JP4929152B2 - 高純度コメタンパク質濃縮物の調製のための方法 - Google Patents

高純度コメタンパク質濃縮物の調製のための方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本出願は、2004年2月23日に出願された、米国継続出願No.60/547,153、標題、「高純度コメタンパク質濃縮物の調製のための方法」、に対して優先権を主張する、この文献の内容を引用により本明細書に援用する。
本発明はコメタンパク質濃縮物及びそれらの調製方法に関係する。この方法は、可溶化された顆粒加水分解物を含む分画及び不溶性コメタンパク質を含む残渣を得るために、コメ基質の変性温度以下の温度及びコメタンパク質の等電点付近のpHにおいて、コメ基質を酵素的に加水分解する工程と、並びにコメタンパク質濃縮物及び特に、高純度コメタンパク質濃縮物を得るために、不溶性コメタンパク質を含む残渣から、可溶化されたデンプン加水分解物を含む分画を分離する工程を含む。
コメは世界の人口の半分以上が食する主要穀物である。タンパク質(8%)及びデンプン(80%)がコメの主要な構成成分である。コメタンパク質は好ましい食物成分であるけれども、コメは、そのデンプン及びデンプン加水分解物を得るために工業的な処理を受け、コメタンパク質は主に動物用飼料用製品に用いられる。
可溶化されたコメデンプン顆粒加水分解物を製造し、コメタンパク質から分離する方法は知られている。一般的に、コメ粉からコメタンパク質を分離する工程は、高い温度において加熱することによりコメデンプンを可溶化し、この後にデンプンを分解するアミラ−ゼを用いた加水分解をすることにより行う(例えば, Hansen et al., (1981) Food Technology 35: 38−42; Chen et al., (1984) J. Sci. Food Agric. 35: 1128− 1135; and Shin et al., (1997) Cereal Chem. 74: 437−441 and Juliano B.O. (1984) IN STARCH: CHEMISTRY AND TECHNOLOGY, 2nd Ed. Ed. R. L. Whistler et al., Academic Press, New York, pp. 507−528)。より具体的には、Mitchell et. al.、(U.S.Pat. No. 4,744, 922) は従来の高温及び高圧プロセスを用いてコメデンプンを加水分解する方法を開示した。Sloct et. al.、 (US.Patent No.3,912,590)は、コメデンプンを可溶化し、その後に熱安定性アルファアミラ−ゼを用いた加水分解を行う方法を開示した。Euber et al(U.S.Patent No.4,990,344)は、マンナ−ゼ、アルミニウム、及びフィチン酸のレベルを減らし、熱安定性アルファアミラ−ゼと共に高い温度でコメデンプンを可溶化し加水分解することにより、乳児食における消化を改善する、コメタンパク質濃縮物を製造する方法を報告した。
上で報告された方法は、通常90℃くらいの高い温度で実施する。これらの顆粒デンプンを可溶化する温度において、コメの中のタンパク質は変性する。コメタンパク質は、通常、約75℃(Ju etal., (2001) J. Food Sci. 66: 229−232)において、変性すると報告されている。タンパク質の変性は食料製品の中で機能する多くの性質を損失することになる。例えば、高温処理により生産されたコメタンパク質濃縮物の栄養価及び消化率は、工業的標準として用いられているミルクタンパク質であるカゼインの栄養価よりも低い(Morita etal., (1993) J. Food Sci. 58: 1393−1406 and Chang et al. (1993) J. Food Sci. 51: 464−467)。それゆえ、上述したように、高温調理に起因する、工業的に生産されたコメタンパク質は、主に動物使用市場で販売されている。
デンプンを可溶化しないでコメ基質からコメタンパク質を分解する方法は多くの不利益が存在する。このプロセスは、破壊的且つ高価であり、さらに生産性が低い。加えてこのような工程に通常用いられるアルカリ、酸及び界面活性剤を多く含む化合物は、特に、タンパク質が食品製品に用いられるときには好ましくない。
コメタンパク質は、それらが低刺激性であり(Helm et al., (1996) Cereal Foods World 41 : 839−843)、メチオニンのような必須アミノ酸を多く含む(Tecson et al., (1971) Cereal Chem. 48: 91−202)ことから価値がある。それゆえ、デンプン処理工程において用いたコメ基質から得られるコメが変性されていないことを特徴とする発展した工程により処理されるデンプン副生成物としてのコメタンパク質の量及び質を改善することが望まれている。このタンパク質はヒトにおける食品のようにその後各種製品に適用される。このタンパク質はその後、ヒトの食料用製品等の、各種製品に適用される。例えば、グルタミン酸一ナトリウムの製造における微生物発酵の間、莫大な量のコメ基質が用いられる。
中国だけで、約2.6メ−トルトンのコメ基質が1.0×10メ−トルトンを超えるグルタミン酸一ナトリウムの生産に見合うために必要とされる。もし、MSG生産が変性タンパク質副生成物とは相反する高純度コメタンパク質濃縮物を生産するならば、多くの利益が得られるだろう。
本発明はコメ濃縮物、特にデンプン処理工程の間に得られた高純度コメタンパク質濃縮物を生産するための方法を提供する。この工程は、タンパク質及びデンプンを含むコメ基質を高い濃度に曝すことを含まず、しかし、その代わりに、コメ基質タンパク質の変性温度以下の能度に基質を曝すことを含む。
本発明の方法により製造されたコメタンパク質濃縮物はヒトにおける食品及び動物における飼料における使用を含む各種製品に用いられる。一般的にコメタンパク質は高レベルの必須アミノ酸を有し、ヒトにおいて低アレルゲン性であることから、本発明に包含される方法に従ってコメタンパク質濃縮物を得ることは更なる利益を有する。
発明の概要
本発明の目的は、第一デンプン加水分解酵素が顆粒デンプン加水分解酵素(GSH)であることを特徴とする、2つのデンプン加水分解酵素にコメ基質を接触させることにより、コメ基質の中に含まれるコメタンパク質の変性温度以下の温度及びコメタンパク質の等電点pHで又はその付のpHにおいて顆粒コメ基質を加水分解することによりコメ基質から高純度コメタンパク質濃縮物を調製するための方法を提供することである。
一の側面において、本発明はコメ基質からコメタンパク質濃縮物を製造する方法であって、(a)第一デンプン加水分解酵素が顆粒デンプン加水分解(GSH)酵素であることを特徴とし、可溶化されたデンプン加水分解物を得るためにコメ基質に含まれるコメタンパク質の変性温度以下の温度及びコメタンパク質の等電点において、16%〜55%の乾燥固形含量を有するコメ基質を2のデンプン加水分解酵素の組み合わせに接触させる工程と、及び(b)コメタンパク質濃縮物を得るために可溶化されたデンプン加水分解物を分離する工程を含む方法である。
本発明の一の態様において、変性温度は70℃以下である、pHは3.0−6.0の間である。
第二の態様において、加水分解酵素は、アルファアミラ−ゼ及びグルコアミラ−ゼである。
第三の態様において、グルコアミラ−ゼはフミコ−ラグリセアvar.セルモイデア(Humicola grisea var. thermoidea)株(H−GSHE)又はアスペルギルスアワモリvar.カワチ株である。
第四の態様において、アルファアミラ−ゼは、バチルス由来であり、特にバチルススレアロセレモフィリス株由来である。
第五の態様において、GSHEは組換えトリコデルマ株、特に、フミコ−ラグリセアGSHE(rH−GSHE)又はアスペルギルスアワモリvar.カワチGSHE(rA−GSHE)をコ−ドする遺伝子を発現するトリコデルマ株である。
第六の態様において、分離工程から得られたコメタンパク質濃縮物は、少なくとも40%のタンパク質含量(N×5.92)を有する。他の好ましい態様において、分離工程から得られたコメタンパク質濃縮物は、少なくとも60%のタンパク質含量(N×5.92)を有する。他の態様において、コメタンパク質濃縮物は少なくとも約65%のタンパク質含量を有する高純度コメタンパク質濃縮物である。
第七の態様において、本発明は、本発明に包含される方法に従って得られたコメタンパク質濃縮物に関係する。
第二の側面において、本発明は、コメ基質から高純度コメタンパク質濃縮物を製造する方法に関係し、該方法は、
(a)1のデンプン加水分解酵素が、顆粒デンプン加水分解酵素であることを特徴とし、コメ基質の顆粒デンプンの部分を加水分解するのに十分な時間、コメ基質に含まれるコメタンパク質の変性温度以下の温度及び約3.0−6.0の間のpHにおいてコメ基質のスラリ−を2のデンプン加水分解酵素と共にインキュベ−ションする工程と、(b)相当量の不溶性コメタンパク質濃縮物を得るために、インキュベ−ションしたスラリ−からデンプン加水分解物を分離する工程とを含む。
この側面の一の態様において、(c)高純度コメタンパク質濃縮物を得るために、この残渣が実質的に全ての基質から遊離されるまで十分な時間の間、デンプン加水分解物と共にコメ基質に含まれるコメタンパク質の変性温度以下の温度で、相当量の不溶性コメタンパク質濃縮物を含む残渣をインキュベ−トする工程と、
(d)高純度コメタンパク質濃縮物を分離する工程とを更に含む。
この側面の第二の態様において、インキュベ−ション温度は約70℃であり、他の態様においては、インキュベ−ション温度は約60℃である。
第三の態様において、工程a)の第二デンプン加水分解酵素は、アルファアミラ−ゼである。
第四の態様において、前記アルファアミラ−ゼは、バシルス由来であり、特にバシルス・ステアロセレモフィリス由来である。
第五の態様において、顆粒デンプン加水分解酵素(GSHE)はフミコ−ラグリセアvar.セルモイデア(Humicola grisea var. thermoidea)株(H−GSHE)由来のグルコアミラ−ゼである。
第六の態様において、GSHEはトリコデルマ株、特にトリコデルマレ−シ株において、発現されたフミコ−ラグリセアvar.セルモイデア(Humicola grisea var. thermoidea)株由来のGSHEである。
第七の態様において、インキュベ−ション工程のpHは約4.0乃至6.0の間である。
第八の態様において、一方又は両方のインキュベ−ション工程の酵素反応は、約pH4.0未満の値のpHに低めることによって停止される。
第九の態様において、工程(a)のインキュベ−ションは約24時間である。
第十の態様において、90%より多い顆粒コメデンプンがインキュベ−ション工程(a)において加水分解され、更なる態様において、90%より多い残りのデンプンがインキュベ−ション工程(c)において加水分解される。
第十一の態様において、高純度コメタンパク質濃縮物のタンパク質含量は少なくとも65%である。
第十二の態様において、コメタンパク質濃縮物は水分含量が10%未満であることが望ましい。
第三の側面において、本発明は、ここで述べる方法に従って得られた高純度コメタンパク質濃縮物に関係し、前記高純度コメタンパク質濃縮物は少なくとも65%のタンパク質を含む。
第四の側面において、本発明はコメ基質から高純度コメタンパク質濃縮物を生産する方法に関係し、前記方法は、(a)コメ基質のスラリ−をi)バチルスステアロセレモフィリスから得られたアルファアミラ−ゼ及びii)トリコデルマレ−シ宿主細胞の中におけるフミコ−ラグリセアvar.カワチGSHEの発現から得られた顆粒デンプン加水分解酵素と共に、コメ基質の顆粒デンプンの少なくとも90%を加水分解するのに十分な時間、約70℃乃至50℃の間の温度、及び約3.0乃至6.0の間のpHにおいて、インキュベ−ションする工程と、(b)コメタンパク質濃縮物を含む残渣を得るためにインキュベ−トされたスラリ−からデンプン加水分解物を分離する工程と、(c)少なくとも65%のタンパク質含量を有する高純度コメタンパク質濃縮物含む残渣を得るために、前記残渣の顆粒デンプンの少なくとも80%が加水分解するのに十分な時間、70℃乃至50℃の間の温度、及び約3.0乃至6.0のpHにおいて、アルファアミラ−ゼ及びGSHEを用いてコメタンパク質濃縮物を含む残渣をインキュベ−ションする工程と、(d)高純度コメタンパク質濃縮物を回収する工程とを含む。
第五の側面において、本発明は動物飼料のタンパク質含量を高める方法であって、
a)コメ基質の中のデンプンの60%を加水分解するのに十分な時間、72℃以下の温度で、デンプン加水分解酵素及び顆粒デンプン加水分解酵素(GSH)酵素を含む酵素の混合物に、コメ基質を接触させる工程と、
b)可溶化されたデンプン基質及び不溶性タンパク質を含む残渣を得る工程と、
c)コメタンパク質濃縮物を得るために、前記コメタンパク質濃縮物を分離する工程と、
d)動物飼料に前記コメタンパク質の濃縮物を添加する工程とをを含む方法に関係する。
一の態様において、デンプン加水分解酵素はGSH酵素及びアルファアミラ−ゼを含む。第二の態様において、この方法は更に、可溶化されたデンプン及び不溶性のコメタンパク質を含む分画を得るために顆粒デンプン加水分解酵素を含むデンプン加水分解酵素と共に不溶性タンパク質を含む残渣に接触させる工程と、高純度コメタンパク質濃縮物を得るために、不溶性コメタンパク質を分離する工程と、及び前記高純度コメタンパク質濃縮物を動物に添加する工程を含む。
発明の詳細な説明
幾つかの側面において、本発明は遺伝子工学及び分子生物学の分野において日常的に用いられている技術に関係する。SAMBROOK et al,. Molecular Cloning: A Laboratory Manual”(2nd Ed.,1989)及びKreigler, GENE TRANSFER AND
EXPRESSION A MANUAL(1990); 及び Ausubel et al.,Eds。 CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(1994)には本発明に用いられるそのような技術が記載されている。
他の違った方法で定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術的及び化学的言語は、本出願に関係する技術分野において当業者に通常理解されているものと同じ意味を有する。例えば、Singleton and Sainsbury, Dictionary of Microbiology and Molecular Biology, 2d Ed., JohnWiley and Sons, NY (1994)及び Hale and Marham, The Harper Collins Dictionary of Biology, Harper Perennial, NY (1991)は、本発明の技術分野の当業者が利用する、そして本発明において多く用いられている用語の一般的な辞書である。本明細書で述べられているのと同じかあるいは類似の多くの方法及び物質は本発明の実施に用いることができるけれども、本明細書中では特定の好ましい方法及び物質にのみ言及する。
本発明は、以下の定義及び実施例を参照することにより詳細に説明される。本明細書で参照する開示されている全ての配列を含む、全ての特許及び刊行物は参照により本発明の明細書に援用される。
数値範囲は幅を定義している数値を含むものする。
違った形で定義しない限り、核酸は配列は左から右に向かって5’から3’を示し、アミノ酸配列は左から右に向かってアミノ末端からカルボキシ末端を示す。
更に、本明細書で付す標題は本発明の各種側面を限定するものではない。発明は明細書全体を参照して理解されるべきである。
A.定義
「コメ」の語は、Oryza sativaの系統に分類される植物を意味する。
「コメ基質」の語は、全粒、粉砕粒、コメグリッツ及びコメ粉のようなコメ(精製又は未精製)の全形態及び植物のあらゆる部分を含む。
「デンプン」という語は、植物の多糖複合体を含むあらゆる物質であって、アミロ−ス及び/又はアミロペクチンを含む化学式(C10)(Xは任意の整数)で表されるあらゆる物質を言う。
