JP4926733B2 - 免震建造物の風揺れ防止装置 - Google Patents

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Description

この発明は、免震構造物の風揺れ防止装置に関し、さらに詳細には、免震支承が設置された建物などが強風で揺れるのを防止する一方、地震時には防止を解除して免震機能を働かせる風揺れ防止装置に関する。
近年、建物の地震対策が急務とされ、耐震、制震及び免震の各技術が開発されている。これら対策技術のうち、免震による方法は、建物(上部構造)と基礎(下部構造)との間に積層ゴム支承などからなる免震装置を介在させ、地震による振動を長周期化して建物に伝達する方法である。この免震装置は基礎と建物を剛結するものではなく、このため、強風時には建物に揺れを生じることになる。
免震建物における風揺れ防止装置は、従来、種々提案されている。例えば、特許文献1には、建物及び基礎に、それぞれ風揺れを検出するセンサ及び地震動を検出するセンサを設けるとともに、アクチュエータの作動により建物と基礎とをロックするロック機構を設け、風揺れセンサ及び地震センサの検出値に基いてアクチュエータの作動を制御することにより、風揺れを防止する技術が開示されている。
また、特許文献2には建物と基礎とを油圧シリンダで連結するとともに、その油圧回路に開閉弁を設け、地震センサの検知信号に基いて開閉弁の開閉を制御することにより、風揺れを防止する技術が開示されている。
しかしながら、上記従来技術は、いずれも電気的な制御によってアクチュエータ等の作動を制御するものであるので、設置費用が高価になるだけでなく、トラブルが発生しやすく、またメンテナンスも複雑になるという問題がある。
特開2000−192687号公報 特開2004−211357号公報
この発明は上記のような技術的背景に基づいてなされたものであって、次の目的を達成するものである。
この発明の目的は、電気的な制御によることなく、常時においては上部構造を拘束して風揺れを防止し、地震時には拘束を解除して免震機能を発揮させることができる風揺れ防止装置を提供することにある。
この発明は上記課題を達成するために、次のような手段を採用している。
すなわち、この発明は、上部構造と下部構造との間に設置される免震構造物の風揺れ防止装置であって、
前記上部構造と前記下部構造との間に鉛直方向に設置され、これら上下部構造を連結して上部構造の水平変位を拘束するストッパ軸と、
前記上部構造に設けられ、前記ストッパ軸の上端部が鉛直方向に移動自在に嵌合される軸受部材を有する上部構造側連結機構と、
前記下部構造に設けられ、前記ストッパ軸の中間部が鉛直方向に移動自在に嵌合される軸受部材を有する下部構造側連結機構と、
前記下部構造に支持機構を介して水平方向に移動自在に設けられた可動ウェイト板と、
前記可動ウェイト板上に載置され、前記ストッパ軸の下降を阻止する球体と
を備えてなる免震構造物の風揺れ防止装置にある。
より具体的には、前記上部構造側連結機構の軸受部材は、その嵌合穴の下部が下方に向かって径が大となるテーパ穴となっている。また、前記可動ウェイト板は上下面がそれぞれ凹状球面及び凸状球面をなし、前記支持機構は同一円周上に配置されて前記凸状球面を支持する複数の支持ローラを有している。
前記上部構造側連結機構は、前記上部構造に固定されるベースプレートと、このベースプレートに固定され、下部内周にフランジを有する押さえリングと、この押さえリングの内周に嵌合され、上部外周に該押さえリングの前記フランジに係合するフランジを有する外周リングと、この外周リングの内周に嵌合され、上部外周に該外周リングの上端に係合するフランジを有し、かつ前記ストッパ軸の上端部が嵌合される前記軸受部材を構成する内周リングとを備え、
前記外周リング及び内周リングの各嵌合穴は、それぞれのリングの中心に対して同じ偏心距離をもって偏心している。そして、前記外周リングは下端部が前記押さえリングから突出し、また内周リングは下端部が前記外周リングから突出し、これらリングの突出端部外周に該リングを回転させるためのハンドルが水平に設けられている。
前記下部構造側連結機構は、前記下部構造に固定されるベースプレートと、このベースプレートに固定される筒状ボックスと、この筒状ボックスの上部内方に固定され、前記ストッパ軸の中間部が嵌合される前記軸受部材とを備え、
