セメント分散剤には十分な減水効果が要求されるが、上記従来のセメント分散剤のなかには、減水効果が充分とは言えないものがあった。
【0004】
例えば、β−ナフタリンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩等のナフタレン系分散剤は、減水効果が高く、凝結遅延が少ないとともに、空気連行効果も低いが、スランプロスが大きいという問題があった。またメラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩等のメラミン系分散剤は、減水効果が低いため多量の加水を必要とするという問題があった。更にリグニンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩等のリグニン系分散剤は、減水効果は高いが、空気連行効果が高いため、多量の消泡剤の添加を必要とする等の問題や、得られた硬化物の物性に悪影響を及ぼす等の問題があった。
【0005】
上記の問題を解決することを目的として、ポリスチレンスルホン酸塩を分散剤として用いる方法(特開昭51−525号公報)、ポリエチレンイミンやその中和塩を分散剤として用いる方法(特開昭56−120559号公報、特開昭57−109885号公報等)、ポリ(ヒドロキシルアルキル化)ポリエチレンイミンを分散剤として用いる方法(特開昭58−156563号公報)等が提案されている。しかしながら、これらの方法も少ない添加量で所期の効果が充分に発揮されるとは言い難く、効果を高めるために添加量を多くすると、初期スランプ値が大きくなり過ぎて、セメント配合物スラリー中から砂利等の骨材が分離したり、添加水の一部が浮き上がる所謂ブリーディングを生じたり、硬化物の初期強度が低下したりする等の問題があった。
【0006】
一方、セメント分散剤としてポリオキシアルキレン不飽和エーテルと無水マレイン酸エステルとの共重合体や、その加水分解物、或いは該加水分解物の塩(特開昭63−285140号公報)や、ポリオキシアルキレン不飽和エーテルとマレイン酸エステルとの共重合体(特開平2−163108号公報)等も提案されているが、前者はスランプロスが大きくなるという問題があり、後者は分散剤の水溶性が低いために分散剤溶液の安定性が低く、また凝結遅延効果が高すぎて硬化に時間を要する等の問題を有していた。
【0007】
セメント分散剤には、上記したような優れた減水効果に加え、スランプロスが少ない、凝結遅延効果が少ない等、種々の特性が要求されるが、従来のセメント分散剤はこれらの特性を同時に有するものではなかった。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたもので、セメント粒子の分散性に優れることはもとより、減水効果に優れ、スランプロス、凝結遅延効果の少ないセメント分散剤を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明のセメント分散剤は、アミノ基又はイミノ基と反応可能な官能基を少なくとも2個有する多官能性化合物で架橋されたポリアルキレンポリアミンの窒素原子に結合した置換基として、少なくともカルボン酸基又はその塩を有する化合物を含有することを特徴とする。本発明のセメント分散剤は、カルボン酸基又はその塩以外に、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アシル基、ポリオキシアルキレン基、或いは下記(1)式、(2)式で示す基からなる群より選ばれた置換基を有するものでも良い。
【0010】
【化3】
−CH2 CH2 COO(CH2 CH2 O)n R ・・・(1)
(但し、nは正数、Rは水素又はメチル基。)
【0011】
【化4】
−CH2 COO(CH2 CH2 O)n R ・・・(2)
(但し、nは正数、Rは水素又はメチル基。)
【0012】
本発明のセメント分散剤において、多官能性化合物としては、二塩基酸、二塩基酸無水物、二塩基酸エステル、ジイソシアネート、ジエポキシ化合物、ポリエポキシ化合物、尿素、グアニジン、二塩基酸ジハライド、アルキレンジハライド、ジアルデヒドよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましく、なかでもヘキサメチレンジイソシアネート及び/又はジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のセメント分散剤を構成するポリアルキレンポリアミンとしては、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリ−3−メチルプロピルイミン、ポリ−2−エチルプロピルイミン等の環状イミンの重合体、ポリビニルアミンの重合体、ポリアリルアミンの重合体の如き不飽和アミンの重合体等が挙げられる。更にポリアルキレンポリアミンは、ビニルアミン、アリルアミン等の不飽和アミンと、これら不飽和アミンと共重合可能な例えばジメチルアクリルアミド、スチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸やこれらの塩等の不飽和化合物との共重合体であっても良い。本発明においてポリアルキレンポリアミンは、平均分子量が300〜200万のものが好ましく、特に1000〜50万のものが好ましい。
