<実施形態1>
以下、図面を用いて、本発明の第1の遊技台の実施形態に係るスロットマシン100について説明する。
<全体構成>
まず、図1および図2を用いてスロットマシン100の基本構成を説明する。図1は、スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。図2は、スロットマシン100に設けられた図柄表示窓113および各リール110乃至112を正面から見た正面図である。
図1に示すスロットマシン100は、本発明の第1の遊技台の一例に相当するものであり、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。図2を用いて具体的に説明すると、左リール110の上段(図に示す1の位置)に表示される図柄を左リール上段図柄、左リール110の中段(図に示す2の位置)に表示される図柄を左リール中段図柄、左リール110の下段(図に示す3の位置)に表示される図柄を左リール下段図柄、中リール111の上段(図に示す4の位置)に表示される図柄を中リール上段図柄、左リール111の中段(図に示す5の位置)に表示される図柄を中リール中段図柄、中リール111の下段(図に示す6の位置)に表示される図柄を中リール下段図柄、右リール112の上段(図に示す7の位置)に表示される図柄を右リール上段図柄、右リール112の中段(図に示す8の位置)に表示される図柄を右リール中段図柄、右リール112の下段(図に示す9の位置)に表示される図柄を右リール下段図柄とそれぞれ呼び、各リール110乃至112のそれぞれの図柄は図柄表示窓113を通して各リール110乃至112にそれぞれ縦方向に3つ、合計9つ表示される。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合わせが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組み合わせを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。入賞ラインとは、後述する図5で説明する入賞役に対応する図柄組み合わせが表示されたか否かが判定されるラインのことであり、本実施形態では左リール中段図柄、中リール中段図柄および右リール中段図柄で構成される水平入賞ラインL1、左リール上段図柄、中リール中段図柄および右リール下段図柄で構成される右下がり入賞ラインL2、左リール下段図柄、中リール中段図柄および右リール上段図柄で構成される右上がり入賞ラインL3の3つの入賞ラインが設けられている。有効となる入賞ライン(以下、単に「有効ライン」と称する場合がある)は、遊技媒体としてベットされたメダルの枚数によって予め定まっている。メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインL1が有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、右下がり入賞ラインL2を加えた2本の入賞ラインが有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右上がり入賞ラインL3を加えた3本の入賞ラインが有効になる。入賞ラインが有効になると、スタートレバー135を操作して遊技を開始することができるようになる。なお、入賞ラインの数については3ラインに限定されるものではない。例えば、水平入賞ラインL1、右下がり入賞ラインL2および右上がり入賞ラインL3とは異なる入賞ラインを加えて3ラインを超える入賞ライン(たとえば5ライン)を有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、特別役1または特別役2)に内部当選していること、または、後述する特別遊技状態であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役1〜再遊技役7に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。本実施形態のスロットマシン100では、3枚のメダルを投入した後に、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、左ストップボタン137、中ストップボタン138および右ストップボタン139で構成されるストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、本発明の第1の遊技台における停止操作手段の一例に相当するものであり、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。より具体的に言えば、左ストップボタン137を操作することによって左リール110を停止させることができ、中ストップボタン138を操作することによって中リール111を停止させることができ、右ストップボタン139を操作することによって右リール112を停止させることができる。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、回転中の各リール110乃至112を全て停止させるためにストップボタン137乃至139を停止操作する順序を停止操作順序または押し順という。さらに、第1停止操作を左リール110の停止操作とする停止操作順序を「順押し停止操作順序」または単に「順押し」と呼び、第1停止操作を右リール112の停止操作とする停止操作を「逆押し停止操作順序」または単に「逆押し」と呼ぶ。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
音孔145はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。この液晶表示装置157は、本発明の第1の遊技台における表示手段の一例に相当する。
次に、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。なお、この主制御部300は、本発明の第1の遊技台における抽選手段の一例に相当するものであり、本発明の第1の遊技台における停止制御手段の一例に相当するものである。また、この主制御部300と第1副制御部400を組み合わせたものが、本発明の第1の遊技台における遊技状態設定手段の一例に相当するものである。また、この第1副制御部400と第2副制御部500を組み合わせたものが、本発明の第1の遊技台における表示制御手段の一例に相当するものである。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドッグタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部300は、水晶発振器315aから入力されるクロック信号に基づき0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ339(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
また、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、電源管理部(図示省略)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。この第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信する。第1副制御部400は、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406には、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、液晶表示装置157(演出画像表示装置)の表示制御および、演出装置160等を駆動する各種演出用駆動装置165の駆動制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置165の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
<図柄配列>
次に、図4を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施された図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「スイカ図柄」、中リール111の番号0のコマには「ベル図柄」、右リール112の番号2のコマには「セブン1図柄」、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図5を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組み合わせ、各入賞役の作動または払出を示す図である。
スロットマシン100の入賞役には、特別役(特別役1、特別役2)と、一般役(再遊技役1〜再遊技役7、小役1〜小役5)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
本実施形態における入賞役のうち、特別役1および特別役2は、特別遊技状態に移行する役である。また、再遊技役1〜再遊技役7は、新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役である。これらの入賞役は「作動役」と呼ばれる場合がある。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役1、特別役2、および再遊技役1〜再遊技役7への入賞が含まれる。
特別役1および特別役2は、入賞により特別遊技状態に移行する役(作動役)である。ただし、この役自身に入賞したことよるメダルの払出は行われない。対応する図柄組み合わせは、特別役1が「セブン1−セブン1−セブン1(BB1)」であり、特別役2が「セブン2−セブン2−セブン2(BB2)」である。
特別役1または特別役2に内部当選すると、この内部当選した役に対応する特別役内部当選フラグがオンに設定される(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)。このフラグがオンに設定されていると、主制御部300は、遊技状態を特別役内部当選状態(以下、この状態をRT2と称することがある)に移行する。このフラグは、その内部当選した役に入賞するまでオンの状態が維持され、次回以降の遊技においてもその内部当選した役に入賞しやすい状態となる。すなわち、特別役に内部当選した遊技においてその特別役に入賞しなくとも、次回以降の遊技でその特別役に内部当選した状態となり、特別役に対応する図柄組み合わせ(「セブン1−セブン1−セブン1(BB1)」または「セブン2−セブン2−セブン2」(BB2))が、揃って入賞しやすい状態になる。
主制御部300は、特別役1または特別役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態を特別遊技状態(以下、この状態をRT1と称することがある)に移行させる。この特別遊技状態については後述する。
「再遊技役(再遊技役1から再遊技役7)は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組み合わせは、再遊技役1は「リプレイ−リプレイ−リプレイ(通常リプレイ)」、再遊技役2は「リプレイ−リプレイ−ベル(準備リプレイ)」、再遊技役3は「リプレイ−リプレイ−スイカ(突入リプレイ)」、再遊技役4は「ベル−リプレイ−スイカ(パンクリプレイ)」、再遊技役5は「ベル−リプレイ−リプレイ(制御リプレイ1)」、再遊技役6は「リプレイ−ベル−リプレイ(制御リプレイ2)」、再遊技役7は「ベル−ベル−リプレイ(制御リプレイ3)」である。なお、主制御部300は、再遊技役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態を再遊技高確率準備状態(以下、この状態をRT3と称することがある)に移行させ、再遊技役3に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態を再遊技高確率状態(以下、この状態をRT4と称することがある)に移行させ、再遊技役4に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態を再遊技低確率状態(以下、この状態をRT0と称することがある)に移行させる。これらの遊技状態については後述する。
上記再遊技役は、遊技者がメダルを投入することなく、次回の遊技を行うことができる役であればよい。したがって、例えば、再遊技に入賞すると次回遊技でメダルの投入が自動的に投入(後述するメダル投入枚数記憶領域にメダル投入枚数を再設定)されるものであってもよいし、再遊技に入賞した遊技で投入されたメダルをそのまま次回の遊技に持ち越して使用できるものであってもよい。
「小役(小役1〜小役5)」(以下、それぞれ「小役1」、「小役2」、「小役3」、「小役4」、「小役5」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組み合わせは、小役1が「ANY−チェリー−ANY(チェリー)」、小役2が「スイカ−スイカ−スイカ(スイカ)」、小役3が「セブン1−ベル−ベル(青ベル)」、小役4が「セブン2−ベル−ベル(赤ベル)」、小役5が「BAR−ベル−ベル(黒ベル)」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「ANY−チェリー−ANY」の場合、中リール110の中リール中段図柄が「チェリー」であればよく、左リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
なお、小役3、小役4および小役5のそれぞれに対応する図柄組み合わせは同時に引き込まない位置に配置されている。詳しく説明すると、小役3、小役4および小役5のそれぞれに対応する図柄組み合わせのうち、左リール110に表示される図柄はそれぞれ「セブン1」、「セブン2」、「BAR」である。そして、図4に示すように「セブン1」は2番の位置、「セブン2」は9番の位置、「BAR」は16番の位置にそれぞれ配置されている。ここで、小役3の入賞役が内部当選した場合に、左リール110に「ベル(7番)、ブランク2(8番)、セブン2(9番)」の3つの図柄が表示されているタイミングで左リール110の停止操作が行われても、左リール110に「セブン1(2番)」は表示されず、遊技者は小役3に対応する図柄組み合わせを表示させることができない。小役3に対応する図柄組み合わせを表示させるには、左リール110に「リプレイ(6番)、ベル(7番)、ブランク2(8番)」〜「ベル(0番)、スイカ(1番)、セブン1(2番)」が表示されているタイミングで停止操作をしなければならない。小役4に対応する図柄組み合わせを表示させるには、左リール110に「スイカ(13番)、ベル(14番)、リプレイ(15番)」〜「ベル(7番)、ブランク2(8番)、セブン2(9番)」が表示されているタイミングで停止操作をしなければならない。小役5に対応する図柄組み合わせを表示させるには、左リール110に「リプレイ(20番)、ベル(1番)、スイカ(2番)」〜「ベル(14番)、リプレイ(15番)、BAR(16番)」が表示されているタイミングで停止操作をしなければならない。つまり、小役3、小役4および小役5に対応する図柄組み合わせのうち左リール110の図柄については、それぞれに共通する停止タイミングが存在しない。この場合、遊技者はスロットマシン100が内部当選役を報知しなければどの役が当選しているか分からないため、小役3、小役4および小役5を確実に揃えることができない。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類および変遷について説明する。図6はスロットマシン100の遊技状態の遷移図である。
スロットマシン100は、大別すると再遊技低確率状態(RT0)、特別遊技状態(RT1)、特別役内部当選状態(RT2)、再遊技高確率準備状態(RT3)、再遊技高確率状態(RT4)の5つの遊技状態があり、これらの遊技状態は主制御部300によって制御されている。図6には、これらの5つの遊技状態が示されている。この図には、各遊技状態を結ぶ矢印上に記載された条件が成立した場合に、その矢印方向に向かって遊技状態が遷移することが示されている。この遊技状態が移行する条件には、所定の役が成立することや所定の遊技数を消化することなどがある。
図7は各遊技状態における入賞役の抽選テーブルを示す図である。横軸はそれぞれの遊技状態を表し、縦軸はそれぞれの入賞役の抽選値を示す。以降説明する各遊技状態における役の内部当選確率は、ROM306に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。例えば、RT1(特別遊技状態)においては、小役1の抽選値が512であり、小役1の当選確率は512/65536*100≒8%である。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
以降、図6、図7を適宜参照しながら、スロットマシン100の遊技状態について説明する。
<再遊技低確率状態(RT0)>
再遊技低確率状態は、再遊技の内部当選確率が他の遊技状態(例えば特別遊技状態を除く遊技状態)のうち最も低い(遊技者にとって不利)遊技状態であり、通常遊技状態と称することもある。再遊技低確率状態では、図7に示す横軸の「RT0」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。
再遊技低確率状態において内部当選する入賞役には、特別役1および特別役2、再遊技役1、再遊技役1−2−5、再遊技役1−2−6、再遊技役1−2−7、再遊技役1−2−5−6、再遊技役1−2−5−7、再遊技役1−2−6−7、小役1から小役5がある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。また、入賞役に当選しなかったことを「ハズレに当選した」と表現する場合がある。
ここで「再遊技役1−2−5」とは再遊技役1、再遊技役2、および再遊技役5が同時に当選したことを指す。同様に「再遊技役1−2−6」は、再遊技役1、再遊技役2、および再遊技役6が同時に当選したことを指し、「再遊技役1−2−7」は、再遊技役1、再遊技役2、および再遊技役7が同時に当選したことを指し、「再遊技役1−2−5−6」は、再遊技役1、再遊技役2、再遊技役5、および再遊技役6が同時に当選したことを指し、「再遊技役1−2−5−7」は、再遊技役1、再遊技役2、再遊技役5、および再遊技役7が同時に当選したことを指し、「再遊技役1−2−6−7」は、再遊技役1、再遊技役2、再遊技役6、および再遊技役7が同時に当選したことを指す。これらの場合、遊技者の停止操作順序に応じてどの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定される(図7備考欄参照)。本実施形態では、「再遊技役1−2−5」が内部当選して、左リール110の停止操作、中リール111の停止操作、右リール112の停止操作の順番で停止操作がされた場合に再遊技役2に対応する図柄組み合わせ(準備リプレイ)が表示され、それ以外の場合は再遊技役1に対応する図柄組み合わせ(通常リプレイ)が表示される。また、「再遊技役1−2−6」が内部当選して、左リール110の停止操作、右リール112の停止操作、中リール111の停止操作の順番で停止操作がされた場合に再遊技役2に対応する図柄組み合わせ(準備リプレイ)が表示され、それ以外の場合は再遊技役1に対応する図柄組み合わせ(通常リプレイ)が表示される。また、「再遊技役1−2−7」が内部当選して、中リール111の停止操作、左リール110の停止操作、右リール112の停止操作の順番で停止操作がされた場合に再遊技役2に対応する図柄組み合わせ(準備リプレイ)が表示され、それ以外の場合は再遊技役1に対応する図柄組み合わせ(通常リプレイ)が表示される。また、「再遊技役1−2−5−6」が内部当選して、中リール111の停止操作、右リール112の停止操作、左リール110の停止操作の順番で停止操作がされた場合に再遊技役2に対応する図柄組み合わせ(準備リプレイ)が表示され、それ以外の場合は再遊技役1に対応する図柄組み合わせ(通常リプレイ)が表示される。また、「再遊技役1−2−5−7」が内部当選して、右リール112の停止操作、左リール110の停止操作、中リール111の停止操作の順番で停止操作がされた場合に再遊技役2に対応する図柄組み合わせ(準備リプレイ)が表示され、それ以外の場合は再遊技役1に対応する図柄組み合わせ(通常リプレイ)が表示される。また、「再遊技役1−2−6−7」が内部当選して、右リール112の停止操作、中リール111の停止操作、左リール110の停止操作の順番で停止操作がされた場合に再遊技役2に対応する図柄組み合わせ(準備リプレイ)が表示され、それ以外の場合は再遊技役1に対応する図柄組み合わせ(通常リプレイ)が表示される。
これらの、「再遊技役1−2−5」、「再遊技役1−2−6」、「再遊技役1−2−7」、「再遊技役1−2−5−6」、「再遊技役1−2−5−7」、および「再遊技役1−2−6−7」のように、当選役に対応する図柄組み合わせが押し順によって決定される再遊技役を「押し順リプレイ」と呼ぶ場合がある。
図6には、再遊技低確率状態において、再遊技役2に対応する図柄組み合わせが表示されると、後述する再遊技高確率準備状態(RT3)に移行することが示されている。
<再遊技高確率準備状態(RT3)>
再遊技高確率準備状態は、再遊技低確率状態(RT0)よりも再遊技役の内部当選確率が高い遊技状態である。また、再遊技低確率状態よりも後述する再遊技高確率状態に移行しやすい遊技状態でもある。再遊技高確率準備状態では、図7に示す横軸の「RT3」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。
再遊技高確率状態において内部当選する入賞役には、特別役1および特別役2、再遊技役3−4−5、再遊技役3−4−6、再遊技役3−4−7、再遊技役3−4−5−6、再遊技役3−4−5−7、再遊技役3−4−6−7、小役1から小役5がある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
ここで「再遊技役3−4−5」とは再遊技役3、再遊技役4、および再遊技役5が同時に当選したことを指す。同様に「再遊技役3−4−6」は、再遊技役3、再遊技役4、および再遊技役6が同時に当選したことを指し、「再遊技役3−4−7」は、再遊技役3、再遊技役4、および再遊技役7が同時に当選したことを指し、「再遊技役3−4−5−6」は、再遊技役3、再遊技役4、再遊技役5、および再遊技役6が同時に当選したことを指し、「再遊技役3−4−5−7」は、再遊技役3、再遊技役4、再遊技役5、および再遊技役7が同時に当選したことを指し、「再遊技役3−4−6−7」は、再遊技役3、再遊技役4、再遊技役6、および再遊技役7が同時に当選したことを指す。これらの場合、遊技者の停止操作順序に応じてどの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定される(図7備考欄参照)。本実施形態では、「再遊技役3−4−5」が内部当選して、左リール110の停止操作、中リール111の停止操作、右リール112の停止操作の順番で停止操作がされた場合に再遊技役4に対応する図柄組み合わせ(突入リプレイ)が表示され、それ以外の場合は再遊技役3に対応する図柄組み合わせ(パンクリプレイ)が表示される。また、「再遊技役3−4−6」が内部当選して、左リール110の停止操作、右リール112の停止操作、中リール111の停止操作の順番で停止操作がされた場合に再遊技役4に対応する図柄組み合わせ(突入リプレイ)が表示され、それ以外の場合は再遊技役3に対応する図柄組み合わせ(パンクリプレイ)が表示される。また、「再遊技役3−4−7」が内部当選して、中リール111の停止操作、左リール110の停止操作、右リール112の停止操作の順番で停止操作がされた場合に再遊技役4に対応する図柄組み合わせ(突入リプレイ)が表示され、それ以外の場合は再遊技役3に対応する図柄組み合わせ(パンクリプレイ)が表示される。また、「再遊技役3−4−5−6」が内部当選して、中リール111の停止操作、右リール112の停止操作、左リール110の停止操作の順番で停止操作がされた場合に再遊技役4に対応する図柄組み合わせ(突入リプレイ)が表示され、それ以外の場合は再遊技役3に対応する図柄組み合わせ(パンクリプレイ)が表示される。また、「再遊技役3−4−5−7」が内部当選して、右リール112の停止操作、左リール110の停止操作、中リール111の停止操作の順番で停止操作がされた場合に再遊技役4に対応する図柄組み合わせ(突入リプレイ)が表示され、それ以外の場合は再遊技役3に対応する図柄組み合わせ(パンクリプレイ)が表示される。また、「再遊技役3−4−6−7」が内部当選して、右リール112の停止操作、中リール111の停止操作、左リール110の停止操作の順番で停止操作がされた場合に再遊技役4に対応する図柄組み合わせ(突入リプレイ)が表示され、それ以外の場合は再遊技役3に対応する図柄組み合わせ(パンクリプレイ)が表示される。
