JP4925925B2 - 無線中継装置及び無線中継装置の制御方法 - Google Patents

無線中継装置及び無線中継装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、DS−CDMA(Direct Spread - Code Division Multiple Access)方式などの移動体通信システムで使用される無線中継装置に関する。
移動体通信システムでは、基地局(BS:Base Station)と移動局(MS:Mobile Station)の間で無線信号を中継増幅する無線中継装置(以下、リピータ装置と呼ぶ)を設置することによって、基地局からの電波が届きにくい地域(いわゆる不感地域)の通信環境を改善し、新規に基地局を建設することなく基地局のカバーエリアを拡大することができる。
移動体通信システムにおいて使用される一般的なリピータ装置は、通信事業者の厳密な管理の下で設置され運用されるものであった。しかし最近では、各家庭などに設置される簡易なリピータ装置が利用され始めている。このようなリピータ装置が、基地局より送出される信号が受信されない場所で使用されると、リピータ装置の送出する無線信号が、リピータ装置の近辺に存在する他の無線システムの妨害波となるおそれがある。
本願の出願人は、基地局から送出される基地局の存在を示す信号(例えば、共通パイロットチャネル)が受信されない場合に、基地局から移動局に向かうダウンリンク方向及び移動局から基地局に向かうアップリンク方向の信号中継を共に停止させるリピータ装置を提案している(特許文献1を参照)。
一方、フェムトセルと呼ばれ、カバーエリア(セル半径)が数十メートル程度とされる極めて小規模な基地局が提案されている。フェムトセル基地局は、家庭内や小規模オフィスへの設置が想定された基地局であり、家庭内や小規模オフィスに引き込まれているADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線や光ファイバ回線等の固定通信回線に接続して使用される。したがって、フェムトセル基地局は、固定通信回線を提供するブロードバンド通信事業者のIP(Internet Protocol)通信網やインターネット等を経由して移動体通信事業者のネットワークに接続される。フェムトセル基地局によれば、携帯電話端末を移動体通信網と固定通信網の共通端末として使用できることから、フェムトセル基地局は、屋内の通信環境の改善だけでなく、FMC(Fixed Mobile Convergence)の実現技術として期待されている。
特開2007−68192号公報
特許文献1に開示されたリピータ装置は、基地局から送出される無線信号が届かないエリアにおいて、ダウンリンク方向及びアップリンク方向の中継動作を停止させることができる。しかしながら、特許文献1に開示されたリピータ装置は、基地局からの無線信号が受信可能であれば、設置場所が移動されても中継動作を継続して行うことができる。通信事業者による管理を十分に行うためには、リピータ装置が動作可能な場所をより厳しく制限できることが望ましい。
本発明は上述した事情を考慮してなされたものであり、通信事業者による管理性に優れたリピータ装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、移動体通信システムの基地局と移動局との間で無線信号を中継するリピータ装置である。当該リピータ装置は、前記基地局より送出されるダウンリンク信号を増幅し、前記移動局に向けて送出するダウンリンク中継部と、前記基地局から送出される前記ダウンリンク信号から領域識別情報を取得する領域識別情報取得部と、当該リピータ装置が小規模な基地局のカバーエリアに対応する領域である動作許容領域に配置されているか否かを、前記領域識別情報が予め定められた小規模な基地局を識別可能な識別情報と一致するか否かに応じて判定する領域判定部と、当該リピータ装置が前記動作許容領域の外に配置されていると判定される場合に、前記ダウンリンク中継部による信号中継を停止させる中継制御部とを有する。
このような構成により、リピータ装置が所定の設置場所から移動された場合に、その中継動作を停止できる。つまり、前記第1の態様にかかるリピータ装置は、中継動作を行うことが可能な場所を所定の設置場所に制限できるため、通信事業者による管理性を向上させることができる。
また、本発明の第2の態様にかかるリピータ装置は、基地局より送出されるダウンリンク信号を増幅し、移動局に向けて送出するダウンリンク中継部と、GPS(Global Positioning System)衛星から送出される電波を受信して当該リピータ装置が配置された位置を測定する位置測定部と、前記位置測定部により得られた位置情報に基づいて、当該リピータ装置が動作許容領域に配置されているか否かを判定する領域判定部と、当該リピータ装置が前記動作許容領域の外に配置されていると判定される場合に、前記ダウンリンク中継部による信号中継を停止させる中継制御部とを有する。このように構成された前記第2の態様にかかるリピータ装置は、中継動作を行うことが可能な場所を所定の設置場所に制限できるため、通信事業者による管理性を向上させることができる。
また、本発明の第3の態様は、移動体通信システムで使用されるリピータ装置の制御方法である。本制御方法は、基地局より送出されるダウンリンク信号から領域識別情報を抽出し、当該リピータ装置が小規模な基地局のカバーエリアに対応する領域である動作許容領域に配置されているか否かを、前記動作許容領域に対応して予め設定された小規模な基地局を識別可能な識別情報である照合用情報と前記領域識別情報との一致に応じて判定し、当該リピータ装置が前記動作許容領域の外に配置されていると判定される場合に、前記ダウンリンク信号を中継する処理と移動局から送出されるアップリンク信号を中継する処理を共に停止させることを特徴とする。このように制御されるリピータ装置は、中継動作を行うことが可能な場所を所定の設置場所に制限できるため、通信事業者による管理性を向上させることができる。
本発明により、通信事業者による管理性に優れたリピータ装置を提供することができる。
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
実施の形態1.
