JP4932123B2 - 薬物を可溶化するための新規なマイクロエマルジョンおよびミセルシステム - Google Patents

薬物を可溶化するための新規なマイクロエマルジョンおよびミセルシステム Download PDF

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    • A61K9/107Emulsions ; Emulsion preconcentrates; Micelles
    • A61K9/1075Microemulsions or submicron emulsions; Preconcentrates or solids thereof; Micelles, e.g. made of phospholipids or block copolymers

Description

【0001】
[発明の分野]
本発明は、水に不溶性または難溶性の薬物に対するマイクロエマルジョンデリバリーシステムを作製するための組成物および方法に関する。
【0002】
[発明の背景]
水に不溶性の薬剤をヒト使用(たとえば、経口、局所適用、静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射)に適切な水溶液に溶解することは、薬学的デリバリーシステムに対する主要な技術的障害である。以前の試みでは、多数の重大な副作用が、薬物によってではなく、薬物を溶解するために使用された担体によって引き起こされている。これらの合併症には、静脈内注射時の著しい低血圧症(たとえば、アミオダロン)、静脈炎がその後に生じる痛みを伴う注射(たとえば、バリウム)、アナフィラキシー(たとえば、プロポフォールを含むクレマホル)、手術後の感染症(たとえば、プロポフォールを含むイントラリピッド)などが含まれる。明らかなことではあるが、これらの薬物の可溶化を改善し、そして可溶化剤の合併症を避けることを目的とする試みは、患者に対する医療(health care)の質を高める。多くの薬物の場合、その日常的な臨床的使用に対する1つの主要な技術的障害は、水相における溶解性が非常に低いことである。そのような薬物の場合、油/水のマクロエマルジョンが、薬物をその所望する濃度に「溶解」するために、製薬業界では一般に使用されている。たとえば、麻酔剤のプロポフォールは、Baxter PPI プロフポォール(Gensia Sicor, Inc.)または Diprivan(AstraZeneca Pharmaceuticals, Inc.)として、すなわち、大豆油(100mg/mL)、グリセロール(22.5mg/mL)、卵レシチン(12mg/mL)およびエデト酸二ナトリウム(0.005%)またはメタ重亜硫酸塩におけるプロポフォールのマクロエマルジョン(水酸化ナトリウムによりpHが7.0〜8.5に調節される)として医薬業界に供給されている。しかしながら、そのようなマクロエマルジョンの安定性は比較的低く、油成分および水成分が時間とともに異なる相に分離する。さらに、マクロエマルジョンの液滴サイズが時間とともに大きくなる。マクロエマルジョンは、高剪断混合(high shear mixing)によって形成され、そして通常、1ミクロン〜10ミクロンサイズの粒子を有するとして定義される。
【0003】
マクロエマルジョンシステムとは対照的に、油、水および適切な乳化剤からなるマイクロエマルジョンシステムは自発的に形成させることができ、したがって、このマクロエマルジョンシステムは熱力学的に安定である。この理由から、マイクロエマルジョンシステムは、マクロエマルジョンの限られた寿命とは対照的に、通常の条件下では無限の寿命を理論的には有する(たとえば、Baxter PPI プロポフォールに関しては2年)。さらに、そのようなマイクロエマルジョンにおける液滴のサイズは一定のままで、100〜1000オングストローム(10〜100nm)の範囲であり、非常に低い油/水界面張力を有する。液滴サイズは可視光の波長の25%よりも小さいので、マイクロエマルジョンは透明である。薬物のために使用され得る3つの異なるマイクロエマルジョン可溶化システムは下記のとおりである:
1.油の液滴が水の連続相(continuous aqueous phase)に分散される、水中油型マイクロエマルジョン;
2.水の液滴が油の連続相に分散される、油中水型マイクロエマルジョン;
3.油および水のマイクロドメインが系内で相互に分散される、2連続マイクロエマルジョン(bi-continuous microemulsion)。
3つのタイプのマイクロエマルジョンのすべてにおいて、境界は、界面活性剤および/または補助界面活性剤(co-sufactant)の適切な組み合せによって安定化される。
【0004】
水に不溶性または難溶性の薬物に対する新しい効果的な薬物デリバリーシステムの開発が実際的に引き続き求められていることが前記の記載から理解され得る。1つのそのようなアプローチが薬学的なマイクロエマルジョンであると考えられる。しかしながら、生体適合性で、非毒性で、臨床的に許容可能な物質を選択し、適切な濃度範囲で乳化剤を使用し、そして安定なマイクロエマルジョンを形成させなければならない。本発明は、その目的として、安全かつ効果的な薬学的マイクロエマルジョンデリバリーシステムの形成を有する。
【0005】
本明細書中に記載されるデリバリーシステムは、プロポフォールに対して特に有用であることが見出されたが、プロポフォールだけに限定されない。プロポフォールは、その現在のデリバリー形態において、通常の場合には溶解性が低い最新の薬物の例として本明細書に示されるが、薬学的なマイクロエマルジョン担体で適正に送達されれば、現在の様々な問題が解決され得る。プロポフォールの場合におけるそのような現在の様々な問題は、直接的には、水におけるその溶解性が低いことから生じている。これらの問題には、注射時の著しい痛み、そしてたとえば、手術または鎮静のためにプロポフォールのマクロエマルジョンが投与された患者の一部における手術後の感染症が含まれる。
【0006】