これらの、「再遊技役3−4−5」、「再遊技役3−4−6」、「再遊技役3−4−7」、「再遊技役3−4−5−6」、「再遊技役3−4−5−7」、および「再遊技役3−4−6−7」のように、当選役に対応する図柄組み合わせが押し順によって決定される再遊技役を「押し順リプレイ」と呼ぶ場合がある。
図6には、再遊技高確率準備状態(RT3)において、再遊技役3に対応する図柄組み合わせが表示された場合には、上述した再遊技高確率状態(RT4)に移行することが示され、再遊技役4に対応する図柄組み合わせが表示された場合には、上述した再遊技低確率状態(RT0)に移行することが示されている。また、同図には、再遊技高確率準備状態(RT3)において、特別役1または特別役2に内部当選した場合は後述する特別役内部当選状態(RT2)に移行することが示されている。
<再遊技高確率状態(RT4)>
再遊技高確率状態は、再遊技低確率状態(RT0)よりも再遊技役の内部当選確率が高い遊技状態である。再遊技高確率状態では、図7に示す横軸の「RT4」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。再遊技高確率状態において内部当選する入賞役には、特別役1および特別役2と、再遊技役1と、小役1から小役5がある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
再遊技高確率状態に移行すると、第1副制御部400によって後述する停止操作演出が実行される。この演出によって内部当選した役の図柄を揃えやすくなり、遊技者がメダルを獲得しやすい状態になる。また、図7に示す抽選テーブルにおいて、「RT4」と「RT0」とを比較すると、メダルを獲得できる小役1〜小役5の当選確率は同じであるものの、再遊技役に当選する確率が「RT4」の方が高くなっており、遊技者がメダルを消費しにくくなっている。したがって、この再遊技高確率状態は、再遊技低確率状態よりも遊技者に有利な状態である。なお、この停止操作演出が実行され、かつ通常遊技状態よりも再遊技に内部当選する確率が高い遊技状態をART(アシストリプレイタイム)遊技状態と呼ぶ場合がある。
図6には、再遊技高確率状態(RT4)において、既定のゲーム数(例えば50回)を消化した場合に、上述した再遊技低確率状態(RT0)に移行することが示されている。また、同図には、再遊技高確率状態(RT4)において、特別役1および特別役2に内部当選した場合は後述する特別役内部当選状態(RT2)に移行することが示されている。
<特別役内部当選状態(RT2)>
特別役内部当選状態は、特別役内部当選フラグがオンに設定された状態であり、遊技者が所定のタイミングで停止操作をすることで特別役1および特別役2のうちいずれかの役に対応する図柄組み合わせを表示させることができる遊技状態である。特別役内部当選状態では、図7に示す横軸の「RT2」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。特別役内部当選状態において内部当選する入賞役には、再遊技役1と、小役1から小役5がある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
また、図6には、特別役内部当選状態において、特別役1または特別役2に対応する図柄組み合わせが表示された場合に、後述する特別遊技状態に移行することが示されている。
<特別遊技状態(RT1)>
特別遊技状態は、再遊技低確率状態(RT0)よりも有利な遊技状態である。特別遊技状態(BB遊技状態)では、図7に示す横軸の「RT1」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。特別遊技状態において内部当選する入賞役には、小役1と、小役2と、小役3−4−5がある。なお、「小役3−4−5」とは、小役3、小役4および小役5が同時に内部当選する役である。また、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
図7に示す抽選値から明らかであるように、特別遊技状態(RT1)は、再遊技低確率状態(RT0)よりも払い出しを受ける遊技媒体の数の期待値が高い。このため、特別遊技状態は再遊技低確率状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。
また、この特別遊技状態では、1回の遊技で払出しされたメダルの枚数からベットされたメダルの枚数を引いた数である差枚数が計算されるとともに、この差枚数を累計した値が液晶表示装置157に表示される。なお、1回の遊技とは、遊技媒体が投入されたタイミング又は回転操作手段が操作されたタイミングのうちいずれか先のタイミングから、全リールの停止タイミング又は払出しがある場合にはその払出しが終了したタイミングまでをいう。
図6には、特別遊技状態において、規定枚数(たとえば345枚)が払い出された場合に再遊技低確率状態(RT0)に移行することが示されている。
なお、本実施形態では特別遊技状態は所定の払い出し枚数を払い出した場合に終了するものとしたが、例えば所定の払い出し枚数(例えば253枚)が払い出された場合、または所定の役(例えばシングルボーナス)に当選した場合に終了するもの(いわゆるMB遊技状態)、さらには所定の回数(例えば8回)の入賞があった場合、または所定の回数(例えば6回)の遊技が行われた場合に終了するもの(いわゆるRB遊技状態)であってもよい。
<AT遊技状態>
上述したとおり、本実施形態のスロットマシン100の主制御部300は、5つの遊技状態(RT0、RT1、RT2、RT3、RT4)を制御している。第1副制御部400では、遊技状態が特別遊技状態(RT1)以外の場合に、内部当選した役に関する情報を報知する停止操作演出が実行される場合がある。以下、この停止操作演出が実行されている状態をAT(アシストタイム)遊技状態と称する。ここで、このAT遊技状態の詳細について説明する。
AT遊技状態では、内部当選した役を成立させるために停止操作手段の操作タイミング又は押す順番を報知する演出が実行される。本実施形態のスロットマシン100では、再遊技高確率状態(RT4)に移行するために、押し順リプレイが成立した場合には、再遊技役2(準備リプレイ)又は再遊技役3(突入リプレイ)の図柄を揃えるための停止操作順序を報知する演出(例えば、再遊技役1−2−5が内部当選している場合には、左、中、右の順番で停止することを報知する演出)が実行される。また、小役3〜小役5の入賞役が内部当選した場合には、その内部当選した入賞役に関する報知(例えば、小役3の場合は青、小役4の場合は赤、小役5の場合は黒というように、内部当選役を示す色の報知)が実行される。
本実施形態のスロットマシン100では、第1副制御部のRAM408に記憶されているAT遊技フラグがオンの場合に、第1副制御部メイン処理(図11(a)参照)において、AT遊技状態となる演出が実行される。このAT遊技フラグは、第1副制御部400のRAM408に記憶されているAT遊技状態移行回数が1以上であればオンに設定され、所定の条件を満たした場合にオフに設定される(詳細は後述する)。なお、AT遊技状態移行回数とは別にAT遊技が実行される遊技の回数をRAM408に記憶しておき、この遊技の回数だけAT遊技状態となるものであってもよい。
また、特別遊技状態(RT1)の場合と同様に、このAT遊技状態でも1回の遊技における差枚数が計算されるとともに、この差枚数を累計した値が液晶表示装置157に表示される。
<主制御部メイン処理>
次に、図8を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図8に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS103では、メダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。また、投入されたメダルの枚数に基づき、第1副制御部400への投入枚数コマンド送信準備を実行する。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS105へ進む。
ステップS105では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。
ステップS107では、乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。
ステップS109では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS107で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行うとともに、この内部抽選の結果を示す内部当選コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行なう。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがオンになる。
ステップS111では、内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
ステップS113では、全リール110乃至112の回転を開始させる。
ステップS115では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをステップS111で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110乃至112が停止するとステップS117へ進む。
ステップS117では、入賞判定を行うとともに、判定された入賞役の払出し枚数に対応する払出枚数コマンドの送信準備を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「セブン1−ベル−ベル」が揃っていたならば小役3に入賞したと判定する。
ステップS119では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。
ステップS121では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、再遊技低確率状態(RT0)、特別遊技状態(RT1)、特別役内部当選状態(RT2)、再遊技高確率準備状態(RT3)、再遊技高確率状態(RT4)の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件又は終了条件の成立により、遊技状態を移行する。また、現在の遊技状態を示す遊技状態制御コマンドの送信準備を行う。なお、詳細は図9を用いて後述する。以降、ステップS103へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
次に、図9を用いて、図8の主制御部メイン処理中の遊技状態制御処理(ステップS121)の詳細について説明する。同図は、遊技状態制御処理(ステップS121)の流れを示すフローチャートである。
最初のステップS201では、図6に示した状態遷移図における遊技状態の移行条件が成立したか否かによって、遊技状態の移行又は継続を示す情報であるRT更新情報が設定される。より具体的には入賞判定結果、規定遊技回数の経過、規定枚数の払出しに基づき、RT更新情報が設定される。ここで、RT更新情報とは、遊技状態の変化を示す情報である。具体的には、遊技状態が移行するか継続するかを示す情報が含まれ、遊技状態が移行する場合には移行後の遊技状態を示す情報が含まれ、遊技状態が継続する場合にはその継続する遊技状態を示す情報が含まれる。
続くステップS203では、遊技状態更新処理(RT更新処理)が実行される。ここでは、ステップS201で設定されたRT更新情報にしたがって、主制御部300の遊技状態が更新される。
ステップS205では、遊技状態更新処理以外に、遊技状態に関する制御処理が実行される。
ステップS207では、RT更新情報に基づくコマンドである遊技状態制御コマンドを第1副制御部400に送信する準備が実行され、遊技状態制御処理が終了する。
<主制御部300タイマ割込処理>
次に図10を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS301では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS303では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS305では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS307では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う。例えば、取得した各ストップボタン137乃至139の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う。
ステップS309では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップS311では、コマンド設定送信処理を行い、送信準備されていた各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、投入枚数コマンド、スタートレバー受付コマンド、内部当選コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110乃至112の回転の開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137乃至139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110乃至112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、遊技状態制御コマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成されている。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS313では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS315では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS305において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ339、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS317では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS321に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS319に進む。
ステップS319では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS301で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図8に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS321では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図8に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部400の処理>
次に、図11を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図11(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。図11(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図11(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。図11(d)は、図11(a)に示すコマンド処理のフローチャートである。
まず、図11(a)のステップS401では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS401で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS403では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS405の処理に移行する。
ステップS405では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS407では、コマンド処理を行う。ここでは、第1副制御部400のCPU404によって、主制御部300からコマンドを受信したか否かが判別される。なお、このコマンド処理の詳細については図11(d)のフローチャートを用いて後述する。
ステップS409では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS407で新たなコマンドを受信した場合に、このコマンドに応じた演出の準備を行う。この準備には例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS411では、ステップS409の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップS409で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
ステップS413では、ステップS409の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS409で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS415では、ステップS409の処理結果に基づいて第2副制御部500に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS409で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS403へ戻る。
次に、図11(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS421では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図11(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS431では、図11(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS403において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS403において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS433では、ステップS415で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、図11(d)を用いて、図11(a)に示すコマンド処理(ステップS407)の詳細について説明する。コマンド処理のステップS441では、RAM408に設けたコマンド記憶領域に未処理コマンドがあるか否かを判定する。未処理コマンドがある場合には、続くステップS443で各コマンドに応じた処理にジャンプし、ジャンプ先の処理を実行した後このコマンド処理を終了する。このコマンドに応じた処理には、例えば、内部当選コマンドに対応する内部当選コマンド受信時処理(図12を用いて後述)や、遊技状態制御コマンドに対応する遊技状態制御コマンド受付時処理(図13を用いて後述)等がある。なお、RAM408に設けたコマンド記憶領域に未処理コマンドがない場合には、何もせずにこのコマンド処理を終了する。
次に図12を用いて、内部当選コマンド受付時処理について説明する。同図は、内部当選コマンド受付時処理を示すフローチャートである。このこの処理は、主制御部300から送信される内部当選コマンドを受け付けた場合に、図11(d)に示すステップS443で実行される処理の一つである。
まず、ステップS501では、受け付けた内部当選コマンドによって示される内部抽選の結果に従って、第1副制御部内のRAM408に記憶されている内部当選情報が更新される。
次にステップS503では、AT抽選処理が実行される。具体的には、RAM408に記憶されている内部当選情報が所定の役(本実施形態では、小役1(チェリー)および小役2(スイカ))である場合に、所定の確率でAT遊技を付与するか否かを決定するAT付与抽選が実行される。この抽選に当選すると、RAM408内に記憶されているAT遊技状態移行回数(詳細は後述)に1が加算される。なお、AT遊技状態移行回数に加算される数は2や10など、1以外の数であってもよく、また、加算せずに前のAT遊技状態移行回数を破棄して新たなAT遊技状態移行回数を記憶してもよい。
ステップS505では、AT遊技が実行されているか否かを判定する。AT遊技が実行されている場合にはステップS507へ進み、そうでない場合にはステップS509へ進む。
ステップS507では、AT情報の設定処理が実行される。具体的には、RAM408に記憶されている内部当選情報に基づき、停止操作演出を実行するための情報を設定する。
ステップS509では、内部当選コマンドに基づくその他の処理を実行し、内部当選コマンド受付時処理を終了する。
次に図13を用いて、遊技状態制御コマンド受付時処理について説明する。同図は、遊技状態制御コマンド受付時処理を示すフローチャートである。この処理は、主制御部300から送信される遊技状態制御コマンドを受け付けたことにより、図11(d)に示すステップS443で実行される処理の一つである。
まず、ステップS601では、AT遊技更新処理が実行される。具体的には、AT遊技開始処理又はAT遊技終了処理のうちのいずれか一つが実行される。
まず、AT遊技中でない場合には、AT遊技開始処理が実行される。このAT遊技開始処理では、第1副制御部のRAM408に記憶されているAT遊技状態移行回数が1以上であれば、このAT遊技状態移行回数が1減算されて、RAM408に設けられたAT遊技フラグがオンに設定される。このAT遊技フラグがオンの場合にはAT遊技状態となり、第1副制御部メイン処理(図11(a)参照)において停止操作演出が実行される。ここで、AT遊技状態に移行することを示す演出を所定回数の遊技に亘って実行した後にAT遊技フラグがオンに設定されるというように、所定回数の遊技消化後にAT遊技フラグがオンに設定されるものであってもよい。
また、上記AT遊技開始処理において、受信した遊技状態制御コマンドが再遊技高確率状態(RT4)に移行することを示すものである場合には、AT遊技状態移行回数にかかわらずAT遊技フラグがオンに設定される。
次に、AT遊技中である場合には、AT遊技終了処理が実行される。このAT遊技終了処理では、受信した遊技状態制御コマンドが、再遊技低確率状態(RT0)、および特別遊技状態(RT1)に移行することを示すコマンドである場合には、AT遊技フラグがオフに設定され、AT遊技状態が終了する。一方、上記以外の遊技状態制御コマンドを受信した場合には、AT遊技フラグがオンのままとなり、AT遊技状態が継続される。
次のステップS603では、受信した遊技状態制御コマンドに含まれるRT更新情報に従って、第1副制御部400のRAM408に設けられた遊技状態情報を更新する。
ステップS605では、後述する差枚数カウントフラグがオンであるか否かが判定される。この差枚数カウントフラグがオンである場合にはステップS607に進み、差枚数カウントフラグがオフである場合にはステップS609に進む。
ここで、差枚数カウントフラグとは、差枚数を計算するか否かを示すフラグであり、差枚数カウントフラグがオンに設定されていると、遊技毎に差枚数が算出され、その値がRAM408内に設けられた差枚数カウンタに累計される。
ステップS607では、差枚数カウンタ更新処理によって差枚数が累計され、その後ステップS611に進む。なお、この処理の詳細は図14を用いて後述する。
ステップS609では、差枚数カウンタ初期設定処理が実行され、RAM408内に記憶されている差枚数カウンタが初期化される。その後ステップS611に進む。なお、この処理の詳細は図17を用いて後述する。
ステップS611では、差枚数カウントフラグがオンであるか否かが判定される。この差枚数カウントフラグがオンである場合にはステップS613に進み、差枚数カウントフラグがオフである場合にはステップS615に進む。