【0014】
上記ポリアルキレンポリアミンを架橋する多官能性化合物としては、ポリアルキレンポリアミンのアミノ基又はイミノ基との反応性を有する官能基を少なくとも2個有する化合物が挙げられる。このような多官能性化合物の好ましい例としては、二塩基酸、二塩基酸無水物、二塩基酸エステル、ジイソシアネート、ジエポキシ化合物、ポリエポキシ化合物、尿素、グアニジン、二塩基酸ジハライド、アルキレンジハライド、ジアルデヒド等が挙げられる。
【0015】
上記二塩基酸としては、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の総炭素数が2〜10の脂肪族飽和二塩基酸が用いられるが、炭素数が6以上のものが架橋反応時の分子内反応が少ないため好ましい。また二塩基酸無水物としては、これら二塩基酸の無水物が挙げられる。
【0016】
二塩基酸エステルとしては、例えば上記二塩基酸のモノメチルエステル、モノエチルエステル、モノブチルエステル、モノプロピルエステル、ジメチルエステル、ジエチルエステル、ジブチルエステル、ジプロピルエステル等が挙げられる。
【0017】
ジイソシアネートとしては、例えばエチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、ビス(イソシアノメチル)シクロヘキサン、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。これらジイソシアネートのうち、ヘキサメチレンジイソシアネートやジフェニルメタンジイソシアネートはポリアルキレンポリアミンとの反応性に優れ、高分子量でセメント粒子の分散効果に優れた化合物を得ることができるため好ましい。
【0018】
ジエポキシ化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、オルソフタル酸ジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエーテル等が挙げられるが、分子量が250以上のものが架橋反応時の分子内反応が少ないため好ましい。またポリエポキシ化合物としては、例えばソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0019】
また尿素、グアニジン類としては、例えば尿素、グアニジンの塩酸塩、グアニジンの硝酸塩、グアニジンの炭酸塩、グアニジンのリン酸塩、グアニジンのスルファミン酸塩等が挙げられる。二塩基酸ジハライドとしては、前記二塩基酸の二塩化物、二ヨウ化物、二臭化物等が挙げられる。更に、アルキレンジハライドとしては、1,3−ジクロロプロパン、1,4−ジクロロブタン、1,6−ジクロロヘキサンや、1,8−ジブロモオクタン等が挙げられ、ジアルデヒドとしてはフタルジアルデヒド等が挙げられる。
【0020】
本発明のセメント分散剤は、前記ポリアルキレンポリアミンを上記多官能性化合物で架橋した後、後述する置換基を導入するか、或いはポリアルキレンポリアミンに後述する置換基を導入した後、上記多官能性化合物で架橋することにより得ることができる(以下、ポリアルキレンポリアミンや、これを多官能性化合物で架橋した化合物、ポリアルキレンポリアミンに後述する置換基を導入した化合物、或いは多官能性化合物で架橋したポリアルキレンポリアミンに、後述する官能基の一部が結合しているが、最終製品ではない中間的な化合物を便宜上、ポリアミン類と呼ぶ。)。
【0021】
前記二塩基酸や二塩基酸無水物は、ポリアミン類に二塩基酸や二塩基酸無水物を加え、50〜100℃で1〜20時間反応させることにより架橋させることができる。また二塩基酸エステルは、ポリアミン類に二塩基酸エステルを加えて50〜150℃で1〜10時間反応させることにより架橋させることができる。ジイソシアネート化合物は、ポリアミン類にジイソシアネート化合物を加え、更に必要に応じてジブチル錫ラウレート等の触媒を加え、50〜150℃で1〜5時間反応させることにり架橋させることができる。またジエポキシ化合物やポリエポキシ化合物は、ポリアミン類にジエポキシ化合物やポリエポキシ化合物を添加して50〜200℃で1〜5時間反応することにより架橋させることができる。更に、尿素やグアニジン類は、ポリアミン類に尿素やグアニジン類を添加し、100〜200℃で1〜20時間反応させることにより架橋させることができ、二塩基酸ジハライドは、室温〜100℃で1〜5時間反応させることによりポリアミン類に架橋させることができる。またアルキレンジハライドは、アルカリ触媒の存在下で室温〜150℃で1〜5時間反応させることによりポリアミン類に架橋させることができ、ジアルデヒドは、0℃〜100℃で1〜10時間反応させることによりポリアミン類に架橋させることができる。
【0022】
