JP4931007B2 - ポリアミック酸及びイミド化重合体 - Google Patents

ポリアミック酸及びイミド化重合体 Download PDF

Info

Publication number
JP4931007B2
JP4931007B2 JP2007239506A JP2007239506A JP4931007B2 JP 4931007 B2 JP4931007 B2 JP 4931007B2 JP 2007239506 A JP2007239506 A JP 2007239506A JP 2007239506 A JP2007239506 A JP 2007239506A JP 4931007 B2 JP4931007 B2 JP 4931007B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dianhydride
polyamic acid
acid
imidized polymer
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007239506A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009067939A (ja
Inventor
金剛 劉
康広 中村
祐二 芝崎
慎治 安藤
充 上田
周一 菅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Tokyo Institute of Technology NUC
Original Assignee
JSR Corp
Tokyo Institute of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp, Tokyo Institute of Technology NUC filed Critical JSR Corp
Priority to JP2007239506A priority Critical patent/JP4931007B2/ja
Publication of JP2009067939A publication Critical patent/JP2009067939A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4931007B2 publication Critical patent/JP4931007B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

本発明は、ポリアミック酸及びイミド化重合体に関する。さらに詳しくは、高屈折率かつ耐熱性に優れたポリアミック酸及びイミド化重合体に関する。
ポリイミドは複素環や芳香環等の環状構造からなる高次構造を多数有し、高温になっても分子鎖が動き難いこと、二重結合等の高次結合を多数有し、原子間結合エネルギーが大きいこと、複素環や芳香環がポリマー分子内、ポリマー分子間で相互に作用し合いCT(Charge Transfer)錯体を形成し、凝集力が大きい等の理由から、ポリイミドの耐熱性は各種プラスチックの中でも最高位にランクされる。
さらに、ポリイミドは耐熱性に優れるだけではなく、高強度・高弾性で機械特性にも優れ、高絶縁・低誘電で電気特性にも優れ、さらには耐薬品性、耐放射線性、難燃性にも優れている。
近年では、感光性を有するポリイミドも開発され、超高集積半導体に、強靭で接着力の強いポリイミドは宇宙往還機に、透明性の高いポリイミドは光通信機器に、射出成型性の良いポリイミドは自動車部品を始めとする耐熱摺動部品に使用されている。
上記のような特性を有するポリイミドを光学的用途に用いた例として、硫黄原子を含有する二酸無水物と硫黄原子を含有しないジアミンを使用したポリイミドを光導波路として利用した例(特許文献1);硫黄原子を含有しない二酸無水物と硫黄原子を含有するジアミンを使用したポリイミドを液晶配向膜として利用した例(特許文献2);特定の構造を有するポリイミドと酸化チタン粒子の混合物を高屈折率材料として利用した例(特許文献3);及び硫黄原子を含有しないポリアミック酸と酸化チタン粒子及び他の特定の化合物との混合物をポジ型感光性樹脂組成物として利用した例(特許文献4)等が知られている。
特開2004−131684号公報 特開平5−263077号公報 特開2001−354853号公報 特開2005−208465号公報
二酸無水物に硫黄を導入した例(特許文献1)では、屈折率が1.67〜1.72であったが可視光(400〜700nm)での透明性が不十分であった。液晶配向膜として利用した例(特許文献2)は、ポリイミドの導電性に着目したものであり、屈折率については記載がない。特許文献3に記載の発明は、特定の構造を有する二酸無水物と特定の構造を有するジアミンとを反応させて得られたポリアミック酸を用いている。特許文献3記載の発明で用いているジアミンは、ベンゼン環の間が主としてエーテル基(−O−)によって結合されており、1つのチオエーテル基(−S−)を有するものが2種類のみ記載されている。
