JP4925820B2 - 表面に固定された小胞の多層構造 - Google Patents

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Description

本発明は、
−表面に固定された複数の無処置の小胞の多層構造、
−かかる多層構造を生成する方法及び手段、
−生物分析センサー用途におけるかかる多層構造の使用
に関する。
例えば、ヌクレオチドハイブリッド形成、抗体−抗原認識、薬物−受容体相互作用などを含めて、生体認識現象の詳細な分析に適合した生物分析センサー概念の改善が強く求められている。一般的な一手法においては、固定受容体(プローブ)によって認識される分析分子(標的)は、例えば、蛍光性化合物又は放射性化合物によって標識される。次第に重要度が増してきた別の手法においては、生体認識現象は、外部標識を導入せずに記録される。非標識検出に対する要求は、(i)複雑な混合物から検出される分子は、迅速で再現性のある均一な方法で標識25するには複雑であり、(ii)標識は、実際の生体認識現象を妨害することがあり、(iii)結合動力学からの情報は一般に得ることができず、したがって親和性及び濃度の決定を複雑にするという知見に主に起因する。最近、この方面においてかなりの進展がなされ、様々な生体認識現象の非標識高感度検出が可能になった。かかる分析方法には、SPS/SPR表面プラズモン分光法/共鳴)、(Rich及びMyszka 2000)偏光解析法、OWLS(光導波路分光法)などの光学的方法、(Ramsden 1993)QCM(水晶発振子微量天秤)、SAW(表面弾性波)などの圧電方法(Janshoff等 2000)及びSPFS(表面プラズモン励起蛍光分光法)(Liebermann及びKnoll 2000)、蛍光画像処理(Niemeyer及びBlohm 1999)などの蛍光方法がある。これらのうち、SPRは最も普及した技術である(Rich及びMyszka 2000。金表面と液体、一般に水溶液との界面における屈折率の変化を高感度で検出することができる新規光学設計を除いて、この技術は、少量の試料を取扱うマイクロ流体工学、及びパターン化された表面の画像処理に適合する。(Jordan等 1997)また、様々なタイプの生体分子を効率的に固定するように設計された様々な金表面改変プロトコルが成功裏に開発された。
しかし、抗体、多数の酵素などの水溶性タンパク質及びオリゴヌクレオチドを固定するために開発されたプロトコルは、効率的で信頼できることが証明されたが、膜タンパク質は取り扱いがより厄介であることが判明した。固体担体上に支持された細胞膜模倣物は、例えば、光合成、呼吸及び神経生物学の基礎的な機能研究に役立つので、これは、実際に極めて厄介な問題である。
また、膜タンパク質、特に膜貫通タンパク質は、タンパク質の重要なクラスを構成しているので、この難解な問題は、薬物の大多数が膜タンパク質を対象とするからでは全くなく、薬学的応用分野に関しても極めて重要である。膜タンパク質を適正に取扱う際の基本的な障害は、膜タンパク質が、水溶性タンパク質とは対照的に、疎水性膜セグメントを有し、タンパク質がその本来のコンホメーションを維持するために水から遮蔽されなければならないことに起因する。この遮蔽は、タンパク質を水溶液に可溶であるように維持する界面活性剤(detergent)を使用することによって、又は好ましくは、例えば、リポソーム、平面状の支持された二重層などの細胞膜模倣構造中にタンパク質を再構成することによって実施することができる。これは、固定戦略に対して大きな要件となる。組み込まれた膜タンパク質を含めて、固体担体上の脂質二重層構築体の固定化に適合する戦略を開発するために、いくつかの戦略が開発された。最も直接的な戦略は、SiO、ガラス又はマイカ表面の平面状支持二重層への無処置の小胞の自発的な吸着、分解及び融合を利用する(Brian及びMcConnell 1984;Burgess等 1998;Gizeli等 1997;Graneli等 2003;Gritsch等 1998;Heyse等 1998;Kalb及びTamm 1992;Lindholm−Sethson 1998;Salafsky等 1996。しかし、平面状支持二重層に組み込まれた膜タンパク質の水溶性部分は、固体担体と直接相互作用する傾向にあるので、この戦略は、タンパク質の移動度及び活性に悪影響を及ぼすことが判明した(Salafsky等 1996)。また、タンパク質が裸で存在すると、実際の二重層形成プロセスを妨害することもある。(Graneli等 2003)前者の問題を回避する有望な一方法は、タンパク質と固体担体の間にスペーサー又はクッション(不活性軟質ポリマーであることが多い)を使用すること(Naumann等 2002;Wagner及びTamm 2000)及び欧州特許第07847939号;或いは表面に小さな空洞を広げる膜を作製することである(Schmidt等 2000。しかし、膜の両側に電気的に直接接することが必須ではない場合には35、固定された無処置の小胞を使用することによって、膜タンパク質の機能に対する固体担体の影響に関わる諸問題を回避することができ(Cooper等 2000;Svedhem等 2003)、実際の二重層形成プロセスに対する膜タンパク質の影響に関わる問題を回避することができる(Graneli等 2003)。(i)固体担体(例えば、Au、TiO、Pt)との自発的な結合(Keller及びKasemo 1998;Reimhult等 2002)、(ii)表面にある機能要素の一タイプに特異的に結合するように設計された小胞(例えば、ストレプトアビジン被覆表面に結合したビオチン改変脂質を含む小胞(Jung等 2000;Michel等 2002)又は抗体−抗原結合を含む小胞(MacKenzie,1997)中の脂質画分、(iii)トランスデューサー表面に固定された疎水性タグ、(Cooper等 2000)、或いは(iv)DNA改変表面に特異的に結合するためのDNA改変小胞、(Patolsky等 2000)を利用して小胞をトランスデューサー表面に固定することができる方法も、アレイ形式に適合することが実証された。(Svedhem等 2003)
