JP4924023B2 - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents
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Description
本発明は、内燃機関の吸気装置に関する。
燃焼を良好なものとするために、吸気行程において気筒内に吸入される吸気によって気筒内を横方向に旋回するスワールを生成することが提案されている。そのための吸気ポートとして、一般的には、気筒内開口近傍を螺旋形状としたヘリカルポートが使用される。
このようなヘリカルポートを通過する吸気には吸気弁のステム回りの旋回力が付与され、吸気の主流はヘリカルポートの気筒内開口において気筒中心から遠い気筒周囲側から気筒内に供給され、気筒内に強いスワールを形成することが意図される。しかしながら、一部の吸気はステム回りを吸気弁の傘部裏面に沿ってさらに旋回して気筒内へ供給され、この一部の吸気が気筒内開口から気筒内へ流出した直後の吸気主流に側方から衝突して吸気主流の旋回力を弱めるために、それほど強いスワールを気筒内に形成することができない。
吸気弁の傘部裏面の気筒中心に近い側に吸気弁のステムから半径方向外側へ延在するフラップを設けることが提案されており（例えば、特許文献１参照）、このようなフラップが設けられていれば、一部の吸気が吸気弁の傘部裏面に沿って旋回しようとしても、フラップより先には進行することができず、一部の吸気と吸気主流との衝突を防止することができる。
ヘリカルポートを通過する吸気は、ヘリカルポートの吸気弁ステム回りの気筒内開口において、気筒周囲側の流出位置において気筒内へ流出する。前述のフラップは、吸気弁の傘部裏面の気筒中心に近い側に設けられているために、前述の一部の吸気が吸気主流と衝突することを防止するが、その結果として、吸気主流及び一部の吸気は、吸気弁のステム回りの気筒内開口において、流出位置からフラップまでの気筒内開口の半分程度の比較的狭い範囲でしか気筒内へ供給されないこととなる。これは、気筒内への多量の吸気の供給を困難とする。
従って、本発明の目的は、気筒内への多量の吸気の供給を可能とすると共に、ヘリカルポートにより気筒内へ供給される吸気によって気筒内に強いスワールを生成することができる内燃機関の吸気装置を提供することである。
本発明による請求項１に記載の内燃機関の吸気装置は、気筒内へ吸気を供給するためのヘリカルポートと、前記ヘリカルポートを開閉するための吸気弁とを具備し、前記吸気弁の傘部裏面には、吸気弁ステムから半径方向外側へ延在するフラップが取り付けられ、前記フラップは、前記傘部裏面の気筒周囲側において、前記ヘリカルポートの前記吸気弁ステム回りの気筒内開口における気筒周囲側の吸気流出位置から上流側に位置することを特徴とする。
本発明による請求項２に記載の内燃機関の吸気装置は、請求項１に記載の内燃機関の吸気装置において、前記フラップは、前記気筒内開口における気筒周囲側の前記吸気流出位置の直上流側に位置することを特徴とする。
本発明による請求項１に記載の内燃機関の吸気装置によれば、吸気弁の傘部裏面に沿って旋回する吸気の一部は、傘部裏面の気筒周囲側において、ヘリカルポートの気筒内開口における気筒周囲側の吸気流出位置の上流側に配置されたフラップによって吸気流出位置から気筒内へ供給された直後の吸気主流に衝突することは防止され、気筒内に強いスワールを形成することができる。また、フラップは、吸気弁の傘部裏面の気筒周囲側に位置するようになっているために、吸気主流及び一部の吸気は、ヘリカルポートの気筒内開口において、気筒周囲側の吸気流出位置から吸気弁の傘部裏面の気筒周囲側のフラップまでの吸気弁ステム回りの広い範囲で気筒内へ供給され、フラップが吸気弁の傘部裏面の気筒中心側に設けられる場合に比較して、気筒内へ多量の吸気を供給することができる。
本発明による請求項２に記載の内燃機関の吸気装置によれば、請求項１に記載の内燃機関の吸気装置において、フラップは、気筒内開口における気筒周囲側の吸気流出位置の直上流側に位置するようにされ、それにより、吸気主流及び一部の吸気は、ヘリカルポートの気筒内開口において、気筒周囲側の吸気流出位置から吸気弁の傘部裏面の気筒周囲側のフラップまでの吸気弁ステム回りのほぼ気筒内開口全体で気筒内へ供給され、気筒内へさらに多量の吸気を供給することができる。
図１は本発明による内燃機関の吸気装置の実施形態を示す吸気弁近傍の拡大断面図である。同図において、１はヘリカルポートであり、２はヘリカルポートの気筒内開口１ａを開閉するための吸気弁である。吸気弁２は、ステム２ａと、気筒内開口１ａのシート部に当接する切頭円錐形状の傘部２ｂとを有している。また、傘部２ｂの裏面（ポート側の面）には、ステム２ａから半径方向外側に延在するフラップ２ｃが設けられている。フラップ２ｃの上端は、気筒内開口１ａと略平行に形成されている。フラップ２ｃは、図１に示すように、吸気弁２が最大にリフトする時でも上端近傍が僅かにヘリカルポート１内に位置するように、又は、吸気弁２が最大にリフトする時にだけフラップ２ｃ全体が気筒内へ露出するように形成される。