ポリアミン類と多官能性化合物との反応比率は、ポリアミン類1モル当たり、多官能性化合物0.3〜5モルが好ましい。ポリアミン類1モル当たり多官能性化合物が0.3モル未満の場合、架橋反応が充分に進行しないため、最終的に得られるセメント分散剤の分散効果が不充分となり、また3モルを超える場合にはゲル化して水溶性が低下する等の問題が生じ易い。
【0023】
本発明のセメント分散剤は、多官能性化合物で架橋されたポリアルキレンポリアミンに、少なくともカルボン酸基又はその塩を置換基として有している。本発明のセメント分散剤は、置換基としてカルボン酸基又はその塩を少なくも有することを必須とするが、セメント分散剤の1分子中に、カルボン酸基又はその塩を必ず1個以上有している必要はなく、セメント分散剤中にポリアミン類の窒素原子に結合した置換基としてカルボン酸基又はその塩を有する化合物が含有されていれば良い。しかしながら、セメント分散剤中における置換基としてのカルボン酸基又はその塩の割合が少な過ぎても多過ぎてもセメントの分散効果が不充分となる虞れがあるため、カルボン酸基又はその塩の含有率は、ポリアミン類の窒素原子1個当たりに対する平均で、0.3〜2個であることが好ましい。また本発明のセメント分散剤は、上記カルボン酸基又はその塩の他に、更にアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アシル基、ポリオキシアルキレン基、或いは下記(1)式、(2)式で示す基の少なくとも1種を置換基として有してると、セメントの分散性が更に向上する効果がある。
【0024】
【化5】
−CH2 CH2 COO(CH2 CH2 O)n R ・・・(1)
(但し、nは正数、Rは水素又はメチル基。)
【0025】
【化6】
−CH2 COO(CH2 CH2 O)n R ・・・(2)
(但し、nは正数、Rは水素又はメチル基。)
【0026】
上記カルボキシル基或いはその塩以外の置換基は、1種のみならず2種以上を有していても良いが、カルボキシル基或いはその塩以外の置換基の含有量があまり多いと疎水性が高くなり過ぎてセメント分散剤の水溶液が増粘したり分離し易くなり、更にポリオキシアルキレン基は含有量があまり多くなるとセメント配合物中に空気を抱き込み易くなるため、上記カルボキシル基或いはその塩以外の置換基は合計で、ポリアミン類の窒素原子1個当たりに対し、平均で0.7個以下含有されていることが好ましく、特に0.1〜0.5個含有されていることが好ましい。
【0027】
上記カルボン酸基又はその塩としては、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基等や、これらのカリウム塩、ナトリウム塩の如きアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩の如きアルカリ土類金属塩等が挙げられる。カルボン酸基は、例えばポリアミン類にアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル等の不飽和カルボン酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリルを添加し、50〜100℃で1〜5時間付加反応を行った後、加水分解するか、或いはポリアミン類にモノクロロ酢酸等のハロゲン化カルボン酸を加え、50〜100℃で1〜5時間脱塩反応を行う等の方法で導入することができる。またカルボン酸基の塩は、上記のようにしてカルボン酸基を導入した後、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物で加水分解するか、ポリアミン類にアクリル酸塩やハロゲン化アルキルカルボン酸塩を反応する等によって導入することができる。
【0028】
上記カルボン酸基又はその塩以外の置換基として導入される、アルキル基としては炭素数4〜22のものが好ましく、ヒドロキシアルキル基としてはアルキル基の炭素数が4〜22のβ−ヒドロキシアルキル基が好ましく、更にアシル基としては炭素数2〜22の飽和又は不飽和アシル基が好ましい。アルキル基は、例えばポリアミン類にハロゲン化アルキルを加え、50〜150℃で1〜20時間反応する等の方法により導入することができ、β−ヒドロキシアルキル基は、例えばポリアミン類に1,2−エポキシアルカンを加え、50〜110℃で1〜20時間反応する等の方法により導入することができる。またアシル基は、例えばポリアミン類に飽和又は不飽和脂肪酸を加え、100〜200℃で1〜10時間反応させる等の方法により導入することができる。
【0029】
更にポリオキシアルキレン基は、例えばポリアミン類に、50〜200℃でエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加反応させる等の方法により導入することができる。ポリオキシアルキレン基は、ポリアミン類にエチレンオキシドやプロピレンオキシド等の異なるアルキレンオキシドを、ランダム又はブロック状に付加させて、例えばポリオキシエチレン−プロピレン基等の置換基として導入しても良い。ポリアミン類に対するアルキレンオキシドの付加量は、ポリアミン類の重量に対して100重量%未満となる量が好ましい。
