JP4927816B2 - ラチェット式固定プレート - Google Patents

Description

様々な外科処置、特に脊椎融合処置後に脊椎の様々な部分を安定化するために、脊椎プレートが開発されてきた。従来型の脊椎固定プレートは通常、両端に１対の骨ねじの開口部を備えた単一の板の形をとる。内部に隣接する椎骨に融合させる骨移植片が配置される、脊柱内の穴を掘られた骨移植片の受け入れ部位の上にプレートが配置され、骨ねじを用いて適所に固定される。こうした従来技術の脊椎固定プレートは、互いに対して所定の距離をおいた骨移植片の受け入れ部位の両側で隣接する椎骨を固定する。

状況によっては先に論じられた固定プレートが適しているが、それらには特定の患者の要求に対する調整機能がないため、実際にはいくつかの困難も生じさせる。特に、そうした固定プレートはねじ穴同士の間隔があらかじめ決められているため、あらかじめ決められた長さを有している。したがって、特定の患者に対して異なる間隔を有する固定プレートが必要とされるときには、他の固定プレートを利用できるようにしなければならない。手術前に患者の特定の要求を知ることはできないため、これは必然的に、複数の大きさのプレートがすぐに使用できる在庫品として保有されなければならないことを意味する。これに応えていくつかの形の可変長の固定プレートが提案され、様々な程度の成果をもたらしている。可変長の装置は、外科医が手術中に装置の長さを調節し、次いでその長さを適切な係止機構によって固定することを可能にする。しかし可変長の装置を用いても、装置の全長は手術中に固定され、手術後は変化しない。

移植片が椎骨に融合するとき、ある期間にわたって骨移植片に圧縮をかけると有利になる可能性があることが認められている。先に論じられた従来型の固定長または可変長の脊椎プレートを使用すると、一般に外科処置中に得られた最初の圧縮を上回る骨移植片の圧縮は起こらない。したがって、脊椎固定に対する他の手法、有利には、骨移植片がある期間にわたって隣接する椎骨の間で徐々に圧縮を受けることを可能にする手法が依然として求められている。

本発明は、通常は脊椎固定に用いる骨固定装置および方法の様々な実施形態を対象としている。ある特定の実施形態は少なくとも、隣接する椎骨などの骨部分に固定されるように適合された第１および第２の骨プレート部材を使用する。骨プレート部材は、プレート部材が互いに向かって徐々に摺動前進することを可能にし、取り付け後はプレート部材が互いから離れる動きを制限するように構成される。例えば、一方の骨プレート部材に関連付けられたばね部材が、他方の骨プレート部材上の（１つまたは複数の）歯付き部分と係合するようにしてもよい。ばね部材は、第１および第２のプレート部材に接し、それらとは別個のものである、全体としてＵ字形のばね部材とすることができる。骨プレート部材はそれぞれ、互いに間隔をおいて配置され、他方の骨プレート部材上の対応する腕部によって係合される腕部を有することができる。腕部は雄／雌の関係で係合可能であり、雄の腕部の遠位部が対応する雌の腕部によって実質的に囲まれるようにすることができる。結合されると、腕部の中心線が実質的に一直線に並べられるようにしてもよい。

複数の制限された移動領域を有する、３つ以上の骨プレート部材が存在することもできる。適宜、これらの態様の様々な組み合わせが使用されてもよい。

本発明の一実施形態は、患者の脊柱の椎骨を固定するための骨プレート装置を対象としている。図１において全体として３０と示される装置の一実施形態は、雄の骨プレート４０、雌の骨プレート８０およびばね係止部材１００を含んでいる。図１では下部に配置された雄の骨プレート４０は、２つの腕部６０ａ、６０ｂおよびそれらの間の基部４２を備えた、全体としてＵ字形の本体を含んでいる。基部４２は固定用の骨ねじ５を受け入れるための２つの穴４４を含み、有利にはそれは座ぐりされてもよい。さらに基部４２は、骨ねじ５が完全に取り付けられた後、それらを適所に保持するように働く係止リングまたは他の装置（図示せず）を固定するための第３の穴４６を含むことができる。基部４２は上面４０Ｔ、および平らであるか、あるいは有利には、所望されるとおりに取り付け部位のオーソディックな（ｏｒｔｈｏｄｉｃ）曲線と一致するようにわずかに湾曲させることができる底面４０Ｂを有している。