ステップS613では、差枚数情報の設定処理が実行される。具体的には、例えば液晶表示装置157に差枚数カウンタの値を表示するための情報が設定される。なお、本実施形態のスロットマシン100では、差枚数カウンタが0未満の場合には0を表示するための情報が設定され、それ以外の場合には差枚数カウンタの値をそのまま表示するための情報が設定される。この情報を設定した後、ステップS615に進む。
ステップS615では、遊技状態制御コマンドに基づくその他の処理を実行し、遊技状態制御コマンド受付時処理を終了する。
次に図14を用いて、差枚数カウンタ更新処理について説明する。同図は、図13に示す差枚数カウンタ更新処理(ステップS607)の詳細を示すフローチャートである。
まずステップS701では、1回の遊技におけるメダルの払出し枚数から投入枚数の差(差枚数)が計算される。投入されたメダルの枚数を示す情報は、主制御部300から送信される投入枚数コマンドに含まれており、このコマンドを受信した際に、第1副制御部のRAM408に記憶されている。また、払出し枚数を示す情報は、主制御部300から送信される払出枚数コマンドに含まれており、このコマンドを受信した際に、第1副制御部のRAM408に記憶されている。これらの情報を用いて差枚数が計算される。
次のステップS703では、第1副制御部のRAM408に記憶されている差枚数カウンタの値が更新される。具体的には差枚数カウンタの値に、直前のステップS701で計算された差枚数の値が累計され、この値が新たな差枚数カウンタの値として記憶される。その後、ステップS705へ進む。
ステップS705では、第1副制御部400に設けられた遊技状態情報に基づき、遊技状態が特別遊技状態(RT1)または再遊技高確率状態(RT4)であるか否かが判定される。これらの遊技状態である場合にはステップS707の差枚数カウンタ再設定判定処理に進み、そうでない場合には、ステップS709に進む。
ステップS707では、差枚数カウンタ再設定判定処理(詳細は図15を用いて後述する)が実行され、その後、この差枚数カウンタ更新処理を終了する。
ステップS709では、AT遊技状態であるか否かが判定され、AT遊技状態である場合にはこの差枚数カウンタ更新処理を終了し、そうでない場合には、ステップS711に進む。
ステップS711では、差枚数カウンタ終了判定処理(詳細は図16を用いて後述する)が実行され、その後、この差枚数カウンタ更新処理を終了する。
次に、図15を用いて、差枚数カウンタ再設定判定処理について説明する。同図は、図14に示す差枚数カウンタ再設定判定処理(ステップS707)の詳細を示すフローチャートである。
まず最初のステップS801では、遊技状態が前回の遊技から継続しているか否か判定する。具体的には、第1副制御部のRAM408に記憶されている遊技状態情報に基づき、遊技状態が継続しているか否かを判定する。遊技状態が継続している場合には、この差枚数カウンタ再設定判定処理を終了する。一方、遊技状態が継続していない、すなわち遊技状態が移行した場合には、ステップS803に進む。
ステップS803では、差枚数カウンタが0未満であるか否か判定する。差枚数カウンタが0未満である場合にはステップS805に進み、そうでない場合にはこの差枚数カウンタ再設定判定処理を終了する。
ステップS805では、差枚数カウンタの値を0に設定し、この差枚数カウンタ再設定判定処理を終了する。
次に、図16を用いて、差枚数カウンタ終了判定処理について説明する。同図は、図14に示す差枚数カウンタ終了判定処理(ステップS711)の詳細を示すフローチャートである。
まず最初のステップS901では、遊技状態が前回の遊技から継続しているか否かが判定される。具体的には、第1副制御部のRAM408に記憶されている遊技状態情報に基づき、遊技状態が継続しているか否かを判定する。遊技状態が継続している場合には、ステップS903に進む。一方、遊技状態が継続していない、すなわち遊技状態が移行した場合には、ステップS909に進む。
ステップS903では、RAM408に設けられた終了枚数カウンタの更新処理が実行される。具体的には、投入枚数から払出し枚数の差である差枚数の値を、終了枚数カウンタの値に累計する。
ステップS905では、終了枚数カウンタの値が0未満か否かが判定される。この条件を満たす場合には、ステップS907に進み、そうでない場合にはこの差枚数カウンタ終了判定処理を終了する。
ステップS907では、差枚数カウントフラグがオフに設定される。
ステップS901において、遊技状態が前回の遊技から継続していない場合に進むステップS909では、終了枚数カウンタの値が所定の値に設定され、差枚数カウンタ終了判定処理が終了する。ここで、終了枚数カウンタの値について説明する。
有利な遊技状態が終了した後、この終了枚数カウンタの値と同数のメダルが減少したときに、差枚数カウントフラグがオフになる。すなわち、終了枚数カウンタの値によって差枚数のカウントが継続されることになり、この間に再度有利な遊技状態に移行すれば、複数回の有利な遊技状態を通して獲得したメダル数を表示することができる。ここでは、再遊技高確率状態(RT4)中の1回の遊技につきおよそ1.4枚のメダルが獲得できる遊技が50回実行されることから、1回の再遊技高確率状態で獲得したメダルの数を70枚(1.4枚×50回)と想定し、この数値を所定の値として終了枚数カウンタに設定している。
上記終了枚数カウンタの値はこの70枚という値に限定されるものではなく、例えば特別遊技状態が連続することを想定して、特別遊技状態の平均メダル獲得数である230に設定するというように、状況に合わせて様々な値を設定することができる。また、例えば50ゲーム消化した時点で差枚数カウントフラグがオフに設定されるというように、メダルの枚数によらずに遊技回数を終了条件にするものであってもよい。
次に図17を用いて、差枚数カウンタ初期設定処理について説明する。同図は、図13に示す差枚数カウンタ初期設定処理(ステップS609)の詳細を示すフローチャートである。
まず最初のステップS1001では、AT遊技中であるか否かが判定され、AT遊技中である場合にはステップS1005に進み、そうでない場合にはステップS1003に進む。
ステップS1003では、第1副制御部のRAM408に設けられた遊技状態情報に基づき遊技状態が特別遊技状態(RT1)に移行したか否かが判定される。特別遊技状態に移行した場合にはステップS1005に進み、そうでない場合にはこの差枚数カウンタ初期設定処理を終了する。
ステップS1005では、RAM408に設けられた差枚数カウンタの値を0に設定し、続くステップS1007に進む。
ステップS1007では、RAM408に設けられた差枚数カウントフラグをオンに設定し、この差枚数カウンタ初期設定処理を終了する。
<第2副制御部500の処理>
次に図18を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、図18(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。図18(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図18(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、図18(a)のステップS1101では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、このステップS1101で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS1103では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS1105の処理に移行する。
ステップS1105では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS1107では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部500のCPUは、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS1109では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS1107で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROMから読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS1111では、ステップS1109の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップS1109読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。
ステップS1113では、ステップS1109の処理結果に基づいて画像制御処理を行う。例えば、ステップS1109読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行う。より具体的には、例えばAT遊技における停止操作演出や、差枚数カウンタの値に基づいた差枚数表示のための画像制御が実行される。その後、ステップS1103へ戻る。
次に、図18(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS1115では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとして第2副制御部500のRAMに設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図18(c)を用いて、第2副制御部500のCPUによって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS1117では、図18(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS1103において説明したタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS1103において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS1119では、演出用乱数値の更新処理等を行い、この第2副制御部タイマ割込処理を終了する。
以下、上記説明した内容を踏まえ、本実施形態のスロットマシン100の特徴的な動作について、適宜図面を参照しながら説明する。なお以下では、差枚数が正の値である場合にはメダルを獲得したと称し、負の値であるにはメダルを失ったと称することがある。また、所定の期間における差枚数の累計値が正の値である状態を、遊技者のメダル数がプラスの状態と称することがある。さらに、この状態の累計値を遊技者のメダル獲得数と称することがある。また、所定の期間における差枚数の累計値が負の値である状態を、遊技者のメダル数がマイナスの状態と称し、この状態の累計値を遊技者のメダル損失数と称することがある。
まず、従来のスロットマシンの問題点について説明する。
従来のスロットマシンは、遊技の興趣を高めるため、遊技者の有利度を異ならせた複数の遊技状態を設けた上で、このうちの一つを選択して設定している。本実施形態のスロットマシン100であれば、再遊技低確率状態(RT0)、再遊技高確率準備状態(RT3)、再遊技高確率状態(RT4)、特別役内部当選状態(RT2)、特別遊技状態(RT1)の5つの遊技状態と、上述したAT遊技状態を組み合わせることで、スロットマシン100の遊技状態を設定している。ここで説明の便宜のため、これらの遊技状態を通常遊技状態と非通常遊技状態とに区分する。
通常遊技状態とは、例えば、遊技状態の中で遊技者に最も不利な遊技状態や、設定されている期間が最も長い遊技状態が該当する。より具体的には、遊技媒体が減少する遊技状態、非AT遊技状態、再遊技役の内部当選確率が最も低い遊技状態、さらには非AT遊技状態であって再遊技役の内部当選確率が最も低い遊技状態などがある。
上記通常遊技状態に対し、非通常遊技状態とは、例えば、通常遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態や、通常遊技状態よりも遊技媒体の増加が見込める遊技状態が該当する。より具体的には、ボーナス遊技状態、AT遊技状態、再遊技高確率遊技状態、ART(アシストリプレイタイム)遊技状態などがある。
ここで、スロットマシンの中には、例えば、上記非通常遊技状態が連続した場合に、この期間の差枚数の累計値に基づいて、遊技者が獲得したメダルの数を報知するものがある。
しかし、上記非通常遊技状態は遊技者が通常遊技状態と比較してメダルを獲得しやすい期間であって、遊技者がメダルを獲得できない場合もある。例えば、AT遊技状態とART遊技状態が連続する場合において、このAT遊技状態を通して遊技者のメダル数がマイナスになった場合、AT遊技状態におけるメダル損失数と同数のメダルをART遊技状態で獲得するまで、差枚数の累計値がマイナスであることに基づくメダル獲得数の報知が実行されることになる。すなわち、遊技者が損をしていることが報知されることになるため、遊技者が遊技を楽しめなくなるという問題がある。これを解決するための方法として、例えば差枚数の累計値がマイナスの場合は何も表示しないという方法が考えられる。しかし、この方法では差枚数の累計値がプラスになるまでの間は、遊技者にメダルを獲得していないような印象を与え、遊技を楽しめなくしてしまうおそれがある。
本実施形態のスロットマシン100では、所定の条件下で差枚数の累計値をリセットすることと、差枚数の累計値が0以下の場合には獲得枚数に0を表示することにより、遊技者にメダルの減少感を与えにくくしている。以下ではまず、上記リセットの効果について、図面を用いて説明する。
図19(a)は、差枚数の累計値の変化の一例を示すグラフであり、図19(b)は、図19(a)に示す差枚数の累計値の変化に基づいて、遊技者に報知されるメダル獲得数の変化の一例を示すグラフである。
この図19では、AT遊技状態とART遊技状態(AT遊技でかつ再遊技役の内部当選確率が通常遊技よりも高い状態)が連続していることが示されている。図19(a)および(b)において横軸は遊技回数を示している。この横軸には、AT遊技状態でX回の遊技が実行されたことと、ART遊技状態で50回の遊技が実行されたことが示されている。また、図19(a)の縦軸は差枚数の累計値を示し、図19(b)の縦軸は差枚数の累計値に基づき遊技者に報知されたメダル獲得数を示す。
AT遊技状態は、内部当選した役を成立させるための停止操作演出が実行される遊技状態である。この停止操作演出ではART遊技状態に移行する役を成立させるための演出がされるため、通常遊技状態よりもART遊技状態に移行する確率が高い遊技状態である。しかし、AT遊技状態は、役の内部当選の確率が変わるものではない。このため、例えば払出しがされる役の内部当選の確率が低い場合のように、停止操作演出に従って役に入賞したとしても、遊技者のメダル数がプラスの状態にならない可能性がある。なお、ここではこのAT遊技状態が、3枚のメダルを投入すると平均2.5枚のメダルが払い出される遊技状態(1遊技当りの平均差枚数が−0.5枚)であるものとして説明を続ける。
その後のART遊技状態は、再遊技役に内部当選する確率が高い遊技状態であり、AT遊技状態よりも遊技者がメダルを損失しにくく、遊技者に有利な遊技状態である。ここでは、このART遊技状態が、3枚のメダルを投入すると平均4.4枚のメダルが払い出される遊技状態(1遊技当りの平均差枚数が1.4枚)であるものとして説明を続ける。
図19(a)には、AT遊技状態では遊技者のメダル数がマイナスの状態であることが示され、その後のART遊技状態では遊技者のメダル数がプラスの状態であることが示されている。なお、ここで、差枚数のカウントはAT遊技状態になった時から開始されているものとする。
AT遊技状態において、遊技者のメダル数はマイナスの状態にあり、差枚数カウンタの値はマイナスの値になっている。このとき、この差枚数カウンタの値をそのまま表示すると遊技者の興趣を殺ぐことになるため、メダル獲得数として0が報知される。図19(b)には、AT遊技状態を通じて報知されるメダル獲得数が0のままであることが示されている。
その後、ART遊技状態に移行し、遊技者のメダル数がプラスの状態になる。しかし、AT遊技状態でのメダル損失数と同数のメダルを獲得するまで差枚数カウンタの値はマイナスのままである。ここでも、上記AT遊技状態の場合と同様に、マイナスの値を表示すると遊技者の興趣を殺ぐおそれがあるため、メダル獲得数として0が報知されている。図19(b)には、ART遊技状態を通じて報知されるメダル獲得数が0のままであることが示されている。この図19の場合では、AT遊技状態でのメダル損失数が、ART遊技状態でのメダル獲得数を上回っているため、ART遊技状態を通じて差枚数カウンタの値がマイナスのままである。このため、本来ART遊技状態で遊技者が期待する報知とは異なる報知がされることになり、遊技者の遊技に対する意欲が減退してしまうおそれがある。
図20は、図19と同じ状況において、本実施形態のスロットマシン100で報知されるメダル獲得数の一例を示すグラフである。図20において、メダル数の増減および遊技状態の移行については、図19を用いて説明したものと同じであるものとし、説明を省略する。以下、この図20と図19を比較して、上記リセットの効果について説明する。
この図20(a)には、図19(a)に示す差枚数の変化と同じ変化が示されている。図20(b)には、図20(a)の変化にしたがって、遊技者に報知されるメダル獲得数が変化することが示されている。図19(b)と図20(b)とを比較すると、最初のAT遊技状態では遊技者に報知されるメダル獲得数は双方とも0である。しかし、ART遊技状態に移行すると、図19(b)ではメダル獲得数がずっと0であったものが、図20(b)では右肩上がりに増加している。この違いは、差枚数を累計する基準値を、AT遊技状態の開始時を基準(図20(b)の差枚数算出基準A参照)としたものから、ART遊技状態の開始時を基準(図20(b)の差枚数算出基準B参照)としたものに変更したことによるものである。
以下、この動作についての流れを、図21を参照しながら説明する。同図は、図20に示す変化に対応する表示装置157の表示態様を示す図である。
まず、主制御部300により遊技状態が再遊技低確率状態(RT0)に設定された状態で、第1副制御部400によりAT遊技状態が設定される(図13に示すステップS601)と、図13に示すステップS609(詳細は図17のステップS1005およびステップS1007参照)によって差枚数カウンタの初期設定がされ、さらにステップS607(詳細は図14のステップS703参照)によって差枚数のカウントが実行される。また、第1副制御部400は、第2副制御部500に差枚数カウンタの値に基づく報知を実行させる(詳細は図13のステップS613参照)。図21(a)から(b)にかけて、再遊技低確率状態(RT0)においてAT遊技状態になったことが示され、その後、図2
1(b)には、液晶表示装置157で実行される演出に合わせてメダル獲得数が報知されている様子が示されている。
AT遊技状態において差枚数カウンタの値がマイナスの状態でART遊技状態(再遊技高確率状態(RT4))に移行すると、図14に示すステップS707(詳細は図15のステップS805参照)が実行され、差枚数カウンタの値が0にリセットされる。図21(b)から(c)にかけて、AT遊技状態中に差枚数カウンタの値が減少しており、その一例としてAT遊技状態中のある時点において、差枚数カウンタの値が−30になっていることが示されている。その後、再遊技役2および再遊技役3に続けて入賞してART遊技状態である再遊技高確率状態(RT4)に移行した様子が示されており、マイナスであった差枚数カウンタの値が0にリセットされていることが示されている。このリセットによって、AT遊技状態の開始時を基準(図20(b)の差枚数算出基準A参照)として差枚数をカウントしていたものが、ART遊技状態の開始時を基準(図20(b)の差枚数算出基準B参照)とするものに変更される。
その後再び差枚数のカウント(図14のステップS703)およびメダル獲得数の報知が実行される。図21(c)から(d)にかけて、小役3に入賞したことが示され、図21(d)には、7枚のメダルを獲得(3枚のメダル使用に対して10枚の払出し)した状態であることが報知されている様子が示されている。
上記図19から図21の説明では、再遊技低確率状態(RT0)のときにAT遊技状態になり、その後AT遊技状態のまま再遊技高確率準備状態(RT3)に移行し、その後ART遊技状態である再遊技高確率状態(RT4)に移行した際にリセットが実行される例を挙げた。これ以外に、単一の遊技状態におけるAT遊技状態の設定のタイミングでリセットを実行するようにしてもよい。
次に、図22から図24を用いて、図19から図21を用いて説明した場合とは異なる例について説明する。
図22(a)は、差枚数の累計値の変化について、図19(a)とは異なる例を示すグラフである。図22(b)は、図22(a)に示す差枚数の累計値の変化に基づいて、遊技者に報知されるメダル獲得数の変化の一例を示すグラフである。
この図22では、ART遊技状態と特別遊技状態が連続していることが示されている。図22(a)および(b)において横軸は遊技回数を示している。この横軸にはART遊技状態で50回の遊技が実行されたことと、特別遊技状態で所定の枚数(ここでは345枚)の払出しが終了するまで遊技が実行されたことが示されている。また、図22(a)の縦軸は差枚数の累計値を示し、図22(b)の縦軸は差枚数の累計値に基づき遊技者に報知されたメダル獲得数を示す。
ART遊技状態は、内部当選した役を成立させるための演出が実行される遊技状態であり、再遊技役に内部当選する確率が通常遊技状態よりも高い遊技状態である。したがって、内部当選した役に入賞し易い。さらに、再遊技役に内部当選する確率が高く、メダルが減少しにくくなっている。このことによって、通常遊技状態よりもメダルを失うことなく特別遊技状態に移行することができる。しかし、ART遊技状態であっても、確実にメダルを獲得できる保証はなく、ハズレに内部当選する可能性もある。なお、ここではこのART遊技状態が、3枚のメダルを投入すると、平均4.4枚のメダルが払い出される遊技状態(1遊技当りの平均差枚数が1.4枚)であるものとして説明を続ける。
その後の特別遊技状態は、所定の枚数(ここでは345枚)の払出しがあるまで、通常遊技状態よりも払出しのある役(例えば小役3−4−5)に内部当選する確率が高い遊技状態である。ここでは、この特別遊技状態を通して、平均230枚のメダルを獲得できる遊技状態であるものとして説明を続ける。
図22(a)には、ART遊技状態では遊技者のメダル数がマイナスの状態であることが示され、その後の特別遊技状態では遊技者のメダル数がプラスの状態であることが示されている。なお、ここで、差枚数のカウントはART遊技状態になった時から開始されているものとする。
ART遊技状態において、遊技者のメダル数はマイナスの状態にあり、差枚数カウンタの値はマイナスの値になっている。このとき、この差枚数カウンタの値をそのまま表示すると遊技者の興趣を殺ぐことになるため、メダル獲得数として0が報知される。図22(b)には、ART遊技状態を通じて報知されるメダル獲得数が0であることが示されている。
その後、特別遊技状態に移行し、遊技者のメダル数がプラスの状態になる。しかし、ART遊技状態でのメダル損失数と同数のメダルを獲得するまで差枚数カウンタの値はマイナスのままである。ここでも、上記AT遊技状態からART遊技状態へ移行する場合と同様に、マイナスの値を表示すると遊技者の興趣を殺ぐおそれがあるため、メダル獲得数として0が報知されている。図22(b)には、特別遊技状態における差枚数カウンタの値がマイナスの期間に、メダル獲得数として0が報知されていることが示されている。メダルの獲得が期待できる特別遊技状態においてメダル獲得数として0が報知されると、遊技者は違和感を感じ遊技を楽しめないおそれがある。
図23は、図22と同じ状況において、本実施形態のスロットマシン100で報知されるメダル獲得数の一例を示す図である。図23において、メダル数の増減および遊技状態の移行については、図22を用いて説明したものと同じであるものとし、説明を省略する。以下、この図23と図22を比較して、上記リセットの効果について説明する。
この図23(a)には、図22(a)に示す差枚数の変化と同じ変化が示されている。図23(b)には、図23(a)の変化にしたがって、遊技者に報知されるメダル獲得数が変化することが示されている。図22(b)と図23(b)とを比較すると、最初のART遊技状態では遊技者に報知されるメダル獲得数は双方とも0である。しかし、特別遊技状態に移行すると、図23(b)ではメダル獲得数が右肩上がりに増加し、図22(b)のようにメダル獲得数が0のまま変化しない期間は存在しない。この違いは、差枚数を累計する基準値を、ART遊技状態の開始時を基準(図23(b)の差枚数算出基準C参照)としたものから、特別遊技状態の開始時を基準(図23(b)の差枚数算出基準D参照)としたものに変更したことによるものである。
