JP4928138B2 - 光学顕微鏡用対物レンズ - Google Patents

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Description

本発明は、光学顕微鏡に係り、より詳細には、光学顕微鏡用の対物レンズに係る。
光学顕微鏡用の対物レンズは、一般に、図5に例示されている如く、対物胴24内に於いて、複数のレンズ要素20(レンズ群)が光軸Zの方向に沿って積層され、複数の鏡枠21(鏡枠群)により位置決めされた状態にて、即ち、「心出し」された状態にて保持されるよう構成されている。特に、高解像を得るべく、高い精度の「心出し」が要求される対物レンズの場合には、対物胴24にレンズ群20及び鏡枠群21を挿入しリング絞り22を対物胴24の後端開口部14に螺着させた後、心調整穴25から鏡枠をニードルで叩いて、心ズレを最小になるよう心調整される。かくして、光学心を厳しく調整した後、リング絞り22に締め付けトルクがかけられて、鏡枠群21に押圧力が与えられ、レンズ群20と鏡枠群21が強固に固定される。しかる後、光学顕微鏡のレボルバ(図示せず)に装着時の対物レンズの焦点位置を同焦点距離に合せるべく(同焦点調整)、対物胴24の胴付け面23が、切削加工機により切削される。
上記の対物レンズの同焦点調整に於ける切削加工に於いて、その際の振動や熱或いは環境温度の変化により、折角調整した対物レンズの光学心がずれてしまうことがある。そこで、かかる「心ずれ」を防止するために、リング絞り22を締め付けるトルクの設定を高くする、心調整穴25にシール剤を充填して内部の鏡枠群21を固定する、或いは、鏡枠21の外径部と対物胴24の内径との嵌合を厳しく設定するなどのことが行われている。また、特許文献1に記載されている如く、リング絞りの回転押圧力を直線押圧力に変換してレンズ群と鏡枠群を押圧する手段を設け、これにより、心出し調整されたレンズ群と鏡枠群とに押圧力を与えて心ずれを防止することが提案されている。
特開2000−89076
上記の心ずれを防止する方法又は手段は、期待される効果が十分に得られないことがあり、また、幾つかの不具合を生じることがある。
リング絞りの締め付けトルクを高く設定する場合に於いては、レンズ群及び鏡枠群に「心ずれ」を防止するために過不足なく押圧力を与えることが困難である。例えば、リング絞りと対物胴の後端開口部のねじ部の間の摩擦抵抗が大き過ぎると、かかる摩擦抵抗によりトルクが費やされ、仮にリング絞りにトルクが設定値通りに与えられていても、レンズ群及び鏡枠群に適当な押圧力を与えられず、心ずれが生じ易くなっている場合がある。他方、ねじ部間の摩擦抵抗が小さい場合には、対物胴内部の鏡枠群は、リング絞りにトルクが与えられることにより微小に変形されて保持されるところ、鏡枠群は実質的に殆ど弾性変形しない剛体であり、僅かな変位によって押圧力が大きく変動してしまうので、安定的にレンズ群及び鏡枠群に押圧力を与えることが困難である(実際、切削加工時に於いて、鏡枠群のずれが生じやすい。)。また、心ずれを確実に防止するべく、設定トルクを高くすると、場合によっては鏡枠を介してレンズ要素に応力が発生して歪を生じ、対物レンズの見えが悪化してしまう。
また更に、リング絞りを対物胴に螺着させ締め付ける際、リング絞りに隣接する鏡枠群が摩擦抵抗により回転してしまう場合がある。レンズ要素は、通常、微小に偏心して鏡枠群により保持されているので、鏡枠の回転により心ずれが生ずることとなる。この点に関し、特許文献1の構成では、リング絞りの回転押圧力を直線押圧力に変換する機構に於いて鏡枠の回転を阻止する手段が設けられているが、この機構では、部品点数が多く、それらの部品が場所を取るので、光学顕微鏡用の対物レンズの寸法に照らして必ずしも有利な手法ではない。鏡枠群の外径部と対物胴の内径との嵌合を厳しくすれば、鏡枠の回転と心ずれの防止が可能となるが、この場合、レンズ、鏡枠、対物胴に於いて非常に高い部品精度が要求され、また、レンズの鏡枠接着時に於ける偏心精度も非常に高いことが要求される。