前記筒状ボックス内方の前記ベースプレート上に前記可動ウェイト板及びその支持機構が設置されている。そして、前記ストッパ軸は、前記軸受部材の上端面から前記球体の直径よりも小さな距離だけ離れた上方位置に、該軸受部材に係合可能な段付き部を有している。
また、前記ストッパ軸は、前記軸受部材の下方位置に180度の角度間隔を置いた1対のアームが水平に設けられ、これらのアームは前記筒状ボックスに鉛直方向に設けられた長穴を通って筒状ボックス外方に突出し、前記ベースプレート上には前記アームを介して前記ストッパ軸を上昇させるためのジャッキが設置されている。
前記ストッパ軸を上昇させる手段は、前記アーム及びジャッキによるものに代えて、次の構造を採用することもできる。すなわち、前記ストッパ軸は、前記軸受部材に嵌合される部分の外周に螺旋状の案内溝が形成され、前記軸受部材及び前記筒状ボックスにはこれらに設けられた穴に水平方向に移動自在に挿通されて、先端部が前記案内溝に係合可能なロッドが設けられ、前記ストッパ軸の上部には前記ロッド先端部が前記案内溝に係合した状態で、該ストッパ軸を回転させることによって上昇させるためのハンドルが設けられている。
前記ストッパ軸を自動的に上昇させ復帰させる手段を採用することもできる。すなわち、前記下部構造側連結機構の前記軸受部材は、内部に液体が封入されたシリンダからなり、
このシリンダ内部には前記ストッパ軸の外周に設けられて、シリンダ内部を上下室に区画するピストンと、このピストンを上方に向けて付勢する付勢部材とが配置され、
前記ピストンには前記上下室間を連通するオリフィスが設けられている。より具体的に、前記オリフィスは、大径オリフィスと小径オリフィスとからなり、大径オリフィスには下室から上室への流通のみを許すチェックバルブが設けられている。
この発明によれば、常時においてはストッパ軸によって上部構造の水平変位が拘束されるので、風揺れを防止することができる。他方、地震時においては可動ウェイト板が慣性力によって水平移動してストッパ軸の下降を阻止していた球体が転動するので、ストッパ軸が下降して上部構造の拘束が解除され、免震支承を働かせることができる。このように、部材の力学的な挙動によってのみ、上部構造の拘束・解除を制御できる装置であるので、設置費用が安価で済み、トラブルも少なく、またメンテナンスも容易である。
この発明の実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。図1〜図5はこの発明の実施形態を示し、図1は鉛直方向断面図、図2は図1のA−A線矢視断面図、図3は図1のB−B線矢視断面図、図4は図1のC−C線矢視断面図、図5は図1のD−D線矢視平面図である。
風揺れ防止装置は、建物などの上部構造2と基礎などの下部構造3とを連結するストッパ軸1と、このストッパ軸1を上下部構造2,3にそれぞれ連結する上部構造側連結機構4及び下部構造側連結機構5とを備えている。
ストッパ軸1は、上下部構造2,3間に鉛直方向に配置され、上端部が段付き部6を介して大径部7となっている。この大径部7は外周に先端に向けて径が小さくなるテーパ面8を有している。ストッパ軸1の下端部は外周に先端に向けて径が小さくなるテーパ面9を有し、先端は平坦面10となっている。
上部構造側連結機構4は、上部構造2の下面に固定されるベースプレート15と、押さえリング11と、この押さえリング11内に収容される外周リング12及び内周リング13とからなっている。押さえリング11は複数のボルト14によりベースプレート15に固定され、下部内周にはフランジ16が設けられている。外周リング12は押さえリング11の内周に嵌合され、上部外周には押さえリング11のフランジ16に係合するフランジ17が設けられている。内周リング13は外周リング12の内周に嵌合され、上部外周には外周リング12の上端に係合するフランジ18が設けられている。この内周リング13はストッパ軸1の上端大径部7が嵌合される軸受部材を構成している。内周リング13のの嵌合穴19は、その下部が大径部7のテーパ面8に対応して、下方に向けて径が大となるテーパ穴20となっている。