また、平面状支持脂質二重層と比較して、さらには、制御流れ条件下の界面活性剤枯渇を使用して平面状支持脂質二重層における固定膜タンパク質の濃度を増加させる戦略と比較しても、固定小胞を使用すると、単位表面積当たりに固定され得る標的部位(例えば、膜タンパク質)候補数が増加する。(Karlsson及びLofas 2002;Karlsson及びLofas 2002)しかし、大きな親水性ドメインを有する膜タンパク質を高濃度でリポソームに組み込むことは、膜タンパク質が凝集し易く、活性を失い易いので一般に困難である(例えば(Richard等 1990及びその中の参考文献を参照されたい)。
したがって、固定小胞を使用する場合でも、タンパク質の表面濃度は比較的低く維持されなければならないことが多い。したがって、固定膜タンパク質の量をその機能に重大な影響を及ぼさずに増加させる戦略を開発することは極めて重要である。
本発明は、溶液中の膜固定化合物(プローブ)と分析化合物(標的)の相互作用部位の数が少ない上述の問題が、一般に、
バイオセンサー用途における低シグナルをもたらし、
効率的な分子フィッシング(molecule fishing)用フィルターを生成する部位を過度に少なくし、
これらの問題の両方が、かかる分析化合物に結合することができる表面固定プローブの数を増加させることによって解決し得るという洞察に基づく。
したがって、本発明の一目的は、標識検出又は非標識検出を利用した検出用途において、膜結合性成分と分析物の結合及び/又は膜結合性成分からの分析物の放出の検出感度を改善することである。
本発明の別の目的は、いくつかの用途に有利であるとされている、表面に近い溶液の捕捉(又は制御)体積を増加させることである。
第1の一般的な実施態様においては、本発明は、前記表面から十分離隔した複数の小胞を含む生物学的に機能的な表面固定多層構造に関する。これらの小胞は、表面固定リンカーと小胞付着(外側に突出した)リンカーによって前記構造に直接付着し、かかる小胞付着リンカーによって別の小胞に場合によっては直接付着してもよい。これらの小胞は、生物活性化合物を含み、それによってその生物学的機能を有する構造が提供される。
第1の態様においては、多層構造は、2個の小胞が各表面固定リンカーに付着するように、小胞付着リンカーによって表面固定リンカーに直接付着した小胞を有する。ここで、各小胞付着リンカーは、別の小胞付着リンカーではなく、表面固定リンカーに結合するようになされる。
第2の態様においては、小胞は、表面固定リンカー及び小胞付着リンカーによって多層構造に付着し、それによって2個以上の小胞層を含む構造が提供される。したがって、これらの構造は、表面固定リンカーに直接連結された小胞の1層と、小胞付着リンカー間の連結によって形成される小胞−小胞層の1個又はいくつかの後続層とを含む。
第2の一般的な実施態様においては、生物学的に機能的な表面固定多層構造は、表面から十分離隔した複数の小胞を含み、小胞は、小胞付着リンカーによって表面固定リンカーに沿って直接付着し、少なくとも2個の小胞が小胞付着リンカーによって各リンカーに付着する。各小胞付着リンカーは、表面固定リンカーには結合するが、別の小胞付着リンカーには付着しないようになされている。この実施態様によれば、生物学的機能は、小胞付着リンカーに付着していない表面固定リンカーの領域に由来し得る。追加又は相補的な生物学的機能は、前記構造に付着した小胞に含まれる化合物に由来し得る。
第3の実施態様によれば、本発明の複数の小胞を含む生物学的に機能的な表面固定多層構造は、表面固定化によって前記構造に直接付着し、小胞付着リンカーによって別の小胞に直接付着する小胞を有する。少なくとも選択小胞集団は生物活性化合物を含み、それによってその生物学的機能を有する前記構造が提供される。より具体的には、小胞の生物活性化合物は、表面近傍においてそれらの生理活性に障害を生じ、又は悪影響を及ぼし得る。その結果、第1の層、又は表面に最も近い層を、生物活性化合物を含まない小胞で形成させることが望ましい用途もある。或いは、すべての小胞が生物活性剤を含むこともできる。第3の実施態様の一態様においては、多層構造を解釈するために、小胞の表面固定化には、別の小胞付着リンカーに結合可能な少なくとも1個の小胞付着リンカーを有する直接表面付着用の第1の小胞集団が必要である。脂質小胞の直接表面付着は、当業者には十分に確立された技術である。かかる付着を実施する適切な一方法は、Cooper等(2000)に概説された、表面に固定された疎水性表面タグを使用することである。
本発明は、複数の小胞の表面固定多層構造を生成する方法、その構造自体、並びにバイオセンシング、送達及びフィルター用途におけるかかる構造の使用にも関する。
より具体的には、多層構造形成方法は、
(i)少なくとも1個の小胞付着リンカーに結合するようになされ、少なくとも1個の小胞付着リンカーとの結合に利用可能である少なくとも1個の表面固定リンカー、又は1個以上の小胞付着リンカーを各々が備える直接表面固定小胞の第1の層のどちらかを含む表面を用意し、
(ii)表面固定リンカー又は別の小胞付着リンカーに直接結合するようになされ、表面固定リンカー又は別の小胞付着リンカーとの直接結合に利用可能である少なくとも1個の外側に突出した小胞付着リンカーを各々が含む小胞を用意し、
(iii)表面固定リンカーとの、又は前記構造にすでに固定された小胞付着リンカーとの小胞付着リンカーの直接的結合を促進する条件下で前記小胞の少なくとも1個と前記表面をインキュベートし、その結果
(iv)別の小胞付着リンカー(5)との結合に利用可能である少なくとも1個の構造固定リンカー及び/又は表面固定リンカーをこの段階の後に含む前記構造に小胞及び小胞結合リンカーが固定され、
(v)小胞(2)の所望の量が前記構造に固定されるまで前の段階又は前の2段階を繰り返す
各段階を含む。