医薬費用を低下させる試みにおいて、合衆国では外来に基づいて行われる手術手法の数が爆発的に増大している。外来の場合、短時間作用する麻酔薬の使用は、麻酔からの即時的な意識回復を可能にし、そして自宅への患者の迅速な帰宅をもたらす。プロポフォール(2,6−ジイソプロピルフェノール、分子量:178.27)は、油に似た有機液体であり、水相における溶解性をほとんど有しておらず(オクタノール/水の分配係数はpH6.0〜8.5で6761:1である)、麻酔からの迅速な意識回復の基準を最小限の副作用で満たす短時間作用の静脈内麻酔薬である。現在、プロポフォールは、リン脂質、コレステロールなどの生体適合性の乳化剤を使用する不透明な分散物であるマクロエマルジョンとして供給されている。さらに、多数の他の欠点により、一部の患者には著しく制限され、危険である。
【0007】
プロポフォールの欠点の大部分は、その市販処方および物理的性質に関連する。すなわち、プロポフォールは室温で液体であり、水にきわめて不溶性である。プロポフォールの固有的な親油性は、生理的食塩水またはリン酸塩緩衝液における溶解を問題のあるものにしている。1980年代の初期には、クレマホルが溶媒として使用されたが、その後、命を脅かすアナフィラキシー反応を起こしやすいその傾向のために中止された。それ以来、プロポフォールは、前に記載されるような大豆油および他の添加剤の乳濁した白色溶液である、10%イントラリピッドからなるマクロエマルジョンに懸濁されている。プロポフォールの現在の市販処方には大きい欠点がいくつかある。第1に、イントラリピッド中でのプロポフォールの使用は、疾病管理予防センターによって詳述されるように、ヒト患者における手術後感染のいくつかの原因の一因になる原因因子として関係している。感染症および死亡の原因は、手術時の麻酔薬として使用された外因的に汚染されたジプリバン(Diprivan)(すなわち、プロポフォールを含むイントラリピッド)のためであった。細菌が増殖しやすい傾向に対処するために、製造者は、保存剤のEDTA(0.05mg/ml)をジプリバンに、そしてメタ重亜硫酸ナトリウム(0.25mg/ml)をBaxter PPI プロポフォールに添加した。残念なことに、これらの保存剤はともに、ヒトにおいて薬害反応を潜在的に引き起こし得る。メタ重亜硫酸ナトリウムは感受性の患者にアレルギー型の反応を引き起こし得るの対して、EDTAのキレート化性質は、心臓伝導および腎機能に対するその作用のためにFDAにより注目された。したがって、細菌の増殖を支持しない溶媒の使用は、微生物の静脈内注入を防止することによってだけでなく、保存剤の必要性およびこれらの薬剤の考えられる有害作用を回避することによっても、プロポフォールの治療的安全性を著しく高める。
【0008】
第2に、イントラリピッドの価格はプロポフォールマクロエマルジョンの製造費用に実質的に加算されている。このビヒクルは、プロポフォールを可溶化する目的のために製薬企業に実施許諾されたClinitecによって製造されており、ジプリバン(プロポフォールを含む10%イントラリピッド)の製造コストの主要な部分を構成している。
【0009】
プロポフォールの現在の製剤の第3の主要な欠点は、その遊離の水性濃度に関する。プロポフォールはフェノール誘導体(2,6−ジイソプロピルフェノール)であり、注射時に痛みを生じさせる。この作用は、プロポフォールに関する麻酔専門医および患者の1つの最大の不満であり、そして鎮静目的には薬剤の中断をときには余儀なくさせることがある。大部分の専門家は、刺すような痛みは水溶液における遊離のプロポフォールの濃度に関連すると考えている。
【0010】
プロポフォールを非水性相に完全に乳化または分配する溶媒は、刺すような痛みを妨げ(または顕著に低下させ)、そしてチオペンタールナトリウム(広く使用されている別の静脈内麻酔薬)と同様の無痛注射を可能にする。本発明の処方は、これらの3つの欠点に対処し、これらを克服する。
【0011】
[発明の要約]
通常の場合に水に不溶性または難溶性の薬物(プロポフォールなど)のためのマイクロエマルジョンデリバリーシステム。薬物は、長鎖ポリマー界面活性剤成分と短鎖脂肪酸界面活性剤成分との乳化剤の組み合せとマイクロエマルジョンを形成される。これらの成分は、2つの相のあいだにおける吸収に対する表面張力を低下させ、それにより、熱力学的に安定なマイクロエマルジョンまたはミセルの形成を可能にするように選択される。このシステムはプロポフォールに対して特に有用であるが、プロポフォールに限定されない。
【0012】
[好適な実施態様の詳細な説明]
本発明のマイクロエマルジョン薬物デリバリーシステムは、薬学的に活性な麻酔薬のプロポフォールとのマイクロエマルジョンに関連して下記に記載される。しかし、説明における、水に不溶性または難溶性の活性な薬物としてのプロポフォールの使用は、通常の場合に水溶性の低い薬物の一般的に記載されたクラスの例示にすぎないことを理解しなければならない。本発明のマイクロエマルジョンシステム(特に、油および水)は、プロポフォールなどの油溶性薬物の実質的な濃度を溶解するために使用することができ、そしてそれらは、そののち、デリバリーシステムによって生じる痛みをほとんど伴うことなく、またはそのような痛みを伴うことさえなく、ヒト患者または動物に静脈内注射することができる。
【0013】
シクロスポリン、インスリンなどの多くの水溶性薬物は、油中水型のマイクロエマルジョンに溶解して、経口摂取(たとえば、ゼラチンカプセル)することができ、または注射することができる。これらのマイクロエマルジョンは腸表面に拡がり、腸表面において、薬物がその中に溶解されたナノメートルサイズの水の液滴が腸刷子縁を越えて浸透し、拡散する。患者における様々な薬物(すなわち、油溶性薬物、水溶性薬物および中間可溶性薬物)のデリバリーは、生体適合性の界面活性剤および補助界面活性剤からなる前記に記載された3つのタイプのマイクロエマルジョンシステムを使用により、機能する。そのような溶液は、吸収を阻害する腹部障害(短縮小腸症候群など)の患者にとって、そしてそうでない場合には吸収が悪い高価な薬物のより良好な経口デリバリーのために特に有益であり得る。
【0014】