そして、図2に示すように、外周リング12及び内周リング13の各嵌合穴21,19は、それぞれのリングの中心から偏心し、その偏心距離は同じものとなっている。したがって、外周及び内周リング12,13を回転させると、内周リング13の嵌合穴19の位置を、押さえリング11と同心となる中心位置から、所定距離離れた円弧内の位置に移動させることができる。外周リング12は下端部が押さえリング11から突出し、また内周リング13は下端部が外周リング12から突出し、これらの突出部外周にリング12,13を回転させるためのハンドル22,23が、互いに干渉しないように水平に設けられている。
下部構造側連結機構5は、下部構造3に固定されるベースプレート25と、筒状ボックス26とを備えている。筒状ボックス26は、この実施形態では円筒形をなし、下端部に取付けフランジ27を有している。この取付けフランジ27はボルト28によりベースプレート25に固定されている。筒状ボックス26の上部内方には、筒状ボックス26と同軸となるように軸受部材29が2枚のリングプレート30を介して固定されている。この軸受部材29の内周によって規定される嵌合穴31にストッパ軸1の中間部が嵌合される。
筒状ボックス26の下部内方には可動ウェイト板32と、この可動ウェイト板32を支持する支持機構33とが設置されている。可動ウェイト板32は円形のもので、質量が大きな慣性質量体である。この可動ウェイト板32は、上面が凹状球面34をなし、下面が凸状球面35をなしている。
支持機構33はベースプレート25上に固定された支持リング36を備えている。この支持リング36は上面が内側に傾斜していて、この傾斜上面に同一円周上に位置するように等角度間隔を置いて複数(この実施形態では3つ)の支持ローラ37が設けられている。これらの支持ローラ37上に可動ウェイト板32が支持されている。可動ウェイト板32の上面には球体38が載置され、ストッパ軸1はこの球体38に下端が当接して支持されている。下側のリングプレート30に垂下して設けられた筒状カバー39は、球体38が必要以上に動くのを防止するとともに、可動ウェイト板32の浮き上がりを防止するためのものである。また、筒状ボックス26の内周に設けられたゴムライナー40は、可動ウェイト板32が水平移動して筒状ボックス26に当たった際の衝撃を弱めるためのものである。
ストッパ軸1には、軸受部材29の下方位置において1対のアーム41,41が180度の角度間隔を置いて水平に設けられている。筒状カバー39及び筒状ボックス26には、1対のアーム41,41に対応して、各1対の縦向きの長穴42,43がそれぞれ設けられている。各アーム41はこれらの長穴42,43を通って筒状ボックス26の外方に突出している。各アーム40の両端部下方には、座金45を介して1対のジャッキ44が設置されている。
次に上記実施形態のものの作用について説明する。常時においては、ストッパ軸1は下端が球体38に支持される高さ位置に保持される。この高さ位置ではストッパ軸1は、上端部7が上部構造側の内周リングすなわち軸受部材13に嵌合され、また中間部が下部構造側の軸受部材29に嵌合されているので、風による上部構造2の水平変位は拘束される。
他方、地震時には図6(a)に示すように、可動ウェイト板32が慣性力によって水平方向に移動し、これに伴って球体38が可動ウェイト板32の凹状球面34上を転動する。この結果、ストッパ軸1は、その自重により、また上端部7がテーパ面で軸受部材13に嵌合し、下向きの力が作用することから、落下する。これにより、ストッパ軸1の上端部7が軸受部材13から抜け出し、上部構造2の拘束が解放される。すなわち、図示しない免震装置を働かせることが可能となる。
ストッパ軸1の落下時において、その段付き部6が軸受部材29の上端に係合し、ストッパ軸1の下端は可動ウェイト板32の上面34までは達しない。したがって、可動ウェイト板32に損傷を与えることがない。このようにするために、段付き部6は軸受部材29の上端から球体38の直径よりも小さな距離だけ離れた上方位置に設けられている。
地震動がおさまると、可動ウェイト板32は下面が凸状球面35となっていることから、図6(b)に示すように、自重により原位置に復帰する。すなわち、可動ウェイト板32の重心とストッパ軸1の軸線とが一致する位置に戻る。
地震後に、ストッパ軸1及び球体38を図1の状態に戻すには、次のようにする。