(図1に示す)本発明の方法の一実施態様においては、少なくとも2個の別のリンカーに結合するようになされ、少なくとも2個の別のリンカーとの結合に利用可能であるいくつかのリンカー(表面リンカー)が表面に固定される。別のリンカー(小胞リンカー又は表面リンカー)に結合するようになされ、別のリンカー(小胞リンカー又は表面リンカー)との結合に利用可能である少なくとも1個の外側に突出した小胞付着リンカー(小胞リンカー)が各小胞に付着する。前記小胞と前記表面は、小胞付着リンカーが表面固定リンカーに直接結合し、それによって小胞が前記表面固定リンカー、したがって前記表面に固定される条件下で一緒にインキュベートされる。表面固定リンカーは、異なる部分に対する異なる付着リンカーによって小胞に結合するようにすることができるので、いくつかの小胞は、一段階で固定することができる。
本発明の方法の別の実施態様においては(図2)、別のリンカーに結合するようになされ、別のリンカーとの結合に利用可能である少なくとも1個のリンカー(表面リンカー)が表面に固定される。別のリンカー(小胞リンカー又は表面リンカー)に結合するようになされ、別のリンカー(小胞リンカー又は表面リンカー)との結合に利用可能である少なくとも1個の外側に突出した小胞付着リンカー(小胞リンカー)が各小胞に付着する。前記小胞と前記表面は、小胞リンカーが表面リンカーに結合することができ、結合すると、小胞が前記表面リンカー、したがって前記表面に表面の第1の小胞層として固定される条件下で一緒にインキュベートされる。この手順は繰り返すことができ、新しい小胞、前記表面にすでに固定された小胞に付着したリンカーとリンカーの結合を促進し、したがって前記表面の固定小胞の後続層を形成する条件下で、新しい小胞を前記表面と一緒にインキュベートすることができる。
本発明の方法のさらなる実施態様においては、第1の小胞層は、従来の方法によって表面に直接付着される。かかる第1の層の小胞は、表面付着に適合することができ、又は表面付着に対して官能性を持たせることができ、或いは、表面は、疎水性タグによって適合される。隣接表面が、小胞に含まれ前記構造を生体機能性にする生物学的化合物に障害を与え、又は悪影響を及ぼすと考えられる場合には、この実施態様の一態様においては、第1の層の小胞は、生物学的化合物を含まない第1の小胞集団を構成することができる。この側面によれば、次に続く層は、生物学的薬剤を含む小胞を含む。小胞の後続層は、上で説明された小胞付着リンカーによって形成される。
本発明の一部の実施態様においては、生物学的に又は別の方法では化学的に活性な化合物は小胞の脂質二重層を伴う。この化合物は、例えば、天然若しくは合成タンパク質、ポリペプチド又はペプチドとすることができ、炭水化物とすることができ、設計された脂質とすることができ、特定の細胞又は組織タイプに特徴的な細胞表面タンパク質、病原体、腫瘍細胞、生体細胞(vitally cell)などの表面タンパク質などの細胞表面タンパク質とすることができる。小胞は、細胞などによっても産生することができる。
本発明の別の実施態様においては、色素、薬物又は他の生物学的若しくは他の方法においては化学的に活性な化合物が固定小胞の内部体積に含まれる。
さらに好ましい実施態様においては、複数の小胞の表面固定多層構造は、バイオセンサーに使用するようになされている。ここで、
−多層構造の形成がモニターされ、かつ/又は
−前記付随生物活性化合物及び/又は分析物間の相互作用が研究される。
さらに好ましい実施態様においては、膜又は小胞内部に結合した前記生物活性化合物と分析物の相互作用が、前記バイオセンサーによって研究される。
本発明の別の実施態様においては、複数の小胞の表面固定多層構造は、例えば、バイオインフォマティクスにおける薬物送達又は制御放出の別の形式に使用するようになされており、前記放出化合物は、別の固定小胞と反応してもしなくてもよい。
本発明の別の実施態様においては、複数の小胞の表面固定多層構造は、複雑な溶液から化合物を除去又は抽出するようになされている。
本発明による構造は、固定プローブ分子数が、単一脂質二重層又は無処置の小胞の単一層のそれよりもかなり多い利点を有する。3次元に広がる構造を構築することによって、これまで提案された本質的に2次元の構造とは対照的に、機器の検出能力がより良く利用される。すなわち、より多数の固定活性化合物によって、より多数の分析分子が、バイオセンサーによって感知される領域内の生物活性化合物と相互作用することができる。感知される領域内のかかる相互作用の数が多いほど、測定の分解能が向上し、したがって、より弱い相互作用を検出することができ、低分子量の生物活性化合物及び分析物を検出することができる。
各小胞間の結合及び小胞と表面の結合は、好ましくは、DNA及びRNAのオリゴ又はポリヌクレオチド、並びにPNA又は他のいわゆるDNAアナログ間の配列特異的ハイブリッド形成によって媒介することができる。ビオチン改変脂質小胞を使用して固定小胞の多層がストレプトアビジンの中間層を介して形成され得る該ビオチン改変脂質小胞を利用して小胞の多層が作製されたこれまでの戦略と比較して(Zacher及びWischerhoff 2002)、本発明に利用されるオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの設計によって長さを容易に制御することができる効率的スペーサーとして働くことができる。
配列特異的結合戦略は、本発明による異なる構造の部位特異的な形成の機会を広げるものである。異なるオリゴヌクレオチドは異なる小胞に付着することができ、異なる小胞は異なる生物活性化合物に組み込むことができる。異なるオリゴヌクレオチドを表面の異なる位置に固定することによって、異なる機能を有する別個の多層構造を同じ表面に調製することができる。また、異なる小胞は、比較的長い固定一本鎖オリゴヌクレオチド上の異なる位置に固定することができる。
本発明によって生成される小胞の多層においては、下にある支持体からの層当たりの距離が増加し、したがって、小胞中に固定された化合物の活性及び小胞内に閉じ込められた分子の透過性に対する表面による妨害がさらに減少する。本発明の構造は、比較的安定でもあり、生成が容易でもあり、特定の目的及び分析計測手段用に容易にあつらえることもできる。
用語の定義
本発明の理解を容易にするために、いくつかの用語を以下に定義する。
