JP4923867B2 - フィルタ露光装置 - Google Patents

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本発明は、カラーフィルタ等を作成するためのフィルタ露光装置に係り、とりわけ基板をチャック上に載置したりチャック上から取り除いたりする時間を短縮できるフィルタ露光装置に関する。
従来より、カラーフィルタの製造工程においてフィルタ露光装置(以下単に露光装置ともいう)が用いられている。このような露光装置は、基板の表面に形成された感光材に対して露光マスクを介して光源からの光を照射し、これにより基板上にパターンを形成させるために用いられている。
また一般に、露光装置は、光源を含む光源機構と、光源機構下方に配置された露光マスクと、露光マスクの下方に設けられ、基板を載置するチャックを有するステージ機構とを備えている。
次に、図5(a)(b)(c)を用いて従来の露光装置のステージ機構の概略と、このステージ機構のチャック上に基板を載置させるステップについて説明する。
図5(a)(b)(c)に示すように、ステージ機構57は、ベース55と、ベース55上に昇降機構54を介して上下方向移動自在に設けられ、基板52が載置されるチャック53とを有している。このうち、チャック53は、チャック53上で進退する複数のピン60を有している。
このような露光装置のステージ機構57に基板52を載置する場合、まず予めステージ機構57のチャック53を昇降機構54によりベース55側へ下降させ、同時にチャック53のピン60をチャック53上面から突出させる。
次に、図5(a)に示すように、予め表面に感光材が塗布された基板52が、ロボット(図示せず)に取付けられたロボットハンド58によりチャック53のピン60上に移送される。
次に、ロボットハンド58は、基板52がチャック53のピン60上に当接するまで基板52を下降させる(図5(b)参照)。
次にロボットハンド58は、基板52とチャック53との間から抜き取られる。その後、チャック53のピン60が下方へ後退し、これにより基板52がチャック53上に当接して載置される。その後、チャック53が昇降機構54により上昇し、基板52が所定の露光位置に配置され、光源からの光により基板52が露光される(図5(c)参照)。
また、このようにして基板52の露光が終了した後、基板52は、ロボットハンド58によりステージ機構57のチャック53上から取り外され、次工程へと搬送される。このようにして基板52がチャック53上から搬送されるステップは、上述したチャック53上へ基板52を載置させるステップと逆のステップとなる。
特開2004−288970号公報
しかしながら、基板52をチャック53上に安定して載置するためには、チャック53のピン60を上昇および下降させる必要があり、また基板52をチャック53上から取り外す際にも、同様にピン60を上昇および下降させる必要がある。この場合、ピン60を上下方向に進退させるために相当な時間が必要とされており、露光工程のタクトタイムが長時間化し、これによりフィルタの生産効率が低下するという問題が生じる。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、基板をチャック上に載置したりチャック上から取り外したりする時間を短縮でき、かつバックハレーションに起因する基板表面の露光ムラを低減することができるフィルタ露光装置を提供することを目的とする。
本発明は、基板に対して光を照射する光源を含む光源機構と、光源機構下方に配置された露光マスクと、露光マスクの下方に設けられ、予め感光材が塗布された基板を載置するステージ機構とを備え、ステージ機構は、ベースと、ベース上方に設けられ、基板を載置するチャック上面を含むチャックとを有し、チャック上面に、基板をチャック上に載置するロボットハンドが挿入される切欠が形成され、少なくともチャック上面のうち切欠以外の面は多孔質面からなることにより、チャック上面のうち切欠以外の面におけるバックハレーションを低減し、チャックの切欠に対応する箇所の感光材パターンの線幅と、チャックの切欠以外の面に対応する箇所の感光材パターンの線幅とが不均一となり感光材パターンに露光ムラが生じることを防止することを特徴とするフィルタ露光装置である。
本発明は、ステージ機構のチャックは、ベースに対して上下方向移動自在に設けられていることを特徴とするフィルタ露光装置である。
本発明は、チャック上面の切欠は、細長い溝からなっていることを特徴とするフィルタ露光装置である。
本発明は、チャック上面の多孔質面の色は、黒色であることを特徴とするフィルタ露光装置である。