腕部６０ａ、６０ｂは基部４２から延び、有利には骨プレート４０の中線のまわりに対称に配置されてもよく、中線は骨プレート装置３０全体の長手方向の軸線３２と一致していると有利である。さらに腕部６０ａ、６０ｂは、概念上の中心線６８ａ、６８ｂを有しており、これらの中心線は、互いに距離Ｄ_ＭＣをおいて配置され、一般に長手方向の軸線３２に平行に延びると有利である。長手方向の軸線３２に対して、腕部６０ａ、６０ｂはそれぞれ、内側の面６６および外側の面６７を有している。内側の面６６はそれぞれ、内部に複数の歯７２を有し、本明細書では歯付き部分７０ａ、７０ｂと呼ばれることがある部分７０ａ、７０ｂを含んでいる。歯付き部分７０ａ、７０ｂの歯７２は、一般に長手方向の軸線３２に対して垂直に配置された、全体として平らな近位面７４、および外側へ傾斜した遠位面７５を備えた非対称な外形を有していると有利である。理解されるように、こうした歯付き部分７０ａ、７０ｂは、腕部６０ａ、６０ｂの遠位端部から近位側に配置されてもよい。腕部６０ａ、６０ｂは、基部４２に近接する部分６２ではより厚く、基部４２から遠位の部分６４ではより薄いなど厚さが一定でなくてもよく、厚さの変化するところには任意選択の肩部６３が形成される。腕部６０ａ、６０ｂの歯付き部分７０ａ、７０ｂに近接するところから遠位側へその先端まで延びる部分は、均一な厚さを有していると有利である。腕部の内側の面６６は、Ｕ字形全体の内側中央部に相当する基部４２の湾曲部４３によって結合されると有利である。

図１では上部に配置された雌の骨プレート８０は、２つの腕部９０ａ、９０ｂおよびそれらの間の基部８２を備えた、全体としてＵ字形の本体を含んでいる。基部８２は骨ねじ５を受け入れるための２つの穴８４を含み、有利にはそれは座ぐりされてもよい。さらに基部８２は、骨ねじ５が完全に取り付けられた後、それらを適所に保持するように働く係止リングまたは他の装置（図示せず）を固定するための第３の穴８６を含むことができる。基部８２は平坦な上面８０Ｔ、および平らであるか、あるいは有利には、所望されるとおりに取り付け部位のオーソディックな曲線と一致するようにわずかに湾曲させることができる底面８０Ｂを有している。腕部９０ａ、９０ｂは基部８２から延び、有利には上部の骨プレート８０の中線のまわりに対称に配置されてもよく、中線は骨プレート装置３０全体の長手方向の軸線３２と一致していると有利である。さらに腕部９０ａ、９０ｂは、概念上の中心線９８ａ、９８ｂを有しており、これらの中心線は、互いに距離Ｄ_ＦＣをおいて配置され、一般に長手方向の軸線３２に平行に延びると有利である。腕部９０ａ、９０ｂはそれぞれ、雄の骨プレート４０の対応する腕部６０ａ、６０ｂの遠位部６４を受け入れるためのものであり、したがって一般に断面の形がそれと一致する区画（ベイ、格間、湾状部）９２を含んでいる。長手方向の軸線３２に対して、腕部９０ａ、９０ｂはそれぞれ、内側の面９０_ＳＩおよび外側の面９０_ＳＯを有している。さらに腕部９０ａ、９０ｂはそれぞれ、上面９０Ｔおよび底面９０Ｂを有し、それらは基部８２の上面および底面８０Ｔ、８０Ｂの形を継続していると有利である。内側の面９０_ＳＩに、一方の腕部９０ａに沿って基部８２の遠位の曲面８３を横切り、さらに他方の腕部９０ｂに沿って延びる溝９４が形成されてもよい。溝９４の各端部の近くでは、小さい通路９３が溝９４を対応する区画９２に接続する。必要であれば、上面９０Ｔは、溝９４の末端に近接し、長手方向の軸線３２から外側へ短い距離だけ延びる切欠部９６を含むことができる。以下にさらに詳しく論じられるように、溝９４はばね係止部材１００を受け入れるためのものである。有利には、腕部９０ａ、９０ｂは、厚さが上部の骨プレート８０の基部８２の厚さに一致するなど、比較的均一な厚さを有することができる。さらに、腕部９０ａ、９０ｂの内側の面９０_ＳＩが、下部の骨プレート４０の歯付き部分７０ａ、７０ｂを隔てる距離Ｄ_Ｔより小さい、距離Ｄ_ＳＩだけ離れて配置されると有利であることに留意すべきである。