本発明は、屈折率が高く、透明性に優れ、さらに耐熱性にも優れた特定の構造を有するイミド化重合体を与えるポリアミック酸及びイミド化重合体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を行い、特定の位置にスルフィド基及びスルホン基を導入した芳香族ジアミンと、脂肪族又は脂環族テトラカルボン酸二無水物、そして硫黄含有酸二無水物とを組み合わせることにより、高屈折率と高透明性、そして耐熱性に優れたイミド化重合体が得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記のポリアミック酸及びイミド化重合体を提供する。
1.下記一般式(1)で示される構造を有するポリアミック酸。
Figure 0004931007
[式(1)中、Rは4価の有機基を示し、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基を示し、aはそれぞれ独立して0〜4の整数を示し、mは1〜100000の整数を示す。]
2.下記一般式(2)で示される構造を有するイミド化重合体。
Figure 0004931007
[式(2)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基を示し、aはそれぞれ独立して0〜4の整数を示し、Rは4価の有機基を示し、mは1〜100000の整数を示す。]
本発明によれば、硫黄原子を導入したジフェニルスルホン骨格を有するジアミン化合物を使用することにより、高屈折率(波長633nmにおける屈折率が、最高で1.733)と高耐熱性が達成される。
本発明によれば、高屈折率と高透明性、さらに高耐熱性が要求される光学用部材に適したイミド化重合体及びその製造原料であるポリアミック酸を提供することができる。
I.一般式(1)で示される構造を有するポリアミック酸
本発明のポリアミック酸は、下記一般式(1)で示される構造を有し、それ自体の屈折率(25℃、波長400〜700nm)が非常に高く、高屈折率で、透明性及び耐熱性に優れた重合体を形成することができる。
Figure 0004931007
式(1)中、Rは4価の有機基を示し、具体的には、脂肪族、脂環族又は芳香族テトラカルボン酸二無水物から無水物基を除去した残基に相当し、得られる重合体が透明性に優れることから、脂環族テトラカルボン酸二無水物の残基であることが好ましい。また、Rは、高屈折率が得られることから、硫黄原子を含んでいることも好ましい。
はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基を示し、aは基Rの置換数であり、それぞれ独立して0〜4の整数を示す。aは0であることが好ましい。
mは1〜100000の整数を示し、10〜10000の整数であることが好ましい。
(a)一般式(1)で示される構造を有するポリアミック酸の製造
本発明のポリアミック酸は、下記一般式(3)で示されるジアミンと、下記一般式(4)で示されるテトラカルボン酸二無水物を反応させて得られる。
Figure 0004931007
上記式(3)及び(4)中、R、a及びRは、一般式(1)で説明した通りであるため、ここでは省略する。
(b)一般式(3)で示されるジアミン
一般式(3)で示されるジアミンは公知化合物であり、公知の製造方法によって製造することができる。
一般式(3)において、2つのスルフィド基がスルホン基に対してそれぞれp−位に置換している下記一般式(3−1)で示される構造を有することが好ましい。
Figure 0004931007
一般式(3)で示されるジアミンは、例えば、下記反応式によって示されるように、非プロトン性極性溶剤中、無水炭酸カリウムとアミノ置換チオフェノール誘導体とを室温〜200℃の温度で反応させ、アミノ置換チオフェノール誘導体のカリウム塩を合成する。そこに、ジハロゲン置換ジフェニルスルホン誘導体を添加することにより、一般式(3)で示されるジアミン化合物を製造することができる。
Figure 0004931007
尚、本発明のポリアミック酸は、上記一般式(3)で示される構造を有するジアミン以外のジアミンを含んでいてもよい。即ち、上記一般式(3)で示されるジアミンの他に、本発明の効果を損なわない範囲内で、硫黄原子を含有しないジアミンを併用することができる。この硫黄原子を含有しないジアミンとしては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリンを挙げることができる。
また、上記の硫黄原子を含有しないジアミンの他、ジアミノテトラフェニルチオフェン等のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン等の脂肪族又は脂環族ジアミンを併用することもできる。
本発明のポリアミック酸の製造に用いるジアミン類のうち、一般式(3)で示されるジアミンの割合は、50モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、高屈折率を達成するためには100モル%であることが特に好ましい。
(c)一般式(4)で示されるテトラカルボン酸二無水物
本発明において用いられる酸無水物は上記一般式(4)で表される。式(4)中、Rはテトラカルボン酸二無水物から無水物基を除去した残基に相当する。このような化合物としては、脂肪族、脂環族又は芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられ、脂肪族及び脂環族テトラカルボン酸二無水物が好ましく、得られる重合体が優れた透明性を有することから、脂環族テトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。