本実施の形態にかかるリピータ装置1は、W−CDMA方式の無線通信システムにおいて、基地局(BS)と移動局(MS)の間の信号中継を行う装置である。リピータ装置1の構成を図1に示す。基地局から移動局に向かうダウンリンク方向の信号中継を行う場合、リピータ装置1は、基地局の送信信号を基地局側アンテナ10によって受信し、受信した信号をダウンリンク中継部14に含まれる増幅器141によって増幅した後に移動局側アンテナ11より送出する。一方、移動局から基地局に向かうアップリンク方向の信号中継を行う場合、リピータ装置1は、移動局の送信信号を移動局側アンテナ11によって受信し、受信した信号をアップリンク中継部15に含まれる増幅器151によって増幅した後に基地局側アンテナ10より送出する。以下では、図1に示した各構成要素について説明する。
図1において、基地局側アンテナ10は、基地局から送信された信号の受信と、基地局への信号送信を行うアンテナである。また、移動局側アンテナ11は、移動局への信号送信と、移動局から送信された信号の受信を行うアンテナである。
デュプレクサ12は、基地局側アンテナ10を送信及び受信で共用するために設けられている。具体的には、基地局側アンテナ10によって受信されたダウンリンクの周波数帯域(W−CDMAでは、例えば2.1GHz帯)の信号を増幅器141へ分配する。また、増幅器151からスイッチ回路152を介して入力されるアップリンクの周波数帯域(W−CDMAでは、例えば1.9GHz帯)の信号を基地局側アンテナ10に出力する。
デュプレクサ13は、移動局側アンテナ11を送信及び受信で共用するために設けられている。具体的には、移動局側アンテナ11によって受信されたアップリンクの周波数帯域の信号を増幅器151へ分配する。また、増幅器141からスイッチ回路142を介して入力されるダウンリンクの周波数帯域の信号を移動局側アンテナ11に出力する。
ダウンリンク中継部14は、増幅器141及びスイッチ回路142を有する。増幅器141は、ダウンリンクの周波数帯域において電力増幅を行う増幅器であり、デュプレクサ12から入力される信号の信号電力を増幅して出力する。
スイッチ回路142は、増幅器141とデュプレクサ13の間を接続する配線上に設けられており、後述する中継制御部18から出力される制御信号に応じて増幅器141と移動局側アンテナ11の間を電気的に接続又は切断する回路である。つまり、スイッチ回路142は、ダウンリンク中継部14によるダウンリンクの中継処理を停止させるために、増幅器141から移動局側アンテナ11への信号入力を遮断する回路である。
アップリンク中継部15は、増幅器151及びスイッチ回路152を有する。増幅器151は、アップリンクの周波数帯域において電力増幅を行う増幅器であり、デュプレクサ13から入力される信号の信号電力を増幅して出力する。
スイッチ回路152は、増幅器151とデュプレクサ12の間を接続する配線上に設けられており、後述する中継制御部18から出力される制御信号に応じて増幅器151と基地局側アンテナ10の間を電気的に接続又は切断する回路である。つまり、スイッチ回路152は、アップリンク中継部15によるアップリンクの中継処理を停止させるために、増幅器151から基地局側アンテナ10への信号入力を遮断する回路である。
なお、増幅器141及び151は、増幅後の信号電力が一定となるよう制御するAGC(Automatic Gain Control)回路を有する可変利得増幅器としてもよいし、利得が実質的に一定である固定利得増幅器としてもよい。