一方、心調整穴にシール剤を充填する場合については、シール剤は、対物胴と鏡枠との嵌合部の全域に流れ込むわけではないので、一部の鏡枠の固定には有効な方法であるが、鏡枠群全体を完全にシールすること困難であり、シール剤を充填する方法により、心ズレを確実に防止することは難しい。また、流し込んだシール剤がレンズ要素にまで拡がってしまうことも有り得る。更に、対物のレンズの修理時、シール剤が鏡枠に付着しているので、対物レンズの分解作業が非常に煩わしいものとなる。
本発明によれば、簡単な構造にて、上記の如き不具合がなく、心出し調整後に於ける心ずれが防止され、見えの劣化が低減される機構又は手段を有する光学顕微鏡用の対物レンズが提供される。
本発明の光学顕微鏡用の対物レンズは、公知の対物レンズと同様に、光学顕微鏡本体に取り付けられる対物胴と、該対物胴の内部に嵌装された少なくとも一つのレンズ要素を含むレンズ群と、レンズ要素を保持する少なくとも一つの鏡枠と、対物胴に取り付けられ対物胴内にて鏡枠を保持するリング部材とを含み、更に、心出し調整後の心ずれを防止するための手段として、リング部材に当接する鏡枠を弾性的に押圧する手段が設けられる。なお、リング部材は、通常、リング絞りであるが、これに限定されない。
上記の説明から理解される如く、心出し調整後に心ずれが発生しないようにレンズ群及び鏡枠群に付与される押圧力は、レンズ要素に対物レンズの見えを劣化させるほどの過大な応力が発生しない程度で十分に大きくすることが望ましい。この点に関し、本発明では、リング部材に当接する鏡枠を弾性的に押圧する手段が設けられ、これにより、レンズ群及び鏡枠群が適度な押圧力にて常に組み付け方向に(対物レンズの概ね光軸方向に)押圧保持された状態が達成することが可能となる。同焦点調整のための切削加工時に振動や温度変化による対物レンズの構成要素の変位は、弾性的な押圧手段により吸収され、かくして、従前に比して、心出し調製後の心ずれが十分に防止できることとなる。
鏡枠を弾性的に押圧する手段の一つの態様としては、リング部材とそれに当接する前記鏡枠の間に介装され、鏡枠を押圧する弾性作用をもつ押圧部材、例えば、弾性変形可能な波型ワッシャーなどが用いられてよい。また、リング部材自体が鏡枠を押圧し保持する作用を有する弾性部材であってもよく、かかる構成は、例えば、リング部材の先端部にすり割りを形成することにより達成できる。或いは、リング部材の内部に、光軸方向に移動可能な少なくとも一つのプランジャを設け、そのプランジャにより鏡枠を押圧するようになっていてもよい。更に、例えば、リング部材にプランジャを配置する空間的余裕が無い場合には(そうでなくてもよいが)、リング部材に当接する鏡枠の端面にリング部材に向かって対物レンズの中心軸に漸近するテーパー部を形成し、鏡枠のテーパー部を光軸に対して垂直方向から押圧する少なくとも一つのプランジャを対物胴に配置し、そのプランジャにより鏡枠を押圧するようになっていてもよい(鏡枠のテーパー部を光軸に垂直方向に押圧すると、鏡枠が光軸方向に押圧される。)。なお、鏡枠を弾性的に押圧する手段がプランジャである場合、その弾性力が調節可能であれば、鏡枠へ与える押圧力が比較的自由に調節できるという利点が得られることは理解されるべきである。
かくして、上記の本発明の構成によれば、レンズ群と鏡枠群とを光軸方向に押圧する力が適度な大きさにすることが可能となるが、既に述べた如く、心出し調整後の心ずれは、リング部材を対物胴に取り付け若しくは螺着する際若しくは取り付けられたリング部材の締め付けトルク又は押圧力を増大する際の鏡枠の回転によっても生じ得る。また、切削加工時に於いても回転方向の振動変位が生ずる場合もある。そこで、上記の本発明に於いては、リング部材とそれに当接する鏡枠を弾性的に押圧する手段に、鏡枠の回転を阻止する機構が追加又は付加されていることが好ましい。
鏡枠の回転を阻止する機構としては、例えば、弾性変形可能な波型ワッシャーの如き、リング部材とそれに当接する鏡枠の間に介装され押圧部材が採用される場合には、押圧部材の外周部にガイド部を設けると伴に、対物胴の内部端面にガイド溝を設け、押圧部材がリング部材と鏡枠の間に介装される際にガイド部がガイド溝に挿入されるようにしてよい。この場合、リング部材の装着後、ガイド部とガイド溝との嵌合により押圧部材と対物胴との相対的な回転が阻止され、これにより、リング部材の回転が鏡枠に伝達することが阻止されることとなる。或いは、別の態様として、リング部材に当接する鏡枠にガイド溝を設け、対物胴の外径部から内径部方向に垂直に設けられた回り止め部材を鏡枠のガイド溝に挿入して、鏡枠と対物胴との回転を防止するようになっていてよい。また、リング部材が外周面にねじが切られ対物胴に螺着されるようになっており、リング部材に鏡枠を押圧する弾性作用を付与するべくすり割りが設けられている場合には、すり割りの方向をリング部材の先端部に螺刻されたねじ溝の方向とは逆方向の角度に設けると、リング部材が緩む方向に回転するとすり割りの端面が対物胴の内面に引っかかるので、これにより、リング部材の緩みを防止する作用を得ることができて有利である。更に、鏡枠のテーパー部を対物胴に配置されたプランジャが光軸に対して垂直方向から押圧する構成に於いて、鏡枠のテーパー部をプランジャが嵌合する溝状に形成すると、プランジャとの溝との係合により、鏡枠の押圧だけなく、鏡枠と対物胴との相対回転を阻止することも可能となる。
従前の心出し調整後の対物レンズの心ずれを防止するため手法は、対物レンズの製造者に高度に熟練した技術を要するものであった。例えば、従前のリング部材の締め付けトルクを高くする場合には、わずかなトルクの変動やずれが、レンズ群と鏡枠群に加わる押圧力に大きく影響を与え、或いは鏡枠の回転を引き起こすことになるので、締め付けトルクの調節が微妙であり且慎重に行う必要のある作業となっていた。また、シール剤で鏡枠を対物胴に固定する場合については、組み立てられた対物レンズの内部へのシール剤の注入は、レンズ要素を汚さないように慎重に行う必要があった。また更に、リング部材の締め付けが巧く行っても、対物レンズの心がずれ易い状態であるので、同焦点調整の切削工程も対物レンズに過大な振動や熱を与えないように注意深く行う必要がある。
これに対し、本発明に於いては、リング部材に当接する鏡枠を弾性的に押圧する手段を用いて、適度な押圧力にてレンズ群と鏡枠群を保持固定するようになっているので、シール剤等を用いる必要はなく、また、リング部材の締め付けトルクの変動は、押圧手段の弾性作用により吸収又は緩和されるので、トルクの調節が、従前に比して大幅に容易となる(製造者に要求される技術レベルも軽減される)。また、本発明の心出し調整後の対物レンズの心ずれを防止する機構は、その構造が比較的簡単であり、対物レンズの寸法及び部品点数を大幅に増大することもない。
かくして、本発明によれば、心出し調整後の対物レンズの心ずれを防止する処置を施す際に、従前に比して製造者の負担が大幅に軽減されて作業効率が改善され、また、心ずれの発生、見えの劣化が低減されることにより、対物レンズの組立製造の歩留まりも良くなるので、対物レンズの製造コストが低減されることとなる。本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。図中、同一の符号は、同一の部位を示す。
第一の実施形態
図1(A)及び(B)は、本発明による好ましい第一の実施形態である光学顕微鏡用の対物レンズの模式的な側面図(一部を破断して断面が示されている。)及び後端14側の平面図を示している。同図を参照して、対物レンズ10に於いては、公知の対物レンズ(図5参照)と同様に、対物胴24内にて、光軸Zの方向に沿って積層された心出し調整された複数のレンズ要素20から成るレンズ群が複数の鏡枠21から成る鏡枠群により所定の位置に保持された状態にて配列し、対物胴24の後端開口部14には、リング絞り(リング部材)22が螺着される。しかしながら、本発明の対物レンズでは、心出し調整後の心ずれを防止するべく、リング絞り22とそれと当接する鏡枠21との間には、弾性変形可能な波ワッシャー100が介装され、リング絞り22を締め付けることにより、波ワッシャー100から図中右端の鏡枠21を介して、レンズ群20及び鏡枠群21へ対物レンズの先端12へ向かって押圧力が作用するようになっている。