「粒デンプン」という語は、ゼラチン化されていない、非加熱(生の)デンプンを言う。
「ゼラチン化」という語は、粘性のある懸濁液を形成するためのデンプンの可溶化を言う。
「コメタンパク質濃縮物」の語は、本発明の方法に従って、コメ基質から可溶化されたコメデンプン分画の大部分を分離することにより得られたタンパク質分画を意味する。このコメタンパク質濃縮物のタンパク質含量は少なくとも10%である。
「高純度コメタンパク質濃縮物」の語は、本発明の方法に従って得られた、コメ基質から可溶化されたコメデンプン加水分解物の相当部分の分離から得られたタンパク質分画を意味する。
高純度コメタンパク質濃縮物のタンパク質含量は少なくとも約60%、63%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、75%、80%又はそれ以上である。
「タンパク質」の濃度は、1以上のポリペプチドからなる大きい分子量のポリマ−を意味し、そのモノマ−はペプチド結合によりお互いに結合しているアミノ酸である。「タンパク質」及び「ポリペプチド」の語は本明細書において互換的に使用される。アミノ酸残渣を表すのに従来使用されている1文字又は3文字のコ−ドは本明細書において使用する。
「変性温度」の語は、二次及び三次構造が崩壊する結果タンパク質がその機能を失う温度を意味する。通常、この温度において沈殿が生じる。
「等電点」の語は、タンパク質が正味ゼロ電荷になる溶液のpHを意味する。
「DE」又は、「デキストロ−ス当量」の語は、総還元糖の濃度を測定する工業的基準であり、乾燥重量に対する、D−グルコ−スの割合として計算される。非加水分解粒デンプンのDEは0であり、D−グルコ−スは100のDEを有する。
「総糖含量」の語は、デンプン組成物中に存在する総糖含量を言う。
「乾燥固形成分」及び「ds」の語は、懸濁液中の化合物(例えば小麦)の乾燥重量成分の総量(in %)を言う。
「スラリ−」の語は、不溶性物質を含んでいる水溶性混合物を言う。
「ブリックス」の語は、所定の温度における、溶液中の糖含量を測定するための比重単位を言う。従って、「ブリックス」は、溶液中に存在する可溶性糖の量を意味する。このブリックス計測器は、水溶性糖溶液の100グラム当たりに存在するスクロ−スのグラム数を測定する(可溶性固形含量の総量)。ブリックス測定値は、比重計あるいは、屈折計によって測定される。
「デンプンの加水分解」の語は、水分子の付加を伴うグリコシル結合の切断を意味する。
「コメ基質のデンプンの相当部分の加水分解」又は「コメ基質から可溶化された加水分解物の相当部分の分離」の語は、コメ基質の中の、又は残渣の中の少なくとも80%のデンプンが可溶化され、及び加水分解されていることを意味する。
「重合度(DP)」の語は、与えられた糖中の無水グルコピラノ−ス単位の数を言う。DP1の例は、グルコ−ス及びフルクト−ル等の、単糖である。DP2の例は、マルト−ス及びスクロ−ス等の二糖である。「DP4+」(>DP3)は、重合の程度が3以上であるポリマ−を意味する。
「アミラ−ゼ」の語は、デンプンの加水分解を触媒する酵素を言う。
「アルファアミラ−ゼ」という語は、アルファ1,4グルコシド結合の加水分解を触媒する酵素を言う(E.C.3.2.1.1)。これらの酵素もまた、1,4−アルファ結合を有するDグルコ−ス単位を含む多糖中の1,4−アルファDグルコシド結合のエキソ及びエンド型加水分解作用を有することが知られている。グリコゲナ−ゼもこれらの酵素と同義である。通常これらの酵素は、アルファ1,4グルカン4−グルカノヒドラ−ゼ、グルカノハイドラ−ゼを含む。
本明細書において互換的に使用される「糖化酵素」及び「グルコアミラ−ゼ」の語は、アミログルコシダ−ゼクラスの酵素を意味する(E.C.3.2.1.3、グルコアミラ−ゼ、アルファ1,4−グルカングルコシダ−ゼ)。これらはエキソ作用型酵素であり、アミロ−ス及びアミロペクチンの非還元末端からグルコシル残渣を切り離す。この酵素は、アルファ−1,4結合よりは低い割合ではあるけれども、アルファ1,6−及びアルファ1,3−結合を加水分解する。
「顆粒デンプン加水分解酵素(GSHE)」又は「顆粒デンプン加水分解活性を有する酵素」の語は、グルコアミラ−ゼ活性及び顆粒形態のデンプンを分解する能力を有する酵素を意味する。
本明細書において、「組換え体」という語は、非相同核酸又はタンパク質の導入又は天然核酸又はタンパク質の変性により修飾された、細胞、核酸、タンパク質またはベクタ−又はそのように修飾された細胞由来の細胞についても用いられる。従って、例えば、組換え細胞は、天然(非組換え)型の細胞内に同一の形態では見られない遺伝子を発現する。或いは組換え細胞は、他の方法で豊富に過剰発現する、あるいは、未発現の状態にある、あるいは、全く発現しない、天然遺伝子を有する。
「組み換えGSHE」、「組み換えにより発現されたGSHE」及び「組み換えにより生産されたGSHE」の語は、異種ポリヌクレオチドから宿主細胞において、生産された成熟GSHEタンパク質配列を意味する。「r」は組換え体を意味する。rGSHEのタンパク質配列はシグナル配列を含む。一の態様において、GSHEはトリコデルマレ−シ(T. reesei)の株内で発現するフミコ−ラグリセアvar.セルモイデア(Humicola grisea var. thermoidea)を「rH−GSHE」と記載する。
「天然のGSHE」及び「nGSHE」の語は組換えGSHEを発現する糸状菌宿主細胞以下の微生物宿主細胞有機体から提供されるGSHEを意味する。好ましい天然GSHEはフミコ−ラグリセア(Humicola grisea)株又はアスペルギルスアワモリ(Aspergillus awamori)株である。
「グリコシル化」の語は、糖質部分の付加によるタンパク質の翻訳後調節を意味する。この糖質は、N結合又はO結合のいずれかに結合し、グルコプロテインになる。グルコプロテインのN結合した糖質部分は、アスパラギン残渣のβアミノニトロゲンへグリコシル結合により付加される。O結合した糖質はセリン又はスレオニン残渣のヒドロキシ基を通じてグリコシル結合する。
「シグナル配列」という語は、細胞の外に成熟タンパク質の分泌を促進するタンパク質のN−末端部分に結合するアミノ酸配列部分を言う。この細胞外タンパク質の成熟形成は、分泌過程の間に切除されるシグナル配列を欠いている。
ここで用いる、「遺伝子」の語はポリぺプチド鎖の生成に関するDNAセグメントを意味し、個々のコ−ド断片(エクソン)間の介在配列(イントロン)だけでなく、コ−ド領域に先行または後に続く領域を含む。
ここで用いる、「核酸」の語はDNA、RNA、これらの一本鎖又は二本鎖形態、及びそれらの化学修飾体を包含する。「核酸」及び「ポリヌクレオチド」の語は、ここにおいて互換的に用いる。遺伝子コ−ドの縮退により1以上のコドンが特定のアミノ酸をコ−ドするために使用されることになるので、本発明は特定のアミノ酸配列をコ−ドするポリヌクレオチドを包含する。
「ベクタ−」の語は、1以上の細胞タイプの核酸に所望の配列を導入するためのポリヌクレオチドを意味する。ベクタ−は、クロ−ニングベクタ−、発現ベクタ−、シャトルベクタ−、プラスミド、ファ−ジ粒子、カセット等を含む。
「発現ベクタ−」の語は、適切な宿主におけるDNAの発現に影響を与える適切な制御配列に作動可能に結合しているDNA配列を含むDNA構築体を意味する。そのような制御配列は、転写に影響するプロモ−タ−、翻訳を制御する追加的なオペレ−タ−配列、mRNA上の適切なリボゾ−ム結合部位をコ−ドする配列、エンハンサ−並びに、転写及び翻訳の終了を制御する配列を含む。
「プロモ−タ−」の語は遺伝子の転写を開始するために結合しているRNAポリメラ−ゼに含まれる調節配列である。このプロモ−タ−は誘発プロモ−タ−又は構築プロモ−タ−である。本発明に用いる好ましいプロモ−タ−はトリコデルマレ−シ(T. reesei)cbh1である。
「転写制御下で」の語は、ポリヌクレオチドの配列、通常はDNA配列の転写が、転写の抑制又は促進に寄与するエレメントに作動可能に結合することに依存するということを示唆する文言であると当業者に理解されている。
「翻訳制御下で」の語はmRNAが形成された後に起こる調節プロセスであることは当業者に理解されている。
本明細書で用いる様に、それらをコ−ドするタンパク質及び遺伝子を説明する場合には、遺伝子についての語は大文字を用いず、イタリック(下線)で示す。例えば、フミコ−ラグリセアGSHEをコ−ドする遺伝子はgla1と示す。タンパク質について用いる語はイタリックを用いず最初の文字を大文字で示す。例えば、gla1遺伝子によりコ−ドされるタンパク質はGla1と示す。
「作動可能に結合」の語は、あるエレメントが機能を発揮するような位置に配置されていることを言う。例えば、プロモ−タ−はそれが配列の転写を制御するならばコ−ド配列に作動可能に結合している。
「選択マ−カ−」の語は導入された核酸又はベクタ−を含む宿主細胞の選択を容易にするために宿主細胞内で発現することができる遺伝子を意味する。選択マ−カ−の例は、抗菌薬(ハイグロマイシン、ブレオマイシン、又はクロラムフェニコ−ル)又は宿主に栄養上の利益を与える等の代謝的利益を付与する遺伝子であるがこれらに限定されない。
「由来」の語は「〜を起源とする」、「〜から得られた」又は「〜から単離された」の語と同義とする。
「宿主株」又は「宿主細胞」は、発現ベクタ−又は本発明のGSHEをコ−ドするポリヌクレオチドを含むDNA構築体に適した宿主を意味する。特に、宿主株は糸状菌である。本発明の好ましい態様において、「宿主細胞」は細胞と糸状菌株、特にトリコデルマレ−シ(T. reesei)種又はアスペルギルス(Aspergillus)種の細胞から精製されたプロトプラストの両方を含む。
本発明の「糸状菌」は、真核微生物及び真菌門亜門に属する全ての糸状菌を含む(Alexopoulos, C. J. (1962), Introductory Mycology, New York: Wiley参照)。これらの菌類はキチン、セルロ−ス、および他の複合多糖類から構成されている細胞壁からなる栄養菌糸を有することが特徴である。本発明の糸状菌は形態的に、生理機能的に、および遺伝的に、酵母とは別個である。本発明において用いる糸状菌親細胞は、トリコデルマ(Trichoderma)、例えば、トリコデルマレ−シ(Trichoderma reesei)(トリコデルマロンギブランギアタム(T.longibrachiatum)として分類されているもの、及び現時点で、ハイポクレアジェコリ−ナ(Hypocrea jecorina)に分類されるものを含む)、トリコデルマビリデ(Trichoderma viride)、トリコデルマコニンギ(Trichoderma koningii)、トリコデルマハルジアナム(Trichoderma harzianum);ペニシリウム種(Penicillium sp.);フミコ−ラインソランス(Humicola insolens)及びフミコ−ラグリセア(Humicola grisea)を含むフミコ−ラ種(Humicola sp.);クリソスポリウムルクノエンス(C.lucknowense)を含むクリソスポリウム種(Chrysosporium sp.);グリオクラディウム種(Gliocladium sp.);アスペルギルスオリザエ(A.oryzae)、アスペルギルスニヅランス(A.nidulans)、アスペルギルスニガ−(A. niger)、及びアスペルギルスアワモリ(A. awamori)を含むアスペルギルス種(Aspergillus sp.);フサリウム種(Fusarium sp.)、ニュ−ロスポラ種(Neurospora sp.)、ハイポクレア種(Hypocrea sp.);及びエメリセラ種(Emericella sp.)であるが、これらに限定されない。参考文献は、Innis et al.,(1985)Sci. 228 : 21−26である。
「トリコデルマ(Trichoderma)」又は「トリコデルマ種(Trichoderma sp.)」の語は、トリコデルマ(Trichoderma)として分類されているもの、あるいは、現時点でトリコデルマ(Trichoderma)と分類されているものを言う。
「接触」の語は、基質を所望の最終産物に転換するために、個々の酵素を所定の基質に対して、十分に近い位置に置くことを意味する。基質と1以上の酵素溶液とを混合することが「接触」であることは、当業者に理解されている。
「インキュベ−ト」の語は、所定の時間の間、所与の条件下において、コメ基質を加水分解酵素と混合することを意味する。
「酵素的転換」の語は、可溶性加水分解された顆粒コメ基質を生産するために、好ましくは、グルコ−スを生産するためにコメ基質を修飾することを意味する。
「スラリ−」の語は、不溶性粒デンプンを含んでいる水溶性混合物を言う。「スラリ−」及び「懸濁液」の語は、本明細書において互換的に使用する。
「培養」という語は、液体または固形培地中の適切な条件下で、微生物細胞の塊を成長させることを言う。ある態様においては、培養は、通常、発酵管あるいは、発酵槽内で行われ、発酵により粒デンプン基質をグルコ−スシロップあるいは他の所望の最終生産物へ転換することを言う。
ここで用いる、「異種」のという語は、宿主細胞中に自然発生していない、ポリヌクレオチド、又は、タンパク質を言う。幾つかの態様において、このタンパク質は商業的に重要な工業タンパク質である。この語は、自然発生遺伝子、変異遺伝子及び/又は合成遺伝子によりコ−ドされるタンパク質も包含する。本明細書で用いる、「内因性の」という語は、宿主細胞中に自然発生するポリヌクレオチドまたは、タンパク質を言う。
「回収」、「単離」及び「分離」の語は、少なくとも1の本来関係のある成分を除去した、分子、タンパク質、細胞、核酸、アミノ酸、又は糖類を言う。これらの語は、実質的に不要なコメタンパク質を含む残渣からの可溶性デンプン加水分解物を含む混合物を分離することも意味する。
本明細書において、細胞に関する「形質転換」、「安定な形質転換」、又は「トランスジェニック」という語は、ゲノムに組み込まれた、又は複数世代を通して保存されるエピソ−ムプラスミドとして非天然(異種)核酸配列を有する細胞を意味する。
本明細書において、「発現」という語は、ポリペプチドが遺伝子の核酸配列に基づいて生成される工程をいう。当該工程には、転写及び翻訳の両方が含まれる。
本明細書において、核酸配列を細胞に挿入することに関して用いられる「導入」という語は、「遺伝子導入」、「形質転換」、又は「形質導入」を意味し、及び、核酸配列を真核または原核細胞に組み込むことを含み、ここで、前記核酸配列は、前記細胞のゲノム(例えば、染色体、プラスミド、色素体、又はミトコンドリアDNA)に組み込まれ、自律レプリコン(automous replicon)に変換され、又は一時的に発現される(例えば、トランスフェクトmRNA)。
本明細書で用いる「特異活性」の語は、特定条件下において、所定の時間内に酵素調製物により基質を生成物に転換するモル数であると定義される。特異活性は、単位(U)/mgタンパク質で表す。
「酵素活性」の語は基質上での酵素の作用を意味する。
「酵素単位」の語は、最適アッセイ条件において、1分間に1mgの基質を所定の生成物に転換するために必要な酵素の量を意味する。例えば、一の態様において、顆粒デンプン加水分解酵素単位(GSHE U)の語は、例えば、50℃、pH4.5のアッセイ条件下で顆粒デンプンから1分間に1mgのグルコ−スを精製するために必要なGSHEの量であると定義される。例えば、一の態様において、アルファアミラ−ゼ酵素単位は、pH5.2及び40℃のアッセイ条件下において、1分間に1μモルのデンプン基質を加水分解するアルファアミラ−ゼの量であると定義される。
他の態様において、グルコアミラ−ゼ酵素単位は、60℃、pH4.2において、可溶性デンプンから1時間あたりグルコ−スとして計算される残渣糖の1mgを生産する酵素の量をであると定義される。
「ATCC」の語は、バ−ジニア州(VA)マナッサス(Manassas)20108にある、アメリカン・タイプ・カルチャ−・コレクション(American Type Clture. Collection)(ATCC www/atcc.org)を言う。
