JP4926671B2 - コークス炉の石炭事前処理方法及び装置 - Google Patents

コークス炉の石炭事前処理方法及び装置 Download PDF

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本発明は、コークスの製造において、原料炭をコークス炉に装入する前に、流動床乾燥分級機で乾燥処理し、かつ分級された石炭粉を気流加熱搭で急速加熱して改質するコークス炉の石炭事前処理方法及び装置に関し、特に、流動床乾燥分級機や気流加熱搭から排出する排ガスを循環ガスラインにより循環ガスとして再利用するコークス炉の石炭事前処理方法及び装置に関する。
従来、コークスは、原料炭をコークス炉に装入して乾留することによって製造されているが、原料炭をコークス炉に装入する前に原料炭を所定の粒度の大きさとし、かつ予熱する事前処理を行っている。即ち、原料炭を流動床乾燥分級機で乾燥し、粗粒と微粉に分級し、それぞれ別々の気流加熱塔で所定温度まで加熱して改質し、加熱微粉は成形機で所定の大きさに成形し、加熱粗粒とともにコークス炉に搬送装入することが行われている(例えば、特許文献1参照)。そして、このような原料炭の事前処理では、流動床乾燥分級機からの排ガス、及び気流加熱塔からの排ガスを循環して再利用するのが通常である。
排ガスを循環ガスとして利用しようとすると、石炭を急速加熱する過程で石炭中の揮発分が揮発し、その成分が循環ガス中に濃縮し、特に揮発分中のタール分が循環ガス中で濃縮し、循環ガス中の微粉石炭粉と結合して、循環ガスラインのダクト、弁、機器等の設備に付着し、これらの設備にトラブルが発生するという問題がある。この問題を解決する技術として、循環ガスラインに燃料ガスを間欠的または連続的に導入する一方、循環ガスの一部を間欠的又は連続的にパージする石炭事前処理方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、この方法では、排ガスの一部を熱交換器に導入するものであるから、排ガス中のタール分を完全に除去することはできない。
また、流動層乾燥加熱手段から排出される加熱部分の排ガスと乾燥部分の排ガスとをそれぞれに区分して捕集し、湿分の低い加熱部分の排ガスのみを前記気流加熱手段での加熱ガスの温度調整に用いるようにし、また、流動層乾燥加熱手段から排出される加熱部分の排ガスと乾燥部分の排ガスとをそれぞれに区分して捕集し、湿分の低い加熱部分の排ガスのみを気流加熱手段での加熱ガスの温度調整に優先して用いるようにしたコークス製造のための原料炭の事前処理方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、この方法では気流加熱手段から発生する排ガス中にはタール成分が含有されるが、このタール成分を無害化させることについては何らの考慮も払われていない。
さらに、流動床乾燥分級機と気流加熱塔に導入される熱風を別々の循環ガスラインで抑制し、固気分離した排ガスをそれぞれの熱風発生炉に還流させ循環ガスを再加熱させ、余剰の排気ガスを系外に排出するコークスの石炭事前処理方法及びその装置の発明が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかし、この方法においては、気流加熱塔からの排気ガスの一部を系外に排出するものであり、気流加熱塔からの排気ガスの温度は流動床乾燥分級機の温度に比較して高く、この高温の排気ガスを再利用しないので、熱損失が大きく、またタール分を含む排気ガスを未処理で排気するため環境汚染の原因ともなる。
そして、気流加熱塔の循環ガスは、石炭を高温加熱する際に発生するタールガスを含有していて、このタール含有高温排ガス処理には、タールが排ガス処理装置に凝固付着するので、集塵効率の高いバグフィルター集塵機はタールにより目詰まりが発生して使用できず、集塵効率の劣るサイクロン集塵機を使用することになり、排気ダスト濃度が高くなるという問題がある。
更に、混炭機、成型機、高温炭搬送ラインで発生する排気ガスにもタール分が含有されていて、この排気ガス処理装置にもバグフィルター集塵機が使用できないという問題があるが、従来の方法ではこれらの問題は未だ解決されていない。