図1(C)及び(D)は、それぞれ、波ワッシャー100の例の平面図及び側面図を示しており、同図から理解される如く、波ワッシャー100は、その中心軸方向に波型に屈曲又は湾曲された状態となっている。また、波ワッシャー100には、その外周に於いて舌状のガイド部110が突出するよう設けられ、リング絞り22と鏡枠21との間に介装される際、対物胴24の後端開口部14に穿ったガイド溝27(図1(B)参照)に挿入されることとなる。
かくして、波ワッシャー100が、リング絞り22と鏡枠21との間にて挟持されて弾性的に圧縮されることにより、鏡枠21へ押圧力が常に作用し、振動や温度変化がリング絞り22及びその他の対物レンズの構成要素に伝わったとしても、鏡枠21へ押圧力が作用した状態で、変位が波ワッシャーに弾性的に吸収され(リング絞り22の螺着若しくは締め付けの程度の変動が回避されることとなる。)、心ずれの発生が防止できることとなる。また、リング絞り22が外れることをおそれてリング絞り22の締め付けトルクを必要以上に強くする必要がないため、鏡枠群21及びレンズ群20の変形や歪を極力抑えられることとなる。更に、波ワッシャー100のガイド部110が対物胴24のガイド溝27に挿入されていることにより、リング絞り22の螺着の際に鏡枠21が引きずられるなどして回転してしまうことが回避される。
なお、上記の実施形態に於いては、リング絞り22が対物胴24に対して螺着されるようになっているが、リング絞り22と対物胴24とはその他の方法により(例えば、スナップ嵌合など)、互いに係合されるようになっていてもよく、そのような場合も本発明の範囲に属すると理解されるべきである。
第二の実施形態
図2(A)には、本発明による好ましい第二の実施形態である光学顕微鏡用の対物レンズの模式的な側面図が示されている。本実施形態に於いても、第一の実施形態の波ワッシャー100と同様に、波ワッシャー200(図2(B)及び(C)がリング絞り22と鏡枠21との間に介装され、その弾性作用により、光軸Z方向に沿ってレンズ群20と鏡枠21に押圧力が与えられることとなる。また、本実施形態の場合、対物レンズの後端14に近い鏡枠21にガイド溝33が設けられると伴に、対物胴24には、タップ(ねじ孔)34が設けられて、そのタップ34を通ってビス26がガイド溝33に嵌合するよう構成される。ガイド溝33に嵌合されるビス26は、鏡枠21の回り止め部材として機能し、鏡枠21と対物胴24との相対回転が阻止する。ビス26はノックピン等の回転防止できる物なら何でもよい。かくして、第一の実施形態と同様に、レンズ群20と鏡枠21に安定的な押圧力が与えられるとともに、鏡枠の回転が阻止され、振動や温度変化に起因する心ずれの発生が防止されることとなる。
第三の実施形態
図3(A)は、本発明による好ましい第三の実施形態である光学顕微鏡用の対物レンズの模式的な側面図を示している。本実施形態に於いては、リング絞り22に当接する鏡枠21を弾性的に押圧する手段として、図3(B)又は(C)に示されている如く、リング絞り22の先端側部分36に少なくとも一つのすり割り38が切られ、これにより、リング絞り22が対物胴24に装着された際に、リング絞り22の先端側部分36が弾性的に圧縮可能となり、鏡枠群へ押圧力が与えられるよう構成される。なお、図示していないが、リング絞り22と鏡枠21との間に平ワッシャー又は波ワッシャー等の部材が介装されていてもよく、また、その際、第一又は第二の実施形態の如く、リング絞りの回転を阻止するべく、対物胴24又は鏡枠21にガイド溝が設けられ、ガイド付きワッシャー又は回転止めのビスが採用されてよい。