「NRPL」の語は、イリノイ州(ILL)ピオリア(Peoria)にある、アグリカルチャラル・リサ−チ・サ−ビス・カルチャ−・コレクション(Agricultural Research Service. Culture. Collection)、あるいは、農務省(USDA)の北部研究所(Northern Regional Research Laboratory)としても知られている、国立農業飼養研究センタ−(National Center for Agricultural Utilization Research)を意味する。
本明細書で用いる記号、「一つの」及び「この」という語は、他に違った形で定義されていない限り、複数を示す場合にも用いる。
本明細書で用いる「から成る(comprising)」の語は、「含める」の意味に用い、「含む(including)」と等しく用いる。
B.好ましい態様
コメ基質
本発明の方法に用いられるコメ基質は既知の源から得ることができる。幾つかの好ましい態様において、このコメ基質はコメ粉であり、他の好ましい態様において、このコメ基質は、精米されたコメ基質である。本発明を特定の方法に限定することを意図しないけれども、穀粒から得られたコメ粉は、約6−10%タンパク質(N×5.95);約70−82%の糖質;約9−12%の水分;約0.4−1.5%の粗脂質;約0.6−0.8%の灰分及び約0.2から0.6%の繊維を含む。
穀粒中のコメタンパク質は、水にわずかにしか溶けない。これらのタンパク質は主に不溶性(アルカリ可溶性)グルテン(約80−90%);塩溶性グロブリン(約7−15%);水溶性アルブミン(約9−10%)及びアルコ−ル可溶性プロラミン(約2−5%)である。Houston et al., (1970) Cereal Chem. 47: 5; Perdon et al., (1978) PHytochem. 17: 351, 及びLanders et al., (1994) Cereal Chem 71:409−411参照のこと。
本発明の幾つかの態様において、コメ基質は水に懸濁される前又は処理される間のウエットグラウンドに先立ち、所望の粒子サイズに粉砕される。本発明に包含される方法の幾つかにおいて、コメ粉等の、コメ基質はスラリ−(通常水溶液)であり、このスラリ−は、i)約10乃至55%の乾燥固形含量、ii)約20乃至50%の乾燥固形含量、iii)約25乃至45%の乾燥固形含量、iv)約20乃至40%の乾燥固形含量、約20乃至35%の乾燥固形含量、及びvi)約30乃至35%の乾燥固形含量を有する。
酵素
顆粒デンプン加水分解酵素
本発明に包含される方法に用いられるデンプン加水分解酵素の少なくとも1つは顆粒デンプン加水分解酵素(GSHEs)である。幾つかの顆粒デンプン加水分解酵素は、グルコアミラ−ゼ活性を有しており、これらの酵素のいくつかはアルファアミラ−ゼ活性を有している(Tosi et al., (1993) Can. J. Microbiol. 39: 846−855 及びKanlayakrit et al., (1987) J. Ferment. Technol. 65: 379−385参照のこと)。好適なGSHE酵素は、組換え及び変異GSHEのほかに自然発生GSHEであってもよい。自然発生GSHEは、フミコ−ラ種(Humicola sp.), アスペルギルス種(Aspergillus sp.)、ムコ−ル種(Mucor sp.)及びルゾプス種(Rhizopus sp.)から回収されている。リゾプスオリザエ(Rhizopus oryzae)GSHEは Ashikari et al., (1986) Agric. Biol. Chem. 50: 957−964 及びU.S.Pat.No.4,863,864に記載されている。フミコ−ラグリセア(Humicola grisea)GSHEはAllison et al., (1992) Curr. Genet. 21: 225−229及びEuropean Patent No. 171218に記載されている。この酵素をコ−ドしている遺伝子は、gla1として当業者に知られている。アスペルギルスアワモリvar.カワチ(Aspergillus awamori var. kawachi)GSHEは、Hayashida et al., (1989) Agric.Biol.Chem 53 : 923−929 に記載されている。アスペルギルスシロウサミ(Aspergillus shirousami)GSHE はShibuya et al.,(1990) Agric. Biol. Chem. 54: 1905−1914に記載されている。
幾つかの好ましい態様において、GSHEは、ATCC 16453、NRRL 15219、NRRL 15220、NRRL 15221、 NRRL 15222、NRRL 15223、NRRL 15224及びNRRL 1522だけでなく、これらを遺伝的に修飾した遺伝子からも発見されている(EP 0171218)。
一の態様において、GSHEは、フミコ−ラグリセア(Humicola grisea)特に、フミコ−ラグリセアvar.セルモイデア(Humicola grisea var. thermoidea)(H−GSHE)種由来である(U.S.Pat. No.4,618,579参照のこと)。
一の態様において、GSHEは、アスペルギルスアワモリ(Aspergillus awamori)、特に、アスペルギルスアワモリvar.カワチ(A. awamori var. kawachi)(Hayashida et al., (1989) Agric.Biol.Chem. 53: 923−929参照のこと)。
一の態様において、GSHEは配列番号3で定義されるアミノ酸配列と、少なくとも 50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、93%、95%、97%、98% 及び99%の配列相同性を有する。他の態様において、GSHEは、 配列番号3と少なくとも80%配列相同性を有するアミノ酸を含む。他の態様において、配列番号3のアミノ酸配列を含むGSHE、又は配列番号3と少なくとも80%の配列相同性を有するGSHE は配列番号1と少なくとも70%、80%、85%、90%、93%、95%、97%、98%及び99%の配列相同性を有するポリヌクレオチドによりコ−ドされる。
他の態様において、GSHEは配列番号7で定義されるアミノ酸配列と、少なくとも 50%、55%、60%、65%、70%、75、80%、85%、90%、93%、95%、97%、98% 及び99%の配列相同性を有する。他の態様において、GSHEは、配列番号7と少なくとも80%の配列相同性を有するアミノ酸を含む。他の態様において、配列番号7のアミノ酸配列を含むGSHE、又は配列番号6と少なくとも80%の配列相同性を有するGSHEは配列番号5と少なくとも70%、80%、85%、90%、93%、95%、97%、98%及び99%の配列相同性を有するポリヌクレオチドによりコ−ドされる。
他の配列に対して、所定のパ−センテ−ジ(例えば、80%、85%、90%、93%、または99%)の配列相同性を有するポリヌクレオチド、または、ポリペプチドは、2の配列を整列させて比較したときに、所定の割合の同じ核酸または、同じアミノ酸を有するものを意味する。このアラインメントおよびホモロジ−の相同性または、配列相同性は、例えば、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY (F.M. Ausubel et al., eds., 1987) Supplement 30, section 7.7.18.に記載されている。好ましいプログラムは、GCG Pileuプログラム、FASTA及びBLASTを含む。他の好ましいプログラムは、ALINGN Plus及びTFASTである。
更なる態様において、GSHE酵素はリゾプス種(Rhizopus sp.)由来である。リゾプスニベウス(R.niveus)のコウジ(koji)株由来のそのような酵素は、CU CONCの取引名で販売されており、あるいは、GLUCZYMEの取引名でリゾプス(Rhizopus)由来の酵素が販売されている。
アルファアミラ−ゼ
本発明に包含されるいくつかの態様において、顆粒デンプン加水分解酵素はアルファアミラ−ゼと組み合わせられる。アルファアミラ−ゼは、E.C.3.2.1.1−3、特に、E.C.3.2.1.1の酵素番号を有する。幾つかの態様において、このアルファアミラ−ゼは、熱安定性微生物アルファアミラ−ゼであり、好ましくは糸状菌アルファアミラ−ゼである。好適なアルファアミラ−ゼは、組換え体及び突然変異体アルファアミラ−ゼの他に、天然アルファアミラ−ゼを含む。特に好ましい態様において、このアルファアミラ−ゼは、バチルス(Bacillus)種由来のものである。好ましいバチルス(Bacillus)種は、バチルススブチルス(B.subtilis)、バチルスステアロセレモフィリス(B.stearothermophilus)、バチルスレンタス(B.lentus)、バチルスリケニフォルミス(B.licheniformis)、バチルスコアギュランス(B.coagulans)、及びバチルスアミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)を含む(U.S.Pat.Nos.5,763,385、5,824,532、5,958,739、6,008,026及び6,361,809)。特に好ましいアルファアミラ−ゼは、バチルス(Bacillus)株由来のものであり、バチルスステアロセレモフィリス(B.stearothermopHilus)、バチルスアミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)及びバチルスリケニフォルミス(B.licheniformis)である。ATCC 39709、ATCC 11945、ATCC 6598、ATCC 6634、ATCC 8480、ATCC 9945A 及び NCIB 8059を有するものも好ましい。
ジェネンカ−インタ−ナショナルインク(Genencor International Inc.)より販売されている、SPEZYME AA、SPEZYME FRED、GZYME G997及び、ノボザイムバイオテック(Novozyme Biotech)より販売されているTERMAMYL 120−L、LC、SC及びSUPRAのような、市販のアルファアミラ−ゼも本発明の方法に用いることができる。
グルコアミラ−ゼ
グルコアミラ−ゼ(EC.3.2.1.3)はデンプンの非還元末端から連続的にグルコ−ス単位を切り離す酵素である。この酵素は、デンプン、アミロ−ス又はアミロペクチンの直鎖又は分岐鎖のグルコシル結合を加水分解することができる。グルコアミラ−ゼはバクテリア、植物、糸状菌から得ることができるが、本発明に包含される方法に用いるのに好ましいグルコアミラ−ゼは糸状菌株由来のものである。好適なグルコアミラ−ゼは組換え及び変異体グルコアミラ−ゼのほかに自然発生グルコアミラ−ゼも含む。
アスペルギルス(Aspergillus)、リゾプス(Rhizopus)、フミコ−ラ(Humicola)及びムコ−ル(Mucor)から分泌されるグルコアミラ−ゼは、アスペルギルスアワモリ(Aspergillus awamori)、リゾプスニベウス(Rhizopus niveus)、リゾプスオリザエ(Rhizopus oryzae)ムコ−ルミエヘ(Mucor miehe)、フミコ−ラグリセア(Humicola grisea)、アスペルギルスシロウサミ(Aspergillus shirousami)及び フミコ−ラ(セルモマイセス)ラニギノ−サ(Humicola(Thermomyces)laniginosa)を含む糸状菌株から提供されてきた(Boel et al. (1984) EMBO J. 3: 1097−1102; WO 92/00381 ; WO 00/04136; Chen et al., (1996) Prot. Eng. 9: 499−505; Taylor et al., (1978) Carbohydrate Res. 61: 301−308及び Jensen et al., (1988) Can. J. Microbiol. 34: 218−223参照のこと) 。
グルコアミラ−ゼ活性を有する酵素は、商業的に使用されおり、例えば、アスペルギルスニガ−(Aspergillus niger)(取引名、OPTIDEX L−400及びGZYME G900 4X、(ジェネンコ−インタ−ナショナルインク)又はリゾプス(Rhizopus)(取引名CU.CONC. 新日本ケミカル、日本及び取引名GLUCZYME 天野製薬、日本)から提供されている。
好ましい態様において、本発明に包含される方法又は組成物に用いるGSHEは、糸状菌株から得られた、宿主株以外の糸状菌のGSHEをコ−ドしている異種ポリヌクレオチドを発現するために、遺伝子組み換えにより発現されたGSHEである。
幾つかの態様において糸状菌株は、アスペルギルス種(Aspergillus sp.)トリコデルマ種(Trichoderma sp.)フサリウム種(Fusarium sp.)又はペニシリウム種(Penicillium sp.)である。特に好ましい糸状菌宿主は、アスペルギルスニデュランス(A. nidulans)、アスペルギルスアワモリ(A. awamori)、アスペルギルスオリザエ(A. oryzae)、アスペルギルスアキュランタス(A. aculeatus)、アスペルギルスニガ−(A. niger)、アスペルギルスジャポニクス(A. japonicus)、トリコデルマレ−シ(T. reesei)、トリコデルマビリデ(T. viride)、フサリウムオキシスポラウム(F. oxysporum)、及びフサリウムソラニ(F. solani)である。アスペルギルス株(Aspergillus strains)は Ward et al., (1993) AppL Microbiol. Biotechnol. 39: 738−743及びGoedegebuur et al., (2002) Curr. Gene 41: 89−98に開示されている。好ましい態様において、宿主はトリコデルマ(Trichoderma)株及び特に、トリコデルマレ−シ(T. reesei)株である。トリコデルマレ−シ(T. reesei)株は知られており、非限定的な例は、ATCC No.13631、ATCC No.26921、ATCC No.56764、ATCC No.56765、ATCC No.56767及びNRRL 15709を含む。幾つかの好ましい態様において、宿主株は、RL−P37から提供される。RL−P37は、Sheir−Neiss et al., (1984) Appl. Microbiol. Biotechnol. 20: 46−53に開示されている。
rGSHEを発現する宿主株は、遺伝子工学の手法により操作されたものである。幾つかの態様において、この糸状菌宿主の各種遺伝子は、前記技術により失活されている。これらの遺伝子は、例えば、エンドグルカナ−ゼ(EG)及びエキソセロビオハイドラ−ゼ(CBH)等のセルロ−ス分解酵素をコ−ドする遺伝子を含む(例えば、cbh1cbh2egl1egl2及びegl3)。米国特許No.5,650,322は、cbh1遺伝子及びcbh2遺伝子における欠失を有するRL−P37誘導株を開示する。
幾つかの態様において、この糸状菌宿主はフミコ−ラグリセア(Humicola grisea)由来のGSHEをコ−ドするポリヌクレオチドを含んでいる。一の態様において、組換えrGSHEは、配列番号3で定義するアミノ酸配列と少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、93%、95%、97%、98%及び99%の相同な配列を有する。他の態様において、配列番号3のGSHEをコ−ドするポリヌクレオチドは、配列番号1で定義される配列と少なくとも70%の配列相同性を有する。他の態様において、糸状菌宿主は、アスペルギルスアワモリvar.カワチ(Aspergillus awamori var. Kawachi)由来のGSHEをコ−ドするポリヌクレオチドを発現するために遺伝的に修飾されている。一の態様において、rGHSEは、配列番号7で定義されるアミノ酸配列と少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、93%、95%、97%、98%及び99%相同である。他の態様において、配列番号7のGSHEをコ−ドしているポリヌクレオチドは、配列番号5で定義される配列と少なくとも70%相同である。