本発明の実施における使用のために考えられる実質的に水に不溶性の薬理的に活性な薬剤は、様々な薬学的に活性な薬剤を包含し、通常の場合には水系に溶解しにくいと言う場合を除き、種類において限定されない。薬学的に活性な薬剤の例には、下記が含まれる:鎮痛薬/解熱薬(たとえば、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、塩酸ブプレノルフィン、塩酸プロポキシフェン、プロポキシフェンナフシレート、塩酸メペリジン、塩酸ヒドロモルホン、硫酸モルヒネ、塩酸オキシコドン、リン酸コデイン、重酒石酸ジヒドロコデイン、塩酸ペンタゾシン、重酒石酸ヒドロコドン、酒石酸レボルファノール、ジフルーニサル、サリチル酸トロラミン、塩酸ナルブフィン、メフェナム酸、酒石酸ブトルファノール、サリチル酸コリン、ブタルビタール、クエン酸フェニルトロキサミン、クエン酸ジフェンヒドラミン、メトトリメプラジン、塩酸シンナメドリン、メプロバメートなど);麻酔薬(たとえば、ハロタン、イソフルラン、メトキシフルラン、プロポフォール、チオバルビツレートなど);抗喘息薬(たとえば、アゼラスチン、ケトチフェン、トラキサノクスなど);抗生物質(たとえば、ネオマイシン、ストレプトマイシン、クロラムフェニコール、セファロスポリン、アンピシリン、ペニシリン、テトラサイクリンなど);抗うつ薬(たとえば、ネフォパム、オキシペルチン、塩酸ドクサピン、アモキサピン、塩酸トラゾドン、塩酸アミトリプチリン、塩酸マプロチリン、硫酸フェネルジン、塩酸デシプラミン、塩酸ノルトリプチリン、硫酸トラニルシプロミン、塩酸フロキセチン、塩酸ドクサピン、塩酸イミプラミン、パモ酸イミプラミン、ノルトリプチリン、塩酸アミトリプチリン、イソカルボキサジド、塩酸デシプラミン、マレイン酸トリミプラミン、塩酸プロトリプチリンなど);抗糖尿病薬(たとえば、ビグアニド類、ホルモン、スルホニルウレア誘導体など);抗真菌剤(たとえば、グリセオフルビン、ケオコナゾール、アンホテリシンB、ナイスタチン、カンジサイジンなど);抗高血圧剤(たとえば、プロパノロール、プロパフェノン、オキシプレノロール、ニフェジピン、レセルピン、カンシル酸トリメタファン、塩酸フェノキシベンザミン、塩酸パルギリン、デセルピジン、ジアゾキシド、モノ硫酸グアネチジン、ミノキシジル、レシナミン、ニトロプルシドナトリウム、インドジャボク、アルセロキシロン、メシル酸フェントラミン、レセルピンなど);抗炎症薬(たとえば、(非ステロイド系)インドメタシン、ナプロキセン、イブプロフェン、ラミフェナゾン、ピロキシカム、(ステロイド系)コルチゾン、デキサメタゾン、フルアザコルト、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、プレドニゾンなど);抗腫瘍薬(たとえば、アドリアマイシン、シクロホスファミド、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、マイトマイシン、メトトレキサート、フルオロウラシル、カルボプラチン、カルムスチン(BCNU)、メチル−CCNU、シスプラチン、エトポシド、インターフェロン、カンプトテシンおよびその誘導体、フェネステリン、タキソールおよびその誘導体、タキソテレおよびその誘導体、ビンブラスチン、ビンクリスチン、タモキシフェン、エトポシド、ピポスルファンなど);抗不安剤(たとえば、ロラゼパム、塩酸ブスピロン、プラゼパム、塩酸クロルジアゼポキシド、オキサゼパム、クロラゼプ酸二カリウム、ジアゼパム、パモ酸ヒドロキシジン、塩酸ヒドロキシジン、アルプラゾラム、ドロペリドール、ハラゼパム、クロルメザノン、ダントロレンなど);免疫抑制剤(たとえば、シクロスポリン、アザチオプリン、ミゾリビン、FK506(タクロリムス)など);抗片頭痛剤(たとえば、酒石酸エルゴタミン、塩酸プロパノロール、ムチン酸イソメトヘプテン、ジクロルアルフェナゾンなど);鎮静薬/催眠薬(たとえば、バルビツレート類(たとえば、ペントバルビタール、ペントバルビタールナトリウム、セコバルビタールナトリウム)、ベンゾジアザピン類(たとえば、塩酸フルラゼパム、トリアゾラム、トマゼパルム、塩酸ミダゾラムなど);抗狭心症剤(たとえば、β−アドレナリン性遮断薬、カルシウムチャンネル遮断薬(たとえば、ニフェジピン、塩酸ジルチアゼムなど)、ニトラート類(たとえば、ニトログリセリン、二硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリスリトール、四硝酸エリスリチルなど));抗精神病剤(たとえば、ハロペリドール、コハク酸ロキサピン、塩酸ロキサピン、チオリダジン、塩酸チオリダジン、チオチキセン、塩酸フルフェナジン、デカン酸フルフェナジン、エナント酸フルフェナジン、塩酸トリフルオペラジン、塩酸クロルプロマジン、ペルフェナジン、クエン酸リチウム、プロクロルペラジンなど);抗躁病剤(たとえば、炭酸リチウム);抗不整脈薬(たとえば、アミオダロン、アミオダロンの関連誘導体、トシル酸ブレチリウム、塩酸エスモロール、塩酸ベラパミル、塩酸エンカイニド、ジゴキシン、ジギトキシン、塩酸メキシレチン、リン酸ジソピラミド、塩酸プロカインアミド、硫酸キニジン、グルコン酸キニジン、ポリガラクツロン酸キニジン、酢酸フレカイニド、塩酸トカイニド、塩酸リドカインなど);抗関節炎剤(たとえば、フェニルブタゾン、スリンダク、ペニシラミン、サルサラート、ピロキシカム、アザチオプリン、インドメタシン、メクロフェナム酸ナトリウム、チオリンゴ酸ナトリウム金、ケトプロフェン、オーラノフィン、金チオグルコース、トルメチンナトリウムなど);抗痛風剤(たとえば、コルヒチン、アロプリノールなど);抗凝血薬(たとえば、ヘパリン、ヘパリンナトリウム、ワルファリンナトリウムなど);血栓溶解剤(たとえば、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、アルトプラーゼなど);抗線維素溶解剤(たとえば、アミノカプロン酸):血流剤(たとえば、ペントキシフィリン);抗血小板剤(たとえば、アスピリン、エンピリン、アスクリプチンなど);抗痙攣薬(たとえば、バルプロ酸、ジバルプロ酸ナトリウム、フェニトイン、フェニトインナトリウム、クロナゼパム、プリミドン、フェノバルビトール、フェノバルビトールナトリウム、カルバマゼピン、アモバルビタールナトリウム、メトスクシミド、メタルビタール、メフォバルビタール、メフェニトイン、フェンスクシミド、パラメタジオン、エトトイン、フェナセミド、セコバルビトールナトリウム、クロラゼパ酸二カリウム、トリメタジオンなど);抗パーキンソン剤(たとえば、エトスクシミドなど);抗ヒスタミン薬/止痒薬(たとえば、塩酸ヒドロキシジン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、マレイン酸ブロムフェニラミン、塩酸シプロヘプタジン、テルフェナジン、フマル酸クレマスチン、塩酸トリプロリジン、マレイン酸カルビノキサミン、塩酸ジフェニルピラリン、酒石酸フェニンダミン、マレイン酸アザタジン、塩酸トリペレナミン、マレイン酸デキスクロルフェニラミン、塩酸メトジラジン、酒石酸トリムプラジンなど);カルシウム調節に有用な薬剤(たとえば、カルシトニン、副甲状腺ホルモンなど);抗菌剤(たとえば、硫酸アミカシン、アズトレオナム、クロラムフェニコール、パルミチン酸クロラムフェニコール、コハク酸ナトリウムクロラムフェニコール、塩酸シプロフロキサシン、塩酸クリンダマイシン、パルミチン酸クリンダマイシン、リン酸クリンダマイシン、メトロニダゾール、塩酸メトロニダゾール、硫酸ゲンタマイシン、塩酸リンコマイシン、硫酸トブラマイシン、塩酸バンコマイシン、硫酸ポリミキシンB、コリスチメサートナトリウム、硫酸コリスチンなど);抗ウイルス剤(たとえば、インターフェロンγ、ジドブジン、塩酸アマンタジン、リバビリン、アシクロビルなど);抗微生物薬(たとえば、セファロスポリン類(たとえば、セファゾリンナトリウム、セフラジン、セファクロル、セファピリンナトリウム、セフチゾキシムナトリウム、セフォペラゾンナトリウム、セフォテタン二ナトリウム、セフトキシムアゾチル、セフォタキシムナトリウム、セファドロキシル一水和物、セフタジジム、セファレキシン、セファロチンナトリウム、塩酸セファレキシン一水和物、セファマンドールナファート、セフォキシチンナトリウム、セフォニシドナトリウム、セフォラニド、セフトリアキソンナトリウム、セフタジジム、セファドロキシル、セフラジン、セフロキシムナトリウムなど)、プリスロナイシン類、ペニシリン類(たとえば、アンピシリン、アモキシリン、ペニシリンGベンザチン、シクラシリン、アンピリシンナトリウム、ペニシリンGカリウム、ペニシリンVカリウム、ピペラシリンナトリウム、オキサシリンナトリウム、塩酸バカンピシリン、クロキサシリンナトリウム、トリカルシリン二ナトリウム、アズロシリンナトリウム、カルベニシリンインダニルナトリウム、ペニシリンGカリウム、ペニシリンGプロカイン、メチシリンナトリウム、ナフシリンナトリウムなど)、エリスロマイシン類(たとえば、エチルコハク酸エリスロマイシン、エリスロマイシン、エリスロマイシンエストレート、ラクトビオン酸エリスロマイシン、エリスロマイシンシーアレート(erythromycin siearate)、エチルコハク酸エリスロマイシンなど)、テトラサイクリン類(たとえば、塩酸テトラサイクリン、ドキシサイクリンハイクレート、塩酸ミノサイクリンなど)など);抗感染薬(たとえば、GM−CSF);気管支拡張薬(たとえば、交感神経作用薬(たとえば、塩酸エピネフリン、硫酸メタプロテレノール、硫酸テルブタリン、イソエタリン、メシル酸イソエタリン、塩酸イソエタリン、硫酸アルブテロール、アルブテロール、ビトルテロール、メシル酸イソプロテレノール塩酸塩、硫酸テルブタリン、重酒石酸エピネフリン、硫酸メタプロテレノール、エピネフリン、重酒石酸エピネフリン)、抗コリン作動剤(たとえば、臭化イプラトロピウム)、キサンチン類(たとえば、アミノフィリン、ジフィリン、硫酸メタプロテレノール、アミノフィリン)、マスト細胞安定化剤(たとえば、クロモリンナトリウム)、吸入コルチコステロイド類(たとえば、二プロピオン酸フルリソリデベクロメタゾン、二プロピオン酸ベクロメタゾン一水和物)、サルブタモール、二プロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)、臭化イプラトロピウム、ブデソニド、ケトチフェン、サルメテロール、キシナフォアート、硫酸テルブタリン、トリアムシノロン、テオフィリン、ネドクロミルナトリウム、硫酸メタプロテレノール、アルブテロール、フルニソリドなど);ホルモン(たとえば、アンドロゲン類(たとえば、ダナゾール、テストステロンシピオネート、フルオキシメステロン、エチルトストステロン、エナント酸テストステロン、メチルテストステロン、フルオキシメステロン、テストステロンシピオネート)、エストロゲン類(たとえば、エストラジオール、エストロピパート、抱合エストロゲン類)、プロゲスチン類(たとえば、酢酸メトキシプロゲステロン、酢酸ノルエチンドロン)、コルチコステロイド類(たとえば、トリアムシノロン、ベタメタゾン、リン酸ナトリウムベタメタゾン、デキサメタゾン、リン酸ナトリウムデキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、プレドニゾン、酢酸メチルプレドニゾロン懸濁物、トリアムシノロンアセトニド、メチルプレドニゾロン、リン酸ナトリウムプレドニゾロン、コハク酸ナトリウムメチルプレドニゾロン、コハク酸ナトリウムヒドロコルチゾン、コハク酸ナトリウムメチルプレドニゾロン、トリアムシノロンヘキサカトニド、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンシピオネート、プレドニゾロン、酢酸フルオロコルチゾン、酢酸パラメタゾン、プレドニゾロンツベラート、酢酸プレドニゾロン、リン酸ナトリウムプレドニゾロン、コハク酸ナトリウムヒドロコルチゾンなど)、甲状腺ホルモン(たとえば、レボチロキシンナトリウム)など)など);血糖降下剤(たとえば、ヒトインスリン、精製ウシインスリン、精製ブタインスリン、グリブリド、クロルプロパミド、グリピジド、トルブタミド、トラザミドなど);血中脂肪低下剤(たとえば、クロフィブラート、デキストロチロキシンナトリウム、プロブコール、ロバスタチン、ナイアシンなど);タンパク質(たとえば、DNase、アルギナーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、リパーゼなど);核酸(たとえば、何らかの治療的に有用なタンパク質(本明細書中に記載されるタンパク質のいずれかを含む)をコードするセンス核酸またはアンチセンス核酸など);赤血球生成刺激に有用な薬剤(たとえば、エリスロポイエチン);抗潰瘍/抗逆流剤(たとえば、ファモチジン、シメチジン、塩酸ラニチジンなど);制吐薬/鎮吐薬(たとえば、塩酸メクリジン、ナビロン、プロクロルペラジン、ジメンヒドリナート、塩酸プロメタジン、チエチルペラジン、スコポラミンなど);油溶性ビタミン(たとえば、ビタミンA、D、E、Kなど);ならびにほかの薬物(たとえば、ミトタン、ビサジン、ハロニトロソウレア類、アントラサイクリン類、エリプチシンなど)。
