JP2008525763A - 三次元ナノ構造化及びミクロ構造化担体 - Google Patents

三次元ナノ構造化及びミクロ構造化担体 Download PDF

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Abstract

本発明は、担体上に配列された生物機能化ナノ粒子からなる微細構造を含む機能的要素、それら機能的要素の製造方法及びそれら要素の使用に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、担体上に配列され、生物機能性であるか又は生物機能化されたナノ粒子からなる微細構造を含む機能的要素、その機能的要素の製造方法、ならびにその使用に関する。 DNAもしくはタンパク質など種々の生体分子の研究は、様々な領域、例えば微生物検出のための環境分析化学、病原体の同定のため又は薬物耐性の測定のための臨床診断などにおいて益々重要な役割を担っている。応用のいかんに係わらず、こういった分析方法は、常に同じ要件を満たさねばならない。とりわけ、それらの方法は、迅速かつ安価に実施可能でなければならず、また非常に高い感度が要求され、そして確実に再現可能な結果を与えなければならない。
そこで、WO 03/056336 A2には、様々な検出及び分析方法に使用することができる生物機能化ナノ粒子からなる微細構造の製造及び使用が記載されている。
けれどもそこに記載された微細構造は、特に高い検出感度が要求される場合に、感度の面で依然として改良の余地がある。
本発明はまた、固定化された生体分子を有する小型担体系(例えば各種のDNAチップ及びタンパク質チップ)を作製するための手段及び方法を開発する技術的課題に向けられたものであり、それによって、当該技術で周知の欠点を克服するものであり、特に、更に高い検出感度を実現するものであり、生体分子は特にその生物活性が保持及び保護されて担体に高い充填密度で固定化されるか又は固定化可能である。さらに本発明の方法は、様々なスクリーニング及び分析系(例えば、医療用測定及び検査技術ならびにバイオコンピュータ)への応用に適している。
本発明は、表面を有する担体及びその担体表面上に配列された少なくとも1の微細構造を含む機能的要素であって、微細構造は三次元的ナノ粒子多重層から形成され、ナノ粒子は微細構造内にアドレス指定能を付与し得る分子特異的認識サイトを有することを特徴とする機能的要素を提供することによって、根底にある前記技術的問題を解決するものである。
本発明はまた、ナノ粒子の多層からなる多次元の高次微細構造も提供し、好ましい実施態様においてその高次微細構造は少なくとも1の生体分子安定化剤を導入することにより形成される。このようなナノ粒子多重層の多次元配列層によって、望ましい検出反応を可能とする機能的要素の反応表面が飛躍的に増大するが、その際、好ましい実施態様ではタンパク質安定化剤の導入が同時に達成され、生物活性分子として各種のタンパク質又はペプチドを使用しても元の構造及び機能が保持される。意外なことに、そのナノ粒子多重層の三次元配列は、10 nmないし10 μm、好ましくは50 nmないし2.5 μm、特に好ましくは 100 nmないし1.5 μmの厚さで担体表面上に安定に保たれ、それらが洗脱及び/又は洗浄工程にさらされると耐久性及び強度が増大することが示された。本発明に基づくナノ粒子多層の三次元配列は、担体表面上で極めて優れた安定性を保ち、予期に反して、検出すべき検体が少量であっても、高い検出精度が保たれる。本発明により得られる、ナノ粒子からなる三次元微細構造の安定性は、限局性の方法で特異的な検体に結合可能な機能層(functional layers)を与えることができる。従って、三次元微細構造のナノ粒子多層は、生体センサー表面を製造するための使用条件のすべてを満たす。
本発明はまた、いかなる微細構造も特定又は不特定の分子特異的認識サイトを有する様々なナノ粒子多重層からなる表面又は多様な微細構造上に配列された機能的要素を提供する。前記機能的要素の微細構造は生物機能を発揮し得るか又はそれを提供し得る。前記微細構造を形成するナノ粒子の分子特異的認識サイトは、対応する分子、特には生物機能又は活性を有する有機分子を認識することができ、それらに結合可能である。そのような分子は、例えばそれぞれ各種の核酸又はタンパク質である。前記ナノ粒子の分子特異性を示す認識サイトに結合する分子には、他の分子、例えば試料の分析対象分子が結合可能である。当該分野で周知の系(特には従来のDNA又はタンパク質アレイ)の観点とは別に、本発明はさらに、生体分子を平滑な表面に直接結合させるのでなく、多様な三次元ナノ粒子表面に固定化させる(微細構造形成のための固定化の前後に使用される)ことを含意する。
生体分子の結合のための分子特異的認識配列を有するナノ粒子系を含む本発明の機能的要素は、従来の系(例えば担体に生体分子を固定化したもの)に優る多くの重要な長所を与える。
本発明において使用されるナノ粒子は、極めて柔軟かつ不活性な系である。それらナノ粒子は、様々なコア、例えば各種の有機ポリマー又は無機物質からなる。従って、シリカ粒子のような無機ナノ粒子は、化学的に著しく不活性であり、機械的に安定となる長所に資する。サーフマー(Surfmere)及び分子形状ポリマーは軟質のコアを占める一方で、溶媒中におけるシリカ又は鉄のコアを有するナノ粒子は原材料にならない。原材料に不適切なナノ粒子は、長時間にわたって何度も溶媒中に懸濁される場合でも、その形態を変えない。従って、原材料不適性ナノ粒子を含む本発明の機能的要素は、溶媒の使用が必要となる分析又は微細構造化方法に問題なく使用することができ、そのナノ粒子又は固定化された生体分子の状態に悪影響を及ぼさない。そのようなナノ粒子を含む機能的要素は従って、界面活性剤又は塩のような望ましくない物質を使用する、複雑な物質混合物から固定化された生体分子の精製も可能となる。その際、固定化分子は、任意の長さの洗浄工程を経てそのような物質混合物から最適に分離することができる。一方、酸化鉄コアを有する超常磁性又は強磁性ナノ粒子は、磁場の中で磁力線に沿って配列させることができる。これら酸化鉄ナノ粒子の特性は、直接微細構造特にはナノスケールの伝導路を設計するために利用し得る。
本発明に基づく機能的要素は、生物活性を保持し得る様々な生体分子の固定化に使用することができる。微細構造の形成のために適用されるナノ粒子は、分子特異的認識サイト(特には機能性官能基)を有しており、その官能基は、生物活性に必要な分子領域が天然の分子状態に相当する状態であり得るように、固定化分子に結合することができる。ナノ粒子表面に存在する官能基に依存して、生体分子はナノ粒子へ必要に応じて共有結合及び/又は非共有結合の状態を取ることができる。そのナノ粒子は種々の官能基を有し得るので、様々な生体分子か又は異なる官能基を有する生体分子が好ましい配向で固定化される結果となる。生体分子は、ナノ粒子へ定向及び非定向的に固定化可能なので、その分子の配向はほぼ望ましくなる。ナノ粒子への生体分子の固定化によって、その分子の安定化も得ることができる。
本発明に基づいて、好ましくは前記微細構造中に少なくとも1の生体分子安定化剤、特には少なくとも1のタンパク質安定化剤が導入される。そのような因子によって生体分子の安定化はさらに強化される。少なくとも1の生体分子安定化添加物、特には少なくとも1のタンパク質安定化添加物の添加によって、前記粒子層の中でナノ粒子結合生体分子(特にはペプチド又はタンパク質)の機能性が保持され、そのとき、これら分子は基材上で乾燥されるのでナノ粒子レベルの機能層の貯蔵性が保証される。従って、貯蔵性は1年まで、好ましくは8カ月まで、特には3カ月までとなる。本発明に基づく、少なくとも1の生体分子安定化剤、特には少なくとも1のタンパク質安定化剤の導入によって、本発明の機能的要素の作用(とりわけ生体作用)及び有効性も保持される。
前記微細構造を形成するために使用されるナノ粒子は極めて大きな表面積/容積比を占め、それに応じて質量当たりで大量の生体分子と結合することができる。平面担体に生体分子を直接結合させている系に比較すると、単位面積当たりの機能的要素は相当大量の生体分子と結合することができる。単位面積当たり結合分子の量、すなわち本発明に基づく充填密度が非常に大きいので、前記担体表面上に微細構造を形成させるのに多くの粒子層が重層化される。従って単位面積当たりで生体分子の結合量を更に増加し得るので、そのナノ粒子はまずヒドロゲルで、続いて生体分子でコートされる。
本発明に基づく、ナノ粒子の三次元配列多重層の製造及び使用によって、従来利用されていた平滑な親和性表面よりも反応性表面が増大する。そこで、本発明による微細構造は多くの検体と結合することができる。面積当たりでより多くのナノ粒子が固定化されるにつれ、そのナノ粒子多層又は多重層は益々多くの検体を結合するようになる。従って、ナノ粒子表面において検体の結合後、その検体濃度と最初のシグナル強度は互いに直線的相関関係がある。
本発明に基づいて使用されるナノ粒子の直径は5 nmないし500 nmである。従って、そのようなナノ粒子を使用すると、ナノメータからミクロメータ領域において任意の形状で非常に小さな微細構造を有する機能的要素を製造することができる。よって、そのような微細構造を形成するためにナノ粒子を使用すると、今まで得られなかった機能的要素の超小型化が可能であり、同時に機能的要素の有意なパラメータの大きな改善が得られる。
本発明に基づいて利用されるナノ粒子は、前記担体又は担体表面を製造するために使用される物質に対して非常に優れた接着性を示す。従って問題なく、これらの粒子を用途の異なる多様な担体系及び多様な機能的要素に使用することができる。これらのナノ粒子を用いて形成される微細構造は、位置非依存性のシグナル強度を与えるほど極めて均一となる。
本発明に基づく機能的要素は、担体表面上に、異なる分子特異的認識サイトを有する、種々のナノ粒子から構成される様々な微細構造を取り得る。それに応じて、様々な微細構造には異なる生物機能を付与し得る。また同時に機能的要素は、様々な生体分子を含有又は提供し得る微細構造を一緒に含むことが可能である。従って機能的要素は、例えば各種のタンパク質もしくは核酸、又は同一のタンパク質及び核酸を含んでいてもよい。