領域識別情報取得部16は、基地局から送信されるダウンリンク信号から領域識別情報を取得する。ここで、領域識別情報とは、移動体通信サービスの提供地域を特定するために基地局から報知される情報である。領域識別情報の具体例の1つは、SAI(Service Area Identifier)である。W−CDMA方式の基地局より報知されるSAIは、同一のロケーションエリアに属する1又は複数のセルにより構成されるエリアを識別するために用いられる情報である。図3に示すように、SAIは、国コード(MCC:Mobile Country Code)及び事業者コード(MNC:Mobile Network Code)を含むPLMNid(Public Land Mobile Network identifier)、LAC(Local Area Code)、並びに、SAC(Service Area Code)により構成される。SAIを含む報知情報は、ダウンリンク方向の共通トランスポートチャネル(Common Transport Channel)であるBCH(Broadcast Channel)に含まれている。また、BCHは、ダウンリンク方向の共通物理チャネル(Common Physical Channel)であるP−CCPCH(Primary Common Control Physical Channel)を用いて基地局から送信される。
なお、SAIに代えて、RNC(Radio Network Controller)を一意に識別する情報、具体的には、RNC−Id(RNC identifier)を領域識別情報として使用してもよい。また、セルを特定するために基地局から報知される識別情報であるCI(Cell Identity)やCGI(Cell Global Identification)を領域識別情報として使用してもよい。
領域判定部17は、領域識別情報取得部16により取得された領域識別情報を照合用情報と照合する。ここで、照合用情報とは、領域識別情報取得部16により取得された領域識別情報が、予め定められた動作許容領域に対応するものであるか否かを検証するための情報である。動作許容領域とは、リピータ装置1の設置が許容される領域である。具体的には、動作許容領域に対応する領域識別情報を照合用情報とすればよく、例えば、動作許容領域に対応するSAIを照合用情報とすればよい。
中継制御部18は、領域識別情報取得部16により取得された領域識別情報と照合用情報との照合結果に応じて、スイッチ回路142及び152の動作を制御する。具体的には、領域識別情報取得部16により取得された領域識別情報と照合用情報とが一致する場合に、中継制御部18は、スイッチ回路142及び152を閉じてダウンリンク方向及びアップリンク方向の信号中継を可能とする。一方、領域識別情報取得部16により取得された領域識別情報と照合用情報とが不一致である場合に、中継制御部18は、スイッチ回路142及び152を開放してダウンリンク方向及びアップリンク方向の信号中継を停止させる。
なお、図1では、増幅器141の後段に領域識別情報取得部16を配置した構成を示したが、このような構成は一例に過ぎない。例えば、領域識別情報取得部16をダウンリンク中継部14の前段に配置してもよい。
続いて以下では、領域識別情報取得部16の具体的な構成例について説明する。領域識別情報取得部16の構成例を図2に示す。図2において、IF変換部160は、入力されたRF(Radio Frequency)信号をIF(Intermediate Frequency)信号にダウンコンバートする。具体的には、IF変換部160は、ミキサ(不図示)、局部発振器(不図示)及びローパスフィルタ(不図示)、A/D変換器(不図示)を有し、入力されたRF信号とローカル発振器によって生成される信号とがミキサによって乗算され、ミキサの出力信号がローパスフィルタによって帯域選択され、A/D変換器によりサンプリングされたデジタル信号が出力される。
マッチトフィルタ161は、プライマリ共通制御物理チャネルP−CCPCHに対応した拡散符号レプリカと入力信号との相関演算によって逆拡散処理を実行する。拡散符号発生部162は、基地局においてP−CCPCHの拡散処理に使用される拡散符号(具体的には、チャネライゼーションコード及びスクランブルコード)と共通の拡散符号をマッチトフィルタ161に出力する。