【0030】
更にまた、上記(1)式で示す基は、例えばポリアミン類にアクリル酸ポリエチレングリコールモノエステルやアクリル酸メトキシポリエチレングリコールモノエステルを、50〜100℃で反応させる等の方法により導入することができ、(2)式で示す基は、例えばポリアミン類にモノクロロ酢酸を反応させた後、エチレンオキサイドを付加するか、或いはポリアミン類にモノクロロ酢酸を反応させた後、メトキシポリエチレングリコールを反応させる等の方法により導入することができる。
【0031】
本発明のセメント分散剤は、上記したカルボン酸基やその塩等の置換基の他に、本発明分散剤の所期の効果を妨げない限り、更にスルホン酸基、アルケニル基、アラルキル基等の置換基を有していても良い。
【0032】
上記した如き構造を有する本発明のセメント分散剤は、そのままセメント配合物に添加することができるが、更に適当な酸で中和して用いることもできる。本発明セメント分散剤は、セメントの0.01〜1重量%程度を添加することが好ましい。セメント分散剤の添加量が0.01重量%未満では本発明の所期の効果が充分に発揮され難く、また1重量%を超える量を添加しても添加量に比例した効果が得られ難くなり経済的ではない。
【0033】
本発明のセメント分散剤が対象とするセメント配合物としては、コンクリート、モルタル、セメントペースト、グラウト等が挙げられ、セメント分散剤はセメント配合物を構成する諸材料を混合する際に同時に添加して混合しても、諸材料を混合した後、セメント配合物を打設する迄の間に添加しても良い。
【0034】
また本発明セメント分散剤は、その効果の妨げとならない限りにおいて、他の添加剤、例えば空気連行剤、減水剤、流動化剤、凝結遅延剤、凝結促進剤、消泡剤、増粘剤、防水剤、膨張剤等と併用することができる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。尚、以下の実施例、比較例で用いたセメント分散剤は次の通りである。
【0036】
(1)セメント分散剤:CS−1
ポリエチレンイミン(分子量7万)の窒素原子1個当たりに対し、0.6モルのカルボキシエチル基を導入した後、このポリエチレンイミン1.0モル当たりに対し、2.0モルのセバシン酸で架橋して得た化合物。
【0037】
(2)セメント分散剤:CS−2
ポリプロピレンイミン(分子量2万)の窒素原子1個当たりに対し、0.5モルのカルボキシメチル基と、0.2モルのデシル基とを導入した後、このポリプロピレンイミン1.0モル当たりに対し、1.2モルの無水コハク酸で架橋して得た化合物。
【0038】
(3)セメント分散剤:CS−3
ポリエチレンイミン(分子量10万)の窒素原子1個当たりに対し、0.6モルのカルボキシエチル基と、0.2モルの2−ヒドロキシドデシル基とを導入した後、このポリエチレンイミン1.0モル当たりに対し、2.5モルのテレフタル酸ジメチルで架橋して得た化合物。
【0039】
(4)セメント分散剤:CS−4
ポリエチレンイミン(分子量15万)の窒素原子1個当たりに対し、0.6モルのカルボキシエチル基を導入した後、このポリエチレンイミン1.0モル当たりに対し、2.0モルのポリ(9)エチレングリコールジグリシジルエーテルで架橋して得た化合物。
【0040】
(5)セメント分散剤:CS−5
ポリアリルアミン(分子量1万)の窒素原子1個当たりに対し、1.6モルのカルボキシメチル基を導入した後、このポリアリルアミン1.0モル当たりに対し、1.0モルのヘキサメチレンジイソシアネートで架橋して得た化合物。
【0041】
(6)セメント分散剤:CS−6
ポリエチレンイミン(分子量30万)の窒素原子1個当たりに対し、0.7モルのカルボキシエチル基と、0.1モルのドデシル基とを導入した後、このポリエチレンイミン1.0モル当たりに対し、0.8モルのトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルで架橋して得た化合物。
【0042】
(7)セメント分散剤:CS−7
ポリアリルアミン(分子量6万)の窒素原子1個当たりに対し、1.5モルのカルボキシエチル基を導入しポリアミン1.0モルを、0.5モルのアジピン酸及び1.0モルのジフェニルメタンジイソシアネートで架橋して得た化合物に、更に酸化エチレン3モルを付加させて得た化合物。
【0043】
(8)セメント分散剤:CS−8
ポリビニルアミン(分子量10万)の窒素原子1個当たりに対し、1.0モルのカルボキシエチル基と、0.5モルのポリ(4)オキシエチレンカルボキシエチル基とを導入した後、このポリビニルアミン1.0モル当たりに対し、0.4モルのアジピン酸及び0.4モルの1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルで架橋して得た化合物。
【0044】
(9)セメント分散剤:CS−9
ポリアリルアミン(分子量7万)の窒素原子1個当たりに対し、1.5モルのカルボキシエチル基を導入した後、このポリアリルアミン1.0モル当たりに対し、アジピン酸1.5モルで架橋して得た化合物。