ジャッキ44を上昇作動させることにより、アーム41を介してストッパ軸1を上昇させ、その上端部7を内周リング13のテーパ穴20に嵌合させる。このとき、免震支承に残留変位が生じていても、外周リング12及び内周リング13を回転させることにより、テーパ穴20をストッパ軸1に位置合わせすることができる。
ストッパ軸1を上昇させると、可動ウェイト板32の上面は凹状球面34となっていることから、球体38は可動ウェイト32の重心上に転動する。このとき、ストッパ軸1の下端面10と可動ウェイト板32の上面34と間に球体38が余裕をもって入り込めるように、内周リング13の上面とベースプレート15の下面との間には隙間が設けられている。すなわち、内周リング13の上面がベースプレート15の下面に当接するまでストッパ軸1を上昇させることにより、ストッパ軸1の下端面10と球体38との間に隙間が形成されるので、球体38を自重で転動させて原位置に難なく戻すことができる。球体38が原位置に戻ったら、ジャッキ44を下降作動させ、ストッパ軸1を球体38上に載せる。以上により、復旧作業は終了する。
なお、内周リング13の上面とベースプレート15の下面との間の隙間は、図示しない免震装置として用いられるゴム支承が、温度変化、クリープ等によりその高さが低くなっても、それを逃がすことができるだけの十分な大きさとする。
図7は、別の実施形態を示す鉛直方向断面図である。この実施形態は、地震後にストッパ軸1を上昇させるための別の手段を示している。ストッパ軸1は、軸受部材29に嵌合される部分の外周に螺旋状の案内溝50が形成されている。また、軸受部材29及び筒状ボックス26にそれぞれ形成された穴51,52に、ロッド53が水平方向に移動自在に挿通されている。
ロッド53の先端には、図8に示すように、爪54が形成され、この爪54は案内溝50に係合可能である。ロッド53にはその長さ方向に間隔を置いた2つの穴55,56が形成されている。筒状ボックス26に着脱自在に取り付けられるピン57が、これらの穴55,56のいずれか一方に挿入されることにより、ロッド53が所定位置に保持される。ストッパ軸1の上部には、複数本のアーム58を介して取り付けられた円形のハンドル59が設けられている。このハンドル59を回すことにより、ストッパ軸1を回転させることが可能である。
図8(a)は、常時におけるロッド53の保持位置を示している。この保持位置では、ピン57はロッド53の前側の穴55に挿入され、爪54は案内溝50に係合していない。したがって、地震時に可動ウェイト板32が移動して球体38が転動した際に、ストッパ軸1はロッド53によって阻害されることなく、スムーズに落下する。
地震後にストッパ軸1を上昇させるためには、ロッド53を図8(b)に示す位置に保持する。この保持位置では、ピン57はロッド53の後側の穴56に挿入され、爪54が案内溝50に係合する。この爪54が案内溝50に係合した状態で、ハンドル59を回すとストッパ軸1が回転し、その回転に伴ってストッパ軸1が上昇する。
図9は、さらに別の実施形態を示す鉛直方向断面図である。この実施形態は、地震後にストッパ軸1を自動的に上昇復帰させるための手段を示している。この実施形態では、ストッパ軸1の上端大径部7は、ねじ70により高さ位置が調整自在に軸本体に取り付けられている。また、ストッパ軸1の下端部71もねじ72により高さ位置が調整自在に軸本体に取り付けられている。
押さえリング11内には単一のリング73のみが収容され、このリング73の上部外周には押さえリング11のフランジ16に係合するフランジ74が設けられている。このリング73は上部構造側連結機構4の軸受部材を構成している。そして上記各実施形態の内周リング12と同様、ストッパ軸1の大径部7が嵌合される嵌合穴75は、その下部が大径部7のテーパ面8に対応したテーパ穴76となっている。
下部構造側連結機構5の軸受部材は、内部にオイル等の液体が封入されたシリンダ77からなっている。シリンダ77は、シリンダチューブ78と、その上下部を閉塞する上下部端板79,80とからなり、下部端板80の外周が筒状ボックス26に固定されている。ストッパ軸1はシリンダ77を上下に貫通して配置されている。シリンダ77の内部にはストッパ軸1の外周に設けられて、シリンダ内部を上室81及び下室82に区画するピストン83が配置されている。このピストン83はコイルスプリング84により上方に向けて付勢されている。