ばね係止部材１００、または単にばね部材は、全体としてＵ字形であり、Ｕ字形の各端部でそれぞれの歯止めのかかり部（バーブ）１０２ａ、１０２ｂが長手方向の軸線３２から外側へ延びていると有利である。必要であれば柔軟性を付加するために、ばね部材１００の材料がＵ字形の遠位部に向かって次第に細くなるようにしてもよい。歯止めのかかり部１０２ａ、１０２ｂ、または単に歯止めはそれぞれ、長手方向の軸線３２に対して垂直に延びる、全体として平らな近位面１０４、およびばね部材１００の近位側に対して外側後方へ傾けられた傾斜遠位面１０５を備えた非対称の外形を有していると有利である。

ばね部材１００は、ばね部材１００を溝９４に挿入することによって雌の骨プレート８０に合わせられ、かかり部１０２ａ、１０２ｂは外側を向くようになる。溝９４の末端部に近接する任意選択の切欠部（ノッチ）９６は、かかり部１０２ａ、１０２ｂを適切に設置することを助ける。かかり部１０２ａ、１０２ｂの先端は、通路９３を通って対応する区画９２内へ延びるように企図されていることに留意すべきである。ばね部材１００の固有のばね力が、かかり部１０２ａ、１０２ｂが適所に入ることを促す。したがって、本来の拘束を受けていない状態のときに、ばね部材１００がわずかに平らなＵ字形を有していると有利になる可能性があるが、上部の骨プレート８０との相互作用によって（すなわち溝９４に抑制されることによって）、より狭いＵ字形をとることが必要とされる可能性もある。

ばね部材１００が適所にある場合、雄の骨プレート４０の腕部６０ａ、６０ｂは、雌の骨プレート８０の腕部９０ａ、９０ｂの区画９２に挿入される。２つの骨プレート４０、８０は、相互に進退運動させることができるように、この点である程度緩く連結されると有利である。そうした条件は、例えばばね部材１００の歯止め１０２ａ、１０２ｂが歯付き部分７０ａ、７０ｂから遠位側に腕部６０ａ、６０ｂの内側の面６６に接することによって得られる。参照しやすいように、この構成は事前取り付け構成と呼ばれることがある。骨プレート装置３０は、製造業者からこの事前取り付け構成で出荷されてもよく、あるいは骨プレート装置３０は、出荷後、手術前または手術中にこの構成に組み立てられてもよい。

使用時には、周知の任意の形で手術部位が開かれ、準備が行われる。骨移植インプラントが適所に配置された直後など処置中の適時に、骨ねじ５および穴４４、８４を用いて骨プレート４０、８０をそのそれぞれの椎骨Ｖ１、Ｖ２に固定することによって、骨プレート装置３０が取り付けられる。取り付け中、骨プレート４０、８０を相互に摺動させることによって、骨プレート装置３０の長さを調整することができる。取り付け中、ばね部材１００の歯止め１０２ａ、１０２ｂが、最遠位の歯７２など歯付き部分７０ａ、７０ｂの一部の歯７２と係合するように、骨プレート４０、８０が互いに向かって移動されると有利である。参照しやすいように、この構成は部分的係合構成と呼ばれることがある。