以下、この動作についての流れを、図24を参照しながら説明する。同図は、図23に示す変化に対応する表示装置157の表示態様を示す図である。
まず、主制御部300により遊技状態がART遊技状態(RT4)に設定されると、第1副制御部400によってAT遊技状態が設定される(図13に示すステップS601)。このAT遊技状態には、ART遊技状態(RT4)に移行する前に設定されていたAT遊技状態が継続するものと、ART遊技状態(RT4)に移行したときに新たに設定されるものとがあるが、ここでは後者の場合を想定して説明を続ける。その後、図13に示すステップS609(詳細は図17のステップS1005およびステップS1007参照)によって差枚数カウンタの初期設定がされ、さらにステップS607(詳細は図14のステップS703参照)によって差枚数のカウントが実行される。また、第1副制御部400は、第2副制御部500に差枚数カウンタの値に基づく報知を実行させる(詳細は図13のステップS613参照)。図24(a)から(b)にかけて、再遊技低確率状態(RT0)で再遊技役2および再遊技役3に連続して入賞し、ART遊技状態である再遊技高確率状態(RT4)に移行したことが示され、その後、図24(b)には、液晶表示装置157で実行される演出に合わせてメダル獲得数が報知されている様子が示されている。
ART遊技状態において差枚数カウンタの値がマイナスの状態で特別遊技状態(RT1)に移行すると、図14に示すステップS707(詳細は図15のステップS805参照)が実行され、差枚数カウンタの値が0にリセットされる。図24(b)から(c)にかけて、ART遊技中に差枚数カウンタの値が減少しており、その一例としてART遊技状態中のある時点において、差枚数カウンタの値が−20になっていることが示されている。その後、特別役1に入賞して特別遊技状態に移行したことが示されており、マイナスであった差枚数カウンタの値が0にリセットされていることが示されている。このリセットによって、ART遊技状態の開始時を基準(図23(b)の差枚数算出基準C参照)として差枚数をカウントしていたものが、特別遊技状態の開始時を基準(図23(b)の差枚数算出基準D参照)とするものに変更される。
その後再び差枚数のカウント(図14のステップS703)およびメダル獲得数の報知が実行される。図24(c)から(d)にかけて、小役3に入賞したことが示され、図24(d)には、7枚のメダルを獲得(3枚のメダル使用に対して10枚の払出し)した状態であることが報知されている様子が示されている。
本実施形態のスロットマシン100では、差枚数カウンタ再設定判定処理(図15参照)によって、遊技状態の移行時に差枚数カウンタの値が0未満の場合には差枚数カウンタが0にリセットされる。このリセットがされることにより、リセットされた時点を基準とした差枚数をカウントすることになる。このようにカウントを開始する時点を適宜変更することによって、遊技者が気持ちを切り換えることができ、より楽しめるようにすることができる。また、リセット以降に遊技媒体の減少感を遊技者に与えにくくすることができる。さらに、所定のリセット条件成立時までは累計増減数の正確性が担保できるばかりか、そのリセット条件成立以降も正確性を担保できる。なお、上記リセットでは、差枚数カウンタの値を0にする例について説明したが、例えば、0以外の所定の数に設定するものであってもよい。
ここで、図25を用いて、上記のスロットマシンが、特別遊技状態に移行する前の遊技状態でも差枚数の累計がプラスになる場合について考える。図25(a)は、ART遊技状態と特別遊技状態が連続している場合に、差枚数の累計値の変化の一例を示すグラフであり、(b)は、(a)に示す差枚数の累計値の変化に基づいて、遊技者に報知されるメダル獲得数の変化の一例を示すグラフである。この場合、特別遊技状態だけでなく、その前の遊技状態(図26の例ではART遊技状態)から継続して差枚数を累計すれば、特別遊技状態だけの差枚数の累計値よりもより大きな値を表示することができ、遊技者をより楽しませることができる。
図25(a)のグラフ右端に示すM1は、ART遊技状態における差枚数の最終累計値を示している。同様にM2は、特別遊技状態における差枚数の最終累計値を示している。さらに、双方の遊技状態を通じた差枚数の最終累計値を、M3で示している。一方、図25(b)に示す、遊技者に報知されるメダル獲得数表示の値として、最終的にM3が表示されることが示されている。この値は、特別遊技状態での差枚数の累計値M2と比較して大きな値となるため、遊技者をより楽しませることができる。
ここで、図25中のART遊技状態において、差枚数の累計がマイナスになってしまう場合について考える。この場合、M1の値がマイナスになり、M1とM2を合計したM3の値は、M2の値よりも小さくなってしまう。このため、遊技者を楽しませるどころか、遊技の意欲を減退させてしまうおそれがある。先に説明した図22に示す例では、ART遊技状態でのマイナス分が影響し、最終的に遊技者に報知される差枚数の累計値が特別遊技状態での差枚数の累計値よりも少なくなる例が示されている。これに対して本実施形態のスロットマシン100は、特別遊技状態に移行する際に一旦差枚数の累計値をリセット(0に設定)することによって、特別遊技状態での差枚数の累計値のみを表示している。図23には、図22と同じメダル枚数の増減があった場合に、特別遊技状態における差枚数の累計値が表示されていることが示されている。これによって、遊技に対する意欲が減退してしまう事態を回避することができる。
ここで、上記リセットの条件について、図26を用いて説明する。同図は、図25と同じ状況において、報知されるメダル獲得数の一例を示すグラフである。
本実施形態のスロットマシン100では、所定のリセット条件(RT1又はRT4に移行)が成立し、さらに差枚数の累計値が0未満の場合に差枚数の累計値をリセットしている。仮に上記所定のリセット条件だけが成立した場合に差枚数の累計値をリセットすると、差枚数の累計値がプラスの値であってもリセットされることになる。このため、図26(b)に示すように、一旦ART遊技状態の差枚数累計値であるM1が表示された後、この累計値がリセットされ、続いて特別遊技状態の差枚数累計値であるM2が表示されることになる。従って、図25の例のように、より大きい累計値を表示して遊技者を楽しませることができなくなる。
また、所定のリセット条件を設けない場合、例えば一回の遊技で差枚数の累計値が0になるとすぐにリセットされてしまうことになる。従って、ART遊技状態、あるいは特別遊技状態の全期間通しての差枚数の累計値を導出できなくなってしまう。
これらのことから、本実施形態のスロットマシン100では、所定のリセット条件(RT1又はRT4に移行)が成立し、さらに差枚数の累計値が0未満の場合に差枚数の累計値をリセットする構成を採用している。これによって、所定のリセット条件が成立したときに差枚数の累計値がプラスである場合には、そのまま差枚数を累計することで遊技者をより楽しませることが出来る。また、所定のリセット条件が成立したときに差枚数の累計値がマイナスである場合には、一旦差枚数の累計値をリセットすることによって遊技の意欲が減退しないようにすることができる。
ここで、図16に示す差枚数カウンタ終了判定処理の効果について、具体例とともに説明する。
例えば、再遊技高確率状態(RT4)の終了後、数回の遊技を消化して再遊技高確率状態に再度移行した場合を考える。この場合、それぞれの再遊技高確率状態において獲得したメダル数(差枚数カウンタの値)を表示するよりも、2回の再遊技高確率状態によって獲得したメダル数の合計を表示した方が、遊技者をより楽しませることができる。すなわち、1回目の再遊技高確率状態で獲得したメダルがまだ残っている状態で、2回目の再遊技高確率状態に移行した場合には、そのまま差枚数カウントを継続することが好ましい。以下、AT遊技が3回連続する場合を用いて、この詳細について説明する。
図27(a)は、AT遊技状態が3回連続した場合の差枚数の累計値の変化の一例を示すグラフであり、図27(b)は、図27(a)に示す差枚数の累計値の変化に基づいて、遊技者に報知されるメダル獲得数の変化の一例を示すグラフである。
図27(a)および(b)において横軸は遊技回数を示している。この図27には、1回目のAT遊技状態がX回目の遊技から50回の遊技に亘って設定され、2回目の遊技状態がX+60回目の遊技から50回の遊技に亘って設定され、3回目の遊技状態がX+120回目の遊技から設定されていることが示されている。また、図27(a)の縦軸は差枚数の累計値を示し、図27(b)の縦軸は差枚数の累計値に基づき遊技者に報知されたメダル獲得数を示す。
上記説明したようにAT遊技状態は、内部当選した役を成立させるための停止操作演出が実行される遊技状態である。図19の例では、AT遊技状態がメダルの増加が見込めない場合について説明したが、ここではこのAT遊技状態が、3枚のメダルを投入すると平均6.0枚のメダルが払い出される遊技状態(1遊技当りの平均差枚数が3.0枚)、すなわちメダルの増加が見込める遊技状態であるものとして説明を続ける。
AT遊技状態では、内部当選した役に関する情報が報知されるが、停止操作によって得られる利益に差が生じることに変わりはない。例えば遊技者が初心者の場合には、この報知内容に従ってうまく利益を得ることが出来ないおそれがある。また、内部当選の結果、ハズレの回数が多くなる可能性もある。図27(a)の1回目のAT遊技状態では、このような要因により差枚数の累計値がマイナスの状態になってしまっていることが示されている。
さらに、図27(a)には、1回目のAT遊技状態が終了した後、10回の遊技を挟んで再びAT遊技状態が設定されていることが示されている。なお、この1回目のAT遊技状態と2回目のAT遊技状態の間に、さらに差枚数の累計値が減少していることが示されている。
2回目のAT遊技状態では、差枚数の累計値がマイナスの状態からスタートし、差枚数の累計値が上昇に転じたものとする。図27(a)には、この2回目のAT遊技状態の途中で差枚数の累計値は0になり、2回目のAT遊技状態が終了する際には差枚数の累計値がプラスの状態になっていることが示されている。
さらに、2回目のAT遊技状態が終了した後、差枚数の累計値が減少する10回の遊技を挟んで、3回目のAT遊技状態が設定されたとする。図27(a)には、3回目のAT遊技状態において、さらに差枚数の累計値が上昇していることが示されている。
1回目のAT遊技状態から2回目の遊技状態の途中まで、差枚数の累計値が0未満の期間があるが、このとき差枚数カウンタの値をそのまま表示すると遊技者の興趣を殺ぐことになる。そこで、本実施形態のスロットマシン100ではメダル獲得数として0を表示するようになっている。図27(b)には、差枚数の累計値が0未満のときに表示されるメダル獲得数が0のままであることが示されている。しかし、メダル獲得数の増加を見込んだ遊技者は、期待とは異なる表示がされることにより遊技意欲が減退してしまうおそれがある。また、1回目のAT遊技状態におけるメダルの損失により、最終的に遊技者に表示されるメダルの獲得枚数が減少することも、遊技意欲を減退させる要因となり得る。
図28は、図27と同じ状況において、本実施形態のスロットマシン100で報知されるメダル獲得数の一例を示すグラフである。図28において、メダル数の増減および遊技状態の移行については、図27を用いて説明したものと同じであるものとし、説明を省略する。以下、この図28と図27を比較して、上記リセットの効果について説明する。
この図28(a)には、図27(a)に示す差枚数の変化と同じ変化が示されている。図28(b)には、図28(a)の変化にしたがって、遊技者に報知されるメダル獲得数が変化することが示されている。図27(b)と図28(b)とを比較すると、1回目のAT遊技状態では遊技者に報知されるメダル獲得数は双方とも0である。しかし、2回目のAT遊技状態では、図27(b)では途中までメダル獲得数が0であったものが、図28(b)では最初から右肩上がりに増加している。この違いは、差枚数を累計する基準値を、1回目のAT遊技状態の開始時を基準(図28(b)の差枚数算出基準E参照)としたものから、2回目のAT遊技状態の開始時を基準(図28(b)の差枚数算出基準F参照)としたものに変更したことによるものである。なお、3回目のAT遊技状態の開始時には、差枚数の累計値が0未満ではないため、上記の基準値の変更(リセット)は実行されず、そのまま差枚数カウントが継続される。
差枚数の累計値のリセットについての流れは、図19〜図21、および図22〜図24を用いた説明と重複するため省略する。以下では、一旦AT遊技状態が終了した場合にそのまま差枚数カウントを継続する処理について説明する。
図16に示す差枚数カウンタ終了判定処理は、再遊技高確率状態(RT4)から再遊技低確率状態(RT0)になったとき、または特別遊技状態(RT1)から再遊技低確率状態(RT0)になったときに実行される。この処理では終了枚数カウンタに所定の値(例えば再遊技高確率状態における予想メダル獲得数)が設定され、この値がメダルの増減に伴い増減するようになっている。この終了枚数カウンタの値が0未満になるまで、差枚数カウントフラグをオンにすることにより、差枚数をカウントし続ける。すなわち獲得したメダルを消費し尽くすと想定される期間に亘って、差枚数のカウントを継続させるようにしている。
本実施形態のスロットマシン100では、図16に示すステップS909で設定された終了枚数カウンタの値によって、差枚数のカウントを継続させることができる。この差枚数のカウントが継続されている間に再度遊技状態が特別遊技状態(RT1)および再遊技高確率状態(RT4)に移行した場合や、AT遊技状態になった場合に、差枚数カウントをさらに継続させることができる。すなわち、上記非通常遊技状態が複数回に亘っても差枚数カウントを実行し続けることができ、より多くの獲得メダル枚数を表示して遊技者の興趣を高めることができる。なお、70枚以下のメダルしか獲得していない場合には、差枚数カウンタの値が0未満の状態で差枚数のカウントが継続される可能性があるが、この場合には図15に示すステップS805によって差枚数カウンタの値が0にリセットされることになる。
上記説明では、AT遊技状態の間に非AT遊技状態を挟んだ場合について説明したが、非AT遊技状態を挟むことなくAT遊技状態が連続する構成であってもよい。なお、この場合、2回目に設定されるAT遊技状態が、1回目の第1AT遊技状態よりも遊技者に有利な第2AT遊技状態に切り替えられたことを、上記リセットの成立条件の一つとしてもよい。この構成によれば、第1AT遊技状態で差枚数の累計値が0未満であっても第2AT遊技状態におけるメダル獲得数の表示によって遊技者の意欲が減退する事態を防ぐことができる。また、第1AT遊技状態で差枚数の累計値が0以上であった場合には、第1AT遊技状態から第2AT遊技状態に亘る差枚数の累計値を遊技者に表示することができる。これにより、第2AT遊技状態における差枚数の累計値だけを表示する場合よりも、より大きい値を遊技者に表示して遊技を楽しませることができる。
ここで、図29を用いて、上記のスロットマシン100が、2回目のAT遊技状態に移行した時点で差枚数の累計がプラスである場合について考える。図29(a)は、3回のAT遊技状態が連続している場合に、差枚数の累計値の変化の一例を示すグラフであり、(b)は、(a)に示す差枚数の累計値の変化に基づいて、遊技者に報知されるメダル獲得数の変化の一例を示すグラフである。なお、図29(a)は、図27(a)の1回目のAT遊技状態における差枚数の累計値の変化を異ならせたものである。より具体的には、図27(a)では差枚数の累計値が減少しているのに対し、図29(a)では差枚数の累計値が増加している点が異なる。
この図29に示すように差枚数の累計値が変化した場合、1回ごとのAT遊技状態の差枚数の累計値を表示するよりも、3回のAT遊技状態全てに亘る差枚数の累計値を表示すれば、より大きな値を表示することができ、遊技者をより楽しませることができる。
図29(a)のグラフ右端に示すM7は、3回のAT遊技状態全てに亘る差枚数の累計値を示している。また、1回目のAT遊技状態における差枚数の累計値がM4として、2回目のAT遊技状態における差枚数の累計値がM5として、3回目のAT遊技状態における差枚数の累計値がM6として、それぞれ示されている。一方、図29(b)に示す、遊技者に報知されるメダル獲得数表示の値として、最終的にM7が表示されることが示されている。この値は、各AT遊技状態での差枚数の累計値M4〜M6と比較して大きな値となるため、遊技者をより楽しませることができる。
ここで、図29中の1回目のAT遊技状態において、差枚数の累計がマイナスになってしまう場合について考える。この場合、3回のAT遊技状態に亘る差枚数の累計値は、2回目から3回目のAT遊技状態に亘る差枚数の累計値よりも小さくなってしまう。このため、遊技者を楽しませるどころか、遊技の意欲を減退させてしまうおそれがある。先に説明した図27に示す例では、1回目のAT遊技状態でのマイナス分が影響し、最終的に遊技者に報知される差枚数の累計値が、2回目から3回目のAT遊技状態に亘る差枚数の累計値よりも少なくなる例が示されている。これに対して本実施形態のスロットマシン100は、2回目のAT遊技状態に移行する際に一旦差枚数の累計値をリセット(0に設定)することによって、2回目から3回目のAT遊技状態に亘る差枚数の累計値のみを表示している。図28には、図27と同じメダル枚数の増減があった場合に、2回目から3回目のAT遊技状態に亘る差枚数の累計値が表示されていることが示されている。これによって、遊技に対する意欲が減退してしまう事態を回避することができる。
ここで、上記リセットの条件について、図30を用いて説明する。同図は、図29と同じ状況において、報知されるメダル獲得数の一例を示すグラフである。
本実施形態のスロットマシン100では、所定のリセット条件(RT1又はRT4に移行)が成立し、さらに差枚数の累計値が0未満の場合に差枚数の累計値をリセットしている。仮に上記所定のリセット条件だけが成立した場合に差枚数の累計値をリセットすると、差枚数の累計値がプラスの値であってもリセットされることになる。このため、図30(b)に示すように、一旦AT遊技状態の差枚数累計値であるM4(又はM5)が表示された後、再度AT遊技状態が設定された際にこの累計値がリセットされ、次のAT遊技状態の差枚数累計値であるM5(又はM6)が表示されることになる。従って、図29の例のように、より大きい累計値を表示して遊技者を楽しませることができなくなる。
また、所定のリセット条件を設けない場合、例えば一回の遊技で差枚数の累計値が0になるとすぐにリセットされてしまうことになる。従って、AT遊技状態、ART遊技状態、あるいは特別遊技状態の全期間通しての差枚数の累計値を導出できなくなってしまう。
これらのことから、本実施形態のスロットマシン100では、所定のリセット条件(RT1又はRT4に移行)が成立し、さらに差枚数の累計値が0未満の場合に差枚数の累計値をリセットする構成を採用している。これによって、所定のリセット条件が成立したときに差枚数の累計値がプラスである場合には、そのまま差枚数を累計することで遊技者をより楽しませることが出来る。また、所定のリセット条件が成立したときに差枚数の累計値がマイナスである場合には、一旦差枚数の累計値をリセットすることによって遊技の意欲が減退しないようにすることができる。
ここで、上記説明した連続するAT遊技状態の間の非AT遊技状態の扱いについて、図31を用いて説明する。同図は、図29と同じ状況において、報知されるメダル獲得数の一例を示すグラフである。 上記説明では、非AT遊技状態でメダルが減少する例について説明した。このように、メダルの増加が見込めない遊技状態を挟んだ場合において、この間のメダルの獲得数が表示された場合、メダルが減少していくことが明確になり、遊技者の興趣が減退する虞がある。これを防止するため、例えば、メダルの増加が見込めない遊技状態を挟んだ状態で差枚数カウントが継続していても、このメダルの増加が見込めない遊技状態の間は、メダルの獲得数を表示しないようにしてもよい。図31(b)には、各AT遊技状態の間の期間は、メダル獲得数が表示されていないことが示されている。これによって、メダルの減少によって遊技者の興趣が減退することを防ぐことができる。
一方、遊技者が、図29に示すような連続するAT遊技状態の全機関に亘りメダルの獲得数が表示されることを知っている場合、AT遊技状態が終了した後にメダルの獲得数を表示し続けることにより、再度AT遊技状態が開始するのではないかという期待を抱かせ、遊技を楽しませることができるという面もある。このため、AT遊技状態の終了後のメダルの増加が見込めない遊技状態においては、例えばメダルの獲得数の表示の可否を決定する抽選を行うようにしてもよい。
なお、図31の例では、AT遊技状態に挟まれた遊技状態について説明したが、他の遊技状態であってもよい。例えば、図20の例において、AT遊技状態とART遊技状態の間に他の遊技状態を挟んだ場合や、図23の例において、ART遊技状態と特別遊技状態の間に他の遊技状態を挟んだ場合にも適用できる。
ここまで、図19〜図31を用いて本実施形態のスロットマシン100の特徴的な動作のうち、リセットの効果を中心に説明した。本実施形態のスロットマシン100の特徴として、他に、差枚数の累計値がマイナスの間は0を表示するという動作がある。以下、この点について説明する。
図32(a)は、図27(a)と同じ差枚数の累計値の変化の一例を示すグラフであり、図32(b)は、図32(a)に示す差枚数の累計値の変化に基づいて、遊技者に報知されるメダル獲得数の変化の一例を示すグラフである。
上述の図27(b)では、差枚数のリセットが実行されない場合における、差枚数の累計値の表示の変化について説明した。この図27(b)には、差枚数の累計値がマイナスの間は0を表示するという動作によって、差枚数が0未満のときに表示されるメダル獲得数が0のままであることが示されている。
一方、図32(b)には、差枚数の累計値がマイナスの間は0を表示するという動作がない場合のメダル獲得数の表示の変化が示されている。この図では、差枚数の累計値がマイナスになっている間、その累計値がそのまま表示されることが示されている。この場合、遊技者は現在メダルを損失している状態であることを明確に知らされることになり、遊技の興趣が減退する虞がある。上記説明した本実施形態のスロットマシン100では、差枚数の累計値がマイナスの場合は0を表示するように構成されているため、遊技者にメダルの減少感を与えることがなく、遊技の興趣を減退させないようにすることができる。
上記図32では、差枚数のリセットが実行されない場合を例に説明したが、差枚数のリセットが実行される場合であっても同様の効果がある。以下、図33を用いて説明する。同33(a)は、図27(a)と同じ差枚数の累計値の変化の一例を示すグラフであり、図33(b)は、図33(a)に示す差枚数の累計値の変化に基づいて、遊技者に報知されるメダル獲得数の変化の一例を示すグラフである。
この図33(b)では、2回目のAT遊技状態が開始した時点で、差枚数の累計値が0未満であることにより差枚数の累計値がリセットされている。しかし、このリセットがされるまでの累計値は0未満である。図33(b)には、リセットされる前の差枚数の累計値が、そのまま表示されていることが示されている。この場合には、上記図32(b)の場合と同様に、遊技の興趣が減退する虞がある。上記説明したように本実施形態のスロットマシン100では、差枚数の累計値が0未満の場合は0を表示する(図28(b)参照)ため、リセット以前において遊技者にメダルの減少感を与えてしまうことを防止することができる。
以上、図32、図33を用いて、差枚数の累計値が0未満の場合は0を表示することによる効果について説明した。ここで、これまで図19〜図33を用いた説明について補足する。
上記図19〜図33を用いた説明では、遊技者がメダルの増加を期待する遊技状態を非通常遊技状態として説明し、より具体例には、AT遊技状態、ART遊技状態、特別遊技状態の3つについて説明した。これらの遊技状態の開始時点でメダル獲得数がマイナス表示されると、遊技意欲が損なわれる虞がある。特に、本来遊技者を楽しませるはずの遊技状態においてこのような状態になることは好ましくない。さらには、このマイナス表示によって直前の遊技状態においてメダルが減少したことが示されるため、気持ちを切り替えて遊技を楽しむことができなくなるおそれもある。特に図32に示す場合においては、2回目のAT遊技状態になる際に、1回目のAT遊技状態と同様にメダルが減少してしまうことを恐れてしまい、遊技を楽しめなくなる可能性がある。
上記図19〜図33を用いて説明したように、本実施形態のスロットマシン100では、差枚数の累計値が0未満の場合は0を表示し、遊技者がメダルの増加を見込める遊技状態になった際に、差枚数の累計値が0未満であれば差枚数をリセットすることで、上記の問題を解決している。ここで、上記のリセットを行った場合、あるいは差枚数の累計値が0未満の場合に0を表示する場合のいずれの場合においても、遊技者がメダルの増加を見込める遊技状態になった時点で、差枚数の累計値が0未満の場合は0を表示するようにしている点が共通している。したがって、遊技者がメダルの増加を見込める遊技状態になった時点で、差枚数の累計値が0未満の場合は0を表示するようにしてもよい。この構成によれば、新たに開始される遊技状態の開始時点において、以前のメダル減少により減退した遊技意欲を引きずらないようにすることができる。