本発明の機能的要素は、周知の方法によって簡単に製造可能である。例えば、適切な懸濁化剤を用いてナノ粒子から非常に均質な安定した懸濁液を得ることができる。ナノ粒子懸濁液は溶液のような挙動をとり、そのため微細構造化方法に適用することができる。従ってナノ粒子懸濁液は、例えばニードル-リング-プリンター(Nadel-Ring-Printer)、リソグラフィー法、インクジェット技術及び/又はミクロ接触法など従来の方法によって、ナノ粒子との接着を強化するための接着剤で前処理された適切な担体上に蒸着して構造化することもできる。接着剤の適切な選択によって、生成した微細構造が強化されるので、その構造は、例えばpH値もしくは温度を変えることによって機能的要素の担体表面で後まで一部又は全体が分解し、場合により他の機能的要素を担体表面に転写することもできる。
本発明の機能的要素は多様な形状に加工することができ、そのために非常に広範な分野においても使用することができる。例えば、本発明の機能的要素は医療用分析又は診断に使用されるバイオチップ(例えばDNAもしくはタンパク質アレイ)を製作することができる。本発明の機能的要素は更にまた、医療用の測定及び検査技術又はバイオコンピュータにおける電子部品(例えば分子回路)として応用することができる。
本発明に関して「機能的要素」とは、単独又は複雑な装置の構成成分として(すなわち更なる類似もしくは他の種類の機能的要素に関して)、少なくとも1つの一定機能を発揮する要素と理解される。1つの機能的要素は、同一又は異なる物質からなり得る多くの構成成分を含む。ある機能的要素のいくつかの構成成分は、1つの機能的要素の中で様々な機能を発揮することができ、量又は種類に応じてその要素の全機能に寄与し得る。本発明において、1つの機能的要素は、ナノ粒子の一定の層に対して三次元的に微細構造として配列される表面を有する担体を含み、そこでは、生物機能を有するナノ粒子(例えば、各種の核酸、タンパク質及び/又はPNA分子のような生体分子)が提供され、及び/又は提供可能であって、それらは好ましくは少なくとも1の生体分子安定化剤(特にはタンパク質安定化剤)の導入によって保持される。
「生体分子安定化剤」特には「タンパク質安定化剤」とは、乾燥ストレス下でタンパク質の三次元構造(つまり、2次、3次、4次構造)を安定化し、それによって乾燥状態(すなわち溶媒蒸発後)のタンパク質の機能性を保持する本発明に基づく因子と理解される。
好ましい実施態様において、前記タンパク質安定化剤は、各種サッカリド(特にはショ糖、乳糖、ブドウ糖、トレハロースもしくは麦芽糖)、各種ポリアルコール(特にはイノシトール、エチレングリコール、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトールもしくは2-メチル-2,4-ペンタンジオール)、各種アミノ酸(特にはグルタミン酸ナトリウム、プロリン、α-アラニン、β-アラニン、グリシン、リシン-HCIもしくは4-ヒドロキシプロリン)、各種のポリマー(特にはポリエチレングリコール、デキストラン、ポリビニルピロリドン)、無機塩類(特には硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、リン酸カリウム、硫酸マグネシウムもしくはフッ化ナトリウム)、有機塩類(特には酢酸ナトリウム、ポリエチレンナトリウム、カプリル酸ナトリウム、プロピオン酸塩、乳酸塩もしくはコハク酸塩)、又はトリメチルアミンN-オキシド、サルコシン、ベタイン、 γ-アミノ酪酸、オクトピン、アラノピン、ストロンビン、ジメチルスルホキシドもしくはエタノール、又はこれらの物質からなる混合物である。
「担体」とは、機能的要素の容積及び形態がほぼ決まっている機能的要素の構成成分と理解される。「担体」という用語は、特に個体のマトリクスを意味する。前記担体は、任意の大きさ及び任意の形態、特に球状、円柱状、棒状、線形、板状又は箔状のものであり得る。その担体は、中空体でも充満体でもあり得る。固体とは特に、本質的に空洞がなく、完全に1つの物質又は物質の組み合わせからなり得る物体を意味する。充満体はまた、同一又は異なる物質の多層構造からなることもある。
本発明に基づく機能的要素の担体、特に担体表面は、金属、金属酸化物、ポリマー、ガラス、半導体又はセラミクスからなる。本発明に関して、そのことは前記担体が、完全に前記物質の1つからなるか若しくは実質的にそれを含有するものであるか又は完全にこれら物質の組み合わせであるか、あるいは担体表面が前記物質の1つからなるか若しくは実質的にそれを含有するものであるか又は完全にこれら物質の組み合わせからなるか若しくは実質的に組み合わせを含有するものである、ということを意味する。従って、前記担体又はその表面は、前記物質の1つ又はそれら物質の組み合わせの1つを少なくとも約60%又は約70%まで、好ましくは約80%まで、そして最も好ましくは約100% まで含む。好ましい実施態様において、前記機能的要素の担体には、透明ガラス、二酸化ケイ素、金属、金属酸化物、各種のデキストランもしくはアミド重合体ならびに共重合体(特にはアクリルアミド誘導体)、セルロース、ナイロン、又はポリマー物質(ポリエチレンテレフタレート、酢酸セルロース、ポリスチロールもしくは ポリメタクリル酸メチル、又はビスフェノールAのポリカーボネートなど)のような種々の物質が挙げられる。
本発明に従えば、機能的要素担体の表面は、平滑であるか又は前処理(例えば様々な誘導体を含む)されていることを含意する。本発明に従えば、担体の表面及び担体自体は、非透過性及び/又は多孔質であり得ることを含意する。そのような担体は、例えば膜又は濾紙である。さらに本発明に基づけば、微細構造により被覆されてない担体表面の平面部分は、機能性(例えば平面部分における生体分子の非特異的付着を阻害する化合物)を含むことも含意される。それら化合物の例として、ポリエチレングリコール、オリゴエチレングリコール、デキストラン又はそれらの混合物が挙げられる。特に好ましくは、機能的要素担体の表面がエチレンオキシド層を含む。
本発明の好ましい実施態様において、担体表面と微細構造との間に少なくとも1層の接着剤が配列されていることを含意する。この接着剤は、前記機能的要素の担体表面上におけるナノ粒子の強固な結合に資する。接着剤の選択は、担体物質の表面及びそこへ結合するナノ粒子に応じて決まる。接着剤の例として、各種の荷電又は非荷電ポリマーが挙げられる。
前記接着剤は好ましくは、様々なポリマーの弱又は強電解質であって、電荷密度はpH依存又はpH非依存である。好ましい実施態様において前記接着剤は、ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)、ポリ(硫酸スチロール)のナトリウム塩、ポリ(スルホン酸ビニル)のナトリウム塩、ポリ(塩酸アリールアミン)、直鎖/分枝のポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸) 又はそれらの混合物からなる。
前記ポリマーとしては、ヒドロゲルも挙げられる。前記接着剤としては、ポリマー電解質のような荷電基を有するプラズマ層、又は化学的反応性基を有するプラズマ層も挙げられる。前記接着剤はまた、シラン、チオール、ホスフェート又は脂肪酸基剤の自己会合分子層(自己組織化単分子膜)であってもよい。本発明に従えば、前記接着剤層は少なくとも1層の接着剤からなることを含意する。その接着剤層は、様々な接着剤の多層、例えば、アニオン性プラズマ層及びカチオン性ポリマー層、又はアニオン/カチオン交換系の異なるポリマー層からなっていてもよい。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、特性(例えば凝集性)が外部の刺激により変化可能な接着剤、すなわち外から変形可能な接着剤に関する。例えば、接着剤の凝集性がpH値、イオン濃度及び/又は温度の変化により大きく低下するので、機能的要素の担体表面上における接着剤の使用により結合している微細構造が剥離し、場合により別の機能的要素の担体表面上に転写することができる。
本発明のさらに好ましい実施態様において、担体(すなわち担体表面)に塗布すべき結合層及び微細構造の結合を改善するために、表面活性剤による接着層及び微細構造の塗布に先立って担体(特には担体表面)が前処理されることを含意する。担体表面は、例えば、化学的方法(例えばプライマー又は酸もしくは塩基)を用いて活性化することができる。表面活性化は、自己会合分子層の塗布を含んでいてよい。
「微細構造」とは、数ミクロメータ又は数ナノメータの範囲の構造物と理解される。特に本発明に関する「微細構造」は、分子特異的認識サイトを有するナノ粒子の三次元配列多層の形状で少なくとも2つの単一成分からなり、担体表面上に配列されている構造物と理解される。その際、一定の形状及び一定の表面積を有して担体表面積より小さい担体表面の特定表面層が塗布される。本発明に基づけば、前記微細構造により塗布された表面層を左右する面積-長さ-パラメータの少なくとも1つがミクロメータ領域にあることを含意する。前記微細構造が例えば円形である場合、その円の直径はミクロメータ領域に入る。前記微細構造が長方形であるならば、例えばその長方形の幅はミクロメータ領域に入る。本発明に基づいて特には、前記微細構造により塗布される表面層を決める面積-長さ-パラメータの少なくとも1つが999 μm より小さいことを含意する。本発明に基づく微細構造は少なくとも2つのナノ粒子からなるので、面積-長さ-パラメータの下限は10 nmである。
好ましい実施態様において、全体として微細構造を形成する前記三次元配列層の厚さは10ナノメータないし10マイクロメータである。本発明に基づくと、厚さは50 ナノメータないし2.5ミクロメータが好ましく、100 ナノメータないし1.5マイクロメータが特に好ましい。
本発明に関して、「三次元」担体は、滑らかな平面上に単層(場合によっては微細構造)の収集体もしくは検体分子が結合している二次元担体と対照的に、官能基又は生体分子が結合するためにナノ粒子堆積物(場合によっては微細構造)の表面を含意する。そこでの堆積物は、層状に配列したナノ粒子の二層、三層又は多層を意味する。特に好ましくは、前記塗布によってナノ粒子(場合により微細構造)の数層又は多層から被覆された底面あたりの反応性表面は三次元的に明確な増大が示される。
本発明の微細構造に被われた平面層は、任意の幾何学的形状、すなわち円形、楕円形、正方形、長方形又は線形を有していてもよい。微細構造はまた、多様な規則性及び/又は不規則性幾何学的形状を構築し得る。本発明の機能的要素が、例えばDNAチップ及びタンパク質アレイとすれば、微細構造は好ましくは円形又は楕円の類似形状を有する。本発明の機能的要素がバイオコンピュータに使用される電子部品とすると、その微細構造は回路様形状を有することもある。本発明に基づくと、機能的要素の担体表面上に多くの同一又は異なる形状の微細構造が一定間隔で相互に配列されることを含意する。