ベクタ−及び糸状菌形質転換
本発明に従い、本発明に包含されるGHSEをコ−ドするポリヌクレオチドを含むDNA構築体を宿主細胞の中へGSHEを輸送するために構築する。従って、酵素の形で発現されるGHSEポリヌクレオチドを、ベクタ−、特に、GSHEコ−ド配列に作動可能に結合している調節配列を含む発現ベクタ−を用いて宿主細胞内へ導入する。
ベクタ−は、糸状菌宿主細胞に導入されたときに宿主細胞の染色体に取り込まれ、置換される任意のベクタ−である。ベクタ−についてのFungal Genetics Stock Center Catalogue of Strains (www. FGSC. net) は参考文献である。適した発現ベクタ−の例は、Sambrook et al., (1989)上記 及び Ausubel (1987)上記、にも開示されており、特に好ましい例はHondel et al. (1991) in Bennett and Lasure Eds. MORE GENE MANIPULATIONS IN FUNGI, Academic Press pp. 396−428である。特に有用なベクタ−は、pFB6、pBR322、PUC18、pUC100 及びpENTR/Dである。
いくつかの態様において、GSHEをコ−ドする核酸は、糸状菌宿主細胞内で転写活性を示す、適切なプロモ−タに作動可能に結合している。このプモ−タ−は、宿主細胞に相同又は非相同のいずれかのタンパク質をコ−ドする遺伝子から提供される。好ましくは、このプロモ−タ−は、トリコデルマ宿主の中で有用であり、適した非限定的な例はcbh1cbh2、egl1、及びegl2を含むプロモ−タ−である。一の態様において、このプロモ−タ−は、宿主細胞由来である。例えば、トリコデルマレ−シ(T.reesei)が宿主細胞の場合、このプロモ−タ−は天然のトリコデルマレ−シ(T.reesei)プロモ−タ−である。好ましい態様において、このプロモ−タ−は、プロモ−タ−を含み、GenBank登録番号No.D86235を有するトリコデルマレ−シ(T.reesei)cbh1である。誘発プロモ−タ−は、環境下で活性があるか又は、促進的な調節をするものである。他の態様において、このプロモ−タ−は、糸状菌宿主細胞とは異なる細胞由来である。有用なプロモ−タ−の他の例は、アスペルギルスアワモリ(A.awamori)及びアスペルギルスニガ−(A.niger)のグルコアミラ−ゼ遺伝子を含む(Nunberg et al., (1984) Mol.Cell Biol. 4: 2306−2315及びBoel et al., (1984) EMBO J. 3: 1581−158参照のこと)。トリコデルマ−レ−シ(T. reesei)xln1の遺伝子及びセロビオハイドラ−ゼ1遺伝子のプロモ−タ−も有用である(EPA 137280A1)。
幾つかの態様において、GSHEコ−ド配列は、シグナル配列に作動可能に結合している。このシグナル配列をコ−ドするDNAは、発現されるべきGSHE遺伝子に関連していることが好ましい。好ましくは、このシグナル配列はGSHEをコ−ドしているフミコ−ラグリセア(Humicola grisea)又はアスペルギルスアワモリ(Aspergillus awamori)遺伝子によりコ−ドされている。より好ましくは、このシグナル配列は、図2A及び図6Aに示す配列と、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、あるいは、少なくとも99%相同である。追加的な態様において、糸状菌宿主細胞の中に導入されるDNA構築体又はベクタ−を含む。このシグナル配列及びプロモ−タ−配列は同じ源から提供される。例えば、幾つかの態様において、シグナル配列は、cbh1プロモ−タ−に作動可能に結合しているcbh1シグナル配列である。
幾つかの態様において、発現ベクタ−は、転写終了配列を含む。一の態様において、この終了配列及びプロモ−タ−配列は同じ源から提供される。一の態様において、終了配列は、宿主細胞と相同である。特に適した終了配列はトリコデルマ(Trichoderma)株、特にトリコデルマレ−シ(T.reesei)由来のcbh1である。他の有用な糸状菌タ−ミネ−タ−は、アスペルギルスアワモリ(A.awamori)及びアスペルギルスニガ−(A.niger)グルコアミラ−ゼ遺伝子からのタ−ミネ−タ−である(Nunberg et al. (1984)上記、及びBoel et al., (1984)上記)。
幾つかの態様において、発現ベクタ−は、選択マ−カ−を含む。好ましい選択マ−カ−の例は、抗菌質耐性を付与するものである(例えば、ハイグロマイシン及びフェロマイシン)。栄養選択マ−カ−もまた本発明に用いることができる。これらの選択マ−カ−は、amdSargB 及びpyr4として知られている。トリコデルマ(Trichoderma)の形質転換のためのベクタ−システムに有用なマ−カ−は、Finkelstein、chapter 6 in BIOTECHNOLOGY OF FILAMENTOUS FUNGI、Finkelstein et al. Eds. Butterworth−Heinemann, Boston, MA (1992), Chap. 6. 及びKinghorn et al. (1992) APPLIED MOLECULAR GENETICS OFFILAMENTOUS FUNGI, Blackie Academic and Professional, Chapman and Hall, Londonに開示されている。好ましい態様において、選択マ−カ−は、形質転換された細胞がアセトアミドを窒素源として成長できるようになる、アセトアミダ−ゼ酵素をコ−ドするamdS遺伝子である(Kelley et al., (1985) EM80J. 4: 475−479及びPenttila et al., (1987) Gene 61: 155−164)。
GSHEをコ−ドするポリヌクレオチドを含む発現ベクタ−は、所与の糸状菌宿主微生物又は宿主のDNAに組み込まれる、自己複製可能なあらゆるベクタ−である。幾つかの態様においてこの発現ベクタ−はプラスミドである。好ましい態様において、2タイプの遺伝子発現を得るための発現ベクタ−を意図する。
第一の発現ベクタ−は、全て発現される遺伝子由来の、プロモ−タ−、GSHEコ−ド領域、及びタ−ミネ−タ−を有するDNA配列を含む。幾つかの態様において、ジ−ントランケ−ション(genge−truncation)が自己の転写及び翻訳調節配列の制御下で発現されるドメインを除去するために不要なDNA配列(例えば、不必要なドメインに対するコ−ド)の欠失により得られる。
第二のタイプの発現ベクタ−は、予め組み立てられ、ハイレベルの転写のために必要な配列及び選択マ−カ−を含む。幾つかの態様において、GSHE遺伝子又はそれらの部分のコ−ド領域は、発現構築物プロモ−タ−及びタ−ミネ−タ−配列の転写制御下であるような、一般的な目的の発現ベクタ−内へ挿入される。幾つかの態様において、遺伝子又はそれらの一部はストロング(strong)cbh1プロモ−タ−の下流に挿入される。
GSHEをコ−ドするポリヌクレオチド、プロモ−タ−、タ−ミネ−タ−及び他の配列を含むベクタ−に結合させ、適切なベクタ−内へ挿入するために用いる方法は、当業者に知られている。通常簡便な制限部位において結合を行う。もし、そのような部位が存在しない場合には、合成オリゴヌクレオチドリンカ−が簡便な方法に従って用いられる(Sambrook (1989) 上記及びBennett and Lasure, MORE GENE MANIPULATIONS IN FUNGI, Academic Press, San Diego (1991) pp70−76)。すなわち、ベクタ−は既知の組換え技術を用いて構築することができる(例えば、Invitrogen Life Technologies, Gateway Technology)。
1以上の失活した遺伝子を有する糸状菌宿主細胞を得たいときには、既知の方法が用いられる(米国特許 Nos.5,246,853、5,475,101 及びWO 92/06209参照のこと)。遺伝子失活は全体又は部分的な欠失、失活させるための部位の挿入、又は遺伝子の意図する機能を付与しない他の手段(遺伝子が機能的なタンパク質として発現させない)を用いて行うことができる。クロ−ンされたトリコデルマ(Trichoderma)種又は他の糸状菌宿主細胞由来の任意の遺伝子(例えば、cbh1cbh2egl1)は欠失させることができる。幾つかの態様において、既知の方法によりプラスミド内へ、失活させるための所望の遺伝子形態を挿入することにより遺伝子欠失を行う。この欠失プラスミドは、選択マ−カ−に必要とされる所望の遺伝子コ−ド領域、及び遺伝子コ−ド配列又はそれらの部分内の適切な制限酵素部位で切断される。欠失されるべき遺伝子の一からのフランキングDNA配列はマ−カ−のどちからの端に残る(好ましくは約0.5乃至2.0 kb)。適切な欠失プラスミドは、欠失遺伝子を含み、DNAフランキング配列を含み、及び一本鎖の直鎖部分として除去される選択マ−カ−を含むフラグメントの形で存在する。
宿主細胞へのDNA構築体又はベクタ−の導入は、形質転換、エレクトロポレ−ション、核酸注入、形質導入、リポフェクション仲介及びDEAE−デキストリン仲介形質感染を含む形質感染、カルシウムリン酸DNA沈殿によるインキュベ−ション、DNAコ−トのマイクロプロジェクタイルを用いた高速遺伝子銃及びプロトプラスト融合を含む。一般的な形質転換技術はAusubel et al., (1987)上記、9章 及びSambrook (1989) 上記、に記載されている。糸状菌の形質転換のより詳しい方法はCampbell et al., (1989) Curr. Genet. 16: 53−56に開示されている。特に、トリコデルマ(Trichoderma)での異種タンパク質の発現に効果的な方法は、米国特許Nos.6,022,725、6,268,328;Harkki et al. (1991) Enzyme Microb. Technol. 13: 227−233; Harkki et al., (1989) Bio Technol. 7: 596−603; EP 244,234 ;及び EP 215,594である。Nevalainen et al., “The Molecular Biology of Trichoderma and its Application to the Expression of Both Homologous and Heterologous Genes", in MOLECULAR INDUSTRIAL MYCOLOGY, Eds. Leong and Berka, Marcel Dekker Inc., NY (1992) pp. 129−148も参考文献である。Cao et al., (2000) Sci. 9: 991−1001はアスペルギルス株の形質転換についての参考文献である。
GSHEのコ−ドする核酸が宿主株の染色体に安定に取り込まれることにより、遺伝的に形質転換体がベクタ−内で構築されることが好ましい。形質転換体はその後既知の技術で精製される。
幾つかの非限定的な例において、アセトアミドを含む固形培養培地上での成長の速さ及びギザギザの外様よりはむしろスム−スな円形のコロニ−の形成を指標として、amdSを含む安定な形質転換体を不安定な形質転換体と区別する。すなわち、幾つかのケ−スにおいて、固形の非選択培地(すなわち、アセトアミド欠失培地)上で形質転換体を育成し、培養培地から胞子を収穫し、アセトアミド含有選択培地上での発芽及び成長する胞子のパ−センテ−ジを決定することにより安定性の更なるテストを行う。代替的に、当該技術分野で知られている他の方法も形質転換体を選択するために用いることができる。
幾つかの特定の態様において、形質転換のためのトリコデルマ(Trichoderma)種の調製は糸状菌の菌糸からプロトプラストを調製することを含む(Campbell et al., (1989) Curr. Genet. 16: 53−56参照のこと)。幾つかの態様において、この菌糸は発芽させた発育胞子から得られ、細胞壁を消化しプロトプラストとするための酵素で処理する。このプロトプラストはその後、懸濁培地中に浸透安定剤を存在させることにより保護される。これらの安定剤はソルビト−ル、マンニト−ル、塩化カリウム、硫酸マグネシウム等を含む。通常これらの安定剤の濃度は、0.8Mから1.2Mの間で変動する。懸濁培地中に1.2Mのソルビト−ル溶液を用いることが好ましい。
トリコデルマ(Trichoderma)種株内へのDNAの取り込みはカルシウム濃度に依存している。通常10mM CaCl乃至50mMのCaClを取り込み溶液に用る。取り込み溶液中のカルシウムの必要性の他に、通常含まれる他のアイテムは、TE緩衝液(10mM Tris、pH 7.4 ; 1mM EDTA)又は10mM MOPS(モルフォリンプロパンスルホン酸(morpholinepropanesulfonic acid))、pH6.0及びポリエチレングリコ−ル(PEG)である。ポリエチレングリコ−ルは細胞膜を融解し、従って、トリコデルマ(Trichoderma)種の細胞質の中に培地の成分を輸送することができると考えられている。この融解が存在することにより、プラスミドDNAの多数のコピ−を宿主細染色体の中に穏やかに組み込むことができる。
通常、10乃至10/mLの濃度で、好ましくは2×106/mLの浸透処理を受けた、トリコデルマ(Trichoderma)種のプロトプラスト又は細胞を含む懸濁液を形質転換に用いる。適切な溶液中(例えば、1.2Mソルビト−ル、50mM CaCl2)にプロトプラスト又は細胞を含む溶液の100μLを所望のDNAと混合する。通常、高濃度のPEGをこの取り込み溶液に添加する。0.1乃至1容量の25% PEG4000をプロトプラスト溶液に添加する。しかしながら、プロトプラスト懸濁液に約0.25容量を添加することが好ましい。ジメチルスルホキシド、ヘパリン、スペルミジン、塩化カリウム、等も取り込み溶液の中に添加し、形質転換を助ける。同様の手順を他の宿主細胞にも用いることができる。例えば、参照により本明細書に援用することができる米国特許Nos.6,022,725及び6,268,328参照のこと。
通常、混合物を約0℃において10乃至30分間インキュベ−トする。所望の遺伝子又はDNA配列の取り込みを更に高めるために、PEGを混合物に追加する。25% PEG4000を、5乃至15倍容量の形質転換混合物に添加するが、これより少ない又は大きい容量も採用することができる。25%PEG4000を約10倍容量の形質転換混合物に添加することが好ましい。PEGを添加した後、ソルビト−ル及びCaCl2溶液を添加する前に、形質転換混合物を室温又は氷上でインキュベ−トする。その後、成長培地の融解されたアリコ−トに更にプロトプラスト懸濁液を添加する。この成長培地においては形質転換体のみが成長することができる。宿主の形質転換及びデンプン加水分解酵素等の他の酵素を宿主細胞の中で異種発現させるために類似の手法及び方法が用いられることは、当業者に知られている。
細胞培養
Pourquie J. et al., BIOCHEMISTRY AND GENETICS OF CELLULOSE DEGRADATION, eds. Aubert, J. P. et al., Academic Press, pp. 71−86, 1988及びllmen, M. et al., (1997)Appl. Environ. Microbiol. 63: 1298−1306に開示されているように、適切な宿主細胞は生体に必要な塩及び栄養を含んだ標準培地で培養される。市販のイ−ストモルト抽出物(Yeast Malt Extract (YM))ブロス、ルイアバ−タリン(Luria Bertani (LB))ブロス及びシャボウラウドデキストロ−ス(Sabouraud Dextrose (SD))ブロスについての参考文献もある。
培養条件は、標準的な条件であり、例えば、所望のレベルのGSHE発現が得られるまで、振とうシェイカ−又は発酵槽の中において適切な培地を用いて約28℃で培地をインキュベ−トする。所与の糸状菌に対して好ましい培養条件は、American Type Culture Collection及びFungal Genetics Stock Center (www. FGSC. Net)のような、サイエンスライブラリ−又は糸状菌の提供先から入手することができる。