マッチトフィルタ163は、共通パイロットチャネル(CPICH:Common Pilot Channel)に対応した拡散符号レプリカと入力信号との相関演算によって逆拡散処理を実行する。拡散符号発生部164は、基地局においてCPICHの拡散処理に使用される拡散符号と共通の拡散符号をマッチトフィルタ163に出力する。
チャネル推定部165は、マッチトフィルタ163より出力される信号を用いてチャネル推定を行い、基地局との間のマルチパスに対応した遅延プロファイルを生成する。RAKE合成部166は、チャネル推定部165により測定された遅延プロファイルを用いてRAKE合成を行う。BCH復号部167は、RAKE合成後のデータ系列に対して、デインタリーブ、チャネル復号を行ってBCHを復号する。SAI抽出部167は、復号されたBCHから領域識別情報であるSAIを抽出する。
上述したように、本実施の形態にかかるリピータ装置1は、照合用情報と一致しない領域識別情報が報知されている領域(セル)に設置場所が変更されると、中継動作を停止する。つまり、リピータ装置1は、領域識別情報と照合用情報との比較によってリピータ装置1の設置場所が変更されたことを判断することができ、この判断結果に応じてダウンリンク方向及びアップリンク方向の信号中継を停止することができる。このように、リピータ装置1は、中継動作を行うことが可能な場所を予め定められた設置場所に制限できるため、通信事業者による管理性を向上させることができる。
なお、上述したリピータ装置1において、領域判定部17は、複数の照合用情報を保持し、受信したダウンリンク信号に含まれる領域識別情報が複数の照合用情報のいずれかと一致する場合に信号中継を行ってもよい。
また、本実施の形態にかかるリピータ装置1は、商用交流電源から供給される電力により動作するよう構成してもよい。商用交流電源による動作を可能とすることによって、通常の通信事業者設備で使用されることが多い直流電源装置を設置することが困難である移動体通信サービス利用者の住宅内やオフィス内に、リピータ装置1を容易に設置することができる。
本実施の形態にかかるリピータ装置1は、フェムトセル基地局と組み合わせて利用するとよい。以下では、リピータ装置1の動作許容領域を特定のフェムトセル基地局のカバーエリア内に限定する具体例について説明する。
図4は、リピータ装置1をフェムトセル基地局41と組み合わせて利用する構成例を示す図である。図4の例では、フェムトセル基地局41が建物40の1階に配置され、リピータ装置1が建物40の1階から2階へ続く空間(例えば、階段や吹き抜け等)に配置されている。フェムトセル基地局41は、カバーエリア(セル半径)が数十メートル程度とされる極めて小規模な基地局であり、フェムトセル基地局41は、建物40に引き込まれた固定通信回線43に接続されている。フェムトセル基地局41は、IPネットワーク44を介して、移動局42と移動体通信事業者のコアネットワーク45(携帯電話コアネットワークと呼ぶ)の間でトラフィックを中継する。
フェムトセル基地局41の送信電波は微弱であるから、図4のようにフェムトセル基地局40の設置場所と異なるフロアに移動局42が存在する場合や、建物40内に壁等の障害物が多い場合には、建物40内にフェムトセル基地局41の送信電波が十分に到達しない不感領域が生じる可能性がある。本実施の形態にかかるリピータ装置1は、フェムトセル基地局41の送信電波を中継してフェムトセル基地局41の不感地域をカバーする用途に好適である。
このとき、リピータ装置1の領域判定部17に設定する照合用情報は、予め定められたフェムトセル基地局41を識別可能な識別情報にするとよい。これにより、リピータ装置1が屋外に持ち出された場合などに、リピータ装置1の中継動作を停止させることができる。つまり、リピータ装置1の動作許容領域を、フェムトセル基地局41のカバーエリア(最大数十メートル程度)という極めて限られた範囲に限定できるため、リピータ装置1の動作管理をいっそう厳格に行うことができる。
実施の形態2.