本発明に基づくと、前記微細構造は、例えばフォトリソグラフィーもしくはマイクロリソグラフィーのようなリソグラフィー法、インクジェット技術又はミクロ接触法を用いてリング/ピン(Ring/Pin)ごとのニードル-リング-プリンターの使用下で機能的要素担体の表面に塗布されることを含意する。それらの方法を用いて機能的要素の表面上に(単数又は複数の)微細構造が形成されるが、その方法の選択は、担体物質の表面、微細構造が形成されるべきナノ粒子、及び機能的要素の用途に応じて決まる。
本発明に関して「ナノ粒子」とは、第1の化学的官能基を含む分子特異的認識サイトを有する粒子状の結合マトリクスを意味する。本発明に使用されるナノ粒子は、第1官能基が配列した表面を有するコアを含むが、その第1官能基は、生体分子の相補的な第2官能基と共有又は非共有結合する位置にある。第1官能基と第2官能基との相互作用によって、生体分子はナノ粒子上に、従って機能的要素の微細構造に固定化され、及び/又は固定化され得る。本発明の微細構造を形成するために用いられるナノ粒子は、500 nm未満、好ましくは150 nm未満の小さなサイズを有する。
本発明に関して、「アドレス指定能」とは、前記担体表面上にナノ粒子の塗布後、該微細構造が回復可能及び/又は検出可能であることを意味する。前記微細構造は例えば、マスク又はスタンプを用いて担体表面上に塗布され、一方でマスク又はスタンプにより指定された担体表面領域のx及びy座標から微細構造のアドレスが得られ、その担体表面上で微細構造が塗布される。他方で、前記ナノ粒子表面上で分子特異的認識サイトから前記微細構造のアドレスが得られ、その微細構造の認識又は検出が可能となる。微細構造に生物機能性があるとき、すなわち生体分子が全く結合していない分子特異的認識サイトを含むとき、1以上の生体分子は、微細構造の分子特異的認識サイトへ特異的に結合するが、その微細構造で覆われていない担体表面の面断片には結合しないために、前記微細構造を再認識及び/又は検出することができる。例えば、それぞれ各種の蛍光プローブ、スピン標識、金粒子、放射活性マーカーのような様々な検出マーカーで前記固定化分子を標識すれば、対応する適切な検出方法を使用することによって前記微細構造の検出が可能となる。前記微細構造が生物機能化される場合、すなわち分子特異的認識サイトに既に1以上の生体分子が結合しているナノ粒子を含む場合、「アドレス指定能」は、それら生体分子と別の分子の相補的構造と相互作用によって、又はナノ粒子からなる微細構造に対応するシグナルだけを検知する(微細構造に被われていない担体表面の平面層は検知しない)ような各種の測定方法によって、目的の生体分子を認識及び/又は検出することが可能である。検出方法として例えば、マトリクス支持レーザー脱離/イオン化質量分析法(MALDI-TOF-MS)を利用することができ、これから様々な物質(特には各種タンパク質)を分析するための重要な方法の開発に至った。更なる検出方法には、導波分光法、蛍光分光法、インピーダンス分光法、放射分析法及び電気的方法がある。
本発明において、前記生体分子は、その生物活性を保持しながら微細構造形成ナノ粒子の表面に結合もしくは固定化されているか、又は結合可能もしくは固定化可能であり、その際、前記分子は好ましくは配向性があるか又は配向性を取り得ることを含意する。分子の生物活性とは、天然の細胞環境にある有機体の分子が発揮する全機能と理解される。その分子がタンパク質である場合、特異的な触媒機能又は酵素機能とは、免疫抑制、輸送及び蓄積機能、制御機能、転写及び翻訳機能のようなことである。その分子が核酸である場合、生物機能は、遺伝子産物の塩基配列に存するか又は核酸が更なる核酸分子合成用のための鋳型として、もしくは制御タンパク質のモチーフとして使用できることである。「生物活性の保持」とは、適切なインビトロ条件下の非固定化状態にある同一分子(すなわち天然の細胞環境にある同一分子)のように、同一又は同一に近い生物機能をほぼ同等のレベルで発現し得ることを意味する。
本発明に関して、「規定された配向で固定化される」又は「配向された固定化」という語句は、分子がその定位置でナノ粒子の分子特異的認識配列に向かって結合されるか又は結合していること、非固定化状態に対して生物活性を要求する(単数もしくは複数)ドメインの三次元構造が変わらないこと、及びこれら(単数もしくは複数の)ドメイン(例えば細胞の反応対象物に対する結合ポケット)が他の天然細胞の反応対象物と自由に接触することを意味する。
「規定された配向で固定化される」とは、ある分子種の固定化に際して、微細構造を形成するナノ粒子の表面上で分子の全て又はほぼ全て(少なくとも80%以上、好ましくは85%以上)が再現性よく同一又は同一に近い方向を取ることを意味する。
本発明に基づくと、本発明の機能的要素の微細構造に固定化されているか又は固定化可能な生体分子は、特には核酸、タンパク質、タンパク質複合体、PNA-分子もしくはその断片、又はそれらの混合物であることを含意する。
本発明に関して、核酸とは、ホスホジエステル結合を介して結合した最低2つのヌクレオチドからなる分子と理解される。核酸は、デオキシリボ核酸とともにリボ核酸が存在する。核酸は1本鎖のものと2本鎖のものがある。本発明の文脈において核酸はオリゴヌクレオチドであってもよい。本発明に基づく機能的要素の微細構造に結合した核酸は、好ましくは最低10塩基の長さを有する。核酸は天然由来であっても合成であってもよい。核酸は、遺伝学的方法により野生型核酸を修飾したものであってもよく、及び/又は非天然及び/又は非定型核酸成分を含むものであってもよい。核酸は、他の分子種(例えば各種タンパク質)と結合していてもよい。
本発明に関して、「タンパク質」とは、アミド結合を介して結合した最低2つのアミノ酸を含む分子と理解される。本発明の文脈では、タンパク質は、ペプチド(例えばオリゴペプチド、ポリペプチド)又はタンパク質ドメインなどであってもよい。その種のタンパク質は起源が天然であっても合成であってもよい。そのタンパク質は、遺伝子学的方法により野生型が修飾されたもの(例えばグリコシル化されたもの)であってもよく、切断されていてもよく、他のタンパク質と融合していてもよく、又は他の分子種(例えば炭水化物)と結合した分子であってもよい。本発明に基づくタンパク質は、特には酵素、受容体、サイトカイン、構造タンパク質、抗体又は抗体であってもよい。
「抗体」とは、本質的に1以上の免疫グロブリン遺伝子によりコードされたポリペプチド又はその断片を意味し、ポリペプチド/その断片は特異的に検体(抗体)に結合して、それを認識する。抗体は、様々なペプチダーゼにより分解される完全グロブリン又はいくつかの断片として認められる。「抗体」とは修飾された抗体(例えば、オリゴマー、還元型、酸化型及び標識抗体)も意味する。「抗体」はまた、完全抗体の修飾によるか又はDNA組換え技術を用いたデノボ合成により作製された抗体断片も含まれる。「抗体」という用語は、完全分子と同様に、エピトープ抗原決定基が結合可能なF(ab')2 及びFv1のような断片も含む言葉である。
本発明に基づく「タンパク質複合体」とは、最低2つのタンパク質が補完的に組み合わされた単位である。「タンパク質複合体」は、タンパク質のほかに、各種の核酸、様々な金属イオン及び他の物質も含有することができる。
PNA(ペプチド核酸又はポリアミド核酸)分子とは、負に帯電せず、DNAと同様に機能する分子のことである(Nielsen et al., 1991 , Science, 254, 1497-1500; Nielsen et al., 1997, Biochemistry, 36, 5072-5077; Weiler et al., 1997, Nuc. Acids Res., 25, 2792-2799)。PNAシークエンスは、N-(2- アミノエチル)-グリシン単位からなるポリアミド基本骨格を含み、ショ糖単位及びリン酸基を含まない。
本発明に関して、「分子特異的認識サイト」とは、前記ナノ粒子と標的分子としての生体分子との間の特異的相互作用をし得る、前記ナノ粒子の領域と理解される。この相互作用は、ナノ粒子の1対以上の第1官能基とその第1官能基に結合した相補的な前記標的分子(同様に生体分子)の第2官能基との間に見られる配向的な相互作用に依存することがある。ナノ粒子と生体分子との間で介在的に反応する一対の官能基は、配列したナノ粒子と生体分子に対してその時まで空間的に固定化されている。こういった固定化は、強固な配列をもたらすのでなく、極めて柔軟な挙動を可能とする。配向的相互作用は、ファンデルワールス結合、水素架橋結合、π-π結合、静電相互作用又は疎水性相互作用のような非共有結合の形をとり得る。形態又は形状の相補性に依存する機序と同様に、可逆的な共有結合も考えられる。本発明に基づくナノ粒子の分子特異的認識サイトと標的分子との相互作用はまた、官能基対間での一定の相互作用、及び前記ナノ粒子ならびに標的分子に対して対形成に関与する基の空間的配列に依存する。このような相互作用は、両結合対に極めて類似した共有結合又は非共有結合をもたらすので、生体分子は微細構造形成ナノ粒子の表面に固定化される。
本発明の好ましい実施態様において、前記第1官能基は前記ナノ粒子表面上の分子特異的認識サイトの成分であるか又はこれらを形成する基であって、活性化エステル、アルキルケトン基、アルデヒド基、アミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、マレインイミド基、ヒドラジン基、ヒドラジド基、チオール基、チオエステル基、オリゴヒスチジン基、ストレプト-タグ I、ストレプト-タグ II、デスチオビオチン、ビオチン、キチン、キチン誘導体、キチン結合ドメイン、金属キレート錯体、ストレプトアビジン、ストレプトアクチン、アビジン及びニュートラアビジン(Neutravidin)からなる群から選択される。本発明に基づく分子特異的認識サイトは、第1官能基を含有する巨大分子(タンパク質、抗体など)であることも含意される。その分子特異的認識サイトは、これら分子の少なくとも1つが第1官能基を含む各種のタンパク質及び/又は抗体及び/又は核酸である。タンパク質は、分子特異的認識サイトとして、例えば抗体及びそれに結合したタンパク質を含んでいてもよい。抗体と結合したタンパク質とは、受容体、例えば、MHC-タンパク質、サイトカイン、CD-8-タンパク質のようなT細胞受容体、及びリガンドを結合し得る別物である。分子複合体は、様々なタンパク質及び/又はペプチド、例えば、複合体に更なるタンパク質及び付随するペプチドが結合したビオチン化タンパク質を含んでいてもよい。