特開2005−82790号公報 特開2000−290665号公報 特開平11−181443号公報 特開2003−268383号公報
そこで、本発明は気流加熱塔から発生する余剰排ガス及び混炭機、成型機、高温炭搬送ラインで発生する排ガス中のタール分を除去し、タール分を除去した排ガスを系外に排出させることなく、流動床循環ガスラインに導入して、循環ガスとして流動床乾燥分級機に再利用し、更に、流動床循環ガスラインからの大気への余剰ガス排気を、集塵効率の良いバグフィルター集塵機用いて行うことを可能とし、また、気流加熱塔から発生する排ガスは気流塔循環ガスラインに導入して、この高温排ガスの有効活用を可能とするコークス炉の石炭事前処理方法及びその装置を提供することを課題とするものである。
本発明者は、排ガス中のタール分を除去するには、タール除去炉を設け、タール除去炉で600℃以上の温度雰囲気で排ガス中のタール成分を燃焼、熱分解させることでタール分の除去が可能であり、排ガスを無害化することができることに基づいて、気流加熱塔循環ガスラインの排気ダクトにタール除去炉を設け、気流加熱塔の余剰排気ガスをタール除去炉に導入してタール分を除去し、また、混練機、鬼成機及び乾燥石炭搬送機で発生するタール分を含有する排ガスをタール除去炉に導入してタール分を除去する。
そして、タール分を除去して無害化した排ガスは、流動床循環ガスラインを通じて流動床乾燥分級機に導入することによって、流動床循環ガスラインのダクト、機器等へのタール付着トラブルが回避でき、かつ流動床循環ガスラインの余剰排ガスを集塵効率の良いバグフィルター集塵機によって清浄にして大気中に放散することが可能となることを見出し、さらに、気流加熱塔からの高温排ガスは気流塔循環ガスラインに導入して気流加熱塔の熱風発生炉にて熱風とし、再度気流加熱搭に循環させて有効活用が図れることを見出して、本発明を完成した。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)原料炭を流動床乾燥分級機に装入し、該原料炭を乾燥分級し、分級された粗粒炭を気流加熱塔で加熱し、また分級された微粉炭を混練機でバインダーと混練して塊成機で塊成炭とするコークス炉の石炭事前処理方法において、気流加熱塔の排ガス循環ラインの排気ダクトからのタール成分を含む排ガス、および混練機、塊成機、乾燥石炭搬送機から発生するタール成分を含む排ガスとをタール除去炉に導入し、該タール除去炉で排ガス中に含まれるタール成分を燃焼、熱分解させて無害化した後に、該無害化した排ガスは流動床循環ガスラインを通じて流動床乾燥分級機用の熱風発生炉に導入することを特徴とするコークス炉の石炭事前処理方法。
(2)前記タール除去炉では、空気と燃料ガスを供給して加熱バーナで600〜1200℃の温度の雰囲気とし、タール除去炉内に導入された排ガス中のタール成分を燃焼・熱分解させることを特徴とする請求項1記載のコークス炉の石炭事前処理方法。
(3)流動床乾燥分級機で分級された微粉炭を含む排ガスをバグフィルター集塵機で、微粉炭と排ガスとに分離し、排ガスは流動床循環ガスラインを通じて流動床乾燥分級機用の熱風発生炉に導入し、かつ余剰排ガスは前記バグフィルター集塵機の排ガス出口ダクトから大気中に放散することを特徴とする前記(1)記載のコークス炉の石炭事前処理方法。
(4)前記分級された粗粒炭を気流加熱塔で加熱した後、固気分離器で粗粒炭と排ガスとに分離し、排ガスを気流加熱塔用の熱風発生炉に循環させ、かつ余剰排ガスをタール除去炉に導入することを特徴とする前記(1)または(2)に記載のコークス炉の石炭事前処理方法。
(5)原料炭を乾燥分級する流動床乾燥分級機と、分級された粗粒炭を加熱する気流加熱塔と、分級された微粉炭をバインダーと混練する混練機と、混練された微粉炭を塊成炭とする塊成機と、該塊成炭および加熱された粗粒炭とをコークス炉に搬送する乾燥石炭搬送機とを備えたコークス炉の事前処理装置であって、気流加熱塔で発生した余剰排ガス、および混練機、塊成機、乾燥石炭搬送機から発生した排ガスとが導入され、排ガス中に含まれるタール成分を燃焼、熱分解させるタール除去炉を備えていることを特徴とするコークス炉の石炭事前処理装置。