上述したリピータ装置1は、ダウンリンク信号に含まれるSAI、RNC−Id等を領域識別情報として参照することにより、リピータ装置1の設置場所が移動されたことを判断するものであった。これに対して、本実施の形態にかかるリピータ装置2は、基地局と移動局の間で送受信されるダウンリンク信号及びアップリンク信号とは異なる別の無線信号を用いて設置場所の変更を判断する。具体的に述べると、リピータ装置2は、GPS(Global Positioning System)衛星から送出される電波を受信して位置測定を実行し、測定された位置が予め許容された領域外である場合に、ダウンリンク信号及びアップリンク信号の中継を停止する。
リピータ装置2の構成を図5に示す。図5において、GPSアンテナ20は、GPS衛星から送出される信号を受信する。位置測定部26は、GPSアンテナ20による受信信号を用いて位置測定を行う。なお、GPS衛星からの受信信号を用いた測位方法は公知技術としてよく知られているものであるから、ここでは詳細な説明を省略する。領域判定部27は、位置測定部26により得られたリピータ装置2の位置情報を予め定められた照合用情報と比較することで、リピータ装置2が動作許容領域を超えて移動されたことを検出する。中継制御部28は、領域判定部27の検出結果に応じて、スイッチ回路142及び152を開放してダウンリンク方向及びアップリンク方向の信号中継を停止させる。
なお、GPS衛星からの電波が受信可能なエリアと、基地局からのダウンリンク信号が受信可能であって中継動作を行うべきエリアとは、必ずしも一致するものではない。このため、本実施の形態にかかるリピータ装置2は、基地局からのダウンリンク信号が受信できる地点であっても、GPS衛星からの電波が受信できないために、その動作に支障をきたす可能性がある。
これに対して、実施の形態1にかかるリピータ装置1が設置場所の変更を検出するために使用するSAIやRNC−Id等の情報は、まさに、リピータ装置1が中継すべきダウンリンク信号に含まれる情報である。つまり、リピータ装置1によるSAIやRNC−Id等の情報の取得は、中継動作を行うべきエリア、言い換えると基地局からの信号が受信可能なエリアにおいて確実に行うことができる。このように、リピータ装置1の場合には、中継対象であるダウンリンク信号が受信されるエリアと、領域識別情報を取得可能なエリアとが共通である。このため、リピータ装置1は、リピータ装置2に比べて、中継動作の停止判定が求められるエリアにおいて確実にその判定を行うことができるという利点がある。
その他の実施の形態.
上述したリピータ装置1及び2は、増幅器141から移動局側アンテナ11への信号入力を遮断する回路および増幅器151から基地局側アンテナ10への信号入力を遮断する回路としてスイッチ回路142及び152を用いた。しかしながら、信号入力を遮断するための構成は、電気的な接続状態を制御するスイッチ回路142及び152に限られない。例えば、減衰量を変更可能な可変減衰器を増幅器141と移動局側アンテナ11の間の配線上、及び増幅器151と基地局側アンテナ10の間の配線上に設けてもよい。この場合、領域識別情報の照合結果が不一致である場合に可変減衰器の減衰量を減少させればよい。また、領域識別情報の取得を増幅器141の前段で行う構成とする場合、領域識別情報の照合結果が不一致である場合に増幅器141の利得を減少させてもよい。また、領域識別情報の照合結果が不一致である場合にリピータ装置1の各構成要素に対する電力供給を停止させてもよい。
また、上述したリピータ装置1及び2は、基地局側アンテナ10及び移動局側アンテナ11を送受信で共用することとしたが、送信用アンテナと受信用アンテナとを独立させてもよい。
また、上述したリピータ装置1及び2は、W−CDMA方式の無線通信システムにおいて使用されるものとして説明したが、本発明は、cdma2000方式などの他のDS−CDMA方式にも適用可能である。また、DS−CDMA方式に限らず、その他の無線通信システムにも適用可能である。
また、上述したリピータ装置1及び2は、基地局及び移動局から送出される信号を直接中継するだけでなく、これらから送出される信号を他のリピータ装置を介して中継する用途にも使用可能である。
また、上述したリピータ装置1及び2は、アップリンクとダウンリンクの双方向の中継を行う構成であるが、どちらか片方向の中継を行う構成としてもよい。
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
実施の形態1にかかるリピータ装置の構成図である。 実施の形態1にかかるリピータ装置が有する領域識別情報取得部の構成図である。 基地局から送出される領域識別情報の一例を示す図である。 実施の形態1にかかるリピータ装置をフェムトセル基地局と組み合わせて利用する構成例を示す図である。 実施の形態2にかかるリピータ装置の構成図である。