上記説明したスロットマシン100では、1回の遊技毎に使用したメダルの数と付与されたメダルの数の差を計算し、この値の累計値に基づいて遊技者にメダル獲得数を表示している例について説明した。このメダル獲得数の計算方法は、上記説明した方法に限定されるものではなく、様々な方法を取り得る。
例えば、1回の遊技毎に使用したメダルの数と付与されたメダルの数をそれぞれ累計しておき、必要に応じて適宜これらの差を計算して、メダル獲得数の表示に用いてもよい。なお、メダル獲得数として使用される値がマイナスになる場合には、その値を無視し、例えば0として扱ってもよい。また、例えば、使用したメダルの累計値が付与されたメダルの累計値を上回る場合、そもそも差を計算することなしに、メダル獲得数として0を表示するような処理を実行させるようにしてもよい。また、1回の遊技毎に使用したメダルの数と付与されたメダルの数の差を計算する場合においては、前回遊技までの累計値と当該遊技の使用メダル数と付与メダル数の差とを比較した結果に基づいて、すなわち差を計算することなしに、メダル獲得数として0を表示するような処理を実行させるようにしてもよい。
上記説明した本実施形態のスロットマシン100では、リセットによって差枚数カウンタの値を0に設定する例について説明したが、リセット後の値を利用できるものであればよく、例えば、リセットがあった時点で2つ目の差枚数カウンタが動作するようにしてもよい。この構成によれば、2つ目の差枚数カウンタに基づいてメダル獲得数の表示をすれば遊技意欲の減退を防止することができ、必要であればリセットがされなかった場合のメダル獲得数を表示させることもできる。
<実施形態2>
以下、図面を用いて、本発明の第2の実施形態に係るパチンコ機100’について説明する。
<全体構成>
まず、図34を用いて、本発明の第2の遊技台の実施形態に係るパチンコ機100’の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100’を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100’は、外部的構造として、外枠102’と、本体104’と、前面枠扉106’と、球貯留皿付扉108’と、発射装置110’と、遊技盤200’と、をその前面に備える。
外枠102’は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
本体104’は、内枠と呼ばれ、外枠102’の内部に備えられ、ヒンジ部112’を介して外枠102’に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体104’は、枠状に形成され、内側に空間部114’を有している。また、本体104’が開放された場合、本体104’の開放を検出する不図示の内枠開放センサを備える。
前面枠扉106’は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100’の前面側となる本体104’の前面に対しヒンジ部112’を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。なお、この前面枠扉106’には、開口部にガラス製又は樹脂製の透明板部材118’が設けられ、前面側には、スピーカ120’や枠ランプ122’が取り付けられている。前面枠扉106’の後面と遊技盤200’の前面とで遊技領域124’を区画形成する。また、前面枠扉106’が開放された場合、前面枠扉106’の開放を検出する不図示の前面枠扉開放センサを備える。
球貯留皿付扉108’は、パチンコ機100’の前面において本体104’の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉108’は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110’へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126’と、上皿126’に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128’と、遊技者の操作によって上皿126’に貯留された遊技球を下皿128’へと排出させる球抜ボタン130’と、遊技者の操作によって下皿128’に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132’と、遊技者の操作によって発射装置110’へと案内された遊技球を遊技盤200’の遊技領域124’へと打ち出す球発射ハンドル134’と、遊技者の操作によって各種演出装置206’の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136’と、チャンスボタン136’を発光させるチャンスボタンランプ138’と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140’と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142’と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144’と、を備える。また、下皿128’が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。
発射装置110’は、本体104’の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134’が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146’と、遊技球を発射杆146’の先端で打突する発射槌148’と、を備える。
遊技盤200’は、前面に遊技領域124’を有し、本体104’の空間部114’に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104’に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域124’は、遊技盤200’を本体104’に装着した後、開口部から観察することができる。
図35は、図34のパチンコ機100’を背面側から見た外観図である。
パチンコ機100’の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150’と、この球タンク150’の下方に位置し、球タンク150’の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152’に導くためのタンクレール154’とを配設している。
払出装置152’は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154’を通過して払出装置152’内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152’の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600’へ出力する。なお、この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100’の表側に配設した上皿126’に到達するように構成しており、パチンコ機100’は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
払出装置152’の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300’を構成する主基板156’を収納する主基板ケース158’、主制御部300’が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400’を構成する第1副基板160’を収納する第1副基板ケース162’、第1副制御部400’が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500’を構成する第2副基板164’を収納する第2副基板ケース166’、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600’を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168’を備える払出基板170’を収納する払出基板ケース172’、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630’を構成する発射基板174’を収納する発射基板ケース176’、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部660’を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178’と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部300’に出力するRWMクリアスイッチ180’とを備える電源基板182’を収納する電源基板ケース184’、および払出制御部600’とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186’を配設している。
図36は、遊技盤200’を正面から見た略示正面図である。
遊技盤200’には、外レール202’と内レール204’とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124’を区画形成している。また、この外レール202’と内レール204’の間を通って遊技領域124’に入った遊技球を検知するための使用球検知センサ(不図示)が設けられている。
遊技領域124’の略中央には、演出装置206’を配設している。この演出装置206’には、略中央に装飾図柄表示装置208’を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210’と、第1特別図柄表示装置212’と、第2特別図柄表示装置214’と、普通図柄保留ランプ216’と、第1特別図柄保留ランプ218’と、第2特別図柄保留ランプ220’と、高確中ランプ222’を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
演出装置206’は、演出可動体224’を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
装飾図柄表示装置208’は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208’は、左図柄表示領域208a’、中図柄表示領域208b’、右図柄表示領域208c’および演出表示領域208d’の4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a’、中図柄表示領域208b’および右図柄表示領域208c’はそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208d’は演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a’、208b’、208c’、208d’の位置や大きさは、装飾図柄表示装置208’の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208’として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。なお、この装飾図柄表示装置208’は、本発明の第2の遊技台における表示手段の一例に相当する。
普図表示装置210’は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212’および第2特図表示装置214’は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ216’は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ218’および第2特図保留ランプ220’は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ222’は、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、この演出装置206’の周囲には、所定の球進入口、例えば、一般入賞口226’と、普図始動口228’と、第1特図始動口230’と、第2特図始動口232’と、可変入賞口234’を配設している。
一般入賞口226’は、本実施例では遊技盤200’に複数配設しており、この一般入賞口226’への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226’に入賞した場合)、払出装置152’を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿126’に排出する。上皿126’に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226’に入球した球は、パチンコ機100’の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施例では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口228’は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124’の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施例では遊技盤200’の左側に1つ配設している。普図始動口228’を通過した球は一般入賞口226’に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228’を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100’は、普図表示装置210’による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口230’は、本実施例では遊技盤200’の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口230’への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置152’を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126’に排出するとともに、第1特図表示装置212’による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口230’に入球した球は、パチンコ機100’の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口232’は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では第1特図始動口230’の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口232’は、左右に開閉自在な羽根部材232a’を備え、羽根部材232a’の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210’が当り図柄を停止表示した場合に羽根部材232a’が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口232’への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152’を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126’に排出するとともに、第2特図表示装置214’による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232’に入球した球は、パチンコ機100’の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口234’は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施例では遊技盤200’の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口234’は、開閉自在な扉部材234a’を備え、扉部材234a’の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材234a’が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口234’への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152’を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126’に排出する。なお、可変入賞口234’に入球した球は、パチンコ機100’の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236’や、遊技釘238’を複数個、配設していると共に、内レール204’の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100’の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口を設けている。
このパチンコ機100’は、遊技者が上皿126’に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146’および発射槌148’によって外レール202’、内レール204’を通過させて遊技領域124’に打ち出す。そして、遊技領域124’の上部に到達した球は、打球方向変換部材236’や遊技釘238’等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226’、可変入賞口234’)や始動口(第1特図始動口230’、第2特図始動口232’)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228’を通過するのみでアウト口240’に到達する。
<演出装置206’>
次に、パチンコ機100’の演出装置206’について説明する。
この演出装置206’の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242’およびステージ244’を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224’を配設している。また、演出装置206’の背面側には、装飾図柄表示装置208’および遮蔽装置246’(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206’において、装飾図柄表示装置208’および遮蔽手段は、ワープ装置242’、ステージ244’、および演出可動体224’の後方に位置することとなる。
ワープ装置242’は、演出装置206’の左上方に設けたワープ入口242a’に入った遊技球を演出装置206’の前面下方のステージ244’にワープ出口242b’から排出する。
ステージ244’は、ワープ出口242b’から排出された球や遊技盤200’の釘などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244’の中央部には、通過した球が第1特図始動口230’へ入球し易くなるスペシャルルート244a’を設けている。
演出可動体224’は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部224a’と前腕部224b’とからなり、肩の位置に上腕部224a’を回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部224b’を回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体224’は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置208’の前方を移動する。
遮蔽装置246’は、格子状の左扉246a’および右扉246b’からなり、装飾図柄表示装置208’および前面ステージ244’の間に配設する。左扉246a’および右扉246b’の上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246a’および右扉246b’は、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽手段は、左扉246a’および右扉246b’を閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208’を視認し難いように遮蔽する。左扉246a’および右扉246b’を開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208’の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208’の表示の全てを視認可能である。また、左扉246a’および右扉246b’は、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246a’および右扉246b’は、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208’の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208’による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208’を全く視認不可にしてもよい。
<制御部>
次に、図37を用いて、このパチンコ機100’の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100’の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300’と、主制御部300’が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400’と、第1副制御部400’より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500’と、主制御部300’が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630’と、パチンコ機100’に供給される電源を制御する電源制御部660’と、によって構成している。なお、主制御部300’は、本発明の第2の遊技台における始動情報導出手段、当否判定手段、および遊技状態設定手段の一例に相当する。また、第1副制御部400’は、本発明の第2の遊技台における表示制御手段の一例に相当する。
<主制御部>
まず、パチンコ機100’の主制御部300’について説明する。
主制御部300’は、主制御部300’の全体を制御する基本回路302’を備えており、この基本回路302’には、CPU304’と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306’と、一時的にデータを記憶するためのRAM308’と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310’と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312’と、プログラム処理の異常を監視するWDT314’を搭載している。なお、ROM306’やRAM308’については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400’についても同様である。この基本回路302’のCPU304’は、水晶発信器316’が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302’には、水晶発信器316’が出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路318’(この回路には2つのカウンタを内臓しているものとする)と、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口を通過する遊技球を検出するセンサや、前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ、および使用球検知センサを含む各種センサ320’が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路318’および基本回路302’に出力するためのセンサ回路322’と、所定の図柄表示装置、例えば第1特図表示装置212’や第2特図表示装置214’の表示制御を行うための駆動回路324’と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置210’の表示制御を行うための駆動回路326’と、各種状態表示部328’(例えば、普図保留ランプ216’、第1特図保留ランプ218’、第2特図保留ランプ220’、高確中ランプ222’等)の表示制御を行うための駆動回路330’と、所定の可動部材、例えば第2特図始動口232’の羽根部材232a’や可変入賞口234’の扉部材234a’等を開閉駆動する各種ソレノイド332’を制御するための駆動回路334’を接続している。