(6)原料炭を乾燥分級する流動床乾燥分級機と、分級された粗粒炭を加熱する気流加熱塔と、分級された微粉炭をバインダーと混練する混練機と、混練された微粉炭を塊成炭とする塊成機と、該塊成炭および加熱された粗粒炭とをコークス炉に搬送する乾燥石炭搬送機とを備えたコークス炉の事前処理装置であって、流動床乾燥分級機からの排出ガスをバグフィルター集塵機に導入するダクトと、該バグフィルター集塵機からの排出ガスを流動床乾燥分級機用の熱風発生炉に導入するダクト、および該熱風発生炉の熱ガスを前記流動床乾燥分級機に導入するダクトとを備えている流動床循環ガスラインと、そして、気流加熱塔からのタール成分を含む余剰排ガスをタール除去炉に導入するダクトと、混練機、塊成機、乾燥石炭搬送機から発生したタール成分を含む排ガスをタール除去炉に導入するダクトと、タール除去炉の排ガスを、前記バグフィルター集塵機と熱風発生炉間の流動床循環ガスラインに設けられた熱風循環ガスブロワーの吸い込み側に接続したダクトとを有することを特徴とする前記(5)記載のコークス炉の石炭事前処理装置。
(7)流動床乾燥分級機で分級された粗粒炭を加熱する気流加熱塔と、加熱された粗粒炭と排ガスとを分離する固気分離器とを備え、固気分離器で分離した排ガスを気流加熱塔用の熱風発生炉に導入するダクトと、該熱風発生炉からの熱風を気流加熱塔へ導入するダクトとを備えた気流塔循環ガスラインを備えていることを特徴とする前記(5)または(6)記載のコークス炉の石炭事前処理装置。
(8)前記バグフィルター集塵機によって分離された排ガスの内の余剰排ガスを循環ガス経路外の大気中に放散するための排気調節弁が、バグフィルター集塵機の排出口に接続するダクトに設けられていることを特徴とする前記(5)〜(7)のいずれかに記載のコークス炉の石炭事前処理装置。
本発明によれば、気流加熱塔と流動床乾燥分級機の熱風循環ガスラインを接合したことにより、気流加熱塔の排気ガス顕熱を有効に利用でき、また、気流加熱塔排気ダクトにタール除去炉を設けて、排ガス中のタール分を燃焼・熱分解させタール分を無害化させることにより、熱風循環ラインのダクト、機器等へのタールの付着トラブルが回避でき、かつ、数ミクロンオーダの微粉をも分離できるバグフィルター集塵機を採用することができるため、微粉炭の回収効率が向上し、大気中への微粉炭やタール分を含まない清浄な余剰排気ガス放散が可能となり、環境汚染を防止できる。更に、タール除去のための燃焼熱を有効に利用できることとなる。そして、従来そのまま大気中に放散していた混練機、成型機及び高温搬送ラインで発生する排気ガス中のタール分をタール除去炉に導入することにより無害化できるという顕著な効果を奏するものである。
原料炭をコークス炉に装入して乾留し、コークスを製造するにあたっては、コークス炉に装入する原料炭を事前処理し、コークス炉で原料炭が熱的崩壊して微粉化することや、コークス強度の低下を防止するために原料炭を改質することが行われる。
石炭(原料炭)の事前処理としては、石炭を流動床乾燥分級機で乾燥して、粗粒炭と微粉炭とに分級し、粗粒炭は気流加熱塔で加熱してコークス炉へ装入する。そして、微粉炭は必要に応じて気流加熱塔で加熱した後に塊成してコークス炉に装入することが行われている。
本発明では、原料炭の事前処理で発生する排ガスをリサイクルして有効活用することでコークス生産性の向上をはかり、また、排ガス中に含まれる微粉炭やタール成分等の環境汚染有害成分を除去して大気中に放散させるものである。
即ち、本発明は、流動床乾燥分級機から発生する排ガスを循環させて利用する流動床ガス循環ラインを構築し、気流加熱塔から発生するタール分を含む排ガス及び混練機、塊成機、乾燥石炭搬送機から発生するタール分を含む排ガスをタール除去炉に導入し、タール成分を燃焼・熱分解させることで、タール成分を無害化する。そして、この無害化した排ガスを流動床ガス循環ラインに導入して、排ガスの有効活用を企てるものである。気流加熱塔から排出される余剰排ガスは、高温排ガスであり、この高温排ガスをリサイクルするため高温排ガスの持つ顕熱を活用することができるので熱エネルギーロスが防止される。 また、流動床ガス循環ラインの排ガス量が必要量よりも多くなった場合は、排ガス中にタール分が含有されていないので、集塵効率の高いバグフィルター集塵機で除塵した排ガスを環境汚染を引き起こすことなく大気中に放散することができる。さらに、気流加熱搭から排出する排ガスは、気流加熱搭循環ガスラインに導入し、気流加熱塔用の熱風発生炉に供給して熱風にし、気流加熱搭に熱ガスとして再度導入する。