本明細書において使用される「小胞」又は「リポソーム」という用語は、脂質膜で組み立てられた実質的に球状の構造(直径5nmから20μm)を一般に意味し、タンパク質、糖脂質、ステロイド又は他の膜関連成分を含んでも含まなくてもよい。
「リポソーム」及び「小胞」という用語は本明細書では区別なく使用される。小胞は、天然に生成することができ(例えば、分子を輸送し、特異的細胞機能を分割する細胞質中にある小胞)、又は合成によって生成することができる(例えば、リポソーム)。「小胞」という用語は、本明細書では、親水性の外部と疎水性の内部を有する、脂質を含む粒子である「ミセル」に対しても使用される。
本明細書において使用される「ヌクレオチド」という用語は、DNA、RNAなどのあらゆる核酸、及びPNA(ペプチド核酸)、LNA(Locked Nucleic Acid)、モルホリノ核酸アナログなど、ただしこれらだけに限定されない核酸アナログを意味する。この用語は、DNA及びRNAの公知の塩基類似体を含むあらゆるヌクレオチドにも関係する。
本明細書において使用される「オリゴヌクレオチド」という用語は、短い一本鎖ポリヌクレオチド鎖を意味する。オリゴヌクレオチドは一般に100残基長未満であるが、本明細書において使用されるこの用語は、それよりも長いポリヌクレオチドも包含するものとする。この用語は、ヌクレオチドポリマーを形成する、上で定義されたヌクレオチドのすべての組み合せを意味する。
本明細書において使用される「ハイブリッド形成」という用語は、ワトソン−クリック−ハイブリッド形成と称されることが多い実質的に相補的な核酸の対形成、並びにフーグスティーンハイブリッド形成と称されるハイブリッド形成に関連して使用される。
本明細書において使用される「固定化」という用語は、材料の動きを拘束し、ただし必ずしも制限しないような、トランスデューサー表面への材料の化学的な又はそれ以外による付着又は取り込みを意味する。
本明細書において使用される「分析物」という用語は、分析されるあらゆる材料を意味する。
本明細書において使用される「バイオセンサー」という用語は、部分的に又は全体が生物学的分子で構成されたあらゆるセンサー装置を意味する。在来の意味では、この用語は、「生化学シグナルを定量可能な電気信号に変換する適切な変換装置と密着した(酵素、抗体、全細胞、細胞小器官又はそれらの組み合せなどの)固定生物学的材料からなる分析的なツール又はシステム」を意味する(Gronow 1984)。
本明細書において使用される「多層」という用語は、第1の層の上に形成された少なくとも第2の層を含む構造を意味する。個々の層は、相互作用してもしなくてもよい。
本明細書において使用される「生物活性化合物」という用語は、他の材料又は化合物と相互作用することができる生物学的化合物を意味する。かかる生物活性化合物としては、タンパク質、抗体、ヌクレオチド、脂質、炭水化物、これらの組み合せなどが挙げられるが、これらだけに限定されない。
本明細書において使用される「膜タンパク質」という用語は、脂質二重層に結合又は挿入されたタンパク質又はポリペプチドを意味する。かかる膜タンパク質は、膜貫通タンパク質、及び脂質層に埋め込まれた部分を有するタンパク質を含む。
本明細書において使用される「外側に突出した化合物」という用語は、表面から突出した部分を有する化合物を意味する。小胞の場合のように表面が実質的に球状表面である場合には、この用語は、化合物が表面から周囲環境に向かって突出していることを意味する。
本明細書において使用される「表面」という用語は、その最も広い意味で使用されるものとする。これは、その上に構造を固定することができる支持手段として使用することができるすべての化合物を包含する。
本明細書において使用される「結合するようになされたリンカー」という用語は、リンカーが、別の化合物に結合する能力を有する化合物を含むことを意味する。
本明細書において使用される「結合に利用可能であるリンカー」という用語は、リンカーが結合するようになされているが、別のリンカーにまだ結合していない、又はリンカーのすべての結合部位がまだ占有されていない状況を意味する。
好ましい本発明の実施態様を、添付の図面を参照してさらに説明する。
好ましい本発明の実施態様においては、表面1に固定されたリンカー4及び小胞2に付着した外側に突出したリンカー5はオリゴヌクレオチドを含む。少なくとも1個のオリゴヌクレオチドが、多層構造を形成する各小胞2に組み込まれ、隣接する小胞2の相互結合3、及び表面1への小胞2の固定化は、オリゴヌクレオチドによって媒介される。
別の実施態様においては、本発明の構造の生物学的機能を補足し、又は拡張するために、リンカー4、5は、相手に特異的に結合する能力を有する他の化合物又は領域を含むことができる。かかる化合物の例としては、互いに親和性を有するタンパク質対、及び抗体と抗原の対に対して親和性を有するタンパク質対が挙げられるが、これらだけに限定されない。
好ましい本発明の実施態様においては、一般に1から1000塩基の長さを有し外側に突出したオリゴヌクレオチドが小胞2に付着する。
本発明の好ましい実施態様においては、国際公開第02/33045号A2に記載されたとおり、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの一端に付着した1個以上の疎水性固着部分を有するオリゴヌクレオチドが組み込まれることによって小胞2に付着する。疎水性固着部分はそれ自体を少なくとも部分的に小胞2の脂質層の疎水性部分に組み入れ、それによって小胞2から外側に突出しているオリゴヌクレオチドの親水性部分を有する小胞中にオリゴヌクレオチドが固着する。疎水性固着部分は、コレステロール、脂肪酸、疎水性ペプチド及び脂質からなる群に属し、ただしこれらだけに限定されない化合物を含むことができる。