第2官能基、すなわち生体分子を固定化する官能基は、本発明に基づく活性化エステル、アルキルケトン基、アルデヒド基、アミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、マレインイミド基、ヒドラジン基、ヒドラジド基、チオール基、チオエステル基、オリゴヒスチジン基、ストレプト-タグ I、ストレプト-タグ II、デスチオビオチン、ビオチン、キチン、キチン誘導体、キチン結合ドメイン、金属キレート錯体、ストレプトアビジン、ストレプトアクチン、アビジン及びニュートラアビジンからなる群から選択される。
前記第1及び第2官能基は、例えば分子インプリンティング法により形成され得る。その第1及び第2官能基は、いわゆるサーフマー(Surfmere)のような活性化因子であってもよい。
本発明に従って使用されるナノ粒子はまた、その表面に第1官能基を有し、この官能基は固定化する生体分子の第2官能基と共有又は非共有的に結合されるが、ここで第1官能基は第2官能基以外の基である。結合を成す両方の基は、互いに相補的、すなわち互いに共有又は非共有結合を生じる状態にあらねばならない。
本発明に従って、第1官能基として、例えばアルキルケトン基(特にはメチルケトン又はアルデヒド基)が使用され、第2官能基はヒドラジン又はヒドラジド基である。逆にヒドラジン又はヒドラジド基を第1官能基として使用すれば、本発明による第2官能基はアルキルケトン基(特にはメチルケトン又はアルデヒド基)である。本発明に従ってチオール基を第1官能基として使用すれば、相補的な第2官能基はチオエステル基である。第1官能基としてチオエステル基を使用すれば、本発明による第2官能基はチオール基である。
本発明に従って第1官能基として金属キレート錯体を使用すれば、相補的な第2官能基はオリゴヒスチジン基である。第1官能基としてオリゴヒスチジン基を使用すれば、相補的な第2官能基は金属キレート錯体である。第1官能基としてストレプト-タグ I、ストレプト-タグ II、ビオチン又はデスチオビオチンを使用すれば、第2官能基として相補的な第2官能基はストレプトアビジン、ストレプトアクチン、アビジン又はニュートラアビジンが使用される。第1官能基としてストレプトアビジン、ストレプトアクチン、アビジン又はニュートラアビジンを使用すれば、相補的な第2官能基としてストレプト-タグ I、ストレプト-タグ II、ビオチン又はデスチオビオチンが使用される。
更なる実施態様において、第1官能基としてキチン又はキチン誘導体を使用すれば、相補的な第2官能基としてキチン結合ドメインが使用される。第1官能基としてキチン結合ドメインを使用すれば、相補的な第2官能基としてキチン又はキチン誘導体が使用される。
前記第1官能基及び/又は第2官能基は、本発明に従えばスペーサーを介して固定化された生体分子もしくはナノ粒子コアに導入することができ、又はスペーサーを介してナノ粒子コアもしくは生体分子に導入することができる。そのスペーサーは、一面でコアもしくは生体分子との間隔調整に役立ち、他面ではそれら官能基の担体としての役割を果たす。そのようなスペーサーの1つとして、本発明によるアルキル基又は炭素原子数2ないし50のエチレンオキシドオリゴマーが挙げられ、これらは好ましい実施態様において置換されてヘテロ原子を有することもある。
本発明の好ましい実施態様において、前記第2官能基は、生体分子(特にはタンパク質)の天然に存在する成分であることを含意する。平均的なサイズ、すなわち約500のアミノ酸を有する約50 kDAサイズのタンパク質では、固定化のための官能基として本質的に問題となる反応性アミノ酸が約20ないし30存在する。N末端のアミノ酸が特に問題となる。また他のすべての遊離アミノ酸、特にはリシン残基のアミノ酸が問題である。またグアニジウム基を有するアルギニンも官能基として考慮に値する。
本発明のさらに好ましい実施態様において、前記第2官能基は、遺伝学的手法、生化学的、酵素的及び/又は化学的誘導もしくは化学的合成法により前記生体分子中に導入されることを含意する。その誘導は、固定化後にも生物活性が保持されるように行われるべきである。
前記生体分子がタンパク質であると、例えば、天然に存在しないアミノ酸が遺伝学的手法又は化学的合成法により(例えば各種のスペーサーもしくはリンカーとともに)タンパク質分子に導入することができる。そのような天然に存在しないアミノ酸は、アミノ酸機能及び残基Rを有し、天然に見られる遺伝コードで規定されない化合物であり、ここで特に好ましいアミノ酸はチオールを有する。さらに本発明に基づき、天然に存在するアミノ酸(例えばリシン)を修飾すること、例えばレブリン酸のカルボン酸基(Carbonsaurefunktion)を用いた側鎖(特には一級アミノ基)の誘導により修飾することも含意される。本発明のさらに好ましい実施態様において、あるタンパク質の修飾により各種の官能基をそのタンパク質に導入することができるが、その際のタンパク質には各種のタグ(同様に標識)が、好ましくはC末端又はN末端に付加される。これらのタグも分子内に配列される。特に、タンパク質は、少なくとも1のストレプト-タグ(例えばストレプト-タグ Iもしくはストレプト-タグ II)又はビオチンを添加することにより修飾されることを含意する。本発明に従えば、ストレプトタグとは、その機能的及び/又は構造的等価物と理解されるが、ただし、それらはストレプトアビジン基及び/又はその等価物と結合可能でなければならない。また本発明に基づけば、ヒスチジンタグ(少なくとも3つのヒスチジン残基、好ましくはオリゴヒスチジン基を含む)により修飾されるタンパク質もを含意する。タンパク質に導入されたヒスチジンタグは、金属キレート複合体を含む分子特異的認識サイトに結合可能である。
本発明の好ましい実施態様において、例えば、非天然のアミノ酸、他に非天然のアミノ酸誘導体を有するか若しくは特異的にストレプトタグ修飾されたタンパク質、又は前記ような反応性ナノ粒子表面へ相補的に結合する抗体結合性タンパク質は、タンパク質の適切な特異的(特には非共有)結合、及び従ってその表面にタンパク質の適切な固定化を生じることを含意する。タグ結合サイトへの生物活性分子の意味合いから、それらの分子はまた、例えばグルタルジアルデヒドのような架橋剤により共有結合で結合し得る。よってそのタンパク質表面は安定化する。
前記機能的要素の担体表面上における微細構造を形成するために精製されたナノ粒子は、分子特異的認識サイトがある表面の近傍にコアを有する。本発明に関してナノ粒子の「コア」とは、前記固定化分子の担体としての役割をなす化学的に不活性な物質と理解される。本発明に基づくと、そのコアは、粒径が5 nmないし500 nmの相補的又は空洞のある粒子である。
本発明の好ましい実施態様において、本発明に使用するナノ粒子のコアは、例えばAu、AgもしくはNiのような金属、ケイ素、SiO2、SiO、ケイ酸塩、Al2O3、SiO2、Al2O3、Fe2O3、Ag2O、TiO2、ZrO2、Zr2O3、Ta2O5、ゼオライト, ガラス、インジウムスズ酸化物、ヒドロキシアパタイト、Qドット(Q-Dot)又はそれらの混合物のような無機物質からなるか又はそれらを含む。
本発明のさらに好ましい実施態様において、前記コアは、有機物質からなるか又はそれを含む。その物質は特には、有機ポリマー(ポリプロピレン、ポリスチロール、ポリアクリレート、乳酸のポリエステル)又はそれらの混合物である。
本発明に基づいて使用されるナノ粒子コアの製造は、ゾル・ゲル合成法、乳化重合法、懸濁重合法のような一般的な当該分野で周知の方法によって行うことができる。コアの製造後、該コアの表面には、例えばグラフト重合法、シラン化法、化学的誘導体形成法のような化学的修飾反応によって前記特異的第1官能基が提供される。ある工程で表面修飾ナノ粒子が得られる可能性として、乳化重合法におけるサーフマー(Surfmer)の使用が挙げられる。更なる可能性として、分子インプリンティング法がある。
分子インプリンティング法とは、モノマーによる重合反応の間に比較的安定な複合体を形成し得る鋳型の存在下で生じるモノマーの重合反応と理解される。鋳型を除去した後、そこで製造された物質は、鋳型分子、該鋳型分子に構造的に関連するタイプの分子、又は該鋳型分子と構造的に関連する基、又はそれらの一部、又は同一の基を有する分子と再び特異的に結合できる。従って、鋳型はそのような重合反応でモノマー混合物中に存在する材料であり、生成したポリマーはこの材料に対して親和性を有する。
本発明において特に好ましくは、サーフマー(Surfmer)を用いて乳化重合によりナノ粒子の表面修飾が行われる。サーフマーとは両親性のモノマー(Surfmer = Surfactant + Monomer)であり、これをラテックス粒子の表面で重合することができ、粒子を安定化させる。反応性サーフマーはさらに機能性末端基を有しており、それは第一アミン類(各種のアミノ酸、ペプチド、タンパク質)のような求核試薬とともに温和な条件下でチオール類又はアルコール類に転化され得る。このようにして、多くの生体に活性なナノ粒子ポリマーが得られる。その技法ならびにサーフマー適用の可能性及び限界が記載された文献としては、US 5,177,165, US 5,525,691 , US 5,162,475, US 5,827,927 及び JP 4 018 929がある。反応性末端基を有するサーフマーの合成に関する研究は、とりわけNagaiら (Polyer 1996, 37(1 ), 1257- 1266; Journal of Colloid and Interface Science 1995, 172, 63-70), Asuaら (J. Applied Polym. Sei. 1997, 66, 1803-1820) 及びGuyotら (Curr. Opin. Colloid Interface Sei. 1996, 1(5), 580-586) によって発表されている。
固定化される分子の基について、前記第1官能基の密度及びこれら基の間隔は、本発明に基づいて最適化することができる。さらに表面における第1官能基の環境は、最適な生体分子の特異的固定化を考慮して対応する方法で調製することができる。