糸状菌の成長が確立した後、細胞はGSHE、特に本明細書で定義するGSHEの発現を引き起こすために効果的な条件に曝される。GSHEコ−ド配列が誘発プロモ−タ−の制御下にあるときは、誘発剤、例えば、糖、金属塩又は抗生物質がGSHE発現を誘発するのに効果的な濃度で培地に添加される。
GSHE活性の同定
GSHEをコ−ドする異種ポリヌクレオチドで形質転換された細胞株によるGSHEの発現を評価するために、タンパク質レベル、RNAレベル又は特に、グルコアミラ−ゼ活性及び/又はグルコアミラ−ゼ生産等のバイオアッセイにる、アッセイを行うことができる。
通常、GSHEの発現を解析するためのアッセイは、ノザンブロッティング、ドットボロッティング(DNA又はRNA解析)、RT−PCR(逆転写ポリメラ−ゼ連鎖反応)、又は適切なラベルプロ−ブを用いたin situハイブリダイゼ−ション、及び簡便なサザンブロット及びオ−トラジオグラフィ−である。
加えて、GSHEの生産及び/又は発現はサンプルを直接測定、例えば、培養培地中のグルコ−スを直接測定することにより、又はグルコアミラ−ゼ活性を直接測定することにより、発現及び/又は生産を測定することができる。GSHE活性を測定するのに適した基質は、顆粒デンプン基質である。例えば、グルコ−ス濃度は、グルコ−ス試薬キットNo.15−UV(シグマケミカル社)又はテクニコンオ−トアナライザ−(Technicon Autoanalyzer)等の機器等の方法により決定される。Instrumentation Lab.(Lexington、 MA)より市販されているグルコ−スオキシダ−ゼキット及びグルコ−スヘキソ−スキットも利用可能である。グルコアミラ−ゼ活性は3,5−ジニトロサリチル酸(DNS)法によりアッセイすることができる(Goto et al., (1994) Biosci. Biotechnol. Biochem. 58: 49−54参照のこと)。一の非限定的な例において、rGSHEは水中に15%のデンプン固形含量の顆粒デンプンを、乾燥固形ベ−スで、少なくとも90%、95%、及び97%重量グルコ−スに加水分解する能力を有する。
加えて、タンパク質発現は、細胞、組織切片の免疫組織染色、又は組織培養培地の免疫アッセイ例えば、ウエスタンブロット又はELASA等の免疫学的法により評価することができる。そのような免疫アッセイはGSHEの発現を量的及び質的に評価することに用いることができる。そのような方法の詳細は、当業者に知られており、そのような方法に用いる多くの試薬が市販されいてる。
典型的なアッセイ方法は、ELISA、競合免疫アッセイ、ラジオイムノアッセイ、ウエスタンブロット、間接免疫蛍光法及び同種のものを含む。通常、市販の抗体及び/又はキットがGSHEの発現レベルの定量的イムノアッセイに用いられる。
本発明の一に態様において、組換え宿主によるrGSHEの発現は、培養培地1リットル中1グラムタンパク質以上である。好ましくは、幾つかの態様において、組み換え宿主は、トリコデルマ(Trichoderma)又はアスペルギルス(Aspergillus)宿主である。幾つかの態様において、組換えトリコデルマ(Trichoderma)宿主により発現されるGSHEの量は2g/L培養培地である。他の態様において、組換えトリコデルマ(Trichoderma)宿主によるGSHE発現の量は、5g/L以上である。更なる態様において、組換えトリコデルマ(Trichoderma)宿主によるGSHE発現の量は、10g/L以上である。発現されたGSHEの量は、場合によっては、20g/L以上、25g/L以上、30g/L以上及び50g/L培養培地以上である。
GSHEの精製方法
通常、細胞培養の中で生産されるGSHE(nGSHE又はrGSHE)は、培地の中に分泌され、例えば、この培養培地から、不要な成分を除去することにより精製又は単離される。幾つかのケ−スにおいて、GSHEは細胞内で生産されるため、細胞溶解物からの回収工程が必要となる。そのようなケ−スにおいて、当業者が通常用いる技術を用いて、細胞から酵素が精製される。このような技術の例は、親和クロマトグラフィ−(Tilbeurgh et al., (1984) FEBS Lett. 16: 215)、イオン交換クロマトグラフィ−法((Goyal et al., (1991) Biores. Technol. 36: 37、Fliess et al., (1983) Eur. J. Appl. Microbiol. Biotechnol. 17: 314、Bhikhabhai et al., (1984) J.Appl.Biochem. 6: 336及びEllouz et al., (1987) ChromatograpHy 396: 307)、高分解力を有する物質を用いたイオン交換法(Medve et al., (1998) J.ChromatograpHyA 808: 153)、疎水相互クロマトグラフィ−(Tomaz and Queiroz, (1999) J.ChromatograpHyA 865: 123、二相分離(Brumbauer et al., (1999) Bioseparation 7: 287)、エタノ−ル分離、逆相HPLC、シリカ又はDEAE等のカチオン交換によるクロマトグラフィ−、クロマトフォ−シング、DSD−PAGE、硫酸アンモニウム沈殿法及び例えば、SepHadex G−75を用いたゲルろ過である。
プロセス条件
コメ基質の顆粒デンプンを加水分解しするために、コメ基質、好ましくはスラリ−形態のものをデンプン加水分解酵素と接触させ、インキュベ−トする。GSHEは無細胞抽出物(GSHEが培地から単離されている)から提供されるか、又は培養培地(発酵ブロス)からから提供される。
GSHEは、10乃至55%の乾燥固形含量になるように、約0.001乃至15.0 GSHE U/gデンプンの間の量を、コメ基質を含む組成物の中に添加する。幾つかの態様において、GSHEは、10乃至55%の乾燥固形含量になるように、約0.001乃至10.0 GSHE U/gデンプンの間の量を、コメ基質を含む組成物の中に添加する。幾つかの態様において、このGSHEは約0.01乃至5.0 GSHE U/gの間の量になるように添加される。幾つかの態様において、このGSHEは約0.01乃至2.0 GSHE U/gの間の量になるように添加される。幾つかの態様において、このGSHEは約0.01乃至1.5 GSHE U/gの間の量になるように添加される。他の態様において、このGSHEは約0.05乃至1.5 GSHE U/gの間の量になるように添加され、及びこのGSHEは約0.1乃至1.0 GSHE U/gの間の量になるように添加される。
幾つかの好ましい態様において、GSHEはグルコアミラ−ゼ活性を有し、第二デンプン加水分解酵素は、アルファアミラ−ゼである。当業者に理解されているように、本発明の方法に用いられるアルファアミラ−ゼの量はアルファアミラ−ゼの酵素活性に依存している。通常、約0.001乃至5.0kgのアルファアミラ−ゼがコメ基質の1メ−トルトン(MT)当りに添加される。幾つかの態様において、約0.01乃至5.0kgのアルファアミラ−ゼがコメ基質の1メ−トルトン(MT)当りに添加される。幾つかの態様において、約0.05乃至4.0kgのアルファアミラ−ゼがコメ基質の1メ−トルトン(MT)当りに添加される。他の態様において、約0.1乃至2.5kgのアルファアミラ−ゼがコメ基質の1メ−トルトン(MT)当りに添加され、る。約0.5乃至1.5kgのアルファアミラ−ゼがコメ基質の1メ−トルトン(MT)当りに添加される場合もある。更なる態様において、このほかの量も用いられる。例えば、約0.01乃至1.5kgのGZYME G900又はSPEZYME FRED(ジェネンコ−インタ−ナショナル、インク)が、デンプン1MTあたりに添加される。他の態様において、これらの酵素は、約0.05乃至1.0kgの間の量で、約0.1乃至0.6kgの間の量で、約0.2乃至0.6の間の量で及び約0.4乃至0.6kgの量でデンプン1MTあたりに添加される。
幾つかの態様において、GSHEはアルファアミラ−ゼと共にインキュベ−ション間同時にコメ基質に添加される。しかしながら、他の態様においては、GSHEとアルファアミラ−ゼは連続的に添加される。通常、加水分解酵素は1乃至60分の間、及び約1乃至30分以内に添加される。
幾つかの態様において、本発明の方法に包含されるGSHE単位に対するアルファアミラ−ゼの比(アルファアミラ−ゼ:GSHE)は15:1乃至1:15、幾つかの態様においては、10:1乃至1:10である。他の態様において、この比は5:1乃至1:5であり、更なる態様においては、アルファアミラ−ゼ:GSHEの比は4:1乃至1:4である。好ましい態様において、この比は2:1乃至1:4であり、最も好ましい態様においてこの比は、2:1乃至1:2である。
幾つかの態様において、コメ基質と加水分解酵素を含む混合物はコメ基質に含まれるタンパク質の変性温度以下の温度でインキュベ−トされる。幾つかの態様において、この温度は、約72℃、70℃、68℃、65℃、63℃、60℃、58℃、55℃、50℃、45℃、及び40℃以下であるが、10℃未満ではない。他の態様において、この方法は約70℃及び50℃の間の温度で行われる。他の態様において、約70℃及び55℃の間の温度、及び約65℃及び55℃の間の温度の間の温度で行われる。
幾つかの態様において、コメ基質及びデンプン加水分解酵素を含む混合物は、約pH3.0乃至pH6.5の幅、約pH3.0乃至pH6.0の幅、約pH3.0乃至pH5.5の幅、約pH3.5乃至pH5.0の幅、約pH3.0乃至pH4.0の幅、約pH4.5乃至pH6.5の幅、及び約pH5.0乃至pH6.0の幅のpHでインキュベ−トされる。
幾つかの態様において、コメ基質及びデンプン加水分解酵素(好ましくは、GSHE及びアルファアミラ−ゼ)を含む、上記の条件でインキュベ−トされた混合物は、約2乃至100時間、約5乃至100時間、約10乃至100時間、約5乃至50時間、約10乃至50時間、及び約10乃至24時間の間インキュベ−トされる。
幾つかの態様において、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、94%、95%、96%、97%、98%、及び99%の乾燥固形含量のコメ基質が可溶化されたデンプン加水分解物に転換される。幾つかの態様において、コメ基質は完全に可溶化される。好ましくは、可溶化されたデンプン加水分解物はグルコ−スであり、もっとも好ましくは、グルコ−スの生産性は、可溶化された総乾燥固形分のパ−セントにして、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、95.5%、96%、96.5%、97%、97.5%、98%、98.5%、99%、及び99.5%である。
確実な態様において、少なくとも80%、85%、及び90%のコメ基質の顆粒デンプンが、24時間以内に可溶化され、加水分解される。他の態様において、少なくとも95%、のコメ基質の顆粒デンプンが、24時間以内に可溶化され、加水分解される。更なる態様において、少なくとも98%のコメ基質の顆粒デンプンが、24時間以内に可溶化され、加水分解される。
幾つかの態様において、コメ基質及びデンプン加水分解酵素(例えば、アルファアミラ−ゼ及びGSHE)を含む組成物は、約5.0乃至6.0の間のpHにおいて、十分な時間(例えば、2乃至96時間)インキュベ−トされる。幾つかの態様において、インキュベ−トされたスラリ−は約3.0乃至4.0の低いpHを示す。この低いpHはコメ基質における酵素反応を停止させる。
十分時間のインキュベ−トの後、可溶化されたコメデンプン加水分解物を含む分画は、実質的に不溶性タンパク質濃縮物を含む残渣を取り去るために、インキュベ−トスラリ−から除去される。分離方法は当該技術分野において知られている。通常、これらの分離方法は、遠心分離、従来のろ過方法及び膜分離方法を含む。
コメタンパク質濃縮物を含む残渣のタンパク質含量(Nx5.95)は、10%、20%、30%、40、及び50%より大きい。幾つかの態様において、コメタンパク質濃縮物のタンパク質含量は、約10%乃至60%、約10%乃至50%、約20%乃至45%及び約30%乃至40%の間の幅である。
他の態様において、高純度コメタンパク質濃縮物が得られる。幾つかの態様において、高純度コメタンパク質濃縮物は、第二酵素加水分解工程により得られる。この工程では、実質的に不溶性コメタンパク質濃縮物を含み、第一酵素加水分解工程から得られた、残渣が、残った顆粒又は不溶性デンプンを加水分解するために上で示した温度及びpHにおいて、所定の時間インキュベ−トされる。幾つかの態様において、この残渣に残っているデンプンの加水分解酵素の反応は、インキュベ−トのpHよりも低いpHにすることで停止される。このことは、例えば、約50℃乃至60℃の温度において、pH5.5をpH3.0乃至4.0にまで低めることで達成される。可溶性のコメデンプン加水分解物は、上で述べたように高純度コメタンパク質濃縮物を得るためにこの残渣から分離される。
この態様において、同じで加水分解酵素が上で述べたように使用されてもよい。好ましい態様において、少なくとも1のデンプン加水分解酵素は、GSHEである。他の好ましい態様において、GSHEはアルファアミラ−ゼと組み合わせて使用される。他の好ましい態様において、GSHEはグルコアミラ−ゼと組み合わせて使用される。しかしながら、この方法における第一及び第二酵素加水分解をこれらの酵素に限定することは意図しない。他の酵素もこれらの工程に使用することがでる。他の酵素には、
セルラ−ゼ、ペクチナ−ゼ、プルラナ−ゼ及びベ−タグルコシダ−ゼを含むがこれらに限定されない。
高純度タンパク質濃縮物のタンパク質含量(Nx5.95)は、通常60%、63%、68%、70%、及び75%より大きい。幾つかの態様において、高純度コメタンパク質濃縮物は約65%以上及び約70%以上のタンパク質含量を有する。
この工程に従って得られたコメタンパク質濃縮物又は高純度コメタンパク質濃縮物は、従来の及び既知の技術を用いて乾燥される。例えば、真空乾燥、スプレ−ドライ、凍結乾燥など。幾つかの態様において、本発明により得られたコメタンパク質濃縮物の水分含量は、約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、及び2%である。幾つかの態様において、得られた高純度タンパク質濃縮物は、6%、5%、4%、3%、及び2%以下の水分含量になるまで乾燥する。幾つかの態様において、水分含量は約2%乃至5%の間である。
本発明の方法により得られたタンパク質濃縮物及び高純度タンパク質濃縮物は、従来の高温処理を用いた方法により処理されたデンプンにより得られたタンパク質分画に対して改善された性質を有する。幾つかの態様において、このタンパク質濃縮物及び高純度タンパク質濃縮物は、デンプン処理において従来法を用いて得られたタンパク質における溶解性について比較すると、アルカリにおける溶解性、特にpH10における溶解性が大きくなっている。幾つかの態様において、pH10における溶解性は、少なくとも20%、少なくとも40%及び少なくとも50%である。更なる態様において、このタンパク質濃縮物及び高純度タンパク質濃縮物は、デンプンの処理において従来法を用いて得られた分画の中のタンパク質と比較したときに、酸性pHにおける溶解性、とくにpH2.0における溶解性が改善されているタンパク質を含む。幾つかの態様において、pH2.0における溶解性は、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%及び少なくとも30%である。
更なる態様において、本発明の方法により得られたタンパク質濃縮物及び高純度タンパク質濃縮物は、デンプン処理において従来の方法を用いることにより得られた残渣のタンパク質分画のアミノ酸プロファイルと比較した時に、所定のアミノ酸のパ−センテ−ジが高められている。例えば、幾つかの態様において、グルタミン酸、バリン、ロイシン、プロリン、メチオニン、アルギニン、アスパラギン酸又はアラニンが本発明により得られたタンパク質濃縮物において高い。