脂肪族及び脂環族テトラカルボン酸二無水物の例としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、4,10−ジオキサトリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカン−3,5,9,11−テトラオン、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二水和物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族及び脂環族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。これらのうちではブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、4,10−ジオキサトリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカン−3,5,9,11−テトラオン、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物及び1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオンが好ましく、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、4,10−ジオキサトリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカン−3,5,9,11−テトラオン、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。
芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビス(フタル酸)二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。これらのうちでは、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビス(フタル酸)二無水物及び3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましい。
また、より高屈折率のポリアミック酸が得られることから、硫黄原子を含むテトラカルボン酸二無水物を用いることも好ましい。硫黄原子含有酸無水物の例としては、例えば、4,4’−[p−チオビス(フェニレン−スルファニル)]ジフタル酸無水物等が挙げられる。
(d)一般式(3)で示されるジアミンと一般式(4)で示されるテトラカルボン酸二無水物の反応
一般に、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性有機溶媒中において、ジアミン化合物と酸二無水物とを攪拌混合することによって、本発明のポリアミック酸を溶液として得ることができる。例えば、ジアミン化合物を有機溶媒に溶解し、これに酸二無水物を加えて、攪拌混合してもよく、また、ジアミン化合物と酸二無水物との混合物を有機溶媒に加えて、攪拌混合してもよい。反応は、通常、100℃以下、好ましくは、80℃以下の温度で、常圧下に行われる。しかし、反応は、必要に応じて、加圧下又は減圧下に行ってもよい。反応時間は、用いるジアミン化合物と酸二無水物や、有機溶媒、反応温度等によって異なるが、通常、4〜24時間の範囲である。
本発明のポリアミック酸は、これをイミド化反応により脱水閉環させることにより、高い屈折率、優れた透明性及び優れた耐熱性を有する重合体(イミド化重合体)を与えるため、これらの特性を必要とする光学用部材の製造用材料として好適である。
II.一般式(2)で示されるイミド化重合体
本発明のイミド化重合体は、下記一般式(2)で示される構造を有する。
Figure 0004931007
式(2)中のR、a、R及びmは、一般式(1)と同様であるためここでは説明を省略する。
本発明のイミド化重合体は、上記本発明のポリアミック酸を、窒素雰囲気下で80〜300℃の温度で、1〜5時間加熱することによって、ポリアミック酸がイミド化されて、上記一般式(2)で示される構造を有するイミド化重合体となる。
本発明のイミド化重合体は、波長633nmにおける屈折率が、通常1.60以上であり、好ましくは1.68以上、より好ましくは1.70以上である。
本発明のイミド化重合体は、高い屈折率、優れた透明性及び優れた耐熱性を必要とする光学用部材として好適である。本発明のイミド化重合体を用いた光学用部材としては、例えば、固体撮像素子の集光材料、記録用ディスクの集光材料等が挙げられる。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
合成例1
4,4’−ビス(4−アミノフェニレンスルファニル)ジフェニルスルホン
Figure 0004931007
攪拌機、還流冷却器、Dean−Starkトラップ及び窒素導入管を備えた反応容器に、p−アミノチオフェノール(15.0g、0.120mol)と無水炭酸カリウム(8.40g、0.060mol)、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(14.4g、0.050mol)を加え、150℃で1時間、170℃で2時間反応させた。反応液を室温まで冷却し、脱水エタノール(200mL)を加え、1時間加熱還流した。その後、反応液を室温まで戻し、反応液を冷水(500mL)に注ぎ析出物を得た。析出物はエタノールで再結晶し、白色の固体を得た。