この部分的係合構成では、骨プレート４０、８０は、歯止め１０２ａ、１０２ｂと歯付き部分７０ａ、７０ｂの係合によって、離れるように移動する能力を制限される。しかし骨プレート４０、８０は、歯止め１０２ａ、１０２ｂおよび歯７２の傾斜した面７５、１０５の相互作用によって、徐々に歯止めする形で互いに近づくように移動させることができる。この前方への移動または接近する移動の間、歯止め１０２ａ、１０２ｂに近接するばね部材１００の端部は、次の歯７２を通過するまで長手方向の軸線３２に向かって内側に偏向され、通過した時点で増加分の移動を「閉じ込める」ように、ばね部材１００の固有のばね力が歯止め１０２ａ、１０２ｂを外側へ押しやる。したがって外科医は、手術部位を閉じる前に骨プレート装置３０を所望の初期長さに調整することができる。

手術後、前述の骨プレート装置３０は増分的に縮み続けることができる（すなわち、骨プレート４０、８０の近位部４４、８８は互いに向かって移動することができる）が、その延びる能力は限られており、それによって骨移植片の適切な圧縮を確保することを助ける。もちろん、骨プレート装置３０が縮み続けると、骨プレート４０、８０はある時点で、互いに向かう移動が最大になる点に達する。例えば、腕部９０ａ、９０ｂの先端が、腕部６０ａ、６０ｂ上に形成され、そこで腕部６０ａ、６０ｂの厚さが変化する肩部６３に接することを可能にし、それによって骨プレート装置３０がそれ以上縮むことを防ぐようにする。参照しやすいように、この構成は完全係合構成と呼ばれることがある。

図３において理解されるように、腕部６０ａ、６０ｂが腕部９０ａ、９０ｂと係合する場合、「雌の」腕部９０ａ、９０ｂが、「雄の」腕部６０ａ、６０ｂよりも長手方向の軸線３２に向かってさらに内側へ延びていると有利であり、またその対応する腕部６０ａ、６０ｂの中央線６８ａ、６８ｂよりも長手方向の軸線３２からさらに外側へ離れるように延びていると有利である。一部の実施形態では、有利には腕部９０ａ、９０ｂはその対応する腕部６０ａ、６０ｂと少なくとも同程度に外側へ、また任意選択でさらに外側へ延びることができる。実際には一部の実施形態において、雌の腕部９０ａ、９０ｂは、実質的に雄の腕部６０ａ、６０ｂの遠位部６４の周囲を囲むことができる。さらに、一部の実施形態では、腕部９０ａ、９０ｂの中心線９８ａ、９８ｂの間の距離Ｄ_ＦＣが、腕部６０ａ、６０ｂの中心線６８ａ、６８ｂに関連付けられた距離Ｄ_ＭＣとほぼ等しいと有利であることに留意すべきである。すべての実施形態に必要とされるわけではないが、先に論じられた腕部６０ａ、６０ｂ、９０ａ、９０ｂの有利な間隔および／または全体的な並びは、骨プレート４０、８０の湾曲部４３、８３が、骨プレート装置３０を貫通する、全体として楕円形の可視化口３４を画定することを助けることを可能にし、それによって、外科医が椎骨Ｖ１、Ｖ２の間の骨移植片を容易に見ることができるようになる。事前取り付け構成、部分的係合構成および完全係合構成では、可視化口３４が存在すると有利である。長手方向の軸線３２に沿ったものなど、一般に２つの曲面４３、８３を接続する理論上の線を横切る方向の可視化口３４の幅Ｗ_Ｏは、同じ方向の歯付き部分７０ａ、７０ｂの間の距離Ｄ_Ｔにほぼ等しいと有利である。