別の実施態様においては、前記オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの一端に付着した小胞2に対する反応性基によって小胞2に結合される。反応性基は、小胞の脂質頭部基に結合する。かかる共有結合の例は、欧州特許第0784793号及び(Patolsky等 2000)に記載されており参照される。外側に突出したオリゴヌクレオチドの組み込みは、多種多様な方法によって実施することができる。オリゴヌクレオチドを小胞に組み入れる上述の方法、及び本明細書に記載されていない他の方法を使用することができる。
一般に、脂質小胞の1層又は平面状の支持された1つの二重層を有し、オリゴヌクレオチドによって官能性を持たせたることができる任意の表面1(固定オリゴヌクレオチドを有する表面)を本発明において使用することができる(すなわち、金属表面、ポリマー表面、多孔質酸化物、半導体、ガラス表面、シリカ表面、脂質構造、石英、タンパク質結晶などの結晶表面など)。しかし、表面1は、本発明に使用される最終面積に応じて選択される。また、オリゴヌクレオチドを表面1に固定する方法は、表面の選択に応じて決まる。オリゴヌクレオチドによって官能性を持たせた表面は、親和性(表面固定ストレプトアビジンによるビオチン化オリゴヌクレオチドの固定など、ただしこれだけに限定されない)又は共有結合(金表面へのオリゴヌクレオチドのチオール固定化、シリカ表面へのオリゴヌクレオチドのシラン固定化など、ただしこれらだけに限定されない)によって固定されたオリゴヌクレオチドを有する表面1とすることができる。
オリゴヌクレオチド官能化表面は、欧州特許第0784793号、(Cooper等 2000;Jung等 2000;Keller and Kasemo 1998;MacKenzie等 1997;Michel等 2002;Patolsky等 2000;Reimhult等 2002;Svedhem等 2003)に記載の方法など、ただしこれらだけに限定されない脂質の固定層を有する表面1とすることもできる。ここで、外側に突出したオリゴヌクレオチドは脂質層又は小胞にそれぞれ組み込まれ、前記オリゴヌクレオチドはハイブリッド形成に利用可能である。
本発明の好ましい実施態様においては、表面1は金属であり、例えば、これらだけに限定されないが、表面固定ストレプトアビジンによるビオチン化オリゴヌクレオチドの固定化によって官能性を持たせた金及び銀である。
本発明の好ましい実施態様においては、表面1に小胞2を固定する前に表面に固定されたリンカー4は、一般に長さが1から100塩基であり小胞2上のオリゴヌクレオチドに相補的であるいくつかの異なるオリゴヌクレオチドを含む3次元マトリックスを形成する。小胞2は、小胞オリゴヌクレオチドに相補的であるオリゴヌクレオチドを含むマトリックスと小胞付着オリゴヌクレオチドのハイブリッド形成によってマトリックスに固定される。
本発明の図1に示す実施態様においては、3次元マトリックスは、一般に長さが100から10000塩基であり小胞2上のオリゴヌクレオチドに相補的である2個以上の配列鎖(sequenece stretch)を有する長い表面固定オリゴヌクレオチド鎖4で構成される。小胞は、小胞オリゴヌクレオチド5に相補的な鎖(stretch)3における小胞付着オリゴヌクレオチド5と表面固定オリゴヌクレオチド4のハイブリッド形成によって表面1に固定される。異なるオリゴヌクレオチドが付着した異なる小胞は、表面固定オリゴヌクレオチド上の異なる配列鎖においてハイブリッド形成することができる。このことは、多層構造の形成が、別個の段階又は並行した段階において異なる小胞を異なるオリゴヌクレオチドと一緒にインキュベーションすることによって制御できることを意味する。
図2に示す実施態様においては、小胞2を固定する前に表面1に固定されたリンカー4は、一般に長さが1から10000塩基であり小胞に付着したオリゴヌクレオチドに相補的な1個の配列鎖を有するオリゴヌクレオチドを含む。表面上で小胞の第1の固定層を形成する各小胞は、表面固定オリゴヌクレオチドと少なくとも1個の小胞付着オリゴヌクレオチドのハイブリッド形成によって固定される。小胞の第2の固定層を形成する小胞2は、ハイブリッド形成に利用可能であり第1の固定層に含まれる小胞に付着したオリゴヌクレオチドと少なくとも1個の小胞付着オリゴヌクレオチド5のハイブリッド形成によって表面1に固定される。第3の小胞層を形成する小胞は、第2の小胞層上に同様に固定される。小胞2への組み込みに使用されるオリゴヌクレオチド及び表面1に固定されたオリゴヌクレオチドの各配列は、最適な多層構造が形成されるように選択される。
図1に示す実施態様においては、小胞2に組み込まれたオリゴヌクレオチドは、表面固定オリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する。これは、ある小胞層を形成する小胞に組み込まれたオリゴヌクレオチドが、表面1からある距離に位置する表面固定オリゴヌクレオチドのある領域と特異的にハイブリッド形成することができる配列を有する必要があることを意味する。
図2に示す実施態様においては、第1の層を形成する小胞2に組み込まれたオリゴヌクレオチドは、改変された表面1のオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する。このことは、組み込まれた前記オリゴヌクレオチドの配列が、「第1の層」のオリゴヌクレオチドと表面固定オリゴヌクレオチドの特異的ハイブリッド形成が可能なように選択されるべきであることを意味する。また、第2の層を形成する小胞2に組み込まれたオリゴヌクレオチドは、第1の層を形成するオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する。このことは、これらの「第2の層」のオリゴヌクレオチドの配列が、前記「第2の層」のオリゴヌクレオチドと前記「第1の層」のオリゴヌクレオチドの特異的ハイブリッド形成が可能なように選択されるべきであることを意味する。この手法は、所望の数の層が得られるまで繰り返される。また、第1の小胞層は、欧州特許第0784793及び(Cooper等 2000;Jung等 2000;Patolsky等 2000)に公知の方法のいずれかによって固定することができる。所望の数の層は用途によって決まる。