【0015】
また、本発明のマイクロエマルジョンシステムは、脳の化学療法および遺伝子の化学療法においても使用することができる。これは、ウイルス粒子の表面の性質が、血液/脳関門を越えるウイルスの移動速度、または別の保護された区画(たとえば、眼内の脳脊髄液)内へのウイルスの移動速度の重要な決定因子であるからである。
【0016】
同様に、水中油型のマイクロエマルジョンに溶解された多くの化学療法剤は、より容易に脳内の腫瘍部位に送達され得る。たとえば、脳腫瘍の小児患者は、化学療法剤が腰椎槽の穿刺によって安全に脳脊髄液内に注射され得るように全身麻酔が必要とされ得ることが多い。脳の腫瘍を標的化するためのマイクロエマルジョンの使用により、成人患者および小児患者における麻酔および/または腰椎穿刺の必要性が回避され得る。
【0017】
非極性薬物の溶解性は、水およびアルコールまたはプロピレングリコールなどの混合溶媒に溶解された場合、系内に存在する疎水力に影響を及ぼすことによって著しく増大し得る。この方法もまた、マイクロエマルジョンおよび選択的なミセルの放出システムと比較される。混合溶媒システムは、薬物可溶化の問題を解決する最も簡単な方法であり得る。
【0018】
本発明にしたがって生物利用性が高い形態で有用な薬学的に活性な薬物(プロポフォールなど)を調製することにおいて、最初の段階は、油に類似する、通常の場合には溶解しにくい薬物(プロポフォールなど)を選択することである。プロポフォールなどの薬学的に活性な成分の均質なマイクロエマルジョンを作製するためには、そのような成分を、マイクロエマルジョンの形成のために適切な乳化剤の組み合せと混合する必要がある。
【0019】
驚くべきことに、本発明によれば、界面活性剤の適切な組み合せは、ポロキサマーなどの長鎖ポリマー界面活性剤成分と、短鎖脂肪酸界面活性剤成分との組み合せであることが見出された。短鎖脂肪酸界面活性剤に対する長鎖ポリマー界面活性剤の比率は、10〜100(wt./wt.)が望ましく、好ましくは25〜80(wt./wt.)にすべきである。
【0020】
好適な長鎖界面活性剤は、有機界面活性剤または無機界面活性剤の薬学的賦形剤として知られている群から選択することができる。好ましい界面活性剤には、非イオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤が含まれる。
【0021】
長鎖または高分子量(>1000)の界面活性剤の代表的な例には、ゼラチン、カゼイン、レシチン(リン脂質)、アラビアゴム、コレステロール、トラガカント、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(たとえば、セトマクロゴール1000などのマクロゴールエーテル)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(たとえば、市販のツイーン類)、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンステアレート、コロイド状二酸化ケイ素、ホスファート、ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、微結晶セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン(PVP)が含まれる。低分子量体(<1000)には、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、グリセロールモノステアレート、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、およびソルビタンエステルが含まれる。これらの表面修飾剤の大部分は、既知の薬学的賦形剤であり、Handbook of Pharmaceutical Excipients(アメリカ薬剤師会および英国薬剤師協会の合同により刊行、the Pharmaceutical Press、1986年)に詳しく記載される。
【0022】
特に好ましい長鎖界面活性剤には、ポリビニルピロリドン、チロキサポール、ポロキサマー(たとえば、プルロニックF68、F77およびF108、これらはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック共重合体である)、およびポリキサミン(たとえば、テトロニック908(ポロキサミン908としても知られている)、これは、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドをエチレンジアミンに連続的に付加することによって得られる四官能性のブロック共重合体であり、BASFから入手することができる)、デキストラン、レシチン、スルホコハク酸ナトリウムのジアルキルエステル(たとえば、エアロゾルOT、これはスルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルであり、American Cyanamidから入手することができる)、デュポノールP(これはラウリル硫酸ナトリウムであり、DuPontから入手することができる)、トリトンX−200(これはアルキルアリールポリエーテルスルホナートであり、Rohm and Haasから入手することができる)、ツイーン20およびツイーン80(これらはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであり、ICI Specialty Chemicalsから入手することができる);カーボワックス3550および934(これらはポリエチレングリコールであり、Union Carbideから入手することができる);クロデスタF−110(これは、スクロースステアレートおよびスクロースジステアレートの混合物であり、Croda Inc.から入手することができる)、クロデスタSL−40(これはCroda Inc.から入手することができる)、ならびにSA90HCO(これはC1837−CH2(CON(CH3)CH2(CHOH)4CH2OH)2である)が含まれる。特に有用であることが見出されている表面修飾剤には、テトロニック908、ツイーン類、プルロニックF68およびポリビニルピロリドンが含まれる。他の有用な表面修飾剤には、デカノイル−N−メチルグルカミド、n−デシル−β−D−グルコピラノシド、n−デシル−β−D−マルトピラノシド、n−ドデシル−β−D−グルコピラノシド、n−ドデシル−β−D−マルトシド、ヘプタノイル−N−メチルグルカミド、n−ヘプチル−β−D−グルコピラノシド、n−ヘプチル−β−D−チオグルコシド、n−ヘキシル−β−D−グルコピラノシド、ノナノイル−N−メチルグルカミド、n−ノイル−β−D−グルコピラノシド、オクタノイル−N−メチルグルカミド、n−オクチル−β−D−グルコピラノシド、オクチル−β−D−チオグルコピラノシドなどが含まれる。