なお、第1特図始動口230’に球が入賞したことを球検出センサ320’が検出した場合には、センサ回路322’は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路318’に出力する。この信号を受信したカウンタ回路318’は、第1特図始動口230’に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口230’に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路318’は、第2特図始動口232’に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口232’に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口232’に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302’には、情報出力回路336’を接続しており、主制御部300’は、この情報出力回路336’を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350’にパチンコ機100’の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300’には、電源制御部660’から主制御部300’に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338’を設けており、この電圧監視回路338’は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302’に出力する。
また、主制御部300’には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340’を設けており、CPU304’は、この起動信号出力回路340’から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300’は、第1副制御部400’にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600’にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400’および払出制御部600’との通信を可能としている。なお、主制御部300’と第1副制御部400’および払出制御部600’との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300’は第1副制御部400’および払出制御部600’にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400’および払出制御部600’からは主制御部300’にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機100’の第1副制御部400’について説明する。第1副制御部400’は、主に主制御部300’が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400’の全体を制御する基本回路402’を備えており、この基本回路402’には、CPU404’と、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406’と、一時的にデータを記憶するためのRAM408’と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410’と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412’を搭載している。この基本回路402’のCPU404’は、水晶発信器414’が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。なお、ROM406’は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
また、基本回路402’には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416’と、各種ランプ418’(例えば、チャンスボタンランプ138’)の制御を行うための駆動回路420’と、遮蔽装置246’の駆動制御を行うための駆動回路432’と、遮蔽装置246’の現在位置を検出する遮蔽装置センサ430’と、チャンスボタン136’の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426’と、遮蔽装置センサ430’やチャンスボタン検出センサ426’からの検出信号を基本回路402’に出力するセンサ回路428’と、CPU404’からの信号に基づいてROM406’に記憶された画像データ等を読み出してVRAM436’のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208’に画像を表示するVDP434’(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)と、を接続している。
次に、パチンコ機100’の第2副制御部500’について説明する。第2副制御部500’は、第1副制御部400’が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500’の全体を制御する基本回路502’を備えており、この基本回路502’は、CPU504’と、一時的にデータを記憶するためのRAM508’と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510’と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512’を搭載している。基本回路502’のCPU504’は、水晶発振器514’が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第2副制御部500’の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506’が設けられている。
また、基本回路502’には、演出可動体224’の駆動制御を行うための駆動回路516’と、演出可動体224’の現在位置を検出する演出可動体センサ424’と、演出可動体センサ424’からの検出信号を基本回路502’に出力するセンサ回路518’と、遊技盤用ランプ532’の制御を行うための遊技盤用ランプ駆動回路530’と、遊技台枠用ランプ542’の制御を行うための遊技台枠用ランプ駆動回路540’と、遊技盤用ランプ駆動回路530’と遊技台枠用ランプ駆動回路540’との間でシリアル通信による点灯制御を行うシリアル通信制御回路520’と、を接続している。
<払出制御部、発射制御部、電源制御部>
次に、パチンコ機100’の払出制御部600’、発射制御部630’、電源制御部660’について説明する。
払出制御部600’は、主に主制御部300’が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置152’の払出モータ602’を制御すると共に、払出センサ604’が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606’を介して、パチンコ機100’とは別体で設けられたカードユニット608’との通信を行う。
発射制御部630’は、払出制御部600’が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134’内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134’の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆146’および発射槌148’を駆動する発射モータ632’の制御や、上皿126’から発射装置110’に球を供給する球送り装置634’の制御を行う。
電源制御部660’は、パチンコ機100’に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300’、第1副制御部400’等の各制御部や払出装置152’等の各装置に供給する。さらに、電源制御部660’は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300’のRAM308’等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源制御部660’から払出制御部600’と第2副制御部500’に所定電圧を供給し、払出制御部600’から主制御部300’と第2副制御部500’と発射制御部630’に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
<図柄の種類>
次に、図38(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100’の第1特別図柄表示装置212’、第2特別図柄表示装置214’、装飾図柄表示装置208’、普通図柄表示装置210’が停止表示する特図および普図の種類について説明する。図38(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。
第1特図始動口230’に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、第2特図始動口232’に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212’は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214’は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が本発明にいう図柄の変動表示の一例に相当する。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間(本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第1特別図柄表示装置212’は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間(これも本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第2特別図柄表示装置214’は特図2の停止図柄態様を停止表示する。したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが本発明にいう図柄変動停止表示の一例に相当し、以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称する。後述するように、図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。図38(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」までの10種類の特図が示されている。図38(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当り図柄であり、「特図B」は15R大当り図柄である。本実施形態のパチンコ機100’では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当り遊技終了後および15R大当り遊技終了後はいずれも時短状態に移行する。時短については詳しくは後述するが、時短状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、時短状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当り図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当り図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に付与する利益量が相対的に大きな利益量になる図柄である。
「特図C」は突然確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図A」と比べて、「特図C」は2Rである点が異なる。「特図D」は突然時短と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図B」と比べて、「特図D」は2Rである点が異なる。
「特図E」は隠れ確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図低確率状態である。「特図F」は突然通常と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図低確率状態である。これら「特図E」および「特図F」はいずれも、2Rであるとともに、時短状態に移行しない状態である。
「特図G」は第1小当り図柄であり、「特図H」は第2小当り図柄であり、何れも特図低確率普図低確率状態である。ここにいう小当りは、2R時短無し大当りと同じものに相当する。すなわち、この「特図G」、「特図H」は「特図F」と同じ状態であるが、両者では装飾図柄表示装置208’に表示される演出が異なり、あえて、同じ状態でも「特図G」、「特図H」と「特図F」を設けておくことで、遊技の興趣を高めている。
また、「特図I」は第1はずれ図柄であり、「特図J」は第2はずれ図柄であり、遊技者に付与する利益量が相対的に小さな利益量になる図柄である。
なお、本実施形態のパチンコ機100’には、15R特別大当り図柄として「特図A」以外の図柄も用意されており、15R大当り図柄等の他の図柄についても同様である。
図38(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230’または第2特図始動口232’に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230’に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口232’に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208’の左図柄表示領域208a’、中図柄表示領域208b’、右図柄表示領域208c’の各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、「特図B」の15R大当りを報知する場合には、図柄表示領域208a’〜208c’に15R大当りに対応する、同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾2−装飾2−装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当りを報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)を停止表示する。
また、「特図E」の隠れ確変と称される2R大当り、「特図F」の突然通常と称される2R大当り、あるいは「特図G」の第1小当り、「特図H」の第2小当りを報知する場合には、「装飾1−装飾2−装飾3」を停止表示する。さらに、「特図C」の突然確変と称される2R大当り、あるいは「特図D」の突然時短と称される2R大当りを報知する場合には、「装飾1−装飾3−装飾5」を停止表示する。
一方、「特図I」の第1はずれ、「特図J」の第2はずれを報知する場合には、図柄表示領域208a’〜208c’に図36(b)に示す図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示する。
図38(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、外れ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228’を球が通過したことを上述のゲートセンサが検出したことに基づいて、普通図柄表示装置210’は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図B」を停止表示する。この図38(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
<主制御部メイン処理>
次に、図39を用いて、主制御部300’のCPU304’が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300’には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340’を設けている。この起動信号を入力した基本回路302’のCPU304’は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306’に予め記憶している制御プログラムに従って図39に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップS101’では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304’のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310’の初期設定、RAM308’に記憶する各種変数の初期設定、WDT314’への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314’に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS103’では、WDT314’のカウンタの値をクリアし、WDT314’による時間計測を再始動する。
ステップS105’では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338’が、電源制御部660’から主制御部300’に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304’が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103’に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304’が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107’に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103’に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105’は繰り返し実行される。
ステップS107’では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312’に設定する処理、I/O310’の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400’への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308’への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS109’では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300’の基本回路302’を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS113’)に進む。
具体的には、最初に、電源基板に設けたRWMクリアスイッチ180’を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302’を初期状態にすべくステップS113’に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308’に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302’を初期状態にすべくステップS113’に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308’の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS111’に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100’を初期状態にすべくステップS113’に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS113’に進む。
ステップS111’では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308’に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308’に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304’が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100’は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS115’内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図37に示す主制御部300’における基本回路302’に搭載されているRAM308’には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111’では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300’のタイマ割込処理におけるステップS233’において、第1副制御部400’へ送信される。
ステップS113’では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308’の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300’のRAM308’に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300’の初期化処理(ステップS113’)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300’のタイマ割込処理におけるステップS233’において、第1副制御部400’へ送信される。
ステップS115’では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、および特図タイマ乱数値それぞれを生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308’に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。なお、初期値生成用乱数カウンタは、後述するステップS207’でも更新する。