好ましい本発明の実施態様においては、小胞2は、実質的に球状の脂質二分子膜構造を含み、脂質頭部は、疎水性膜層と親水性内部を有する親水性粒子を形成する小胞の外部と内部に面する。しかし、小胞は、親水性粒子を形成する小胞の外部に面する親水性脂質頭部と、小胞の疎水性内部を形成する脂質尾部とを有する実質的に球状の脂質単分子膜(ミセルとしても知られる)も含むことができる。小胞を形成する化合物は、小胞を形成することができる任意の化合物、又はかかる化合物の組み合せとすることができる。かかる化合物は、中でも、リン脂質、スフィンゴミエリン、コレステロール、プラズマトジェン(plasmatogen)及びカルジオリピド(cardiolipid)とすることができるが、小胞を形成する脂質が脂質自体の重合によって互いに連結された化合物であってもよい。好ましい実施態様においては、小胞の中央値サイズは、5nmから10μm、より好ましくは25nmから150nmである。本発明による複数の小胞の表面固定多層構造が生成される条件(緩衝剤組成、pH、温度、反応速度など)は、表面材料の選択、小胞組成、オリゴヌクレオチド配列などの様々な因子によって決まる。異なる段階に適切な条件は、当業者が容易に決定することができる。実験条件の例は、実施されたいくつかの実験を記載したときに後述する。
本発明の好ましい実施態様においては、1層を超える小胞を形成するように設計された小胞2は、単一のインキュベーション段階において前記表面固定多層構造を形成するために表面1と同時にインキュベートされる。
別の本発明の好ましい実施態様においては、小胞の単層を形成するように設計された小胞2は、別個の逐次インキュベーション段階において前記表面固定多層構造の各小胞層を形成するために表面1と同時にインキュベートされる。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、表面固定多層構造を形成する小胞は、膜タンパク質、抗体、機能性脂質、水溶性結合タンパク質など、ただしこれらだけに限定されない生物活性化合物6も含む。本発明の特に好ましい実施態様においては、本発明による多層構造は、小胞2に組み込まれた前記生物活性化合物6と分析物7の相互作用の研究に使用されるように設計される。かかる研究としては、抗体−抗原相互作用、薬物−標的相互作用、タンパク質結合相互作用などが挙げられるが、これらだけに限定されない。
別の実施態様においては、小胞2は、薬物、色素、タンパク質、ペプチド、オリゴヌクレオチド、イオンなどの異なる化合物を小胞の内部8に包含することができる。小胞2は、これらの化合物が小胞から放出されるように設計することができる。この放出は、印加電位、浸透応力、又は前記放出を刺激する化合物とのインキュベーションによって引き起こすことができる。前記放出は、とりわけ、局所的薬物送達の研究に使用することができる。
異なる小胞2は、異なるリンカー5を異なる小胞に付着させることによって、本発明による多層構造の異なる層に含まれるように設計することができる。前記異なる小胞は異なる生物活性化合物6を含むことができ、したがって異なる生物活性を多層構造中の異なる層に指定することができる。
特定の実施態様においては、本発明は、表面1に固定することができ、さらにそうするように惹起されたときに表面から放出されるように設計される複数の小胞2の多層構造に関する。この放出は、印加電位、浸透応力、温度変化、又は前記放出を刺激する化合物とのインキュベーションによって引き起こすことができる。
本発明の特に好ましい実施態様においては、複数の小胞の前記表面固定多層構造は、バイオセンサーに使用するのに適切な表面に固定される。したがって、適切な表面のタイプは、上述したように、異なるバイオセンサーで異なる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、本発明による複数の小胞の表面固定多層構造の形成は、バイオセンサーにおいて実施され、前記構造の形成を検出する技術によってモニターされ、さらに好ましい実施態様においては、前記構造の諸性質についてのさらなる研究が前記バイオセンサーにおいて実施される。
上述の実施態様及び以下の実験は、本発明の非限定的な例であり、本発明は他の実施態様も含むことを理解されたい。
実験及び結果
複数の脂質小胞及びタンパク質リポソームは、その後の相補DNA改変脂質小胞間のハイブリッド形成を利用して固体基質上に固定された。調製物は表面プラズモン共鳴(SPR)によって分析された。表面調製物は、金(表面被覆度90ng/cm(1440RU)、続いてneutravidin(表面被覆度130ng/cm(2020RU))に吸収されたビオチン化アルブミンに基づき、類似のシステムによる以前の結果と良く一致した(Jung等 1998;Jung等 2000;Svedhem等 2003。次いで、ビオチン化DNA(bio−DNA)は、neutravidin(表面被覆度17ng/cm(260RU))と結合され、一本鎖DNAのカップリングを与えた。次いで、表面固定DNAに相補的な一本鎖DNAを有する脂質小胞又はタンパク質リポソームが表面に暴露された。複数の層は、表面上の最外層中の小胞にある未反応DNAに相補的である一本鎖DNAを有するリポソーム又はタンパク質リポソームのその後の暴露によって作製された(図3参照)。
実験の詳細
タンパク質及びタンパク質アッセイ:この多層システムのシグナル増強をプローブするために使用される膜タンパク質は、細菌エシェリキア コリ(Escherichia coli)由来のプロトン転移ニコチンアミドヌクレオチドトランスヒドロゲナーゼ(TH)である。(Meuller等 1997)シグナルの増強を検証するために、いくつかの小胞層が1つの小胞層と比較され、タンパク質の1/3がトリプシン処理によってタンパク質の残りから切断され、(Tong等 1991)SPR測定におけるシグナルの低下、例えば、SPRによって感知される領域内の質量の減少がもたらされた。