【0023】
別の有用な長鎖界面活性剤はチロキサポール(アルキルアリールポリエーテルアルコール型の非イオン性液状ポリマーであり、スペリノンまたはトリトンとしても知られている)である。この界面活性剤は市販されており、かつ/またはこの分野で既知の技術によって製造することができる。
【0024】
別の好ましい界面活性剤であるp−イソノニルフェノキシポリ(グリシドール)は、Olin−10Gまたはサーファクタント10−Gとしても知られており、Olin Chemicals(Stamford、Conn.)から10Gとして市販されている。
【0025】
1つの好ましい長鎖界面活性剤は、少なくとも1つのアニオン基に連結されたブロック共重合体である。このポリマーは、1分子あたり、少なくとも1つのアニオン基、好ましくは2つ、3つ、4つまたはそれ以上のアニオン基を含む。好ましいアニオン基には、硫酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、リン酸基およびカルボン酸基が含まれる。アニオン基は、非イオン性ブロック共重合体に共有結合的に結合される。非イオン性の硫酸化ポリマー界面活性剤は、分子量が1,000〜50,000であり、好ましくは2,000〜40,000であり、より好ましくは3,000〜30,000である。好ましい実施形態において、ポリマーは少なくとも約50重量%、より好ましくは、少なくとも約60重量%の親水性ユニット(たとえば、アルキレンオキシドユニット)を含む。この理由は、親水性ユニットが大きい重量割合で存在することにより、水溶性がポリマーにもたらされるからである。
【0026】
本明細書中における表面修飾剤として有用なブロック共重合体の好ましい種類には、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック共重合体が含まれる。これらのブロック共重合体はプルロニックとして市販されている。そのようなブロック共重合体の具体的な例には、F68、F77、F108およびF127が含まれる。
【0027】
本明細書中における有用なブロック共重合体の別の好ましい種類には、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドをエチレンジアミンに連続的に付加することによって得られる四官能性のブロック共重合体が含まれる。これらのポリマーは、非硫酸化形態で、テトロニックとして市販されている。
【0028】
要約すると、長鎖界面活性剤は、好ましくは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体であるポロキサマーであるブロック共重合体である。これらの共重合体はプルロニック(登録商標)として市販されている。
【0029】
補助界面活性剤または乳化剤の組み合せの第2成分は短鎖脂肪酸成分である。短鎖により、C8〜C16鎖長、好ましくはC8〜C12鎖長が意味される。特に良好な結果を伴う1つの好ましい補助乳化剤はラウリン酸ナトリウムである。
【0030】
この組み合せシステムの利点は、広範囲の濃度の活性な薬物を可溶化し、そしてマイクロエマルジョン成分の正確な組成を最適化することができるということである。たとえば、プロポフォールに関しては、所望する場合には、高い濃度を、より高濃度の補助乳化剤を使用することによって達成することができる。医療提供者によって使用されるプロポフォールの濃度(すなわち、1%の濃度物、10mg/mL)を、下記の実施例に関して表1、2、3および4により示される本発明のシステムにおいて非常に容易に達成することができる。これらはすべて、長時間にわたり無色で、熱力学的に安定な透明な溶液であり(現在、これらは、少なくとも16ヵ月までの安定性が明らかにされている)、そして細菌の増殖を助長しない。
【0031】
マイクロエマルジョンに加えて、そのようなナノメートルサイズの液滴の境界を設計することができ、その結果、ヒトにおける液滴の安定性および寿命が、数ミリ秒から数分まで、または数時間にまでさえ継続するように選択的に設計することができる。本発明者らは、マイクロエマルジョン液滴の境界の剛性が、そのような液滴から細胞および組織への薬物の流束において重要な役割を果たしていると考える。薬物の流束を制御するためにマイクロエマルジョンシステムを調整することはまた、個々の患者の要求または特定の薬学的必要性にしたがって薬物送達を個別に調節するためにそのようなシステムにおいて操作することができる。
【0032】
リドカインおよびテトラカインなどの薬物は塩基形態(非イオン性または非イオン化型)または塩(イオン性)形態で得ることができる。薬物の塩形態は、水相(すなわち、水)においてより大きい溶解性を有する。この理由から、多くの薬物は水相での塩形態で一般には供給される。本発明者らは、表面活性な薬物分子が水相でミセルを形成することを明らかにしている。これらのミセルは、薬物の非極性形態または非イオン性形態を容易に可溶化することができる。したがって、本発明者らは、リドカインのイオン化形態および非イオン化形態を水相に入れた場合、薬物の溶解性が水相において3倍〜5倍高くなり得ることを明らかにしている。
【0033】