主制御部300’は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、ステップS115’の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図40を用いて、主制御部300’のCPU304’が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300’は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312’を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201’では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304’の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS203’では、WDT314’のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314’を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS205’では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310’の入力ポートを介して、上述の前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ、各種の球検出センサを含む各種センサ320’の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308’に各種センサ320’ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308’に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308’に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308’に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS205’では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS205’では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図37に示す主制御部300’のROM306’には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS205’では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226’、可変入賞口234’、第1特図始動口230’、および第2特図始動口232’への入球、または普図始動口228’の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口226’、234’やこれらの始動口230’、232’、228’への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226’への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226’へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226’への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226’への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300’のROM306’には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
ステップS207’およびステップS209’では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS115’で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300’で使用する、普図当選乱数値、特図1乱数値、および特図2乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308’に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308’に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。また、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308’に設けている。なお、本実施形態では特図1の乱数値を取得するためのカウンタと特図2の乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けたが、同一のカウンタを用いてもよい。
ステップS211’では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300’で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップS213’では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210’に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特別図柄表示装置212’に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置214’に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS215’では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口226’、234’や始動口230’、232’、228’に入賞があった場合に、RAM308’に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS217’では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1特図始動口230’、第2特図始動口232’、普図始動口228’および可変入賞口234’への入賞があったか否かを判定する。ここでは、ステップS203’における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。第1特図始動口230’へ入賞があった場合且つRAM308’に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、カウンタ回路318’の当選用カウンタ値記憶用レジスタから値を特図1当選乱数値として取得するとともに特図1乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図1乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。第2特図始動口232’へ入賞があった場合且つRAM308’に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、カウンタ回路318’の当選用カウンタ値記憶用レジスタから値を特図2当選乱数値として取得するとともに特図2乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図2乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。普図始動口228’へ入賞があった場合且つRAM308’に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を普図当選乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。可変入賞口234’へ入賞があった場合には、可変入賞口用の入賞記憶領域に、可変入賞口234’に球が入球したことを示す情報を格納する。
ステップS219’では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部600’に出力する出力予定情報および払出要求情報は、例えば1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS221’では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普通図柄表示装置210’を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210’は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210’を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、外れ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210’を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300’のRAM308’には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210’は、当り図柄(図38(c)に示す普図A)および外れ図柄(図38(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM308’に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308’の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口232’の羽根部材232a’の開閉駆動用のソレノイド332’に、羽根部材232a’を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308’に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド332’に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308’に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM308’の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果が外れであれば、後述するように、普図外れフラグがオンされる。この普図外れフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308’の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223’に移行するようにしている。
ステップS223’では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口232’の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308’に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210’に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308’に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308’に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS225’)。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、第2特別図柄表示装置214’を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214’は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。
また、コマンド設定送信処理(ステップS233’)で回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
また、主制御部300’のRAM308’には、15R大当りフラグ、2R大当りフラグ、第1小当りフラグ、第2小当りフラグ、第1はずれフラグ、第2はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には図38(a)に示す特図A、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図B、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には特図C、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図D、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオンの場合には特図E、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグもオフの場合には特図F、第1小当りフラグがオンの場合には特図G、第2小当りフラグがオンの場合には特図H、第1はずれフラグがオンの場合には特図I、第2はずれフラグがオンの場合には特図Iそれぞれの態様となるように、第2特別図柄表示装置214’を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308’の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214’は、15R特別大当り図柄(特図A)、15R大当り図柄(特図B)、突然確変図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当り図柄(特図G)、第2小当り図柄(特図H)、第1はずれ図柄(特図I)、および第1はずれ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308’に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308’に設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフする。
また、コマンド設定送信処理(ステップS233’)で回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308’に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208’による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308’に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233’)で入賞演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234’に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234’の扉部材234a’の開閉駆動用のソレノイド332’に、扉部材234a’を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308’に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233’)で大入賞口開放設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234’の扉部材234a’の開閉駆動用のソレノイド332’に、扉部材234a’を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308’に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233’)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施例では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208’による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308’に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当り遊技の終了と同時に、RAM308’に設けられた時短回数記憶部に時短回数100回をセットするともに、RAM308’に設けられた時短フラグをオンする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、時短回数記憶部に時短回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンすることもない。ここにいう時短とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機が遊技者にとって有利な状態になることをいう。この時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に大当りする可能性が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間および特図変動遊技の変動時間は短くなる。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、第2特別始動口232’の一対の羽根部材232a’の1回の開放における開放時間が長くなりやすい。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、一対の羽根部材232a’は多く開きやすい。また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当り遊技中に普図高確率状態であると、大当り遊技中に可変入賞口234’に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図始動口232’に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233’)で終了演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308’の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果が外れであれば、後述するように、はずれフラグがオンされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308’の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次のステップS227’に移行するようにしている。
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227’)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
ステップS225’およびステップS227’における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(ステップS229’)、その後で、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(ステップS231’)。これらの特図関連抽選処理についても、主制御部300’が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、装飾図柄表示装置208’による、特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、第1副制御部400’によって行われ、第2特図始動口232’への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、第1特図始動口230’への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。
ステップS233’では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400’に送信される。なお、第1副制御部400’に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、FRAMクリアコマンド、各始動口入球コマンド、入賞口入球コマンド、可変入賞口入球コマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口230’への入賞の有無、第2特図始動口232’への入賞の有無、可変入賞口234’への入賞の有無などを含む。
また、上述の回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308’に記憶している、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
上述の回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308’に記憶している、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308’に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208’・各種ランプ418’・スピーカ120’に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
上述の終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308’に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208’・各種ランプ418’・スピーカ120’に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
上述の大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータにRAM308’に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
上述の大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータにRAM308’に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。また、このステップS233’では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM308’の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(事前予告情報、偽事前予告情報、または事前予告無情報のいずれか)を設定する。
第1副制御部400’では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300’における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS235’では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308’に記憶している遊技情報を、情報出力回路336’を介してパチンコ機100’とは別体の情報入力回路350’に出力する。
ステップS237’では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS205’において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、所定のエラーの有無、例えば前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400’に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド332’を駆動して第2特図始動口232’や、可変入賞口234’の開閉を制御したり、表示回路324’、326’、330’を介して普通図柄表示装置210’、第1特別図柄表示装置212’、第2特別図柄表示装置214’、各種状態表示部328’などに出力する表示データを、I/O310’の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219’)で設定した出力予定情報を出力ポート(I/O310’)を介して第1副制御部400’に出力する。