脂質、リポソーム及びタンパク質リポソーム:リポソーム(図3)は脂質ホスファチジルコリンからなり、タンパク質リポソーム(図4)は50%−45%−5%の組成の脂質ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン及びホスファチジルセリンからなる。リポソームは、100nmフィルターを通した押し出しから作製され(図3)、又は音波ロッド(sonic−rod)超音波処理(約30分)し、それに続いて溶液を遠心分離して大きな脂質要素を除去することによって作製された(図4)。押し出しによって形成されたリポソームは直径が130から150nmであり、超音波処理リポソームは直径が25nmである。一本鎖コレステロール−DNA(chol−DNA)は、押し出し及び超音波処理プロセス中にリポソームに組み込まれた。異なるDNA鎖は、DNA又はc−DNA(相補DNA鎖)と称される。膜タンパク質THは、界面活性剤によって媒介される再構成によって超音波処理リポソーム中に組み込まれた(Graneli等 2003;Meuller等 1997;Richard等 1990)。
表面調製:金表面は、異なる測定間でSDS及びuv−オゾン処理によって清浄化された。
多層調製:c−DNAで官能性を持たせたリポソーム又はタンパク質リポソームは、bio−DNA改変表面に暴露された。結合が飽和した後に、追加のchol−c−DNAが固定リポソームに追加された。次いで、chol−DNAで官能性を持たせたリポソームが表面に暴露された。結合が飽和した後に、このプロセスが繰り返された。ただし、chol−DNAが添加され、続いてchol−c−DNAで改変された小胞が添加された)。次いで、これらのシーケンスが、5層のリポソームが固定されるまで繰り返された。
表面プラズモン共鳴(SPR):表面プラズモン共鳴測定は、Biacore 2000(Biacore AB、Uppsala、Sweden)によって実施された。
結果
金表面上のリポソーム多層の固定についてのSPR−結果:多層におけるリポソームの固定化は、図3に示すようにSPRによって測定された。表面プラズモンに伴い、表面からの距離に対するSPR感度も測定するエバネッセント波は、図3に模式的に示されたように、減衰長さ(decay length)が約400nmの指数挙動に従う。表面からの距離の増加に伴うエバネッセント波によって感知される体積の減少を考慮して、測定応答単位(AMRU)を式1によって真の応答単位(ARRU)に変換することができる(Liedberg等 1993)。
ΔRRU=ΔMRU×ez/dz (1)
ここで、zは(QCM−Dによって評価された(図3の挿入図参照)吸着層の厚さであり、dzはエバネッセント場の減衰長さであり、この場合400nmである。
式1及び図3に示すΔMRUを使用すると、吸着脂質の質量は式2によって求めることができる。
Δm=C×ΔRRU (2)
ここで、Δmは結合質量(coupled mass)であり、Cは1のΔRRUの変化に相当する質量(ng)/cである。Cは、異なる分子の屈折率を用いてタンパク質に対して0.066ng/cm、脂質に対して0.059ng/cmと求められた。(Liedberg等 1993)表面に吸着した脂質質量の計算値を表1に示す。
Figure 0004925820
表1の結果によれば、AMRUは表面からの距離が増加するにつれ減少するにもかかわらず、各層は実質的に同じ量の脂質小胞で構成される(図3)。したがって、相補DNAに基づく多層構造中に複数の脂質小胞を作製する本戦略は効率的であり、ほんの数層に限定されないと予想される。
THのトリプシン切断を含むTH含有タンパク質リポソームの多層構造:タンパク質リポソームの多層を上述した金表面に固定した。固定化プロセスのSPR結果を図4に示す。タンパク質リポソームの単層の作製も示す。タンパク質の43kDドメインが除去されるTHのトリプシン切断は、リポソームのそれぞれ5層及び1層の飽和形成後に行われた。
図5は5層及び1層の小胞に対するトリプシン切断段階の拡大図であり、かなり多くのTHを有する多層構造が、単一小胞層よりもかなり大きな応答を示すことを正確に示している。認められた増幅は予想よりも実際に大きく、第1の小胞層中の膜タンパク質THが、下にある表面によって実際に影響を受けることを意味し、表面からの距離の増加につれ減少する効果を意味する。
Figure 0004925820
Figure 0004925820
Figure 0004925820
異なる又は同一の小胞2に付着した同一又は異なるリンカー5が、表面1に固定された同一又は異なるリンカー4に結合3することによって、3次元マトリックスに結合された複数の小胞2が形成される一実施態様を示す図である。小胞は、小胞を形成する脂質二重層に埋め込まれた生物活性化合物6も含み、その周囲環境は、生物活性化合物6との結合に対して場合によっては特異的であってもよい分析物7を含む。 外側に突出したリンカー5に付着した小胞が表面1に固定されたリンカー4に結合することによって小胞2の多層が形成される実施態様を示す図である。固定小胞に付着した他のリンカーは、小胞の第2の層を、前記小胞の第2の層に付着したリンカー5を介して固定するためにさらに使用される。これらの段階を繰り返すことによって多層が生成される。小胞は、小胞を形成する脂質二重層に埋め込まれた生物活性化合物6も含み、その周囲環境は、生物活性化合物6との結合に対して場合によっては特異的であってもよい分析物7を含む。 多層調製物のSPR結果における測定応答単位(MRU)を示すグラフである。層の厚さ及びエバネッセント波によって感知される応答割合も示す。リポソームの5層が表面に固定された。 TH含有タンパク質リポソームの1層及び5層の固定化を示すグラフである。タンパク質リポソームの固定化後に、トリプシンが添加されてTHが切断され、その結果、表面から質量が失われる。 図4におけるタンパク質リポソームの1層又は5層におけるTHのトリプシン切断の詳細を示すグラフである。 小胞に付着したリンカー5と、小胞を形成する脂質二重層に埋め込まれた生物活性化合物6とを含む小胞2を示す図である。この図は、小胞の内部体積8も示す。

Claims (24)