以下、図に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明のコークス炉の石炭事前処理方法及びその装置の実施形態を示すフロー図である。
図1に示すように、約9%の水分を含む原料炭は、石炭受け入れ湿炭ホッパー3から流動床乾燥分級機2に装入され、この流動床乾燥分級機2の前半で水分がほぼ0になるまで乾燥され、後半は所定の温度(約100〜300℃)まで加熱されて粗粒と微粉に分級される。この熱源は熱風炉用ブロワー1−1からの空気とコークスガス等の燃料ガスとを所定の空気比で導入して燃焼する熱風発生炉1によって約250〜450℃の熱ガスを生成し、この熱ガスを流動床乾燥分級機2にダクト(D1)を介して送風して原料炭を加熱乾燥分級する。
ここで分級は、例えば粒径0.3mm以上のもので平均粒径が0.5mm程度が粗粒炭として分級され、分級された粗粒炭は、粗粒炭排出口4から後段に配設されている粗粒炭の気流加熱塔8に搬送して、300〜400℃に加熱して改質し、この後段に配置される固気分離器(例えばサイクロン)9によって固体と気体に分離される。分離された固体(粗粒炭)は乾燥石炭搬送機15によってコークス炉17へ装入される。
一方、流動床乾燥分級機2で分級された微粉炭(例えば、平均粒径0.1mm)は、排気ガスとともにダクト(D2)により数ミクロンオーダーの固体を分離可能なバグフィルターを備えた固気分離器5に送給され、微粉炭と気体とに分離される。固気分離器で分離された微粉炭は、そのままコークス炉に装入すると飛散してしまうので、混練機13でバインダーと共に混練した後、塊成機14にて塊成し、塊成した塊成炭は乾燥石炭搬送機15を用いてコークス炉17に装入する。そして、コークス炉に装入されたこれら粗流炭及び塊成炭は、コークス炉内で乾留されてコークスとされる。
次いで、図1のフロー図に基づいて排ガスの循環ガス処理について説明する。
流動床乾燥分級機2で発生した約150℃の低温排ガスは、ダクト(D2)を通ってバグフィルターを備えた固気分離器5に送られ、気体(排ガス)と固体とに分離される。分離された排ガスは流動床循環ブロワー6の吸い込み側に接続されているダクト(D3およびD4)に導入され、流動床ブロワー6によりダクト(D5)を経て熱風発生炉1に循環ガスとして導入されて、熱風発生炉の熱源として利用される。
また、固気分離器5によって分離された排ガスの一部(余剰排ガス)は、固気分離器5の排出口に接続するダクト(D3)に設けられている排気調節弁7により、この循環ガス経路外の大気中に放散される。このように、流動床循環ガスラインは、ダクト(D1〜D5)によって構築されている。
更に、流動床乾燥分級機から排出された粗粒炭は、後段に配設されている気流加熱塔8に投入されて加熱され、ダクト(D7)を通じて後段に配設されている固気分離器9で気体(排ガス)と粗粒炭とに分離される。分離されたタール分を含む排ガスの一部は、気流塔循環ブロワー10によりダクト(D8およびD9)を通じて熱風発生炉11に導入される。気流加熱塔8で発生した排ガス中には、タール分が含まれているが、この排ガスは、熱風炉用ブロワー11−1から空気と燃料ガスを導入されて熱風を発生する熱風発生炉11で、熱風にされる。熱風発生炉11で発生した約350〜450℃の熱風はダクト(D6)を通じて気流加熱塔8に導入され、粗粒炭の加熱に用いられる。このように、気流搭循環ガスラインは、ダクト(D6〜D9)によって構築されている。
気流加熱塔8では、熱風発生炉11からの熱風で、粗粒炭を200〜450℃に加熱する。石炭の種類にもよるが通常350℃以上となると石炭中のタール分が出てきて排ガス中にタール分が含有されることとなる。
気流加熱塔8では、熱風により石炭粒子が直接加熱されるが、石炭粒子に粒度分布があるため、大径石炭粒子に比べて小径石炭粒子の方が高温に加熱される。このため、熱風に近い温度まで小径の石炭粒子が加熱され易く、小粒石炭粒子からのタール発生が多くなる。気流加熱塔8で発生し、固気分離器9で分離された前記排ガスの余剰排ガスは、排気調整弁12からダクト(D10)を通じてタール除去炉16に導入される。
タール分を含むガスは、混練機13、塊成機14及び乾燥石炭搬送機15においても温度が高いので発生する。これらのタール分を含むガスは、従来では系外に排出していたが、本発明では混練機13から発生したガスはダクト(D13)を通じて、塊成機14から発生したガスはダクト(D14)を通じて、そして、乾燥石炭搬送機から発生したガスはダクト(D11)を通じて、それぞれタール除去炉16に導入する。
タール除去炉16では、タール除去炉用ブロワー16−1により空気と燃料ガスを所定の空気比で炉内に導入してバーナで燃焼させて600〜1200℃の炉内温度とされている。この炉内に気流加熱塔8、混練機13、塊成機14及び乾燥石炭搬送機15から発生したタール分を含む排ガスは、循環ガスとして導入されてタール分を燃焼・熱分解により除去される。タール除去のための燃焼熱および気流加熱塔から発生した高温排ガスが持つ顕熱は、流動床乾燥分級機のための熱源として有効活用される。
タール除去炉16内の温度は600〜1200℃に設定されているので、排ガス中に含まれるタール分は燃焼・熱分解して無害化される。炉内温度が600℃未満ではタール成分の燃焼、熱分解効率が悪いので炉内温度を600℃以上とする必要がある。また、炉内温度の上限はあまり高くしても熱損失となるので1200℃を上限とした。好ましい炉内温度は、800〜1000℃である。
無害化されたタール分を含まないガスは、タール除去炉から流動床循環ガスラインのダクト(D4およびD5)を通じて熱風発生炉1に導入される。熱風発生炉1で熱風となった熱ガスはダクト(D1)を通じて流動床乾燥分級機2に供給する。
タール分を含む排ガスを流動床循環ガスライン中に導入すると、タール分は循環ガス中で濃縮し、循環ガスラインのダクト、弁、機器等に付着し、極端な場合は、閉塞トラブルとなるが、本発明では排ガス中のタール分をタール除去炉で除去して、流動床循環ガスラインに導入するので、流動床循環ガスラインにおいてのタール濃縮によるトラブルを防止できる。
また、流動床循環ガスラインを通じてタール分を含有しない排ガスを循環ガスとして流動床乾燥分級機に導入するので、流動床乾燥分級機から排出される排ガス中にはタール分がないので、排ガスを集塵効率の良いバグフィルター集塵機が採用出来る事により排ガスを清浄にし、流動床循環ガスラインからの余剰の排ガスを大気中に放散しても環境汚染を引き起こさないことが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、気流加熱塔と流動床乾燥分級機の熱風循環ガスラインを接合したことにより、気流加熱塔の排気ガス顕熱を有効に利用できる。
また、気流加熱塔排気ダクトにタール除去炉を設けて、排ガス中のタール分を燃焼・熱分解させタール分を無害化させることにより、熱風循環ラインのダクト、機器等へのタールの付着トラブルが回避でき、かつ、数ミクロンオーダの微粉をも分離できるバグフィルター集塵機を採用することができるため、微粉炭の回収効率が向上し、大気中への微粉炭やタール分を含まない清浄な余剰排気ガス放散が可能となり、環境汚染を防止できる。
更に、タール除去のための燃焼熱を有効に利用できることとなる。そして、従来そのまま大気中に放散していた混練機、成型機及び高温搬送ラインで発生する排気ガス中のタール分をタール除去炉に導入することにより無害化できるという顕著な効果を奏するものである。
コークス炉の石炭事前処理方法及びその装置の実施形態を示すフロー図である。
符号の説明
1 熱風発生炉
1−1 熱風発生炉用ブロワー
2 流動床乾燥分級機
3 湿炭ホッパー
4 粗粒炭排出口
5 固気分離器
6 流動床循環ブロワー
7 排気調節弁
8 気流加熱塔
9 固気分離器
10 気流塔循環ブロワー
11 熱風発生炉
11−1 熱風発生炉用ブロワー
12 排気調節弁
13 混練機
14 塊成機
15 乾燥石炭搬送機
16 タール除去炉
16−1 タール除去炉用ブロワー
17 コークス炉
D1〜D13 ダクト