収量:19.7g
収率:84.8%
融点:218.6℃(DSC)
H−NMR(300MHz、DMSO−d、ppm):5.56(s、4H)、6.63−6.66(d、4H)、7.07−7.11(d、4H)、7.15−7.18(d、4H)、7.68−7.71(d、2H)
FTIR(KBr、cm−1):3475.1、3378.7、1623.8、1592.9、1573.6、1496.5、1396.2、1315.2、1157.1、1079.9、1006.7、829.2,763.7
元素分析:計算値:C2420:C、62.04%;H、4.34%;N、6.03%
測定値:C、62.28%;H、4.33%;N、5.79%
合成例2
4,4’−[p−チオビス(フェニレン−スルファニル)]ジフタル酸無水物
Figure 0004931007
攪拌機、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応容器に、4,4’−チオビスベンゼンチオール(5.00g、0.02mol)と4−ブロモフタル酸無水物(10.00g、0.044mol)、無水炭酸カリウム(6.08g、0.044mol)、そしてN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFという)(100mL)を加え、120℃で12時間反応させた。反応液を室温に戻し、白色の固体を濾取し、160℃で24時間減圧乾燥した。得られた白色の固体に蒸留水(100mL)と濃塩酸(100mL)を加え、3時間の間、加熱攪拌した。得られた白色の固体を濾取し、180〜190℃で3時間加熱し黄色の固体を得た。
収量:7.8g
収率:71.9%
融点:175.2℃(DSC)
FT−IR(KBr、cm−1):1847.5、1778.0、1604.4、1473.3、1326.8、1257.4、902.5、817.7、732.0
H−NMR(300MHz、DMSO−d、ppm):7.45−7.49(d、4H)、7.52−7.55(d、4H)、7.56(s、2H)、7.60−7.63(d、2H)、7.83−7.85(d、2H)
元素分析:計算値 C2814:C、61.98%;H、2.60%
測定値 C、62.23%;H、2.97%
合成例3
ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルクロライド
Figure 0004931007
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管を備えた反応容器に、ジフェニルスルホン(23.8g、0.11mol)とスルホン酸クロライド(58mL、0.87mol)を加え、反応溶液を140℃で4時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、冷却した蒸留水(500mL)に注ぎ固体を析出させた。析出した固体を濾取・水洗し、80℃で24時間減圧乾燥させた。その後、酢酸エチルで再結晶することにより白色の結晶を得た。
収量:32.9g
収率:72%
融点:181.0℃(DSC)
H−NMR(300MHz、CDCl、ppm):7.85−7.91(t、2H)、8.28−8.36(m、4H)、8.61−8.62(m、2H)
合成例4
ジフェニルスルホン−3,3’−ジチオール
Figure 0004931007
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管を備えた反応容器に、無水塩化スズ(50g、0.22mol)、酢酸(100mL)、そして塩酸(40mL)を入れ、反応液を90℃に加熱した。ここに合成例1で合成したジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルクロライド(4.15g、0.01mol)を加え攪拌した。反応液を90℃で3時間攪拌し、室温まで冷却した。その後、反応液を塩酸(20mL)を含む蒸留水(200mL)に注いだ。析出した固体を濾取した。濾取物は水洗し80℃で24時間減圧乾燥した。
収量:2.57g
収率:91.0%
融点:107.5℃(DSC)
H−NMR(300MHz、CDCl、ppm):3.64(s、2H)、7.34−7.46(m、4H)、7.67−7.70(d、2H)、7.81−7.82(m、2H)
合成例5
4,4’−[m−スルホニルビス(フェニレンスルファニル)]ジフタル酸無水物
Figure 0004931007
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管を備えた反応容器に、合成例2で合成したジフェニルスルホン−3,3’−ジチオール(2.82g、0.01mol)、4−ブロモフタル酸無水物(5.00g、0.022mol)、無水炭酸カリウム(3.04g、0.022mol)、そしてN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFという)(50mL)を入れ、反応溶液を120℃で12時間加熱還流した。室温まで冷却後に生成した白色固体を濾取し、160℃で24時間減圧乾燥した。得られた白色固体に濃塩酸(50mL)を加え加熱し、室温まで冷却後に濾取・水洗した。その後、水を減圧留去し、さらに160〜180℃で3時間減圧乾燥させ淡黄色の固体を得た。