  1. 生物学的に機能的な表面固定多層構造であって、表面(1)から離隔した複数の小胞(2)を含み、前記構造に2以上の小胞層を与えるように、前記小胞が表面固定により前記構造に、小胞付着リンカー(5)により別の小胞に直接付着し、前記小胞の少なくとも1つの選択された小胞集団が前記構造を生物学的に機能的なものとする生物活性化合物(6)を含み、
    前記小胞の表面固定が、表面固定リンカー(4)と小胞付着リンカー(5)によって前記構造に直接付着し、それぞれ別の小胞付着リンカーに結合可能な少なくとも1個の小胞付着リンカー(5)を有する直接表面付着用の第1の小胞集団と、
    前記リンカー(4、5)がオリゴヌクレオチドを含み、1つのリンカーから別のリンカーの結合が前記オリゴヌクレオチドのハイブリッド形成によってなされること、
    を特徴とする、生物学的に機能的な表面固定多層構造。
  2. 前記小胞付着リンカー(5)が、前記リンカー(5)に含まれる疎水性固着部分の少なくとも1個によって前記小胞(2)に付着され、前記リンカー(5)に含まれる官能基によって前記小胞(2)に共有結合する、請求項1に記載の構造。
  3. 前記小胞(2)の内部体積(8)が、イオン、色素、薬物、抗体、酵素及び他のタンパク質を含む群から選択される化合物を含む、請求項1又は2に記載の構造。
  4. 前記オリゴヌクレオチドの前記ハイブリッド形成が実質的に配列特異的である、請求項1から3のいずれか一項に記載の構造。
  5. 前記表面(1)から前記多層構造が放出されるようになされている、請求項1から4のいずれか一項に記載の構造。
  6. 前記放出が電位、光、浸透応力、又は前記放出を刺激する化合物とのインキュベーションによって引き起こされるように設計されている、請求項5に記載の構造。
  7. オリゴヌクレオチドを含むリンカー(4、5)を有する複数の小胞を含み、1つのリンカーから別のリンカーへの結合が前記オリゴヌクレオチドによって仲介される、請求項1に記載の表面固定多層構造を生成する方法であって、
    (i)1又は2以上の小胞付着リンカー(5)を各々が備える直接表面固定小胞の第1の層を含む表面(1)を用意する段階と、
    (ii)別の小胞付着リンカー(5)との直接結合に適合し、利用可能である少なくとも1個の外側に突出した小胞付着リンカー(5)を各々が含む小胞(2)を用意する段階と、
    (iii)前記構造にすでに固定された小胞付着リンカーへの結合を促進する条件下で、前記小胞(2)の少なくとも1個を前記表面(1)とともにインキュベートする段階と、その結果、
    (iv)別の小胞付着リンカー(5)に結合するための少なくとも1個の構造固定リンカーをこの段階の後に含む前記構造に、小胞と小胞に付着されたリンカーとが固定される段階と、
    (v)小胞(2)の所望の量が前記構造に固定されるまで前の段階又は前の2段階を繰り返す段階と、
    を含む方法。
  8. 前記表面固定リンカー(4)が、小胞付着リンカー(5)の結合用の1個のみの部位を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 各小胞が、少なくとも2個の小胞付着リンカー(5)を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記小胞付着リンカー(5)が、前記リンカーに含まれる疎水性固着部分の少なくとも1個によって前記小胞(2)に付着されており、前記リンカーに含まれる官能基によって前記小胞に共有結合している、請求項7から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記小胞(2)の内部体積が、イオン、色素、薬物、抗体、酵素及び他のタンパク質を含む群から選択される化合物を含む、請求項7から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記表面(1)が、前記構造用結合マトリックスとして働くいくつかの表面固定小胞を含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 小胞(2)から化合物を放出する段階も含む、請求項10に記載の方法。
  14. 前記放出が、印加された電位浸透応力、又は前記放出を刺激する化合物とのインキュベーションによって引き起こされる、請求項13に記載の方法。
  15. 請求項7から14のいずれか一項に記載の方法と、それに続く前記表面(1)から前記多層構造を放出する段階とを含む、複数の小胞の多層構造を生成する方法。
  16. 前記放出が、電位、浸透応力、又は前記放出を刺激する化合物とのインキュベーションによって引き起こされる、請求項15に記載の方法。
  17. 請求項1から6のいずれか一項に記載の構造のバイオセンサーとしての使用、又は請求項7から16のいずれか一項によって生成される構造のバイオセンサーとしての使用。
  18. 前記バイオセンサーが光学バイオセンサーであり、前記構造が前記光学バイオセンサーの信号を増大させるために使用される、請求項17に記載の使用。
  19. 前記バイオセンサーが機械的バイオセンサーであり、前記構造が前記機械的バイオセンサーの信号を増大させるために使用される、請求項17に記載の使用。
  20. 化合物の複雑な溶液から1種類若しくは数種類の化合物(7)を特異的に除去又は抽出するための、請求項1から6のいずれか一項に記載の構造の使用、又は請求項7から16のいずれか一項によって生成される構造の使用。
  21. 小胞(2)からの化合物の放出を感知するための、請求項1から6のいずれか一項に記載の構造の使用、又は請求項7から16のいずれか一項によって生成される構造の使用。
  22. 前記放出が、印加された電位、浸透応力、又は前記放出を刺激する化合物とのインキュベーションによって引き起こされる、請求項21に記載の使用。
  23. 前記放出がバイオセンサーとして使用される、請求項21に記載の使用。
  24. いくつかの化合物の同時分析のための、請求項22又は23に記載の使用。
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