符号の説明
1、2 無線中継装置
10 基地局側アンテナ
11 移動局側アンテナ
12、 13 デュプレクサ
14 ダウンリンク中継部
141 増幅器
142 スイッチ回路
15 アップリンク中継部
151 増幅器
152 スイッチ回路
16 領域識別情報取得部
17 領域判定部
18 中継制御部
20 GPSアンテナ
26 位置測定部
27 領域判定部
28 中継制御部
41 フェムトセル基地局
42 移動局
43 固定通信回線
44 IPネットワーク
45 携帯電話コアネットワーク
160 IF変換部
161 マッチトフィルタ
162 拡散符号発生部
163 マッチトフィルタ
164 拡散符号発生部
165 伝送路推定部
166 RAKE合成部
167 BCH復号部
168 SAI抽出部

Claims (7)

  1. 移動体通信システムの基地局と移動局との間で無線信号を中継する無線中継装置であって、
    前記基地局より送出されるダウンリンク信号を増幅し、前記移動局に向けて送出するダウンリンク中継部と、
    前記基地局から送出される前記ダウンリンク信号から領域識別情報を取得する領域識別情報取得部と、
    当該無線中継装置が小規模な基地局のカバーエリアに対応する領域である動作許容領域に配置されているか否かを、前記領域識別情報が予め定められた小規模な基地局を識別可能な識別情報と一致するか否かに応じて判定する領域判定部と、
    当該無線中継装置が前記動作許容領域の外に配置されていると判定される場合に、前記ダウンリンク中継部による信号中継を停止させる中継制御部と、
    を備える無線中継装置。
  2. 前記領域判定部は、前記領域識別情報と、前記動作許容領域に対応して予め設定された照合用情報とを照合することによって、前記動作許容領域であるか否かを判定する請求項1に記載の無線中継装置。
  3. 前記領域識別情報は、移動体通信サービスの提供地域を特定するために前記基地局から報知されるSAI(Service Area Identifier)、RNC−Id(RNC identifier)、CI(Cell Identity)若しくはCGI(Cell Global Identification)、又はこれらの組合せである請求項1または2に記載の無線中継装置。
  4. 前記移動局より送出されるアップリンク信号を増幅し、前記基地局に向けて送出するアップリンク中継部をさらに備え、
    前記中継制御部は、当該無線中継装置が前記動作許容領域の外に配置されていると判定される場合に、前記ダウンリンク中継部による信号中継及び前記アップリンク中継部による信号中継を共に停止させる請求項1乃至のいずれか1項に記載の無線中継装置。
  5. 移動体通信システムの基地局と移動局との間で無線信号を中継する無線中継装置であって、
    前記基地局より送出されるダウンリンク信号を増幅し、前記移動局に向けて送出するダウンリンク中継部と、
    GPS(Global Positioning System)衛星から送出される電波を受信して当該無線通信装置が配置された位置を測定する位置測定部と、
    前記位置測定部により得られた位置情報に基づいて、当該無線中継装置が動作許容領域に配置されているか否かを判定する領域判定部と、
    当該無線中継装置が前記動作許容領域の外に配置されていると判定される場合に、前記ダウンリンク中継部による信号中継を停止させる中継制御部と、
    を備える無線中継装置。
  6. 移動体通信システムで使用される無線中継装置の制御方法であって、
    基地局より送出されるダウンリンク信号から領域識別情報を抽出し、
    当該無線中継装置が小規模な基地局のカバーエリアに対応する領域である動作許容領域に配置されているか否かを、前記動作許容領域に対応して予め設定された小規模な基地局を識別可能な識別情報である照合用情報と前記領域識別情報との一致に応じて判定し、
    当該無線中継装置が前記動作許容領域の外に配置されていると判定される場合に、前記ダウンリンク信号を中継する処理と移動局から送出されるアップリンク信号を中継する処理を共に停止させる、無線中継装置の制御方法。
  7. 前記領域識別情報は、移動体通信サービスの提供地域を特定するために前記基地局から報知されるSAI(Service Area Identifier)、RNC−Id(RNC identifier)、CI(Cell Identity)若しくはCGI(Cell Global Identification)、又はこれらの組合せである請求項に記載の制御方法。
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