Claims (8)

  1. 原料炭を流動床乾燥分級機に装入し、該原料炭を乾燥分級し、分級された粗粒炭を気流加熱塔で加熱し、また分級された微粉炭を混練機でバインダーと混練して塊成機で塊成炭とするコークス炉の石炭事前処理方法において、気流加熱塔の排ガス循環ラインの排気ダクトからのタール成分を含む排ガス、および混練機、塊成機、乾燥石炭搬送機から発生するタール成分を含む排ガスとをタール除去炉に導入し、該タール除去炉で排ガス中に含まれるタール成分を燃焼、熱分解させて無害化した後に、該無害化した排ガスは流動床循環ガスラインを通じて流動床乾燥分級機用の熱風発生炉に導入することを特徴とするコークス炉の石炭事前処理方法。
  2. 前記タール除去炉では、空気と燃料ガスを供給して加熱バーナで600〜1200℃の温度の雰囲気とし、タール除去炉内に導入された排ガス中のタール成分を燃焼・熱分解させることを特徴とする請求項1記載のコークス炉の石炭事前処理方法。
  3. 流動床乾燥分級機で分級された微粉炭を含む排ガスをバグフィルター集塵機で、微粉炭と排ガスとに分離し、排ガスは流動床循環ガスラインを通じて流動床乾燥分級機用の熱風発生炉に導入し、かつ余剰排ガスは前記バグフィルター集塵機の排ガス出口ダクトから大気中に放散することを特徴とする請求項1記載のコークス炉の石炭事前処理方法。
  4. 前記分級された粗粒炭を気流加熱塔で加熱した後、固気分離器で粗粒炭と排ガスとに分離し、排ガスを気流加熱塔用の熱風発生炉に循環させ、かつ余剰排ガスをタール除去炉に導入することを特徴とする請求項1または2に記載のコークス炉の石炭事前処理方法。
  5. 原料炭を乾燥分級する流動床乾燥分級機と、分級された粗粒炭を加熱する気流加熱塔と、分級された微粉炭をバインダーと混練する混練機と、混練された微粉炭を塊成炭とする塊成機と、該塊成炭および加熱された粗粒炭とをコークス炉に搬送する乾燥石炭搬送機とを備えたコークス炉の事前処理装置であって、気流加熱塔で発生した余剰排ガス、および混練機、塊成機、乾燥石炭搬送機から発生した排ガスとが導入され、排ガス中に含まれるタール成分を燃焼、熱分解させるタール除去炉を備えていることを特徴とするコークス炉の石炭事前処理装置。
  6. 原料炭を乾燥分級する流動床乾燥分級機と、分級された粗粒炭を加熱する気流加熱塔と、分級された微粉炭をバインダーと混練する混練機と、混練された微粉炭を塊成炭とする塊成機と、該塊成炭および加熱された粗粒炭とをコークス炉に搬送する乾燥石炭搬送機とを備えたコークス炉の事前処理装置であって、流動床乾燥分級機からの排出ガスをバグフィルター集塵機に導入するダクトと、該バグフィルター集塵機からの排出ガスを流動床乾燥分級機用の熱風発生炉に導入するダクト、および該熱風発生炉の熱ガスを前記流動床乾燥分級機に導入するダクトとを備えている流動床循環ガスラインと、そして、気流加熱塔からのタール成分を含む余剰排ガスをタール除去炉に導入するダクトと、混練機、塊成機、乾燥石炭搬送機から発生したタール成分を含む排ガスをタール除去炉に導入するダクトと、タール除去炉の排ガスを、前記バグフィルター集塵機と熱風発生炉間の流動床循環ガスラインに設けられた熱風循環ガスブロワーの吸い込み側に接続したダクトとを有することを特徴とする請求項5記載のコークス炉の石炭事前処理装置。
  7. 流動床乾燥分級機で分級された粗粒炭を加熱する気流加熱塔と、加熱された粗粒炭と排ガスとを分離する固気分離器とを備え、固気分離器で分離した排ガスを気流加熱塔用の熱風発生炉に導入するダクトと、該熱風発生炉からの熱風を気流加熱塔へ導入するダクトとを備えた気流塔循環ガスラインを備えていることを特徴とする請求項5または6記載のコークス炉の石炭事前処理装置。
  8. 前記バグフィルター集塵機によって分離された排ガスの内の余剰排ガスを循環ガス経路外の大気中に放散するための排気調節弁が、バグフィルター集塵機の排出口に接続するダクトに設けられていることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のコークス炉の石炭事前処理装置。
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