以下の実施例は、特定の好ましい態様及び本発明の側面を説明し、更に詳細に示すために提供され、本発明の範囲を限定するのもではない。すなわち、これらの示唆は本明細書で開示されている工程を更に最適化するために用いられる。
以下の開示及び実施例の章では、以下の略語を用いる。
H−GSHE(天然フミコ−ラグリセアvar.セルモイデア(Humicola grisea var. thermoidea)GSHE);rH−GSHE (トリコデルマレ−シ(Trichoderma reesel)内で発現されたフミコ−ラグリセアvar.セルモイデア(Humicola grisea var. thermoidea);wt% (重量パ−セント);℃ (摂氏温度);rpm (一分間当たりの回転数);H0 (水);dH〇及びDi(脱イオン水);bp (ベ−スペア);kb (キロベ−スペア);kD (キロダルトン);gm (グラム);μg (マイクログラム);mg (ミリグラム);ng (ナノグラム);μl (マイクロリットル);ml及びmL (ミリリットル);mm (ミリメ−タ−);nm (ネノメ−タ−);μm (マイクロメ−タ);M (モル);mM (ミリモル);μM (マイクロモル);U (単位);V (ボルト);MW (分子重量);sec (秒);min (s) (分);hr (s) (時間);MT(メ−トルトン);PAGE (ポリアクリルアミド電気泳動);フタル酸緩衝液 (水中20 mM のフタル酸ナトリウム、pH 5.0);SDS (ドデシル硫酸ナトリウム);トリス (トリス (ヒドロキシメチル) アミノメタン);w/v (容量対重量);v/v (容量対容量);ジエンコ−(Genencor) (ジェネンコ−インタ−ナショナル、パロアルト、カリフォルニア);新日本 (新日本, 日本);HPLC(高圧液体クロマトグラフ法);及びds(乾燥固形含量)。
一般法
コメ基質−白米粉、エレファントブランド(ElepHant Brand)はタイ ベタ−フ−ド社(Thai Better Foods, Co. , Ltd. Bangpong, Thailand)より購入した。
総タンパク質アッセイ−コメ粉及びコメ基質調製物の総タンパク質含量は、ケルダ−ル法(Methods 22B608, American Association of Cereal Chemists (AACC) 1983, St Paul, MN参照のこと)により評価した。タンパク質含量(%)は総窒素に対して5.95のmortification factorを用いて計算した(Juliano B.O. (1985) Rice: Chemistry and Technology; AACC, St. Paul MN)。
総デンプン含量の評価−総デンプン含量は酵素−酵素デンプン液化及び糖化法により評価した。通常の解析において、乾燥サンプルの2gが、100mlのコ−ルラッシュ(Kohlraucsh)フラスコに入れ、pH7.0のMOPS緩衝液、45mlを添加した。このスラリ−を30分間よく攪拌した。1.0mlのSPEZYME FERD(H2Oに1:50希釈)を添加し、3−5分間沸騰させ加熱した。このフラスコは121℃に維持したオ−トクレ−ブに15分間静置した。オ−トクレ−ブのあと、このフラスコを95℃に維持したウォ−タ−バス内に静置し、1:50で希釈されたSPEZYME FREDの10mlを添加し、45分間インキュベ−トした。pHを4.2に調整し、温度を60℃に下げ、20mlのpH4.2の酢酸緩衝液をこの混合物に添加した。糖化は1;100希釈したOPTIDEX L−400(ジェネンコ− インタ−ナショナル インク)を10ml添加することにより行い、60℃で18時間インキュベ−ションを行った。酵素反応は10分間95℃に加熱することにより停止した。酵素処理をしていない室温におけるサンプルの水抽出物の可溶性デンプン加水分解物を総糖量から差し引いた。
オリゴ糖の解析−オリゴヌクレオチドの反応生成物の組成は、屈折率(RI)検出器(アンスペック社(The Anspec Company, Inc.)のERC−7515A検出器)及び50℃に維持されたHPLCカラム(Rezex8 u8% H, Monosaccharides)、を装備したHPLC(ベックマン システム Gold 32 Karat Fullerton、カリフォルニア、USA)、によって測定した。希硫酸(0.01N)を、0.6ml/分の流速で、移動相として使用した。20mlの0.4%溶液を、カラムに付加した。このカラムは、糖の分子重量に基づいて、分子を分離する。例えば、DP1の表記は、グルコ−ス等の単糖類である、DP2の表記は、マルト−ス等の、二糖類である、DP3の表記は、マルトトリオ−ス等の三糖類である、そして、DP4+の表記は、重合度が4以上のオリゴ糖類である。高分子糖類(Hr.Sugar)の語は、3以上のDPを有する糖を言う。
固形物の相対的可溶化(度)−低温で行われるジェットクッキング工程をコメ基質bの可溶化に用いた(米国特許No.3,912,590)。透明な上清をブリックス(ABBE リフレクトメ−タ−, アメリカンオプティカルコ−ポレ−ション(American Optical Corporation)化学機器部門(Scientific Instrument Division)バファロ−、ニュ−ヨ−ク)の測定に用いた。典型的なジェットクッキング工程において、150グラムのデンプンを350グラムの水に溶解した30%デンプンスラリ−を100%可溶化デンプンとして、異なる処理条件下におけるデンプンの相対的可溶化度の計算に用いた。
典型的なジェットクッキング工程において、300グラムのコメ粉を700グラムの水にプラスチックビ−カ−内で溶解し、30%デンプンスラリ−を調製する。このスラリ−を攪拌し、NaOHを用いてpHを6.0に調整した。バチルスステアルセレモフィリスのアルファアミラ−ゼ(G−ZYME G997)(ジェネンコ− インタ−ナショナルインク)を、0.8kg/MT(W/Wdss)添加した。このスラリ−を105℃に維持した加熱コイル上で、5分間膨張させ、95℃のウォ−タ−バス内で一部を浸して、蓋をしたエルレンマイア−フラスコの中で2時間置いた。2mlの液化されたサンプルをプラスチックピペットを用いて遠心管へと移し、8000rpmで3分間遠心分離した。この上清のブリックスの値は27であった。
G−Zyme G997によりコメデンプンの可溶化(度)を100%と仮定すれあb、27のブリックス値は、参考ブリックスを表し、この値は実施例におけるコメ基質の相対的可溶化度を計算するために用いる
RS=(ブリックス/参考ブリックス)X100%
ここで、RS=相対的可溶化度、ブリックス=試験(Expt)ブリックス、及び参考ブリックス=100%可溶化ブリックス

実施例
本発明は以下の実施例において詳細に説明される。これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
トリコデルマレ−シ(Trichoderma reesei)におけるフミコ−ラグリセアvar.セルモイデア(Humicola grisea var. thermoidea)GSHE遺伝子の発現(rH−GSHE)

フミコ−ラグリセアvar.セルモイデア(Humicola grisea var. thermoidea)GSHE遺伝子のクロ−ニング
凍結スキタリジウムセルモフィリラム(Scytalidium thermopHilum)(ATCC 16453、アナモルフ(anamorph)、フミコ−ラグリセアvar.セルモイデア(Humicola grisea var. thermoidea)の菌糸からゲノムDNA (配列番号1)を抽出した。この凍結菌糸をコ−ヒ−ミルの中でドライアイスと一緒に粉砕し、Easy DNAプロトコル(インビトロジェン)によりDNAを抽出した。クロロホルム/フェノ−ル/イソアミルアルコ−ル抽出工程をこの標準的な手順に追加した。NCBI デ−タベ−ス登録番号#M89475 配列にもとづいてPCRプライマ−を消化した。以下のプライマ−はpENTR/Dベクタ−(インビトロジェン)内でクロ−ニングするためのモチ−フを含んでいる。
このRSH003fプライマ−は、CAACATGCATACCTTCTCCAAGCTCCTC (配列番号7) 及びRSH004rプライマ−の配列はTTAACGCCACGAATCATTCACCGTC(配列番号8)である。
インビトロジェンゲ−トウェイシステムプロトコルに従ってPCR生成物をpENTR/D内へクロ−ンした。このベクタ−は、その後化学的に有用なTop10大腸菌の中で形質転換され、カナマイシン選択された。幾つかのクロ−ンからのプラスミドDNAが正確なサイズの消化を確認するために制限消化された。いくつかのクロ−ンからのgla1挿入が配列決定(Sequetech, Mountain View, CA)された。一のクロ−ンからのプラスミドDNA、pENTR/D_N13pをTrex3glamdS消化ベクタ−DNAと共にLRクロナ−ゼ反応(インビトロジェン ゲ−トウェイシステム)に添加した。LPクロナ−ゼ反応における組換えは、消化ベクタ−のCmR及びccdB遺伝子と、pENTR/Dベクタ−からのフミコ−ラグリセア(H.grisea)gal1とを置換した。
組換えは、gal1cbh1プロモ−タ−とタ−ミネ−タとの間に挿入した。48及び50bpの組換え部位配列はそれぞれgal1の上流及び下流に残っていた。LRクロナ−ゼ反応のアリコ−トは化学的に適したTop10大腸菌内へ形質転換され、一晩、カルベニシリンで選択条件で育成した。いくつかのクロ−ンからのプラスミドDNAが正しい挿入サイズを確認するために適切な消化酵素で消化された。cbh1プロモ−タ−:gla1cbh1タ−ミネ−タ−:amdSを含む発現カセットを切り離すためにクロ−ンからのプラスミドDNA、pTrex3g_N13(図3及び図4参照)をXbal1で消化した。6.6kbのカセットを標準技術を用いたアガロ−スゲル抽出法により精製し、上で述べたように公知の入手可能なQM6のトリコデルマレ−シ(T. reesei)株内で形質転換した。
このカセットをSequetech, Mountain View, CAを用いて配列決定し、GSHEに対するDNAを図1(配列番号1)に、アミノ酸配列を図2(配列番号2及び3)に示した。
トリコデルマレ−シの形質転換
菌糸の胞子を有する約2cm2のプレ−ト(5日間30℃でPADプレ−ト上で育成したもの)を250mlの4バッフルの振とうフラスコ内の50mlのYEGブロス(5g/Lイ−スト抽出物及び20g/Lグルコ−ス)に接種し37℃で16乃至20時間200 rpmでインキュベ−ションした。インキュベ−ションしたものを50mlのコニカルチュ−ブ内に移し2500rpmで10分間遠心して菌糸を回収した。上清を別容器に移した。菌糸のペレットは40mlのフィルタ−ろ過したβ−グルカナ−ゼ溶液を含む250mlの0.22ミクロンCAコ−ニングフィルタ−ボトルへ移し、形質転換のためのプロトプラストを育成するために30℃で200rpmで2時間インキュベ−ションした。
プロトプラストを滅菌ミラクロスから50mlのコニカルチュ−ブにろ過することにより回収した。それらを、2000rpmで5分間遠心分離することによりペレット形成し、アスピレ−タで乾燥させた。このプロトプラストペレットを、1.2Mソルビト−ル50mLで一度洗浄し、遠沈し、アスピレ−タで乾燥した。25mlのソルビト−ル/CaClで洗浄した。このプロトプラストをカウントし、その後、2000rpm、5分間でペレット形成した。上清を別容器に移し、プロトプラストペレットを1mlあたり1.25×108のプロトプラスト濃度を調製するのに十分量のソルビト−ル/CaCl2の量の中に懸濁して、プロトプラスト溶液を調製した。
20μLまでの発現ベクタ−DNA(20μL以下の容量)のアリコ−トを15mlのコニカルチュ−ブに入れ、氷上に置いた。その後に200μLのプロトプラスト懸濁液を50μLのPEG溶液とともに各形質転換アリコ−トに添加した。チュ−ブをおだやかに撹拌し、氷上で20分間インキュベ−トした。2mlのPEG溶液をアリコ−トチュ−ブに添加し、それらを室温で5分間インキュベ−トした。ソルビト−ル/CaCl溶液、4mlをこのチュ−ブに添加した(総容量が6.2mlになる)。形質転換混合物を3のアリコ−トに約2mlずつ添加した。各3のアリコ−トに3の溶解したトップアガ−を添加することによりオ−バ−レイ混合物を作成し(温度を50℃に維持し融解状態を保った)、このオ−バ−レイ混合物を形質転換プレ−ト上に注いだ。形質転換プレ−トは30℃で7日間インキュベ−トした。
形質転換体のamdS選択を行った。アセトアミド/ソルビト−ルプレ−ト及びオ−バ−レイズ(overlays)を形質転換に用いた。選択プレ−トについて、ソルビト−ルを用いないけれども、同じプレ−トを使用した。形質転換体は、アセトアミドを含む新しい選択培地で、単離されたコロニ−を移すことにより精製した。
本実施例に用いた溶液を以下のように調製した。
1) 40mlのβ−D−グルカナ−ゼは、600mgのβ−D−グルカナ−ゼ(InterSpex Products Inc., San Mateo, CA)及び400mgのMgSO4・7HOを含む1.2Mのソルビト−ルから調製した。
2) 50gのPEG4000(BDH Laboratory Supplies Poole, England)及び1.47gのCaCl・2HOを含む200ml PEGはdHOを用いて調製した。
3) ソルビト−ル/CaClは、1.2Mのソルビト−ルと50mMのCaClを含む。
4) アセトアミド/ソルビト−ルアガ−;
パ−ト1−0.6gのアセトアミド(Aldrich, 99%昇華)、1.68gのCsCl、20gのグルコ−ス、20gのKHPOの0.6gのMgSO・7HO、0.6gのCaCl・2H0, 1mlの1000x塩 (以下参照)をpH5.5に調製し, dHOで300mlにメスアップし、滅菌フィルタ−処理をした。
パ−トII−20gのノブルアガ−(Noble ager及び218gのソルビト−ルをdHOで700mlにメスアップし、オ−トクレ−ブ滅菌をした。
パ−トIII−パ−トIの調製物を最終容量を1Lにした。
5)1000X塩−5gのFeS0・7HO, 1.6gのMnS0・H0、1.4gのZnS0・7HO, 1gのCaCl・6HOを混合し、 dHOを用いて容量を1Lに調整し、フィルタ−滅菌をした。
フミコ−ラグリセアvar.セルモイデア(Humicola grisea var. thermoidea)GSHE遺伝子により形質転換されたトリコデルマレ−シ(T.reesei)の発酵
一般的に、Foreman et al., (Foreman et al. (2003) J.Biol.Chem 278: 31988−31997) に説明されている発酵手順は以下のようである。より具体的には、図5に示した各株に対して2回の発酵を行った。1.5ml凍結スポア懸濁液を5%のグルコ−スを含む0.8Lのボゲルズ最小培地(Vogels minimal medium)(Davis et al., (1970) Methods in Enzymology 17A, pg 79−143 及びDavis, Rowland, NEUROSPORA, CONTRIBUTIONS OF A MODEL ORGANISM, Oxford Univar. Sity Press, (2000))に接種した。48時間後、各培地を、14Lのバイオラフィット(Biolafitte)発酵槽中にある6.2Lの同じ培地に移した。発酵は25℃、750rpm及び1分間あたり8リットルの空気速度で行った。1時間後、最初に添加されたグルコ−スが全て消費された。25%(W/W)ラクト−スの供給をラクト−スの蓄積による炭素制限が生じないように供給した。グルコ−ス及びラクト−スの濃度は、グルコ−スオキシダ−ゼキット又はラクト−スを切断するβガラクトシダ−ゼを用いたグルコ−スヘキソキナ−ゼアッセイキットにより、それぞれモニタ−された (Instrumentation Laboratory Co., Lexington, MA) 。発酵の進行具合をモニタ−するため定期的にサンプルを採取した。収集されたサンプルを、50mlの遠心管に移し、International Equipment Company(Needham Heights, MA) clinical centrifugeにおいて3/4スピ−ドで遠心分離した。