ヘリカルポート１は、少なくとも気筒内開口１ａ近傍が吸気弁２のステム２ａ回りの螺旋形状とされ、気筒内へ供給される吸気に横方向の旋回力を付与して、気筒内において強いスワールを形成することを意図している。しかしながら、横方向の旋回力を付与された吸気が吸気弁２のステム２ａ回りの気筒内開口の吸気流出位置から気筒内へ流出すると、吸気主流は吸気弁２から離間して進行するが、一部の吸気は吸気弁２のステム２ａ回りを傘部２ｂの裏面に沿ってさらに旋回するために、そのままでは、この一部の吸気は気筒内開口から流出した直後の吸気主流に側方から衝突し、吸気主流の旋回力を弱めてしまうために、意図するような強いスワールを気筒内に形成することができない。
これに対して、本実施形態では、吸気弁２の傘部２ｂの裏面に前述のフラップ２ｃが設けられているために、図２に示すように、ステム２ａ回りを傘部２ｂの裏面に沿ってさらに旋回する一部の吸気Ａ２は、主流Ａ１との衝突が防止される。それにより、気筒内に強いスワールを形成することができる。
図３は、このような吸気弁２を有する二つのヘリカルポートが気筒上部に接続された場合を示している。同図においてＣは気筒中心である。ヘリカルポートにおいて、前述の吸気流出位置Ｓは、気筒内開口１ａの気筒周囲側Ｂ２−Ｂ２に位置している。本実施形態においては、前述のフラップ２ｃは、傘部２ｂの裏面の気筒周囲側に位置するようにされ、また、気筒内開口１ａの吸気流出位置Ｓの上流側とされている。これに対して、フラップ２ｃを気筒周囲側において吸気流出位置Ｓの下流側に配置することは、吸気流出位置Ｓから流出した吸気主流がフラップ２ｃと衝突して旋回力を失うこととなるために実際的ではない。
また、フラップ２ｃを、傘部２ｂの裏面の気筒中心側Ｂ１−Ｂ１に位置させても、吸気主流Ａ１がフラップ２ｃと衝突することはなく、また、ステム２ａ回りを傘部２ｂの裏面に沿ってさらに旋回しようとする一部の吸気Ａ２が、吸気主流Ａ１と衝突することを防止することができる。しかしながら、このような構成では、吸気主流Ａ１及び一部の吸気Ａ２は、吸気流出位置Ｓから傘部２ｂ裏面の気筒中心側に位置するフラップまでの吸気弁ステム２ａ回りの気筒内開口の半分程度からしか気筒内へ供給されないこととなり、これでは、多量の吸気を気筒内へ供給することができない。
本実施形態では、前述したように、フラップ２ｃは、吸気弁２の傘部裏面の気筒周囲側Ｂ２−Ｂ２において、気筒内開口１ａの気筒周囲側Ｂ２−Ｂ２の吸気流出位置Ｓの上流側とされているために、吸気主流Ａ１及び一部の吸気Ａ２は、吸気流出位置Ｓから傘部２ｂ裏面の気筒周囲側に位置するフラップまでの吸気弁ステム２ａ回りの気筒内開口の広い範囲から気筒内へ供給され、多量の吸気を気筒内へ供給することができる。
また、フラップ２ｃは、図３に示すように、気筒内開口１ａの気筒周囲側の吸気流出位置Ｓの直上流側とすることが好ましく、それにより、吸気主流Ａ１及び一部の吸気Ａ２は、吸気流出位置Ｓから傘部２ｂ裏面の気筒周囲側に位置するフラップまでの吸気弁ステム２ａ回りの気筒内開口１ａのほぼ全体から気筒内へ供給され、さらに多量の吸気を気筒内へ供給することができる。
本実施形態において、一部の吸気Ａ２は、ステム２ａ回りを旋回してフラップ２ｃに到達するまでの間において、徐々に接線方向に流出することとなるために、主流Ａ１から分かれた一部の吸気の全てがフラップ２ｃによって方向を変えられるのではない。
１ ヘリカルポート
１ａ 気筒内開口
２ 吸気弁
２ａ ステム
２ｂ 傘部
Ａ１ 吸気主流
Ａ２ 一部の吸気
Ｃ 気筒中心
１ａ 気筒内開口
２ 吸気弁
２ａ ステム
２ｂ 傘部
Ａ１ 吸気主流
Ａ２ 一部の吸気
Ｃ 気筒中心
Claims (2)
- 気筒内へ吸気を供給するためのヘリカルポートと、前記ヘリカルポートを開閉するための吸気弁とを具備し、前記吸気弁の傘部裏面には、吸気弁ステムから半径方向外側へ延在するフラップが取り付けられ、前記フラップは、前記傘部裏面の気筒周囲側において、前記ヘリカルポートの前記吸気弁ステム回りの気筒内開口における気筒周囲側の吸気流出位置から上流側に位置することを特徴とする内燃機関の吸気装置。
- 前記フラップは、前記気筒内開口における気筒周囲側の前記吸気流出位置の直上流側に位置することを特徴とする請求項１に記載の内燃機関の吸気装置。
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