【0045】
(10)セメント分散剤:CS−10
ポリエチレンイミン(分子量10万)の窒素原子1個当たりに対し、0.2モルのカルボキシエチル基を導入した後、このポリエチレンイミン1.0モル当たりに対し、ジフェニルメタンジイソシアネート1.5モルで架橋して得た化合物。
【0046】
(11)セメント分散剤:CS−11
ポリエチレンイミン(分子量3万)の窒素原子1個当たりに対し、0.6モルのカルボキシエチル基を導入した後、このポリエチレンイミン1.0モル当たりに対し、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1モルで架橋して得た化合物。
【0047】
(12)セメント分散剤:NS−1
市販のナフタレン系高性能減水剤
(13)セメント分散剤:MS−1
市販のリグニン系高性能減水剤
【0048】
実施例1〜11、比較例1〜2
各セメント分散剤を表1に示す組成のコンクリートAに配合した場合の、コンクリートに及ぼすコンステンシーをスランプ値及びスランプロスで評価した。コンクリート組成物は、コンクリート用化学混和剤の試験法である日本工業規格(JIS A6204)に準拠し、コンクリート原料及びセメント分散剤を容量30リットルの傾胴ミキサー中で練り混ぜて調製した。3分間練り混ぜ後に測定した空気量とスランプ値を直後の値とし、その後、20分経過後、40分経過後にスランプ値を測定し、60分経過後に空気量とスランプ値を測定した。その結果を表2に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0003909615
【0050】
※1:普通ポルトランドセメント(比重=3.6)
※2:水道水
※3:木更津産陸砂(比重=2.59)
※4:秩父産砕石(比重=2.65)
※5:水−セメント比(水道水(W)のセメント(C)に対する重量%)
※6:細骨材率で、骨材全量に対する細骨材の容積%
【0051】
尚、コンクリート組成物中には、更に空気連行剤(日本製紙株式会社製:サンフローAE−6)及び消泡剤(ミヨシ油脂株式会社製:トリミンDF630)を添加して、練り混ぜ直後の空気量が約4%となるように調製した。またセメント分散剤の添加量は練り混ぜた直後のスランプ値が約20cmとなる量とした。スランプ値の測定は日本工業規格(JIS A1101)に準拠して測定した。また、セメント分散剤を用いずに練り混ぜ直後のスランプ値が約20cmとなるように調製したセメント(このセメントの配合を表1にセメントBとして示す。)についても、空気量とスランプ値の時間変化を測定した結果を、参考例1として表2にあわせて示す。尚、セメントAと同一配合でセメント分散剤を含まないものを、参考例2として表2にあわせて示した。
【0052】
【表2】
Figure 0003909615
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のセメント分散剤は、セメント配合物に添加した際のセメント粒子の分散性に優れているのはもとより、減水効果に優れるとともにスランプロスが少なく、しかも凝結に長時間を要することがない等の優れた効果を発現する。また、気泡を過剰に抱き込んだり、粗大な気泡が生じる虞れがなく適度な空気連行効果を発現するため、必要に応じて更に空気連行剤を添加するだけで所望の気泡含有量のスラリーに容易に調整が可能であり、過剰な気泡や粗大な気泡を消すために消泡剤を添加する必要がない等の種々の効果を有する。

Claims (4)

  1. アミノ基又はイミノ基と反応可能な官能基を少なくとも2個有する多官能性化合物で架橋されたポリアルキレンポリアミンの窒素原子に結合した置換基として、少なくともカルボン酸基又はその塩を有する化合物を含有することを特徴とするセメント分散剤。
  2. カルボン酸基又はその塩以外に、更にアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アシル基、ポリオキシアルキレン基、或いは下記(1)式、(2)式で示す基よりなる群から選ばれた置換基を有することを特徴とする請求項1記載のセメント分散剤。
    Figure 0003909615
    (但し、nは正数、Rは水素又はメチル。)
    Figure 0003909615
    (但し、nは正数、Rは水素又はメチル。)
  3. 多官能性化合物が、二塩基酸、二塩基酸無水物、二塩基酸エステル、ジイソシアネート、ジエポキシ化合物、ポリエポキシ化合物、尿素、グアニジン、二塩基酸ジハライド、アルキレンジハライド、ジアルデヒドよりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1又は2記載のセメント分散剤。
  4. 多官能性化合物がヘキサメチレンジイソシアネート及び/又はジフェニルメタンジイソシアネートである請求項1又は2記載のセメント分散剤。
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