ピストン83には上下室81,82間を連通するそれぞれ複数の大径オリフィス85と小径オリフィス86とが設けられている。大径オリフィス85には下室82から上室81への液体の流通のみを許すチェックバルブ、この実施形態ではボールバルブ87が設けられている。なお、このボールバルブ87は図示しないコイルスプリングにより、下室82側に向けて付勢されている。
次に上記実施形態のものの作用を説明する。この実施形態のものの場合、常時においては、ストッパ軸1はコイルスプリング84により上昇力を付与され、大径部7がリング73に嵌合する位置に保持される。球体38にはストッパ軸1の自重は作用しない。風によって、上部構造2に水平荷重が加わると、ストッパ軸1にはテーパ面8,76どうしの嵌合により下向きの力が作用するが、ストッパ軸1はその下端部71が球体38に当接して下降が阻止されることから、風による上部構造2の水平変位は拘束される。
他方、地震時には、上記各実施形態で説明したように、可動ウェイト板32及び球体38が慣性によって水平方向に移動することから、ストッパ軸1はテーパ面8,76による下向きの力により球体38に阻止されることなく、コイルスプリング84に抗して下降し、大径部7がリング73から抜け出す。このとき、シリンダ77内の液体は大径オリフィス85及び小径オリフィス86の双方を通って下室82から上室81に流れることから、流動抵抗が小さく、ストッパ軸1は地震に応答して即座に下降する。
地震後、揺れがおさまると、ストッパ軸1はコイルスプリング84の付勢力により上昇し、大径部7がリング73に嵌合する元位置に復帰する。このとき、シリンダ77内の液体は、小径オリフィス86のみを通って上室81から下室82に流れることから、流動抵抗が大きく、ストッパ軸1はゆっくりと上昇する。
なお、ストッパ軸1の高さ位置の調整は、ねじ70,72による大径部7及び下端部71の取付け位置を調整することにより行う。また、シリンダ77の上部端板79に設けられたゴム板88は、段付き部6が上部端板79に係合するときの衝撃を緩和するためのものである。
この発明による風揺れ防止装置は、免震建物のみならず、貯蔵タンク、鉄塔、橋梁など免震構造を採用した種々の構造物に適用できる。
この発明の実施形態を示す鉛直方向断面図である。 図1のA−A線矢視断面図である。 図1のB−B線矢視断面図である。 図1のC−C線矢視断面図である。 図1のD−D線矢視平面図である。 同実施形態のものの作用説明図である。 別の実施形態を示す鉛直方向断面図である。 同実施形態の要部を示す図である。 別の実施形態を示す鉛直方向断面図である。
符号の説明
1:ストッパ軸
2:上部構造
3:下部構造
4:上部構造側連結機構
5:下部構造側連結機構
6:段付き部
7:大径部
8:テーパ面
9:テーパ面
10:平坦面
11:押さえリング
12:外周リング
13:内周リング
15:ベースプレート
16:フランジ
17:フランジ
18:フランジ
19:嵌合穴
20:テーパ穴
21:嵌合穴
22:ハンドル
23:ハンドル
25:ベースプレート
26:筒状ボックス
27:取付けフランジ
29:軸受部材
32:可動ウェイト板
33:支持機構
34:凹状球面
35:凸状球面
36:支持リング
37:支持ローラ
38:球体
41:アーム
42:長穴
43:長穴
44:ジャッキ
50:螺旋状の案内溝
51:穴
52:穴
53:ロッド
54:爪
55:穴
56:穴
77:シリンダ
83:ピスト
84:コイルスプリング
85:大径オリフィス
86:小径オリフィス
87:ボールバルブ

Claims (11)

  1. 上部構造と下部構造との間に設置される免震構造物の風揺れ防止装置であって、
    前記上部構造と前記下部構造との間に鉛直方向に設置され、これら上下部構造を連結して上部構造の水平変位を拘束するストッパ軸と、
    前記上部構造に設けられ、前記ストッパ軸の上端部が鉛直方向に移動自在に嵌合される軸受部材を有する上部構造側連結機構と、
    前記下部構造に設けられ、前記ストッパ軸の中間部が鉛直方向に移動自在に嵌合される軸受部材を有する下部構造側連結機構と、
    前記下部構造に支持機構を介して水平方向に移動自在に設けられた可動ウェイト板と、
    前記可動ウェイト板上に載置され、前記ストッパ軸の下降を阻止する球体と