本発明の好ましい実施態様においては、適切な検出方法を用いて前記ナノ粒子−コアを簡単に検出することができ、それによる微細構造の検出を可能とするコアに付加機能を加えることが含意される。このような機能とは、例えば、蛍光標識、紫外/可視光線標識、超常磁性機能、強磁性機能及び/又は放射性標識である。ナノ粒子検出のための適切な方法は、蛍光分光法又は紫外/可視光線分光法、蛍光顕微鏡法又は光学顕微鏡法、MALDI-質量分光法、導波分光法、インピーダンス分光法、電気的方法及び放射分析法がある。さらに前記ナノ粒子の検出にはそれらの方法の組み合わせも使用することができる。更なる実施態様においては、前記コア表面は、蛍光標識、紫外/可視光線標識、超常磁性機能、強磁性機能及び/又は放射性標識により修飾可能であることを含意する。また本発明の更なる実施態様においては、前記ナノ粒子のコアは、第1官能基及び付加機能を有する有機又は無機層により表面修飾されることを含意する。
本発明の他の実施態様において、前記コア-表面は、固定化分子を立体的に安定化させ、及び/又はその立体配置を妨害し、及び/又はそのコア-表面へさらに別の生物活性化合物の付加を阻害することに役立つ化合物を有することを含意する。これら化合物は特には、ポリエチレングリコール、オリゴエチレングリコール、デキストラン又はそれらの混合物である。
本発明に基づくと、前記ナノ粒子コアの表面上でイオン交換機能を別個に又は一緒に付加する可能性もある。イオン交換機能を有するナノ粒子は、MALDI分析に対して特に適しており、それによって妨害イオンを結合することができる。
本発明の更なる実施態様において、前記機能的要素の微細構造に固定化された生体分子は、適切な検出方法を用いてその微細構造に固定化された生体分子の検出を可能とする様々な標識を有することが含意される。これらの標識とは、例えば、蛍光標識、紫外/可視光線標識、超常磁性機能、強磁性機能及び/又は放射性標識である。前述のように、これら標識のための検出方法として例えば、蛍光分光法もしくは紫外/可視光線分光法、MALDI-質量分光法、導波分光法、インピーダンス分光法、電気的方法及び放射分析法、又はそれらの方法の組み合わせも実施される。
本発明の更なる実施態様は、前記微細構造に固定化された少なくとも1の生体分子を有する機能的要素であって、この固定化分子に少なくとも1の別の生体分子が共有又は非共有結合している機能的要素に関する。その微細構造に固定化される分子がタンパク質である場合、そこへ例えば第2のタンパク質又は抗体が、例えばタンパク質/タンパク質相互作用又は抗体/抗原結合によって結合し得る。その微細構造に固定化される分子が核酸である場合、そこへは例えばタンパク質が結合し得る。
本発明の更に好ましい実施態様は、機能的要素の分子構造が同じナノ粒子の多重層からなり、適切なポリマーからなる既に被覆された結合層の上に単一層が下層に確実に結合するような機能的要素に関する。
なお本発明のさらに好ましい実施態様は、機能的要素の担体表面上に異なる微細構造が配列し、異なる分子特異的認識サイトを有するナノ粒子を生じる機能的要素に関する。その種の機能的要素は従って、様々な生体分子が固定化されているか又は固定化され得る微細構造を一緒に含む。従ってその種の機能的要素の担体表面は例えば、タンパク質が固定化されているか又は固定化され得る微細構造と核酸が固定化されているか又は固定化され得る微細構造を同時に含むことができる。その機能的要素はまた、異なるタンパク質又は異なる核酸が同時に固定化されているか又は固定化され得る微細構造を有することもある。
本発明のさらなる実施態様は、前記微細構造により被覆されるのではなく、別の機能性(例えば化合物)により修飾される、担体表面の平面部分に関する。それには特に、前記微細構造により被覆されない担体表面上領域に対する生体分子の非特異的付加を阻害するような機能性(例えば化合物)がある。こういった化合物には例えば、ポリエチレングリコール、オリゴエチレングリコール、デキストラン又はそれらの混合物が挙げられる。機能的要素担体の表面はエチレンオキシド層を含むことが特に好ましい。
本発明はさらに、本発明の機能的要素を製造するための方法であって、適切な担体表面上において、少なくとも1の接着剤層及びその後に分子特異的認識配列を有するナノ粒子からなる少なくとも1の微細構造を塗布することを特徴とする製造方法に関する。本発明に基づくと、その接着剤層の塗布前に機能的要素の表面がすでに構造化されていることを含意する。担体表面を構造化した後に構造化担体表面上には化合物層が生成し、これが担体表面への生体分子の非特異的付着を阻害する。特にそれはエチレンオキシド層である。
本発明の好ましい実施態様は、前記構造化の後及び接着剤層の生成前に本発明の機能的要素の担体表面が活性化されることを含意する。本発明に基づくと、活性化は精製も含み得る。機能的要素の担体表面の活性化は、本発明に基づく化学的方法を用いて(特には各種のプライマー又は酸もしくは塩基を用いて)行うことができる。本発明においては、担体表面をプラズマを用いて活性化する可能性もある。その活性化は、自己会合性単層の塗布も含み得る。
本発明に基づく機能的要素の担体表面上における微細構造の形成は、基本的に以下の2つの実施態様からもたらされる。
本発明の機能的要素を製造する方法の第1の実施態様は、最初に接着剤を担体表面上に塗布する構造化を含意する。本発明の文脈における「構造化」とは、形状及び面積に関して一定の接着剤層が担体表面上に塗布され、その際、こうして被われた接着剤層は後に微細構造で塗布される担体表面の平面部分を規定することを意味する。続いてその微細構造は、ナノ粒子懸濁液中の機能的要素担体の浸漬により塗布され、その際、このナノ粒子は、構造化による塗布された接着剤層だけに密着するのではなく、接着剤層を有しない担体表面の平面部分にも密着する。このようにして、形状及び面積に関して規定された微細構造が得られる。
機能性ナノ粒子の網状表面電荷は、表面修飾及び懸濁溶媒に依存する。表面電荷が0以外の値であれば、その粒子懸濁物は安定化する(静電反発)。
懸濁溶媒としての水溶液は、ポリマー電解質コートの表面(例えばケイ素又はガラス)上でナノ粒子層を微細構造化するために非常に適していることを示す。その溶媒中で粒子は一般に、純負電荷を帯びる。こうして帯びた、機能性ナノ粒子のゼータ電位は以下の通りである。
MiIIiQ-H2O中でのカルボキシ基機能付与ナノ粒子: - 45 mV
MiIIiQ-H2O中でのウサギIgG粒子: - 40 mV
MiIIiQ-H2O + 5% トレハロース中でのウサギIgG粒子: - 37 mV
MiIIiQ-H2O中でのヤギIgG粒子:- 36 mV
MiIIiQ-H2O + 5% トレハロース中でのヤギIgG粒子: - 24 mV
MiIIiQ-H2O + 0.5% トレハロース中でのSAv粒子: - 53 mV
MiIIiQ-H2O中でのストレプトタクチン(登録商標)粒子: - 43 mV
MiIIiQ-H2O中でのプロテインG粒子: - 49 mV
本発明によれば、構造化される接着剤層は、例えばニードル-リング-プリンター、インクジェット技術(例えば圧電もしくは加熱式)又はミクロ接触法を用いて塗布されることを含意する。次いで、リソグラフィー法(特にはフォトリソグラフィーもしくはマイクロリソグラフィー法)を用いて前記担体表面は接着剤層で塗布され、次いで得られた接着剤層はリソグラフィー法を用いて構造化される。接着剤を適切に選択することによって、塗布される微細構造を、該微細構造又はその一部が、例えばpH値、イオン濃度又は温度を変化することによって、外部的にその後に再脱離(任意に剥離)に転換されることができるように構成することができる。従って例えば、ある機能的要素の微細構造を別のものに転用することができる。
安定なナノ粒子懸濁液は、液体(特には水溶性溶媒)において、場合により添加成分(例えばpH調節剤、懸濁助剤など)を用いたナノ粒子の懸濁によって簡単に作製することができる。
本発明に基づく機能的要素の製造方法の第2実施態様において、前記担体表面の全体を覆う接着剤層を有する担体を提供することが含意される。これは例えば、その担体を接着剤の懸濁液又は溶液に浸漬することによって生じ得る。続いて、例えばニードル-リング-プリンター、インクジェット技術(例えば圧電もしくは加熱式)、又はミクロ接触法を用いてナノ粒子懸濁液を構造的に塗布することによって微細構造が形成されるので、好ましい形状及び面積で規定される前記微細構造が形状される。リソグラフィー法(特にはフォトリソグラフィーもしくはマイクロリソグラフィー法)を用いて、前記担体表面はナノ粒子懸濁液で被われ、こうして得られたナノ粒子層はリソグラフィー法により構造化される。
本発明に基づく機能的要素の担体表面上で微細構造を形成するために塗布されるナノ粒子とは、生物機能化可能なナノ粒子、すなわち専ら分子特異的認識サイト(他のいかなる生体分子も結合しない)を有するナノ粒子のことである。また本発明に基づいて、担体表面の構造形成のために生物機能化ナノ粒子、すなわち分子特異的認識サイトに生体分子がその生物活性を保持したまま既に結合しているナノ粒子を使用することもできる。本発明に基づくと、固定化分子は、特にはタンパク質、PNA-分子又は核酸であることを含意する。
本発明のさらに好ましい実施態様において、何層にも確実に接着した微細構造を得るために同一接着剤及び/又は同一ナノ粒子を何回か塗布することが含意される。本発明に基づくと、前記方法のうち1つを10回まで繰り返すことができる。さらにまた、様々な機能を有する微細構造の異なる機能的要素を製造するために、様々な接着剤及び/又は様々なナノ粒子を用いて前記方法を繰り返すことができる。
本発明のさらに好ましい実施態様において、担体表面上で磁場の使用下に超常磁性又は強磁性酸化鉄ナノ粒子を構造的に配列し、前記方法を直接用いて微細構造(特にはナノスケールの電導経路)を構築することが含意される。
本発明に基づき、前記担体表面上にナノ粒子を塗布した後に粒子を続いて転化する可能性もある。例えば粒子が反応活性剤を含む場合、タンパク質に直接結合する活性剤を使用することができる。ナノ粒子に付加機能を与えるために、そのナノ粒子をさらに転化することができる。本発明に基づいて、前記ナノ粒子を例えば交互に及び/又は接着剤を用いて共有結合の網状構造が形成されるように、ナノ粒子からなる微細構造を更に固定化する可能性もある。