ステップS239’では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243’に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS241’に進む。
ステップS241’では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201’で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、図39に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS243’では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308’の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図39に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部400’の処理>
図41を用いて、第1副制御部400’の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400’のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400’のストローブ割込み処理のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部400’のタイマ変数更新割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第1副制御部400’の画像制御処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずSC01で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408’内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS303’では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305’の処理に移行する。
ステップS305’では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS307’では、コマンド処理を行う。第1副制御部400’のCPU404’は、主制御部300’からコマンドを受信したか否かを判別する。ここで、主制御部300’から各始動口入球コマンド、入賞口入球コマンド、可変入賞口入球コマンド、を受信した場合には、各コマンドに対応する処理を実行する。
ステップS309’では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS307’で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406’から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS311’では、チャンスボタンの押下を検出していた場合、ステップS309’で更新した演出データをチャンスボタンの押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
ステップS313’では、ステップS309’で読み出した演出データの中にVDP434’への命令がある場合には、この命令をVDP434’に出力する(詳細は後述)。
ステップS315’では、ステップS309’で読み出した演出データの中に音源IC416’への命令がある場合には、この命令を音源IC416’に出力する。
ステップS317’では、ステップS309’で読み出した演出データの中に各種ランプ418’への命令がある場合には、この命令を駆動回路420’に出力する。
ステップS319’では、ステップS309’で読み出した演出データの中に遮蔽装置246’への命令がある場合には、この命令を駆動回路432’に出力する。
ステップS321’では、ステップS309’で読み出した演出データの中に第2副制御部500’に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS303’へ戻る。
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400’のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400’が、主制御部300’が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS323’では、主制御部300’が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408’に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400’のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400’は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS325’では、図41(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303’において説明したRAM408’のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303’において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS327’では、ステップS319’で設定された第2副制御部500’への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、同図(d)を用いて、第1副制御部400’のメイン処理におけるステップS313’の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
ステップS329’では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU404’は、まず、VRAM436’の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置208’に表示される。次に、CPU404’は、VDP434’のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM406’の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM436’の転送先アドレス)などを設定した後、ROM406’からVRAM436’への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP434’は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM406’からVRAM436’に転送する。その後、VDP436’は、転送終了割込信号をCPU404’に対して出力する。
ステップS331’では、VDP434’からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS333’に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS333’では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU404’は、ステップS329’でVRAM436’に転送した画像データに基づいてVRAM436’の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436’の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434’に指示する。VDP434’はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS335’では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU404’は、VDP434’に画像の描画開始を指示する。VDP434’は、CPU404’の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS337’では、画像の描画終了に基づくVDP434’からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS339’に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップS339’では、RAM408’の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<第2副制御部500’の処理>
図42を用いて、第2副制御部500’の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部500’のCPU504’が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500’のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500’のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS401’では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS401’で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM508’内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS403’では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS405’の処理に移行する。
ステップS405’では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS407’では、コマンド処理を行う。第2副制御部500’のCPU504’は、第1副制御部400’のCPU404’からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS409’では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS407’で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506’から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS411’では、第1副制御部400’からの遊技盤用ランプ532’や遊技台枠用ランプ542’への命令がある場合には、この命令をシリアル通信制御回路520’に出力する。
ステップS413’では、第1副制御部400’からの演出可動体224’への命令がある場合には、この命令を駆動回路516’に出力し、ステップS403’に戻る。
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500’のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500’が、第1副制御部400’が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS415’では、第1副制御部400’が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508’に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500’のCPU504’によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500’は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第2副制御部タイマ割込処理のステップS417’では、図41(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS403’において説明したRAM508’のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS403’において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
第2副制御部タイマ割込処理のステップS419’では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
以下、上記説明した内容を踏まえ、本実施形態のパチンコ機100’の特徴的な動作について、適宜図面を参照しながら説明する。
従来のパチンコ機は、遊技の興趣を高めるため、遊技者の有利度を異ならせた複数の遊技状態を設けた上で、このうちの一つを選択して設定している。ここで説明の便宜のため、これらの遊技状態を通常遊技状態と非通常遊技状態とに区分する。
通常遊技状態とは、例えば、遊技状態の中で遊技者に最も不利な遊技状態や、設定されている期間が最も長い遊技状態が該当する。より具体的には、遊技媒体が減少する遊技状態、普図低確率状態(以下、電サポがない遊技状態と称する場合がある)、さらには特図低確率普図低確率状態などがある。
上記通常遊技状態に対し、非通常遊技状態とは、例えば、通常遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態や、通常遊技状態よりも遊技球の増加が見込める遊技状態が該当する。より具体的には、特図大当り状態、特図小当り状態、普図当りに基づく遊技状態、特図高確率状態(普図低確率、普図高確率のいずれでもよい)、普図高確率状態などがある。
ここで、上述したスロットマシンの場合と同様に、例えば、上記非通常遊技状態が連続した場合に、この期間に獲得した遊技球の累計値に基づいて、遊技者が獲得した遊技球の数を報知する場合について説明する。これらの連続した非通常遊技状態において、それぞれ遊技球を獲得した場合、各遊技状態における獲得数をそれぞれ表示するよりも、合計した獲得数を表示した方が遊技者をより楽しませることができる。このため、非通常遊技状態が連続する場合に遊技球の獲得数を表示させることが考えられるが、この間に獲得した遊技球の累計値が0未満になってしまう場合もある。この具体例について、図面を用いて説明する。なお、本実施形態のパチンコ機100’では、遊技球の獲得数を装飾図柄表示装置208’を用いて表示するものとして説明を続ける。この際、表示態様は例えば図21、図24における液晶表示装置157のように、図柄変動表示の邪魔にならないようにしておくことが好ましい。
図43(a)は、2Rの大当り状態から普図高確率状態(電サポ状態)に移行し、その後15Rの大当り状態になった場合の、獲得した遊技球の数の変化の一例を示す図である。図43(b)は、図43(a)に示す遊技球の数の変化に基づいて、遊技者に表示される遊技球の獲得数の一例を示す図である。なお、図中の電サポ状態とは、特図低確率普図高確率状態、特図高確率普図高確率状態の両方を含む意味である。
まず大当り状態は、遊技球の増加が見込まれる遊技状態である。図43(a)には、最初の2Rの大当り状態において、遊技球の獲得数が増加していることが示されている。
2Rの大当り状態に続く普図高確率状態は、特図低確率普図低確率状態(通常遊技状態)よりも特図始動口に入球しやすい状態であるが、必ずしも遊技球を獲得できるわけではない。図43(a)には、普図高確率状態(電サポ状態)において、遊技球が減少していることが示されている。本実施形態のパチンコ機100’では、遊技球が獲得できていない(マイナスの状態)であることを表示して遊技意欲が減退してしまわないように、獲得した遊技球の数として0を表示している。図43(b)には、普図高確率状態(電サポ状態)において、獲得した遊技球の数として0を表示していることが示されている。
続いて、15Rの大当り状態になると、遊技球の獲得数が再び増加に転じる。図43(a)には、15Rの大当り状態において、遊技球の獲得数が増加していることが示されている。しかし、直前の普図高確率状態(電サポ状態)において遊技球の獲得数がマイナスになっているため、このマイナス分と同じ数の遊技球を獲得するまでは遊技球の獲得数がプラスにならない。本実施形態のパチンコ機100’では、遊技球の獲得数がプラスに転じるまでの間においても、遊技球の獲得数にマイナスを表示して遊技意欲が減退してしまわないように、獲得した遊技球の数として0を表示している。図43(b)には、普図高確率状態(電サポ状態)において、獲得した遊技球の数として0を表示していることが示されている。
その後、遊技球の獲得数がプラスに転じると、その値が表示される。図43(b)には、大当り状態のうち、遊技球の獲得数がプラスに転じた時点からその値が表示されていることが示されている。
大当り状態は、遊技者が遊技球の獲得を期待する期間である。しかし、上記の場合、大当り状態になってからしばらくの間遊技球の獲得数の表示が0の状態が続く。このため、遊技者の遊技意欲が減退してしまう虞がある。本実施形態のパチンコ機100’は、上述のスロットマシン100と同様に遊技球の獲得数をリセットすることによってこの問題を解決するようにしたものである。以下、この詳細について図44を用いて説明する。
図44は、図43と同じ状況において、本実施形態のパチンコ機100’で報知される遊技球の獲得数の一例を示すグラフである。図44において、メダル数の増減および遊技状態の移行については、図43を用いて説明したものと同じであるものとし、説明を省略する。以下、この図44と図43を比較して、上記リセットの効果について説明する。
この図44(a)には、図43(a)に示すの遊技球の獲得数の変化と同じ変化が示されている。図44(b)には、図44(a)の変化にしたがって、遊技者に報知される遊技球の獲得数が変化することが示されている。図43(b)と図44(b)とを比較すると、普図高確率状態(電サポ状態)では遊技者に報知される遊技球の獲得数は双方とも0である。しかし、大当り状態では、図43(b)では途中まで遊技球の獲得数が0であったものが、図44(b)では最初から右肩上がりに増加している。この違いは、遊技球の獲得数を累計する基準値を、普図高確率状態の開始時を基準(図44(b)の差枚数算出基準G参照)としたものから、大当り状態の開始時を基準(図44(b)の差枚数算出基準H参照)としたものに変更したことによるものである。
以上図43、図44を用いて、遊技者が遊技球を獲得することが見込める遊技状態である2R大当り状態と15R大当り状態が連続する場合について、これらの期間に亘って獲得した遊技球を累計しつつ、遊技球が減少してしまった場合には15R大当りからの遊技球の獲得数を表示する構成について説明した。すなわち、本実施形態のパチンコ機100’は、上述のスロットマシン100と同様に、遊技者が遊技球を獲得することが見込める遊技状態が連続する場合において、遊技球が減少してしまった場合における遊技意欲の減退を防ぐことができる。なお、上記リセットは、遊技球の獲得数がプラスの場合には実行されない。したがってこの場合は、図25の場合と同様に複数の遊技状態に亘る遊技球の獲得数を表示することができる。
なお、図43、図44において、2R大当りと16大当りは、確変当り、通常当りのいずれであってもよく、また、小当りや、普図の当りであってもよい。さらに、2R大当りと15R大当りの間に挟まれていた普図高確率状態(電サポ状態)は、特図低確率普図高確率、又は特図高確率普図高確率のいずれであってもよく、通常遊技状態であってもよい。この通常遊技状態は、より具体的には、大当り、小当り、普図当りの成立から所定回数の抽選が実行されるまでの期間であってもよい。さらにこの通常遊技状態は、2R大当たり後の隠れ確変(特図高確率普図低確率状態、図38(a)の特図E参照)であってもよい。また、図27での説明と同様に、この期間の遊技球の獲得数を表示しないようにしてもよい。
従来のパチンコ機では、特図変動遊技の変動時間として長さの異なる変動時間を複数設けた上で、この変動時間を抽選により決定するものがある。これにより様々なパターンの図柄変動停止表示が可能になり、遊技者を楽しませている。さらにこのようなパチンコ機には、大当り終了後の所定回数の図柄変動停止表示がされるまでの所定期間に限り、この所定期間を除く通常遊技状態で導出される変動時間と比較して長めあるいは短めの変動時間を導出したり、この所定期間を除く通常遊技状態で導出される変動時間とは異なる変動時間を導出したりするものがある。この構成では、この所定期間において、遊技者に期待を抱かせる演出を行うことで、再度大当りが設定されるのではないかという期待を抱かせることができる。上記図43、図44において2R大当りと15R大当りの間に挟まれていた普図高確率状態(電サポ状態)は、上記説明した所定期間であってもよい。例えば、大当り、小当り、普図当りの成立によって所定の変動時間テーブルが用いられる期間であってもよい。
上記説明したように、本実施形態のパチンコ機100’は、上述のスロットマシン100と同様に、遊技球の増加が見込める期間において、遊技者が獲得した遊技球の数を表示装置208’に表示して遊技者を楽しませることを目的としている。このため、本実施形態のパチンコ機100’は、上述の使用球検知センサによって、使用された遊技球の数を計測できるように構成され、また、付与された遊技球の数を入賞口入球コマンドおよび始動口入球コマンドに基づいて算出できるように構成されている。具体的には、遊技球が通過した始動口の種類に基づいて、付与される遊技球の数を導出し、その値を逐次累計する。なお、例えば付与される遊技球の数を示す情報をコマンドによって送信し、この情報に基づいて付与される遊技球の数を導出してもよい。また、払出される遊技球の数をセンサによってカウントしてもよい。一方、入賞演出開始コマンドの受信した時点での遊技球の獲得数に基づいて、リセット条件が成立したか否かが判定される。なお、上記構成は一例であって、例えば、発射された遊技球の数、および遊技領域に打ち出されずに戻された遊技球の数をそれぞれセンサでカウントし、使用される遊技球の数を導出してもよい。また、払出し制御部からの払出し信号に基づいて、付与される遊技球の数を導出してもよい。
なお、本実施形態のパチンコ機100’の特徴は、上述のスロットマシン100で説明した特徴と同様である。したがって、上述したスロットマシン100における応用形態は、本実施形態のパチンコ機100’にも適用し得る。
以上の説明では、
遊技媒体を使用して遊技に関する抽選を行い、該抽選の結果に基づいて遊技媒体を付与する遊技台(スロットマシン100)であって、
特定の遊技状態(AT遊技状態、ART遊技状態、特別遊技状態(ボーナス))を設定する遊技状態設定手段(主制御部300)と、
前記遊技状態設定手段により前記特定の遊技状態が設定されている期間を含む所定期間における遊技媒体の増減数に関する表示を行う表示手段(液晶表示装置157)と、
前記表示手段を制御する表示制御手段(第1副制御部400)と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記遊技状態設定手段により前記特定の遊技状態が設定され、前記増減数が零以下となる場合には、零を表示するように前記表示手段を制御し、
前記遊技状態設定手段により前記特定の遊技状態が設定され、前記増減数が零を上回る場合には、前記増減数を表示するように前記表示手段を制御すること(図19〜図33参照)を特徴とする遊技台、が記載されている。
また、
使用した遊技球が所定の領域(可変入賞口234’、一般入賞口226’、第1特図始動口230’、第2特図始動口232’)に進入したことに基づいて遊技球を付与する遊技台(パチンコ機100’)であって、
特定の遊技状態を設定する遊技状態設定手段(主制御部300’)と、
前記遊技状態設定手段により前記特定の遊技状態が設定されている期間を含む所定期間における遊技球の増減数に関する表示を行う表示手段(装飾図柄表示装置208’)と、
前記表示手段を制御する表示制御手段(第1副制御部400’)と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記遊技状態設定手段により前記特定の遊技状態が設定され、前記増減数が零以下となる場合には、零を表示するように前記表示手段を制御し、
前記遊技状態設定手段により前記特定の遊技状態が設定され、前記増減数が零を上回る場合には、前記増減数を表示するように前記表示手段を制御すること(図43、図44参照)を特徴とする遊技台、が記載されている。