収量:4.20g
収率:73.1%
融点:193.3℃(DSC)
H−NMR(300MHz、CDCl、ppm):7.57−7.59(d、2H)、7.62−7.67(m、4H)、7.73−7.78(d、2H)、7.86−7.90(d、2H)、8.10−8.12(m、2H)
13C−NMR(75MHz、CDCl、ppm):162.3、162.1、148.6、143.2、138.9、134.7、133.3、132.7、132.6、131.7、128.9、126.3、123.7
FTIR(KBr、cm−1):1851.3、1774.2、1604.5、1461.8、1423.2、1326.8、1295.9、1257.4、1160.9、902.5、732.8、686.5、605.5
元素分析:計算値:C2814:C、58.53%;H、2.46%
測定値:C、58.19%;H、2.73%
<ポリアミック酸の製造>
実施例1
窒素導入管を備えた反応容器に、合成例1で合成した4,4’−ビス(4−アミノフェニレンスルファニル)ジフェニルスルホン(以下、BADPSという)(17.30g、40mmol)にN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPという)(80g)を加え、室温で攪拌し完全に溶解させた。次に、合成例2で合成した4,4’−[p−チオビス(フェニレン−スルファニル)]ジフタル酸無水物(以下、3SDEAという)(21.70g、40mmol)とNMP(25g)を添加し、室温で24時間攪拌して、ポリアミック酸のNMP溶液を得た。
実施例2及び参考例1〜3
実施例1で用いた3SDEAの代わりに、下記表1に示す酸無水物を用いた他は、実施例1と同様の方法で重合を行い、各ポリアミック酸のNMP溶液を得た。
比較例1
窒素導入管を備えた反応容器に、ビス(p−アミノフェニル)エーテル(以下、ODAという)(8.01g、40mmol)にNMP(80g)を加え、室温で攪拌し完全に溶解させた。次に、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(以下、CBDAという)(7.84g、40mmol)とNMP(25g)を添加し、室温で24時間攪拌して、ポリアミック酸のNMP溶液を得た。
実施例で得られたポリアミック酸のIRチャートを図1に示す。
<イミド化重合体膜の作成>
3インチ径3mm厚の溶融石英基板上に実施例及び比較例で製造したポリアミック酸のNMP溶液をディスペンスし、厚さが約8〜12μmになるようにスピンコート塗布し、窒素雰囲気下280℃で1.5時間加熱し、イミド化重合体の膜を得た。
得られた実施例のイミド化重合体のIRチャートを図2に示す。
<イミド化重合体膜の特性評価>
上記で得られたイミド化重合体膜について下記特性を評価した。結果を表1に示す。
(1)屈折率
Metricon社のPC−2000型プリズムカプラーを使用して、上記で得られたイミド化重合体膜の、波長633nmにおける屈折率を測定した。
(2)透過率
日立製作所社製のU−3500型自記分光光度計を使用して、上記で得られたイミド化重合体膜の膜厚10μm当たりの波長450nmにおける透過率(%)を測定した。
(3)耐熱性
セイコーインスツル社製のDSC6300(昇温速度10℃/分、窒素気流下)を使用して、上記で得られたイミド化重合体膜の5%重量減少温度を測定した。5%重量減少温度が400℃以上の場合を耐熱性合格(○)と評価した。
Figure 0004931007
表1中の略号は下記のものを表す。
BADPS:4,4’−ビス(4−アミノフェニレンスルファニル)ジフェニルスルホン(合成例1)
ODA:ビス(p−アミノフェニル)エーテル
3SDEA:4,4’−[p−チオビス(フェニレン−スルファニル)]ジフタル酸無水物(合成例2)
BPDA:sBPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
ODPA:4,4’−オキシジフタル酸二無水物
DPSDA:4,4’−[m−スルホニルビス(フェニレンスルファニル)]ジフタル酸無水物(合成例5)
CBDA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
表1の結果から、一般式(1)で示されるポリアミック酸は波長633nmにおける屈折率が1.700〜1.733と非常に高く、450nmにおける透過率が高く、耐熱性に優れており、高い屈折率及び優れた耐熱性を必要とする光学用部材の製造材料として有用であることがわかる。
本発明のポリアミック酸は、高屈折率と高透明性、さらに高耐熱性が要求される光学用部材の製造原料として有用である。
本発明のイミド化重合体は、例えば、高反射材料及び反射防止膜の高屈折率材のコーティング材料や、光導波路、各種レンズ、固体撮像素子や記録用ディスクの感度向上材料として有用である。
実施例で得られたポリアミック酸のFT−IRチャートである。 実施例で得られたポリアミック酸をイミド化させて得られたイミド化重合体のFT−IRチャートである。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)で示される構造を有するポリアミック酸。
    Figure 0004931007