一部の実施形態では、ばね部材１００は、骨ねじ５が完全に取り付けられた後、それらを保持するように働く追加の近位部を有することができる。必要であれば、この追加部分は、分割された円に近い２つの湾曲した指状突起１０８の形をとることができる。指状突起１０８は、骨プレート８０の近位部８２の適切な凹部内にとどまることができ、骨ねじ５が取り付けられるときには内側へ曲がるが、骨プレート８０と共に骨ねじ５を保持するように外へ跳ね返り、骨ねじ５が完全に取り付けられた後にはそれらの緩みを防止することを助ける。したがって、骨ねじ５がその頭部に小さい円周方向の肩部を含むと有利になる可能性がある。緩みとは、患者に取り付けられる間に骨ねじ５が偶然に外れること、またはかなり緩むことを指し、例えば外科医によって骨ねじ５を意図的に緩めること、および／または取り外すことは緩みとはみなされない。他の実施形態では、歯止め１０２ａ、１０２ｂに近接するばね部材１００の端部は、任意選択で小さい穴１１２を含むことが可能な内側に延びる小さいタブ１１０を含むことができる。骨プレート４０、８０を意図的に離れるように伸ばすことが必要とされる場合には、穴１１２を通って延びる適切な保持リングの曲げ具（ペンチ、プライヤ）を用いるなど、そうしたタブ１１０で内側に引くことによって歯止め１０２ａ、１０２ｂを解放する。あるいは、一部の実施形態は、切欠部９６および／または通路９３に適切な工具を挿入することによって、歯止め１０２ａ、１０２ｂを解放することができる。さらに他の実施形態では、ばね部材１００の脚部は、歯止め１０２ａ、１０２ｂよりもＵの基部の近くに配置された、外側へ突出した小さな隆起１１４を含むことができ、それは腕部９０ａ、９０ｂの対応する窪み（図示せず）の中にとどまることによって、骨プレート８０と共にばね部材１００を保持することを助ける。

一部の実施形態では、骨プレート４０、８０の間の相互接続はさらに、骨プレート４０、８０の摺動移動を案内することを助ける相互係合用のレール６５および長細穴（スロット）９５を含むことができる。この場合には、骨プレート４０の腕部６０ａ、６０ｂの遠位部６４は、一般に軸線３２に平行に延び、有利には中心線６８ａ、６８ｂに沿って配置されるレール６５を含むことができる。このレール６５は、骨プレート８０の腕部９０ａ、９０ｂ内の対応する長細穴９５と噛み合う。あるいは、レール６５および長細穴９５の位置を反対にすることができる。

先に論じられた歯付き部分７０ａ、７０ｂの歯７２は、１つの歯７２の基部７６が隣接する歯７２の基部７６に接した状態で、規則正しい間隔をおいて本質的に接触して配置されると想定されてきた。しかし、そうした配置がすべての実施形態に必要とされるわけではない。一部の実施形態では、隣接する歯７２の基部７６の間に有意なスペース７８が存在するように、歯７２がある程度の間隔をおいて配置されてもよい。図１１を参照されたい。ばね部材１００の歯止め１０２ａ、１０２ｂがこのスペース７８の中に配置されると、骨プレート４０、８０は相互に、前方にも後方にもある限られたわずかな量だけ移動することができるようになる。そうした配置の場合、別の方法では骨プレート装置３０を次のより短い増分に対して歯止めをすることになるであろう患者によるわずかな動きが、そうした歯止めをすることなく許容される。そうしたスペース７８は、歯７２の基部７６の大きさより大きくならないように制限されてもよく、したがって実際には、歯付き部分７０ａ、７０ｂは、歯７２が１つおきに除かれた外観を有している。異なる歯付き部分７０ａ、７０ｂの上に互い違いに配置した歯７２、歯７２に対して湾曲した外形など、他の歯の外形および／または（１つまたは複数の）歯の構成も可能である。これまでの記述は隣接する２つの椎骨Ｖ１、Ｖ２を固定するための２つの骨プレート４０、８０を有する骨プレート装置３０に関するものであった。しかし、骨プレート装置３０の一部の実施形態は、３つ以上の椎骨を一緒に固定するためにより多くの骨プレートを有することができる。