更に、図3(B)又は(C)を参照して、すり割り38を設ける際に、リング絞り22が対物胴24に螺着されるべく、リング絞り22の先端側部分36の外周面に矢印の方向へねじ溝が形成されている場合には、すり割りの方向は、好ましくは、ねじ溝の方向とは逆方向の角度に設けられてよい。この場合、リング絞り22を締め込む方向には、影響しないが、緩める方向に回転するとすり割りの端面39が対物胴の内面に引っかかるので、これにより、リング絞り22の緩みに抵抗することとなり、かくして、リング絞り22の緩み止めとして機能することとなる。
かくして、本実施形態によれば、リング絞り22の先端部36の弾性作用により、第一の実施形態と同様に、レンズ群20と鏡枠21に安定的な押圧力が与えられ、振動や温度変化に起因する心ずれの発生が防止されることとなる。なお、リング絞りの材料は、弾性作用をもつことができるものであればよく、金属だけでなく、樹脂等も好適に用いられる。
第四の実施形態
本発明の更に別の実施形態として、心出し調整後の心ずれを防止するために、プランジャを用いて、鏡枠を押圧し、対物レンズのレンズ群及び鏡枠群に適度な押圧力を付与されるようになっていてもよい。例えば、図4(A)に示されている如く、対物胴24に装着されるリング絞り22に於いて、概ね光軸方向に沿って小孔、好ましくは、ねじ孔29が穿孔され、その小孔にプランジャ(のバレル)28がリング絞り22に最も近い鏡枠21の一部に当接するよう配置される。プランジャ28は、内部に弾性ばね40が備えられ、弾性ばね40の作用により可動要素42が鏡枠21の面に対して所定の押圧力を与えることとなる。鏡枠21に当接する可動要素42は、好適には、ボール要素であり、この場合、リング絞り22を対物胴24に螺着する際に、ボール要素が自転するので、リング絞り22の回転に引きずられて鏡枠21が回転してしまうといったことが回避される。なお、図中、プランジャ28は、簡単のため、一つのみ示されているが、リング絞り22の周方向に任意に複数個のプランジャが設けられて良いことは理解されるべきである。
また、鏡枠21を押圧するプランジャ28は、図4Bに示されている如く、対物胴24を光軸に対して垂直方向に貫通して、リング絞り22に当接する鏡枠21を押圧するようになっていてもよい。この場合には、リング絞り22に当接する鏡枠21の側面に於いて、対物レンズの中心軸に漸近するテーパー部50を形成し、プランジャ28は、かかるテーパー部50を光軸に垂直方向に押圧することとなる。そうすると、光軸に垂直方向の押圧力は、光軸方向の押圧力に変換され、レンズ要素群20と鏡枠群21を光軸方向に押圧することとなる。また、鏡枠21を側方から押圧する成分により、鏡枠21の回転も防止することが可能となる。この点に関し、テーパー部は、鏡枠21の側面の全周に渡って形成されてもよいが(その場合、鏡枠21は、対物レンズの後端の方向に先細となる。)、テーパーの付けられた溝52として形成されてもよく(図4C、D参照)、その場合には、プランジャ28が溝52に嵌合することにより、鏡枠の回転をより確実に阻止することが可能となり、有利である。
かくして、図4に例示されたプランジャを用いた実施形態に於いても、第一の実施形態と同様に、レンズ群20と鏡枠21に安定的な押圧力が与えられ、振動や温度変化に起因する心ずれの発生が防止されることとなる。なお、プランジャを用いた場合、プランジャの弾性力の調節可能なものを採用すれば、レンズ群20と鏡枠21に付与される押圧力が容易に調節可能となり、非常に有利であることは理解されるべきである。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。