この方法のさらなる改変もまた、一定の安定性または寿命(数ミリ秒から数時間)を有する生体適合性の界面活性剤のミセルが調整され得るように行うことができる。これらの薬物の溶解性および周りの媒体への移行は、寿命によって、したがってミセルの安定性によって著しく影響される。様々な実験技術を、ミセルの安定性を10-3秒〜103秒の範囲で科学的に測定するために利用することができる。そのとき、ミセルの安定性と薬物放出速度とを相関させることができる。そのような研究を、フランツ拡散セルを使用して行うことができる。この場合、無毛のマウス皮膚が、供与体セル区画と受容体セル区画とのあいだの拡散障壁として役立つ。供与体区画には、特定の緩和時間(すなわち、寿命または安定性)を有するミセルが置かれる。受容体区画内への所与薬物の移行速度を測定して、ミセルの安定性と薬物放出速度とを相関させることができる。最近、本発明者らは、ミセルにおいて水相内に可溶化させた非極性色素分子を使用して類似する実験を行った(図1)。
【0034】
ミセルの安定性は薬物の移行速度に著しい影響を及ぼす。たとえば、ブピビカインの代わりにリドカインを使用する長時間作用する末梢神経遮断薬を、数時間の寿命を有するミセルにリドカインを包むことによって送達することができる。リドカインの心臓毒性作用に対する治療指数はブピビカインに対する治療指数よりもはるかに大きいので、調節されたミセルの使用は患者の安全性を著しく高める(治療指数は、望ましくない効果を引き起こす濃度[たとえば、LD50]と比較して、所望する効果を生じさせるための薬物の特定濃度[たとえば、TD50]について予想される安全域に関する薬学的用語である)。同様に、長寿命のミセルは、血液/脳関門を通って浸透する薬物粒子またはウイルスをコーティングするために有用であると考えらえる。
【0035】
以下の実施例は、本発明を限定するためではなく、本発明を例示するためにさらに提供される。本明細書中の実施例では、プロポフォールが、選択された薬物として使用された。プロポフォールは、下記に示される量のプルロニック(登録商標)F−77とラウリン酸ナトリウムとのマイクロエマルジョン乳化剤組み合せとともに使用された。乳化剤組み合せ生理的食塩水とプロポフォールとのマイクロエマルジョンを作製した。安定性および粘度を、通常の方法を使用して測定した。安定性および粘度を表にして、下記の表1、2、3および4に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0004932123
【0037】
【表2】
Figure 0004932123
【0038】
【表3】
Figure 0004932123
【0039】
【表4−A】
Figure 0004932123
【0040】
【表4−B】
Figure 0004932123
【0041】
【表4−C】
Figure 0004932123
【0042】
プルロニック77およびラウリン酸ナトリウムの補助エマルジョン組み合せを使用する色素オレンジOTのマイクロエマルジョンミセルからの放出が、図1および図2に、それぞれ、4時間、6時間および10時間において例示される。認められ得るように、放出速度はミセルにより影響を受ける。プルロニック酸乳化剤との0.9%規定生理的食塩水(NS)におけるマイクロエマルジョンとしてのプロポフォールの麻酔性を、静脈内麻酔薬の導入および回復に対するラットモデルにおける無作為化交差法を使用して、イントラリピッドおけるマクロエマルジョンとしてのプロポフォール(ジプリバン(登録商標))の麻酔性と比較した。
【0043】
このプロトコルはフロリダ大学動物管理使用委員会によって承認された。静脈内カテーテル(24g)をHarlan Sprague-Dawleyラット(350g)の尾静脈に挿入し、固定した。カテーテルをキャップとともに保ち、ヘパリン化生理的食塩水で洗浄した。続いて、ラットに、0.20μmのフィルターでろ過した後のプロポフォール/NS/プルロニックF−77(フロリダ大学)または滅菌されたプロポフォール/イントラリピッド(ジプリバン(登録商標)、AstraZeneka Pharmaceuticals, Inc.、Wilmington、DE)のいずれかを10mg/kg/分の速度で無作為に投与した。手によるボーラス投与により生じる注入速度に関連する変動性および麻酔導入速度に対するその影響を除くために、シリンジポンプ(sp2000i、World Precision Instruments、Sarasota、FL)を使用して、一定速度の薬物投与を確保した。体温を、電気毛布(TP−400、Gaymar Industries, Inc.、Orchard Park、NY)を使用して維持した。麻酔導入の終点は、左脚の親指をつまんだ後の脚の反射的な引込みの喪失を生じさせる総薬物量とした。引込み喪失の後、薬物の注入を止めた。麻酔回復の終点は、自発的な眼のまばたき、持続した頭の持ち上げ、および立直り反射を回復するまでの時間であった。最初の麻酔薬および回復の後、ラットを、約45分間、完全に回復させ、その後、プロポフォールの代わりの処方を与えた。ラットは、麻酔薬を与えた後の7日間にわたって観察された。
【0044】
両研究群のラットはすべて、麻酔薬の迅速な導入を受け、その後、回復した。継続した自然換気がどの場合でも行なわれた。すべてのラットはピンク色の脚および耳を維持した。麻酔薬投与後の7日間の観察期間中に死亡したラットはいなかった。具体的な終点は表5に詳しく示される。
【0045】
【表5】
Figure 0004932123
【0046】
ラットモデルにおけるこれらの限られた観測結果に基づいて、NS/プルロニックF−77マイクロエマルジョン処方におけるプロポフォールの麻酔特性は、市販のプロポフォール製剤であるジプリバン(登録商標)の麻酔特性と少なくとも同等である。
【0047】
前記から、本発明は、その述べられた目的のすべてを少なくとも達成していることが理解され得る。そして、本発明の重要な局面は、油および水の境界における競合的な吸着を生じさせて、界面張力を非常に低い値に低下させる長鎖ポリマー界面活性剤成分および短鎖脂肪酸成分の混合乳化剤システムである。したがって、これにより、特には、好ましい薬物のプロポフォールと好ましい乳化剤組み合せ(プルロニックF77およびラウリン酸ナトリウム)との安定なマイクロエマルジョンの形成が可能になる。形成されたマイクロエマルジョンは透明であり、いかなるときでも乳濁状の外見を示さない。
【0048】
当然のことではあるが、乳化システムの特定の改変が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われ得ることは言うまでもないことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、マイクロエマルジョンまたはミセルからヘプタン相への活性な薬物の放出を示す。