本発明はまた、試料中の検体を検査及び/又は単離もしくは精製するために本発明の機能的要素を使用することに関するが、その際、本発明の機能的要素は例えば、DNAアレイもしくはDNAチップとして又はタンパク質アレイとして利用される。本発明に関して、「検体」とは、固有成分の種類及び量が測定されるべき、及び/又は混合物から分離されるべき物質と理解される。ここでの検体とは特には、それぞれ各種のタンパク質、核酸、炭水化物などを示す。本発明の好ましい実施態様における検体は、炭水化物、ペプチド、活性物質、毒素、殺虫剤、抗原又は核酸である。「試料」は、前記に定義した検体が単離された形態又は様々な物質の複雑な混合物の構成成分を含む水溶液もしくは有機溶液、乳液、分散液、又は懸濁液と理解される。試料には例えば、血液、リンパ液、組織液のような体液が挙げられ、さらに生体もしくは死体の有機体、臓器、又は組織から採取された液体も挙げられる。試料はさらにまた、有機体(例えば、微生物、又はヒト、動物もしくは植物の細胞)が培養される培地(例えば発酵培地)であってもよい。さらにまた本発明の精神における植物として、単離及び精製された検体の水溶液、乳液、分散液又は懸濁液が挙げられる。試料は、すでに精製工程にかけられたものでも未精製のものでもよい。
本発明は従って、分析又は検出方法を用いる本発明の機能的要素を使用することに関し、その際の方法としては、MALDI-質量分光法、蛍光もしくは紫外/可視光線分光法、蛍光もしくは光学顕微鏡法、導波分光法、インピーダンス分光法のような電気的方法、及びそれらの方法の組み合わせがある。本発明はまた、細胞接着又は細胞増殖を制御するために本発明の機能的要素を使用することに関する。
本発明はさらに、生体分子を検出及び/又は単離するために本発明の機能的要素を使用することに関する。例えば、本発明の機能的要素は、それに好ましくは1本鎖の核酸を固定化して、試料中における相補的核酸を検出するため、及び/又は相補的核酸を単離するために使用することができる。本発明の機能的要素は、その微細構造にあるタンパク質が固定化され、例えば固定化されたタンパク質と相互作用する傾向のタンパク質を試料から検出又は単離するために、その機能的要素を使用することができる。
本発明はまた、医薬製剤を開発するために本発明の機能的要素を使用することに関する。本発明はさらに、医薬製剤の作用及び/又は副作用を検査するために本発明の機能的要素を使用することに関する。本発明の機能的要素は同様に、病気を診断するため、例えば病原体を同定するため、及び病気の発生原因となる突然変異遺伝子を同定するために、その機能的要素を使用することができる。本発明の機能的要素をさらに使用する可能性は、地表水域、地下水及び土壌に対する微生物汚染の検査にある。同様に、食品又は動物の餌に対する微生物汚染の検査にも本発明の機能的要素を使用することができる。
本発明の機能的要素のさらなる好ましい使用は、医療又はバイオコンピュータ分野における電子部品(例えば分子回路など)として本発明の機能的要素を利用することにある。特に好ましくは、光学的情報処理における光学的記憶装置として本発明の機能的要素の使用であり、その際、本発明の機能的要素は、光を直接信号に変換し得る微細構造に固定化された光受容体タンパク質を含む。
本発明はまた、溶液又は懸濁液中の検体を同定及び/又は検体するための方法に関する。その方法に従えば、第1の工程において本発明の機能的要素を準備し、それを第2工程において前記検体含有の溶液又は懸濁液と接触させる。次いで第3工程において生体適合性洗浄液を用いて非結合検体を洗浄液から分離する。次いで第4工程において検体方法を実施する。
本発明に基づく好ましい方法において、前記生体適合性液体は水及び/又は緩衝液(例えばリン酸塩添加生理食塩水:PBS)、及び/又は界面活性剤(例えばTriton X-100)添加の緩衝液である。本発明の好ましい実施態様において、前記担体は、室温にて水及び緩衝液(場合によって界面活性剤を含む)又は緩衝液(場合によって界面活性剤を含む)及び水をいずれかの順序で30分毎に洗浄することができる。
好ましい方法の実施形態において、溶液又は懸濁液中の検体の検出方法として蛍光検出方法又はMALDI質量分光法が適用される。
従って本発明によれば、溶液もしくは懸濁液中の検体を同定及び/又は検出するため前記ような方法が特に好ましく、その方法の前記第3工程後の第4工程における好ましい実施態様で蛍光検出法が適用され、蛍光標識された検体及び/又はナノ粒子結合の蛍光標識された生物活性分子が光により励起されて光により選別される。
本発明に基づいて蛍光分析法を適用する場合、検体及び/又はナノ粒子の分子特異的認識サイトに結合した生体分子を蛍光標識することが好ましい。
以下の図面及び実施例に従って本発明を詳述する。
実施例1:蛍光選別用の、ナノ粒子に基づくタンパク質バイオチップの製造
基材:
蛍光選別に適するナノ粒子支持タンパク質バイオチップを製造するために、ガラス基材を使用する。表面上でのナノ粒子の接着は大部分、静電相互作用を介する。その基材上でタンパク質被覆ナノ粒子の吸着には、ほぼ正に帯電した表面を必要とする。表面上に正電荷の基を有する市販のガラス材担体を、更なる前処理せずにタンパク質被覆ナノ粒子により塗布する。
従来のガラス表面を2容量%HELLMANEX(登録商標)水溶液中で洗浄する。MiIIiQ-H2O (脱イオン水、18 MΩ)中で洗浄後、ガラス材担体をNH3/H2O2-3:1 溶液(v/v) 中で40 分間 70℃にて水酸化する(試薬級純度NH325%水溶液、分析用H2O2:安定化ISO試薬)。
MiIIiQ-H2O 中での基本洗浄後、前記基材を室温にて20分間ポリカチオン水溶液[0.02 Mポリ(アリールアミン)(モノマー換算)、pH 8.5]中でインキュベーションする。
シリカ粒子の合成:
エタノール200 mlに テトラエトキシシラン12 mmol 及びNH3 90 mmol を添加する。そして室温にて24時間撹拌する。続いて、前記粒子を何回かの遠心分離により精製する。その結果、平均粒径125 nmを有するシリカ粒子650 mg が得られる。
シリカ粒子のアミノ機能付与:
シリカ粒子1重量%の懸濁水溶液を10容量%の25%アンモニアと置き換える。その粒子に対して20重量%のアミノプロピルトリエトキシシランを添加し、これを1時間室温にて撹拌する。その粒子を何回か遠心分離して、粒子表面上に機能的なアミノ基を付加する(0.1 M 酢酸緩衝液中でのゼータ電位: + 35 mV)。
シリカ粒子のカルボキシ機能付与:
アミノ機能付与されたナノ粒子2重量%の懸濁液10 mlをテトラヒドロフランに取る。そこへ無水コハク酸260 mg を添加する。5分間超音波で処理した後、1時間室温(RT)にて撹拌する。その粒子を何回かの遠心分離により精製し、粒子表面上にカルボキシ官能基を付加する(0.1 M 酢酸緩衝液中でのゼータ電位: − 35 mV)。平均の粒径は170 nmである。
シリカ粒子へのIgG結合:
カルボキシ機能付与されたシリカ粒子1 mg をIgG溶液(11.3 mg/ ml) 4 mL 及び EDC-溶液[塩酸N-(3- ジメチルアミノプロピル)-N’- エチルカルボジイミド:3,8 mg /ml]10 μLを添加し、MES-緩衝液(pH 4,5) で 1 mlにする。
それを3時間室温にて振盪し、続いてその粒子を何回かの遠心分離により精製する(MilliQ水中でのIgG粒子のゼータ電位: + 40 mV)。
ナノ粒子におけるタンパク質機能の保存:
ナノ粒子層におけるナノ粒子結合受容体タンパク質機能を安定化させるために、コーチング用粒子を5% (w/v)トレハロース水溶液に懸濁する(図7、8)。
ナノ粒子タンパク質マイクロアレイの製造:
蛍光選別可能なIgGナノ粒子チップを製造するために、ウサギ及び/又はヤギIgGコートナノ粒子をピンリングスポッター(Pin-Ring Spotter)を用いてガラス基材上に移す。使用する粒子懸濁液の濃度は0.5%〜50% (w/v) である(図1〜6)。表面とのナーデル接触(Nadel Kontakt)たびに、約50 plの懸濁液を塗布し、1スポットあたり5回押し付ける。得られるナノ粒子層の厚さは、100 nm〜1500 nmである。スポットの直径は、約150 μmである。基材上における個々のスポットの位置は自由にプログラム設定することができる。
ナノ粒子タンパク質バイオチップの使用:
まずナノ粒子表面を3% (w/v) BSA 溶液(PBS-緩衝液)を用いて1時間ブロックし、続いて室温の暗所にて検体溶液とともに1.5時間インキュベーションし、それぞれPBS/0.1%TritonX 100、PBS 及びMilliQ-水中にて30分間洗浄する。全工程は、ガラス担体上で行われる。
検体溶液は、PBS緩衝液に溶解させた蛍光標識IgG分子からなる(図4:40 pMのCy5-標識抗ウサギIgG;図5:0.04 pM、0.4 pM及び4 pM、又は4 pM、40 pM及び400 pM のCy5-標識抗ヤギIgG;図6:400 pM のCy3-標識抗ウサギ抗体 及び400 pMのCy5-標識抗ヤギ抗体)。
チップ選別:
結合した結合分子の蛍光シグナルは、従来のチップ読み取りシステム(Chip-Reader System、ArrayWorx社)で検出される。露光時間は0.1秒から2秒の間であり、実験を通じて一定に保たれる。シグナル強度は、濃淡の階調として保存される。データの解析は、Aidaプログラム(Firma Raytest; ベルリン)を用いて得られる。
実施例2:MALDITOF分析用のナノ粒子層の製造
基材:
金表面(MALDI-標的だけの場合)をアセトンでぬぐい、1:1イソプロパノール/HCl(0.2 M)中で3分間超音波処理し、イソプロパノールで洗浄して、窒素でブロー乾燥する。続いて、それを20分間室温にてポリアニオン水溶液[MiIIiQH2 O中にポリ(アクリル酸)0.02 M(モノマー換算で)、pH 8.5]中でインキュベーションし、MiIIiQH2O中で5分間洗浄し、ポリカチオン溶液(実施例1参照)中で20分間インキュベーションし、さらに5分間洗浄して、窒素でブロー乾燥する。
粒子:
実施例1と同様に、シリカ粒子を合成し、次いでアミノ機能付与及びカルボキシ機能付与する。
シリカ粒子へのストレプトアビジンの結合:
ストレプトアビジン2.68 nmol を0.1 m のMES-緩衝液 (pH 5) 10 mL中に入れる。そこへカルボキシ機能付与粒子 5 mg を添加する。そこにEDC 2 μmol を添加する。室温にて3時間撹拌した後、粒子を1回はMES-緩衝液 (pH 5) 10 mL で洗浄し、1回はリン酸緩衝液(pH 5) 10 mLで洗浄する。
ナノ粒子層におけるタンパク質機能の保持:
ナノ粒子層のナノ粒子に結合している受容体タンパク質の機能を安定化させるため、コーチング用の粒子を5% (w/v) トレハロース水溶液に懸濁させる。
ナノ粒子層の製造:
約250 μgのストレプトアビジン粒子を10 μLのMiIIiQH2O + 5%トレハロース溶液に懸濁させ、基材表面(約 2 mm) をμLレベルで乾燥させる。