図1(A)は、本発明の光学顕微鏡用の対物レンズの第一の実施形態の側面図(一部破断して断面が示されている。)であり、図1(B)は、その後端側の平面図を示す。図1(C)及び(D)は、各々、(A)のガイド付きワッシャー100の平面図と側面図である。 図2(A)は、本発明の光学顕微鏡用の対物レンズの第二の実施形態の側面図(一部破断して断面が示されている。)であり、図2(B)及び(C)は、各々、(A)のワッシャー200の平面図と側面図である。 図3(A)は、本発明の光学顕微鏡用の対物レンズの第三の実施形態の側面図(一部破断して断面が示されている。)であり、図3(B)及び(C)は、各々、(A)のすり割り付きリング絞りの側面図の例である。図中、矢印は、ねじ溝の方向を示しており、角度を強調して示している。 図4(A)及び(B)は、各々、本発明の光学顕微鏡用の対物レンズのプランジャを用いた実施形態の側面図(一部破断して断面が示されている。)である。図4(C)及び(D)は、各々、(B)のテーパー溝を有する鏡枠の斜視図と対物レンズの後端側の平面図である。 従来の対物レンズの側面図である。
符号の説明
10…対物レンズ
20…レンズ要素
21…鏡枠
22…リング絞り
24…対物胴
26…回転止め用ビス
27…ガイド溝
28…プランジャ
33…ガイド溝
100…ガイド付き波ワッシャー
200…波ワッシャー

Claims (4)

  1. 光学顕微鏡用の対物レンズであって、光学顕微鏡本体に取り付けられる対物胴と、該対物胴の内部に嵌装された少なくとも一つのレンズ要素を含むレンズ群と、前記レンズ要素を保持する少なくとも一つの鏡枠と、前記対物胴に取り付けられ前記対物胴内に前記鏡枠を保持するリング部材とを含み、前記リング部材とそれに当接する前記鏡枠の間に前記鏡枠を押圧する弾性作用をもつ押圧部材が介装され、前記リング部材が取り付けられる前記対物胴の内部端面にガイド溝が設けられ、前記リング部材とそれに当接する前記鏡枠の間に介装されて前記鏡枠を押圧する弾性作用を有する押圧部材にして、その外周部に前記リング部材とそれに当接する前記鏡枠の間に介装される際に前記ガイド溝に挿入されるガイド部を有する押圧部材が設けられていることを特徴とする対物レンズ。
  2. 光学顕微鏡用の対物レンズであって、光学顕微鏡本体に取り付けられる対物胴と、該対物胴の内部に嵌装された少なくとも一つのレンズ要素を含むレンズ群と、前記レンズ要素を保持する少なくとも一つの鏡枠と、前記対物胴に取り付けられ前記対物胴内に前記鏡枠を保持するリング部材とを含み、前記リング部材が前記鏡枠を押圧し保持する作用を有する弾性部を有し、前記鏡枠を押圧するリング部材が前記対物胴に螺着され、前記弾性部が該リング部材の先端部に螺刻されたねじ溝の方向とは逆方向の角度を持った複数のすり割りであり、これにより、前記リング部材が前記鏡枠を押圧する弾性作用を有することを特徴とする対物レンズ。
  3. 光学顕微鏡用の対物レンズであって、光学顕微鏡本体に取り付けられる対物胴と、該対物胴の内部に嵌装された少なくとも一つのレンズ要素を含むレンズ群と、前記レンズ要素を保持する少なくとも一つの鏡枠と、前記対物胴に取り付けられ前記対物胴内に前記鏡枠を保持するリング部材とを含み、前記リング部材がその内部に前記鏡枠を弾性的に押圧する光軸方向に移動可能な少なくとも一つのプランジャを含んでいることを特徴とする対物レンズ。
  4. 光学顕微鏡用の対物レンズであって、光学顕微鏡本体に取り付けられる対物胴と、該対物胴の内部に嵌装された少なくとも一つのレンズ要素を含むレンズ群と、前記レンズ要素を保持する少なくとも一つの鏡枠と、前記対物胴に取り付けられ前記対物胴内に前記鏡枠を保持するリング部材とを含み、前記リング部材に当接する前記鏡枠の端面が前記リング部材に向かって前記対物レンズの中心軸に漸近するテーパー部を含み、前記対物胴に少なくとも一つの前記鏡枠のテーパー部を光軸に対して垂直方向から弾性的に押圧するプランジャが設けられていることを特徴とする対物レンズ。
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