サンプルの上清を、MOPS(モルフォリンプロパンスルホン酸)SDS緩衝液及びLDSサンプル緩衝液を用いた条件下で4乃至12%のBIS−TRIS SDS PAGEゲルを用いて電気泳動を行った。結果を図5に示す。レ−ン3、4及び5は、異なる時間におけるrGSHEの68kDのバンドが見られた。
形質転換されたトリコデルマレ−シ(Trichoderma reesei)クロ−ンのGSHE活性のアッセイ
酵素活性−GSHE活性は、酵素調製液のアリコ−トを用いて、50℃、pH4.5、5 mlの10%顆粒コ−ンスタ−チを含む0.1M酢酸バッファ−中で、インキュベ−ションしたときに、1分間あたりに放出される還元糖のミリグラムを用いて決定される。GSHEの1の単位は、この条件下で1.0mgの還元糖を1分間放出する。
フミコ−ラグリセアvar.セルモイデア(Humicola grisea var. thermoidea)由来の天然のGSHE(nGSHE)及びトリコデルマレ−シ(T.reesei)由来の組換えGSHEを、フェニルセファロ−スを用いた疎水相互クロマトグラフィ−(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ)で処理し、その後にSP−セファロ−スを用いたイオン交換クロマトグラフィ−(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ)を用いた標準技術により精製した。最初にトリコデルマレ−シ(T.reesei)クロ−ンにより発現された組換えGSHEは、ほぼ同じ濃度のタンパク質分画を含んでいた。これらのピ−クをrGSHE1及びrGSHE2とした。これらのピ−クは、1500Dによる、及び、輸送マススペクトロメ−タ−(voyageur mass spectrometer)(Applied Biosystems, Foster City, CA)におけるマトリックス支援レ−ザ−イオン化(MALDI−TOF)により測定される0.3pH単位によるマスにおいて、及び製造会社の説明書に従った等電点フォ−カシングゲルにおいて違いが見られた。rGSHE1及びrGSHE2の、生デンプン加水分解アッセイにより測定された比重、及びMicroBCAタンパク質アッセイキット(Pierce, Rockford,IL) を用いて測定したタンパク質及び溶液中の消散係数のパ−センテ−ジは同じであった(A280 0.1% = 1.963)。初期のrGSHE発現の後約72時間、1のみのrGSHEが存在していた(rGSHE3)(表1参照のこと)。
Figure 0004929152
GSHEの炭水化物量%は、4Nのトリフルオロ酢酸を用いて、100℃で5時間、酸加水分解をすることにより決定された。測定値は、パラヒドロキシ安息香酸複合体を用いて、放出された還元糖を測定することにより決定された。初期の発現のときに、rGSHE1及びrGSHE2は総炭水化物含量の2.70%を占めていた。しかしながら、72時間後、培地中のrGSHE3の糖化レベルは総炭水化物のうちの0.57%であった。天然GSHEの糖化レベルは1.12%であった。
本実施例により得られたrGSHEを以下の実施例における組換えGSHEの源として使用し、rH−GSHEと称した。
トリコデルマレ−シ(Trichoderma reesei)におけるアスペルギルスアワモリvar.カワチ(Aspergillus awamori var. kawachi)GSHEの発現

アスペルギルスアワモリvar.カワチ(Aspergillus awamori var. kawachi)遺伝子のクロ−ニング
図6で示す配列を有するアスペルギルスアワモリvar.カワチGSHE遺伝子のクロニング及びトリコデルマレ−シ(T. reesei)における形質転換は上で述べた方法と同様に行った。
つまり、実施例1で説明した方法に従って、アスペルギルスアワモリvar.カワチ(Aspergillus awamori var. kawachi)株の凍結菌糸からゲノムDNAを抽出した。PCRプライマ−配列はアスペルギルスアワモリvar.カワチ(A. awamori var. kawachi)グルコアミラ−ゼ GAI(Hayashida et al. (1989) Agric.Biol.Chem. 53: 923−929)に基づいて設計された。このGAIはGSHEである。
用いたプライマ−を以下に示す。
Gateway(インビトロジェン)ディレクショナルモチ−フCACCを含む、CAC CAT GTC GTT CCG ATC TCT TCT C (配列番号10)を有するRSH10fプライマ−、及び
CTA CCG CCA GGT GTC GGT CAC (配列番号10)を有するRSH10rプライマ−を用いた。
DNA配列を図5(配列番号5)に示す。ベクタ−構築及びトリコデルマレ−シ(T. reesei)の形質転換の手順は上記と同様に行った。A−GSHE挿入はSequentech Corp.(Mountain View,CA)により配列決定された。rA−GSHE発現はrH−GSHE発現と同様に検出した。発現のレベルは、2g/Lより高いと検出された。
アルファアミラ−ゼによる異なる顆粒デンプン基質の可溶化及び加水分解
1000mlのステンレスのスチ−ルコンテナ内において、150グラムの白米粉を350グラムの脱イオン水に懸濁し、30%dsのスラリ−を調整した。このスラリ−を攪拌し、6NのHSOを用いてpHを5.5に調整した。ステンレスのスチ−ルスタ−ラ−をコンテナの中に置き、ガラスで上に蓋をした。コンテナに酵素を添加する前に、このコンテナを70℃で15分プレインキュベ−トした。バチルスステアロセレモフィリス由来のアルファアミラ−ゼ(G−zyme G997、ジェネンコ−インタ−ナショナルインク)は、0.8kg/MT(w/w dss)の濃度で投与したとき顆粒コメ基質を可溶化する能力において、バチルスリケニフォルミス(Bacullus licheniformis)(SPEZYME FRED)(ジェネンコ−インタ−ナショナルインク)由来のアルファアミラ−ゼと比較した。酵素を添加した後、懸濁液は攪拌しながら70℃において2時間インキュベ−トし、ついで60℃で48時間インキュベ−トした。各コンテナから、予めきめられた時間間隔で2mlのサンプルをプラスチックピペットを用いて採取し、遠心管に移した。このサンプルは、8000prmで3分遠心分離された。上清を遠心管から回収し、数滴をLecia AR200 デジタル ハンド ヘルド リフレクトメ−タ−のサンプルウェル内に置いた。ブリックスの値が記録され、相対的可溶化度(RS)が計算された。この結果を表2に示す。この表は、バチルスステアロセレモフィリス(G−Zyme G997)のアルファアミラ−ゼがバチルスリケニフォルミスアルファアミラ−ゼ(SPEZYME FRED)よりも顆粒コメデンプンの可溶化に効果的であることを示す。
Figure 0004929152
顆粒コメ基質の可溶化に対するG−ZYme G997の濃度の影響
30% dsスラリ−を調製するために、1000mlのステンレススチ−ルコンテナの中で、150gのコメ粉に脱イオン水(350g)を加え攪拌した。この懸濁液を攪拌し6NのHSOを用いてpH5.5に調製した。ステンレスのスチ−ルスタ−ラ−をこのコンテナ内に置き、ガラスで蓋をした。このスチ−ルコンテナの懸濁液をアルファアミラ−ゼを添加する前に15分間60℃でインキュベ−トした。3つの懸濁液のコンテナを前記のように調整した。G−Zyme G997を、各コンテナに、0.1、0.25、及び0.5kg/MTコメ粉(ds)の濃度で添加した。酵素を添加した後、この懸濁液を60℃で24時間攪拌しながら懸濁した。2mlのサンプルを各コンテナより予め決められた時間間隔で、プラスチックピペットを用いて採取し、遠心管に移した。このサンオウルを8000prmで3分遠心分離した。上清の数滴をこの遠心管から注意深く採取し、ブリックスを測定した。ブリックスの値が記録され、相対的可溶化度(RS)を計算した。この結果、表3に示すように、0.25kg/Mtコメ粉(ds)以上のG−ZymeG997の濃度において、顆粒コメデンプンの可溶化度における有意な差は見られなかった。
Figure 0004929152
顆粒コメデンプンの可溶化におけるrH−GSHEの濃度の影響
実施例1で述べたように顆粒デンプン加水分解酵素(rH−GSHE)を、pHを5.5に調製した30%水溶性スラリ−中にコメ粉のグラム当たりにして各種の濃度のGSHE単位で添加した。このスラリ−を60℃でインキュベ−ションし、サンプルを異なる時間間隔で採取した。このサンプルを上で説明したように遠心分離し、透明な上清をブリックスの評価に用いた。
Figure 0004929152
0.1kg/MTコメ粉(ds)及びG−ZymeG997の存在下における顆粒コメデンプンの可溶化に対するrH−SGHEの影響
30% dsスラリ−を調製するために、1000mlのステンレススチ−ルコンテナの中で、150gのコメ粉に脱イオン水(350g)を加え攪拌した。この懸濁液を攪拌し6NのHSOを用いてpH5.5に調製した。ステンレスのスチ−ルスタ−ラ−をこのコンテナ内に置き、ガラスで蓋をした。このスチ−ルコンテナの懸濁液をアルファアミラ−ゼを添加する前に15分間60℃でインキュベ−トした。
懸濁液の2のコンテナを上で述べたように調製した。G−Zyme G997を0.1kg/MTコメ粉(ds)の濃度で投与し、rH−GSHEを0乃至1.0GSHE単位/gコメ粉 dsの濃度で添加した。酵素を添加した後、懸濁液を60℃で24時間攪拌しながらインキュベ−ションした。2mlの上清をプラスチックのピペットを用いて各コンテナより、予め決められた時間間隔で採取し、遠心管移した。この上清を含む遠心管を8000rpmで3分遠心分離した。遠心管から注意深く上清を数滴回収し、ブリックスを測定した。このブリックス値を記録し、相対的可溶化度(RS)を計算した。他の0.5mlの上清をスクリュ−キャップのついた試験管に移した。この試験管に蓋をし、酵素を失活させるために沸騰水中で15分間置いた。上清を脱イオン水で、ブリックスが約3になるように希釈した。各試験管を良く混合し、2mlの内容物を0.45μmのフィルタ−でオ−トサンプラ−バイアル内へろ過した。この上清の糖組成をHPLCを用いて解析した。
表5及び表6に示す結果において、rH−GSHEは、0.1kg/Mt dssのG−Zymeの存在下において、24時間後にのみ90%以上の顆粒コメデンプンの可溶化度が有意に高くなっていた。図7を参照していただきたい。時間に対する可溶化されたデンプンの%をG−Zyme G997のみの添加と、rH−GSHE単独、並びに、G−Zyme G997と組み合わせて用いた場合とを比較した。rH−GSHE及びG−Zyme G997を組み合わせて用いた場合には、20時間後に90%以上の顆粒デンプンが可溶化されたのに対し、G−Zyme G997単独で用いた場合には約50%、rH−GSHE単独で用いた時には約28%の顆粒デンプンが可溶化された。
更に、rH−GSHEとG−Zyme G997の組み合わせは、24時間後にのみ96%以上のグルコ−スを含むシロップを生産することができた。しかしながら、G−Zyme G997単独では、顆粒コメデンプンの90%以上を可溶化することもグルコ−ス高含有シロップを生産することもできなかった。
Figure 0004929152
Figure 0004929152
rH−GSHE及びG−Zyme G997の存在下における顆粒コメ基質の可溶化に対するpHの影響
30% dsスラリ−を調製するために、1000mlのステンレススチ−ルコンテナの中で、150gのコメ粉(エレファント ブランド、タイ ベタ− フ−ド社、バンポング タイランド)に脱イオン水(350g)を加え攪拌した。上で説明した4つの懸濁液を調製した。6NのHSO及び/又は1NのNaOHを用いてpHを4.5、5.0及び6.0に調製した。ステンレススチ−ルスタ−ラ−を各コンテ内に置き、各コンテナの上にガラスのカバ−を蓋として置いた。このスチ−ルコンテナを60℃のウォ−タ−バスに15分間、酵素を添加する前に置いた。
rH−GSHEを0.5SGHE単位/コメ粉の濃度で各コンテナに添加し、G−Zyme997は0.1kg/MTコメ粉の濃度で添加した。酵素を添加した後、この懸濁液を60℃で24時間、攪拌しながら添加した。2mlのサンプルを、プラスチックのピペットを用いて、予め決められた時間間隔で各コンテナから回収し、遠心管に移した。このサンプルを8000rpmで3分遠心分離した。この管から回収された上清の数滴をブリックスの測定に用いた。ブリックスの値を記録し、相対的可溶化度を計算し、表7に示した。この結果は、pH5.0乃至6.0及び60℃における顆粒コメデンプンの可溶化について有意な差は見られなかったが、pH4.5においては有意に可溶化度が有意に低いことを示している。
Figure 0004929152
pH5.5におけるrH−GSHE及びG−Zyme G997の存在下における顆粒コメ基質の可溶化に対する温度の影響
30% dsスラリ−を調製するために、1000mlのステンレススチ−ルコンテナの中で、150gのコメ粉(エレファント ブランド、タイ ベタ− フ−ド社、バンポング タイランド)に脱イオン水(350g)を加え攪拌した。この懸濁液を攪拌し6NのHSOを用いてpH5.5に調製した。上で説明したような懸濁液の4つのコンテナを調製した。ステンレススチ−ルスタ−ラ−を各コンテナ内に置き、ガラスの多いを蓋として各コンテナの上に置いた。このスチ−ルコンテナを酵素を添加する前に、55℃、65℃、65℃、及び70℃のウォ−タ−バス内に置いた。
rH−GSHEを1.0kg/MT コメ粉ds濃度で添加し、G−Zyme G997を0.1kg/Mtコメ粉dsの濃度で添加した。酵素を添加した後、この懸濁液を24時間攪拌しながらインキュベ−ションした。2mlのサンプルを、プラスチックピペットを用いて予め決められた時間間隔において各コンテナから回収し、遠心管の中に移した。このサンプルを8000rpmにおいて3分間遠心分離した。この遠心から上清の数滴を注意深く回収し、ブリックスを測定した。このブリックスの値を記録し、相対的可溶化度を計算し、表8に示した。この結果は、pH5.5において60℃が最適温度であることを示している。
Figure 0004929152
60℃、pH5.5における0.1kg/MTのG−Zyme G997の存在下における顆粒コメデンプンの可溶化に対するrH−GSHEの濃度の影響
30% dsスラリ−を調製するために、1000mlのステンレススチ−ルコンテナの中で、150gのコメ粉(エレファント ブランド、タイ ベタ− フ−ド社、バンポング タイランド)に脱イオン水(350g)を加え攪拌した。この懸濁液を攪拌し6NのHSOを用いてpH5.5に調製した。上で説明したような懸濁液の4つのコンテナを調製した。ステンレススチ−ルスタ−ラ−を各コンテナ内に置き、ガラスの多いを蓋として各コンテナの上に置いた。この方法で6のコンテナを用意し、酵素を添加する前に、60℃のウォ−タ−バスで15分間インキュベ−ションした。
G−Zyme G997は各コンテナに0.1kg/MTコメ粉dsの割合で添加し、rH−GSHEは0、0.5、1.0、1.5、2.0又は3.0GSHE単位/gコメ粉dsの濃度で添加した。酵素添加の後、この懸濁液を60℃で24時間、攪拌しながらインキュベ−ションした。2mlのサンプルをプラスチックのピペットを用いて予め決められた時間間隔で回収し、その後遠心管に移した。サンプルを8000rpm3分間遠心分離した。遠心から数滴の上清を注意深く回収し、ブリックスを測定した。ブリックスの値を記録し、相対的可溶化度(RS)を計算し表9に示した。この結果は、60℃において、95%以上のグルコ−ス産性を示し、かつコメデンプンを90%以上可溶化するための方法を示している。rH−GSHEの濃度が1.5GSHE単位/gds以上高くなるまでは、%RSに有意な差は見られなかった。90%以上の顆粒コメデンプンを加水分解することは、0.1 kg G−Zyme G997MT/コメ粉ds及び1.5GSHE単位のrH−GSHE/gコメ粉dsにより達成することができる。
Figure 0004929152
60℃及びpH5.5における0.5GSHE単位/gコメ粉ds存在下における顆粒コメデンプンの可溶化に対するG−Zyme G997の影響