ナノ粒子表面の適用:
前記ナノ粒子表面をまず1時間、3% (w/v)BSAのPBS-緩衝液中でブロックし、次いで1.5時間室温にて検体溶液とインキュベーションした後、30分毎にPBS/0.1%TritonX 100溶液、PBS溶液及び MiIIiQ水,で洗浄する。
その検体溶液は、PBS-緩衝液に溶解した1〜3回ビオチン化インスリン及び非ビオチン化インスリンの混合物(約3:1、総濃度約250 nM)である。
質量分析:
マトリクス:
これを0.1%トリフルオロ酢酸(試薬級) とアセトニトリル(HPLC 級)(6:4 (v/v) )に溶解した3,5-ジメチル-4 ヒドロキシ桂皮酸の飽和溶液に溶解し、そこへ粒子層を入れて自然乾燥した。
ハードウエア:
時間差調節(TLF)装置(Future, Firma GSG)改良型の質量分光計(HP G 2025A LD-TOF)を利用した。データ収集はLe Croy 500 MHzオシロスコープにより行った。
図1は、トレハロース水溶液(5% w/v)の16%ナノ粒子懸濁液を5回塗布することによって得られた、三次元ナノ粒子微細構造(ある微細スポットの断面、直径〜150 μm)の走査型電子顕微鏡撮影図を示す。
左:高分子電解質で塗布されたケイ素担体上にナノ粒子を表面スポットした直後のナノ粒子三次元構造。右:PBS緩衝液中で2時間インキュベーションし、PBS/0.1% TritonX-100、PBS 及び MiIIiQ水中でそれぞれ30分間洗浄した後の同一構造。
図2は、高分子電解質で塗布されたケイ素担体表面にトレハロース水溶液(5% w/v)のナノ粒子懸濁液(1%、2%、4%、 8%、 16% 及び32%)を5回塗布することにより得られたナノ粒子層(微細スポットの断面、直径〜150 μm)の走査型電子顕微鏡撮影図を示す。それらの粒子表面は、PBS緩衝液中で2時間インキュベーションした後、PBS/0.1% TritonX-100、PBS 及び MiIIiQ水中でそれぞれ30分間洗浄した。 図3は、ポリマー電解質塗布のケイ素担体表面にトレハロース水溶液(5% w/v)の2%、16% 及び32%のナノ粒子懸濁液を5回塗布することによって得られた三次元ナノ粒子層(微細スポットの断面、直径〜150 μm)の走査型電子顕微鏡撮影図(100x100 μm2)を示す。三次元立体描写、モノクロ平面描写、モノクロ平面描写に引かれたラインに沿った高解像プロフィル。 図4は、ナノ粒子マイクロアレイの蛍光スキャンを示す。スポットしたウサギIgGナノ粒子をCy5標識抗ウサギIgGでインキュベーションした。スポット当たりに結合する検体量は、スポット当たりに塗布される粒子の量に伴って増大する。 図5は、検体濃度とシグナル強度との間の直線関係を示す。ヤギIgG又はウサギIgGナノ粒子をスポットした。様々な濃度のCy5-標識抗ヤギ又はCy3-標識抗ウサギ-lgGとインキュベーションした。左側の試料濃度:0,04 〜4 pM、右側の試料濃度:4〜400 pM。左列、感度(勾配)は粒子量/スポットの増加とともに増大する。 図6は、ナノ粒子マイクロアレイの蛍光スキャンを示す。異なる固体含有量のヤギIgG又はウサギIgGナノ粒子懸濁液をスポットした。Cy5標識抗ヤギ又はCy3標識抗ウサギIgG溶液でインキュベーションした。そのナノ粒子構造は、固定化された受容体分子へ特異的相互作用する対分子だけに選択的に結合する。 図7は、スポット懸濁液中のトレハロース濃度に対する粒子結合性受容体タンパク質の依存性を示す。
上側:ナノ粒子マイクロアレイの蛍光スキャン、ストレプトアビジンナノ粒子をスポットする。ビオチン化Alexa647標識チトクロムC及びAlexa546標識細胞溶解物(非ビオチン化)とともに2週間貯蔵した後に、インキュベーションを行った。
下側:スポット懸濁液のトレハロース含有量に依存する蛍光強度、ストレプトアビジンナノ粒子又はGタンパク質ナノ粒子をスポットする。ビオチン化Alexa647標識チトクロムC及びAlexa546標識細胞溶解物(非ビオチン化)、又はFITC標識IgGとともに2週間貯蔵した後に、インキュベーションを行った
図8は、スポット懸濁液中のトレハロース濃度に対する粒子結合性受容体タンパク質の機能保持依存性を示す。懸濁液:ヤギIgGナノ粒子又はウサギIgGナノ粒子をスポットする。Cy5標識抗ヤギIgG及びCy3標識抗ウサギIgGで5週間インキュベーションした後で両者のチップ選別。 図9は、金の支持体上にナノ粒子を固定化する前に金の支持体の光学顕微鏡撮影(25倍)、及びストレプトアビジン粒子で被覆した表面の光学顕微鏡撮影(1000倍、暗視野)を示す。高スペクトル(青色)は、ナノ粒子表面でインキュベーションした検体溶液(ビオチン化ならびに非ビオチン化インスリン)のMALDI-TOFスペクトルである。低スペクトルは、インキュベーション後におけるナノ粒子結合分子のMALDI-TOFスペクトルである。

Claims (72)

  1. 表面を有する担体及び該担体表面上に配列された少なくとも1の微細構造を含む機能的要素であって、該微細構造はナノ粒子の三次元多重層から形成され、該ナノ粒子は該微細構造内にアドレス指定能を与える分子特異的認識サイトを有することを特徴とする機能的要素。
  2. 前記微細構造は少なくとも1の生体分子安定化剤、特には少なくとも1のタンパク質安定化剤の導入下で形成される請求項1に記載の機能的要素。
  3. 前記三次元配列層は10 nmないし10 μm、好ましくは50 nmないし2.5 μm、特に好ましくは 100 nmないし1.5 μmの厚さを有する請求項1又は2に記載の機能的要素。
  4. 前記タンパク質安定化剤は、サッカリド類、特にショ糖、乳糖、ブドウ糖、トレハロース又は麦芽糖、又はポリアルコール類、特にイノシトール、エチレングリコール、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール又は2-メチル-2,4-ペンタンジオール、又はアミノ酸類、特にグルタミン酸ナトリウム、プロリン、α-アラニン、β-アラニン、グリシン、リシン-HCL又は4-ヒドロキシプロリン、又はポリマー類、特にポリエチレングリコール、デキストラン又はポリビニルピロリドン、又は無機塩類、特に硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム又はフッ化ナトリウム、又は有機塩類、特に酢酸ナトリウム、ポリエチレンナトリウム、カプリル酸ナトリウム、プロピオン酸塩、乳酸塩又はコハク酸塩、又はトリメチルアミン-N-オキシド、サルコシン、ベタイン、ガンマ-アミノ酪酸、オクトピン、アラノピン、ストロンビン、ジメチルスルホキシド又はエタノールであるか、或いはそれらの混合物である、請求項2又は3に記載の機能的要素。
  5. 前記微細構造は、前記担体表面の平面部分を被い、該担体表面における被覆平面部分の面積-長さ-パラメータの少なくとも1つが999 μm未満であり且つ10 nm以上である請求項1ないし4のいずれか1に記載の機能的要素。
  6. 前記担体及び/又は担体表面は、金属、金属酸化物、ポリマー、半導体物質、ガラス及び/又はセラミクスからなる請求項1ないし5のいずれか1に記載の機能的要素。
  7. 前記担体表面は平滑であるか又は前処理され、該担体は非透過性及び/又は多孔質であり得る請求項1ないし6のいずれか1に記載の機能的要素。
  8. 前記担体表面は、該担体表面に生体分子の非特異的付着を阻害する化合物を有する請求項1ないし7のいずれか1に記載の機能的要素。
  9. 前記担体表面と前記微細構造との間に1層の接着剤が配列している請求項1ないし8のいずれか1に記載の機能的要素。
  10. 前記接着剤は、電荷を有するか又は非電荷の化学的反応性基を有するポリマーであり、該接着剤は弱強電解質もしくは強電解質であり、該接着剤は特にポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)、ポリ(硫酸スチロール)のナトリウム塩、ポリ(ビニルスルホン酸)のナトリウム塩、ポリ(塩化アリールアミン)、直鎖もしくは分枝鎖のポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸) 又はそれらの混合物である請求項9に記載の機能的要素。
  11. 前記ポリマーはヒドロゲルである請求項10に記載の機能的要素。
  12. 前記接着剤は、電荷を有するか又は非電荷の化学的反応性基を有するプラズマ層であり、或いは、シラン、チオール、ホスフェートもしくは脂肪酸に基づく自己会合性単層である、請求項9に記載の機能的要素。
  13. 前記接着剤は、pH値、イオン濃度又は温度の変化に応じて可変である請求項9ないし12のいずれか1に記載の機能的要素。
  14. 前記ナノ粒子は、コア及び分子特異的認識サイトを有する表面を含む請求項1ないし13のいずれか1に記載の機能的要素。
  15. 1以上の生物活性分子は、前記分子特異的認識サイトに共有及び/又は非共有的に結合する、請求項14に記載の機能的要素。
  16. 前記分子は、その生物活性を維持したまま結合している請求項15に記載の機能的要素。
  17. 前記結合分子は、タンパク質、タンパク質複合体、核酸、PNA-分子、それらの断片、及び/又はそれらの組み合せである請求項15又は16に記載の機能的要素。
  18. 前記タンパク質抗体は、抗体、抗原、酵素、サイトカイン、受容体又は構造タンパク質である請求項17に記載の機能的要素。
  19. 前記分子特異的認識サイトは1以上の第1官能基を含み、前記結合分子は第1官能基に結合する相補的な第2官能基を含む、請求項14ないし18のいずれか1に記載の機能的要素。
  20. 前記第1官能基及び該第1官能基に結合する相補的な第2官能基は、pf活性化エステル、アルキルケトン基、アルデヒド基、アミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、マレインイミド基、ヒドラジン基、ヒドラジド基、チオール基、チオエステル基、オリゴヒスチジン基、ストレプト-タグ I、ストレプト-タグ II、デスチオビオチン、ビオチン、キチン、キチン誘導体、キチン結合ドメイン、金属キレート錯体、ストレプトアビジン、ストレプトアクチン、アビジン及びニュートラアビジンからなる群から選択される請求項19に記載の機能的要素。
  21. 前記第1官能基及び第2官能基は、分子インプリンティング法によって形成される請求項19又は20に記載の機能的要素。