【図2】 図2は、同様な実験結果を示す。

Claims (20)

  1. 実質的に水不溶性薬物のためのマイクロエマルジョンデリバリーシステムであって、本質的には
    薬物の油
    1000より大きい分子量を有する長鎖ポリマー界面活性剤成分;
    8 〜C 16 成分である短鎖脂肪酸界面活性剤成分;および
    水相
    のみからなり、
    該薬物、該長鎖ポリマー界面活性剤成分および短鎖脂肪酸界面活性剤成分が、水相において熱力学的に安定なマイクロエマルジョン液滴を形成し、かつマイクロエマルジョン液滴の粒子サイズが10nm〜100nmであるデリバリーシステム。
  2. 長鎖ポリマー界面活性剤成分がポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、チロキサポールおよびポロキサマーから選択される請求項記載のデリバリーシステム。
  3. 長鎖ポリマー界面活性剤成分がポロキサマーである請求項記載のデリバリーシステム。
  4. 短鎖脂肪酸界面活性剤成分がC8〜C12成分である請求項記載のデリバリーシステム。
  5. 長鎖ポリマー界面活性剤成分がポロキサマーであり、かつ短鎖脂肪酸界面活性剤成分がラウリン酸塩である請求項1記載のデリバリーシステム。
  6. 前記薬物が鎮痛薬、麻酔薬、抗生物質、抗うつ薬、抗糖尿病薬、抗真菌薬、抗高血圧薬、抗炎症薬、抗腫瘍薬、免疫抑制薬、鎮静薬、抗狭心症薬、抗精神病薬、抗躁薬、抗関節炎薬、抗痛風薬、抗凝血薬、抗血栓溶解薬、抗痙攣薬、抗パーキンソン薬、抗菌薬、抗ウイルス薬、および抗感染薬からなる群より選択される請求項1記載のデリバリーシステム。
  7. 前記薬物が麻酔薬である請求項記載のデリバリーシステム。
  8. 前記薬物がアリールである請求項記載のデリバリーシステム。
  9. 前記薬物がプロポフォールである請求項記載のデリバリーシステム。
  10. 前記短鎖脂肪酸界面活性剤成分に対する長鎖ポリマー界面活性剤成分の比率は10100から2580(wt/wt)である請求項記載のデリバリーシステム。
  11. 前記薬物の含有量が0.1%〜1.0%である請求項10記載のデリバリーシステム。
  12. 前記短鎖脂肪酸界面活性剤成分は1000より小さい分子量を有する請求項1記載のデリバリーシステム。
  13. 前記薬物が該薬物の塩基形態および塩形態の混合物である請求項1記載のデリバリーシステム
  14. 薬物移行速度がマイクロエマルジョンのミセル体の特徴および性質の制御によって制御される請求項1記載のデリバリーシステム
  15. 前記薬物が油である請求項1記載のデリバリーシステム。
  16. 前記長鎖ポリマー界面活性剤成分が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、マクロゴールエーテル、セトマクロゴール1000、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンステアレート、コロイド状二酸化ケイ素、ホスファート、ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、微結晶セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン(PVP)からなる群より選択される請求項1記載のデリバリーシステム。
  17. 前記長鎖ポリマー界面活性剤成分が、ポリビニルピロリドン、チロキサポール、ポロキサマー、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック共重合体、ポリキサミン、ポロキサミン908、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドをエチレンジアミンに連続的に付加することによって得られる四官能性のブロック共重合体、デキストラン、レシチン、スルホコハク酸ナトリウムのジアルキルエステル、スルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルアリールポリエーテルスルホナート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、スクロースステアレートおよびスクロースジステアレートの混合物、クロデスタ(登録商標)SL−40、およびC 18 37 −CH 2 (CON(CH 3 )CH 2 (CHOH) 4 CH 2 OH) 2 からなる群より選択される請求項1記載のデリバリーシステム。
  18. 前記長鎖ポリマー界面活性剤成分が、デカノイル−N−メチルグルカミド、n−デシル−β−D−グルコピラノシド、n−デシル−β−D−マルトピラノシド、n−ドデシル−β−D−グルコピラノシド、n−ドデシル−β−D−マルトシド、ヘプタノイル−N−メチルグルカミド、n−ヘプチル−β−D−グルコピラノシド、n−ヘプチル−β−D−チオグルコシド、n−ヘキシル−β−D−グルコピラノシド、ノナノイル−N−メチルグルカミド、n−ノイル−β−D−グルコピラノシド、オクタノイル−N−メチルグルカミド、n−オクチル−β−D−グルコピラノシド、オクチル−β−D−チオグルコピラノシド、チロキサポール、アルキルアリールポリエーテルアルコール型の非イオン性液状ポリマー、およびp−イソノニルフェノキシポリ(グリシドール)からなる群より選択される請求項1記載のデリバリーシステム。
  19. 前記長鎖ポリマー界面活性剤成分が、ポロキサミン908、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドをエチレンジアミンに連続的に付加することによって得られる四官能性のブロック共重合体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリキサミンおよびポリビニルピロリドンからなる群より選択される請求項1記載のデリバリーシステム。
  20. 必要とする患者において薬物のドラッグデリバリーおよび移行速度を制御するための医薬の製造における請求項1〜19のいずれか1項に記載のマイクロエマルジョンの使用。
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