    を備えてなる免震構造物の風揺れ防止装置。
  2. 前記上部構造側連結機構の軸受部材は、その嵌合穴の下部が下方に向かって径が大となるテーパ穴となっていることを特徴とする請求項1記載の風揺れ防止装置。
  3. 前記可動ウェイト板は上下面がそれぞれ凹状球面及び凸状球面をなし、前記支持機構は同一円周上に配置されて前記凸状球面を支持する複数の支持ローラを有していることを特徴とする請求項1又は2記載の免震構造物の風揺れ防止装置。
  4. 前記上部構造側連結機構は、前記上部構造に固定されるベースプレートと、このベースプレートに固定され、下部内周にフランジを有する押さえリングと、この押さえリングの内周に嵌合され、上部外周に該押さえリングの前記フランジに係合するフランジを有する外周リングと、この外周リングの内周に嵌合され、上部外周に該外周リングの上端に係合するフランジを有し、かつ前記ストッパ軸の上端部が嵌合される前記軸受部材を構成する内周リングとを備え、
    前記外周リング及び内周リングの各嵌合穴は、それぞれのリングの中心に対して同じ偏心距離をもって偏心していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1記載の免震構造物の風揺れ防止装置。
  5. 前記外周リングは下端部が前記押さえリングから突出し、また内周リングは下端部が前記外周リングから突出し、これらリングの突出端部外周に該リングを回転させるためのハンドルが水平に設けられていることを特徴とする請求項4記載の免震構造物の風揺れ防止装置。
  6. 前記下部構造側連結機構は、前記下部構造に固定されるベースプレートと、このベースプレートに固定される筒状ボックスと、この筒状ボックスの上部内方に固定され、前記ストッパ軸の中間部が嵌合される前記軸受部材とを備え、
    前記筒状ボックス内方の前記ベースプレート上に前記可動ウェイト板及びその支持機構が設置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1記載の免震構造物の風揺れ防止装置。
  7. 前記ストッパ軸は、前記軸受部材の上端面から前記球体の直径よりも小さな距離だけ離れた上方位置に、該軸受部材に係合可能な段付き部を有していることを特徴とする請求項6記載の免震構造物の風揺れ防止装置。
  8. 前記ストッパ軸は、前記軸受部材の下方位置に180度の角度間隔を置いた1対のアームが水平に設けられ、これらのアームは前記筒状ボックスに鉛直方向に設けられた長穴を通って筒状ボックス外方に突出し、
    前記ベースプレート上には前記アームを介して前記ストッパ軸を上昇させるためのジャッキが設置されていることを特徴とする請求項6又は7記載の免震構造物の風揺れ防止装置。
  9. 前記ストッパ軸は、前記軸受部材に嵌合される部分の外周に螺旋状の案内溝が形成され、
    前記軸受部材及び前記筒状ボックスにはこれらに設けられた穴に水平方向に移動自在に挿通されて、先端部が前記案内溝に係合可能なロッドが設けられ、
    前記ストッパ軸の上部には前記ロッド先端部が前記案内溝に係合した状態で、該ストッパ軸を回転させることによって上昇させるためのハンドルが設けられていることを特徴とする請求項6又は7記載の免震構造物の風揺れ防止装置。
  10. 前記下部構造側連結機構の前記軸受部材は、内部に液体が封入されたシリンダからなり、
    このシリンダ内部には前記ストッパ軸の外周に設けられて、シリンダ内部を上下室に区画するピストンと、このピストンを上方に向けて付勢する付勢部材とが配置され、
    前記ピストンには前記上下室間を連通するオリフィスが設けられていることを特徴とする請求項6又は7記載の免震構造物の風揺れ防止装置。
  11. 前記オリフィスは、大径オリフィスと小径オリフィスとからなり、大径オリフィスには下室から上室への流通のみを許すチェックバルブが設けられていることを特徴とする請求項10記載の免震構造物の風揺れ防止装置。
JP2007014719A 2006-01-26 2007-01-25 免震建造物の風揺れ防止装置 Expired - Fee Related JP4926733B2 (ja)

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