本発明によれば、チャック上面に、基板をチャック上に載置するロボットハンドが挿入される切欠が形成されていることにより、チャックにピンを設けることなく、ロボットハンドにより基板をチャック上に載置したりチャック上から取り外すことができる。このため、ピンの上下方向への進退移動を行なう必要がなく、基板をチャック上に載置したりチャック上から取り外したりする時間を短縮することができる。
また、本発明によれば、少なくともチャック上面のうち切欠以外の面が多孔質面からなっているので、チャック上面に切欠が形成されていても、バックハレーションに起因する基板表面の露光ムラを低減することができる。
さらに、本発明によれば、ステージ機構のチャックがベースに対して上下方向移動自在に設けられているので、チャックと露光マスクとの間の間隙が狭い場合であっても、基板の移動の際、基板と露光マスクとが接触するおそれがない。
さらにまた、本発明によれば、チャックの切欠は、細長い溝からなっているので、ロボットハンドをチャックの切欠内にスムースに挿入することができる。
さらにまた、本発明によれば、チャック上面の多孔質面の色が黒色となっているので、チャック上面に切欠が形成されていてもバックハレーションに起因する基板表面の露光ムラを低減することができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図1乃至図4を参照して説明する。
ここで、図1は、本発明の一実施の形態を示す正面図であり、図2は、ロボットハンドがチャックの切欠内に挿入された状態を示す平面図である。また、図3(a)(b)(c)は、チャック上に基板を載置するステップを示す概略図であり、図4は、チャックにおけるバックハレーションを示す概略図である。
まず、図1および図2により、本実施の形態によるフィルタ露光装置の概略について説明する。
図1に示すように、フィルタ露光装置10は、予め表面に感光材12aが塗布された基板12に対して光を照射し、感光材12aを露光するものである。このようなフィルタ露光装置10は、基板12に対して光を照射する光源20aを含む光源機構20と、光源機構20下方に配置された露光マスク16と、露光マスク16の下方に設けられ、基板12を載置するステージ機構17とを備えている。このうちステージ機構17は、フレーム11に設けられた水平レール11a上に移動可能に支持されている。
またステージ機構17は、ベース15と、ベース15上方に設けられ、基板12を載置するチャック13とを有し、基板12はチャック13のチャック上面13A上に載置される。また、このチャック13のチャック上面13Aに、基板12をチャック13上に載置するロボットハンド18の各爪18aがそれぞれ挿入される複数の切欠13aが形成されている。この各切欠13aは、上方からみてロボットハンド18の形状に対応して細長い溝からなっている。
すなわち図2に示すように、ロボット19に取付けられたロボットハンド18は、フォーク形状を有している。このロボットハンド18は、上述したように、複数の爪18aを有しており、ロボットハンド18により基板12がチャック13上に載置される際、この各爪18aがチャック13の切欠13a内へそれぞれ挿入されるようになっている。
また、ステージ機構17のチャック13のチャック上面13Aは全体として多孔質面からなっている。またチャック上面13Aは、光源20aからの光を反射しにくい黒色等の色からなることが好ましい。この場合、チャック上面13Aのうち切欠13a以外の面13bのみ多孔質面となっていてもよく、また面13bのみ黒色からなっていてもよい。
また、ステージ機構17は、上述のようにフレーム11内部に配置されており、フレーム11の水平レール11a上でX方向、Y方向へ任意に移動できるようになっている。さらにステージ機構17のベース15とチャック13との間に昇降機構14が設けられており、この昇降機構14により、チャック13は、ベース15に対して上下方向自在に移動することができる。
また、光源機構20は光源20aと、この光源20aの背部に設けられ、光源20aからの光を集光するパラボラミラー21と、パラボラミラー21からの光を反射するコールドミラー22と、コールドミラー22からの光を反射する球面鏡23とを有している。またコールドミラー22と球面鏡23との間に、シャッタ24およびインテグレータレンズ26とが設けられている。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
まず、チャック13上に基板12を載置する際のステップについて図3(a)(b)(c)により説明する。
まず、昇降機構14により、ステージ機構17のチャック13がベース15側へ下降される。次に、図3(a)に示すように、ロボットハンド18により前工程から搬送された基板12が、露光マスク16とチャック13との間に挿入される。この際、ロボットハンド18の各爪18aが対応するチャック13の各切欠13a上方に配置される。