    [式(1)中、Rは下記式(1−1)または下記式(1−2)に示す4価の有機基を示し、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基を示し、aはそれぞれ独立して0〜4の整数を示し、mは1〜100000の整数を示す。]
    Figure 0004931007
  2. 下記一般式(2)で示される構造を有するイミド化重合体。
    Figure 0004931007

    [式(2)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基を示し、aはそれぞれ独立して0〜4の整数を示し、Rは下記式(2−1)または下記式(2−2)に示す4価の有機基を示し、mは1〜100000の整数を示す。]
    Figure 0004931007
JP2007239506A 2007-09-14 2007-09-14 ポリアミック酸及びイミド化重合体 Active JP4931007B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007239506A JP4931007B2 (ja) 2007-09-14 2007-09-14 ポリアミック酸及びイミド化重合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007239506A JP4931007B2 (ja) 2007-09-14 2007-09-14 ポリアミック酸及びイミド化重合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009067939A JP2009067939A (ja) 2009-04-02
JP4931007B2 true JP4931007B2 (ja) 2012-05-16

Family

ID=40604537

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007239506A Active JP4931007B2 (ja) 2007-09-14 2007-09-14 ポリアミック酸及びイミド化重合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4931007B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104672175B (zh) * 2015-03-05 2017-03-01 合肥工业大学 含二苯砜噻二唑硫醚的二巯基高折射率单体及合成方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT386415B (de) * 1986-05-16 1988-08-25 Greber Gerd Verfahren zur herstellung von neuen loeslichen und/oder schmelzbaren polyimiden und polyamidimiden
JPH082962B2 (ja) * 1987-06-12 1996-01-17 三菱化学株式会社 芳香族ポリチオエーテルイミドの製造方法
JP2007332186A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Nitto Denko Corp ポリイミド化合物およびその製法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009067939A (ja) 2009-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6531812B2 (ja) ポリイミド前駆体及びポリイミド
JP4986071B2 (ja) 樹脂組成物、硬化物及び光学用部材
JP6164331B2 (ja) ポリイミド前駆体及びポリイミド
JP6899830B2 (ja) 新規な構造を有するジアミンモノマーを適用したポリアミック酸溶液及びこれを含むポリイミドフィルム
KR102062939B1 (ko) 폴리이미드 및 그의 성형체
KR102529151B1 (ko) 폴리이미드 또는 폴리(아미드-이미드) 코폴리머를 포함하는 성형품 제조용 조성물, 상기 조성물로부터 얻어지는 성형품, 및 상기 성형품을 포함하는 디스플레이 장치
JP6060695B2 (ja) ポリイミド前駆体及びポリイミド
JP6919564B2 (ja) ポリイミド前駆体組成物、及びポリイミド組成物
US20150045481A1 (en) Asymmetric Diamine Compounds Containing Two Functional Groups and Polymers Therefrom
JP3942063B2 (ja) 新規ポリイミド組成物およびこれに使用される新規酸二無水物
KR20110010008A (ko) 신규 폴리머 제조 방법, 이에 의해 제조된 신규 폴리머 및 상기 폴리머로 제조된 필름
WO2006104038A1 (ja) ポリアミック酸、ポリイミド及びその製造方法
JP5229719B2 (ja) 新規ジアミン化合物、それを使用して製造されるポリアミック酸及びイミド化重合体
JP2009067936A (ja) ポリアミック酸及びイミド化重合体
JP2008163088A (ja) エステル基含有脂環式テトラカルボン酸無水物及びその製造方法
JP5162787B2 (ja) 樹脂組成物、硬化膜及び光学用部材
JP5252338B2 (ja) ジアミン化合物、それを使用して製造されるポリアミック酸及びイミド化重合体
JP4931007B2 (ja) ポリアミック酸及びイミド化重合体
JP2006206879A (ja) 含フッ素ジアミンおよびそれを用いた重合体
JP2011148901A (ja) リン含有ジアミンおよびこれより得られるリン含有ポリイミド
JP5354493B2 (ja) ジアミン化合物、それを使用して製造されるポリアミック酸及びイミド化重合体
JP2009067938A (ja) 新規テトラカルボン酸二無水物、それを使用して製造されるポリアミック酸及びイミド化重合体
JP2009067745A (ja) 新規ジアミン化合物、それを使用して製造されるポリアミック酸及びイミド化重合体
JP2009126825A (ja) テトラカルボン酸二無水物、それを使用して製造されるポリアミック酸及びイミド化重合体
JP5011596B2 (ja) 新規ジアミン化合物、それを使用して製造されるポリアミック酸及びイミド化重合体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100715

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120131

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120208

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4931007

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150224

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250