例えば図１２〜１４の多段式骨プレート装置３０’は、隣接する３つの椎骨Ｖ１、Ｖ２、Ｖ３を固定するために３つの骨プレートを有している。２つの骨プレート、すなわち上部および下部の骨プレート８０’、８０’’は、骨プレート８０について前述したようなものとすることができる。他の骨プレート、すなわち中央の骨プレート１２０は、前述の骨プレート４０とある程度類似したものとすることができるが、各端部に２つずつ、４つの腕部６０’を備えている。したがって、そうした実施形態の中央の骨プレート１２０は、４つの対応する歯付き部分７０’を備えた４つの腕部６０’、および２つの湾曲部４３’を有している。そうした骨プレート１２０では、「近位」および「遠位」という用語は骨プレート装置３０’全体の長手方向の軸線３２’に垂直なその中線に対するものである。さらにそうした装置３０’は、先に論じられたばね部材１００と類似した２つのばね部材１００’を有することができる。そうした構成では、上部および下部の骨プレート８０’、８０’’は、骨プレート装置３０’の長手方向の軸線３２’に沿って、一般に相対する方向から中央の骨プレート１２０へ向かって移動する。そうした多段式装置を用いるには、上部の骨プレート８０’が上部の椎骨Ｖ１に固定され、中央の骨プレート１２０が中間の椎骨Ｖ３に固定され、下部の骨プレート８０’’が下部の椎骨Ｖ２に固定される。そうした装置３０’の取り付け、および動作を制限する動きは、実質的に前述のとおりである。

本発明の範囲から逸脱することなく、先に論じられた実施形態の雄／雌の関係を反対にすることが可能であることを理解すべきである。例えば、多段式骨プレート装置の他の実施形態が図１６に示されている。この多段式骨プレート装置３０’’の実施形態は、直前に述べられたものと類似しているが、中央の骨プレート１２０’と下部の骨プレート４０’の間の接続について、雄／雌の関係が反対になっている。したがって、中央の骨プレート１２０’は、上部の骨プレート８０’に向かって延びる（腕部６０ａ、６０ｂに似た）２つの雄の腕部、および下部の骨プレート４０’に向かって延びる（腕部９０ａ、９０ｂに似た）２つの雌の腕部を有している。

骨プレート４０、４０’、８０、８０’、８０’’、およびばね部材１００、１００’は、かなりの期間にわたる動物の身体内での使用に適合した任意の材料、すなわちチタン、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）などの材料から製造されてもよい。あるいは、生体吸収性かつ／または再吸収性の材料が用いられてもよい。

骨プレート装置３０、３０’、３０’’の様々な実施形態は、制限なしに脊柱の頚部、胸部および腰部の前方または側方の位置を含めた、動物の身体内の様々な位置で使用され得る。

本発明の範囲および本質的な特徴から逸脱することなく、本明細書において述べられた実施形態以外の他の特定の方法で、本発明の他の実施形態が実施されてもよい。「上部」、「下部」、「内部」、「外部」などの用語は、様々な要素の相対的な位置付けを記述するための用語であり、一般的な意味で用いられる。したがって本発明の実施形態は、すべての点で例示的かつ非限定的であると考えられるべきであり、添付の特許請求の範囲の趣旨および同等な範囲内にある変更はすべて、その中に包含されるものである。