次に、ロボットハンド18が下降して、ロボットハンド18の各爪18aがチャック13の各切欠13a内に上方から進入し、これにより基板12がチャック13のチャック上面13A上に載置される。この際ロボットハンド18の各爪18aは、チャック上面13Aの面13bよりわずかに下方へ下降して、ロボットハンド18と基板12とが離間する(図3(b)参照)。
次に、ロボットハンド18は図3(b)の奥側方向へ水平に後退し、ロボットハンド18の各爪18aは、チャック13の各切欠13a内から奥側へ抜き取られる。
その後、図3(c)に示すように、ステージ機構17の昇降機構14によりチャック13が上昇し、光源機構20の光源20aから照射され露光マスク16を通過した光により基板12の感光材12aが露光される。
次に、このようにして感光材12aが露光された基板12は、チャック13のチャック上面13A上から取り外されて次工程へ移送される。この際のステップについて図3(a)(b)(c)を用いて説明する。なお、このステップはチャック13上に基板12を載置するステップの逆となる。
まず、ステージ機構17の昇降機構14により、チャック13がベース15側へ下降される。次に、ロボットハンド18が図3(b)の奥側から手前側へ水平移動し、ロボットハンド18の各爪18aがチャック上面13Aの各切欠13a内へ挿入される。
その後、ロボットハンド18が上昇し、これによりロボットハンド18上に基板12が載置される(図3(a)参照)。この状態でロボットハンド18が図3(a)の奥側へ水平移動し、基板12が露光フィルタ16とチャック13との間から抜き取られ、次工程へと搬送される。
ところで、チャックとしてアルミニウム等の金属製のチャックを用いると、基板12の感光材12aが光源20aからの光により露光される際、基板12上の感光材12aに対して露光ムラが生じることが考えられる。すなわち、チャック13がアルミニウム等の金属からなる場合、基材12の感光材12aに対して露光することにより得られた基板12上の感光材パターンの線のうち、チャック13の切欠13aに対応する箇所の線幅が比較的細く(薄く)なり、チャック13の切欠13a以外の面13bに対応する箇所の線幅が比較的太く(厚く)なるという問題が生じる。
このように、チャック13がアルミニウム等の金属からなる場合において生じる現象について、図4を用いて更に詳細に説明する。
図4において、基板12は、光源機構20の光源20aから照射され露光マスク16を通過した光30により露光される。この光30により基板12上の感光材12aが反応して固化し、この露光工程後に現像工程を経た後、基板12上に感光材パターン31が形成される。
光源20aから照射された光30のうち、チャック13の切欠13a以外の面13bに対応する箇所に照射された光32は、基板12上の感光材12aを反応させた後、基板12内に進入する。次に光32は、チャック面13Aの面13bで反射されて基板12の上面へ達し、再度基板12上の感光材12aを固化させる。
他方、光30のうちチャック13の切欠13aに対応する箇所に照射された光33は、基板12上の感光材12aを反応させた後、基板12内に進入し、基板12下方へ透過する。次に光33は、切欠13aの底面13cで反射され、基板12内を上方へ通過して再度基板12上の感光材12aを反応させる。
以下、このような反射現象をバックハレーションともいう。
ところで、図4において、光33が切欠13a内の空間を通過することによる影響により、切欠13aの底面13cにおける光33のバックハレーションは、面13bにおける光32のバックハレーションに比較して遥かに小さい。
したがって、アルミニウム等の金属製のチャック13を用いた場合、基板12上の感光材12aのうち、チャック13の切欠13aに対応する箇所の感光材12aは、この箇所におけるバックハレーションが比較的小さいことにより反応が進みにくい。他方、チャック13の面13bに対応する箇所の感光材12aは、この箇所におけるバックハレーションが比較的大きいことにより反応が進みやすい。
したがって、上述したように、チャック13の切欠13aに対応する箇所の感光材パターン31の線幅は比較的細く(薄く)なり、チャック13の切欠13a以外の面13bに対応する箇所の感光材パターン31の線幅は比較的太く(厚く)なる。このようにして、図4に示すように基板12上の感光材パターン31に露光ムラにより生じる線幅の不均一が生じる。
なお、上述した感光材パターン31に生じる線幅の不均一現象は、感光材12aの種類により異なる。すなわち、感光材12aとしては、BM(ブラックマトリックス)感光材や赤、緑、青の各色に対応する着色感光材等が存在し、それぞれに対してネガ型感光材とポジ型感光材とが存在する。感光材パターン31に生じる線幅の不均一現象は、上述した種類の感光材のうち、特定の材料を用いた場合にとりわけ顕著にみられる。