30% dsスラリ−を調製するために、1000mlのステンレススチ−ルコンテナの中で、150gのコメ粉(エレファント ブランド、タイ ベタ− フ−ド社、バンポング タイランド)に脱イオン水(350g)を加え攪拌した。この懸濁液を攪拌し6NのHSOを用いてpH5.5に調製した。ステンレススチ−ルスタ−ラ−を各コンテナ内に置き、ガラスの多いを蓋として各コンテナの上に置いた。上で説明したような懸濁液の4つのコンテナを調製した。酵素を添加する前に、60℃のウォ−タ−バスで15分間インキュベ−ションした。
rH−GSHEを0.5GSHE単位/gコメ粉dsの濃度で添加し、G−Zyme G997の各量を0.1、0.25、0.5及び1.0kg/MTコメ粉dsの濃度で添加した。酵素添加の後、この懸濁液を60℃で24時間、攪拌しながらインキュベ−ションした。2mlのサンプルをプラスチックのピペットを用いて予め決められた時間間隔で回収し、その後遠心管に移した。サンプルを8000rpm3分間遠心分離した。遠心から数滴の上清を注意深く回収し、ブリックスを測定した。ブリックスの値を記録し、相対的可溶化度(RS)を計算し表10に示した。
この結果は、0.5rH−GSHEの存在し下において、G−Zyme G997の濃度を高めると、顆粒コメデンプンのREに効果的であることを示しており、0.5G−Zyme G997 MT/コメ粉dsを用いて90%以上のRSを達成することができた。
Figure 0004929152
G−Zyme G997及び異なる濃度のrH−GSHEをインキュベ−ションする間の顆粒コメデンプンの可溶化及び加水分解に対するコメ粉濃度の影響
a)395g脱イオン水に105gのコメ粉を含むスラリ−、b)357.5g脱イオン水に142.5gのコメ粉を含むスラリ−、c)321.5g脱イオン水に178.5gのコメ粉を含むスラリ−、を異なるフラスコ内で調製した。このスラリ−のpHを6NのHSOを用いてpH5.5に調整した。G−Zyme G997を0.2kg/Mtコメ粉の濃度で添加した。各フラスコに異なる濃度のrH−GSHEを添加した。このフラスコを60℃に維持したウォ−タ−バス内に置いた。この混合物を濃度を均一にするためにインキュベ−ションの間連続的に攪拌した。サンプルを異なる時間間隔で回収し、遠心分離し、上で説明した様にブリックスの測定に用いた。このサンプルをHPLC解析に供した。結果を表11に示す。この結果は、25%濃度のコメ粉スラリ−をアルファアミラ−ゼ及びrH−GSHEと共にインキュベ−ションしたものが、顆粒コメでの可溶化を完全にし、96%以上のグルコ−スを生産したことを示す。
Figure 0004929152
コメタンパク質濃縮物及び高純度コメタンパク質濃縮物のタンパク質の評価
30% dsスラリ−を調製するために、1000mlのステンレススチ−ルコンテナの中で、150gのコメ粉(エレファント ブランド、タイ ベタ− フ−ド社、バンポング タイランド)に脱イオン水(350g)を加え攪拌した。この懸濁液を攪拌し6NのHSOを用いてpH5.5に調製した。このスラリ−を60℃のウォ−タ−バスの中に置き、酵素を添加する前に混合物を均一にするために連続的に攪拌した。rH−GSHEは1.0GSHE単位/gコメ粉の濃度で添加し、G−Zyme G997を0.1kg/MTコメ粉dsの割合で添加した。酵素を添加した後、この懸濁液を60℃で24時間攪拌しながら、99%以上の顆粒コメが可溶化されるまで、インキュベ−ションした。
コメタンパク質が最小可溶性を示すpH(pH3.0−5.0)においてコメデンプンを可溶化することにより可溶化されたコメデンプンから不溶性コメタンパク質の分離を促進することができた。コメデンプンの加水分解の完了の後、インキュベ−ションしたスラリ−をウエットケ−キを得るためにワットマンNo1ろ紙の上でブフナ−ロ−トを用いてろ過した。ウエットケ−キの小部分を脱イオン水で数回洗浄し、60℃で乾燥した(一工程処理)。残りのウエットケ−キを300gの脱イオン水に再懸濁し、G−Zyme G997(0.1kgMtコメ粉)及びrH−GSHE(1.0GSHE単位/gのコメ粉)と共に更に、12時間60℃でインキュベ−ションした。酵素反応を終了させるため、60℃において、6NHSOを用いてpH3.5に調整した。ワットマンろ紙によるろ過のためにブフナ−ロ−トを用いて不溶性コメタンパク質を分離した。このケ−キをあらゆる可溶化デンプンを除去するために脱イオン水で洗浄した。このコメタンパク質濃縮物を水分含量が、5.0%未満になるまで乾燥した(二工程処理)。
おおよそのコメタンパク質の組成を表12に示す。高温高圧処理からのタンパク質濃縮物は以下のようにして得られた。
SPEZYME FRED(ジェネンコ−インタ−ナショナルインク)(0.1kg/MTコメ粉)をコメ基質30%の水性スラリ−pH5.5に添加した、このスラリ−を105℃に維持した圧力鍋に8分曝し、その後大気圧に曝した。液化工程を95℃において、更に90分続けた。液化デンプンのpHをpH4.2に調整し、温度を60℃に下げた。OPTIMAX 4060 VHP(ジェネンコ−インタ−ナショナルインクから市販されているグルコアミラ−ゼ及びプルラナ−ゼブレンド)を0.4kg/MTコメ基質の濃度で添加し、48時間インキュベ−ションし、少なくとも2回洗浄した。不溶性タンパク質残渣を含むケ−キを得るために、可溶性分を上で説明したように遠心分離した。このタンパク質残渣を脱イオン水で洗浄し、60℃で乾燥した。
この結果は、本発明に包含される方法により、コメ基質から顆粒コメデンプンを加水分解することにより、高純度コメタンパク質含量を分離することができた。
Figure 0004929152
コメタンパク質濃縮物の水溶解性の評価
コメタンパク質濃縮物は実施例11の方法に従って調製した。更に従来の高温処理したタンパク質分画も実施例11の方法に従って調製した。
タンパク質濃縮物及びタンパク質分画の懸濁液を調製し、pHをNaOH又はH2SO4のいずれかを用いて、2.0、4.0、6.0、及び10.0に調整した。この懸濁液を室温において連続的に攪拌し、15分毎にpHを調整した。可溶化したタンパク質を遠心分離で分離し、透明な上清を総窒素(N)の測定に用いた。タンパク質含量(%P)を、N×5.95として計算した。
Figure 0004929152
コメタンパク質濃縮物の可溶化及び加水分解におけるプロテア−ゼ処理の影響
本発明の方法により得られた2.0%コメタンパク質濃縮物と従来方法により得られた2.0%コメタンパク質分画を50℃で、酸性糸状菌プロテア−ゼ(単位/gタンパク質)を用いてインキュベ−ションした。インキュベ−ションの間、サンプルのpHを15分毎に調整した。サンプルは60分、120分、240分、360分、720分に回収し、加水分解されていないタンパク質を沈殿させるため、同僚の10%トリクロロ酢酸溶液を添加した。このサンプルを5℃で冷却し、ろ過した。透明ろ液の窒素Nを解析した(デ−タはしめさず)。
更なる試験において、本発明の方法により得られたコメタンパク質懸濁液及び従来法により得られた2.0%コメタンパク質分画をヒトの下方消化システムをシミュレ−トするため、pH7.0及び55℃において、プロテイナ−ゼ T(Proteinase T)及びPROTEX 6L(ジェネンカ−)を用いて、インキュベ−ションした。サンプルを異なる時間間隔で、消化し、加水分解されていないタンパク質を1%のTCAを添加することにより沈殿させた。このサンプルを5℃で冷却し、ろ過した。透明炉液のNを解析した(デ−タしめさず)。
高純度コメタンパク質濃縮物のアミノ酸組成
実施例11で説明した高純度コメタンパク質ン濃縮物のアミノ酸組成(%)を実施例11で説明した従来の高温処理により得られたタンパク質分画のアミノ酸組成物と比較した。表14を参照のこと。高純度タンパク質濃縮物のアミノ酸組成とタンパク質分画のアミノ酸組成を、カゼインのアミノ酸組成物(%)を用いて比較した。カゼインの値は、Shih et al., (2000) JAOCS 77: 885−889 及びMorita et al. (1993) J. Food Sci. 58: 1393−1396より引用した。
Figure 0004929152
図1は、天然のフミコ−ラグリセアvar.セルモイデア(Humicola grisea var. thermoidea)顆粒デンプン加水分解酵素(GSHE)(配列番号1)をコ−ドするゲノムDNA配列を示す。想定されるイントロンを太字且つ下線で示す。 図2Aは、フミコ−ラグリセアvar.セルモイデア(Humicola grisea var. thermoidea)のシグナル配列及び成熟アミノ酸配列を示す(配列番号2)。想定されるシグナル配列を太字及び下線で示す。 図2Bは、フミコ−ラグリセアvar.セルモイデア(Humicola grisea var. thermoidea)GSHE(配列番号3)に対する成熟アミノ酸配列を示す。 図3は、フミコ−ラグリセアGSHEをコ−ドする核酸の発現に用いられ且つ糸状菌発現ベクタ−にフランキングしているXba1部位を含む、pTrex3g_N13プラスミドの概略図である。このプラスミドにおいて、a)cbh1プロモ−タ−はトリコデルマレ−シセロビオハイドロラ−ゼのプロモ−タ−であり、b)フミコ−ラグリセアgla1は、配列番号3のフミコ−ラグリセアGSHEをコ−ドするポリヌクレオチドであり、c)amdsは、アスペルギルスニデュランス汗とアミラ−ゼダ−ゼマ−カ−遺伝子であり、及びd)cbh1タ−ミネ−タは、トリコデルマレ−シ(T.reesei)デロビオハイドロラ−ゼのタ−ミネ−タである。 図4Aは、図3のpTrex3g_N13プラスミドの核酸配列(配列番号4)(10739bp)を示す。 図4Bは、図3のpTrex3g_N13プラスミドの核酸配列(配列番号4)(10739bp)を示す。 図4Cは、図3のpTrex3g_N13プラスミドの核酸配列(配列番号4)(10739bp)を示す。 図4Dは、図3のpTrex3g_N13プラスミドの核酸配列(配列番号4)(10739bp)を示す。 図4Eは、図3のpTrex3g_N13プラスミドの核酸配列(配列番号4)(10739bp)を示す。 図5は、天然のアスペルギルスアワモリvar.カワチ顆粒デンプン加水分解酵素(A−GSHE)(配列番号5)のゲノムDNA配列を示す。 図6は、アスペルギルスアワモリvar.カワチGSHEの想定されるシグナル配列(太字及び下線で示す)及び成熟アミノ酸配列(それぞれ配列番号6及び配列番号7)を示す。 図7は、pH5.5、60℃で機能する可溶化されたコメデンプン割合(%)を示す。この図において、a)アルファアミラ−ゼ、0.1kg/MT G997におけるG−Zyme G997(---◇---);b)1.0GSHE単位/gにおける、トリコデルマレ−シ(T.reesei)において発現されたフミコ−ラグリセアv.セルモイデア(Humicola grisea var. thermoidea)顆粒デンプン加水分解酵素(---■---)及びc)両者の組み合わせ(---▲---)実施例2、表2、実施例4、表4及び実施例5、表5を参照のこと。

Claims (20)

  1. コメ基質からコメタンパク質濃縮物を製造する方法であって、
    a)可溶化されたデンプン分画及び不溶性タンパク質を含む残渣分画を得るために、コメ基質中の大半部分のデンプンを加水分解するのに十分な時間、72℃以下の温度及び3.0乃至6.5のpHにおいて、i)遺伝子組み換えにより異種のGSH酵素を発現させて得られた、顆粒デンプン加水分解(GSH)活性を有する酵素(rH−GSHE)及びii)アルファアミラ−ゼを用いて、コメ基質を酵素的に加水分解する工程と、
    b)コメタンパク質濃縮物を得るために、前記残渣から可溶化されたデンプン分画を分離する工程とを含む、方法。
  2. 前記rH−GSHEがグルコアミラ−ゼであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記グルコアミラ−ゼがフミコ−ラ(Humicola)、リゾプス(Rhizopus)、又はアスペルギルス(Aspergillus)株由来であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 前記アルファアミラ−ゼがバクテリア源由来であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 前記rH−GSHEがトリコデルマ(Trichoderma)株又はアスペルギルス(Aspergillus)株中における異種のGSH酵素の発現により得られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. 前記コメタンパク質濃縮物を精製する工程を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 前記コメタンパク質濃縮物を乾燥する工程を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  8. 前記コメタンパク質濃縮物のタンパク質含量が少なくとも20%であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 前記コメ基質がスラリ−であり、かつ10乃至55%の乾燥固形含量を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  10. 前記温度が70℃及び55℃の間であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  11. c)可溶化されたデンプン及び不溶性コメタンパク質を含む分画を得るために、rH−GSHE及びアルファアミラーゼを用いて、3.0乃至6.5のpH及び70℃乃至55℃の幅の温度において、工程b)で得られたコメタンパク質濃縮物を酵素的に加水分解する工程と、
    d)高純度コメタンパク質濃縮物を得るために前記分画を分離する工程とを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  12. 前記工程d)で得られた高純度コメタンパク質濃縮物を乾燥する工程を更に含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 前記高純度コメタンパク質濃縮物のタンパク質含量が少なくとも60%であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  14. 請求項1又は請求項11に記載の方法により得られたコメタンパク質濃縮物。
  15. 請求項1又は請求項11の方法に従って得られたコメタンパク質濃縮物を含む動物飼料製剤。
  16. 請求項1又は請求項11に記載の方法に従って得られたコメタンパク質濃縮物を含むヒト食品用製剤。
  17. 動物飼料のタンパク質含量を高める方法であって、
    a)コメ基質中にあるデンプンの60%を加水分解するのに十分な時間、72℃以下の温度で、アルファアミラーゼと遺伝子組み換えにより異種のGSH酵素を発現させて得られた、顆粒デンプン加水分解(GSH)活性を有する酵素(rH−GSHE)とを含む酵素の混合物にコメ基質を接触させる工程と、
    b)可溶化されたデンプン基質分画及び不溶性タンパク質を含む残渣を得る工程と、
    c)コメタンパク質濃縮物を得るために、前記残渣を分離する工程と、
    d)動物飼料に前記コメタンパク質濃縮物を添加する工程とを、含むことを特徴とする方法。
  18. 前記デンプン加水分解酵素がアルファアミラ−ゼであることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  19. 可溶化されたデンプンを含む分画及び不溶性コメタンパク質を含む残渣を得るために、工程d)において得られた残渣をrH−GSHE及び任意でアルファアミラーゼに接触させる工程と、
    高純度コメタンパク質濃縮物を得るために、前記残渣を分離する工程と、
    前記高純度コメタンパク質濃縮物を動物飼料に添加する工程とを更に含むことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  20. 請求項19の方法により得られた高純度コメタンパク質濃縮物を含む動物飼料。
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