  22. 前記第1官能基は、スペーサーの構成成分であるか又はスペーサーを介して前記ナノ粒子表面に結合している請求項19ないし21のいずれか1に記載の機能的要素。
  23. 前記相補的第2官能基は、スペーサーの構成成分であるか又はスペーサーを介して前記分子と結合している請求項19ないし21のいずれか1に記載の機能的要素。
  24. 前記ナノ粒子のコアは、有機物質からなるか又は有機物質を含有する請求項14ないし23のいずれか1に記載の機能的要素。
  25. 前記有機物質は有機ポリマーである請求項24に記載の機能的要素。
  26. 前記有機ポリマーは、ポリプロピレン、ポリスチロール、ポリアクリレート又はそれらの混合物である請求項24又は25に記載の機能的要素。
  27. 前記コアは、無機物質からなるか又は無機物質を含有する請求項14ないし23のいずれか1に記載の機能的要素。
  28. 前記無機物質は、Au、AgもしくはNiのような金属、ケイ素、SiO2、SiO、ケイ酸塩、Al2O3、SiO2・Al2O3、Fe2O3、Ag2O、TiO2、ZrO2、Zr2O3、Ta2O5、ゼオライト、ガラス、インジウムスズ酸化物、ヒドロキシアパタイト、Q-ドット(Q-Dot)又はそれらの混合物である請求項27に記載の機能的要素。
  29. 前記コアは、5 nmないし500 nmの大きさを有する請求項24ないし28のいずれか1に記載の機能的要素。
  30. 前記コアは少なくとも1の付加機能を有する請求項24ないし29のいずれか1に記載の機能的要素。
  31. 前記付加機能は前記コアに固定され、該機能が蛍光標識、紫外/可視光線標識、超常磁性機能、強磁性機能及び/又は放射性標識である請求項30に記載の機能的要素。
  32. 前記コアの表面は、第1官能基を含有する有機又は無機層によって修飾され、該層が蛍光標識、紫外/可視光線標識、超常磁性機能、強磁性機能及び/又は放射性標識を有する請求項30に記載の機能的要素。
  33. 前記コアの表面は、化合物を有し、該化合物が立体的安定性に、及び/又は固定化分子の立体配座変化の阻害に、及び/又は該コアにおける更なる生物活性化合物の付着を阻害する助けになる請求項30ないし32のいずれか1に記載の機能的要素。
  34. 前記化合物は、ポリエチレングリコール、オリゴエチレングリコール、デキストラン又はそれらの混合物である請求項33に記載の機能的要素。
  35. 前記結合分子は標識を有することを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の機能的要素。
  36. 前記結合性分子には更なる分子が結合していることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の機能的要素。
  37. 前記担体表面においては、異なる分子特異的認識サイトを有するナノ粒子からなる多くの微細構造が配列していることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の機能的要素。
  38. 前記微細構造には様々な分子が結合している前記すべての請求項のいずれか1に記載の機能的要素。
  39. ニードル-リング-プリンターを用いて前記担体表面上に1以上の微細構造を塗布することにより得られるか、又はリソグラフィー法(好ましくはフォトリソグラフィーもしくはマイクロリソグラフィー)を用いて前記担体表面上に1以上の微細構造を塗布することにより得られるか、又はインクジェット技術を用いて前記担体表面上に1以上の微細構造を塗布することにより得られるか、又はミクロ接触法を用いて前記担体表面上に1以上の微細構造を塗布することにより得られる、請求項1ないし38のいずれか1に記載の機能的要素。
  40. 前記すべての請求項のいずれか1に記載の機能的要素を製造するための方法であって、少なくとも1の接着剤層、その後に、分子特異的認識サイトを有するナノ粒子を含む少なくとも1の三次元多重層微細構造が、前記担体表面に塗布され、ここにおいて、少なくとも1のタンパク質安定化剤が該微細構造に、前もって、同時に又はその後に導入されることを特徴とする導入機能的要素の製造方法。
  41. 前記担体表面は前記接着剤層の塗布前に洗浄及び/又は活性化される請求項40に記載の方法。
  42. 前記担体表面は化学的に活性化される請求項41に記載の方法。
  43. 前記担体表面には電荷が付与される請求項42に記載の方法。
  44. 前記担体表面はプライマーの塗布により活性化される請求項42又は43に記載の方法。
  45. 前記担体表面上には自己会合層が塗布される請求項42又は43に記載の方法。
  46. 前記担体表面はプラズマを用いて活性化される請求項41に記載の方法。
  47. 前記担体表面上において、対応する形状及び面積で規定された接着剤層が塗布され、その後に該担体はナノ粒子懸濁液に浸され、結果として該塗布接着剤層における該ナノ粒子の付着により対応する形状及び面積で規定された微細構造が形成される請求項40ないし46のいずれか1に記載の方法。
  48. 前記対応する形状及び面積で規定された接着剤層は、それぞれ各種のニードル-リング-プリンター、リソグラフィー法、インクジェット技術又はミクロ接触法を用いて塗布される請求項47に記載の方法。
  49. 前記担体は、前記接着剤の懸濁液又は溶液に浸され、それに従って該担体表面全体を覆う接着剤層が形成され、その後に前記ナノ粒子の塗布に対応する形状及び面積で規定される微細構造が形成される請求項40ないし48のいずれか1に記載の方法。
  50. 前記対応する形状及び面積で規定された微細構造は、それぞれ各種のニードル-リング-プリンター、リソグラフィー法、インクジェット技術又はミクロ接触法を用いて塗布される請求項49に記載の方法。
  51. 前記接着剤及び前記ナノ粒子は前記担体表面上に複数回塗布される請求項40ないし50のいずれか1に記載の方法。
  52. 前記ナノ粒子の塗布の前、後、又は前後に生物活性分子を該ナノ粒子の分子特異的認識サイトに結合される請求項40ないし51のいずれか1に記載の方法。
  53. 前記ナノ粒子の、第1官能基を有する分子特異的認識サイトと該第1官能基に結合する相補的な第2官能基を有する前記生物活性分子を、該分子特異的認識サイトの官能基と該分子との間で共有及び/又は非共有結合が生じるように接触させて、該ナノ粒子の分子特異的認識サイトで該生物活性分子の結合が生じる請求項52に記載の方法。
  54. 前記第1官能基及び該第1官能基に結合する相補的な第2官能基は、活性化エステル、アルキルケトン基、アルデヒド基、アミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、マレインイミド基、ヒドラジン基、ヒドラジド基、チオール基、チオエステル基、オリゴヒスチジン基、ストレプト-タグ I、ストレプト-タグ II、デスチオビオチン、ビオチン、キチン、キチン誘導体、キチン結合ドメイン、金属キレート錯体、ストレプトアビジン、ストレプトアクチン、アビジン及びニュートラアビジンからなる群から選択される請求項53に記載の方法。
  55. 前記生物活性分子はその生物活性を保持したまま結合される請求項52ないし54のいずれか1に記載の方法。
  56. 前記分子は、それぞれ各種のタンパク質、タンパク質複合体、抗原、核酸、PNA-分子又はそれらの断片である請求項52ないし55のいずれか1に記載の方法。
  57. 検出方法の実施にあたり、前記請求項40ないし56のいずれか1に記載の方法に従って製造された、前記請求項1ないし39のいずれか1に記載の機能的要素の使用。
  58. 前記検出方法は、蛍光もしくは紫外/可視光線分光法、蛍光もしくは光学顕微鏡法、導波分光法、インピーダンス分光法もしくはその他の質量分光法、光学的方法、重量法又はそれらの組み合わせである請求項57に記載の使用。
  59. 細胞接着もしくは細胞増殖を制御するために、前記請求項40ないし56のいずれか1に記載の方法に従って製造された、前記請求項1ないし39のいずれか1に記載の機能的要素の使用。
  60. 医薬製剤を開発するために、前記請求項40ないし56のいずれか1に記載の方法に従って製造された、前記請求項1ないし39のいずれか1に記載の機能的要素の使用。
  61. 医薬製剤の作用及び/又は副作用を解析するために、前記請求項40ないし56のいずれか1に記載の方法に従って製造された、前記請求項1ないし39のいずれか1に記載の機能的要素の使用。
  62. 患者を診断するために、前記請求項40ないし56のいずれか1に記載の方法に従って製造された、前記請求項1ないし39のいずれか1に記載の機能的要素の使用。
  63. 病原体を同定するために、前記機能的要素を利用する請求項62に記載の使用。
  64. ヒト又は動物における突然変異遺伝子を同定するために、前記機能的要素を利用する請求項62に記載の使用。
  65. 試料への細菌汚染を分析するために、請求項40ないし56のいずれか1に記載の方法に従って製造された、前記請求項1ないし39のいずれか1に記載の機能的要素の使用。
  66. 前記試料は、水又は土壌試料である請求項65に記載の使用。
  67. 前記試料は、食品又は動物の餌に由来する請求項65に記載の方法。
  68. 請求項1ないし39のいずれか1に記載の機能的要素であって、バイオコンピュータの電子部品として請求項40ないし56のいずれか1に記載の方法に従って製造された該機能的要素の使用。
  69. 溶液又は懸濁液中の検体を同定及び/又は検出するための方法であって、第1の工程 a) において請求項1ないし39のいずれか1に記載の機能的要素を調製し、次いで第2工程 b) において該機能的要素を前記検体含有の溶液又は懸濁液と接触させ、次いで第3工程 c) において生体適合性洗浄液を用いて非結合検体を該洗浄液から除去し、次いで第4工程 d) において検体方法を実施することを特徴とする同定及び/又は検出方法。
  70. 前記生体適合性洗浄液は、水又は生理食塩水である請求項69に記載の使用。
  71. 前記工程d)において実施される検出方法は、蛍光検出法又はMALDI-質量分光法である請求項69又は70に記載の方法。
  72. 前記実施の検出方法は蛍光検出法であり、前記検体及び/又は前記結合性の生体分子は蛍光標識されている請求項71に記載の方法。
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