これに対し本発明によれば、上述したように、チャック上面13A全体、あるいは少なくともチャック13のチャック上面13Aのうち切欠13a以外の面13bは、合成樹脂やセラミック等の多孔質面からなっているため、チャック上面13A、とりわけ面13bにおけるバックハレーションが低減され、基板12表面に露光ムラが生じるのを防止することができる。
また、チャック上面13A全体、あるいは少なくともチャック上面13Aの面13bが光源20aからの光を反射しにくい黒色等の色からなっているため、面13bにおけるバックハレーションが更に低減される。
このように、本実施の形態によれば、チャック上面13Aに、基板12をチャック13上に載置するロボットハンド18が挿入される切欠13aが形成されていることにより、チャック13にピンを設けることなく、ロボットハンド18により基板12をチャック13上に載置したりチャック13上から取り外すことができる。このため、ピンの上下方向への進退移動を行なう必要がなく、基板12をチャック13上に載置したりチャック13上から取り外したりする時間を短縮することができる。
また、本実施の形態によれば、少なくともチャック上面13Aのうち切欠13a以外の面が多孔質面からなっていることにより、チャック上面13Aに切欠13aが形成されていても、バックハレーションに起因する基板12表面の露光ムラを低減することができる。
さらに、本実施の形態によれば、ステージ機構17のチャック13がベース15に対して上下方向移動自在に設けられていることにより、チャック13と露光マスク16との間の間隙が狭い場合であっても、基板12の移動の際、基板12と露光マスク16とが接触するおそれがない。
さらにまた、本実施の形態によれば、チャック上面13Aの切欠13aは、細長い溝からなっていることにより、ロボットハンド18の爪18aをチャック13の切欠13a内にスムースに挿入することができる。
さらにまた、本実施の形態によれば、チャック上面13Aのうち、少なくとも面13bの色が黒色であることにより、チャック上面13Aに切欠13aが形成されていても、バックハレーションに起因する基板12表面の露光ムラを低減することができる。
本発明によるフィルタ露光装置の一実施の形態を示す正面図。 ロボットハンドがステージ機構のチャック上面の切欠内に挿入された状態を示す平面図。 ステージ機構のチャック上に基板を載置するステップを示す概略図。 ステージ機構のチャックにおけるバックハレーションを示す概略図。 従来のステージ機構のチャック上に基板を載置するステップを示す概略図。
符号の説明
10 フィルタ露光装置
11 フレーム
12 基板
13 チャック
13A チャック上面
13a 切欠
13b 切欠以外の面
14 昇降機構
15 ベース
16 露光マスク
17 ステージ機構
18 ロボットハンド
18a 爪
19 ロボット
20 光源機構
20a 光源
21 パラボラミラー
22 コールドミラー
23 球面鏡
24 シャッタ
26 インテグレータレンズ
30、32、33 光
31 パターン
52 基板
53 チャック
54 昇降機構
55 ベース
57 ステージ機構
58 ロボットハンド
60 ピン

Claims (4)

  1. 基板に対して光を照射する光源を含む光源機構と、
    光源機構下方に配置された露光マスクと、
    露光マスクの下方に設けられ、予め感光材が塗布された基板を載置するステージ機構とを備え、
    ステージ機構は、ベースと、ベース上方に設けられ、基板を載置するチャック上面を含むチャックとを有し、
    チャック上面に、基板をチャック上に載置するロボットハンドが挿入される切欠が形成され、少なくともチャック上面のうち切欠以外の面は多孔質面からなることにより、チャック上面のうち切欠以外の面におけるバックハレーションを低減し、チャックの切欠に対応する箇所の感光材パターンの線幅と、チャックの切欠以外の面に対応する箇所の感光材パターンの線幅とが不均一となり感光材パターンに露光ムラが生じることを防止することを特徴とするフィルタ露光装置。
  2. ステージ機構のチャックは、ベースに対して上下方向移動自在に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ露光装置。
  3. チャック上面の切欠は、細長い溝からなっていることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルタ露光装置。
  4. チャック上面の多孔質面の色は、黒色であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のフィルタ露光装置。
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