脊柱の頚部に取り付けられた本発明の一実施形態を示す図である。 脊柱の胸部および／または腰部に取り付けられた本発明の一実施形態を示す図である。 本発明の一実施形態による骨プレート装置の分解図である。 図３の骨プレート装置を部分的係合構成として示す図である。 「雌の」骨プレート部分の一実施形態を示す図である。 「雄の」骨プレート部分の一実施形態を示す図である。 ばね部材の一実施形態を示す図である。 ばね部材の他の実施形態を示す図である。 ばね部材のさらに他の実施形態を示す図である。 案内レールおよび長細穴を有する、本発明の他の実施形態による他の骨プレート装置を示す図である。 本発明の一実施形態による歯付き部分の拡大図である。 多段式骨プレート装置の一実施形態の分解図である。 多段式骨プレート装置の他の実施形態の分解図である。 組み立てられた状態の図１３の装置を示す図である。 図１３の骨プレート装置の実施形態における使用に適した、「雌の」骨プレート部分の一実施形態を示す図である。 図１２の実施形態に対して雄／雌の関係を反対にする一手法を示す、多段式骨プレート装置のさらに他の実施形態の分解図である。

Claims (3)

1. 骨プレート装置において、
   骨に固定されるように適合された第１のプレート部材と、
   骨に固定されるように適合され、かつ前記第１のプレート部材に結合される第２のプレート部材と、
   前記骨プレート装置を貫通する可視化口と、を備えており、
   前記第１のプレート部材が、当該第１のプレート部材の上に第１および第２の歯付き部分を有し、前記第１および第２の歯付き部分が、前記骨プレート装置の長手方向の軸線の両側に配置され、前記歯付き部分のそれぞれが複数の歯を備え、
   ばね部材が、前記第２のプレート部材と係合し、かつ前記第１および第２の歯付き部分と変位可能に係合しており、
   前記ばね部材と前記両歯付き部分との係合が、前記プレート部材が互いに向かって徐々に摺動前進することを可能にし、かつ前記プレート部材が互いから離れる動きを制限し、
   前記第２のプレート部材は、前記ばね部材を収容するために前記可視化口内にある溝を備える、骨プレート装置。
2. 前記ばね部材が、全体としてＵ字形のばね部材を含み、前記Ｕ字形のばね部材は、前記第１および第２のプレート部材に接し、前記第１および第２のプレート部材とは別個のものである、請求項１に記載の装置。
3. 骨プレート装置において、
   骨に固定されるように適合される第１のプレート部材であって、当該第１のプレート部材が第１および第２の腕部を有し、当該第１および第２の腕部が、互いに間隔がおかれて、前記骨プレート装置の長手方向の軸線の両側に配置され、前記第１および第２の腕部のそれぞれが関連付けられた中心線を有し、前記第１および第２の腕部のそれぞれが、前記軸線に対して内側の面を有し、当該内側の面が、第１および第２の歯付き部分を前記内側の面上にそれぞれ有し、前記歯付き部分のそれぞれが複数の歯を備える、第１のプレート部材と、
   骨に固定されるように適合され、かつ前記第１のプレート部材に結合される第２のプレート部材であって、当該第２のプレート部材が、前記第１のプレート部材に向かって延びる第３および第４の腕部を有し、前記第３の腕部が前記第１の腕部と係合し、前記第４の腕部が前記第２の腕部と係合する、第２のプレート部材と、
   前記第２のプレート部材と係合し、かつ前記第１および第２の歯付き部分と変位可能に係合するばね部材と、
   前記骨プレート装置を貫通する可視化口と、を備えており、
   前記第３の腕部が、前記第１の腕部よりも前記軸線に対してさらに内側へ延び、かつ前記第３の腕部が、前記第１の腕部の前記中心線よりも前記軸線からさらに外側へ離れるように延び、
   前記歯付き部分が係止機構の一部を形成し、当該係止機構が、前記プレート部材が互いに向かって徐々に摺動前進することを可能にし、かつ前記係止機構が、前記プレート部材の互いから離れる動きを制限し、
   前記第２のプレート部材は、前記ばね部材を収容するために前記可視化口内にある溝を備える、骨プレート装置。

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